説明

固体撮像装置とその製造方法、及び電子機器

【課題】固体撮像装置において、画素が微細化してもセルフアラインで形成でき、かつ読み出し特性の改善つまり残像の抑制と、白点発生の抑制とを両立化を図る。
【解決手段】単位画素のフォトダイオード領域に、素子分離領域を介さずに形成され且つpn接合領域部(24、25)、(27,28)の不純物濃度が異なる複数のフォトダイオードPD1、PD2を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体撮像装置とその製造方法、及びこの固体撮像装置を備えたカメラ等の電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
固体撮像装置として、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等のMOS型イメージセンサに代表される増幅型固体撮像装置が知られている。また、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサに代表される電荷転送型固体撮像装置が知られている。これら固体撮像装置は、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラなどに広く用いられている。近年、カメラ付き携帯電話やPDF(Personal Digital Assistant)などのモバイル機器に搭載される固体撮像装置としては、電源電圧が低く、消費電力の観点などからMOS型イメージセンサが多く用いられている。
【0003】
MOS型の固体撮像装置は、単位画素が光電変換部となるフォトダイオードと複数の画素トランジスタで形成され、この複数の単位画素が2次元アレイ状に配列された画素部(撮像領域)と、周辺回路領域を有して構成される。複数の画素トランジスタは、MOSトランジスタで形成され、転送トランジスタ、リセットトランジスタ、増幅とトランジスタの3トランジスタ、あるいは選択トランジスタを加えた4トランジスタで構成される。
【0004】
図14に、従来、一般的なMOS型の固体撮像装置101の画素102の電荷読み出し部分の要部を示す。画素102では、例えばn型の半導体基板103にp型の半導体ウェル領域104が形成される。このp型半導体ウェル領域104に光電変換部となるフォトダイオード105と、フォトダイオード5の信号電荷が読み出されるn型半導体領域によるフローティングディフージョン部108が形成される。このフォトダイオード105及びフローティングディフージョン部108との間にゲート絶縁膜109を介して転送ゲート電極111を形成してなる転送トランジスタTr1が形成され、ここに電荷読み出し部分が構成される。
【0005】
フォトダイオード105は、信号電荷を蓄積する電荷蓄積領域となるn型半導体領域106と、その表面の界面部分に形成したホールアキュミュレーション層を兼ねるp型半導体領域107とを有した埋め込み型フォトダイオードとして構成される。このp型半導体層107を以下、正孔電荷蓄積層という。正孔電荷蓄積領域107は、暗電流を抑制するためのもので、比較的に高濃度のp+領域で形成される。電荷蓄積領域となるn型半導体領域106も比較的に高濃度のn+領域で形成される。なお、n型半導体領域106下に連続して所要深さにわたって、比較的に低濃度のn型半導体領域(n−−領域)110が形成される。D1は、基板表面からn型半導体領域110の底部までの距離を示す。このn−−領域110とn+領域106でフォトダイオード5のn型領域が構成される。転送トランジスタTr1における転送ゲート電極111の側部には、2層構造の絶縁膜によるサイドウォール112が形成される。
【0006】
フォトダイオード105では、電荷蓄積領域となるn型半導体領域106が転送ゲート電極111に一部重なるように形成され、正孔電荷蓄積領域107が転送ゲート電極111から少し離れたオフセット状態で形成される。これは、n型半導体領域106に蓄積された信号電荷の読み出し特性を良好にするためである。例えば正孔電荷蓄積領域107を転送ゲート電極111に近づけて形成した場合、正孔電荷蓄積領域107の電位が基準電位に固定されている為、電荷読み出し時にn型半導体領域107の転送ゲート端近傍の電位が変調され難くなり、信号電荷が読み出し難くなる。すなわち、正孔電荷蓄積領域107がゲート電極111に近づくと、転送トランジスタTr1のゲート電圧(読み出し電圧)Vtgが高くなり、読み出し難くなる。正孔電荷蓄積領域107をゲート電極111から離すことにより、n型半導体領域106の転送ゲート端近傍の電位が変調して、フォトダイオード105の信号電荷が読み出し易くなる。
【0007】
フォトダイオードにおいて、正孔電荷蓄積領域をゲート電極から少し離してオフセット状態で形成するようにした固体撮像装置は、特許文献1,2等において開示されている。また、電荷蓄積領域となるn型半導体領域を、正孔電荷蓄積領域を兼ねるp型半導体領域より天道ゲート部側に延長させた固体撮像装置も特許文献3に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008−21925号公報
【特許文献2】再公表W02003/096421号公報
【特許文献3】特開平11−274457号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述の図14で示すMOS型の固体撮像装置101においては、フォトダイオード105における正孔電荷蓄積領域107を転送ゲート電極111からサイドウォール112の距離だけ離して形成しているので、信号電荷を読み出し易くしている。すなわち、残像の発生が抑制される。しかし、正孔電荷蓄積領域107がオフセット状態で形成され、サイドウォール112直下に形成されていないため、サイドウォール112とシリコン表面との界面での電荷(電子)の湧き出しによる白点が発生し易くなる。つまり、残像を抑制すると、白点が発生し易くなり、白点を抑制すると残像が発生し易くなり、この残像と白点は所謂トレードオフの関係になっている。
【0010】
従来、図14で示す埋め込み型のフォトダイオード105は、セルフアラインで作られていた。先ず、転送ゲート電極111を形成した後に、イオン注入でn型半導体領域106を形成し、次に、サイドウォール112を形成した後に、正孔電荷蓄積領域107を形成していた。一方、チャネル領域に閾値電圧Vth調整用の濃度の薄いボロン注入がマスクを介して行われていた。
このボロン注入はマスクを介して行われていたため、マスクの重ね合わせずれを起こし、転送ゲート部のエッジ部近傍の不純物濃度プロファイルがばらつき、信号電荷の読み出し特性、あるいは信号電荷の保持特性のばらつきを増大させていた。
【0011】
また、電荷蓄積領域となるn型半導体領域106の形成に際し、図15に示すように、従来はイオン注入の飛程距離(濃度分布のピーク位置)Rpの深さD2を、ゲート絶縁膜を含めた転送ゲート電極111の膜厚D3より大きく設定されていた(D2>D3)。理由は、n型半導体領域106を浅く形成すると表面側の正孔電荷蓄積領域107とオバーラップして正孔電荷蓄積領域107の濃度、あるいはn型半導体領域106の濃度が薄まるのを避けるべく、飛程距離Rpを深くしているためである。
【0012】
n型半導体領域6を形成するときのイオン注入では、転送ゲート電極111に一部重なるように他部をレジストマスク114で被覆して行われる。上記の転送ゲート電極111の膜厚D3とイオン注入のRpの深さD2の関係から、n型不純物115をセルフアラインで注入すると、n型不純物115が転送ゲート電極111を突き抜けてしまう。このため、転送ゲート電極直下のチャネル表面に濃い濃度のn型領域が形成される。これを避けるために、図16に示すように、転送ゲート電極111のパターニングで用いたレジストマスク116を残し、さらにその上に上記のレジストマスク114を形成し、二重レジスト膜を用いて,n型不純物115をイオン注入することも行われている。
【0013】
ところで、近年、更なる画素の微細化が進んできて、ゲート電極の膜厚が薄くなってきている。つまり、微細なパターニング加工の必要からゲート電極の膜厚が薄くなり、併せてレジスト膜厚も薄くなる。このため、上述した二重レジスト膜によるn型不純物のイオン注入が出来なくなり、セルフアラインによるフォトダイオードの形成ができない傾向になってきている。画素を微細化して行くと、ちょっとした寸法のずれが特性のずれになる。
【0014】
本発明は、上述の点に鑑み、画素が微細化してもセルフアラインで形成でき、かつ読み出し特性の改善つまり残像の抑制と、白点発生の抑制とを両立できるようにした、固体撮像装置とその製造方法を提供するものである。
また、本発明は、かかる固体撮像装置を備えた電子機器を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明に係る固体撮像装置は、単位画素のフォトダイオード領域に、素子分離領域を介さずに形成され且つpn接合領域部の不純物濃度が異なる複数のフォトダイオードを有する。
【0016】
本発明の固体撮像装置では、単位画素のフォトダイオード領域に、pn接合領域部の不純物濃度が異なる複数のフォトダイオードを有するので、転送ゲート電極側の低不純物濃度のフォトダイオードによって電界強度が緩和される。この電界強度の緩和で、転送ゲート電極に読み出し電圧を印加したとき、フォトダイオードの転送ゲート電極の端部近傍下の電位が変調し易くなり、信号電荷が読み出し易くなる。また、転送ゲート電極のサイドウォール下では、低不純物濃度のフォトダイオードのpn接合を形成する一方の半導体領域により基板界面からの電荷湧き出しが抑制される。これら複数のフォトダイオードは、転送ゲート電極又は/及びサイドウォールをマスクとしたイオン注入により、セルフアラインで形成することができる。
