説明

受信装置およびセル特定方法

【課題】セルサーチ処理を軽減すること。
【解決手段】基地局装置100に、自装置に割り当てられている基地局スクランブリングコードと対応する系列セットに含まれる複数の系列を掛け合わせたパイロットシンボルが先頭および末尾の少なくともいずれか一方に配置されたフレームを形成するフレーム構成部130と、形成されたフレームを送信する無線送信部155と、を設けた。フレームの受信側においてそのフレームに含まれるパイロットシンボルの位置からフレームタイミングを検出することができ、さらに基地局スクランブリングコードと複数の系列を含む系列セットとが対応づけられていることからパイロットシンボルに掛け合わされている系列を検出することにより多くとも系列セットに含まれる系列の組み合わせの数の基地局スクランブリングコードに候補が絞られるためセルサーチ処理を軽減することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受信装置およびセル特定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話などの移動局は、電源投入時やハンドオーバ時には、セル(基地局)を適宜選択して利用することにより通信することができる。移動局がセルを選択することは、セルサーチと呼ばれる。セルサーチにおいては、移動局が電源投入時に接続すべき最適なセルを選択する。具体的には、各セルは固有のスクランブリングコードによって識別されており、セルサーチは、下り回線において最も受信電力の大きな信号を送信するセルのスクランブリングコードを移動局が検出することにより行われる。
【0003】
これに関連した従来技術としては、例えば、OFCDM(Orthogonal Frequency and Code Division Multiplexing)方式での、3段階初期セルサーチ方式がある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
特許文献1に記載された従来技術では、スクランブリングコードをいくつかのグループにグルーピングすることで、高速にスクランブリングコードを検出することができる。具体的には、第1段階においてガードインターバル相関によるシンボルタイミングを検出し、第2段階において、時間的に隣接するOFDMシンボル間の相関演算を行ってフレームタイミングおよびコードグループを同時検出し、第3段階において、第2段階で検出したコードグループに属するスクランブリングコード候補の中から相関演算によりスクランブリングコードを同定する。
【0005】
図18にOFCDMの従来のフレーム構成を示す。図18に示すようにフレーム境界においてパイロットシンボルが時間軸方向で連続しており、フレーム末尾のパイロットシンボルには、スクランブリングコードのグループを示すコードグループ系列が乗算されている。
【0006】
図19は移動局で行われるセルサーチの従来の第2段階処理を示している。移動局は、隣接するシンボル間での差動復調により抽出される系列とコードグループ全候補のコードグループ系列との相関演算を行うことによりフレームタイミングおよびスクランブリングコードグループの検出を行う。この隣接パイロットシンボル間の最大相関値が得られるコードグループ系列及びタイミングを検出することによりコードグループとフレームタイミングが同時に検出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−244763号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来技術では、第2段階にてすべてのコードグループ候補を用いてスクランブリングコードグループを同定し、第3段階にて同定されたスクランブリングコードグループに属するすべてのスクランブリングコード候補を用いて相関演算を行ってスクランブリングコードを同定するため、スクランブリングコード同定までの演算量が増大する問題がある。
【0009】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、セルサーチ処理を軽減することができる受信装置およびセル特定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の態様に係る基地局装置は、自装置に割り当てられている基地局スクランブリングコードが所属するコードグループに対応する系列セットに含まれる複数の系列を掛け合わせたパイロットシンボルを先頭および末尾の少なくともいずれか一方に配置してフレームを形成するフレーム形成手段と、形成された前記フレームを送信する送信手段と、を具備する構成を採る。
【0011】
本発明の第2の態様に係る移動局装置は、基地局スクランブリングコードが所属するコードグループに対応する系列セットに含まれる複数の系列を掛け合わせたパイロットシンボルが先頭および末尾の少なくともいずれか一方に配置されたフレームを受信する受信手段と、前記基地局スクランブリングコードと前記系列セットとが対応づけられた対応テーブルと、前記系列の全候補を前記フレームに掛け合わせて相関をとる相関手段と、前記相関手段にて得られる相関値に基づいて、フレームタイミングおよび前記パイロットシンボルに掛け合わされた複数の系列を検出する系列セット検出手段と、前記検出された系列を含む前記系列セットに対応するスクランブリングコードの候補を前記対応テーブルに基づいて特定し、前記スクランブリングコード候補の中から前記基地局スクランブリングコードを検出する基地局スクランブリングコード検出手段と、を具備する構成を採る。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、セルサーチ処理を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の形態1に係る基地局装置の構成を示すブロック図
【図2】実施の形態1の対応テーブルの一構成例を示す図
【図3】実施の形態1のフレーム構成の説明に供する図
【図4】実施の形態1に係る移動局装置の構成を示すブロック図
【図5】図4の隣接シンボル相関部およびコードグループ系列相関部の動作の説明に供する図
【図6】図4の移動局装置の動作の説明に供するフロー図
【図7】実施の形態2に係る移動局装置の構成を示すブロック図
【図8】図7の移動局装置の動作の説明に供するフロー図
【図9】実施の形態3に係る基地局装置の構成を示すブロック図
【図10】実施の形態3のフレーム構成の説明に供する図
【図11】実施の形態3に係る移動局装置の構成を示すブロック図
【図12】図11の移動局装置の動作の説明に供するフロー図
【図13】実施の形態4に係る移動局装置の構成を示すブロック図
【図14】実施の形態5に係る移動局装置の構成を示すブロック図
【図15】実施の形態5の対応テーブルの一構成例を示す図
【図16】図14の移動局装置の動作の説明に供するフロー図
【図17】実施の形態6に係る移動局装置の構成を示すブロック図
【図18】従来の基地局装置の送信フレームフォーマット
【図19】従来の移動局装置のセルサーチの動作を示す図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、実施の形態において、同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明は重複するので省略する。
【0015】
(実施の形態1)
図1に示すように実施の形態1の基地局装置100は、符号化部105と、変調部110と、パイロット信号生成部115と、コードグループ系列生成部120と、コードグループ系列乗算部125と、フレーム構成部130と、スクランブリングコード生成部135と、スクランブル部140と、IFFT部145と、GI挿入部150と、無線送信部155と、無線受信部160と、GI除去部165と、FFT部170と、復調部175と、復号部180とを有する。
【0016】
符号化部105は、送信信号(DCHなど)を入力し、所定の符号化を行い符号化後の信号を変調部110に出力する。
【0017】
変調部110は、符号化部105からの符号化後の信号を入力し、サブキャリア単位で所定の一次変調(一般的には、送信信号に係るQoSや無線チャネル状態に応じた一次変調)を行い、変調後の信号をフレーム構成部130に出力する。
【0018】
パイロット信号生成部115は、すべてのセルにおいて共通のパイロット信号(CPICH)を生成し、生成したパイロット信号をコードグループ系列乗算部125に出力する。
【0019】
コードグループ系列生成部120は、スクランブリングコード生成部135からスクランブリングコード番号が入力される。そして、コードグループ系列生成部120では、スクランブリングコード番号とコードグループ系列セットとの対応テーブル(図2参照)を参照し、フレーム末尾のパイロット(CPICH)に乗算すべき、コードグループ系列セットを選択する。そして、コードグループ系列生成部120は、選択したスクランブリングコードグループ系列セットをコードグループ系列乗算部125に出力する。ここで、図2に示す対応テーブルは、各基地局装置100に固有のスクランブリングコードと、このスクランブリングコードに割り当てられたコードグループ系列セットとが対応づけられている。このコードグループ系列セットは、複数のコードグループ系列(一種類である場合も含まれる)から構成されている。また、本実施の形態にて使用するコードグループ系列は、互いに直交する直交系列である。なお、ここでは、従来のシステムにおけるコードグループ系列を用いたがこれに限定されるものではなく、互いに直交する直交系列であればよい。ただし、従来のシステムにおいて既に用意されている直交系列を用いることにより、本発明のシステムのために直交系列を用意する必要がないので、システム構築に際しての負担の軽減を図ることができる。
【0020】
