説明

固体−液体混合物を処理する方法

汚染物質を含む固体および液体の混合物を処理する方法が開示される。前記方法は、混合物にキャビテーションを起こして、汚染物質の少なくとも一部は化学的に分解される段階を含む。前記方法は、その後に、所定の生物学的種を処理される混合物内部に導入して、生物学的分解処理、レメディエーションまたは汚染物質の分解など、所望される生物学的結果を与える段階を含む。そのような二段階法は汚染物質の濃度を非常に低いレベルに低減することができ、生物学的種を導入するのみでは達成することができない結果を達成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、汚染された固体−液体混合物を処理する方法に関する。この方法は、例えばポリ塩化ビフェニル(PCB)化合物、ポリ環状芳香族炭化水素(PAH)化合物および有機リン酸(OP)化合物などの農薬などの汚染物質を含む、水などの液体および/または土壌などの固体、または他の基体の汚染を除去するために適用されてよい。この汚染除去は、国内の、地方の、または産業上の用途において使用されてよく、この意味に関連して主に述べられるであろう。しかしながら、本発明は、これらには限られないが、ポリ臭化ビフェニル(PBB)、有機塩化物、農薬、およびそれらの類似物を含むあらゆる種類の危険な材料の汚染除去において、広い用途を有し、重金属(例えばセレン、砒素など)が存在する、および処理を必要とする状況において使用されてよいことが理解される。
【背景技術】
【0002】
ポリ塩化ビフェニル(PCB化合物)は、1966年に初めて環境汚染物質であることが認められた。それらは、世界中で、水、固体堆積物、および鳥、魚の組織中に見出されてきた。数百の異なるPCB化合物が入手可能であり、ビフェニル芳香族構造上で1から10個の塩素原子で置換することによって作られる。PCB化合物は非常に高い化学的、熱的、および生物学的安定性を有し、水溶性および蒸気圧が低い。これらの有用な特性はそれらの広範囲の使用に寄与したが、その同じ特性はこれらの化合物が環境に蓄積されることを可能にした。
【0003】
PCB化合物の製造は1979年に米国で中止されたが、これらの化合物は廃棄された電気機器などから環境に入りこみ続ける。1〜2ppmのPCB濃度は通常望ましい最大値であり、農業土壌、粘土または海洋沈殿物における10〜50ppmのレベルは危険であるとみなされる。PCB化合物の高密度の、および疎水性の性質は、それらが河川の堆積物内に蓄積することを常態化し、下流の住人および魚の中の生物蓄積をもたらし、その結果それらが人間の食物連鎖内部に入ることにつながる。PCB化合物は人間の病気に対する抵抗性を低減する可能性があり、ポリ臭化ビフェニル(PBB)などの関連する化合物でそうであるように、発疹、肝臓病および頭痛の発病率を増加する。
【0004】
ポリ環状芳香族炭化水素(PAH)化合物は、ガス製造所などのガス製造プラントの現場において心配される主な汚染物質である。四つを越える芳香族環を有するこれらのPAHの幾つかは、規制された周知の発がん性物質である。一般的にPAHは水に対する溶解性が非常に低く、土壌または天然の有機物質などの堆積物成分に強く結合する。それらの溶解性が低いにも関わらず、PAHはなおかなりの水の毒性および汚染をもたらす可能性がある。
【0005】
同様に、農薬および殺虫薬は人間および動物に対する重大な健康への影響を有する可能性がある。有機リン酸(OP)、カーバリル、合成ピレスロイドおよびエンドサルファンなどの農薬、ならびにチオベンカルブ、モリネートおよびその他などの除草剤は、環境に蓄積し、および残留する可能性がある。典型的には、これらの農薬は農業において使用され、河川および流水に流れ込み、下流の飲料水を汚染する。
【0006】
農薬、PAHおよびPCB化合物を分解する様々な方法の調査が実施されてきた。現在、PAH、PCBまたは農薬で汚染された水または土壌を大幅に改善するための広く受け入れられた方法は存在しない。
【0007】
PCBおよび有機塩化物化合物の分解は、典型的には温度1300℃において高温焼成によってもたらされてよいが、ガス状の生成物は、PCBの再生成、または800〜900℃におけるダイオキシンなどの望ましくない副反応生成物の形成を避けるため迅速に冷却されてなくてはならない。そのような工程は複雑であり、様々なまたは不確かな結果を伴う。
【0008】
