説明

同時無線送信機マッピングおよび移動局測位

本明細書で開示される主題は、1つまたは複数の移動局に関する位置と1つまたは複数の無線送信機に関する位置とを同時に推定することに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、本出願の譲受人に譲渡され、参照により本明細書に組み込まれている、2009年9月10日に出願した、「Localization and Mapping of Terrestrial Positioning Sources Based on Mobile Measurements」という表題の米国特許第61/241,353号の優先権を米国特許法第119条の下で主張するものである。
【0002】
本明細書で開示される主題は、無線送信機および移動局をマッピングすることに関し、より詳細には、1つまたは複数の移動局に関する位置と、1つまたは複数の無線送信機に関する位置とを同時に決定することに関する。
【背景技術】
【0003】
セルラ電話など、移動局の位置は、様々なシステムから集められた情報に基づいて推定可能である。1つのそのようなシステムは、Wi-Fiネットワークと呼ばれる場合もある米国気電子学会(IEEE)802.11無線ローカルアクセスネットワーク(WLAN)標準のうちの1つまたは複数と互換性のある無線ネットワークを含むことが可能である。そのようなネットワークは、多くの場合、例えば、「アクセスポイント」と呼ばれる無線送信機/無線受信機を含むことが可能である。
【0004】
位置「特定(fix)」と呼ばれる場合もある、移動局に関する位置推定は、その移動局から1つもしくは複数の無線送信機までの測定された距離または範囲に少なくとも一部基づいて、かつ1つまたは複数の無線送信機の位置の知識にも少なくとも一部基づいて取得可能である。移動局測位システムの精度または可用性は、無線アクセスポイントマッピングに少なくとも一部依存する場合があり、推定された位置を含めて、無線アクセスポイントに関する情報はデータベース内に記憶可能である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様では、コンピューティングプラットフォームにおいて、位置が知られていない1つまたは複数の移動局から複数の範囲測定値を受信することが可能であり、これらの複数の範囲測定値は、位置が知られていない1つまたは複数の無線送信機に対する1つまたは複数の範囲測定値と、位置が知られている1つまたは複数の無線送信機に対する1つまたは複数の範囲測定値とを含む。位置が知られていない1つまたは複数の移動局に関する位置と、位置が知られていない1つまたは複数の無線送信機に関する位置とを同時に決定することが可能である。
【0006】
様々な図面を介して類似の参照番号が類似の部分を指す、以下の図面を参照して、非限定的な例と限定的な例とが説明される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】1つまたは複数の無線通信ネットワークを経由して1つの例示的なアルマナックサーバ(almanac server)と通信中の例示的な移動局を示す図である。
【図2】1つまたは複数の移動局に関する位置と、1つまたは複数の無線アクセスポイントに関する位置とを同時に推定するための1つの例示的なプロセスの図である。
【図3】自律的無線アクセスポイントマッピングに関する1つの例示的なシステムを示す概略図である。
【図4】半自律的無線アクセスポイントマッピングに関する1つの例示的なシステムを示す概略図である。
【図5】マルチユーザ無線アクセスポイントマッピングに関する1つの例示的なシステムを示す概略図である。
【図6】同時無線アクセスポイントマッピングおよび移動局測位に関する1つの例示的なプロセスの流れ図である。
【図7】1つの例示的なミラー効果を示す概略ブロック図である。
【図8】複数種の(multi-seeded)測位によるミラー効果検出に関する1つの例示的なプロセスを示す概略ブロック図である。
【図9】移動局の1つの例示的な実施形態の概略ブロック図である。
【図10】コンピューティングプラットフォームの1つの例示的な実施形態を示す概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
上で議論されたように、セルラ電話など、移動局の位置は、様々なシステムから集められた情報に基づいて推定可能である。そのようなシステムは、無線通信システムのほんのいくつかの例示的なタイプを挙げれば、例えば、セルラ通信システムまたは無線ローカルエリアネットワークを含む無線通信システムを含みうる。無線通信システムは、例えば、「基地局」または「アクセスポイント」と呼ばれる場合もある1つもしくは複数の無線送信機/無線受信機を用いることが可能である。本明細書で使用される場合、「基地局」および「アクセスポイント」という用語は、例示的なタイプの「無線送信機」を表すが、特許請求される主題の範囲は、この点で限定されない。本明細書で使用される場合、「無線送信機」という用語は、任意のタイプの無線通信システムと互換性のある無線信号の任意の送信機または送信機/受信機を含むことが意図される。
【0009】
位置「特定」と呼ばれる場合もある、移動局に関する位置推定は、その移動局から1つもしくは複数の無線送信機までの測定された距離または範囲に少なくとも一部基づいて、かつ1つまたは複数の無線送信機の位置の知識にも少なくとも一部基づいて取得可能である。移動局測位システムの精度または可用性は、無線送信機マッピングに少なくとも一部依存する場合があり、推定された位置を含めて、無線アクセスポイントに関する情報はデータベース内に記憶可能である。一応用例では、そのようなデータベースは、アルマナックと呼ばれる場合がある。
【0010】
アルマナックは、位置推定のために使用されるシステムに関して維持可能である。アルマナックは、例えば、位置推定動作の際に使用されうる情報を含めて、様々なタイプの情報を含むことが可能である。そのような情報は、例えば、1つまたは複数の無線通信システムの様々な無線送信機の識別と位置とを含むことが可能である。アルマナックは、例えば、アルマナックサーバなど、コンピューティングプラットフォームのメモリ内、または別の例として、移動局のメモリ内に記憶可能である。別の態様では、アルマナックは、アルマナックサーバから1つまたは複数の移動局に送信可能である。
【0011】
移動局測位動作の際に使用するためのアルマナックデータベースを構築するために、情報をシステムオペレータによって直接的に収集することが可能である。例えば、建物の内部内のWiFiアクセスポイント(AP)の場合、その内部を物理的に検査して、任意の発見されたアクセスポイントの位置に留意することによって調査を行うことが可能である。しかし、AP所有者からの直接的な収集によってWiFi APに関する正確な情報または完全な情報を決定する際に困難に遭遇する場合がある。このように収集された情報は、誤っている可能性、古い可能性、または欠けている可能性がある。AP位置情報を収集する際にどのように困難が生じるかの一例として、個人がAPをある位置から別の位置に移動させること、またはAPを新しいAPと置換することは比較的容易である点を考慮されたい。AP位置データ収集は、屋内領域に関する移動局位置動作の拡張にかなりの障害をもたらす可能性がある。場合によっては、かなりのコストで、特定の屋内領域内のすべてのAPの徹底的な調査が実行されたとしても、変化に対応し、容認できる精度のAP位置情報の確保を試みるために、調査プロセスを、数か月ごとに、または、場合によっては、より頻繁にやり直すことが必要になる。しかし、そのような調査が数か月ごとに実行されたとしても、AP構成に対するかなりの変更が見られる場合がある。移動局位置特定動作の際に使用するために無線アクセスポイントのシステムを操作する際のそのようなオーバヘッドは、結果として、比較的大きなコストをもたらす可能性があり、場合によっては、結果として、信頼性のない位置特定パフォーマンスまたは不正確な位置特定パフォーマンスをもたらす可能性がある。
【0012】
一態様では、無線APアルマナック情報に関するデータ収集に関して上で議論された調査プロセスを、例えば、WiFiシステムなど、無線通信システムの移動局によって実行される背景データ収集動作と置換することが可能である。一態様では、移動局からの測定値を使用して、WiFiアクセスポイントまたはその他の様々な地上測距ソースもしくは地上測位ソースをマッピングすることが可能である。さらなる態様では、範囲測定値の所与のセットに適応できる柔軟な解を提供する、比較的大きな最小二乗計算を定式化することによって、移動局位置とAP位置とを同時に推定することが可能である。追加の態様では、移動局測位と、APの位置精度および可用性とを改善するために、複数の時点において複数の移動局からとられた測定値を経時的に集約することが可能である。複数のユーザによって集積されたAP観察は、移動局測位精度を確実にするのを助けるために、統計的な有意性を提供することが可能である。
【0013】
上で述べられたマルチユーザ態様に加えて、別の態様は、サーバ支援の有無にかかわらず、APのシングルユーザ自律的マッピングをサポートすることが可能である。APのシングルユーザ自律的マッピングは、下でさらに詳細に議論される。やはり下で議論される別の態様では、移動局が比較的直線の経路を移動するにつれて、APの共線観察(collinear observation)によるミラー効果がある時点で発生する可能性があり、AP位置に関して2つの競合最小解が生成される場合がある。一態様では、ミラー効果による異常値を削減するために、複数種の測位動作を利用することが可能である。複数種の測位動作もやはり下でさらに議論される。
【0014】
図1は、1つまたは複数の無線通信ネットワーク132および134を経由して、またはインターネット140を経由して、例示的なアルマナックサーバ150と通信中の例示的な移動局100および124を示す図である。この例の場合、移動局100は、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)132とセルラネットワーク134の両方との通信をサポートできるマルチモードデバイスを表す。一例の場合、WLAN132は、IEEE802.11x標準のうちの1つまたは複数と互換性のあるパケット交換無線ネットワークを含むことが可能である。当然、これらは、マルチモードデバイスが通信できる無線通信ネットワークのタイプの単なる例であり、特許請求される範囲は、この点で限定されない。やはりこの例の場合、移動局124 は、セルラネットワーク134との通信をサポートできるシングルモードデバイスを表す。この場合も、セルラネットワークは、移動局が通信を確立できる無線通信ネットワークの単なる一例である。
【0015】
図1は、移動局100および124が通信できるいくつかの送信機タイプ110をさらに示す。移動局100および124は、様々な送信機タイプから送信された信号を監視できるように、様々なそれぞれの送信機に関連する任意の所与のネットワークに加入してよく、または加入しなくてもよい。アルマナックサーバ150は、無線送信機アルマナック情報を移動局100または124に提供することが可能である。また、図1の例は2つの移動局を示すが、実際には、多種の潜在的なネットワークタイプと通信するために、多くの種類の異なる機能性または記憶能力を示す幅広い移動局タイプを利用することが可能である。さらに、移動局は、幅広い異なる使用パターンを示す場合がある。
【0016】
本明細書で使用される場合、「無線送信機」という用語は、無線信号を送信するために利用される任意の局またはデバイスを含むことが意図される。「無線送信機」という用語は、例えば、セルラネットワークなどの無線通信システム内の通信を円滑にするために利用される任意の無線通信局または無線通信デバイスを含むことも意図されるが、特許請求される主題は、この点で限定されない。セルラネットワークにおいて利用される例示的なタイプの無線送信機は、基地局と呼ばれる場合もある。別の態様では、無線送信機は、例えば、セルラ電話サービスを事業または家庭に拡張するために利用されるフェムトセルを含むことが可能である。そのような実装形態では、1つまたは複数の移動局は、例えば、符号分割多元接続(CDMA)セルラ通信プロトコルを経由して、フェムトセルと通信することが可能であり、フェムトセルは、インターネットなど、別の広帯域ネットワークによって、より大きなセルラ通信ネットワークに対するアクセスを移動局に提供することが可能である。別の態様では、無線送信機は、電子デバイスタイプの範囲のうちのいずれかの中に含まれうる。一態様では、無線送信機は、例えば、WLANアクセスポイント(AP)を含むことが可能である。そのようなWLANは、一態様では、IEEE802.11x標準のうちの1つまたは複数と互換性のあるネットワークを含むことが可能であるが、特許請求される範囲は、この点で限定されない。加えて、本明細書において、デバイスを説明する際の「送信機」という用語の使用は、そのデバイスの機能を送信だけに限定しない。例えば、基地局およびアクセスポイントは、通常、無線信号の送信と受信の両方が可能である。
【0017】
本明細書で使用される場合、「移動局」(MS)という用語は、随時変化する位置を有しうるデバイスを指す。位置のそのような変更は、いくつかの例として、方向、距離、方位などに対する変化を含むことが可能である。特定の例では、移動局は、セルラ電話、無線通信デバイス、ユーザ装置、ラップトップコンピュータ、その他のパーソナル通信システム(PCS)デバイス、携帯情報端末(PDA)、パーソナルオーディオデバイス(PAD)、携帯用ナビゲーションデバイス、またはその他の携帯用通信デバイスを含むことが可能である。移動局は、機械可読命令によって制御された機能を実行するように適合されたプロセッサまたはコンピューティングプラットフォームを含むことも可能である。
【0018】
図2は、1つまたは複数の移動局に関する位置と、1つまたは複数の無線送信機に関する位置とを同時に推定するための1つの例示的なシステムの図である。一態様では、他のソースからの追加の測定値なしに、移動局からの測定値を使用して、WiFiアクセスポイントまたはセルラ基地局などの地上無線送信機をマッピングすることが可能である。図2では、例示的な無線送信機は、WiFi APを含むことが可能であるが、特許請求される主題の範囲は、この点で限定されない。本明細書で使用される場合、「アンカーAP」という用語は、その位置が知られていないか、または所与の応用に関して十分な程度の精度を有する位置が知られていないアクセスポイントもしくは移動局に関する位置推定動作の際にそのアクセスポイントが使用されることを可能にするために十分な精度を有する位置が知られているアクセスポイントを指す。やはり、本明細書で使用される場合、「非アンカーAP」という用語は、位置推定動作においてアクセスポイントが使用されることを可能にするための所与の応用に関して十分な精度で知られている位置を有さないアクセスポイントを指す。当然、アクセスポイントは、無線送信機の単なる1つの例示的なタイプであり、特許請求される主題の範囲は、この点で限定されない。さらに、「アンカー」および「非アンカー」という用語は、本明細書で議論される様々な例のアクセスポイントを説明する際に利用されるが、これらの用語を、別のタイプの無線送信機に適用することも可能である。
【0019】
加えて、移動局の位置または無線送信機の位置に関して本明細書で使用される「知られている」という用語は、所与の応用に関して十分な精度レベルで測定または推定されている位置を指す。例えば、歩行ナビゲーション応用の場合、数メートル内まで推定または測定された位置は、「知られている」位置と見なすことが可能であるが、特許請求される主題の範囲は、この点で限定されない。同様に、移動局の位置または無線送信機の位置に関して本明細書で使用される「知られていない」という用語は、所与の応用に関して、まったく測定もしくは推定されていない位置、または十分な精度レベルで測定もしくは推定されていない位置を指す。
【0020】
図2の例の場合、アンカーAP210、220、および230、ならびに非アンカーAP240、250、および260が提供される。やはり図2の例の場合、移動局100は、その位置が推定されることになる移動局を含むことが可能である。図2に示される例の場合、移動局100は、2つの別個の時点、すなわち、t1およびt2においてアンカーAP210、220、および230、ならびに非アンカーAP240、250、および260との通信から範囲測定値をとることが可能である。その他の例では、測定情報を集めるために、複数の移動局を利用することが可能である。別の態様では、移動局100など、1つまたは複数の移動局、ならびに非アンカーAP240、250、および260など、1つまたは複数の無線送信機に関する位置の同時推定は、屋内および屋外の無線送信機の任意の組合せを利用することが可能である。
【0021】
態様では、それに対して移動局100の相対的な位置と、非アンカーAP240、250および260とをマッピングできる基準としてアンカーAP210、220、または230を利用することが可能である。一態様では、この例の場合、アンカーAP220に原点を有するローカル座標系を画定することが可能である。例示的なローカル座標系に関する「x」軸と「y」軸とが図2に示される。図2の例では、アンカーAP210は、「x」軸に関するミラーあいまいさ(mirror ambiguity)を解決するために利用可能である。ミラーあいまいさは、下でさらに十分に議論される。一態様では、アンカーポイントの絶対位置が知られている場合、移動局と非アンカーAPの両方を絶対座標内でマッピングすることが可能である。1つの例示的な座標系は、WGS84座標系を含むことが可能であるが、特許請求される主題の範囲は、この点で限定されない。さらなる態様では、アクセスポイントは、固定であると仮定でき、複数の時点において複数の移動局からとられた測定値を集約することが可能である。特定のAPに関する測定値間にかなりの相違が発見された場合、場合によっては、物理的検査によって、その特定のAPが移転したかどうかを決定するための点検を行うことが可能である。
【0022】
一態様では、かつ一般に、移動局の位置を推定するために、3つ以上の非共線アンカーAPを利用することが可能である。同様に、APをマッピングするために、1つまたは複数のアンカー移動局からの3つ以上の非共線測定値を利用することが可能である。そのような計算を実行するための例示的な技法は、下でさらに詳細に説明される。
【0023】
一態様では、同時の無線送信機のマッピングおよび移動局に関する位置推定に関して、最小二乗解を利用することが可能である。最小二乗演算は、その位置が推定されることになるそれぞれの複数の移動局または非アンカーアクセスポイントに対応する複数のシード位置(seed locations)を設定する段階を含むことが可能である。複数のシード位置に少なくとも一部基づいて、複数の範囲推定値を計算することが可能であり、複数の範囲推定値と複数の範囲測定値との間の差異を計算することが可能である。この例の場合、複数の範囲測定値は、1つまたは複数の移動局と1つまたは複数のAPとの間の範囲測定値を含むことが可能である。一態様では、範囲推定値と範囲測定値との間の計算された差異が指定されたしきい値未満である場合、その推定された位置が決定されているそれぞれの複数の移動局またはAPに関して推定された位置として、複数のシード位置を利用することが可能である。
【0024】
別の態様では、範囲推定値と範囲測定値との間の計算された差異が、指定されたしきい値未満でない場合、複数の範囲推定値と複数の範囲測定値との間の計算された差異に少なくとも一部基づいて、複数のシード位置を更新することが可能である。複数の更新されたシード位置に少なくとも一部基づいて、複数の範囲推定値を再計算することが可能であり、再計算された複数の範囲推定値と複数の範囲測定値との間の差異を計算することが可能である。差異が指定されたしきい値未満である場合、更新されたシード位置は、その位置が推定されることになるそれぞれの複数の移動局または非アンカーAPに関して推定された位置として利用可能である。
【0025】
同時アクセスポイントのマッピングおよび移動局の測位に関する1つの例示的な技法のさらに詳細な説明が提供される。移動局uiとアクセスポイントsjとの間の疑似範囲測定値の行列ρi,jは、非線形方程式の形で以下のように提示できる。
【0026】
【数1】

