説明

含窒素芳香族ヘテロシクリル化合物を含有する医薬組成物

【課題】本発明は、優れた血中脂質レベルの制御作用を有する化合物を提供する。
【解決手段】本発明は、一般式(I)[式中、A:5員含窒素芳香族ヘテロシクリル基;R1:COOH等;R2:アルキル等;R3:置換可フェニル、置換可フェニルアルキル等;m:0、1、2、3;n:0、1;R4、R5、R6、R7:H、アルキル等;B:置換可ナフチル、置換可芳香族へテロシクリル、式(II)(式中、B1、B2:置換可フェニル、置換可芳香族へテロシクリル)を有する基]を有する化合物またはその薬理上許容される塩等を提供する。
【化1】


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)
【化1】



[式中、Xを含むAは、含窒素5員芳香族ヘテロシクリル基を示し、Xは、炭素原子または窒素原子を示し、ただし、Aがチアゾリル基である場合を除き、
1は、カルボキシ基、カルボキシメチル基、または、テトラゾリル基を示し、
2は、独立して置換基群αから選択される基を示し、
3は、独立して、フェニル基、置換フェニル基(当該置換基は、独立して置換基群αから選択される1乃至4個の基を示す)、5乃至6員芳香族へテロシクリル基、置換5乃至6員芳香族へテロシクリル基(当該置換基は、独立して置換基群αから選択される1乃至4個の基を示す)、フェニル(C1−C6アルキル)基、置換フェニル(C1−C6アルキル)基(当該置換基は、独立して置換基群αから選択される1乃至4個の基を示す)、5乃至6員芳香族へテロシクリル(C1−C6アルキル)基、または、置換5乃至6員芳香族へテロシクリル(C1−C6アルキル)基(当該置換基は、独立して置換基群αから選択される1乃至4個の基を示す)を示し、
mは、0、1、2、または、3を示し、
nは、0または1を示し、ただし、mが3であるとき、nは0であり、
4、R5、R6、および、R7は、独立して、水素原子、C1−C6アルキル基、ハロゲノ(C1−C6アルキル)基、ヒドロキシ基、C1−C6アルコキシ基、または、ハロゲノ基を示し、
Bは、ナフチル基、置換ナフチル基(当該置換基は、独立して置換基群αから選択される1乃至4個の基を示す)、9乃至10員芳香族へテロシクリル基、置換9乃至10員芳香族へテロシクリル基(当該置換基は、独立して置換基群αから選択される1乃至4個の基を示す)、または、式(II)
【化2】


[式中、B1およびB2は、独立して、フェニル基、置換フェニル基(当該置換基は、独立して置換基群αから選択される1乃至4個の基を示す)、5乃至6員芳香族へテロシクリル基、または、置換5乃至6員芳香族へテロシクリル基(当該置換基は、独立して置換基群αから選択される1乃至4個の基を示す)を示す]を有する基を示し、
置換基群αは、C1−C6アルキル基、ヒドロキシ(C1−C6アルキル)基、(C1−C6アルコキシ)−(C1−C6アルキル)基、ハロゲノ(C1−C6アルキル)基、(C3−C8シクロアルキル)−(C1−C6アルキル)基、C3−C8シクロアルキル基、C2−C6アルケニル基、C2−C6アルキニル基、ヒドロキシ基、C1−C6アルコキシ基、ハロゲノ(C1−C6アルコキシ)基、C1−C6アルキルチオ基、C1−C6アルキルスルフィニル基、C1−C6アルキルスルホニル基、アミノ基、C1−C6アルキルアミノ基、ジ(C1−C6アルキル)アミノ基、ホルミルアミノ基、(C1−C6アルキル)カルボニルアミノ基、(C1−C6アルコキシ)カルボニルアミノ基、(C1−C6アルキル)スルホニルアミノ基、ホルミル基、(C1−C6アルキル)カルボニル基、カルボキシ基、(C1−C6アルコキシ)カルボニル基、カルバモイル基、(C1−C6アルキルアミノ)カルボニル基、ジ(C1−C6アルキル)アミノカルボニル基、アミノスルホニル基、(C1−C6アルキルアミノ)スルホニル基、ジ(C1−C6アルキル)アミノスルホニル基、シアノ基、ニトロ基、および、ハロゲノ基からなる群を示す。]を有する化合物またはその薬理上許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物。
【請求項2】
Aが、ピロリル基であり、Xが、炭素原子である、請求項1に記載された化合物またはその薬理上許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物。
【請求項3】
請求項1において、一般式(I-1)
【化3】


