説明

吸着パッドを加工するための装置及びその加工方法

本発明は、半導体製造工程におけるパッケージまたはストリップを吸着する時に使われる吸着パッドを加工するための装置及びその加工方法に関するものであって、吸着パッド加工装置は、被加工物が安着する被加工物移送部と、上記被加工物移送部の上部に所定間隔を置いて設けられるレーザ発生装置と、上記被加工物移送部と上記レーザ発生装置との相対移動を発生させる移送手段と、上記レーザ発生装置を制御する制御装置とを含んで、吸着パッドの用途やパッケージのサイズによってパターンの形態及び大きさを多様に精密加工することができ、これを標準化することで、加工時間及び費用を最小化することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体製造工程におけるパッケージまたはストリップを吸着する時に使われる吸着パッドを加工するための装置及びその加工方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、半導体製造工程は、FAB(Fabrication)工程とアセンブリ(Assembly)工程とに大別されるが、FAB工程ではシリコンウエハの上に集積回路を設計して半導体チップを形成し、アセンブリ工程では半導体チップにリードフレーム付着、上記半導体チップとリードフレームとの間の通電のためのワイヤボンディング(Wire bonding)あるいはソルダボール(Solder ball)を形成するソルダリング工程、そして、エポキシなどのレジン(Resin)などを用いたモルディング工程などを順次に進行して半導体ストリップ(Package Strip)を形成することになる。
【0003】
このような半導体ストリップは、今後ソーイング(Sawing)装置の被加工物移送部に安着して真空吸着された後、切断装置に移送されて断絶刃(回転ブレード)により個別的なパッケージ形態で切断され、切断された各々のパッケージは移送用ピッカー(Picker)により積載部等、所定の場所へ移送される。この際、切断のために半導体ストリップを真空吸着する被加工物移送部や、切断されたパッケージを移送するピッカーにはパッケージを真空吸着するための吸着パッドが付着される。
【0004】
本発明は、このようにソーイング装置の吸着パッドに適用可能であるだけでなく、ピックアンドプレイス(Pick & place)装置、その他の全ての半導体製造用装置に使われる吸着パッドに適用可能である。しかしながら、本発明を説明するにあって、便宜上、ソーイング装置に使われる吸着パッドが記述される。
【0005】
このような吸着パッドを加工する方法には、金型枠にゴムを投入して熱と圧を加えて成型する方法があるが、これを図1を参照して説明すれば、次の通りである。
【0006】
まず、図1は、半導体パッケージ吸着に使われる吸着パッドを示すものであって、半導体ストリップを吸着するための複数個のパッケージ吸着空間11がマトリックス(Matrix)状で設けられて、各吸着空間11の中央には真空のための真空ホール13が形成されている。上記各吸着空間11はパッケージを切断するに使用される回転ブレード(Blade)を所定深さで収容するためのブレード収容溝15により区切られ、半導体ストリップを吸着パッドに載置し、真空吸着した状態で、ブレードを回転させて、上記ブレードがブレード収容溝15に所定深さで収容されるまで進行させれば、半導体ストリップは個別的なパッケージに切断される。
【0007】
このように、半導体ストリップを切断して個別的なパッケージに作る工程は、ソーイング(Sawing)装置でなされて、上記ソーイング装置には半導体ストリップを真空吸着する時にパッケージの損傷を防止するために吸着パッドが使われて、また半導体ストリップをソーイング装置へ移送したり、あるいはソーイング装置で切断された個別的なパッケージを別途の積載場所へ移送するに用いられるピッカー(Picker)にも吸着パッドが付着されるところ、このような吸着パッドを製造するためには、金型枠にゴムの原材料を投入して熱と圧を加えて成型する方法が用いられている。
【0008】
しかしながら、前述の方法は、加工しようとする吸着パッドの種類や形態によって、各々に合うモールド金型装置を別途に製作しなければならないので、それに伴う費用と時間が過度にかかるという問題点があった。
【0009】
また、前述の方法により製造された吸着パッドをモールド金型装置から取り離せば、上記吸着パッドは高温から常温へ温度が降りることになり、これはゴム材質の特性上、収縮が生じることになって、各吸着空間の大きさが縮小したり変形をもたらすことになる。勿論、これを防止するために、予め金型を製作する時、収縮可能性を念頭に置いて型枠を実際より大きく製作することはできるが、このような方法は吸着パッドを精密に加工することができなくなる。特に、半導体パッケージの高集積化によって、パッケージが小型化していることを勘案すれば、上記のモールド金型装置を用いる方法は、真空吸着のための真空ホールの大きさや全体的な吸着空間が微細化して、高精度が要求される吸着パッドは加工が不可能であった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、前述した問題点を解決するために案出したものであって、レーザを用いてパッケージ移送及び切断などの工程で使われる吸着パッドを精密に加工できる半導体製造工程用吸着パッド加工装置及び加工方法を提供することをその目的とする。
【0011】
本発明の他の目的は、レーザを用いて吸着パッドを多様なパターン及び大きさで容易に製作できるので、加工時間及び費用を最小化することができる半導体製造工程用吸着パッド加工装置及び加工方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するための本発明の半導体製造工程用吸着パッド加工装置は、被加工物が安着する被加工物移送部と、上記被加工物移送部の上部に所定間隔を置いて設けられるレーザ発生装置と、上記被加工物移送部と上記レーザ発生装置との相対移動を発生させる移送手段と、上記レーザ発生装置を制御する制御装置とを含んでなることを特徴とする。
【0013】
上記制御装置は、上記レーザ発生装置と通信ケーブルにより連結され、上記被加工物を加工するための加工条件を設定する加工条件設定部と、上記加工条件設定部により設定された加工条件によって上記レーザ発生装置を制御する加工プログラム部とを含む。
【0014】
上記加工条件設定部は、被加工部のパターン情報を設定するパターン設定部と、上記レーザ発振部から出力されるレーザの強さ情報を設定するレーザ出力設定部と、被加工物移送部の移送速度及び反復回数情報を設定する加工モード設定部から構成されることができる。
