説明

吊下げられた物体の搬送に用いられるレール部材、1つの当該部材を備えるプリフォームの供給装置及び1つの当該部材に固定可能な湾曲したフラップバンド

本発明は、ボトルやプリフォームのような吊り下げられた物体を搬送するレール部材に関する。本発明の部材は、2本のガイドレール(11、12)を備え、これらガイドレール(11、12)が、所定距離だけ離間し、プリフォームの副首ガイド部のような搬送経路(13)に沿って搬送される物体用の横方向の支持面を形成する。本発明は、部材が螺旋状に湾曲した搬送部分を形成し、ガイドレール(11、12)が螺旋状に配置されるフレーム(10)を備え、ガイドレール(11、12)の少なくとも一方が、フレーム(10)から取外し可能なフラットストリップであることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吊下位置にある物体の搬送に用いられるレール部材、当該部材を備えるプリフォーム供給装置及び当該部材に固定可能な湾曲したフラットストリップに関する。
【0002】
より具体的には、プリフォームの運搬を目的とするが、本発明は、ボトル、ビンまたは同様の物体の運搬に用いられる。
【背景技術】
【0003】
本発明はより詳しくは、容器があらかじめ射出成形により製造されたプリフォームをブロー成形することで得られる容器ブロー成形装置へ適用することを例として説明される。このプリフォームは、軸端部の一方で閉じた実質的に管状の本体部を有している。プリフォームの他端部は、この射出成形工程の直後に、容器の首部の最終形状を有する。
【0004】
一般に、容器の首部は、ネジ部と、その基部において径方向外方に延在する環状支持フランジ部とを備えている。
【0005】
添付の図1は、ブロー成形機の上流に位置するプリフォーム供給装置を示す斜視図である。プリフォームは、無規律な集団(loose mass)として貯蔵部(bin)1内に向けて傾けられている。プリフォームは、規定速度でプリフォームを位置合わせホッパ3の上端部に傾けるエレベータベルト2により、この貯蔵部から取り出される。
【0006】
この位置合わせホッパ3は、一般に水平に関して傾けられると共に互いに実質的に平行な2つの位置合わせローラを備えている。
【0007】
2つのローラは、反対方向に回転されており、これらの間に間隙が形成されるように互いに離間している。
【0008】
この間隙は、プリフォームの本体部の寸法よりも若干大きく、プリフォームの支持フランジ部の寸法よりも小さくなっている。
【0009】
重力の影響により、プリフォームは、2つのローラが位置するホッパの下部に引き寄せられる。
【0010】
ローラの回転運動及び水平に関する傾斜により、プリフォームは縦に並べられ、ローラで支持されているフランジ部により吊り下げられる。
【0011】
プリフォームは、ローラの軸に沿ってホッパの底部に向けて滑り、ブロー成形機(図示略)に接続された供給レール4に集められる。
【0012】
プリフォームが無規律な集団として貯蔵部1に向けて傾けられているため、いくつかのプリフォームが位置合わせホッパ3のローラの間に正確に配置されない可能性がある。
【0013】
言うまでもなく、誤った位置に置かれたプリフォームは、ブロー成形機に導く供給レール4に導入できない。
【0014】
互いに入れ子状態となったプリフォームにおいて、入れ子配置の下端のプリフォームが正確に置かれた場合でも、同様である。
【0015】
したがって、誤った位置に置かれたプリフォームまたは入れ子状態となったプリフォームの取り出し方法は、一般的に連結する供給レールからこのような配置にあるプリフォームを排除することによってもたらされる。
【0016】
供給レール4は、典型的に直線部分と湾曲部分とを備えている。湾曲部は、一般に、一部が面内にあり(in-plane)、すなわちその湾曲部が1つの同一の面内にある。また、湾曲部は、一部が面外であり(out-of-plane)、すなわち湾曲部が依然として残っている単一の面が定義できない状態となっている。これにより、一般に、供給レールは、平面状の湾曲部を有するセグメントにおける、その湾曲部の少なくとも一部により構成されうる螺旋セグメントを形成する。
【0017】
湾曲部の一部が面外にあり、及び/または湾曲部の一部が面内にある螺旋状の湾曲部を有するセグメント部分を形成することによって、重力によりプリフォームが下方に流通可能なスロープを保持可能とする。
【0018】
面内及び面外の湾曲部、すなわち平面状の湾曲部(同一平面内に位置する)を有するセグメント部分、及び/または同一面内に位置しない湾曲部を有するセグメント部分を形成することによって、機器全体が小型のままであるにもかかわらず、メンテナンスの介入及びブロー成形機の操作の邪魔になるような図1に示される装置を用いることなく、プリフォームをブロー成形機に入れることを可能とする。