コードグループ系列乗算部125は、コードグループ系列生成部120からのコードグループ系列セットを入力する。そして、コードグループ系列乗算部125は、パイロット信号生成部115からのパイロット信号に対してコードグループ系列セットを構成するコードグループ系列のすべてを乗算する。そして、コードグループ系列乗算部125は、パイロット信号そのものと、パイロット信号にコードグループ系列を乗算した系列との2つの系列をフレーム構成部130に出力する。
【0021】
フレーム構成部130は、変調部110より変調後の信号が入力され、コードグループ系列乗算部125よりパイロット信号およびコードグループ系列が乗算されたパイロット信号が入力される。そして、フレーム構成部130は、先頭にパイロット信号、末尾にはコードグループ系列が乗算されたパイロット信号が配置され、残りには変調後の信号(データ)が配置される構成を持つフレームを形成する(図3参照)。そして、フレーム構成部130は、サブキャリア数NのシンボルであるOFDMシンボルを単位として、OFDMシンボルを出力する。
【0022】
スクランブリングコード生成部135は、基地局装置100に固有のスクランブリングコード番号に応じて、スクランブリングコードを生成する。そして、スクランブリングコード生成部135は、スクランブリングコード番号をコードグループ系列生成部120に出力するとともに、生成したスクランブリングコードをスクランブル部140に出力する。
【0023】
スクランブル部140は、スクランブリングコード生成部135よりスクランブリングコードが入力され、フレーム構成部130からOFDMシンボル単位で送信データが入力され、OFDMシンボルごとにスクランブリングコードを乗算してスクランブルを行う。スクランブル後の送信データはIFFT部145に出力される。
【0024】
IFFT部145は、スクランブル部140からスクランブルされた送信データが入力され、周波数領域の信号を時間領域の信号に変換してマルチキャリア波信号を生成し、マルチキャリア波信号をGI(Guard Interval)挿入部150に出力する。
【0025】
GI挿入部150は、OFDMシンボルごとにガードインタバルを挿入し、ガードインタバル挿入後の信号を無線送信部155に出力する。
【0026】
無線送信部155は、GI挿入部150からガードインタバル挿入後の信号を入力し、アップコンバートなどのRF処理を行い、アンテナを介して送信する。
【0027】
無線受信部160は、アンテナを介して移動局装置からの信号を受信し、ダウンコンバートなどのRF処理を行い、RF処理後の信号をGI除去部165に出力する。
【0028】
GI除去部165は、無線受信部160からRF処理後の信号を入力し、ガードインタバルを除去してFFT部170に出力する。
【0029】
FFT部170は、GI除去部165からガードインタバル除去後のOFDM受信信号が入力され、時間領域の信号を周波数領域の信号に変換してマルチキャリア波から各サブキャリア信号を取り出す。そして、FFT後の信号は、復調部175に出力される。
【0030】
復調部175は、FFT部170からFFT後の信号が入力され、サブキャリア毎に復調を行う。サブキャリア復調された信号は、復号部180に出力される。
【0031】
復号部180は、復調部175から復調後の信号が入力され、適切な誤り訂正復号を行って受信信号を取り出す。
【0032】
図4に示すように実施の形態1の移動局装置200は、受信制御部205と、無線受信部210と、シンボルタイミング検出部215と、GI除去部220と、FFT処理部225と、隣接シンボル相関部230と、コードグループ系列レプリカ生成部235と、コードグループ系列相関部240と、フレームタイミング/コードグループ検出部245と、スクランブリングコード同定部250と、スクランブリングコードレプリカ生成部255と、デスクランブリング部260と、復号部265と、CRCチェック部270と、符号化部275と、変調部280と、GI挿入部285と、無線送信部290とを有する。
【0033】
受信制御部205は、移動局装置200の状態、すなわち初期セルサーチモードの第何段階であるか若しくは通常受信モードであるかなど、又はコード同定の成否に応じて無線受信部210からの出力信号の出力先に関して制御する。具体的には、無線受信部210に対して出力先命令信号を出力して無線受信部210からの出力信号の出力先を制御する。この出力先命令信号の内容としては、移動局装置200の状態が初期セルサーチモードの第1段階である場合にはシンボルタイミング検出部215が出力先である旨の内容となり、第1段階以外である場合にはGI除去部220が出力先である旨の内容となる。
【0034】
無線受信部210は、アンテナを介して基地局装置100からの信号を受信し、ダウンコンバートなどのRF処理を行う。そして、無線受信部210は、上記受信制御部205からの出力先命令信号が示す出力先に対してRF処理後の信号を出力する。
【0035】
シンボルタイミング検出部215は、移動局装置が初期セルサーチモードであるときに無線受信部210からRF処理後の信号が入力される。シンボルタイミング検出部215は、ガードインタバル相関をとり、OFDMシンボルにおけるガードインターバルの相関特性を利用して、OFDMシンボルタイミングを検出する。このOFDMシンボルタイミングは、すなわちFFTを施すためのFFTウィンドウタイミングである。なお、ガードインタバル相関はシンボル単位で実施するが、相関値を1フレームにわたって平均化することによりシンボルタイミング検出の精度を高めることができる。そして、シンボルタイミング検出部215は、検出したシンボルタイミングの結果をGI除去部220に出力するとともに、シンボルタイミングを検出したこと、すなわちセルサーチの第1段階が終了したことを通知するための第1段階終了通知信号を受信制御部205に出力する。
【0036】
GI除去部220は、シンボルタイミング検出部215からのOFDMシンボルタイミングに従って、RF処理後の受信信号からガードインタバルを除去し、FFT処理部225に出力する。
【0037】
FFT処理部225は、GI除去部220からのガードインタバル除去後の受信信号を、OFDMシンボル単位で入力し、この入力信号に対してFFT処理を施す。そして、FFT処理部225は、受信制御部205からの出力先命令信号に応じた出力先にFFT処理後の信号を出力する。具体的には、FFT処理部225は、現在の移動局装置200の状態がセルサーチの第2段階である場合には、隣接シンボル相関部230が出力先である旨の出力先命令信号が入力され、FFT処理後の信号を隣接シンボル相関部230に出力する。また、FFT処理部225は、現在の移動局装置200の状態がセルサーチの第3段階である場合には、スクランブリングコード同定部250が出力先である旨の出力先命令信号が入力され、FFT処理後のパイロット信号が含まれるOFDMシンボルであってフレームの先頭に配置されているOFDMシンボルをスクランブリングコード同定部250に出力する。このフレームの先頭に配置されているパイロット信号が含まれるOFDMシンボルにはスクランブリングコードのみが掛けられており、コードグループ系列は掛けられていない。また、FFT処理部225は、受信制御部205より上記隣接シンボル相関部230が出力先である出力先命令信号およびスクランブリングコード同定部250が出力先である旨の出力先命令信号以外の出力先命令信号を入力するときには、FFT処理後の信号をデスクランブリング部260に出力する。
【0038】
隣接シンボル相関部230は、FFT処理部225からFFT処理後の信号を入力し、時間的に連続する2つのOFDMシンボル間で相関をとった相関系列を算出する(図5参照)。この相関系列の算出は、後に相関系列とコードグループ系列レプリカの相関値の平均化を行うためにnフレームにわたり行われる。そして、算出した相関系列は、コードグループ系列相関部240に出力される。
【0039】
コードグループ系列レプリカ生成部235は、システムにおいて予め定められているすべてのコードグループ系列を生成し、コードグループ系列相関部240に出力する。
【0040】
コードグループ系列相関部240は、図5に示すように、隣接シンボル相関部230にて算出された相関系列およびコードグループ系列レプリカ生成部235からのコードグループ系列を入力し、相関系列とすべてのコードグループ系列との相関演算を行う。この相関演算はnフレームについて行われ、フレームにおける時間的位置が同じOFDMシンボルから算出された相関系列とコードグループ系列とから求められるn個の相関値について平均をとる。そして、コードグループ系列相関部240は、平均化された相関値をすべてフレームタイミング/コードグループ検出部245に出力する。
【0041】
フレームタイミング/コードグループ検出部245は、コードグループ系列相関部240から平均化された相関値を入力し、この中で最大の値をとる最大相関値を検出する。そして、フレームタイミング/コードグループ検出部245は、最大相関値が得られるフレームにおけるタイミングおよびその最大相関値を求める際に掛け合わせたコードグループ系列を記憶する。
【0042】
そして、フレームタイミング/コードグループ検出部245は、最大相関値の値から所定の方法により、コードグループ系列セットの他のコードグループ系列を検出するのに利用するしきい値を算出する。具体的には、例えば最大相関値の値から所定の値X[dB]を引いた値を上記しきい値とする。そして、フレームタイミング/コードグループ検出部245は、算出したしきい値を用いて、残りの相関値の中でこのしきい値を越えている相関値の中から最大の相関値を検出する。そして、上記記憶した最大相関値を除き、最大の値を持ち且つしきい値を越える値を持つ相関値に対応するフレームにおけるタイミングおよびこの相関値を求める際に掛け合わせたコードグループ系列を記憶する。なお、しきい値を越える相関値が最大相関値以外にない場合には、フレームを送信してきた基地局装置100において掛け合わされコードグループ系列セットは、1種類のコードグループ系列からなるものである。このときには、フレームタイミング/コードグループ検出部245は、既に記憶しておいた最大相関値が得られるフレームにおけるタイミングを受信制御部205に出力するとともに、最大相関値に対応するコードグループ系列をスクランブリングコード同定部250に出力する。
