説明

回転電機の巻線のワニス処理方法および装置

【課題】 高品質のワニス処理を実現する。
【解決手段】 回転電機100のコアの中心軸100aを水平面に対して45度傾斜させ、さらに、回転台座5を回転し、回転電機を中心軸を中心に自転させる。
この状態での、回転電機の傾斜上端部100Uに向かって、ノズル30によってワニス200を流下する。回転電機は自転することによって、傾斜上端部となる回転電機の部分が循環・周回し、回転電機の端部全体にワニスが供給される。巻線に流下したワニスは、重力により中心軸下方および巻線周方向に流れ、巻線表面全体にワニスが供給される。このように、重力および回転電機自体の動きによって、ワニスを巻線表面全体に拡げるので、ワニスの供給量を最小限に抑えることができ、歩留りを改善し得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転電機の巻線にワニスを塗布するワニス処理方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、回転電機の巻線のワニス処理方法として、以下の2方法が一般的であった。
(1)回転電機をワニス中に浸漬し、ワニスを含浸させる方法(ディッピング方法)。
(2)回転電機のコア中心軸を水平または水平より傾斜せしめた姿勢で保持し、コアをその中心軸を中心として回転させながら巻線部の両端部へワニスを流下する方法(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−66258号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術(1)では、ディップ槽に溜める為の大量のワニスが必要であり、治具ごと浸漬するため、治具に付着したワニスの除去やメンテナンスに手間がかかる。加えて、浸漬した回転電機の巻線の下部に多くのワニスが付着し、上部付着量が少なくなってしまう。
従来技術(2)では、一旦巻線部の傾斜下部まで流れたワニスは下部に残り、再度巻線部に流れることはない。このため、ワニスの歩留りが低い。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)請求項1の発明は、回転電機の巻線にワニスを塗布するワニス処理方法であって、前記回転電機の中心軸が所定の角度で水平より傾斜せしめた状態で前記巻線にワニスを流下するワニス流下工程と、前記回転電機を前記中心軸を中心に自転させながら、鉛直面に略沿ってスイングさせるスイング工程とを備えたことを特徴とする。
(2)請求項2の発明は、請求項1記載のワニス処理方法において、前記ワニス流下工程でワニスを流下させる際、前記回転電機をその中心軸周りに回転させることを特徴とする。
(3)請求項3の発明は、請求項1または2記載のワニス処理方法において、前記巻線を加熱してワニスをゲル化する加熱工程を前記スイング工程終了後に実行することを特徴とする。
(4)請求項4の発明は、請求項3記載のワニス処理方法において、前記加熱工程では、前記中心軸を中心に前記回転電機を自転させることを特徴とする。
(5)請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項記載のワニス処理方法において、 前記スイング工程では、前記回転電機を複数回スイングさせることを特徴とする。
(6)請求項6の発明は、請求項1記載のワニス処理方法において、前記ワニス流下工程では、前記回転電機を前記中心軸を中心に自転させながら、鉛直面に略沿ってスイングさせることを特徴とする。
(7)請求項7の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項記載のワニス処理方法において、前記スイング工程では、前記スイングの速度を連続的に変化させることを特徴とする。
(8)請求項8の発明は、回転電機の巻線にワニスを塗布するワニス処理装置であって、前記回転電機をその回転中心周りに自転するように支持する回転支持手段と、鉛直面に略沿って前記回転支持手段を揺動する揺動手段と、予め設定したスイング仕様にしたがって、前記回転支持手段により前記回転電機を自転させつつ、前記揺動手段により前記回転電機にスイング運動を与える制御装置とを備えることを特徴とする。
(9)請求項9の発明は、請求項8記載のワニス処理装置において、前記スイング仕様は、スイング運動の回数、スイング運動の速度、スイング運動の角度範囲のいずれかを含むことを特徴とする。
