説明

周囲パラメータデータを提供し、気象情報を判定する装置および方法

【課題】より正確に、狭い地域または範囲について気象情報を提供する方法および装置を提供すること。
【解決手段】本発明は、乗り物の周囲パラメータデータを提供する方法であって、a)乗り物の周囲パラメータセンサを介して、少なくとも1つの周囲パラメータの値を自動的に判定するステップと、b)少なくとも1つの周囲パラメータの値の外部サーバへの転送を自動的に開始するステップとを包含する方法に関する。1つの実施形態において、ステップa)は少なくとも1つの周囲パラメータの判定された値と関連する乗り物の位置を自動的に判定するステップを含み、ステップb)は該位置の前記外部サーバへの転送を自動的に開始するステップをさらに含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗り物の周囲パラメータデータを提供する装置および方法、ならびに、気象情報を判定する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
気象情報は、あらゆる種類の乗り物、特に、車、バスまたはトラックなどの路上を走る乗り物の運転手に深く関わるものである。この情報に依存して、路上の乗り物の運転手は、例えば、好ましいルートを選択し、特定の道具(例えば、冬用タイヤ、タイヤチェーン)に関する決定を行い、場合によっては、運転の仕方(例えば、黒氷の危険性があればよりゆっくりと運転するなど)を調節することができる。
【0003】
通常、従来の気象情報および気象予報は、ラジオを通じて運転手によって受け取られる。ニュースにおける従来の気象情報および気象予報以外に、デジタルラジオチャネルがより一般的になってきている。例えば、交通メッセージチャンネル(TMC)は、アナログラジオチャネルと並行して、交通メッセージの処理および恒常的な送信を可能にし、場合によっては、気象情報の処理および恒常的な送信も可能にする。これらのメッセージは、対応するTMCレシーバに格納され、聴覚的に、および/またはディスプレイ上に出力され得る。
【0004】
しかし、この種の気象情報の欠点は、不明確なことである。通常、従来の気象情報および予報は、実際の状況が非常に大きく異なり得る広い地域について作成される。さらに、この情報は、毎日のように更新されることはあまりなく、ほとんど役に立たない。
【0005】
一方、多くの車には、異なる周囲パラメータ、例えば、温度、明るさ、または降水量などを測定するセンサが備え付けられている。これらのパラメータの測定された値は、運転手に対して提示されるか、あるいは、ワイパーまたはヘッドライトなどの特定のデバイスを制御するために用いられる。これらのセンサのうちのいくつかはまた、例えば、黒氷の危険性、または、道路が滑りやすいことなどを運転手に知らせるために用いられる。しかし、この情報は、常に、乗り物の現在の位置に限られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、本発明の根底にある問題は、上記の欠点を克服し、より正確に、狭い地域または範囲について気象情報を提供する方法および装置を提供することである。この問題は、請求項1〜9に記載の方法、および請求項15に記載の装置によって解決される
【課題を解決するための手段】
【0007】
従って、乗り物の周囲パラメータデータを提供する方法であって、a)乗り物の周囲パラメータセンサを介して、少なくとも1つの周囲パラメータの値を自動的に判定するステップと、b)該少なくとも1つの周囲パラメータの値の外部サーバへの転送を自動的に開始するステップとを包含する、方法が提供される。
【0008】
「周囲パラメータ」とは、周囲の状況を特定または特徴付けるパラメータである。周囲パラメータには、温度、圧力、湿度、明るさ、風速、視界の広さ、また、路面が滑りやすいか否かを示すパラメータなども含まれる。従って、周囲パラメータは、数値型またはブール型などの異なるタイプのパラメータであってもよい。用語「乗り物」には、あらゆる種類の乗り物、例えば、船、飛行機、列車、または車などが含まれ、特に、乗り物は、車、バスまたはトラックなどの路上を走る乗り物であり得る。「外部サーバ」とは、乗り物の一部ではないか、または乗り物の外側にあるサーバであり、特に、静止サーバである。
【0009】
本発明の方法によると、乗り物に組み込まれたセンサを用いて、周囲パラメータの値を収集することが可能である。測定されたパラメータ値は、サーバに転送され、そこで、対応する地域について気象情報を提供するためにさらに処理され得る。気象情報は、特定の地域または範囲における周囲パラメータについての現在の情報および/または予報情報を含む。特に、複数の乗り物が周囲パラメータをこのように提供する場合、精度が高く最新の気象情報を提供するために、異なる位置から、定期的に更新された状態で、大量のデータが提供され得る。
【0010】
さらに、いずれにしても多くの乗り物に異なる目的のためのパラメータセンサが設けられているので、この方法は、これらのセンサの取り付けに費用をかける必要がない。乗り物にすでにあるセンサのデータが、さらなる目標のためにさらに用いられる。当然、精度および/またはパラメータの多様性を増すため、さらなるセンサが乗り物に設けられてもよい。
【0011】
この方法のステップa)は少なくとも1つの周囲パラメータの判定された値と関連する乗り物の位置を自動的に判定するステップを含み得、ステップb)は該位置の前記外部サーバへの転送を自動的に開始するステップをさらに含み得る。このようにして、パラメータデータは、用いられ、サーバによって、乗り物の相関位置、すなわち、値が測定または判定された位置とともに、さらに処理され得、得られる気象情報の精度および信頼性が高められる。特に、判定された値のそれぞれと関連する位置が判定され得る。