【0017】
本発明に係る固体撮像装置の製造方法は、単位画素のフォトダイオードを形成すべき領域に、転送ゲート電極をマスクに不純物をイオン注入して基板表面の第2導電型半導体領域と、これより深い第1導電型半導体領域を形成する工程を有する。この工程は、埋め込み型の第2のフォトダイオードを形成する工程となる。次に、転送ゲート電極にサイドウォールを形成し、前記転送ゲート電極及びサイドウォールをマスクに不純物をイオン注入して不純物濃度を高めた、基板表面の第2導電型半導体領域と、これより深い第1導電型半導体領域を形成する工程を有する。この工程は、埋め込み型の第1のフォトダイオードを形成する工程となる。
【0018】
本発明の固体撮像装置の製造方法では、転送ゲート電極をマスクにして不純物をイオン注入で第2のフォトダイオードを形成する。次に、転送ゲート電極の側部にサイドウォールを形成した後、サイドウォール及び転送ゲート電極をマスクにして不純物をイオン注入で第1のフォトダイオードを形成する。この工程を有することにより、サイドウォール下に低不純物濃度のpn接合領域部を有する第2のフォトダイオードがセルフアラインで形成される。また、サイドウォールの端縁より外側に高不純物濃度のpn接合領域部を有する第1のフォトダイオードがセルフアラインで形成される。
【0019】
本発明に係る固体撮像装置の製造方法は、単位画素のフォトダイオードを形成すべき領域に、素子分離領域を介さずに形成され且つpn接合領域部の不純物濃度が異なる複数のフォトダイオードを形成する工程を有する。この工程では、転送ゲート電極及び/又は転送ゲート電極のサイドウォールをマスクにした、斜めイオン注入及び垂直イオン注入による複数段のイオン注入を行う。
【0020】
本発明の固体撮像装置の製造方法では、転送ゲート電極及び/又は転送ゲート電極のサイドウォールをマスクにした、斜めイオン注入及び垂直イオン注入による複数段のイオン注入を行う。この工程を有することにより、-転送ゲート電極下の一部、サイドウォール下及びサイドウォールの外側を含む領域にわたり、転送ゲート電極側に向かって不純物濃度が低くなる複数のフォトダイオードがセルフアラインで形成される。
【0021】
本発明に係る電子機器は、 固体撮像装置と、固体撮像装置のフォトダイオードに入射光を導く光学系と、固体撮像装置の出力信号を処理する信号処理回路を備える。固体撮像装置は、単位画素のフォトダイオード領域に、素子分離領域を介さずに形成され且つpn接合領域部の不純物濃度が異なる複数のフォトダイオードを有する。
【0022】
本発明の電子機器では、上記本発明の固体撮像装置を備えるので、フォトダイオードからの信号電荷の読み出しが容易になり、白点の発生が抑制される。
【発明の効果】
【0023】
本発明に係る固体撮像装置によれば、画素が微細化してもセルフアラインで形成でき、かつ読み出し特性の改善つまり残像の抑制と、白点発生の抑制とを両立した、固体撮像装置を提供することができる。
【0024】
本発明に係る固体撮像装置の製造方法によれば、画素が微細化してもセルフアラインで形成でき、かつ読み出し特性の改善つまり残像の抑制と、白点発生の抑制とを両立した、固体撮像装置を製造することができる。
【0025】
本発明に係る電子機器によれば、本発明の固体撮像装置を備えることにより、残像と白点発生の抑制を両立させることができる。従って、高品質の電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の各実施の形態に適用される固体撮像装置の一例を示す概略構成図である。
【図2】本発明に係る固体撮像装置の第1実施の形態を示す要部の概略断面図である。
【図3】A〜C 第1実施の形態の固体撮像装置の製造方法を示す製造工程図(その1)である。
【図4】第1実施の形態の固体撮像装置の製造方法を示す製造工程図(その2)である。
【図5】本発明に係る固体撮像装置の第2実施の形態を示す要部の概略断面図である。
【図6】本発明に係る固体撮像装置の第3実施の形態を示す要部の概略断面図である。
【図7】本発明に係る固体撮像装置の第4実施の形態を示す要部の概略断面図である。
【図8】A〜C 第4実施の形態の固体撮像装置の製造方法を示す製造工程図(その1)である。
【図9】D〜E 第4実施の形態の固体撮像装置の製造方法を示す製造工程図(その2)である。
【図10】本発明に係る固体撮像装置の第5実施の形態を示す要部の概略断面図である。
【図11】本発明に係る固体撮像装置の第6実施の形態を示す要部の概略断面図である。
【図12】本発明に係る固体撮像装置の第7実施の形態を示す要部の概略断面図である。
【図13】本発明の第8実施の形態に係る電子機器の概略構成図である。
【図14】従来の固体撮像素子の例を示す要部の断面図である。
【図15】従来の固体撮像装置の説明に供するイオン注入の説明図である。
【図16】従来の固体撮像装置の説明に供するイオン注入の他の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、発明を実施するための最良の形態(以下実施の形態とする)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.MOS固体撮像装置の概略構成例
2.第1実施の形態(固体撮像装置の構成例とその製造方法の例)
3.第2実施の形態(固体撮像装置の構成例)
4.第3実施の形態(固体撮像装置の構成例)
5.第4実施の形態(固体撮像装置の構成例とその製造方法)
6.第5実施の形態(固体撮像装置の構成例)
7.第6実施の形態(固体撮像装置の構成例)
8.第7実施の形態(固体撮像装置の構成例)
9.第8実施の形態(電子機器の構成例)
【0028】
<1.MOS固体撮像装置の概略構成例>
図1に、本発明の各実施の形態に適用されるMOS固体撮像装置の一例の概略構成を示す。本例の固体撮像装置1は、図1に示すように、半導体基板11例えばシリコン基板に複数の光電変換素子を含む画素2が規則的に2次元的に配列された画素部(いわゆる撮像領域)3と、周辺回路部とを有して構成される。画素2は、光電変換素子となる例えばフォトダイオードと、複数の画素トランジスタ(いわゆるMOSトランジスタ)を有して成る。複数の画素トランジスタは、例えば転送トランジスタ、リセットトランジスタ及び増幅トランジスタの3つのトランジスタで構成することができる。その他、選択トランジスタ追加して4つのトランジスタで構成することもできる。単位画素の等価回路は通常と同様であるので、詳細説明は省略する。画素2は、1つの単位画素として構成することができる。また、画素2は、共有画素構造とすることもできる。この画素共有構造は、複数のフォトダイオードと、複数の転送トランジスタと、共有する1つのフローティングディフージョンと、共有する1つずつの他の画素トランジスタとから構成される。すなわち、共有画素では、複数の単位画素を構成するフォトダイオード及び転送トランジスタが、他の1つずつの画素トランジスタを共有して構成される。
【0029】
周辺回路部は、垂直駆動回路4と、カラム信号処理回路5と、水平駆動回路6と、出力回路7と、制御回路8などを有して構成される。
【0030】
制御回路8は、入力クロックと、動作モードなどを指令するデータを受け取り、また固体撮像装置の内部情報などのデータを出力する。すなわち、制御回路8では、垂直同期信号、水平同期信号及びマスタクロックに基いて、垂直駆動回路4、カラム信号処理回路5及び水平駆動回路6などの動作の基準となるクロック信号や制御信号を生成する。そして、これらの信号を垂直駆動回路4、カラム信号処理回路5及び水平駆動回路6等に入力する。
【0031】
垂直駆動回路4は、例えばシフトレジスタによって構成され、画素駆動配線を選択し、選択された画素駆動配線に画素を駆動するためのパルスを供給し、行単位で画素を駆動する。すなわち、垂直駆動回路4は、画素領域3の各画素2を行単位で順次垂直方向に選択走査し、垂直信号線9を通して各画素2の光電変換素子となる例えばフォトダイオードにおいて受光量に応じて生成した信号電荷に基く画素信号をカラム信号処理回路5に供給する。
【0032】
カラム信号処理回路5は、画素2の例えば列ごとに配置されており、1行分の画素2から出力される信号を画素列ごとにノイズ除去などの信号処理を行う。すなわちカラム信号処理回路5は、画素2固有の固定パターンノイズを除去するためのCDSや、信号増幅、AD変換等の信号処理を行う。カラム信号処理回路5の出力段には水平選択スイッチ(図示せず)が水平信号線10との間に接続されて設けられる。
【0033】
水平駆動回路6は、例えばシフトレジスタによって構成され、水平走査パルスを順次出力することによって、カラム信号処理回路5の各々を順番に選択し、カラム信号処理回路5の各々から画素信号を水平信号線10に出力させる。
【0034】
出力回路7は、カラム信号処理回路5の各々から水平信号線10を通して順次に供給される信号に対し、信号処理を行って出力する。例えば、バファリングだけする場合もあるし、黒レベル調整、列ばらつき補正、各種デジタル信号処理などが行われる場合もある。入出力端子12は、外部と信号のやりとりをする。
【0035】
<2.第1実施の形態>
[固体撮像装置の構成例]
図2に、本発明に係る固体撮像装置の第1実施の形態を示す。本実施の形態の固体撮像装置は、MOS固体撮像装置であり、同図はその光電変換素子となるフォトダイオード及び転送トランジスタを含む要部を示す。第1実施の形態に係る固体撮像装置21は、第1導電型、例えばn型の半導体基板(シリコン基板)22に、第2導電型、例えばp型の半導体ウェル領域23が形成された半導体基体を有する。このp型半導体ウェル領域23の各1つの単位画素の領域に、フォトダイオードPDと複数の画素トランジスタ、ここでは代表して転送トランジスタTr1とが形成される。すなわち、各単位画素では、フォトダイオードが形成されるフォトダイオード領域と、複数の画素トランジスタが形成される画素トランジスタ領域を有している。