【0019】
実際は、ブロー成形機のすべての構成部材は、ドアを開けること及びドア及びカウリングを外すことで容易に到達可能であることが望まれている。
【0020】
供給レール4の湾曲部分の調整により、図1に示す装置をブロー成形機に関して最適に配置することが可能となり、ブロー成形機により占有される全体のスペースを最小化できる。
【0021】
一例として、ホッパ3の位置合わせローラは、実質的にプリフォームの熱処理に用いられるリニアオーブンと平行となっている。
【0022】
供給レール4において、プリフォームが吊り下げられるガイド部は、プリフォームを支持、滑動する部分により形成されている。
【0023】
供給レール4の湾曲部であって面内及びほとんどの場合面外で曲がる部分、すなわち平面状の湾曲部を有するセグメント部分(同一面内に位置する)及び/または同一面内にない湾曲部を有するセグメント部分は、プリフォームにとって困難な経路を構成する。すべては、プリフォームがこの曲部や湾曲部において停滞することを阻止するように組み立てられなければならない。
【0024】
異なる寸法のプリフォームの重力による搬送を可能とするため、ガイドレールには、間隔を修正可能な一対のランナーが設けられていることが好ましい。これにより、ランナー間の間隔が、プリフォームの首部の直径に瞬時に適応可能となる。
【0025】
ボトルのような吊り下げられた物体を搬送するために、レールの2つのランナーの間隔を修正可能とするため、ランナーをボトルの移動方向に対して実質的に垂直に移動可能とするアクチュエータを設置することが提案されている。
【0026】
それにもかかわらず、湾曲した搬送部分の場合、アクチュエータの設置は、比較的複雑な取り組みとなる。これは、搬送レールの隙間の修正が、湾曲部の曲率を制御しつつ行われなければならず、且つ、湾曲部の内側または外側に向かって修正されたランナーの長さを変更することなく行われなければならないためである。
【0027】
その結果、従来の装置においてランナーまたは「首下ガイド部」が調整可能である範囲が、比較的小さくなる。
【0028】
シデルカナダ有限会社(SIDEL CANADA INC)による特許文献1には、調整可能な湾曲状の空圧式のボトル搬送装置が開示されている。この装置は、操作上十分であるが、複雑かつコストが増大することがわかる。
【特許文献1】カナダ公開公報第2419562号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0029】
以上の問題を考慮し、また技術的及び経済的により十分な解決が得られないことを考慮すると、今のところ実際には、ランナーの間隔を修正しなければならないとき、プリフォームの供給レールにおける湾曲部を純粋かつ簡単に交換することが発生する。
【0030】
さらに、この交換はこのような操作が比較的長時間を必要するにもかかわらず行われるため、容器成形機を操作できない間に、機器の収益性が減少する結果となる。
【0031】
したがって、湾曲したレール部分におけるランナーの間隔の修正を最短時間ででき、かつ実行が簡単なメンテナンス操作を有する方法を提供することは、特に有益となるだろう。
【0032】
その上、搬送しようとするプリフォームのタイプごと、具体的にはそれぞれのフランジ下部の直径ごとに螺旋状に湾曲したレール部分を設置する必要があるため、その後の貯蔵場所を作ることが必要となる。したがって、かさばらずかつ容易に貯蔵及び搬送されることができるランナーの間隔の修正手段を実現することは、有利となるだろう。
【0033】
さらに、互いに溶接された多数の部材に固定されたフレームからなって一定の間隔ごとに修正されなければならない湾曲したレール部分により、これらは比較的複雑となり、そのため比較的高価となる。さらに、これらは大型であり、このため取り付けが非常に困難である。したがって、ブロー成形機のユーザは、ランナーの間隔を修正しようとするときにあらかじめ十分な準備と、新たなフレームが設置されるまで機械を停止する費用の必要なロジスティックとをしておかなければならない。したがって、より迅速かつ容易に取り付けできるより小型な手段は、このため有利となるだろう。
【0034】
さらに、ランナーに沿って搬送される容器が環状支持フランジ部を有する容器であってフランジ部が円錐状の本体部上にある容器であると、ランナーは、フランジ部の下に位置する上記円錐状の本体部で妨害されないようにしながらフランジ部の下部に正確に係合するように、ときどき所定位置に方向を急変させなければならない。したがって、いかなるタイプのフランジ部の下部での係合を可能とする十分に薄いランナーとすることは、特に有利となるだろう。
