説明

回動開閉するドア機構、及び画像形成装置

【課題】画像形成装置の回動開閉するドア機構において、ある角度までドアを閉めると自動的に閉まる機構を提案すると共に、それを用いて片閉まりしにくいドア機構を提案する。
【解決手段】回転支点によって回動開閉するドア機構において、ドア回転支点部に同軸で回動する回転部材120と弾性部材121を備え、弾性部材121の片側端部は機器本体のひっかけ部122に固定し、他方の端部は回転部材のひっかけ123に固定し、かつドアにロック爪124、回転部材にドア側ロック爪用ロック穴125、機器本体にドア側ロック爪解除部材126を設ける。また機器本体にロック爪127、回転部材に本体側ロック爪用ロック穴128、ドアに本体側ロック爪解除部材を設けて回転支点機構を構成しドアがある角度まで閉まると自動的に閉まる機構とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、これらの複合機等の画像形成装置と、これらに設置される回動開閉するドアの機構に関する。
【背景技術】
【0002】
まず、図1を参照して、画像形成装置の一例としての複写機1の全体構成を説明する。
複写機1は、原稿の表面から画像を読み取って各種のシート状記録媒体(以下、「用紙」という)としての記録紙、転写紙、用紙、OHPフィルムなどに複写画像を形成するモノクロ複写機である。この複写機1は、読み取った原稿画像に基づいて所定の画像形成処理を行う画像形成部を有する画像形成装置本体2と、この画像形成装置本体2を載置して該装置本体2に用紙Sを1枚ずつ供給する給紙装置3と、画像形成装置本体2上に取り付けられ原稿画像を読み取ってこの原稿画像情報を画像形成装置本体2に送出する原稿読取装置4とを有する。
【0003】
画像形成装置本体2の上部であって、原稿読取装置4の下方に空間を形成するようにして、上記画像形成装置本体2を通過した用紙を排出・積載する排紙トレイ9が設置され、給紙装置3から排紙トレイ9に至るまで用紙Sを移動させる用紙搬送経路としての用紙搬送路R1(以下、「搬送路R1」ともいう)が形成されている。この搬送路R1の大部分は、給紙装置3から画像形成装置本体2の上部に渡り、略水平線に対して略垂直上方向、すなわち略鉛直上方向に延在されていて、該搬送路R1上には、最小サイズの用紙Sに応じた所定間隔を確保して搬送ローラ対やコロ対などによって構成された幾つかの用紙搬送手段としての用紙搬送手段が設けられている。これらの用紙搬送手段のうちのいずれかの用紙搬送手段は、搬送路R1上の用紙Sを、挟み持つなどによって必ず搬送し続けるように構成されている。さらに給紙装置3には、該給紙装置3の各段に収容された用紙Sを搬送路R1に給送・搬送する用紙搬送装置としての用紙搬送装置5が設置されている。
【0004】
画像形成装置本体2内には、その搬送路R1の上流側から下流側に向けて、画像を形成する画像形成部としての感光体ユニット10と定着装置11とが順に配置されている。この搬送路R1上を上流側から下流側に向けて搬送されてくる用紙Sに対して、感光体ユニット10がその生成したトナー像を転写した後、定着装置11がその転写されたトナー像を用紙Sに定着して、そのトナー像を定着された用紙Sが、搬送路R1の末端に配置された排紙トレイ9に排出されるようになっている。
【0005】
感光体ユニット10は、像担持体としての単一のドラム状の感光体10Aを有し、略水平に配置された回転軸を中心にして、画像形成装置本体2内の図示しない側板に回転可能に支持されている。感光体10Aは、所定の径で円筒形状に形成された周知の構成をなす。感光体10Aは、感光体ユニット10側か画像形成装置本体2側かのいずれか一方に設けられたモータなどの駆動源から回転駆動力が伝達されて、図中矢印で示す回転方向に安定した一定速度で回転駆動されるようになっている。
【0006】
