説明

台部材の昇降装置

【課題】 デッドスペースを小さくし、しかも、台部材の昇降範囲を大きくしても、デッドスペースが大きくならない台部材の昇降装置を提供することである。
【解決手段】 回転体7と、この回転体7に巻きつけて回転体の両側から引き出した長尺部材18とを備え、上記回転体7の一方向の回転に対して長尺部材18の両側が上記回転体に収束し、他方向の回転に対して長尺部材18の両側が回転体7から解放される関係を保ち、回転体7の回転にともなって上記長尺部材18の有効長さを伸縮する構成にする一方、上記回転体7を回転させる駆動機構を設けてなり、上記長尺部材18の有効な側の伸縮に応じて、長尺部材18に連係した棚板P等の台部材を上下させる構成にした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、棚板などの台部材を上下させる昇降装置に関する。
【背景技術】
【0002】
棚やテーブルなどの位置を、簡単に上下に調整できる仕組みを利用したものとして、例えば、特許文献1に記載された載置台がある。
この載置台は、台の四隅に設けた脚を伸縮自在にするものである。具体的には、各脚を、螺旋溝を供えた軸部材と、これに相対し、上記軸部材の螺旋溝に噛み合う螺旋溝を設けた筒部材とで構成し、軸部材か筒部材のいずれかを回転させることによって、脚を伸縮させるというものである。
また、各脚の回転する部材に、スプロケットを設け、これらスプロケットをベルトで連結するとともに、このベルトに取り付けた取手を移動させることによって上記部材を同時に回転させるようにしている。
このような載置台を、例えば、棚板として利用すれば、この棚の上に物を載せたまま、棚板の位置を調整することができる。そのため、載置物の高さに応じて棚板の位置を簡単に調整することができるようになる。
【特許文献1】特開2000−297898号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記のような載置台では、上下機構を備えた脚を台部材の四隅下方に設ける必要がある。そのため、4本の脚の分だけ、台部材の下にデッドスペースができてしまう。しかも、上下方向の移動範囲を大きくするためには、その分、上記軸部材の長さを長くする必要があり、台部材の下のデッドスペースも大きくなるという問題があった。
また、上記脚は、軸部材と筒部材とによって伸縮可能にしているので、最も伸縮させた状態の脚は、軸部材または筒部材の長さとなる。つまり、台部材を、軸部材または筒部材の長さよりも下方に下げることができず、移動範囲が限られてしまうという問題もあった。
【0004】
この発明の目的は、デッドスペースを小さくし、しかも、台部材の昇降範囲を大きくしても、デッドスペースが大きくならない台部材の昇降装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の発明は、回転体と、この回転体に巻きつけて回転体の両側から引き出した長尺部材とを備え、上記回転体の一方向の回転に対して長尺部材の両側が上記回転体に収束し、他方向の回転に対して長尺部材の両側が回転体から解放される関係を保ち、回転体の回転にともなって上記長尺部材の有効長さを伸縮する構成にする一方、上記回転体を回転させる駆動機構を設けてなり、上記長尺部材の有効な側の伸縮に応じて、長尺部材に連係した棚板等の台部材を上下させる構成にした点に特徴を有する。
上記長尺部材の有効長さとは、長尺部材のうち、回転体に巻きつけられた部分を除き、上記回転体から引き出されている部分のことである。
【0006】
第2の発明は、上記第1の発明を前提とし、上記回転体に、回転体の回転軸と交差する方向に貫通する貫通孔を形成し、この貫通孔に、長尺部材を貫通させて、この長尺部材を回転体の両側から引き出した点に特徴を有する。
【0007】
第3の発明は、上記第1または第2の発明を前提とし、上下動可能にした台部材と、この台部材よりも上方に設けた回転体と、回転体の両側から引き出された長尺部材を台部材へ導く一対のガイドローラーとを備え、上記長尺部材の両方の先端部分を台部材に直接または間接的に連結した点に特徴を有する。
【0008】
第4の発明は、上記第1または第2の発明を前提とし、上下動可能にした台部材と、この台部材に回転可能に取り付けた回転体と、台部材よりも上方に設け、かつ、回転体の両側から引き出された長尺部材の両方の先端部分をそれぞれ固定する一対の固定部と、上記台部材に設け、かつ、上記回転体と固定部との間にあって、長尺部材をガイドする一対のガイドローラーとを備えた点に特徴を有する。
【0009】
第5の発明は、上記第3または第4の発明を前提とし、上記一対のガイドローラーのうち、いずれか一方のガイドローラーを上記回転体とした点に特徴を有する。
【0010】
第6の発明は、上記第1〜第5の発明を前提とし、上記回転体の駆動機構には、長尺部材が収束する方向の回転体の回転を許容し、長尺部材を解放する方向の回転体の回転を規制するワンウエイクラッチと、このワンウエイクラッチの上記回転規制を解除する規制解除手段とを備えた点に特徴を有する。
