説明

回転子及び振動モータ

【課題】新しい構造の回転子及び振動モータを提供する。
【解決手段】本発明は回転子及び振動モータに関するものである。実施例による回転子は回転子基板と、前記回転子基板と電気的に連結されるコイルと、前記コイルを支持するコイルカバーと、前記コイルカバーと結合されたウェートを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転子及び振動モータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
振動モータは、相互に結合された下部ケースと上部ケースの間に支持軸が設置され、支持軸には偏心回転子が回転可能に設置され、下部ケース上には固定子が設置される。
【0003】
回転子と固定子が相互作用すると、偏心回転子が回転されることで振動が発生する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
実施例は、新しい構造の回転子及び振動モータを提供することを課題とする。
【0005】
また、実施例は、スリム化された振動モータを提供することを課題とする。
【0006】
さらに、実施例は、效果的に表面実装技術を適用することができる振動モータを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施例による回転子は、回転子基板と、回転子基板と電気的に連結されるコイルと、コイルを支持するコイルカバーと、及びコイルカバーと結合されたウェートを含む。
【0008】
実施例による回転子は、回転子基板と、回転子基板に対向するコイルカバーと、回転子基板とコイルカバーの間に少なくとも一部分が配置されるコイル及びウェートを含む。
【0009】
実施例による振動モータは、支持軸と、支持軸に回転可能に結合された回転子と、及び回転子に対向する固定子を含み、回転子は、回転子基板と、回転子基板と電気的に連結されるコイルと、コイルを支持するコイルカバーと、コイルカバーと結合されたウェートを含む。
【発明の効果】
【0010】
実施例は、新しい構造の回転子及び振動モータを提供することができる。
【0011】
実施例は、スリム化された振動モータを提供することができる。
【0012】
実施例は、效果的に表面実装技術を適用することができる振動モータを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施例による振動モータの断面図である。
【図2】本発明の実施例による振動モータの分解斜視図である。
【図3】実施例による回転子の斜視図である。
【図4】実施例による回転子の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付された図面を参照しながら本発明の実施例による回転子及び振動モータに対して詳しく説明する。
【0015】
図1は本発明の実施例による振動モータの断面図であり、図2は本発明の実施例による振動モータの分解斜視図である。
【0016】
図1及び図2に図示されているように、上部ケース111及び下部ケース115を含むケース110が用意される。ケース110は回転子160と固定子150が設置される空間を定義し、上部ケース111は下部ケース115の上側に配置されて下部ケース115と結合される。
【0017】
上部ケース111と下部ケース115は同一材質、或は異なる材質から形成されることができ、例えば、上部ケース111は金属材質から形成され、下部ケース115は印刷回路基板から形成されることができる。ただ、実施例では上部ケース11と下部ケース115が皆金属材質から形成されたことが開示されている。
【0018】
ケース110の内部には支持軸120が設置され、支持軸120にはベアリング130が挿入されて設置される。支持軸120は、一側が上部ケース111に支持され、他側が下部ケース115に支持される。例えば、支持軸120は上部ケース111及び/または下部ケース115に溶接されて固定されることができる。
【0019】
ベアリング130と下部ケース115の間にはワッシャー132が配置されることができる。
【0020】
下部ケース115の上面中央部側には、支持軸120を囲む形態で配置された第1基板141が固定され、下部ケース115の下面には第1基板141と電気的に連結される第2基板145が結合される。
【0021】
第1基板141には第2基板145と電気的に連結される接続端子141aが形成されるが、接続端子141aは下部ケース115に形成された貫通孔116を通って第2基板145に電気的に連結される。
【0022】
下部ケース115の下面には第2基板145が挿入されて設置される設置溝117が形成される。第2基板145が設置溝117に挿入されて設置されることによって、第2基板145の厚さ分の振動モータの厚さを減らすことができる長所がある。よって、スリムな振動モータを提供することができる。
【0023】
設置溝117の外側の下部ケース115の下面は、振動モータが装着される製品の基板210にはんだ付けを通じて固定されることができる。
【0024】
第2基板145の下面には製品の基板210と電気的に連結される電源端子146が形成され、第2基板145の上面には接続端子141aと電気的に連結される端子(未図示)が形成される。
【0025】
電源端子146は内側端子146aと、内側端子を囲む形態で配置されるリング形状の外側端子146bを含む。そして、製品の基板210にも電源端子146と対応する形態の回路パターンが形成されることができる。
【0026】
したがって、振動モータを製品の基板210に設置する時、振動モータの方向を配慮しなくても製品の基板210と電気的に連結されることが可能である。
【0027】
下部ケース115の上部には支持軸120の周りにリング形状の固定子150が設置される。固定子150はマグネットから形成されることができる。
