説明

周波数を変換する装置及び方法

【課題】本願開示の実施例は、周波数変換を行う装置及び方法に関する。
【解決手段】上記装置は、チャネルを各信号が含む複数の第1の信号を受信し、ディジタル化し、選択されたチャネル組を複数の第1の信号から同時に回復する受信器(520a乃至c、530a乃至c)を含む。装置は、選択されたチャネル組を合成して第2の信号を生成する送信器(540、550、560)も含む。本発明の方法は、複数の別々のチャネルを含む第1の信号を受信する工程(602)と、複数の別々のチャネルから、選択されたチャネル組を選択する工程(606)と、選択されたチャネル組を合成して第2の信号を形成する工程(608)と、第2の信号を送信する工程(612)とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、西暦2005年5月4日付けで米国にて出願された米国特許仮出願第60/677563号の、米国特許法第119条の下での利益を主張する。
【0002】
本発明は一般に通信システムに関する。特に、本発明は、通信システム内のコンテンツの受信及び再送信に関する。
【背景技術】
【0003】
この部分は、本明細書及び/又は特許請求の範囲に記載する本発明の種々の局面に関し得る、当該技術分野の種々の局面を示すことを意図している。この記載は、本発明の種々の局面のより深い理解を容易にするための背景情報の提供に有用であると考える。したがって、前述の記載が、前述に照らして読まれ、従来技術であると認めるものとしてではなく読まれるものとする。
【0004】
今日のデータ通信システム(衛星TVにおいて使用されるものなど)では、各種データは多くの場合、仮想チャネルとして知られているものに存在している。前述の仮想チャネルからのデータは、データ・パケットに別々に分解され、別々のデータ・タイプ内及び別々のデータ・タイプにわたってビット・ストリームに集約され、パケット配信システムによって伝達される。消費者向データ機器(衛星受信器など)は、利用可能な物理チャネルから選択し、前述のチャネル上の信号をディジタル形式(パケット)に変換し、所望の仮想情報チャネル(例えば、オーディオ、ビデオ、番組ガイド、取引データ等)の再組み立てに必要なデータ・パケットを収集する。コンテンツ・プロバイダとコンテンツ消費者との間のデータ経路に沿った種々の点で、データ管理の機会が生じる。
データは、多くのソースのうちの1つから到着し、多くの衛星のうちの1つを介してルーティングされ、衛星に搭載された多くのトランスポンダのいくつかを通過し、消費者用アンテナによって受信され、消費場所に配信され得る。
【0005】
消費者向受信器は多くの場合、表示するために一度に、衛星からの物理チャネルのうちの1つしか受信することができない。しかし、新たな受信器は、消費者が用いることが可能な高度な機能を含み得る。例えば、受信装置は、2ピクチャ同時表示システム又はコンテンツ記録に用いるために2つ以上のチューナを含み得る。更に、消費者の所帯は多くの場合、用いるために1つ又は複数のチャネルのチューニングをそれぞれの受信器が必要とする複数の受信器を含む。
【0006】
配信するためのコンテンツの量の一層の増大によって、前述のコンテンツを全ての場所に常時配信することが非常に困難になっている。最大4つの別個の衛星からデータを受信して家庭にプログラミングを配信するシステムは、一同軸ケーブル接続上にコンテンツ全てを配信することはもう可能でない。複数のケーブル又は高度なスイッチング装置の使用を含む種々の手法が採用されている。前述の手法の多くは、家庭の設備の場合、費用又は複雑度が大きいことが理由で、ある意味で最適以下である。
【0007】
別の解決策は、アナログ信号処理を用いてユーザによって要求された物理チャネルに基づいて着信コンテンツを予め選択し、合成し、再配信するシステムを用いることである。その結果、一所帯における受信器への配信に必要なチャネルのみが、利用可能な当初コンテンツから選択される。所望のチャネルを次いで、所帯じゅうに配信することが比較的簡単な単一のケーブル上で供給することができる。この解決策は、入力における周波数の元のスペクトル位置から出力における共通信号上の周波数の別のスペクトル位置に信号のチャネル又は周波数領域を移動させるために粗いアナログ信号チューニング及び再ミックスに依存する。更に、同じ周波数におけるものであるが別々の衛星上のチャネル又は信号領域は、元のチャネル又は領域の一方又は両方によって合成することができる。所望のチャネルを含む前述の再配置された信号は次いで、単一のケーブル上で供給され、更なるスイッチング及び複数のケーブル接続の必要性をなくす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
事前選択、合成及び再配信に関する前述のアナログの解決策は、アナログ領域における処理の実行に固有の欠点が理由で、チャネル数において限定される状態に留まっている。個々の物理チャネルを、他を阻止する一方で選択するために用いる狭帯域フィルタは、1ギガヘルツ(GHz)を上回る周波数では実現可能でない。実現可能な帯域幅を有する利用可能なフィルタは、出力信号における望ましくない干渉を妨げるために更なるチャネル分離を必要とする。更に、より多くの要求チャネルを家庭に配信することに対する要求が増すにつれ、アナログ回路の複雑度における後の増加によって、アナログ・クロストークによる潜在的な問題を有する高価でかつ、非効率的なデザインがもたらされる。したがって、配信するためにチャネルの受信及び再合成をより最適に提供する解決策を有することに対する要求が存在している。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、周波数変換を行う装置及び方法に関する。上記装置は、チャネルを各信号が含む複数の第1の信号が受信し、ディジタル化し、選択されたチャネル組を複数の第1の信号から同時に回復する受信器を含む。装置は、選択されたチャネル組を合成して第2の信号を生成する送信器も含む。