を有する化合物またはその薬理上許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物。
【請求項4】
請求項1において、一般式(I-3)
【化4】


[式中、R8aは、水素原子、C1−C6アルキル基、ヒドロキシ(C1−C6アルキル)基、(C1−C6アルコキシ)−(C1−C6アルキル)基、ハロゲノ(C1−C6アルキル)基、(C3−C8シクロアルキル)−(C1−C6アルキル)基、C3−C8シクロアルキル基、C2−C6アルケニル基、C2−C6アルキニル基、C1−C6アルキルスルホニル基、ホルミル基、(C1−C6アルキル)カルボニル基、(C1−C6アルコキシ)カルボニル基、カルバモイル基、(C1−C6アルキルアミノ)カルボニル基、ジ(C1−C6アルキル)アミノカルボニル基、アミノスルホニル基、(C1−C6アルキルアミノ)スルホニル基、または、ジ(C1−C6アルキル)アミノスルホニル基を示し、
2aは、独立して、C1−C4アルキル基、ハロゲノ(C1−C4アルキル)基、(C3−C6シクロアルキル)−(C1−C4アルキル)基、C3−C6シクロアルキル基、C2−C4アルケニル基、C2−C4アルキニル基、ヒドロキシ基、C1−C4アルコキシ基、ホルミル基、(C1−C4アルキル)カルボニル基、シアノ基、または、ハロゲノ基を示し、
kは、0、1、または、2を示す]を有する化合物またはその薬理上許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物。
【請求項5】
8aが、水素原子、C1−C4アルキル基、(C1−C2アルコキシ)−(C1−C4アルキル)基、(C3−C6シクロアルキル)−(C1−C4アルキル)基、ハロゲノ(C1−C4アルキル)基、C3−C6シクロアルキル基、C2−C4アルケニル基、または、C2−C4アルキニル基であり、
2aが、C1−C2アルキル基、ハロゲノ(C1−C2アルキル)基(当該ハロゲノ基は、フルオロ基およびクロロ基からなる群より選択される1乃至5個の基を示す)、C3−C4シクロアルキル基、シアノ基、フルオロ基、または、クロロ基であり、
kが、0または1である、請求項4に記載された化合物またはその薬理上許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物。
【請求項6】
8aが、C1−C4アルキル基であり、
kが、0である、請求項4に記載された化合物またはその薬理上許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物。
【請求項7】
8aが、エチル基であり、
kが、0である、請求項4に記載された化合物またはその薬理上許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物。
【請求項8】
請求項1において、一般式(I-4)
【化5】


[式中、R3aは、フェニル(C1−C2アルキル)基、または、置換フェニル(C1−C2アルキル)基(当該置換基は、独立して置換基群α1から選択される1乃至3個の基を示す)を示し、
置換基群α1は、C1−C2アルキル基、ハロゲノ(C1−C2アルキル)基(当該ハロゲノ基は、フルオロ基およびクロロ基からなる群より選択される1乃至5個の基を示す)、フルオロ基、および、クロロ基からなる群を示す]を有する化合物またはその薬理上許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物。
【請求項9】
3aが、フェニルメチル基、または、置換フェニルメチル基(当該置換基は、独立して置換基群α2から選択される1乃至3個の基を示す)であり、
置換基群α2は、メチル基、トリフルオロメチル基、および、フルオロ基からなる群を示す、請求項8に記載された化合物またはその薬理上許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物。
【請求項10】
請求項1において、一般式(I-2)
【化6】


を有する化合物またはその薬理上許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物。
【請求項11】
請求項1において、一般式(I-5)
【化7】


