説明

回路基板の製造方法

【課題】搭載する部品を傾けることなく接合可能であり、かつ、工程の簡略化が可能な回路基板の製造方法を提供する。
【解決手段】回路基板1上の端子部2の表面に、第一の粘着性付与化合物を塗布して第一の粘着層5を形成する工程と、前記端子部2の前記第一の粘着層5上に核体11を付着する工程と、前記核体11の表面に、第二の粘着性付与化合物を塗布して第二の粘着層13を形成する工程と、前記核体11表面の前記第二の粘着層13上に第一のはんだ粒子14を付着する工程と、前記第一のはんだ粒子14を溶融して、前記核体11の表面にはんだ層を形成する工程と、を具備してなる回路基板の製造方法を採用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子回路を形成する手段として、プラスチック基板、セラミック基板、あるいはプラスチック等がコートされた絶縁性基板上に回路パターンを設け、その上にIC素子、半導体チップ、抵抗またはコンデンサ等の電子部品をはんだ接合する方法が広く採用されている。
【0003】
このうち、回路パターンの所定の部分に電子部品のリード端子を接合させる方法は、基板上の導電性回路電極表面に予めはんだ薄層を形成させる工程と、はんだ薄層上にはんだペーストまたはフラックスを印刷する工程と、所定の電子部品を位置決め載置する工程と、はんだ薄層またははんだ薄層及びはんだペーストをリフローさせてはんだを融解、凝固させる工程と、を順次行うのが一般的である。
【0004】
また、最近では電子製品や回路基板の小型化に伴い、電子部品のファインピッチ化が要求されている。このような電子部品としては、例えば0.3mmピッチのQFP(Quad Flat Package)、CSP(Chip Size Package)、0.15mmピッチのFC(Flip Chip)、BGA構造のLSIチップなどが知られている。また、電子部品を回路基板に搭載する方法としては、電子部品に形成されたはんだバンプと、回路基板に形成されたはんだバンプとを重ねてリフローする方法が知られている。この方法においては、電子部品のファインピッチに対応できる精細なパターン形状のはんだバンプが要求される。
【0005】
また、回路基板にはんだバンプを形成する方法としては、電気めっき法、無電解めっき法、はんだ粉末のペーストを印刷してリフローする方法などが知られている。しかし、無電解めっき法によるはんだバンプの製造方法では、はんだ層を厚くすることが困難であり、また、電気めっき法によるはんだバンプの製造方法では、複雑な回路にめっき用の電流を流すことが困難である。また、はんだペーストを印刷する方法では、ファインピッチパターンへの対応が困難である。このような事情から、一定でかつ揃った高さを持つはんだバンプを形成する方法として、はんだボールを回路上に付着させる方法が用いられている。
【0006】
はんだボールを回路上に付着させる方法としては、回路基板の導電性回路電極の表面に粘着性付与化合物を反応させて粘着性を付与するとともに、該粘着部にはんだ粉末を付着させる方法が知られている。この後、回路基板を加熱することにより、はんだバンプが形成される(特許文献1)。さらに、この方法を応用したものとして、必要な部分にはんだ粉粒子を1個だけ付着させる技術も開発されている。(特許文献2参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平7−7244号公報
【特許文献2】特開2008−41803号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、BGA構造のように、はんだバンプの高さが高い場合には、リフローによりチップと回路基板を接続する際に、溶融したはんだバンプがつぶれやすい。また、チップが不均一に沈み込み、傾いた状態で接合されるおそれがある。
これに対し現在は、高融点のはんだボールを一旦高温で溶融してはんだバンプを形成した後、それよりも低融点のはんだにより接続する方法が用いられている。その他に、はんだがめっきされた銅などの金属のボール(銅核はんだボール)を用いる方法も知られている。銅核はんだボールを配置して一旦溶融することによりはんだバンプを形成し、電子部品を搭載した後にリフローすることにより、核体がスペーサとなって、電子部品と回路基板との距離を一定に保つことができる。
【0009】
しかし高融点はんだは、その材料が限られており、現在は高濃度に鉛を含む組成のものが用いられている。また、高融点はんだとして現在実用化されているものは鉛を95%或いは80%含むような鉛濃度の高いものであり、鉛の同位体から放出されるα線がLSIなどの誤動作の原因になるという深刻な問題がある。そのため、完全鉛フリーの高融点はんだが求められている。
また、銅核はんだボールを用いる方法は、銅核のボールにはんだを均一に付着させることが技術的に難しく、製造コストが著しく高いという問題がある。そのため、汎用的に用いられるには至っていない。
【0010】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、傾けることなく電子部品を接合可能であり、かつ、工程の簡略化が可能な回路基板の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意努力検討した結果、本発明に到達した。即ち本発明は、
〔1〕 回路基板上の端子部の表面に、第一の粘着性付与化合物を塗布して第一の粘着層を形成する工程と、前記端子部の前記第一の粘着層上に核体を付着する工程と、前記核体の表面に、第二の粘着性付与化合物を塗布して第二の粘着層を形成する工程と、前記核体表面の前記第二の粘着層上に第一のはんだ粒子を付着する工程と、前記第一のはんだ粒子を溶融して、前記核体の表面にはんだ層を形成する工程と、を具備してなる回路基板の製造方法。
〔2〕 前記端子部の表面に、前記第一の粘着性付与化合物を塗布して前記第一の粘着層を形成する工程と、前記第二の粘着層を介して表面に前記第一のはんだ粒子が付着されてなる第一のはんだ粒子付着核体を、前記第一の粘着層上に付着する工程と、前記第一のはんだ粒子を溶融して、前記核体の表面に前記はんだ層を形成する工程と、を具備してなることを特徴とする請求項1に記載の回路基板の製造方法。
〔3〕 前記第二の粘着層上に前記第一のはんだ粒子を付着する工程の後に、前記端子部の表面に前記第一の粘着層を介して前記第二のはんだ粒子を付着させる工程を有し、前記はんだ層を形成する工程の際に、前記第一のはんだ粒子とともに前記第二のはんだ粒子を溶融することを特徴とする〔1〕に記載の回路基板の製造方法。
〔4〕 前記第一の粘着層上に前記核体を付着する工程と、前記第二の粘着層を形成する工程との間に、前記端子部の表面に前記第一の粘着層を介して前記第二のはんだ粒子を付着させる工程を有し、前記はんだ層を形成する工程の際に、前記第一のはんだ粒子とともに前記第二のはんだ粒子を溶融することを特徴とする〔1〕に記載の回路基板の製造方法。
〔5〕 前記第一の粘着層を形成する工程の前に、前記端子部の表面に前記第二のはんだ粒子を付着させる工程を有し、前記はんだ層を形成する工程の際に、前記第一のはんだ粒子とともに前記第二のはんだ粒子を溶融することを特徴とする〔1〕に記載の回路基板の製造方法。
〔6〕 前記端子部の表面に前記第二のはんだ粒子を付着させる工程と、前記第二のはんだ粒子を融解させて、前記端子部の表面にはんだ被膜を形成する工程と、前記端子部の表面に、前記はんだ被膜を介して第一の粘着性付与化合物を塗布して第一の粘着層を形成する工程と、を具備し、前記はんだ層を形成する工程の際に、前記第一のはんだ粒子とともに前記はんだ被膜を溶融することを特徴とする〔1〕に記載の回路基板の製造方法。
〔7〕 前記端子部の表面に、めっき法によりはんだ被膜を形成する工程と、前記端子部の表面に、前記はんだ被膜を介して第一の粘着性付与化合物を塗布して第一の粘着層を形成する工程と、を具備し、前記はんだ層を形成する工程の際に、前記第一のはんだ粒子とともに前記はんだ被膜を溶融することを特徴とする〔1〕に記載の回路基板の製造方法。
