説明

可搬型放射線画像変換装置、情報処理装置、及び収容装置

【課題】使用者に負担をかけることなく、適切な電波を用いて通信を行うことができるようにする。
【解決手段】電子カセッテ52のGPS96によって、自装置が存在する位置を示す位置情報を取得する。通信方式決定部98によって、取得された位置情報が示す位置を含む国に対応する、電波周波数帯域、変調方式、及び電波出力によって規定される通信方式を決定する。電源供給制御部100によって、通信方式決定部98によって決定された通信方式を用いた送受信機92に電源を供給させる。送受信機92によって、生成された放射線画像情報をコンソール62に対して送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可搬型放射線画像変換装置、情報処理装置、及び収容装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、TFT(Thin Film Transistor)アクティブマトリクス基板上にX線感応層を配置し、X線を直接デジタルデータに変換できるFPD(Flat Panel Detector)が実用化されており、このFPD等を用いて照射された放射線により表わされる放射線画像を示す画像情報を生成し、生成した画像情報を記憶する可搬型放射線画像変換装置(以下、「電子カセッテ」ともいう。)が実用化されている。
【0003】
電子カセッテを使用するときの状況を考えると、無線方式によるデータ通信形態を採用すると利便性が良いため、無線によって画像情報を送信する放射線検出システムが知られている(特許文献1)。
【0004】
無線電波に関しては、国ごとに、電波法で利用可能な電波の周波数帯域、変調方式、電波出力などが決められており、適切な運用が求められる。病院内に固定された使用される無線通信の電子カセッテであれば、出荷時又は設置時に、利用する電波を最適化すればよい。
【特許文献1】特許349463号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、例えば、医療診断車や医療設備を持つ豪華客船など、国を超えて移動可能な移動体に、無線通信の電子カセッテを搭載すると、移動する国ごとに、その都度利用する電波を設定する必要があるため、使用者に負担がかかってしまう、という問題点があった。
【0006】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、使用者に負担をかけることなく、適切な電波を用いて通信を行うことができる可搬型放射線画像変換装置、情報処理装置、及び収容装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、第1の発明に係る可搬型放射線画像変換装置は、外部から照射された放射線量に応じた放射線画像を示す画像情報を生成する電子回路と、自装置が存在する位置を示す位置情報を取得する位置情報取得手段と、複数の領域と複数の電波の周波数帯域との予め定められた対応関係に基づいて、前記位置情報取得手段によって取得された位置情報が示す位置を含む領域に対応する、前記電波の周波数帯域を決定する決定手段と、前記複数の電波の周波数帯域を用いた通信を行うことが可能な通信手段と、前記決定手段によって決定された周波数帯域の電波を用いて、前記電子回路によって生成された画像情報を送信するように前記通信手段を制御する通信制御手段とを含んで構成されている。
【0008】
第1の発明に係る可搬型放射線画像変換装置によれば、位置情報取得手段によって、自装置が存在する位置を示す位置情報を取得する。決定手段によって、複数の領域と複数の電波の周波数帯域との予め定められた対応関係に基づいて、位置情報取得手段によって取得された位置情報が示す位置を含む領域に対応する、電波の周波数帯域を決定する。
【0009】
そして、通信制御手段によって、決定手段によって決定された周波数帯域の電波を用いて、電子回路によって生成された画像情報を送信するように通信手段を制御する。
【0010】
このように、自装置が存在する位置を含む領域に対応する、電波の周波数帯域を用いて、放射線画像を示す画像情報を送信することにより、使用者に負担をかけることなく、適切な電波を用いて通信を行うことができる。
【0011】
第1の発明に係る決定手段は、複数の領域と、電波の周波数帯域、変調方式、及び電波出力の複数の組み合わせとの予め定められた対応関係に基づいて、位置情報取得手段によって取得された位置情報が示す位置を含む領域に対応する、電波の周波数帯域、変調方式、及び電波出力の組み合わせを決定し、通信手段は、電波の周波数帯域、変調方式、及び電波出力の前記複数の組み合わせを用いた通信を行うことが可能であって、通信制御手段は、決定手段によって決定された電波の周波数帯域、変調方式、及び電波出力の組み合わせを用いて、電子回路によって生成された画像情報を送信するように通信手段を制御することができる。これによって、自装置が存在する位置を含む領域に対して、電波の周波数帯域、変調方式、及び電波出力の適切な組み合わせを用いて通信を行うことができる。
【0012】
上記の領域は、国を表し、国の法令による電波の制限に応じて対応関係を定めることができる。これによって、自装置が存在する位置を含む国の法令に対して適切な電波を用いて通信を行うことができる。
【0013】
上記位置情報を、GPSから得られる位置情報とすることができる。
【0014】
上記の通信制御手段は、位置情報取得手段によって位置情報が取得されなかった場合に、通信手段による通信を禁止するように制御することができる。これによって、不適切な電波を用いて通信を行うことを防止することができる。
【0015】
また、上記の通信手段による通信を禁止するように制御する可搬型放射線画像変換装置は、位置情報取得手段によって位置情報が取得されなかった場合、着脱可能な記憶媒体に対して、電子回路によって生成された画像情報を記憶させる記憶制御手段を更に含むことができる。これによって、不適切な電波を用いて通信を行うことを防止すると共に、着脱可能な記憶媒体によって画像情報を外部装置へ入力することができる。
【0016】
また、上記の通信手段による通信を禁止するように制御する可搬型放射線画像変換装置は、着脱可能な通信ケーブルを接続するための接続端子と、位置情報取得手段によって位置情報が取得されなかった場合、電子回路によって生成された画像情報を、通信ケーブルを介して送信させる有線通信制御手段とを更に含むことができる。これによって、不適切な電波を用いて通信を行うことを防止すると共に、通信ケーブルを介して画像情報を送信することができる。
【0017】
また、上記の通信手段による通信を禁止するように制御する可搬型放射線画像変換装置は、光通信を行うことが可能な光通信手段と、位置情報取得手段によって位置情報が取得されなかった場合、電子回路によって生成された画像情報を送信するように光通信手段を制御する光通信制御手段とを更に含むことができる。これによって、不適切な電波を用いて通信を行うことを防止すると共に、光通信によって画像情報を送信することができる。
【0018】
第2の発明に係る情報処理装置は、自装置が存在する位置を示す位置情報を取得する位置情報取得手段と、複数の領域と複数の電波の周波数帯域との予め定められた対応関係に基づいて、前記位置情報取得手段によって取得された位置情報が示す位置を含む領域に対応する、前記電波の周波数帯域を決定する決定手段と、前記複数の電波の周波数帯域を用いた通信を行うことが可能な通信手段と、外部から照射された放射線量に応じた放射線画像を示す画像情報を生成する電子回路を備えた可搬型放射線画像変換装置から、前記決定手段によって決定された周波数帯域の電波を用いて、前記画像情報を受信するように前記通信手段を制御する通信制御手段と、前記通信手段によって受信した前記画像情報を表示する表示手段とを含んで構成されている。
【0019】
第2の発明に係る情報処理装置によれば、位置情報取得手段によって、自装置が存在する位置を示す位置情報を取得する。決定手段によって、複数の領域と複数の電波の周波数帯域との予め定められた対応関係に基づいて、位置情報取得手段によって取得された位置情報が示す位置を含む領域に対応する、電波の周波数帯域を決定する。
【0020】
そして、通信制御手段によって、可搬型放射線画像変換装置から、決定手段によって決定された周波数帯域の電波を用いて、画像情報を受信するように通信手段を制御する。表示手段によって、通信手段によって受信した画像情報を表示する。
【0021】
このように、自装置が存在する位置を含む領域に対応する、電波の周波数帯域を用いて、放射線画像を示す画像情報を受信することにより、使用者に負担をかけることなく、適切な電波を用いて通信を行うことができる。
【0022】
第3の発明に係る収容装置は、外部から照射された放射線量に応じた放射線画像を示す画像情報を生成する電子回路が収納された可搬型放射線画像変換装置を収容することが可能な収容装置であって、自装置が存在する位置を示す位置情報を取得する位置情報取得手段と、複数の領域と複数の電波の周波数帯域との予め定められた対応関係に基づいて、前記位置情報取得手段によって取得された位置情報が示す位置を含む領域に対応する、前記電波の周波数帯域を決定する決定手段と、前記複数の電波の周波数帯域を用いた通信を行うことが可能な通信手段と、前記決定手段によって決定された周波数帯域の電波を用いて、前記可搬型放射線画像変換装置から前記画像情報を受信するように前記通信手段を制御する通信制御手段とを含んで構成されている。