【0036】
フォトダイオード領域での上記フォトダイオードPDは、素子分離領域に介さずに形成され且つpn接合を形成する半導体領域部(つまりpn接合領域部)の不純物濃度が異なる複数、本例では2つのフォトダイオードPD[PD1,PD2]を有する。フォトダイオードPD1、PD2は、pn接合を有するいわゆる埋め込み型のフォトダイオードとして形成される。第1のフォトダイオードPD1は転送ゲート部から離れて形成され、第2のフォトダイオードPD2は第1のフォトダイオードPD1に連続して転送ゲート部側に形成される。第2のフォトダイオードPD2は、第1のフォトダイオードPD1より低不純物濃度の半導体領域で形成される。
【0037】
第1のフォトダイオードPD1は、主たる電荷蓄積領域となる比較的高濃度の第2導電型半導体領域、例えばn型半導体領域24と、その半導体表面に分布する比較的高濃度のp型半導体領域25とを有して構成される。第2のフォトダイオードPD2は、比較的低不純物濃度のn型半導体領域27と、その半導体表面に分布する比較的低不純物濃度のp型半導体領域28とを有して構成される。第1及び第2のフォトダイオードPD1、PD2を構成する夫々のn型半導体領域24及び27、p型半導体領域25及び28の少なくとも1部が連続して形成される。第1のフォトダイオードPD1では、さらに電荷蓄積領域であるn型半導体領域24下に連続して低不純物濃度のn型半導体領域26が形成される。ここで、基板表面から低不純物濃度のn型半導体領域26の底部までの距離4は、前述のD1と同じ(D4=D1)にすることもできる。
【0038】
高不純物濃度のp型半導体領域25は、暗電流抑制、つまり白点発生を抑制するための正孔電荷蓄積領域を兼ねている。また、低不純物濃度のp型半導体領域28も暗電流抑制、つまり白点発生を抑制するための正孔電荷蓄積領域を兼ねている。
【0039】
転送トランジスタTr1は、フォトダイオードPDのn型半導体領域24,27をソース領域、フローティングディフージョンとなるn型半導体領域29をドレイン領域として、両領域間の基板上にゲート絶縁膜31を介して転送ゲート電極32を形成して構成される。転送ゲート電極32は、例えば不純物、本例ではn型不純物がドープされたポリシリコン膜で形成される。転送ゲート電極32の側部には、絶縁膜によるサイドウォール33が形成される。本例ではサイドウォール33が、シリコン酸化膜34とシリコン窒化膜35の二層構造で形成される。
【0040】
そして、本実施の形態においては、第2のフォトダイオードPD2が転送ゲート電極32をマスクにしたイオン注入で形成され、第1のフォトダイオードPD1がサイドウォール33及び転送ゲート電極32をマスクとしたイオン注入で形成される。第2のフォトダイオードPD2のn型半導体領域27及びp型半導体領域28は、1回目の薄い濃度のイオン注入で形成される。第1のフォトダイオードPD1のn型半導体領域24及びp型半導体領域は、上記1回目の薄い濃度のイオン注入に加えて2回目の薄い濃度のイオン注入の加算で形成される。従って、第1のフォトダイオードPD1は、それぞれ高不純物濃度のn型半導体領域24及びp型半導体領域25を有して形成される。第2のフォトダイオードPD2は、それぞれ低不純物濃度のn型半導体領域27及びp型半導体領域28を有して形成される。
【0041】
さらに、第1及び第2のフォトダイオードPD1、PD2を構成するそれぞれのn型半導体領域24、27、p型半導体領域25、28は、打ち込みエネルギー(以下、加速エネルギーという)を低くしたイオン注入条件で形成される。すなわち、この加速エネルギーは、ゲート絶縁膜31を含んで転送ゲート電極32を突き抜けない低加速エネルギーにしている。さらに、低ドーズ量のイオン注入で上記の各n型半導体領域24,27、各p型半導体領域25,28が形成される。
【0042】
本実施の形態では、低不純物濃度の第2のフォトダイオードPD2が転送ゲート電極32直下の一部からサイドウォール33直下にわたる領域に形成される。本例ではn型領域27がサイドウォール33直下から転送ゲート電極32の端部直下にわたり形成される。また、p型半導体領域28は、サイドウォール33直下の界面に形成される。第1のフォトダイオードPD1は、その高不純物濃度のn型半導体領域24及びp型半導体領域25がサイドウォール33の端縁から外側に形成されて構成される。
【0043】
第1及び第2のフォトダイオードPD1及びPD2においては、本例ではそれぞれのn型半導体領域24,27が同じ深さに形成され、それぞれのp型半導体領域25,28が同じ深さに形成される。
【0044】
第1及び第2のフォトダイオードPD1、PD2は、二層レジスト膜を用いずにセルフアラインにより形成される。後述するように、先ず、転送ゲート電極32を形成した後、転送ゲート電極32をマスクにして低ドーズ量のn型不純物を低い加速エネルギーでイオン注入して浅い領域に低不純物濃度のn型半導体領域27を形成する。次に、同じように転送ゲート電極32をマスクにして低ドーズ量のp型不純物を上記n型不純物のイオン注入よりも低加速エネルギーでイオン注入して基板表面の界面に低不純物濃度のp型半導体領域28を形成する。
【0045】
ここで、n型半導体領域27は,転送ゲート電極32と一部重なるように、所要距離だけ転送ゲート電極32側に延長して形成することが好ましい。このためには、例えば、転送ゲート電極32をマスクにn型不純物を斜めイオン注入して、転送ゲート電極32に重なるn型半導体領域27を形成することができる。あるいは、n型不純物とp型不純物の拡散係数の違いを利用して、イオン注入後の熱処理で、転送ゲート電極32に一部重なるn型半導体領域27を形成することもできる。さらには、n型不純物をイオン注入した後にアニールし、その後にp型不純物をイオン注入することにより、n型半導体領域27が一部転送ゲート電極32と重なるように形成することもできる。
【0046】
さらには、図示しないが、n型不純物とp型不純物の拡散係数の違いを利用して、低不純物濃度のp型半導体領域28をn型半導体領域27よりも延長して転送ゲート電極32と一部重なるように形成することもできる。いずれにしても、セルフアラインで転送ゲート電極32の端部近傍下のn型半導体領域27及びp型半導体領域28の不純物濃度プロファイルを独自にコントロールすることができる。すなわち、転送ゲート電極32の端部近傍下の不純物濃度プロファイルを最適化することができる。画素の微細化に対して有効である。
【0047】
次に、転送ゲート電極32の側部にサイドウォール33を形成した後、サイドウコール33及び転送ゲート電極32をマスクにして、例えば、上記と同じ低ドーズ量、低加速エネルギーでイオン注入する。同様に上記と同じドーズ量、低加速エネルギーでp型不純物をイオン注入する。n型、p型不純物のそれぞれの2回のイオン注入工程では、後述するように、基板表面からイオン注入の飛程距離Rpまでの深さが、ゲート絶縁膜31を含む転送ゲート電極32の膜厚tより小さくなるように低加速エネルギーでイオン注入が行われる。
【0048】
この2回のイオン注入により、サイドウォール33下には低不純物濃度の第2のフォトダイオードPD2が形成され、サイドウォール33の端縁より外側には高不純物濃度の第1のフォトダイオードPD1が形成されることになる。しかも、主たる電荷蓄積領域となる高不純物濃度のn型半導体領域24は、基板表面から従来よりも浅い位置に形成される。すなわち、フォトダイオードにおいて、基板表面からn型半導体領域26の底面までの深さD4(=D1)を一定とすると、図14の従来の場合の電荷蓄積領域6の深さがH2である。これに対して、本実施の形態では、電荷蓄積領域24の深さH1が従来よりも浅くなる(H1<H2)。
【0049】
固体撮像装置21においては、図示しないが、フォトダイオードPD、転送トランジスタTr1を含む複数の画素トランジスタを形成した後、層間絶縁膜を介して複数層の配線を形成した多層配線層が形成される。この多層配線層は、フォトダイオードPDに対応する部分には配線が形成されない。多層配線層上には、平坦化膜を介してオンチップカラーフィルタ、オンチップマイクロレンズが順次形成される。このMOS固体撮像装置21は表面照射型として構成される。
【0050】
第1実施の形態に係る固体撮像装置21では、電荷蓄積期間(受光期間)に第1のフォトダイオードPD1で光電変換されて発生した信号電荷(本例では電子)が主として基板表面に近い高濃度のn型半導体領域24に蓄積され、保持される。この信号電荷が保持されている期間においては、第1のフォトダイオードPD1は基板表面の界面近傍に高濃度のp型半導体領域25により、界面からの電荷(電子)の湧き出しが抑制される。
【0051】
一方、サイドウォール33下には低不純物濃度の第2のフォトダイオードPD2が形成されているので、サイドウォール33との界面からの電荷(電子)の湧き出しを、第2のフォトダイオードPD2のp型半導体領域28により抑制することができる。信号電荷が保持される電荷蓄積期間では、転送ゲート電極32に負バイアス電圧を印加することなく、0Vでもサウドウォール33下での電荷の湧き出しを抑制することができる。従って、白点発生を抑制することができる。
【0052】
また、固体撮像装置21では、転送トランジスタTr1の転送ゲート電極32に読み出し電圧Vtgを印加することにより、フォトダイオードPDに蓄積された信号電荷がフローティングディフージョンのn型半導体領域29へ読み出される。このとき、フォトダイオードPDでは、転送ゲート部側に低不純物濃度の第2のフォトダイオードPD2が形成されているので、フォトダイオードPDの転送ゲート部側の横方向の電界強度が緩和される。つまり、フォトダイオードPDの転送ゲート端近傍の電界強度が緩和される。このため、読み出し電圧Vtgを印加したときに、n型半導体領域24のゲート端近傍の電位が変調し易くなり、フォトダイオードPDの信号電荷が読み出し易くなる。
