説明

受信装置および車載通信システム

【課題】IF信号を多重化して処理する無線受信機の通信品質を向上させる技術を提供する。
【解決手段】複数のアンテナによって受信された信号を多重化して処理する受信装置であって、アンテナと、このアンテナによって受信された信号の周波数を変換する周波数変換手段と、周波数変換された信号から所定の周波数範囲の信号を通過させるフィルタとからなる複数のフロントエンドと、これら複数のフロントエンドのそれぞれから出力される信号のレベルを調整するレベル調整手段と、レベル調整された信号を合成する合成手段と、合成された信号をデジタル変換するA/D変換手段と、A/D変換手段によって得られた信号をデジタル信号処理する信号処理手段と、レベル調整手段が行うレベル調整量を制御して多重化された信号間での信号の干渉を抑制するレベル制御手段とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受信装置およびこれを備えた車載通信システムに関し、特に複数のアンテナによって受信された信号を多重化して処理する受信装置および車載通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、無線通信技術を利用した様々な機器が利用されている。例えば、車両に用いられる無線通信機器としては、ETC(Electronic Toll Collection)、GPS(Global Positioning System)、VICS(Vehicle Information and Communication System)、無
線LANや、AM/FMラジオ、テレビ、携帯電話など様々なものが存在する。また、それぞれの機器においても様々な通信方式が用いられている。例えば、無線LANでもIEEE802.11a,b,gなど様々な方式が用いられ、携帯電話の場合も周波数帯・変調方式・アクセス方式などが異なる無線方式が用いられる。
【0003】
一般的な無線装置では、アンテナから受信した電波を中間周波数(IF:Intermediate
Frequency)に変換し、遮断特性の優れたバンドパスフィルタを用いることで受信感度や選択度を高めている。そして、デジタル信号処理を行う場合には、受信したアナログ信号をデジタル信号に変換してDSP(Digital Signal Processor)によってデジタル信号処理を行っている。
【0004】
ここで、上記のように様々な無線方式が存在するため、それぞれの無線方式ごとに専用のアンテナ、周波数変換器、フィルタ、A/D変換器を備えた無線装置を用いると、装置の大型化、コストの上昇、消費電力の増大などの問題を招く。そこで、特許文献1では、複数のフロントエンドからのIF信号を多重化して処理することで、A/D変換器やDSPを1つにする構成が開示されている。図5は上記従来例に係る無線通信装置の構成を示す図である。この無線通信装置では、アンテナ51によって受信された信号を、各フロントエンドで周波数変換部52が中間周波数に変換する。そして各フロントエンドから出力されるIF信号を合波器54で多重化し、多重化されたIF信号を1つのA/D変換器55でデジタル信号に変換し、デジタル信号に変換されたIF信号をDSP56によってデジタル信号処理する構成が開示されている。
【0005】
また、複数のフロントエンドを持つ無線装置としては、空間ダイバーシティ方式を用いた受信機が知られている。空間ダイバーシティ方式は位置的に離れた2つのアンテナで同一周波数の信号を受信する方式であり、感度の強い方の受信信号を用いることでマルチパスフェージングの影響を排除するものである。特許文献2には、空間ダイバーシティ方式の無線受信システムにおいて、各アンテナ入力ごとに振幅減衰機能の有無を制御する技術が開示されている。
【特許文献1】特開2002−335177号公報
【特許文献2】特開平7−154316号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の技術のようにA/D変換器を共用化することで構成を簡略化した場合、受信性能が劣化することが考えられる。すなわち、IF信号を多重化しているため、特定の周波数の信号に着目した場合は他の信号はノイズに相当し、通信品質が低下してしまうことがある。
【0007】
また、IF信号合成の際に、各IF信号のレベルは固定的に割り当てられているので、通信状態や機能優先度に応じて適応制御することができなかった。