汚染された土壌−水系の光触媒(UV)分解も試みられたが、進みは遅い。バクテリアまたは酵素などの微生物を用いるPCB、PAHおよびOP農薬の生物学的分解、または他の化学的処理が知られている。例えば、PCBで汚染された土壌は、適切な微生物の存在下で配合土を用いる方法でバイオレメディエーションされてよい。これらのタイプの工程は、通常長い実行時間を必要とする。有益なバクテリアおよび酵素は、他の捕食性の微生物または生物相によって消費される可能性がある。よりさらに複雑なのは、農薬の混合系および重金属など他の汚染物質(例えば、セレンまたは砒素)が存在する状況である。環境(例えば、この目的のために育てられた草または低木)から金属を取得可能な適切な生物学的種が存在する可能性があるけれども、農薬または除草剤の存在は植物の成長を遅らせ、それらを枯らすこともある。液体中で化学反応工程を誘起することに関する技術分野では超音波が知られ、その分野は音響化学として知られる。液体中での超音波の伝播はキャビテーション泡を生成する。これらの泡は内破(implode)して、極端な状態のミクロ領域を生成する。これらのミクロ領域内の推定温度は、水溶液中で2000から5000Kの範囲である。国際出願公開第02/22252号パンフレット(現在は米国特許第6,908,559号明細書)として公開された我々の過去の特許出願は、PCBおよび農薬などの化合物の、それら化合物が吸収された固体表面における、超音波が適用されるときの化学的分解に関する。
【0009】
もしも任意の従来技術に関する刊行物がここで参照されるならば、そのような参照は、その刊行物が任意の国の関連技術における共通の一般的な知識の一部を形成することを容認するものではないと理解されるべきである。
【特許文献1】国際出願公開第02/22252号パンフレット
【特許文献2】米国特許第6,908,559号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の第1の態様は、固体および液体の混合物を処理する方法を提供し、前記混合物は汚染物質を含有し、前記方法は、以下の段階を含む:
混合物にキャビテーションを起こして、汚染物質の少なくとも一部が化学的に分解される段階;および、次いで、
所定の生物学的種を処理される混合物内部に導入して、所望される生物学的結果(biological outcome)を与える段階。
【0011】
用語「生物学的結果」がここで使用されるが、この明細書を通じて、それは関連する汚染物質を処理、改良または分解することができる任意の生物学的または化学的方法を含むと解釈される。
【0012】
前記第1の態様のこの方法は、汚染された液体および固体の混合物を処理することを可能にするという有利な点を有し、生物学的または化学的な処理プロセス(生物学的分解など)が汚染物質の濃度を極端に低いレベルまで低減し続けることを実行可能であるようなレベルまで汚染物質の濃度を低減する。もしも初期の汚染物質濃度が高い混合物に対して生物学的処理が適用された場合、そのような処理は適当な時間内では効果を奏しない可能性がある。なぜなら、生物学的処理の動力学は一般的に遅いからである。
【0013】
同様に、異なるタイプの複数の汚染物質が存在する混合物において、高濃度のひとつの汚染物質、この汚染物質は他のやり方で他の汚染物質のバイオレメディエーションのはたらきを妨害する可能性がある、の迅速な除去は、実現されることができなかった特定の生物学的結果をもたらしてよい。
【0014】
この方法は混合物中の汚染物質を処理するために使用されてもよく、「汚染物質」は、他のやり方では有用な生物学的種に対して支配的または捕食性の生物学的種である、例えば不必要なバクテリアなど、であってよい。キャビテーションは、殺生物剤として働くことによって、存在する全てのバクテリアを効果的に分解または破壊することができる。その後、精製された混合物は、その内部に導入された、特定の生物学的目的を有する選択された酵素または異なるバクテリアなど、所定の生物学的種を有してよい。
【0015】
一つの実施形態において、キャビテーションは超音波によって実施されることができる。超音波は局所的な高温を提供することができ、その直後分解生成物を冷却することによって(すなわち、液体によって)、PCBの場合そうであるように、ある温度における物質の再生成または望ましくない副反応生成物の形成を避ける。キャビテーション工程は超音波処理法によって、適切に配列されたチャンバ内に配置された超音波プレートまたはプローブなどの超音波源装置を用いて実行されてよい。
【0016】
一つの実施形態において、望ましい生物学的結果を与えるための生物学的種の導入は、少なくとも一つのバイオレメディエーション段階(汚染物質を化学的に分解するためのバクテリア、酵素または生物相の導入を含む)またはファイトレメディエーション(汚染物質を吸収するための特定の植物の使用を含む)をもたらしてよい。ある例では、例えば肥料など、他の生物学的材料も同様に、バイオレメディエーションまたはファイトレメディエーションを助ける目的で固体−液体混合物に添加されてよい。
【0017】
一つの実施形態では、前記方法が、生物学的種の導入の前または後のどちらかにおいて混合物に通気または酸素添加する段階を含んでもよい。好気条件によって、例えば微生物または植物の成長を促進することによって、バイオレメディエーション工程は容易になる可能性がある。
【0018】
一つの実施形態において、前記方法は固体および液体を混合する段階を含んでもよく、それによって固体は実質的に液体中に懸濁され、混合物のキャビテーションに対する曝露を増加する。固体および液体混合物を適切に攪拌することによってラメラ境界層を薄くすることができ、粒子表面を清浄にして、キャビテーションおよびバイオレメディエーションプロセスの両方の効果を増大する。