感光体10Aの周囲には、図中矢印で示す回転方向に順に、現像装置12と、転写装置13と、感光体クリーニング装置18と、除電装置と、帯電装置14とが配置され、感光体10Aの反時計回りの回転方向におけるその1回転の範囲内に、これらの各装置12〜14それぞれによって、その上流から下流に渡って順次、現像位置、転写位置、クリーニング位置、除電位置、帯電位置が設定されている。
【0007】
さらに、帯電位置と現像位置との間には、潜像形成位置が設定され、この潜像形成位置に所定のレーザ光を照射して、画像情報に応じた不可視の潜像を書き込むための露光装置47が、感光体ユニット10からやや離れた斜め下方に配置されている。そして、感光体10Aが所定の反時計回りに回転駆動されるとともに、この感光体10Aの回転に同期して各装置12〜14、および露光装置47が、それぞれ所定に連係した協働動作を行うことにより、一連の画像形成処理が実行される。
【0008】
すなわち、現像装置12は、その表面からトナー粒子を放射状に起立させたトナーブラシを生成する現像ローラなどの適宜周知の構成を有し、感光体10A表面上の所定箇所に生成され該感光体10Aの回転に伴い周上を移動して現像位置を通過する潜像に対して、トナーブラシ先端のトナー粒子を付着させ、該不可視の潜像をモノクロトナー像で可視像化する。
【0009】
転写装置13は、略上下方向に所定に離間させて対向配置された2つの支持ローラ15、16と、これらの支持ローラ15、16間に張架された無端ベルトからなる転写ベルト17とで構成され、感光体10A外周表面上のトナー像を用紙Sに転写し、未定着のトナー像が転写された用紙Sを搬送路R1の下流側に搬送する。すなわち、下方の支持ローラ16は、その転写ベルト17を巻回した部分が、感光体10Aの略右斜め下方箇所に圧接されて、感光体10A表面と転写ベルト17とが接した箇所に、転写位置が設定されている。また、上方の支持ローラ15は、定着装置11の導入口の手前に配置されている。
【0010】
感光体クリーニング装置18は、感光体10A上のクリーニング位置に、その先端のブレードエッジが所定圧を確保して当接するように構成された図示しないブレード材か、または同クリーニング位置に接して感光体10Aの回転に従動回転する回転ブラシかのいずれか、あるいは両方の構成を有し、転写後の感光体10A表面に残留したトナーや異物などを除去する。
【0011】
除電装置は、所定強度の発光が可能なランプを主体に構成されており、このランプから除電位置に除電用の光を照射して、該除電位置を通過する感光体10A表面上の帯電状態を解除し、転写位置を通過した後の感光体10Aの表面電位を、初期状態に復帰させるようにしている。
【0012】
定着装置11は、熱源としての電熱ヒータなどを内蔵した加熱ローラ31と、この加熱ローラ31に略水平方向に対向配置され該加熱ローラ31側に押圧、付勢された加圧ローラ32とを有する。図示しないモータなどの駆動源により加熱ローラ31が回転駆動されると、これに接した加圧ローラ32が従動回転されるとともに、両ローラ31、32が接した箇所には、所定の加熱温度と加圧力とが確保されて、トナー像を用紙上に定着させるためのニップ部が形成される。
【0013】
なお、同図中の20は、新品・新規トナーを収容したトナーボトルなどからなるトナー収納容器であり、このトナー収納容器20から現像装置12まで、図示しないトナー搬送経路が形成されている。現像装置12が自身内のトナーを現像用に消費して不足した場合には、新規トナーがトナー収納容器20から現像装置12に補充されるようになっている。
【0014】
画像形成装置本体2の下方には、読み取る原稿のサイズに応じて、自動的にまたはユーザの手動設定によって用紙サイズを択一的に選択可能にした給紙装置3が設けられている。すなわち、給紙装置3は、用紙収容手段としての複数の給紙トレイ51、51を給紙装置3内に多段に収納・配置されているとともに、各給紙トレイ51、51を個別に給紙装置3外に引き出し可能に構成されていて、それぞれの給紙トレイ51にそのトレイ用の用紙をセットおよび適宜の枚数、補充可能にされている。各給紙トレイ51、51には、互いに異なる紙種(用紙の種類)としてそれぞれ各種用紙サイズおよび用紙搬送方向(用紙搬送方向)に対して縦横の向きにした用紙Sが、多数枚積載・収納されている。