【0023】
第3の発明に係る収容装置によれば、位置情報取得手段によって、自装置が存在する位置を示す位置情報を取得する。決定手段によって、複数の領域と複数の電波の周波数帯域との予め定められた対応関係に基づいて、位置情報取得手段によって取得された位置情報が示す位置を含む領域に対応する、電波の周波数帯域を決定する。
【0024】
そして、通信制御手段によって、決定手段によって決定された周波数帯域の電波を用いて、可搬型放射線画像変換装置から画像情報を受信するように通信手段を制御する。
【0025】
このように、自装置が存在する位置を含む領域に対応する、電波の周波数帯域を用いて、放射線画像を示す画像情報を受信することにより、使用者に負担をかけることなく、適切な電波を用いて通信を行うことができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明に係る可搬型放射線画像変換装置によれば、自装置が存在する位置を含む領域に対応する、電波の周波数帯域を用いて、放射線画像を示す画像情報を送信することにより、使用者に負担をかけることなく、適切な電波を用いて通信を行うことができる、という効果が得られる。
【0027】
本発明に係る情報処理装置及び収容装置によれば、自装置が存在する位置を含む領域に対応する、電波の周波数帯域を用いて、放射線画像を示す画像情報を受信することにより、使用者に負担をかけることなく、適切な電波を用いて通信を行うことができる、という効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
【0029】
まず、第1の実施の形態に係る放射線情報システム10の構成について説明する。図1には、第1の実施形態に係る放射線情報システム10(以下、「RIS10」(RIS:Radiology Information System)とも称する。)の各構成要素を示すブロック図が示されている。
【0030】
RIS10は、放射線科部門内における、診療予約、診断記録等の情報管理を行うためのシステムであり、病院情報システム(HIS:Hospital Information System)の一部を構成する。
【0031】
RIS10は、複数の撮影依頼入力端末12(以下、「入力端末12」とも称する。)と、RISサーバ14と、複数の放射線画像撮影システム18(以下、「撮影システム18」とも称する。)と、を含んで構成されている。
【0032】
RISサーバ14は、RIS10全体の管理をするものであり、LAN(Local Area Network)ケーブル20により、各入力端末12及び撮影システム18と相互通信が可能に構成されている。また、RISサーバ14は、HIS全体の管理をするHISサーバ24に接続されている。
【0033】
入力端末12は、医師26(図2を参照。)や放射線技師が、診断情報や施設予約の入力・閲覧をするためのものであり、放射線画像の撮影依頼(撮影予約)もこの入力端末12からなされる。各入力端末12は、表示装置付きのパーソナルコンピュータから構成され、RISサーバ14とLANにより接続されて相互通信が可能となっている。
【0034】
RISサーバ14は、各入力端末12からの撮影依頼を受け付け、撮影システム18における放射線画像の撮影スケジュールを管理するものであり、データベース28を含んで構成されている。
【0035】
データベースは、患者30(図2を参照。)の属性情報(氏名、性別、生年月日、年齢、血液、患者ID等)、病歴、受診歴、過去に撮影した放射線画像等、患者30に関する情報と、撮影システム18の電子カセッテ52の識別番号、型式、サイズ、感度、使用可能な撮影部位(対応可能な撮影依頼の内容)、使用開始年月日、使用回数等、電子カセッテ52に関する情報とを含んで構成されている。
【0036】
撮影システム18は、RISサーバ14からの指示に応じて医師26や放射線技師の操作により放射線画像の撮影を行う。撮影システム18は、撮影条件に従った放射線量からなる放射線Xを被写体としての患者30に照射する撮影装置54と、患者30を透過した放射線Xを検出し、放射線画像情報に変換する放射線検出器(後述)を内蔵する電子カセッテ52と、放射線検出器によって検出された放射線Xに基づく放射線画像を表示する表示装置56と、電子カセッテ52に内蔵される主電源部94(図4を参照。)を充電するクレードル60と、電子カセッテ52、撮影装置54、表示装置56、及びクレードル60を制御するコンソール62と、を備える。電子カセッテ52とコンソール62との間では、無線通信による信号の送受信が行われる。撮影装置54、表示装置56、及びクレードル60の各々と、コンソール62との間では、LANケーブル等を用いた有線通信による信号の送受信が行われる。
【0037】
図2には、第1の実施の形態に係る撮影システム18を配置した様子の一例として、撮影システム18が撮影室としての手術室64内に設置された様子が示されている。図2の手術室64では、撮影システム18に加えて、患者30が横臥する手術台66が配置されると共に、医師26が手術に使用する各種器具が載置される器具台68が手術台66の側部に配置される。また、手術台66の周りには、麻酔器、吸引器、心電計、血圧計等、手術に必要な様々な機器が配置される(これらの機器は、図2では省略されている。)。
【0038】
撮影装置54は、自在アーム70に連結され、患者30の撮影部位に応じた所望の位置に移動可能であると共に、医師26による手術の邪魔とならない位置に待避可能である。同様に、表示装置56は、自在アーム72に連結され、撮影された放射線画像を医師26が容易に確認できる位置に移動可能である。
【0039】
図2の例では、撮影システム18が手術室64内に設置されているが、放射線画像の撮影専用に設置された撮影室内等、他の場所に撮影システム18を設置しても良い。また、電子カセッテ52は、手術室64で使用される場合に限られるものではなく、例えば、検診や病院内での回診にも適用することができる。
【0040】
図3には、電子カセッテ52の内部構成を示す図が示されている。
【0041】
同図に示すように、電子カセッテ52は、放射線Xを透過させる材料からなる筐体74を備えている。筐体74の内部には、放射線Xが照射される筐体74の照射面76側から、患者30による放射線Xの散乱線を除去するグリッド78、患者30を透過した放射線Xを検出する放射線検出器80(放射線変換パネル)、及び、放射線Xのバック散乱線を吸収する鉛板82が順に配設される。なお、筐体74の照射面76をグリッド78として構成してもよい。
【0042】
また、筐体74の内部には、マイクロコンピュータを含む各種回路(後述)を収容するケース84が配置されている。ケース84内部に収容された各種回路が放射線Xの照射に伴って損傷することを回避するため、ケース84の照射面76側には鉛板等を配設しておくことが望ましい。
【0043】
次に電子カセッテ52及びコンソール62の電気系の構成を説明する。電子カセッテ52の放射線検出器80は、図4に示すように、TFTアクティブマトリクス基板81上に、放射線を吸収して電荷に変換する光電変換層が積層されて構成されている。光電変換層は例えばセレンを主成分(例えば含有率50%以上)とする非晶質のa−Se(アモルファスセレン)から成り、放射線が照射されると、照射された放射線量に応じた電荷量の電荷(電子−正孔の対)を内部で発生することで、照射された放射線を電荷へ変換する。また、TFTアクティブマトリクス基板81上には、光電変換層で発生された電荷を蓄積する蓄積容量34と、蓄積容量34に蓄積された電荷を読み出すためのTFT36とを備えた画素部40(図4では個々の画素部40に対応する光電変換層を光電変換部38として模式的に示している)がマトリクス状に多数個配置されており、電子カセッテ52への放射線の照射に伴って光電変換層で発生された電荷は、個々の画素部40の蓄積容量34に蓄積される。これにより、電子カセッテ52に照射された放射線に担持されていた画像情報は電荷情報へ変換されて放射線検出器80に保持される。
【0044】
また、TFTアクティブマトリクス基板81には、一定方向(行方向)に延設され個々の画素部40のTFT36をオンオフさせるための複数本のゲート配線42と、ゲート配線42と直交する方向(列方向)に延設されオンされたTFT36を介して蓄積容量34から蓄積電荷を読み出すための複数本のデータ配線44とが設けられている。個々のゲート配線42はゲート線ドライバ46に接続されており、個々のデータ配線44は信号処理部48に接続されている。個々の画素部40の蓄積容量34に電荷が蓄積されると、個々の画素部40のTFT36は、ゲート線ドライバ46からゲート配線42を介して供給される信号により行単位で順にオンされ、TFT36がオンされた画素部40の蓄積容量34に蓄積されている電荷は、電荷信号としてデータ配線44を伝送されて信号処理部48に入力される。従って、個々の画素部40の蓄積容量34に蓄積されている電荷は行単位で順に読み出される。
