説明

合剤および併用剤

(A)3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリルコエンザイムA還元酵素阻害剤またはその塩等、および/またはエゼチミブもしくはそのプロドラッグまたはその塩等、および
(B)式(1):


〔式中、環Aは置換もしくは無置換のピリジン環を、Yは置換もしくは無置換の芳香族基等を、Rは水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基等を、Rは水素原子または低級アルキル基を、Rは低級アルキル基を、Zは水酸基、アミノ基等を表す]
で表される化合物またはその塩等を含有する組成物;または
(A)および(B)の併用;
による高脂血症または動脈硬化治療は、特に冠動脈心疾患を既に発症した患者における治療等、既存の治療薬では血中コレステロールを低下させる治療目標値の達成が不十分であった患者に対しても有効である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、高脂血症または動脈硬化治療剤に関する。
【背景技術】
冠動脈心疾患(Coronary heart disease)は先進国において主要な死亡原因である。この冠動脈心疾患の主要な危険因子が高コレステロール血症であることが多くの疫学的試験を中心に確認され、近年報告されている大規模予防試験結果により、血中の総コレステロール量や低密度リポタンパク質(LDL)コレステロール量の増加が、冠動脈疾患発症と密接に関連していることが示されてきている(Arterioscler.Thromb.Vasc.Biol.(1999)vol.19,187−195)。従って、血中コレステロールを低下させることは、動脈硬化性疾患を減少させ、冠動脈心疾患の発症リスクを低減することにつながり、臨床的に多くの高コレステロール血症治療薬が使われている。こうした中、米国コレステロール教育プログラム(NCEP)では、各患者の持つ危険因子の数によってLDLコレステロールの治療目標値を定めているが、既存の治療薬では治療目標値の達成は不十分であり、特に冠動脈心疾患を既に発症した患者における治療目標値の達成度は非常に低い(Arch.Intern.Med.(2000)vol.160,459−467)。
LDL受容体はLDLを血中から細胞内に取り込む際に必用な受容体であり、肝臓におけるLDL受容体活性が、血中コレステロール量の調節において主要な役割を果たしていることが知られている。従って、LDL受容体の発現上昇作用を示す薬剤によって血中コレステロールを低下させることが可能であり、こうした薬剤として最もよく知られた薬剤が3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリルコエンザイムA還元酵素阻害剤(以下HMG−CoA還元酵素阻害剤と略する場合がある)である。
HMG−CoA還元酵素阻害剤は、細胞内におけるコレステロールの生合成を阻害することで、間接的にLDL受容体遺伝子の転写を活性化させLDL受容体発現を上昇させる(Science(1986)vol.232,34−47)。その高コレステロール血症治療薬としての有用性は多くの大規模臨床試験において証明されているが、投与量を増加させても薬効の増加には限度があり、一方投与量の増加により筋障害や横紋筋融解症等の副作用が見られるようになることから、単剤でLDLコレステロールを低下させることには限界があった。従って、より安全に、より強くLDL受容体発現を上昇させる方法の開発が望まれている。
また、エゼチミブ(Ezetimibe、化学名1−(4−フルオロフェニル)−3(R)−[3−(4−フルオロフェニル)−3(S)−ヒドロキシプロピル]−4(S)−(4−ヒドロキシフェニル)−2−アゼチジノン)は、コレステロール降下剤であり、米国ではメルク/シェリング・プラウ ファーマシューティカルズ社より販売されている。エゼチミブは腸管からのコレステロール吸収抑制によって脂質低下作用を示す。また、Niemann−Pick C1 Like 1 protein(Science,2004,vol.303,p.1201−1204)や、Aminopeptidase N(Journal of Biological Chemistry,2004,in press)がターゲット分子として報告されている。しかし、エゼチミブ単剤によるLDLコレステロール低下は、15−20%であり、投与量を増やしてもそれより下がらなかったとの報告が2002欧州動脈硬化学会でなされている。従って、エゼチミブ単剤では治療目標値に達しないケースが多数あることが推測できる。従って、安全にLDL受容体発現を上昇させ、ひいてはより強くコレステロールを低下させる方法の開発が望まれている。
一方、式(1)で表される化合物もしくはそのプロドラッグ、またはそれらの塩(以下「式(1)で表される化合物等」と省略する場合がある)はアシル−CoA:コレステロールアシルトランスフェラーゼ(ACAT)阻害作用を有し、高脂血症および動脈硬化治療薬として有用であることが知られている(例えば国際公開第00/09505号パンフレット参照)。しかしながら、同パンフレットにはHMG−CoA還元酵素阻害剤やエゼチミブとの合剤、併用について具体的な記載は見当たらない。
【発明の開示】
本発明の課題は、上記既存の治療薬では不十分であった洽療目標値の達成を可能にする医薬組成物等を提供することにある。
我々は(A)HMG−CoA還元酵素阻害剤もしくはそのプロドラッグ、またはそれらの塩(以下「HMG−CoA還元酵素阻害剤等」と省略する場合がある)、および/またはエゼチミブもしくはそのプロドラッグ、またはそれらの塩(以下「エゼチミブ等」と省略する場合がある)、および(B)式(1)で表される化合物等を併用することにより、思いがけず各々の単剤では達成し得ない強力なLDL受容体発現増強作用を達成可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。即ち本発明は、次のものに関する。
〔1〕 (A)3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリルコエンザイムA還元酵素阻害剤もしくはそのプロドラッグまたはそれらの薬学的に許容される塩、および/またはエゼチミブもしくはそのプロドラッグまたはそれらの薬学的に許容される塩、および
(B)式(1):

〔式中、環Aは置換もしくは無置換のピリジン環を表す。
Yは置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、または置換もしくは無置換の芳香族基を表す。
は水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアルキニル基、または置換もしくは無置換のシクロアルキル基を表す。
は水素原子または低級アルキル基を表す。
は低級アルキル基を表す。
Zは、次の1)または2)で表される基を表す。
1)−D−Q
[式中、Dは結合手または不飽和結合を含んでいてもよい炭素原子数1〜8の2価の炭化水素基を表し、Qは水酸基、カルボキシル基、置換もしくは無置換のヘテロアリール基、または式:−NR(RおよびRは互いに独立して、水素原子、低級アルコキシ基置換もしくは無置換の低級アルキル基、シクロアルキル基またはアラルキル基を表すか、またはRおよびRが互いに結合してそれらが結合する窒素原子とともに、環中にさらに式:−NR−(Rは水素原子、置換もしくは無置換の低級アルキル基、置換もしくは無置換のフェニル基、置換もしくは無置換のベンジル基、または低級アルコキシカルボニル基を表す。)で表される基を1個、または酸素原子1個を含んでもよい、環を構成する炭素原子数が4から8個の飽和環状アミノ基を表す。)を表す。但し、Qが置換もしくは無置換のヘテロアリール基である場合は、Dは結合手とはならない。]
または、
2)−D−M−E−W
[式中、Dは結合手または不飽和結合を含んでいてもよい炭素原子数1〜8の2価の炭化水素基を表し、Mは酸素原子、硫黄原子、スルフィニル基もしくはスルホニル基、または式:−NHC(=O)−、−C(=O)NH−もしくは−NR−(Rは水素原子もしくは低級アルキル基を表す。)で表される基を表し、Eは結合手または不飽和結合を含んでいてもよい炭素原子数1〜8の2価の炭化水素基を表し、Wは水酸基、カルボキシル基、置換もしくは無置換のヘテロアリール基、または式:−NR(RおよびRは前記の意味を表す。)で表される基を表す。但し、Wが水酸基、カルボキシル基もしくは式:−NRで表される基の時はEは結合手とはならない。]〕
で表される化合物もしくはそのプロドラッグまたはそれらの薬学的に許容される塩を含有する高脂血症または動脈硬化治療剤。
〔2〕 式(1)で表される化合物に於いて、環Aが式(a)、(b)または(c):

のいずれかで表される基であり、
Yが置換もしくは無置換の芳香族基であり、
が置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアルケニル基であり、
Zが式:−D−Qで表される基であり、Dが結合手であり、Qが水酸基または
式:−NRで表される基である、〔1〕記載の高脂血症または動脈硬化治療剤。
〔3〕 式(1)で表される化合物が、式(51):

(式中、環A、R、R、RおよびZは〔1〕と同じ意味を表す。Yは式:−M−E−T(Mは酸素原子を表し、Eは炭素原子数2〜4の炭化水素基を表し、Tは水酸基もしくは式:−NR4151で表される基(R41およびR51は互いに独立して、水素原子、低級アルコキシ基置換もしくは無置換の低級アルキル基、シクロアルキル基、低級アルコキシカルボニル基、もしくはアラルキル基を表すか、またはR41およびR51が互いに結合して、それらが結合する窒素原子とともに、環中にさらに式:−NR81−(R81は水素原子、置換もしくは無置換の低級アルキル基、置換もしくは無置換のフェニル基、置換もしくは無置換のベンジル基または低級アルコキシカルボニル基を表す。)で表される基を1個、または酸素原子1個を含んでもよい、環を構成する炭素原子数が4から8個の飽和環状アミノ基を表す。)を表す。)で表される基で置換されたフェニル基を表す。)で表される化合物である、〔1〕または〔2〕記載の高脂血症または動脈硬化治療剤。
〔4〕 式(1)で表される化合物が、N−[1−ブチル−4−[3−[3−(ヒドロキシ)プロポキシ]フェニル]−1,2−ジヒドロ−2−オキソ−1,8−ナフチリジン−3−イル]−N’−(2,6−ジイソプロピル−4−アミノフェニル)ウレアである、〔1〕記載の高脂血症または動脈硬化治療剤。
〔5〕 3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリルコエンザイムA還元酵素阻害剤が、プラバスタチン、シンバスタチン、ロバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチン、ロスバスタチン、およびピタバスタチンから選ばれる、〔1〕〜〔4〕のいずれか一項に記載の高脂血症または動脈硬化治療剤。
〔6〕 3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリルコエンザイムA還元酵素阻害剤もしくはそのプロドラッグまたはそれらの薬学的に許容される塩、および/またはエゼチミブもしくはそのプロドラッグまたはそれらの薬学的に許容される塩を含有する医薬組成物と併用するための、式(1):

