吸着部材及び排煙処理装置
【課題】水銀等の再生処理が簡易となり、連続して排煙処理を行うことができる吸着部材及び排煙処理装置を提供する。
【解決手段】所定間隔を持って配してなる一対の第1シート体11−1及び第2シート体11−2からなると共に、それらが一体となってロール状に巻かれてなる吸着部材13を複数備えた浄化塔14と、一対の第1シート体11−1及び第2シート体11−2に電圧を印加する電源15と、前記吸着部材13に水16を供給する水供給装置17とを具備してなる。
【解決手段】所定間隔を持って配してなる一対の第1シート体11−1及び第2シート体11−2からなると共に、それらが一体となってロール状に巻かれてなる吸着部材13を複数備えた浄化塔14と、一対の第1シート体11−1及び第2シート体11−2に電圧を印加する電源15と、前記吸着部材13に水16を供給する水供給装置17とを具備してなる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排ガス処理を長期間に亙って連続して行うことができる吸着部材及び排煙処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、気相中あるいは液相中に存在する不純物、臭気物質、着色物質、有害物質等の除去、並びに気体および液体の分離等に従来から活性炭等の炭素材料が使用されている。
【0003】
このような炭素材料として、活性炭や活性炭素繊維等の吸着剤を挙げることができ、このような吸着材を用いて、ボイラ等からの排ガスを処理している。
【0004】
このような排ガス処理を行う排煙処理システムについて、図11を参照して説明する。図11に示すように、蒸気タービンを駆動する蒸気を発生させるボイラ200と、該ボイラ200からの排ガス101中の煤塵を除去する除塵機201と、除塵された排ガスを浄化塔104内に供給する押込ファン121と、塔に供給する前に排ガス101を冷却すると共に増湿を行う増湿冷却装置116と、触媒槽107を内部に配設し、塔下部側壁の導入口104aから排ガス101を供給すると共に、触媒槽107の上方から散水ノズル122で水を供給して、排ガス中のSOxを希硫酸(H2SO4)まで脱硫反応させる浄化塔104と、塔頂部の排出部104bから脱硫された浄化ガス109を外部へ排出する煙突202と、浄化塔104からポンプ108を介して希硫酸(H2SO4)106を貯蔵すると共に石灰スラリー211を供給して石こうを析出させる石こう反応槽212と、石膏を沈降させる沈降槽(シックナー)213と、石こうスラリー214から水分を排水(濾液)217として除去して石こう215を得る脱水器216とを備えてなる。なお、浄化塔104から排出される浄化された浄化ガス109を排出するラインには必要に応じてミストエリミネータ203を介装し、ガス中の水分を分離するようにしてもよい。
【0005】
ここで、上記ボイラ200では、例えば、火力発電設備の図示しない蒸気タービンを駆動するための蒸気を発生させるために、石炭や重油等の燃料fが炉で燃焼されるようになっている。ボイラ200の排ガスには硫黄酸化物(SOx )が含有され、排ガス101は図示しない脱硝装置で脱硝されてガスガスヒータで冷却された後に除塵機201で除塵されている。
【0006】
この排ガス浄化システムでは、浄化塔104で得られた希硫酸106に石灰スラリー211を供給して石こうスラリー214を得た後、脱水して石こう215として利用するものであるが、脱硫して得られた希硫酸106をそのまま硫酸として使用する場合もある。
【0007】
ここで、前記浄化塔104の詳細について図12を用いて説明する。図12に示すように、例えばボイラ等から排出された排ガス101は、押込ファン121により送られ、増湿冷却水115により排ガス温度を冷却すると共に湿度を付与する増湿冷却装置116を経て下部側壁の導入部から浄化塔104内に導入される。浄化塔104の内部には活性炭素繊維層で形成される触媒槽107が備えられ、該触媒槽107には硫酸生成用の水105が水タンク111aと供給ポンプ111bとからなる水供給手段111から供給される。水供給手段111からの水105が散水ノズル122を介して上部から供給すると共に、上記触媒槽107の内部に排ガス101を下部から通過させることにより、排ガス101からSOxを反応除去する。触媒槽107を通過した浄化ガス109は浄化塔104上部の排出部から排出され、煙突を通して大気に放出される。なお、図12中、符号124は排ガスを整流化させる分散穴123を備えた整流板を図示する。
【0008】
前記触媒槽107の一単位を形成する活性炭素繊維層125は、平板状の平板活性炭素繊維シート126と波板状の波板活性炭素繊維シート127とが交互に積層され、間に形成される直線状の空間が通路128となり、該通路128が上下に延びた状態になっている。平板活性炭素繊維シート126及び波板活性炭素繊維シート127は板状であると共に、上記波板活性炭素繊維シート127は、さらに例えばコルゲータ等を用いて波型に成型されている。
上記触媒槽107の活性炭素繊維層の表面では、例えば、以下の反応により脱硫反応が生じる。
即ち、
(1)触媒の活性炭素繊維層への排ガス中の二酸化硫黄SO2の吸着。
(2)吸着した二酸化硫黄SO2と排ガス中の酸素O2(別途供給することも可である)との反応による三酸化硫黄SO3への酸化。
(3)酸化した三酸化硫黄SO3の水H2Oへの溶解による硫酸H2SO4の生成。