【0035】
本願は、上記課題の解決を追求している。
【課題を解決するための手段】
【0036】
したがって、被搬送物を支持する2つのランナー間の間隔を迅速に修正することを可能とするため、本発明は、吊下位置にあるボトルまたはプリフォームのような物体を搬送するためのレール部材に関する。この部材は、規定距離だけ離間された2つのランナーを備える。これらランナーは、被搬送物用、特にプリフォーム用の首下ガイド部の横方向の支持面を搬送経路に形成する。上記レール部材は、螺旋状に湾曲した搬送部分を形成し、ランナーを螺旋状に配置するフレームを含み、少なくとも1つのランナーがフレームから取り外し可能なフラットストリップであることを特徴とする。
【0037】
フレームをランナーに固定するため、少なくとも1つのランナーは、フレームに備えられた支持手段に収容されている。
【0038】
間隔の異なる多数対のランナーに対して同一のフレームを用いることを可能とするため、少なくとも1つのランナーは、少なくとも一部が支持手段と相補的な形状となっている。実は、支持手段がランナーとちょうど相補的な形状であると、より幅狭のランナーを同一フレームに用いることができない。フレームを交換する必要があることは、本発明が打開した不利点の1つである。
【0039】
物体が搬送されている間にランナーを固定してその移動を防止するため、支持手段は、搬送レールの各枝部が備えられたオフセット部の形をとることが好ましい。
【0040】
被搬送物がランナーに沿ってフレームを擦らずに滑ることを可能とするため、ランナーの内側に湾曲する横方向の面は、ガイドレールの各枝部から突出している。
【0041】
ランナーを取り外し可能に固定し、迅速に取り替え可能とするため、少なくとも1つのランナーは、ネジ手段によりフレームに固定されている。
【0042】
本発明におけるレール部材に沿って被搬送物の流通を補助するため、ランナーは、PTFE(四フッ化エチレン樹脂)充填金属のような滑動を促進する材料により形成された側面からなる。
【0043】
被搬送物の本体部がフレームと接触すること及び詰まることを避けるため、本発明におけるレール部材は、被搬送物における横方向の揺動を制限するように構成された手段を備える。
【0044】
被搬送物における横方向の揺動を制限するように構成された手段がランナーの下部に配置された2つの細長い本体部、具体的に螺旋状の湾曲チューブを備え、レール部材が細長い本体部の間の間隔及び上記細長い本体部とランナーとの距離を変更するように構成されていることが好ましい。
【0045】
搬送されているときにおける被搬送物の縦方向、すなわち前方から後方の揺動を避けるため、レール部材は、被搬送物をランナーで支持されたままとするように構成された手段を備える。
【0046】
具体的な一形態として、フレームは、被搬送物、特にボトルまたはプリフォームの首部における口部用の湾曲支持部分を区画する上ストリップが実装されたフープを備える。この上ストリップは、ランナーによって横方向に区画された搬送経路と実質的に縦方向に位置合わせして配置されている。
【0047】
ランナー上における被搬送物の滑動を改良するため、これらランナーは、滑動ストリップが取り外し可能に、特にスナップ係合により、取り付けられた溝部を備える。
【0048】
本発明におけるレール部材の好ましい応用形態によると、本発明は、プリフォームをブロー成形装置に供給する装置に関する。この供給装置は、上述した特徴を有するレール部材と、プリフォームを分離するためのシステムとを備え、このレール部材が、分離システムの出口をプリフォーム供給レールの直線部分と連結することを特徴とする。
【0049】
本発明はまた、湾曲したフラットストリップに関し、ストリップがボトルまたはプリフォームのような吊下位置にある物体の搬送用のレール部材のフレームに取り外し可能に固定可能であって、被搬送物用の横方向の支持面を形成することにより滑動可能とする。上記ストリップは、ランナーを構成するように上記フレームに固定されると、螺旋形状になることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0050】
本発明の他の目的及び有利点は、後述の実施形態の記載により明らかになり、この記載は添付の図面を参照することによりなされる。
【0051】
本発明における搬送レール部材は、図2に示すように、取り外し可能な2つのランナー11、12であって当該2つのランナー11、12用の搬送経路13を区画するランナー11、12を支持するフレーム10を備える。
【0052】
ランナー11、12は、搬送レール、例えばブロー成形容器用の機械へのプリフォーム供給レールを形成する(この機械は、図示されていないが、それ自体が既知のタイプのものである)。
【0053】