[式中、R8bは、水素原子、C1−C4アルキル基、(C1−C2アルコキシ)−(C1−C4アルキル)基、ハロゲノ(C1−C4アルキル)基、C3−C6シクロアルキル基、C2−C4アルケニル基、または、C2−C4アルキニル基を示す]を有する化合物またはその薬理上許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物。
【請求項12】
8bが、C1−C4アルキル基である、請求項11に記載された化合物またはその薬理上許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物。
【請求項13】
1が、カルボキシ基である、請求項1乃至12のいずれかに記載された化合物またはその薬理上許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物。
【請求項14】
4、R5、R6、および、R7が、独立して、水素原子、C1−C2アルキル基、ハロゲノ(C1−C2アルキル)基(当該ハロゲノ基は、フルオロ基およびクロロ基からなる群より選択される1乃至5個の基を示す)、フルオロ基、または、クロロ基である、請求項1乃至13のいずれかに記載された化合物またはその薬理上許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物。
【請求項15】
4、R5、R6、および、R7が、独立して、水素原子またはフルオロ基である、請求項1乃至13のいずれかに記載された化合物またはその薬理上許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物。
【請求項16】
4およびR5が、独立して、水素原子またはフルオロ基であり、R6およびR7が、水素原子である、請求項1乃至13のいずれかに記載された化合物またはその薬理上許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物。
【請求項17】
Bが、ナフチル基または置換ナフチル基(当該置換基は、独立して置換基群α3から選択される1乃至3個の基を示す)であり、
置換基群α3は、C1−C2アルキル基、ハロゲノ(C1−C2アルキル)基(当該ハロゲノ基は、フルオロ基およびクロロ基からなる群より選択される1乃至5個の基を示す)、ヒドロキシ基、C1−C2アルコキシ基、フルオロ基、および、クロロ基からなる群を示す、請求項1乃至16のいずれかに記載された化合物またはその薬理上許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物。
【請求項18】
Bが、式(IIa)
【化8】


[式中、B1aは、フェニル基、置換フェニル基(当該置換基は、独立して置換基群α4から選択される1乃至3個の基を示す)、5員芳香族へテロシクリル基、または、置換5員芳香族へテロシクリル基(当該置換基は、独立して置換基群α4から選択される1乃至3個の基を示す)を示し、
2aは、フェニル基、置換フェニル基(当該置換基は、独立して置換基群α5から選択される1乃至3個の基を示す)、ピリジル基、または、置換ピリジル基(当該置換基は、独立して置換基群α5から選択される1乃至3個の基を示す)を示し、
置換基群α4は、C1−C4アルキル基、ハロゲノ(C1−C4アルキル)基、(C3−C6シクロアルキル)−(C1−C4アルキル)基、C3−C6シクロアルキル基、C1−C4アルコキシ基、ホルミル基、(C1−C4アルキル)カルボニル基、シアノ基、フルオロ基、クロロ基、および、ブロモ基からなる群を示し、
置換基群α5は、C1−C4アルキル基、ハロゲノ(C1−C4アルキル)基、ヒドロキシ基、C1−C4アルコキシ基、フルオロ基、クロロ基、および、ブロモ基からなる群を示す]を有する基である、請求項1乃至16のいずれかに記載された化合物またはその薬理上許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物。
【請求項19】
Bが、式(IIb)
【化9】


[式中、B1bは、含窒素5員芳香族へテロシクリル基、または、置換含窒素5員芳香族へテロシクリル基(当該置換基は、独立して置換基群α6から選択される1乃至2個の基を示す)を示し、
2bは、フェニル基、置換フェニル基(当該置換基は、独立して置換基群α7から選択される1乃至2個の基を示す)、ピリジル基、または、置換ピリジル基(当該置換基は、独立して置換基群α7から選択される1乃至2個の基を示す)を示し、
置換基群α6は、C1−C4アルキル基、ハロゲノ(C1−C2アルキル)基(当該ハロゲノ基は、フルオロ基およびクロロ基からなる群より選択される1乃至5個の基を示す)、(C3−C4シクロアルキル)−(C1−C2アルキル)基、C3−C4シクロアルキル基、(C1−C2アルキル)カルボニル基、シアノ基、フルオロ基、および、クロロ基からなる群を示し、
置換基群α7は、C1−C2アルキル基、ヒドロキシ基、フルオロ基、および、クロロ基からなる群を示す]を有する基である、請求項1乃至16のいずれかに記載された化合物またはその薬理上許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物。
【請求項20】
Bが、式(IIc)
【化10】


