説明

回路基板およびその回路基板を備えたブラシレスDCモータ

【課題】マイコンの無駄がなく、急な設計変更が発生しても、モータの納期の短縮も図ることができ、マイコン制御のプログラムの変更によって実装済み基板が無駄になることもなく、ROM内蔵のマイコンICを自動実装して回路基板を形成できるようにする。
【解決手段】母材1は、複数の回路領域2と非回路領域3とで構成され、各回路領域2と非回路領域3とは複数の連結部4によって連結されている。母材1の両面又は片面に必要な導通パターン、及びマイコンIC5等の各種電子部品が設けられている。各回路領域2に実装されたマイコンIC5は、マイコン制御のプログラムを記憶する書き換え可能な不揮発性メモリを備えている。マイコンIC5は、導通パターン6が連結部4を通って非回路領域3の書き換え端子8に接続されている。外部書き込み装置の書き込み端子を各書き換え端子8に接続することで、母材1の状態で各メモリへプログラムを一括して書き込むことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、書き換え可能な不揮発性のメモリに記憶された記憶データに基づいて駆動時の回転が制御されるブラシレスDCモータの回路基板、およびその回路基板を備えたブラシレスDCモータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ブラシレスDCモータは、OA機器、家電機器、車載機器等の幅広い用途に用いられている。これらブラシレスDCモータには、搭載される機器の目的に応じて高精度の制御を必要とされるものがある。
【0003】
そのようなブラシレスDCモータのモータ制御部には、マイクロコンピュータ(以下、マイコンIC)が搭載されているものがある。このモータ制御部は、モータの回転状態や周囲温度などの情報、或いはモータが搭載される機器からの情報に基づいて、そのマイコンICに内蔵されているメモリの制御プログラムを動作させて、ステータへの回転駆動電流を供給することにより、マイコンICを搭載しないアナログ回路による制御方式に比べて、複雑な制御を実現することができる(例えば、特許文献1)。
【0004】
そのモータ制御部のマイコンICに内蔵されたメモリは、コストなどの都合により読み出し専用の不揮発性メモリ(以下、書き換え可能なEPROMを含み、単にROMという)が使用されている。このROMは、フィードバック等の制御プログラムやその他の制御に必要なデータが予め書き込まれた状態で所定の回路基板に実装され、このROMが実装された回路基板はブラシレスDCモータの所定部に取り付けられる。
【0005】
このようなブラシレスDCモータは、同じ回路構成であってもそのROMに記憶された記憶データを変更するだけで多様な回転状態を設定できる利点がある。また、記憶データがROMに書き込まれた後にモータ制御部の仕様変更が生じたとしても、新規の回路を用意することなくそのROMに書き込まれている内容のみを書き換えることによって、対応することができる場合がある。
【0006】
【特許文献1】特開2004−120980号公報(段落[0017]−[0019])
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、マイコンに内蔵されるROMには一度だけ書込みができるROM(ワンタイムROM)と何度でも書き込み変更ができるROM(フラッシュメモリ)があり、安価なワンタイムROMを内蔵したマイコンの場合、上述のようなマイコン制御用の回路基板の製造に際し、回路基板に実装されるマイコンICは、自動実装を行うため、部品業者等によってプログラムがマイコンに内蔵されるROMに書き込まれた状態で納入される。その際に、書き込まれたマイコン制御のプログラムを特定するために、そのマイコンICの表面には、型式を示す印字を部品業者にて入れる必要がある。即ち、部品業者がマイコンICの内容を部品段階で書き込むためには、書き込みプログラムの内容毎に、専用の書き込み工程、書き込み内容確認工程、印字工程、梱包出荷工程等を持つ必要があり、特に少量生産する場合はコスト高となる。事実、部品業者から、予め指定したプログラムが書き込まれたマイコンICを購入する場合の価格は、プログラムを書き込むことなく購入する場合と比較して、発注数量により20%から50%程度割高となっている。
【0008】
そして、前記の部品業者等から購入した所定のプログラムを書き込み済みのマイコンICを含む各種の電子部品が実装工程で基板に実装されて回路基板が形成される。
【0009】
したがって、マイコン制御のプログラムの記憶に、ワンタイムROMを用いた従来の回路基板の製造にあっては、マイコン制御のプログラムが異なる複数の機種を少量ずつ受注して生産するような場合は尚更、コストアップにつながるとともに、マイコンICの発注から納入までにリードタイムがかかり、モータの納期の短縮化が図れない問題がある。
【0010】
また、モータの仕様変更等によってマイコン制御のプログラム変更が生じた場合には、部品業者に変更プログラムを送付し、部品業者側では既に旧プログラム書き込み済みのマイコンICを一度リールから外し、再度書き込みを行ない、且つ新プログラムが書き込まれているマイコンICであることを示すマイコンIC表面への印字も変更する必要がある。従って内蔵プログラムの変更に対して、迅速に対応することができない。それだけではなく、既にマイコンICを実装した回路基板は廃棄処分又は再利用するまで保管するしかないため、余分なコストが発生する。
【0011】
一方、マイコン制御のプログラムの記憶にROM(フラッシュメモリ)を用いた従来の回路基板の製造にあっては、部品業者等からプログラム書き込み前のマイコンICを購入し、市販のROMライタ等によって必要実装個数のマイコンICにプログラムを書き込むことにより前記の問題点の解消を図ることが考えられる。通常、マイコンICを含む各種の電子部品は、実装の自動化に適するように等間隔で複数個がテープに包装されリールに巻かれた状態で部品業者等から納入される。しかし、この場合はマイコンに内蔵されるROMへの書き込みが実装前に行われるため、マイコンICにプログラムを書き込む工程が追加される。その際には、テープに包装された複数個のマイコンICを1個ずつバラバラにする必要がある。したがって、基板へのマイコンICの自動実装が行えなくなる。これにより、マイコンICを基板に実装する工程は手作業で行うしかなく、回路基板の製造効率が却って低下する問題がある。