【0019】
一つの実施形態では、混合物にキャビテーションを起こす段階によって、所定の生物学的種に関する強い毒性レベルよりも低いレベルに汚染物質を分解することができる。ある状況では、初期の量の汚染物質の存在が植物または生物学的種にとって致命的である可能性があるので、最初にキャビテーションを用いることによって汚染物質を分解し取り扱い可能、準毒性レベル、にすることによって、その後の所定の生物学的種の導入が旨く進行できる。
【0020】
一つの実施形態では、混合物にキャビテーションを起こす段階の前に、例えば汚染物質を化学的に分解するためのバイオレメディエーション段階において使用されるバクテリアなどの生物学的種の接種物など、処理される混合物内部に所定の生物学的種を導入する段階が実施されてもよい。選択される生物学的種の回復力(resilience)に依存して、そのうち少なくともある程度は、後の使用のためにキャビテーション段階を耐えて、処理される混合物の中で所定の生物学的結果を与えてよい。
【0021】
一つの実施形態において、固体は鉱物および/または有機物質を含んでよい。固体は、シリカ、粘土、炭素材料、活性化炭素または炭酸カルシウムなど、一つまたは複数の材料を含んでよい。
【0022】
一つの実施形態において、固体の少なくともある程度は汚染物質を化学的に分解する触媒として働いてよい。触媒基体材料はこの目的のために固体−液体混合物内部に導入されてよい。
【0023】
一つの実施形態では、汚染物質は固体と結合されてよく、および汚染物質の化学的分解は固体の表面で、または表面近くで起こる。この方法は、それらの表面でまたはそれらの表面周囲で汚染された固体粒子を最も効果的に処理することができ、その表面では汚染物質の濃度が液相と比較するときその最高値である。
【0024】
一つの実施形態では、汚染物質は初期には液体内に存在させられてよく、キャビテーションよりも前の段階で固体上部に吸着される。ある例では、この予め行なわれる液体からの汚染物質の吸収によって汚染物質の分解の有効性を増大することができる。
【0025】
一つの実施形態において、超音波を使用するとき、使用される超音波パワーの強度は1平方センチメートルあたり100ワットを超えてよい。
【0026】
一つの実施形態では、超音波を用いるとき、使用される単位体積あたりの超音波パワーは1リットルあたり約4から10キロワットの範囲であってよい。
【0027】
本発明の第2の態様では、本発明はキャビテーションソースを収容するのに使用するため適合されたキャビテーション装置を提供し、前記装置は、
第1の断面積を有する第1の部分、および
キャビテーションソースが設置でき、前記ソースに隣接する第2の断面積を画定する第2の部分、を含み、
使用において第1の断面積が実質的に第2の断面積と同じであるように前記第1および第2の部分が配置される。
【0028】
第2の態様の装置は、装置の全体にわたって断面積が同様であるために、液体および固体の混合物が一般的に一定の流速で第1および第2の部分を通過することができる有利な点を有する。もしも固体が流体内で運ばれる場合、任意の流速の変化が固体を懸濁液から離脱させ装置を詰まらせる可能性があるので、これは重要であり得る。
【0029】
装置の一つの実施形態では、第2の断面積がキャビテーションソースの周囲で環状である。
【0030】
装置の一つの実施形態では、他の超音波チップまたはプレートが同様に使用されてよいが、キャビテーションソースは超音波プローブであってよい。
【0031】
一つの実施形態では、第1の部分を、次いで第2の部分を通じて、装置は流体流の経路に対して配列されてよく、使用において、流れはキャビテーションソースを通って移動する。
【0032】
本発明の範囲であってよい任意の他の形態にも関わらず、例示によってのみ、添付図に関連して本発明の好ましい形態が記述されるであろう。
【0033】
図1は、混合物にキャビテーションを起こす段階に関して、本発明に関連する、固体および液体の混合物を処理するための実験的装置を示す。
【0034】
図2は図1の実施形態の一部の詳細図を示す。
【0035】
図3は、本発明に関連する、超音波分解の影響の下での土壌スラリー内のピレンの分解に関する実験結果を示す。
【0036】
図4は、本発明に関連する、超音波分解の影響の下での、異なるスラリー固体比におけるテトラクロロナフタレンの分解に関する実験結果を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
例示の方法は、キャビテーションによって、次いで所定の生物学的種を処理される混合物内部に導入して望ましい生物学的結果を与える段階によって、固体または液体のどちらかに関連付けられる少なくとも一部の汚染物質を分解するための固体−液体混合物の処理に関して述べられるだろう。
【0038】