【0043】
また、フレームタイミング/コードグループ検出部245は、しきい値を越える相関値が最大相関値以外にもある場合には、上記記憶した最大相関値を除き最大の値を持ち且つしきい値を越える値を持つ相関値に対応するフレームにおけるタイミングと、最大相関値が得られるフレームにおけるタイミングとが一致するか否かを判定する。つまり、値が大きい2つの相関値に対応するタイミングが一致するか否かを判定する。なお、本実施の形態では、コードグループ系列セットが2つのコードグループ系列から構成されていることを前提とするので、値の大きい2つの相関値について上述のようにフレームにおけるタイミングとその相関値に対応するコードグループ系列とを検出した。しかしながら、コードグループ系列セットを構成するコードグループ系列の数は2つに限定されるものではなく2より多くてもよい。その際には、そのコードグループ系列の数に応じて検出する相関値の数を増加させればよい。
【0044】
判定の結果、上記2つの相関値に対応するタイミングが一致していない場合には、フレームタイミング/コードグループ検出部245は、セルサーチの第2段階が失敗したと判定し、第2段階に失敗したことを示す第2段階失敗信号を受信制御部205に出力する。上記2つの相関値に対応するタイミングが一致していない場合にセルサーチの第2段階が失敗したと判定するのは、基地局装置100においてフレームの末尾のOFDMシンボルに配置されたパイロット信号にコードグループ系列セットが掛け合わされていることから、セルサーチの第2段階が成功しているためには上記2つの相関値に対応するタイミングが一致している必要があるからである。
【0045】
一方、判定の結果、上記2つの相関値に対応するタイミングが一致する場合には、フレームタイミング/コードグループ検出部245は、第2段階のフレームタイミングの検出が成功したと判定し、検出したフレームタイミングを受信制御部205に出力するとともに、検出した上記2つの相関値に対応するコードグループ系列を識別するコードグループ系列識別情報(例えば、コードグループ系列番号)をスクランブリングコード同定部250に出力する。ここで、本実施の形態においては、第3段階に進む段階でスクランブリングコードの候補は既に2つに絞られおり、第3段階に進む段階では第2段階で特定されたグループコードに対応する16のスクランブルコードに絞られているだけであった従来のセルサーチ方法に比べて、処理量が軽減されている。
【0046】
スクランブリングコード同定部250は、フレームタイミング/コードグループ検出部245からのコードグループ系列識別情報に対応するスクランブリングコードを特定する。
【0047】
具体的には、スクランブリングコード同定部250は、フレームタイミング/コードグループ検出部245からのコードグループ系列識別情報が1種類のみである場合には、このコードグループ系列識別情報に対応するスクランブリングコードは一意に特定できるので、特定したスクランブリングコードの識別情報をスクランブリングコードレプリカ生成部255に出力し、これに応じて生成されたスクランブリングコードレプリカをデスクランブリング部260に出力する。
【0048】
また、スクランブリングコード同定部250は、フレームタイミング/コードグループ検出部245からのコードグループ系列識別情報が2種類である場合には、これらのコードグループ系列の組み合わせから特定されるスクランブリングコードの候補が2つ存在することになる。そこで、この2つのスクランブリングコード候補の識別情報をスクランブリングコードレプリカ生成部255に出力し、これに応じて生成されたスクランブリングコードレプリカを受け取る。そして、スクランブリングコード同定部250は、FFT処理部225から受け取るフレームの先頭に位置するパイロット信号を含むOFDMシンボルに対して、スクランブリングレプリカ生成部255から受け取るスクランブリングコードレプリカを各々掛け合わせ相関演算を行う。そして、求められた相関値の中で最も大きい値が得られるスクランブリングコードレプリカがスクランブリングコードであると同定し、同定したスクランブリングコードをデスクランブリング部260に出力する。
【0049】
なお、上記スクランブリングコード同定部250におけるスクランブリングコードの同定には、種々の方法がある。例えば、FFT処理部225からフレームの先頭に位置するパイロット信号を含むOFDMシンボルをnフレームにわたって受け取り、このn個のパイロット信号に対して、スクランブリングレプリカ生成部255から受け取るスクランブリングコードレプリカを各々掛け合わせ相関演算を行い、それぞれについて平均化を行う。そして、求められた相関値の平均値の中で最も大きい値が得られるスクランブリングコードレプリカがスクランブリングコードであると同定してもよい。
【0050】
スクランブリングコードレプリカ生成部255は、スクランブリングコード同定部250からのスクランブリングコードの識別情報に対応するスクランブリングコードを生成し、スクランブリングコードレプリカとしてスクランブリングコード同定部250に出力する。
【0051】
デスクランブリング部260は、FFT処理部225からのFFT処理後の信号を入力し、スクランブリングコード同定部250から受け取るスクランブリングコードを掛け合わせてデスクランブルを行い、デスクランブル後の信号を復号部265に出力する。
【0052】
復号部265は、デスクランブル後の信号を入力し、適切な誤り訂正復号を行って誤り訂正復号結果をCRCチェック部270に出力する。
【0053】
CRCチェック部270は、復号部265からの誤り訂正復号結果に対してCRCエラーチェックを行い、エラーがない場合には、初期セルサーチを完了したと判定する。一方、エラーが存在する場合には、CRCチェック部270は、再度初期セルサーチを第1段階からやり直すべく、受信制御部205に対してCRCエラーチェック結果を出力する。なお、このエラーが存在したときに出力されるCRCエラーチェック結果を受け取ると、受信制御部205は、シンボルタイミング検出部215が出力先である旨の出力先命令信号を無線受信部210に出力することとなる。
【0054】
符号化部275は、DCHなどの送信信号を入力し、所定の符号化を施し、符号化後の信号を変調部280に出力する。
【0055】
変調部280は、符号化後の信号が入力され、送信信号に係るQoSや無線チャネル状態に応じた変調を行い、変調後の信号を無線送信部290に出力する。
【0056】
無線送信部290は、変調後の信号を入力し、アップコンバートなどのRF処理を行い、アンテナを介して送信する。
【0057】
次いで上記構成を有する移動局装置200の動作について図6を参照して説明する。
【0058】
ステップST1001において、移動局装置200のシンボルタイミング検出部215が、ガードインタバル相関をとり、OFDMシンボルにおけるガードインターバルの相関特性を利用して、OFDMシンボルタイミングを検出する。これが初期セルサーチの第1段階である。
【0059】
初期セルサーチ第2段階のステップST1002において、隣接シンボル相関部230は、FFT処理部225からFFT処理後の信号を入力し、時間的に連続する2つのOFDMシンボル間で相関をとった相関系列を算出する。相関系列の算出は、フレーム内の全シンボルタイミングで行う。
【0060】
ステップST1003において、コードグループ系列相関部240は、隣接シンボル相関部230にて算出された相関系列およびコードグループ系列レプリカ生成部235からのコードグループ系列を入力し、相関系列とすべてのコードグループ系列との相関演算を行う。なお、この相関演算は、nフレームの全シンボルタイミングについて行われる。
【0061】
ステップST1004において、コードグループ系列相関部240は、フレームにおける時間的位置が同じOFDMシンボルから算出された相関系列とコードグループ系列とから求められるn個の相関値について平均をとる。つまり、フレーム単位で平均化を行うことになるので1フレーム内のOFDMシンボル数分の平均化相関値を算出することになる。
【0062】
ステップST1005において、フレームタイミング/コードグループ検出部245は、コードグループ系列相関部240から平均化された相関値を入力し、この中から最大相関値を検出する。そして、フレームタイミング/コードグループ検出部245は、最大相関値が得られるシンボルタイミングおよびその最大相関値を求める際に掛け合わせたコードグループ系列を記憶する。
【0063】
ここで最大相関値が得られるシンボルタイミングおよびその最大相関値を求める際に掛け合わせたコードグループ系列を記憶するのは、このシンボルタイミング位置がフレームタイミングの候補であり、このコードグループ系列がスクランブリングコードを特定するための手がかりになるためである。パイロット信号と送信データとの間には相関がないので、パイロット信号が含められているOFDMシンボルと送信データが含められているOFDMシンボルとの相関値は小さい値をとることになる。一方、末尾と先頭のパイロット信号を含むOFDMシンボルの相関をとり、さらに末尾のパイロット信号に掛け合わされているコードグループ系列と同一のコードグループ系列とで相関を取ると大きなピークがあらわれることになる。そのため、隣接OFDMシンボルの相関とコードグループ系列との相関値が最大となるOFDMシンボルタイミングは、フレームタイミングである可能性が高い。また、最大相関値を与えるコードグループ系列は、アクセスすべき基地局装置100においてフレームの末尾に配置されたパイロット信号に掛け合わされているコードグループ系列である可能性が高い。
【0064】