【0015】
上記吸着パッド加工装置は、上記被加工物が加工される時に発生されるダストを除去するダスト除去装置を更に含み、かつ、上記ダスト除去装置は、上記レーザ発生装置の隣りに設置され、上記被加工物に向けて高圧のエアーを噴射するエラーブロワと、上記エアーブロワと対向するように設置され、上記エアーブロワから噴射されたエアーにより上記被加工物から除去されるダストが流入されるサクションフードと、上記サクションフードを通じて流出されたダストが投入されるダストコレクタからなっている。
【0016】
上記被加工物移送部は、X軸及びZ軸方向へ移送可能に設けられることができる。
【0017】
上記レーザ発生装置は、所定の深さまたは貫通加工のためにレーザを複数回繰り返して照射するように設計される。
【0018】
上記被加工物移送部は一対で備えられることができる。
【0019】
また、本発明の半導体製造工程用吸着パッド加工方法は、上記被加工物を加工するための加工条件を設定する段階と、被加工物をレーザ発生装置に整列させる段階と、上記設定された加工条件によって上記被加工物にレーザを照射して希望するパターンに加工する段階とを含んでなることを特徴とする。
【0020】
上記加工条件を設定する段階は、上記被加工物にパターニングされるパターンの形態、大きさなどのパターン情報を設定する段階と、上記レーザの強さ情報を設定する段階と、被加工物移送部の移送速度及び反復回数情報を設定する段階からなることができる。
【0021】
上記被加工物にレーザを照射して希望するパターンに加工する段階は、所定の深さ、または貫通加工のために、レーザを複数回繰り返して照射する。
【0022】
上記レーザは、上記被加工物の材質によって電流及び周波数が可変されるように制御される。
【0023】
上記レーザはYAGレーザであり得る。
【0024】
上記レーザの電流は、38A、10,000Hzであり、上記被加工物移送部の加工速度は100〜450mm/sの範囲を有するように設計されることができる。
【0025】
上記加工条件を設定する段階は、被加工物にパターニングされるパターンの形態、大きさ、加工深さなどのパターン情報によって最適化されたレーザの強さ情報と、被加工物移送部の移送方向及び速度などの加工情報が予めデータ化されており、上記パターン情報によって加工条件が自動で設定されることができる。
【0026】
上記加工条件を設定する段階は、レーザの強さによって最適化された被加工物移送部の加工速度が予めデータ化されており、レーザの強さによって被加工物移送部の加工速度が自動で設定されることができる。
【0027】
上記設定された加工条件によって上記被加工物にレーザを照射して希望するパターンの吸着パッドを加工した後、上記吸着パッドの周りに沿って複数個のソルダボール安置溝を加工する段階を更に含むことができる。
【0028】
また、本発明による半導体製造工程用吸着パッドの加工方法は、被加工物をモルディングなどの機械的加工装置により1次成型する段階と、1次成型された状態を考慮して2次加工条件を設定する段階と、1次成型された被加工物をレーザ加工装置に整列させる段階と、2次加工条件によって被加工物にレーザを照射して希望するパターンに2次成型する段階とを含んでなることができる。
【0029】
上記2次加工条件を設定する段階は、上記被加工物に形成されたパターンの形態、大きさなどのパターン情報を設定する段階と、上記被加工物の材質によって上記レーザの強さを設定する段階と、上記被加工物移送部の移送速度、反復回数などの加工情報を設定する段階とからなることができる。
【発明の効果】
【0030】
以上、前述したように、本発明の半導体製造工程用吸着パッド加工装置及び加工方法は、次のような効果が得られる。
【0031】
吸着パッドの吸着空間、真空ホール及びブレード収容溝などをレーザを用いて加工するので、より精密な加工が可能であり、これでパッケージが安着する吸着空間を最大限広く確保することができるので、半導体ストリップの切断に使われるソーイング装置やパッケージを適所に移送するピッカーがパッケージをより安定に吸着することができる。
【0032】
また、吸着パッドの用途やパッケージのサイズによって、パターンの形態及び大きさを多様に精密加工することができ、これを標準化することで、加工時間及び費用を最小化することができる。
【0033】
また、パターンの形態や大きさ別の最適の加工条件をデータベース化して適用することによって、一定の大きさ及び形態の吸着パッドを簡便で、かつ効率的に加工することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、本発明の実施形態による半導体製造工程用吸着パッド加工装置及び加工方法を添付図面を参照しつつ説明する。
【0035】
図2は本発明の一実施形態による半導体製造工程用吸着パッド加工装置の構成図であり、図3は側面図であり、図4は本発明の実施形態によるレーザ発生装置のブロック構成図である。
【0036】
まず、図2乃至図3に示すように、本発明の半導体製造工程用吸着パッド加工装置は、大別して、ゴム材質、スポンジ、またはシリコン材質の被加工物41が上げられ、選択的にX軸、Y軸、びZ軸方向へ移動可能な被加工物移送部43と、上記被加工物41にレーザを出射して被加工物41に希望するパターンを加工するレーザ発生装置45、及びレーザ発生装置45を制御する制御装置61(図5に図示)を含んで構成される。
【0037】
ここで、被加工物41は、半導体ストリップを個別的なパッケージに切断するために、上記半導体ストリップを真空吸着する被加工物移送部43や切断されたパッケージを移送するピッカーに付着される吸着パッドを加工する原材料であって、その材質は天然ゴム及び弾性重合体(Elastomer)に代表されるゴム材質であり、望ましくは、天然ゴムや合成ゴムであり、弾性プラスチック(低密度ポリエチレン軟質塩化ビニールプラスチック)なども含まれる。また、被加工物41の材質としては、ニトリルブタジエンゴム(NBR)、弗素ゴム、シリコンゴム、発泡シリコンゴム(シリコンスポンジ)が使われることができ、設計条件によってスポンジなどが使われることもできる。
【0038】
上記半導体製造工程用吸着パッド加工装置は、被加工物移送部43をY軸方向に移動させるための移送手段と、被加工物移送部43をX軸方向に移動させるための第2移送手段及び被加工物移送部43をZ軸方向に移動させるための第3移送手段とを具備する。
【0039】