【0027】
式中、biは、モバイル特殊測定バイアスを含み、Bjは、測距ソース特殊測定バイアスを含み、εi,jは、モデル化されないランダム測定雑音である。範囲測定が到着時間(TOA)、到着時差(TDOA)、またはラウンドトリップ時間(RTT)などの時間測定に基づく場合、biおよびBjは、受信機および送信機の時間バイアスを表すことができる。別の態様では、バイアスは、受信信号強度(RSS)測定値に関係しうる。一態様では、ランダム雑音と比べて著しくない場合、ある状況では、バイアスを無視してよい。本明細書で説明された例示的な技法は、無線送信機としてアクセスポイントを記述する場合があるが、アクセスポイントは、無線送信機の単なる1つの例示的なタイプである点に留意されたい。特許請求される主題の範囲は、無線送信機のタイプに関して限定されない。
【0028】
この例を続けると、様々な時点においてK個の位置内の単一の移動局からK個のモバイル位置、または複数の移動局からのK個の組み合わされた測定値(i∈{1,2,…K})を仮定する。この例の場合、知られている位置にL個のアンカーAP(j∈{1,2,…L})があり、知られていない位置にM個の非アンカーAP(j∈{1,2,…,M})がある。続く説明において、アンカーアクセスポイントと非アンカーアクセスポイントとを区別するために、アンカーアクセスポイントに関する測定値は、「A」の上付きを用いて示される。第i番めの移動局位置における測定値のセットは、
【0029】
【数2】

【0030】
であり、集約された移動局測定値は、以下のように提示できる。
【0031】
【数3】

【0032】
第i番目のモバイル位置における位置と測定バイアスとを含む移動局変数は、
【0033】
【数4】

【0034】
を含むことが可能であり、第j番目の測距ソースにおけるソース変数は、二次元測位動作に関して、
【0035】
【数5】

【0036】
を含むことが可能である。三次元測位は高度成分を追加した二次元測位の拡張と見なすことができるため、ここでは分かりやすいように二次元の例示的な技法が説明される。また、この例は、ENU(東、北、上)変換におけるある基準点からの相対的座標系を使用する。しかし、WGS84などの絶対座標系を同様に使用することも可能である。先に提示された式(1)は、以下のように拡張できる。
【0037】
【数6】

【0038】
説明および解釈を容易にするために、解決されるべき変数のセットは、3(K+M)ベクトルで考えると、組み合わせて記号“x"にできる。
【0039】
【数7】

【0040】
目標変数xは、K個のモバイル位置およびM個の非アンカー送信機を表す。
【0041】
上記のように、非線形式は、所与の測定値
【0042】
【数8】

【0043】
を用いて形成可能である。変数xを推定するための反復的な増分線形解決は、一態様では、テイラー展開に少なくとも一部基づいてよいが、特許請求される主題の範囲は、この点で限定されない。そのような反復技法は、例えば、以下を含むことが可能である。
シード位置
【0044】
【数9】

【0045】
を設定する
式(3)に少なくとも一部基づいて、
【0046】
【数10】

【0047】
から
【0048】
【数11】

【0049】
を計算する
範囲測定と範囲推定との間の差異
【0050】
【数12】

【0051】
を計算する
【0052】
【数13】

【0053】
が十分に小さい場合、停止する。一態様では、その差異が指定された誤差しきい値未満であるかどうかについて決定を行うことが可能である。
変数推定を更新する
【0054】
【数14】