【0010】
本発明の方法は、複数の別々のチャネルを含む第1の信号を受信する工程と、複数の別々のチャネルから、選択されたチャネル組を選択する工程と、選択されたチャネル組を合成して第2の信号を形成し、第2の信号を送信する工程とを含む。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明を用いた例示的なシステムのブロック図である。
【図2】本発明の実施例のブロック図である。
【図3】本発明の別の実施例のブロック図である。
【図4】本発明の更に別の実施例のブロック図である。
【図5】本発明の別の実施例のブロック図である。
【図6】本発明の方法を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の特徴及び利点は、例として表す以下の説明からより明らかになり得る。
【実施例】
【0013】
本発明の1つ又は複数の特定の実施例を以下に説明する。前述の実施例の簡潔な説明を提供しようとして、実際の実現形態の特徴全てを本明細書に記載している訳でない。前述の何れの実際の実現形態の開発においても、何れのエンジニアリング・プロジェクトや設計プロジェクトとも同様に、実現形態特有の多くの決定を行って、実現形態間で異なり得る開発者の特定の目標(システム関連の制約及びビジネス関連の制約との準拠など)を達成しなければならない。前述の開発労力は、複雑で、時間がかかり得るが、しかし、本願の開示の恩恵を受ける当業者にとっては設計、組み立て及び製造の慣例的な作業になる。
【0014】
テレビジョン放送及び受信器をよく知っていることを前提とし、本明細書では詳細に説明しない。例えば、本発明の概念以外では、TV標準(NTSC(米国テレビジョン方式委員会)、PAL(位相反転走査線)、SECAM(順次式カラー・メモリ)及びATSC(高度テレビジョン方式委員会)(ATSC)の現在の勧告、及び提案されている勧告をよく知っていることを前提とする。同様に、本発明の概念以外では、伝送の概念(衛星トランスポンダ、ダウンリンク信号、8値残留側波帯(8−VSB)、直交振幅変調(QAM)など)、及び、受信器構成部分(無線周波数(RF)フロントエンドなど)、又は受信器部(低雑音ブロック、チューナ及び復調器など)を前提とする。同様に、伝送ビット・ストリームを生成するフォーマッティング及び符号化の方法(動画像専門家グループ(MPEG)−2方式標準(ISO/IEC(13818−1))は周知であり、本明細書では説明しない。更に、本発明の概念は、そういうものとして本明細書では説明しない通常のプログラミング手法を用いて実現することができる。
【0015】
以下に、衛星信号の処理に用いる回路について説明する。特定の他の手段によって信号入力を供給することができる他のタイプの信号の受信に利用される他のシステムは、非常に類似した構造を含み得る。本明細書記載の回路の実施例が潜在的な一実施例に過ぎないことを当業者は認識するであろう。そういうものとして、別の実施例では、回路の構成部分を再配置若しくは省略することができるか、又は他の構成部分を追加することができる。例えば、わずかな修正によって、前述の回路は、ケーブル・ネットワークから得られるものなどの非衛星ビデオ及びオーディオ・サービスに用いるよう構成することができる。更に、前述の本発明は、家庭内ネットワーキング・システムとともに用いることが可能である。上記装置は、入力を衛星又はケーブル・ネットワークから受信し、処理し、家庭内ネットワーク・システムに向けて出力として供給することができる。出力の形態は、有線伝送又は無線伝送であり得る。
【0016】
次に図面に移り、図1を当初参照すれば、本発明を用いたシステムの全体ブロック図100を示す。図1は、契約者の家庭における通常の衛星システム設備を表す。複数住戸アプリケーションに多くの場合組み入れられる更なる機器によってシステムが補強され得る団地又はホテルにおいても、同様な設備が存在し得る。衛星102a乃至102c上にある衛星トランスポンダは衛星信号を衛星アンテナ104a乃至104cに送信する。各衛星アンテナは、反射鏡、給電ホーン、及び低雑音ブロック変換器(LNB)を含む。
【0017】
衛星信号それぞれは、1つ又は複数の個々の物理チャネルを表し得る。同様に、物理チャネルそれぞれは好ましくは、種々のアナログ及び/又はディジタル変調手法を用いて合成、符号化及び変調された1つ又は複数のディジタルデータ情報ストリームを表し得る。物理チャネルは多くの場合、制限された周波数範囲(500乃至1000MHzの帯域幅など)をカバーするようグループ化される。衛星信号は多くの場合、マイクロ波周波数範囲(例えば、11乃至13ギガヘルツ(GHz))にある。衛星アンテナ104a乃至104cにおけるLNBは、11乃至13GHz範囲における衛星信号を1乃至2GHz周波数範囲におけるLバンド信号に増幅し、変換する。3つの衛星アンテナを示しているが、衛星102a乃至cの軌道位置は、1つの反射鏡、並びに3つの給電ホーン及びLNBを含む1つの衛星アンテナを用いることを可能にし得る。更に、システムは、本明細書記載の3つの衛星信号を上回るか、又は下回る衛星信号を利用することができる。システムは、更に、偏波ダイバーシチなどの手法を用いて、各衛星から配信される衛星信号の数を増加させることができる。