図2乃至第3に示すように、被加工物移送部43は、Y軸方向に設置された第1ガイドレール47に沿ってY軸方向に移動される第1移送板49の上面に固定設置される。そして、第1移送板49は、X軸方向に設置された第2ガイドレール51に沿ってX軸方向へ移動される第2移送板53の上面に設けられる。第1、第2移送板49、53は、その下部が各々の第1、第2ガイドレール47、51に沿って設置されたボールスクリュー(図示せず)とねじ結合されてモータ(図示せず)によるボールスクリューの回転によりY軸及びX軸方向へ移動される移動メカニズムを有する。即ち、第1移送手段は、第1ガイドレール47、第1移送板49、及びボールスクリューの組合せにより構成されており、第2移送手段は、第2ガイドレール51、第2移送板53、及びボールスクリューの組合せにより構成されている。
【0040】
また、被加工物移送部43は、Z軸方向へ移動できるように構成され、第1、第2移送板49、53と同様に、ガイドレールとボールスクリューで移動メカニズムを構成することができ、シリンダで構成することもできる。したがって、被加工物移送部43を始めとして、第1、第2移送板49、53の移動メカニズムは、多様な形態で構成されることができる。
【0041】
図4に示すように、レーザ発生装置45は、上記制御装置の制御下に被加工物41を加工するためのレーザを出力するレーザ発振部45aと、レーザ発振部45aから出力されるレーザを被加工物移送部43の正面の上段に位置する加工ヘッド45bに反射する反射鏡45cを含んで構成される。この際、加工ヘッド45bの内径には反射鏡45cを通じて入射されるレーザを集光して被加工物41に出射する集光レンズ45dが設けられる。
【0042】
レーザ発生装置45から出力されるレーザの強さ(電流、周波数などにより定義される)は、被加工物41の材質や加工深さなどによって多様に調節することができる。本実施形態では、150,000Hz内外の周波数を有するダイオードポンピング(Diode pumping)方式の10WのYAG(Yttrium Aluminum Garnetの略字)レーザが使われた。このようなYAGレーザは、固体レーザの一種であって、YAGの結晶にNd3+をドープ(dope)したロードをキセノンランプにより光エネルギーを与えてレーザ発振をする。
【0043】
一方、レーザ発生装置45には、YAGレーザの他にも、Co気体レーザが使われることができる。上記Co気体レーザは、利得媒質として気体状態であるCoを使用するため、気体レーザといい、利得媒質にはCoの他にもNも入っている。このようなCo気体レーザは、励起方式として光ポンピング方式と放電励起方式が選択的に使われる。この他にも、多様な方式のレーザ発生装置が使用可能である。
【0044】
一方、レーザ発生装置45を制御する制御装置は、加工プログラムが搭載され、レーザ発生装置45と通信可能なPCであって、レーザ発生装置45と各種通信ケーブル(RS−232Cケーブル、LAN線等)により連結されて遠隔地でも制御可能に構成されることが望ましい。また、上記制御装置は、第1、第2移送板49、53及び被加工物移送部43を移動させるための各種モータやシリンダを制御するためのモータコントローラなどともケーブルなどにより連結されて、これらを制御できるように構成される。一方、上記制御装置は、設計条件によってレーザ発生装置45のパネルに直接付着されることもできる。
【0045】
このような制御装置61は、図5に示すように、加工条件を設定するための加工条件設定部61aを含み、加工条件設定部61aを通じて入力された加工条件によって、加工プログラム61bが駆動されて、レーザ発振部45aをプログラムされた加工メカニズムに従って適切に制御する。
【0046】
加工条件設定部61aは、パターン設定部63a、レーザ出力設定部63b、及び加工設定部63cから構成されている。パターン設定部63aは、加工されるパターンの大きさ及び形態、被加工物に区画された個別吸着部センター指定、個別吸着部個数指定、個別吸着部距離指定、複数の吸着部からなるグループ個数指定、グループ間距離など、パターン情報を設定する要素である。レーザ出力設定部63bは、レーザ発振部45aから出力されるレーザの強さ、即ち周波数、電流などを設定する。加工設定部63cは、加工深さを指定するための反復回数、被加工物移送部43の移送方向及び移送速度、ハッチング(レーザビームスポットの重ね度合い)などの加工情報を設定する。
【0047】
即ち、加工条件設定部61aは、加工されるパターン情報、レーザ発振部45aから出力されるレーザの強さ(電流、周波数等)情報、被加工物移送部43の移送速度など、加工に必要な各種情報の設定を通じて被加工物41を要求条件の通り加工できるように制御する。
【0048】
一方、本発明による加工条件設定部63aのパターン設定部63aは、加工されるパー端の大きさ及び形態など、パターン情報のみを設定し、加工設定部63cが被加工物に区画された個別吸着部センター指定、個別吸着部個数指定、個別吸着部距離指定、複数の吸着部からなるグループ個数指定、グループ間距離情報を設定すると共に、被加工物移送部43の加工速度、加工深さを指定するための反復回数、ハッチングなどの情報を設定するように設計されることができる。
【0049】
一方、本実施形態では、被加工物のパターンの設定とパターン別加工モードの設定のための入力部が別途に存在するように設計されているが、設計条件によってパターンの設定と加工モード設定を一つの入力部を通じて入力するように設計されることができる。
【0050】
そして、このような加工条件は予めデータ化して登録して置くことによって、被加工物41にパターニングされるパターンの形態、大きさ及び加工深さなどによって、それに適したレーザの強さ、被加工物移送部43の移送方向、速度、第1、第2移送板49、53の移送方向などの加工情報等が連動されて、自動で設定できるようにすることができる。即ち、加工条件別に最適のレーザ強さなどを含んだ各装備(被加工物移送部、移送板等)の移動メカニズムが連動されて加工条件を新しく設定する度に、上記レーザの強さなどを新しく設定しなければならない面倒さをなくして、これらの加工条件を標準化することで、高品質の吸着パッドが得られる。例えば、加工深さの場合、加工回数によって比例するので、被加工物を所定の深さで加工しようとする場合、反復加工回数を予め計算して貯蔵して置いてから、自動で加工回数が設定されるように設計されることができる。
【0051】
このように構成された本発明の実施形態による半導体製造工程用吸着パッド加工装置は、被加工物移送部43の上に、ゴム、スポンジ、あるいはシリコン材質の被加工物41を載置した後、加工条件を設定した後、(または、条件別に既設定された項目を選択した後)、ビジョン検査結果によって移送部43を移動して被加工物41を整列し、レーザ発生装置45に電源を印加して所定の強さを有するレーザが出力されるようにする。このように出力されたレーザは、反射鏡45cにより反射されて加工ヘッド45bの集光レンズ45dを通じて被加工物41に照射されてプログラムされた加工メカニズムに従って被加工物41を加工することになる。