【0012】
本発明は、マイコン制御のプログラムが異なる多機種を少量ずつ生産するような場合にも、マイコンの無駄がなく、急な設計変更が発生しても、モータの納期の短縮も図ることができ、マイコン制御のプログラムの変更によって実装済み基板が無駄になることもなく、前記ROM内蔵のマイコンICを自動実装して回路基板を形成できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記した目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、書き換え可能な不揮発性のメモリに記憶された記憶データに基づいて駆動時の回転が制御されるブラシレスDCモータの回路基板であって、絶縁板に形成された導通パターンを有する母材に、前記メモリを含む回路部品が実装された複数の回路領域と、該回路領域と少なくとも一部が一体的に連結され且つ該回路領域を切り離し可能に保持する非回路領域と、さらに、前記母材の複数の前記回路領域または前記非回路領域の少なくとも一箇所に形成された、外部書き込み装置に接続された所定数の書き込み端子の信号が複数の前記回路領域の前記各メモリに伝達されることで前記各メモリに前記記憶データを書き込むための、前記所定数の書き換え端子と、を備え、前記外部書き込み装置によって前記書き換え端子より前記各メモリに前記記憶データを書き込んだ後、前記母材から前記回路領域を切り離すことによって形成されることを特徴とする。
【0014】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の回路基板であって、前記所定数を一組とする前記書き換え端子は、前記非回路領域に設けられ、前記メモリと前記所定数の前記書き換え端子とをそれぞれ電気的に接続する書き換え導通パターンが、前記回路領域と前記非回路領域とが一体的に連結された連結部を通って設けられていることを特徴とする。
【0015】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の回路基板であって、前記所定数を一組とする前記書き換え端子は、前記母材に形成された複数の前記回路領域のそれぞれに対応して複数組形成され、前記外部書き込み装置によって、前記各回路領域に対応する前記書き換え端子のそれぞれの組を介して、前記各メモリに前記記憶データを書き込んだ後、前記母材から前記各回路領域を切り離すことによって形成されることを特徴とする。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の回路基板であって、前記所定数の前記書き換え端子を少なくとも一組備え、該一組の書き換え端子の前記所定数の各端子から、前記母材に形成された一部または全部の前記回路領域に実装された前記各メモリに、それぞれ共通に電気的接続される前記書き換え導通パターンが形成され、前記外部書き込み装置によって、前記一部または全部の前記回路領域に実装された前記各メモリに、前記記憶データを同時に一括して書き込んだ後、前記母材から前記各回路領域を切り離すことによって形成されることを特徴とする。
【0017】
請求項5に記載の発明は、請求項2乃至4の何れかに記載の回路基板であって、前記母材は、前記絶縁板の両面に前記書き換え導通パターンを備え、前記各書き換え導通パターンが導通手段によって接続されていることを特徴とする。
【0018】
請求項6に記載の発明は、請求項2乃至5の何れかに記載の回路基板であって、一または複数組の前記書き換え端子は、前記非回路領域の所定領域に集積して設けられていることを特徴とする。
【0019】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の回路基板であって、前記母材は、前記非回路領域の少なくとも一部が前記母材の外縁に位置する矩形であって、一または複数組の前記書き換え端子が、前記非回路領域の前記外縁に近接して設けられ、且つ前記外縁に形成される直線状の一辺に沿って配列されていることを特徴とする。
【0020】
請求項8に記載の発明は、請求項6に記載の回路基板であって、前記母材は、前記非回路領域の少なくとも一部が前記母材の外縁に位置する矩形であって、一または複数組の前記書き換え端子が、前記非回路領域の前記外縁に近接して設けられ、当該書き換え端子が一箇所に集約配置されていることを特徴とする。
【0021】
請求項9に記載の発明は、請求項1乃至3の何れかに記載の回路基板であって、前記メモリに前記記憶データが書き込まれた後に、該書き込み後の前記記憶データがマスターデータと一致するかを確認する検査工程を経て、前記回路領域の切り離しを行うことを特徴とする。
【0022】
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の回路基板であって、前記検査工程の良否結果を、少なくとも前記回路領域に対応して表示されたことを特徴とする。
【0023】
請求項11に記載の発明は、書き換え可能な不揮発性のメモリに記憶された記憶データに基づいて駆動時の回転が制御されるブラシレスDCモータであって、駆動用マグネットを備えた回転体と、ステータコアにコイルが巻設されてなり前記駆動用マグネットに対向して配置されるステータを備えた静止体と、前記回転体を前記静止体に対して回転自在に支持する軸受と、書き換え可能な不揮発性のメモリと該メモリの前記記憶データに基づいて駆動時の回転を制御する回転制御部と該制御部の制御に基づき前記ブラシレスDCモータに回転駆動電流を供給する駆動回路部とを備えた回路基板と、を有するブラシレスDCモータであって、前記回路基板は、絶縁板に形成された導通パターンを有する母材に、前記メモリを含む回路部品が実装された複数の回路領域と、該回路領域と少なくとも一部が一体的に連結され且つ該回路領域を切り離し可能に保持する非回路領域と、さらに、前記母材の複数の前記回路領域または前記非回路領域の少なくとも一箇所に形成された、外部書き込み装置に接続された所定数の書き込み端子の信号が複数の前記回路領域の前記各メモリに伝達されることで前記各メモリに前記記憶データを書き込むための、前記所定数の書き換え端子と、を備え、前記外部書き込み装置によって前記書き換え端子より前記各メモリに前記記憶データを書き込んだ後、前記母材から前記回路領域を切り離すことによって形成されることを特徴とする。