〔式中、環Aは置換もしくは無置換のピリジン環を表す。
Yは置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、または置換もしくは無置換の芳香族基を表す。
は水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアルキニル基、または置換もしくは無置換のシクロアルキル基を表す。
は水素原子または低級アルキル基を表す。
は低級アルキル基を表す。
Zは、次の1)または2)で表される基を表す。
1)−D−Q
[式中、Dは結合手または丕飽和結合を含んでいてもよい炭素原子数1〜8の2価の炭化水素基を表し、Qは水酸基、カルボキシル基、置換もしくは無置換のヘテロアリール基、または式:−NR(RおよびRは互いに独立して、水素原子、低級アルコキシ基置換もしくは無置換の低級アルキル基、シクロアルキル基またはアラルキル基を表すか、またはRおよびRが互いに結合してそれらが結合する窒素原子とともに、環中にさらに式:−NR−(Rは水素原子、置換もしくは無置換の低級アルキル基、置換もしくは無置換のフェニル基、置換もしくは無置換のベンジル基、または低級アルコキシカルボニル基を表す。)で表される基を1個、または酸素原子1個を含んでもよい、環を構成する炭素原子数が4から8個の飽和環状アミノ基を表す。)を表す。但し、Qが置換もしくは無置換のヘテロアリール基である場合は、Dは結合手とはならない。]
または、
2)−D−M−E−W
[式中、Dは結合手または不飽和結合を含んでいてもよい炭素原子数1〜8の2価の炭化水素基を表し、Mは酸素原子、硫黄原子、スルフィニル基もしくはスルホニル基、または式:−NHC(=O)−、−C(=O)NH−もしくは−NR−(Rは水素原子もしくは低級アルキル基を表す。)で表される基を表し、Eは結合手または不飽和結合を含んでいてもよい炭素原子数1〜8の2価の炭化水素基を表し、Wは水酸基、カルボキシル基、置換もしくは無置換のヘテロアリール基、または式:−NR(RおよびRは前記の意味を表す。)で表される基を表す。但し、Wが水酸基、カルボキシル基もしくは式:−NRで表される基の時はEは結合手とはならない。]〕
で表される化合物もしくはそのプロドラッグまたはそれらの薬学的に許容される塩を含有する高脂血症または動脈硬化治療剤。
〔7〕 3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリルコエンザイムA還元酵素阻害剤もしくはそのプロドラッグまたはそれらの薬学的に許容される塩、および/またはエゼチミブもしくはそのプロドラッグまたはそれらの薬学的に許容される塩を含有する医薬組成物を使用する治療における、血中コレステロール量低下作用増強のための式(1):

〔式中、環Aは置換もしくは無置換のピリジン環を表す。
Yは置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、または置換もしくは無置換の芳香族基を表す。
は水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアルキニル基、または置換もしくは無置換のシクロアルキル基を表す。
は水素原子または低級アルキル基を表す。
は低級アルキル基を表す。
Zは、次の1)または2)で表される基を表す。
1)−D−Q
[式中、Dは結合手または不飽和結合を含んでいてもよい炭素原子数1〜8の2価の炭化水素基を表し、Qは水酸基、カルボキシル基、置換もしくは無置換のヘテロアリール基、または式:−NR(RおよびRは互いに独立して、水素原子、低級アルコキシ基置換もしくは無置換の低級アルキル基、シクロアルキル基またはアラルキル基を表すか、またはRおよびRが互いに結合してそれらが結合する窒素原子とともに、環中にさらに式:−NR−(Rは水素原子、置換もしくは無置換の低級アルキル基、置換もしくは無置換のフェニル基、置換もしくは無置換のベンジル基、または低級アルコキシカルボニル基を表す。)で表される基を1個、または酸素原子1個を含んでもよい、環を構成する炭素原子数が4から8個の飽和環状アミノ基を表す。)を表す。但し、Qが置換もしくは無置換のヘテロアリール基である場合は、Dは結合手とはならない。]
または、
2)−D−M−E−W
[式中、Dは結合手または不飽和結合を含んでいてもよい炭素原子数1〜8の2価の炭化水素基を表し、Mは酸素原子、硫黄原子、スルフィニル基もしくはスルホニル基、または式:−NHC(=O)−、−C(=O)NH−もしくは−NR−(Rは水素原子もしくは低級アルキル基を表す。)で表される基を表し、Eは結合手または不飽和結合を含んでいてもよい炭素原子数1〜8の2価の炭化水素基を表し、Wは水酸基、カルボキシル基、置換もしくは無置換のヘテロアリール基、または式:−NR(RおよびRは前記の意味を表す。)で表される基を表す。但し、Wが水酸基、カルボキシル基もしくは式:−NRで表される基の時はEは結合手とはならない。]〕
で表される化合物もしくはそのプロドラッグまたはそれらの薬学的に許容される塩を含有する医薬組成物。
〔8〕 式(1):

〔式中、環Aは置換もしくは無置換のピリジン環を表す。
Yは置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、または置換もしくは無置換の芳香族基を表す。
は水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアルキニル基、または置換もしくは無置換のシクロアルキル基を表す。
は水素原子または低級アルキル基を表す。
は低級アルキル基を表す。
Zは、次の1)または2)で表される基を表す。
1)−D−Q
[式中、Dは結合手または不飽和結合を含んでいてもよい炭素原子数1〜8の2価の炭化水素基を表し、Qは水酸基、カルボキシル基、置換もしくは無置換のヘテロアリール基、または式:−NR(RおよびRは互いに独立して、水素原子、低級アルコキシ基置換もしくは無置換の低級アルキル基、シクロアルキル基またはアラルキル基を表すか、またはRおよびRが互いに結合してそれらが結合する窒素原子とともに、環中にさらに式:−NR−(Rは水素原子、置換もしくは無置換の低級アルキル基、置換もしくは無置換のフェニル基、置換もしくは無置換のベンジル基、または低級アルコキシカルボニル基を表す。)で表される基を1個、または酸素原子1個を含んでもよい、環を構成する炭素原子数が4から8個の飽和環状アミノ基を表す。)を表す。但し、Qが置換もしくは無置換のヘテロアリール基である場合は、Dは結合手とはならない。]
または、
2)−D−M−E−W
[式中、Dは結合手または不飽和結合を含んでいてもよい炭素原子数1〜8の2価の炭化水素基を表し、Mは酸素原子、硫黄原子、スルフィニル基もしくはスルホニル基、または式:−NHC(=O)−、−C(=O)NH−もしくは−NR−(Rは水素原子もしくは低級アルキル基を表す。)で表される基を表し、Eは結合手または不飽和結合を含んでいてもよい炭素原子数1〜8の2価の炭化水素基を表し、Wは水酸基、カルボキシル基、置換もしくは無置換のヘテロアリール基、または式:−NR(RおよびRは前記の意味を表す。)で表される基を表す。但し、Wが水酸基、カルボキシル基もしくは式:−NRで表される基の時はEは結合手とはならない。]〕
で表される化合物もしくはそのプロドラッグまたはそれらの薬学的に許容される塩を含有する医薬組成物と併用するための、3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリルコエンザイムA還元酵素阻害剤もしくはそのプロドラッグまたはそれらの薬学的に許容される塩、および/またはエゼチミブもしくはそのプロドラッグまたはそれらの薬学的に許容される塩を含有する高脂血症または動脈硬化治療剤。
〔9〕 式(1):

〔式中、環Aは置換もしくは無置換のピリジン環を表す。
Yは置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、または置換もしくは無置換の芳香族基を表す。
は水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアルキニル基、または置換もしくは無置換のシクロアルキル基を表す。
は水素原子または低級アルキル基を表す。
は低級アルキル基を表す。
Zは、次の1)または2)で表される基を表す。
1)−D−Q
[式中、Dは結合手または不飽和結合を含んでいてもよい炭素原子数1〜8の2価の炭化水素基を表し、Qは水酸基、カルボキシル基、置換もしくは無置換のヘテロアリール基、または式:−NR(RおよびRは互いに独立して、水素原子、低級アルコキシ基置換もしくは無置換の低級アルキル基、シクロアルキル基またはアラルキル基を表すか、またはRおよびRが互いに結合してそれらが結合する窒素原子とともに、環中にさらに式:−NR−(Rは水素原子、置換もしくは無置換の低級アルキル基、置換もしくは無置換のフェニル基、置換もしくは無置換のベンジル基、または低級アルコキシカルボニル基を表す。)で表される基を1個、または酸素原子1個を含んでもよい、環を構成する炭素原子数が4から8個の飽和環状アミノ基を表す。)を表す。但し、Qが置換もしくは無置換のヘテロアリール基である場合は、Dは結合手とはならない。]
または、
2)−D−M−E−W
[式中、Dは結合手または不飽和結合を含んでいてもよい炭素原子数1〜8の2価の炭化水素基を表し、Mは酸素原子、硫黄原子、スルフィニル基もしくはスルホニル基、または式:−NHC(=O)−、−C(=O)NH−もしくは−NR−(Rは水素原子もしくは低級アルキル基を表す。)で表される基を表し、Eは結合手または不飽和結合を含んでいてもよい炭素原子数1〜8の2価の炭化水素基を表し、Wは水酸基、カルボキシル基、置換もしくは無置換のヘテロアリール基、または式:−NR(RおよびRは前記の意味を表す。)で表される基を表す。但し、Wが水酸基、カルボキシル基もしくは式:−NRで表される基の時はEは結合手とはならない。]〕
で表される化合物もしくはそのプロドラッグまたはそれらの薬学的に許容される塩を含有する医薬組成物を使用する治療における、血中コレステロール量低下作用増強のための3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリルコエンザイムA還元酵素阻害剤もしくはそのプロドラッグまたはそれらの薬学的に許容される塩、および/またはエゼチミブもしくはそのプロドラッグまたはそれらの薬学的に許容される塩を含有する医薬組成物。
〔10〕 式(1):

〔式中、環Aは置換もしくは無置換のピリジン環を表す。
Yは置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、または置換もしくは無置換の芳香族基を表す。
は水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアルキニル基、または置換もしくは無置換のシクロアルキル基を表す。
は水素原子または低級アルキル基を表す。
は低級アルキル基を表す。
Zは、次の1)または2)で表される基を表す。
1)−D−Q
[式中、Dは結合手または不飽和結合を含んでいてもよい炭素原子数1〜8の2価の炭化水素基を表し、Qは水酸基、カルボキシル基、置換もしくは無置換のヘテロアリール基、または式:−NR(RおよびRは互いに独立して、水素原子、低級アルコキシ基置換もしくは無置換の低級アルキル基、シクロアルキル基またはアラルキル基を表すか、またはRおよびRが互いに結合してそれらが結合する窒素原子とともに、環中にさらに式:−NR−(Rは水素原子、置換もしくは無置換の低級アルキル基、置換もしくは無置換のフェニル基、置換もしくは無置換のベンジル基、または低級アルコキシカルボニル基を表す。)で表される基を1個、または酸素原子1個を含んでもよい、環を構成する炭素原子数が4から8個の飽和環状アミノ基を表す。)を表す。但し、Qが置換もしくは無置換のヘテロアリール基である場合は、Dは結合手とはならない。]
または、
2)−D−M−E−W
[式中、Dは結合手または不飽和結合を含んでいてもよい炭素原子数1〜8の2価の炭化水素基を表し、Mは酸素原子、硫黄原子、スルフィニル基もしくはスルホニル基、または式:−NHC(=O)−、−C(=O)NH−もしくは−NR−(Rは水素原子もしくは低級アルキル基を表す。)で表される基を表し、Eは結合手または不飽和結合を含んでいてもよい炭素原子数1〜8の2価の炭化水素基を表し、Wは水酸基、カルボキシル基、置換もしくは無置換のヘテロアリール基、または式:−NR(RおよびRは前記の意味を表す。)で表される基を表す。但し、Wが水酸基、カルボキシル基もしくは式:−NRで表される基の時はEは結合手とはならない。]〕
で表される化合物もしくはそのプロドラッグまたはそれらの薬学的に許容される塩を含有する医薬組成物、および当該医薬組成物を3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリルコエンザイムA還元酵素阻害剤もしくはそのプロドラッグまたはそれらの薬学的に許容される塩、および/またはエゼチミブもしくはそのプロドラッグまたはそれらの薬学的に許容される塩の血中コレステロール量低下作用増強の用途に使用することができるまたは使用すべきであることを記載した当該医薬組成物に関する記載物を含む、商業パッケージ。
〔11〕 3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリルコエンザイムA還元酵素阻害剤もしくはそのプロドラッグまたはそれらの薬学的に許容される塩、および/またはエゼチミブもしくはそのプロドラッグまたはそれらの薬学的に許容される塩を含有する医薬組成物、および当該医薬組成物を式(1):