【0012】
特に、位置を判定するステップは、前記乗り物の位置判定手段を介して、特に、ナビゲーションシステムを介して、行われ得る。すでに乗り物にある位置判定手段の使用によって、この方法がさらに簡略化される。特に、今日では、多くの乗り物に、衛星情報および/または運動センサを用いて乗り物の現在の位置(少なくとも1つの周囲パラメータの値に関連する)を判定することを可能にするナビゲーションシステムが設けられている。
【0013】
別の例によると、位置を判定するステップは、外部位置判定手段を介して行われ得る。このような場合、乗り物にナビゲーションシステムなどの位置判定手段が備え付けられていなくても、この方法が行われ得る。路上を走る乗り物の場合、例えば、これは、道路の異なる位置に設けられた対応する検出デバイスを用いて達成され得る。例えば、通過する乗り物を登録する自動料金所用のステーションまたはビーコンが用いられ得る。この場合、ステップb)は、値の外部位置判定手段への転送を自動的に開始するステップを含み得る。その後、この外部位置判定手段から、周囲パラメータの値は、外部位置判定手段の位置とともに、サーバへとさらに転送され得る。あるいは、周囲パラメータの値のみが外部位置判定手段の位置を識別する識別子とともにサーバへと送信されるように、外部位置判定手段の位置が外部サーバにとって既知であってもよい。
【0014】
ステップb)は、前記少なくとも1つのパラメータの値と前記位置とを、転送される1つの信号に自動的に組み合わせるステップをさらに含み得る。組み合わせられた信号の転送によって、外部サーバによる、さらなる処理、およびパラメータ値の位置への割り当てが簡略化される。
【0015】
上記の方法のステップa)は、前記乗り物の温度計、気圧計、降水量センサ、明るさのセンサ、スリップセンサ、視界の広さのセンサ、風センサ、および/または気象レーダーを用いて行われ得る。これらは、部分的に、乗り物にすでに搭載されている可能性があるセンサであるか、それほどの労力なしに取り付けられ得る可能性のあるセンサである。
【0016】
ステップb)は、ワイヤレスデータリンクを介して転送を自動的に開始するステップを含み得る。ワイヤレスデータリンクを介する転送は、電話、無線、マイクロ波、可視光、赤外線などであり得る。これによって、簡略的な様態でのパラメータ値および/または位置座標の転送が可能になる。特に、ほとんどの乗り物に、携帯電話などの電話が備え付けられている。
【0017】
上記の方法において、ステップa)および/またはステップb)は、規則的な時間間隔で、および/または、前記乗り物の位置に依存して、および/または、外部トリガ信号を受信すると、行われ得る。
【0018】
上記の別の例の最も簡略な場合において、ステップa)および/またはステップb)は、パラメータの進行中の測定および転送を引き起こす所定の時間間隔の後に繰り返される。その代わりに、または、それに加えて、パラメータの値は、乗り物が所定の位置にある場合に、判定され得る。位置は、座標によって、または、場所のタイプによってなど、異なる様式で予め決定され得る。例えば、パラメータ値は、車が橋を横断するたびに、または、森林地帯内の道路にある場合に、判定され得る。さらに、ステップa)および/またはステップb)は、例えば、外部サーバまたは乗り物が通過した外部位置判定手段から生じた外部トリガ信号を受信すると行われ得る。
【0019】
さらに、本発明は、サーバによって気象情報を判定する方法であって、a)少なくとも1つの周囲パラメータの値を、少なくとも1つの乗り物、特に、複数の乗り物から受信するステップと、b)該少なくとも1つの周囲パラメータの値に関連する位置を受信するステップと、c)転送された該少なくとも1つの乗り物の該少なくとも1つの周囲パラメータと、該少なくとも1つの周囲パラメータの値と関連する位置とを用いて、サーバによって気象情報データを自動的に判定するステップとを包含する、方法を提供する。
【0020】
このようにして、気象情報データ、特に、周囲パラメータの現在値および/または気象予報データを含む気象情報データは、少なくとも1つの周囲パラメータの値に関連する位置を囲む狭い地域または範囲について、判定され得る。これによって、静止している気象庁に基づく概略的な気象情報が向上し、より高い精度が可能になる。気象情報データを判定するために、1つ以上の乗り物によって転送される周囲パラメータの値、および/または静止している気象庁からのデータ、および/または衛星などの他のソースからのデータが組み合わせられ得る。少なくとも1つの周囲パラメータの値のそれぞれに関連する位置がステップb)で受信され得ることが好ましい。
【0021】
サーバは、気象情報を取得するため、パラメータデータおよび/または位置データを受信する受信装置と、パラメータデータおよび位置データを処理する処理装置とを含み得る。
【0022】
この方法は、気象情報データを乗り物に転送するステップをさらに包含し得る。
【0023】
周囲パラメータ値を転送する乗り物および気象情報データを受信する乗り物は、同じであり得るが、必ずしもそうでなくてもよい。これによって、狭い地域について、この範囲内の乗り物から受信したデータを用いて、現在の気象データおよび気象予報データを提供し、乗り物に、乗り物が位置している、または、訪れようとしている地域について、精度が高く最新の気象データを提供することが可能になる。
【0024】