【0053】
一方、転送ゲート部をオンしたときに、シリコン中の電界が基板表面側の方がかかり易い。本実施の形態では、第1のフォトダイオードPD1の主たる電荷蓄積領域となるn型半導体領域24が基板の浅い位置に形成されているので、転送ゲート部をオンしたときに、n型半導体領域24に電界がかかり易くなり、より信号電荷が読み出し易くなる。このため、読み出し電圧Vtgの低電圧化が可能になる。
【0054】
本実施の形態では、画素が微細化されてもフォトダイオードPDがセルフアラインで形成されるので、信号に対して残像、白点のばらつきが少なくなる。セルフアラインで転送ゲート電極32の端部近傍下のn型半導体領域27及びp型半導体領域28の不純物濃度プロファイルを独自にコントロールすることができ、転送ゲート電極32の端部近傍下の不純物濃度プロファイルを最適化することができる。画素の微細化に対して有効である。
【0055】
本実施の形態では、主たる電荷蓄積領域は高不純物濃度のn型半導体領域24であるが、低不純物濃度のn型半導体領域27にも信号電荷が蓄積されるので、全体では飽和信号電荷量Qsが高くなる。
【0056】
上述したように、第1実施の形態に係る固体撮像装置21によれば、画素がより微細化され、画素トランジスタのゲート電極膜厚、レジストマスクの膜厚が薄くなっても、セルフアラインでフォトダイオードPDを形成することができる。しかも、読み出し特性を改善して残像を抑制し、かつ白点の発生をさらに抑制することができ、残像と白点の抑制を両立させることができる。
【0057】
[固体撮像装置の製造方法]
図3〜図4に、第1実施の形態に係る固体撮像装置21の製造方法の実施の形態を示す。同図は、1つの単位画素のフォトダイオード及び転送トランジスタを含む要部のみを示す。先ず、図3Aに示すように、第1導電型、例えばn型の半導体基板(例えばシリコン基板)22に第2導電型、例えばp型の半導体ウェル領域23が形成された半導体基体が用意される。このp型半導体領域23の撮像領域となる所要領域において、各単位画素の転送トランジスタを形成すべき領域上に、ゲート絶縁膜(例えばシリコン酸化膜)31を介して、不純物ドープした例えばポリシリコン膜による転送ゲート電極32を形成する。転送ゲート電極32は、例えばn型不純物をドープしたポリシリコン膜で形成される。この転送ゲート電極32は、画素の微細化に伴って、従来よりも電極膜厚がより薄くなるように形成される。
【0058】
次に、図3Bに示すように、フォトダイオードPDを形成する領域を除く他部領域上に、一部転送ゲート電極32上に跨るように、レジストマスク41を形成する。このレジストマスク41も、画素の微細化に伴って、従来よりも膜厚がより薄くなるように形成される。そして、転送ゲート電極32をマスクとして、セルフアラインによりn型不純物42n、例えばヒ素をイオン注入してn型半導体領域27を形成する。n型不純物42nのイオン注入は、低ドーズ量で、基板表面から転送ゲート電極32の膜厚tより小さい深さDznの位置に飛程距離Rp(n)が来るような低加速エネルギーで行われる。
【0059】
続いて、同じ転送ゲート電極32をマスクとして、セルフアラインによりp型不純物42p、例えばボロンをイオン注入してn型半導体領域27の表面にp型半導体領域28を形成する。p型不純物42pのイオン注入は、低ドーズ量で、基板表面から転送ゲート電極32の膜厚tより小さく、かつDznより浅い深さDzpの位置に飛程距離Rp(p)が来るような低加速エネルギーで行われる。
【0060】
次に、図3Cに示すように、通常の方法により転送ゲート電極32の側部に絶縁膜によるサイドウォール33を形成する。この例では、サイドウォール33をシリコン酸化膜34とシリコン窒化膜35の二層膜構造で形成する。次いで、上記と同様にフォトダイオードPDを形成する領域を除く他部領域上に、一部転送ゲート電極32上に跨るように、レジストマスク43を形成する。そして、サイドウォール33及び転送ゲート電極32をマスクとして、セルフアラインにより例えば上記と同様のイオン注入条件でn型不純物44nをイオン注してn型半導体領域24を形成する。すなわち、本例では、イオン注入におけるn型不純物42n44nの打ち込み深さを、ともに同じにする。
【0061】
続いて、同じサイドウォール33及び転送ゲート電極32をマスクとして、セルフアラインにより例えば上記と同様のイオン注入条件でp型不純物44pをイオン注入してp型半導体領域25を形成する。すなわち、本例では、イオン注入におけるp型不純物42p44pの打ち込み深さを、ともに同じにする。n型半導体領域24及びp型半導体領域25は、同じイオン注入条件で2回のイオン注入で形成されるので、それぞれ1回のイオン注入によるn型半導体領域27及びp型半導体領域28の不純物濃度より高い不純物濃度を有することになる。n型半導体領域24が、主たる電荷蓄積領域になる。
【0062】
なお、それぞれ2回目のn型不純物、p型不純物のイオン注入では、1回目のイオン注入の飛程距離Rp(p),Rp(n)を同じにするも、ドーズ量を1回目より多くし、あるいは少なくすることも可能である。
【0063】
このようにして、サイドウォール33下にそれぞれ低不純物濃度のn型半導体領域27及びp型半導体領域28を有する埋め込み型の第2のフォトダイオードPD2が形成される。また、サイドウォール33の端縁より外側に第2のフォトダイオードPD2に連続してそれぞれ高不純物濃度のn型半導体領域24及びp型半導体領域25を有する埋め込み型の第1のフォトダイオードPD1が形成される。かくして、2つのフォトダイオードPD1、PD2からなる画素のフォトダイオードPDが形成される。
【0064】
なお、p型不純物とn型不純物の拡散係数の違いを利用して、図3Bの工程の後、サイドウォール形成の際の熱処理で、n型半導体領域27を一部転送ゲート電極32下に延長するように形成することができる。あるいは、図3Bの工程で、転送ゲート電極32をマスクにn型不純物を斜めイオン注入して転送ゲート電極32下に一部重なるn型半導体領域27を選択的に形成することもできる。さらに、p型不純物とn型不純物の拡散係数の違いを利用して、図3Bの工程の後、サイドウォール形成の際の熱処理で、p型半導体領域28をn型半導体領域27より延長して転送ゲート電極32に一部重なるように形成することもできる。
【0065】
また、図4に示すように、p型半導体ウェル領域23にはフローティングディフージョン(FD)となるn型半導体領域29が形成される。さらに、第1のフォトダイオードPD1において、電荷蓄積領域となるn型半導体領域24下に、これに連続して所要深さにわたって低不純物濃度のn型半導体領域26を形成する。このn型半導体領域26は、サイドウォール33及び転送ゲート電極32をマスクに低ドーズ量のn型不純物をイオン注入して、セルフアラインにて形成される。
【0066】
フォトダイオードPD及び複数の画素トランジスタを形成した後は、通常の製法により、層間絶縁膜を介して複数層の配線を形成した多層配線層を形成し、さらに平坦化膜を介してオンチップカラーフィルタ及びオンチップマイクロレンズを形成する。かくして、目的の第1実施の形態の固体撮像装置21を得る。
【0067】
本実施の形態に係る固体撮像装置21の製造方法によれば、転送ゲート電極32をマスクとしたイオン注入と、サイドウォール33及び転送ゲート電極32をマスクとしたイオン注入により、セルフアラインでフォトダイオードPDを形成することができる。すなわち、転送ゲート電極32をマスクとした、それぞれの1回目のイオン注入で形成したn型半導体領域27とp型半導体領域28とにより、一部転送ゲート電極に重なるように、サイドウォール3下に低不純物濃度の第2のフォトダイオードPD2が形成される。また、サイドウォール33を形成した後のそれぞれの2回目のイオン注入で不純物が加算され、サイドウォール端より外側の高不純物濃度の第1のフォトダイオードPD1が形成される。この不純物濃度の異なるフォトダイオードPD1、PD2を形成することにより、読み出し特性が改善され、残像が抑制され、かつ白点が抑制された固体撮像装置21を製造することができる。
【0068】
n型不純物のイオン注入は、転送ゲート電極32の膜厚より小さい飛程距離Rp(n)で行われるので、n型不純物が転送ゲート電極32を突き抜けることがない。第1のイオン注入と第2のイオン注入の加速エネルギーを同じにすることにより、浅い位置に電荷蓄積領域となる高不純物濃度のn型半導体領域24を形成し、その表面側に正孔電荷蓄積領域を兼ねるp型半導体領域25を形成することができる。
【0069】
従って、画素がより微細化されても、フォトダイオードPDをセルフアラインで形成し、しかも残像の抑制と白点発生の抑制とを両立できるようにした固体撮像装置を製造することができる。
【0070】
<3.第2実施の形態>
[固体撮像装置の構成例]
図5に、本発明に係る固体撮像装置の第2実施の形態を示す。本実施の形態の固体撮像装置は、MOS固体撮像装置であり、同図はその光電変換素子となるフォトダイオード及び転送トランジスタを含む要部を示す。第2実施の形態に係る固体撮像装置47は、前述の第1実施の形態と同様に、画素を構成するフォトダイオードPDとして、低不純物濃度の第2のフォトダイオードPD2と高不純物濃度の第1のフォトダイオードPD1とを有して構成される。第2のフォトダイオードPD2は、転送ゲート電極32直下の一部からサイドウォール33直下にわたる低不純物濃度のn型半導体領域27と、サイドウォール33直下の低不純物濃度のp型半導体領域28を有して形成される。第1のフォトダイオードPD1は、サイドウォール33の端縁から外側に電荷蓄積領域となる高不純物濃度のn型半導体領域24と、その表面側の高不純物度のp型半導体領域25を有して形成される。
【0071】