【0055】
および
【0056】
【数15】

【0057】
「範囲推定を計算する」に戻る
式中、下で説明されるように、Wは重み行列を含み、Gはジオメトリ行列(geometry matrix)を含む。
【0058】
個々の範囲測定値は、異なるレベルの予測される誤差を有する場合があり、したがって、推定プロセスに異なるレベルの精度を伝える場合がある。測定誤差のレベルを適切に反映するために、重み行列Wを最小二乗解に組み込むことが可能である。
【0059】
【数16】

【0060】

【0061】
【数17】

【0062】
との関係は、以下のように概算でき、式中、vは、残留測定誤差ベクトルを含む。
【0063】
【数18】

【0064】
一態様では、ガウス分布測定雑音(Gaussian distributed measurement noise)を伴う状況の場合、重み行列は、v、
【0065】
【数19】

【0066】
の共分散から導出可能であるが、特許請求される主題の範囲は、この点で限定されない。さらなる態様では、重み行列解は、測定の所与の性質に少なくとも一部従って、上記から導出可能である。
【0067】
追加の態様では、ジオメトリ行列Gは、移動局位置と、アンカーAPおよび非アンカーAPとの幾何学的関係を表すことが可能である。
【0068】
【数20】

【0069】
G行列は、それぞれ、前方測位ジオメトリ行列および後方測位ジオメトリ行列(forward and reverse positioning geometry matrices)とを表す
【0070】
【数21】

【0071】

【0072】
【数22】

【0073】
とを含むことが可能である。本明細書で使用される場合、「前方測位」という用語は、アンカーAPなど、無線送信機に少なくとも一部基づく移動局位置の推定を指す。「後方測位」という用語は、複数の移動局位置に少なくとも一部基づく無線送信機位置の推定を指す。さらなる態様では、第i番目のモバイル位置に関する前方ジオメトリ行列は、移動局位置と、アンカーアクセスポイントおよび非アンカーアクセスポイントとの幾何学的関係を表し、(L+M)×3行列を含む、以下のように提示できる。
【0074】
【数23】

【0075】
上の式において、
【0076】
【数24】

【0077】
および
【0078】
【数25】

【0079】
は、それぞれ、移動局に関する最近の推定と、非アンカーアクセスポイント位置とを表す。1つまたは複数のアクセスポイントが観測されない状況において、この行列は、観察されないアクセスポイントに対応する1つまたは複数の列を除去するために、サイズの点で削減可能である。
【0080】
追加の態様では、第i番目のモバイル位置に関する後方ジオメトリ行列は、移動局位置と、非アンカーアクセスポイント位置との幾何学的関係を表し、以下のように提示できる。
【0081】
【数26】

【0082】
上の後方ジオメトリ行列式(8)の場合、例えば、図2に示されるように、アンカーAPと非アンカーAPとの間には直接測定が存在しないため、上部(L×3M)はゼロで占有できる。Riの下部は、個々の対角成分が1×3ベクトルを含む対角形をとってよい。さらなる態様では、RiおよびFiの列は、発信側の移動局位置に従って分類できる。しかし、追加の態様では、前方ジオメトリ行列または後方ジオメトリ行列が、個々の測距ソースに従って分類された場合、RiおよびFiを第j番目のアクセスポイントに固有の
【0083】
【数27】

【0084】
および
【0085】
【数28】

【0086】
になるように再編成できる。
【0087】
移動局および非アンカーアクセスポイントに関する前方ジオメトリ行列ならびに後方ジオメトリ行列の下部において、この例の場合、対応する範囲測定式(例えば、Fiでは、
【0088】
【数29】

【0089】
Riでは、
【0090】
【数30】

【0091】
)は二度出現するため、パラメータは2で除算される。しかし、この式が一度出現する場合(すなわち、アクセスポイント位置が知られている場合、または移動局位置が知られている場合)、パラメータを2で除算しなくてよい。
【0092】
さらなる態様では、xは、ニュートン・ラフソン技法、すなわち、上で説明され、ここで繰り返される、反復線形解を使用して増分的に推定可能である。
【0093】
【数31】

【0094】
これは、ムーア・ペンローズ疑似逆行列ジオメトリ行列(Moore-Penrose pseudo-inverse of the geometry matrix)(WG)+=(GTWTWG)-1GTWTと、下記の残留疑似範囲測定値とに少なくとも一部基づく。
【0095】
【数32】

【0096】
先の議論で、アクセスポイント位置および移動局位置の同時推定に対する最小二乗手法を用いることが可能である。しかし、特許請求される主題は、この点で限定されない。例えば、一態様では、移動局の軌道を推定するために、カルマンフィルタ(KF)実装を利用することが可能である。最小二乗手法からKF実装の手法への変換は、ジオメトリ行列と目標変数の置換を含む場合がある。KF実装に関する1つの差異は、アクセスポイントが固定である間に移動局が移動している可能性があるため、KF状態はアクセスポイントに関する速度と加速度とを含まない可能性がある点である。あるいは、KFは、移動局位置推定だけに関して利用可能である。
【0097】
さらなる態様では、KF推定が所与の応用に適した誤差のしきい値内の誤差値を有する場合、移動局の位置変数を完全に除去するために、またはKF推定誤差値が誤差しきい値内でない場合、シード位置として使用されるように、KF解法の結果として生じる移動局軌道を最小二乗演算によってさらに処理することが可能である。加えて、一態様では、移動局の慣性センサは、位置推定の精度または速度を改善できる情報を提供することが可能である。GPS実装形態など、既存の位置推定解決策は、十分なメモリスペースと処理電力とが利用可能な限り、移動局を著しく再構成せずに、例示的な実装形態を用いて更新できる点に留意されよう。
【0098】
測定共分散行列は、第i番目の移動局位置と、第j番目のアクセスポイントとの間の範囲測定値の予測される誤差レベルを表すことが可能である。測定共分散行列は、以下のように提示できる。
【0099】
【数33】

【0100】
式中、
【0101】
【数34】

【0102】
は、ρi,jの変数測定誤差を含み、σ(i,j),(k,l)は、ρi,jとρk,lとの間の共分散を含む。一般に、σ(i,j),(k,l)は、2つの範囲測定値同士の間に知られている相関関係が存在しない限り、ゼロに設定できる。測定変数は、測定値からの不確定要素、ならびに移動局位置およびアクセスポイント位置の不確定要素を含むことが可能である。測定誤差の変数の式は、次のように提示できる。
【0103】
【数35】

【0104】
SPSを伴う移動局測位動作の場合、宇宙船(SV)の位置は、比較的高いレベルの精度範囲内で知られている可能性があるため、かつ移動局の位置だけが推定されることになるため、測定誤差式の変数の移動局不確定要素の局面を除去して、誤差式を以下に低減できる。
【0105】
【数36】

【0106】
一態様では、推定されることになる変数の不確定要素を測定誤差式の変数から除外することが可能であり、残りの値に関する変数をその式内に維持できる。移動局位置とアクセスポイント位置の両方が知られていない可能性がある、図2で示されたような状況の場合、式項のいくつかの組合せが生じる可能性がある。例えば、移動局位置
【0107】
【数37】

【0108】
が推定されることになる場合、
【0109】
【数38】

【0110】
である。同様に、非アンカーアクセスポイント位置
【0111】
【数39】

【0112】
が推定されることになる場合、
【0113】
【数40】

【0114】
である。推定された移動局位置またはアクセスポイント位置は予測されない不確定要素を招くため、そのようなアクセスポイントからの範囲測定は、測定誤差に加えて、不確定要素を含む場合がある。
【0115】
さらなる態様では、
【0116】
【数41】

【0117】
および
【0118】
【数42】

【0119】
は、推定された変数内の不確定要素を表しうる推定共分散行列Σxの要素を含むことが可能である。
【0120】
【数43】

【0121】
別の態様では、Σv、W、およびGから、Σxを導出できる。
Σx = (WG) +vWT((WG) +)T (12)
【0122】
さらに、
【0123】
【数44】

【0124】
の場合、
【0125】
【数45】

【0126】
である。
【0127】
GPSなど、SPSシステムの場合、少なくとも一部、以下を想定することによって、幾何学的精度低下率(GDOP)と呼ばれる幾何学ベースのパラメータを導出できる。
【0128】
【数46】

【0129】
および
【0130】
【数47】

【0131】
一態様では、共分散更新に関する1つの例示的なプロセスは、以下を含むことが可能である。アンカーアクセスポイントおよび範囲測定値の知られている不確定要素レベルに少なくとも一部基づいて、測定共分散行列Σvを生成する。測定不確定要素は、いくつかの例を挙げれば、信号対雑音比または信号対干渉比、ならびに任意のその他の誤差原因から導出可能である。上の式(13)で説明されたように、変数xを推定して、推定共分散行列Σxを計算する。指定された不確定要素しきい値未満の変数のセットを見出して、それらの変数を特定する。一態様では、指定された不確定要素しきい値は、1メートルのしきい値を含むことが可能であるが、特許請求される主題の範囲は、この点で限定されない。
新しく特定された変数をxから除去して、先に式(10)において開示されたように、誤差伝搬式
【0132】
【数48】