【0011】
第7の発明は、上記第1〜第6の発明を前提とし、上記規制解除手段により、上記ワンウエイクラッチの回転規制を解除したときに、台部材が自重で落下する構成にする一方、台部材の落下時に、回転体の回転速度を規制するダンパを備えた点に特徴を有する。
【0012】
第8の発明は、上記第6または第7の発明を前提とし、上記規制解除手段は、ワンウエイクラッチと回転体との間に設けた噛み合いクラッチからなり、この噛み合いクラッチに対し、それを噛み合わせる方向のばね力を作用させるばね部材を設け、このばね部材のばね力に抗して噛み合いクラッチを切り離したとき、上記回転体が自由回転する構成にした点に特徴を有する。
【発明の効果】
【0013】
第1の発明によれば、台部材を長尺部材によって吊るすようにしているので、伸縮する脚などの部材が不要となり、デッドスペースを小さくできる。特に、台部材の下側のデッドスペースがほとんどないので、低い位置まで台部材を下げることが可能になる。しかも、台部材の昇降範囲を大きくすることによってデッドスペースが大きくなることもない。
また、一つの回転体に対して両側から長尺部材が引き出されている構成で、ひとつの回転体の回転で両側の長尺部材を同時に伸縮させることができる。両側の長尺部材を伸縮させるために2つの回転体や駆動機構が必要ないため、さらに省スペース化できる。
さらに、回転体を回転させたとき、回転体の両方向に引き出された長尺部材の長さは、どちらも同じ長さだけ変化するので、巻き上げたり、放したりする際に、台部材が傾かないように長尺部材の両方向のバランスを調整する必要がない。
【0014】
第2の発明によれば、回転体の設置位置を変更しても長尺部材の左右の長さを簡単に調整できる。
第3の発明では、長尺部材の先端部分で台部材を吊り下げ、回転体や回転体の駆動機構を台部材とは別の箇所に設けているので、長尺部材には、台部材の重量のみが作用する。そのため、台部材に回転体を設ける場合と比べて、長尺部材の強度を低くできる。
第4の発明では、回転体を台部材に設けたので、回転体にハンドルを取り付けた場合、そのハンドルが台部材と同じ位置になる。そのため、台部材の上昇位置が高い場合でも、台部材の上方に回転体を設けた装置と比べれば、ハンドル位置が低くなり、ハンドル操作がやり易い。
第5の発明によれば、部品点数を減らすことができる。
【0015】
第6の発明では、ワンウエイクラッチによって、台部材を上昇させる方向に回転体を回転させることができるが、下降させる方向の回転が規制されるので、台部材が勝手に落下してしまうことがない。そのため、台部材の上昇過程で、特別な操作を行なわなくても、台部材を任意の位置に止めることができる。
一方、ワンウエイクラッチの規制を解除すれば、台部材を自重で落下させることができる。従って、台部材を下降させるために、回転体をわざわざ回転させる必要がない。
【0016】
第7の発明によれば、ワンウエイクラッチの回転規制を解除して、台部材を自重で下降させる際に、その下降速度を緩やかにすることができる。従って、下降時に、台部材に与える衝撃を小さくすることができる。そのため、台部材上に、物を載せたままで、台部材を昇降させても、載置されている物を落とす心配がない。
【0017】
第8の発明では、ワンウエイクラッチの回転規制を解除する際に、ばね部材のばね力に抗して噛み合いクラッチを引き離すようにしている。このばね力に抗した力を解除すれば、上記ばね力によって回転規制状態に戻る。つまり、特別な操作を行なわなくても、ばね力によって確実に回転規制状態にすることができる。従って、台部材が、勝手に落下してしまうようなことがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1〜図7に、この発明の第1実施形態を示す。
図1は、台部材としての棚板Pを上下させる昇降装置の正面図であり、図2は平面図である。
図1、図2に示すように、この昇降装置は、平面上に設ける下側フレーム1と、この下側フレーム1の上方に設ける上側フレーム3と、これら、上下のフレーム間に設けるガイド支柱2a,2b,2c,2dとを備えている。
上記下側フレーム1は、平面上に前後に設ける平行なフレーム部材1a,1bと、これらフレーム部材1a,1bに直交し、互いに平行な一対のフレーム部材1c、1dとによって構成している。なお、図1では、紙面上方がこの装置の前方であり、図2では、図中の下側がこの装置の前方である。
【0019】
上記フレーム部材1c,1d上には、それぞれ2本のガイド支柱2a,2bおよび2c,2dを起立させ、その上端には、フレーム部材1cおよび1dに平行なフレーム部材4a,4bを取り付けている。さらに、フレーム部材4a,4bの上には、上側フレーム3を取り付けている。
この上側フレーム3は、前後に設ける平行なフレーム部材3a,3bと、これらフレーム部材3a,3b間に設けた左右一対のフレーム部材3c,3dとからなる。そして、上記フレーム部材3a,3bは、上記一対のフレーム部材4a,4bに渡すともに、下側フレーム1のフレーム部材1a,1bに平行にしている。