〔8〕 前記第二のはんだ粒子の平均粒径が、1μm以上かつ前記第一のはんだ粒子の平均粒径の0.4倍以下であることを特徴とする〔3〕に記載の回路基板の製造方法。
〔9〕 前記第二のはんだ粒子の平均粒径が、1μm以上かつ前記核体の平均粒径の0.5倍以下、かつ、前記第一のはんだ粒子よりも小さいことを特徴とする〔4〕または〔5〕に記載の回路基板の製造方法。
〔10〕 前記第二のはんだ粒子の平均粒径が、5〜10μmであることを特徴とする〔9〕に記載の回路基板の製造方法。
〔11〕 前記第二のはんだ粒子の平均粒径が、1μm以上かつ前記端子部の径の1/3以下であることを特徴とする〔6〕に記載の回路基板の製造方法。
〔12〕 前記はんだ被膜を3μm程度の厚さで形成することを特徴とする〔7〕に記載の回路基板の製造方法。
〔13〕 前記核体を含む分散液中に、前記第一の粘着層を有する前記回路基板を浸漬させて、前記第一の粘着層に前記核体を付着することを特徴とする〔1〕、〔3〕乃至〔12〕のいずれか一項に記載の回路基板の製造方法。
〔14〕 前記第一のはんだ粒子付着核体を含む分散液中に、前記第一の粘着層を有する前記回路基板を浸漬させて、前記第一の粘着層に前記第一のはんだ粒子付着核体を付着することを特徴とする〔2〕に記載の回路基板の製造方法。
〔15〕 前記第一のはんだ粒子を含む前記分散液中に、前記第二の粘着層を有する前記核体が付着された前記回路基板を浸漬させて、前記核体の表面に前記第一のはんだ粒子を付着させることを特徴とする〔1〕、〔3〕乃至〔13〕のいずれか一項に記載の回路基板の製造方法。
〔16〕 前記第一のはんだ粒子を含む分散液中に、前記第二の粘着層を有する前記核体を浸漬させて、前記第二の粘着層に前記第一のはんだ粒子を付着することで、前記第一のはんだ粒子付着核体を形成することを特徴とする〔2〕または〔14〕に記載の回路基板の製造方法。
〔17〕 前記核体として金属ボールを用いることを特徴とする〔1〕乃至〔16〕のいずれか一項に記載の回路基板の製造方法。
〔18〕 前記核体が銅からなることを特徴とする〔1〕乃至〔17〕のいずれか一項に記載の回路基板の製造方法。
〔19〕 前記第一の粘着層を形成する工程において、前記端子部を露出させる開口部を有する絶縁層を前記回路基板上に形成してから、前記第一の粘着層を形成することを特徴とする〔1〕乃至〔18〕のいずれか一項に記載の回路基板の製造方法。
【発明の効果】
【0012】
本発明の製造方法によれば、核体を端子部に付着させてから、第二の粘着層を介して核体に第一のはんだ粒子を付着させ、更に第一のはんだ粒子を加熱溶融して核体の表面にはんだ層を形成するため、めっき等で表面にはんだ層が形成されたはんだ付き核体を用いる場合に比べ、工程を大幅に簡素化することができる。また、電子部品等を装着した場合には核体がスペーサとなるため、電子部品の姿勢を傾けることなく実装することができる。
また、本発明の製造方法によれば、第一のはんだ粒子付着核体を端子部に付着させた後に、第一のはんだ粒子を加熱溶融して核体の表面にはんだ層を形成するため、めっき等で表面にはんだ層が形成されたはんだ付き核体を用いる場合に比べて、工程を大幅に簡素化することができる。また、電子部品等を装着した場合には核体がスペーサとなるため、電子部品の姿勢を傾けることなく実装することができる。
以上により、本発明によれば、搭載する部品を傾けることなく接合可能であり、かつ、工程の簡略化が可能な回路基板の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第一の実施形態である回路基板の製造工程を説明する工程図である。
【図2】本発明の第一の実施形態である回路基板の製造工程を説明する工程図である。
【図3】第一のはんだ粒子を付着させる工程を説明する模式図である。
【図4】本発明の第二の実施形態である回路基板の製造工程を説明する工程図である。
【図5】本発明の第三の実施形態である回路基板の製造工程を説明する工程図である。
【図6】本発明の第四の実施形態である回路基板の製造工程を説明する工程図である。
【図7】本発明の第五の実施形態である回路基板の製造工程を説明する工程図である。
【図8】本発明の第六の実施形態である回路基板の製造工程を説明する工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(第一の実施形態)
以下、本発明の第一の実施形態である回路基板の製造方法について図面を参照にして説明する。図1及び図2は本実施形態の回路基板の製造方法を説明する工程図である。
【0015】
本実施形態の回路基板の製造方法は、回路基板1の端子部2に、第一の粘着層5を形成する工程と、第一の粘着層5に核体11を付着させる工程と、核体11表面に第一のはんだ粒子14を付着する工程と、第一のはんだ粒子14を溶媒してはんだ層15を形成する工程と、から概略構成されている。
以下、各工程の望ましい形態について、詳細に述べる。
【0016】
本発明の対象となる回路基板1としては、プラスチック基板、プラスチックフィルム基板、ガラス布基板、紙基質エポキシ樹脂基板、セラミックス基板等に金属板を積層した基板、あるいは金属基材にプラスチックあるいはセラミックス等を被覆した絶縁基板上に金属等の導電性物質を用いて回路パターンを形成した片面回路基板、両面回路基板、多層回路基板あるいはフレキシブル回路基板等を例示することができる。またその他に、IC基板、コンデンサ、抵抗、コイル、バリスタ、ベアチップ、ウェーハ等の適用も可能である。
【0017】
図1(a)に、本実施形態において用いられる回路基板1の断面図を示す。回路基板1としては例えば、セラミックス基板を例示することができる。
回路基板1の一面1a上には、たとえば銅または銅合金からなる回路パターン(端子部2)が形成されている。以下、端子部2の表面4に第一の粘着層5を形成する工程について説明する。
【0018】
まず、図1(b)に示すように、端子部2の周囲を予めレジスト(絶縁層)3で囲み、開口部6を形成する。具体的には回路基板1上の上面1aの全面にレジスト層3を形成し、露光、現像することによりレジスト層3が硬化し、開口部6が形成される。開口部6は、端子部2を露出する構成となる。また、開口部6の直径Fは、核体11の粒径Dに合わせて適宜設定する。
【0019】
レジスト層3は、回路基板の製造に一般的に用いられる絶縁性のレジストを用いることができる。レジスト層3は、後述する第一の粘着層5を付与する工程において、粘着性が付与されない性質を有するものであれば、その材料は限定されない。
【0020】
また、端子部2の材料としては、銅または銅合金を用いることができるが、本発明ではこれに限定されず、後述する工程において、粘着性付与物質により粘着性が得られる導電性の物質であればその他のものを用いてもかまわない。このような物質としては、例えば、フラッシュ金、Ni、Sn、Ni−Au、Pd、Ag、はんだ合金等を含む物質を例示することができる。
【0021】
また、開口部6の深さH(端子部2の表面4とレジスト層3の上面との段差)は、核体11の粒径Dに合わせて適宜設定する。このとき、段差Hは核体11の粒径Dよりも小さくすることが望ましい。段差Hが粒径Dよりも大きいとバンプ16が正常に形成されないことがあるため好ましくない。段差Hは、後述する工程において核体が粘着力により保持されて脱落しない様にすれば、電極表面の方がレジスト表面より高いHがマイナスの範囲であってもよい。しかし、工程の作業性及び核体の機能を考慮すると、1μm以上であって粒径Dの2分の1以下の範囲がより好ましい。段差Hがこの範囲内であることにより、後述する工程において、安定的に核体11の脱落を防ぐとともに、十分な高さのはんだバンプ16を形成することができる。開口部6は円状が望ましいが、楕円であっても、四角であっても代用は可能である。
【0022】
次に、図1(c)に示すように、第一の粘着層5を形成する。まず、以下に示す第一の粘着性付与化合物のうち、少なくとも1種または2種以上を、水または酸性水に溶解し、好ましくはpH3〜4程度の微酸性に調整する。これにより、粘着性溶液が形成される。次いで、粘着性溶液に回路基板1を浸漬するか、または回路基板1に粘着性溶液を塗布することにより、端子部2の表面4に第一の粘着層5が形成される。