【0133】
に少なくとも一部基づいて、Σvを更新する。すべての変数が特定されるまで、上で説明された推定、見出し、および除去の局面を繰り返す。
【0134】
共分散更新に関して、特定の例が上で説明されているが、特許請求される主題の範囲は、これらの点で限定されない。
【0135】
さらなる態様では、上で説明されたようなジオメトリ行列を、移動局位置と無線送信機位置との間の方向ベクトル上で構築することが可能である。SPSを伴う状況では、移動局と無線送信機とが近傍にあるか、または共同設置されている低い確率が存在しうる。しかし、地上無線送信機を伴う状況では、移動局と無線送信機とは、場合によっては、近傍にある可能性がある。例えば、WiFi移動局測位動作では、移動局は、アクセスポイントの近傍に来る場合が時々ある。移動局と無線送信機との間の距離が非常に短くなった場合、数値解に不安定性がもたらされる場合がある。そのような不安定性を回避するために、いくつかの例示的な対策のうちのいくつかを用いることが可能である。互いから十分な距離にシード位置を設定することが可能である。一態様では、1メートルを超える距離を特定できる。移動局位置と無線送信機位置とを同時に推定するためのプロセスの反復を実行する間に、互いから十分な距離に個々の位置推定変数を設定することが可能である。一態様では、範囲測定値と範囲推定値との間の決定された距離が指定されたしきい値未満である場合、移動局が対応する無線送信機の方向と反対の方向に移動することによって、範囲測定と範囲推定との間に人工距離を導入できる。個々の測定からの過度の影響を回避するために、移動局位置と無線送信機位置との間の対応する測定に関する重み係数を利用できる。
【0136】
当然、推定プロセスにおける不安定性を回避するための上記の対策は、単なる例示的な対策であり、特許請求される主題の範囲は、これらの点で限定されない。
【0137】
同時移動局位置および無線送信機位置の推定技法の場合、解サイズ(solution size)全体の管理は要因でありうる。本明細書で説明される例示的な技法の場合、解サイズは、利用可能なコンピューティングリソースを超えるのに足りるほど十分大きく増大する可能性がある。そのような状況を回避するために、移動局または無線送信機の量を限定するための段階aからgを用いた1つの例示的なプロセスを以下のように実行することが可能である。
a)アンカー無線送信機または非アンカー無線送信機からの十分な数の測定値を有するx個の移動局位置(当初、x=1)を見出す。1つの例示的な充足性テストプロセスが下で説明される。
b)関連する非アンカー無線送信機の数が最大数の変数未満である場合、推定プロセスを実行する。
c)すべての移動局位置に関して、段階aおよびbを繰り返す。
d)移動局位置からの十分な数の測定値を有するy個の無線送信機(当初、y=1)を見出す。例示的な充足性テストプロセスが下で説明される。
e)関連する、知られている移動局位置の数が指定された最大数の変数未満である場合、同時推定プロセスを実行する。指定された最大数の変数は、利用可能なコンピューティングリソースに少なくとも一部依存しうる。
f)すべての無線送信機に関して、段階dおよびeを繰り返す。
g)xおよびyを1だけ増分した後で、段階aからfを繰り返す。
【0138】
上で説明された例示的な解サイズ制限プロセスの場合、変数の総数を漸進的に低減できると同時に、個々の推定においていくつかの変数を限定することが可能である。代替の例示的なプロセスでは、上で段階説明された段階d)からf)は、段階a)からc)に先立ってよい。しかし、特許請求される主題による例は、段階a)からg)よりもより多くの段階を含むことが可能であり、段階a)からg)よりもより少ない段階を含むことが可能であり、または段階a)からg)のすべてを含むことも可能である。さらに、段階a)からg)の順序は単に1つの例示的な順序であり、特許請求される主題は、この点で限定されない。
【0139】
本明細書で説明される様々な例示的な技法またはプロセスに関して、移動局と無線送信機との間の範囲測定値が言及されている。本明細書で説明される範囲測定値は、例えば、到着時間(TOA)、到着時差(TDOA)、ラウンドトリップ時間(RTT)、または受信信号強度インジケータ(RSSI)を含めて、様々な測定タイプのうちのいずれかを含むことが可能であるか、またはそれらのうちのいずれかに少なくとも一部基づいてよい。先に述べたように、個々の測定タイプに固有のバイアス項を推定解に導入することが可能である。さらに、本明細書で説明される例示的な技法は、様々なタイプの無線送信機を含むことが可能である。例えば、例示的な送信機タイプ110が示される図1を参照されたい。無線送信機タイプは、例えば、WiFi AP、セルラ基地局、セルラフェムトセル局/セルラピコセル局、テレビ放送局もしくはラジオ局、またはSPSを含むことが可能である。SPSまたはテレビ局/ラジオ局は、位置が知られているか、または位置が推定されている例示的なアンカー送信機を含みうる。加えて、SPSなどの測位システムから直接位置推定が利用可能な状況の場合、いくつかの変数を減じるために、1つまたは複数の移動局変数を位置推定方程式から除去することが可能である。別の態様では、1つの測定として、SPSによって提供された位置推定を適切な重み付けを用いて上で説明されたような1つの例示的な推定プロセスに追加することが可能である。上で述べられた測定タイプおよび無線送信機タイプは単なる例であり、特許請求される主題の範囲は、これらの点で限定されない点に留意されたい。
【0140】
一態様では、移動局に関する位置、または非アンカー無線送信機の位置は、十分な測定値が利用可能である場合、本明細書で説明される例示的な技法を使用して推定可能である。上で説明されたような二次元同時移動局測位および無線送信機位置推定技法の場合、知られていない移動局位置または無線送信機位置は、二次元座標系とレンジバイアス(range bias)とを含めて、3つ以上の変数と関連付けることが可能である。したがって、一態様では、例示的な同時推定技法は、個々の知られていない移動局位置または無線送信機位置に関連する3つ以上の測定を可能にできる。変数の総量は、3(K+M)と表現でき、測定値の最大総量は、K(L+M)と表現でき、式中、Kは移動局の量を含み、Lはアンカー無線送信機の量を含み、Mは非アンカー無線送信機の量を含む。それぞれの移動局においてすべての無線送信機が観察できるとは限らないため、観察されたアンカー無線送信機の量を表すために、変数Li(≦L)を導入でき、観察された非アンカー無線送信機の量を表すために、変数Mi(≦M)を導入できる。上記を考慮すると、1つの例示的な同時推定技法の場合、観測および変数の量は、以下の関係によって表される、ある充足性テストを満たすことが可能である。
【0141】
【数49】