そのような方法において、混合物は濃いスラリー形態またはペースト状でさえあってよいが、処理される混合物は通常液体中に懸濁される粒子状固体、例えば固体が約5%から50%w/wの範囲である、からなる。キャビテーション段階は、固体の孔内部に、または固体粒子の外側表面上部に吸着された、または溶解種として汚染物質が液体の中にのみ存在してよい、汚染物質を分解するために操作可能である。キャビテーションの効果は、表面の狭い裂け目を開くことによって粒子状の固体に吸収された汚染物質への接近を助けることであると推測されてよい。
【0039】
典型的に、興味ある汚染物質は古いプラスチックまたは電気機器からもたらされるポリ塩化ビフェニル(PCB)化合物またはポリ臭化ビフェニル(PBB)、または炭化水素ガス処理プロセスからの副生成物である多環式芳香族炭化水素(PAH)副生成物である。研究される他の汚染物質は、有機リン酸(OP)、有機塩化物、カルバリル、合成ピレスロイドまたはエンドサルファンなどの農薬および殺虫薬、ならびにとりわけチオベンカルブおよびモリネートなどの除草剤を含む。
【0040】
実験的手順は混合物をキャビテーション下に置く段階を含み、汚染物質の少なくとも一部は化学的に分解される。他のキャビテーションプロセス、例えば高せん断混合、が使用されてもよいが、一つの好ましい実施形態ではキャビテーションは超音波を用いて実施される。
【0041】
用いられた実験装置が図1および2に示される。Misonix XL−2020 Sonicator(細胞破壊器)3が使用され、電源1によって電源が供給され、直径12.5mmの、高強度超音波ホーンチップ4を備え、20kHzの振動数で、電力が最高約160W供給される。使用される電力は、電力メータ2によって測定された。圧電性トランスデューサ3およびチップ4は円形断面を有する細長いガラスチューブリアクタ5の最上端に接続された。固体スラリーは蠕動ポンプおよびコントローラ6を用いて閉回路を通じて注入された。超音波チップの下に位置する領域(矢印5が示す)は、反応領域と呼ばれ、キャビテーション活性が最大となる。
【0042】
図2を参照すると、リアクタ5は、その全長さにわたって、および反応領域にわたって、均一なスラリーの流れを確実にするように設計され、基部において入口10を通過して、反応領域を通じて上方にホーンチップ4に向かって、スラリーがリアクタ5内部に流れ、その後側面の出口12を通ってリアクタ5の外に流れる。
【0043】
図2を参照すると、リアクタの下方の部分5Aは、チップ4を収容するリアクタの上方の部分5Bと比較して狭い内部直径を有した。チップ4が上方の部分5B内に配置されるとき、スラリーがそれを通って通過することができるチップ4周囲の環状断面積は、リアクタ5の下方の部分5Aの断面積とほぼ同じである。
【0044】
図1および2に示される装置を用いるとき、発明者は100W/cmを越える強度の超音波のパワーを供給することができ、それは160W/cm程度に達することがあった。最高10kW/L、さらに通常は約4kW/Lまで、単位体積あたりの超音波パワーを供給するように装置は操作されることができた。
【0045】
汚染された固体材料はリアクタ5内で様々な有効滞留時間超音波にさらされた。コントロールサンプル(超音波処理されていない)は3分間システムを通って再循環された。各々の選択された滞留時間の最後において、サンプルはテフロン(登録商標)またはポリテトラフルオロエテン(PTFE)隔壁を有して配列されたガラスチューブ内に収集され、化学的分析を行なうまで4℃で保存された。サンプルの化学分析はSeries 5970質量選択検出器およびmodel 7683 オートサンプラーに接続されたAgilent 6890 Series II ガスクロマトグラフを用いて実行された。GC/MSはそれ自身のシステムソフトウェア、MSD ChemStation、およびNIST(米国標準技術局)質量スペクトルライブラリの機能を有した。
【0046】
用いられる通常の実験手順は選択された例示に関連して記述されるだろう。この検討で使用される土はオーストラリア、シドニーの砂土であった。その粒子サイズ分布は93.5%の粗粒砂(1180〜212μm)、4.52%微粒砂(212〜53μm)および1.98%のシルトおよび粘土(<53μm)であった。土は空気乾燥され、ふるい(2mmメッシュふるい)によって粗く砕かれた。乾燥された土は次いでピレン、4員環PAH(Sigma− Aldrich Chemical Company)で人為的に汚染された。この化合物はアセトン溶液として添加され、蒸発のための時間を与えられ、その後最終的なピレン濃度は400mgKg−1であった。土は脱イオン水で作られたスラリー(固体分10重量%)として超音波システムに導入された。
【0047】
超音波処理の前および後の土サンプルのGC/MS分析は、汚染物質の破壊速度が迅速であることを明らかに示し、5分間超音波に曝すことによって初期のピレンの86%を破壊した(図3)。試験結果は、超音波処理が、超音波処理の後にバイオレメディエーション段階を組み合わせて実施する可能性を脅かすかもしれない毒性の代謝産物(または中間物質)を全く生成しないことを示した
【0048】
