説明

圧着端子、端子付電線及びその製造方法

【課題】電線に対する圧着端子の圧着高さを軸方向に大きく変えることなく、端子付電線の機械的強度の確保と、電線と圧着端子との間の接触抵抗の低下を両立させることを可能にする
【解決手段】圧着端子10は、電線の導体22に圧着される電線圧着部14を有する。電線圧着部14は、導体22の根元側に圧着される第1の圧着部14aと、先端側に圧着される第2の圧着部14bとを有し、電線圧着部14の内側面には食い込み促進のための凹部が形成される。第2の圧着部14bに形成される凹部13bは、端子幅方向に分割され、または第1の圧着部14aに形成される凹部13aよりも浅い。あるいは、第2の凹部13bの形成が省略されて第1の凹部13aのみが形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等に配索される電線の端末に圧着される圧着端子と、当該圧着端子を有する端子付電線及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、絶縁電線の端末に端子を装着するための手段として、圧着技術が多用されている。この圧着は、予め前記端子に形成されている導体バレルを金型によって前記絶縁電線の導体の端末にかしめることにより、行われる。
【0003】
従来、絶縁電線の端末に端子を装着するための手段として、圧着技術が多用されている。この圧着は、予め前記端子に形成されている導体バレルを金型によって前記絶縁電線の導体の端末にかしめることにより、行われる。
【0004】
しかし、この圧着技術では、前記導体バレルの圧着高さ(クリンプハイト)の設定が難しい。当該圧着高さを小さく設定すると、当該導体バレルと前記電線の導体との接触抵抗が下がるという利点が得られる半面、導体断面積の減少率が高いために機械的強度、特に衝撃的な荷重に対する引張強度(より具体的には圧着端子が電線を保持する強度)が低下するという不都合が生じる。逆に、前記圧着高さを大きく設定すると、機械的強度は高く維持することが可能である半面、当該導体バレルと前記電線の導体との接触抵抗が大きくなるという不都合が生じる。
【0005】
そこで従来は、前記端子が電線を保持する強度を高め、また、前記接触抵抗を効果的に低下させる手段として、例えば特許文献1に示されるように、圧着端子において電線端末の導体にかしめられる電線圧着部の内側面に、その軸方向と平行な方向に並ぶ複数本の凹溝からなるセレーションを形成することが行われている。このセレーションは、前記圧着端子における電線圧着部と前記導体との接触面積を増加させるとともに、当該セレーションの形成するエッジ、特に端子軸方向と直交する方向に延びるエッジが前記導体に食い込むことで、当該電線圧着部による当該導体の保持強度を高め、また接触抵抗も低下させる。
【特許文献1】特開平10−125362号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記圧着端子が圧着される電線の種類によっては、その圧着による導体の圧縮率(すなわち圧着前の導体の断面積に対する圧着後の導体の断面積の比率)を低く設定して、導体をより高圧縮しなければならない場合がある。圧縮率が低い場合(圧着高さが低い場合)には電線圧着部は高圧縮で圧着される一方、圧縮率が高い場合(圧着高さが高い場合)には電線圧着部は相対的に圧縮が抑えられて圧着される。例えば、前記導体がアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる場合、これらのアルミニウムまたはアルミニウム合金の表面には接触抵抗低下の要因となる酸化皮膜が形成されやすいため、その酸化皮膜の形成にかかわらず接触抵抗を十分に低下させるためには、例えば当該導体が銅や銅合金からなる場合に比べて圧着高さを十分に低くする設定して高圧縮するようにしなければならない事情がある。
【0007】