ステップST1006において、フレームタイミング/コードグループ検出部245は、最大相関値の値から所定の方法により、コードグループ系列セットの他のコードグループ系列を検出するのに利用するしきい値を算出して設定する。具体的には、例えば最大相関値の値から所定の値X[dB]を引いた値を上記しきい値とする。
【0065】
ステップST1007において、フレームタイミング/コードグループ検出部245は、ステップST1006にて求めたしきい値と上記最大相関値以外の上記平均化された相関値とを比較する。
【0066】
比較の結果、しきい値を越える相関値が最大相関値以外にもある場合(ステップST1007:YES)には、その相関値を検出する(ステップST1008)。
【0067】
ステップST1009において、フレームタイミング/コードグループ検出部245は、ステップST1008にて検出した相関値のシンボルタイミングと、その相関値を算出する際に用いたコードグループ系列とを記憶する。
【0068】
ステップST1010において、フレームタイミング/コードグループ検出部245は、ステップST1005およびステップST1009にて記憶した、上位2つの相関値(値の大きい方から2つの相関値)に対応するシンボルタイミング(言い換えると、仮想フレーム内におけるシンボル位置)を比較する。
【0069】
比較の結果、両タイミングが同一でない、すなわち一致していない場合(ステップST1010:NO)には、フレームタイミング/コードグループ検出部245が、初期セルサーチ第2段階のフレームタイミング同定に失敗したと判定し、第2段階に失敗したことを示す第2段階失敗信号を受信制御部205に出力することにより、ステップST1001に戻る。
【0070】
一方、比較の結果、両タイミングが一致する場合(ステップST1010:YES)には、フレームタイミング/コードグループ検出部245は、第2段階のフレームタイミングの検出が成功したと判定し、このときフレームタイミングおよびコードグループ系列が同定できたこととなる(ステップST1011)。そして、フレームタイミング/コードグループ検出部245は、同定したコードグループ系列を識別するコードグループ系列識別情報をスクランブリングコード同定部250に出力する。
【0071】
このように、2つの相関値のシンボル位置の異同に基づいてフレームタイミング検出の成否を判断することができ、フレームタイミングが失敗していると判断した場合にはその時点で以降の演算処理を中止して初期セルサーチ処理を第1段階からリトライすることができる。その結果、失敗している場合には早期にセルサーチをやり直すことができるため、セルサーチの高速化を実現することができる。
【0072】
また、比較の結果、しきい値を越える相関値が最大相関値以外にない場合(ステップST1007:NO)には、ステップST1011に移り、フレームタイミング/コードグループ検出部245は、ステップST1005にて記憶したものをフレームタイミングおよびコードグループ系列として同定する。そして、フレームタイミング/コードグループ検出部245は、同定したコードグループ系列を識別するコードグループ系列識別情報をスクランブリングコード同定部250に出力する。
【0073】
次に初期セルサーチの第3段階に移り、ステップST1012において、フレームタイミング/コードグループ検出部245からのコードグループ系列識別情報に対応するスクランブリングコードの候補を認識する。これらの候補スクランブリングコードのレプリカを順次生成し、CPICHが多重されているOFDMシンボルの受信信号にパイロット信号およびスクランブリングコードのレプリカの相関を取って最大相関値を検出し、最大相関値が得られるスクランブリングコードを同定する。
【0074】
最後に、同定したスクランブリングコードが正しいものであるかについて検証を行い、誤っている場合には、ステップST1001に戻る。この誤りの検証には、例えば上述のCRCエラーチェックなどを用いることができる。
【0075】
なお、上記説明においては送受信されるフレームを、先頭にパイロット信号、末尾にはコードグループ系列が乗算されたパイロット信号が配置され、残りには変調後の信号(データ)が配置される構成としたが、これに限定されるものではなく逆に先頭にコードグループ系列が乗算されたパイロット信号、末尾にパイロット信号が配置される構成にしてもよい。また、パイロット信号が1フレーム内に1シンボルしかなくてもよく、その場合には、その1シンボル内の半分のサブキャリアにはパイロットシンボルを多重し、残り半分のサブキャリアにはパイロットとコード系列とを乗算したシンボルを多重してもよい。要はフレームの境界を挟んで両パイロット信号が配置されたり、フレーム境界の前又は後にパイロットシンボルが配置されることによりフレームタイミングを検出できればよい。
【0076】
このように実施の形態1によれば、基地局装置100に、自装置に割り当てられている基地局スクランブリングコードが所属するコードグループに対応する(コードグループ)系列セットに含まれる1つあるいは複数の(コードグループ)系列を掛け合わせたパイロットシンボルを先頭および末尾の少なくともいずれか一方に配置してフレームを形成するフレーム構成部130と、形成された前記フレームを送信する無線送信部155と、を設けた。
【0077】
こうすることにより、上記フレームを受信する移動局においてそのフレームに含まれるパイロットシンボルの位置からフレームタイミングを検出することができ、さらに基地局スクランブリングコードと複数の(コードグループ)系列を含む(コードグループ)系列セットとが対応づけられていることからパイロットシンボルに掛け合わされている系列セットを検出することにより多くとも系列セットに含まれる系列の組み合わせの数の系列セットに候補が絞られるため、第3段階のスクランブリングコード同定処理を軽減し、セルサーチ処理を軽減することができ、この系列セット候補に対応する基地局スクランブリングコードを高速に同定することができる。
【0078】
また実施の形態1によれば、移動局装置200に、基地局スクランブリングコードが所属するコードグループに対応する(コードグループ)系列セットに含まれる1つあるいは複数の(コードグループ)系列を掛け合わせたパイロットシンボルが先頭および末尾の少なくともいずれか一方に配置されたフレームを受信する無線受信部210と、前記基地局スクランブリングコードと前記系列セットとが対応づけられた対応テーブルと、(コードグループ)系列の全候補を前記フレームに掛け合わせて相関をとる相関手段としてのコードグループ系列相関部240(隣接シンボル相関部230)と、前記相関手段にて得られる相関値に基づいて、フレームタイミングおよび前記パイロットシンボルに掛け合わされた1つあるいは複数の(コードグループ)系列を検出するフレームタイミング/コードグループ検出部245と、前記検出された(コードグループ)系列を含む前記系列セットに対応するスクランブリングコードの候補を前記対応テーブルに基づいて特定し、前記スクランブリングコード候補の中から前記基地局スクランブリングコードを検出するスクランブリングコード同定部250と、を設けた。
【0079】
こうすることにより、受信フレームに含まれるパイロットシンボルの位置からフレームタイミングを検出することができ、さらに基地局スクランブリングコードと1つあるいは複数の(コードグループ)系列を含む系列セットとが対応づけられていることからパイロットシンボルに掛け合わされているコードグループ系列を検出することにより多くとも拡散符号セットに含まれる拡散符号の組み合わせの数の拡散符号セットに候補が絞られるためセルサーチ処理を軽減することができ、この拡散符号セット候補に対応する基地局スクランブリングコードを高速に特定することができる。
【0080】
上記相関手段としての隣接シンボル相関部230およびコードグループ系列相関部240は、受信フレームにおいて時間的に隣接するシンボル間の相関系列に対して前記(コードグループ)系列の全候補を順次掛け合わせて相関をとり、上記フレームタイミング/コードグループ検出部245は、前記相関手段にて得られる相関値よりその値の大きい方から前記(コードグループ)系列セットに含まれる(コードグループ)系列の数と同数だけ特定し、当該特定した相関値が得られた前記(仮想)フレームにおけるシンボルタイミングおよび当該特定した相関値を求める際に掛け合わせた(コードグループ)系列を前記フレームタイミングおよび前記パイロットシンボルに掛け合わされた(コードグループ)系列として検出する。
【0081】
このように、受信フレームにおいて時間的に隣接するシンボル間の相関系列に対して前記(コードグループ)系列の全候補を順次掛け合わせて相関をとり、この相関値を用いてフレームタイミングおよび系列を検出することにより、伝搬路などにおいて受信フレームに対して付加された位相雑音の影響を低減することができるので、より正確にフレームタイミングおよび系列を検出することができる。
【0082】
(実施の形態2)
実施の形態1においては、隣接OFDMシンボルの相関系列に対して各コードグループ系列ごとに相関演算を施して得られた相関値を、各コードグループ系列ごとにnフレームにわたって平均化した後、上位1つあるいは2つの相関値を閾値判定により検出し、検出した相関値を求める際に掛け合わせたコードグループ系列を検出することで、基地局使用のコードグループ系列の同定を行った。これに対して、実施の形態2においては、隣接OFDMシンボルの相関系列に対して各コードグループ系列ごとに相関演算を施して得られた相関値を、各コードグループ系列セットごとに加算し、この加算された相関値をn/2フレームにわたって平均化した後にその平均化された相関値のうち最大の相関値を得るために掛け合わされたコードグループ系列セットを同定する。こうすることにより、実施の形態1で行っていたnフレームにわたる平均化処理を行う対象が半分になるため、より高速な初期セルサーチが可能となる。また、加算処理を行うことにより、OFDM受信シンボルのSN比を大きくすることができるため、平均化処理を行うフレーム数を半分程度に減らしても、実施の形態1と同程度の信頼性の高い値を求めることができ、より高速でかつ高信頼性の初期セルサーチを実現することができる。