超音波の影響の下で、蒸気泡の形成(溶解された気体から形成されるものとは異なる)は、液体中の応力(超音波の膨張サイクルの間生成された負の圧力に起因する)が液体の引張強度を超えるとき、起こる。蒸気泡は液体中または固体−液体境界(例えば、粒子懸濁液内の固体表面において、またはベッセルの壁において)において形成することができる。エネルギーの大部分は蒸気泡のキャビテーション崩壊で開放される。固体表面において、または近傍で、泡の崩壊の仕方はその表面に向かう高速度噴流の形態を取る。この効果によって、粒子表面における物理化学的変化を実施することができる。
【0049】
泡の崩壊における局所的な高温(5000Kまで)によって、PAH、PCBおよびその他上述した全ての物質などの汚染物質を分解することができる。スラリー処理方法の有利な点の一つは、分解生成物が、PCBまたはPBBの再形成、または代謝産物およびダイオキシンなどの望ましくない副反応生成物の形成を回避するバルク流体の温度(例えば、50℃)に迅速に冷却されることである。
【0050】
超音波処理された土壌サンプルはその後ピレンの生物学的分解を受けた。これは幾つかのコントロールサンプルの例から得られた結果と比較された。同様に作製された土壌サンプル(10g)は100μLのアセトン溶液とともに250ミリリットルの三角フラスコに入れられ、72時間均質化された。滅菌された無機塩溶液が、最終的な体積が100mLになるように同様に添加された。平衡時間の後、土壌スラリーはピレン分解菌株(Mycobacterium gilvum VM552)を植え付けられ、ピレンの生物学的処理は14COの生成を測定し、バイオレメディエーションの後の土壌内のピレンの残留レベルを監視することによって決定された。有効な酸素の存在下における長時間にわたる実験(数ヶ月を超える)によって、生物学的分解が起こったとき、ピレンの残留量が低減することが示された。植え付けられたバクテリアはサンプル内で繁殖し、ピレンをゆっくりと非常に低いレベルへと消費して汚染物質を土壌からほぼ完全に除去した。
【0051】
全プロセスに関して、初期の超音波処理は処理時間を大きく低減し、効率および、超音波処理の効率が平坦になり始めるときの点において、バイオレメディエーションの段階は「研磨(polish)」段階として続いた。
【0052】
同様の手順を用いたさらなる実験において、塩素化された炭化水素殺虫剤エンドサルファンが土サンプルに添加され、最終濃度は200mgKg−1であった。土は超音波システム内に導入され、2分間超音波処理され初期に存在する量の約80%を破壊した。超音波処理の後バイオレメディエーションが行なわれ、農薬は非常に低いレベルまでゆっくり消費された。超音波処理による80%のエンドサルファンの除去は、この殺虫剤の激しい毒性が、バイオレメディエーションが実用的および効果的となるまで、大きく低減されることを示した。実際、存在する農薬の量をそのように大きく低減するとともに、発明者は、この場合、ファイトレメディエーションが第2の段階として実施可能であってよいと考えている。植物、草などを枯らすであろう、元々存在するエンドサルファン農薬の濃度において、これは通常不可能であるだろう。
【0053】
いくつかのさらなるデータが図4に示され、テトラクロロナフタレンで人為的に汚染された砂のサンプルが、図1および2に示されたリアクタ内の多種多様な有効滞留時間超音波に曝された。超音波処理の前後に取得されたサンプルは速い速度での汚染物質破壊を示した。10分間の超音波への曝露は初期のテトラクロロナフタレンの82から95%を破壊した(図4)。特に、これらの試験は、最も迅速な汚染物質の低減および超音波による全汚染物質の最大の破壊が固体の重量比が最も低い(パルプ濃度が最も低い)固体−液体スラリーを用いて達成されることを一般的に示した。これは、後続のバイオレメディエーション剤を導入する段階よりも前に、パルプ濃度が最も低い範囲であるスラリーを超音波処理することが操作上より効率的である可能性を示す。
【0054】
この方法で使用される装置の代替的な実施形態において、汚染されたスラリーのサンプルはバッフル付タンクなどの混合ベッセル内のインペラーまたは同様の攪拌装置によって混合され、スラリーが実質的に懸濁されるようにされてよく、ならびに洗浄または露出された固体表面が、アブレーションなどによって、清浄にされてよい。十分な強度で、そのような攪拌はスラリー中でキャビテーションを生成することができる。攪拌は混合物における粒子表面の外部キャビテーションソースに対する露出を最大化できる。固体−液体混合物はキャビテーションの適用と同時に、または別個の段階として攪拌されることもできる。キャビテーションソースは典型的には任意の適切な装置からの超音波であり、前記装置は十分なパワーおよび強度の音波を運ぶために使用されることができ、典型的には超音波バス、プレート、プローブソース、またはセルまたは他のチャンバを通る流れである。
【0055】
他の実施形態では、処理を実行する混合物は攪拌の間空気または酸素含有ガスをバブリングまたはランシングすることによって空気に曝されてよい。理想的にはこの空気の導入は、液体−固体混合物内部への生物学的種の導入の前または後に行なわれ、微生物の成長は最適化されてよい。酸素を豊富に供給することによって、使用できる酸素の競合を排除することができ、生物学的種の成長速度が阻害されないようにする。他の適切な攪拌および酸素供給装置、例えばJamesonTMcell、WemcoTMcellなどの浮選セル、は鉱物加工産業において利用される。
