説明

受信装置および受信方法

【課題】多重化して伝送される複数のデータの中から適切なデータを選択してダウンロードを行う。
【解決手段】ロード・セクションには、受信機のメーカ,機種,制御プログラムのバージョンがそれぞれメーカID,モデルID,およびバージョンIDとして格納される。また、このセクションの番号とセクションの総数が格納される。メーカIDとモデルIDとを受信機のROMに記憶されているものと一致しているかどうかを調べ、バージョン番号が受信機の制御プログラムのものよりも新しいかどうかを調べる。これにより、ダウン・ロードすべきプログラムであるかどうかが判断できる。既にダウン・ロードされたセクション番号のリストを参照することで、複数のセクションに分割されて伝送されたプログラムが全てダウン・ロードされたかどうかが分かる。セクション番号のリストとセクション総数とを参照することで、ダウン・ロードの途中経過を知ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えばディジタル衛星放送を利用して複数のプログラム・データを伝送する場合の受信装置および受信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、通信衛星を利用してディジタルデータを伝送し、放送を行うディジタル衛星放送が普及しつつある。このディジタル衛星放送では、映像および音声信号が所定の方式で以て圧縮符号化されディジタル化され、このディジタル化された映像および音声信号が通信衛星を介して視聴者のもとに伝送される。映像および音声信号の圧縮符号化方式としては、例えばMPEG2(Moving Picture Experts Group)が用いられる。
【0003】
図10は、典型的なディジタル放送システムの概略を示すものである。番組を送出する側は、アップリンク局、番組提供者、管理システムにより構成される。
【0004】
番組提供者101からの映像・音声データがアップリンク局102のMPEG(Moving
Pictures Expert Group)2のエンコーダ、マルチプレクサ103に供給される。MPEG2エンコーダ、マルチプレクサ103において、映像・音声データが圧縮され、圧縮された映像・音声データが188バイトの長さのパケットに詰め込まれる。複数の番組とそれぞれ対応した映像・音声データのパケットが多重化され、MPEG2のトランスポート・パケットが形成される。トランスポート・パケットが連なって、トランスポート・ストリームが形成される。トランスポート・ストリームの数は、通信衛星に搭載されているトランスポンダの数に対応している。
【0005】
MPEG2トランスポート・パケットが送信システム104に供給される。送信システム104では、パケット毎のスクランブル処理、パケット毎のエラー訂正符号化、変調等の処理がされ、変調出力が送信アンテナ105に供給される。スクランブル処理は、視聴者毎に視聴の可否を制御するのに使用する条件付きアクセスを実現する上で必要とされる。例えばある番組だけをそのつど有料で視聴するペイ・パー・ビューの契約が可能となる。スクランブルを解く鍵は、鍵管理システム106からMPEG2エンコーダ、マルチプレクサ103に供給され、映像・音声情報と同様に、パケットの一つとしてトランスポート・パケット中に挿入されている。
【0006】
また、番組管理システム107によって、MPEG2パケットの統合的管理がなされる。番組管理システム107と鍵管理システム106とが結合し、スクランブルを解く鍵を暗号化するようになされる。さらに、顧客管理システム108が設けられ、視聴契約に関連する事項等の管理がなされる。視聴者の家庭との間で、電話回線109を通じて課金情報が伝送される。
【0007】
送信アンテナ105から送出され、通信衛星110を介して各家庭の受信アンテナ111により放送電波が受信される。受信アンテナ111に対して受信機112が接続される。受信機112は、受信トランスポンダを指定するチューナ、復調部、スクランブルを解くデスクランブル部、分離するパケットを指定するデマルチプレクサ、映像復号部、音声復号部等により構成される。復号された映像・音声信号がテレビジョン受像機113に供給される。
【0008】
スクランブルを解く鍵は、暗号化され、関連情報として映像・音声とともに、伝送される。この暗号を解く鍵は、受信機112に挿入されているICカード114の中に格納されている。どの番組のスクランブルを解くことができるかは、各受信システムの契約情報をもとに送信側から制御できるようにされている。条件付きアクセス機能を有する受信機は、通常、IRD(Integrated Receiver/Decoder) と称される。
【0009】
上述のディジタル衛星放送システムは、実用化が始まったばかりであり、受信側に対して、現行の受信機を制御するプログラムに対して種々の変更が加えられる可能性がある。そのため、このプログラムは、受信機に内蔵される書き換え可能なROMに対してデータとして記憶される。書き換え可能なROMとしては、例えばEEPROM(Electrically
Erasable Programmable ROM)といったフラッシュROMが挙げられる。この変更は、顧客に対して新たなサービス、付加価値を提供することを目的とするのが一般的である。このようなプログラムの変更がなされる時の対策としては、いくつかの方法が可能である。
【0010】