(10)請求項10の発明は、請求項8または9記載のワニス処理装置において、前記巻線に流下されたワニスを加熱する加熱装置をさらに備え、前記制御装置は、前記回転電機のスイング運動の終了後に、前記巻線に流下されたワニスを加熱することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、高品質のワニス処理を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明によるワニス処理装置の一実施の形態を示すブロック図。
【図2】図1のワニス処理装置を使用したワニス処理方法の第1の実施の形態によるワニス流下工程を示す正面図。
【図3】第1の実施の形態によるワニス流下工程に続くスイング工程の流れを示す正面図。
【図4】第1の実施の形態によるスイング工程に続く加熱工程を示す正面図。
【図5】図1のワニス処理装置を使用したワニス処理方法の第2の実施の形態によるワニス流下工程を示す正面図。
【図6】第1〜第3の実施の形態のワニス処理装置に使用する三方爪式チャックを示す正面図。
【図7】図6の平面図
【発明を実施するための形態】
【0008】
[第1の実施の形態]
図1は、回転電機の巻線にワニス塗布・含浸させる際、すなわち回転電機に対してワニス処理を施す際に使用するワニス処理装置20を示す。このワニス処理装置20は、クレビス型シリンダ10a、10bによって支持された基台4と、基台4上に回転可能に設けられた回転台座5と、基台4の下面に装着され回転台座5を回転駆動するモータ15と、回転台座5にスペーサ3を介して装着されたチャック取付台2と、チャック取付台2によって支持されたチャック機構1と、制御部7とを有する。制御部7は、クレビス型シリンダ10a、10bを制御して基台4の傾斜やスイング運動を制御するとともに、モータ15の回転・停止を制御する。
【0009】
チャック機構1は、例えば、ワニス処理すべき回転電機100を把持する三方爪式チャック12(図6、図7)を備えている。三方爪式チャック12は、エアを駆動源として、爪の開閉により、回転電機100をその周面で把持する。回転台座5の回転中心軸は、回転電機100の把持状態において、回転電機100のコア中心軸100a、すなわち回転軸と同軸となるように設定されている。チャック機構1は、基台4が水平のときに、コア中心軸100aが鉛直になるように、回転電機100を把持する(図1)。
【0010】
クレビス型シリンダ10a、10bは相互に平行に配置され、そのシリンダロッド10ar、10brの先端部において、相互に平行なクレビス6によって、基台4の下面に枢着されている。一方、クレビス型シリンダ10a、10bの基端部は図示しない固定部材に連結されている。クレビス型シリンダ10a、10bは、両者が等長のときに、基台4が水平になるように設定され、両者の長さが異なるように伸縮したときは、基台4は水平面に対して傾斜する。すなわち、シリンダ10a、10bを適宜収縮させることにより、基台4をスイング運動させることができる。
【0011】
クレビス型シリンダ10a、10b、モータ15には制御部7が接続されている。モータ15の回転・停止および基台4の傾斜やスイング運動は制御部7によって制御される。
【0012】
上述したワニス処理装置20を使用して回転電機100のコイルにワニスを塗布するワニス処理方法は、以下で説明する回転電機把持工程、ワニス流下工程、スイング工程、加熱工程を含む。
【0013】
[回転電機把持工程]
三方爪式チャック12にエア駆動源からエアを供給し、その爪を開放する。開放された爪の中央部に回転電機100を挿入し、爪を閉じる。これにより、回転電機100はその回転軸心がチャック12の把持中心軸と同心状態で、巻線のコイルエンドが最外周に位置した状態で把持される。
【0014】
[ワニス流下工程]
図2に示すように、まず、制御部7によって、クレビス型シリンダ10a、10bを異なるストロークで伸長させ、回転電機100のコアの中心軸100aを水平面に対して45度傾斜させる。さらに、制御部7でモータ15を制御して回転台座5を回転させ、中心軸100aを中心に回転電機100を自転させる。
【0015】
この状態で、回転電機100のコイルエンド部上面の斜め上方のノズル30によってワニス200を傾斜上端部100Uに向かって流下させる。回転電機100は、自転することによって、傾斜上端部100Uとなる回転電機100のコイルエンド部分が循環・周回し、回転電機100のコイルエンド部分全体にワニス200が供給される。巻線コイルエンドに流下したワニス200は、重力により、巻線表面を伝わって中心軸100a下方および巻線周方向に流れ、巻線表面全体にワニスが供給される。