【0045】
図示は省略するが、信号処理部48は、個々のデータ配線44毎に設けられた増幅器及びサンプルホールド回路を備えており、個々のデータ配線44を伝送された電荷信号は増幅器で増幅された後にサンプルホールド回路に保持される。また、サンプルホールド回路の出力側にはマルチプレクサ、A/D変換器が順に接続されており、個々のサンプルホールド回路に保持された電荷信号はマルチプレクサに順に(シリアルに)入力され、A/D変換器によってデジタルの放射線画像情報へ変換される。
【0046】
信号処理部48には画像メモリ50が接続されており、信号処理部48のA/D変換器から出力された放射線画像情報は画像メモリ50に順に記憶される。画像メモリ50は複数フレーム分の放射線画像情報を記憶可能な記憶容量を有しており、放射線画像の撮影が行われる毎に、撮影によって得られた放射線画像情報が画像メモリ50に順次記憶される。
【0047】
なお、放射線検出器80、ゲート線ドライバ46、信号処理部48、及び画像メモリ50が、本発明の電子回路に対応する。
【0048】
また、電子カセッテ52は、複数の送受信機92を備えている。複数の送受信機92は、各々、電波周波数帯域、変調方式、及び電波出力が異なる組み合わせで規定される電波無線によって通信を行う。各送受信機92は、通信制御部90に接続されている。通信制御部90は、コンソール62からのデータ送信要求に応じて、画像メモリ50に記憶された放射線画像情報を、何れかの送受信機92によってコンソール62へ送信する。
【0049】
また、電子カセッテ52には主電源部94が設けられており、主電源部94は各種回路や各素子(ゲート線ドライバ46、信号処理部48、画像メモリ50、GPS96、通信制御部90や電源供給制御部100等として機能するマイクロコンピュータ等)へ電力を供給し、各種回路や各素子は主電源部94から供給された電力によって作動する。また、放射線検出器80のTFTアクティブマトリクス基板81は、主電源部94から電力が供給されて、照射された放射線量に応じた電荷量の電荷を発生する。主電源部94は、電子カセッテ52の可搬性を損なわないように、バッテリ(充電可能な二次電池)を内蔵し、充電されたバッテリから各種回路及び各種素子へ電力を供給するように構成されている。
【0050】
電子カセッテ52の表面に設けられた二次電池用電極(図示省略)は導体を介して主電源部94に接続されている。主電源部94の二次電源は、二次電池用電極を介してクレードル60から供給された電力によって充電される。
【0051】
また、電子カセッテ52には、GPS96が設けられており、GPS96は、自装置が存在する位置を示すGPS位置情報を測定する。GPS96は、通信方式決定部98に接続されており、通信方式決定部98は、以下に説明するように、複数の送受信機92で用いられている、電波周波数帯域、変調方式、及び電波出力の組み合わせによって規定される複数の通信方式の何れか1つを決定する。
【0052】
まず、通信方式決定部98には、国毎に、国の電波に関する電波法によって認められている医療用無線方式として、電波周波数帯域、変調方式、及び電波出力の組み合わせで規定される通信方式が対応して定められた通信方式決定テーブルが予め記憶されており、また、国毎に、国の領域となるGPS位置情報の範囲が対応して定められた国領域決定テーブルが予め記憶されている。
【0053】
通信方式決定部98は、GPS96から得られるGPS位置情報と、国領域決定テーブルとに基づいて、自装置が存在する位置がどの国に属しているかを特定する。また、通信方式決定部98は、特定された国と、通信方式決定テーブルとに基づいて、自装置が存在する位置が存在する国の電波法において認められている通信方式として、電波周波数帯域、変調方式、及び電波出力の組み合わせで規定される通信方式を決定する。
【0054】
なお、上記の複数の送受信機92が利用している無線の通信方式の各々が、上述した、いずれかの国の電波に関する電波法によって認められている医療用無線方式となるように、各送受信機92が構成されている。
【0055】
また、通信方式決定部98は、GPS96によりGPS位置情報が得られなかった場合には、無線通信を禁止するように決定する。
【0056】
通信方式決定部98及び主電源部94は、電源供給制御部100に接続されている。電源供給制御部100は、複数の送受信機92のうち、通信方式決定部98によって決定された通信方式に対応する送受信機92のみに、主電源部94からの電源が供給されるように制御し、決定された通信方式に対応する送受信機92による無線通信が可能な状態とする。また、電源供給制御部100は、通信方式決定部98によって無線通信を禁止するように決定された場合には、どの送受信機92にも、主電源部94からの電源が供給されないように制御し、いずれの送受信機92による無線通信も行えない状態とする。
【0057】
なお、電源供給制御部100には、通信方式決定部98によって決定される通信方式と、通信方式に対応する送受信機92との対応関係が予め記憶されている。
【0058】
また、電子カセッテ52の通信方式決定部98は、出力制御部102に接続されている。出力制御部102は、コンソール62からの通信方式出力要求に応じて、通信方式決定部98によって決定された通信方式を示す情報を、ケーブル(図示省略)を介してコンソール62へ出力する。
【0059】
電子カセッテ52には、着脱可能な記憶媒体としてのメモリカード104が設けられている。また、画像メモリ50及び通信方式決定部98は、メモリカード104にデータを記憶させる記憶制御部106に接続されている。記憶制御部106は、通信方式決定部98によって無線通信を禁止するように決定された場合に、画像メモリ50に記憶された放射線画像情報をメモリカード104に記憶させる。
【0060】
通信制御部90、通信方式決定部98、出力制御部102、及び記憶制御部106はマイクロコンピュータによって実現され、電源供給制御部100は、スイッチング回路によって実現される。
【0061】
コンソール62は、操作部118を備え、操作部118は、複数のキーを備えたキーボード(図示省略)を含んで構成されている。利用者がキーボードを操作することで入力された、撮影指示を含む各種の指示や情報は、通信方式取得部110及び通信制御部128に入力される。
【0062】
コンソール62の通信方式取得部110は、ケーブルを介して、電子カセッテ52の出力制御部102に接続される。電子カセッテ52とコンソール62とがケーブルによって接続されている場合に、操作部118から通信方式取得指示が入力されると、電子カセッテ52の通信方式決定部98によって決定された通信方式を示す情報が、コンソール62の通信方式取得部110によって取得される。
【0063】
コンソール62は、複数の送受信機112を備えている。複数の送受信機112は、電子カセッテ52と同様に、国毎の電波法により認められた医療用無線方式であって、各々、電波周波数帯域、変調方式、及び電波出力が異なる組み合わせで規定される電波無線によって通信を行う。
【0064】
また、コンソール62には電源部114が設けられている。電源部114は商用電源に常時接続され、商用電源から供給された電力を整流、変圧し、コンソール62のうち各種回路や各素子(通信方式取得部110、電源供給制御部116、読み出し部120、操作部118、画像メモリ122、表示部126、表示制御部124、通信制御部128等)へ供給する。各種回路や各素子は電源部114から供給された電力によって作動する。
【0065】
コンソール62の通信方式取得部110及び電源部114は、電源供給制御部116に接続されており、電源供給制御部116は、複数の送受信機112のうち、通信方式取得部110によって取得された情報が示す通信方式に対応する送受信機112のみに、電源部114からの電源が供給されるように制御し、取得された情報が示す通信方式に対応する送受信機112による無線通信が可能な状態とする。また、電源供給制御部116は、通信方式取得部110によって無線通信を禁止することを示す情報が取得された場合には、どの送受信機112にも、電源部114からの電源が供給されないように制御し、いずれの送受信機112による無線通信も行えない状態とする。
【0066】
なお、電源供給制御部116には、通信方式取得部110によって取得される通信方式と、通信方式に対応する送受信機112との対応関係が予め記憶されている。
【0067】
コンソール62の読み出し部120は、通信制御部128によって撮影装置54からの撮影完了通知が受信されると、何れかの送受信機112によって電子カセッテ52へデータ送信要求を送信させる。また、読み出し部120は、何れかの送受信機112によって受信された放射線画像情報を読み出す。
【0068】
コンソール62は、メモリカード104を装填可能なメモリリーダ108を備えている。読み出し部120は、メモリリーダ108に装填されたメモリカード104に記憶された放射線画像情報を、メモリリーダ108を介して読み出す。
【0069】