【0083】
図7に示すように実施の形態2の移動局装置300は、コードグループ系列相関部310と、フレームタイミング/コードグループ検出部320とを有する。
【0084】
コードグループ系列相関部310は、隣接シンボル相関部230にて算出された相関系列およびコードグループ系列レプリカ生成部235からのコードグループ系列を入力し、相関系列とすべてのコードグループ系列との相関演算を行う。そして、コードグループ系列相関部310は、上記相関演算により得られた相関値をコードグループ系列セットに対応する組み合わせにより加算する。そして、加算により得られた加算相関値をn/2フレームにわたりコードグループ系列セットごとに平均化する。そして、コードグループ系列相関部310は、平均化された加算相関値をすべてフレームタイミング/コードグループ検出部320に出力する。
【0085】
フレームタイミング/コードグループ検出部320は、コードグループ系列相関部310から平均化された加算相関値を入力し、この中で最大の値をとる最大加算相関値を検出する。そして、フレームタイミング/コードグループ検出部320は、最大加算相関値が得られるシンボルのタイミング(位置)およびその最大加算相関値を求める際に掛け合わせたコードグループ系列セットを同定する。
【0086】
そして、フレームタイミング/コードグループ検出部320は、同定したコードグループ系列セットを識別する情報をスクランブリングコード同定部250に出力する。なお、コードグループ系列セットを識別するための情報としては、例えば、そのコードグループ系列セットを構成するコードグループ系列識別情報でもよいし、またコードグループ系列セットに対応するスクランブリングコード番号であってもよい。
【0087】
次いで上記構成を有する移動局装置300の動作について図8を参照して説明する。
【0088】
ステップST1003において、コードグループ系列相関部310は、隣接シンボル相関部230にて算出された相関系列およびコードグループ系列レプリカ生成部235からのコードグループ系列を入力し、相関系列とすべてのコードグループ系列との相関演算を行う。
【0089】
ステップST2001において、コードグループ系列相関部310は、上記相関演算により得られた相関値をコードグループ系列セットに対応する組み合わせによりシンボル毎に加算する。
【0090】
ステップST2002において、コードグループ系列相関部310は、加算により得られた加算相関値をn/2フレームにわたりシンボルごとに平均化する。そして、コードグループ系列相関部310は、平均化された加算相関値をすべてフレームタイミング/コードグループ検出部320に出力する。
【0091】
ステップST2003において、フレームタイミング/コードグループ検出部320は、コードグループ系列相関部310から平均化された加算相関値を入力し、この中で最大の値をとる最大加算相関値を検出する。
【0092】
ステップST2004において、フレームタイミング/コードグループ検出部320は、最大加算相関値が得られるシンボルタイミングおよびその最大加算相関値を求める際に掛け合わせたコードグループ系列セットを同定する。
【0093】
そして、フレームタイミング/コードグループ検出部320は、同定したコードグループ系列セットを識別する情報をスクランブリングコード同定部250に出力する。
【0094】
このように実施の形態2によれば、移動局装置300に、基地局スクランブリングコードと対応する(コードグループ)系列セットに含まれる複数の(コードグループ)系列を掛け合わせたパイロットシンボルが先頭および末尾の少なくともいずれか一方に配置されたフレームを受信する無線受信部210と、前記基地局スクランブリングコードと前記(コードグループ)系列セットとが対応づけられた対応テーブル(図2参照)と、前記フレームにおいて時間的に隣接するシンボル間の相関系列に対して前記(コードグループ)系列の全候補を順次掛け合わせて相関値を算出する隣接シンボル相関部230およびコードグループ系列相関部310と、前記相関値に基づいて、フレームタイミングおよび前記パイロットシンボルに掛け合わされた(コードグループ)系列を検出するフレームタイミング/コードグループ検出部320と、前記検出された(コードグループ)系列を含む前記(コードグループ)系列セットに対応するスクランブリングコードの候補を前記対応テーブルから限定し、前記スクランブリングコード候補の中から前記基地局スクランブリングコードを検出するスクランブリングコード同定部250と、を設けた。
【0095】
こうすることにより、1シンボル内で相関値の加算処理を行うことで受信シンボルのSN比を大きくすることができるため、複数フレームにわたり平均化処理を行う場合に平均化フレーム数を半分程度に減らしても信頼性の高い値を求めることができ、より高速なセルサーチを実現することができる。
【0096】
(実施の形態3)
実施の形態1においては、基地局装置100にてフレーム末尾のOFDMシンボルにおけるすべてのサブキャリアについてコードグループ系列セットを構成するすべてのコードグループ系列を掛け合わせた。これに対して、実施の形態3においては基地局装置にてフレーム末尾のOFDMシンボルにおけるサブキャリアを複数のサブキャリアブロックに分割しこのサブキャリアブロックごとにコードグループ系列セットに対応する複数のコードグループ系列を構成するコードグループ系列をそれぞれ掛け合わせるようにする。
【0097】
図9に示すように、実施の形態3の基地局装置400は、コードグループ系列乗算部410と、フレーム構成部420とを有する。
【0098】
コードグループ系列乗算部410は、コードグループ系列生成部120からのコードグループ系列セットを入力する。そして、コードグループ系列乗算部410は、パイロット信号生成部115からのパイロット信号に対してコードグループ系列セットを構成するコードグループ系列の各々を乗算し、その結果各コードグループ系列が乗算されたパイロット信号が生成される。そして、コードグループ系列乗算部410は、パイロット信号そのものと、パイロット信号に各コードグループ系列を乗算した系列との複数の系列をフレーム構成部420に出力する。
【0099】
フレーム構成部420は、変調部110より変調後の信号が入力され、コードグループ系列乗算部410よりパイロット信号およびコードグループ系列が乗算されたパイロット信号が入力される。そして、フレーム構成部420は、先頭にパイロット信号、末尾にはコードグループ系列が乗算されたパイロット信号が配置され、残りには変調後の信号(データ)が配置される構成を持つフレームを形成する(図10参照)。さらにこのフレーム構成部420にて形成されたフレームは、その末尾のパイロット信号が配置されているOFDMシンボルにおけるサブキャリアをサブキャリアブロックに分割され、サブキャリアブロックごとにコードグループ系列セットを構成するコードグループ系列をそれぞれ掛け合わせた形となっている。具体的には、図10では2つのサブキャリアブロックである低周波数側のサブキャリアブロック1および高周波数側のサブキャリアブロック2に分割されており、例えば、スクランブリングコード番号C2に対応するコードグループ系列セットを構成するコードグループ系列であるCG1がサブキャリアブロック1に掛け合わされ、CG2がサブキャリアブロック2に掛け合わされた状態となっている。
【0100】
なお、図10においては説明を簡単にするために、コードグループ系列セットが含んでいるコードグループ系列の数に対応させて2つのサブキャリアブロックに分けた。しかしながら、これに限定されるものではなく2つのサブキャリアグループに分けてもよい。すなわち、各コードグループ系列が掛け合わされるサブキャリアは、周波数方向に連続的であるサブキャリアブロックである必要はなく、飛び飛びであってもよい。本明細書においては、サブキャリアブロックはサブキャリアグループの一形態であるとする。また、コードグループ系列セットがn個のコードグループ系列に対応する場合、図10における分割サブキャリアグループ数をn個にすればよい。
【0101】
そして、フレーム構成部420は、サブキャリア数NのシンボルであるOFDMシンボルを単位として、OFDMシンボルを出力する。
【0102】
図11に示すように実施の形態3の移動局装置500は、隣接シンボル相関部510と、コードグループ系列相関部520と、フレームタイミング/コードグループ検出部530とを有する。
【0103】
隣接シンボル相関部510は、FFT処理部225からFFT処理後の信号を入力し、時間的に連続する2つのOFDMシンボル間で相関をとった相関系列を算出する。この相関系列の算出は、後に平均化を行うためにnフレームにわたり行われる。そして、算出した相関系列は、コードグループ系列相関部520に出力される。
【0104】
コードグループ系列相関部520は、隣接シンボル相関部510にて算出された相関系列およびコードグループ系列レプリカ生成部235からのコードグループ系列を入力し、相関系列とすべてのコードグループ系列との相関演算を行う。ただし、ここでは実施の形態1と異なり、サブキャリアブロックごとに相関演算を行う。つまり、実施の形態3におけるコードグループ系列長は実施の形態1の半分になる。
【0105】
この相関演算はnフレームについて行われ、コードグループ系列相関部520は、フレームにおける時間的位置が同じOFDMシンボルから算出された相関系列とコードグループ系列とから求められるn個の相関値について平均をとる。そして、コードグループ系列相関部520は、サブキャリアブロックごとに平均化された相関値をすべてフレームタイミング/コードグループ検出部530に出力する。
【0106】