例えば受信機に内蔵されているプログラムROMを交換したり、受信機全体を交換することにより、プログラム変更に対処することができる。また、受信機に設けられているICカードのインターフェースを利用して、新たな受信プログラムが格納されたICカードを顧客に配付して、このICカードから新たなプログラムをロードすることができる。しかしながら、既に設置されている受信機の台数が多い場合では、受信機のROMの交換、受信機の回収は、困難である。また、ICカードを配付する方法も、費用面の負担が大きいのみならず、ICカードが比較的小さいメモリ容量を有するので、そこにプログラムを格納することが難しいという問題がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
かかる問題点を解消する方法として、送信側から最新のプログラム情報を送信し、受信側において、このプログラムを受信機にロードすることが提案されている。すなわち、衛星放送によって例えばMPEG2方式で伝送されるデータストリーム中にプログラム・データを挿入し、視聴者が受信機で以て受信することによって、このプログラム・データのダウンロードを行う。ダウンロードされたプログラム・データは、例えば受信機が内蔵するRAMに一旦書き込まれ、このRAMからフラッシュROMに対してプログラム・データが転送され、プログラムの書き換えがなされる。
【0012】
従来では、1種類のソフトウェアが全ての受信装置に対して適用されていた。すなわち、複数種類のソフトウェアのなかから必要なものを選択するようにはされていなかった。そのため、受信機側では、ホストプロセッサ(CPU)やOS(Oparation System)の種類、また、プログラムを実行させるためのインタープリタの種類などを1種類に決める必要があり、これらが統一されていない受信機に対するダウンロードが行えないという問題点があった。
【0013】
また、例えばパーソナルコンピュータなどでは、プログラムのダウンロードの際には、操作者がそのプログラムのバージョンを調べ、現在保有している同じプログラムのバージョンと比較することができる。これにより、パーソナルコンピュータなどでは、同バージョンのプログラムを重複してダウンロードすることを避けることができる。
【0014】
しかしながら、従来では、このような衛星放送の受信機でのダウンロードは、ダウンロードするプログラムのバージョンに関わらずなされていた。したがって、既にダウンロード済の同バージョンのプログラムを、重複して、無駄にダウンロードしてしまう可能性があるという問題点があった。さらには、ダウンロードしたプログラムが既に保有しているプログラムよりも古いバージョンのものである可能性もあるという問題点があった。
【0015】
また、パーソナルコンピュータによるダウンロードにおいても、バージョン情報の判断は、操作者の手に委ねられていたため、ダウンロードにおいて上述のような失敗を起こす可能性があった。
【0016】
さらに、このダウンロードされるプログラム・データは、例えば数MByteのサイズを有するものである。したがって、ダウンロードには数分〜数十分の時間がかかることになる。従来では、ダウンロードの経過状態、例えばプログラム・データの総サイズのうち何割がダウンロードされたかを表示していなかった。そのため、ダウンロードがいつ終了するかがわからず、ダウンロードを実行した操作者の不満の原因となるという問題点があった。
【0017】
一方、複数種類のプログラム・データの伝送を行おうとした場合、複数の伝送経路を用い、それぞれを別々の経路で伝送するという方法が考えられる。例えば、この衛星放送の場合では、それぞれ異なるキャリア周波数が割り当てられた複数のトランスポンダが用いられ、これにより受信機に対するデータストリームの伝送が行われる。したがって、受信機の製造者や機種別にトランスポンダを割り当てることができる。しかしながら、従来では、どのプログラム・データがどのトランスポンダから伝送されるかを示す情報が無かった。そのため、実質的に、受信機側で対応するプログラム・データのダウンロードが行えないという問題点があった。
【0018】
したがって、この発明の目的は、多重化して伝送される複数のデータの中から適切なデータを選択してダウンロードを行えるような受信装置および受信方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
この発明は、上述した課題を解決するために、複数のデータストリームがそれぞれ所定長のパケットに分割され、該パケットが時分割多重されて形成されるトランスポートストリームの複数が各トランスポンダに多重されて伝送される放送信号を受信する受信装置において、
放送信号を受信する受信手段と、
受信手段によって受信された前記放送信号からトランスポートストリームを復元し、該トランスポートストリームに多重化されたパケットを分離し、該パケットに格納される複数のデータストリームを復元する分離手段と、
分離手段によって復元された複数のデータストリームから、どのトランスポンダから伝送されてきたかを示すトランスポートストリームIDと、受信装置の製造者識別情報および機種識別情報とを抽出する抽出手段と、
抽出手段によって抽出されたトランスポートストリームIDにもとづいてトランスポンダを特定し、該特定したトランスポンダから製造者識別情報および機種識別情報にもとづいて、データストリームに含まれる更新用ダウンロードコンテンツをダウンロードして受信装置内のソフトウェアの更新を行う制御手段と
を有することを特徴とする受信装置である。また、この発明は、このように放送信号を受信する受信放送である。
【0020】
上述したように、この発明は、受信装置の製造者を識別する受信機製造者識別情報と、受信装置の製造者毎の機種を識別する受信機機種識別情報とが伝送されるため、多重化して伝送される複数の情報の中から適切な情報を選択し受信することができる。
【発明の効果】
【0021】