また、読み出し部120には画像メモリ122が接続され、読み出し部120によって読み出された放射線画像情報が、画像メモリ122に記憶される。
【0070】
画像メモリ122には、表示制御部124が接続され、表示制御部124は、画像メモリ122に記憶された放射線画像情報を、ディスプレイから構成される表示部126に表示させる。
【0071】
また、画像メモリ122には、通信制御部128が接続されている。通信制御部128は、画像メモリ122に記憶された放射線画像情報を、RISサーバ14や表示装置56などの外部機器へ出力する。操作部118によって撮影指示が入力されたときに、通信制御部128は、撮像指示を撮影装置54へ出力すると共に、撮影装置54から撮影完了通知が受信されると、読み出し120による放射線画像情報の読み出し、画像メモリ122からの放射線画像情報の読み出し、及び外部機器への放射線画像情報の出力を制御する。なお、外部機器として、RISサーバ14や表示装置56の他に、放射線画像情報が表す画像をシート状の印刷媒体に印刷する印刷装置、放射線画像情報をCD−Rや公知の他の情報記録媒体に記録する情報記録装置、通信ネットワークを介して接続された情報処理機器へ放射線画像情報を送信する通信装置等が挙げられる。
【0072】
読み出し部120、通信方式取得部110、表示制御部124、及び通信制御部128はマイクロコンピュータによって実現され、電源供給制御部116は、スイッチング回路によって実現される。
【0073】
次に、第1の実施の形態に係るRIS10の全体的な動作について簡単に説明する。
【0074】
入力端末12は、医師26又は放射線技師からの撮影依頼を受け付ける。当該撮影依頼では、電子カセッテ52による撮影の日時及び撮影条件{撮影の部位、角度及び枚数、放射線Xを照射するための管電圧、管電流、照射時間並びに電子カセッテ52のサイズ及び感度等}が指定される。
【0075】
入力端末12は、受け付けた撮影依頼の内容をRISサーバ14に通知する。RISサーバ14は、入力端末12から通知された撮影依頼の内容をデータベース28に記録する。
【0076】
コンソール62は、RISサーバ14にアクセスすることにより、RISサーバ14から撮影依頼の内容を取得し、撮影依頼の内容を表示部126に表示する。
【0077】
また、電子カセッテ52において、通信方式決定部98及び電源供給制御部100を実現するマイクロコンピュータにより、図5に示す通信方式設定処理ルーチンが実行される。
【0078】
まず、ステップ150において、GPS96より測定された自装置が存在する位置を示す位置情報を取得する。そして、ステップ152において、上記ステップ150において、位置情報が取得できたか否かを判定し、位置情報を取得できなかった場合には、ステップ154において、全ての送受信機92への電源供給を停止させて、送受信機92による無線通信を禁止して、通信方式設定処理ルーチンを終了する。
【0079】
上記ステップ152において、位置情報が取得できたと判定された場合には、ステップ156において、上記ステップ150で取得された位置情報と予め記憶された国領域決定テーブルとに基づいて、自装置が存在する位置が属する国を特定する。
【0080】
そして、予め記憶された通信方式決定テーブルに基づいて、上記ステップ156で特定された自装置の位置が属する国に対応する通信方式として、電波周波数帯域、変調方式、及び無線電波出力によって規定される通信方式を決定する。次のステップ160では、上記ステップ156で決定された通信方式の電波を利用する送受信機92に、主電源部94からの電源を供給させて、通信方式設定処理ルーチンを終了する。
【0081】
上記の通信方式設定処理ルーチンを実行することにより、自装置の位置が属する国の電波法によって認められた通信方式によって無線通信を行う送受信機92が、無線通信可能な状態となる。
【0082】
また、電子カセッテ52とコンソール62とがケーブルによって接続されている状態において、医師26や放射線技師が、コンソール62の操作部118によって、通信方式取得指示を入力すると、電子カセッテ52において決定された通信方式を示す情報が、コンソール62によって取得される。そして、コンソール62において、取得された通信方式の電波を利用する送受信機112に、電源部114からの電源を供給させるように制御する。これによって、自装置の位置が属する国の電波法において認められた通信方式によって無線通信を行う送受信機112が、無線通信可能な状態となる。
【0083】
次に、医師26や放射線技師が、表示部126に表示された撮影依頼の内容に基づいて、操作部118から放射線画像の撮影を指示すると、撮影装置54の放射線源から患者30に放射線Xが照射される。当該放射線Xは患者30を透過し、電子カセッテ52のグリッド78によって散乱線が除去された後、放射線検出器80に照射され、放射線検出器80を構成する各画素部40の光電変換層によって電気信号に変換され、蓄積容量34に電荷として保持される(図4参照。)。次いで、各蓄積容量34に保持された患者30の放射線画像情報である電荷情報は、ゲート線ドライバ46から供給される信号により、電荷信号としてデータ配線44を伝送されて信号処理部48に入力される。
【0084】
各画素部40の蓄積容量34から読み出された放射線画像情報は、信号処理部48において、各増幅器によって増幅された後、各サンプルホールド回路によってサンプリングされ、マルチプレクサを介してA/D変換器に供給され、デジタル信号に変換される。
【0085】
デジタル信号に変換された放射線画像情報は、電子カセッテ52の画像メモリ50に一旦記憶される。
【0086】
そして、コンソール62は、撮影装置54から、撮影完了通知を受信すると、無線通信可能な状態となっている送受信機112を介して、電子カセッテ52に対して、データ送信要求を送信する。
【0087】
電子カセッテ52は、無線通信可能な状態となっている送受信機92を介して、コンソール62から、データ送信要求を受信すると、画像メモリ50に記憶されている放射線画像情報を、送受信機92を介して、無線通信によりコンソール62に送信する。
【0088】
電子カセッテ52から送信された放射線画像情報は、コンソール62の送受信機112によって受信され、所定の画像処理が施された後、患者30の患者情報と関連付けられた状態で、画像メモリ122に記憶される。
【0089】
画像処理の施された放射線画像情報は、表示部126に表示されると共に、通信制御部128から表示装置56に送信される。放射線画像情報を受信した表示装置56は、表示部(図示省略)に放射線画像を表示する。医師26は、表示装置56の表示部に表示された放射線画像を確認しながら手術を遂行する。
【0090】
また、無線通信を禁止するように決定されている場合には、電子カセッテ52は、記憶制御部106によって、画像メモリ50に記憶された放射線画像情報をメモリカード104に記憶させる。そして、医師26又は放射線技師は、撮影が終了すると、電子カセッテ52からメモリカード104を取出し、コンソール62のメモリリーダ108にメモリカード104を装填させる。コンソール62は、メモリカード104に記憶された放射線画像情報を読み出し、所定の画像処理を施した後、患者30の患者情報と関連付けられた状態で、画像メモリ122に記憶する。
【0091】
以上詳細に説明したように、第1の実施の形態に係る放射線情報システムの電子カセッテでは、GPSを用いて自装置の位置を取得して、自装置が存在する位置が属する国の電波法において認められた、電波周波数帯域、変調方式、及び電波出力によって規定される通信方式を決定し、決定された通信方式を用いて、放射線画像情報を送信することにより、使用者に負担をかけることなく、適切な電波を用いて通信を行うことができる。
【0092】
また、コンソールでは、自装置が存在する位置が属する国の電波法において認められた通信方式を電子カセッテから取得し、取得された通信方式を用いて、放射線画像情報を受信することにより、使用者に負担をかけることなく、適切な電波を用いて通信を行うことができる。
【0093】
GPSからGPS位置情報が取得されなかった場合に、送受信機による通信を禁止するように制御することにより、不適切な電波を用いて通信を行うことを防止することができる。また、送受信機による通信を禁止する場合には、メモリカードに放射線画像情報を記憶させ、メモリカードを介してコンソールに放射線画像情報を入力することができる。
【0094】
なお、上記の実施の形態では、無線通信を禁止するように決定されているときに、画像メモリ50に記憶された放射線画像情報をメモリカード104に記憶させる場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、他のデータ転送手段によって、画像メモリ50に記憶された放射線画像情報を、コンソールに転送するようにしてもよい。例えば、図6に示すように、電子カセッテ52に、接続端子181に着脱可能な通信ケーブル(図示省略)を介して通信を行う有線通信制御部180を備え、コンソール62に、接続端子183に接続された通信ケーブル(図示省略)を介して通信を行う有線通信制御部180を設けるように構成すればよい。この場合には、医師26又は放射線技師は、撮影が終了すると、電子カセッテ52の接続端子181に、コンソール62に接続された通信ケーブルを接続し、コンソール62から電子カセッテ52へ通信ケーブルを介してデータ送信要求を送信する。電子カセッテ52は、有線通信制御部180によって、画像メモリ50に記憶された放射線画像情報を、通信ケーブルを介して送信し、コンソール62は、有線通信制御部182によって、通信ケーブルを介して、放射線画像情報を受信し、読み出し部120によって、受信した放射線画像情報を読み出す。なお、通信ケーブルは、光ケーブルであってもよい。