【0052】
この際、被加工物41は、レーザが高温であるので、もし加工面が溶けて表面均一度が不良になる虞があるが、これは制御装置を通じてレーザの強さ、各移送板の移送速度、そしてレーザ照射の反復回数などを適切に調節することによって、表面均一度を格段に向上させることができ、加工の深さやはり、レーザの強さ及び反復回数を調節して希望する深さで加工することができる。
【0053】
したがって、被加工物41を金型で加工することに比べて精密に加工することができ、上記加工パターン及び大きさ、そして加工深さを標準化して設定することによって、多量生産が可能である。
【0054】
一方、以上の実施形態は、レーザ発生装置45を固定させた状態で、被加工物移送部43が選択的にX軸、Y軸及びZ軸方向へ移動する場合を例示したが、これとは反対に、被加工物移送部43を固定させた状態で、レーザ発生装置45をX軸、Y軸、及びZ軸方向へ移動させながら、被加工物41を加工する形態で実施することができる。勿論、このためには、レーザ発生装置45がX軸、Y軸、及びZ軸方向に移動できる移動メカニズムが構成されなければならないことは勿論であり、このような移動メカニズムは、ガイドレール、ボールスクリュー、及びシリンダなどを用いてどのくらいでも具現することができる。このように、被加工物移送部43がZ軸方向に昇降するように構成される理由は、加工深さを補償し、レーザのフォーカシングを合せるためである。しかしながら、現実的に、その加工深さが低いため、Z軸駆動は行わなくても可動上の困難性はない。
【0055】
更に、被加工物移送部43がX軸及びZ軸方向へ移動され、レーザ発生装置45はY軸方向へ移動されるようにして、レーザ発生装置45から出力されるレーザの焦点を容易に調節できるようにすることができ、これと類似の構成の組合せをどんな形態で構成してもよい。
【0056】
一方、本実施形態では、レーザ発生装置及び被加工物移送部43がY軸方向へ移動しなくて、レーザ発生装置から出力される光がY軸方向に一定範囲内で出力されて加工がなされる(図11参照)。
【0057】
以下では、上記のような本発明の実施形態による半導体製造工程用吸着パッド加工装置を用いた吸着パッド加工方法を説明する。
【0058】
図6は、本実施形態による半導体製造工程用吸着パッド加工装置を用いた加工方法を説明するための工程順序図である。
【0059】
図6に示すように、本実施形態による加工方法は、大別して、被加工物41の加工条件を設定する段階(S701)、ゴム、スポンジ、またはシリコン材質の被加工物41をレーザ発生装置45に整列(Align)させる段階(S702)、及び上記加工条件によって被加工物41に選択的にレーザを照射して希望するパターンに加工する段階(S703)からなる。
【0060】
被加工物41の加工条件を設定するステップS701は、パターン情報を設定する段階と、レーザの強さを設定する段階と、加工情報を設定する段階から構成されている。
【0061】
上記パターン情報を設定する段階は、被加工物41にパターニングされたパターン(ここで、パターンとは、パッケージが安置された状態で吸着できる吸着空間、吸着空間を真空で作るための真空ホール、そしてパッケージ切断に使われるブレードの一部を避けさせて収容できるブレード収容溝、BGAパッケージのボール逃避溝などをいう)の大きさ、形態、加工深さと、被加工物に区画された個別吸着部センター指定、個別吸着部個数指定、個別吸着部距離指定、複数の吸着部からなるグループ個数指定、グループ間距離など、パターン情報を設定する段階である。ソーイング装置において、半導体ストリップを切断する時、上記半導体ストリップを真空吸着する吸着パッドと、切断されたパッケージ、あるいは切断される以前の半導体ストリップを移送するピッカーに付着された吸着パッドが形態や大きさで互いに異なることができ、延いては、パッケージの大きさ別にソーイング装置に用いられる吸着パッドとピッカーに付着された吸着パッドが互いに異なることができるので、各パターン別に最適の加工条件を設定する。例えば、大きいサイズのパッケージである場合には、吸着パッドを精密に加工する必要がないので、その時には吸着空間のみをレーザで加工し、残りの部位は研削加工や成型などの方法により加工することができ、反対に、吸着空間を研削加工や成型あるいはモルディング加工し、残りの部位はレーザで加工することもでき、パッケージが非常に小さくて、精度が要求される場合には、吸着空間は勿論、外郭面とピッカーホルダが挟まれる内面もレーザで加工することができる。
【0062】
レーザの強さを設定する段階は、レーザ発振部45aから出力されるレーザの強さ、即ち、周波数、電流などを設定する段階である。この際、レーザの出力値は入力部を通じて手動でレーザの電流、周波数などを入力して設定したり、被加工物の材質またはパターンに相応するデータを予め貯蔵して置いてから、上記パターン情報によって自動でレーザの強さが設定されるように設計されることができる。このように、上記レーザの電流、周波数などを調整することによって、多様な材質の吸着パッド、または加工状態を調節できるので、より精密な加工が可能である。
【0063】
また、加工情報を設定する段階は、加工深さを指定するための加工反復回数、被加工物移送部43の移送速度、ハッチングなどを設定する段階である。
【0064】
被加工物41をレーザ発生装置45に整列させるステップS702は、被加工物41を被加工物移送部43の上に整列させる段階である。参考に、被加工物移送部43は、被加工物41の加工が完了すれば、最初にセッティングされていた位置に戻って、以後に更に他の被加工物41の加工が連続してなされることができるようにする。
【0065】
上記ステップS703は、上記加工条件によって、実際にレーザを照射して被加工物のパターンを加工する段階である。この際、被加工物は被加工物移送部43の移送速度及び加工深さを調整するための反復回数などの加工情報によって加工される。
【0066】
このように、所定の深さまたは貫通加工のためにレーザを複数回反復して照射する理由は、吸着パッドの材質がゴム、スポンジ、シリコンなど、容易に燃える性質を持っているので、レーザの強さをあまりに強くすることができないので、適切なレーザの強さで複数回反復してレーザを照射しながら所定の深さまで加工するものである。
【0067】