【0024】
請求項12に記載の発明は、請求項11に記載のブラシレスDCモータであって、前記所定数を一組とする前記書き換え端子は、前記非回路領域に設けられ、前記メモリと前記所定数の前記書き換え端子とをそれぞれ電気的に接続する書き換え導通パターンが、前記回路領域と前記非回路領域とが一体的に連結された連結部を通って設けられていることを特徴とする。
【0025】
請求項13に記載の発明は、請求項12に記載のブラシレスDCモータであって、前記回路基板は、前記所定数を一組とする前記書き換え端子が、前記母材に形成された複数の前記回路領域のそれぞれに対応して複数組形成され、前記外部書き込み装置によって、前記各回路領域に対応する前記書き換え端子のそれぞれの組を介して、前記各メモリに前記記憶データを書き込んだ後、前記母材から前記各回路領域を切り離すことによって形成されることを特徴とする。
【0026】
請求項14に記載の発明は、請求項12に記載のブラシレスDCモータであって、前記回路基板は、前記所定数の前記書き換え端子を少なくとも一組備え、該一組の書き換え端子の前記所定数の各端子から、前記母材に形成された一部または全部の前記回路領域に実装された前記各メモリに、それぞれ共通に電気的接続される前記書き換え導通パターンが形成され、前記外部書き込み装置によって、前記一部または全部の前記回路領域に実装された前記各メモリに、前記記憶データを同時に一括して書き込んだ後、前記母材から前記各回路領域を切り離すことによって形成されることを特徴とする。
【0027】
請求項15に記載の発明は、請求項12乃至14の何れかに記載のブラシレスDCモータであって、前記回路基板において前記連結部が切断された面には、前記書き換え導通パターンの切断部が露出していることを特徴とする。
【0028】
請求項16に記載の発明は、請求項12乃至14の何れかに記載のブラシレスDCモータであって、前記母材は、前記絶縁板の両面に前記書き換え導通パターンを備え、前記母材の両面に設けられた前記書き換え導通パターンが導通手段によって接続されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0029】
請求項1に記載の発明は、書き換え可能な不揮発性のメモリを各回路領域に実装した母材の段階で、各メモリにプログラムを一度の操作で一括して書き込む。このため、プログラムの書き込みがマイコンICを基板に実装した状態でも行うことができ、自動実装が行えるので、従来のようにROMライタで個々のマイコンにプログラムを書き込んだ後、手実装を行う必要がなく、回路基板の製造効率が低下することがない。また一回のデータ書き込み処理で複数個の回路基板を一度に短時間に形成することができる。
【0030】
マイコンICに内蔵されているROMは電気的に書き込み可能な不揮発性メモリである。このため、プログラムが異なるマイコン制御の回路基板を搭載する多機種のモータを少量ずつ生産するような場合も、それぞれのプログラムを書き込んだ必要個数の回路基板を短時間に形成することができる。しかも、製品の納期を短縮することもできる。
【0031】
さらにマイコンICに内蔵されるROMとしてEPROMを使用している場合は、電気的に書き換え可能な不揮発性メモリである。このため、基板母体の各回路領域に実装されたマイコンICに制御用のプログラムを書き込んだ後にプログラムの変更が発生しても、変更後のプログラムを再び書き込むことによって、変更後のプログラムが書き込まれた回路基板を形成することができ、実装済みの回路基板が無駄になることもない。
【0032】
請求項2に記載の発明は、複数の書き換え端子を非回路領域に設けることにより、回路領域に比べて書き換え端子および書き換え導通パターンの配置に余裕がある。このため、書き換え端子および書き換え導通パターンの配置に自由度が大きい。また、書き換え導通パターンを連結部に配置することにより、回路領域の書き換え導通パターンと非回路領域の書き換え導通パターンとを電気的に接続することが可能である。
【0033】
請求項3に記載の発明は、所定数の書き換え端子が複数の回路領域のそれぞれに対応して複数組形成されている。このため、特定の回路領域に対して書き込みができるだけでなく、全ての回路領域に対して順次書き込みを行うことが可能である。
【0034】
請求項4に記載の発明は、複数の回路領域に対して所定数の書き込み端子が一組備えられているため、複数の回路領域に対して同時に一括して書き込みが可能である。
【0035】
請求項5に記載の発明は、両面に導通パターンを備え、両面に備えられた各書き換え導通パターンが導通手段によって接続されている。このため、連結部に配置された複数本の書き換え導通パターンを片面だけでなく両面に分けて配置することができる。これにより、連結部の本数を少なくできるだけでなく、連結部の幅を細く形成することが可能である。この結果、母材から回路領域を切り離し易くなり、工数の削減が可能である。また、両面に書き換え導通パターンを配置する構成は片面のみに書き換え導通パターンを配置する構成と比較して、同じ構成の回路を配置した場合に回路領域を小さくすることが可能である。このため、所定のサイズの母材に対して片面に導通パターンを配置した構成に比べて、両面に書き換え導通パターンを配置した構成のほうが、回路領域を多く形成することが可能である。同様に、非回路領域に配置された場合の書き換え導通パターンにおいても、両面にその書き換え導通パターンを配置することにより、片面にそれを配置する場合と比較して非回路領域を小さくすることが可能である。したがって、1つの母材から多くの回路基板を取り出すことができ、材料取りを有利に行うことが可能である。