図示された形態において、この搬送工程は、重力により行われる。すなわち、プリフォームまたはボトルのような物体は、ランナー11、12で吊り下げられ、重力により搬送経路13内で流通する。ランナー11、12は、螺旋または螺旋状部分を形成するように、フレーム10の面内及び/または面外で湾曲している。
【0054】
しかしながら、本発明は、被搬送物が流体、例えば空気により推進する搬送レールに用いられることを目的とする。
【0055】
本発明はまた、面内のレール湾曲部または部材が1つのみである搬送レールに用いられることを目的としている。
【0056】
被搬送物(図示略)には、ランナー11、12に対して横方向で支持可能なものを用いた凸部が設けられている。
【0057】
例えば、物体には、プリフォームまたはボトルであって首部の下部(または喉部)に位置するフランジ部として知られている環状凸部が形成されている。したがって、ボトルまたはプリフォームの喉部の一面または各面に位置するランナー11、12は、当業者によりランナーが「首下ガイド部(under-neck guides)」と称されることから、これらをガイド、支持する。
【0058】
ランナー11、12間の間隔は、できるだけ正確にかつ一定となっており、ランナー11、12間の間隔の許容範囲は、0.1mm程度あるいは0.2から0.3mmとなっている。
【0059】
フレーム10は、取手部16が設けられた2つの側壁部または側面14、15を備えている。
【0060】
これら取手部16は、被搬送物の本体部のガイドするための手段を支持する。
【0061】
これらガイド手段は、被搬送物の横方向の揺動を阻止または少なくとも制限する仕事を有する。これらガイド手段は、ランナー11、12の下方に位置する2つの細長い本体部、具体的に螺旋状の湾曲チューブ17、18であって、その間隔が実質的に一定かつ被搬送物の本体部の直径よりも十分に大きい。
【0062】
レール部材は、上記細長い本体部の間の間隔及び/または細長い本体部とランナー11、12との距離を変更するように構成された調整手段を備えることが好ましい。より具体的には、チューブ17、18間の間隔と、チューブ17、18及びランナー11、12により形成された支持領域の距離は、調整可能となっている。
【0063】
この目的を達成するために、各取手部16には、ロッド20が挿通される長楕円形のスロット19が形成されている。したがって、フレーム10は、2つの側面14、15であって、1つが各側面上にあり、スロット19が所定距離でこれら側面14、15に形成された側面14、15を備える。2つの細長い本体部の少なくとも一方が、ネジ山が形成されてスロット19を挿通するロッド20に実装固定されている。
【0064】
各ロッド20には、第1端部において、チューブ17、18支持する端係合部21が設けられている。例えば、この端係合部21は、ロッド20に螺合されており、チューブ17、18がスナップ係合される凹部を備える。
【0065】
各ロッド20は、ネジ山を備えており、第2端部において、ハンドホイール22を備えている。したがって、ネジ山が形成された各ロッド20は、ハンドホイール22を備えており、螺合または螺合を解除すると、細長い本体部とフレーム10の側面14、15との間の距離が変更可能となる。
【0066】
各ハンドホイール22は、フレーム10の取手部16の一面で支持されており、固定リング23は、ロッド20への螺合により実装され、当該取手部16の他面で支持されている。ロッド20が取り付けられるスロット19の両側面におけるハンドホイール22及びリング23の螺合または螺合解除は、細長い本体部とフレーム10の側面14、15との距離を良好に変更及び固定可能とする。
【0067】
より具体的には、ハンドホイール22及びリング23の螺合または螺合解除操作は、チューブ17、18とフレーム10の取手部16との距離を修正し、このためチューブ17、18間の間隔を修正することが可能となる。
【0068】
取手部16のスロット19におけるロッド20の位置を変更し、このため一方でチューブ17、18、他方でランナー11、12間の距離を修正することが可能となる。
【0069】
フレーム10におけるガイドチューブ17、18の一方の位置は、ガイドチューブ17、18の他方と独立して修正可能となっている。したがって、さまざまな形状(例えば、非円筒状の容器)の物体が、搬送可能となる。
【0070】
フレーム10は、U字状であって開口部がランナー11、12に向けられたフープ30を運ぶ。示された実施形態において、これらフープ30は、取手部16のスロット19と実質的に一直線上に位置している。
【0071】
アングルブラケット21は、各フープに例えばネジ止めにより取り付けられている。このアングルブラケットには、ネジ山が形成されたロッド部33の経路用の長楕円状の孔部32が設けられている。