また、上記一対のフレーム部材3c,3dは、上記フレーム部材4a,4bよりも中央側に設けている。
【0020】
そして、上記フレーム部材およびガイド支柱は、いずれも、長手方向の4面に、軸方向に連続する溝を備えているが、図1および図2では、これらの端面を破線の正方形で示している。
また、図2に示すように、前方上側のフレーム部材3aの中央には、クラッチボックス5を取り付け、後方のフレーム部材3bの中央にはダンパ6を取り付けている。そして、これらクラッチボックス5とダンパ6とに、1本の回転軸7を連係させている。
また、クラッチボックス5から、上記回転軸7と反対側に軸9を突出させ、この軸9には、ハンドル10を取り付けている。
なお、図2中、符号8は、回転軸7とダンパ6とを連結するためのカップリング部材であり、符号11は、ダンパ6をフレーム部材3bに取り付けるための取り付け部材である。
【0021】
上記クラッチボックス5は、図3に示すように、ボックス本体5aとカバー5bとからなり、ボックス本体5a側には、上記回転軸7を支持するベアリング12を備え、カバー5b側には、軸9を支持するブッシュ13を備えている。
また、ボックス本体5a内における上記回転軸7の端部には、第1ギア14aを取り付けている。この第1ギア14aには、それに噛み合う第2ギア14bを対向させ、この第2ギア14bには、上記軸9の端部を取り付けている。
そして、上記第1ギア14aと第2ギア14bとによって、この発明の噛み合いクラッチ14を構成している。
【0022】
さらに、軸9の外周には、筒状のストッパカラー15を取り付け、このストッパカラー15の内側底面と上記第2ギア14bとの間にこの発明のばね部材であるコイルスプリング16を設けている。このコイルスプリング16は、上記第2ギア14bに対し、第1ギア14aへ向う方向のばね力を作用させるようにしている。そのため、図3に示す通常状態では、上記ばね力によって第2ギア14bが第1ギア14aへ押し付けられ、両者が噛み合っている。
そこで、コイルスプリング16のばね力に抗して、ハンドル10を装置前面から手前に引っ張れば、上記噛み合いクラッチ14の連結を切り離すことができるが、ハンドル10を放せば、上記コイルスプリング16のばね力によって第2ギア14bが、図3の位置に復帰して噛み合いクラッチ14を連結することができる。
【0023】
また、上記ストッパカラー15の外側底面は、ボックス本体5aとカバー5bとで形成される段部5cに当接し、それ以上カバー5b側へは移動しないようにしている。そのため、ハンドル10を引っ張って噛み合いギアを切り離す際に、移動した第2ギア14bは、ストッパカラー15の開口端部15aに衝突して止まる。このように、ストッパカラー15によって、第2ギア14bの移動量を規制するようにしたのは、噛み合いクラッチ14を切り離す際に、ユーザーがハンドル10を必要以上に引っ張らないようにするためである。
【0024】
もしも、上記のようなストッパカラー15がなく、ハンドル10を必要以上に引っ張ると、コイルスプリング16の撓み量が非常に大きくなる。コイルスプリング16を撓ませすぎるとコイルスプリング16の耐久性が落ちてしまう心配があるが、上記ストッパカラー15があれば、このような心配はない。
また、噛み合いギア14の噛み合いをはずすためには、上記第2ギア14bがストッパカラー15に衝突するまでハンドル10を引かなければならないようにしておけば、ユーザーは、ハンドル10を引くとき、その必要量がわかって操作しやすいという利点もある。
【0025】
さらに、上記カバー5b内には、ワンウエイクラッチ17を備えている。ワンウエイクラッチとしては、特開2002−349608号に記載したようなものがあるが、上記ワンウエイクラッチ17は、軸9とカバー5bとの相対回転のうち、一方向の回転のみを許容し、反対方向の回転を規制するというものである。
具体的には、上記カバー5bに外輪17bを固定し、この外輪17bと上記軸9との間に介在するニードル17cを設けている。そして、上記一方向の回転時には、ニードル17cが、軸9と外輪17bとの間でフリー回転して、軸9と外輪17bとの相対回転を許容する。しかし、反対回転の時には、上記ニードル17cが、軸9と外輪17bとで形成される隙間に楔のように食い込んで両者の相対回転を規制する。
【0026】
上記のように、軸9と外輪17bとの相対回転が規制された状態では、軸9と外輪17bとが一体化するので、軸9をケース5bに対して回転させることができない。この実施形態では、軸9が、図示した矢印A方向に回転する回転のみが許容されるようにしている。すなわち、ハンドル10によって軸9を矢印A方向へ回転させることができるが、矢印B方向へ回転させることはできない。