【0095】
また、図7に示すように、電子カセッテ52に、赤外線通信(IrDA)を行う赤外線通信部184と、赤外線通信部184による通信を制御する赤外線通信制御部186とを設け、コンソール62に、赤外線通信(IrDA)を行う赤外線通信部188と、赤外線通信部188による通信を制御する赤外線通信制御部190とを設けるように構成すればよい。この場合には、医師26又は放射線技師は、撮影が終了すると、電子カセッテ52の赤外線通信部184とコンソール62の赤外線通信部188とを対向させて、コンソール62から電子カセッテ52へ赤外線通信によってデータ送信要求を送信する。電子カセッテ52は、赤外線通信部184によって、画像メモリ50に記憶された放射線画像情報を送信し、コンソール62は、赤外線通信部188によって、放射線画像情報を受信し、読み出し部120によって、受信した放射線画像情報を読み出す。
【0096】
次に、第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同様の構成となっている部分については、同一符号を付して説明を省略する。
【0097】
第2の実施の形態では、コンソール側にGPSを設けて通信方式を決定している点が、第1の実施の形態と主に異なっている。
【0098】
図8に示すように、第2の実施の形態に係る撮影システムのコンソール262は、メモリリーダ108、複数の送受信機112、電源部114、操作部118、読み出し部120、画像メモリ122、表示制御部124、表示部126、通信制御部128、GPS296、通信方式決定部310、出力制御部312、及び電源供給制御部316が設けられている。なお、コンソール262は、本発明の情報処理装置に対応する。
【0099】
GPS296は、自装置が存在する位置を示すGPS位置情報を測定する。GPS296は、通信方式決定部310に接続されており、通信方式決定部310は、上記第1の実施の形態で説明した通信方式決定部98と同様の方法により、複数の送受信機112で用いられる、電波周波数帯域、変調方式、及び電波出力の組み合わせで規定される複数の通信方式の何れか1つを決定する。
【0100】
また、通信方式決定部310は、GPS296によりGPS位置情報が得られなかった場合、無線通信を禁止するように決定する。
【0101】
通信方式決定部310及び電源部114は、電源供給制御部316に接続されており、電源供給制御部316は、複数の送受信機112のうち、通信方式決定部310によって決定された通信方式に対応する送受信機112のみに、電源部114からの電源が供給されるように制御し、決定された通信方式に対応する送受信機112による無線通信が可能な状態とする。また、電源供給制御部316は、通信方式決定部310によって無線通信を禁止するように決定された場合には、どの送受信機112にも、電源部114からの電源が供給されないように制御し、いずれの送受信機112による無線通信も行えない状態とする。
【0102】
また、通信方式決定部310は、出力制御部312に接続されている。出力制御部312は、電子カセッテ252からの通信方式出力要求に応じて、通信方式決定部310によって決定された通信方式を示す情報を、ケーブル(図示省略)を介して電子カセッテ252へ出力する。
【0103】
電子カセッテ252は、通信制御部90、複数の送受信機92、主電源部94、メモリカード104、記憶制御部106、通信方式取得部298、及び電源供給制御部300を備えている。
【0104】
通信方式取得部298は、ケーブルを介して、コンソール262の出力制御部312に接続される。通信方式取得部298は、電子カセッテ252とコンソール262とがケーブルによって接続されたことを検知すると、通信方式出力要求をコンソール262に対して出力し、コンソール262の通信方式決定部310によって決定された通信方式を示す情報を、ケーブルを介して取得する。
【0105】
電子カセッテ252の通信方式取得部298及び主電源部94は、電源供給制御部300に接続されており、電源供給制御部300は、複数の送受信機92のうち、通信方式取得部298によって取得された情報が示す通信方式に対応する送受信機92のみに、主電源部94からの電源が供給されるように制御し、取得された情報が示す通信方式に対応する送受信機92による無線通信が可能な状態とする。また、電源供給制御部300は、通信方式取得部298によって無線通信を禁止することを示す情報が取得された場合には、どの送受信機92にも、主電源部94からの電源が供給されないように制御し、いずれの送受信機92による無線通信も行えない状態とする。
【0106】
第2の実施の形態に係る放射線情報システムの他の構成は、第1の実施の形態と同様であるため、説明を省略する。
【0107】
次に、第2の実施の形態に係る放射線情報システムの作用について説明する。
【0108】
コンソール262において、電源がオンされると、通信方式決定部310及び電源供給制御部316を実現するプログラムによって、以下のように、通信方式設定処理ルーチンが実行される。
【0109】
まず、GPS96より測定された自装置が存在する位置を示す位置情報を取得する。そして、位置情報が取得できたか否かを判定し、位置情報を取得できなかった場合には、全ての送受信機112への電源供給を停止させて、送受信機112による無線通信を禁止して、通信方式設定処理ルーチンを終了する。
【0110】
位置情報が取得できたと判定された場合には、取得された位置情報に基づいて、自装置が存在する位置が属する国を特定する。そして、特定された自装置の位置が属する国に対応する通信方式として、電波周波数帯域、変調方式、及び無線電波出力を決定し、決定された通信方式の電波を利用する送受信機112に、電源部114からの電源を供給させて、通信方式設定処理ルーチンを終了する。
【0111】
上記の通信方式設定処理ルーチンを実行することにより、自装置の位置が属する国の電波法において認められた通信方式によって無線通信を行う送受信機112が、無線通信可能な状態となる。
【0112】
また、電子カセッテ252とコンソール262とがケーブルによって接続されると、上記のようにコンソール262において決定された通信方式を示す情報が、電子カセッテ252によって取得される。そして、電子カセッテ252において、取得された情報が示す通信方式の電波を利用する送受信機92に、主電源部94からの電源を供給させるように制御する。これによって、自装置の位置が属する国の電波法において認められた通信方式によって無線通信を行う送受信機92が、無線通信可能な状態となる。
【0113】
なお、第2の実施の形態に係る放射線情報システムの他の作用については、第1の実施の形態と同様であるため、説明を省略する。
【0114】
以上詳細に説明したように、第2の実施の形態に係る放射線情報システムのコンソールによれば、GPSを用いて自装置の位置を取得して、自装置が存在する位置が属する国の電波法において認められた、電波周波数帯域、変調方式、及び電波出力によって規定される通信方式を決定し、決定された通信方式を用いて、放射線画像情報を受信することにより、使用者に負担をかけることなく、適切な電波を用いて通信を行うことができる。
【0115】
また、電子カセッテでは、自装置が存在する位置が属する国の電波法において認められた通信方式をコンソールから取得し、取得された通信方式を用いて、放射線画像情報を送信することにより、使用者に負担をかけることなく、適切な電波を用いて通信を行うことができる。
【0116】
次に、第3の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態及び第2の実施の形態と同様の構成となっている部分については、同一符号を付して説明を省略する。
【0117】
第3の実施の形態では、電子カセッテ側とコンソール側との双方にGPSを設け、双方において各々通信方式を決定している点が、第1の実施の形態と主に異なっている。
【0118】
図9に示すように、第3の実施の形態に係る撮影システムの電子カセッテ352は、通信制御部90と、複数の送受信機92と、主電源部94と、GPS96と、通信方式決定部98と、電源供給制御部100と、メモリカード104と、記憶制御部106とを備えている。
【0119】
また、コンソール362は、メモリリーダ108と、複数の送受信機112と、電源部114と、GPS296と、通信方式決定部310と、電源供給制御部316とを備えている。
【0120】