【0018】
衛星アンテナ104a乃至cからの3つのLバンド信号それぞれは、別個の同軸ケーブルを介して周波数変換モジュール(FTM)110に供給される。3つのLバンド信号が全部、契約者の家庭内に配信するために単一の同軸ケーブルを介して供給されることが可能な訳でない。Lバンド信号が占める周波数帯域幅が大きすぎるからである。前述の通り、各Lバンド信号は1GHzの帯域幅を占め得るものであり、通常の契約者宅内ケーブル設備は、2GHz未満の合計信号帯域幅しかサポートすることができない。FTM110は、選択された物理チャネルを、提供される3つのLバンド信号の一部分として含む周波数範囲を抽出する。FTM110は更に、抽出された範囲を、必要に応じて周波数変換し、再合成して、選択された新たな単一のLバンド信号として形成する。FTM110によって用いられる処理は、特定の物理チャネルの事前選択として表すことができる。しかし、FTM110によって用いられる処理は、前述の特定の物理チャネルの直接チューニングとは異なる。選択されたチャネル以外の他のエネルギが存在し得るからである。チャネルを次いで再合成して、更に配信するために、新たな信号を形成する。FTM110は、図示したように、物理的に契約者の家庭の外に存在し得るか、又は、契約者の家庭への入口点に非常に近い所に存在し得る。
【0019】
FTM110が、使用するための物理チャネルを予め選択すると、選択された信号は、単一の同軸ケーブルを介して契約者宅内120に供給される。選択された信号は、信号スプリッタ組122a乃至cを必要に応じて通過して、宅内設備の場所それぞれに供給することができる。スプリッタ122a乃至cは、受動回路(変圧器や抵抗など)を含み得るか、又は、設備の場所における信号レベルを増加させるために増幅器を更に含み得る。
【0020】
宅内120における設備場所それぞれでは、選択された信号が、スタンドアロン型端末130に、又は、セットトップ・ボックス140a及び表示装置150a乃至cのコンビネーションに供給される。端末130及びセットトップ・ボックス140a乃至cは同様に動作する。前述はそれぞれ、選択された信号を受信し、選択された信号内の所望の物理チャネルにチューニングし、物理チャネルを復調して伝送ストリームを生成し、所望のビット・ストリームを伝送ストリームから抽出する。端末130は、種々のビット・ストリームの局所記憶に、又は、別のネットワーク(無線ネットワークやイーサネット(登録商標)接続など)を介した、前述のビット・ストリームの配信に用いることができる。セットトップ・ボックス140a乃至cは、表示装置150a乃至c上に表示するために、所望のビット・ストリームをビデオ信号及びオーディオ信号に変換する。
【0021】
端末130及びセットトップ・ボックス140a乃至cは、1つ又は複数の制御信号をもう一度ケーブル上でFTM110に供給することができる。制御信号は、例えば契約者によって供給される入力に基づいて生成される。FTM110に送出される制御信号は、Lバンド信号それぞれからの周波数範囲及び物理チャネルの事前選択を行うために必要な情報を含む。FTM110への通信プロトコルは、周知であるような、配信に適切なやり方(周波数シフト・キーイング(FSK)プロトコルなど)で行うことができる。あるいは、制御信号は無線リンクを介して供給することができる。電力は、同軸ケーブルを介してFTM110に転送し、更に衛星アンテナ104a乃至cに転送することもできる。
【0022】
前述の通り、通常のFTMは、Lバンド信号のフィルタリング、ミキシング及び再合成に用いるアナログ信号処理を含む。アナログ信号処理は1GHz範囲における高周波で動作する場合、制約を有し、アナログ信号プロセッサの複雑度は、選択された物理チャネル数の増加に伴ってかなり増加する。FTM構造内のディジタル信号処理の利用によって、より高い柔軟性が可能になり、アナログ信号処理の制約の一部が除去される。
【0023】
次に図2に移れば、本発明の実施例のブロック図200を示す。この図は、選択されたチャネルの性能及び利用可能な帯域幅を増加させるために、ディジタル信号処理を含むFTM110の実現形態を示す。本発明の更なる理解を容易にするために、単一のLバンド信号のみを入力として用いてFTM110を本明細書において説明する。単一のLバンド信号がアナログ入力としてRF処理ブロック210を介して処理される。RF処理ブロック210は、信号周波数範囲外の望ましくないエネルギをフィルタリングする回路を含み得るものであり、もたらされる周波数応答誤差を補正し得るものであり、アなログ・ディジタル(A/D)変換器220への入力に必要なレベルに信号を増幅し得る。入力RF処理ブロック210は、A/D変換器220の動作のために正しい周波数範囲にLバンド信号を配置するために必要なミキシング回路も含み得る。
【0024】
A/D変換器220は、ビット群をそれぞれのサンプルが含む一連のサンプルに、処理済Lバンド信号をディジタル化する。例示的な実施例では、処理済衛星信号は、周波数975MHzと周波数1425MHzとの間にある。A/D変換器220は、処理済Lバンド信号を毎秒933メガサンプル(933MSPS)のレートでサンプリングし、8ビットによってそれぞれのサンプルを表す一連のサンプルを含むディジタル信号を生成する。A/D変換器220は、事実上、アナログ領域における当初周波数範囲から別の周波数範囲にサンプリング原理に基づいて信号を変換して、Lバンド信号の変換された周波数画像も生成することができる。図示しないクロック信号が、サンプリングを行うためにA/D変換器に供給される。クロック信号は、水晶によって、又は電圧制御発振器の一部として生成することができる。クロック信号は、FTM110内の他のブロックに信号を直接、又は更なる乗算器及び除算器を介して供給することもできる。