このように、加工条件の設定が被加工物の整列より先立つ場合は、加工条件設定に従ってゴムパッドが加工される箇所、またはゴムパッドが加工されない試験用箇所にレーザを試験照射した後、これをビジョンが観測して基準マークと試験加工された箇所との誤差を把握して、この誤差値を補正してくれる場合に可能であり得る。これは、誤差値を補正しながら作業をすることになるので、パッドの精密な加工が可能になる。ここで、レーザ発生装置45または被加工物移送部43のXY座標を補正して誤差値を補償したり、レーザと移送部のXY座標値を補正して誤差値を補償することができる。
【0068】
一方、設計条件によっては、被加工物の整列段階が加工条件の設定段階より先に遂行されることもできる。即ち、被加工物に基準マークが設けられていれば、ビジョンは基準マークを基準にして被加工物の位置をアラインして被加工物の位置を補正し、次に、加工条件を設定した後、被加工物を加工することができる。
【0069】
下記の[表1]乃至[表9]は、YAGレーザを使用してレーザの電流を38Aに固定した状態で、周波数及び加工速度別被加工物の状態などを測定した実験データの中の一部であって、[表1]乃至[表3]は被加工物としてゴムを例にしたものであり、[表4]乃至[表6]は被加工物としてシリコンを例にしたものであり、[表7]乃至[表9]は被加工物としてスポンジを例にした場合である。参考に、加工が完了した被加工物の状態を分類する記号“X”は粗い、“△”は若干粗い、“○”は良好、“◎”は大変良好を示す。
【0070】
【表1】

【0071】
上記の[表1]によれば、被加工物の材質をゴムにし、電流と周波数を各々38Aと10,000Hzに固定した状態で、加工速度を変化させながら加工回数を異なるようにした場合の加工速度別被加工物の状態を表したものであって、全体的に見ると、電流が38A、周波数が10,000Hzである状態で加工速度が増加するほど被加工物の加工状態が良くなることと表れ、加工速度が100mm/s以上であれば見掛け形状、底面状態、及び加工性が概して良好で、300mm/s以上であれば大変良好であることが分かる。
【0072】
【表2】

【0073】
上記の[表2]によれば、被加工物の材質をゴムにし、電流と周波数を各々38Aと20,000Hzに固定した状態で、加工速度を変化させながら加工回数を異なるようにした場合の加工速度別被加工物の状態を表したものであって、全体的に見ると、電流が38A、周波数が20,000Hzである状態で、加工速度が増加するほど被加工物の加工状態が良くなることと表れるが、底面状態は全体的に粗かったり、多少粗いものと表れることが分かる。
【0074】
【表3】

【0075】
上記の[表3]によれば、被加工物の材質をゴムにし、電流と周波数を各々38Aと30,000Hzに固定した状態で、加工速度を変化させながら加工回数を異なるようにした場合の加工速度別被加工物の状態を表したものであって、全体的に見ると、電流が38A、周波数が30,000Hzである状態で加工速度が増加するほど被加工物の加工状態が良くなることと表れるが、底面状態は全体的に粗く加工されるものと表れることが分かる。
【0076】
以上、[表1]乃至[表3]に表れたように、電流と周波数を固定した状態では加工速度を増加させるほど良質の吸着パッドを加工できることが分かり、電流が38Aに固定された状態で周波数が10,000Hzである時には、加工状態が概して良好で、加工速度が300mm/s以上である時、より良好であることが分かり、周波数を20,000乃至30,000Hzに高めれば加工速度をどんなに増加させても底面の状態が粗いことが分かる。したがって、被加工物の材質がゴムの場合、電流は38A、周波数は10,000Hzである状態で加工速度を300mm/sに加工することが望ましい。
【0077】
【表4】

【0078】
上記の[表4]によれば、被加工物の材質をシリコンにし、電流と周波数を各々38Aと10,000Hzに固定した状態で、加工速度を変化させながら加工回数を異なるようにした場合の加工速度別被加工物の状態を表したものであって、全体的に見ると、電流が38A、周波数が10,000Hzである状態で加工速度が増加するほど被加工物の加工状態が良くなることと表れて、加工速度が100mm/s以上であれば、見掛け形状、底面状態、及び加工性が概して良好で、300mm/s以上であれば大変良好であることが分かる。
【0079】
【表5】

【0080】
上記の[表5]によれば、被加工物の材質をシリコンにし、電流と周波数を各々38Aと20,000Hzに固定した状態で、加工速度を変化させながら加工回数を異なるようにした場合の加工速度別被加工物の状態を表したものであって、全体的に見ると、電流が38A、周波数が20,000Hzである状態で加工速度が増加するほど被加工物の加工状態が良くなることと表れて、見掛け形状及び加工性は全体的に良好であるが、加工速度が450mm/s以上でなければ底面状態は概して粗いものと表れることが分かる。
【0081】
【表6】

【0082】
上記の[表6]によれば、被加工物の材質をシリコンにし、電流と周波数を各々38Aと30,000Hzに固定した状態で、加工速度を変化させながら加工回数を異なるようにした場合の加工速度別被加工物の状態を表したものであって、全体的に見ると、電流が38A、周波数が30,000Hzである状態で加工速度が増加するほど被加工物の加工状態が良くなることと表れるが、全体的に、見掛け形状、底面状態、及び加工性がよくないことが分かる。
【0083】
以上、[表4]乃至[表6]に表れたように、電流と周波数を固定した状態では加工速度を増加させるほど良質の吸着パッドが加工されることが分かり、電流が38Aに固定された状態で、周波数が10,000Hzである時には加工状態が概して良好で、加工速度が300mm/s以上である時、より良好であることが分かり、周波数を20,000に高めて、加工速度が450mm/s以下であれば、底面状態が全体的に粗いし、周波数を30,000Hzに高めれば、見掛け形状、底面状態、及び加工性が全体的によくないことが分かる。したがって、被加工物の材質がシリコンの場合、電流は38A、周波数は10,000Hzである状態で加工速度を300〜450mm/sに加工することが望ましい。
【0084】
【表7】

【0085】
上記の[表7]によれば、被加工物の材質をスポンジにし、電流と周波数を各々38Aと10,000Hzに固定した状態で、加工速度を変化させながら加工回数を異なるようにした場合の加工速度別被加工物の状態を表したものであって、電流が38A、周波数が10,000Hzである状態で加工速度が100mm/s以上であれば、見掛け形状、底面状態、及び加工性が大変良好であることが分かる。
【0086】
【表8】

【0087】