【0023】
ここで、第一の粘着性付与化合物としては、ナフトトリアゾール系誘導体、べンゾトリアゾール系誘導体、イミダゾール系誘導体、べンゾイミダゾール系誘導体、メルカプトべンゾチアゾール系誘導体及びべンゾチアゾールチオ脂肪酸等を用いることができる。これらの粘着性付与化合物は特に銅に対しての作用効果が強く、また、他の導電性物質にも粘着性を付与することができる。
【0024】
また、本発明において好適に用いられるべンゾトリアゾール系誘導体は、一般式(1)で表される。
【0025】
【化1】

【0026】
但し、式(1)中、R1〜R4は、独立に水素原子、炭素数が1〜16(好ましくは5〜16)のアルキル基、アルコキシ基、F、Br、Cl、I、シアノ基、アミノ基またはOH基である。
【0027】
また、本発明において好適に用いられるナフトトリアゾール系誘導体は、一般式(2)で表される。
【0028】
【化2】

【0029】
但し、式(2)中、R5〜R10は、独立に水素原子、炭素数が1〜16(好ましくは5〜16)のアルキル基、アルコキシ基、F、Br、Cl、I、シアノ基、アミノ基またはOH基である。
【0030】
更に、本発明において好適に用いられるイミダゾール系誘導体は、一般式(3)で表される。
【0031】
【化3】

【0032】
但し、式(3)において、R11、R12は、独立に水素原子、炭素数が1〜16(好ましくは5〜16)のアルキル基、アルコキシ基、F、Br、Cl、I、シアノ基、アミノ基またはOH基である。
【0033】
更にまた、本発明において好適に用いられるべンゾイミダゾール系誘導体は、一般式(4)で表される。
【0034】
【化4】

【0035】
但し、式(4)において、R13〜R17は、独立に水素原子、炭素数が1〜16(好ましくは5〜16)のアルキル基、アルコキシ基、F、Br、Cl、I、シアノ基、アミノ基またはOH基である。
【0036】
また、本発明において好適に用いられるメルカプトべンゾチアゾール系誘導体は、一般式(5)で表される。
【0037】
【化5】

【0038】
但し、式(5)中、R18〜R21は、独立に水素原子、炭素数が1〜16(好ましくは5〜16)のアルキル基、アルコキシ基、F、Br、Cl、I、シアノ基、アミノ基またはOH基である。
【0039】
更に、本発明において好適に用いられるべンゾチアゾールチオ脂肪酸系誘導体は、一般式(6)で表される。
【0040】
【化6】

【0041】
但し、式(6)において、R22〜R26は、独立に水素原子、炭素数が1〜16(好ましくは1または2)のアルキル基、アルコキシ基、F、Br、Cl、I、シアノ基、アミノ基またはOH基である。
【0042】
これらの化合物のうち、一般式(1)で示されるべンゾトリアゾール系誘導体において、R1〜R4は炭素数が多いほうが一般的に粘着性が強い。
また、一般式(3)及び一般式(4)で示されるイミダゾール系誘導体及びべンゾイミダゾール系誘導体のR11〜R17においても、一般に炭素数の多いほうが粘着性が強い。
更に、一般式(6)で示されるべンゾチアゾールチオ脂肪酸系誘導体においては、R22〜R26は炭素数1または2が好ましい。
【0043】
また、粘着性溶液のpH調整に用いる物質としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸をあげることができる。また有機酸としては、蟻酸、乳酸、酢酸、プロピオン酸、リンゴ酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、酒石酸等を用いることができる。
粘着性溶液における第一の粘着性付与化合物の濃度は、特に限定されないが、溶解性、使用状況に応じて適宜調整して用いればよく、粘着性溶液全体に対し0.05質量%〜20質量%の範囲内であることが特に好ましい。第一の粘着性付与化合物の濃度がこの範囲内であることにより、端子部2に十分な粘着性を付与することができる。一方、粘着性溶液全体に対し0.05質量%未満であると十分な粘着性を付与できず、また、粘着性溶液全体に対し20質量%を超えると粘着性付与化合物が多量に消費され、非効率となるため好ましくない。
【0044】
粘着性を端子部2に付与させる際の処理温度については、室温よりは若干高めにすることが好ましい。これにより、第一の粘着層5の形成速度、形成量が十分なものとなる。また、最適な処理温度は、粘着性付与化合物の濃度や端子部2の材料金属の種類などにより異なるが、一般的には30℃〜60℃位の範囲が好適である。また、粘着性溶液への浸漬時間は5秒〜5分間位の範囲になるよう、その他の条件を調整することが好ましい。
【0045】
また、粘着性溶液中には、イオンとして銅を50〜1000ppm共存させることが好ましい。銅イオンがこの範囲の量共存することにより、第一の粘着層5の形成速度、形成量などの形成効率を高めることができる。
【0046】
本実施形態の粘着層の形成方法は、回路基板の端子部のみならず、LSIそのものの接続用はんだバンプ部分、すなわち、BGAを有するLSIチップやCSP(チップ・サイズ・パッケージ)、LSI等のバンプ形成手段としても有効に使用することができる。なお、これらは本発明のはんだ回路基板に当然含まれるものである。
【0047】
次に、図1(d)に示すように、第一の粘着層5を介して端子部2上に核体11を付着させる。その方法について以下説明する。このとき、第一の粘着層5に核体11を付着させる方法としては、空気中または不活性雰囲気中で第一の粘着層5に核体11を直接供給する方法や、分散液41中に核体11を分散させてスラリー状態にし、そのスラリーを第一の粘着層5に供給する方法等がある。
【0048】
まず、空気中、不活性ガス雰囲気中で核体11を付着させる方法について説明する。はじめに、空気または不活性ガスを満たした容器内に核体11を投入する。次いで、容器内に第一の粘着層5まで形成された回路基板1を設置する。次いで、容器を傾斜または振動させて、第一の粘着層5と核体11を接触させる。これにより、第一の粘着層5に核体11が付着する。
【0049】
次いで、液体中で核体11を付着させる方法を説明する。まず、図3に示すように、水等の分散液41を容器40内に入れ、更に核体11を分散液41に添加する。次いで、容器40を傾けて分散液41と核体11を一方に寄せ、回路基板1が分散液41や核体11に接触しないように容器内に設置する。その後、容器40を左右に傾動させることにより、分散液41中で第一の粘着層5と核体11が接触する。これにより、第一の粘着層5に核体11が付着される。
【0050】
このように、液体中で核体11を付着させることにより、核体11が静電気により粘着性の無い部分に付着したり、核体11の静電気による凝集を防止することができる。そのため、この方法を用いることはファインピッチの回路基板や、微粉を用いる場合に特に好ましい。また、核体11を付着させる方法は、液体中で付着させる方法に限られず、核体11の大きさ等、条件によって適した方法を、それぞれの工程で独立に採用すればかまわない。
【0051】
また、核体11の材質としては銅が特に好ましいが、第一のはんだ粒子14の融点より高い融点を有し、かつ第二の粘着性付与化合物によって粘着性が得られる物質であれば他のものを用いてもかまわない。このような物質として銅の他に、例えば、Ni、Sn、Ni−Au、Au−Sn、Au−Siの合金等を含む物質を例示することができる。
また、核体11の平均粒径Dは、付着させる端子部2の大きさに応じて適宜選択すればよいが、20μm〜200μmの範囲内とすることが特に好ましい。
【0052】
次に、図1(e)に示すように、第二の粘着層13を形成する。
第二の粘着層13の形成方法は、第一の粘着層5の形成方法をそのまま適用すればよく、第一の粘着性付与化合物と同じ化合物を第二の粘着性付与化合物として用い、また、第一の粘着層5の形成方法と同じ条件で形成することができる。すなわち第一の粘着性付与化合物と同様に調整した化合物(第二の粘着性付与化合物)を含む粘着性溶液に回路基板1を浸漬するか、または塗布することにより、核体11の表面12を覆うように第二の粘着層13を形成することができる。