【0142】
および
3≦(L1+Mi) (15)
【0143】
移動局と無線送信機との間の範囲測定を必要とする例示的な同時移動局位置および無線送信機位置推定技法に関して、上で説明された例示的な充足性テスト関係を利用できるが、移動局または無線送信機が、測距測定ではなく、一点測位をサポートする状況では、上記の充足性考慮事項に例外が生じる場合がある。例えば、移動局が十分に高いRSSI測定値を有するAPから信号を受信する場合、その移動局はそのAPの比較的近傍にあり、その移動局の概位としてそのAP位置を使用できることを想定できる。その概位に関連する不確定要素が十分低い場合、上で説明された充足性テスト関係をより容易に満たすために、知られていない変数として移動局位置を導入せずに、同時移動局位置および無線送信機位置推定技法において、AP位置からの測定を利用することが可能である。
【0144】
上で説明されたように、1つの例示的な同時移動局位置および無線送信機位置推定技法は、シード位置と呼ばれる場合がある初期点のセットから解を増分的に改善する最小二乗解法を含むことが可能である。シード位置の改善によって、解のより高速の収束、およびより信頼性のある解を得ることが可能である。一態様では、移動局の先に知られていた位置をその移動局に関するシード位置として使用することが可能である。さらなる態様では、セルラネットワークからのセル識別子に関連する位置をシード位置として利用することが可能である。非アンカー無線送信機の場合、一態様では、移動局位置または近傍のアンカー無線送信機位置は、任意に生成された非ゼロオフセットを伴うシード位置として利用可能である。しかし、これらは、シード位置を選択するための単なる例示的な技法であり、特許請求される主題の範囲は、これらの点で限定されない。
【0145】
さらなる態様では、改善されたシード位置は、より高速の収束またはより信頼性のある解をもたらしうるため、知られていない変数が大量である場合、個々のサブセット解が十分な量の測定値を含む限り、大きな同時移動局位置および無線送信機推定演算をより小さなサブセット解に区分化することが可能である。それらのサブセット解からの結果を利用して、元の大きな同時移動局位置および無線送信機位置推定動作をより効率的に計算することが可能である。
【0146】
図3は、無線送信機ポイントマッピングに関する1つの例示的なシステムを示す概略図である。一態様では、SPS310は、いくつかの宇宙船(SV)を含むことが可能である。一例では、SPS310は、GPS、GLONASS、およびGalileoなど、1つまたは複数の衛星測位システムを含むことが可能であるが、特許請求される主題の範囲は、この点で限定されない。無線送信機320は、WiFiアクセスポイントを含むことが可能であるが、この場合も、特許請求される主題の範囲は、そのように限定されない。移動局330は、無線送信機320から無線信号を受信することが可能であり、地上波ソースマッピングサーバ340とさらに通信することが可能である。サーバ340は、1つまたは複数の移動局から地上無線送信機に関する測定情報を収集することが可能であり、無線送信機320など、地上無線送信機に関する情報を地上波ソースデータベース350内に記憶することが可能である。現在の例の場合、無線送信機320は、その位置が決定されることになる非アンカー送信機を含むことが可能である。移動局330は、一態様では、地上波ソースマッピングサーバ340からの支援の有無にかかわらず、無線送信機320に関する位置を決定することが可能である。例えば、移動局330は、様々な時点において無線送信機320から信号を受信することが可能である。
【0147】
図3に示される例の場合、移動局330は、t1、t2、およびt3とラベル付けられた3つの個々の時点において無線送信機320から受信された信号から測定値をとることができる。一態様では、移動局330は、SPS310から無線信号をさらに受信することが可能である。SPS310のSVは、アンカー無線送信機を含むことが可能であり、SPS310から受信された無線信号からとられた測定値は、時間t1、t2、およびt3の時点において移動局330に関する位置および無線送信機320に関する位置の同時推定を可能にする測定値を提供することが可能である。一態様では、同時推定は、地上波無線サーバ340からの支援なしに、移動局330によって達成可能である。さらなる態様では、移動局330は、測定情報を地上波ソースマッピングサーバ340に通信でき、同時推定プロセスは、サーバ340によって実行可能である。さらなる態様では、移動局330に関して推定された位置、および無線送信機320に関して推定された位置は、地上波ソースマッピングサーバ340から移動局330に通信可能である。移動局がサーバからの支援なしに無線送信機位置推定を実行する、非アンカー無線送信機をマッピングするためのシステムは、自律的マッピングシステムと呼ばれる場合がある。
【0148】
図4は、半自律的無線アクセスポイントマッピングに関する1つの例示的なシステムを示す概略図である。1つの例示的な半自律的マッピングシステムの場合、移動局は、サーバによって提供された情報に少なくとも一部基づいて、非アンカー無線送信機をマッピングすることが可能である。図4に示される例の場合、移動局430は、地上波ソースマッピングサーバ440によって提供された情報に少なくとも一部基づいて位置推定動作を実行することによって、非アンカー無線送信機420をマッピングできる。地上波ソースデータベース450は、アンカー無線送信機412、414、および416に関連する情報をその中に記憶させることができ、地上波ソースマッピングサーバ440は、そのような情報を移動局430に提供することが可能である。移動局430は、サーバ440によって提供された情報に少なくとも一部基づいて、無線送信機420をマッピングすることが可能である。加えて、無線送信機420に関する位置を推定することに少なくとも一部応答して、移動局430は、地上波ソースデータベース450内に記憶されるように、かつ、他の移動局によって、またはさらなるマッピング動作において後で使用するために、その位置を地上波ソースマッピングサーバ440に送信することが可能である。
【0149】
一態様では、移動局430は、非アンカー無線送信機420をマッピングするために、上で説明されたある例示的なプロセスなど、同時移動局位置および無線送信機位置推定プロセスを利用することが可能である。同時推定プロセスの一環として、移動局430は、t1、t2、およびt3とラベル付された3つの個々の時点において無線送信機420、412、414、または416から受信された信号から測定値をとることができる。移動局430によってとられた測定値は、時点t1、t2、およびt3において移動局430に関する位置を推定するために、かつ無線送信機420に関する位置を推定するために、上で説明された例示的な最小二乗演算などの最小二乗解法において利用可能である。
【0150】
図5は、マルチユーザマッピングに関する1つの例示的なシステムを示す概略図である。ある例示的なマルチユーザマッピングモードの場合、サーバは、移動局位置を推定して、無線送信機をマッピングするために、複数の移動局から範囲測定情報を収集することが可能である。地上無線送信機は固定になりがちであるため、サーバは、複数の無線送信機から受信された無線信号から複数の移動局によってとられた測定値を経時的に集約することが可能である。サーバは、無線送信機ソース位置または移動局位置に従って、測定情報を分類できる。収集されている十分な量の測定値に少なくとも一部応答して、サーバは、最小二乗解法を定式化し、それによって、無線送信機の対応するセットをマッピングすることが可能である。マッピングされた無線送信機は、さらなるマッピング動作に関するアンカーポイントとして機能しうる。加えて、さらなる測定値が集められるにつれて、無線送信機に関して推定された位置をより正確にすることができる。
【0151】
図5の例示的なシステムの場合、移動局520は、時点t1およびt2において、無線送信機510、512、および514から無線信号を受信でき、受信された無線信号に少なくとも一部基づいて、範囲測定値をとることが可能である。図5に示される例の場合、無線送信機510は、アンカーアクセスポイントを含むことが可能であり、無線送信機512および514は、非アンカーアクセスポイントを含むことが可能である。さらに、図5に示される例の場合、移動局530は、時点t3、t4、およびt5において無線送信機514、516、および518から無線信号を受信でき、受信された無線信号に少なくとも一部基づいて、範囲測定値をとることが可能である。先に述べたように、無線送信機514は、非アンカーアクセスポイントを含むことが可能である。無線送信機516および518は、一例として、アンカーアクセスポイントを含むことが可能である。
【0152】
移動局520および530は、無線送信機510、512、514、516、および518から受信された信号に関係する測定情報を地上波ソースマッピングサーバ540に提供でき、その情報は、地上波ソースデータベース550内に記憶可能である。さらなる例では、十分な範囲測定値が利用可能であることを条件に、地上波ソースマッピングサーバ540は、時点t1およびt2において移動局520に関する位置を推定するために、かつ時点t3、t4、およびt5において移動局530に関する位置を推定するために、非アンカー無線送信機512および514をマッピングするために上で説明された1つの例示的なプロセスなど、同時移動局位置および無線送信機位置推定プロセスを利用することが可能である。十分な範囲測定値を有さない移動局または非アンカー無線送信機の場合、測定値は、追加の測定値が利用可能になることに少なくとも一部応答して実行されうるさらなる推定動作のためにデータベース550内に記憶可能である。1つの例示的なマルチユーザマッピングシステムでは、サーバ540は、複数の移動局から範囲測定情報を収集でき、その範囲測定情報をデータベース550内に格納することが可能である。サーバ540は、移動局位置および無線送信機位置の同時推定をさらに実行でき、少なくともいくつかの推定された位置を1つまたは複数の移動局に通信することが可能である。一態様では、推定された移動局位置または無線送信機位置は、データベース550内にさらに記憶可能である。
【0153】
図6は、同時無線アクセスポイントマッピングおよび移動局測位に関する1つの例示的なプロセスの流れ図である。ブロック610において、実質的に位置が知られていない1つまたは複数の移動局から複数の範囲測定値を受信することが可能である。これらの複数の範囲測定値は、実質的に位置が知られていない1つまたは複数の無線送信機に対する1つまたは複数の範囲測定値と、実質的に位置が知られている1つまたは複数の無線送信機に対する1つまたは複数の範囲測定値とを含むことが可能である。ブロック620において、実質的に位置が知られていない1つまたは複数の移動局に関する位置と、実質的に位置が知られていない1つまたは複数の無線送信機に関する位置とを同時に決定することが可能である。特許請求される主題による例は、ブロック610および620のすべてを含むことが可能であり、ブロック610および620よりもより少ないブロックを含むことが可能であり、またはブロック610および620よりもより多いブロックを含むことも可能である。同様に、ブロック610および620の順序は、単なる1つの例示的な順序である。
【0154】
図7は、1つの例示的なミラー効果を示す概略ブロック図である。ミラー効果は、実質的に共線移動局軌道の場合、移動局軌道の両側に2つの等しく可能な位置特定が存在する状況を指す。図7に例示されるように、移動局は、ユーザ経路730に沿って移動することができ、異なる位置においてAP710から信号を受信することが可能である。そのような状況では、利用可能な範囲測定値740の数は、このAPをマッピングするために十分でなければならない。しかし、シード位置に応じて、そのようなマッピングは、結果として、AP710に関する真の位置をもたらす場合があり、または結果として、ミラー位置720をもたらす場合もある。AP710位置およびミラーAP720位置は移動局からの範囲関係を個々に満たすため、この状況が存在しうる。すなわち、ミラー効果は、結果として、推定において比較的大きな異常値をもたらす可能性がある。これは、移動局のユーザが実質的に直線で移動する場合、特に当てはまる可能性がある。
【0155】
図8は、複数種の測位によるミラー効果検出に関する1つの例示的なプロセスを示す概略ブロック図である。一態様では、複数のシード位置を試行でき、試行されたシード位置に基づいて、様々な位置特定を比較することが可能である。例えば、第1のシード位置810に少なくとも一部基づいて第1の位置特定を生成することが可能である。第1の位置特定820のミラーポイントを生成でき、このミラーポイントは、第2のシード位置840として利用可能である。第2の位置特定850は、第2のシード位置840に少なくとも一部基づいて決定可能である。さらなる態様では、正確な位置特定を決定するために、またはミラー効果を宣言するために、第1の位置特定820と第2の位置特定850とを比較することが可能である。ミラー効果が発見された場合、追加の範囲測定値が利用可能になった場合にその位置特定を再度訪問できるように、ミラー位置特定をデータベース内に記憶することが可能である。
【0156】