上記の[表8]によれば、被加工物の材質をスポンジにし、電流と周波数を各々38Aと20,000Hzに固定した状態で、加工速度を変化させながら加工回数を異なるようにした場合の加工速度別被加工物の状態を表したものであって、電流が38A、周波数が10,000Hzである状態で加工速度が300mm/s以上であれば、見掛け形状は大変良好で、底面状態及び加工性も良好であることが分かる。
【0088】
【表9】

【0089】
上記の[表9]によれば、被加工物の材質をスポンジにし、電流と周波数を各々38Aと30,000Hzに固定した状態で、加工速度を変化させながら加工回数を異なるようにした場合の加工速度別被加工物の状態を表したものであって、電流が38A、周波数が30,000Hzである状態では加工速度が全体的に良くないし、但し、加工速度が450mm/s以上の場合には、見掛け形状が大変良好で、底面状態及び加工性も良好であることが分かる。
【0090】
以上、[表7]乃至[表9]に表れたように、電流と周波数を固定した状態では加工速度を増加させるほど良質の吸着パッドが加工されることが分かり、電流が38Aに固定された状態で周波数が10,000Hzである時には加工状態が概して良好で、加工速度が100mm/s以上である時、より良好であることが分かり、周波数を20,000に高めて、加工速度が300mm/s以下であれば、見掛け形状及び底面状態が全体的に粗いし、周波数を30,000Hzに高めて、加工速度が450mm/s以上でなければ、見掛け形状、底面状態、及び加工性が全体的によくないことが分かる。したがって、被加工物の材質がスポンジの場合、電流は38A、周波数は10、000Hzである状態で、加工速度を100〜150mm/sに加工することが望ましい。
【0091】
一方、実際の使用時の加工条件は、上記の表に開示された加工条件の範囲内で適切に選択できるはずである。上記の表に表れたように、電流及び周波数に従って最適の加工速度が存在する。したがって、レーザの出力パラメータに従って最適化された被加工物移送部の加工速度を予めデータ化させて、レーザの出力パラメータに従って被加工物移送部の加工速度が自動で設定されるように設計することができる。
【0092】
一方、被加工物の種類及び使用するレーザの種類によって、レーザの電流、周波数、加工速度は、多様に変形できるはずである。即ち、半導体製造工程用吸着パッド加工装置としてレーザを使用する限り、本発明の技術範囲に含まれると理解されるべきである。即ち、本実施形態では、電流38A、周波数10、000乃至30、000Hzの条件で実験したが、設計条件によって、38A以上、またはその以下の電流を使用し、10,000乃至30,000Hz以上、またはその以下の周波数、450mm/s以上の加工速度を使用して、多様な電流、周波数、加工速度の組合せが選択可能である。
【0093】
図7には本実施形態による半導体製造工程用吸着パッド加工装置により加工された吸着パッドが図示されており、図8には図7のA−A’線により切断された吸着パッドの断面が図示されている。
【0094】
図7及び図8に示すように、吸着パッドの上にマトリックス状で複数の吸着空間11が形成され、各々の吸着空間11の中央にはパッケージの真空吸着のための真空ホール13が形成され、各吸着空間13の周りにはパッケージ切断時にブレードの逃避のためのブレード収容溝15が形成されている。このような真空ホール13、吸着空間11及びブレード収容溝15をレーザで加工すれば、金型を用いる場合に比べてより精密な加工が可能になる。したがって、吸着空間11とブレード収容溝15との間(t)をより狭くすることができるので、そのだけ吸着空間11の面積を最大限確保することができ、吸着空間11の面積を広く確保するということは、そのだけパッケージを安定に吸着させることができることになることを意味する。これは、金型を用いた方法では、決して不可能であった。
【0095】
一方、被加工物41を加工するにあって、吸着空間11を先に加工するか、真空ホール13を先に加工するかは、一般的に定まってはいないが、被加工物41を所定の面積だけ加工してパッケージの吸着空間を加工した後、次に、上記レーザの出力を高めるか、または被加工物移送部43をレーザ発生装置45側にもっと近接させた後、上記吸着空間の中央部に真空のための真空ホールを加工し、最後に、上記吸着空間の周りにブレード収容溝15を加工する順になされることができる。
【0096】
(実施形態)
図9には、本発明の他の実施形態による半導体製造工程用吸着パッド加工装置が図示されている。
【0097】
本発明の他の実施形態による半導体製造工程用吸着パッド加工装置は、図2に図示された吸着パッド加工装置と基本的に同一な構成及び作動を有しており、構成要素がより具体的に提示されており、ダスト除去装置が更に備えられている。
【0098】
図9に示すように、本発明の他の実施形態による半導体製造工程用吸着パッド加工装置は、大別して、被加工物が安着する被加工物移送部70、上記被加工物にレーザを出力して上記被加工物に希望するパターンを加工するレーザ発生装置、上記レーザ発生装置を制御する制御装置、及び上記被加工物が加工される時に発生するダストを除去するダスト除去装置から構成されている。また、被加工物移送部70の移送経路の上部には被加工物の定着状態を整列するアラインビジョン79が設けられている。
【0099】
上記レーザ発生装置は、レーザボディー71とレーザヘッド72から構成されており、このような制御装置(図示せず)は、上記実施形態と同様に、加工条件を設定するための加工条件設定部を含み、上記加工条件設定部を通じて入力された加工条件によって加工プログラムが駆動されて、上記レーザ発振部をプログラムされた加工メカニズムによって適切に制御するように構成されている。
【0100】
上記ダスト除去装置は、上記被加工物に向けて高圧のエアー(air)を噴射するエラーブロワ73、エアーブロワ73と対向するように設置されて、エアーブロワ73から噴射されたエアーにより上記被加工物から除去されるダスト(dust)が流入されるサクションフード74、及び、サクションフード74を通じて流出されたダストが投入されるダストコレクタ76から構成されている。また、ダストコレクタ76には、エアポンプ77及びフード78が連結されており、サクションフード74とダストコレクタ76との間にはサクションホース75が設けられている。
【0101】
図10には、図9に図示された半導体製造工程用吸着パッド加工装置を用いた加工方法を説明するための工程順序図が図示されている。
【0102】