【0072】
このネジ山が形成されたロッド部は、搬送経路13に対して実質的に垂直線上に位置するストリップ34に固定されている。示された実施形態において、このストリップ34は、実質的にランナー11、12の湾曲部と同様の方法で、面内及び/または面外で湾曲している。
【0073】
すなわち、フレーム10は、上ストリップ34を取り付けるためのフープ30を備え、物体の上端部、特に、ボトルの口部またはプリフォームの首部が搬送されるようにするための湾曲支持部分を形成する。上ストリップ34は、ランナー11、12によって横方向に区画された搬送経路13に対して実質的に垂直線上に形成されている。
【0074】
被搬送物の上部、例えばボトルの口部またはプリフォームの首部は、このストリップ34の下面に滑動手段により支持されている。したがって、これらが動いている間、縦方向、すなわち被搬送物の前方から後方の揺動が阻止可能となる。ストリップ34は、被搬送物の凸部を押してランナー11、12で支持されるように推進力を付与することが好ましい。したがって、本発明におけるレール部材は、レール11、12で支持されている被搬送物をレール11、12で支持されたままとするように構成された手段を備える。
【0075】
フープ30に対するひいてはランナー11、12に対するストリップ34の位置は、ネジ山ロッド33に取り付けられたナットまたはハンドホイールにより調整される。
【0076】
したがって、さまざまなボトルの首部またはプリフォームの首部高さに適応可能となる。このようにして、レール部材は、上支持ストリップ34とランナー11、12と間の距離を変更する手段を備えている。より具体的には、フープ30には、アングルブランケット31の形状をなす部分が設けられている。ネジ山ロッド33は、上ストリップ34に固定されてこのアングルブランケット31の長楕円状の孔部32を挿通する。このロッド33には、螺合/螺合解除すると上ストリップ34とランナー11、12との間の距離を変更可能とするハンドホイールが設けられている。したがって、上ストリップ34は、フレーム10のフープ30に湾曲した状態で取り付けられた湾曲部分を形成し、PTFEのような滑動を促進する材料により形成または被覆されている側面で構成されている。
【0077】
一実施形態において、ランナー11、12は、内側に湾曲する横方向の面11b、12bに、シール部または滑動ストリップが取外し可能、特にスナップ係合により取り付けられる溝部を備えている。
【0078】
ランナー11、12は、例えばネジ止めによりフレーム10に取外し可能に取り付けられていることが好ましい。
【0079】
好ましい実施形態において、ランナー11、12は、レーザ切断またはそれ自体が既知のプレートまたはストリップを切断する他のいかなる方法により製造されている。
【0080】
被搬送物とランナーとの間の滑動を促進するため、ランナー11、12は、PTFEのような一片のポリマー材料により製造または被覆されていることが好ましい。ランナー11、12の少なくとも一方が滑動を促進する材料により製造または被覆された外形である。したがって、ランナー11、12の材料は、例えば金属、PTFE(4フッ化エチレン)、化学合成材料(テフロン(登録商標))またはPTFEが充填されたアルミニウムのようなPTFT充填金属のように、摩擦係数が小さく滑動を促進するいかなる材料である。
【0081】
ランナー11、12は、ランナー11、12を配置するときに例えばフレーム10へのネジ止めにより手動で螺旋状に組むことが可能な材料により形成されることが好ましい。
【0082】
したがって、ランナー11、12間の間隔は、単純かつ安価な方法で調整可能となる。
【0083】
特に、図4に示されるように、ランナー11、12は、曲率と所定の被搬送容器の直径のためのランナー11、12間の一定の所定間隔とがあらかじめ定められた一対のフラットストリップの形状で機械加工されている。
【0084】
したがって、フレーム10への取り付け前で、ランナー11、12は、ランナー11、12が螺旋状のフレーム10で螺旋状とすることが可能となるように計算された規定の曲率を有する一対のフラットストリップの形状をとる。
【0085】
ランナー11、12の迅速な取り外しを可能とすることは、これらの間の間隔により決まる。フレーム10は、異なる直径を有する容器を搬送するため、異なる間隔を有する複数対のランナー11、12に共通している。
【0086】
具体的に、本発明におけるフレーム10は、ランナー11、12を収容、固定可能な支持手段50を有する。各ランナー11、12は、部分的に支持手段50と相補的な形状を少なくとも有する。
【0087】