【0015】
原稿読取装置4は、その骨組みをなす読取装置本体4Aを有し、この読取装置本体4Aの上面には、所定範囲にわたりコンタクトガラス57が配置されている。読取装置本体4A内には、コンタクトガラス57面上の所定範囲を走査対象にして光学的に原稿画像を読み取る読取手段が収納されており、この読取手段は、少なくとも、第1走行体53、第2走行体54、結像レンズ55および例えばCCDなどからなる読取センサ56から主に構成されている。
また、原稿読取装置4には、コンタクトガラス57を覆う閉止位置と開放した開放位置とに開閉可能に構成された原稿押さえ板58が、読取装置本体4Aの上面に設置されている。すなわち、原稿押さえ板58は、コンタクトガラス57よりも大きな縦横寸法で形成され、その一端が図示しないヒンジで読取装置本体4Aの上面に開閉自在に支持されている。
【0016】
上述の構成に基づき、複写機1の動作を説明する。まず、複写機1で原稿をコピーするとき、原稿読取装置4の原稿押さえ板58を閉止位置から開放位置に、ユーザが手動で開いて、コンタクトガラス57上に原稿を載置・セットし、次いで原稿押さえ板58を閉じる方向に手動操作し、この原稿押さえ板58によって、コンタクトガラス57上にセットした原稿を上方から押さえる。この操作により、原稿面が正確に読み取り可能となるように、原稿がコンタクトガラス57に密着されて平面状に広げられ、かつ同ガラス57上に原稿が固定される。
【0017】
そして、複写機1に予め備えられている図示しない操作画面部に設置されたスタートスイッチを、ユーザが押下・オン操作すると、直ちに原稿読取装置4の読取動作が開始され、図示しない駆動機構によって第1走行体53および第2走行体54が走行される。そして、第1走行体53の光源からの光が原稿に向けて照射され、この原稿面からの反射光が第2走行体54に向かい、この反射光が第2走行体54のミラーで反射されて結像レンズ55を介して読取センサ56に入力され、この結果、読取センサ56によって、原稿の画像などが光電変換されて読み取られる。
【0018】
また、上述したように、スタートスイッチがオン操作されると、感光体ユニット10の感光体10Aが回転を開始して、その感光体10A上に、読み取った原稿画像に基づき、トナー像を形成する動作が開始される。すなわち、感光体10Aの回転に伴って該感光体10A外周表面の所定箇所が、順次、帯電装置14、露光装置47、現像装置12、転写装置13、感光体クリーニング装置18、除電装置との間でそれぞれ設定された各位置を通過して、順次、所定の帯電状態に帯電され、潜像が生成され、トナー像に可視像化され、用紙Sに転写されてから、残留トナーが除去され、帯電状態が解除されて1サイクルが完了し、形成する画像サイズに応じて、感光体10Aの回転方向における外周表面の所定長さの範囲にトナー像を生成するように、そのサイクルが所定に持続される。
【0019】
上記したスタートスイッチの押下により、給紙装置3内の自動または手動選択された用紙Sが収納された給紙段の給紙トレイ51から、該給紙段に付設された用紙搬送装置5の動作によって、1枚の用紙Sが所定の用紙搬送経路を介して搬送路R1に搬送される。この用紙Sは、搬送コロなどによって画像形成装置本体2内の搬送路R1上を略鉛直上方に向けて搬送され、用紙Sの先端がレジストローラ対21に突き当たって一旦停止する。
【0020】
他方、手差し給紙の場合には、手差しトレイ67上にセットされた用紙Sが、まず手差しトレイ用の給紙ローラ67Aの回転により繰り出され、用紙Sが複数枚積載・セットされた際には、同手差しトレイ用の分離ローラ67B、67Cによって1枚に分離されて、手差し給紙路R2に搬送され、さらに手差し給紙路R2から搬送路R1に搬送され、用紙Sの先端がレジストローラ対21に突き当たって一旦停止する。そして、レジストローラ対21は、回転駆動された感光体10A上のトナー像の相対移動に合わせた正確なタイミングで回転を開始し、一旦停止した用紙Sを転写位置に送り込む。この結果として、この用紙S上に転写装置13によりトナー像が転写される。