【0036】
請求項6に記載の発明は、書き換え端子が非回路領域の所定領域に集積して配置されている。このため、書き込み装置に備えられている書き込み端子を集積して配置することができる。したがって、書き込み端子を配置する際の位置寸法の誤差を小さくすることが可能である。また書き込み装置の複数の書き込み端子配置部を小さくすることができるため、書き込み装置自体を小さくすることが可能である。また、書き換え端子が非回路領域の所定領域に集積して配置されているため、回路領域の形、大きさによらず書き込みが可能となる。
【0037】
請求項7に記載の発明は、書き換え端子が非回路領域の外縁に近接して設けられ、且つ外縁に形成される直線状の一辺に沿って配列されている。このため、書き込み装置の書き換え端子を直線状に配置することが可能であるため、書き込み端子の配列が単純になり、容易に配置することが可能である。また基板の一片を基準に書き込み端子を配置できるため、配置する位置寸法の誤差を小さくすることが可能である。
【0038】
請求項8に記載の発明は、書き換え端子が、非回路領域の外縁に近接して設けられ、書き換え端子が1箇所に集約して配置されている。このため、書き込み装置の書き込み端子を集約して配置することができ、書き込み端子の配置が単純になり、容易に配置することが可能である。また、書き込み端子の配置する数量が少ないため、配置する位置寸法の誤差を小さくすることが可能である。更に書き込み端子と書き換え導通パターンを通じて電気的にて接続している回路領域に実装されたマイコンICに対してマイコン制御用のプログラムを同時に一括して書き込みすることが可能であり、書き込み工数を削減することができる。
【0039】
請求項9に記載の発明は、マイコン制御用のプログラム書き込み工程において書き込み後に、外部書き込み装置が記憶しているマスタープログラムと一致していることを確認する工程が行われる。このため、ROMに書き込んだプログラムに間違いや書き込みエラーの発生の有無の確認ができる。これによって、書き込み不良の回路基板を検出することができる。
【0040】
請求項10に記載の発明は、書き込み後の検査工程の良否結果を少なくとも回路領域に表示することにより、母材から切り離す前の回路領域および切り離した後の回路基板とも、その検査工程の良否結果を容易に確認することができる。
【0041】
請求項11乃至14の何れかに記載の発明は、書き換え可能な不揮発性のメモリを備えたマイコンICを実装する回路基板を安価に製造することができるだけでなく、回路基板の製造効率を高めることができる。これにより、ブラシレスDCモータを安価に製造でき、製造効率を高めることができる。
【0042】
請求項15に記載の発明は、回路基板の外周縁を確認することにより、回路基板を安価な製造方法によって形成されてものであることを特定することができる。
【0043】
請求項16に記載の発明は、回路基板を小型かつ安価に製造できるため、ブラシレスDCモータも小型かつ安価に製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
本発明を実施するための形態を、第1乃至3の実施形態として図1乃至図8を参照しながら説明する。これらの実施形態では、ブラシレスDCモータがパソコンの内部を冷却するための軸流型ファンモータとして用いられる場合を例示する。なお、以下の説明において軸線方向とは回転軸の長手方向を示し、半径方向とは回転中心を通る軸線に対して直角な方向を示す。
【0045】
(第1の実施形態)
図1は、回路領域および非回路領域を含む母材の平面図である。図2は、図1の要部を拡大した回路領域から導通パターンを通って書き換え端子への接続を示す平面図である。図3は、母材の書き込み装置50を示した斜視図である。図4は、当該回路基板が搭載される軸流型ファンモータにおける銘板シールを剥がした状態の斜視図および断面図である。図5は回路基板の平面図である。
【0046】
図1の母材1は、紙フェノール樹脂やガラスエポキシ樹脂のような絶縁体で形成されており、材料表面には導通パターン6が印刷され、前記導通パターン6の印刷後に材料表面に絶縁層が形成されている。また母材1は、図1に示すように複数の回路領域2と非回路領域3とで構成されている。各回路領域2は、中央部に円形の貫通孔21が形成された円環状であり、母材1には回路領域2の外形形状に沿って3本の円弧形状の貫通孔22が不連続に形成されている。各回路領域2と非回路領域3とは、3本の円弧形状の貫通孔22の間に形成されている3本の連結部4によって連結されている。連結部4の本数は3本に限定することはなく、2本でも4本でも良い。連結部4の中心線上で回路領域2の外形円の円周上よりも径方向で内側に連結部切断用のミシン目41が形成されている。また回路領域2は母材1上に3×4の配列で12個形成されている。
【0047】
各回路領域2は、マイコン制御によってブラシレスDCモータの例えば高精度のフィードバック制御またはPWM制御を行うため、母材1の両面又は片面に必要な導通パターン6および絶縁層が形成された後、電子部品実装工程により、マイコンIC5等の各種電子部品が電子部品実装機にて自動的に実装される。
【0048】
各回路領域2に実装されたマイコンIC5は、マイコン制御のプログラムを記憶する不揮発性メモリとして、フラッシュメモリを内蔵している。このフラッシュメモリは、電気的な書き込みによってマイコン制御のプログラムの書き換えができる。メモリに関しては、フラッシュメモリに限定されず、電気的な書き換えが可能な不揮発性メモリであれば使用可能である。
【0049】
次に、第1の実施形態においては、各回路領域2に実装されたマイコンIC5にマイコン制御用のプログラムを書き込むために、マイコンIC5と導通パターン6とが電気的に接続されている。導通パターン6は、図2に示すように各回路領域2から連結部4を通って非回路領域3の外縁に沿って2列に配置された各書き換え端子8に導通して接続されている。各回路領域2内にも書き換え端子9が配置され、導通パターン6はマイコンIC5から前記書き換え端子9を経由して非回路領域3に引き出される(図2では、マイコンIC5と書き換え端子9との間の導通パターンは図示していない。)。