【0008】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、IF信号を多重化して処理する無線受信機の通信品質を向上させる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために本発明では、以下の手段または処理によって無線通信を受信する。本発明の第一の態様は、複数のアンテナによって受信された信号を多重化して処理する受信装置である。本発明に係る受信装置は、複数のフロントエンドと、レベル調整手段と、合成手段と、A/D変換手段と、信号処理手段と、レベル制御手段とを有する受信装置である。
【0010】
各フロントエンドは、アンテナと周波数変換手段とフィルタとから構成される。周波数変換手段は、アンテナから受信した信号の周波数をそれよりも低い所定の周波数(中間周波数:IF)に変換する。フィルタは、中間周波数に変換された信号(IF信号)から所定の周波数範囲(受信帯域)の信号のみを通過させる。ここで、受信信号を中間周波数に下げているため、遮断特性に優れたフィルタを用いることが可能となり、受信装置の受信感度、選択度などが向上する。
【0011】
レベル調整手段は、各フロントエンドから出力されたIF信号のレベルを調整する。すなわち、レベル調整手段はIF信号を増幅または減衰させる処理を行う。
【0012】
合成手段は、上述した複数のフロントエンドから出力されレベル調整されたIF信号を合成する。なお、各フロントエンドでの中間周波数は異なる周波数に設定され、多重化時に干渉が発生しないように調整される。A/D変換手段は、合成手段によって多重化されたIF信号をアナログ信号からデジタル信号へと変換する。そして、信号処理手段が、A/D変換手段によって得られた信号に対してデジタル処理を行う。このように、IF信号の多重化によってA/D変換手段および信号処理手段を共用化でき、装置の小型化、製造コストの削減などを図ることできる。
【0013】
レベル制御手段は、レベル調整手段が行うレベル調整量を制御することで、多重化されたIF信号間での干渉を抑制する。具体的には、信号処理手段の復調情報に基づいて、各フロントエンドから出力される信号のレベル調整量を決定することが好ましい。例えば、適正な受信のために高品質(高SN比)の信号が必要な場合は、この信号のレベル調整量を大きくすることが好ましい。このように、レベル制御手段は合成されたIF信号の復調情報に基づいて信号多重化時のレベル調整量を決定するため、適応的に通信品質を最適化することができる。また、レベル制御手段は、キャリアセンス中の信号のレベルが、通信中の信号のレベルよりも低くなるようにレベル調整量を決定することも好ましい。他の無線装置がある周波数帯域を利用して通信を行っているか検出したり、自装置宛に他の無線装置が信号を送信しているかを検出したりする場合(キャリアセンス中)は信号強度が弱くても構わないが、通信中の信号はレベルが大きいことが好ましい。このように、キャリアセンス中か通信中かに応じて信号のレベルを調整することで好適な通信品質を確保することができる。
【0014】
また、レベル制御手段は、各フロントエンドに対応する無線方式ごとに定められた優先度に応じて、レベル調整量を決定しても良い。このような構成をとることで、優先的に必要な無線方式の通信品質を確保することができる。ここで、無線方式ごとの優先度はあらかじめ定められたものである必要はなく、信号処理手段の復調情報に基づいて定められても構わない。
【0015】
本発明の第二の態様は、上記第一の態様に係る受信装置を備えた車載通信システムである。本態様では、車両状態を取得する車両状態取得手段をさらに備え、受信装置のレベル制御手段は、各フロントエンドから出力されるIF信号のレベル調整の調整量を、車両状態に応じて決定する。車両状態としては、車両の位置、走行中か停車中か、走行速度、エンジンを始動してからの時間、衝突予測の有無、盗難検知の有無などが例としてあげられる。これらに対応して、車両状態取得手段としては、GPS、シフトレバー(ギア)、車速センサ、キースイッチ、衝撃センサ、盗難防止装置などが例としてあげられる。
【0016】
レベル制御手段は、例えば、GPSによって自車の位置が料金所の付近であることが分かれば、ETC信号のレベルを大きくするようレベル調整量を決定する。また、例えば、エンジン始動直後であれば、渋滞情報が未蓄積であるため交通情報を早く取得できるように、VICSに係る信号のレベル調整量を大きくする。このように、車両状態に応じて優先的に必要となる通信のレベル調整量を大きくすることで、優先度の高い通信方式に対する品質を確保することが可能となる。
【0017】