【0021】
こうして未定着なモノクロトナー画像が転写された用紙Sは、搬送路R1の一部を形成した転写装置13の転写ベルト17によって定着装置11へ搬送され、この定着装置11が形成したニップ部を通過されて、該ニップ部によって所定の熱と加圧力とが加えられることにより、画像が用紙S上に定着される。画像が定着された用紙Sは、切換爪34により排紙トレイ9に至る搬送路R1に向けてガイドされ、各排出ローラ35〜38により排紙トレイ9上に排出されて、排紙トレイ9上にスタックされる。そして、ユーザは、排紙トレイ9上にスタックされた用紙を、排紙トレイ9と原稿読取装置4との間であって装置正面側の開放部から取り出すことができる。
【0022】
また、ユーザの設定入力によって、両面コピーモードが選択されているときには、片面に画像を定着された用紙Sは、切換爪34により用紙反転装置42側に搬送され、この用紙反転装置42内に配置された複数のローラ66対や、図示しないガイド部材によって、反転搬送路R3上を往復移動させて、用紙面の上下向きを反転させてから、感光体ユニット10よりも手前に位置した箇所からレジストローラ対21を介して搬送路R1に復帰させ、この搬送路R1上を搬送されて再び転写位置へ導かれ、今度は用紙Sの裏面に画像を転写し定着した後に、排出ローラ35〜38によって排紙トレイ9上に最終的に排出され、以上により、一連の画像形成プロセスが完了する。
【0023】
このような従来の画像形成装置における両面ドアロック機構について図2を参照して説明する。ドア115は、画像形成装置の装置本体等に取り付けた回転支点116を中心に回動する。回転支点116には弾性部材117が設置されており、ドア115が開く方向に力が掛かるようになっている。ドア115にはロック爪118が設置されており、画像形成装置の本体側に設けられたロックピン119に引っかかりドア115をロックしている。このロック爪118は、回転支点118aを有し、ロック爪118と反対側の端部を操作することにより、ロックを解除できる。ロックを解除されたドア115は、弾性部材117の弾性力により付勢されて開放される。
【0024】
ドア115を閉める場合は、弾性部材117の弾性力を受けながらドア115を押し、ロック爪118がロックピン119に引っかかるまで力を掛けて閉めることになる。ドア115の中央部は記録紙の搬送経路であるため、ロックピン119はドア115の両端に位置している。したがって、ドアを閉める場合は、弾性力を受けながらドアを押し、ロック爪がロックピンに引っかかるまで力をかけて閉める。
【0025】
ドア115を閉める時、ドア115の中心部あるいは中心部に近い周辺部位を押し、両端に均等に力がかかるようにすれば問題はないが、ドア115の片側を押すなど、不均一に力をかけると、ドア115の片側だけがロックされる、いわゆる「片閉まり」の状態になる。
【0026】
この「片閉まり」を防止する技術としては、回転支点部にスライドレールを用いているものがある(特許文献1参照)。また、ヒンジ部に異型のリンク部材を用い、特別な動作を必要とせず、一連の動きの中で前ドアの横方向のスライドを可能とするものもある(特許文献2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0027】
とろころで上述したように、「片閉まり」は、記録紙の適正な搬送経路が確保できず、ジャムの原因になり、「片閉まり」を直すためには中央部近傍を押してロックさせる必要があるが、ドアの中央部を押さずに、いまだロックされていない側を押すと、ロックされる側である反対側のロックが外れてしまうことがあり、使い勝手が非常に悪かった。
【0028】
本発明では、ある角度まで閉めると自動的に閉まる回転支点構造を用いて「片閉まり」のないドアロック機構を提案するとともに、この機構を用いた画像形成装置を提供することを目的とする。
【0029】