前記気象情報データを転送するステップは、前記乗り物の、特に位置データを含む、リクエストがあるときに行われ得る。従って、対応する受信および処理デバイスが備え付けられた乗り物は、気象データを、例えば、乗り物が位置する、または、運転手が移動しようとしている地域について、所望の地域を識別する位置データ(例えば、1つ以上の位置)をサーバへと転送することによって、リクエストし得る。
【0025】
本発明は、ナビゲーションシステムによってルートを判定する方法であって、上記の記載の方法によって判定される気象情報を受信するステップと、所定の気象状況基準に従って、受信した該気象情報を考慮に入れてルートを判定するステップとを包含する、方法をさらに提供する。
【0026】
ナビゲーションシステムは、当該技術分野において公知であり、出発地点、目的地、および電子地図データ(例えば、カーナビゲーションシステムの場合には道路地図データ)に基づいてルートを決定する。上述したように判定される気象情報は、小さい縮尺において(従来の気象情報と比較して)精度が高く、従って、ルートを決定する場合に考慮に入れられ得る。
【0027】
路上を走る乗り物について、気象状況基準は、例えば、黒氷、視程などのパラメータに基づき得る。例えば、路上に黒氷が判定される場合、この道路は、ルートを決定するときに、ペナルティーが与えられ可能性があるか、または、全く考慮されない。
【0028】
気象情報を受信するステップは、外部サーバへと気象情報がリクエストされる位置データの転送を開始するステップによって先行され得る。位置データは、気象情報が要求される1つ以上の地域を識別するために用いられる。
【0029】
上記の方法において、ルートを判定するステップは、受信した前記気象情報を考慮に入れて移動時間を判定するステップを含み得る。決定されたルートに沿った気象状況が移動時間に影響を与えるので、このようにして、より精密な時間予想を得ることができる。
【0030】
本発明はまた、乗り物の周囲パラメータデータを提供する装置であって、該乗り物の周囲パラメータセンサによって提供される、少なくとも1つの周囲パラメータの値を受信するように設定される、受信手段と、該少なくとも1つの周囲パラメータの値の外部サーバへの転送を自動的に開始するように設定される、開始手段とを備える、装置を提供する。
【0031】
このような装置は、上記の方法を行うことを可能にする。特に、このような装置は、乗り物に搭載され、精密で最新の気象情報を判定するための大量の周囲パラメータデータを提供することを可能にし得る。
【0032】
この装置の前記受信手段は、前記乗り物の位置判定手段、特にナビゲーションシステムによって提供される少なくとも1つの周囲パラメータの判定された値と関連する位置をさらに受信するように設定され得、前記開始手段は、該位置の前記外部サーバへの転送を自動的に開始するように設定され得る。
【0033】
位置判定手段は、衛星信号(例えば、GPS信号)および/またはジャイロスコープなどの運動センサを受信する衛星受信手段を含み得る。
【0034】
前記開始手段は、前記少なくとも1つのパラメータと前記位置とを、転送される1つの信号に組み合わせるように設定され得る。
【0035】
さらに、前記開始手段は、ワイヤレスデータリンクを介して転送を開始するように設定され得る。
【0036】
上記の装置は、前記周囲パラメータの値を提供するように、前記乗り物の少なくとも1つの周囲パラメータセンサにトリガ信号を提供するように設定されるトリガ手段をさらに備え得る。このようにして、この装置は、パラメータセンサを制御し、所望される場合にパラメータ値をリクエストし得る。
【0037】
前記トリガ手段は、規則的な時間間隔で、および/または、前記乗り物の位置に依存して、および/または、外部トリガ信号を受信すると、前記トリガ信号を提供するように設定され得る。
【0038】
さらに、本発明は、上記の装置を含む、乗り物、特に、路上を走る乗り物を提供する。
【0039】
従って、1つの局面において、本発明は、乗り物の周囲パラメータデータを提供する方法であって、
a)乗り物の周囲パラメータセンサを介して、少なくとも1つの周囲パラメータの値を自動的に判定するステップと、
b)該少なくとも1つの周囲パラメータの値の外部サーバへの転送を自動的に開始するステップと、
を包含する、方法、を提供する。
【0040】
1つの実施形態において、ステップa)は少なくとも1つの周囲パラメータの判定された値と関連する乗り物の位置を自動的に判定するステップを含み、
ステップb)は該位置の前記外部サーバへの転送を自動的に開始するステップをさらに
含む。
【0041】
好ましい実施形態において、位置を判定するステップは、前記乗り物の位置判定手段を介して、特に、ナビゲーションシステムを介して、行われる。
【0042】
別の好ましい実施形態において、位置を判定するステップは、外部位置判定手段を介して行われる。
【0043】
さらに好ましい実施形態において、ステップb)は、前記少なくとも1つのパラメータの値と前記位置とを、転送される1つの信号に自動的に組み合わせるステップを含む。
【0044】
さらに好ましい実施形態において、少なくとも1つの周囲パラメータの値を判定するステップは、前記乗り物の温度計、気圧計、降水量センサ、明るさのセンサ、スリップセンサ、視界の広さのセンサ、風センサ、および/または気象レーダーを用いて行われる。
【0045】
さらに好ましい実施形態において、ステップb)は、ワイヤレスデータリンクを介して転送を自動的に開始するステップを含む。
【0046】
さらに好ましい実施形態において、ステップa)および/またはステップb)は、規則的な時間間隔で、および/または、前記乗り物の位置に依存して、および/または、外部トリガ信号を受信すると、行われる。