〔式中、環Aは置換もしくは無置換のピリジン環を表す。
Yは置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、または置換もしくは無置換の芳香族基を表す。
は水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアルキニル基、または置換もしくは無置換のシクロアルキル基を表す。
は水素原子または低級アルキル基を表す。
は低級アルキル基を表す。
Zは、次の1)または2)で表される基を表す。
1)−D−Q
[式中、Dは結合手または不飽和結合を含んでいてもよい炭素原子数1〜8の2価の炭化水素基を表し、Qは水酸基、カルボキシル基、置換もしくは無置換のヘテロアリール基、または式:−NR(RおよびRは互いに独立して、水素原子、低級アルコキシ基置換もしくは無置換の低級アルキル基、シクロアルキル基またはアラルキル基を表すか、またはRおよびRが互いに結合してそれらが結合する窒素原子とともに、環中にさらに式:−NR−(Rは水素原子、置換もしくは無置換の低級アルキル基、置換もしくは無置換のフェニル基、置換もしくは無置換のベンジル基、または低級アルコキシカルボニル基を表す。)で表される基を1個、または酸素原子1個を含んでもよい、環を構成する炭素原子数が4から8個の飽和環状アミノ基を表す。)を表す。但し、Qが置換もしくは無置換のヘテロアリール基である場合は、Dは結合手とはならない。]
または、
2)−D−M−E−W
[式中、Dは結合手または不飽和結合を含んでいてもよい炭素原子数1〜8の2価の炭化水素基を表し、Mは酸素原子、硫黄原子、スルフィニル基もしくはスルホニル基、または式:−NHC(=O)−、−C(=O)NH−もしくは−NR−(Rは水素原子もしくは低級アルキル基を表す。)で表される基を表し、Eは結合手または不飽和結合を含んでいてもよい炭素原子数1〜8の2価の炭化水素基を表し、Wは水酸基、カルボキシル基、置換もしくは無置換のヘテロアリール基、または式:−NR(RおよびRは前記の意味を表す。)で表される基を表す。但し、Wが水酸基、カルボキシル基もしくは式:−NRで表される基の時はEは結合手とはならない。]〕
で表される化合物もしくはそのプロドラッグまたはそれらの薬学的に許容される塩の血中コレステロール量低下作用増強の用途に使用することができるまたは使用すべきであることを記載した当該医薬組成物に関する記載物を含む、商業パッケージ。
〔12〕 (A)式(1):

〔式中、環Aは置換もしくは無置換のピリジン環を表す。
Yは置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、または置換もしくは無置換の芳香族基を表す。
は水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアルキニル基、または置換もしくは無置換のシクロアルキル基を表す。
は水素原子または低級アルキル基を表す。
は低級アルキル基を表す。
Zは、次の1)または2)で表される基を表す。
1)−D−Q
[式中、Dは結合手または不飽和結合を含んでいてもよい炭素原子数1〜8の2価の炭化水素基を表し、Qは水酸基、カルボキシル基、置換もしくは無置換のヘテロアリール基、または式:−NR(RおよびRは互いに独立して、水素原子、低級アルコキシ基置換もしくは無置換の低級アルキル基、シクロアルキル基またはアラルキル基を表すか、またはRおよびRが互いに結合してそれらが結合する窒素原子とともに、環中にさらに式:−NR−(Rは水素原子、置換もしくは無置換の低級アルキル基、置換もしくは無置換のフェニル基、置換もしくは無置換のベンジル基、または低級アルコキシカルボニル基を表す。)で表される基を1個、または酸素原子1個を含んでもよい、環を構成する炭素原子数が4から8個の飽和環状アミノ基を表す。)を表す。但し、Qが置換もしくは無置換のヘテロアリール基である場合は、Dは結合手とはならない。]
または、
2)−D−M−E−W
[式中、Dは結合手または不飽和結合を含んでいてもよい炭素原子数1〜8の2価の炭化水素基を表し、Mは酸素原子、硫黄原子、スルフィニル基もしくはスルホニル基、または式:−NHC(=O)−、−C(=O)NH−もしくは−NR−(Rは水素原子もしくは低級アルキル基を表す。)で表される基を表し、Eは結合手または不飽和結合を含んでいてもよい炭素原子数1〜8の2価の炭化水素基を表し、Wは水酸基、カルボキシル基、置換もしくは無置換のヘテロアリール基、または式:−NR(RおよびRは前記の意味を表す。)で表される基を表す。但し、Wが水酸基、カルボキシル基もしくは式:−NRで表される基の時はEは結合手とはならない。]〕
で表される化合物もしくはそのプロドラッグまたはそれらの薬学的に許容される塩を含有する医薬組成物、および
(B)3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリルコエンザイムA還元酵素阻害剤もしくはそのプロドラッグまたはそれらの薬学的に許容される塩、および/またはエゼチミブもしくはそのプロドラッグまたはそれらの薬学的に許容される塩とを組み合わせてなる併用剤、および当該併用剤を血中コレステロール量低下の用途に使用することができるまたは使用すべきであることを記載した当該併用剤に関する記載物を含む、商業パッケージ。
本発明は、HMG−CoA還元酵素阻害剤等、エゼチミブ等、または式(1)で表される化合物等単剤に比べ、より安全に、より強くLDL受容体発現を上昇させる方法が提供される。同時にそのための治療薬として、(A)HMG−CoA還元酵素阻害剤等および/またはエゼチミブ等、および(B)式(1)で表される化合物等を含有する高脂血症または動脈硬化治療剤、(A)または(B)のいずれか一方を含有する、他方と併用するための高脂血症または動脈硬化治療剤、(A)または(B)のいずれか一方を含有する医薬組成物を使用する治療における、血中コレステロール量低下作用増強のための他方を含有する医薬組成物が提供される。
上記の通りHMG−CoA還元酵素阻害剤単独では副作用の面から投与量が限られ、実際後述する実施例ではHMG−CoA還元酵素阻害剤等または式(1)で表される化合物等の片方のみでは用量を増加させても効果の増加が大きくは望めない量となっても、他方を併用することでさらに顕著なLDL結合、取り込み、および分解作用の増加、血漿コレステロールの低下、ならびにLDL受容体蛋白の発現増加を示した。このような効果は、HMG−CoA還元酵素阻害剤等および式(1)で表される化合物等の組み合わせを本発明者らが着想し、検討して初めて見い出せたものであり、当業者が容易に予想できるものではない。
【図面の簡単な説明】
図1は、実施例3のイムノブロットの結果を示す図であり、ケミルミネッセンス法により可視化したX線フィルムをスキャナーで読みとったものである。図中の値は、画像解析により各バンドの濃さを定量化し、その平均値について、コントロールの平均値を100%として表示した。
【発明を実施するための最良の形態】
本発明における各種の用語を詳細に説明すると次の通りである。なお、特に指示のない限り、各々の基の説明は他の置換基の一部である場合も含む。
HMG−CoA還元酵素阻害剤としては、プラバスタチン、シンバスタチン、ロバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチン、ロスバスタチン、およびピタバスタチンが含まれる。
本発明でいう血中コレステロール量低下作用として具体的には、血中の総コレステロール量低下作用や低密度リポタンパク質(LDL)コレステロール量低下作用が挙げられる。
本発明でいう高脂血症治療として具体的には、高コレステロール血症治療が挙げられる。
本発明でいう低級とは当該基のアルキル部分が低級アルキル基であることを意味し、そのような低級アルキル基としてはメチル、エチル、プロピル、2−プロピル、ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル等の炭素原子数が1〜6個の低級アルキル基を挙げることができる。
ハロゲン原子としては例えばフッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
環Aは置換基を有していてもよいピリジン環を表し、その窒素原子は縮合環の縮合位置を除くいずれの場所にあってもよいが、下記(a)(b)(c)で表されるものが好ましい。