【0025】
ディジタル・チャネル・セレクタ230は、サンプリングされた信号を受信し、選択された個々の物理チャネルそれぞれの選択及びダウンコンバートに進む。処理後、選択された個々のチャネルそれぞれは、ベースバンドにおける、又はベースバンド近くの同じ周波数範囲にあるが、別個の信号線上の個々の信号として含まれている。選択された個々のチャネルそれぞれを表すビットの数は、用いられる処理方法に基づいた、サンプリングされた元の信号とは異なり得る。ディジタル信号処理と、前述の信号の処理とを並列に用いることによって、より狭いフィルタリング制約が可能になり、FTM110内のより効率的なチャネル選択が可能になる。
【0026】
個々に選択されたチャネルそれぞれがディジタル・チャネル再合成器240に供給される。ディジタル・チャネル再合成器240は、個々に選択されたチャネルそれぞれを別々の別個の周波数範囲に変換し、前述の信号を併せて合成して、選択された単一のディジタル信号を形成する。選択されたディジタル信号は、ディジタル・アナログ(A/D)変換器250に供給される。D/A変換器250は、選択されたディジタル信号を選択されたアナログ信号に変換する。好ましい実施例では、D/A変換器250に供給される選択されたディジタル信号は、950MSPSのレートでの一連の10ビット・サンプルである。D/A変換器250は、DC乃至475MHZの周波数範囲内の、選択されたアナログ信号を出力する。
【0027】
選択されたアナログ信号はRF処理ブロック260に転送される。RF処理ブロック260は、選択されたアナログ信号を同軸ケーブル上で契約者の家庭に適切に送出するために必要なアナログ信号処理を提供する。RF処理ブロック260は、信号周波数範囲外の望ましくない信号エネルギ(D/A変換器250においてサンプリング処理によって生成された画像など)をフィルタリングする回路を含み得る。RF処理ブロック260は、もたらされる他の周波数応答誤差を補正し、信号を必要に応じて増幅して、信号を同軸ケーブル上で供給することができる。RF処理ブロック260は、正しいLバンド周波数範囲(例えば、975乃至1425MHz)に、選択されたアナログし信号を配置するために必要なミキシング回路も含み得る。
【0028】
更なる特定の回路(ブロックを制御し、ユーザ入力を受信し、処理し、信号を更に処理する回路など)も含み得る(しかし、この回路はここでは示していない)。
【0029】
次に図3に移れば、本発明の一部分の実施例の回路300の例証的なブロック図を示す。回路300は、ディジタル・チャネル変換器ブロック230に含まれた回路を表す。A/D変換器220によってLバンド信号から変換された、サンプリングされた信号をサンプル逆多重化器310に供給する。サンプル逆多重化器310は、逆多重化器のサンプリング・レート(F)(又は、デシメーション後のサンプリング・レート)において再サンプリングして、デシメートされたいくつかのサンプル・ストリームを並列に供給する。
【0030】
デシメートされたサンプル・ストリームそれぞれは、元の信号をサンプリングし、時間シフトさせたバージョンを表し、デシメーションからの、フォールディングされたスペクトルそれぞれは、デシメートされた同じ周波数空間にエイリアシングされる。デシメートされたサンプル・ストリームの数Nは、元のチャネルにおける仮想チャネルの数に一体的に関係し得る。好ましい実施例では、物理チャネルの数は16である。更に、サンプル逆多重化器310のサンプリング・レートは好ましくは、物理チャネルのうちの1つのデータ・レートの2倍である(すなわち、F=2Fであり、Fは物理チャネルのデータ・レートである)。デシメートされたサンプル・ストリームそれぞれは、サンプリング・インタフェース・ブロック320を通過する。サンプリング・インタフェース・ブロック320は、サンプリング・インタフェース・ブロック320に接続されたフィルタ・バンク330a乃至Nに、A/D変換器220及びサンプル逆多重化器310から信号を移動させるために必要なサンプリング領域調節を提供する。フィルタ・バンク330a乃至Nは、デシメートされたサンプル・ストリーム内で、物理チャネルの分離の前に配信される物理チャネルをフィルタリングする工程を含むいくつかの処理工程を提供し得る。前述のフィルタリングによって、物理チャネル内にないエネルギが阻止される一方で、更なる下流処理において物理チャネルを選び出すために、再構成ベース信号組を生成する。フィルタ・バンク330a乃至Nは、デシメートされたサンプル・ストリームそれぞれの時間再アラインメントも備えることができる。好ましい実施例では、フィルタ・バンク330a乃至Nは、フィルタリングされた信号ベクトルを併せて生成する分岐フィルタのバンクを有する。分岐フィルタは全て、同様な構造を有するので、本明細書では一分岐フィルタのみを説明する。
【0031】
分岐フィルタは通常、分岐それぞれにおける演算が別個に併せて合計される、係数の乗算及び遅延の演算の2つの並列分岐を有する。各分岐は、偶数出力信号又は奇数出力信号として指定される。各分岐における乗算及び遅延の演算の数は、設計の基準に基づいて変わり得る。例えば、16の加重乗算、及びいくつかの係数乗算子を各分岐フィルタにおいて用いることができる。遅延素子は、周波数Fにおける、デシメートされたサンプル・クロック信号(図示せず)によって制御される。合計モードは、奇数加重乗算子及び偶数加重乗算子それぞれからの値を併せて加算して、奇数出力信号及び偶数出力信号を形成する。フィルタ分岐の向き、及び分岐内の演算によって、特別な特性が存在することが可能になる。前述の特性は、分岐内の信号の振幅の反転、又は信号の時間反転を含む。前述の通り、同時チャネル受信手法の種々の手法とともに、当業者によって知られているような他のフィルタ構造を用いることができる。