本発明の第三の態様は、上記第二の態様に係る車載通信システムを備えた車両である。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、IF信号を多重化して処理する無線受信機の通信品質を向上させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下に図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。
【0020】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態は、3種類の通信システムと通信することのできる無線通信装置である。その3種類の通信システムは、無線LAN、地上デジタルテレビ放送、携帯電話(セルラー電話)である。本実施形態に係る無線通信装置は、これらの各システムから送信される電波を各システムに対応するアンテナで受信し、受信した電波を多重化してデジタル処理する。
【0021】
図1は、本実施形態に係る無線通信装置の構成を示す図である。なお、本無線通信装置は受信機能に特徴があるため、受信機能についてのみ説明し送信機能についての説明は省略する。
【0022】
本無線通信装置は、異なる3つの方式の無線通信を受信するために、3つのRFフロントエンド1a、1b、1cを有する。RFフロントエンド1aは、アンテナ10aと、局所発振器11aとミキサ12aからなる周波数変換部13aと、IFフィルタ14aとから構成される。周波数変換部13aは、アンテナによって受信された信号の周波数を局所発振器11aから発信される信号とミキサ12aで合波することで、受信信号を所定の中間周波数(IF)までダウンコンバートする。IFフィルタ14aは、ダウンコンバートされたIF信号のうち所定の周波数領域(受信領域)の信号のみを通過させるバンドパスフィルタである。
【0023】
RFフロントエンド1b、1cのそれぞれは、RFフロントエンド1aと同様であるので説明は省略する。ただし、RFフロントエンド1a、1b、1cで用いられる中間周波数は、多重化された信号が干渉しないように所定の間隔を空けて異ならせる必要がある。
【0024】
増幅減衰器2a、2b、2cは、RFフロントエンド1a、1b、1cから出力される
IF信号のレベルを調整する。この調整は、後述するレベル制御部6からの指示に基づいて行われる。レベル調整の詳細については、レベル制御部6の説明と合わせて後ほど説明する。なお、増幅減衰器2a、2b、2cが本発明のレベル調整手段に相当し、レベル制御部6がレベル制御手段に相当する。
【0025】
ミキサ3は、RFフロントエンド1a、1b、1cから出力されるIF信号を多重化する。A/D変換器4は多重化されたIF信号をデジタル信号に変換し、DSP5は多重化された信号にチャネル分離や変復調といったデジタル信号処理を行う。
【0026】
このように無線LAN、地上デジタルテレビ、携帯電話といった異なる無線方式の電波を同時に受信することができ、例えば地上デジタルテレビを見ながら、携帯電話で通話し、インターネットからデータをダウンロードするということが同時にできるようになる。本無線通信装置では、A/D変換器4およびDSP5を共用化しているため、装置の小型軽量化、製造コストの減少、消費電力の削減を図ることができる。
【0027】
レベル制御部6は、各RFフロントエンドの増幅減衰器2a、2b、2cでのレベル調整の量を、DSP5の復調情報に基づいて制御する。レベル制御部6の行う制御方法としては、以下の方法が考えられる。例えば、自端末宛の電波の送信があるかをチェックしたり、送信に先立って通信路が空いているかを確認するキャリアセンス中は、実際に通信を行っている場合よりも出力するIF信号のレベルが低くなるように制御することが好ましい。地上デジタルテレビ放送を受信中で、無線LANおよび携帯電話は通信中ではない場合には、図2に示すように無線LANと携帯電話のIF信号のレベルを下げる。キャリアセンス中は必要な信号レベルが低いため無線LANおよび携帯電話のIF信号のレベルを下げることができ、これにより地上デジタルテレビ放送のIF信号のノイズが減り通信装置全体としての通信品質が向上する。
【0028】
また、複数の無線方式が同時に通信をしている場合に、無線方式ごとにあらかじめ定められた優先度に応じてIF信号のレベルを調整することも好ましい。例えば、3種類全ての無線方式で通信中の場合には、携帯電話の優先度を最も高く設定し、地上デジタルテレビ、無線LANの順で優先度を低くする。このような優先度にしたがってIF信号のレベル調整を行うと、3つ全ての方式で通信中の場合には、図3に示すように携帯電話、地上デジタルテレビ、無線LANの順番で優先的に通信品質が確保されるようにIF信号のレベルが調整される。なお、上記の優先度の設定は例示であって、どのように設定しても構わない。