フレームタイミング/コードグループ検出部530は、コードグループ系列相関部520からサブキャリアブロックごとに平均化された相関値を入力し、サブキャリアブロックごとに最大の値をとる最大相関値を検出する。そして、フレームタイミング/コードグループ検出部530は、最大相関値が得られる(仮想フレームにおける)シンボルタイミングおよびその最大相関値を求める際に掛け合わせたコードグループ系列を記憶する。
【0107】
また、フレームタイミング/コードグループ検出部530は、サブキャリアブロックごとに検出した最大相関値が得られる(フレームにおける)タイミングが一致するか否かを判定する。
【0108】
判定の結果、サブキャリアブロックごとに検出した最大相関値が得られるフレームにおけるタイミングが一致しない場合には、フレームタイミング/コードグループ検出部530は、初期セルサーチ第2段階のフレームタイミング検出に失敗したと判定し、第2段階に失敗したことを示す第2段階失敗信号を受信制御部205に出力する。
【0109】
一方、判定の結果、サブキャリアブロックごとに検出した最大相関値が得られる(フレームにおける)タイミングが一致する場合には、フレームタイミング/コードグループ検出部530は、第2段階のフレームタイミングの検出が成功したと判定し、検出したフレームタイミングを受信制御部205に出力するとともに、検出したコードグループ系列を識別するコードグループ系列識別情報をスクランブリングコード同定部250に出力する。
【0110】
次いで上記構成を有する移動局装置500の動作について図12を参照して説明する。
【0111】
ステップST3001において、コードグループ系列相関部520は、隣接シンボル相関部510にて算出された相関系列およびコードグループ系列レプリカ生成部235からのコードグループ系列を入力し、相関系列とすべてのコードグループ系列との相関演算を行う。ただし、ここではサブキャリアブロックごとに相関演算を行う。
【0112】
ステップST3002において、コードグループ系列相関部520は、フレームにおける時間的位置が同じOFDMシンボルから算出された相関系列とコードグループ系列とから求められるn個の相関値について同一サブキャリアブロックごとに平均をとる。
【0113】
ステップST3003において、フレームタイミング/コードグループ検出部530は、コードグループ系列相関部520からサブキャリアブロックごとに平均化された相関値を入力し、サブキャリアブロックごとに最大相関値を検出する。
【0114】
ステップST3004において、フレームタイミング/コードグループ検出部530は、サブキャリアブロックごとに検出した最大相関値が得られるタイミングが一致するか否かを判定する。
【0115】
判定の結果、サブキャリアブロックごとに検出した最大相関値が得られるタイミングが一致しない場合(ステップST3004:NO)には、フレームタイミング/コードグループ検出部530は、初期セルサーチ第2段階のフレームタイミング検出が失敗したと判定し、第2段階に失敗したことを示す第2段階失敗信号を受信制御部205に出力することにより、ステップST1001に戻る。
【0116】
一方、判定の結果、サブキャリアブロックごとに検出した最大相関値が得られるタイミングが一致する場合(ステップST3004:YES)には、フレームタイミング/コードグループ検出部530は、第2段階のフレームタイミングの検出が成功したと判定し、このときフレームタイミングおよびコードグループ系列が同定できたこととなる(ステップST1011)。そして、フレームタイミング/コードグループ検出部530は、検出したフレームタイミングを受信制御部205に出力するとともに、検出したコードグループ系列を識別するコードグループ系列識別情報をスクランブリングコード同定部250に出力する。
【0117】
なお、上記説明においてはスクランブリングコードとコードグループ系列セットを構成するコードグループ系列との間には直交性があることを前提に説明をおこなった。しかしながら、本実施の形態においてはサブキャリアブロックごとに掛け合わされるコードグループ系列が異なるため、コードグループ系列間において必ずしも直交性を有している必要はない。
【0118】
このように実施の形態3によれば、基地局装置400に、複数のサブキャリアが複数のグループに分割され、各グループに対して自装置に割り当てられている基地局スクランブリングコードと対応する(コードグループ)系列セットに含まれる(コードグループ)系列を1つずつ掛け合わされたパイロットシンボルが先頭および末尾の少なくともいずれか一方に配置されたフレームを形成するフレーム構成部420と、形成された前記フレームを送信する無線送信部155とを設けた。
【0119】
上記フレームを受信する移動局においてそのフレームに含まれるパイロットシンボルの位置からフレームタイミングを検出することができ、さらに基地局スクランブリングコードと複数の(コードグループ)系列を含む(コードグループ)系列セットとが対応づけられていることからパイロットシンボルの各サブキャリアブロックに掛け合わされている(コードグループ)系列を検出することにより、多くとも(コードグループ)系列セットに含まれる(コードグループ)系列の組み合わせの数にスクランブリングコードの候補が絞られるため、セルサーチ処理を軽減することができ、この拡散符号セット候補に対応する基地局スクランブリングコードを高速に特定することができる。
【0120】
また実施の形態3によれば、移動局装置500に、複数のサブキャリアが複数のグループに分割され、各サブキャリアグループに対して基地局スクランブリングコードと対応する(コードグループ)系列セットに含まれる(コードグループ)系列を1つずつ掛け合わされたパイロットシンボルが先頭および末尾の少なくともいずれか一方に配置されたフレームを受信する無線受信部210と、前記基地局スクランブリングコードと前記(コードグループ)系列セットとが対応づけられた対応テーブル(図2参照)と、前記(コードグループ)系列の全候補を前記サブキャリアグループごとに順次掛け合わせて相関系列を算出する相関手段としてのコードグループ系列相関部520(隣接シンボル相関部510)と、前記相関手段にて得られる相関値に基づいて、フレームタイミングおよび前記パイロットシンボルに掛け合わされた(コードグループ)系列を前記サブキャリアグループごとに検出するフレームタイミング/コードグループ検出部530と、前記検出された(コードグループ)系列の組み合わせに対応するスクランブリングコードの候補を前記対応テーブルから特定し、前記スクランブリングコード候補の中から前記基地局スクランブリングコードを検出するスクランブリングコード同定部250と、を設けた。
【0121】
こうすることにより、受信フレームに含まれるパイロットシンボルの位置からフレームタイミングを検出することができ、さらに基地局スクランブリングコードは複数の(コードグループ)系列の組み合わせとして関係づけられていることからパイロットシンボルの各サブキャリアグループに掛け合わされている(コードグループ)系列を検出することにより多くとも(コードグループ)系列セットに含まれる(コードグループ)系列の組み合わせの数の(コードグループ)系列セットに候補が絞られ、この(コードグループ)系列セット候補に対応する基地局スクランブリングコードを高速に特定することができ、初期セルサーチ処理を軽減することができる。
【0122】
上記相関手段としての隣接シンボル相関部510およびコードグループ系列相関部520は、フレームにおいて時間的に隣接するシンボル間の相関値に対して前記(コードグループ)系列の全候補を前記サブキャリアグループごとに掛け合わせて相関をとり、フレームタイミング/コードグループ検出部530は、前記相関手段にて得られる相関値より各サブキャリアグループで最大相関値を検出し、当該検出した最大相関値が得られたタイミングおよび当該検出した各サブキャリアグループの最大相関値を求める際に掛け合わせたコードグループ系列を前記フレームタイミングおよび前記パイロットシンボルのサブキャリアグループごとに掛け合わされた(コードグループ)系列として検出する。
【0123】
(実施の形態4)
実施の形態3においては、隣接OFDMシンボルの相関値に対して各コードグループ系列ごとに相関演算を施して得られた相関値をコードグループ系列およびサブキャリアブロックごとにnフレームにわたって平均化した後に、サブキャリアブロックごとに最大の相関値を求める際に掛け合わせたコードグループ系列の同定を行った。これに対して、実施の形態4においては、隣接OFDMシンボルの相関系列に対して各コードグループ系列およびサブキャリアブロックごとに相関演算を施して得られた相関値を、各コードグループ系列セットごとに加算し、この加算された相関値をn/2フレームにわたって平均化した後にその平均化された相関値のうち最大の相関値を得るために掛け合わされたコードグループ系列セットを同定する。こうすることにより、1OFDMシンボル内で相関値のSN比を改善しているので、nフレームにわたる平均化処理を行う対象が半分になるため、より高速なセルサーチが可能となる。また、加算処理を行うことにより、OFDM受信シンボルのSN比を大きくすることができるため、平均化処理を行うフレーム数を半分程度に減らしても、実施の形態3と同程度の信頼性の高い値を求めることができ、より高速なセルサーチを実現することができる。
【0124】
図13に示すように実施の形態4の移動局装置600は、コードグループ系列相関部610と、フレームタイミング/コードグループ検出部620とを有する。
【0125】
コードグループ系列相関部610は、隣接シンボル相関部510にて算出された相関系列およびコードグループ系列レプリカ生成部235からのコードグループ系列を入力し、相関系列とすべてのコードグループ系列との相関演算を行う。ただし、ここではサブキャリアブロックごとに、相関系列の算出、および相関系列とすべてのコードグループ系列との相関演算を行う。
【0126】