また、上記ダンパ6は、これに連結した回転軸7が回転する際に、抵抗を付与する機構であり、その原理はどのようなものでもかまわない。要するに、回転軸7が回転する際に抵抗力を発揮して、回転速度を遅くさせるためのものである。ただし、ここで用いるダンパ6は、回転軸7の回転方向が矢印B方向の時にのみ、ダンパ機能を発揮し、矢印A方向の回転時には、ダンパ機能を発揮しないようにしたダンパであることが好ましい。
【0027】
さらに、図2、図3に示すように、回転軸7には、軸と交差する一対の貫通孔7a,7aを形成し、この貫通孔7aに、この発明の長尺部材であるワイヤー18を貫通させている。この貫通孔7aは、図2に示すように、回転軸7において前後の2箇所に形成され、それぞれにワイヤー18を貫通させている。ただし、前後どちらも同じ構成なので、ここでは、前方の貫通孔7aと、それにかかわる部分についてのみ説明し、後方部分については、前方部分と対応する構成要素に同じ符号を付けているが、個々の説明は省略する。
なお、貫通孔7a、7bは、2箇所に限定されない。1箇所でも、3箇所以上でもかまわない。ただし、台部材をバランスよく支持できる位置に設けることが望ましい。
【0028】
上記貫通孔7aを貫通したワイヤー18を、この貫通孔7aから左右両側に引き出して、貫通孔7aより左側部分を、左側のフレーム部材3c上に取り付けたガイドローラー19aに掛けて下方へ導くとともに、ワイヤー18の右側部分を、右側のフレーム部材3d上に取り付けたガイドローラー19bに掛けて下方へ導く。
下方へ導いたワイヤー18の左右の先端には、それぞれ、ガイドブロック20,20を取り付けている。
【0029】
図4は、右側のワイヤー18とその先端に固定したガイドブロック20とを示した図である。図4のように、ガイドブロック20には、上下方向に貫通する貫通孔21を形成し、この貫通孔21に、上記ワイヤー18と連結した棒状部材22を通し、棒状部材22の下端にナット22aを止めつけることによって、ワイヤー18にガイドブロック20を固定している。
上記ワイヤー18の左側先端部分においても、図4と同様にしてガイドブロック20を固定している。
なお、回転軸7に形成した後方の貫通孔に貫通させたワイヤー18の両端にも、上記と同様にしてガイドブロック20,20を取り付けている。
【0030】
また、各ガイドブロック20には、図4および図1に示すように、コの字状の凹部20aを形成して、上記4個のガイドブロック20の凹部20a内に、棚板Pを挿入し、ガイドブロック20で棚板を保持するようにしている。凹部20aに挿入した棚板Pは、ガイドブロック20に固定してもよいが、凹部20aに挿入するだけにしておけば、棚板Pを着脱可能にできる。
さらに、ガイドブロック20は、図5に示すように、ワイヤー18を境にして上記凹部20aとは反対側に、上下方向に伸びる断面コの字状の凹部20bを備え、この凹部20bをガイド支柱2cにはめている。そして、ガイドブロック20の外面から、凹部20b内にネジ部材23を突出させ、このネジ部材23の先端にガイド部材を設け、これをガイド支柱2cの軸方向に延びる凹部に挿入している。
【0031】
なお、図4、図5では、右側前方のガイド支柱2cと、それに取り付ける部材を表しているが、他のガイド部材2a,2b,2dにも、同様にしてガイドブロック20を取り付け、これらのガイドブロック20によって棚板Pを保持すようにしている。
つまり、上記棚板Pは、上側フレーム1に設けられた回転軸7の貫通孔7aを貫通するワイヤー18の両端に吊るされていることになる。
【0032】
以上のような昇降装置によって、棚板Pを上下させる手順を、以下に説明する。
この昇降装置では、棚板Pがワイヤー18で吊るされているので、ワイヤー18の長さを変化させることによって棚板Pを上下させることができる。
この装置によって棚板Pを上昇させる場合に、ユーザーは、上記ハンドル10を矢印A方向へ回転させる。この矢印A方向の回転は、上記ワンウエイクラッチ17が許容する回転方向である。また、上記したように、通常はコイルスプリング16のばね力によって、噛み合いクラッチ14が噛み合った状態である。そのため、ハンドル10の回転が、軸9から噛み合いクラッチ14を介して、回転軸7に伝わり、回転軸7は矢印A方向へ回転する(図3)。
【0033】
上記回転軸7が矢印A方向に回転すると、図6(a)、(b)、(c)に示すように、図6(a)のワイヤー18が巻きついていない状態から、回転軸7が回転し始めの図6(b)の状態を介して、図6(c)のように、回転軸7にワイヤー18が巻きつく。
このように、ワイヤー18が回転軸7に巻きつくと、図7に示すように、回転軸7の両側に引き出されたワイヤーが、回転軸7方向へ収束し、ワイヤー18の有効長さが短くなる。ワイヤー18が短くなれば、その分、棚板Pが上昇する。
【0034】
つまり、ワイヤー18において、回転軸7から引き出された箇所から棚板Pあるいはガイドブロック20までの距離が、この発明の長尺部材の有効長さに当たる。そして、ワイヤー18を回転軸7に巻きつけて収束させたり、解放したりすることによって、上記有効長さを変化させる。