本実施の形態においては、第2のフォトダイオードPD2の低不純物濃度のn型半導体領域27が電荷蓄積領域のn型半導体領域24の下方にまで延長して形成される。低不純物濃度のn型半導体領域27、p型半導体領域28は、サイドウォール33を形成するときの熱処理で少し拡散する。この拡散により、高不純物濃度のn型半導体領域24と低不純物濃度のn型半導体領域27は重ならず、低不純物濃度のn型半導体領域37が高不純物濃度のn型半導体領域24より深く形成されることになる。
さらに、このn型半導体領域24の下方に連続するように、第1のフォトダイオードPD1を構成するさらに低不純物濃度のn型半導体領域26が形成される。
【0072】
その他のフォトダイオードPD及び転送トランジスタTr1に関する構成は、第1実施の形態で説明したと同様であるので、図2と対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
第2実施の形態の固体撮像装置47の製造方法に関しては、基本的には第1実施の形態で説明した製造方法が適用される。
【0073】
第2実施の形態に係る固体撮像装置47によれば、前述の第1実施の形態で説明したと同様に、画素がより微細化され、画素トランジスタのゲート電極膜厚、レジストマスクの膜厚が薄くなっても、セルフアラインでフォトダイオードPDを形成することができる。また、第1実施の形態と同様に、転送ゲート電極32側に低不純物濃度の第2フォトダイオードPD2を有するので、フォトダイオードPDの転送ゲート部側の横方向の電界強度が緩和される。主たる電界蓄積領域となるn型半導体領域24の基板の浅い位置に形成される。従ってより信号電荷が読み出し易くなり、読み出し電圧Vtgの低電圧化が可能になる。さらに、第2のフォトダイオードPD2のp型半導体領域28がサイドウォール33下の界面近傍に形成されるので、界面からの電荷(電子)の湧き出しを抑制し、白点発生を抑制することができる。このように、第2施の形態においても、読み出し特性を改善して残像を抑制し、かつ白点の発生をさらに抑制することができ、残像と白点の抑制を両立させることができる。
【0074】
また、低不純物濃度のn型半導体領域27が電荷蓄積領域となる高不純物濃度のn型半導体領域24の下方にまで延長して形成されるので、全体のn型半導体領域内では、電荷蓄積領域のn型半導体領域24に向かって電位勾配が形成される。従って、n型半導体領域26内で生成された信号電荷は、この電位勾配によって電荷蓄積領域であるn型半導体領域24へ効率よく移動して蓄積させることができる。本実施の形態では、その他、第1実施の形態で説明したと同様の効果を奏する。
【0075】
<4.第3実施の形態>
[固体撮像装置の構成例]
図6に、本発明に係る固体撮像装置の第3実施の形態を示す。本実施の形態の固体撮像装置は、MOS固体撮像装置であり、同図はその光電変換素子となるフォトダイオード及び転送トランジスタを含む要部を示す。第3実施の形態に係る固体撮像装置49は、前述の第1実施の形態と同様に、画素を構成するフォトダイオードPDとして、低不純物濃度の第2のフォトダイオードPD2と高不純物濃度の第1のフォトダイオードPD1とを有して構成される。第2のフォトダイオードPD2は、転送ゲート電極32直下の一部からサイドウォール33直下にわたるように、低不純物濃度のn型半導体領域27とp型半導体領域28を有して形成される。第1のフォトダイオードPD1は、サイドウォール33の端縁から外側に電荷蓄積領域となる高不純物濃度のn型半導体領域24と、その表面側の高不純物度のp型半導体領域25を有して形成される。
【0076】
本実施の形態においては、第2のフォトダイオードPD2の低不純物濃度のp型半導体領域28を、低不純物濃度のn型半導体領域27と同様に、転送ゲート電極32直下の一部に延長するように形成して構成される。すなわち、p型半導体領域28とn型半導体領域27は、互いに同じ領域にわたって揃うように形成される。さらに、n型半導体領域27の下方にn型半導体領域27を挟んで連続するように、第1のフォトダイオードPD1を構成するさらに低不純物濃度のn型半導体領域26が形成される。
【0077】
その他のフォトダイオードPD及び転送トランジスタTr1に関する構成は、第1実施の形態で説明したと同様であるので、図2と対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
第3実施の形態の固体撮像装置49の製造方法に関しては、基本的には第1実施の形態で説明した製造方法が適用される。
【0078】
第3実施の形態に係る固体撮像装置49によれば、前述の第1実施の形態で説明したと同様に、画素がより微細化され、画素トランジスタのゲート電極膜厚、レジストマスクの膜厚が薄くなっても、セルフアラインでフォトダイオードPDを形成することができる。また、第1実施の形態と同様に、転送ゲート電極32側に低不純物濃度の第2フォトダイオードPD2を有するので、フォトダイオードPDの転送ゲート部側の横方向の電界強度が緩和される。主たる電界蓄積領域となるn型半導体領域24が基板の浅い位置に形成される。従ってより信号電荷が読み出し易くなり、読み出し電圧Vtgの低電圧化が可能になる。さらに、第2のフォトダイオードPD2のp型半導体領域28がサイドウォール33下の界面近傍に形成されるので、界面からの電荷(電子)の湧き出しを抑制し、白点発生を抑制することができる。このように、第3施の形態においても、読み出し特性を改善して残像を抑制し、かつ白点の発生をさらに抑制することができ、残像と白点の抑制を両立させることができる。
【0079】
また、第2のフォトダイオードPD2におけるp型半導体領域28が一部、転送ゲート電極33下まで延長して形成されるので、さらに白点の発生を抑制することができる。本実施の形態では、その他、第1実施の形態で説明したと同様の効果を奏する。
【0080】
<5.第4実施の形態>
[固体撮像装置の構成例]
図7に、本発明に係る固体撮像装置の第4実施の形態を示す。本実施の形態の固体撮像装置は、MOS固体撮像装置であり、同図はその光電変換素子となるフォトダイオード及び転送トランジスタを含む要部を示す。第4実施の形態に係る固体撮像装置51は、前述の第1実施の形態と同様に、画素を構成するフォトダイオードPDとして、pn接合を形成する半導体領域部の不純物濃度が異なる複数のフォトダイオードPDを有して構成される。本例では3つのpn接合を有する埋め込み型のフォトダイオードPD1,PD2,PD3が形成される。
【0081】
第1のフォトダイオードPD1は、サイドウォール33の端縁から外側に、それぞれ高不純物濃度の主たる電荷蓄積領域となるn型半導体領域24とその表面側のp型半導体領域25とを有して形成される。さらに、このn型半導体領域24の下方に連続してn型半導体領域24より低不純物濃度のn型半導体領域26が形成される。
【0082】
第2のフォトダイオードPD2は、第1のフォトダイオードPD1に連続するように、サイドウォール33下に対応してそれぞれn型半導体領域24、p型半導体領域25より低不純物濃度のn型半導体領域27、p型半導体領域28を有して形成される。第3のフォトダイオードPD3は、第2のフォトダイオードPD2に連続するように、転送ゲート電極32下の一部に対応してそれぞれn型半導体領域27、p型半導体領域28より低不純物濃度のn型半導体領域52,p型半導体領域53を有して形成される。
【0083】
第3のフォトダイオードPD3のn型半導体領域52及びp型半導体領域53は、例えば転送ゲート電極32をマスクに斜めイオン注入により形成することができる。
【0084】
その他のフォトダイオードPD及び転送トランジスタTr1に関する構成は、第1実施の形態で説明したと同様であるので、図2と対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
【0085】
第4実施の形態に係る固体撮像装置51によれば、転送ゲート電極32側に向かって不純物濃度が低くなるように第1、第2、第3のフォトダイオードPD1、PD2、PD3が形成される。この構成によって、さらにフォトダイオードPDの転送ゲート部側の横方向の電界強度を緩和することができる。しかも電荷蓄積領域となる高不純物濃度のn型半導体領域24が基板の浅い位置に形成される。従って、さらに信号電荷が読み出し易くなり、読み出し電圧Vtgの更なる低電圧化が可能になる。またサイドウォール33下の界面近傍n型半導体領域28が形成され、転送ゲート電極32下の一部界面近傍にp型半導体領域53が形成されるので、界面からの電荷(電子)の湧き出しをさらに抑制し、白点発生をさらに抑制することができる。
【0086】
このように、第4施の形態においても、読み出し特性を改善して残像を抑制し、かつ白点の発生をさらに抑制することができ、残像と白点の抑制を両立させることができる。本実施の形態では、その他、第1実施の形態で説明したと同様の効果を奏する。
【0087】
図7の例では、フォトダイオードPDを、3つのフォトダイオードPD1〜PD3を有するように構成したが、その他、4つ以上の不純物濃度を異にした複数のフォトダイオードを有して構成することも可能である。この場合、転送ゲート電極又は/及びサイドウォールをマスクとした斜めイオン注入及び垂直イオン注入で形成することができる。
【0088】
[固体撮像装置の製造方法]
図8〜図9に、第4実施の形態に係る固体撮像装置51の製造方法の実施の形態を示す。同図は、1つの端画素のフォトダイオード及び転送トランジスタを含む要部のみを示す。先ず、図8Aに示すように、第1導電型、例えばn型の半導体基板(例えばシリコン基板)22に第2導電型、例えばp型の半導体ウェル領域23が形成された半導体基体が用意される。このp型半導体領域23の撮像領域となる所要領域において、各単位画素の転送トランジスタを形成すべき領域上に、ゲート絶縁膜31を介して、不純物ドープした例えばポリシリコン膜による転送ゲート電極32を形成する。この転送ゲート電極32は、画素の微細化に伴って、従来よりも電極膜厚がより薄くなるように形成される。