【0028】
一方、ベアリング130には固定子150と相互作用して回転する回転子160が結合される。回転子160は、回転し、偏心によって振動を発生させる。
【0029】
回転子160は回転子基板161、コイル163、ウェート167及びコイルカバー180を含む。
【0030】
回転子基板161は下面に形成された整流子165を含み、回転子基板161の上面には回転子基板161と電気的に連結されたコイル163が設置される。
【0031】
第1基板141上にはブラシ170が設置され、ブラシ170は整流子165と電気的に連結されてコイル163に電源を提供する。
【0032】
したがって、製品の基板210より提供された電源は、第2基板145、接続端子141a、第1基板141、ブラシ170、そして、整流子165を含む回転子基板161を通じてコイル163に提供される。
【0033】
コイル163に電源が提供されることで、回転子160と固定子150の相互作用により回転子160が回転される。
【0034】
本発明の実施例による振動モータは、第2基板145が下部ケース115の下面に結合されて外部に露出しているので、自動化工程のリフロー工程を通じて、第2基板145の電源端子146を製品の基板210と容易に電気的に連結することができる。
【0035】
また、リフロー工程を通じて、下部ケース115の下面を製品の基板210と結合させることができ、振動モータの組み立てが容易である。
【0036】
一方、振動モータを製品の基板210にはんだ付けして結合させるリフロー工程は250℃くらいの高温で行われる。この時、回転子160のコイル163及びコイル163を支持する樹脂からなるモールディング部材が膨れ上がり、周りの部品と接触することで、回転子160が円滑に回転できない可能性がある。
【0037】
したがって、本発明の実施例による振動モータでは、従来コイルを支持するために使われるモールディング部材を適用しない。モールディング部材を使わないことで、モールディング部材が熱によって膨れ上がり周りの部品と接触することを防止することができる。また、コイル163が高温によって膨れ上がっても、温度が下がることに連れてまた元の状態に戻るので、コイル163が膨れ上がり回転子160の回転を妨害することを防止することができる。
【0038】
図3は実施例による回転子の斜視図であり、図4は実施例による回転子の分解斜視図である。
【0039】
図3と図4に図示されているように、回転子160は回転子基板161、コイル163、ウェート167及びコイルカバー180を含む。回転子基板161はベアリング130を囲む形態で設置され、コイル163は回転子基板161の上面に設置されて回転子基板161と電気的に連結される。
【0040】
コイルカバー180は回転子基板161及びコイル163の上側に配置されることができ、非磁性体及び非伝導体から形成されることができる。コイルカバー180が磁性体であれば、コイルカバー180がマグネットである固定子150側に吸引されて回転子160の回転を妨害することがあるので非磁性体で形成する。また、コイルカバー180が伝導体であれば、コイル163がショートするのを防止するための別途の絶縁物が必要になってしまう。
【0041】
コイルカバー180は、中央部部分に円筒形状の結合管182が突出形成され、結合管182の内周面がベアリング130の外周面に押圧固定される。よって、コイルカバー180はベアリング130によって支持されることができる。
【0042】
結合管182はコイルカバー180から下側方向に延長されて形成され、コイル163及びウェート167と同一水平面上に配置されることができる。コイル163は、コイルカバー180に接着されて結合されることで、コイルカバー180によって支持されることができる。
【0043】
コイル163は、コイルカバー180と回転子基板161の間に配置される。コイル163とコイルカバー180は、少なくとも一部分が垂直方向にオーバーラップするように配置されることができ、コイル163と回転子基板161は、少なくとも一部分が垂直方向にオーバーラップするように配置されることができる。また、コイル163、回転子基板161及びコイルカバー180は、少なくとも一部分が垂直方向にオーバーラップするように配置されることができる。
【0044】
コイルカバー180と回転子基板161は、コイル163が高温によって上下方向、即ち垂直方向に膨れ上がることを防止することができ、たとえコイル163が高温によって垂直方向または水平方向に膨れ上がった場合でも、本発明の実施例ではモールディング部材が使われないので、温度が下がるに連れてコイル163が元の状態に復帰する。
【0045】
コイルカバー180はウェート167と結合され、ウェート167は回転子基板161と結合される。例えば、コイルカバー180とウェート167は、溶接または接着により結合されることができる。また、ウェート167と回転子基板161は、溶接または接着により結合されることができる。
【0046】
回転子基板161は、コイル163に固定されてコイルカバー180によって支持される、またはウェート167に固定されてコイルカバー180によって支持されることができる。
【0047】
また、回転子基板161はベアリング130の下側外周面に形成された支持フレーム131に接触されて支持される、またはコイルカバー180の結合管182に結合されて支持されることができる。
【0048】
一方、ウェート167は金属材質から形成されることができ、偏心によって振動力を発生させる。ウェート167は上面にコイルカバー装着部167aが形成される。コイルカバー装着部167aは、コイルカバー180の一部分と対応する形状で形成され、コイルカバー180の一部分と結合される。また、コイルカバー180は、ウェート167と対応する形状で結合管182が位置した方向に切欠いた切欠き部184が形成され、ウェート167と結合されることができる。