【0029】
また、DSP5に入力されるIF信号にノイズが多く誤り率が大きい場合には、そのIF信号のレベルを大きくするレベル調整及び/又は他のIF信号のレベルを小さくするレベル調整を行うことも好ましい。このような調整を行うことで、受信した信号の受信感度に応じて適応的に各IF信号のレベルを調整して最適な通信品質を得ることが可能となる。
【0030】
このように複数の方式のIF信号を多重化する際に、各IF信号のレベルを調整することで本無線通信装置全体として最適な通信品質を確保することが可能となる。また、優先度の高いIF信号のレベルを大きく調整することで、利用者にとって必要な通信の通信品質を確保することができる。また、IF信号のレベルを調整して他のIF信号に与えるノイズを少なくするので、各IF信号間の周波数間隔を小さくすることができ、IF信号の占有帯域を狭くすることができる。あるいは、他のIF信号に与える影響が少ないため、IFフィルタ(バンドパスフィルタ)14としてフィルタ性能の低いフィルタを用いても一定の通信品質を確保することができ、製造コストを抑えることができる。
【0031】
上記の説明では、受信する信号として、無線LAN、地上デジタルテレビ放送、携帯電話の3つを例としてあげたが、3種類以上であっても受信信号の種類の数だけRFフロントエンドを設けて所定のIF周波数に周波数変換した上で多重化すれば、これら3種類以上の受信信号を同時に処理することが可能となる。また、受信信号の方式に制限はなく、異なる周波数帯域や、異なる変調方式、異なるアクセス方式、およびこれらの組み合わせの任意の受信信号を受信する構成として構わない。
【0032】
また、上記のDSP5およびレベル制御部6は、専用のハードウェアを用いて構成することを想定しているが、この際、FPGA(Field Programmable Gate Array)やリコン
フィグラブルチップ(Reconfigurable Chip)などの再構成可能なデバイスを用いること
が好ましい。このように再構成可能なデバイスは、ソフトウェアによって配線回路を変更できるため、ハードウェアを変えることなくソフトウェアのみの変更によって処理の内容を変えることができる。
【0033】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態は、第1の実施形態に係る無線通信装置を備えた車載無線通信システムである。本実施形態における無線通信装置も3種類の通信システムと通信することが可能である。その3種類の通信システムは、自動料金収受システム(ETC)、道路交通情報提供システム(VICS)、携帯電話(セルラー電話)である。本実施形態における無線通信装置は、第1の実施形態と同様にこれら複数の方式の電波を受信し、受信信号を多重化して処理する。第2の実施形態の構成および作用は基本的に同一なので、同一の構成部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0034】
図4は、本実施形態に係る車載無線通信システムの構成を示す図である。本無線通信システムは車両に搭載されており、車両状態取得部7が車両状態を取得する。より具体的には、車両状態取得部7は、GPS71、キースイッチ72、車速センサ73、エアバッグ74などの車両制御情報取得手段を利用して、自車の位置、走行中か停車中か、走行速度、衝突の有無などの車両状態を検出する。車両状態取得部7は、これらセンサから得られる情報と車両状態との関係をあらかじめ格納しておいた車両状態定義テーブル8を参照し、車両状態を決定する。すなわち、本実施形態に係る車載無線通信装置では、車両の制御情報を取得する車両制御情報取得手段と、車両制御情報と車両状態との関連づけをあらかじめ格納した車両状態定義テーブルとを用いて、車両状態を取得する。
【0035】
本実施形態におけるレベル制御部6は、第1の実施形態と同様に、各無線方式の通信状態(通信中かキャリアセンス中か)や各機能の優先度、各IF信号の通信品質に基づいてIF信号のレベルを調整することができる。さらに本実施形態におけるレベル制御部6は、車両状態取得部7が取得した車両状態に基づいてIF信号のレベル調整を行うことができる。
【0036】