また、ピリジン環の置換基としては、例えば低級アルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、トリフルオロメチル基、ニトロ基、アミノ基、モノ低級アルキルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基、水酸基、低級アルコキシ基、低級アルキルチオ基、低級アルキルスルフィニル基、低級アルキルスルホニル基等が挙げられる。ピリジン環の置換基は一個または同一もしくは異なって複数個あってもよい。
アルキル基としては、例えば直鎖または分枝した炭素原子数1〜15個のアルキル基が挙げられ、具体的には例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、2−ブチル、2−メチルプロピル、1,1−ジメチルエチル、ペンチル、3−ペンチル、3−メチルブチル、ヘキシル、3−ヘキシル、4−メチルペンチル、4−ヘプチル、オクチル、4−オクチル、デシル、ウンデシルまたはペンタデシル等が挙げられる。
アルケニル基としては、例えば直鎖または分枝した炭素原子数2〜15個のアルケニル基が挙げられ、具体的には例えばビニル、アリル、2−プロペニル、2−メチル−2−プロペニル、2−ブテニル、3−ブテニル、3−メチル−2−ブテニル、4−ペンテニル、3−ヘキセニル、3−エチル−2−ペンテニルまたは4−エチル−3−ヘキセニル等が挙げられる。
アルキニル基としては、例えば直鎖または分枝した炭素原子数3〜15個のアルキニル基が挙げられ、具体的には例えば2−プロピニル、3−ブチニル、4−ペンチニル、3−ヘキシニル、5−メチル−2−ヘキシニルまたは6−メチル−4−ヘプチニル等が挙げられる。
シクロアルキル基としては、例えば炭素原子数3〜8個のシクロアルキル基が挙げられ、具体的には例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルまたはシクロオクチル等が挙げられる。
Yにおける芳香族基としてはアリール基またはヘテロアリール基が挙げられる。
アリール基としては、例えばフェニル基またはナフチル基等の炭素原子数10個以下のアリール基が挙げられる。
ヘテロアリール基としては、例えば窒素原子を1〜2個含む5〜6員単環式の基、窒素原子を1〜2個と酸素原子を1個もしくは硫黄原子を1個含む5〜6員単環式の基、酸素原子を1個もしくは硫黄原子を1個含む5員単環式の基、または窒素原子1〜4個を含み、6員環と5または6員環が縮合した二環式の基等が挙げられ、具体的には、例えば、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−イミダゾリル、ピラジニル、2−ピリミジニル、3−ピリダジニル、3−オキサジアゾリル、2−チアゾリル、3−イソチアゾリル、2−オキサゾリル、3−イソオキサゾリル、2−フリル、3−フリル、2−チエニル、3−チエニル、2−キノリル、8−キノリル、2−キナゾリニルまたは8−プリニル等が挙げられる。
置換芳香族基の置換基としては、一個または同一もしくは異なって複数個あってもよく、例えばハロゲン原子、シアノ基、トリフルオロメチル基、ニトロ基、水酸基、メチレンジオキシ基、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ベンジルオキシ基、低級アルカノイルオキシ基、アミノ基、モノ低級アルキルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基、カルバモイル基、低級アルキルアミノカルボニル基、ジ低級アルキルアミノカルボニル基、カルボキシル基、低級アルコキシカルボニル基、低級アルキルチオ基、低級アルキルスルフィニル基、低級アルキルスルホニル基、低級アルカノイルアミノ基、低級アルキルスルホンアミド基、または式:−M−E−T{Mは結合手、酸素原子、硫黄原子もしくは式:−NR61−(R61は水素原子もしくは低級アルキル基を表す。)で表される基を表し、Eは不飽和結合を含んでいてもよい炭素原子数1〜8の2価の炭化水素基を表し、Tは水酸基、ハロゲン原子、カルボキシル基、低級アルコキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、シアノ基、ベンジルオキシ基、低級アルコキシ基、低級アルカノイルオキシ基、低級アルキルチオ基、低級アルキルスルフィニル基、低級アルキルスルホニル基、メタンスルホニルオキシ基、アルキル置換もしくは無置換のベンゼンスルホニルオキシ基、低級アルカノイルアミノ基、低級アルコキシカルボニルアミノ基、低級アルキルスルホンアミド基、フタルイミド基、置換もしくは無置換のヘテロアリール基、または式:−NR4151(R41およびR51は互いに独立して、水素原子、低級アルコキシ基置換もしくは無置換の低級アルキル基、シクロアルキル基、低級アルコキシカルボニル基、もしくはアラルキル基を表すか、またはR41およびR51が互いに結合して、それらが結合する窒素原子とともに、環中にさらに式:−NR81−(R81は水素原子、置換もしくは無置換の低級アルキル基、置換もしくは無置換のフェニル基、置換もしくは無置換のベンジル基または低級アルコキシカルボニル基を表す。)で表される基を1個、または酸素原子1個を含んでもよい、環を構成する炭素原子数が4から8個の飽和環状アミノ基を表す。)もしくは式:−C(=O)NR4151(R41およびR51は前記の意味を表す。)で表される基を表す。}が挙げられる。
またはR81に於ける置換低級アルキル基、置換フェニル基および置換ベンジル基の置換基は、1つまたは複数、同一または異なって置換していてよく、例えば水酸基、ハロゲン原子または低級アルコキシ基が挙げられる。
不飽和結合を含んでいてもよい炭素原子数1〜8の2価の炭化水素基としては、例えばメチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレンもしくはヘキサメチレン等のアルキレン鎖、プロペニレンもしくはブテニレン等のアルケニレン鎖、またはエチニレン、プロピニレンもしくはブチニレン等のアルキニレン鎖が挙げられる。
炭素原子数2〜4の2価の炭化水素基としては、例えばエチレン、トリメチレン、テトラメチレン等のアルキレン鎖、プロペニレンもしくはブテニレン等のアルケニレン鎖、またはエチニレン、プロピニレンもしくはブチニレン等のアルキニレン鎖が挙げられる。
Q、WおよびTにおけるヘテロアリール基としては、例えば窒素原子を1〜3個含む5〜6員環の基、酸素原子を1個もしくは硫黄原子を1個含む5員環の基、窒素原子1〜4個を含み、6員環と5または6員環が縮合した二環式の基等が挙げられ、具体的には、例えば1−ピロリル、1−ピラゾリル、1−イミダゾリル、1,2,4−トリアゾール−1−イル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−チエニル、3−チエニル、2−フリル、3−フリルまたは2−キノリル等が挙げられる。Q、WおよびTにおける置換ヘテロアリール基の置換基としては、低級アルキル基、低級アルコキシ基またはハロゲン原子が挙げられ、一個または同一もしくは異なって複数個置換されていてもよい。
式:−NRもしくは−NR4151で表される基が形成する環状アミノ基としては、例えば環を構成する原子数が6個、即ち6員環である基、例えば1−ピペリジニル、4−モルホリニル、4−低級アルキル−1−ピペラジニル、4−フェニル−1−ピペラジニルもしくは4−ベンジル−1−ピペラジニル等、5員環である基、例えば1−ピロリジニル等、または7員環である基、例えば1−ホモピペリジニル等が挙げられる。
置換アルキル基、置換シクロアルキル基、置換アルケニル基、置換アルキニル基の置換基は一個または同一もしくは異なって複数個あってもよく、置換基としては、例えばハロゲン原子、シアノ基、フェノキシ基、ベンジルオキシ基、トリフルオロメチル基、水酸基、低級アルコキシ基、低級アルカノイルオキシ基、アミノ基、モノ低級アルキルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基、カルバモイル基、低級アルキルアミノカルボニル基、ジ低級アルキルアミノカルボニル基、低級アルコキシカルボニルアミノ基、カルボキシル基、低級アルコキシカルボニル基、低級アルキルチオ基、低級アルキルスルフィニル基、低級アルキルスルホニル基、低級アルカノイルアミノ基、低級アルキルスルホンアミド基、フタルイミド基、ヘテロアリール基または式:−NR4151(R41、R51は前記の意味を表す。)で表される基が挙げられる。
また置換アルキル基として、置換もしくは無置換のシクロアルキル基が置換した炭素原子1〜6個のアルキル基、またはアラルキル基もしくは置換アラルキル基も挙げられる。
アラルキル基としては前記アリール基が置換した炭素原子数1〜6個のアルキル基が挙げられ、例えばベンジル、1−フェニルエチル、2−フェニルエチルまたは2−ナフチルメチル等が挙げられる。
Yにおける好ましい基としては、例えば置換もしくは無置換のフェニル基または置換もしくは無置換のピリジル基が挙げられる。置換基は一個または同一もしくは異なって複数個あってもよく、好ましい置換基としては、例えば、フッ素もしくは塩素等のハロゲン原子、シアノ基、トリフルオロメチル基、ニトロ基、水酸基、メチレンジオキシ基、低級アルキル基、低級アルコキシ基、低級アルカノイルオキシ基、アミノ基、モノ低級アルキルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基、カルバモイル基、低級アルキルアミノカルボニル基、ジ低級アルキルアミノカルボニル基、カルボキシル基、低級アルコキシカルボニル基、低級アルキルチオ基、低級アルキルスルフィニル基、低級アルキルスルホニル基、低級アルカノイルアミノ基、低級アルキルスルホンアミド基、または式:−M−E−T(M、EおよびTは前記の意味を表す。)で表される基が挙げられる。
における好ましい基としては、結合手もしくは酸素原子が挙げられる。
における好ましい基としては、炭素原子数1〜6個の直鎖のアルキレン鎖、アルケニレン鎖もしくはアルキニレン鎖が挙げられ、更に好ましくは、炭素原子数1〜3個の直鎖のアルキレン鎖もしくはアルキニレン鎖が挙げられる。
Tにおける好ましい基としては、水酸基、シアノ基、低級アルコキシ基、低級アルカノイルオキシ基、低級アルカノイルアミノ基、ヘテロアリール基または式:−NR4151(R41およびR51は前記の意味を表す)で表される基が挙げられる。更に好ましくは、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−メチル−3−ピリジル、1−イミダゾリル、1,2,4−トリアゾール−1−イル等のヘテロアリール基、または式:−NR4151で表される基が挙げられる。
式:−NR4151で表される好ましい基としては、例えばジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジイソプロピルアミノ、1−ピロリジニル、1−ピペリジニル、モルホリノまたは4−メチルピペリジニル等が挙げられる。
Yにおけるさらに好ましい基としては、低級アルキル基もしくは低級アルコキシ基で置換されたフェニル基または低級アルキル基もしくは低級アルコキシ基で置換されたピリジル基が挙げられる。
における好ましい基としては、例えば水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアルケニル基が挙げられる。置換アルキル基および置換アルケニル基の置換基としては、一個または同一もしくは異なって複数個あってもよく、好ましくは、フッ素もしくは塩素等のハロゲン原子、シアノ基、ベンジルオキシ基、水酸基、低級アルコキシ基、低級アルカノイルオキシ基、カルバモイル基、低級アルキルアミノカルボニル基、ジ低級アルキルアミノカルボニル基、カルボキシル基、低級アルコキシカルボニル基、低級アルキルチオ基、低級アルキルスルフィニル基、低級アルキルスルホニル基、アリール基、低級アルカノイルアミノ基、低級アルキルスルホンアミド基、フタルイミド基またはヘテロアリール基が挙げられる。更に好ましい置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、水酸基、低級アルコキシ基、カルバモイル基、2−ピリジル基、3−ピリジルまたは4−ピリジル基等が挙げられる。Rにおけるさらに好ましい基としては無置換のアルキル基もしくはアルケニル基が挙げられる。
における好ましい基としては水素原子、メチル、エチル、プロピルまたはイソプロピルが挙げられる。Rにおける好ましい基としてはイソプロピルまたはtert−ブチルが挙げられる。
における好ましい基としては、メチレンまたはエチレンが挙げられる。Qにおける好ましい基としては、水酸基、置換もしくは無置換のヘテロアリール基、または式:−NR(RおよびRは前記の意味を表す。)で表される基が挙げられる。さらに好ましい基としては、水酸基、1−ピラゾリル、3,5−ジメチル−1−ピラゾリル、1−イミダゾリル、2−メチル−1−イミダゾリル、1,2,4−トリアゾール−1−イル、1−ピペリジニル、1−ピロリジニル、4−メチル−1−ピペラジニル、モルホリノ、ジエチルアミノまたはジプロピルアミノ等が挙げられる。
における好ましい基としては、結合手、メチレンもしくはエチレンが挙げられる。
Mにおける好ましい基としては、酸素原子または式:−NHC(=O)−、−C(=O)NH−もしくは−NR−で表される基が挙げられる。
Eにおける好ましい基としては、メチレン、エチレンもしくはトリメチレンが挙げられる。
Wにおける好ましい基としては、水酸基、置換もしくは無置換のヘテロアリール基、または式:−NRで表される基が挙げられる。さらに好ましい基としては、水酸基、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、1−ピラゾリル、3,5−ジメチル−1−ピラゾリル、1−イミダゾリル、2−メチル−1−イミダゾリル、1,2,4−トリアゾール−1−イル、1−ピペリジニル、1−ピロリジニル、4−メチル−1−ピペラジニル、モルホリノ、ジエチルアミノまたはジプロピルアミノ等が挙げられる。
下記一般式(2)で表される部分の好ましい基として、