【0047】
別の局面において、本発明は、サーバによって気象情報を判定する方法であって、
a)少なくとも1つの周囲パラメータの値を、少なくとも1つの乗り物、特に、複数の乗り物から受信するステップと、
b)該少なくとも1つの周囲パラメータの値に関連する位置を受信するステップと、
c)該少なくとも1つの乗り物の該少なくとも1つの周囲パラメータの値と、該少なくとも1つの周囲パラメータの値と関連する位置とを用いて、サーバによって気象情報データを自動的に判定するステップと、
を包含する、方法、を提供する。
【0048】
1つの実施形態において、気象情報データを乗り物に転送するステップをさらに包含する。
【0049】
好ましい実施形態において、前記気象情報データを転送するステップは、前記乗り物の、特に位置データを含む、リクエストがあるときに行われる。
【0050】
さらに別の局面において、本発明は、ナビゲーションシステムによってルートを判定する方法であって、
上記の方法によって判定される気象情報を受信するステップと、
所定の気象状況基準に従って、受信した該気象情報を考慮に入れてルートを判定するステップと
を包含する、方法、を提供する。
【0051】
1つの実施形態において、気象情報を受信するステップは、外部サーバへと気象情報がリクエストされる位置データの転送を開始するステップによって先行される。
【0052】
好ましい実施形態において、ルートを判定するステップは、受信した前記気象情報を考慮に入れて移動時間を判定するステップを含む。
【0053】
さらに別の局面において、乗り物の周囲パラメータデータを提供する装置であって、
該乗り物の周囲パラメータセンサ(102)によって提供される、少なくとも1つの周囲パラメータの値を受信するように設定される、受信手段(1011)と、
該少なくとも1つの周囲パラメータの値の外部サーバ(203)への転送を自動的に開始するように設定される、開始手段(1012)と、
を備える、装置、を提供する。
【0054】
1つの実施形態において、前記受信手段は、前記乗り物の位置判定手段、特にナビゲーションシステムによって提供される少なくとも1つの周囲パラメータの判定された値と関連する位置を受信するように設定され、前記開始手段は、該位置の前記外部サーバへの転送を自動的に開始するように設定される。
【0055】
別の実施形態において、前記開始手段は、前記少なくとも1つのパラメータと前記位置とを、転送される1つの信号に組み合わせるように設定される。
【0056】
好ましい実施形態において、前記開始手段は、ワイヤレスデータリンクを介して転送を開始するように設定される。
【0057】
さらに好ましい実施形態において、前記周囲パラメータの値を提供するように、前記乗り物の少なくとも1つの周囲パラメータセンサにトリガ信号を提供するように設定されるトリガ手段(1013)をさらに備える。
【0058】
さらに好ましい実施形態において、前記トリガ手段は、規則的な時間間隔で、および/または、前記乗り物の位置に依存して、および/または、外部トリガ信号を受信すると、前記トリガ信号を提供するように設定される。
【0059】
さらに別の局面において、本発明は、上記装置を含む、乗り物、特に、路上を走る乗り物を提供する。
【0060】
本発明のさらなる特徴および利点は、図面を参照しながら以下に説明される。
例えば、本発明は以下の項目を提供する。
(項目1)
乗り物の周囲パラメータデータを提供する方法であって、
a)乗り物の周囲パラメータセンサを介して、少なくとも1つの周囲パラメータの値を自動的に判定するステップと、
b)該少なくとも1つの周囲パラメータの値の外部サーバへの転送を自動的に開始するステップと、
を包含する、方法。
(項目2)
ステップa)は少なくとも1つの周囲パラメータの判定された値と関連する乗り物の位置を自動的に判定するステップを含み、
ステップb)は該位置の上記外部サーバへの転送を自動的に開始するステップをさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目3)
位置を判定するステップは、上記乗り物の位置判定手段を介して、特に、ナビゲーションシステムを介して、行われる、項目2に記載の方法。
(項目4)
位置を判定するステップは、外部位置判定手段を介して行われる、項目2に記載の方法。
(項目5)
ステップb)は、上記少なくとも1つのパラメータの値と上記位置とを、転送される1つの信号に自動的に組み合わせるステップを含む、項目2〜4のいずれかに記載の方法。
(項目6)
少なくとも1つの周囲パラメータの値を判定するステップは、上記乗り物の温度計、気圧計、降水量センサ、明るさのセンサ、スリップセンサ、視界の広さのセンサ、風センサ、および/または気象レーダーを用いて行われる、項目1〜5のいずれかに記載の方法。
(項目7)
ステップb)は、ワイヤレスデータリンクを介して転送を自動的に開始するステップを含む、項目1〜6のいずれかに記載の方法。
(項目8)
ステップa)および/またはステップb)は、規則的な時間間隔で、および/または、前記乗り物の位置に依存して、および/または、外部トリガ信号を受信すると、行われる、項目1〜7のいずれかに記載の方法。
(項目9)
サーバによって気象情報を判定する方法であって、
a)少なくとも1つの周囲パラメータの値を、少なくとも1つの乗り物、特に、複数の乗り物から受信するステップと、
b)該少なくとも1つの周囲パラメータの値に関連する位置を受信するステップと、