(4)生成された硫酸H2SO4の活性炭素繊維層からの離脱。
【0009】
この時の反応式は以下の通りである。
SO2+1/2O2+H2 O→H2SO4
【0010】
このようにして、触媒槽107の活性炭素繊維層の中で浄化排ガス103中の二酸化硫黄(SO2)を吸着して酸化し、水(H2O)と反応させて硫酸(H2SO4)を生成して離脱除去することにより、排ガス中の脱硫が行われる(特許文献1)。
【0011】
ところで、排ガス処理を長期間に亙って行っていくと、触媒槽107を構成する活性炭素繊維には、排ガス中の例えば水銀、セレン等の重金属が吸着されるので、前記重金属等を除去することが必要となる。
【0012】
また、従来では、活性炭等の吸着材の再生処理方法として、不活性ガス中において高温で加熱処理することが提案されている(特許文献2)。
【0013】
【特許文献1】特開2003−164730号公報
【特許文献2】特開2000−167395号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、特許文献2のような提案では、その加熱処理のために大掛かりな設備が必要となる、という問題がある。
【0015】
また、ボイラ等の排煙処理装置は大掛かりなものであるので、使用済みの吸着材の再利用は連続運転におけるコスト低廉のために重要であり、簡易な処理方法が切望されている。
【0016】
そこで、触媒槽を構成する活性炭素繊維を一対として、図13に示すような電気分解処理装置300を提案することができるが、活性炭素繊維層125にそれぞれ電源301から電圧を印加するための配線302を配線する必要があるが、製作の手間が膨大となるという問題がある。すなわち、現在の触媒槽の一例として例えば5m×5mで高さが5〜10mの場合には、活性炭素繊維層が250本/m必要となるので、これらの活性炭素繊維層に一枚一枚に配線が必要となるからである。また、活性炭素繊維層125と活性炭素繊維層125との間には絶縁材を介装するか一定の間隔で活性炭素繊維層125が接触しないように保持する必要があり、構成が複雑となる。
【0017】
また、図14に示すように、対極を1枚のメッシュ状の電極303とする場合においても、活性炭素繊維に対する配線本数には変化がないので、同様に配線の手間がかかるという問題がある。
また、電場が均一に加わらず、水銀等の除去及び活性炭素繊維の再生にムラが生じるという問題がある。
【0018】
本発明は、前記問題に鑑み、水銀等の再生処理が簡易となり、連続して排煙処理を行うことができる吸着部材及び排煙処理装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上述した課題を解決するための本発明の第1の発明は、排ガスが流通する浄化塔内に設けられ、排ガスを浄化する炭素材料で形成されてなる吸着部材であって、前記吸着部材は、所定間隔を持って配してなる一対のシート体からなると共に、該一対のシート体が巻かれてなる又は折りたたんでなることを特徴とする吸着部材にある。
【0020】
第2の発明は、第1の発明において、前記所定間隔を持って配してなる一対のシート体が、ケース内に巻装されてなる、又はケース内に九十九折状に装填されてなることを特徴とする吸着部材にある。
【0021】
第3の発明は、第1の発明において、前記所定間隔を持って配してなる一対のシート体が芯体に巻装されてなることを特徴とする吸着部材にある。
【0022】
第4の発明は、第1乃至3のいずれか一つの発明において、前記所定間隔を持って配してなる一対のシート体の間にガス透過性で絶縁性のスペーサが介装されてなることを特徴とする吸着部材にある。
【0023】
第5の発明は、第1乃至4のいずれか一つの発明において、前記所定間隔を持って配してなる一対のシート体の炭素材料に導電性部材が添加されてなることを特徴とする吸着部材にある。
【0024】
第6の発明は、第5の発明において、前記炭素材料が活性炭素繊維からなることを特徴とする吸着部材にある。
【0025】
第7の発明は、第1乃至6のいずれか一つの吸着部材を備えた浄化塔と、一対のシート体に電圧を印加する電源と、前記吸着部材に水を供給する水供給装置とを具備してなることを特徴とする排煙処理装置にある。
【0026】
第8の発明は、第1乃至6のいずれか一つの吸着部材を備えた浄化塔と、一対のシート体に電圧を印加する電源と、前記浄化塔内の少なくとも吸着部材部分を水で充満させる水供給装置とを具備してなることを特徴とする排煙処理装置にある。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、排ガスが流通する浄化塔内に設けられる吸着部材が、所定間隔を持って配してなる一対のシート体からなると共に、該一対のシート体が巻かれてなる又は折りたたんでなるので、再生処理における配線が複雑となることがなく、電気極の配線にかかる手間が大幅に省力化される。この結果、簡易な再生によって炭素材料の再生ができ、また、その構成も簡易なものであるので製造コストの低廉を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施例における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【実施例1】
【0029】
本発明による実施例1に係る吸着部材について、図面を参照して説明する。