【0032】
フィルタ・バンク330a乃至Nからの出力信号(2N個の信号ストリームを含むフィルタ信号ベクトル)は、合計ノード・バンク340a乃至Nに接続する。好ましい実施例を参照すれば、別々の分岐フィルタそれぞれからの偶数出力及び奇数出力を相互結合パターンに合成することができる。図示したように、フィルタ0の偶数出力はフィルタN−1の奇数出力と合計され、フィルタ1の偶数出力はフィルタN−2の奇数出力と合成される等である。合計ノード340a乃至Nは、フィルタリングされたサンプリング・ストリーム組を生成する。
【0033】
合計ノード340a乃至nの出力におけるフィルタリングされたサンプリング・ストリームは、分配器ブロック350に接続する。分配器ブロック350の主な目的は、フィルタ・ブロック330a乃至N及び合計ノード340a乃至Nによって生成されたフィルタリングされたサンプル・ストリームを処理して、デシメートされ、フィルタリングされたサンプル・ストリームから、Lバンド信号において元々供給された物理チャネル組を再構成することである。前述の処理は、算術演算を用いてストリームを再合成する工程を含み得る。好ましい実施例では、分配器ブロック350は、フィルタリングされたサンプル・ストリームを処理するために、タイプIVの離散コサイン変換(DCT)を用いる。前述の分岐フィルタ構造は、フィルタの振幅の反転、及び時間反転の特性を用いることによって、実現形態における小容量のDCT構造が更に可能になる。分岐フィルタ構造は、疎行列分解構造を用いるDCTの使用も可能にし得る。
【0034】
フィルタ・バンク330a乃至N、合計ノード340a乃至N、及び分配器350の組み合わせによって、物理チャネルからの分離されたデータ・コンテンツをそれぞれが表す出力ストリームの組の生成がもたらされる。分配器350からの個々の物理チャネルの組は、サンプルがエイリアシングされる状態で物理チャネルそれぞれからのコンテンツを各ストリームが含むデシメートされたサンプル・ストリームの組から生成される。別個の物理チャネルを単一の信号から同時に回復することを達成するために他の手法を用いることができる。
【0035】
分配器ブロック350の出力は、ベースバンド周波数における、又はベースバンド周波数近くにあるN個の個々の物理チャネルを表す。ディジタル信号形式における各物理チャネルは、分配器ブロック350の出力における別個の信号線上にあり得る。別個の信号線それぞれはチャネル・セレクタ・ブロック360に接続する。チャネル・セレクタ・ブロック360は、供給される元のN個の入力チャネルから物理チャネル組を選択することができる。最大値Nを最大とする何れかの数を選択することができる。例えば、4つのチャネルを選択することができる。チャネル・セレクタ・ブロック360における選択に許容されるチャネルの数は設計上の選択事項であり、選択に許容されるチャネルの最大数を一特定時点で選択しなくてよい。更に、前述の処理の結果として信号の複雑な形式が理由で存在しているエイリアシング成分の阻止などの何れかの更なる物理チャネル分離を行うことができる。
【0036】
チャネル・セレクタ・ブロック360は、元々受信された物理チャネルのうち、契約者によって現在要求されているものはどれかに関する入力をコントローラ370から受信する。コントローラ370は、チャネル・セレクタ360への接続に加えて、サンプル逆多重化器310、インタフェース320、フィルタ・バンク330a乃至N、及び分配器350に接続し得る。コントローラ370は、ユーザ入力のためのインタフェース、又は複数の場所からのユーザ要求チャネル情報を受信し、伝達するための通信入力も備えることができる。前述の通り、ユーザ入力は、信号ケーブルを介して、又は特定の他の通信手段を介して供給することができる。更に、前述の通り、家庭又は契約者宅内は、2つ以上の契約者入力を供給することができる。更に、コントローラ370は、逆多重化器310、インタフェース320、フィルタ・バンク330a乃至N、及びアセンブラ350の動作のための更なる機能(クロック機能など)を必要に応じて提供することができる。コントローラ370は、例えば、FTM装置全体を制御し、管理する役割を果たすより大きなコントローラ機能の一部分として実施することもできる。
【0037】
次に図4に移れば、本発明の更なる実施例のブロック図400を示す。図4は、ディジタル・チャネル再合成器340の実現形態を示す。チャネル・セレクタ360のM個の出力(選択された物理チャネル組を表す)をアセンブラ410に供給する。前述の通り、チャネル・セレクタ360のM個の出力は、元のLバンド信号に存在しているN個の物理チャネル以下であり得る。好ましい実施例では、アセンブラ410は最大N個の入力を受信することができる。チャネル・セレクタ360から供給される信号の数がN未満の場合、チャネル・アセンブラ410の残りの入力は、「ヌル」又は入力なしの状態におかれる。更に、アセンブラ410は、M個の入力信号を再配列する機能も提供することができる。例えば、アセンブラ410に供給されるM個の信号が、元のN個のチャネルの選択からの位置1、2、3及び4における物理チャネルの場合、アセンブラ410は、入力1、5、9及びN−1としてアドレス指定することによってM個の信号を再配置することができる。このようにして、内部フィルタリング又は外部フィルタリングを含む更なる処理を単純にすることができる。更に、再配置によって、M個の信号の再スペーシングが可能になる。