【0050】
また、図示は省略するが、回路領域2および非回路領域3の両面に導通パターン6および絶縁層が形成されていてもよい。この場合、回路領域2および非回路領域3を含む母材1の導通パターン6上の所定部には、内面に導通層が形成されたスルーホール7が複数箇、形成されており、両面の導通パターン6(すなわち、回路)同士は、スルーホール7内面の導通層を通じて電気的に接続されている。マイコンIC5と電気的に接続された導通パターン6は回路領域2におけるスルーホール7を通じて裏面の導通パターンに接続し、連結部4の裏面を通って非回路領域3の裏面に配置されている導通パターン6を通り、非回路領域3におけるスルーホール7を通じて表面の導通パターン6に接続され、各書き換え端子8に接続される。これにより、片面だけでは形成不可能な複雑な回路を形成できる。また連結部4の両面を利用して導通パターン6が回路領域2から非回路領域3へと引き・出すことができる。このため、連結部4を細く形成することができ、母材から各回路領域を切り離す際に、容易に切り離すことが可能である。また、導通パターンを両面に形成すると、回路領域2および非回路領域3を小さくできることから、片面にそれを配置する場合と比較して母材1から取れる回路基板の材料取りを有利にできる。片面に導通パターン6を印刷する場合もあるが、その場合はスルーホール7を形成する必要はない。
【0051】
母材1の各回路領域2に実装されたマイコンIC5のフラッシュメモリは、図3(A)に示されているように書き込み装置50に母材1をセットすることによってマイコン制御のプログラムが書き込まれる。
【0052】
本実施形態の場合、図3(A)のA部詳細である図3(B)に示されているように書き込み装置50の書き込み端子を非回路領域に形成された書き換え端子8と同一の配置とし、各書き込み端子は各回路領域2に実装されたマイコンIC5の書き込みに割り当てられた各書き換え端子8と電気的に接触するように配置されている。
【0053】
母材1は書き込み装置50内にセットされ、作業者が書き込み装置50の操作を行い、マイコン制御のプログラムの書き込みが開始される。各書き込み端子から各書き換え端子8に書き込み装置50内に記録されたプログラム信号が電気的に伝送される。この際、プログラム信号は各回路領域2のマイコンIC5に対して並列に伝送され、各マイコンIC5内のフラッシュメモリに同時に一括してマイコン制御のプログラムが書き込まれる。
【0054】
このとき、各マイコンIC5のフラッシュメモリに対して、回路領域2毎に書き込まれたプログラムの内容と書き込み装置50内に記録されているプログラムの内容とが一致していることを確認する工程(以下、VERIFY)が自動的に行われる。各マイコンIC5のフラッシュメモリに書き込まれたプログラムが書き込み装置50内に記録されているプログラムと内容が異なっている場合(すなわち、書き込みの際に不完全な書き込みが生じた場合)は、各回路領域2のうちプログラムの内容が異なっている回路領域2を特定し、書き込み装置50のパネル上に表示される。
【0055】
書き込み装置50のパネル上に表示された書き込み不良が発生した回路領域2のマイコンIC5に関しては、マイコンIC5自体の単品不良、又は実装時に不完全な半田処理によってマイコンIC5と導通パターンとが非接触な状態になっている実装不良、又は導通パターンが断線している不良、又は書き込み装置50の書き込み端子と非回路領域3の書き換え端子8との接触不良等が考えられる。この場合は、作業者がマイコンIC5の交換及び再半田処理を手作業で行い、再度母材1を書き込み装置50にセットし、再度前記の書き込み工程を行う。全て回路領域2のマイコンIC5に対してマイコン制御のプログラムが正常に書き込まれた後、回路領域2毎に対して実装面に良品を示す簡易的なマークを記載(例えば、表面もしくは裏面にペンでOKと記載する)し、次の工程に渡される。回路基板の材料コストよりも不良修正コストの方が高い場合には、書き込み不良が発生した際に、正常な書き込みが行われた回路領域2には良品を示す簡易的なマークを記載し、書き込み不良が発生した回路領域2には不良を示す簡易的なマークを記載し、次の工程に渡される。不良修正工程を行うか否かに関しては適宜、変更可能である。
【0056】
なお、マイコンIC5にマイコン制御用のプログラムを書き込む工程は、当該回路基板が搭載されるファンモータ10の組立工程の最初に行われる。予めマイコンIC5に所定のプログラムの書き込みを行った上で、部材を保管する倉庫から母材1を組立工程に投入する組立手順をとってしまうと、マイコンIC5に他機種用のプログラムが書き込まれた回路基板40が投入される虞がある。しかし、前記のように書き込み工程を組立工程の最初に行えば、このようなミスは生じない。更に、部材の管理を容易にすることが可能である。
【0057】
母材1は、次工程において母材1から各回路領域2を切り離すためのプレス機にセットされる。プレス機では、連結部4に形成されているミシン目41上に切断用の刃物が当接するように刃物が配置されている。作業者がプレス機を操作すると、プレス機が作動され、ミシン目41を中心に連結部4が切断され、各回路領域2が同時に母材1から切り離され、図5に示す回路基板40が形成される。連結部4を切断した際に形成される切断部42は回路基板40の外形円周から突出しないように、各回路領域4の連結部4の円周方向の両側には切欠43が形成されている。また、切断部42には、導通パターン6の切断面が露出しており、本発明を利用して生産された回路基板40であることが確認できる。なお、回路領域2にもマイコンIC5と電気的に接続している書き換え端子9が配置されているため、母材1から各回路領域2を切り離した後でもマイコン制御用のプログラムの書き換えが可能である。
【0058】
そして、これらの各回路領域2すなわち回路基板40は、ファンモータの組立工程に渡される。この組立工程により例えば、図4(A)、(B)に示すようなマイコン制御のファンモータ10は、回路基板40を組み込んで形成される。なお、図4(A)、(B)において20はハウジング、30はインペラである。回路基板40は、ステータコイル部70と電気的に接続してファンモータ10に組み込まれる。