図1は、実施例1に係る吸着部材を備えた排煙処理装置の概略図である。
図1に示すように、本実施例に係る排煙処理装置10は、所定間隔を持って配してなる一対の第1シート体11−1及び第2シート体11−2からなると共に、それらが一体となってロール状に巻かれてなる吸着部材13を複数(本実施例では9本)備えた浄化塔14と、一対の第1シート体11−1及び第2シート体11−2に電圧を印加する電源15と、前記吸着部材13に水16を供給する水供給装置17とを具備してなるものである。
【0030】
前記浄化塔14は排ガス101を導入する排ガス導入部14aを塔下部に設け、浄化ガス109を排出する排出部14bを塔頂部に設けている。また、浄化塔14の底面側には排ガス中の硫黄成分を除去して生じた希硫酸106が溜められている。なお、図中、符号18は配線、19−1,19−2は端子を各々図示する。なお、図1は浄化塔14を一部切り欠いた模式図であり、配線は省略している。また、後述するシート体の間に設けるスペーサは省略している。
【0031】
ここで、前記第1及び第2のシート体は、前述したような脱硫における触媒作用を有する炭素材料からなり、平板状の活性炭素繊維をシート状としたものを挙げることができる。また、本発明で用いられる活性炭素繊維としては、例えばピッチ系活性炭素繊維、ポリアクリロニトリル系活性炭素繊維、フェノール系活性炭素繊維、セルロース系活性炭素繊維を挙げることができるが、本発明はこれらに限定されるものではなく、上記触媒作用を奏する活性炭素繊維であれば何等限定されるものではない。
【0032】
本実施例では、浄化塔14内に9本のロール状とした吸着部材13を配設しているが、本発明はこれに限定されるものではない。また、ロールの巻数を大きくして直径が大径のロール体としてもよい。
【0033】
図2に前記ロール状とした吸着部材13の排ガスの浄化の様子を示すと共に、図3に水銀等の重金属の脱離の様子を示す。
先ず、図2に示すように、通常の排ガス処理においては、排ガス101の浄化の際には、電源15のスイッチ20をオフとして、水16をシャワー状に供給して、前述したように、活性炭素繊維の表面においてSO2の吸着を行いSO3へ酸化させ、供給したシャワー水により硫酸を生成し、脱硫を行っている。
【0034】
一方、図3に示すように、再生処理においては、排ガス101の通気を停止し、電源15のスイッチ20をオンとすると共に、水16を大量に供給し、吸着部材13の内部を水壁状態として、電気分解を行う。この電解の様子を図4に示す。図4に示すように、第1シート体11−1及び第2シート体11−2に電源15から電圧を印加することにより、酸化還元反応により、陽極とした第1シート体11−1に吸着した水銀をイオンの状態(Hg22+)で溶出させる。また、陽極と陰極とを入れ替えることで対極の第2シート体11−2からも同様に水銀イオンを溶出させる。ここで、本発明で水壁状とは、水を大量に供給することで、活性炭素繊維のシート体間に水が充満し、あたかも水を貯留しているようにみえることをいう。
【0035】
また、多量に水を供給する以外に、浄化塔14内部に水を充満させ、吸着部材を浸漬させた状態にて、電気分解を行うようにしてもよい。
【0036】
この溶出処理された電解処理液は別途回収した後、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)等のアルカリ剤を投入し、HgよりもNa又はKのモル数を多くする。その後、過酸化水素(H2O2)、オゾン(O3)等の酸化剤を電解処理液に投入し、酸化水銀(HgO)として沈殿・回収する。
なお、電解処理液にNa2SO4を投入するようにしてもよい。
【0037】
また、酸化剤の代わりにH2Sを添加してHgSとして沈殿させて回収するようにしてもよい。
【0038】
この一対のシート体の距離dは約3〜6mm程度であるが、ロール状となっているので、長尺のものをコンパクト化することとなり、従来のような250本/mのように沢山の導線を一本ずつ配線する手間が軽減され、また配線の取り回しが解消される。
なお、通電する距離が長くなるので、電気抵抗を十分に小さくする必要があり、例えば導電部材を表面に貼付けたり、又は内部に添加するようにしている。
ここで、導電部材としては、例えば金、白金等の貴金属類やタングステン(W)、チタン(Ti)等の金属類又は導電性炭素等を挙げることができる。
【0039】
また、図5に示すように、電源を交互に通電する以外に、シート体11−1、11−2に独立に電源を印加し、単にシート体を各々加熱させることにより水銀をイオンとして溶出させるようにしてもよい。
【0040】
このようなロール状の吸着部材13を製造する一例を図6に示す。図6に示すように、一対の第1シート体11−1及び第2シート体11−2との間及びその両側にスペーサ20−1、20−2、20−3が配設されている。そして、これらを一体として、ロール化し、ロール状の吸着部材13を構成している。本実施例ではシート体は1mm、スペーサは3〜6mmとしているが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0041】
また、スペーサ20−1〜20−3は、活性炭素繊維上でのSO2吸着を促進させるように、ガス流通性が良好なものが好ましく、例えば図7に示すような、ガス通気部21を有するメッシュ状のもの、海面体状のものとするのが好ましい。