【0049】
コイルカバー180の下面及び側面の一部分はコイルカバー装着部167aと接触されるが、接触される部位に接着剤を塗布することでコイルカバー180とウェート167を結合させることができる。または、図3に図示されているように、コイルカバー180とウェート167の境界部分に溶接をすることで、コイルカバー180とウェート167を結合させることもできる。
【0050】
コイルカバー180の上面とウェート167の上面は同一水平面に形成されることができる。また、回転子基板161は、ウェート167と対応する形状で凹部161aが形成されてウェート167と結合される。回転子基板161とウェート167は、接触する部位に接着剤を塗布、または接触する部位を溶接することで結合されることができる。
【0051】
以上で説明しているように、本発明の実施例による振動モータは、コイルを支持するために樹脂からなるのモールディング部材を適用せず、コイルカバーを適用する。よって、従来のモールディング部材が、表面実装技術を適用する過程で高温によって膨れ上がる現象を防止することができ、また、モールディング部材が、温度が下がるに連れてコイルが元の状態に戻るのを妨害することを防止することができる。
【0052】
以上では、本発明の一実施例によって本発明を説明したが、本発明が属する技術分野で通常の知識を持つ者が本発明の技術的思想を脱しない範囲内で変更及び変形したものも本発明に属することは当然である。
【産業上の利用可能性】
【0053】
実施例による回転子及び振動モータは、振動が要求される多様な電子機器に適用されることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転子基板と、
前記回転子基板と電気的に連結されるコイルと、
前記コイルを支持するコイルカバーと、
前記コイルカバーと結合されたウェートを含む回転子。
【請求項2】
前記コイルは少なくとも一部分が前記回転子基板と前記コイルカバーの間に配置されることを特徴とする請求項1に記載の回転子。
【請求項3】
前記コイルは前記コイルカバーと接着されることを特徴とする請求項1に記載の回転子。
【請求項4】
前記ウェートと前記コイルカバーは溶接または接着されることを特徴とする請求項1に記載の回転子。
【請求項5】
前記ウェートと前記コイルカバーは少なくとも一部分が垂直方向にオーバーラップすることを特徴とする請求項1に記載の回転子。
【請求項6】
前記ウェートの上面と前記コイルカバーの上面は同一水平面上に配置されることを特徴とする請求項1に記載の回転子。
【請求項7】
前記コイルカバーは非磁性体であることを特徴とする請求項1に記載の回転子。
【請求項8】
前記コイルはモールディング部材無しに支持される巻線コイルであることを特徴とする請求項1に記載の回転子。
【請求項9】
前記コイルカバーは円筒形状の結合管が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の回転子。
【請求項10】
前記結合管に設けられているベアリングが含まれることを特徴とする請求項9に記載の回転子。
【請求項11】
回転子基板と、
前記回転子基板に対向するコイルカバーと、
前記回転子基板と前記コイルカバーの間に少なくとも一部分が配置されるコイル及びウェートを含む回転子。
【請求項12】
前記コイルカバーは円筒形状の結合管が形成されていることを特徴とする請求項11に記載の回転子。
【請求項13】
前記結合管に設けられているベアリングが含まれることを特徴とする請求項12に記載の回転子。
【請求項14】
支持軸と、
前記支持軸に回転可能に結合された回転子と、
前記回転子に対向する固定子が含まれて、
前記回転子は回転子基板と、前記回転子基板と電気的に連結されるコイルと、前記コイルを支持するコイルカバーと、前記コイルカバーと結合されたウェートを含む振動モータ。
【請求項15】
前記コイルカバーは円筒形状の結合管が形成されていることを特徴とする請求項14に記載の振動モータ。
【請求項16】
前記支持軸に支持され、前記結合管に圧入されるベアリングが含まれることを特徴とする請求項15に記載の振動モータ。
【請求項17】
前記支持軸と結合され、前記回転子を囲む上部ケースが含まれることを特徴とする請求項14に記載の振動モータ。
【請求項18】
前記固定子が支持され、前記上部ケースと結合される下部ケースが含まれることを特徴とする請求項17に記載の振動モータ。
【請求項19】
前記回転子基板に電源を提供するブラシが含まれることを特徴とする請求項18に記載の振動モータ。
【請求項20】
前記ブラシと電気的に接し、前記下部ケースを貫通する接続端子と、前記接続端子と電気的に接し、前記下部ケースの下面に形成された電源端子が含まれることを特徴とする請求項19に記載の振動モータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2011−501641(P2011−501641A)
【公表日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−529870(P2010−529870)
【出願日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際出願番号】PCT/KR2008/006124
【国際公開番号】WO2009/051425
【国際公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【出願人】(506149726)エルジー イノテック カンパニー リミテッド (75)
【氏名又は名称原語表記】LG Innotek Co., Ltd
【住所又は居所原語表記】33Fl., LG Twin Tower West,20,Yeouido−dong,Yeongdeungpo−gu Seoul,150−721,Korea
【Fターム(参考)】