【0038】
アセンブラ410は、並列データ・ストリームのベース組を形成する信号組に、選択されたチャネルを変換する処理を提供する。信号組はその場合、再多重化し、アナログ信号に変換する前にフィルタリングすることが可能である。チャネル再合成器410は、変換されたサンプル・ストリームの組として、逆フィルタ・バンク420a乃至NにN個の出力を供給する。逆フィルタ・バンク420a乃至Nは、信号の再多重化を可能にするために必要なフィルタリング及び/又は時間遅延演算を提供する。逆フィルタ・バンク420a乃至Nの出力は、逆フィルタリングされたサンプル・ストリームの組を供給する。
【0039】
逆フィルタ・バンク420a乃至Nの出力における逆フィルタリングされたサンプル・ストリームはサンプル多重化器430に供給される。サンプル多重化器430は、時間多重化的にサンプルを単一のサンプル・ストリームに再合成する。新たな単一のサンプル・ストリームのサンプリング・レートは好ましくは、2NFである(Fは、一チャネルのデータ・レートである)。入力並列サンプル・ストリーム・レート、及び、サンプル多重化器430の出力における新たなサンプリング・レートも提供される。
【0040】
好ましい実施例では、アセンブラ410はタイプIVの逆DCTとして実現され、フィルタ・バンク420a乃至Nは、前述のフィルタ・バンク330a乃至Nに対して、効果的な逆分岐フィルタ・バンクとして実現される。前述及びその他の考えられる手法では、規定された疎逆数を含む疎行列因子分解段階、及びフィルタリング段階の相補形式による利点が存在する。例えば、タイプIVのDCTはそれ自身の逆数である(すなわち、(DCT IV)=I(単位行列)である)。分岐フィルタは変換エレメントと連動して、別個の物理チャネルの帯域をシェーピングする。更に、分岐フィルタ構造として示す逆フィルタ・バンク420a乃至Nは、個々のフィルタの偶数分岐及び奇数分岐に信号の相互結合を提供するためにその入力において信号分割を有する。個々のフィルタにおける各分岐が処理を完了した後、個々のフィルタそれぞれの偶数分岐及び奇数分岐を併せて合計して個々の出力信号を形成する。
【0041】
あるいは、分配器350及びアセンブラ410におけるタイプIVのDCT機能が同じであり得るので、両方の演算に一ブロックのみを用いることができる。例えば、単一のブロックは、信号多重化器(図示せず)とともに、個々の物理チャネル組を表す出力信号、又は並列データ・ストリームのベース組を交互の演算において提供することができる。
【0042】
コントローラ470は、アセンブラ410、フィルタ・バンク420a乃至N、及びサンプル多重化器430に接続し得る。コントローラ470は、アセンブラ410における選択された物理チャネルの最後の選択処理及び配列を制御することができる。コントローラ470は、予めプログラムされた割り当て及び配列のアルゴリズムをたどり得るか、又は、ユーザ入力を処理して割り当て及び配列を判定し得る。コントローラ470は、ユーザ入力のためのインタフェース、又は複数の場所からのユーザ要求チャネル情報を受信し、伝達するための通信入力を備えることもできる。前述の通り、家庭又は契約者宅内は、2つ以上の契約者入力を供給することができる。更に、コントローラ470は、アセンブラ410、フィルタ・バンク420a乃至N、及び多重化器430の動作のための更なる機能(クロック機能など)を必要に応じて提供することができる。コントローラ470は、例えば、FTM装置全体を制御し、管理する役割を果たすより大きなコントローラ機能の一部分として実施することもできる。
【0043】
更に、アセンブラ410への入力におけるM個の信号が、元のN個のチャネルより少ない場合、チャネル再合成器は全体サンプリング・レートを変更することもできる。アセンブラ410は、M個の並列データ・ストリームを生成して、M点変換においてM個の信号を処理するよう再構成することができる。フィルタ・バンクは後に、M個の分岐のみを含み、サンプル多重化器はM個の入力のみを処理し得る。D/A変換器、及び、参照番号400の他のブロックに供給されるクロックは更に、ディジタル・チャネル・セレクタ230に用いるクロックのスケーリングされたバージョンでもあり得る。例えば、Mが数Nの1/2である場合、ディジタル・チャネル再合成器240のクロック信号は、ディジタル・チャネル・セレクタ230のクロック信号の周波数の1/2であり得る。並列データ・ストリームを処理する他のブロックに供給されるクロック信号は、影響されない状態に留まり得る。
【0044】
更に、Mの値の選択は、何れかの時点で許容可能な最大数のチャネルを可能にするよう選ぶことができる。しかし、実際の動作では、M個のチャネルより少ない数を実際に用いていることがあり得る。
【0045】
次に図5に移れば、本発明の別の実施例のブロック図を示す。図5は、本明細書及び特許請求の範囲記載の本発明の概念を利用する3つのLバンド信号入力FTMを示す。各Lバンド入力信号は、RF入力処理(図示しない)によって処理される。各Lバンド信号は前述の通り、A/D変換器520a乃至c、及びディジタル・チャネル・セレクタ530a乃至cにおいて更に処理される。更に、D/A変換器550及び出力RF処理ブロック560は前述の通り、動作する。
【0046】
各ディジタル・チャネル・セレクタ530a乃至cは、M個の物理チャネルを表すM個の出力を生成することができる。ここで、Mは、Lバンド信号からの元のN個の物理チャネル以下である。各Lバンド信号は、異なる数の物理チャネルを備え得る。