また、前記スペーサは例えばポリプロピレン(PP)等により絶縁性を付与している。
【0042】
また、図8に示すように、開口部41を有するケース42内に、前述したようなロール状とした吸着部材13を複数(本実施例では9本)装填するようにしてもよい。
【0043】
また、このケース42を充填塔14内に複数段(本実施例では3段)積層させ、一度における処理容量を増大させるようにしてもよい。
【0044】
また、円形や矩形状とした芯体に所定間隔を持って配してなる一対のシート体を巻装させて吸着部材を製造するようにしてもよい。
【0045】
このように、簡易な構成によって再生処理のための電極配線が可能となり、製造コストの低廉を図ることができる。
【実施例2】
【0046】
図9は所定間隔を持って配してなるシート体をロール状とする以外の実施例である。
図9に示すように、本実施例では、所定間隔を持って配してなる第1シート体11−1、第2シート体11−2を矩形状に巻装した場合である。
このような矩形状とするために、各コーナには支持部51を配設して、矩形状の吸着部材52としている。
本実施例では、この矩形状の吸着部材52をケース53内に装填して、電源15をシート体に繋いでいる。
【0047】
このように、所定間隔をもって矩形状に巻いた吸着部材52は、簡易な構成によって再生処理のための電極配線が可能となり、製造コストの低廉を図ることができる。
【実施例3】
【0048】
図10は所定間隔を持って配してなるシート体をロール状とする以外の実施例である。
図10に示すように、本実施例では、所定間隔を持って配してなるシート体11−1、11−2をケース53内に九十九折状に内装した場合である。
このような九十九折状とするために、各コーナには支持部51を配設して、矩形状の吸着部材54としている。
本実施例では、この矩形状の吸着部材54をケース53内に装填して、電源15をシート体に繋いでいる。
【0049】
このように、所定間隔をもって九十九折状に巻いた吸着部材54は、簡易な構成によって再生処理のための電極配線が可能となり、製造コストの低廉を図ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0050】
以上のように、本発明にかかる吸着部材は、所定間隔を持って配してなるシート体をロール状とするので、従来のような配線が複雑となることが解消され、排ガス処理を連続して行うことに用いて適している。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】実施例1にかかる排煙処理装置の概略図である。
【図2】実施例1にかかる吸着部材の使用状態の概略図である。
【図3】実施例1にかかる吸着部材の再生状態の概略図である。
【図4】実施例1にかかる吸着部材から水銀の溶出状態を示す概略図である。
【図5】実施例1にかかる他の吸着部材から水銀の溶出状態を示す概略図である。
【図6】実施例1にかかる吸着部材の構成概略図である。
【図7】実施例1にかかるスペーサの要部概略図である。
【図8】実施例1にかかる吸着部材を装填するケースの概略図である。
【図9】実施例2にかかる矩形状とした吸着部材の模式図である。
【図10】実施例3にかかる九十九折状とした吸着部材の模式図である。
【図11】排煙処理システムの概略図である。
【図12】浄化塔の概略図である。
【図13】活性炭素繊維の再生状態を示す概略図である。
【図14】活性炭素繊維の他の再生状態を示す概略図である。
【符号の説明】
【0052】
10 排煙処理装置
11−1 第1シート体
11−2 第2シート体
13 吸着部材
14 浄化塔
15 電源
16 水
17 水供給装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、排ガス処理を長期間に亙って連続して行うことができる吸着部材及び排煙処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、気相中あるいは液相中に存在する不純物、臭気物質、着色物質、有害物質等の除去、並びに気体および液体の分離等に従来から活性炭等の炭素材料が使用されている。
【0003】
このような炭素材料として、活性炭や活性炭素繊維等の吸着剤を挙げることができ、このような吸着材を用いて、ボイラ等からの排ガスを処理している。
【0004】
このような排ガス処理を行う排煙処理システムについて、図11を参照して説明する。図11に示すように、蒸気タービンを駆動する蒸気を発生させるボイラ200と、該ボイラ200からの排ガス101中の煤塵を除去する除塵機201と、除塵された排ガスを浄化塔104内に供給する押込ファン121と、塔に供給する前に排ガス101を冷却すると共に増湿を行う増湿冷却装置116と、触媒槽107を内部に配設し、塔下部側壁の導入口104aから排ガス101を供給すると共に、触媒槽107の上方から散水ノズル122で水を供給して、排ガス中のSOxを希硫酸(H2SO4)まで脱硫反応させる浄化塔104と、塔頂部の排出部104bから脱硫された浄化ガス109を外部へ排出する煙突202と、浄化塔104からポンプ108を介して希硫酸(H2SO4)106を貯蔵すると共に石灰スラリー211を供給して石こうを析出させる石こう反応槽212と、石膏を沈降させる沈降槽(シックナー)213と、石こうスラリー214から水分を排水(濾液)217として除去して石こう215を得る脱水器216とを備えてなる。なお、浄化塔104から排出される浄化された浄化ガス109を排出するラインには必要に応じてミストエリミネータ203を介装し、ガス中の水分を分離するようにしてもよい。