【0089】
次に、図8Bに示すように、フォトダイオードPDを形成する領域を除く他部領域上に、一部転送ゲート電極32上に跨るように、レジストマスク50を形成する。このレジストマスク50も、画素の微細化に伴って、従来よりも膜厚がより薄くなるように形成される。そして、転送ゲート電極32をマスクとして、セルフアラインによりn型不純物54n、例えばヒ素を斜めイオン注入してn型半導体領域52を形成する。n型不純物54nのイオン注入は、低ドーズ量で、基板表面から転送ゲート電極32の膜厚tより小さい深さの位置に飛程距離Rp(n)が来るような低加速エネルギーで行われる。
【0090】
続いて、同じ転送ゲート電極32をマスクとして、セルフアラインによりp型不純物54p、例えばボロンを斜めイオン注入してn型半導体領域52の表面にp型半導体領域53を形成する。p型不純物54pのイオン注入は、低ドーズ量で、基板表面から転送ゲート電極32の膜厚tより小さく、かつn型不純物の飛程距離Rp(n)より浅い深さ位置に飛程距離Rp(p)が来るような低加速エネルギーで行われる。
【0091】
次に、図8Cに示すように、同じ転送ゲート電極32をマスクとして、セルフアラインによりn型不純物55n、例えばヒ素を垂直にイオン注入してn型半導体領域27を形成する。続いて、同じ転送ゲート電極32をマスクとして、セルフアラインによりp型不純物55p、例えばボロンを垂直にイオン注入してn型半導体領域27の表面にp型半導体領域28を形成する。p型不純物55pの加速エネルギーは、上述と同様に、n型不純物55pの加速エネルギーより低いエネルギーとする。n型半導体領域27及びp型半導体領域28は、2回のイオン注入で形成されるので、それぞれ1回のイオン注入によるn型半導体領域52及びp型半導体領域53の不純物濃度より高い不純物濃度を有することになる。
【0092】
ここで、n型不純物54nとn型不純物55nの濃度は同じにすることができる。また、p型不純物54pとp型不純物55pの濃度は同じにすることができる。もしくはn型不純物54nとn型不純物55nの濃度、またp型不純物54pとp型不純物55pの濃度は異ならせることもできる。
図8Cのレジストマスク50は、図8Bのレジストマスク50を用いたが、その他、図8Bのレジストマスク50を除去して、図8Cでは新なレジストマスク50として形成することもできる。
【0093】
次に、図9Dに示すように、通常の方法により転送ゲート電極32の側部に絶縁膜によるサイドウォール33を形成する。この例では、サイドウォール33をシリコン酸化膜34とシリコン窒化膜35の二層膜構造で形成する。次いで、上記と同様にフォトダイオードPDを形成する領域を除く他部領域上に、一部転送ゲート電極32上に跨るように、レジストマスク56を形成する。そして、サイドウォール33及び転送ゲート電極32をマスクとして、セルフアラインにより図7Cと同様のイオン注入条件でn型不純物57nを垂直にイオン注してn型半導体領域24を形成する。
【0094】
続いて、同じサイドウォール33及び転送ゲート電極32をマスクとして、セルフアラインにより図8Cと同様のイオン注入条件でp型不純物57pを基板に対して垂直にイオン注入してp型半導体領域25を形成する。n型半導体領域24及びp型半導体領域25は、3回のイオン注入で形成されるので、それぞれ2回のイオン注入によるn型半導体領域27及びp型半導体領域28の不純物濃度より高い不純物濃度を有することになる。n型半導体領域24が、主たる電荷蓄積領域になる。
【0095】
ここで、n型不純物55nとn型不純物57nの濃度は同じにすることができる。また、p型不純物55pとp型不純物57pの濃度は同じにすることができる。もしくはn型不純物55nとn型不純物57nの濃度、またp型不純物55pとp型不純物57pの濃度は異ならせることもできる。
【0096】
このようにして、転送ゲート電極32下の一部にそれぞれ低不純物濃度のn型半導体領域52及びp型半導体領域53を有する埋め込み型の第3のフォトダイオードPD3が形成される。また、サイドウォール33下にそれぞれ第3のフォトダイオードPD3より不純物濃度が高いn型半導体領域27及びp型半導体領域28を有する埋め込み型の第2のフォトダイオードPD2が形成される。さらに、サイドウォール33の端縁より外側に第2のフォトダイオードPD2に連続して、これよりも不純物濃度が高いn型半導体領域24及びp型半導体領域25を有する埋め込み型の第1のフォトダイオードPD1が形成される。かくして、不純物濃度が異なる3つのフォトダイオードPD1、PD2、PD3からなる画素のフォトダイオードPDが形成される。
【0097】
また、図8Eに示すように、p型半導体ウェル領域23にはフローティングディフージョン(FD)となるn型半導体領域29が形成される。さらに、第1のフォトダイオードPD1において、電荷蓄積領域となるn型半導体領域24下に、これに連続して所要深さにわたって低不純物濃度のn型半導体領域26を形成する。このn型半導体領域26は、サウドウォール33及び転送ゲート電極32をマスクに、低ドーズ量のn型不純物をイオン注入してセルフアラインにて形成される。
【0098】
フォトダイオードPD及び複数の画素トランジスタを形成した後は、通常の製法により、層間絶縁膜を介して複数層の配線を形成した多層配線層を形成し、さらに平坦化膜を介してオンチップカラーフィルタ及びオンチップマイクロレンズを形成する。かくして、目的の第4実施の形態の固体撮像装置51を得る。
【0099】
本実施の形態に係る固体撮像装置51の製造方法によれば、転送ゲート電極32をマスクとした斜めイオン注入、垂直のイオン注入により、セルフアラインで第3及び第2のフォトダイオードPD3、PD2を形成することができる。また、サイドウォール33及び転送ゲート電極32をマスクとした垂直のイオン注入により、セルフアラインで第1のフォトダイオードPD1を形成することができる。すなわち、3回のイオン注入による不純物加算により、不純物濃度を異にした3つのフォトダイオードPD1、PD2、PD3からなる画素のフォトダイオードPDをセルフアラインで形成することができる。この不純物濃度の異なるフォトダイオードPD1、PD2、PD3を形成することにより、読み出し特性が改善され、残像が抑制され、かつ白点が抑制された固体撮像装置51を製造することができる。
【0100】
n型不純物のイオン注入は、転送ゲート電極32の膜厚より小さい飛程距離Rp(n)で行われるので、n型不純物が転送ゲート電極32を突き抜けることがない。第1、第2、第3のイオン注入加速エネルギーをイオン注入領域の深さが同じになるように設定すれば、浅い位置に電荷蓄積領域となる高濃度のn型半導体領域24を形成できる。また。n型半導体領域24の表面側に正孔電荷蓄積領域を兼ねる高濃度のp型半導体領域25を形成することができる。
【0101】
従って、画素がより微細化されても、フォトダイオードPDをセルフアラインで形成し、しかも残像の抑制と白点発生の抑制とを両立できるようにした固体撮像装置を製造することができる。
【0102】
なお、フォトダイオードPDを転送ゲート電極32側に向かって不純物濃度が低くなるように4つ以上のフォトダイオードで構成するときは、サイドウォール形成後に、サイドウォールをマスクに斜めイオン注入を追加することもできる。すなわち、転送ゲート電極及び/又は転送ゲート電極のサイドウォールをマスクとした斜めイオン注入及び垂直イオン注入による複数段のイオン注入を行って、不純物濃度の異なる複数のフォトダイオードを形成することができる。
【0103】
<6.第5実施の形態>
[固体撮像装置の構成例]
図10に、本発明に係る固体撮像装置の第5実施の形態を示す。本実施の形態の固体撮像装置は、MOS固体撮像装置であり、同図はその光電変換素子となるフォトダイオード及び転送トランジスタを含む要部を示す。第5実施の形態に係る固体撮像装置58は、前述の第1実施の形態と同様に、画素を構成するフォトダイオードPDとして、低不純物濃度の第2のフォトダイオードPD2と高不純物濃度の第1のフォトダイオードPD1とを有して構成される。第2のフォトダイオードPD2は、転送ゲート電極32直下の一部からサイドウォール33直下にわたる低不純物濃度のn型半導体領域27と、サイドウォール33直下の低不純物濃度のp型半導体領域28を有して形成される。第1のフォトダイオードPD1は、サイドウォール33の端縁から外側に電荷蓄積領域となる高不純物濃度のn型半導体領域24と、その表面側の高不純物度のp型半導体領域25を有して形成される。n型半導体領域24の下方には、n型半導体領域24に連続するように、第1のフォトダイオードPD1を構成するさらに低不純物濃度のn型半導体領域26が形成される。
【0104】
そして、本実施の形態においては、特に、転送ゲート電極32をマスクにイオン注入するp型不純物としてボロン(B)を用い、サイドウォール33及び転送ゲート電極32をマスクにイオン注入するp型不純物としてインジウム(In)を用いる。インジウム(In)は、ボロン(B)よりも拡散係数が小さい。ボロン(B)のイオン注入により、低不純物濃度のp型半導体領域28が形成される。また、インジウム(In)による2回目のイオン注入により、高不純物濃度のp型半導体領域25が形成される。インジウム(In)を用いることにより、より基板表面側にp型半導体領域25を形成することができる。
【0105】