2,6−ジイソプロピル−4−(2−ピリジルメトキシ)フェニル基、2,6−ジイソプロピル−4−(3−ピリジルメトキシ)フェニル基、2,6−ジイソプロピル−4−(4−ピリジルメトキシ)フェニル基、2,6−ジイソプロピル−4−{2−(1−ピペリジニル)エトキシ}フェニル基、2,6−ジイソプロピル−4−{3−(1−ピペリジニル)プロポキシ}フェニル基、2,6−ジイソプロピル−4−{2−(1−ピロリジニル)エトキシ}フェニル基、2,6−ジイソプロピル−4−{2−(モルホリノ)エトキシ}フェニル基、2,6−ジイソプロピル−4−{2−(4−メチル−1−ピペラジニル)エトキシ}フェニル基、2,6−ジイソプロピル−4−{2−(1,2,4−トリアゾール−1−イル)エトキシ}フェニル基、2,6−ジイソプロピル−4−{3−(1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロポキシ}フェニル基、2−tert−ブチル−5−ヒドロキシメチルフェニル基、2−tert−ブチル−5−(1−ピラゾリル)メチルフェニル基、2−tert−ブチル−5−{2−(1−ピラゾリル)エチル}フェニル基、2−tert−ブチル−5−(3,5−ジメチル−1−ピラゾリル)メチルフェニル基、2−tert−ブチル−5−(1−イミダゾリル)メチルフェニル基、2−tert−ブチル−5−{2−(1−イミダゾリル)エチル}フェニル基、2−tert−ブチル−5−(2−メチル−1−イミダゾリル)メチルフェニル基、2−tert−ブチル−5−(1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチルフェニル基、2−tert−ブチル−5−{2−(1,2,4−トリアゾール−1−イル)エチル}フェニル基、2−tert−ブチル−5−(1−ピペリジニル)メチルフェニル基、2−tert−ブチル−5−(1−ピロリジニル)メチルフェニル基、2−tert−ブチル−5−(4−メチル−1−ピペラジニル)メチルフェニル基、2−tert−ブチル−5−モルホリノメチルフェニル基、2−tert−ブチル−5−ジエチルアミノメチルフェニル基、2−tert−ブチル−5−ジプロピルアミノメチルフェニル基、2−tert−ブチル−5−(2−ピリジル)メチルアミノメチルフェニル基、2−tert−ブチル−5−(3−ピリジル)メチルアミノメチルフェニル基、2−tert−ブチル−5−(4−ピリジル)メチルアミノメチルフェニル基、2−tert−ブチル−5−{N−(2−ピリジル)メチル−N−メチル}アミノメチルフェニル基、2−tert−ブチル−5−{N−(3−ピリジル)メチル−N−メチル}アミノメチルフェニル基または2−tert−ブチル−5−{N−(4−ピリジル)メチル−N−メチル}アミノメチルフェニル基が挙げられる。
「プロドラッグ」としては、生体内で容易に加水分解され、式(1)または式(51)の化合物を再生するものが挙げられ、例えばカルボキシル基を有する化合物であればそのカルボキシル基がアルコキシカルボニル基となった化合物、アルキルチオカルボニル基となった化合物、またはアルキルアミノカルボニル基となった化合物が挙げられる。また、例えばアミノ基を有する化合物であれば、そのアミノ基がアルカノイル基で置換されアルカノイルアミノ基となった化合物、アルコキシカルボニル基により置換されアルコキシカルボニルアミノ基となった化合物、アシロキシメチルアミノ基となった化合物、またはヒドロキシルアミンとなった化合物が挙げられる。また例えば水酸基を有する化合物であれば、その水酸基が前記アシル基により置換されてアシロキシ基となった化合物、リン酸エステルとなった化合物、またはアシロキシメチルオキシ基となった化合物が挙げられる。これらのプロドラッグ化に用いる基のアルキル部分としては前記アルキル基が挙げられ、そのアルキル基は置換(例えば炭素原子数1〜6のアルコキシ基等により)されていてもよい。好ましい例としては、例えばカルボキシル基がアルコキシカルボニル基となった化合物を例にとれば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニルなどの低級(例えば炭素数1〜6)アルコキシカルボニル、メトキシメトキシカルボニル、エトキシメトキシカルボニル、2−メトキシエトキシカルボニル、2−メトキシエトキシメトキシカルボニルまたはピバロイロキシメトキシカルボニルなどのアルコキシ基により置換された低級(例えば炭素数1〜6)アルコキシカルボニルが挙げられる。
酸付加塩を形成する酸としては、例えば塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸もしくは硝酸などの無機酸、または例えば酢酸、シュウ酸、くえん酸、りんご酸、酒石酸、フマール酸、マレイン酸、メタンスルホン酸もしくはベンゼンスルホン酸などの有機酸が挙げられる。
HMG−CoA還元酵素阻害剤等または式(1)で表される化合物等がカルボキシル基等を有する場合、例えばジエタノールアミン塩、エチレンジアミン塩もしくはN−メチルグルカミン塩等の有機塩基との塩、カルシウム塩もしくはマグネシウム塩等のアルカリ土類金属との塩、またはリチウム塩、カリウム塩もしくはナトリウム塩等のアルカリ金属との塩であってもよい。
HMG−CoA還元酵素阻害剤等または式(1)で表される化合物等に不斉炭素原子が存在し、立体異性体が存在することがある。そのような場合、HMG−CoA還元酵素阻害剤等または式(1)で表される化合物等は各異性体の混合物や単離されたものを含む。
HMG−CoA還元酵素阻害剤等、エゼチミブ等、または式(1)で表される化合物等は、それらの無水物、または水和物等の溶媒和物であってもよい。
HMG−CoA還元酵素阻害剤等及びその製造方法は当業者によく知られている。例えば、プラバスタチンは米国特許第4,346,227号明細書に、シンバスタチンは米国特許第4,450,171号明細書に、ロバスタチンは米国特許第4,231,938号明細書に、フルバスタチンは米国特許第4,739,073号明細書に、アトルバスタチンは米国特許第5,273,995号明細書に、ロスバスタチンは特開平5−178841号に、およびピタバスタチンは特開平1−279866号に、それぞれ開示されている。
エゼチミブ等等及びその製造方法は、例えば米国特許第5,846,966号に開示されている。
式(1)で表される化合物等及びその製造法も当業者によく知られている。例えば上記特許文献1(国際公開第00/09505号パンフレット)に開示されている。
本発明の医薬組成物は、(A)HMG−CoA還元酵素阻害剤等および/またはエゼチミブ等、および(B)式(1)で表される化合物等を組み合わせてなるものであり、投与時に(A)HMG−CoA還元酵素阻害剤等および/またはエゼチミブ等、および(B)式(1)で表される化合物等とを組み合わせることができるものであればよい。従って、本発明の医薬組成物は、投与時に(A)HMG−CoA還元酵素阻害剤等および/またはエゼチミブ等、および(B)式(1)で表される化合物等とを組み合わせることができるものであれば、(A)HMG−CoA還元酵素阻害剤等および/またはエゼチミブ等、および(B)式(1)で表される化合物等とを同時に製剤化して得られる単一の製剤であっても、(A)HMG−CoA還元酵素阻害剤等および/またはエゼチミブ等、および(B)式(1)で表される化合物等とを別々に製剤化して得られる少なくとも二種の製剤を組み合わせたものであってもよい。
投与形態は、特に限定されず、例えば、(a)(A)HMG−CoA還元酵素阻害剤等および/またはエゼチミブ等、および(B)式(1)で表される化合物等とを含有する組成物、即ち、単一の製剤としての投与、(b)(A)HMG−CoA還元酵素阻害剤等および/またはエゼチミブ等、と(B)式(1)で表される化合物等とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の同一投与経路での同時投与、(c)(A)HMG−CoA還元酵素阻害剤等および/またはエゼチミブ等、と(B)式(1)で表される化合物等とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の同一投与経路での時間差をおいての投与(例えば(A)HMG−CoA還元酵素阻害剤等および/またはエゼチミブ等、(B)式(1)で表される化合物等の順序での投与、あるいは逆の順序での投与)、(d)(A)HMG−CoA還元酵素阻害剤等および/またはエゼチミブ等と(B)式(1)で表される化合物等とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の異なる投与経路での同時投与、(e)(A)HMG−CoA還元酵素阻害剤等および/またはエゼチミブ等と(B)式(1)で表される化合物等とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の異なる投与経路での時間差をおいての投与(例えば(A)HMG−CoA還元酵素阻害剤等および/またはエゼチミブ等、(B)式(1)で表される化合物等の順序での投与、あるいは逆の順序での投与)等が挙げられる。
なお、時間差をおいての投与の場合、(A)HMG−CoA還元酵素阻害剤等および/またはエゼチミブ等、および(B)式(1)で表される化合物等が、血中コレステロール量低下作用を増強するに足る時間、両者が体内で共存していることが必要である。
本発明において、HMG−CoA還元酵素阻害剤等および式(1)で表される化合物等との組合せの割合は、両者が単一製剤とされる場合、別個の製剤とされる場合のいずれにおいても、重量比率として、通常1:100〜100:1の範囲であり、1:10〜10:1の範囲が好ましく、1:5〜5:1の範囲がさらに好ましい。
また、エゼチミブ等および式(1)で表される化合物等との組合せの割合は、両者が単一製剤とされる場合、別個の製剤とされる場合のいずれにおいても、重量比率として、通常1:100〜100:1の範囲であり、1:10〜10:1の範囲が好ましく、1:5〜5:1の範囲がさらに好ましい。
HMG−CoA還元酵素阻害剤等、エゼチミブ等、および/または式(1)で表される化合物等は、これを上記[1]〜[12]の医薬組成物等として用いるにあたり、非経口的または経口的に投与することができる。すなわち溶液、乳剤、懸濁液等の液剤の型にしたものを注射剤として投与することができ、必要に応じて緩衝剤、溶解補助剤、等張剤等を添加することもできる。坐剤の形で直腸投与することもできる。また、通常用いられる投与形態、例えば錠剤、カプセル剤、シロップ剤、懸濁液等の形で経口的に投与することができる。このような投与剤形は通常の担体、賦形剤、結合剤、安定剤などと有効成分を配合することにより、一般的方法に従って製造することができる。
HMG−CoA還元酵素阻害剤等、エゼチミブ等、および/または式(1)で表される化合物等の投与量、投与回数は症状、年令、体重、投与形態等によって異なるが、HMG−CoA還元酵素阻害剤等、エゼチミブ等、または式(1)で表される化合物等のそれぞれについて、通常経口投与の場合成人1人1日当たり1〜500mg程度であり、これを1回で、あるいは2〜4回に分けて投与することができる。
本発明には、(A)HMG−CoA還元酵素阻害剤等および/またはエゼチミブ等、および(B)式(1)で表される化合物等とを組み合わせてなる併用剤、および当該併用剤を血中コレステロール量低下の用途に使用することができるまたは使用すべきであることを記載した当該併用剤に関する記載物を含む、商業パッケージ;HMG−CoA還元酵素阻害剤等および/またはエゼチミブ等を含有する医薬組成物、および当該医薬組成物を式(1)で表される化合物等の血中コレステロール量低下作用増強の用途に使用することができるまたは使用すべきであることを記載した当該医薬組成物に関する記載物を含む、商業パッケージ;および、(A)式(1)で表される化合物等を含有する医薬組成物、および(B)当該医薬組成物をHMG−CoA還元酵素阻害剤等および/またはエゼチミブ等の血中コレステロール量低下作用増強の用途に使用することができるまたは使用すべきであることを記載した当該医薬組成物に関する記載物を含む、商業パッケージが含まれる。
本発明の製剤の効果は以下の実施例により具体的に示されるが、この実施形態に限定されるものではない。
【実施例1】
培養ヒト肝細胞株における式(1)で表される化合物およびアトルバスタチン併用時のLDL結合、取込みおよび分解活性に対する作用
(方法)
培養ヒト肝細胞株HepG2細胞は大日本製薬(大阪、日本)から購入した。LDL結合、取込みおよび分解活性の測定は、既報(Method in Enzymology,98,241−255,1983)に準じて行った。細胞を24穴プレートにまき、10%ウシ胎児血清および抗生物質を含むダルベッコ改変イーグル/F−12培地(DMEM/F−12)培地中で2日間37℃の条件で培養した。細胞を洗浄後、被験物質を含む10%リポタンパク質除去血清・抗生物質含有DMEM/F−12培地を添加し、37℃で19時間培養した。[125I]LDLを添加して、さらに5時間37℃で培養した。培養上清を採取し、これにトリクロロ酢酸を添加して4℃で30分以上静置した。遠心(700×g、4℃、15分)後、上清を分取し、ヨウ化ナトリウムを添加し、さらに過酸化水素を添加した。室温で5分処理後、クロロホルムを加えて攪拌した。遠心(700 x g,5分,4℃)後、上清中の放射活性をガンマカウンターにて測定し、これをLDL分解量として評価した。一方、細胞は十分に洗浄した後、ディソシエーションバッファー(50mM NaCl,10mM 2−[4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル]エタンスルホン酸(HEPES,pH7.4),10mg/mlヘパリン)を添加し、4℃で60分以上静置した。ディソシエーションバッファーを回収し、その放射活性をガンマカウンターにて測定し、これをLDL結合量として評価した。さらに、残った細胞に1規定水酸化ナトリウム溶液を添加し、10分以上反応させて細胞を溶解させた。この細胞溶解液を回収し、その放射活性をガンマカウンターにて測定し、これをLDL取込み量として評価した。なお、非特異的分解、結合、取込み量については、[125I]LDL添加時に過剰量の非標識LDLを共存させることによって評価し、特異的分解、結合および取込み量は、全分解、結合および取込み量から非特異的分解、結合および取込み量を除外し、さらに蛋白量で補正することによって求めた。被験物質としてはN−[1−ブチル−4−[3−[3−(ヒドロキシ)プロポキシ]フェニル]−1,2−ジヒドロ−2−オキソ−1,8−ナフチリジン−3−イル]−N’−(2,6−ジイソプロピル−4−アミノフェニル)ウレア(以下化合物Aと略)およびアトルバスタチンを用いた。
(結果)
表1に示すように、化合物A(0.01〜1μM)およびアトルバスタチン(0.1〜10μM)は、HepG2細胞におけるLDL結合量、取込み量および分解量を増加させ、LDL受容体機能を亢進させることが示された。さらに、アトルバスタチン(1μM)と化合物A(0.01〜1μM)を併用することにより、アトルバスタチン(10μM)単独、あるいは化合物A(1μM)単独処置と比較して、より強いLDL結合量、取込み量および分解量の増加作用が認められた。
化合物Aの濃度が0.01、0.1、1μMと10倍ずつ増加しても結合量、取込み量および分解量の増加が小さくなっており、一方アトルバスタチンの濃度が0.1、1、10μMと10倍ずつ増加しても同様の傾向が見られるのに、これらを併用することで著しい結合量、取込み量および分解量の増加が見られたことは注目に値する。単剤の用量を増加させて作用の増加が小さくなった場合に、他の薬剤を加えるとさらに著しい作用があるということは一般的なことではないから、このような作用を有することは従来の技術常識からは予測困難なものであった。従って本発明の製剤(併用療法用製剤を含む)は新しい治療の可能性を拓くものである。