電子カセッテ352は、第1の実施の形態と同様に、通信方式設定処理ルーチンを実行することにより、自装置の位置が属する国の電波法において認められた通信方式によって無線通信を行う送受信機92が、無線通信可能な状態となる。
【0121】
コンソール362は、電源がオンされたときに、第2の実施の形態と同様に、通信方式設定処理ルーチンを実行することにより、自装置の位置が属する国の電波法において認められた通信方式によって無線通信を行う送受信機112が、無線通信可能な状態となる。
【0122】
なお、第3の実施の形態に係る放射線情報システムについて、他の構成及び作用については、第1の実施の形態と同様であるため、説明を省略する。
【0123】
次に、第4の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態及び第3の実施の形態と同様の構成となっている部分については、同一符号を付して説明を省略する。
【0124】
第4の実施の形態では、撮影室が診断車内に設けられている点と、診断車にGPSが設けられている点とが、第3の実施の形態と主に異なっている。
【0125】
図10に示すように、第4の実施の形態に係る撮影システムの電子カセッテ452は、通信制御部90と、複数の送受信機92と、主電源部94と、位置情報取得部494と、通信方式決定部98と、電源供給制御部100と、メモリカード104と、記憶制御部106とを備えている。
【0126】
電子カセッテ452と診断車とがケーブルによって接続されている状態において、位置情報取得部494は、撮影室43が設けられた診断車に搭載されているGPS496に、ケーブルを介して接続される。位置情報取得部494は、GPS496から、自装置が存在する位置を示すGPS位置情報を取得する。
【0127】
また、第4の実施の形態に係るコンソール462は、メモリリーダ108と、複数の送受信機112と、電源部114と、操作部118、読み出し部120、画像メモリ122、表示制御部124、表示部126、通信制御部128、位置情報取得部498と、通信方式決定部310と、電源供給制御部316とを備えている。
【0128】
コンソール462と診断車とがケーブルによって接続されており、コンソール462の位置情報取得部498は、GPS496に、ケーブルを介して接続される。位置情報取得部498は、GPS496から、自装置が存在する位置を示すGPS位置情報を取得する。
【0129】
第4の実施の形態に係る撮影システムの他の構成及び作用については、第3の実施の形態と同様であるため、説明を省略する。
【0130】
なお、上記の実施の形態では、診断車にGPSを搭載した場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、電子カセッテのその他の外部装置にGPSを搭載し、電子カセッテが、外部装置からケーブルを介してGPS位置情報を取得するようにしてもよい。例えば、他の移動体や携帯端末などにGPSを搭載するようにしてもよい。
【0131】
また、電子カセッテとコンソールとの双方で、GPS位置情報を取得して、通信方式を決定する場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、電子カセッテとコンソールとの何れか一方で、GPS位置情報を取得して、通信方式を決定し、他方では、上記の第1の実施の形態や第2の実施の形態と同様に、決定された通信方式を示す情報を取得するようにしてもよい。
【0132】
次に、第5の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態となっている部分については、同一符号を付して説明を省略する。
【0133】
第5の実施の形態では、電子カセッテが、放射線画像情報をクレードルに対して無線通信によって送信している点が、第1の実施の形態と主に異なっている。
【0134】
図11に示すように、第5の実施の形態に係る撮影システムの電子カセッテ52は、第1の実施の形態と同様の構成となっており、電子カセッテ52の通信制御部90は、画像メモリ50に放射線画像情報が記憶されると、何れかの送受信機92によって、放射線画像情報をクレードル560に対して送信する。
【0135】
また、第5の実施の形態に係る撮影システムのクレードル560は、メモリリーダ508と、通信方式取得部510と、複数の送受信機512と、電源部514と、電源供給制御部516と、読み出し部520と、画像メモリ522と、通信制御部528と、充電部530とを備えている。なお、クレードル560は、本発明の収容装置に対応する。
【0136】
クレードル560の通信方式取得部510は、電子カセッテ52及びクレードル560の各々の表面に露出するように設けられた通信用電極を介して、電子カセッテ52の出力制御部102に接続される。電子カセッテ52がクレードル560に収納され、電子カセッテ52とクレードル560とが通信用電極によって導通されると、電子カセッテ52の通信方式決定部98によって決定された通信方式を示す情報が、クレードル560の通信方式取得部510によって取得される。
【0137】
複数の送受信機512は、電子カセッテ52と同様に、国毎の電波法において認められた医療用無線方式であって、各々、電波周波数帯域、変調方式、及び電波出力が異なる組み合わせで規定される電波無線によって通信を行う。
【0138】
また、クレードル560の電源部514は商用電源に常時接続され、商用電源から供給された電力を整流、変圧し、クレードル560のうち各種回路や各素子(通信方式取得部510、電源供給制御部516、読み出し部520、画像メモリ522、通信制御部528、充電部530等)へ供給する。
【0139】
電源部514は、充電部530にも接続されており、また、クレードル560の充電用電極は導体を介して充電部530に接続されている。電子カセッテ52がクレードル560に収納され、クレードル560側の充電用電極が、電子カセッテ52側の充電用電極と接触し、導通している場合、充電部530は、電源部514から供給された電力を、電子カセッテ52の主電源部94の二次電池へ供給して、二次電池を充電する。
【0140】
クレードル560の通信方式取得部510及び電源部514は、電源供給制御部516に接続されており、電源供給制御部516は、複数の送受信機512のうち、通信方式取得部510によって取得された情報が示す通信方式に対応する送受信機512のみに、電源部514からの電源が供給されるように制御し、取得された情報が示す通信方式に対応する送受信機512による無線通信が可能な状態とする。また、電源供給制御部516は、通信方式取得部510によって無線通信を禁止することを示す情報が取得された場合には、どの送受信機512にも、電源部514からの電源が供給されないように制御し、いずれの送受信機512による無線通信も行えない状態とする。
【0141】
クレードル560の読み出し部520は、何れかの送受信機512によって受信された放射線画像情報を読み出す。また、読み出し部520には画像メモリ522が接続され、読み出し部520によって読み出された放射線画像情報が、画像メモリ522に記憶される。
【0142】
クレードル560のメモリリーダ508は、メモリカード104を装填可能な構成となっている。読み出し部520は、メモリリーダ508に装填されたメモリカード104に記憶された放射線画像情報を、メモリリーダ508を介して読み出し、画像メモリ522に記憶する。
【0143】
画像メモリ522には、通信制御部528が接続されている。通信制御部528は、画像メモリ522に記憶された放射線画像情報を、コンソールなどの外部機器へ出力する。
【0144】
読み出し部520、通信方式取得部510、及び通信制御部528はマイクロコンピュータによって実現され、電源供給制御部516は、スイッチング回路によって実現される。
【0145】
電子カセッテ52では、第1の実施の形態と同様に、通信方式設定処理ルーチンが実行され、自装置の位置が属する国の電波法において認められた通信方式によって無線通信を行う送受信機92が、無線通信可能な状態となる。
【0146】
電子カセッテ52が、クレードル560に収容されると、電子カセッテ52とクレードル560とが、通信用電極と充電用電極との各々を介して導通される。このとき、電子カセッテ52において決定された通信方式を示す情報が、クレードル560によって取得される。そして、クレードル560において、取得された情報が示す通信方式の電波を利用する送受信機512に、電源部514からの電源を供給させるように制御する。これによって、自装置の位置が属する国の電波法において認められた通信方式によって無線通信を行う送受信機512が、無線通信可能な状態となる。また、クレードル560の充電部530によって、電子カセッテ52の主電源部94の二次電池が充電される。
【0147】
放射線画像の撮影が行われると、電子カセッテ52において、放射線画像情報が生成され、画像メモリ50に一旦記憶される。そして、電子カセッテ52の無線通信可能な状態となっている送受信機92によって、放射線画像情報がクレードル560に対して送信される。
【0148】