【0059】
したがって、この実施形態の場合、非回路領域3に配置されている書き換え端子8と電気的に接触する書き込み端子の配置が容易に行える。またマイコン制御のプログラムを書き込む前にマイコンIC5を母材1の各回路領域2に実装している。このため、各回路領域2に実装されているマイコンIC5に対してマイコン制御のプログラムを一度に書き込むことができる。更にマイコン制御のプログラムの書き込みがマイコンIC5の実装工程の自動化に影響を与えることがなく、回路基板40の製造効率が低下することがない。
【0060】
しかも、マイコン制御用のプログラムの書き込み後に母材1から各回路領域2を切り離すことにより、1回の書き込みで複数個の回路基板40を短時間に形成することができる。
【0061】
さらに、フラッシュメモリが電気的に書き込み可能な不揮発性メモリであるため、既にプログラムが書き込まれたマイコンIC5を購入する必要がない。マイコン制御のプログラムが異なる多機種のファンモータ10を少量ずつ生産するような場合には、それぞれのプログラムを必要個数のマイコンIC5を各回路領域2に実装し、書き込み装置50によってマイコン制御用のプログラムを書き込みすればよい。これにより、マイコンIC5のプログラム書き込み後の回路基板40を廃棄することなく、材料の無駄を低減することができる。また、ファンモータ10の納期短縮化を図ることができる。
【0062】
その上、フラッシュメモリは書き換えが可能である。これにより、母材1の各回路領域2に実装されたマイコンIC5にマイコン制御のプログラムを書き込んだ後、仕様の変更が発生し、マイコン制御用のプログラムの設計変更が必要になったときには、母材1のまま変更後のプログラムを各回路領域2のマイコンIC5に書き込んでそのマイコン制御用のプログラムを書き換えることができる。その結果、母材1を無駄にすることなく、変更後のプログラムが書き込まれた回路基板40を形成することができる。従来であれば、プログラムが変更になれば部品業者に新プログラムのマイコンIC5を発注し、納入後に再度ファンモータ10を生産する必要があった。この場合、旧プログラムが書き込まれた回路基板は廃棄しなければならなかった。しかし、本発明により納期を短縮するとともに、マイコンIC5を含む電子部品および基板等の材料を無駄にすることがない。
【0063】
また、各回路領域2に書き換え端子9が配置されているため、母材1から各回路領域2を切り離して回路基板40を形成した後でも、マイコン制御用のプログラムの書き換えが可能である。
【0064】
第1の実施形態における変形例について説明する。非回路領域3に配置されている書き変え端子8を内面に導通層が形成されたスルーホールとしても良い。この場合は、書き込み装置50の書き込み端子をスルーホールに差し込むことによって、各回路領域2に実装されているマイコンIC5にマイコン制御用のプログラムが書き込まれる。この際に、複数枚の母材1を同じ向きに重ねて書き換え装置に設置し、書き込み端子を複数枚の母材1のスルーホールに相通させ、各母材1の各書き換え端子8と書き込み端子とが電気的に接触することによって複数枚の母材1の各回路領域に実装されたマイコンIC5にマイコン制御用のプログラムを一括で書き込むことが可能であり、書き込み工数を削減することができる。
【0065】
プログラムの書き込み後は自動的にVERIFYが行われる。この場合には、書き込み端子毎にVERIFYが行われる。一つの書き込み端子には複数枚の母材1が電気的に接触しているため、プログラムの書き込み不良が発生した場合、どの母材1で発生したかを特定することができない。このため、書き込み不良が発生している母材1を特定するために、各母材1の非回路領域3に対して母材1のアドレスを割り当てる端子を配置し、前記端子と書き込み装置50のアドレス読み取り用端子とを電気的に接触させる。これにより、書き込み不良が発生した場合には、書き込み不良が発生している母材1を特定することができる。
【0066】
(第2の実施形態)
次に第2の実施形態について図6の回路領域および非回路領域を含む母材の平面図を用いて説明する。第2の実施形態では、非回路領域に配置される書き換え端子の配置に関する構成を例示する。図6において、図1と同一符号のものは同一もしくはそれに相当する部位を示すものとする。
【0067】
この実施形態では、図6に示すように、書き換え端子8が、各回路領域2に実装されたマイコンIC5にマイコン制御用のプログラムを書き込むために、マイコンIC5と導通パターン6とが電気的に接続されている。導通パターン6は各回路領域2から連結部4を通って非回路領域3の外縁に沿って1列に配置され、それら導電パターン6の端部は1箇所に集約されて書き換え端子8を形成している。本実施形態では、一つのマイコンIC5に対して書き込みに必要な書き込み端子8は5個であり、各回路領域2から引き出された同じ種類の導通パターン6同士が非回路領域3で接続されるため、12個のマイコンIC5に対して非回路領域3に形成されている書き込み端子8の数は5個である。
【0068】
母材1は書き込み装置50内にセットされ、作業者が書き込み装置50の操作を行い、マイコン制御のプログラムの書き込みが開始される。各書き込み端子から各書き換え端子8に書き込み装置50内に記録されたプログラム信号が電気的に伝送される。この際、プログラム信号は各回路領域2のマイコンIC5に対して並列に伝送され、各マイコンIC5内のフラッシュメモリに同時にマイコン制御のプログラムが書き込まれる。
【0069】