図10に示すように、まず被加工物の材質または/及び被加工物に加工されるパターンの大きさ、形態などのパターン情報によって、レーザ発生装置から出力されるレーザの強さと、被加工物移送部70の移送速度及び加工反復回数など、加工条件が設定される(S801)。次に、被加工物が安着した被加工物移送部70がX軸方向へ移動されてアラインビジョン79により被加工物の定着状態が検査された後、レーザヘッド72の下部に位置することになる(S802参照)。このように、被加工物移送部70がレーザヘッド72に位置されれば、このような加工条件によって、レーザヘッド72からレーザが出力されて、希望するパターンに被加工物が加工される(S803参照)。この際、上記被加工物が加工される時に発生するダスト(dust)は、エアーブロワ73から出るエアーによりサクションフード74に流入された後、サクションホース75を介してダストコレクタ76に流入される。そして、ダストコレクタ76の内部に設置されたフィルタ(図示せず)を通過しながらダストが漉されて、この状態で、エアポンプ77に流入された後、またエアポンプ77からフード78を通じて外部に吐出される(S804参照)。
【0103】
図11には、本発明の更に他の実施形態による半導体製造工程用吸着パッド加工装置が図示されている。
【0104】
本発明の更に他の実施形態による半導体製造工程用吸着パッド加工装置は、図9に図示された吸着パッド加工装置と基本的に同一な構成及び作動を有している。単に、被加工物の処理効率を高めるために、被加工物移送部70は一対で備えられており、ダストをより効果的に除去するために、サクションホース75とダストコレクタ76との間にエアポンプ81が更に設けられている。
【0105】
図12は、本発明の他の実施形態による半導体製造工程用吸着パッド加工方法を説明するための工程順序図が図示されている。
【0106】
本実施形態は、半導体製造工程用吸着パッドのパターンをモルディングなどの機械的加工装置とレーザ加工装置を共に用いて加工する例である。
【0107】
図12に示すように、本実施形態による半導体製造工程用吸着パッド加工方法は、被加工物をモルディングなどの機械的加工装置により1次成型する段階(S901)、1次成型された状態を考慮して2次加工条件を設定する段階(S902)、1次成型された被加工物を被加工物移送部70に移送して定着する段階(S903)、アラインビジョン79により1次成型された被加工物の定着状態を整列する段階(S904)、整列された被加工物をレーザ発生装置に移送する段階(S905)、及び、2次加工条件によって被加工物にレーザを照射して希望するパターンに2次成型する段階(S906)から構成されている。
【0108】
ここで、上記2次加工条件を設定する段階(S902)は、上記被加工物にパターニングされるパターンの形態、大きさなどのパターン情報を設定する段階、被加工物またはパターン情報によって上記レーザの強さを設定する段階、及び、上記被加工物移送部の移送方向及び速度、反復回数などの加工情報を設定する段階から構成されている。
【0109】
図13は図12に図示された吸着パッド加工方法により加工された吸着パッドを示す平面図であり、図14は図13に図示された吸着パッドの部分拡大図である。
【0110】
図13及び図14は、図12に図示された吸着パッド加工方法を適用して、真空ホール13はモルディングなどの機械的に加工され、真空ホール13の周りに形成された複数個のソルダボール安置溝91は、レーザにより加工された例が図示されている。
【0111】
即ち、ゴムなどの被加工物で四角形(必ず四角形である必要はない)の真空ホール13をモルディング加工した後、その周りにパッケージのソルダボールが安置できるように、円形のソルダボール安置溝91を本発明のレーザ発生装置により加工した。この際、真空ホール13は貫通加工されなければならないので、モルディング加工し、ソルダボール安置溝91は精密に加工されなければならないので、レーザ加工すれば、吸着パッドのパターンを加工にかかる時間を格段に低減しながらも精密な加工が可能である。
【0112】
一方、上記ソルダボール安置溝91は、電流が38A、周波数が10,000Hzである状態で300mm/sの速度で加工することが望ましくて、上記の条件において、ソルダボール安置溝91の外郭形状、底面の状態などが最も優れることと表れた。この際、上記被加工物の材質によって、上記の条件はいくらでも可変できることは自明である。
【0113】
また、設計条件によっては、レーザ加工により一部パターンが先に加工された後、モルディングなどの機械的加工により、残りのパターンが加工できることもある。
【0114】
以上、本発明の望ましい実施形態を説明したが、本発明は、多様な変化と変更及び均等物、即ちストリップを移送するためのストリップピッカー、ソーイングされたパッケージを一度に取るとか、または1つずつ取るパッケージピッカーの製造のために使用することができ、上記実施形態を適切に変形して同一に応用できることが明確である。したがって、上記記載内容は、特許請求範囲の限界により定まる本発明の範囲を限るのでない。
【0115】
本発明は、半導体製造工程用ソーイング装置の吸着パッドを加工するに適用されることができ、半導体パッケージピックアンドプレイス(Pick & place)装置、その他の全ての半導体製造用装置に使われる吸着パッド加工装置及び加工方法に適用されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0116】
【図1】一般的な半導体製造工程用吸着パッドを示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態による半導体製造工程用吸着パッド加工装置を示す斜視図である。
【図3】図2に図示された吸着パッド加工装置を示す側面図である。
【図4】図2に図示されたレーザ発生装置のブロック構成図である。
【図5】図2に図示された制御装置の概略的なブロック構成図である。
【図6】図2に図示された半導体製造工程用吸着パッド加工装置を用いた加工方法を説明するための工程順序図である。
【図7】図2に図示された半導体製造工程用吸着パッド加工装置により加工された吸着パッドを示す斜視図である。
【図8】図7のA−A’線により切断された吸着パッドの断面図である。
【図9】本発明の他の実施形態による半導体製造工程用吸着パッド加工装置を示す斜視図である。
【図10】図9に図示された半導体製造工程用吸着パッド加工装置を用いた加工方法を説明するための工程順序図である。
【図11】本発明の更に他の実施形態による半導体製造工程用吸着パッド加工装置を示す斜視図である。
【図12】本発明の他の実施形態による半導体製造工程用吸着パッド加工方法を説明するための工程順序図である。
【図13】図12に図示された吸着パッド加工方法により加工された吸着パッドを示す平面図である。