以上説明したように、この発明によれば、受信機製造者ならびに機種毎に、別々のプログラム・データを伝送することができる。そのため、受信側で、ホスト・プロセッサやOS,インタープリタなどを統一しなくても、全ての受信機を対象としたプログラム・データのダウン・ロードを実施することができる効果がある。
【0022】
また、この発明によれば、バージョンIDによって伝送されるプログラム・データのバージョン情報を知ることができるため、無駄なダウン・ロードを避けることができる効果がある。
【0023】
さらに、この実施の一形態においては、ダウン・ロードの途中経過を表示させることができる効果がある。これにより、比較的時間のかかるダウン・ロードでも、ユーザにストレスを与えることが避けられる効果がある。
【0024】
さらにまた、この発明によれば、製造者や機種が多岐にわたった場合でも、それぞれに対応するプログラム・データを任意のトランスポンダで伝送することができる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、この発明の実施の一形態を、図面を参照しながら説明する。図1は、この実施の一形態に適用できるデータ伝送システムの一例を示す。このシステムでは、送信側でビット・シリアルなデータ・ストリームとされた、映像や音声、あるいはその他のデータが変調され、送信設備4によって所定の周波数帯域の電波とされ送信される。この電波は、通信衛星5によって中継され、受信機6によって受信される。
【0026】
送信側において、映像信号,音声信号,および付加データがエンコーダ1に供給される。付加データは、例えばテキストデータや他の音声データであり、プログラム・コード・データなどのバイナリ・データを含むことも可能である。エンコーダ1で、供給されたこれらの信号およびデータが高能率符号化されエンコードされる。
【0027】
この実施の一形態においては、このエンコーダ1では、この高能率符号化には、MPEG2方式が用いられる。すなわち、映像信号は、DCT(離散コサイン変換)ならびに動きベクトル演算による動き補償がなされ、量子化されることによって符号化される。また、音声信号は、聴覚心理符号化が利用されたサブバンド符号化がなされる。なお、プログラム・コード・データなどのバイナリ・データについては、必要に応じて所定の方式で以て符号化がなされる。
【0028】
エンコーダ1では、さらに、符号化された映像,音声,および付加データが時分割多重され、ビット・シリアルなデータ・ストリームとされる。このデータ・ストリームは、多重化部2に供給される。このシステムにおいては、1つの周波数帯域での複数チャンネルの伝送に対応するために、各周波数帯域毎にエンコーダ1を複数、例えば6チャンネル分有することができる。これらそれぞれのエンコーダ1から出力されたデータ・ストリームは、多重化部2に供給される。
【0029】
多重化部2では、供給されたこれらのデータ・ストリームが例えば時分割多重によりさらに多重化される。MPEG2においては、データ・ストリームは、パケットと称される単位に分割され伝送される。図2に示されるように、1つのパケットは、4バイトのヘッダ部および184バイトのペイロード部からなり、188バイトのサイズを有する。分割されたデータ・ストリームは、ペイロード部に格納される。ヘッダ部には、各々のパケットの情報やパケット同士の関係を表す情報などが格納される。このヘッダ部には、このパケットの識別情報であるPIDが設けられる。
【0030】
すなわち、この多重化部2では、供給されたデータ・ストリームが184バイト毎に分割され、所定のヘッダ情報が付加されパケットが生成されることにより、多重化がなされ、トランスポート・パケットとされる。同一のデータ・ストリームから生成されたトランスポート・パケットには、同一のPIDが付される。このトランスポート・パケットが伝送形式で連なったものは、トランスポート・ストリームと称される。多重化部2から出力されたトランスポート・ストリームは、変調器3に供給される。
【0031】
変調器3では、トランスポート・パケットに対してQPSK(Quadrature Phase Shift
Keying) 変調がなされ、所定の周波数帯域の変調信号とされ出力される。変調器3から出力された変調信号は、電力増幅器や送信アンテナなどを備える送信設備4に供給される。
【0032】
なお、実際には、トランスポート・パケットに対するスクランブル処理、リード・ソロモン符号による誤り訂正符号化の処理、バースト誤りに対応するためのインターリーブ処理、畳み込み符号化の処理などがなされる。
【0033】
送信は、複数の周波数帯域について行うことができる。そのため、このシステムでは、図1に示されるように、上述の複数のエンコーダ1,多重化部2,および変調器3による構成を、さらに複数有することができる。それぞれの変調器3では、互いに異なる周波数帯域で変調が行われる。これら変調器3から出力された変調信号は、それぞれ送信設備4に供給される。
【0034】
変調信号が電波とされ送信設備4から通信衛星5に対して送信される。通信衛星5は、トランスポンダ(衛星中継器)を搭載している。このトランスポンダは、所定の周波数帯域の電波の中継を行うもので、通信衛星5に対して、互いに対応する周波数帯域の異なる複数のトランスポンダを搭載することによって、複数の周波数帯域の電波の中継を同時に行うことができる。通信衛星5には、例えば28台のトランスポンダが搭載される。したがって、送信設備4から通信衛星5に対する送信の際には、通信衛星5が搭載するトランスポンダの数に対応した、複数の周波数帯域の電波が同時に送信される。
【0035】
なお、多くの場合、これら複数のトランスポンダのそれぞれは、互いに異なる事業者によって運営される。
【0036】