このとき、各マイコンIC5のフラッシュメモリに対して、回路領域2毎にVERIFYが自動的に行われる。第1の実施形態においては各マイコンIC5のフラッシュメモリに書き込まれたプログラムが書き込み装置50内に記録されているプログラムと内容が異なっている場合(すなわち、書き込みの際に不完全な書き込みが生じた場合)は、各回路領域2のうちプログラムの内容が異なっている回路領域2を特定し、書き込み装置50のパネル上に表示されていた。第1の実施形態では、非回路領域3に各マイコンIC5の書き換え端子8が引き出されている。このため、各マイコンIC5に対して順次VERIFYが行われる。これに対して、第2の実施形態では、非回路領域3には各マイコンIC5から引き出された書き換え端子8が1箇所に集約して配置されている。このため、各マイコンIC5に対して一括でVERIFYが行われる。したがって、第2の実施形態においては、VERIFYの工程を短縮化することが可能である。このVERIFYは、母材単位で行われるためプログラムの書き込み不良が発生してもどの回路領域2が不良であるかを特定することはできない。そのためVERIFYにかかる工数を考慮すると、VERIFYを回路領域単位でするよりも母材単位で行う方が有利である場合、例えば、プログラムの書き込みの不良率が低い、或いは大量に書き込みする場合に好適である。また、非回路領域3に配置されている書き換え端子8の数が少なく、1箇所に集約されている。このため、書き込み装置50側の書き込み端子の配置が容易になり、コストの削減が可能である。
【0070】
(第3の実施形態)
次に第3の実施形態について図7の回路領域および非回路領域を含む母材の平面図および図8の書き込み装置50へ母材を設置した状態を示す斜視図を用いて説明する。第3の実施形態では、非回路領域に配置される書き換え端子の配置を変更して書き込み装置50への設置に関する構成を例示する。図7において、図1と同一符号のものは同一もしくはそれに相当する部位を示すものとする。
【0071】
この実施形態では、図7に示すように、書き換え端子8が、各回路領域2に実装されたマイコンIC5にマイコン制御用のプログラムを書き込むために、マイコンIC5と導通パターン6とが電気的に接続されている。導通パターン6は各回路領域から連結部4を通って非回路領域3の外縁に沿って1列に配置された各書き換え端子8に導通して接続されている。また、書き換え端子8は、書き換え端子8が配置されている非回路領域3の外縁の一辺に対して直角方向を長手方向とする長方形状にて形成されている。
【0072】
書き込み装置50上には、複数の母材1を同時に書き込める複数の書き込み端子部60が設置されている。母材1は図8(A)に示すように書き込み端子部60に対して、書き換え端子8が配置されている非回路領域3外縁の一辺の直角方向(図8(A)では矢印の方向)に書き換え端子8が下側になるようにして挿入する。この際に、母材1は図8(B)のように複数枚挿入する。書き込み端子部60の書き込み端子は母材1が挿入された際に、各書き換え端子8と電気的に接触するように配置されており、作業者が書き込み装置50を操作することによって、マイコン制御用のプログラムを各マイコンIC5に書き込み、続いて各マイコンIC5に対してVERIFYを行う。その結果、複数の母材1の各回路領域2に実装されているマイコンIC5に対してマイコン制御用のプログラムを一括で書き込みができ、書き込み工数を大幅に削減することが可能である。また、書き込み端子部60が差し込み式で母材1を保持する構成なので、母材1の書き込み装置50への設置も容易である。本実施形態においては、複数枚の母材1を書き込み装置50に挿入してマイコンIC5にマイコン制御用のプログラムの書き込みを行っているが、1枚の母材1を書き込み装置に挿入して書き込み作業を行っても良い。
【0073】
また、本実施形態においては、書き換え端子8を母材1の片面に集中して配置したが、両面に書き換え端子8を分配して配置しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の第1の実施形態の母材の平面図である。
【図2】図1に示す母材の要部を拡大した平面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態の書き込み装置の斜視図およびその要部を拡大した斜視図である。
【図4】本発明の第1の実施形態のファンモータの斜視図および断面図である。
【図5】本発明の第1の実施形態の回路基板の平面図である。
【図6】本発明の第2の実施形態の母材の平面図である。
【図7】本発明の第3の実施形態の母材の平面図である。
【図8】本発明の第3の実施形態の母材を書き込み装置に設置した状態の一部を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0075】
1 母材
2 回路領域
3 非回路領域
4 連結部
5 マイコンIC
6 導通パターン
7 スルーホール
8 書き込み端子
10 ファンモータ
20 ハウジング
30 インペラ
40 回路基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
書き換え可能な不揮発性のメモリに記憶された記憶データに基づいて駆動時の回転が制御されるブラシレスDCモータの回路基板であって、
絶縁板に形成された導通パターンを有する母材に、前記メモリを含む回路部品が実装された複数の回路領域と、該回路領域と少なくとも一部が一体的に連結され且つ該回路領域を切り離し可能に保持する非回路領域と、さらに、前記母材の複数の前記回路領域または前記非回路領域の少なくとも一箇所に形成された、外部書き込み装置に接続された所定数の書き込み端子の信号が複数の前記回路領域の前記各メモリに伝達されることで前記各メモリに前記記憶データを書き込むための、前記所定数の書き換え端子と、を備え、
前記外部書き込み装置によって前記書き換え端子より前記各メモリに前記記憶データを書き込んだ後、前記母材から前記回路領域を切り離すことによって形成されることを特徴とする回路基板。
【請求項2】
前記所定数を一組とする前記書き換え端子は、前記非回路領域に設けられ、
前記メモリと前記所定数の前記書き換え端子とをそれぞれ電気的に接続する書き換え導通パターンが、前記回路領域と前記非回路領域とが一体的に連結された連結部を通って設けられていることを特徴とする請求項1に記載の回路基板。
【請求項3】
前記所定数を一組とする前記書き換え端子は、前記母材に形成された複数の前記回路領域のそれぞれに対応して複数組形成され、