【0005】
ここで、上記ボイラ200では、例えば、火力発電設備の図示しない蒸気タービンを駆動するための蒸気を発生させるために、石炭や重油等の燃料fが炉で燃焼されるようになっている。ボイラ200の排ガスには硫黄酸化物(SOx )が含有され、排ガス101は図示しない脱硝装置で脱硝されてガスガスヒータで冷却された後に除塵機201で除塵されている。
【0006】
この排ガス浄化システムでは、浄化塔104で得られた希硫酸106に石灰スラリー211を供給して石こうスラリー214を得た後、脱水して石こう215として利用するものであるが、脱硫して得られた希硫酸106をそのまま硫酸として使用する場合もある。
【0007】
ここで、前記浄化塔104の詳細について図12を用いて説明する。図12に示すように、例えばボイラ等から排出された排ガス101は、押込ファン121により送られ、増湿冷却水115により排ガス温度を冷却すると共に湿度を付与する増湿冷却装置116を経て下部側壁の導入部から浄化塔104内に導入される。浄化塔104の内部には活性炭素繊維層で形成される触媒槽107が備えられ、該触媒槽107には硫酸生成用の水105が水タンク111aと供給ポンプ111bとからなる水供給手段111から供給される。水供給手段111からの水105が散水ノズル122を介して上部から供給すると共に、上記触媒槽107の内部に排ガス101を下部から通過させることにより、排ガス101からSOxを反応除去する。触媒槽107を通過した浄化ガス109は浄化塔104上部の排出部から排出され、煙突を通して大気に放出される。なお、図12中、符号124は排ガスを整流化させる分散穴123を備えた整流板を図示する。
【0008】
前記触媒槽107の一単位を形成する活性炭素繊維層125は、平板状の平板活性炭素繊維シート126と波板状の波板活性炭素繊維シート127とが交互に積層され、間に形成される直線状の空間が通路128となり、該通路128が上下に延びた状態になっている。平板活性炭素繊維シート126及び波板活性炭素繊維シート127は板状であると共に、上記波板活性炭素繊維シート127は、さらに例えばコルゲータ等を用いて波型に成型されている。
上記触媒槽107の活性炭素繊維層の表面では、例えば、以下の反応により脱硫反応が生じる。
即ち、
(1)触媒の活性炭素繊維層への排ガス中の二酸化硫黄SO2の吸着。
(2)吸着した二酸化硫黄SO2と排ガス中の酸素O2(別途供給することも可である)との反応による三酸化硫黄SO3への酸化。
(3)酸化した三酸化硫黄SO3の水H2Oへの溶解による硫酸H2SO4の生成。
(4)生成された硫酸H2SO4の活性炭素繊維層からの離脱。
【0009】
この時の反応式は以下の通りである。
SO2+1/2O2+H2 O→H2SO4
【0010】
このようにして、触媒槽107の活性炭素繊維層の中で浄化排ガス103中の二酸化硫黄(SO2)を吸着して酸化し、水(H2O)と反応させて硫酸(H2SO4)を生成して離脱除去することにより、排ガス中の脱硫が行われる(特許文献1)。
【0011】
ところで、排ガス処理を長期間に亙って行っていくと、触媒槽107を構成する活性炭素繊維には、排ガス中の例えば水銀、セレン等の重金属が吸着されるので、前記重金属等を除去することが必要となる。
【0012】
また、従来では、活性炭等の吸着材の再生処理方法として、不活性ガス中において高温で加熱処理することが提案されている(特許文献2)。
【0013】
【特許文献1】特開2003−164730号公報
【特許文献2】特開2000−167395号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、特許文献2のような提案では、その加熱処理のために大掛かりな設備が必要となる、という問題がある。
【0015】
また、ボイラ等の排煙処理装置は大掛かりなものであるので、使用済みの吸着材の再利用は連続運転におけるコスト低廉のために重要であり、簡易な処理方法が切望されている。
【0016】
そこで、触媒槽を構成する活性炭素繊維を一対として、図13に示すような電気分解処理装置300を提案することができるが、活性炭素繊維層125にそれぞれ電源301から電圧を印加するための配線302を配線する必要があるが、製作の手間が膨大となるという問題がある。すなわち、現在の触媒槽の一例として例えば5m×5mで高さが5〜10mの場合には、活性炭素繊維層が250本/m必要となるので、これらの活性炭素繊維層に一枚一枚に配線が必要となるからである。また、活性炭素繊維層125と活性炭素繊維層125との間には絶縁材を介装するか一定の間隔で活性炭素繊維層125が接触しないように保持する必要があり、構成が複雑となる。
【0017】
また、図14に示すように、対極を1枚のメッシュ状の電極303とする場合においても、活性炭素繊維に対する配線本数には変化がないので、同様に配線の手間がかかるという問題がある。
また、電場が均一に加わらず、水銀等の除去及び活性炭素繊維の再生にムラが生じるという問題がある。
【0018】