【0016】
[スイング工程]
ワニス流下工程終了後、図3の(a)〜(e)に示すように、制御部7によって、クレビス型シリンダ10a、10bおよびモータ15を制御し、回転電機100を自転させつつ、クレビス型シリンダ10a、10bを伸縮させる。これによって、中心軸100aが、鉛直面に略沿って、(a)の−180度(一方の水平状態)と(e)の+180度(他方の水平状態)の間で揺動するように、回転電機100がスイングする。スイング運動は、例えば、スイング速度を一定、スイング回数を1回として、充分な拡散・浸透効果が得られた。スイング速度、スイング回数、すなわち、スイング工程時のスイング仕様は予め制御部7に設定しておく。たとえば、作業者は、スイング仕様を、制御装置に接続した入力インターフェースから設定するように構成することができる。
【0017】
ここで、図3(d)が初期姿勢の図2と対応するので、スイング運動回数が1回とは、初期姿勢から初期姿勢に戻るまでの一連のスイング運動である。たとえば、図3(a)→図3(b)→図3(c)→図3(d)→図3(e)が一つのスイング工程によるスイング運動である。
【0018】
一つのスイング運動の起点をワニス流下工程時の図2に対応する図3(d)とし、図3(d)→図3(e)→図3(d)→図3(c)→図3(b)→図3(a)→図3(b)→図3(c)のように回転電機100をスイングし、終点を図3(c)としてもよい。この場合の最大スイング角度範囲も+180度〜−180度であるが、スイング運動の角度範囲は+180度〜−180度に限定されない。
【0019】
[加熱工程]
ワニス流下工程終了後、図4に示すように、制御部7によって、クレビス型シリンダ10a、10bおよびモータ15を制御し、中心軸100aを水平(−180度または180度)に保持しつつ、回転電機100を自転させる。この状態で、熱風発生器40から、回転電機100に向かって熱風を噴射し、巻線に塗布されたワニス200のゲル化を行う。
【0020】
以上説明したワニス塗布方法によれば以下のような作用効果を奏することができる。
【0021】
(1)重力および回転電機100自体の動きによって、ワニス200を巻線表面全体に拡げるようにしたので、ワニス200の供給量を最小限に抑えることができ、歩留りを改善し得る。
【0022】
(2)回転電機100を、自転運動させつつスイング運動させることによって、ワニス200には、自転運動による巻線半径方向の遠心力およびスイング運動による巻線軸方向の遠心力が作用するとともに、重力が作用する。これによって、巻線内部でのワニス200の拡散、浸透が促進され、巻線全体にワニス200が塗布される。
【0023】
(3)スイング運動の範囲を−180度〜+180度とすることによって、重力の作用は巻線の軸方向、半径方向に満遍なく作用し、ワニス200の拡散・浸透効果を高める。
(4)スイング工程の後、ワニスが塗布された回転電機100を回転させながら加熱するようにした。これによって、巻線全体を満遍なく加熱でき、ワニス200を全てゲル化できる。
【0024】
[第2の実施の形態]
次に、本発明によるワニス処理方法の第2の実施の形態を、図5を参照して説明する。なお、図中第1の実施の形態と同一若しくは相当部分には同一符号を付し、説明を省略する。第2の実施の形態のワニス処理方法と第1の実施の形態におけるワニス処理方法の相違点はワニス流下工程にある。
【0025】
図5に示すように、ワニス流下工程において、制御部7によってクレビス型シリンダ10a、10bを伸縮させ、回転電機100のコアの中心軸100aを水平面に対して40〜90度の範囲でスイングさせる。さらに、制御部7でモータ15を制御して、回転台座5を回転し、回転電機100を中心軸100aを中心に自転させる。自転する回転電機100を揺動しながら、回転電機100の傾斜上端部100Uに向かって、ノズル30によってワニス200を流下する。ノズル30は、回転電機100のスイングと同期してその位置が調整されるように構成される。
【0026】
図5は、クレビス型シリンダ10a、10bを伸縮させてモータ15を中心に回転電機100を揺動する例を示すが、このような揺動機構を採用する場合、以下の構成を採用すれば、ノズル30の位置を変更させなくてもよい。すなわち、回転電機100のスイングによって回転電機100がノズル30と衝突しないような距離だけ離間した箇所に、ノズル30を固定的に設置してもよい。