ところが、このように高圧縮での圧着が行われた場合、前記圧着端子における端子圧着部の塑性変形(特にその軸方向の延びと肉厚の減少)が著しいため、当該端子圧着部に前記のような凹溝が形成されていると、その凹溝が形成されている部分、すなわち局所的に肉厚の小さい部分で破断が生じるおそれがある。従って、前記端子圧着部に前記セレーション等の凹部を形成する場合、その圧着について圧縮率の下限、すなわち高圧縮の限界設定には著しい制約がある。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑み、圧着端子における電線圧着部に当該電線圧着部の当該導体への食い込みを促進するための凹部を形成しながら、当該圧着端子の破断を招くことなく高圧縮での圧着を可能にする技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するための手段として、本発明は、相手方の端子と嵌合して電気的に接続される電気接続部と、端末において導体が露出する電線の当該端末に圧着される電線圧着部とを有する圧着端子であって、前記電線圧着部は、前記電線の端末における導体に対して外側から圧着される第1の圧着部と、当該導体に対し、前記第1の圧着部よりも当該導体の先端側の位置で、かつ当該第1の圧着部よりも高圧縮で外側から圧着される第2の圧着部とを有し、さらに、次のA〜Cの少なくとも一つの条件を満たすものである。
【0010】
A.前記第1の圧着部の内側面及び前記第2の圧着部の内側面にそれぞれ、前記導体に食い込むエッジを形成する凹部が設けられるとともに、前記第1の圧着部に設けられる凹部は前記端子の軸方向と直交する方向について連続しており、第2の圧着部に設けられる凹部は前記端子の軸方向と直交する方向について複数の凹部に分割され且つその分割された凹部が当該方向に互いに離間している。
【0011】
B.前記第1の圧着部の内側面及び前記第2の圧着部の内側面にそれぞれ、前記導体に食い込むエッジを形成する凹部が設けられるとともに、前記第2の圧着部に設けられる凹部の最大深さが前記第1の圧着部に設けられる凹部の最大深さよりも小さい。
【0012】
C.前記第1の圧着部及び前記第2の圧着部のうちの前記第1の圧着部の内側面にのみ、前記導体に食い込むエッジを形成する凹部が設けられる。
【0013】
このような条件を満たす圧着端子であれば、圧着端子における電線圧着部に導体との接触抵抗を低下させるための凹部を形成しながら、当該圧着端子の破断を招くことなく高圧縮で当該圧着端子を当該導体に圧着させることが可能である。具体的に、前記電線圧着部のうちの第1の圧着部では、当該第2の圧着部に形成された凹部のエッジが前記導体への前記第1の圧着部に食い込むことにより、当該第1の圧着部による導体の圧縮を抑えながらも当該導体を保持する力を高め、また、当該第1の圧着部と当該導体との接触抵抗を低下させる。しかも、当該第1の圧着部での圧縮を抑えることは、当該第1の圧着部において前記凹部が形成された部分で端子に破断が生じることを防ぐ。
【0014】
その一方、第2の圧着部では、当該第2の圧着部に形成される凹部が端子軸方向と直交する方向に分割され、または第1の圧着部に形成される凹部よりも最大深さが小さく、もしくは当該第1の圧着部に前記凹部が形成されていないので、当該凹部に起因する破断を抑制しながら高圧縮で前記導体に圧着することが可能である。すなわち、この発明では、第2の圧着部では、凹部による食い込み効果が第1の圧着部よりも低下するものの、高圧下での圧着時における凹部での端子の破断を抑制もしくは防止することが可能であり、その一方で第1の圧着部における凹部により十分な食い込み効果を得ることができる。
【0015】
なお、前記条件Aのように第2の圧着部に設けられる凹部が端子軸方向と直交する方向に分割されて当該方向に互いに離間している場合、当該凹部が存在しない領域では当該凹部による導体への食い込み効果が生じないことになるが、その分割された凹部が、端子軸方向に並ぶ複数の列にそれぞれ配され、それぞれの列に設けられる凹部の位置が当該列に隣接する列に設けられる凹部の位置に対して当該列の方向にずれていれば、その端子軸方向と直交する方向について、食い込み効果のばらつきを均等化することが可能である。