【実施例2】
内因性高脂血症ウサギにおける化合物Aおよびアトルバスタチン併用時の血中コレステロール低下作用
(方法)
8週齢、雄ニュージーランド白色ウサギを12日間、自由飲水、自由摂食(ウサギ・モルモット飼育用飼料 RC4、オリエンタル酵母株式会社、東京、日本)条件にて飼育した。その後、餌を27%のカゼインを含有するカゼイン食(オリエンタル酵母株式会社、東京、日本)に切り替え、体重3kgあたり100gの制限給餌を1週間行った。この時点で耳介静脈より採血して血漿総コレステロール量を測定し、体重および血漿総コレステロール値の平均値がほぼ同じになるように群分けを行った。その後カゼイン食の制限給餌を継続しながら、化合物A(1mg/kg)、アトルバスタチン(1および3mg/kg)、化合物A(1mg/kg)およびアトルバスタチン(1mg/kg)併用、化合物A(1mg/kg)およびアトルバスタチン(3mg/kg)併用の各条件で、3週間にわたり薬剤を投与した。各薬剤は0.5%ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(Tween80)を含むプロピレングリコールに溶解し、強制経口投与を行った。また、コントロール群には溶媒(0.5%Tween80を含むプロピレングリコール)のみの強制経口投与を行った。最終投与の1日後に採血を行い、血漿総コレステロールを測定するとともに、分画超遠心法(山田信博,佐藤靖史監修:動脈硬化+高脂血症研究ストラテジー,63−69,1996,秀潤社)にてリポタンパク質を分画した後に、LDL分画中のコレステロール量を測定した。血漿中総コレステロール量およびLDL分画中コレステロール量は生化学自動分析装置(Biochemical Analyzer CHEM 1,Bayer Corportion,NY,USA)を用いて測定した。
(結果)
表2に示すように、カゼイン食負荷により内因性高脂血症を発症したウサギにおいて、化合物A(1mg/kg)は有意な血漿総コレステロールおよび血漿LDLコレステロール低下作用を示し、アトルバスタチン(1および3mg/kg)も血漿総コレステロールおよび血漿LDLコレステロールを低下させる傾向を示した。化合物A(1mg/kg)とアトルバスタチン(1および3mg/kg)を併用することによって単剤と比較してより強い血漿脂質低下作用が認められ、これらの併用群ではアトルバスタチン3mg/kg投与群と比較して有意に血漿総コレステロールが低下した。
アトルバスタチン1mg/kg投与群がコントロールに比べ有意な血漿総コレステロール低下作用及び血漿LDLコレステロール低下作用を示さなかったのに、化合物A1mg/kg+アトルバスタチン1mg/kg投与群では化合物A1mg/kg投与群に比べてさえ有意な血漿総コレステロール低下作用を示したことは、両化合物を併用することで著しい作用の増加を示す一例と考えられる。

【実施例3】
内因性高脂血症ウサギにおける化合物Aおよびアトルバスタチン併用時の肝臓LDL受容体蛋白発現に対する作用
(方法)
実施例2で使用したウサギについて、薬物最終投与の1日後に肝臓を摘出した。
この肝臓の一部にホモジナイズバッファー(20mM Tris−HCl(pH8.0),1mM CaCl,150mM NaCl,蛋白分解酵素阻害剤混合物)を加えてホモジナイズし、そのホモジネートを8000×g,10分、4℃で遠心した後、その上清について10,000×g、60分、4℃で超遠心を行った。沈殿にホモジナイズバッファーを添加し、10,000×g、30分、4℃で超遠心を行って洗浄した後、懸濁用バッファー(125mM Tris−maleate(pH6.8),1mM CaCl,160mM NaCl,1%(w/v)トリトンX−100,蛋白分解酵素阻害剤(CompleteTM,Boehringer Ingelhaim Co.,Ltd.,Ingelheim,Germany))を添加して懸濁し、これを肝臓膜画分とした。バッファー(125mM Tris−HCl(pH6.8),20%(v/v)グリセロール,4%(w/v)ドデシル硫酸ナトリウム(以下SDSと略)および0.001%(w/v)ブロモフェノールブルー)と混合した後、SDSポリアクリルアミド電気泳動(7.5%ポリアクリルアミドゲル使用)を行った後、ポリビニリデンジフルオロライド膜(PVDF)膜に転写し、抗LDL受容体抗体を用いたイムノブロット法にてLDL受容体蛋白量を評価した。抗体結合量はX線フィルムを用いてケミルミネッセンス法により可視化し、LDL受容体のバンドの濃さをスキャナーおよび画像解析ソフトを用いて数値化した。
(結果)
図1に示すように、カゼイン食負荷により内因性高脂血症を発症したウサギにおいて、化合物A(1mg/kg)およびアトルバスタチン(1および3mg/kg)は肝臓におけるLDL受容体蛋白の発現量を増加させた。化合物A(1mg/kg)とアトルバスタチン(1および3mg/kg)を併用することによって、単剤と比較してより強いLDL受容体蛋白発現の増加作用が認められた。このようにin vivoにおいても両化合物を併用することで著しい作用の増加を示すことが確認された。
【実施例4】
下記の成分1−5を混合し、成分6の水溶液を用いて湿式造粒し、成分7と混合する。得られる混合物を打錠し、120mgの錠剤を得る。
1.化合物A 5mg/1錠あたり
2.プラバスタチン 5mg/1錠あたり
3.乳糖 72.5mg/1錠あたり
4.トウモロコシデンプン 30mg/1錠あたり
5.カルボキシメチルセルロースカルシウム 5mg/1錠あたり
6.ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−L) 2mg/1錠あたり
7.ステアリン酸マグネシウ厶 0.5mg/1錠あたり
【実施例5】
下記の成分1−5を混合し、成分6の水溶液を用いて湿式造粒し、成分7と混合する。得られる混合物を打錠し、120mgの錠剤を得る。
1.化合物A 5mg/1錠あたり
2.エゼチミブ 5mg/1錠あたり
3.乳糖 72.5mg/1錠あたり
4.トウモロコシデンプン 30mg/1錠あたり
5.カルボキシメチルセルロースカルシウム 5mg/1錠あたり
6.ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−L) 2mg/1錠あたり
7.ステアリン酸マグネシウム 0.5mg/1錠あたり
【実施例6】
(1)下記の成分1−4を混合し、成分5の水溶液を用いて湿式造粒し、成分6と混合する。得られる混合物を打錠し、120mgの錠剤を得る。
1.化合物A 10mg/1錠あたり
2.乳糖 72.5mg/1錠あたり
3.トウモロコシデンプン 30mg/1錠あたり
4.カルボキシメチルセルロースカルシウム 5mg/1錠あたり
5.ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−L) 2mg/1錠あたり
6.ステアリン酸マグネシウム 0.5mg/1錠あたり
(2)上記(1)の錠剤、およびエゼチミブ10mgとシンバスタチン10,20,40,80mgの合剤(商品名VYTORIN、メルク/シェリング・プラウファーマシューティカルズ社)とを高脂血症または動脈硬化症の患者に同時に投与する。
現在米国で市販されているエゼチミブの用法(10mgの1用量)で期待される脂質低下作用では、治療目標値には達しないケースが多数あることは、前記の通りエゼチミブ単剤によるLDLコレステロール低下は、15−20%であり、投与量を増やしてもそれより下がらなかったとの報告が2002欧州動脈硬化学会でなされていることから容易に推測できる。
一方、ACAT阻害剤である化合物Aは、腸管からのコレステロール吸収抑制作用と肝臓でのVLDL分泌抑制によって血中の脂質を下げると考えられ、さらに、上記実施例1−3に示したように、LDL受容体発現・活性においても単剤で上昇させる。従って、腸管でのコレステロール吸収抑制作用によって脂質を下げるエゼチミブと化合物A(および/またはHMG−CoA還元酵素阻害剤)の合剤および併用剤は、単剤での使用時よりも、はるかに効果的なLDLコレステロール低下療法を提供することが出来る。
【産業上の利用可能性】
本発明は、HMG−CoA還元酵素阻害剤等、エゼチミブ等、または式(1)で表される化合物等単剤に比べ、より安全に、より強くLDL受容体発現を上昇させる方法が提供される。同時にそのための治療薬として、(A)HMG−CoA還元酵素阻害剤等および/またはエゼチミブ等、および(B)式(1)で表される化合物等を含有する高脂血症または動脈硬化治療剤、(A)または(B)のいずれか一方を含有する、他方と併用するための高脂血症または動脈硬化治療剤、(A)または(B)のいずれか一方を含有する医薬組成物を使用する治療における、血中コレステロール量低下作用増強のための他方を含有する医薬組成物が提供される。
【図1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリルコエンザイムA還元酵素阻害剤もしくはそのプロドラッグまたはそれらの薬学的に許容される塩、および/またはまたはエゼチミブもしくはそのプロドラッグまたはそれらの薬学的に許容される塩、および
(B)式(1):