送信設備4から送信され、通信衛星5で中継された電波は、受信機6のアンテナ7によって受信され受信信号とされる。受信信号は、チューナ8に供給され、以下、復調部9,誤り訂正部10,分離化部11,およびMPEGデコーダ12などで後述する所定の信号処理がなされ、映像および音声信号が出力され、また、所定のデータが得られる。
【0037】
図3は、この受信機6のさらに詳細な構成の一例を示す。アンテナ7によって受信された受信信号は、チューナ8に供給される。チューナ8で受信するトランスポンダが指定され、所定の周波数帯域が選択される。選択された受信信号が復調部9に供給されQPSKの復調処理を施され、誤り訂正部10で誤り訂正がなされトランスポート・パケットが復元される。誤り訂正部10でリード・ソロモン符号が復号化され、誤り訂正がなされる。このトランスポート・パケットは、分離化部11に供給される。
【0038】
分離化部11では、所望のチャンネルのパケットが分離され、また、パケットのデスクランブルがなされ、さらに、ヘッダ部の情報に基づき映像データ,音声データおよび付加データ(プログラム情報が含まれる)に分離される。映像データが映像復号部12Vにより復号され、受信映像信号が発生する。音声データが音声復号部12Aにより復号され、受信音声信号が発生する。これらの映像復号部12Vおよび音声復号部12Aは、MPEGデコーダ12(図1参照)に含まれる。付加データは、機器制御部20に供給される。復号された映像信号は、加算器25において表示用信号が加算され、加算器25の出力映像信号がディスプレイに映出される。同様に、復号された音声信号は、例えばアンプで増幅されスピーカから出力される。
【0039】
機器制御部20は、受信機全体の動作を制御するもので、マイクロコンピュータにより構成される。機器制御部20に対して、ROM21、フラッシュメモリ22、RAM23および画面表示生成部24が結合される。ROM21には、ダウンロード制御用のプログラムが格納されている。機器制御部20が行うダウンロードの制御は、このROM21に格納されたプログラムに基づいてなされる。フラッシュメモリ22には、通常動作制御用のプログラムが格納される。機器制御部20によって行われる通常動作の制御(すなわち、ダウンロードの制御以外)がフラッシュメモリ22に記憶されているプログラムに基づいてなされる。RAM23は、フラッシュメモリ22を書き換える際の一時的記憶部として使用される。画面表示生成部24は、機器制御部20の制御によって、種々の表示信号を生成する。この表示信号が加算器25に供給され、復号された映像信号に重畳される。
【0040】
この発明では、上述のような受信機6の制御を行うためのプログラムが上述の通信衛星5を介して送信される。すなわち、プログラム・データが付加データとしてエンコーダ1に対して供給され、上述したような処理が施され、MPEG2によって高能率符号化された映像および音声と共に送信設備4から送信され、通信衛星5によって中継される。ユーザは、受信機6によってこの送信されたプログラム・データを受信することで、受信機6のプログラムの例えばアップ・デートを行うことができる。
【0041】
受信機6において、プログラムをダウンロードする場合では、分離化部11によって分離されたプログラム情報が機器制御部20によって、RAM23に書込まれる。書込みは、1書換え単位(例えば64kバイト)毎になされる。フラッシュメモリ22の1書換え単位分の処理が終了するまで、RAM23がこの情報を保持する。1書換え単位分のプログラムは、RAM23から読出された後、フラッシュメモリ22に書込まれて、書換え処理がなされる。ダウンロードの対象となる全てのプログラムの書換えが完了するまで、この1書換え単位の処理が繰り返される。
【0042】
図4は、プログラム・データを伝送するためのデータ・ストリームの構成の一例を示す。この例では、プログラム・データは、MPEG2 Systems(ISO 13818−1)に規定されているプライベート・セクションの形式に則ってなされる。MPEG2では、複数のパケットを束ねたパックと称される構成単位でデータ・ストリームの取り扱いがなされるが、このパックには、伝送されるストリームの種類やデータ構成などから、セクションとPES(Packtized Elementary Stream) パケットの2種類が設けられる。セクションでは制御情報などが伝送され、PESパケットでは映像や音声が伝送される。
【0043】
また、セクションの中でも、MPEG2の規定に基づきヘッダ以外の部分も規定されている、例えばプログラムの仕様情報が伝送されるPAT(Program Association Table) ,PMT(Program Map Table) ,およびCAT(Conditional Access Table)と、ヘッダのみが規定された上述のプライベート・セクションとが設けられる。また、セクションが複数、例えば1024個集まって1つのテーブルが構成される。この実施の一形態では、このプライベート・セクションに対して、プログラム・データが格納され伝送される。
【0044】
プライベート・セクションは、ヘッダのサイズが3バイトであるショートと8バイトのヘッダを有するロングとの2種類が存在する。プログラム・データは、ショートのプライベート・セクションに格納される。最初の5つの領域、すなわち、テーブルID,セクション・シンタクス・インジケータ,プライベート・インジケータ,予約領域,およびセクション長とでヘッドが構成される。残りの部分に、プログラム・データやその他の必要なデータが格納される。
【0045】