電子カセッテ52から送信された放射線画像情報は、クレードル560の無線通信可能な状態となっている送受信機512によって受信され、所定の画像処理が施された後、画像メモリ522に記憶される。また、画像処理の施された放射線画像情報は、通信制御部528からコンソールに送信される。
【0149】
また、無線通信を禁止するように決定されている場合には、電子カセッテ52は、記憶制御部106によって、画像メモリ50に記憶された放射線画像情報をメモリカード104に記憶させる。そして、医師26又は放射線技師は、撮影が終了すると、電子カセッテ52からメモリカード104を取出し、クレードル560のメモリリーダ508にメモリカード104を装填させる。クレードル560は、メモリカード104に記憶された放射線画像情報を読み出し、所定の画像処理を施した後、画像メモリ522に記憶する。
【0150】
以上説明したように、第5の実施の形態に係る放射線情報システムのクレードルでは、自装置が存在する位置が属する国の電波法において認められた通信方式を電子カセッテから取得し、取得された通信方式を用いて、放射線画像情報を受信することにより、使用者に負担をかけることなく、適切な電波を用いて通信を行うことができる。
【0151】
なお、上記の実施の形態では、電子カセッテ側にGPSを設けて通信方式を決定する場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、クレードル側にGPSを設けて通信方式を決定するようにしてもよい。この場合には、第2の実施の形態と同様に、電子カセッテは、クレードルより決定された通信方式を示す情報を取得するようにすればよい。
【0152】
また、第3の実施の形態と同様に、電子カセッテとクレードルとの双方にGPSを設け、双方で各々通信方式を決定するようにしてもよい。また、第4の実施の形態と同様に、外部装置に搭載されたGPSから、電子カセッテとクレードルとの双方で、GPS位置情報を取得して、通信方式を決定するようにしてもよい。また、電子カセッテとクレードルとの何れか一方で、外部装置のGPSからGPS位置情報を取得して、通信方式を決定し、他方では、決定された通信方式を示す情報を取得するようにしてもよい。
【0153】
次に、第6の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態となっている部分については、同一符号を付して説明を省略する。
【0154】
第6の実施の形態では、電子カセッテにおいて、通信制御部と送受信機との接続関係を切り替えることによって、何れか1つの送受信機によって通信を行うように制御している点が、第1の実施の形態と主に異なっている。
【0155】
図12に示すように、第6の実施の形態に係る撮影システムの電子カセッテ652は、通信制御部90と、複数の送受信機92と、主電源部94と、GPS96と、通信方式決定部98と、出力制御部102と、メモリカード104と、記憶制御部106と、切り替え制御部700と、切り替え部702とを備えている。主電源部94は、複数の送受信機92の各々に電源を供給している。
【0156】
各送受信機92は、切り替え部702を介して、通信制御部90に接続されている。切り替え部702は、スイッチング回路によって構成され、入力される切り替え制御信号に基づいて、通信制御部90と接続される1つの送受信機92を切り替える。なお、切り替え部702は、通信制御部90がいずれの送受信機92とも接続されない状態に切り替えることもできる。
【0157】
切り替え制御部700は、通信方式決定部98と切り替え部702とに接続されている。切り替え制御部700は、複数の送受信機92のうち、通信方式決定部98によって決定された通信方式に対応する送受信機92のみが、通信制御部90と接続されるように、切り替え制御信号を切り替え部702に入力して、切り替え部702による切り替えを制御し、決定された通信方式に対応する送受信機92による無線通信が可能な状態とする。また、切り替え制御部700は、通信方式決定部98によって無線通信を禁止するように決定された場合には、どの送受信機92も、通信制御部90と接続されないように、切り替え制御信号を切り替え部702に入力して、いずれの送受信機92による無線通信も行えない状態とする。
【0158】
なお、切り替え制御部700には、通信方式決定部98によって決定される通信方式と、通信方式に対応する送受信機92との対応関係が予め記憶されている。
【0159】
第6の実施の形態に係る撮影システムのコンソール662は、メモリリーダ108と、通信方式取得部110と、複数の送受信機112と、電源部114と、操作部118と、読み出し部120と、画像メモリ122と、表示制御部124と、表示部126と、通信制御部128と、切り替え制御部716と、切り替え部718とを備えている。電源部114は、複数の送受信機112の各々に電源を供給している。
【0160】
各送受信機112は、切り替え部718を介して、読み出し部120に接続されている。切り替え部718は、スイッチング回路によって構成され、入力される切り替え制御信号に基づいて、読み出し部120と接続される1つの送受信機112を切り替える。なお、切り替え部718は、読み出し部120がいずれの送受信機112とも接続されない状態に切り替えることもできる。
【0161】
切り替え制御部716は、通信方式取得部110と切り替え部718とに接続されている。切り替え制御部716は、複数の送受信機112のうち、通信方式取得部110によって取得された通信方式に対応する送受信機112のみが、読み出し部120と接続されるように、切り替え制御信号を切り替え部718に入力して、切り替え部718による切り替えを制御し、決定された通信方式に対応する送受信機112による無線通信が可能な状態とする。また、切り替え制御部716は、通信方式取得部110によって無線通信を禁止することを示す情報が取得された場合には、どの送受信機112も、読み出し部120と接続されないように、切り替え制御信号を切り替え部718に入力して、いずれの送受信機112による無線通信も行えない状態とする。
【0162】
なお、切り替え制御部716には、通信方式取得部110によって取得される情報が示す通信方式と、通信方式に対応する送受信機112との対応関係が予め記憶されている。
【0163】
電子カセッテ652において、通信方式決定部98及び切り替え制御部700を実現するマイクロコンピュータによって、以下のように、通信方式設定処理ルーチンが実行される。
【0164】
まず、GPS96より測定された自装置が存在する位置を示すGPS位置情報を取得する。そして、GPS位置情報が取得できたか否かを判定し、GPS位置情報を取得できなかった場合には、通信制御部90が何れの送受信機92とも接続されないように、切り替え部702を制御して、送受信機92による無線通信を禁止して、通信方式設定処理ルーチンを終了する。
【0165】
一方、GPS位置情報が取得できたと判定された場合には、取得されたGPS位置情報に基づいて、自装置が存在する位置が属する国を特定する。そして、特定された自装置の位置が属する国に対応する通信方式として、電波周波数帯域、変調方式、及び無線電波出力によって規定される通信方式を決定する。次に、決定された通信方式の電波を利用する送受信機92と、通信制御部90とが接続されるように切り替え部702を制御して、通信方式設定処理ルーチンを終了する。
【0166】
上記の通信方式設定処理ルーチンを実行することにより、自装置の位置が属する国の電波法において認められた通信方式によって無線通信を行う送受信機92が、通信制御部90と接続され、無線通信可能な状態となる。
【0167】
また、電子カセッテ652とコンソール662とがケーブルによって接続されている状態において、医師26や放射線技師が、コンソール662の操作部118によって、通信方式取得指示を入力すると、電子カセッテ652において決定された通信方式を示す情報が、コンソール662によって取得される。そして、コンソール662において、取得された情報が示す通信方式の電波を利用する送受信機112に、読み出し部120が接続されるように、切り替え部718による切り替えを制御する。これによって、自装置の位置が属する国の電波法において認められた通信方式によって無線通信を行う送受信機112が、無線通信可能な状態となる。
【0168】
第6の実施の形態に係る放射線情報システムの他の作用については、第1の実施の形態と同様であるため、説明を省略する。
【0169】
なお、上記の実施の形態では、電子カセッテ側にGPSを設けて通信方式を決定する場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、第2の実施の形態と同様に、コンソール側にGPSを設けて通信方式を決定するようにしてもよい。また、第3の実施の形態と同様に、電子カセッテとコンソールとの双方にGPSを設け、双方で各々通信方式を決定するようにしてもよい。また、第4の実施の形態と同様に、外部装置に搭載されたGPSから、電子カセッテとクレードルとの双方で、GPS位置情報を取得して、通信方式を決定するようにしてもよい。また、電子カセッテとコンソールとの何れか一方で、外部装置のGPSからGPS位置情報を取得して、通信方式を決定し、他方では、決定された通信方式を示す情報を取得するようにしてもよい。また、第5の実施の形態と同様に、電子カセッテがクレードルに放射線画像情報を送信する構成としてもよい。