また本発明は、画像形成装置のドアにおいて、ドアロック機構の開閉検知センサについて改良し、コスト的に安価で、かつ検知漏れを防ぐことができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0030】
本発明の回動開閉するドアを備えるドア機構のうち請求項1に係るものは、機器本体側に回転支点によって支持されて回動開閉するドアを備えるドア機構において、前記ドアの前記回転支点と同軸で回動する回転部材と弾性部材とを備え、前記弾性部材の片側端部は前記機器本体のひっかけ部に固定され、他方の端部は前記回転部材のひっかけ部に固定されており、かつ前記ドアにロック爪、前記回転部材にドア側ロック爪用ロック穴、前記機器本体にドア側ロック爪解除部材を設けると共に、前記機器本体にロック爪、前記回転部材に本体側ロック爪用ロック穴、前記ドアにド本体側ロック爪解除部材を設けてなることを特徴とする。
【0031】
同請求項2に係るものは、請求項1の回動開閉するドアを備えるドア機構において、前記ロック爪解除部材と、前記本体側ロック爪用ロック穴の位置関係を、
(1)A°:前記回転部材に設けた前記ドア側ロック爪用ロック穴の初期位置(ゼロポジション)から前記ドア側ロック爪解除部材までの回転角度、
(2)B°:前記ゼロポジションから前記本体側ロック爪用ロック穴による前記機器本体側に設けられたロック爪をひっかける位置までの回転角度
としたとき、A°>B°の関係が成立することを特徴とする。
【0032】
同請求項3に係るものは、請求項1または2の回動開閉するドアを備えるドア機構において、前記ドア側ロック爪用穴と前記本体側ロック爪用ロック穴の位置関係が、
(1)B°:前記ゼロポジションから前記本体側ロック爪用ロック穴による前記機器本体側に設けられたロック爪をひっかける位置までの回転角度
(2)C°:前記ゼロポジションから前記ドア側ロック爪用穴によるドア側に設けられたロック爪のひっかけ位置までの回転角度
としたとき、C°>B°の関係が成立することを特徴とする。
【0033】
同請求項4に係る画像形成装置は、請求項1から3のいずれかの回動開閉するドアを備えるドア機構を具備していることを特徴とする。
【0034】
同請求項5に係るものは、請求項4の画像形成装置において、前記回動開閉するドア機構を備えるドア機構を、該画像形成装置の装置本体の、前記ドアの開閉を検知するセンサを配置している側とは反対側の支点部に具備していることを特徴とする画像形成装置。ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0035】
本発明によれば、ある角度まで閉めると自動的に閉まる回転支点構造を用いて「片閉まり」のないドアロック機構を提案でき、ドアロック機構の開閉検知センサについて改良し、コスト的に安価で、かつ検知漏れを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】画像形成装置の一例としての複写機の全体構成を示す図
【図2】従来の画像形成装置における両面ドアロック機構を示す図
【図3】本発明の一実施例に係るドアロック機構の全体図
【図4】本発明の一実施例に係るドアロック機構においてドアが開く時の説明図
【図5】同ドアが開く時の説明図
【図6】同ドアが閉じる時の説明図
【図7】同ドアが閉じる時の説明図
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明の実施形態を添付図面に示す実施例を参照して説明する。
【実施例】
【0038】
次に本発明に係る回動開閉するドア機構の一実施例を説明する。
図1に示したように用紙を縦搬送する装置では縦搬送部でジャムした記録紙を除去するために、縦搬送部(図1の例では用紙反転装置42)を内部に備えたドア115が下に設けた回転支点を中心に回動可能にしたドアとして設置されている。
【0039】
本発明の一実施例として、「片閉まり」をしない、両面ロック機構を以下に説明する。