【0053】
次に、図1(f)に示すように、核体11の表面12に、第二の粘着層13を介して、第一のはんだ粒子14を付着させる。その方法について以下説明する。
【0054】
第二の粘着層13に第一のはんだ粒子14を付着させる方法としては、空気中または不活性雰囲気中で第二の粘着層13に第一のはんだ粒子14を直接供給する方法や、分散液41中に第一のはんだ粒子14を分散させてスラリー状態にし、そのスラリーを第二の粘着層13に供給する方法等がある。
【0055】
まず、不活性ガス雰囲気中で第一のはんだ粒子14を付着させる方法について説明する。はじめに、空気または不活性ガスを満たした容器内に第一のはんだ粒子14を投入する。次いで、容器内に第二の粘着層13まで形成された回路基板1を設置する。次いで、容器を傾斜または振動させて、第二の粘着層13と第一のはんだ粒子14を接触させる。これにより、第二の粘着層13に第一のはんだ粒子14が付着する。
【0056】
次いで、液体中で第一のはんだ粒子14を付着させる方法を説明する。まず、図3に示すように、水等の分散液41を容器40内に入れ、更に第一のはんだ粒子14を分散液41に添加する。次いで、容器40を傾けて分散液41と第一のはんだ粒子14を一方に寄せ、回路基板1が分散液41や第一のはんだ粒子14に接触しないように容器内に設置する。その後、容器40を左右に傾動させることにより、分散液41中で第二の粘着層13と第一のはんだ粒子14が接触する。これにより、第二の粘着層13に第一のはんだ粒子14が付着される
【0057】
また、第一のはんだ粒子14を付着させる方法は、液体中で付着させる方法に限られず、第一のはんだ粒子14の大きさ等、条件によって適した方法を、それぞれの工程で独立に採用すればかまわない。
【0058】
また、第一のはんだ粒子14は、はんだバンプ20や核体11よりも粒径の小さいものを用いる。第一のはんだ粒子14の粒径Eは、核体11の粒径Dに応じ、1粒の核体11に複数の第一のはんだ粒子14が付着するよう、適宜設定すればかまわない。すなわち、第一のはんだ粒子14の平均粒径Eは1μm以上かつ核体11の平均粒径Dの2分の1よりも小さいことが望ましい。第一のはんだ粒子14の粒径Eがこの範囲内であることにより、1粒の核体11に複数の第一のはんだ粒子14を付着させることができる。一方、第一のはんだ粒子14の粒径Eが1μm未満であると、はんだの量が不足してしまうため望ましくない。また、第一のはんだ粒子14の粒径Eが核体11の平均粒径Dの2分の1以上であると、1粒の核体11に十分な数の第一のはんだ粒子14を付着することができず、好ましくない。
【0059】
また、第一のはんだ粒子14の金属組成は、例えばSn−Pb系、Sn−Pb−Ag系、Sn−Pb−Bi系、Sn−Pb−Bi−Ag系、Sn−Pb−Cd系が挙げられる。また最近の産業廃棄物におけるPb排除の観点から、Pbを含まないSn−In系、Sn−Bi系、In−Ag系、In−Bi系、Sn−Zn系、Sn−Ag系、Sn−Cu系、Sn−Sb系、Sn−Au系、Sn−Bi−Ag−Cu系、Sn−Ge系、Sn−Bi−Cu系、Sn−Cu−Sb−Ag系、Sn−Ag−Zn系、Sn−Cu−Ag系、Sn−Bi−Sb系、Sn−Bi−Sb−Zn系、Sn−Bi−Cu−Zn系、Sn−Ag−Sb系、Sn−Ag−Sb−Zn系、Sn−Ag−Cu−Zn系、Sn−Zn−Bi系であることが好ましい。
【0060】
上記金属組成の具体例としては、Snが63質量%、Pbが37質量%の共晶はんだ(以下63Sn/37Pbと表す。)を中心として、62Sn/36Pb/2Ag、62.6Sn/37Pb/0.4Ag、60Sn/40Pb、50Sn/50Pb、30Sn/70Pb、25Sn/75Pb、10Sn/88Pb/2Ag、46Sn/8Bi/46Pb、57Sn/3Bi/40Pb、42Sn/42Pb/14Bi/2Ag、45Sn/40Pb/15Bi、50Sn/32Pb/18Cd、48Sn/52In、43Sn/57Bi、97In/3Ag、58Sn/42In、95In/5Bi、60Sn/40Bi、91Sn/9Zn、96.5Sn/3.5Ag、99.3Sn/0.7Cu、95Sn/5Sb、20Sn/80Au、90Sn/10Ag、90Sn/7.5Bi/2Ag/0.5Cu、97Sn/3Cu、99Sn/1Ge、92Sn/7.5Bi/0.5Cu、97Sn/2Cu/0.8Sb/0.2Ag、95.5Sn/3.5Ag/1Zn、95.5Sn/4Cu/0.5Ag、52Sn/45Bi/3Sb、51Sn/45Bi/3Sb/1Zn、85Sn/10Bi/5Sb、84Sn/10Bi/5Sb/1Zn、88.2Sn/10Bi/0.8Cu/1Zn、89Sn/4Ag/7Sb、88Sn/4Ag/7Sb/1Zn、98Sn/1Ag/1Sb、97Sn/1Ag/1Sb/1Zn、91.2Sn/2Ag/0.8Cu/6Zn、89Sn/8Zn/3Bi、86Sn/8Zn/6Bi、89.1Sn/2Ag/0.9Cu/8Znなどを挙げることができる。また、本実施形態の第一のはんだ粒子14としては、異なる組成の第一のはんだ粒子を2種類以上混合したものであってもかまわない。
【0061】
次に、核体11及び第一のはんだ粒子14の定着を行う。定着とは、端子部2と第一のはんだ粒子14の間で、端子部2の構成材料を第一のはんだ粒子14側に拡散させる反応である。この反応が進行することにより、核体11及び第一のはんだ粒子14はそれぞれ互いに固定される。定着の温度は、はんだの融点に対しマイナス50℃からプラス50℃の範囲内であることが好ましく、マイナス30℃からプラス30℃の範囲内であることがさらに好ましい。定着の温度がこの範囲内の場合、第一のはんだ粒子14は溶融しないか、或いは仮に内部が溶解しても表面に存在する酸化膜の効果により溶融して流れ出すことは無い。そのため、第一のはんだ粒子14の形状を保ったまま定着を行うことが可能である。
【0062】
その後、回路基板1に水溶性フラックスを塗布する。水溶性フラックスとしては、たとえば特開2004−282062号公報に記載されたフラックスを用いることができる。水溶性フラックスを用いることにより、第一のはんだ粒子14の表面及び端子部2の表面4の酸化膜を除去することができる。
【0063】
次に、図2(a)に示すようにリフロー工程を行い、はんだバンプ16を形成する。その方法について以下説明する。
【0064】
まず、回路基板1を乾燥させた後、リフロー工程を行い、第一のはんだ粒子14を溶融させる。このときの加熱温度は、200℃〜300℃の範囲が好ましく、融点プラス10℃〜50℃であることが特に望ましい。このような温度で加熱することにより、第一のはんだ粒子14の溶融はんだと、端子部2の表面4または核体11の表面12とが十分に反応し、拡散層を形成することができる。
【0065】
これにより、第一のはんだ粒子14は溶融して、核体11の表面12全体に行き渡る。それにより、端子部2と核体11とは強固に接続され、また、搭載する電子部品22と核体11とが安定的に接続する。このリフロー工程の後、回路基板1を水洗し残存するフラックスを除去する。これにより、端子部2上にはんだバンプ16が形成される。
【0066】
次に、図2(b)〜図2(d)に示すように、回路基板1に電子部品22を実装させる。その方法について以下説明する。
【0067】
まず、図2(b)に示すように、端子部24をはんだバンプ16の位置に合わせ、電子部品22を回路基板1上に配置させる。電子部品22は、電子部品本体23と端子部24から概略構成されている。電子部品本体23の一面側には端子部24が設けられており、また、端子部24表面にはめっき部25が形成されている。
次いで、電子部品22を回路基板1上に搭載し、めっき部25とはんだ層15とを接触させる。この状態を図2(c)に示す。次いで、図2(d)に示すようにリフロー工程を行い、はんだ層15を溶融させて、端子部24と端子部2とをはんだ接合させる。これにより、回路基板1に電子部品22が実装される。
【0068】