図9は、移動局100の1つの例示的な実装形態の概略ブロック図である。一態様では、移動局100は、SPS受信機910と、無線通信トランシーバ920とを含む。これにより、一態様では、移動局100は、SPS310など、1つまたは複数のSPSと、WiFiネットワークなど、1つまたは複数の地上無線ネットワークと通信することが可能である。別の態様では、移動局100は、位置特定情報を特定データベースメモリ930内に記憶するため、送信機情報を送信機データベースメモリ950内に記憶するため、および基地局アルマナック情報を基地局アルマナック記憶領域940内に記憶するために、一例では、区分化されたメモリデバイスをさらに含むことが可能である。
【0157】
さらなる態様では、移動局100は、例えば、この例では、推測航法動作において利用可能な慣性計測装置(IMU)970内に組み込まれる1つまたは複数のセンサを含むことが可能である。IMU970内または移動局100内のその他の場所の中に組み込むことが可能な例示的なセンサは、例えば、加速度計、ジャイロスコープ、コンパス、温度計、または磁気計のうちの1つもしくは複数を含みうる。しかし、特許請求される主題は、この点で限定されない。移動局100は、この例では、プロセッサ960をさらに含む。当然、これは、移動局の構成の単なる一例であり、特許請求される主題の範囲は、この点で限定されない。
【0158】
一態様では、複数の無線送信機に関する位置情報は、無線通信ネットワーク130内のアルマナックサーバ150など、ネットワークエンティティ内に記憶可能であるか、または無線ネットワーク内の幅広いその他のリソースのうちのいずれかの中に記憶可能である。さらに、一例では、無線送信機に関する位置情報は、経度および緯度を含むことが可能であり、別の例では、高度情報を含むことも可能である。しかし、これらは、無線送信機に関する位置情報の単なる例であり、特許請求される主題の範囲は、この点で限定されない。
【0159】
図10は、例えば、図1〜8に示された、同時無線送信機マッピングおよび移動局測位に関する例示的な技法に関して、上で説明された技法またはプロセスを実施するように構成可能な1つまたは複数のデバイスを含みうる1つの例示的なコンピューティングおよび通信環境1000を示す概略図である。システム1000は、例えば、ネットワーク1008を介して動作可能に一緒に結合されうる、第1のデバイス1002と、第2のデバイス1004と、第3のデバイス1006とを含むことが可能である。
【0160】
図10に示されるように、第1のデバイス1002、第2のデバイス1004、および第3のデバイス1006は、無線通信ネットワーク1008上でデータを交換するように構成可能でありうる任意のデバイス、器具、または機械を表すことが可能である。限定ではなく、例として、第1のデバイス1002、第2のデバイス1004、または第3のデバイス1006のいずれかは、例えば、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ワークステーション、サーバデバイスなど、1つもしくは複数のコンピューティングデバイスまたはコンピューティングプラットフォーム、例えば、携帯情報端末、モバイル通信デバイスなど、1つもしくは複数のパーソナルコンピューティングデバイスまたはパーソナルコンピューティング器具あるいはパーソナル通信デバイスまたはパーソナル通信器具、例えば、データベースサービスプロバイダまたはデータ記憶サービスプロバイダ/データベースサービスシステムまたはデータ記憶サービスシステム、ネットワークサービスプロバイダ/ネットワークサービスシステム、インターネットサービスプロバイダまたはイントラネットサービスプロバイダ/インターネットサービスシステムまたはイントラネットサービスシステム、ポータルエンジンサービスプロバイダまたは検索エンジンサービスプロバイダ/ポータルエンジンサービスシステムまたは検索エンジンサービスシステム、無線通信サービスプロバイダ/無線通信サービスシステムなど、コンピューティングシステムまたは関連するサービスプロバイダ機能、あるいはそれらの任意の組合せを含むことが可能である。第1のデバイス1002、第2のデバイス1004、または第3のデバイス1006は、それぞれ、本明細書で説明された例によれば、アルマナックサーバ、アクセスポイント、または移動局のうちの1つまたは複数を含むことが可能である。
【0161】
同様に、図10に示されるネットワーク1008は、第1のデバイス1002、第2のデバイス1004、および第3のデバイス1006のうちの少なくとも2つの間のデータの交換をサポートするように構成可能な1つもしくは複数の通信リンク、プロセス、またはリソースを表す。限定ではなく、例として、ネットワーク1008は、無線通信リンクもしくは有線通信リンク、電話システムもしくは通信システム、データバスもしくはデータチャネル、光ファイバ、地上リソースもしくは宇宙船リソース、ローカルエリアネットワーク、広域ネットワーク、イントラネット、インターネット、ルータもしくはスイッチなど、またはそれらの任意の組合せを含むことが可能である。例えば、第3のデバイス1006によって部分的に隠されているとして示される破線の囲みによって例示されるように、ネットワーク1008に動作可能に結合された追加の類似のデバイスが存在しうる。
【0162】
システム1000内に示される様々なデバイスおよびネットワークのすべてまたは一部、ならびに本明細書でさらに説明されるプロセスおよび方法は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、もしくはそれらの任意の組合せを使用して実施可能であるか、またはそれらを含むことが可能である点を理解されよう。
【0163】
したがって、限定ではなく、例として、第2のデバイス1004は、バス1028を介してメモリ1022に動作可能に結合された少なくとも1つの処理ユニット1020を含むことが可能である。
【0164】
処理ユニット1020は、データコンピューティング手順またはデータコンピューティングプロセスの少なくとも一部を実行するように構成可能な1つもしくは複数の回路を表す。限定ではなく、例として、処理ユニット1020は、1つまたは複数のプロセッサ、コントローラ、マイクロプロセッサ、マイクロコンとローラ、特定用途向け集積回路、デジタル信号プロセッサ、プログラマブル論理デバイス、フィールドプログラマブルゲートアレイなど、またはそれらの任意の組合せを含むことが可能である。
【0165】
メモリ1022は、任意のデータ記憶機構を表す。メモリ1022は、例えば、一次メモリ1024または二次メモリ1026を含むことが可能である。一次メモリ1024は、例えば、ランダムアクセスメモリ、読出し専用メモリなどを含むことが可能である。処理ユニット1020から別個であるとしてこの例で示されるが、一次メモリ1024のすべてまたは一部は、処理ユニット1020内に提供可能であるか、またはそうでない場合、処理ユニット1020と共同設置可能である/処理ユニット1020と結合可能である点を理解されたい。
【0166】
例えば、二次メモリ1026は、一次メモリ、または、例えば、ディスクドライブ、光ディスクドライブ、テープドライブ、固体メモリドライブなど、1つもしくは複数のデータ記憶デバイスまたはデータ記憶システムと同じタイプあるいは類似のタイプのメモリを含むことが可能である。ある種の実装形態では、二次メモリ1026は、コンピュータ可読媒体1040を動作可能に受け入れ可能であってよく、またはそうでない場合、コンピュータ可読媒体1040に結合するように構成可能であってよい。コンピュータ可読媒体1040は、例えば、システム1000内のデバイスのうちの1つもしくは複数に関するアクセス可能データ、コード、または命令を搬送することあるいは作成することが可能な任意の媒体を含みうる。コンピュータ可読媒体1040は、記憶媒体と呼ばれる場合もある。
【0167】
第2のデバイス1004は、例えば、少なくともネットワーク1008に対する第2のデバイス1004の動作可能な結合を実現するか、またはそうでない場合、当該結合をサポートする通信インターフェース1030を含むことが可能である。限定ではなく、例として、通信インターフェース1030は、ネットワークインターフェースデバイスまたはネットワークインターフェースカード、モデム、ルータ、スイッチ、トランジスタなどを含むことが可能である。
【0168】
第2のデバイス1004は、例えば、入出力1032を含むことが可能である。入出力1032は、人間もしくは機械による入力を受け入れるか、またはそうでない場合、当該入力を導入するように構成可能でありうる1つもしくは複数のデバイスまたは特徴、あるいは人間もしくは機械による出力を配信するか、またはそうでない場合、提供することが可能な1つもしくは複数のデバイスまたは特徴を表す。限定ではなく、例として、入出力デバイス1032は、動作可能に構成されたディスプレイ、スピーカ、キーボード、マウス、トラックボール、タッチスクリーン、データポートなどを含むことが可能である。
【0169】
本明細書で説明された方法論は、特定の例による応用に応じて、様々な様式によって実施可能である。例えば、そのような方法論は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、またはそれらの組合せの形で実施可能である。ハードウェア実装では、例えば、処理ユニットは、1つまたは複数の特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、デジタル信号処理デバイス(DSPD)、プログラマブル論理デバイス(PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコンとローラ、マイクロプロセッサ、電子デバイス、本明細書で説明された機能を実行するように設計されたその他のデバイスユニット、またはそれらの組合せの中で実施可能である。
【0170】
本明細書で言及される「命令」は、1つまたは複数の論理演算を表す式に関する。例えば、命令は、1つまたは複数のデータオブジェクト上で1つまたは複数の演算を実行するために機械によって解釈可能であることによって「機械可読」でありうる。しかし、これは命令の単なる一例であり、特許請求される主題は、この点で限定されない。別の例では、本明細書で言及される命令は、符号化コマンドを含むコマンドセットを有する処理回路によって実行可能な符号化コマンドに関する場合がある。そのような命令は、処理回路によって理解される機械言語の形で符号化されうる。この場合も、これらは命令の単なる例であり、特許請求される主題は、この点で限定されない。
【0171】
本明細書で言及される「記憶媒体」は、1つまたは複数の機械によって認知可能な式を維持できる媒体に関する。例えば、記憶媒体は、機械可読命令または機械可読情報を格納するための1つもしくは複数の記憶デバイスを含むことが可能である。そのような記憶デバイスは、例えば、磁気記憶媒体、光記憶媒体、または半導体記憶媒体を含めて、いくつかの媒体タイプのうちのいずれか1つを含むことが可能である。そのような記憶デバイスは、任意のタイプの長期メモリデバイス、短期メモリデバイス、揮発性メモリデバイス、または不揮発性メモリデバイスを含むことも可能である。しかし、これらは記憶媒体の単なる例であり、特許請求される主題は、これらの点で限定されない。
【0172】
詳細な説明の一部は、本明細書において、特定の装置、または専用コンピューティングデバイスもしくは専用プラットフォームのメモリ内に記憶された2進デジタル信号上の演算のアルゴリズムあるいは記号表現の点で提示される。この特定の明細書の文脈で、特定の装置などの用語は、その装置がプログラムソフトウェアからの命令に従って特定の機能を実行するようにプログラムされると、汎用コンピュータを含む。アルゴリズム記述または記号表現は、信号処理または関係する技術の当業者がその研究の内容を他の当業者に伝えるために使用される技法の例である。この場合、アルゴリズムは、一般に、所望される結果を導く動作または類似の信号処理の自己無撞着系列と見なされる。この文脈で、動作または処理は、物理量の物理的操作を必要とする。そうであるとは限らないが、典型的には、そのような数量は、記憶され、転送され、組み合わされ、比較され、もしくはそうでない場合、操作されうる電気信号または磁気信号の形をとることができる。主に、共通使用の理由により、そのような信号をビット、データ、値、要素、シンボル、文字、項、数、数字などと呼ぶことは、時には好都合であることが証明されている。しかし、これらの用語または類似の用語のすべては、適切な物理量と関連付けられることになり、単なる好都合なラベルである点を理解されたい。別段に明記されていない限り、以下の議論から明瞭なように、本明細書を通して、「処理」、「演算」、「計算」、「決定」などの用語を利用する議論は、専用コンピュータもしくは類似の専用電子コンピューティングデバイスなど、特定の装置の活動または処理を指す点を理解されたい。したがって、本明細書の文脈で、専用コンピュータまたは類似の専用電子コンピューティングデバイスは、通常、専用コンピュータあるいは類似の専用電子コンピューティングバイスのメモリ、レジスタ、またはその他の情報記憶デバイス、送信デバイス、もしくはディスプレイデバイスの中の物理的な電子量または磁気量として表される信号を操作あるいは変換することが可能である。
【0173】