後工程において、画素トランジスタのソース/ドレインの活性化アニールで、ボロン(B)は拡散するが、インジウム(In)は殆んど拡散しない。従って、このインジウム(In)による2回目のイオン注入で形成されたp型半導体領域25は、低不純物濃度のp型半導体領域28の表面側に存在することになる。一方、ボロン(B)による1回目のイオン注入で形成された低不純物濃度のp型半導体領域28は、サイドウォール33下から高不純物濃度のp型半導体領域25及び高不純物濃度のn型半導体領域24間に延長して存在することになる。
【0106】
その他のフォトダイオードPD及び転送トランジスタTr1に関する構成は、第1実施の形態で説明したと同様であるので、図2と対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
第5実施の形態の固体撮像装置58の製造方法に関しては、基本的には第1実施の形態で説明した製造方法が適用される。
【0107】
第5実施の形態に係る固体撮像装置58によれば、前述の第1実施の形態で説明したと同様に、画素がより微細化され、画素トランジスタのゲート電極膜厚、レジストマスクの膜厚が薄くなっても、セルフアラインでフォトダイオードPDを形成することができる。また、第1実施の形態と同様に、転送ゲート電極32側に低不純物濃度の第2フォトダイオードPD2を有するので、フォトダイオードPDの転送ゲート部側の横方向の電界強度が緩和される。主たる電界蓄積領域となるn型半導体領域24が基板の浅い位置に形成される。従ってより信号電荷が読み出し易くなり、読み出し電圧Vtgの低電圧化が可能になる。さらに、第2のフォトダイオードPD2のp型半導体領域28がサイドウォール33下の界面近傍に形成されるので、界面からの電荷(電子)の湧き出しを抑制し、白点発生を抑制することができる。
【0108】
さらに、本実施の形態では、第1のフォトダイオードPD1において、高不純物濃度のn型半導体領域24とp型半導体領域25が離れて形成され、pn接合部でのn型とp型の半導体領域の濃度勾配が緩やかとなる。つまり、基板縦方向においけるpn接合での電界強度が低くなる。このpn接合での電界強度が低くなることにより、さらに白点の発生を抑制することができる。このように、第5施の形態においても、読み出し特性を改善して残像を抑制し、かつ白点の発生をさらに抑制することができ、残像と白点の抑制を両立させることができる。本実施の形態では、その他、第1実施の形態で説明したと同様の効果を奏する。
【0109】
<7.第6実施の形態>
[固体撮像装置の構成例]
図11に、本発明に係る固体撮像装置の第6実施の形態を示す。本実施の形態の固体撮像装置は、MOS固体撮像装置であり、同図はその光電変換素子となるフォトダイオード及び転送トランジスタを含む要部を示す。第6実施の形態に係る固体撮像装置61は、前述の第1実施の形態と同様に、画素を構成するフォトダイオードPDとして、低不純物濃度の第2のフォトダイオードPD2と高不純物濃度の第1のフォトダイオードPD1とを有して構成される。第2のフォトダイオードPD2は、転送ゲート電極32直下の一部からサイドウォール33直下にわたる低不純物濃度のn型半導体領域27と、サイドウォール33直下の低不純物濃度のp型半導体領域28を有して形成される。第1のフォトダイオードPD1は、サイドウォール33の端縁から外側に電荷蓄積領域となる高不純物濃度のn型半導体領域24と、その表面側の高不純物度のp型半導体領域25を有して形成される。n型半導体領域24の下方には、n型半導体領域24に連続するように、第1のフォトダイオードPD1を構成するさらに低不純物濃度のn型半導体領域26が形成される。
【0110】
転送トランジスタTr1は、フローティングディフージョン(FD)となる高不純物濃度のn型半導体領域29と、このn型半導体領域29と第2のフォトダイオードPD2間の基板上にゲート絶縁膜31を介して形成した転送ゲート電極32とを有して形成される。
【0111】
そして、本実施の形態においては、転送ゲート電極32のフォトダイオードPDの側部に、例えばシリコン酸化膜、シリコン窒化膜等の絶縁膜63を介して不純物ドープしたポリシリコン膜によるサイドウォール62が形成される。また、転送ゲート電極32のフローティングディフージョン(FD)側の側部に絶縁膜によるサイドウォール33が形成される。転送ゲート電極32は、本例ではn型不純物をドープしたn+ポリシリコン膜で形成される。ポリシリコン膜によるサイドウォール62としては、p型不純物をドープしたp+ポリシリコン、あるいはn型不純物をドープしたn+ポリシリコンで形成される。
【0112】
n型ポリシリコンとp型ポリシリコンとは、仕事関数が1.1V程度違う。本構成では、サイドウォール62をp+ポリシリコンで形成した場合、電荷蓄積期間の転送ゲート電極32に0Vの電圧を印加したときに、このゲート電圧が容量結合でサイドウォール62にも印加される。そして、上記の仕事関数の違いにより、p+ポリシリコンのサイドウォール62直下はホール(正孔)が誘起されていわゆるホールピニング状態となる。
【0113】
一方、サイドウォール62をn+ポリシリコンで形成した場合には、電荷蓄積期間の転送ゲート電極32に負電圧を印加することにより、n+ポリシリコンのサイドウォール62直下はホール(正孔)が誘起されていわゆるホールピニング状態となる。また、転送ゲート電極32に正電圧を印加するときは、n+ポリシリコンのサイドウォール62直下ではポテンシャルがなだらかな勾配を有するように変調され、信号電荷が読み出し易くなる。
【0114】
その他のフォトダイオードPD及び転送トランジスタTr1に関する構成は、第1実施の形態で説明したと同様であるので、図2と対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
第6実施の形態の固体撮像装置61の製造方法に関しては、基本的には第1実施の形態で説明した製造方法が適用される。
【0115】
第6実施の形態に係る固体撮像装置61によれば、前述の第1実施の形態で説明したと同様に、画素がより微細化され、画素トランジスタのゲート電極膜厚、レジストマスクの膜厚が薄くなっても、セルフアラインでフォトダイオードPDを形成することができる。また、第1実施の形態と同様に、転送ゲート電極32側に低不純物濃度の第2フォトダイオードPD2を有するので、フォトダイオードPDの転送ゲート部側の横方向の電界強度が緩和される。主たる電界蓄積領域となるn型半導体領域24が基板の浅い位置に形成される。従ってより信号電荷が読み出し易くなり、読み出し電圧Vtgの低電圧化が可能になる。さらに、第2のフォトダイオードPD2のp型半導体領域28がサイドウォール33下の界面近傍に形成されるので、界面からの電荷(電子)の湧き出しを抑制し、白点発生を抑制することができる。
【0116】
さらに、本実施の形態では、転送ゲート電極32のフォトダイオードPD側のサイドウォール62を所要導電型の不純物をドープしたポリシリコン膜で形成するので、電荷蓄積期間において、サイドウォール直下をホールピニング状態となる。したがって、サイドウォール62直下での電荷の湧き出しをさらに抑制し、白点発生をさらに抑制することができる。このように、第6施の形態においても、読み出し特性を改善して残像を抑制し、かつ白点の発生をさらに抑制することができ、残像と白点の抑制を両立させることができる。本実施の形態では、その他、第1実施の形態で説明したと同様の効果を奏する。
【0117】
<8.第7実施の形態>
[固体撮像装置の構成例]
図12に、本発明に係る固体撮像装置の第7実施の形態を示す。本実施の形態の固体撮像装置は、MOS固体撮像装置であり、同図はその光電変換素子となるフォトダイオード及び転送トランジスタを含む要部を示す。第7実施の形態に係る固体撮像装置65は、前述の第1実施の形態と同様に、画素を構成するフォトダイオードPDとして、低不純物濃度の第2のフォトダイオードPD2と高不純物濃度の第1のフォトダイオードPD1とを有して構成される。第2のフォトダイオードPD2は、転送ゲート電極32直下の一部からサイドウォール33直下にわたる低不純物濃度のn型半導体領域27と、サイドウォール33直下の低不純物濃度のp型半導体領域28を有して形成される。第1のフォトダイオードPD1は、サイドウォール33の端縁から外側に主たる電荷蓄積領域となる高不純物濃度のn型半導体領域66と、その表面側の高不純物度のp型半導体領域25を有して形成される。
【0118】
転送トランジスタTr1は、フローティングディフージョン(FD)となる高不純物濃度のn型半導体領域29と、このn型半導体領域29と第2のフォトダイオードPD2間の基板上にゲート絶縁膜31を介して形成した転送ゲート電極32とを有して形成される。
【0119】
そして、本実施の形態においては、セルフアラインにより第1のフォトダイオードPD1が形成されるが、特に、n型不純物のイオン注入を複数段に行い、深さ方向に不純物濃度を異にした複数のn型半導体領域66,67,68が形成される。本例では、低不純物濃度のn型半導体領域27及びp型半導体領域28を形成した後、サイドウォール33及び転送ゲート電極32をマスクに、n型半導体領域27に2回目のn型不純物をイオン注入して不純物濃度の高いn型(n+)半導体領域67が形成される。次に、同マスクを介して3回目のn型不純物をイオン注入してn型半導体領域67より浅くかつ不純物濃度の高いn型(n++)半導体領域66が形成される。このn型半導体領域66が主たる電荷蓄積領域となる。さらに、同マスクを介して深い位置に、低不純物濃度のn型(n−−)半導体領域68が形成される。
【0120】
その他のフォトダイオードPD及び転送トランジスタに関する構成は、前述の第1実施の形態で説明したと同様であるので、図2と対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
第7実施の形態の固体撮像装置65の製造方法に関しては、基本的には第1実施の形態で説明した製造方法が適用される。
【0121】