【0047】
ディジタル・チャネル再合成器540は、前述の通り、そのアセンブラ・ブロックにおいて最大N個のチャネルを処理することができる。ディジタル・チャネル再合成器540におけるアセンブラは、ディジタル・チャネル・セレクタ530a乃至cそれぞれからのM個の入力のどれがディジタル・チャネル再合成器540において処理されるかを管理するためにスイッチング及び選択回路も含む。管理及びスイッチング機能は、コントローラ570によって制御される。
【0048】
コントローラ570は、ディジタル・チャネル再合成器540における処理が可能な選択されたチャネルのN個の入力を、セレクタ530a乃至cからのM個の出力の選択された組み合わせが超えないことを確実にするための機能を提供する。コントローラ570は、1つ又は複数のユーザからの入力を受信し、この入力を処理して、入力の正しい組み合わせを判定する。好ましい実施例では、ディジタル・チャネル・セレクタ530a乃至cそれぞれは、最大6つの信号をディジタル・チャネル再合成器に供給することができる。ディジタル・チャネル再合成器540は、16個の信号のみを受け付けることができる。コントローラ570は、例えば、ユーザからの入力に基づいて、ディジタル・チャネル・セレクタ530a及び530bからの5個の入力のみが用いられ、ディジタル・チャネル・セレクタ530cからの6個全てが用いられる。更なるユーザ入力はその場合、この分配に対する変更を必要とし得る。コントローラ570は、A/D変換器520a乃至c、ディジタル・チャネル・セレクタ530a乃至c、及びD/A変換器550に、制御又はその他の必要な信号(クロック信号など)を供給することもできる。
【0049】
ディジタル・チャネル再合成器540は、選択されたチャネルそれぞれに施されるディジタル信号レベル調節などの信号処理も含み得る。レベル調節によって、ほぼ同じ信号レベルで、選択されたチャネル全てを配信し、セットトップ・ボックスなどの家庭用機器の動作を向上させることが可能になり得る。
【0050】
ブロック図500は、マルチ入力で単一出力のチャネル選択、変換、及び配信装置を構成する。上記装置は、3つの別個の信号において提示されるN個の考えられる入力チャネルの最大3倍を含む入力から単一の同軸ケーブルを介して配信される単一の信号における最大N個のチャネルの出力を供給する。3つの入力の使用は例証的なものであり、より多い数又はより少ない数の考えられる入力チャネルを含むより多い数又はより少ない数の入力を用いることができる。
【0051】
次に図6を参照すれば、本発明の方法の実施例を示す流れ図600を示す。工程602では、1つ又は複数の着信衛星信号が、装置(ブロック図500において前述したFTM装置など)によって受信される。次に、工程604では、着信衛星信号がディジタル信号に変換される。変換は好ましくは、A/D変換器530a乃至cによって行われ、ディジタル・チャネル・セレクタ530a乃至cにおいて前述したような、変換後に個々の物理チャネルを分離する処理手段を更に含み得る。
【0052】
次に、工程606では、所望の物理チャネルを選択して、選択された物理ディジタル・チャネル群を並列に構成する。選択された物理チャネルは、契約者の宅内機器処理による要求に基づいて、ディジタル・チャネル・セレクタ530a乃至cにおいて選択され、例えば、コントローラ570によって管理される。コントローラ570は、複数の要求を受信し、管理し、適切な情報をディジタル・チャネル・セレクタ530a乃至c、並びに、ディジタル・チャネル再合成器540に供給する役割を果たし得る。
【0053】
工程608で、選択されたディジタル・チャネル群を周波数ダイバーシチで再合成され、一定範囲の周波数を占め、選択されたディジタル・チャネルを別個の周波数において含む信号を形成する。再合成は、選択されたディジタル・チャネル群を処理する手段(ディジタル・チャネル再合成器540について説明したものなど)を含み得る。工程610では、再合成された周波数ダイバーシチ信号は、選択されたチャネルを別個の周波数において含むアナログ信号にもう一度変換する。変換は、D/A変換器550を用いて行うことができ、出力RF処理ブロック560について説明したような更なる処理も含み得る。最後に、工程612では、アナログ信号が、更なる装置(例えば、単一の同軸ケーブルによって接続された契約者宅内において見出される装置)に送出又は送信される。
【0054】
本発明は、種々の修正及び代替的形態の対象となり得るが、特定の実施例を添付図面において例として示しており、本明細書において詳細に説明している。上記は、本発明の原理を例証しているに過ぎず、よって、当業者が、本明細書に明示していないが、本発明の原理を実施し、その趣旨及び範囲内に収まる数多くの別の構成を考え出すことができることが認識されよう。例えば、別個の機能的構成要素の意味合いで例証しているが、前述の機能的構成要素は、1つ又は複数の集積回路(IC)上で実施することができる。同様に、別個の構成要素として示しているが、前述の構成要素の何れか又は全てを、ハードウェア、ソフトウェア、又はこれらの組み合わせで実現することができる。よって、数多くの修正を例証的な実施例に対して行うことができ、特許請求の範囲によって規定された本発明の範囲から逸脱することなくその他の構成を考え出すことができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
1つ又は複数の別々のチャネルをそれぞれの信号が含む複数の第1の信号を受信し、ディジタル化し、選択された複数のチャネルを前記複数の第1の信号から同時に回復する受信器であって、前記受信器は、