本明細書で説明された無線通信技法は、無線広域ネットワーク(WWAN)、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)、無線パーソナルエリアネットワーク(WPAN)など、様々な無線通信ネットワークに関しうる。「ネットワーク」および「システム」という用語は、本明細書において交換可能に使用できる。WWANは、符号分割多元接続(CDMA)ネットワーク、時分割多元接続(TDMA)ネットワーク、周波数分割多元接続(FDMA)ネットワーク、直行周波数分割多元接続(OFDMA)ネットワーク、シングルキャリア周波数分割多元接続(SC-FDMA)ネットワーク、または上記のネットワークの任意の組合せなどであってよい。CDMAネットワークは、ほんのいくつかの無線技術を挙げると、cdma2000、広帯域CDMA(W-CDMA)など、1つまたは複数の無線アクセス技術(RAT)を実施できる。ここで、cdma2000は、IS-95標準、IS-2000標準、およびIS-856標準に従って実施された技術を含むことが可能である。TDMAネットワークは、移動体通信用グローバルシステム(GSM(登録商標))、デジタル先進移動電話システム(D-AMPS)、またはいくつかのその他のRATを実施することが可能である。GSM(登録商標)およびW-CDMAは、「第3世代パートナーシッププロジェクト」(3GPP)と名付けられた協会からの文書で説明されている。Cdma2000は、「第3世代パートナーシッププロジェクト2」(3GPP2)と名付けられた協会からの文書で説明されている。3GPP文書および3GPP2文書は、公に利用可能である。WLANは、IEEE802.11xネットワークを含むことが可能であり、WPANは、例えば、Bluetooth(登録商標)ネットワーク、IEEE 802.15xを含むことが可能である。本明細書で説明される無線通信実装形態は、WWAN、WLAN、またはWPANの任意の組合せに関して使用することも可能である。さらに、本明細書で説明される無線通信は、4G無線通信プロトコルに従って実行される無線通信を含むことが可能である。
【0174】
本明細書で使用される場合、「および」ならびに「または」という用語は、その用語が使用される文脈に少なくとも一部に依存することになる、様々な意味を含みうる。通常、A、B、またはCなど、リストを関連させるために使用される場合、「または」は、ここで包括的な意味で使用されるA、B、およびC、ならびに、ここで排他的な意味で使用されるA、B、またはCを意味することが意図される。本明細書を通して「一例」または「ある例」の参照は、その例に関して説明される特定の特徴、構造、または特性が特許請求される主題の少なくとも1つの例の中に含まれることを意味する。したがって、本明細書を通して様々な部分の「一例では」または「ある例では」という表現の出現は、すべて同じ例を指すとは限らない。さらに、1つまたは複数の例では、それらの特定の特徴、構造、または特性を組み合わせることが可能である。本明細書で説明される例は、デジタル信号を使用して動作する機械、デバイス、エンジン、または装置を含むことが可能である。そのような信号は、電子信号、光信号、電磁信号、または位置同士の間に情報を提供する任意の形のエネルギーを含むことが可能である。
【0175】
現在例示的な特徴と見なされるものが例示され、説明されているが、特許請求される主題から逸脱せずに、様々なその他の修正を行うことが可能であり、均等物を置換することが可能である点を当業者は理解されよう。加えて、本明細書で説明された主な概念から逸脱せずに、特定の状況を特許請求される主題の教示に適応させるために、多くの修正を行うことが可能である。したがって、特許請求される主題は、開示された特定の例に限定されることが意図されず、そのような特許請求される主題は、添付の請求項およびその均等物の中に包含されるすべての態様を含むことも可能であることが意図される。
【符号の説明】
【0176】
100 移動局
110 送信機タイプ
124 移動局
130 無線通信ネットワーク
132 無線通信ネットワーク
WLAN
134 無線通信ネットワーク
セルラネットワーク
140 インターネット
150 アルマナックサーバ
210 アンカー
220 アンカー
230 アンカー
240 非アンカー
250 非アンカー
260 非アンカー
310 SPS
320 無線送信機
330 移動局
340 地上波ソースマッピングサーバ
サーバ
地上波無線サーバ
350 地上波ソースデータベース
412 アンカー無線送信機
無線送信機
414 アンカー無線送信機
無線送信機
416 アンカー無線送信機
無線送信機
420 非アンカー無線送信機
無線送信機
430 移動局
440 地上波ソースマッピングサーバ
サーバ
450 地上波ソースデータベース
510 無線送信機
512 無線送信機
514 無線送信機
516 無線送信機
518 無線送信機
520 移動局
530 無線局
540 地上波ソースマッピングサーバ
サーバ
550 地上波ソースデータベース
データベース
610 ブロック
620 ブロック
710 AP
720 ミラー位置
ミラーAP
730 ユーザ経路
740 範囲測定値
810 第1のシード位置
820 第1の位置特定
840 第2のシード位置
850 第2の位置特定
910 SPS受信機
920 無線通信トランシーバ
930 特定データベースメモリ
932 入出力
入出力デバイス
940 基地局アルマナック記憶領域
950 送信機データベースメモリ
960 プロセッサ
970 慣性計測装置(IMU)
1000 コンピューティングおよび通信環境
システム
1002 第1のデバイス
1004 第2のデバイス
1006 第3のデバイス
1008 ネットワーク
1020 処理ユニット
1022 メモリ
1024 一次メモリ
1026 二次メモリ
1028 バス
1030 通信インターフェース
1032 入出力
入出力デバイス
1040 コンピュータ可読媒体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピューティングプラットフォームにおいて、位置が知られていない1つまたは複数の移動局から複数の範囲測定値を受信する段階であって、前記複数の範囲測定値が、位置が知られていない1つまたは複数の無線送信機に対する1つまたは複数の範囲測定値と、位置が知られている1つまたは複数の無線送信機に対する1つまたは複数の範囲測定値とを含む、受信する段階と、
位置が知られていない前記1つまたは複数の移動局に関する位置と、位置が知られていない前記1つまたは複数の無線送信機に関する位置とを同時に推定する段階と
を含む方法。
【請求項2】
位置が知られていない前記1つまたは複数の移動局に関する位置と、位置が知られていない前記1つまたは複数の無線送信機に関する位置とを前記同時に推定する段階が、最小二乗演算を利用して前記位置を同時に推定する段階を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
最小二乗演算を利用して前記位置を前記同時に推定する段階が、複数のシード位置を設定する段階と、前記複数のシード位置に少なくとも一部基づいて、複数の範囲推定値を計算する段階と、前記複数の範囲推定値と前記複数の範囲測定値との間の差異を計算する段階とを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記複数の範囲推定値と前記複数のそれぞれの範囲測定値との間の前記計算された差異に少なくとも一部基づいて、前記複数のシード位置を更新する段階をさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記複数の更新されたシード位置に少なくとも一部基づいて、前記複数の範囲推定値を再計算する段階と、前記再計算された複数の範囲推定値と前記複数の範囲測定値との間の差異を計算する段階とをさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記再計算された複数の範囲推定値と前記複数の範囲測定値との間の前記差異が指定された誤差しきい値未満であるかどうかを決定する段階と、
位置が知られていない前記1つまたは複数の移動局の前記位置と、位置が知られていない前記1つまたは複数の無線送信機の前記位置とを推定する段階と、
前記再計算された複数の範囲推定値と前記複数の範囲測定値との間の前記差異が前記指定された誤差しきい値未満であるという決定に少なくとも一部応答して、前記複数の更新されたシード位置に関して、位置が知られていない前記1つまたは複数の移動局の前記推定された位置と、位置が知られていない前記1つまたは複数の無線送信機の前記推定された位置とを利用する段階と
をさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
複数のシード位置を試行することによって、かつ前記試行されたシード位置に基づいて、位置特定を比較することによって、ミラー効果を検出する段階をさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項8】
1つまたは複数のミラー効果の検出に少なくとも一部応答して、1つまたは複数のミラー位置特定に関連する情報をデータベース内に記憶する段階と、
追加の範囲測定情報の可用性に少なくとも一部応答して、前記1つまたは複数のミラー位置特定のうちの1つまたは複数を再訪問する段階と
をさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
位置が知られている前記1つもしくは複数の無線送信機が、無線アクセスポイントまたはフェムトセルのうちの1つもしくは複数を含み、位置が知られていない前記1つもしくは複数の無線送信機も、無線アクセスポイントまたはフェムトセルのうちの1つもしくは複数を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
位置が知られていない前記1つまたは複数の移動局から前記複数の範囲測定値を前記受信する段階が、位置が知られていない複数の移動局から前記複数の範囲測定値を受信する段階を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
位置が知られていない前記1つまたは複数の移動局から前記複数の範囲測定値を前記受信する段階が、位置が知られていない1つの移動局から、それぞれの複数の時点において前記複数の範囲測定値を受信する段階を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記複数の範囲測定値を前記受信する段階が、到着時間、到着時差、ラウンドトリップ時間、または受信信号強度インジケータのうちの1つもしくは複数を受信する段階を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
位置が知られていない前記1つまたは複数の移動局から前記複数の範囲測定値を前記受信する段階が、位置が知られていない前記1つまたは複数の移動局からの前記複数の範囲測定値を経時的に集約する段階を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
位置が知られていない前記1つまたは複数の移動局に関する位置と、位置が知られていない前記1つまたは複数の無線送信機に関する位置とを前記同時に推定する段階が、前記集約された範囲測定値に少なくとも一部基づいて、前記1つまたは複数の無線送信機に関する位置の先の推定を精緻化する段階を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
位置が知られていない1つまたは複数の移動局から受信された複数の範囲測定値に少なくとも一部基づいて、位置が知られていない前記1つまたは複数の移動局に関する位置と、位置が知られていない1つまたは複数の無線送信機に関する位置とを同時する推定するための、コンピューティングプラットフォームのプロセッサによって実行可能な命令を記憶している記憶媒体を含む物品であって、
前記複数の範囲測定値が、位置が知られていない前記1つまたは複数の無線送信機に対する1つまたは複数の範囲測定値と、位置が知られている1つまたは複数の無線送信機に対する1つまたは複数の範囲測定値とを含む物品。
【請求項16】
前記記憶媒体が、少なくとも一部、最小二乗演算を利用して位置を同時に推定することによって、位置が知られていない前記1つまたは複数の移動局に関する前記位置と、位置が知られていない前記1つまたは複数の無線送信機に関する前記位置とを同時に推定するための、前記プロセッサによって実行可能な命令をさらに記憶している、請求項15に記載の物品。
【請求項17】
前記記憶媒体が、少なくとも、複数のシード位置を設定する段階と、前記複数のシード位置に少なくとも一部基づいて、複数の範囲推定値を計算する段階と、前記複数の範囲推定値と前記複数の範囲測定値との間の差異を計算する段階とによって、最小二乗演算を利用して前記位置を同時に推定するための、前記プロセッサによって実行可能な命令をさらに記憶している、請求項16に記載の物品。
【請求項18】
前記記憶媒体が、前記複数の範囲推定値と前記複数のそれぞれの範囲測定値との間の前記計算された差異に少なくとも一部基づいて、前記複数のシード位置を更新するための、前記プロセッサによって実行可能な命令をさらに記憶している、請求項17に記載の物品。
【請求項19】
前記記憶媒体が、
前記複数の更新されたシード位置に少なくとも一部基づいて、前記複数の範囲推定値を再計算するため、および
前記再計算された複数の範囲推定値と前記複数の範囲測定値との間の差異を計算するための、前記プロセッサによって実行可能な命令をさらに格納している、請求項18に記載の物品。
【請求項20】
前記記憶媒体が、
前記再計算された複数の範囲推定値と前記複数の範囲測定値との間の前記差異が指定された誤差しきい値未満であるかどうかを決定するため、
位置が知られていない前記1つまたは複数の移動局の前記位置と、位置が知られていない前記1つまたは複数の無線送信機の前記位置とを推定するため、および