〔式中、環Aは置換もしくは無置換のピリジン環を表す。
Yは置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、または置換もしくは無置換の芳香族基を表す。
は水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアルキニル基、または置換もしくは無置換のシクロアルキル基を表す。
は水素原子または低級アルキル基を表す。
は低級アルキル基を表す。
Zは、次の1)または2)で表される基を表す。
1)−D−Q
[式中、Dは結合手または不飽和結合を含んでいてもよい炭素原子数1〜8の2価の炭化水素基を表し、Qは水酸基、カルボキシル基、置換もしくは無置換のヘテロアリール基、または式:−NR(RおよびRは互いに独立して、水素原子、低級アルコキシ基置換もしくは無置換の低級アルキル基、シクロアルキル基またはアラルキル基を表すか、またはRおよびRが互いに結合してそれらが結合する窒素原子とともに、環中にさらに式:−NR−(Rは水素原子、置換もしくは無置換の低級アルキル基、置換もしくは無置換のフェニル基、置換もしくは無置換のベンジル基、または低級アルコキシカルボニル基を表す。)で表される基を1個、または酸素原子1個を含んでもよい、環を構成する炭素原子数が4から8個の飽和環状アミノ基を表す。)を表す。但し、Qが置換もしくは無置換のヘテロアリール基である場合は、Dは結合手とはならない。]
または、
2)−D−M−E−W
[式中、Dは結合手または不飽和結合を含んでいてもよい炭素原子数1〜8の2価の炭化水素基を表し、Mは酸素原子、硫黄原子、スルフィニル基もしくはスルホニル基、または式:−NHC(=O)−、−C(=O)NH−もしくは−NR−(Rは水素原子もしくは低級アルキル基を表す。)で表される基を表し、Eは結合手または不飽和結合を含んでいてもよい炭素原子数1〜8の2価の炭化水素基を表し、Wは水酸基、カルボキシル基、置換もしくは無置換のヘテロアリール基、または式:−NR(RおよびRは前記の意味を表す。)で表される基を表す。但し、Wが水酸基、カルボキシル基もしくは式:−NRで表される基の時はEは結合手とはならない。]〕
で表される化合物もしくはそのプロドラッグまたはそれらの薬学的に許容される塩を含有する高脂血症または動脈硬化治療剤。
【請求項2】
式(1)で表される化合物に於いて、環Aが式(a)、(b)または(c):

のいずれかで表される基であり、
Yが置換もしくは無置換の芳香族基であり、
が置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアルケニル基であり、
Zが式:−D−Qで表される基であり、Dが結合手であり、Qが水酸基または式:−NRで表される基である、請求項1記載の高脂血症または動脈硬化治療剤。
【請求項3】
式(1)で表される化合物が、式(51):

(式中、環A、R、R、RおよびZは請求項1と同じ意味を表す。Yは式:−M−E−T(Mは酸素原子を表し、Eは炭素原子数2〜4の炭化水素基を表し、Tは水酸基もしくは式:−NR4151で表される基(R41およびR51は互いに独立して、水素原子、低級アルコキシ基置換もしくは無置換の低級アルキル基、シクロアルキル基、低級アルコキシカルボニル基、もしくはアラルキル基を表すか、またはR41およびR51が互いに結合して、それらが結合する窒素原子とともに、環中にさらに式:−NR81−(R81は水素原子、置換もしくは無置換の低級アルキル基、置換もしくは無置換のフェニル基、置換もしくは無置換のベンジル基または低級アルコキシカルボニル基を表す。)で表される基を1個、または酸素原子1個を含んでもよい、環を構成する炭素原子数が4から8個の飽和環状アミノ基を表す。)を表す。)で表される基で置換されたフェニル基を表す。)で表される化合物である、請求項1または2記載の高脂血症または動脈硬化治療剤。
【請求項4】
式(1)で表される化合物が、N−[1−ブチル−4−[3−[3−(ヒドロキシ)プロポキシ]フェニル]−1,2−ジヒドロ−2−オキソ−1,8−ナフチリジン−3−イル]−N’−(2,6−ジイソプロピル−4−アミノフェニル)ウレアである、請求項1記載の高脂血症または動脈硬化治療剤。
【請求項5】
3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリルコエンザイムA還元酵素阻害剤が、プラバスタチン、シンバスタチン、ロバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチン、ロスバスタチン、およびピタバスタチンから選ばれる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の高脂血症または動脈硬化治療剤。
【請求項6】
3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリルコエンザイムA還元酵素阻害剤もしくはそのプロドラッグまたはそれらの薬学的に許容される塩、および/またはエゼチミブもしくはそのプロドラッグまたはそれらの薬学的に許容される塩を含有する医薬組成物と併用するための、式(1):

〔式中、環Aは置換もしくは無置換のピリジン環を表す。
Yは置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、または置換もしくは無置換の芳香族基を表す。
は水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアルキニル基、または置換もしくは無置換のシクロアルキル基を表す。
は水素原子または低級アルキル基を表す。
は低級アルキル基を表す。
Zは、次の1)または2)で表される基を表す。
1)−D−Q
[式中、Dは結合手または不飽和結合を含んでいてもよい炭素原子数1〜8の2価の炭化水素基を表し、Qは水酸基、カルボキシル基、置換もしくは無置換のヘテロアリール基、または式:−NR(RおよびRは互いに独立して、水素原子、低級アルコキシ基置換もしくは無置換の低級アルキル基、シクロアルキル基またはアラルキル基を表すか、またはRおよびRが互いに結合してそれらが結合する窒素原子とともに、環中にさらに式:−NR−(Rは水素原子、置換もしくは無置換の低級アルキル基、置換もしくは無置換のフェニル基、置換もしくは無置換のベンジル基、または低級アルコキシカルボニル基を表す。)で表される基を1個、または酸素原子1個を含んでもよい、環を構成する炭素原子数が4から8個の飽和環状アミノ基を表す。)を表す。但し、Qが置換もしくは無置換のヘテロアリール基である場合は、Dは結合手とはならない。]
または、
2)−D−M−E−W
[式中、Dは結合手または不飽和結合を含んでいてもよい炭素原子数1〜8の2価の炭化水素基を表し、Mは酸素原子、硫黄原子、スルフィニル基もしくはスルホニル基、または式:−NHC(=O)−、−C(=O)NH−もしくは−NR−(Rは水素原子もしくは低級アルキル基を表す。)で表される基を表し、Eは結合手または不飽和結合を含んでいてもよい炭素原子数1〜8の2価の炭化水素基を表し、Wは水酸基、カルボキシル基、置換もしくは無置換のヘテロアリール基、または式:−NR(RおよびRは前記の意味を表す。)で表される基を表す。但し、Wが水酸基、カルボキシル基もしくは式:−NRで表される基の時はEは結合手とはならない。]〕
で表される化合物もしくはそのプロドラッグまたはそれらの薬学的に許容される塩を含有する高脂血症または動脈硬化治療剤。
【請求項7】
3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリルコエンザイムA還元酵素阻害剤もしくはそのプロドラッグまたはそれらの薬学的に許容される塩、および/またはエゼチミブもしくはそのプロドラッグまたはそれらの薬学的に許容される塩を含有する医薬組成物を使用する治療における、血中コレステロール量低下作用増強のための式(1):

〔式中、環Aは置換もしくは無置換のピリジン環を表す。
Yは置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、または置換もしくは無置換の芳香族基を表す。
は水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアルキニル基、または置換もしくは無置換のシクロアルキル基を表す。
は水素原子または低級アルキル基を表す。
は低級アルキル基を表す。
Zは、次の1)または2)で表される基を表す。
1)−D−Q
[式中、Dは結合手または不飽和結合を含んでいてもよい炭素原子数1〜8の2価の炭化水素基を表し、Qは水酸基、カルボキシル基、置換もしくは無置換のヘテロアリール基、または式:−NR(RおよびRは互いに独立して、水素原子、低級アルコキシ基置換もしくは無置換の低級アルキル基、シクロアルキル基またはアラルキル基を表すか、またはRおよびRが互いに結合してそれらが結合する窒素原子とともに、環中にさらに式:−NR−(Rは水素原子、置換もしくは無置換の低級アルキル基、置換もしくは無置換のフェニル基、置換もしくは無置換のベンジル基、または低級アルコキシカルボニル基を表す。)で表される基を1個、または酸素原子1個を含んでもよい、環を構成する炭素原子数が4から8個の飽和環状アミノ基を表す。)を表す。但し、Qが置換もしくは無置換のヘテロアリール基である場合は、Dは結合手とはならない。]
または、
2)−D−M−E−W
[式中、Dは結合手または不飽和結合を含んでいてもよい炭素原子数1〜8の2価の炭化水素基を表し、Mは酸素原子、硫黄原子、スルフィニル基もしくはスルホニル基、または式:−NHC(=O)−、−C(=O)NH−もしくは−NR−(Rは水素原子もしくは低級アルキル基を表す。)で表される基を表し、Eは結合手または不飽和結合を含んでいてもよい炭素原子数1〜8の2価の炭化水素基を表し、Wは水酸基、カルボキシル基、置換もしくは無置換のヘテロアリール基、または式:−NR(RおよびRは前記の意味を表す。)で表される基を表す。但し、Wが水酸基、カルボキシル基もしくは式:−NRで表される基の時はEは結合手とはならない。]〕
で表される化合物もしくはそのプロドラッグまたはそれらの薬学的に許容される塩を含有する医薬組成物。
【請求項8】
式(1):

〔式中、環Aは置換もしくは無置換のピリジン環を表す。
Yは置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、または置換もしくは無置換の芳香族基を表す。
は水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアルキニル基、または置換もしくは無置換のシクロアルキル基を表す。
は水素原子または低級アルキル基を表す。
は低級アルキル基を表す。
Zは、次の1)または2)で表される基を表す。
1)−D−Q
[式中、Dは結合手または不飽和結合を含んでいてもよい炭素原子数1〜8の2価の炭化水素基を表し、Qは水酸基、カルボキシル基、置換もしくは無置換のヘテロアリール基、または式:−NR(RおよびRは互いに独立して、水素原子、低級アルコキシ基置換もしくは無置換の低級アルキル基、シクロアルキル基またはアラルキル基を表すか、またはRおよびRが互いに結合してそれらが結合する窒素原子とともに、環中にさらに式:−NR−(Rは水素原子、置換もしくは無置換の低級アルキル基、置換もしくは無置換のフェニル基、置換もしくは無置換のベンジル基、または低級アルコキシカルボニル基を表す。)で表される基を1個、または酸素原子1個を含んでもよい、環を構成する炭素原子数が4から8個の飽和環状アミノ基を表す。)を表す。但し、Qが置換もしくは無置換のヘテロアリール基である場合は、Dは結合手とはならない。]
または、
2)−D−M−E−W
[式中、Dは結合手または不飽和結合を含んでいてもよい炭素原子数1〜8の2価の炭化水素基を表し、Mは酸素原子、硫黄原子、スルフィニル基もしくはスルホニル基、または式:−NHC(=O)−、−C(=O)NH−もしくは−NR−(Rは水素原子もしくは低級アルキル基を表す。)で表される基を表し、Eは結合手または不飽和結合を含んでいてもよい炭素原子数1〜8の2価の炭化水素基を表し、Wは水酸基、カルボキシル基、置換もしくは無置換のヘテロアリール基、または式:−NR(RおよびRは前記の意味を表す。)で表される基を表す。但し、Wが水酸基、カルボキシル基もしくは式:−NRで表される基の時はEは結合手とはならない。]〕
で表される化合物もしくはそのプロドラッグまたはそれらの薬学的に許容される塩を含有する医薬組成物と併用するための、3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリルコエンザイムA還元酵素阻害剤もしくはそのプロドラッグまたはそれらの薬学的に許容される塩、および/またはエゼチミブもしくはそのプロドラッグまたはそれらの薬学的に許容される塩を含有する高脂血症または動脈硬化治療剤。
【請求項9】
式(1):