プログラム・データが格納されるこのセクションは、ロード・セクションと称される。8ビットを有するテーブルIDは、このセクションの内容を規定し、この場合には、このセクションがロード・セクションであることを表す値が格納される。次のセクション・シンタクス・インジケータは、このセクションのヘッダタイプがショートとロングとの何方であるかが1ビットで示される。例えば、ここの値が’1’であればロングとされ、’0’であればショートとされる。プライベート・インジケータは、このセクションがプライベート・セクションであるかどうかが示され、値が’1’でプライベート・セクションであるとされる。2ビットの予約領域には、’11’が格納される。
【0046】
次のセクション長には、このセクション長として規定された12ビットの直後からの、このセクションのバイト数が格納される。このセクション長で、ヘッダが終了する。なお、セクション長には12ビットが割り当てられているため、4096バイトまでを表現することができる。すなわち、このセクション長の領域以降には、4096バイトまでのデータを格納することができる。
【0047】
メーカIDは、8ビットを有し、受信機の製造者を識別するための、受信機製造者識別番号を表す。すなわち、受信機の製造者に対して、互いに異なる受信機製造者識別番号が予め割り当てられる。また、次の、8ビットを有するモデルIDは、受信機の機種を識別するための、機種識別番号を表す。この機種識別番号は、製造者毎に独自に割り当てることができる。すなわち、製造者(受信機製造者識別番号)が異なれば、同一の機種識別番号が存在しても構わない。これらメーカIDおよびモデルIDとを組み合わせることで、受信機を特定することができる。
【0048】
バージョンIDは、8ビットを有し、このプライベート・セクションで伝送されるプログラム・データのバージョンを表す。すなわち、上述のメーカIDとモデルIDとで特定された機種に対応するプログラム・データのバージョン識別番号がこのバージョンIDで表される。
【0049】
次の拡張セクション番号は、16ビットを有し、このセクションに割り当てられたセクション番号Snoを表す。また、続く拡張最終セクション番号は、16ビットを有し、同一テーブルID,同一メーカID,同一モデルID,および同一バージョンIDを有するセクションの総数Ssumを表す。
【0050】
次の8ビットは、コード・データ領域とされ、プログラム・データの本体が格納される。このコード・データ領域は、同一セクションに連続して複数個、例えばN個設けることができる。したがって、1セクションに付き(8×N)ビットのプログラム・データを伝送することができる。
【0051】
なお、上述したように、セクション長で、ヘッダ以降に格納できるデータの最大サイズが4096バイトまでに限定されているため、他のデータのサイズを差し引いて、Nは最大で4085とされる。実際には、プログラム・データの総サイズは、例えば2MByte程度あるため、プログラム・データの伝送は、複数のロード・セクションに分割されてなされる。分割されたロードセクションのそれぞれには、異なるセクション番号Snoが付される。この場合、セクション番号Snoは、プログラム・データの先頭から連番で付すと後の処理の際に都合が良い。
【0052】
最後の32ビットを有するCRC−32は、このセクションにおけるCRC−32の直前までのデータによるCRC(Cyclic Redundancy Check) である。このCRC−32領域の情報によって、このセクションの誤り検出を行う。
【0053】
ところで、上述したように、通信衛星5には複数のトランスポンダが搭載され、これら複数のトランスポンダから同時に異なる周波数帯域で以て送信を行うことができる。この場合、複数のトランスポンダのそれぞれから同一のプログラム・データが伝送されるわけではなく、各トランスポンダ毎に異なる製造者や機種の受信機に対応したプログラム・データが伝送される可能性が大きい。例えば、トランスポンダAからは製造者aの機種b、トランスポンダBからは製造者cの機種dと製造者eの機種f、また、トランスポンダCからは、製造者aの機種gと製造者hの機種i、といったように、それぞれ異なる製造者および機種に対応したプログラム・データが伝送される。
【0054】
したがって、どのトランスポンダから必要なプログラム・データが伝送されているかを判断する必要がある。図5は、どのトランスポンダからどの製造者および機種に対応したプログラム・データが送出されているかを示す情報を伝送するためのデータ・ストリームの構成を示す。ここでも、上述のプログラム・データの伝送と同様に、プライベート・セクションが用いられる。但し、この例では、ヘッダタイプがロングのものが用いられる。
【0055】
このセクションは、ロード・コントロール・セクションと称される。このロード・コントロール・セクションは、それぞれのトランスポンダから同一内容のものが伝送される。ヘッダのうち最初の3バイトは、上述のロード・セクションと同一の内容を表す。勿論、テーブルIDは、ロード・コントロール・セクションを表す値が用いられ、セクション・シンタクス・インジケータは、ヘッダタイプがロングであることを表すため、’1’とされる。
【0056】
次の18ビットを有する予約領域は、’1’で埋められる。この予約領域に続くバージョンID,カレント・ネクスト・インジケータ,セクション番号,および最終セクション番号は、それぞれMPEG2で規定の値とされる。この最終セクション番号で、ヘッダが終了する。
【0057】
16バイトを有するトランスポート・ストリームIDは、通信衛星5に搭載されているトランスポンダの番号Tnoを表す。以下、トランスポート・ストリームIDからCRC−32の直前までの領域は、トランスポンダの数(この例ではL個)だけ繰り返されて設けられる。すなわち、このトランスポート・ストリームIDからCRC−32の直前の領域のそれぞれに示される情報は、このトランスポート・ストリームIDで表されるトランスポンダから伝送されるデータに対応する。
【0058】