【0027】
なお、図5は、クレビス型シリンダ10a、10bを伸縮させてモータ15を中心に回転電機100を揺動する様子を模式的に示す図であり、揺動時の各要素の動作や姿勢は便宜的に示すものである。
【0028】
回転電機100は自転することによって、ノズル30からワニスが流下された傾斜上端部100Uが循環・周回し、回転電機100の端部全体にワニス200が供給される。また、ワニス流下工程においてスイング運動を加えることによって、巻線全体にワニス200が供給されるだけでなく、ワニスの拡散・浸透効果が得られる。
【0029】
[第3の実施の形態]
次に、本発明によるワニス処理方法の第3の実施の形態を説明する。
第1の実施の形態におけるスイング工程では、−180度〜+180度の範囲で揺動するスイング運動を1度だけ行うようにした。第3の実施の形態のワニス塗布方法では、スイング運動の回数を複数回行うように構成する。その結果、ワニスの拡散・浸透効果を一層高めることができる。
【0030】
ワニス処理工程にて行われるスイング運動の回数は、制御部7に作業者が予め設定するように構成する。したがって、スイング運動の回数を適宜変更することが可能である。
【0031】
[第4の実施の形態]
次に、本発明によるワニス処理方法の第4の実施の形態を説明する。
第1の実施の形態における加熱工程では熱風発生器40を使用したが、第4の実施の形態における加熱工程では、通電加熱装置、遠赤外線炉等、熱風発生器以外の加熱装置を使用するものである。このような加熱手段を使用しても、第1の実施の形態と同様の効果が得られる。
【0032】
[第5の実施の形態]
次に、本発明によるワニス処理方法の第5の実施の形態を説明する。
第1の実施の形態におけるスイング工程では、−180度〜+180度の範囲で等速にて揺動するスイング運動を行うようにした。第5の実施の形態は、第1の実施の形態におけるスイング処理のスイング運動の速度を連続的に変化させるようにしたものである。速度変化率は例えば5%〜20%であり、これによって、ワニス200に作用する軸方向の遠心力と重力のバランスが変化し、巻線の軸方向の拡散、浸透が促進される。
【0033】
ワニス処理工程にて行われるスイング運動の速度パターンは、制御部7に作業者が予め設定するように構成する。したがって、スイング運動の速度パターンを適宜変更することが可能である。
【0034】
[第6の実施の形態]
次に、本発明によるワニス処理方法の第6の実施の形態を説明する。
第6の実施の形態は、上述した各実施の形態でのスイング工程におけるスイング時間、スイング角度範囲などを、ワニス流下工程の効果によって簡略化するようにしたものである。
【0035】
ワニス流下工程では、回転電機100を自転しながらワニスを流下するためワニスの拡散・浸透効果が得られる。そこで、ワニス流下工程によってワニスの充分な拡散・浸透効果が得られたときは、スイング工程を省略し、あるいは、スイング運動の時間を短く設定することができる。スイング運動の時間を短くするために、例えば、スイング角度範囲を狭く設定することができる。スイング工程の省略、節減のために、あえてワニス流下工程の時間を長く設定することも可能である。
【0036】
上記のスイング工程の設定、省略、スイング角度範囲の設定、変更等を含むスイング仕様、ワニス流下時間の設定、変更についても、制御部7に作業者が予め設定するように構成する。たとえば、作業者は、ワニス流下工程での各種条件を、制御装置に接続した入力インターフェースから適宜変更することが可能である。
【0037】
上述したワニス処理装置20を以下の(1)〜(3)のように変形することができる。
【0038】
(1)ワニス処理装置20におけるチャック機構1は、エア駆動の三方爪式チャック12に限定されるものではなく、電力その他の駆動源を使用することも可能である、コレットチャックその他の方式も採用可能である。
【0039】
(2)ワニス処理装置20において、基台4を傾斜させる手段はクレビス型シリンダ10a、10bに限定されるものではなく、リニアモータその他の駆動手段を採用してもよい。
【0040】
(3)制御部7による制御は、基台4の傾斜、回転台座5の回転に限定されるものではなく、チャック機構1その他を制御してもよい。
【0041】
(4)ワニス処理装置20の各構成要素は、必要に応じて適宜代替品に変更可能であり、必要性の低いものは省略すべきである。
【0042】
(5)加熱処理を省略し、ワニスを自然乾燥することも可能である。
(6)拡散・浸透効果は、集中捲の巻線のみならず、分布捲の巻線においても、極めて有効である。