c)該少なくとも1つの乗り物の該少なくとも1つの周囲パラメータの値と、該少なくとも1つの周囲パラメータの値と関連する位置とを用いて、サーバによって気象情報データを自動的に判定するステップと、
を包含する、方法。
(項目10)
気象情報データを乗り物に転送するステップをさらに包含する、項目9に記載の方法。
(項目11)
上記気象情報データを転送するステップは、上記乗り物の、特に位置データを含む、リクエストがあるときに行われる、項目10に記載の方法。
(項目12)
ナビゲーションシステムによってルートを判定する方法であって、
項目9〜11のいずれかに記載の方法によって判定される気象情報を受信するステップと、
所定の気象状況基準に従って、受信した該気象情報を考慮に入れてルートを判定するステップと
を包含する、方法。
(項目13)
気象情報を受信するステップは、外部サーバへと気象情報がリクエストされる位置データの転送を開始するステップによって先行される、項目12に記載の方法。
(項目14)
ルートを判定するステップは、受信した上記気象情報を考慮に入れて移動時間を判定するステップを含む、項目12または13に記載の方法。
(項目15)
乗り物の周囲パラメータデータを提供する装置であって、
該乗り物の周囲パラメータセンサ(102)によって提供される、少なくとも1つの周囲パラメータの値を受信するように設定される、受信手段(1011)と、
該少なくとも1つの周囲パラメータの値の外部サーバ(203)への転送を自動的に開始するように設定される、開始手段(1012)と、
を備える、装置。
(項目16)
上記受信手段は、上記乗り物の位置判定手段、特にナビゲーションシステムによって提供される少なくとも1つの周囲パラメータの判定された値と関連する位置を受信するように設定され、上記開始手段は、該位置の上記外部サーバへの転送を自動的に開始するように設定される、項目15に記載の装置。
(項目17)
上記開始手段は、上記少なくとも1つのパラメータと上記位置とを、転送される1つの信号に組み合わせるように設定される、項目15に記載の装置。
(項目18)
上記開始手段は、ワイヤレスデータリンクを介して転送を開始するように設定される、請求項15〜17のいずれかに記載の装置。
(項目19)
上記周囲パラメータの値を提供するように、上記乗り物の少なくとも1つの周囲パラメータセンサにトリガ信号を提供するように設定されるトリガ手段(1013)をさらに備える、項目15〜18のいずれかに記載の装置。
(項目20)
上記トリガ手段は、規則的な時間間隔で、および/または、上記乗り物の位置に依存して、および/または、外部トリガ信号を受信すると、上記トリガ信号を提供するように設定される、項目15〜19のいずれかに記載の装置。
(項目21)
項目15〜20のいずれかに記載の装置を含む、乗り物、特に、路上を走る乗り物。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】図1は、異なるセンサに接続されている、周囲パラメータデータを提供する装置の配置の一例を示す図である。
【図2】図2は、乗り物と外部サーバとの間の相互関係の一例を模式的に示す図である。
【図3】図3は、周囲パラメータデータを提供する方法の一例を示すフローチャートである。
【図4】図4は、サーバによって気象情報を判定する方法の一例を示すフローチャートである。
【図5】図5は、気象情報データを用いてルートを決定するステップの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0062】
以下の異なる実施例の詳細な説明および図面は、本発明を特定の例示的な実施形態に限定するものでないことが理解されるべきである。記載される例示的な実施形態は本発明の様々な局面を例示するものに過ぎず、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって規定される。
【0063】
図1において、乗り物の周囲パラメータを提供する装置101の例が示されている。この装置は、いくつかの周囲パラメータセンサ102に接続されている。乗り物のタイプ(例えば、車、船、飛行機、列車)に依存して、異なるセンサ102が設けられ得る。特に、装置101は、温度、圧力、湿度、降水量、風速、視程、明るさ、霧、スリップ、少ない太陽光線などについてのセンサ102に接続され得る。
【0064】
図1に模式的に示すように、装置101は、センサ102をトリガするトリガ手段1013を含む。トリガ信号を受け取ると、センサは、対応するパラメータ値を測定または判定する。このようなパラメータ値は、パラメータ値を受信する受信手段1011をも含む装置101に転送される。装置101は、受信したパラメータ値を格納するメモリ1014をさらに含む。乗り物内のクロック発生器は、例えば、このようなトリガ信号を規則的な時間間隔で提供し得る。
【0065】
装置101はまた、ナビゲーションシステム103に接続される。このようなナビゲーションシステム103は、乗り物の現在の位置を、特に、衛星信号および運動センサ(例えば、ジャイロスコープ)を用いて、判定するように設定される。装置101のリクエストで、ナビゲーションシステム103は、乗り物の現在の位置を装置101に転送し、現在の位置は装置101において、受信手段1011によって受信され、メモリ1014に格納される。あるいは、ナビゲーションシステム103は、装置101に乗り物の現在の位置を規則的に提供するように設定されてもよい。
【0066】
装置101は、格納されたデータを処理する処理手段(図示せず)をさらに含む。例えば、パラメータデータおよび/または位置データは、特定のフォーマットを取得するために処理され得る。特に、パラメータデータおよび位置データは、組み合わせ信号として転送される1つのデータファイルに組み合わされ得る。処理手段は、例えば、受信手段1011の一部であってもよい。