そして、コードグループ系列相関部610は、上記相関演算により得られた相関値をコードグループ系列セットに対応する組み合わせにより加算する。そして、加算により得られた加算相関値をn/2フレームにわたりコードグループ系列セットごとに平均化する。そして、コードグループ系列相関部610は、平均化された加算相関値をすべてフレームタイミング/コードグループ検出部620に出力する。
【0127】
フレームタイミング/コードグループ検出部620は、コードグループ系列相関部610から平均化された加算相関値を入力し、最大加算相関値を検出する。そして、フレームタイミング/コードグループ検出部620は、最大加算相関値が得られるタイミングおよびその最大加算相関値を求める際に掛け合わせたコードグループ系列セットを同定する。
【0128】
そして、フレームタイミング/コードグループ検出部620は、同定したコードグループ系列セットを識別する情報をスクランブリングコード同定部250に出力する。なお、コードグループ系列セットを識別するための情報としては、例えば、そのコードグループ系列セットを構成するコードグループ系列識別情報でもよいし、またコードグループ系列セットに対応するスクランブリングコード番号であってもよい。
【0129】
なお、本実施の形態においては、基本的に複数のコードグループ系列が掛け合わされている加算相関値からコードグループ系列を特定する必要があるため、コードグループ系列間には直交性が保たれている必要がある。
【0130】
このように実施の形態4によれば、移動局装置600に、複数のサブキャリアが複数のグループに分割され、各サブキャリアグループに対して基地局スクランブリングコードと対応する(コードグループ)系列セットに含まれる(コードグループ)系列を1つずつ掛け合わされたパイロットシンボルが先頭および末尾の少なくともいずれか一方に配置されたフレームを受信する無線受信部210と、前記基地局スクランブリングコードと前記(コードグループ)系列セットとが対応づけられた対応テーブル(図2参照)と、前記(コードグループ)系列の全候補を前記フレームにおいて時間的に隣接するシンボル間の相関系列に対して前記サブキャリアグループごとに掛け合わせて相関をとり、前記(コードグループ)系列セットに対応する組み合わせにより加算して加算相関値を算出する相関手段としての隣接シンボル相関部510およびコードグループ系列相関部610と、前記加算相関値より最大加算相関値を特定し、当該特定した最大加算相関値が得られた前記フレームにおけるタイミングおよび当該特定した最大加算相関値を求める際に掛け合わせた(コードグループ)系列を前記フレームタイミングおよび前記パイロットシンボルに掛け合わされた(コードグループ)系列として検出するフレームタイミング/コードグループ検出部620と、前記検出された(コードグループ)系列を含む前記(コードグループ)系列セットに対応するスクランブリングコードの候補を前記対応テーブルから限定し、前記スクランブリングコード候補の中から前記基地局スクランブリングコードを検出するスクランブリングコード同定部250と、を設けた。
【0131】
こうすることにより、相関値の加算処理を行うことで受信シンボルのSN比を大きくすることができるため、複数フレームにわたり平均化処理を行う場合に平均化フレーム数を半分程度に減らしても信頼性の高い値を求めることができ、より高速なセルサーチを実現することができる。
【0132】
(実施の形態5)
実施の形態3においては、隣接OFDMシンボルの相関系列に対して各コードグループ系列ごとに相関演算を施して得られた相関値をコードグループ系列およびサブキャリアブロックごとにnフレームにわたって平均化した後に、サブキャリアブロックごとに最大の相関値を求める際に掛け合わせたコードグループ系列の同定を行った。これに対して実施の形態5においては、さらにサブキャリアブロックとコードグループ系列とを対応づけることにより、サブキャリアブロックごとのコードグループ系列を特定できた時点でスクランブリングコードも特定できるようにする。すなわち、セルサーチの第3段階を省略することができる。
【0133】
図14に示すように実施の形態5の移動局装置700は、フレームタイミング/コードグループ検出部710と、スクランブリングコード同定部720とを有する。
【0134】
フレームタイミング/コードグループ検出部710は、コードグループ系列相関部520からサブキャリアブロックごとに平均化された相関値を入力し、サブキャリアブロックごとに最大の値をとる最大相関値を検出する。そして、フレームタイミング/コードグループ検出部710は、最大相関値が得られるフレームにおけるタイミングおよびその最大相関値を求める際に掛け合わせたコードグループ系列を記憶する。
【0135】
また、フレームタイミング/コードグループ検出部710は、サブキャリアブロックごとに検出した最大相関値が得られるフレームにおけるタイミングが一致するか否かを判定する。
【0136】
判定の結果、サブキャリアブロックごとに検出した最大相関値が得られるフレームにおけるタイミングが一致しない場合には、フレームタイミング/コードグループ検出部710は、初期セルサーチ第2段階のフレームタイミング同定に失敗したと判定し、第2段階に失敗したことを示す第2段階失敗信号を受信制御部205に出力する。
【0137】
一方、判定の結果、サブキャリアブロックごとに検出した最大相関値が得られるフレームにおけるタイミングが一致する場合には、フレームタイミング/コードグループ検出部710は、第2段階のフレームタイミングの検出が成功したと判定し、検出したフレームタイミングを受信制御部205に出力し、さらに、検出したコードグループ系列を識別するコードグループ系列識別情報と、そのコードグループ系列を検出したサブキャリアブロックの識別情報とを対応づけてスクランブリングコード同定部720に出力する。
【0138】
スクランブリングコード同定部720は、フレームタイミング/コードグループ検出部710からのコードグループ系列識別情報およびサブキャリアブロック識別情報に対応するスクランブリングコードを図15に示すテーブルを参照して特定し、特定したスクランブリングコードをスクランブリングコードレプリカ生成部255に生成させてデスクランブリング部260に出力する。なお、本実施の形態において基地局装置は、図15のテーブルに従い、基地局自身のスクランブリングコード番号からコードグループ系列セット、つまりサブキャリアブロック毎にそれぞれ規定されるコードグループ系列を乗算する。
【0139】
次いで上記構成を有する移動局装置700の動作について図16を参照して説明する。
【0140】
サブキャリアブロックごとに検出した最大相関値が得られるフレームにおけるタイミングが一致する場合(ステップST3004:YES)には、ステップST4001において、フレームタイミング/コードグループ検出部710は、第2段階のフレームタイミングの検出が成功したと判定してフレームタイミングを同定するとともに、スクランブリングコード同定部720は、フレームタイミング/コードグループ検出部710からのコードグループ系列識別情報およびサブキャリアブロック識別情報に対応するスクランブリングコードをテーブルを参照して特定(同定)する。
【0141】
なお、上記説明においてはスクランブリングコードとコードグループ系列セットを構成するコードグループ系列との間には直交性があることを前提に説明をおこなった。しかしながら、本実施の形態においてはサブキャリアブロックが既に直交しているため、コードグループ系列間において必ずしも直交性を有している必要はない。
【0142】
このように実施の形態5によれば、移動局装置700に、複数のサブキャリアが複数のグループに分割され、各サブキャリアグループに対して基地局スクランブリングコードと対応する(コードグループ)系列セットに含まれる(コードグループ)系列を1つずつ掛け合わされたパイロットシンボルが先頭および末尾の少なくともいずれか一方に配置されたフレームを受信する無線受信部210と、前記基地局スクランブリングコードと前記(コードグループ)系列セットと当該(コードグループ)系列セットに含まれる(コードグループ)系列が掛け合わされた前記サブキャリアグループの識別情報とが対応づけられた対応テーブル(図15参照)と、すべての(コードグループ)系列を順次前記サブキャリアグループごとに掛け合わせて相関をとる相関手段としてのコードグループ系列相関部520と、前記相関手段にて得られる前記サブキャリアグループごとの相関値に基づいて、フレームタイミングおよび前記パイロットシンボルに掛け合わされた(コードグループ)系列を検出し、検出した前記(コードグループ)系列と当該(コードグループ)系列が検出された前記グループの識別情報とに基づいて前記対応テーブルを用いて前記基地局スクランブリングコードを特定するフレームタイミング/コードグループ検出部710およびスクランブリングコード同定部720と、を設けた。
【0143】
こうすることにより、図2に比べてさらにサブキャリアブロックとコードグループ系列とを対応づけるので、サブキャリアブロック毎に乗算されるコードグループ系列を同定できた時点でスクランブリングコードも同定できる。その結果、従来のセルサーチにおける第3段階に対応するステップを省略できるので、初期セルサーチ処理を軽減することができ、さらに高速なセルサーチを実現することができる。
【0144】
(実施の形態6)