本実施形態の回路基板1の製造方法によれば、核体11がスペーサになることにより、電子部品22と回路基板1との距離を一定に保つことができる。そのため、搭載された電子部品22が回路基板1上で不均一に沈み込む問題を解決でき、端子部2に対する高さが一定である、信頼性の高い回路基板1を得ることができる。また、第一のはんだ粒子14を第二の粘着層13を介して核体11に付着させるため、高価な銅核はんだボールを使用せずに済む。そのため、低コスト化と工程の簡略化を実現することができる。また、高濃度の鉛を含む高融点はんだを用いる必要が無いため、Pb同位体の発するα線による誤動作の問題も解決することができる。また、本実施形態の製造方法は、微細な回路基板に適した方法であり、集積度が高く、かつ、信頼性の高い電子機器を提供出来るようになる。
【0069】
また、回路基板1上に開口部6を有するレジスト層3を形成した後に、第一の粘着層5を形成するため、端子部2以外の部分には第一の粘着層5が形成されない。これにより、核体11を選択的に端子部2に付着させることができる。また、開口部6内に核体11を付着させるため、第一の粘着層5の粘着力が弱い場合でも、核体11が開口部6の外に脱落するのを防ぐことができる。これにより、全ての端子部2に確実に核体11を付着させることができる。
【0070】
また、核体11を含む分散液41中で、第一の粘着層5に核体11を付着させることにより、各端子部2に対する核体11の付着量を均一にすることができる。これにより例えば、1つの端子部2に対して1つの核体11を確実に付着させることもできる。
また、第一のはんだ粒子14を含む分散液41中で、第二の粘着層13に第一のはんだ粒子14を付着させることにより、各核体11に対する第一のはんだ粒子14の付着量を均一にすることができる。
【0071】
また、核体11として金属ボールを用いることにより、電子部品22と端子部2との導通を確保することができる。特に、核体11が銅からなる場合には、導通が確保されるとともに、第二の粘着層13が形成されやすくなる。
【0072】
(第二の実施形態)
以下、本発明の第二の実施形態である回路基板1の製造方法について図面を参照して説明する。
本実施形態は、第二の粘着層13を介して核体11の表面12に第一のはんだ粒子14を付着させた後、図4(g)に示すように、第一の粘着層5に第二のはんだ粒子114を付着させる点が第一の実施形態と異なる。以下、その詳細を説明する。
【0073】
まず、図4(a)〜(f)に示すように、第二の粘着層13を介して核体11の表面12に第一のはんだ粒子14を付着させる。ここまでの工程は、第一の実施形態と同様であるため、その詳細については説明を省略する。
次いで、図4(g)に示すように、第一の粘着層5に第二のはんだ粒子114を付着させる。付着の方法は、先述した核体11の付着方法と同一であるため、ここではその詳細を省略する。このとき、第二のはんだ粒子114の平均粒径は1μm以上かつ第一のはんだ粒子14の平均粒径Eの0.4倍以下であることが望ましい。第二のはんだ粒子114の粒径がこの範囲内であることにより、十分な量の第二のはんだ粒子114が、第一のはんだ粒子14と第一の粘着層5との間に入り込むことができる。
【0074】
一方、第二のはんだ粒子114の粒径が1μm未満であると、この後のリフロー工程において、核体11と端子部2との間に、融解したはんだが十分行き渡らない。また、第二のはんだ粒子114の粒径が第一のはんだ粒子14の平均粒径Eの0.4倍を超えると、この後のリフロー工程において核体11と端子部2との間に融解したはんだが多く行き渡りすぎるか、または第二のはんだ粒子が所定位置に入り込めないため、後述するはんだバンプ16の大きさにばらつきが生じ好ましくない。
【0075】
次いで、核体11、第一のはんだ粒子14および第二のはんだ粒子114の定着を行う。その後、リフローにより第一のはんだ粒子14とともに第二のはんだ粒子114を溶融してはんだ層15を形成する。その後、第一の実施形態と同様の工程を行うことにより、本実施形態の回路基板1が製造される。
【0076】
本実施形態の回路基板1の製造方法によれば、第二の粘着層13を介して核体11の表面12に第一のはんだ粒子14を付着させた後に、第一の粘着層5を介して端子部2に、第一のはんだ粒子14よりも小さい第二のはんだ粒子114を付着させる。これにより、第二のはんだ粒子114を核体11と端子部2の間の隙間に入り込ませることができる。そのため、リフロー工程において確実に核体11と端子部2とを接続することができる。
【0077】
(第三の実施形態)
以下、本発明の第三の実施形態である回路基板1の製造方法について図面を参照して説明する。
本実施形態は、第一の粘着層5を介して端子部2の上に核体11を付着したのちに、図5(e)に示すように、第一の粘着層5に第二のはんだ粒子114を付着させる点が第一の実施形態と異なる。以下、その詳細を説明する。
【0078】
まず、図5(a)〜(d)に示すように、第一の粘着層5に核体11を付着させる。ここまでの工程は、第一の実施形態と同一であるため、ここではその詳細を省略する。
次いで、図5(e)に示すように、第一の粘着層5に第二のはんだ粒子114を付着させる。付着の方法は、先述した核体11の付着方法と同一であるため、ここではその詳細を省略する。
【0079】
このとき、第二のはんだ粒子114の平均粒径は1μm以上かつ核体11の平均粒径Dの0.5倍以下、かつ、第一のはんだ粒子14の平均粒径Eよりも小さいことが望ましく、さらに、5〜10μmの範囲内であることが好ましい。第二のはんだ粒子114の粒径がこの範囲内であることにより、十分な量の第二のはんだ粒子114が、第一のはんだ粒子14と第一の粘着層5との間に入り込むことができる。
また、このとき、異なる粒径の第二のはんだ粒子114を、第一の粘着層5へ粒径ごとに分けて付着させてもかまわない。これにより、第一の粘着層5を第二のはんだ粒子114で均一に覆うことができる。
【0080】
一方、第二のはんだ粒子114の粒径が1μm未満であると、この後のリフロー工程において、核体11と端子部2との間に、融解したはんだが十分行き渡らない。また、第二のはんだ粒子114の粒径が第一のはんだ粒子14の平均粒径Eの0.5倍を超えると、この後のリフロー工程において、核体11と端子部2との間に融解したはんだが多く行き渡りすぎるため、後述するはんだバンプ16の大きさにばらつきが生じ好ましくない。
【0081】
次いで、図5(f)に示すように、核体11および第二のはんだ粒子114を覆うように、第二の粘着層13を形成する。ここでの第二の粘着層13の形成方法は第一の実施形態での第二の粘着層13の形成方法と同一であるため、ここではその詳細を省略する。
次いで、図5(g)に示すように、第二の粘着層13を介して、核体11の表面12に第一のはんだ粒子14を付着させる。
【0082】
次いで、核体11、第一のはんだ粒子14および第二のはんだ粒子114の定着を行う。その後、リフローにより第一のはんだ粒子14とともに第二のはんだ粒子114を溶融してはんだ層15を形成する。その後、第一の実施形態と同様の工程を行うことにより、本実施形態の回路基板1が製造される。
【0083】
本実施形態の回路基板1の製造方法によれば、第一の粘着層5を介して端子部2に核体11を付着させた後に、端子部2に、第一のはんだ粒子14よりも小さい第二のはんだ粒子114を付着させる。これにより、第二のはんだ粒子114を核体11と端子部2の間の隙間に入り込ませることができる。また、この工程は、定着工程で第二のはんだ粒子114同士が固着するため、第二のはんだ粒子114全体を端子部2に安定的に付着させることができる。そのため、リフロー工程においてより確実に核体11と端子部2とを接続することができる。
【0084】
(第四の実施形態)
以下、本発明の第四の実施形態である回路基板1の製造方法について図面を参照して説明する。
本実施形態は、図6(c)に示すように、端子部2の上に第二のはんだ粒子114を付着させたのちに、第一の粘着層5、核体11、第二の粘着層13を順次形成する点が第一の実施形態と異なる。以下、その詳細を説明する。
【0085】