前記再計算された複数の範囲推定値と前記複数の範囲測定値との間の前記差異が前記指定された誤差しきい値未満であるという決定に少なくとも一部応答して、前記複数の更新されたシード位置に関して、位置が知られていない前記1つまたは複数の移動局の前記推定された位置と、位置が知られていない前記1つまたは複数の無線送信機の前記推定された位置とを利用するための、前記プロセッサによって実行可能な命令をさらに格納している、請求項19に記載の物品。
【請求項21】
前記記憶媒体が、複数のシード位置を試行することによって、かつ前記試行されたシード位置に基づいて、位置特定を比較することによって、ミラー効果を検出するための、前記プロセッサによって実行可能な命令をさらに格納している、請求項17に記載の物品。
【請求項22】
前記記憶媒体が、
1つまたは複数のミラー効果の検出に少なくとも一部応答して、1つまたは複数のミラー位置特定に関連する情報をデータベース内に記憶するため、および
追加の範囲測定情報の可用性に少なくとも一部応答して、前記1つまたは複数のミラー位置特定のうちの1つまたは複数を再訪問するための、前記プロセッサによって実行可能な命令をさらに格納している、請求項21に記載の物品。
【請求項23】
位置が知られている前記1つもしくは複数の無線送信機が、無線アクセスポイントまたはフェムトセルのうちの1つもしくは複数を含み、位置が知られていない前記1つもしくは複数の無線送信機も、無線アクセスポイントまたはフェムトセルのうちの1つもしくは複数を含む、請求項15に記載の物品。
【請求項24】
位置が知られていない前記1つまたは複数の移動局から受信された前記複数の範囲測定値が、位置が知られていない複数の移動局から受信された複数の範囲測定値を含む、請求項15に記載の物品。
【請求項25】
位置が知られていない前記1つまたは複数の移動局から受信された前記複数の範囲測定値が、位置が知られていない単一の移動局から受信された、それぞれの複数の時点においてとられた複数の範囲測定値を含む、請求項15に記載の物品。
【請求項26】
前記複数の範囲測定値が、到着時間、到着時差、ラウンドトリップ時間、または受信信号強度インジケータのうちの1つもしくは複数を含む、請求項15に記載の物品。
【請求項27】
位置が知られていない前記1つまたは複数の移動局からの前記複数の範囲測定値が、位置が知られていない前記1つまたは複数の移動局からとられた前記複数の範囲測定値の経時的な集約を含む、請求項15に記載の物品。
【請求項28】
前記記憶媒体が、範囲測定値の前記集約に少なくとも一部基づいて、少なくとも一部、位置が知られていない前記1つまたは複数の無線送信機に関する位置の先の推定を精緻化することによって、位置が知られていない前記1つまたは複数の移動局の位置と、位置が知られていない前記1つまたは複数の無線送信機の位置とを同時に推定するための、前記プロセッサによって実行可能な命令をさらに格納している、請求項27に記載の物品。
【請求項29】
位置が知られていない1つまたは複数の移動局から複数の範囲測定値を受信するための通信インターフェースであって、前記複数の範囲測定値が、位置が知られていない1つまたは複数の無線送信機に対する1つまたは複数の範囲測定値と、位置が知られている1つまたは複数の無線送信機に対する1つまたは複数の範囲測定値とを含む、通信インターフェースと、
位置が知られていない前記1つまたは複数の移動局の位置と、位置が知られていない前記1つまたは複数の無線送信機の位置とを同時に推定するためのプロセッサと
を含むコンピューティングプラットフォーム。
【請求項30】
前記プロセッサが、少なくとも一部、最小二乗演算を利用して前記位置を同時に推定することによって、位置が知られていない前記1つまたは複数の移動局の位置と、位置が知られていない前記1つまたは複数の無線送信機の位置とを同時に推定する、請求項29に記載のコンピューティングプラットフォーム。
【請求項31】
前記プロセッサが、少なくとも一部、複数のシード位置を設定し、前記複数のシード位置に少なくとも一部基づいて、複数の範囲推定値を計算し、前記複数の範囲推定値と前記複数の範囲測定値との間の差異を計算することによって、最小二乗演算を利用して前記位置を同時に推定する、請求項30に記載のコンピューティングプラットフォーム。
【請求項32】
前記プロセッサがさらに、前記複数の範囲推定値と前記複数のそれぞれの範囲測定値との間の前記計算された差異に少なくとも一部基づいて、前記複数のシード位置を更新する、請求項31に記載のコンピューティングプラットフォーム。
【請求項33】
前記プロセッサがさらに、
前記複数の更新されたシード位置に少なくとも一部基づいて、前記複数の範囲推定値を再計算し、
前記再計算された複数の範囲推定値と前記複数の範囲測定値との間の差異を計算する、請求項32に記載のコンピューティングプラットフォーム。
【請求項34】
前記プロセッサがさらに、
前記再計算された複数の範囲推定値と前記複数の範囲測定値との間の前記差異が指定された誤差しきい値未満であるかどうかを決定し、
位置が知られていない前記1つまたは複数の移動局の前記位置と、位置が知られていない前記1つまたは複数の無線送信機の前記位置とを推定し、
前記再計算された複数の範囲推定値と前記複数の範囲測定値との間の前記差異が前記指定された誤差しきい値未満であるという決定に少なくとも一部応答して、前記複数の更新されたシード位置に関して、位置が知られていない前記1つまたは複数の移動局の前記推定された位置と、位置が知られていない前記1つまたは複数の無線送信機の前記推定された位置とを利用する、請求項33に記載のコンピューティングプラットフォーム。
【請求項35】
前記プロセッサがさらに、複数のシード位置を試行することによって、かつ前記試行されたシード位置に基づいて、位置特定を比較することによって、ミラー効果を検出する、請求項31に記載のコンピューティングプラットフォーム。
【請求項36】
1つまたは複数のミラー効果の検出に少なくとも一部応答して、1つまたは複数のミラー位置特定に関連する情報を記憶するためのメモリをさらに含み、前記プロセッサが、追加の範囲測定情報の可用性に少なくとも一部応答して、前記1つまたは複数のミラー位置特定のうちの1つまたは複数を再訪問する、請求項35に記載のコンピューティングプラットフォーム。
【請求項37】
位置が知られている前記1つまたは複数の無線送信機が、無線アクセスポイントまたはフェムトセルのうちの1つもしくは複数を含み、位置が知られていない前記1つもしくは複数の無線送信機も、無線アクセスポイントまたはフェムトセルのうちの1つもしくは複数を含む、請求項29に記載のコンピューティングプラットフォーム。
【請求項38】
前記通信インターフェースが、位置が知られていない複数の移動局から前記複数の範囲測定値を受信することによって、位置が知られていない前記1つまたは複数の移動局から前記複数の範囲測定値を受信する、請求項29に記載のコンピューティングプラットフォーム。
【請求項39】
前記通信インターフェースが、位置が知られていない1つの移動局から、それぞれの複数の時点において前記複数の範囲測定値を受信することによって、位置が知られていない前記1つまたは複数の移動局から前記複数の範囲測定値を受信する、請求項29に記載のコンピューティングプラットフォーム。
【請求項40】
前記通信インターフェースが、少なくとも一部、到着時間、到着時差、ラウンドトリップ時間、または受信信号強度インジケータのうちの1つまたは複数を受信することによって、前記複数の範囲測定値を受信する、請求項29に記載のコンピューティングプラットフォーム。
【請求項41】
前記通信インターフェースが、少なくとも一部、位置が知られていない前記1つまたは複数の移動局からの前記複数の範囲測定値を経時的に集約することによって、位置が知られていない前記1つまたは複数の移動局から前記複数の範囲測定値を受信する、請求項29に記載のコンピューティングプラットフォーム。
【請求項42】
前記プロセッサが、前記集約された範囲測定値に少なくとも一部基づいて、少なくとも一部、位置が知られていない前記1つまたは複数の無線送信機に関する位置の先の推定を精緻化することによって、位置が知られていない前記1つまたは複数の移動局に関する位置と、位置が知られていない前記1つまたは複数の無線送信機に関する位置とを同時に推定する、請求項41に記載のコンピューティングプラットフォーム。
【請求項43】
位置が知られていない1つまたは複数の移動局から複数の範囲測定値を受信するための手段であって、前記複数の範囲測定値が、位置が知られていない1つまたは複数の無線送信機に対する1つまたは複数の範囲測定値と、位置が知られている1つまたは複数の無線送信機に対する1つまたは複数の範囲測定値とを含む、受信するための手段と、
コンピューティングプラットフォームのプロセッサを少なくとも一部利用して、位置が知られていない前記1つまたは複数の移動局の位置と、位置が知られていない前記1つまたは複数の無線送信機の位置とを同時に推定するための手段と
を含む装置。
【請求項44】
位置が知られていない前記1つまたは複数の移動局の位置と、位置が知られていない前記1つまたは複数の無線送信機の位置とを同時に推定するための前記手段が、最小二乗演算を利用して前記位置を同時に推定するための手段を含む、請求項43に記載の装置。
【請求項45】
最小二乗演算を利用して前記位置を同時に推定するための前記手段が、複数のシード位置を設定するための手段と、前記複数のシード位置に少なくとも一部基づいて、複数の範囲推定値を計算するための手段と、前記複数の範囲推定値と前記複数の範囲測定値との間の差異を計算するための手段とを含む、請求項44に記載の装置。
【請求項46】
前記複数の範囲推定値と前記複数の範囲測定値との間の前記計算された差異に少なくとも一部基づいて、前記複数のシード位置を更新するための手段をさらに含む、請求項45に記載の装置。
【請求項47】
前記複数の更新されたシード位置に少なくとも一部基づいて、前記複数の範囲推定値を再計算するための手段と、前記再計算された複数の範囲推定値と前記複数の範囲測定値との間の差異を計算するための手段とをさらに含む、請求項46に記載の装置。
【請求項48】
前記再計算された複数の範囲推定値と前記複数の範囲測定値との間の前記差異が指定された誤差しきい値未満であるかどうかを決定するための手段と、
前記再計算された複数の範囲推定値と前記複数の範囲測定値との間の前記差異が前記指定された誤差しきい値未満であるという決定に少なくとも一部応答して、前記複数の更新されたシード位置を含めるために、位置が知られていない前記1つまたは複数の移動局に関する前記位置と、位置が知られていない前記1つまたは複数の無線送信機に関する前記位置とを推定するための手段と、
をさらに備える、請求項47に記載の装置。
【請求項49】
複数のシード位置を試行することによって、かつ前記試行されたシード位置に基づいて、位置特定を比較することによって、ミラー効果を検出するための手段をさらに含む、請求項45に記載の装置。
【請求項50】
1つまたは複数のミラー効果の検出に少なくとも一部応答して、1つまたは複数のミラー位置特定に関連する情報をデータベース内に記憶するための手段と、
追加の範囲測定情報の可用性に少なくとも一部応答して、前記1つまたは複数のミラー位置特定のうちの1つまたは複数を再訪問するための手段と
をさらに含む、請求項49に記載の装置。
【請求項51】
位置が知られている前記1つまたは複数の無線送信機が、無線アクセスポイントまたはフェムトセルのうちの1つもしくは複数を含み、位置が知られていない前記1つもしくは複数の無線送信機も、無線アクセスポイントまたはフェムトセルのうちの1つもしくは複数を含む、請求項43に記載の装置。
【請求項52】
位置が知られていない前記1つまたは複数の移動局から前記複数の範囲測定値を受信するための前記手段が、位置が知られていない複数の移動局から前記複数の範囲測定値を受信するための手段を含む、請求項43に記載の装置。
【請求項53】
位置が知られていない前記1つまたは複数の移動局から前記複数の範囲測定値を受信するための前記手段が、位置が知られていない1つの移動局から、それぞれの複数の時点において前記複数の範囲測定値を受信するための手段を含む、請求項43に記載の装置。
【請求項54】
前記複数の範囲測定値を受信するための前記手段が、到着時間、到着時差、ラウンドトリップ時間、または受信信号強度インジケータのうちの1つもしくは複数を受信するため手段を含む、請求項43に記載の装置。
【請求項55】
位置が知られていない前記1つまたは複数の移動局から前記複数の範囲測定値を受信するための前記手段が、位置が知られていない前記1つまたは複数の移動局からの前記複数の範囲測定値を経時的に集約するための手段を含む、請求項43に記載の装置。
【請求項56】
位置が知られていない前記1つまたは複数の移動局の位置と、位置が知られていない前記1つまたは複数の無線送信機の位置とを同時に推定するための前記手段が、前記集約された範囲測定値に少なくとも一部基づいて、前記1つまたは複数の無線送信機に関する位置の先の推定を精緻化するための手段を含む、請求項55に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2013−504760(P2013−504760A)
【公表日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−528939(P2012−528939)
【出願日】平成22年9月10日(2010.9.10)
【国際出願番号】PCT/US2010/048495
【国際公開番号】WO2011/032015
【国際公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【出願人】(507364838)クアルコム,インコーポレイテッド (446)
【Fターム(参考)】