【0067】
さらに、装置101はまた、パラメータデータと判定されたパラメータ値に関連する位置との外部サーバへの転送を開始する開始手段1012を含む。
【0068】
図1に示す例においては、装置101は、電話104に接続されている。この接続は、特に、ワイヤレスであってもよい。装置101は、パラメータデータおよび位置データを(特に、組み合わせ信号として)電話104に、電話にデータを外部サーバ(図示せず)へと送信させる制御信号とともに、送信する。このようにして、サーバへのデータの転送が開始される。電話は、例えば、乗り物の運転手の携帯電話であり得る。
【0069】
電話104はまた、外部サーバからデータ(例えば、気象予報データ)を受信するように設定され得る。その後、これらのデータは、装置101に転送され、場合によっては、電話104から直接、または、装置101を介して、ナビゲーションシステム103に転送される。装置101はまた、気象状況について運転手に知らせるために、ディスプレイまたはテキスト音声変換デバイスなどの出力手段に受信したデータを出力させるように設定されてもよい。これはまた、データを、直接電話から対応する出力デバイスに、まず装置101を通過させることなく、転送することによって達成され得る。
【0070】
図2において、乗り物とサーバとの間の相互関係が示される。この例において、乗り物は、道路202に沿って移動する車201である。車201には、周囲パラメータデータを提供する装置が備え付けられている。乗り物201はまた、ナビゲーションシステム、電話、および少なくとも1つの周囲パラメータ用のセンサを含む。周囲パラメータデータを提供する装置は、乗り物に搭載され、例えば、図1に示すような、異なる他のデバイスに接続され得る。
【0071】
周囲パラメータセンサは、周囲パラメータの値を判定する。これは、例えば、パラメータ(例えば、温度など)を直接測定することによって、または、パラメータを間接的に判定することによって達成され得る。例えば、所望のパラメータが、路面が滑りやすいか否かを示す値「イエス」または「ノー」を取り得るスリップ値である場合、このパラメータは、車輪速度センサによって供給される情報を利用して取得される結果に基づいて判定され得る。
【0072】
対応するセンサによって判定されるパラメータ値は、外部サーバ203に転送される。転送は、例えば、車の運転手の携帯電話を用いて行われ得る。信号を受信する外部サーバ203は、静止しており、特に、気象庁に位置し得る。
【0073】
車201のナビゲーションシステムはまた、グローバルポジショニングシステム(GPS)を用いて、車201の現在の位置を判定するために、衛星204と通信し得る。さらなる運動センサが、位置データの精度を高めるため、車201に設けられてもよい。衛星204はまた、可視および赤外線領域内の現在のイメージを、さらなる処理および他の気象データとの組み合わせのため、外部サーバ203に提供し得る。
【0074】
外部サーバ203に送信される周囲パラメータおよび現在の位置データ(パラメータデータと関連)は、対応するトリガ信号に応じて、判定され得る。乗り物内のクロック発生器が、このようなトリガ信号を提供し得る。その代わり、または、それに加えて、周囲パラメータを判定するためのトリガ信号は、車201の現在の位置に依存し得る。例えば、車のナビゲーションシステムは、車201の現在の位置が所定の基準を満たす場合、対応するトリガ信号を提供するように設定され得る。例えば、このような基準は、車201が橋を横断している場合、または、車201が特定の地形的特徴(例えば、隆起した断面、森林地域など)を有する位置にいる場合に満たされ得る。
【0075】
さらなる代替例として(または、さらに加えて)、トリガ信号は、トリガステーション205によって提供されてもよい。このようなトリガステーションは、道路に沿って取り付けられ得る。例えば、トリガステーション205は、ビーコンを含んでも良いし、通過する乗り物が登録される料金所として主に機能してもよい。車201がそのようなステーションを通過する場合、トリガ信号は車によって受信され、周囲パラメータデータを提供する装置に周囲パラメータを判定するようにセンサをトリガさせる。
【0076】
トリガステーション205の場合、車201にナビゲーションシステムを備え付ける必要はない。例えば、車がトリガステーションを通過する場合、車は検出される。ステーションのトリガ信号により、周囲パラメータが判定され、トリガステーション205に転送される。このステーション205から、値は、(サーバ203にとってステーションの位置が既知である場合には)ステーションの識別子とともに、または、ステーションの明示的な位置データとともに、外部サーバ203へとさらに転送される。
【0077】
他の場合、トリガステーションは、道路に取り付けられてもよい。道路に沿って所定の距離の後、データ受信ステーションが取り付けられ得る。乗り物がトリガステーションを通過する場合、判定する周囲パラメータ値がトリガされる。その後、規則的な間隔または距離で、パラメータ値が判定され、格納される。データ受信ステーションに達するとき、値のリストは、このステーションに転送される。値が判定される規則的な間隔または距離のため、トリガステーションおよびデータ受信ステーションの既知の位置に基づいて、各値について相関位置が判定される。その後、対応するデータ対(それぞれが、パラメータ値および相関位置を含む)が、外部サーバへとさらに転送される。