まず、図6(a)〜(b)に示すように、端子部2を開口させる。ここまでの工程は、第一の実施形態と同様であるため、その詳細については説明を省略する。次いで、図6(c)に示すように端子部2の表面4に図示しない粘着部を形成する。次いで、粘着部を介して、端子部2の表面4を覆うように第二のはんだ粒子114を付着させる。
【0086】
このとき、第二のはんだ粒子114の平均粒径は1μm以上かつ核体11の平均粒径Dの0.5倍以下、かつ、第一のはんだ粒子14の平均粒径Eよりも小さいことが望ましく、さらに、5〜10μmの範囲内であることが好ましい。第二のはんだ粒子114の粒径がこの範囲内であることにより、十分な量の第二のはんだ粒子114が、第一のはんだ粒子14と第一の粘着層5との間に入り込むことができる。また、第二のはんだ粒子114の粒径をこの範囲とすることにより、後述するはんだバンプ16を均一な大きさで形成することができる。
【0087】
一方、第二のはんだ粒子114の粒径が1μm未満であると、この後のリフロー工程において、核体11と端子部2との間に、融解したはんだが十分行き渡らない。また、第二のはんだ粒子114の粒径が第一のはんだ粒子14の平均粒径Eの0.5倍を超えると、この後のリフロー工程において、核体11と端子部2との間に融解したはんだが多く行き渡りすぎるため、後述するはんだバンプ16の大きさにばらつきが生じ好ましくない。
【0088】
次いで、図6(d)に示すように、端子部2の表面4と第二のはんだ粒子114を覆うように、第一の粘着層5を形成する。第一の粘着層5の形成方法は第一の実施形態と同一であるため、ここではその詳細を省略する。
【0089】
この後、図6(e)に示すように第一の粘着層5を介して端子部2の上に核体11を付着させたのちに、図6(f)に示すように核体11を覆うように、第二の粘着層13を形成する。その後、図6(g)に示すように、第二の粘着層13を介して、核体11の表面12に第一のはんだ粒子14を付着させる。これらの工程は、第一の実施形態と同一であるため、ここではその詳細を省略する。
【0090】
次いで、核体11、第一のはんだ粒子14および第二のはんだ粒子114の定着を行う。その後、リフローにより第一のはんだ粒子14とともに第二のはんだ粒子114を溶融してはんだ層15を形成する。その後、第一の実施形態と同様の工程を行うことにより、本実施形態の回路基板1が製造される。
【0091】
本実施形態の回路基板1の製造方法によれば、第二のはんだ粒子114上に核体11が配置されるため、定着工程で、第二のはんだ粒子114と核体11を強固に固着させることができる。そのため、リフロー時の核体11の脱落を防ぐことができる。また、リフロー時に確実に核体11と端子部2との間に、融解した第二のはんだ粒子114を行き渡らせることができるため、核体11と端子部2を確実に接続させることができる。
【0092】
(第五の実施形態)
以下、本発明の第五の実施形態である回路基板1の製造方法について図面を参照して説明する。
本実施形態は、図7(c)に示すように、端子部2の上に第二のはんだ粒子114を付着させたのちに、第二のはんだ粒子114をリフローしてはんだ被膜114aを形成し、第一の粘着層5、核体11、第二の粘着層13を順次形成する点が第一の実施形態と異なる。以下、その詳細を説明する。
【0093】
まず、図7(a)〜(b)に示すように、端子部2を開口させる。ここまでの工程は、第一の実施形態と同様であるため、その詳細については説明を省略する。次いで、端子部2の表面4に図示しない粘着部を形成する。次いで、粘着部を介して、端子部2の表面4を覆うように第二のはんだ粒子114を付着させる。この状態を図7(c)に示す。
【0094】
このとき、第二のはんだ粒子114の平均粒径は1μm以上かつ端子部2の径Fの1/3以下であることが好ましい。第二のはんだ粒子114の粒径がこの範囲内であることにより、この後のリフロー工程において、表面が十分平坦なはんだ被膜114aを形成することができる。
【0095】
一方、第二のはんだ粒子114の粒径が1μm未満であると、この後のリフロー工程において、核体11と端子部2との間に、融解したはんだが十分行き渡らない。また、第二のはんだ粒子114の粒径が端子部2の径Fの1/3を超えると、この後のリフロー工程において、表面が凸状に膨らんだはんだ被膜114aが形成される。そのため、その後の工程で核体11が付着しにくくなり、好ましくない。
次いで、図7(d)に示すように、第二のはんだ粒子114をリフローする。これにより、端子部2の表面4を覆うようにはんだ被膜114aが形成される。
【0096】
このとき、はんだ被膜114aは前述したスーパージャストフィット法(粘着部を介して付着させたはんだ粉末をリフローする方法)に限られず、めっき法により形成しても構わない。また、はんだ被膜114aをめっき法により形成する場合は、はんだ被膜114aの厚さは3μm程度とすることができる。本実施形態で定着工程での定着性の改善を安定的に得る為には0.5μm以上が好ましい。さらに、1μm以上とすると、より安定的な定着を行うことができて好ましい。また、厚さの上限は定着工程での定着性には直接影響しないが、経済的な点から10μm以下であることが好ましい。この方法によれば、はんだ被膜114aを均一な厚さで形成することができるため、はんだバンプ16を均一な高さで形成することができる。
【0097】
次いで、図7(e)に示すように、はんだ被膜114aを覆うように、第一の粘着層5を形成し、さらに、第一の粘着層5およびはんだ被膜114aを介して端子部2の上に核体11を付着させる。第一の粘着層5の形成方法は第一の実施形態と同一であるため、ここではその詳細を省略する。
【0098】
この後、図7(e)に示すように第一の粘着層5を介して端子部2の上に核体11を付着させたのちに、図7(f)に示すように核体11を覆うように、第二の粘着層13を形成する。その後、図7(g)に示すように、第二の粘着層13を介して、核体11の表面12に第一のはんだ粒子14を付着させる。これらの工程は、第一の実施形態と同一であるため、ここではその詳細を省略する。
【0099】
次いで、核体11、第一のはんだ粒子14および第二のはんだ粒子114の定着を行う。その後、リフローにより第一のはんだ粒子14とともにはんだ被膜114aを溶融してはんだ層15を形成する。その後、第一の実施形態と同様の工程を行うことにより、本実施形態の回路基板1が製造される。
【0100】
本実施形態の回路基板1の製造方法によれば、はんだ被膜114a上に核体11が配置されるため、定着工程で、はんだ被膜114aと核体11を強固に固着させることができる。そのため、リフロー時の核体11の脱落を防ぐことができる。また、リフロー時に確実に核体11と端子部2との間に、融解したはんだ被膜114aを行き渡らせることができるため、核体11と端子部2を確実に接続させることができる。
【0101】
これらの製造方法は、いずれも核体11の脱落を防止するとともに、歩留まりを向上させる効果がある。どの製造方法を選ぶかは、工程により、回路基板が受ける熱履歴などが異なる為、使用する回路基板の種類、形状、電極サイズなどにより、適宜選択すればよい。
【0102】
(第六の実施形態)
以下、本発明の第六の実施形態である回路基板1の製造方法について図面を参照して説明する。本実施形態が第一の実施形態と異なる点は、本発明の工程において予め、第一のはんだ粒子付着核体30を形成してから、第一の粘着層5上に第一のはんだ粒子付着核体30を付着する点である。したがって、以下の説明ではその部分のみを説明し、全体の工程については説明を省略する。
【0103】
まず、第二の粘着性付与化合物を用いて核体11の表面12に粘着性を付与し、第二の粘着層13を形成する。次いで、空気中、不活性ガス雰囲気中、または、第一のはんだ粒子14を含む分散液41中で、第一のはんだ粒子14を第二の粘着層13に付着させ、図8(a)に示す第一のはんだ粒子付着核体30を形成する。この第一のはんだ粒子付着核体30は、核体11の表面12に形成された第二の粘着層13と、第二の粘着層13を介して核体11の表面12に付着した第一のはんだ粒子14から構成されている。