前記外部書き込み装置によって、前記各回路領域に対応する前記書き換え端子のそれぞれの組を介して、前記各メモリに前記記憶データを書き込んだ後、前記母材から前記各回路領域を切り離すことによって形成されることを特徴とする請求項2に記載の回路基板。
【請求項4】
前記所定数の前記書き換え端子を少なくとも一組備え、該一組の書き換え端子の前記所定数の各端子から、前記母材に形成された一部または全部の前記回路領域に実装された前記各メモリに、それぞれ共通に電気的接続される前記書き換え導通パターンが形成され、
前記外部書き込み装置によって、前記一部または全部の前記回路領域に実装された前記各メモリに、前記記憶データを同時に一括して書き込んだ後、前記母材から前記各回路領域を切り離すことによって形成されることを特徴とする請求項2に記載の回路基板。
【請求項5】
前記母材は、前記絶縁板の両面に前記書き換え導通パターンを備え、
前記母材の両面に設けられた書き換え導通パターンが導通手段によって接続されていることを特徴とする請求項2乃至4の何れかに記載の回路基板。
【請求項6】
一または複数組の前記書き換え端子は、前記非回路領域の所定領域に集積して設けられていることを特徴とする請求項2乃至5の何れかに記載の回路基板。
【請求項7】
前記母材は、前記非回路領域の少なくとも一部が前記母材の外縁に位置する矩形であって、
一または複数組の前記書き換え端子が、前記非回路領域の前記外縁に近接して設けられ、且つ前記外縁に形成される直線状の一辺に沿って配列されていることを特徴とする請求項6に記載の回路基板。
【請求項8】
前記母材は、前記非回路領域の少なくとも一部が前記母材の外縁に位置する矩形であって、
一または複数組の前記書き換え端子が、前記非回路領域の前記外縁に近接して設けられ、当該書き換え端子が一箇所に集約配置されていることを特徴とする請求項6に記載の回路基板。
【請求項9】
前記メモリに前記記憶データが書き込まれた後に、該書き込み後の前記記憶データがマスターデータと一致するかを確認する検査工程を経て、前記回路領域の切り離しを行うことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の回路基板。
【請求項10】
前記検査工程の良否結果を、少なくとも前記回路領域に対応して表示されたことを特徴とする請求項9に記載の回路基板。
【請求項11】
書き換え可能な不揮発性のメモリに記憶された記憶データに基づいて駆動時の回転が制御されるブラシレスDCモータであって、
駆動用マグネットを備えた回転体と、
ステータコアにコイルが巻設されてなり前記駆動用マグネットに対向して配置されるステータを備えた静止体と、
前記回転体を前記静止体に対して回転自在に支持する軸受と、
書き換え可能な不揮発性のメモリと該メモリの前記記憶データに基づいて駆動時の回転を制御する回転制御部と該制御部の制御に基づき前記ブラシレスDCモータに回転駆動電流を供給する駆動回路部とを備えた回路基板と、を有するブラシレスDCモータであって、
前記回路基板は、絶縁板に形成された導通パターンを有する母材に、前記メモリを含む回路部品が実装された複数の回路領域と、該回路領域と少なくとも一部が一体的に連結され且つ該回路領域を切り離し可能に保持する非回路領域と、さらに、前記母材の複数の前記回路領域または前記非回路領域の少なくとも一箇所に形成された、外部書き込み装置に接続された所定数の書き込み端子の信号が複数の前記回路領域の前記各メモリに伝達されることで前記各メモリに前記記憶データを書き込むための、前記所定数の書き換え端子と、を備え、
前記外部書き込み装置によって前記書き換え端子より前記各メモリに前記記憶データを書き込んだ後、前記母材から前記回路領域を切り離すことによって形成されることを特徴とするブラシレスDCモータ。
【請求項12】
前記所定数を一組とする前記書き換え端子は、前記非回路領域に設けられ、
前記メモリと前記所定数の前記書き換え端子とをそれぞれ電気的に接続する書き換え導通パターンが、前記回路領域と前記非回路領域とが一体的に連結された連結部を通って設けられていることを特徴とする請求項11に記載のブラシレスDCモータ。
【請求項13】
前記回路基板は、前記所定数を一組とする前記書き換え端子が、前記母材に形成された複数の前記回路領域のそれぞれに対応して複数組形成され、
前記外部書き込み装置によって、前記各回路領域に対応する前記書き換え端子のそれぞれの組を介して、前記各メモリに前記記憶データを書き込んだ後、前記母材から前記各回路領域を切り離すことによって形成されることを特徴とする請求項12に記載のブラシレスDCモータ。
【請求項14】
前記回路基板は、前記所定数の前記書き換え端子を少なくとも一組備え、該一組の書き換え端子の前記所定数の各端子から、前記母材に形成された一部または全部の前記回路領域に実装された前記各メモリに、それぞれ共通に電気的接続される前記書き換え導通パターンが形成され、
前記外部書き込み装置によって、前記一部または全部の前記回路領域に実装された前記各メモリに、前記記憶データを同時に一括して書き込んだ後、前記母材から前記各回路領域を切り離すことによって形成されることを特徴とする請求項12に記載のブラシレスDCモータ。
【請求項15】
前記回路基板において前記連結部が切断された面には、前記書き換え導通パターンの切断部が露出していることを特徴とする請求項12乃至14の何れかに記載のブラシレスDCモータ。
【請求項16】
前記母材は、前記絶縁板の両面に前記書き換え導通パターンを備え、
前記母材の両面に設けられた前記書き換え導通パターンが導通手段によって接続されていることを特徴とする請求項12乃至14の何れかに記載のブラシレスDCモータ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2007−103780(P2007−103780A)
【公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−293662(P2005−293662)
【出願日】平成17年10月6日(2005.10.6)
【出願人】(000232302)日本電産株式会社 (697)
【Fターム(参考)】