実施の形態5においては、隣接OFDMシンボルの相関値に対して各コードグループ系列ごとに相関演算を施して得られた相関値をコードグループ系列およびサブキャリアブロックごとにnフレームにわたって平均化した後に、サブキャリアブロックごとに最大の相関値を求める際に掛け合わせたコードグループ系列の同定を行った。これに対して、実施の形態6においては、隣接OFDMシンボルの相関系列に対して各コードグループ系列およびサブキャリアブロックごとに相関演算を施して得られた相関値を、サブキャリアブロックとコードグループ系列との対応を考慮して各コードグループ系列セットごとに加算し、この加算された相関値をn/2フレームにわたって平均化した後にその平均化された相関値のうち最大の相関値を得るために掛け合わされたコードグループ系列セットを同定する。こうすることにより、1OFDMシンボル内で相関値のSN比を改善しているので、nフレームにわたる平均化処理を行う対象が半分になるため、より高速なセルサーチが可能となる。また、加算処理を行うことにより、OFDM受信シンボルのSN比を大きくすることができるため、平均化処理を行うフレーム数を半分程度に減らしても、実施の形態5と同程度の信頼性の高い値を求めることができ、より高速なセルサーチを実現することができる。なお、「サブキャリアブロックとコードグループ系列との対応を考慮して各コードグループ系列セットごとに加算する」とは、コードグループ系列セットに含まれるコードグループ系列の組み合わせが同じでもコードグループ系列とサブキャリアブロックとの対応関係が異なれば別のコードグループ系列セットとして扱って加算を行うことを意味する。
【0145】
図17に示すように実施の形態6の移動局装置800は、コードグループ系列相関部810と、フレームタイミング/コードグループ検出部820とを有する。
【0146】
コードグループ系列相関部810は、隣接シンボル相関部510にて算出された相関系列およびコードグループ系列レプリカ生成部235からのコードグループ系列を入力し、相関系列とすべてのコードグループ系列との相関演算を行う。ただし、ここではサブキャリアブロックごとに、相関系列の算出、および相関系列とすべてのコードグループ系列との相関演算を行う。
【0147】
そして、コードグループ系列相関部810は、上記相関演算により得られた相関値を、サブキャリアブロックとコードグループ系列との対応を考慮して各コードグループ系列セットごとに加算する。そして、加算により得られた加算相関値をn/2フレームにわたりサブキャリアブロックとコードグループ系列との対応を考慮したコードグループ系列セットごとに平均化する。そして、コードグループ系列相関部810は、平均化された加算相関値をすべてフレームタイミング/コードグループ検出部820に出力する。
【0148】
フレームタイミング/コードグループ検出部820は、コードグループ系列相関部810から平均化された加算相関値を入力し、最大加算相関値を検出する。そして、フレームタイミング/コードグループ検出部820は、最大加算相関値が得られるタイミングおよびその最大加算相関値を求める際に掛け合わせたコードグループ系列セット(サブキャリアブロックとコードグループ系列との対応を考慮したもの)を同定する。
【0149】
そして、フレームタイミング/コードグループ検出部820は、同定したコードグループ系列を識別するコードグループ系列識別情報と、これに対応するサブキャリアブロックの識別情報とを対応づけてスクランブリングコード同定部720に出力する。
【0150】
なお、本実施の形態においては、基本的に複数のコードグループ系列が掛け合わされている加算相関値からコードグループ系列を特定する必要があるため、コードグループ系列間には直交性が保たれている必要がある。
【0151】
このように実施の形態6によれば、移動局装置800に、複数のサブキャリアが複数のグループに分割され、各サブキャリアグループに対して基地局スクランブリングコードと対応する(コードグループ)系列セットに含まれる(コードグループ)系列を1つずつ掛け合わされたパイロットシンボルが先頭および末尾の少なくともいずれか一方に配置されたフレームを受信する無線受信部210と、前記基地局スクランブリングコードと前記(コードグループ)系列セットと当該(コードグループ)系列セットに含まれる(コードグループ)系列が掛け合わされた前記サブキャリアグループの識別情報とが対応づけられた対応テーブル(図15参照)と、前記(コードグループ)系列の全候補を前記フレームにおいて時間的に隣接するシンボル間の相関系列に対して前記サブキャリアグループごとに掛け合わせて相関をとり、前記サブキャリアグループと前記(コードグループ)系列との対応により特定される前記(コードグループ)系列セットごとに加算して加算相関値を算出する相関手段としての隣接シンボル相関部510およびコードグループ系列相関部810と、前記加算相関値より最大加算相関値を特定し、当該特定した最大加算相関値が得られた前記フレームにおけるタイミングおよび当該特定した最大加算相関値が得られた前記(コードグループ)系列セットを同定するフレームタイミング/コードグループ検出部820と、前記同定された(コードグループ)系列セットに対応する前記基地局スクランブリングコードを前記対応テーブルから同定するスクランブリングコード同定部720と、を設けた。
【0152】
こうすることにより、相関値の加算処理を行うことで受信シンボルのSN比を大きくすることができるため、複数フレームにわたり平均化処理を行う場合に平均化フレーム数を半分程度に減らしても信頼性の高い値を求めることができ、より高速なセルサーチを実現することができる。
【0153】
(他の実施の形態)
実施の形態1乃至実施の形態4においては、初期セルサーチの第3段階にて基地局スクランブリングコードを同定するときに、グループコード系列が掛け合わされておらず且つ基地局スクランブリングコードのみが掛け合わされているパイロットシンボルを用いているものとして説明を行った。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、グループコード系列が掛け合わされているパイロットシンボル(各実施の形態においてはフレームの先頭に配置されているパイロットシンボル)を利用することができる。
【0154】
具体例として実施の形態1に適用した場合について図1を参照しつつ説明する。
【0155】
この場合には、FFT処理部225は、現在の移動局装置200の状態がセルサーチの第3段階である場合には、スクランブリングコード同定部250が出力先である旨の出力先命令信号が入力され、FFT処理後のパイロット信号が含まれるOFDMシンボルであってフレームの末尾に配置されているパイロット信号が含まれるOFDMシンボルをスクランブリングコード同定部250に出力する。
【0156】
スクランブリングコード同定部250は、第2段階で同定したコードグループ系列の複素共役を乗算し、スクランブリングコードのみ掛かったパイロット信号を抽出する。
【産業上の利用可能性】
【0157】
本発明は、セルサーチ処理を軽減することができるものとして有用である。
【符号の説明】
【0158】
100、400 基地局装置
105、275 符号化部
110、280 変調部
115 パイロット信号生成部
120 コードグループ系列生成部
125、410 コードグループ系列乗算部
130、420 フレーム構成部
135 スクランブリングコード生成部
140 スクランブル部
145 IFFT部
150、285 GI挿入部
155、290 無線送信部
160、210 無線受信部
165、220 GI除去部
170、225 FFT部
175 復調部
180、265 復号部
200、300、500、600、700 移動局装置
205 受信制御部
215 シンボルタイミング検出部
230、510 隣接シンボル相関部
235 コードグループ系列レプリカ生成部
240、310、520、610、810 コードグループ系列相関部
245、320、530、620、710、820 フレームタイミング/コードグループ検出部
250、720 スクランブリングコード同定部
255 スクランブリングコードレプリカ生成部
260 デスクランブリング部
270 CRCチェック部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の情報と第2の情報とを異なるサブキャリアから同時に受信する受信手段と、
前記第1の情報と前記第2の情報との双方を用いてセルを特定する特定手段と、
を具備する受信装置。
【請求項2】
前記受信手段は、前記第1の情報を第1のサブキャリアグループに含まれる複数のサブキャリアのうち一つ以上のサブキャリアから受信し、前記第2の情報を前記第1のサブキャリアグループとは異なる第2のサブキャリアグループに含まれる複数のサブキャリアのうち一つ以上のサブキャリアから受信する、
請求項1記載の受信装置。
【請求項3】
前記第1のサブキャリアグループに含まれる複数のサブキャリアは飛び飛びに位置し、前記第2のサブキャリアグループに含まれる複数のサブキャリアは飛び飛びに位置する、
請求項2記載の受信装置。
【請求項4】
第1の情報と第2の情報とを異なるサブキャリアから同時に受信し、
前記第1の情報と前記第2の情報との双方を用いてセルを特定する、
セル特定方法。
【請求項5】
前記第1の情報を第1のサブキャリアグループに含まれる複数のサブキャリアのうち一つ以上のサブキャリアから受信し、前記第2の情報を前記第1のサブキャリアグループとは異なる第2のサブキャリアグループに含まれる複数のサブキャリアのうち一つ以上のサブキャリアから受信する、
請求項4記載のセル特定方法。
【請求項6】
前記第1のサブキャリアグループに含まれる複数のサブキャリアは飛び飛びに位置し、前記第2のサブキャリアグループに含まれる複数のサブキャリアは飛び飛びに位置する、
請求項5記載のセル特定方法。
【請求項7】
情報を受信し、
前記情報からセルを特定する、
セル特定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2010−11517(P2010−11517A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−237933(P2009−237933)
【出願日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【分割の表示】特願2005−198608(P2005−198608)の分割
【原出願日】平成17年7月7日(2005.7.7)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】