支持手段50は、搬送レールの各枝部13aにおいてオフセットまたは空間の形状であり、相補的に各ランナー11、12の外側に湾曲する横方向の面11a、12aと相補的な形状であることが好ましい。
【0088】
したがって、各ランナー11、12を部分的に支持手段50に収容可能となり、各ランナー11、12の内側に湾曲する横方向の面11b、12bが被搬送物のプリフォームのフランジ部のような突出部材を支持するように搬送レールの枝部13aから突出する。
【0089】
螺旋状に湾曲した湾曲部分を形成する固定フレーム10に取外し可能に固定すれば一定間隔を有する螺旋状に配置されるように、フラットストリップの湾曲部が切断されるべきかは、当業者により事前に計算可能なことである。
【0090】
このようにして、レール部分の全体を変更することよりも、材料のフラットストリップにより形成され、フレーム10に取り付けられたときに螺旋状に配置されるランナー11、12を所望部分の面内及び/または面外の湾曲部に応じて変更する必要のみとなる。
【0091】
ストリップ形状のランナー11、12は、ランナー11、12の全長にわたって均一に配置されたネジ式の螺合手段によりフレーム10に取外し可能に固定されることが好ましい。それにもかかわらず、圧力システムのような他の固定手段が考えられる。
【0092】
2つのランナー11、12間の間隔の良好な調整は、長楕円状の取り付け孔部を通してランナー11、12を固定することによりなされる。
【0093】
したがって、一般に本発明は、ボトルまたはプリフォームのような吊下位置にある物体を搬送するためのレール部材に関する。この部材は、所定距離だけ離間する2つのランナー11、12を備え、これらランナー11、12が搬送経路で被搬送物用の横方向の支持面、特にプリフォームの首下ガイド部を形成する。レール部材は、螺旋状に湾曲した搬送部分を形成し、ランナー11、12が螺旋状に配置されるフレーム10を備え、ランナー11、12の少なくとも一方がフレーム10から取外し可能なフラットストリップであることを特徴とする。
【0094】
同様に、部分間の良好な結合は、調節可能な橋脚手段40によりなされる。これら調整可能な橋脚手段40は、部分間を連結させるピース41を備える。このピースの第1端部分には、第1部分の螺合による組立用の長楕円孔部42が形成されている。このピースの第2端部分は、第2のレール部分に取り付けるためのハンドホイール43を備える。当然のことながら、ランナー11、12間の間隔の調整時にフレーム10が他方のレール部分から取外されない。
【0095】
より具体的に、本発明は、ブロー成形機へのプリフォームの供給装置に関する。供給装置は、本発明におけるレール部材と分離システムまたは位置合わせホッパ3とを備え、レール部材が分離システムの出口をプリフォームの供給レールの直線部分に連結する。
【0096】
また、本発明は、概ね湾曲したフラットストリップに関する。湾曲したフラットストリップは、ボトルまたはプリフォームのような吊下位置にある物体を搬送するレール部材のフレーム10に取外し可能に固定可能であり、物体の搬送用の横方向の支持面を形成することで被搬送物を滑らせる。上記ストリップは、上記フレーム10に取り付けるとランナー11、12を構成するように、螺旋状に配置可能となっている。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】本発明におけるレール湾曲部またはレール部材が設けられたプリフォーム供給装置を示す斜視図である。
【図2】本発明におけるレール湾曲部またはレール部材を示す斜視図である。
【図3】図2に示す湾曲部の側面図である。
【図4】本発明における取り付け前かつレール部材のランナーを形成する前の一対のストリップを示す上面図である。
【図5】本発明における取り付け後かつレール部材のランナーを形成した後の一対のストリップを示す正面斜視図であって、この図5においては、湾曲部分は明確化のため図示されていない。
【符号の説明】
【0098】
10 固定フレーム(フレーム)
11、12 ランナー、レール(ガイドレール)
13 搬送経路
13a 枝部
11b,12b 内側に湾曲する横方向の面
17,18 ガイドチューブ、湾曲チューブ(チューブ)
30 フープ
34 上部ストリップ(ストリップ)
50 支持手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吊下位置にあるボトルまたはプリフォームのような物体を搬送するためのレール部材であって、
所定距離だけ離間した2本のランナー(11、12)を備え、
これらランナー(11、12)は、搬送経路(13)で前記物体が搬送されるための横方向の支持面、特に前記プリフォーム用の首下ガイド部を形成するレール部材において、