【0056】
発明者によって行なわれた実験は、中性の基質として各々土(土壌改良プロセスを模倣)または砂を含んでいる。通常土壌改良プロセスにおいて、ある程度の鉱物および/または有機物質も存在し、土は、シリカ(砂)、粘土、炭素質の材料、活性化炭素、または炭酸カルシウム、ならびに土壌中の有機物質および腐植材料などの堆積物など、一つまたは複数の材料の混合物を含む可能性がある。
【0057】
通常の状況において、PAH、PCBなどの比較的不可溶性の汚染物質などは固体粒子上に吸収され、および汚染物質の化学的分解は固体粒子の表面において、または近傍で起こる。処理プロセスのキャビテーション段階は、汚染された固体粒子を、液体相と比較したとき汚染物質の濃度が最大であるその表面において最も効率的に処理することができる。
【0058】
ある状況において、PAHまたはPCBなどは汚染されたスラリー中の液体部分に最初に配置されてよい。ある状況では、例えば農薬を含む液体が固体粒子と接触させられてよいことが考えられる。どちらの場合も、キャビテーションの前の攪拌段階が使用されてよく、その間液相中の汚染物質は固体粒子上に吸着されてよい。液体から固体上に吸収されると、キャビテーションを受ける汚染物質の分解の効果は増加する。
【0059】
基質の多孔性も、表面(または表面近傍)反応に使われる汚染物質の量に影響する可能性がある。活性化炭素または炭などの非常に吸着性のまたは多孔性の基質は大量の汚染物質を吸着し、この材料を反応のための表面において使用できるようにすることができる。
【0060】
固体基質の役割は、存在する固体材料に依存して、汚染物質の分解を触媒することであってもよい。この目的のために触媒固体材料を供給スラリーまたはパルプ内部に導入することが可能である。周知の高温触媒基質材料は、例えば、二酸化チタン、酸化バナジウム、酸化クロムおよび酸化タングステンを含んでよいが、これは網羅的な列記ではない。
【0061】
このようにキャビテーション段階は汚染された液体および固体混合物を処理することができ、汚染物質の濃度を生物学的または化学的処理方法(例えば、生物学的分解)が適切に機能することができるようなレベルまで低減する。したがって、そのような二重の処理の組み合わせによって、汚染物質の濃度を極端に低いレベルまで低減することができる。キャビテーション段階が終わって、例えば農薬の大部分が分解されると、生物学的種が固体−液体混合物内部に導入されてよい。代替的に、もしも生物学的処理が高濃度の汚染物質が存在する混合物に直接適用された場合、生物学的処理の反応動力学が一般的に遅いために、バイオレメディエーション段階は完全には機能せず、または適正な時間では効果を発揮しない可能性がある。さらに、PAH−汚染土壌内の最も分子量が高い汚染物質は、一般的に生物学的処理によって完全には除去されず、一方で本発明の発明者はこれらの汚染物質が超音波を用いるキャビテーションにおいて最初に分解されることを見出した。
【0062】
酵素は低濃度の有機リン酸農薬を分解できることが知られている。これらの酵素は、超音波処理された混合物に対して通常の程度の有効さを有して用いられてよく、もしもキャビテーションに供給される、より高度に汚染された混合物に対して用いられた場合、別の方法では不可能である可能性がある。望ましい生物学的結果は農薬の実質的な分解である。例えば、農薬の初期濃度50ppmは超音波処理の後10ppmまで80%低減されてよいが、酵素を用いたバイオレメディエーションの後1ppmまでさらに90%低減され得る。したがって、本発明の二段階プロセスは、初期の農薬濃度を全部で98%相乗的に低減することができ、どちらのプロセス段階も単独では完全に有効ではないと思われる。
【0063】
例えば高レベルのPAHで汚染された固体−液体混合物において、キャビテーションによってもたらされるPAH濃度の低減の後、白色腐朽菌(white rot fungi)において見出されたリグニン分解酵素を周知の如く使用することによって、低濃度の、アントラセン、ベンゾピレンなどのPAHの酸化を引き起こすことができる。PAHの酸化生成物は細菌の攻撃に対してよりバイオアベイラブルである。この場合の望ましい生物学的結果はPAHの大部分の連続的な菌類−細菌性(fungal−bacterial)化学的分解の促進である。
【0064】
担子菌はハロメタンの酸化脱塩素における使用が見出され、ダイオキシンおよびPCBなどの、他の塩素化された汚染物質を分解するために使用されてよい。また、これらの種は低濃度の汚染物質を有する供給材料に作用することのみ知られており、多量のPCBを分解するための事前のキャビテーション段階は全体的な分解結果を改善するだろう。
【0065】