しかも、回転軸7の回転によって巻きつけられるワイヤー18は、回転軸7の両側部分で同量となる。つまり、特別な調整をしなくても、回転軸の両側におけるワイヤーの有効長さを、同量ずつ変化させることができる。
なお、回転軸7の回転方向が、矢印A方向の場合には、上記ダンパ6は、ダンパ機能を発揮しないので、棚板Pを上昇させる際には、ハンドル10を楽に回転させることができる。
【0035】
上記のようにハンドル10を操作して、棚板Pを任意の高さに上昇させた状態で、ハンドル10を放せば、棚板Pやガイドブロック20等の重量が、そのままワイヤー18に作用する。そのため、回転軸7には、巻きつけられたワイヤー18を解く方向の力、すなわち、回転軸7を矢印B方向へ回転させる力(図6、図7参照)が作用する。
しかし、このB方向の回転は、上記ワンウエイクラッチ17によって規制される回転方向である。
従って、このワンウエイクラッチ17によって、回転軸7が固定され、棚板Pの位置が固定される。
【0036】
一方、棚板Pを下降させる際には、クラッチボックス5内のコイルスプリング16のばね力に抗して、ハンドル10を手前に引っ張る。ハンドル10を引っ張って、第2ギア14bを第1ギア14aからはずすと、回転軸7とワンウエイクラッチ17との連係が分断される(図3参照)。つまり、上記第1ギア14aおよび第2ギア14bからなる噛み合いクラッチ14が、この発明の回転規制を解除するための規制解除手段である。
【0037】
このように、回転軸7がワンウエイクラッチ17から切り離されれば、回転軸7は、棚板Pなどの自重によって矢印B方向に回転する。回転軸7が矢印B方向に回転すると、回転軸7に巻きつけられたワイヤー18が繰り出されて、その有効長さが長くなる。従って、ワイヤー18が伸びた分、棚板Pが下降する。そして、ハンドル10を基の位置に戻して、上記第2ギア14bと第1ギア14aとを噛み合わせれば、ワンウエイクラッチ17によって回転軸7の回転が止まり、棚板Pの位置を固定することがでる。
しかも、棚板Pが下降する方向である矢印B方向の回転時には、上記ダンパ6がダンパ機能を発揮するので、回転軸7の回転が緩やかになり、棚板Pが急激に落下することがない。
【0038】
このように、ユーザーは、ハンドル10を操作することによって、簡単に、棚板Pを上下させることができる。しかも、棚板Pの昇降時には、各ガイドブロック20がガイド支柱2a,2b,2c,2dに沿って上下するので、棚板Pが揺れることがない。また、ワイヤー18の両側の伸縮量を均等にできるので、昇降時に棚板Pが傾くこともない。そのため、上に物を載せたままで、棚板Pを昇降させることも可能である。
【0039】
この昇降装置では、棚板Pをワイヤー18で支持しているため、従来のように棚板Pの下部に脚を設ける必要がない。従って、棚板Pの下方のデッドスペースをなくすことができる。
また、従来は、最も収縮させた脚の長さよりも下方には、棚板を下降させることができなかったが、この発明の昇降装置なら、そのようなことがない。長尺部材であるワイヤーの長さによって、昇降範囲を大きくすることができるし、昇降範囲を大きくすることによってデッドスペースが大きくなる心配もない。
【0040】
図8、図9に示す第2実施形態は、回転軸7とそれに連結したクラッチボックス5、ハンドル10、ダンパ6など、図3に示す部品の取り付け位置が、上記第1実施形態と異なる。そして、図8は、この装置の正面図であり、図9は平面図である。また、第1実施形態では、フレーム部材3c上に設けたガイドローラー19aを、第2実施形態では用いていないが、その他の構成は、第1実施形態と同じである。
そして、第2実施形態の説明においても、第1実施形態と同じ構成要素には、同じ符号を用いるが、第1実施形態と同じ構成要素についての説明は省略する。
【0041】
第2実施形態では、上記回転軸7を左側フレーム部材3cの上方に設けることによって、ワイヤー18を左側のガイド支柱2a,2bに沿って下方の棚板Pへ導くためのガイドローラーの機能を、上記回転軸7が担うようにしている。
これにより、この第2実施形態では、第1実施形態のガイドローラー19aと回転軸7とを別部品とする必要がなく、これらを別部品とする場合と比べて、部品点数を減らすことができる。なお、上記回転軸7を右端に設けても、この実施形態と同様の効果を得られる。
【0042】
そして、この第2実施形態の装置による棚板Pの昇降機構の作用効果は、第1実施形態と全く同じである。
また、上側フレーム3上の上記回転軸7の取り付け位置は、上記第1、第2実施形態の位置に限らない。第2実施形態のように、回転体である回転軸7をガイド支柱近傍に設ければ、回転体とガイドローラーとを兼用することができるが、ワイヤーを棚板に導くことができれば、回転体をどこに設けてもかまわない。
【0043】