[式中、B1cは、下記群より選択される基、または、置換された下記群より選択される基(当該置換基は、独立して置換基群α8から選択される1個の基を示す)を示し、
【化11】


2cは、フェニル基、または、4−ヒドロキシフェニル基を示し、
置換基群α8は、C1−C4アルキル基、ハロゲノ(C1−C2アルキル)基(当該ハロゲノ基は、フルオロ基およびクロロ基からなる群より選択される1乃至5個の基を示す)、シクロプロピル基、メチルカルボニル基、シアノ基、フルオロ基、および、クロロ基からなる群を示す]を有する基である、請求項1乃至16のいずれかに記載された化合物またはその薬理上許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物。
【請求項21】
Bが、式(IId)
【化12】


[式中、B1dは、下記群より選択される基、または、置換された下記群より選択される基(当該置換基は、置換基群α9から選択される1個の基を示す)を示し、
【化13】


置換基群α9は、メチル基、エチル基、および、クロロ基からなる群を示す]を有する基である、請求項1乃至16のいずれかに記載された化合物またはその薬理上許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物。
【請求項22】
4−{3−[2−(4−ヒドロキシフェニル)チアゾール−5−イル]プロパノイル}アミノ−1−エチルピロール−3−カルボン酸;
4−{3−[2−(4−ヒドロキシフェニル)チアゾール−5―イル]−2−フルオロプロパノイル}アミノ−1−エチルピロール−3−カルボン酸;
4−{3−[3−(4−ヒドロキシフェニル)−4−エチルイソキサゾール−5―イル]プロパノイル}アミノ−1−エチルピロール−3−カルボン酸;
4−{3−[−4−クロロ−(4−ヒドロキシフェニル)イソキサゾール−5−イル]プロパノイル}アミノ−1−エチルピロール−3−カルボン酸;
4−{3−[4−エチル−(4−ヒドロキシフェニル)イソキサゾール−5−イル]プロパノイル}アミノ−1−エチルピロール−3−カルボン酸;
4−{3−[(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルイソキサゾール−5−イル]プロパノイル}アミノ−1−エチルピロール−3−カルボン酸;
4−{3−[2−(4−ヒドロキシフェニル)チアゾール−5―イル]−2,2−ジフルオロプロパノイル}アミノ−1−エチルピロール−3−カルボン酸;
4−{3−[4−エチル−3−(4−ヒドロキシフェニル)イソキサゾール−5−イル]−2,2−ジフルオロプロパノイル}アミノ−1−エチルピロール−3−カルボン酸;
4−{3−[4−エチル−5−(4−ヒドロキシフェニル)イソキサゾール−3−イル]−2,2−ジフルオロプロパノイル}アミノ−1−エチルピロール−3−カルボン酸;
4−{3−[4−クロロ−5−(4−ヒドロキシフェニル)イソキサゾール−3−イル]−2−フルオロプロパノイル}アミノ−1−エチルピロール−3−カルボン酸;
4−{3−[3−(4−ヒドロキシフェニル)イソキサゾール−5−イル]−2−フルオロプロパノイル}アミノ−1−エチルピロール−3−カルボン酸、および;
4−{3−[3−(4−ヒドロキシフェニル)イソキサゾール−5−イル]−2,2−ジフルオロプロパノイル}アミノ−1−エチルピロール−3−カルボン酸
からなる群より選択される、請求項1に記載された化合物またはその薬理上許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物。
【請求項23】
高脂血症、異常脂質血症、脂質代謝異常症、動脈硬化症、または、II型糖尿病の治療もしくは予防のための請求項1乃至22のいずれかに記載された医薬組成物。
【請求項24】
異常脂質血症の治療もしくは予防のための請求項1乃至22のいずれかに記載された医薬組成物。
【請求項25】
脂質代謝異常症の治療もしくは予防のための請求項1乃至22のいずれかに記載された医薬組成物。


【公開番号】特開2011−157349(P2011−157349A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−970(P2011−970)
【出願日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【出願人】(307010166)第一三共株式会社 (196)
【Fターム(参考)】