異なるタイプの複数の汚染物質が存在する固体−液体混合物において、高濃度の一つの汚染物質のキャビテーションによる迅速な除去(その存在は、別の方法で、他の汚染物質のバイオレメディエーションの作用を妨害している可能性がある)は、他の方法によっては達成されることができないであろう、特定の生物学的結果をもたらすことができる。例えば、牛ダニディップサイト(cattle tick dip sites)は農薬(DDTなど)および重金属(砒素など)で汚染されている可能性がある。砒素のファイトレメディエーションに関する技術が、それらの成長の間砒素を吸収するため特に開発された低木および草の使用を含んで知られている(例えばベントグラスの葉の中のジメチルアルセニドとして、またはシロバナルーピン若しくはワラビを用いて)一方で、DDT農薬の存在はこれらの植物に致命的である。まず処理できるレベルまでDDTを分解するためにキャビテーションを用いることによって、ファイトレメディエーションは継続することができる。これらの牛ダニディップサイトの幾つかにおいて、土壌粒子状物質の汚染のレベルはDDT10重量%までのどこかであり、もちろん生物相および砒素含有植物生命体は最初にDDTのかなりの分解が起こらなくては生存することができない。
【0066】
前記方法は、「汚染物質」が有効な生物学的種に対して別のやり方で優性のまたは捕食性の不要なバクテリアなどの生物学的種であり得る場合、固体−液体混合物内の汚染物質を処理するために使用されてもよい。生物学的分解を支配する主な因子の一つは、自生の微生物群のサイズである。原生動物はバクテリアを食べ、それによって微生物群および生物学的分解の有効性に大きく影響することで知られている。物質の分解に関するバクテリアの正確な選択がなされたとしても、バクテリアが配置される局所的な環境が、そのバクテリアに都合の悪いものである可能性があり、起こり得る任意のバイオレメディエーションの有効性を低減する。発明者による観察は、キャビテーションによる初期の処理が殺生物剤として作用することによって、混合物中に存在する全てのバクテリア、原生動物および他の微生物および有機体を効果的に分解または破壊することができることを示した。これは、好ましい酵素またはバクテリアなど、混合物中の望ましくない物質の分解の対象とされる多くの有機体または生物学的種を有する処理される混合物の保存の選択性の選択肢を提供する。このように、好ましい酵素は、捕食性の種からの競合なしに混合物中にそれら自身を定着させることができる。最終生成物における酵素およびミクロ有機体のそのような選択も、例えば土壌など、専門的農業または農耕での使用に関して、生成物を調整するために使用されてよい。
【0067】
例えばPAHで汚染された固体−液体混合物に適用可能なこの種の技術だけではなく、セレンなど重金属で汚染された土壌を処理することにも用途を見出すことができる。選択された有機体はそれらの通常の代謝の一部としてセレンを取り込み、消化することができるので、セレン消費バクテリアを導入する前に捕食性の有機体を除くための事前の超音波の使用は有効である。
【0068】
本発明の方法は、炭疽、狂牛病および類似のものなど、動物性の病気からの改良を必要とする土壌の処理にも用途を見出すことができる。病原体または細菌材料を殺すために病源有機体がキャビテーションで処理されると、有効な生物学的薬剤が土壌を再度有用にするために添加されてよい。
【0069】
おそらく、本発明の方法は、長期の間PAH、PCBおよび類似のもので汚染されてきた池、川床または港湾で、インサイチュの現場での改良用途に使用されてよい。供給混合物の汚染物質の濃度に依存して、バイオレメディエーションの単独処理は、非常に遅い作業であるだろう。本発明は、組み合わせによってのみ達成できる汚染レベルに達するために、キャビテーション段階、およびその後のバイオレメディエーションまたはファイトレメディエーション段階を用いることによって汚染濃度レベルの迅速な低減の代替物を提案する。
【0070】
前記処理プロセスの他の有利な点の幾つかは以下を含むが、しかしこれらに制限はされない。(i)別のやり方で、後続のファイトレメディエーション段階に含まれる植物にとって、または後続のバイオレメディエーション段階に含まれる他の有機体にとって致命的であるかもしれない農薬または他の毒性物質を分解するためのキャビテーション段階の使用、(ii)最も有効なまたは望ましいバイオレメディエーション酵素またはバクテリアを選ぶことの選択性、および捕食性の有機体の殺生物剤がこの薬剤の作用における任意の影響を低減することを保証することの選択性、および(iii)現場またはその近傍で二段階法を実施することで汚染された材料が離れた処理施設へ長距離移動すること、およびそのような操作に固有のコストおよびリスクを回避する性能。
【0071】
本発明は幾つかの好ましい実施形態を参照して記述されたけれども、本発明は他の多くの形態をとり得ることは理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】混合物をキャビテーションに曝露する段階に関して、本発明に関連する、固体および液体の混合物を処理するための実験的装置を示す。
【図2】図1の実施形態の一部の詳細図を示す。
【図3】本発明に関連する、超音波分解の影響の下での土壌スラリー内のピレンの分解に関する実験結果を示す。