次の3ビットの予約領域は、’1’で埋められる。その次の、13ビットを有するダウン・ロードPIDは、トランスポンダ番号Tnoで表されるトランスポンダから、ロード・セクションが伝送されるときのPIDを表す。次の4ビットの予約領域は、’1’で埋められる。
【0059】
12バイトを有するモデル情報長は、この直後から最後尾のCRC−32領域の直前までのバイト数を表す。続くメーカIDおよびモデルIDは、それぞれ8ビットを有し、それぞれ受信機製造者識別番号および機種識別番号を表す。これは、トランスポンダ番号Tnoで表されるトランスポンダから伝送されるプログラム・データが、どの製造者によるどの機種に対応するかを示すものである。このメーカIDおよびモデルIDは、伝送されるプログラム・データの種類に応じて繰り返される。この例では、M種類のデータが伝送され、これらメーカIDおよびモデルIDは、M回繰り返される。
【0060】
最後の32ビットを有するCRC−32は、このセクションにおけるCRC−32領域の直前までのデータによるCRC(Cyclic Redundancy Check) である。このCRC−32領域の情報によって、このセクションの誤り検出を行う。
【0061】
このようにデータ・ストリームを構成することによって、ユーザは、受信機6に対してダウン・ロードする旨指示するだけで、適切なプログラム・データのダウン・ロードを自動的に行うことができる。すなわち、それぞれのトランスポンダから同一内容が伝送される、ロード・コントロール・セクションを受信することによって、適切なプログラム・データが伝送されているトランスポンダ番号Tnoを知ることができる。このトランスポンダ番号Tnoに基づき、受信機6において、自動的に当該トランスポンダが指定される。当該トランスポンダから伝送されたロード・セクションが受信され、このロード・セクションが適切なものであるかどうかが、メーカID,モデルID,およびバージョンIDなどから判断される。適切なものであれば、ダウン・ロードが実行される。
【0062】
次に、図6および図8に示されるフローチャートを用いて、このダウン・ロードの処理を詳細に説明する。図6は、受信機6に対応したロード・セクションが伝送されるトランスポンダを指定する際の処理を示す。先ず、最初のステップS1で、任意のトランスポンダを指定し、受信を行う。受信された電波は、上述したように、チューナ8および復調部9で所定の信号処理がなされ、誤り訂正部10で誤り訂正され、分離化部11で付加データのストリームが取り出される。この付加データのストリームは、例えば機器制御部20を介してRAM23の所定の領域に記憶される。
【0063】
次のステップS2以降の処理は、機器制御部20の制御によりなされる。ステップS2で、RAM23に記憶された付加データのストリームからCRC−32領域に格納されたデータが取り出される。そして、CRCによる演算がなされ、伝送されたデータに誤りが無いかどうか判断される。若し、誤りが検出されたら、処理はステップS1へ戻され、再度、受信がなされる。誤りが無ければ、処理はステップS2に移行する。ステップS2では、受信されたデータからテーブルIDを取得する。
【0064】
取得されたテーブルIDに基づき、受信したデータがロード・コントロール・セクションであるかどうかが判断される(ステップS4)。若し、ロード・コントロール・セクションではないと判断されたら、処理はステップS1へ戻される。
【0065】
なお、図示されないが、このステップS4では、例えば図4や図5に示されるような、ヘッダ情報に含まれるプライベート・インジケータも判断の条件として用いられる。
【0066】
一方、ステップS4で、受信したデータがロード・コントロール・セクションであると判断されたら、処理はステップS5に移行する。以降、上述の図5に示されたフォーマットに基づき処理がなされる。ステップS5では、セクション長が取得される。そして、次のステップS6で、トランスポンダ番号Tnoが初期値、例えばTno1 にセットされる。続いて、ステップS7でトランスポンダ番号Tno1 におけるダウン・ロードPIDが取得され、さらに次のステップS8でトランスポンダ番号Tno1 でのモデル情報長が取得される。
【0067】
ステップS9で、トランスポンダ番号Tno1 で示されるトランスポンダから伝送される、プログラム・データのメーカIDおよびモデルIDとが取得される。このステップS9での処理は、ステップS10での判断により、ステップS7で得られたモデル情報長に基づき繰り返される(この例では、M回繰り返される)。トランスポンダ番号Tno1 について処理が終了したと判断されたら、処理は次のステップS11へ移行し、各トランスポンダに対して処理が終了したか判断される。終了していないと判断されたら、トランスポンダ番号Tnoが次の番号、例えばTno2 にセットされ(ステップS12)、処理はステップS7に戻される。
【0068】
ステップS11で、各トランスポンダに対する処理が終了したとされたら、一連の処理が終了される。この図6のフローチャートに示される処理が行われることにより、トランスポンダと、そのトランスポンダから伝送されるプログラム・データの受信機製造者識別番号(メーカID)および機種識別番号(モデルID)との対応関係が得られる。図7は、この対応関係の一例を示す。受信機6において、この対応関係に基づく機器制御部20によりチューナ8が制御され、所定のトランスポンダの指定がなされる。
【0069】
すなわち、機器制御部20によってROM21からこの受信機6のメーカIDおよびモデルIDとが読み出され、図7に示されるような対応関係が参照される。これにより、読み出されたメーカIDおよびモデルIDとに対応したプログラム・データが伝送されるトランスポンダを知ることができる。
【0070】