【0078】
サーバ203において、周囲パラメータデータは、現在の気象データおよび気象予報データを判定するために用いられる。異なる乗り物から受信した周囲パラメータデータは、測候所からのデータ、および、衛星信号、例えば、衛星写真とも組み合わせられ得る。サーバ203は、複合気象データを取得し、気象データを判定するように、受信したデータを処理するように設定される。
【0079】
その後、現在の気象データおよび気象予報データは、乗り物に転送され得る。これは、特に、乗り物が、対応するリクエストを外部サーバ203に明示的に送信する場合に行われ得る。このようなリクエストは、運転手がいずれの地域に関心を持っているかについての情報を含んでもよいし、または、乗り物の位置のデータを、この位置を囲む地域についての気象情報および予報データを受信するように含んでもよい。
【0080】
図3において、乗り物の周囲パラメータを提供する方法を例示する一例のフローチャートが示されている。第1のステップ301に従って、トリガ信号が、乗り物のいくつかのセンサのうち1つに送信される。このステップは、乗り物に搭載されている、対応する装置、例えば、図1の装置101によって行われる。このトリガ信号の送信は、異なった様式で開始され得る。例えば、装置は、トリガ信号が所定の時間間隔内で規則的に送信されるように、クロックを含んでいてもよいし、クロックに接続されていてもよい。その代わり、または、それに追加して、上述したように、装置自体が、トリガ信号を送信するように外部デバイスによってトリガされてもよい。
【0081】
このようなトリガ信号を受信する可能性があるセンサは、例えば、温度、圧力、風、降水量またはスリップセンサであり得る。車の場合、スリップセンサは、エレクトロニックスタビリティプログラム(ESP)などの車のスリップを防ぐ役割を果たす車に搭載されているシステムの一部であり得る。
【0082】
パラメータセンサ(単数または複数)は、トリガ信号を受信し、対応するパラメータ値を判定する。
【0083】
続くステップ302において、センサによって判定されたパラメータ値は、周囲パラメータデータを提供する装置によって受信される。その後、ステップ303において、乗り物の現在の位置(パラメータ値と関連)がリクエストされる。これは、例えば、対応する信号を、衛星データおよび/または乗り物の運動センサを用いて、現在の位置を判定できる乗り物のナビゲーションシステムに送信することによって、達成され得る。
【0084】
その後のステップ304において、現在の位置データは、周囲パラメータデータを提供する装置によって受信される。パラメータセンサデータおよび位置データは、ステップ305において組み合わされ、転送の簡略化、および外部サーバにおける処理のため、組み合わせ信号が形成される。
【0085】
その後、ステップ306において、この組み合わせ信号の転送が開始される。例えば、組み合わせ信号は、信号が送信されるべきサーバの識別表示(例えば、その電話番号)とともに、装置に接続されている電話に転送され得る。
【0086】
センサデータおよび位置データが必ずしも組み合わされる必要はなく、別個に送信されてもよいことが理解される必要がある。この場合、どのセンサデータがどの位置に属しているのかサーバに分かるように、(センサおよび位置からの)異なるデータの対応関係も外部サーバに提供されることを確実にする必要がある。
【0087】
図4において、サーバ203などのサーバによって、気象情報を判定する方法の一例のフローチャートが示されている。
【0088】
まず、ステップ401において、サーバは、少なくとも1つの乗り物から信号を受信する。信号は、周囲パラメータデータを含む。異なるパラメータのデータ、および、場合によっては、「ソース」の乗り物の位置は、1つの信号に組み合わせられ得る。特に、この信号の中のデータは、サーバによってさらに処理されるため、さらなるステップなしに、すでにフォーマットされていてもよい。そうでない場合、サーバは、適切な形態のデータを取得するためにデータを再フォーマットする必要がある。
【0089】
サーバは、気象データを処理し、特に、ユーザまたは消費者に対応する気象情報を提供する気象予報を行うように設定される気象庁のサーバであり得る。このため、サーバは、1つ以上のデータ処理装置およびデータ格納手段を含み得る。
【0090】
1つ以上の乗り物から受信された周囲パラメータデータは、ステップ402において、測候所および/または衛星からのさらなるデータと組み合わせられ得る。当然、このステップは任意のものであり、周囲パラメータデータの任意の処理が、さらなるデータを考慮することなく行われてもよい。しかし、乗り物のデータを測候所からのデータと組み合わせる場合、精度が高められた気象情報が取得され得る。
【0091】
乗り物の周囲パラメータ、ならびに、測候所および/または衛星からのデータを用いて、ステップ403において、気象予報データが判定される。この予報データは、将来、例えば、温度、降水量、道路状況(例えば、黒氷)、視程などに関するデータを含み得る。特に、乗り物のデータのため、気象予報データは、測候所からのデータのみを用いる場合よりも、小さい縮尺で確立され得る。
【0092】
続くステップ404において、気象予報データは、乗り物に転送される。このステップは、乗り物によるリクエストがあったとき、または、そのようなリクエストなしに行われ得る。さらに、データの異なる部分が乗り物に転送され得る。例えば、乗り物は、特定の地域または範囲についての気象予報を明示的にリクエストし得る。あるいは、乗り物が現在位置している地域の気象予報データが転送され得る。
【0093】