【図14】図13に図示された吸着パッドの部分拡大図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体製造工程用吸着パッドの加工装置であって、
被加工物が安着する被加工物移送部と、
前記被加工物移送部の上部に所定間隔を置いて設けられるレーザ発生装置と、
前記被加工物移送部と前記レーザ発生装置との相対移動を発生させる移送手段と、
前記レーザ発生装置を制御する制御装置と
を含んでなることを特徴とする半導体製造工程用吸着パッド加工装置。
【請求項2】
前記制御装置は、
前記レーザ発生装置と通信ケーブルにより連結され、
前記被加工物を加工するための加工条件を設定する加工条件設定部と、
前記加工条件設定部により設定された加工条件によって前記レーザ発生装置を制御する加工プログラム部と
を含んでなることを特徴とする請求項1記載の半導体製造工程用吸着パッド加工装置。
【請求項3】
前記加工条件設定部は、
被加工部のパターン情報を設定するパターン設定部と、
前記レーザ発振部から出力されるレーザの強さ情報を設定するレーザ出力設定部と、
被加工物移送部の移送速度及び反復回数情報を設定する加工情報設定部と
からなることを特徴とする請求項2記載の半導体製造工程用吸着パッド加工装置。
【請求項4】
前記被加工物が加工される時に発生されるダストを除去するダスト除去装置を更に含み、かつ、
前記ダスト除去装置は、
前記レーザ発生装置の隣りに設置され、前記被加工物に向けて高圧のエアーを噴射するエラーブロワと、
前記エアーブロワと対向するように設置され、前記エアーブロワから噴射されたエアーにより前記被加工物から除去されるダストが流入されるサクションフードと、
前記サクションフードを通じて流出されたダストが投入されるダストコレクタと
を含んでなることを特徴とする請求項1記載の半導体製造工程用吸着パッド加工装置。
【請求項5】
前記被加工物移送部は、X軸及びZ軸方向へ移送可能に設けられることを特徴とする請求項1記載の半導体製造工程用吸着パッド加工装置。
【請求項6】
前記レーザ発生装置は、所定の深さまたは貫通加工のために、レーザを複数回繰り返して照射することを特徴とする請求項1記載の半導体製造工程用吸着パッド加工装置。
【請求項7】
前記被加工物移送部は一対で備えられることを特徴とする請求項1記載の半導体製造工程用吸着パッド加工装置。
【請求項8】
半導体製造工程用吸着パッドの加工方法であって、
前記被加工物を加工するための加工条件を設定する段階と、
被加工物をレーザ発生装置に整列させる段階と、
前記設定された加工条件によって前記被加工物にレーザを照射して希望するパターンに加工する段階と
を含んでなることを特徴とする半導体製造工程用吸着パッドの加工方法。
【請求項9】
前記加工条件を設定する段階は、
前記被加工物に形成されるパターンの形態、大きさなどのパターン情報を設定する段階と、
前記レーザの強さ情報を設定する段階と、
被加工物移送部の移送速度及び反復回数情報などの加工情報を設定する段階と
を含んでなることを特徴とする請求項8記載の半導体製造工程用吸着パッドの加工方法。
【請求項10】
前記被加工物にレーザを照射して希望するパターンに加工する段階は、
所定の深さ、または貫通加工のために、レーザを複数回繰り返して照射することを特徴とする請求項8記載の半導体製造工程用吸着パッドの加工方法。
【請求項11】
前記レーザは、
前記被加工物の材質によって電流及び周波数が可変することを特徴とする請求項10記載の半導体製造工程用吸着パッドの加工方法。
【請求項12】
前記レーザはYAGレーザであることを特徴とする請求項11記載の半導体製造工程用吸着パッドの加工方法。
【請求項13】
前記電流は、38A、10,000Hzであり、加工速度は100〜450mm/sの範囲を有することを特徴とする請求項11記載の半導体製造工程用吸着パッドの加工方法。
【請求項14】
前記加工条件を設定する段階は、
被加工物にパターニングされるパターンの形態、大きさ、加工深さなどのパターン情報によって、最適化されたレーザの強さ、被加工物移送部の移送方向及び速度などの加工情報が予めデータ化されており、前記パターン情報によって加工条件が自動で設定されることを特徴とする請求項8記載の半導体製造工程用吸着パッドの加工方法。
【請求項15】
前記加工条件を設定する段階は、
レーザの強さによって最適化された被加工物移送部の加工速度が予めデータ化されており、レーザの強さによって被加工物移送部の加工速度が自動で設定されることを特徴とする請求項8記載の半導体製造工程用吸着パッドの加工方法。
【請求項16】
前記設定された加工条件によって前記被加工物にレーザを照射して希望するパターンの吸着パッドを加工した後、前記吸着パッドの周りに沿って複数個のソルダボール安置溝を加工する段階を更に含んでなることを特徴とする請求項8記載の半導体製造工程用吸着パッドの加工方法。
【請求項17】
半導体製造工程用吸着パッドの加工方法であって、
被加工物をモルディングなどの機械的加工装置により1次成型する段階と、
1次成型された状態を考慮して2次加工条件を設定する段階と、
1次成型された被加工物をレーザ加工装置に整列させる段階と、
2次加工条件によって被加工物にレーザを照射して希望するパターンに2次成型する段階と
を含んでなることを特徴とする半導体製造工程用吸着パッドの加工方法。
【請求項18】
前記2次加工条件を設定する段階は、
前記被加工物に形成されるパターンの形態、大きさなどのパターン情報を設定する段階と、
前記被加工物の材質によって前記レーザの強さを設定する段階と、
前記被加工物移送部の移送速度、反復回数などの加工情報を設定する段階と
を含んでなることを特徴とする請求項17記載の半導体製造工程用吸着パッドの加工方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公表番号】特表2008−528295(P2008−528295A)
【公表日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−553035(P2007−553035)
【出願日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際出願番号】PCT/KR2006/000309
【国際公開番号】WO2006/080815
【国際公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【出願人】(504128356)ハンミ セミコンダクター カンパニー リミテッド (15)
【Fターム(参考)】