本発明は、前記問題に鑑み、水銀等の再生処理が簡易となり、連続して排煙処理を行うことができる吸着部材及び排煙処理装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上述した課題を解決するための本発明の第1の発明は、排ガスが流通する浄化塔内に設けられ、排ガスを浄化する炭素材料で形成されてなる吸着部材であって、前記吸着部材は、所定間隔を持って配してなる一対のシート体からなると共に、該一対のシート体が巻かれてなる又は折りたたんでなることを特徴とする吸着部材にある。
【0020】
第2の発明は、第1の発明において、前記所定間隔を持って配してなる一対のシート体が、ケース内に巻装されてなる、又はケース内に九十九折状に装填されてなることを特徴とする吸着部材にある。
【0021】
第3の発明は、第1の発明において、前記所定間隔を持って配してなる一対のシート体が芯体に巻装されてなることを特徴とする吸着部材にある。
【0022】
第4の発明は、第1乃至3のいずれか一つの発明において、前記所定間隔を持って配してなる一対のシート体の間にガス透過性で絶縁性のスペーサが介装されてなることを特徴とする吸着部材にある。
【0023】
第5の発明は、第1乃至4のいずれか一つの発明において、前記所定間隔を持って配してなる一対のシート体の炭素材料に導電性部材が添加されてなることを特徴とする吸着部材にある。
【0024】
第6の発明は、第5の発明において、前記炭素材料が活性炭素繊維からなることを特徴とする吸着部材にある。
【0025】
第7の発明は、第1乃至6のいずれか一つの吸着部材を備えた浄化塔と、一対のシート体に電圧を印加する電源と、前記吸着部材に水を供給する水供給装置とを具備してなることを特徴とする排煙処理装置にある。
【0026】
第8の発明は、第1乃至6のいずれか一つの吸着部材を備えた浄化塔と、一対のシート体に電圧を印加する電源と、前記浄化塔内の少なくとも吸着部材部分を水で充満させる水供給装置とを具備してなることを特徴とする排煙処理装置にある。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、排ガスが流通する浄化塔内に設けられる吸着部材が、所定間隔を持って配してなる一対のシート体からなると共に、該一対のシート体が巻かれてなる又は折りたたんでなるので、再生処理における配線が複雑となることがなく、電気極の配線にかかる手間が大幅に省力化される。この結果、簡易な再生によって炭素材料の再生ができ、また、その構成も簡易なものであるので製造コストの低廉を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施例における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【実施例1】
【0029】
本発明による実施例1に係る吸着部材について、図面を参照して説明する。
図1は、実施例1に係る吸着部材を備えた排煙処理装置の概略図である。
図1に示すように、本実施例に係る排煙処理装置10は、所定間隔を持って配してなる一対の第1シート体11−1及び第2シート体11−2からなると共に、それらが一体となってロール状に巻かれてなる吸着部材13を複数(本実施例では9本)備えた浄化塔14と、一対の第1シート体11−1及び第2シート体11−2に電圧を印加する電源15と、前記吸着部材13に水16を供給する水供給装置17とを具備してなるものである。
【0030】
前記浄化塔14は排ガス101を導入する排ガス導入部14aを塔下部に設け、浄化ガス109を排出する排出部14bを塔頂部に設けている。また、浄化塔14の底面側には排ガス中の硫黄成分を除去して生じた希硫酸106が溜められている。なお、図中、符号18は配線、19−1,19−2は端子を各々図示する。なお、図1は浄化塔14を一部切り欠いた模式図であり、配線は省略している。また、後述するシート体の間に設けるスペーサは省略している。
【0031】
ここで、前記第1及び第2のシート体は、前述したような脱硫における触媒作用を有する炭素材料からなり、平板状の活性炭素繊維をシート状としたものを挙げることができる。また、本発明で用いられる活性炭素繊維としては、例えばピッチ系活性炭素繊維、ポリアクリロニトリル系活性炭素繊維、フェノール系活性炭素繊維、セルロース系活性炭素繊維を挙げることができるが、本発明はこれらに限定されるものではなく、上記触媒作用を奏する活性炭素繊維であれば何等限定されるものではない。
【0032】
本実施例では、浄化塔14内に9本のロール状とした吸着部材13を配設しているが、本発明はこれに限定されるものではない。また、ロールの巻数を大きくして直径が大径のロール体としてもよい。
【0033】
図2に前記ロール状とした吸着部材13の排ガスの浄化の様子を示すと共に、図3に水銀等の重金属の脱離の様子を示す。
先ず、図2に示すように、通常の排ガス処理においては、排ガス101の浄化の際には、電源15のスイッチ20をオフとして、水16をシャワー状に供給して、前述したように、活性炭素繊維の表面においてSO2の吸着を行いSO3へ酸化させ、供給したシャワー水により硫酸を生成し、脱硫を行っている。
【0034】
一方、図3に示すように、再生処理においては、排ガス101の通気を停止し、電源15のスイッチ20をオンとすると共に、水16を大量に供給し、吸着部材13の内部を水壁状態として、電気分解を行う。この電解の様子を図4に示す。図4に示すように、第1シート体11−1及び第2シート体11−2に電源15から電圧を印加することにより、酸化還元反応により、陽極とした第1シート体11−1に吸着した水銀をイオンの状態(Hg22+)で溶出させる。また、陽極と陰極とを入れ替えることで対極の第2シート体11−2からも同様に水銀イオンを溶出させる。ここで、本発明で水壁状とは、水を大量に供給することで、活性炭素繊維のシート体間に水が充満し、あたかも水を貯留しているようにみえることをいう。