なお、上記第1、第2実施形態の装置では、ワイヤー18にガイドブロック20を介して棚板Pを取り付けているが、棚板Pにガイド孔を形成して、そこにガイド支柱を挿入するようにしてもよい。その場合、には、ワイヤー18の端部を、棚板Pに固定する必要があるが、上記ガイドブロック20を省略することができる。ただし、上記実施形態のように、ガイドブロック20の凹部20aに棚板Pを挿入するようにすれば、棚板Pだけを昇降装置から取り外すこともできる。例えば、載置物の高さが非常に高い場合には、棚板Pを、昇降させるだけでなく、取り外すことによって、棚の段数を減らし、より背の高い物を載置することもできる。
ただし、上記棚板Pを外せない構造にした場合でも、棚板Pを床面まで下げれば、棚を1段減らしたのと同じことができる。
【0044】
図10、図11に示す第3実施形態は、棚板Pに回転体である回転軸7と、それに連結したクラッチボックス5、ハンドル10、ダンパ6など、図3に示す部品を取り付けた装置である。そして、図10がこの装置の正面図であり、図11が底面図である。これらの図においても、上記第1、第2実施形態と同じ構成要素には、同じ符号を用いている。
この第3実施形態の装置は、図10、図11に示すように、平面上に起立させる4本のガイド支柱2a,2b,2c,2dを備えている。これらのガイド支柱は、ここでは、図示していないが、図1に示す第1実施形態と同様の下側フレーム1上に設けている。
また、この第3実施形態における棚板Pは板金製で、平面部24周囲に折り返した側壁部24aを備えている。そして、前方の側壁部24aには、クラッチボックス5を取り付け、後方の側壁部24aにはダンパ6を取り付けている。
【0045】
上記クラッチボックス5とダンパ6との間に連結された回転軸7には、他の実施形態と同様に、一対の貫通孔7a,7aを形成し、それぞれに、ワイヤー18を貫通させている。
さらに、上記平面部24には、ワイヤー18の端部を棚板Pの上方へ引き出すため、4個の貫通孔25を形成し、これらの貫通孔25の近傍には、ワイヤー18を貫通孔25へ導くため、左右のガイドローラー26a,26bを設けている。このガイドローラー26a,26bは、平面部24の裏面に設けた取り付け部27にネジ止めされているが、ガイドローラー26a,26bの取り付けは、どのような方法で行ってもよい。
【0046】
また、平面部24であって、上記ガイドローラー25の外側には、切り込みを入れて折り返し片24bを形成している。この折り返し片24bを、平面部24の裏側へ折り返して、ガイド孔28を形成している。このガイド孔28には、それぞれガイド支柱2a,2b,2c,2dを挿入している。
そして、上記ガイド孔28を形成する際に裏面側へ折り返した一対の折り返し片24b,24bで、ガイド孔28に挿入されたガイド支柱2a,2b,2c,2dを挟むようにしている。これにより、棚板Pが、4本のガイド支柱2a,2b,2c,2dに沿って上下移動するようになる。
【0047】
一方、各ガイド支柱2a,2b,2c,2dの上端付近には、それぞれ、固定部材29を設け、この固定部材29に連結部材30a,30bを介して、上記ワイヤー18の両側端部を連結している。上記固定部材29が、この発明の固定部である。
なお、図10において、左側のガイド支柱2aの連結部材30aと右側のガイド支柱2cの連結部材30bとは形状が異なるが、このように形状が異なるのは、連結部材30aがワイヤー18の長さを調節する調節機構を備え、連結部材30bは調節機構を備えていないためである。ただし、左右の連結部材は、どちらも長さ調整機構を備えていても、備えていなくてもかまわない。
【0048】
このような第3実施形態の昇降装置も、ワイヤー18によって、棚板Pを吊り下げる構成をしている。そして、この昇降装置を用いて、棚板Pを昇降させる手順は、上記した他の実施形態と同じである。
すなわち、ハンドル10を矢印A方向に回転させれば、回転軸7が回転して、その両側のワイヤー18が巻き取られて収束し、左側の連結部材30aから回転軸7までのワイヤー長さと、右側の連結部材30bから回転軸7までのワイヤー長さとが、同量ずつ短くなる。このようにワイヤー長さが短くなった分、棚板Pが上昇する。
そして、ハンドル10を放せば、ギアボックス5内のワンウエイクラッチ17(図3参照)によって、回転軸7の回転が停止するので、棚板Pは所定の位置を保つことができる。
【0049】
一方、ハンドル10を手前に引いて、図3に示す噛み合いクラッチ14を切り離せば、棚板Pなどの自重によって回転軸7が矢印B方向に回転し、回転軸7に巻きつけられたワイヤー18を解放し、ワイヤーの有効長さが長くなって棚板Pが下降する。
また、棚板Pの下降時には、上記ダンパ6が機能して、棚板Pの下降速度を緩やかにする。
このように、第3実施形態の台部材の昇降装置も、上記第1、第2実施形態と同様に機能する。そして、デッドスペースが小さく、棚板Pの昇降範囲を大きくしたとしても、デッドスペースが大きくならないというメリットがある。
【0050】
なお、この第3実施形態では、上記棚板Pの両脇に、直接ガイド孔28を形成しているが、上記第1実施形態のガイドブロック20のような別体のガイド部材を用いて、それを棚板Pに取り付けるようにしてもよい。ただし、この実施形態では、棚板Pに回転体としての回転軸7を固定しているので、ワイヤー18を固定部材29に固定した状態で、ガイド部材から棚板Pをはずすことはできない。