前記複数の第1の信号をサンプリングするサンプラと、
動作するよう前記サンプラに接続されたサンプル逆多重化器であって、前記サンプル逆多重化器は、デシメートされた複数のサンプル・ストリームを供給し、前記デシメートされたサンプル・ストリームそれぞれが、対応する信号のサンプリングされ、時間シフトされたバージョンを表すサンプル逆多重化器と、
動作するよう前記サンプル逆多重化器に接続され、前記デシメートされた複数のサンプル・ストリームから前記1つ又は複数の別々のチャネルを表す出力信号を生成する分配器であって、前記分配器は、タイプIVの離散コサイン変換の疎行列因子分解を用いて、前記デシメートされた複数のサンプル・ストリームに対して行列ベースの処理を行う変換エレメントを含む分配器と
を更に備える受信器と、
前記選択された複数のチャネルを合成し、第2の信号を生成する送信器と
を備える装置。
【請求項2】
請求項1記載の装置であって、前記サンプル逆多重化器は、
前記デシメートされた複数のサンプル・ストリームに信号を逆多重化する逆多重化器と、
動作するよう前記逆多重化器に接続され、前記デシメートされた複数のサンプル・ストリームを処理する複数のフィルタとを更に備える装置。
【請求項3】
請求項2記載の装置であって、前記複数のフィルタが、複数の分岐フィルタを含む装置。
【請求項4】
請求項1記載の装置であって、前記受信器は、動作するよう前記分配器に接続され、前記選択された複数のチャネルを選択するセレクタを更に備える装置。
【請求項5】
請求項1記載の装置であって、前記送信器は、
前記選択された複数のチャネルを組み立てて、前記複数のチャネルの組み合わせを表す並列データ・ストリーム組を供給するアセンブラと、
並列データ・ストリームを前記第2の信号に変換する変換器と
を更に備える装置。
【請求項6】
請求項5記載の装置であって、前記アセンブラが変換エレメントを含む装置。
【請求項7】
請求項6記載の装置であって、前記変換エレメントは、前記選択された複数のチャネルに対して行列ベースの処理を、タイプIVの離散コサイン変換の疎行列因子分解を用いて行う装置。
【請求項8】
請求項5記載の装置であって、前記変換器は、
前記複数の並列データ・ストリームを処理する複数のフィルタと、
前記複数のフィルタに接続され、複数の並列データ・ストリームを単一のサンプル・ストリームに多重化する多重化器と
を更に備える装置。
【請求項9】
請求項8記載の装置であって、前記複数のフィルタが、複数の分岐フィルタを含む装置。
【請求項10】
周波数変換をもたらす方法であって、
複数の別々の周波数チャネルを有する第1の信号を受信する工程と、
前記複数の別々の周波数チャネルから周波数チャネル組を選択する工程とを備え、前記選択する工程は、
デシメートされたいくつかのサンプル・ストリームに信号を逆多重化する工程であって、前記デシメートされたサンプル・ストリームそれぞれは、前記信号のサンプリングされ、時間シフトされたバージョンを表す工程を更に含む工程と、
前記デシメートされた複数のサンプル・ストリームを複数のフィルタによってフィルタリングする工程と、
前記デシメートされた複数のサンプル・ストリームに対して変換を行って、変換出力信号を供給する工程と、
前記周波数チャネル組を合成して第2の信号を形成し、前記第2の信号を送信する工程とを備え、
前記複数のフィルタは、前記変換をマッチングさせるための複数の分岐フィルタを含み、前記変換はタイプIV離散コサイン変換である方法。
【請求項11】
請求項10記載の方法であって、前記選択する工程は、前記周波数チャネル組を再配列する工程を更に備える方法。
【請求項12】
請求項10記載の方法であって、前記合成する工程は、
前記別々の周波数チャネル組に対して変換ベースの処理を行って複数の並列データ・ストリームを供給する工程と、
前記複数の並列データ・ストリームを処理して前記第2の信号を供給する工程とを更に備える方法。
【請求項13】
周波数を変換する装置であって、
複数の別々の周波数チャネルを有する第1の信号を受信する手段と、
前記複数の第1の信号をサンプリングし、デシメートされた複数のサンプル・ストリームを供給する手段であって、前記デシメートされたサンプル・ストリームそれぞれが、対応する信号のサンプリングされ、時間シフトされたバージョンを表す手段と、
前記複数の別々の周波数チャネルを表す信号組に前記第1の信号を変換する手段であって、前記変換する手段は、タイプIVの離散コサイン変換の疎行列因子分解を用いて、前記デシメートされた複数のサンプル・ストリームに対して行列ベースの処理を行う変換エレメントを含む手段と、
前記信号組からチャネル組を選択する手段と、
前記チャネル組を合成して第2の信号を形成する手段と、
前記第2の信号を送信する手段とを備える装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−161099(P2012−161099A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−109838(P2012−109838)
【出願日】平成24年5月11日(2012.5.11)
【分割の表示】特願2008−510244(P2008−510244)の分割
【原出願日】平成18年5月4日(2006.5.4)
【出願人】(501263810)トムソン ライセンシング (2,848)
【氏名又は名称原語表記】Thomson Licensing 
【住所又は居所原語表記】1−5, rue Jeanne d’Arc, 92130 ISSY LES MOULINEAUX, France
【Fターム(参考)】