【0035】
また、多量に水を供給する以外に、浄化塔14内部に水を充満させ、吸着部材を浸漬させた状態にて、電気分解を行うようにしてもよい。
【0036】
この溶出処理された電解処理液は別途回収した後、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)等のアルカリ剤を投入し、HgよりもNa又はKのモル数を多くする。その後、過酸化水素(H2O2)、オゾン(O3)等の酸化剤を電解処理液に投入し、酸化水銀(HgO)として沈殿・回収する。
なお、電解処理液にNa2SO4を投入するようにしてもよい。
【0037】
また、酸化剤の代わりにH2Sを添加してHgSとして沈殿させて回収するようにしてもよい。
【0038】
この一対のシート体の距離dは約3〜6mm程度であるが、ロール状となっているので、長尺のものをコンパクト化することとなり、従来のような250本/mのように沢山の導線を一本ずつ配線する手間が軽減され、また配線の取り回しが解消される。
なお、通電する距離が長くなるので、電気抵抗を十分に小さくする必要があり、例えば導電部材を表面に貼付けたり、又は内部に添加するようにしている。
ここで、導電部材としては、例えば金、白金等の貴金属類やタングステン(W)、チタン(Ti)等の金属類又は導電性炭素等を挙げることができる。
【0039】
また、図5に示すように、電源を交互に通電する以外に、シート体11−1、11−2に独立に電源を印加し、単にシート体を各々加熱させることにより水銀をイオンとして溶出させるようにしてもよい。
【0040】
このようなロール状の吸着部材13を製造する一例を図6に示す。図6に示すように、一対の第1シート体11−1及び第2シート体11−2との間及びその両側にスペーサ20−1、20−2、20−3が配設されている。そして、これらを一体として、ロール化し、ロール状の吸着部材13を構成している。本実施例ではシート体は1mm、スペーサは3〜6mmとしているが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0041】
また、スペーサ20−1〜20−3は、活性炭素繊維上でのSO2吸着を促進させるように、ガス流通性が良好なものが好ましく、例えば図7に示すような、ガス通気部21を有するメッシュ状のもの、海面体状のものとするのが好ましい。
また、前記スペーサは例えばポリプロピレン(PP)等により絶縁性を付与している。
【0042】
また、図8に示すように、開口部41を有するケース42内に、前述したようなロール状とした吸着部材13を複数(本実施例では9本)装填するようにしてもよい。
【0043】
また、このケース42を充填塔14内に複数段(本実施例では3段)積層させ、一度における処理容量を増大させるようにしてもよい。
【0044】
また、円形や矩形状とした芯体に所定間隔を持って配してなる一対のシート体を巻装させて吸着部材を製造するようにしてもよい。
【0045】
このように、簡易な構成によって再生処理のための電極配線が可能となり、製造コストの低廉を図ることができる。
【実施例2】
【0046】
図9は所定間隔を持って配してなるシート体をロール状とする以外の実施例である。
図9に示すように、本実施例では、所定間隔を持って配してなる第1シート体11−1、第2シート体11−2を矩形状に巻装した場合である。
このような矩形状とするために、各コーナには支持部51を配設して、矩形状の吸着部材52としている。
本実施例では、この矩形状の吸着部材52をケース53内に装填して、電源15をシート体に繋いでいる。
【0047】
このように、所定間隔をもって矩形状に巻いた吸着部材52は、簡易な構成によって再生処理のための電極配線が可能となり、製造コストの低廉を図ることができる。
【実施例3】
【0048】
図10は所定間隔を持って配してなるシート体をロール状とする以外の実施例である。
図10に示すように、本実施例では、所定間隔を持って配してなるシート体11−1、11−2をケース53内に九十九折状に内装した場合である。
このような九十九折状とするために、各コーナには支持部51を配設して、矩形状の吸着部材54としている。
本実施例では、この矩形状の吸着部材54をケース53内に装填して、電源15をシート体に繋いでいる。
【0049】
このように、所定間隔をもって九十九折状に巻いた吸着部材54は、簡易な構成によって再生処理のための電極配線が可能となり、製造コストの低廉を図ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0050】
以上のように、本発明にかかる吸着部材は、所定間隔を持って配してなるシート体をロール状とするので、従来のような配線が複雑となることが解消され、排ガス処理を連続して行うことに用いて適している。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】実施例1にかかる排煙処理装置の概略図である。
【図2】実施例1にかかる吸着部材の使用状態の概略図である。
【図3】実施例1にかかる吸着部材の再生状態の概略図である。