【0051】
図12、図13に示す第4実施形態は、回転軸7と、それに連結したクラッチボックス5、ハンドル10、ダンパ6など、図3に示す部品を棚板Pの左端に設けた装置で、図12が正面図、図13が底面図である。
そして、この第4実施形態では、図10に示す第3実施形態の向かって左のガイドローラー26aの代わりに、回転軸7によってワイヤー18を棚板Pの上方へ導くようにしている。この点が、上記第3実施形態と異なるが、その他の構成および作用は、上記第3実施形態と同じである。
従って、この第4実施形態の昇降装置も、デッドスペースが小さく、棚板Pの昇降範囲を大きくしたとしても、デッドスペースが大きくならない。
また、第4実施形態の装置では、左側のガイドローラー26aの機能を回転軸7が担うようにしているため、ガイドローラーと回転軸とを別部品とする必要がなく、これらを別部品とする場合と比べて、部品点数を少なくすることもできる。なお、回転軸を右端に設けても、この実施形態と全く同じ効果が得られる。
【0052】
上記第3、第4実施形態のように回転体を台部材に設けたものでは、台部材の昇降とともに回転体も昇降するので、回転体にハンドルを取り付ければ、回転体を台部材の上方に設けた第1、第2実施形態と比べて、低い位置でハンドルを操作できる。
ただし、昇降する台部材には、回転体や回転体の駆動機構の重量が加わるので、ワイヤーなどの長尺部材に作用する張力が大きくなる。そのため、上記第1、第2実施形態の装置と比べて、長尺部材に強度が要求されることもある。
【0053】
なお、上記第1〜第4実施形態では、長尺部材としてのワイヤーを、回転軸7に形成した貫通孔7aに貫通させて、両側へ引き出しているが、貫通孔7aを形成しないで、回転軸7上に、両側へ引き出す2本のワイヤーを別々に固定してもよい。ただし、ワイヤーの一端を回転体に固定して用いる場合には、台部材が水平を保つように両ワイヤーの長さを調整する必要がある。上記実施形態のように、1個の貫通孔7aに1本のワイヤー18を貫通させて用いる場合には、棚板Pを吊るした状態でその傾きを直せば、ワイヤー18が貫通孔7a内を移動して、ワイヤー18の左右のバランスを自動的に調整できる。
【0054】
また、上記実施形態では、回転軸7が、この発明の回転体を構成しているが、回転体としては、回転軸7とは別のローラーなどでもかまわない。このローラーなどの回転体は、駆動機構に直接連した回転軸周りに設けたものでもよいし、回転軸から離れた場所に設けて、ベルトなどによって回転体へ駆動力を伝達するようにしてもよい。
さらに、この発明の長尺部材としては、上記のようなワイヤーに限らず、ベルトやチェーンなどでもかまわない。
【0055】
なお、上記第1〜第4実施形態では、上記ハンドル10、軸9、噛み合いクラッチ14および回転軸7が、この発明の駆動機構を構成しているが、駆動機構としては、回転軸7を回転できれば上記構成に限らない。例えば、手動のハンドル10の代わりに電動モーターを用いてもよい。
また、上記実施形態では、棚板Pの昇降時に棚板Pが揺れないように4本のガイド支柱2a,2b,2c,2dを設けているが、ガイド手段は、支柱に限らない。例えば、この装置を種種の構造物や、収納ケース内の棚板の昇降に適用する場合には、内壁と、棚板部材側との間に、互いに噛み合い、高さ方向に連続する凹凸を形成し、これらの凹凸を利用して、棚板Pの移動をガイドするようにしてもよい。つまり、上記ガイド支柱の機能を、収納ケースなどの内壁に持たせても良いし、構造物の支柱とガイド支柱とを兼用するようにしてもよい。
さらに、回転体を支持する構造も、上記実施形態に限らない。例えば、上記上側フレーム1の代わりに、天井板を利用することもできる。
反対に、上記上下フレーム部およびガイド支柱を備えたこの発明の昇降装置をユニット化して、収納ケース内に収納するだけで、昇降可能な棚として使用することもできる。
【0056】
上記実施形態では、棚板Pを所定の位置で停止させるために、ワンウエイクラッチを用いているが、棚板Pの落下を防止するためのストッパ機構は、ワンウエイクラッチに限らない。例えば、巻きつけられているワイヤー18ごと回転軸7を挟んで、ワイヤー18の解放を防止する機構を設けたり、棚板Pの位置が決まったら、ガイド支柱に固定ピンを挿入して棚板Pを直接固定したりしてもよい。
このように、ワンウエイクラッチ以外の方法で、回転体の回転を停止させるようにすれば、上記ワンウエイクラッチと回転体との連結を着脱するための噛み合いクラッチも不要になる。
【0057】
また、棚板Pなどの台部材を自重で落下させる際に、落下速度を緩やかにする必要がなければ、上記ダンパ6も用いなくてよい。
上記ワンウエイクラッチ17、噛み合いクラッチ14、ダンパ6を用いなくても、台部材を長尺部材で吊るす構成によって、デッドスペースを小さくするというこの発明の目的を達成できる。