【0170】
また、上記の第1の実施の形態〜第6の実施の形態では、電子カセッテとコンソール又クレードルとの間で、無線通信を行い、コンソールとその他の装置との間では、有線通信を行う場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、コンソールとその他の装置との間でも、無線通信を行うようにしてもよい。この場合には、撮影装置、表示装置、及びRISサーバの各々において、上記で説明したように、通信方式を決定するか、又は決定された通信方式を取得して、その通信方式を用いた送受信機によって、無線通信を行うようにすればよい。
【0171】
また、国毎に認められた複数の通信方式として、電波周波数帯域、変調方式、及び電波出力の異なる組み合わせによって規定される複数の通信方式を用いる複数の送受信機を、電子カセッテとコンソール又はクレードルとに設けた場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。対象となる複数の国の電波法で認められている複数の通信方式について、変調方式及び電波出力が共通となっている場合には、変調方式及び電波出力が共通であって、電波周波数帯域が異なる複数の送受信機を、電子カセッテとコンソール又はクレードルとに設けるようにしてもよい。
【0172】
また、電子カセッテとコンソール又はクレードルとにおいて、複数の送受信機を設けた場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、複数の通信方式を切り替えることが可能な1つの送受信機を、電子カセッテとコンソール又はクレードルとに設けるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0173】
【図1】第1の実施の形態に係る放射線情報システムの構成を示すブロック図である。
【図2】第1の実施の形態に係る放射線画像撮影システムが設置された手術室の様子を示すイメージ図である。
【図3】第1の実施の形態に係る電子カセッテの内部構成を示す斜視図である。
【図4】第1の実施の形態に係る電子カセッテ及びコンソールの電気系の構成を示すブロック図である。
【図5】第1の実施の形態に係る電子カセッテにおける通信方式設定処理ルーチンの内容を示すフローチャートである。
【図6】他の実施の形態に係る電子カセッテ及びコンソールの電気系の構成を示すブロック図である。
【図7】他の実施の形態に係る電子カセッテ及びコンソールの電気系の構成を示すブロック図である。
【図8】第2の実施の形態に係る電子カセッテ及びコンソールの電気系の構成を示すブロック図である。
【図9】第3の実施の形態に係る電子カセッテ及びコンソールの電気系の構成を示すブロック図である。
【図10】第4の実施の形態に係る電子カセッテ及びコンソールの電気系の構成を示すブロック図である。
【図11】第5の実施の形態に係る電子カセッテ及びクレードルの電気系の構成を示すブロック図である。
【図12】第6の実施の形態に係る電子カセッテ及びコンソールの電気系の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0174】
10 放射線情報システム
18 放射線画像撮影システム
52、252、352、452、652 電子カセッテ
54 撮影装置
60、560 クレードル
62、262、362、462、662 コンソール
80 放射線検出器
90 通信制御部
92 送受信機
94 主電源部
96 GPS
98、310 通信方式決定部
100 電源供給制御部
104 メモリカード
106 記憶制御部
110、298、510 通信方式取得部
112、512 送受信機
114、514 電源部
116、300、316、516 電源供給制御部
180 有線通信制御部
181 接続端子
184 赤外線通信部
186 赤外線通信制御部
494、498 位置情報取得部
700、716 切り替え制御部
702、718 切り替え部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部から照射された放射線量に応じた放射線画像を示す画像情報を生成する電子回路と、
自装置が存在する位置を示す位置情報を取得する位置情報取得手段と、
複数の領域と複数の電波の周波数帯域との予め定められた対応関係に基づいて、前記位置情報取得手段によって取得された位置情報が示す位置を含む領域に対応する、前記電波の周波数帯域を決定する決定手段と、
前記複数の電波の周波数帯域を用いた通信を行うことが可能な通信手段と、
前記決定手段によって決定された周波数帯域の電波を用いて、前記電子回路によって生成された画像情報を送信するように前記通信手段を制御する通信制御手段と、
を含む可搬型放射線画像変換装置。
【請求項2】
前記決定手段は、前記複数の領域と、電波の周波数帯域、変調方式、及び電波出力の複数の組み合わせとの予め定められた対応関係に基づいて、前記位置情報取得手段によって取得された位置情報が示す位置を含む領域に対応する、前記電波の周波数帯域、変調方式、及び電波出力の組み合わせを決定し、
前記通信手段は、前記電波の周波数帯域、変調方式、及び電波出力の前記複数の組み合わせを用いた通信を行うことが可能であって、
前記通信制御手段は、前記決定手段によって決定された前記電波の周波数帯域、変調方式、及び電波出力の組み合わせを用いて、前記電子回路によって生成された画像情報を送信するように前記通信手段を制御する請求項1記載の可搬型放射線画像変換装置。
【請求項3】
前記領域は、国を表し、
国の法令による電波の制限に応じて前記対応関係が定められている請求項1又は2記載の可搬型放射線画像変換装置。
【請求項4】
前記位置情報を、GPSから得られる位置情報とした請求項1〜請求項3の何れか1項記載の可搬型放射線画像変換装置。
【請求項5】
前記通信制御手段は、前記位置情報取得手段によって前記位置情報が取得されなかった場合に、前記通信手段による通信を禁止するように制御する請求項1〜請求項4の何れか1項記載の可搬型放射線画像変換装置。
【請求項6】
前記位置情報取得手段によって前記位置情報が取得されなかった場合、着脱可能な記憶媒体に対して、前記電子回路によって生成された画像情報を記憶させる記憶制御手段を更に含む請求項5記載の可搬型放射線画像変換装置。
【請求項7】
着脱可能な通信ケーブルを接続するための接続端子と、
前記位置情報取得手段によって前記位置情報が取得されなかった場合、前記電子回路によって生成された画像情報を、前記通信ケーブルを介して送信させる有線通信制御手段とを更に含む請求項5記載の可搬型放射線画像変換装置。
【請求項8】
光通信を行うことが可能な光通信手段と、
前記位置情報取得手段によって前記位置情報が取得されなかった場合、前記電子回路によって生成された画像情報を送信するように前記光通信手段を制御する光通信制御手段とを更に含む請求項5記載の可搬型放射線画像変換装置。
【請求項9】
自装置が存在する位置を示す位置情報を取得する位置情報取得手段と、
複数の領域と複数の電波の周波数帯域との予め定められた対応関係に基づいて、前記位置情報取得手段によって取得された位置情報が示す位置を含む領域に対応する、前記電波の周波数帯域を決定する決定手段と、
前記複数の電波の周波数帯域を用いた通信を行うことが可能な通信手段と、
外部から照射された放射線量に応じた放射線画像を示す画像情報を生成する電子回路を備えた可搬型放射線画像変換装置から、前記決定手段によって決定された周波数帯域の電波を用いて、前記画像情報を受信するように前記通信手段を制御する通信制御手段と、
前記通信手段によって受信した前記画像情報を表示する表示手段と、
を含む情報処理装置。
【請求項10】
外部から照射された放射線量に応じた放射線画像を示す画像情報を生成する電子回路が収納された可搬型放射線画像変換装置を収容することが可能な収容装置であって、
自装置が存在する位置を示す位置情報を取得する位置情報取得手段と、
複数の領域と複数の電波の周波数帯域との予め定められた対応関係に基づいて、前記位置情報取得手段によって取得された位置情報が示す位置を含む領域に対応する、前記電波の周波数帯域を決定する決定手段と、
前記複数の電波の周波数帯域を用いた通信を行うことが可能な通信手段と、
前記決定手段によって決定された周波数帯域の電波を用いて、前記可搬型放射線画像変換装置から前記画像情報を受信するように前記通信手段を制御する通信制御手段と、
を含む収容装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−32268(P2010−32268A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−192723(P2008−192723)
【出願日】平成20年7月25日(2008.7.25)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】