【0104】
本実施形態においては、核体11表面12に第二の粘着層13を形成する工程は空気中で行い、第二の粘着層13に第一のはんだ粒子14を付着させる工程は分散液41中で行うことが好ましい。
【0105】
次いで、第一の実施形態の図1(a)〜図1(c)に示す工程と同様にして、回路基板1の端子部2表面を覆うように第一の粘着層5を形成する。次いで、図8(b)に示すように、第一の粘着層5に、予め形成した第一のはんだ粒子付着核体30を付着させる。その方法について以下説明する。
【0106】
まず、空気中、不活性ガス雰囲気中で第一のはんだ粒子付着核体30を付着させる方法について説明する。はじめに、空気または不活性ガスを満たした容器内に第一のはんだ粒子付着核体30を投入する。次いで、容器内に第一の粘着層5まで形成された回路基板1を設置する。次いで、容器を傾斜または振動させて、第一の粘着層5と第一のはんだ粒子付着核体30を接触させる。これにより、第一の粘着層5に第一のはんだ粒子付着核体30が付着する。
【0107】
次いで、液体中で第一のはんだ粒子付着核体30を付着させる方法を説明する。まず、図3に示すように、水等の分散液41を容器40内に入れ、更に第一のはんだ粒子付着核体30を分散液41に添加する。次いで、容器40を傾けて分散液41と第一のはんだ粒子付着核体30を一方に寄せ、回路基板1が分散液41や第一のはんだ粒子付着核体30に接触しないように容器内に設置する。その後、容器40を左右に傾動させることにより、分散液41中で第一の粘着層5と第一のはんだ粒子付着核体30が接触する。これにより、第一の粘着層5に第一のはんだ粒子付着核体30が付着される。
【0108】
その後、第一の実施形態の図2(a)〜図2(d)に示す工程と同様にして、第一のはんだ粒子14を溶融させ、核体11表面12にはんだ層15を形成する。その後、回路基板1に電子部品22を実装する。
【0109】
本実施形態の製造方法によれば、第一の実施形態の場合と同様の効果に加え、下記効果が得られる。
すなわち、本実施形態の回路基板1の製造方法によれば、第一のはんだ粒子付着核体30を端子部2に付着させたのちに、第一のはんだ粒子14を加熱溶融する。これにより、核体11の表面12にはんだ層15を形成することができ、表面がはんだでめっきされたはんだ付き核体を用いた場合に比べ、工程を大幅に簡素化することができる。
また、電子部品22等を装着した場合には核体11がスペーサとなるため、電子部品22の姿勢を傾けることなく電子部品を実装することができる。
【0110】
また、回路基板1上に開口部6を有するレジスト層3を形成した後に第一の粘着層5を形成するため、端子部2以外の部分には第一の粘着層5が形成されない。これにより、第一のはんだ粒子付着核体30を選択的に端子部2に付着させることができる。また、開口部6内に第一のはんだ粒子付着核体30を付着させるため、第一の粘着層5の粘着力が弱い場合でも、第一のはんだ粒子付着核体30が開口部6の外に脱落するのを防ぐことができる。これにより、全ての端子部2に確実に第一のはんだ粒子付着核体30を付着させることができる。
【0111】
また、第一のはんだ粒子付着核体30を含む分散液41中で、第一の粘着層5に第一のはんだ粒子付着核体30を付着させることにより、各端子部2に対する第一のはんだ粒子付着核体30の付着量を均一にすることができる。これにより例えば、1つの端子部2に対して1つの第一のはんだ粒子付着核体30を確実に付着させることもできる。
【0112】
また、第一のはんだ粒子14を含む分散液41中で第二の粘着層13に第一のはんだ粒子14を付着させることにより、各核体11に対する第一のはんだ粒子14の付着量を均一にすることができると。また、核体の表面にはんだ層をめっき等で形成する場合に比べて、工程を大幅に簡素化することができる。
【実施例】
【0113】
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
まず、核体11として粒径50μmの純Cu製のボールを用意した。次いで、直径80μmの銅からなる端子部2が約1000個配置されている回路基板1を準備し、通常のフォトリソフラフィーを用いて、厚さ20μmの絶縁性のレジスト層3を形成した。これにより、端子部2を露出する構成の、直径80μmの円状の開口部6が形成された。次に、第一の粘着性付与化合物を含む粘着性溶液として、上記一般式(3)のR12のアルキル基がC1123であり、R11が水素原子であるイミダゾール系化合物の2質量%水溶液を用意し、酢酸によりpHを約4に調整した。次いで粘着性溶液を40℃に加温し、塩酸水溶液により前処理した回路基板1を3分間浸漬して、端子部2の表面4を覆うように第一の粘着層5を形成した。
【0114】
次いで、内寸法が200mm×120mm×150mmの大きさの粒子付着装置を用意した。なお、この粒子付着装置には、投入口を有する容器40が設けられており、回路基板1を水平方向に投入することができる構成となっている。次いで、容器40内に、水1600mlと銅からなる平均粒径50μmの核体11を約400g投入した。次いで、はんだ粒子付着装置を傾けて、水と核体11を容器40内の一方側に寄せた後、核体11に触れないように、回路基板1を容器内40に投入した。その後、30〜60秒間、容器40を左右に30°傾動させることにより、第一の粘着層5を介して核体11を回路基板1に付着させた。このとき、傾動の周期は10秒/回とした。
【0115】
その後、装置から回路基板1を取り出し、純水で軽く洗浄した後、回路基板1を乾燥させた。
次いで、再度、上述した粘着性付与化合物溶液を用いて、核体11の表面12に第二の粘着層13を形成した。
【0116】
次いで、上記はんだ粒子付着装置に1600mlの水と、96.5Sn/3.5Agの組成で平均粒径が10μmの第一のはんだ粒子14を400g投入した。次いで、はんだ粒子付着装置を傾けて、水と第一のはんだ粒子14を容器40内の一方側に寄せた後、第一のはんだ粒子14に触れないように、回路基板1を容器内に投入した。その後、30〜60秒間、容器40を左右に30°傾動させることにより、第二の粘着層13を介して核体11に第一のはんだ粒子14を付着させた。このとき、傾動の周期は5秒/回とした。
【0117】
その後、装置から回路基板1を取り出し、純水で軽く洗浄した後、回路基板1を乾燥させた。
次いで、回路基板1を180℃のオーブンに入れて20分間加熱し、核体11及び第一のはんだ粒子14を定着させた。次いで、フラックスを回路基板1の表面に噴霧して塗布し、リフロー炉に回路基板1を投入して3分間、240℃の窒素雰囲気中で加熱し、端子部2上に高さ約53μmのはんだバンプ16を形成した。
【0118】
この結果、はんだバンプ16の高さのばらつきは標準偏差で1.5μmであり、核体11の粒径のばらつきと同程度であった。また、はんだバンプ16が未付着の端子部2は発見されなかった。
【0119】
(実施例2)
核体11の粒径を50μm、第一のはんだ粒子14の粒径を20μmとした以外の条件は、実施例1と同様として、核体11に第一のはんだ粒子14を付着させるまでの工程を行った。
この後、同様の工程により、第二の粘着層13を介して粒径10μmの第二のはんだ粒子114を、水中で端子部2に付着させた。
その後、実施例1と同様に洗浄、乾燥、リフローを行い、はんだバンプ16を製造した。
【0120】
(実施例3)
核体11の粒径を50μmとし実施例1と同様に、第一の粘着層5に核体11を付着させるまでの工程を行った。
その後、第一の粘着層5に、大気中で粒径5μmの第二のはんだ粒子114を付着させた。その後、第一のはんだ粒子14の粒径を20μmとした以外の条件は、実施例1と同様として、水中で第一のはんだ粒子14を核体11に付着させた。
その後、実施例1と同様に洗浄、乾燥、リフローを行い、はんだバンプ16を製造した。
【0121】
(実施例4)
実施例1と同様に、端子部2を露出する構成のレジスト層3および開口部6を形成した後、粘着部を介して、端子部2の表面4を覆うように、粒径10μmの第二のはんだ粒子114を付着させた。その後、核体11の粒径を50μmとし、第一のはんだ粒子14の粒径を20μmとした以外の条件は、実施例1と同様としてはんだバンプ16を製造した。