【図4】実施例1にかかる吸着部材から水銀の溶出状態を示す概略図である。
【図5】実施例1にかかる他の吸着部材から水銀の溶出状態を示す概略図である。
【図6】実施例1にかかる吸着部材の構成概略図である。
【図7】実施例1にかかるスペーサの要部概略図である。
【図8】実施例1にかかる吸着部材を装填するケースの概略図である。
【図9】実施例2にかかる矩形状とした吸着部材の模式図である。
【図10】実施例3にかかる九十九折状とした吸着部材の模式図である。
【図11】排煙処理システムの概略図である。
【図12】浄化塔の概略図である。
【図13】活性炭素繊維の再生状態を示す概略図である。
【図14】活性炭素繊維の他の再生状態を示す概略図である。
【符号の説明】
【0052】
10 排煙処理装置
11−1 第1シート体
11−2 第2シート体
13 吸着部材
14 浄化塔
15 電源
16 水
17 水供給装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
排ガスが流通する浄化塔内に設けられ、排ガスを浄化する炭素材料で形成されてなる吸着部材であって、
前記吸着部材は、所定間隔を持って配してなる一対のシート体からなると共に、該一対のシート体が巻かれてなる又は折りたたんでなることを特徴とする吸着部材。
【請求項2】
請求項1において、
前記所定間隔を持って配してなる一対のシート体が、ケース内に巻装されてなる、又はケース内に九十九折状に装填されてなることを特徴とする吸着部材。
【請求項3】
請求項1において、
前記所定間隔を持って配してなる一対のシート体が芯体に巻装されてなることを特徴とする吸着部材。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一つにおいて、
前記所定間隔を持って配してなる一対のシート体の間にガス透過性で絶縁性のスペーサが介装されてなることを特徴とする吸着部材。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一つにおいて、
前記所定間隔を持って配してなる一対のシート体の炭素材料に導電性部材が添加されてなることを特徴とする吸着部材。
【請求項6】
請求項5において、
前記炭素材料が活性炭素繊維からなることを特徴とする吸着部材。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか一つの吸着部材を備えた浄化塔と、
一対のシート体に電圧を印加する電源と、
前記吸着部材に水を供給する水供給装置とを具備してなることを特徴とする排煙処理装置。
【請求項8】
請求項1乃至6のいずれか一つの吸着部材を備えた浄化塔と、
一対のシート体に電圧を印加する電源と、
前記浄化塔内の少なくとも吸着部材部分を水で充満させる水供給装置とを具備してなることを特徴とする排煙処理装置。
【請求項1】
排ガスが流通する浄化塔内に設けられ、排ガスを浄化する炭素材料で形成されてなる吸着部材であって、
前記吸着部材は、所定間隔を持って配してなる一対のシート体からなると共に、該一対のシート体が巻かれてなる又は折りたたんでなることを特徴とする吸着部材。
【請求項2】
請求項1において、
前記所定間隔を持って配してなる一対のシート体が、ケース内に巻装されてなる、又はケース内に九十九折状に装填されてなることを特徴とする吸着部材。
【請求項3】
請求項1において、
前記所定間隔を持って配してなる一対のシート体が芯体に巻装されてなることを特徴とする吸着部材。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一つにおいて、
前記所定間隔を持って配してなる一対のシート体の間にガス透過性で絶縁性のスペーサが介装されてなることを特徴とする吸着部材。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一つにおいて、
前記所定間隔を持って配してなる一対のシート体の炭素材料に導電性部材が添加されてなることを特徴とする吸着部材。
【請求項6】
請求項5において、
前記炭素材料が活性炭素繊維からなることを特徴とする吸着部材。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか一つの吸着部材を備えた浄化塔と、
一対のシート体に電圧を印加する電源と、
前記吸着部材に水を供給する水供給装置とを具備してなることを特徴とする排煙処理装置。
【請求項8】
請求項1乃至6のいずれか一つの吸着部材を備えた浄化塔と、
一対のシート体に電圧を印加する電源と、
前記浄化塔内の少なくとも吸着部材部分を水で充満させる水供給装置とを具備してなることを特徴とする排煙処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2006−130477(P2006−130477A)
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−325261(P2004−325261)
【出願日】平成16年11月9日(2004.11.9)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年11月9日(2004.11.9)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]