【0016】
前記第1の圧着部と前記第2の圧着部とで圧縮率に差をもたせるには、例えば両圧着部での圧着高さを変えるようにしてもよい。しかし、当該圧着高さの差が大きいと、電線圧着部に大きな段差が生じ、強度的に不利になるとともに製造の困難性も高くなってしまう。これに対し、前記電線圧着部の内側面のうち前記第2の圧着部に相当する部分の内側面の少なくとも一部が前記第1の圧着部に相当する部分の内側面よりも内方に突出していて前記曲げ加工により前記導体の先端側部分が当該導体の根元側部分よりも高圧縮させる形状を有していれば、圧着端子の軸方向についてその圧着高さを大きく変化させなくても、前記第1の圧着部と前記第2の圧着部との間に圧縮率の差をもたせることができ、これにより、端子付電線の機械的強度の確保と、電線と圧着端子との間の接触抵抗の低下を両立させることが可能になる。
【0017】
具体的に、前記第2の圧着部に相当する部分の内側面は、前記第1の圧着部に相当する部分の内側面よりも内方に突出する分、当該導体の先端側部分に対してより大きな圧力で圧着し、これにより当該導体との接触抵抗を低下させる。一方、前記第2の圧着部に相当する部分の内側面は、前記導体の根元側部分の圧縮を抑えることと、当該内側面に形成される凹部の食い込み促進機能とにより、この部分での機械的強度の確保を可能にする。
【0018】
また本発明は、端末において導体が露出する電線と、その端末に圧着される前記の圧着端子とを有する端子付電線であって、前記圧着端子の電線圧着部が前記電線の端末の導体に対して外側から圧着されるとともに、そのうち前記凹部が形成されている第1の圧着部よりも高圧縮で前記第2の圧着部が前記導体に圧着されているものである。
【0019】
この端子付電線では、電線圧着部における第1の圧着部における圧縮の抑制と当該第1の圧着部に形成された凹部とが、当該電線圧着部による導体保持力を高く保持する一方、前記第2の圧着部が高圧縮で前記導体の先端側部分に圧着されることが、両者間の接触抵抗を低下させる。従って、この発明は、高圧縮での圧着、すなわち低圧縮率での圧着が要求される場合に特に有効である。例えば、前記電線の導体が表面に酸化皮膜が形成されやすいアルミニウムやアルミニウム合金で形成される場合、その酸化皮膜を破って接触抵抗を低下させるためには例えば40〜70%程度の圧縮率が要求されることがあり、その場合に本発明はきわめて有効となる。
【0020】
また本発明は、端末において導体が露出する電線と、その端末に圧着される圧着端子とを有する端子付電線を製造するための方法であって、金属板から前記の圧着端子を成形する端子成形工程と、前記圧着端子の電線圧着部を前記電線の端末の導体に外側から圧着するとともに、当該電線圧着部のうち第1の圧着部よりも高圧縮で前記第2の圧着部を前記導体に圧着する圧着工程とを含むものである。
【発明の効果】
【0021】
以上のように、本発明によれば、圧着端子における電線圧着部のうち、圧縮を抑えて導体に圧着される第1の圧着部には、導体への食い込みの促進に有効な凹部を形成することにより、その圧縮の抑制と前記凹部による食い込み促進効果とにより導体の保持強度を高く確保することが可能である一方、前記第1の圧着部よりも高圧縮で導体に圧着される第2の圧着部では、当該第2の圧着部に形成される凹部を端子軸方向と直交する方向に分割し、または第1の圧着部よりも凹部の最大深さを小さくし、もしくは当該第2の圧着部には凹部を形成しないことにより、当該凹部の形成に起因する端子の破断を回避しながら前記高圧縮で当該第2の圧着部を前記導体の先端側部分に圧着することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明の好ましい実施の形態を図面を参照しながら説明する。
【0023】