図3から図7に、本発明の一実施例を示す。図3は本発明の一実施例に係るドアロック機構の全体図、図4、図5は、ドアが開く時の説明図、図6、図7は、ドアが閉じる時の説明図である。なお図の符号は、先に説明した従来の機構、装置と同じ部分には同一の符号を付して説明してある。
【0040】
まず、図4、図5を参照してドアが開く状態について説明する。
機器本体とドアの間の回転支点116部分に、図4、図5では図示していないドアの回転とともに移動する回転部材120と、弾性部材121が設置されている。弾性部材121の片端は、図4、図5では図示していない機器本体に設置されたひっかけ部122で固定されており、他端は回転部材120に設置されたひっかけ部123で固定され、回転部材120を回動させると、弾性部材121による戻る方向へ弾性力が掛かるようになっている。なお、弾性部材121としては、コイルばねではなく、例えば圧縮ばねや引張りばねでも良い。
【0041】
回転部材120にはロック爪用穴125が設置されており、図4、図5では図示していないドア側に設けられたロック爪124がここに引っ掛かり、ドアの回動と共に回転部材120も移動する。
【0042】
また回転部材120には、ロック爪用穴128が設置されており、機器本体側に設けられたロック爪127がここに引っかかる構成となっている。このロック爪用穴128は初期位置(ゼロポジション:図5の状態の位置)から回転部材120の回転方向上流側でB°の所に位置しており、回転部材120がゼロポジションからB°回動したところで、ロック爪127が穴128に引っかかり、ロックされるようになっている。その状態で回転部材120はそのポジションに位置したままドアは自由に回動可能になる。そしてゼロポジションから、回転部材120がA°回動したところで、ドア側のロック爪124とロック解除部材127が接触し、ロック爪124が回転部材から外れる。
【0043】
なお図4(B)はロック爪124がロック爪用穴125に引っ掛かり、回転部材120を挟んで機器本体のドア側ロック爪解除部材126と段違いながら対峙している。なお、ロック爪124は、ロック爪用穴125に引っ掛ける先端側が回転部材120から寸法tだけ長い截頭形状を有している。またドア側ロック爪解除部材126も先端上部が斜めにカットしてある。なお、ロック爪124には、バネ性をもつ、例えばモールド部材などが好ましい。すなわち、前記ロック爪用穴125に引っ掛ける先端側がドア側ロック爪解除部材126の截頭形状部分を押して図4(B)に示すように撓ませ、回転部材120のロック爪用穴125を乗り超えさせ、回転部材120の面に沿って移動し、ロック爪用穴125から外れ得るようになっている。これでロックが外れる機構である。
【0044】
なお、各爪の先端の接触部にそれぞれ傾斜を設け、ロック爪用穴125のロック面先端の截頭形状の飛び出し部の傾斜の高さを回転部材120の厚みより大きくしているのは、ロック爪用穴125の内側側面に引っかかることを防止するためである。
【0045】
そしてロック爪124から外れた回転部材120は、弾性部材121の弾性力で元に戻る方向に力を持ったまま、ロック爪127にロックされた状態で、B°の角度を保持することになる。この状態を図6に示す。またドアは弾性力を受けることなく、自由に回動をする。
【0046】
次に、図6、図7を参照してドアが閉まるときを説明する。
回転部材120は、弾性部材121の弾性力で戻る方向に力を持ったまま、ロック爪127にロックされた状態で、B°の角度を保持されている。ロック爪用穴125はゼロポジションからC°回動した所に位置している。ドアは、C°より大きい角度で開いている。
【0047】
そしてドアを閉める方向に回動させて、回動角度がゼロポジションからC°になると、ロック爪124はロック爪用穴125に入る。この時、回転部材120は、ロック爪127に保持されている。
【0048】
さらにドアを閉めると、ロック爪124のロック面とロック爪用穴125のロック面には間隙が広がる。またドア側に設置されたロック解除部材129とロック爪127が接触し、ロック爪127が回転部材120から外れる。すると回転部材120は、弾性部材121の弾性力によって戻る方向に回動する。