【0043】
以上の説明はあくまで一例であり、本発明の特徴を損なわない限り、本発明は上述した実施の形態および変形例に限定されるものではない。
したがって、本発明は、回転電機の中心軸が所定の角度で水平より傾斜せしめた状態で巻線にワニスを流下するワニス流下工程と、回転電機をその中心軸を中心に自転させながら、鉛直面に略沿ってスイングさせるスイング工程とを備える種々のワニス処理方法を包含する。
【0044】
また、本発明は、回転電機をその回転中心周りに自転するように支持する回転支持装置と、鉛直面に略沿って回転電機を支持する回転支持装置を揺動する揺動機構と、予め設定したスイング仕様にしたがって、回転支持装置により回転電機を自転させつつ、揺動装置により回転電機にスイング運動を与える制御装置とを備える種々のワニス処理装置を包含する。
【0045】
実施の形態と変形例の一つとを組み合わせること、もしくは、実施の形態と変形例の複数とを組み合わせることも可能である。変形例同士をどのように組み合わせることも可能である。
【符号の説明】
【0046】
1:チャック機構 2:チャック取付台
4:基台 5:回転台座
7:制御部 10a、10b:クレビス形シリンダ
15:モータ 20:ワニス処理装置
30:ノズル
100:回転電機 100a:回転電機のコアの中心軸
200:ワニス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転電機の巻線にワニスを塗布するワニス処理方法であって、
前記回転電機の中心軸が所定の角度で水平より傾斜せしめた状態で前記巻線にワニスを流下するワニス流下工程と、
前記回転電機をその中心軸を中心に自転させながら、鉛直面に略沿ってスイングさせるスイング工程とを備えたことを特徴とするワニス処理方法。
【請求項2】
請求項1記載のワニス処理方法において、
前記ワニス流下工程において、前記回転電機をその中心軸周りに回転させることを特徴とするワニス処理方法。
【請求項3】
請求項1または2記載のワニス処理方法において、
前記巻線を加熱してワニスをゲル化する加熱工程を前記スイング工程終了後に実行することを特徴とするワニス処理方法。
【請求項4】
請求項3記載のワニス処理方法において、
前記加熱工程では、前記中心軸を中心に前記回転電機を自転させることを特徴とするワニス処理方法。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項記載のワニス処理方法において、
前記スイング工程では、前記回転電機を複数回スイングさせることを特徴とするワニス処理方法。
【請求項6】
請求項1記載のワニス処理方法において、
前記ワニス流下工程では、前記回転電機を前記中心軸を中心に自転させながら、鉛直面に略沿ってスイングさせることを特徴とするワニス処理方法。
【請求項7】
請求項1乃至4のいずれか1項記載のワニス処理方法において、
前記スイング工程では、前記スイングの速度を連続的に変化させることを特徴とするワニス処理方法。
【請求項8】
回転電機の巻線にワニスを塗布するワニス処理装置であって、
前記回転電機をその回転中心周りに自転するように支持する回転支持手段と、
鉛直面に略沿って前記回転電機を支持する前記回転支持手段を揺動する揺動手段と、
予め設定したスイング仕様にしたがって、前記回転支持手段により前記回転電機を自転させつつ、前記揺動手段により前記回転電機にスイング運動を与える制御装置とを備えることを特徴とするワニス処理装置。
【請求項9】
請求項8記載のワニス処理装置において、
前記スイング仕様は、スイング運動の回数、スイング運動の速度、スイング運動の角度範囲のいずれかを含むことを特徴とするワニス処理装置。
【請求項10】
請求項8または9記載のワニス処理装置において、
前記巻線に流下されたワニスを加熱する加熱装置をさらに備え、
前記制御装置は、前記回転電機のスイング運動の終了後に、前記巻線に流下されたワニスを加熱することを特徴とするワニス処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−72908(P2011−72908A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−226600(P2009−226600)
【出願日】平成21年9月30日(2009.9.30)
【出願人】(509186579)日立オートモティブシステムズ株式会社 (2,205)
【Fターム(参考)】