図8は、この指定されたトランスポンダからの電波を受信し、プログラムをダウン・ロードする際のフローチャートを示す。先ず、最初のステップS20で、上述の対応関係によって得られた所定のトランスポンダを指定し、受信を行う。受信された電波に対して上述の処理が施され、付加データのストリームが取り出され、RAM23に記憶される。
【0071】
次のステップS21以降の処理は、機器制御部20の制御によりなされる。ステップS21で、RAM23に記憶された付加データのストリームからCRC−32領域に格納されたデータが取り出される。そして、CRCによる演算がなされ、伝送されたデータに誤りが無いかどうか判断される。若し、誤りが検出されたら、処理はステップS20へ戻され、再度、受信がなされる。誤りが無ければ、処理はステップS22に移行する。ステップS22では、受信されたデータからテーブルIDを取得する。
【0072】
取得されたテーブルIDに基づき、受信したデータがロード・セクションであるかどうかが判断される(ステップS23)。若し、ロード・セクションではないと判断されたら、処理はステップS20へ戻される。
【0073】
なお、図示されないが、このステップS23では、例えば図4や図5に示されるような、ヘッダ情報に含まれるプライベート・インジケータも判断の条件として用いられる。
【0074】
一方、ステップS23で、受信したデータがロード・セクションであると判断されたら、このセクションでプログラム・データが伝送されているので、以降、上述の図4に示されたフォーマットに基づき、ダウン・ロードの処理がなされる。次のステップS24では、セクション長が取得される。そして、次のステップS25で、メーカID,モデルID,およびバージョンIDが取得され、ステップS26で、このロード・セクションで伝送されるプログラム・データがダウン・ロードすべきものであるかどうかが判断される。
【0075】
先ず、機器制御部20によって、ROM21からメーカIDおよびモデルIDとが読み出される。これら読み出されたメーカIDおよびモデルIDと、ステップS24で取得されたメーカIDおよびモデルIDとが一致するかどうかが判断される。若し、何方かが一致しなければ、このロード・セクションでは目的のプログラム・データが伝送されていないとされる。
【0076】
共に一致すれば、次には、フラッシュ・メモリ22から、現状で記憶されているプログラム・データのバージョンIDが読み出される。このバージョンIDは、例えば、フラッシュ・メモリ22にプログラム・データが記憶される際に、このプログラム・データの属性として設定される。このバージョンIDと、ステップS24で取得されたバージョンIDとが比較される。比較の結果、取得されたバージョンIDの方が新しいとされれば、このロード・セクションで目的のプログラム・データが伝送されているとされ、処理はステップS27に移行する。
【0077】
このバージョンIDの比較により、現状でフラッシュ・メモリ22に記憶されているプログラム・データと同バージョンのプログラム・データや、さらに古いバージョンのプログラム・データを無駄にダウン・ロードすることが避けられる。
【0078】
ステップS27では、セクション番号Snoおよび総セクション数Ssumとが取得される。これらセクション番号Snoおよび総セクション数Ssumは、例えばRAM23に記憶され、プログラム・データのダウン・ロードが全て終了するまで保持される。次のステップS28で、現在受信しているロード・セクションが未取得のセクションであるかどうかが判断される。この判断は、セクション番号Snoに基づいてなされる。
【0079】
例えば、ロード・セクションが受信される度に、ステップS27で取得されるセクション番号SnoをRAM23に累積的に記憶させ、取得済ロード・セクションのセクション番号のテーブルを作成する。新たなセクション番号Snoが取得される度にこのテーブルを参照することでなされる。
【0080】
ステップS28で、未取得のセクションではないとされたら、処理はステップS20に戻され、次のロード・セクションの受信がなされる。一方、未取得のセクションであるとされれば、処理はステップS29に移行し、データ・コード領域からプログラム・データが取得され、プログラム本体のダウン・ロードがなされる。ダウン・ロードされたプログラム・データは、例えばRAM23の所定の領域に一旦記憶される。
【0081】
プログラム・データは、図4に示されるように、8ビットのサイズを有するN個の領域に分けられ格納されている。上述のステップS24で得られたセクション長によって、このロード・セクションにおいて格納されているプログラム・データのサイズが分かり、Nの値を知ることができる。このNの値に基づきステップS30で、このセクションでプログラム・データが所定のサイズだけダウン・ロードされたかどうかが判断される。若し、所定のサイズのダウン・ロードが終了していなければ、処理はステップS29に戻され、ダウン・ロードが続けられる。
【0082】
一方、ステップS30で、所定サイズのダウン・ロードが終了したとされれば、処理はステップS31に移行する。このステップS31では、このプログラム・データが格納される一連のロード・セクションのダウン・ロードが終了したかどうかが判断される。これは、例えば、上述のRAM23に累積的に記憶されたセクション番号Snoを参照することでなされる。若し、終了していないとされれば、処理はステップS20へ戻され、残りのセクションのダウン・ロード処理がなされる。
【0083】
一方、ステップS31で一連のロード・セクションのダウン・ロードが終了したとされれば、プログラム・データ全体のダウン・ロードが完了したとされ、一連の処理が終了される。
【0084】