【0122】
(実施例5)
実施例1と同様に、端子部2を露出する構成のレジスト層3および開口部6を形成した後、粘着部を介して、端子部2の表面4を覆うように、粒径10μmの第二のはんだ粒子114を付着させた。その後、核体11の粒径を50μmとし、第一のはんだ粒子14の粒径を20μmとした以外の条件は、実施例1と同様としてはんだバンプ16を製造した。
【0123】
(実施例6)
実施例1と同様に、端子部2を露出する構成のレジスト層3および開口部6を形成した後、無電解メッキにより、端子部2を覆うように厚さ3μmの錫合金のメッキを形成した。その後、核体11の粒径を50μmとし、第一のはんだ粒子14の粒径を20μmとした以外の条件は、実施例1と同様としてはんだバンプ16を製造した。
【0124】
実施例2〜実施例6の結果、いずれもはんだバンプ16この結果、いずれも定着工程、リフロー工程における核体11の脱落はなく、はんだバンプ16が未付着の端子部2は見られなかった。
【産業上の利用可能性】
【0125】
この方法で形成したはんだバンプは、鉛を多く含む高融点はんだを使用することなく形成することができ、鉛フリー化を達成すると共に、Pb同位体からのα線による誤動作の問題も解決することができる。また、核体を核にもつはんだバンプを、高価な銅核はんだボールを用いることなく作成することができるため、はんだバンプの高さが不均一となる問題や、チップを搭載する際のリフロー時にチップが沈み込む問題を、低コストで解決することができる。本方法は、微細な回路基板に適した方法であり、集積度が高く、かつ、信頼性の高い電子機器を提供出来る様になる。
【符号の説明】
【0126】
1…回路基板、1a…回路基板の上面、2…端子部、3…レジスト層、4…端子部の表面、5…第一の粘着層、6…開口部、11…核体、12…核体の表面、13…第二の粘着層、14…第一のはんだ粒子、15…はんだ層、16、20…はんだバンプ、22…電子部品、23…電子部品本体、24…電子部品の端子部、25…めっき層、30…第一のはんだ粒子付着核体、40…容器、41…分散液、114…第二のはんだ粒子、114a…はんだ被膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路基板上の端子部の表面に、第一の粘着性付与化合物を塗布して第一の粘着層を形成する工程と、
前記端子部の前記第一の粘着層上に核体を付着する工程と、
前記核体の表面に、第二の粘着性付与化合物を塗布して第二の粘着層を形成する工程と、
前記核体表面の前記第二の粘着層上に第一のはんだ粒子を付着する工程と、
前記第一のはんだ粒子を溶融して、前記核体の表面にはんだ層を形成する工程と、を具備してなる回路基板の製造方法。
【請求項2】
前記端子部の表面に、前記第一の粘着性付与化合物を塗布して前記第一の粘着層を形成する工程と、
前記第二の粘着層を介して表面に前記第一のはんだ粒子が付着されてなる第一のはんだ粒子付着核体を、前記第一の粘着層上に付着する工程と、
前記第一のはんだ粒子を溶融して、前記核体の表面に前記はんだ層を形成する工程と、を具備してなることを特徴とする請求項1に記載の回路基板の製造方法。
【請求項3】
前記第二の粘着層上に前記第一のはんだ粒子を付着する工程の後に、前記端子部の表面に前記第一の粘着層を介して前記第二のはんだ粒子を付着させる工程を有し、前記はんだ層を形成する工程の際に、前記第一のはんだ粒子とともに前記第二のはんだ粒子を溶融することを特徴とする請求項1に記載の回路基板の製造方法。
【請求項4】
前記第一の粘着層上に前記核体を付着する工程と、前記第二の粘着層を形成する工程との間に、前記端子部の表面に前記第一の粘着層を介して前記第二のはんだ粒子を付着させる工程を有し、前記はんだ層を形成する工程の際に、前記第一のはんだ粒子とともに前記第二のはんだ粒子を溶融することを特徴とする請求項1に記載の回路基板の製造方法。
【請求項5】
前記第一の粘着層を形成する工程の前に、前記端子部の表面に前記第二のはんだ粒子を付着させる工程を有し、前記はんだ層を形成する工程の際に、前記第一のはんだ粒子とともに前記第二のはんだ粒子を溶融することを特徴とする請求項1に記載の回路基板の製造方法。
【請求項6】
前記端子部の表面に前記第二のはんだ粒子を付着させる工程と、
前記第二のはんだ粒子を融解させて、前記端子部の表面にはんだ被膜を形成する工程と、
前記端子部の表面に、前記はんだ被膜を介して第一の粘着性付与化合物を塗布して第一の粘着層を形成する工程と、を具備し、
前記はんだ層を形成する工程の際に、前記第一のはんだ粒子とともに前記はんだ被膜を溶融することを特徴とする請求項1に記載の回路基板の製造方法。
【請求項7】
前記端子部の表面に、めっき法によりはんだ被膜を形成する工程と、
前記端子部の表面に、前記はんだ被膜を介して第一の粘着性付与化合物を塗布して第一の粘着層を形成する工程と、を具備し、
前記はんだ層を形成する工程の際に、前記第一のはんだ粒子とともに前記はんだ被膜を溶融することを特徴とする請求項1に記載の回路基板の製造方法。
【請求項8】
前記第二のはんだ粒子の平均粒径が、1μm以上かつ前記第一のはんだ粒子の平均粒径の0.4倍以下であることを特徴とする請求項3に記載の回路基板の製造方法。
【請求項9】
前記第二のはんだ粒子の平均粒径が、1μm以上かつ前記核体の平均粒径の0.5倍以下、かつ、前記第一のはんだ粒子よりも小さいことを特徴とする請求項4または請求項5に記載の回路基板の製造方法。
【請求項10】
前記第二のはんだ粒子の平均粒径が、5〜10μmであることを特徴とする請求項9に記載の回路基板の製造方法。
【請求項11】
前記第二のはんだ粒子の平均粒径が、1μm以上かつ前記端子部の径の1/3以下であることを特徴とする請求項6に記載の回路基板の製造方法。
【請求項12】
前記はんだ被膜を3μm程度の厚さで形成することを特徴とする請求項7に記載の回路基板の製造方法。
【請求項13】
前記核体を含む分散液中に、前記第一の粘着層を有する前記回路基板を浸漬させて、前記第一の粘着層に前記核体を付着することを特徴とする請求項1、請求項3乃至12のいずれか一項に記載の回路基板の製造方法。
【請求項14】
前記第一のはんだ粒子付着核体を含む分散液中に、前記第一の粘着層を有する前記回路基板を浸漬させて、前記第一の粘着層に前記第一のはんだ粒子付着核体を付着することを特徴とする請求項2に記載の回路基板の製造方法。
【請求項15】
前記第一のはんだ粒子を含む前記分散液中に、前記第二の粘着層を有する前記核体が付着された前記回路基板を浸漬させて、前記核体の表面に前記第一のはんだ粒子を付着させることを特徴とする請求項1、請求項3乃至13のいずれか一項に記載の回路基板の製造方法。
【請求項16】
前記第一のはんだ粒子を含む分散液中に、前記第二の粘着層を有する前記核体を浸漬させて、前記第二の粘着層に前記第一のはんだ粒子を付着することで、前記第一のはんだ粒子付着核体を形成することを特徴とする請求項2または請求項14に記載の回路基板の製造方法。
【請求項17】
前記核体として金属ボールを用いることを特徴とする請求項1乃至16のいずれか一項に記載の回路基板の製造方法。
【請求項18】
前記核体が銅からなることを特徴とする請求項1乃至17のいずれか一項に記載の回路基板の製造方法。
【請求項19】
前記第一の粘着層を形成する工程において、前記端子部を露出させる開口部を有する絶縁層を前記回路基板上に形成してから、前記第一の粘着層を形成することを特徴とする請求項1乃至18のいずれか一項に記載の回路基板の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−278422(P2010−278422A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−88807(P2010−88807)
【出願日】平成22年4月7日(2010.4.7)
【出願人】(000002004)昭和電工株式会社 (3,251)
【Fターム(参考)】