【0049】
ロック爪用穴125のロック面がロック爪124のロック面と接触し、ドアは弾性力を受け自動的に閉まる。ドアは、機器本体に設置してあるドアの位置決め位置まで、自動的に引き込まれる。
【符号の説明】
【0050】
1:複写機
2:画像形成装置本体
3:給紙装置
4:原稿読取装置
9:排紙トレイ
10:感光体ユニット
10A:感光体
11:定着装置
12:現像装置
13:転写装置
14:帯電装置
20:トナー収納容器
51、51:給紙トレイ
115:ドア
116:回転支点
120:回転部材
121:弾性部材
122:ひっかけ部
123:ひっかけ部
124:ロック爪
125:ロック爪用穴
126:ドア側ロック爪解除部材
127:ロック爪
128:ロック爪用穴
S:用紙
R1〜R3:用紙搬送路
【先行技術文献】
【特許文献】
【0051】
【特許文献1】特開2005−254620号公報
【特許文献2】特開平11−024353号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器本体側に回転支点によって支持されて回動開閉するドアを備えるドア機構において、
前記ドアの前記回転支点と同軸で回動する回転部材と弾性部材とを備え、
前記弾性部材の片側端部は前記機器本体のひっかけ部に固定され、他方の端部は前記回転部材のひっかけ部に固定されており、かつ
前記ドアにロック爪、前記回転部材にドア側ロック爪用ロック穴、前記機器本体にドア側ロック爪解除部材を設けると共に、
前記機器本体にロック爪、前記回転部材に本体側ロック爪用ロック穴、前記ドアに本体側ロック爪解除部材を設け、
てなることを特徴とする回動開閉するドアを備えるドア機構。
【請求項2】
請求項1の回動開閉するドアを備えるドア機構において、
前記ロック爪解除部材と、前記本体側ロック爪用ロック穴の位置関係を、
(1)A°:前記回転部材に設けた前記ドア側ロック爪用ロック穴の初期位置(ゼロポジション)から前記ドア側ロック爪解除部材までの回転角度、
(2)B°:前記ゼロポジションから前記本体側ロック爪用ロック穴による前記機器本体側に設けられたロック爪をひっかける位置までの回転角度
としたとき、A°>B°の関係が成立する
ことを特徴とする回動開閉するドアを備えるドア機構。
【請求項3】
請求項1または2の回動開閉するドアを備えるドア機構において、
前記ドア側ロック爪用穴と前記本体側ロック爪用ロック穴の位置関係が、
(1)B°:前記ゼロポジションから前記本体側ロック爪用ロック穴による前記機器本体側に設けられたロック爪をひっかける位置までの回転角度
(2)C°:前記ゼロポジションから前記ドア側ロック爪用穴によるドア側に設けられたロック爪のひっかけ位置までの回転角度
としたとき、C°>B°の関係が成立する
ことを特徴とする回動開閉するドアを備えるドア機構。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかの回動開閉するドアを備えるドア機構を具備していることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項4の画像形成装置において、前記回動開閉するドア機構を備えるドア機構を、該画像形成装置の装置本体の、前記ドアの開閉を検知するセンサを配置している側とは反対側の支点部に具備していることを特徴とする画像形成装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−163727(P2012−163727A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−23433(P2011−23433)
【出願日】平成23年2月6日(2011.2.6)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】