第7実施の形態に係る固体撮像装置65によれば、前述の第1実施の形態で説明したと同様に、画素がより微細化され、画素トランジスタのゲート電極膜厚、レジストマスクの膜厚が薄くなっても、セルフアラインでフォトダイオードPDを形成することができる。また、第1実施の形態と同様に、転送ゲート電極32側に低不純物濃度の第2フォトダイオードPD2を有するので、フォトダイオードPDの転送ゲート部側の横方向の電界強度が緩和される。主たる電界蓄積領域となるn型半導体領域66が基板の浅い位置に形成される。従ってより信号電荷が読み出し易くなり、読み出し電圧Vtgの低電圧化が可能になる。さらに、第2のフォトダイオードPD2のp型半導体領域28がサイドウォール33下の界面近傍に形成されるので、界面からの電荷(電子)の湧き出しを抑制し、白点発生を抑制することができる。このように、第3実施の形態においても、読み出し特性を改善して残像を抑制することと、白点の発生を抑制することを両立させることができる。
【0122】
本実施の形態では、第1のフォトダイオードPD1が基板深さ方向に向かって不純物濃度が漸次低くなる複数のn型半導体領域66、67及び68を形成して構成される。従って、領域66、67、68からなるn型半導体領域においては、光電変換で生成された信号電荷が電位勾配により、電荷蓄積領域となるn型半導体領域66への信号電荷の蓄積をさらに効率よく行うことができる。本実施の形態では、その他、第1実施の形態で説明したと同様の効果を奏する。
【0123】
なお、上述の実施の形態に係る固体撮像装置では、信号電荷を電子とし、第1導電型をn型、第2導電型をp型として構成したが、信号電荷を正孔とする固体撮像装置にも適用できる。この場合、各半導体基板あるいは半導体領域の導電型を逆にし、p型が第1導電型,n型が第2導電型となる。
【0124】
<9.第8実施の形態>
[電子機器の構成例]
本発明に係る固体撮像装置は、固体撮像装置を備えたカメラ、カメラ付き携帯機器、固体撮像装置を備えたその他の機器、等の電子機器に適用することができる。特に、微細な画素ができるので、小型の固体撮像装置を備えたカメラを製造することができる。
【0125】
図12に、本発明の電子機器の一例としてカメラに適用した実施の形態を示す。本実施の形態に係るカメラ91は、光学系(光学レンズ)92と、固体撮像装置93と、信号処理回路94とを備えてなる。固体撮像装置93は、上述した各実施の形態のいずれか1つの固体撮像装置が適用される。光学系92は、被写体からの像光(入射光)を固体撮像装置93の撮像面上に結像させる。これにより、固体撮像装置93の光電変換部であるフォトダイオードにおいて一定期間信号電荷が蓄積される。信号処理回路94は、固体撮像装置93の出力信号に対して種々の信号処理を施して出力する。本実施の形態のカメラ91は、光学系92、固体撮像装置93、信号処理回路94がモジュール化したカメラモジュールの形態を含む。
【0126】
本発明は、図12のカメラ、あるいはカメラモジュールを備えた例えば携帯電話に代表されるカメラの構成は、光学系92、固体撮像装置93、信号処理回路94がモジュール化した撮像機能を有するモジュールと構成することができる。すなわち、上記カメラの構成は、いわゆる撮像機能モジュ−ルとして構成することができる。本発明は、このような撮像機能モジュールを備えた電子機器を構成することができる。
【0127】
本実施の形態に係る電子機器によれば、固体撮像装置において、高精度に画素の微細化、それに伴う小型化が進んでも、残像と白点発生の抑制を両立させることができ、高画質、高解像度が得られ、高品質の電子機器を提供することができる。
【符号の説明】
【0128】
1・・固体撮像装置、2・・画素、3・・画素部、4・・垂直駆動回路、5・・カラム信号処理回路、6・・水平駆動回路、7・・出力回路、8・・制御回路、9・・垂直信号線、10・・水平信号線、12・・入出力端子、21・・固体撮像装置、22・・第1導電型半導体基板、23・・第2導電型の半導体ウェル領域、PD1、PD2、PD3・・フォトダイオード、Tr1・転送トランジスタ、24・・高不純物濃度のn型半導体領域、25・・高不純物濃度のp型半導体領域、26・・低不純物濃度のn型半導体領域、27・・低不純物濃度のn型半導体領域、28・・低不純物濃度のp型半導体領域、29・・フローティングディフージョンとなるn型半導体領域、31・・ゲート絶縁膜、32・・転送ゲート電極、33・・サイドウォール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
単位画素のフォトダイオード領域に、素子分離領域を介さずに形成され且つpn接合領域部の不純物濃度が異なる複数のフォトダイオードを有する
固体撮像装置。
【請求項2】
前記複数のフォトダイオードが、第1のフォトダイオード及び第2のフォトダイオードで形成され、
前記第1及び第2のフォトダイオードが、ともに埋め込み型フォトダイオードで形成され、
低不純物濃度の前記第2のフォトダイオードが、高不純物濃度の前記第1のフォトダイオードより転送ゲート部側に形成されている
請求項1記載の固体撮像装置。
【請求項3】
前記第1のフォトダイオードは、主たる電荷蓄積領域となる第1導電型半導体領域と、該第1導電型半導体領域より半導体表面側に分布する第2導電型半導体領域を有し、
前記第2のフォトダイオードは、第1導電型半導体領域と、該第1導電型半導体領域より半導体表面側に分布する第2導電型半導体領域を有する
請求項2記載の固体撮像装置。
【請求項4】
前記第2のフォトダイオードの第2導電型半導体領域がボロン導入領域で形成され、
前記第1のフォトダイオードの第2導電型半導体領域がインジウム導入領域で形成されている
請求項3記載の固体撮像装置。
【請求項5】
前記第1のフォトダイオードの高不純物濃度の電荷蓄積領域を含めて第1導電型半導体領域が深さ方向に向かって不純物濃度を低くした複数の領域で形成されている
請求項3記載の固体撮像装置。
【請求項6】
前記第1及び第2のフォトダイオードを構成する夫々の第1導電型半導体領域及び第2導電型半導体領域の少なくとも一部が連続している
請求項1記載の固体撮像装置。
【請求項7】
前記複数のフォトダイオードが、ともに埋め込み型フォトダイオードで形成され、
前記複数のフォトダイオードが転送ゲート部側を低不純物濃度となるように形成されている
請求項1記載の固体撮像装置。
【請求項8】
単位画素のフォトダイオードを形成すべき領域に、
転送ゲート電極をマスクに不純物をイオン注入して基板表面の第2導電型半導体領域と、該第2導電型半導体領域より深い第1導電型半導体領域を形成し、埋め込み型の第2のフォトダイオードを形成する工程と、
転送ゲート電極にサイドウォールを形成し、前記転送ゲート電極及びサイドウォールをマスクに不純物をイオン注入して不純物濃度を高めた、基板表面の第2導電型半導体領域と該第2導電型半導体領域より深い第1導電型半導体領域を形成し、埋め込み型の第1のフォトダイオードを形成する工程を
有する固体撮像装置の製造方法。
【請求項9】
前記それぞれのイオン注入を、不純物が前記転送ゲート電極を突き抜けない打ち込みエネルギーで行う
請求項8記載の固体撮像装置の製造方法。
【請求項10】
前記転送ゲート電極をマスクにしたイオン注入の打ち込み深さと、前記転送ゲート電極及びサイドウォールをマスクにしたイオン注入の打ち込み深さを、ともに同じにする
請求項9記載の固体撮像装置の製造方法。
【請求項11】
前記転送ゲート電極及びサイドウォールをマスクにして第1導電型不純物を打ち込み深さを異にしてイオン注入し、深さ方向に不純物濃度が異なる第1導電型半導体領域を形成する工程を有する
請求項8記載の固体撮像装置の製造方法。
【請求項12】
前記第2のフォトダイオードの第2導電型半導体領域をボロンのイオン注入で形成し、
前記第1のフォトダイオードの第2導電型半導体領域をインジウムのイオン注入で形成する請求項8記載の固体撮像装置の製造方法。
【請求項13】
単位画素のフォトダイオードを形成すべき領域に、
転送ゲート電極及び/又は転送ゲート電極のサイドウォールをマスクにした、斜めイオン注入及び垂直イオン注入による複数段のイオン注入を行って、素子分離領域を介さずに形成され且つpn接合領域部の不純物濃度が異なる複数のフォトダイオードを形成する工程を有する
固体撮像装置の製造方法。
【請求項14】
固体撮像装置と、
前記固体撮像装置のフォトダイオードに入射光を導く光学系と、
前記固体撮像装置の出力信号を処理する信号処理回路を備え、
前記固体撮像装置は、
単位画素のフォトダイオード領域に、素子分離領域を介さずに形成され且つpn接合領域部の不純物濃度が異なる複数のフォトダイオードを有する
電子機器。
【請求項15】
前記固体撮像装置において、
前記複数のフォトダイオードが、第1のフォトダイオード及び第2のフォトダイオードで形成され、
前記第1及び第2のフォトダイオードが、ともに埋め込み型フォトダイオードで形成され、
低不純物濃度の前記第2のフォトダイオードが、高不純物濃度の前記第1のフォトダイオードより転送ゲート部側に形成されている
請求項13に記載の電子機器。
【請求項16】
前記固体撮像装置において、
前記第1のフォトダイオードは、主たる電荷蓄積領域となる第1導電型半導体領域と、該第1導電型半導体領域より半導体表面側に分布する第2導電型半導体領域を有し、
前記第2のフォトダイオードは、第1導電型半導体領域と、該第1導電型半導体領域より半導体表面側に分布する第2導電型半導体領域を有する
請求項14記載の電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2010−239075(P2010−239075A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−88095(P2009−88095)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】