〔式中、環Aは置換もしくは無置換のピリジン環を表す。
Yは置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、または置換もしくは無置換の芳香族基を表す。
は水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアルキニル基、または置換もしくは無置換のシクロアルキル基を表す。
は水素原子または低級アルキル基を表す。
は低級アルキル基を表す。
Zは、次の1)または2)で表される基を表す。
1)−D−Q
[式中、Dは結合手または不飽和結合を含んでいてもよい炭素原子数1〜8の2価の炭化水素基を表し、Qは水酸基、カルボキシル基、置換もしくは無置換のヘテロアリール基、または式:−NR(RおよびRは互いに独立して、水素原子、低級アルコキシ基置換もしくは無置換の低級アルキル基、シクロアルキル基またはアラルキル基を表すか、またはRおよびRが互いに結合してそれらが結合する窒素原子とともに、環中にさらに式:−NR−(Rは水素原子、置換もしくは無置換の低級アルキル基、置換もしくは無置換のフェニル基、置換もしくは無置換のベンジル基、または低級アルコキシカルボニル基を表す。)で表される基を1個、または酸素原子1個を含んでもよい、環を構成する炭素原子数が4から8個の飽和環状アミノ基を表す。)を表す。但し、Qが置換もしくは無置換のヘテロアリール基である場合は、Dは結合手とはならない。]
または、
2)−D−M−E−W
[式中、Dは結合手または丕飽和結合を含んでいてもよい炭素原子数1〜8の2価の炭化水素基を表し、Mは酸素原子、硫黄原子、スルフィニル基もしくはスルホニル基、または式:−NHC(=O)−、C(=O)NH−もしくは−NR−(Rは水素原子もしくは低級アルキル基を表す。)で表される基を表し、Eは結合手または不飽和結合を含んでいてもよい炭素原子数1〜8の2価の炭化水素基を表し、Wは水酸基、カルボキシル基、置換もしくは無置換のヘテロアリール基、または式:−NR(RおよびRは前記の意味を表す。)で表される基を表す。但し、Wが水酸基、カルボキシル基もしくは式:−NRで表される基の時はEは結合手とはならない。]〕
で表される化合物もしくはそのプロドラッグまたはそれらの薬学的に許容される塩を含有する医薬組成物を使用する治療における、血中コレステロール量低下作用増強のための3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリルコエンザイムA還元酵素阻害剤もしくはそのプロドラッグまたはそれらの薬学的に許容される塩、および/またはエゼチミブもしくはそのプロドラッグまたはそれらの薬学的に許容される塩を含有する医薬組成物。
【請求項10】
式(1):

〔式中、環Aは置換もしくは無置換のピリジン環を表す。
Yは置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、または置換もしくは無置換の芳香族基を表す。
は水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアルキニル基、または置換もしくは無置換のシクロアルキル基を表す。
は水素原子または低級アルキル基を表す。
は低級アルキル基を表す。
Zは、次の1)または2)で表される基を表す。
1)−D−Q
[式中、Dは結合手または不飽和結合を含んでいてもよい炭素原子数1〜8の2価の炭化水素基を表し、Qは水酸基、カルボキシル基、置換もしくは無置換のヘテロアリール基、または式:−NR(RおよびRは互いに独立して、水素原子、低級アルコキシ基置換もしくは無置換の低級アルキル基、シクロアルキル基またはアラルキル基を表すか、またはRおよびRが互いに結合してそれらが結合する窒素原子とともに、環中にさらに式:−NR−(Rは水素原子、置換もしくは無置換の低級アルキル基、置換もしくは無置換のフェニル基、置換もしくは無置換のベンジル基、または低級アルコキシカルボニル基を表す。)で表される基を1個、または酸素原子1個を含んでもよい、環を構成する炭素原子数が4から8個の飽和環状アミノ基を表す。)を表す。但し、Qが置換もしくは無置換のヘテロアリール基である場合は、Dは結合手とはならない。]
または、
2)−D−M−E−W
[式中、Dは結合手または不飽和結合を含んでいてもよい炭素原子数1〜8の2価の炭化水素基を表し、Mは酸素原子、硫黄原子、スルフィニル基もしくはスルホニル基、または式:−NHC(=O)−、−C(=O)NH−もしくは−NR−(Rは水素原子もしくは低級アルキル基を表す。)で表される基を表し、Eは結合手または不飽和結合を含んでいてもよい炭素原子数1〜8の2価の炭化水素基を表し、Wは水酸基、カルボキシル基、置換もしくは無置換のヘテロアリール基、または式:−NR(RおよびRは前記の意味を表す。)で表される基を表す。但し、Wが水酸基、カルボキシル基もしくは式:−NRで表される基の時はEは結合手とはならない。]〕
で表される化合物もしくはそのプロドラッグまたはそれらの薬学的に許容される塩を含有する医薬組成物、および当該医薬組成物を3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリルコエンザイムA還元酵素阻害剤もしくはそのプロドラッグまたはそれらの薬学的に許容される塩、および/またはエゼチミブもしくはそのプロドラッグまたはそれらの薬学的に許容される塩の血中コレステロール量低下作用増強の用途に使用することができるまたは使用すべきであることを記載した当該医薬組成物に関する記載物を含む、商業パッケージ。
【請求項11】
3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリルコエンザイムA還元酵素阻害剤もしくはそのプロドラッグまたはそれらの薬学的に許容される塩、および/またはエゼチミブもしくはそのプロドラッグまたはそれらの薬学的に許容される塩を含有する医薬組成物、および当該医薬組成物を式(1):

〔式中、環Aは置換もしくは無置換のピリジン環を表す。
Yは置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、または置換もしくは無置換の芳香族基を表す。
は水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアルキニル基、または置換もしくは無置換のシクロアルキル基を表す。
は水素原子または低級アルキル基を表す。
は低級アルキル基を表す。
Zは、次の1)または2)で表される基を表す。
1)−D−Q
[式中、Dは結合手または不飽和結合を含んでいてもよい炭素原子数1〜8の2価の炭化水素基を表し、Qは水酸基、カルボキシル基、置換もしくは無置換のヘテロアリール基、または式:−NR(RおよびRは互いに独立して、水素原子、低級アルコキシ基置換もしくは無置換の低級アルキル基、シクロアルキル基またはアラルキル基を表すか、またはRおよびRが互いに結合してそれらが結合する窒素原子とともに、環中にさらに式:−NR−(Rは水素原子、置換もしくは無置換の低級アルキル基、置換もしくは無置換のフェニル基、置換もしくは無置換のベンジル基、または低級アルコキシカルボニル基を表す。)で表される基を1個、または酸素原子1個を含んでもよい、環を構成する炭素原子数が4から8個の飽和環状アミノ基を表す。)を表す。但し、Qが置換もしくは無置換のヘテロアリール基である場合は、Dは結合手とはならない。]
または、
2)−D−M−E−W
[式中、Dは結合手または不飽和結合を含んでいてもよい炭素原子数1〜8の2価の炭化水素基を表し、Mは酸素原子、硫黄原子、スルフィニル基もしくはスルホニル基、または式:−NHC(=O)−、−C(=O)NH−もしくは−NR−(Rは水素原子もしくは低級アルキル基を表す。)で表される基を表し、Eは結合手または不飽和結合を含んでいてもよい炭素原子数1〜8の2価の炭化水素基を表し、Wは水酸基、カルボキシル基、置換もしくは無置換のヘテロアリール基、または式:−NR(RおよびRは前記の意味を表す。)で表される基を表す。但し、Wが水酸基、カルボキシル基もしくは式:−NRで表される基の時はEは結合手とはならない。]〕
で表される化合物もしくはそのプロドラッグまたはそれらの薬学的に許容される塩の血中コレステロール量低下作用増強の用途に使用することができるまたは使用すべきであることを記載した当該医薬組成物に関する記載物を含む、商業パッケージ。
【請求項12】
(A)式(1):

〔式中、環Aは置換もしくは無置換のピリジン環を表す。
Yは置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、または置換もしくは無置換の芳香族基を表す。
は水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアルキニル基、または置換もしくは無置換のシクロアルキル基を表す。
は水素原子または低級アルキル基を表す。
は低級アルキル基を表す。
Zは、次の1)または2)で表される基を表す。
1)−D−Q
[式中、Dは結合手または不飽和結合を含んでいてもよい炭素原子数1〜8の2価の炭化水素基を表し、Qは水酸基、カルボキシル基、置換もしくは無置換のヘテロアリール基、または式:−NR(RおよびRは互いに独立して、水素原子、低級アルコキシ基置換もしくは無置換の低級アルキル基、シクロアルキル基またはアラルキル基を表すか、またはRおよびRが互いに結合してそれらが結合する窒素原子とともに、環中にさらに式:−NR−(Rは水素原子、置換もしくは無置換の低級アルキル基、置換もしくは無置換のフェニル基、置換もしくは無置換のベンジル基、または低級アルコキシカルボニル基を表す。)で表される基を1個、または酸素原子1個を含んでもよい、環を構成する炭素原子数が4から8個の飽和環状アミノ基を表す。)を表す。但し、Qが置換もしくは無置換のヘテロアリール基である場合は、Dは結合手とはならない。]
または、
2)−D−M−E−W
[式中、Dは結合手または不飽和結合を含んでいてもよい炭素原子数1〜8の2価の炭化水素基を表し、Mは酸素原子、硫黄原子、スルフィニル基もしくはスルホニル基、または式:−NHC(=O)−、−C(=O)NH−もしくは−NR−(Rは水素原子もしくは低級アルキル基を表す。)で表される基を表し、Eは結合手または不飽和結合を含んでいてもよい炭素原子数1〜8の2価の炭化水素基を表し、Wは水酸基、カルボキシル基、置換もしくは無置換のヘテロアリール基、または式:−NR(RおよびRは前記の意味を表す。)で表される基を表す。但し、Wが水酸基、カルボキシル基もしくは式:−NRで表される基の時はEは結合手とはならない。]〕
で表される化合物もしくはそのプロドラッグまたはそれらの薬学的に許容される塩を含有する医薬組成物、および
(B)3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリルコエンザイムA還元酵素阻害剤もしくはそのプロドラッグまたはそれらの薬学的に許容される塩、および/またはエゼチミブもしくはそのプロドラッグまたはそれらの薬学的に許容される塩とを組み合わせてなる併用剤、および当該併用剤を血中コレステロール量低下の用途に使用することができるまたは使用すべきであることを記載した当該併用剤に関する記載物を含む、商業パッケージ。

【国際公開番号】WO2005/058316
【国際公開日】平成17年6月30日(2005.6.30)
【発行日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−516389(P2005−516389)
【国際出願番号】PCT/JP2004/019159
【国際出願日】平成16年12月15日(2004.12.15)
【出願人】(000002912)大日本住友製薬株式会社 (332)
【Fターム(参考)】