そして、この発明の台部材の昇降装置は、上記のような棚板など、様々な台部材に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】第1実施形態の正面図である。
【図2】第1実施形態の平面図である。
【図3】第1実施形態の回転体および駆動機構部分の部分断面図である。
【図4】第1実施形態のガイドブロックの取り付けを説明するための正面図である。
【図5】図4のV-V線断面図である。
【図6(a)】第1実施形態の回転軸へのワイヤーの巻きつき状態を説明するための模式図であり、ワイヤーが巻きついていない状態を表している。
【図6(b)】第1実施形態の回転軸へのワイヤーの巻きつき状態を説明するための模式図であり、回転軸の回転し始めの状態を表している。
【図6(c)】第1実施形態の回転軸へのワイヤーの巻きつき状態を説明するための模式図であり、ワイヤーが巻きついている状態を表している。
【図7】第1実施形態のワイヤーの巻きつきを説明するための平面図である。
【図8】第2実施形態の正面図である。
【図9】第2実施形態の平面図である。
【図10】第3実施形態の正面図である。
【図11】第3実施形態の底面図である。
【図12】第4実施形態の正面図である。
【図13】第4実施形態の底面図である。
【符号の説明】
【0059】
P 棚板
6 ダンパ
7 回転軸
7a 貫通孔
9 軸
10 ハンドル
14 噛み合いクラッチ
16 コイルスプリング
17 ワンウエイクラッチ
18 ワイヤー
19a,19b ガイドローラー
26a,26b ガイドローラー
29 固定部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転体と、この回転体に巻きつけて回転体の両側から引き出した長尺部材とを備え、上記回転体の一方向の回転に対して長尺部材の両側が上記回転体に収束し、他方向の回転に対して長尺部材の両側が回転体から解放される関係を保ち、回転体の回転にともなって上記長尺部材の有効長さを伸縮する構成にする一方、上記回転体を回転させる駆動機構を設けてなり、上記長尺部材の有効長さの伸縮に応じて、長尺部材に連係した棚板等の台部材を上下させる台部材の昇降装置。
【請求項2】
上記回転体に、回転体の回転軸と交差する方向に貫通する貫通孔を形成し、この貫通孔に、長尺部材を貫通させて、長尺部材を回転体の両側から引き出した請求項1に記載の台部材の昇降装置。
【請求項3】
上下動可能にした台部材と、この台部材よりも上方に設けた回転体と、回転体の両側から引き出された長尺部材を台部材へ導く一対のガイドローラーとを備え、上記長尺部材の両方の先端部分を台部材に直接または間接的に連結した請求項1または2に記載の台部材の昇降装置。
【請求項4】
上下動可能にした台部材と、この台部材に回転可能に取り付けた回転体と、台部材よりも上方に設け、かつ、回転体の両側から引き出された長尺部材の両方の先端部分をそれぞれ固定する一対の固定部と、上記台部材に設け、かつ、上記回転体と固定部との間にあって、長尺部材をガイドする一対のガイドローラーとを備えた請求項1または2に記載の台部材の昇降装置。
【請求項5】
上記一対のガイドローラーのうち、いずれか一方のガイドローラーを上記回転体とした請求項3または4に記載の台部材の昇降装置。
【請求項6】
上記回転体の駆動機構には、長尺部材が収束する方向の回転体の回転を許容し、長尺部材を解放する方向の回転体の回転を規制するワンウエイクラッチと、このワンウエイクラッチの上記回転規制を解除する規制解除手段とを備えた請求項1〜5のいずれか1に記載の台部材の昇降装置。
【請求項7】
上記規制解除手段により、上記ワンウエイクラッチの回転規制を解除したときに、台部材が自重で落下する構成にする一方、台部材の落下時に、回転体の回転速度を規制するダンパを備えた請求項1〜6のいずれか1に記載の台部材の昇降装置。
【請求項8】
上記規制解除手段は、ワンウエイクラッチと回転体との間に設けた噛み合いクラッチからなり、この噛み合いクラッチに対し、それを噛み合わせる方向のばね力を作用させるばね部材を設け、このばね部材のばね力に抗して噛み合いクラッチを切り離したとき、上記回転体が自由回転する構成にした請求項6または7に記載の台部材の昇降装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6(a)】
image rotate

【図6(b)】
image rotate

【図6(c)】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2007−64291(P2007−64291A)
【公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−249032(P2005−249032)
【出願日】平成17年8月30日(2005.8.30)
【出願人】(000110206)トックベアリング株式会社 (83)
【Fターム(参考)】