前記ランナー(11、12)は、螺旋状に湾曲した搬送部分を形成し、前記ランナー(11、12)が螺旋状に配置されるフレーム(10)を備え、
前記ランナー(11、12)の少なくとも一方が、前記フレーム(10)から取外し可能なフラットストリップであることを特徴とするレール部材。
【請求項2】
前記ランナー(11、12)の少なくとも一方が、前記フレーム(10)に備えられた支持手段(50)内に収容されていることを特徴とする請求項1に記載のレール部材。
【請求項3】
前記少なくとも一方のランナー(11、12)は、少なくとも一部が前記支持手段(50)の形状と相補的であることを特徴とする請求項2に記載のレール部材。
【請求項4】
前記支持手段(50)が、搬送レールの各枝部(13a)でオフセット形状をとることを特徴とする請求項2または3に記載のレール部材。
【請求項5】
前記少なくとも一方のランナー(11、12)の内側に湾曲した側面(11b、12b)が、前記搬送レールの各枝部(13a)から突出していることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のレール部材。
【請求項6】
前記ランナー(11、12)の少なくとも一方が、螺合手段により前記フレーム(10)に固定されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のレール部材。
【請求項7】
前記ランナー(11、12)の少なくとも一方が、PTFE充填金属のような滑動を促進する材料により形成されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のレール部材。
【請求項8】
被搬送物の揺動を制限するように構成された手段を備えることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のレール部材。
【請求項9】
被搬送物の揺動を制限するように構成された前記手段が、前記ランナー(11、12)の下方に配置された2つの細長い本体部、特に螺旋状に湾曲したチューブ(17、18)を備え、
当該レール部材が、前記細長い本体部間の間隔及び/または前記細長い本体部と前記ランナーとの間の距離を変化させるように構成された手段を備えることを特徴とするレール部材。
【請求項10】
前記ランナー(11、12)上で被搬送物を支持し続けるように構成された手段を備えることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載のレール部材。
【請求項11】
前記フレーム(10)が、搬送されるべき前記物体の上端部、特にボトルの口部またはプリフォームの首部のための湾曲した支持部分を形成する上部ストリップ(34)を取り付けるためのフープ(30)を備え、
前記上部ストリップ(34)が、ランナー(11、12)により横方向で区画された前記搬送経路(13)と実質的に垂直方向で位置合わせした状態で配置されていることを特徴とするレール部材。
【請求項12】
前記ランナー(11、12)が、滑動ストリップが取外し可能に取り付けられる、特にスナップ係合される溝部を備えることを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載のレール部材。
【請求項13】
ブロー成形機にプリフォームを供給する装置であって、
請求項1から12のいずれか1項に記載のレール部材と、
前記プリフォームを分離するためのシステムと、を備える装置において、
前記レール部材が、前記分離システムの出力をプリフォーム供給レールの直線部分と連結することを特徴とする装置。
【請求項14】
吊下位置にあるボトルまたはプリフォームのような物体を搬送するためのレール部材のフレーム(10)に取外し可能に固定可能であり、
被搬送物用の横方向の支持面で被搬送物を滑動可能とし、
前記フレーム(10)に固定したときにランナー(11、12)を構成するように螺旋状に配置可能であることを特徴とする湾曲状のフラットストリップ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2008−542150(P2008−542150A)
【公表日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−512874(P2008−512874)
【出願日】平成18年5月23日(2006.5.23)
【国際出願番号】PCT/FR2006/001182
【国際公開番号】WO2006/125911
【国際公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【出願人】(506100093)シデル・パーティシペーションズ (72)
【Fターム(参考)】