プログラム・データ全体のダウン・ロードが完了されると、所定の方法で以て、RAM23に記憶されているプログラム・データがフラッシュ・メモリ22に転送され書き込まれる。これは、例えばROM21に予め記憶されたローダ・プログラムに基づきなされる。
【0085】
また、上述のダウン・ロード処理の際に、ダウン・ロードの途中経過を表示させるようにすると、より好ましい。これは、例えば図8におけるステップS29の実行と共に、総セクション数Ssum,累積的に記憶されたセクション番号Sno,ステップS4で取得されたセクション長,およびステップS29およびS30の繰り返し回数とから容易に算出することができる。これにより、現在、全体の何パーセントのプログラム・データがダウンロードされているかを、例えば図9に一例が示されるように表示させることができる。この表示は、機器制御部20の制御に基づき画面表示生成部24で表示画面が作成され、加算機25で映像信号部12からの出力と合成させることでなされる。
【0086】
なお、上述では、プログラム・データがダウンロードされるとしたが、これはこの例に限定されない。例えば、伝送させるデータをテキストデータや静止画,動画データとして、受信機の製造者からの、新製品やプログラムのアップデート情報などのメッセージを伝送するようにすることは容易である。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】この実施の一形態に適用できるデータ伝送システムの一例を示すブロック図である。
【図2】トランスポート・パケットを説明するための略線図である。
【図3】受信機のさらに詳細な構成の一例を示すブロック図である。
【図4】ロード・セクションの構成の一例を示す略線図である。
【図5】ロード・コントロール・セクションの構成の一例を示す略線図である。
【図6】受信機に対応したロード・セクションが伝送されるトランスポンダを指定する際の処理を示すフローチャートである。
【図7】トランスポンダと、そのトランスポンダから伝送されるプログラム・データの受信機製造者識別番号および機種識別番号との対応関係を説明するための略線図である。
【図8】指定されたトランスポンダからの電波を受信し、プログラムをダウン・ロードする際のフローチャートである。
【図9】ダウン・ロードの途中経過の表示の一例を示す略線図である。
【図10】典型的なディジタル放送システムの概略を示す図である。
【符号の説明】
【0088】
1・・・エンコーダ、2・・・多重化部、3・・・変調器、4・・・送信設備、5・・・通信衛星、6・・・受信機、11・・・分離化部、20・・・機器制御部、21・・・ROM、22・・・フラッシュ・メモリ、23・・・RAM

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のデータストリームがそれぞれ所定長のパケットに分割され、該パケットが時分割多重されて形成されるトランスポートストリームの複数が各トランスポンダに多重されて伝送される放送信号を受信する受信装置において、
上記放送信号を受信する受信手段と、
上記受信手段によって受信された前記放送信号から上記トランスポートストリームを復元し、該トランスポートストリームに多重化された上記パケットを分離し、該パケットに格納される上記複数のデータストリームを復元する分離手段と、
上記分離手段によって復元された上記複数のデータストリームから、どのトランスポンダから伝送されてきたかを示すトランスポートストリームIDと、受信装置の製造者識別情報および機種識別情報とを抽出する抽出手段と、
上記抽出手段によって抽出された上記トランスポートストリームIDにもとづいて上記トランスポンダを特定し、該特定したトランスポンダから上記製造者識別情報および上記機種識別情報にもとづいて、上記データストリームに含まれる更新用ダウンロードコンテンツをダウンロードして上記受信装置内のソフトウェアの更新を行う制御手段と
を有することを特徴とする受信装置。
【請求項2】
複数のデータストリームがそれぞれ所定長のパケットに分割され、該パケットが時分割多重されて形成されるトランスポートストリームの複数が各トランスポンダに多重されて伝送される放送信号を受信する受信方法において、
上記放送信号を受信する受信ステップと、
上記受信ステップによって受信された前記放送信号から上記トランスポートストリームを復元し、該トランスポートストリームに多重化された上記パケットを分離し、該パケットに格納される上記複数のデータストリームを復元する分離ステップと、
上記分離ステップによって復元された上記複数のデータストリームから、どのトランスポンダから伝送されてきたかを示すトランスポートストリームIDと、受信装置の製造者識別情報および機種識別情報とを抽出する抽出ステップと、
上記抽出ステップによって抽出された上記トランスポートストリームIDにもとづいて上記トランスポンダを特定し、該特定したトランスポンダから上記製造者識別情報および上記機種識別情報にもとづいて、上記データストリームに含まれる更新用ダウンロードコンテンツをダウンロードして上記受信装置内のソフトウェアの更新を行う制御ステップと
を有することを特徴とする受信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−219898(P2008−219898A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−53613(P2008−53613)
【出願日】平成20年3月4日(2008.3.4)
【分割の表示】特願2008−5832(P2008−5832)の分割
【原出願日】平成9年3月7日(1997.3.7)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】