【図4】本発明に関連する、超音波分解の影響の下での、異なるスラリー固体比におけるテトラクロロナフタレンの分解に関する実験結果を示す。
【符号の説明】
【0073】
1 電源
2 電力メータ
3 圧電性トランスデューサ
4 チップ
5 リアクタ
6 コントローラ
10 入口
12 出口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
混合物にキャビテーションを起こして、汚染物質の少なくとも一部が化学的に分解される段階、
および、次いで、
所定の生物学的種を処理される混合物内部に導入して、所望される生物学的結果を与える段階、を含む、汚染物質を含有する固体および液体の混合物を処理する方法。
【請求項2】
前記キャビテーションが超音波によってもたらされる、請求項1に記載の混合物を処理する方法。
【請求項3】
前記生物学的結果がバイオレメディエーション段階またはファイトレメディエーション段階のうち少なくとも一つである、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
生物学的種の導入の前または後のどちらかにおいて、前記混合物に通気または酸素添加する段階をさらに含む、請求項1から3の何れか一項に記載の混合物を処理する方法。
【請求項5】
固体および液体を混合する段階をさらに含み、それによって前記固体は実質的に前記液体中に懸濁され、前記混合物のキャビテーションに対する曝露を増加する、請求項1から4の何れか一項に記載の混合物を処理する方法。
【請求項6】
前記混合物にキャビテーションを起こす段階によって、所定の生物学的種に関する強い毒性レベルよりも低いレベルに汚染物質を分解することができる、請求項1から5の何れか一項に記載の混合物を処理する方法。
【請求項7】
前記混合物にキャビテーションを起こす段階の前に、処理される混合物内部に所定の生物学的種を導入する段階が実施される、請求項1から6の何れか一項に記載の混合物を処理する方法。
【請求項8】
前記固体が鉱物および/または有機物質を含む、請求項1から7の何れか一項に記載の混合物を処理する方法。
【請求項9】
前記固体が、シリカ、粘土、炭素材料、活性化炭素または炭酸カルシウムなど、一つまたは複数の材料を含む、請求項1から8の何れか一項に記載の混合物を処理する方法。
【請求項10】
前記固体の少なくともある程度は汚染物質を化学的に分解する触媒として働く、請求項1から9の何れか一項に記載の混合物を処理する方法。
【請求項11】
前記汚染物質は前記固体と結合され、前記汚染物質の化学的分解は固体の表面で、または表面近くで起こる、請求項1から10の何れか一項に記載の混合物を処理する方法。
【請求項12】
前記汚染物質は初期には液体内に存在し、キャビテーションよりも前の段階で固体上部に吸着される、請求項1から11の何れか一項に記載の混合物を処理する方法。
【請求項13】
請求項1から12の何れか一項に記載の混合物を処理する方法において、請求項2に従属するとき使用される超音波パワーの強度が1平方センチメートルあたり100ワットを超える、混合物を処理する方法。
【請求項14】
請求項1から13の何れか一項に記載の混合物を処理する方法において、請求項2に従属するとき使用される単位体積あたりの超音波パワーは1リットルあたり約4から10キロワットの範囲である、混合物を処理する方法。
【請求項15】
第1の断面積を有する第1の部分、および
キャビテーションソースが設置でき、前記ソースに隣接する第2の断面積を画定する第2の部分、を含み、
使用において前記第1の断面積が実質的に前記第2の断面積と同じであるように前記第1および第2の部分が配置される、キャビテーションソースを収容するのに使用するため適合されたキャビテーション装置。
【請求項16】
前記第2の断面積が前記キャビテーションソースの周囲で環状である、請求項15に記載のキャビテーション装置。
【請求項17】
前記キャビテーションソースが超音波プローブである、請求項15または16に記載のキャビテーション装置。
【請求項18】
前記装置は、前記第1の部分を、次いで前記第2の部分を通じて、流体流の経路に対して配列される、請求項15から17の何れか一項に記載のキャビテーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2009−511265(P2009−511265A)
【公表日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−535850(P2008−535850)
【出願日】平成18年10月20日(2006.10.20)
【国際出願番号】PCT/AU2006/001558
【国際公開番号】WO2007/045042
【国際公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【出願人】(305039998)コモンウェルス サイエンティフィック アンド インダストリアル リサーチ オーガニゼイション (92)
【Fターム(参考)】