例えば、GPS71から自車の位置が有料道路の料金所付近であることが検知できたときには、ETCのIF信号のレベルを大きくする調整を行うことで、ETCの通信を良好に行うことが可能となる。また、キースイッチ72からエンジンを始動したことが検知されれば、VICSのIF信号のレベルを大きくする調整を行うことが好ましい。エンジン始動直後は交通情報が未取得であるため、早急に交通情報を取得することが望まれるからである。また、エアバッグ74(の始動)によって衝突を検知した場合には、携帯電話のIF信号のレベルを大きくすることで外部との連絡手段である携帯電話の機能を優先する。この他にも、走行中や停車中の状態に応じた通信機能の優先度を適宜設定してIF信号のレベル調整を行う。
【0037】
このように本実施形態に係る車載無線通信システムは、IF信号を多重化することでA
/D変換器およびDSPを共用し、装置の小型軽量化、コスト削減など第1の実施形態と同様の効果が得られる。車載用の無線通信装置は、特に設置面積が限られているため小型化のメリットが大きい。また、複数の方式のIF信号を多重化する際に、各IF信号のレベルを調整することで通信品質を向上させることができる。さらに、車両状態に応じて各通信方式の優先度を定め優先度の高い通信の品質を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】第1の実施形態に係る無線通信装置の構成を示す図である。
【図2】IF信号多重化時のレベル調整処理を説明する図である。
【図3】IF信号多重化時のレベル調整処理を説明する図である。
【図4】第2の実施形態に係る車載無線通信システムの構成を示す図である。
【図5】従来の無線通信装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
【0039】
1a、1b、1c RFフロントエンド
10a、10b、10c アンテナ
11a、11b、11c 局所発振器
12a、12b、12c ミキサ(合波器)
13a、13b、13c 周波数変換部
14a、14b、14c IFフィルタ
2a、2b、2c 増幅減衰器
3 ミキサ(合波器)
4 A/D変換器
5 DSP
6 レベル制御部
7 車両状態取得部
71 GPS装置
72 キースイッチ
73 車速センサ
74 エアバッグ
8 車両状態定義テーブル
100 車両

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のアンテナによって受信された信号を多重化して処理する受信装置であって、
アンテナと、前記アンテナによって受信された信号の周波数を変換する周波数変換手段と、周波数変換された信号から所定の周波数範囲の信号を通過させるフィルタと、からなる複数のフロントエンドと、
前記複数のフロントエンドのそれぞれから出力される信号のレベルを調整するレベル調整手段と、
前記複数のフロントエンドから出力されレベル調整された信号を合成する合成手段と、
前記合成手段によって合成された信号をデジタル変換するA/D変換手段と、
前記A/D変換手段によって得られた信号をデジタル信号処理する信号処理手段と、
前記レベル調整手段が行うレベル調整の量を制御して多重化された信号間での信号の干渉を抑制するレベル制御手段と、
を有する受信装置。
【請求項2】
前記レベル制御手段は、信号処理手段の復調情報に基づいて、前記レベル調整手段が行うレベル調整の量を決定する
ことを特徴とする請求項1に記載の受信装置。
【請求項3】
前記レベル制御手段は、キャリアセンス中の信号のレベルが、通信中の信号のレベルよりも低くなるようにレベル調整量を決定する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の受信装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の受信装置と、
車両状態を取得する車両状態取得手段と、
を備え、
前記レベル制御手段は、車両状態に応じて前記レベル調整手段が行うレベル調整の量を決定する
ことを特徴とする車載通信システム。
【請求項5】
請求項4に記載の車載通信システムを備えた車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−221661(P2007−221661A)
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−42373(P2006−42373)
【出願日】平成18年2月20日(2006.2.20)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(502087460)株式会社トヨタIT開発センター (232)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】