さらに、転送されたデータはまた、特定のタイプのデータに限定されてもよい。例えば、特定の範囲の道路の状況についての予報情報のみを知ることを運転手が望む場合、このような特定のリクエストを含む対応する信号は、乗り物から、所望の情報のみを転送することによって応答する外部サーバへと送信され得る。
【0094】
上記のステップは、必ずしも気象予報データを提供するためだけに行われるのではなく、現在および最新の気象情報を提供する役割も果たしてもよいことが理解される必要がある。
【0095】
図5に、外部サーバから受信した気象情報データを考慮に入れる、乗り物、特に車の中のナビゲーションシステムの機能の一例のフローチャートが示される。
【0096】
従来の路上を走る乗り物用のナビゲーションシステムにおいて、出発地点と目的地との間のルートは、ナビゲーションシステムが利用可能な電子道路地図データに基づいて決定される。このことを考慮すると、第1のステップ501において、ルートの出発地点と目的地が決定される。
【0097】
通常、目的地は、例えば、目的地の対応するリストから目的地を選択することによって、目的地を入力するようにユーザにリクエストすることによって決定される。出発地点は、同様の方法で決定され得る。あるいは、出発地点は、例えば、GPSなどのシステムを用いる衛星データを用いて決定され得る乗り物の現在の位置であってもよい。
【0098】
続くステップ502において、ルートは、電子的な形態で利用可能な1つ以上の道路地図を用いて、ナビゲーションシステムによって決定される。例えば、このようなマップは、ナビゲーションシステムのメモリに格納されていてもよいし、または、特定の地域の道路地図を含むCDまたはDVDが提示されてもよい。ルートは、異なる基準および制約を用いて決定され得る。ナビゲーションシステムによってルートを決定する方法は、当該技術において周知である。
【0099】
続くステップ503において、ナビゲーションシステムによって決定されたルートに沿った地域の気象データがリクエストされる。これは、リクエスト信号を対応する外部サーバに送信することによって達成され得る。このリクエスト信号において、気象データ(現在のデータおよび/または予報データ)が所望される地域は、例えば、ルートの座標(位置データ)またはルートに沿った大きな都市の名前を転送することによって特定され得る。
【0100】
このリクエストに応答して、外部サーバからの気象データは、リクエストに対応するステップ504において受信される。
【0101】
その後のステップ505において、ナビゲーションシステムは、ルートに沿って、悪天候状況をチェックする。このステップは、異なる基準を用いて行われ得る。例えば、ナビゲーションシステムは、道路上の黒氷が悪い状況であると考慮されるように、設定され得る。他の基準(例えば、視程、降水量などに基づく)も用いられ得る。
【0102】
ステップ505においてルートに沿った気象状況を解析した後、ステップ506において、決定されたルートに沿ってなんらかの悪い状況がないかチェックされる。
【0103】
1つ以上の所定の基準に従って悪い状況が検出されない場合、ステップ502においてすでに決定済みのルートが、ステップ507において運転手に提示される。これは、聴覚的におよび/または光学的に行われ得る。
【0104】
しかし、ルートに沿って一部の場所で悪い状況がある場合、ナビゲーションシステムは、ステップ508において、最適化されたルートを決定する。例えば、悪い状況(例えば、黒氷、悪い視程など)がある道路および/または地域全体にペナルティーが与えられる。このようにして、悪い気象状況がある地域を迂回する最適化されたルートが決定され、ステップ507において運転者に提示され得る。
【0105】
また、元のルートと最適化されたルートとの両方を、場合によっては、気象情報とともに運転手に提示し、運転手が異なる可能性の間で選択をすることができるようにすることも可能である。
【0106】
ステップ508において最適化されたルートを決定する代わりに、移動の時間を決定する場合にのみ、元々決定されたルートについて気象状況が考慮されることも可能である。その後、元のルートの一部の地域において、悪い気象状況がある場合に、同じルートが依然として運転手に提示されるが、長くなった移動時間と、場合によっては、対応する気象情報とが運転手に提示される。
【0107】
本発明のさらなる改変例および変形例は、この説明を読んだ当業者にとって明らかである。従って、この説明は、例示に過ぎない解釈されるべきであり、本発明を実行する一般的な様態について、当業者に教示するためのものである。本発明の形態および本明細書に記載の形態は、現在の好適な実施形態であると考えられるものであることが理解される必要がある。
【符号の説明】
【0108】
101 装置
102 周囲パラメータセンサ
103 ナビゲーションシステム
1011 受信手段
1013 トリガするトリガ手段
1014 メモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−262675(P2010−262675A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−178905(P2010−178905)
【出願日】平成22年8月9日(2010.8.9)
【分割の表示】特願2005−44743(P2005−44743)の分割
【原出願日】平成17年2月21日(2005.2.21)
【出願人】(504147933)ハーマン ベッカー オートモーティブ システムズ ゲーエムベーハー (165)
【Fターム(参考)】