図1は、本発明の第1の実施の形態において製造される端子付電線を示す。この端子付電線は、電線20と圧着端子10とを有する。前記電線20は、導体22と、この導体22を径方向外側から覆う絶縁被覆24とからなり、その端末において前記絶縁被覆24が部分的に除去されることにより前記導体22が露出している。そして、この電線20の端末に前記圧着端子10が圧着されている。
【0024】
なお、前記導体22の材質は特に限定されず、通常用いられる銅や銅合金の他、種々の材料が設定可能である。しかし、本発明は、アルミニウムやアルミニウム合金のように表面に酸化皮膜が形成されやすく、圧着に高圧縮が要求されるものに特に有効である。
【0025】
この端子付電線は、次の端子成形工程及び圧着工程によって製造される。
【0026】
1)端子成形工程
この工程では、図2及び図3に示されるような圧着端子10、すなわち、電線の端末に圧着される前の圧着端子10が成形される。この成形は、通常の端子と同様、金属板から図2に示すような端子原板を打ち抜く工程と、その端子原板を曲げ加工する工程とにより行われる。
【0027】
前記圧着端子10は、従来の端子と同様、電気接触部12と電線圧着部14とを前後に有する。この実施の形態において、前記電気接触部12は雌型であって図略の雄型端子が嵌入可能な箱型に成形されている。前記電線圧着部14は、前記電気接触部12から軸方向に沿って後方に延びる基部15と、この基部15から前記軸方向と交差する方向(図では直交する方向)に延びる左右一対の導体バレル16と、これらの導体バレル16と略並行に延びる左右一対のインシュレーションバレル18とを含む。前記両導体バレル16は、図2に示すようなU字状の正面形状をなし、前記両インシュレーションバレル18も同様の形状をなす。
【0028】
前記各導体バレル16は、その曲げ加工に伴って前記電線20の導体22に密着する内側面17を有するが、この内側面17のうち、前記導体22の先端側部分に密着する面(以下「第2の内側面」と称する。)17bが前記導体の根元側部分に密着する面(以下「第1の内側面」と称する。)17aよりも内方に突出し、前記曲げ加工により前記導体の先端側部分を当該導体の根元側部分よりも高圧縮させる形状を有する。そして、前記基部15のうち前記第1の内側面17a同士の間に挟まれる部分と、前記導体バレル16のうち前記第1の内側面17aを有する部分とが、前記導体22の根元側部分に圧着され、前記基部15のうち前記第2の内側面17b同士の間に挟まれる部分と、前記導体バレル16のうち前記第2の内側面17bを有する部分とが、前記導体22の先端側部分に圧着される。
【0029】
この実施の形態に係る導体バレル16は、その第1の内側面17aが前記第2の内側面17bよりも凹んだ形状となるようにプレス成形されている。この成形は、前記金属板から圧着端子10の端子原板を打ち抜く際にこれと同時に行われてもよいし、当該内抜き後に基部15から導体バレル16を立ち上がらせるための曲げ加工の前に行われてもよい。
【0030】
一方、この実施の形態において前記導体バレル16の外側面には段差がなく、その高さが均一な面となっている。従って、この実施の形態では、前記導体バレル16のうち前記導体22の先端側部分に圧着される部分の厚みが根元側部分に圧着される部分の厚みよりも大きくなっている。
【0031】
この電線圧着部14のうち、前記導体22の根元側部分に圧着される領域には、その内側面に複数の第1の凹部13aが形成される第1の圧着部14aが含まれ、前記導体22の先端側部分に圧着される領域には、その内側面に複数の第2の凹部13bが形成される第2の圧着部14bが含まれる。各凹部13a,14bは、いずれも、その前後に端子幅方向に延びるエッジを形成する。このエッジは、圧着端子10の圧着時に前記導体22に食い込むことにより、当該圧着端子10による導体22の保持強度を高め、また、当該導体22の表面に形成された酸化皮膜を破ることにより当該導体22と圧着端子10との接触抵抗の低下を促進する。
【0032】
前記両凹部13a,13bのうち、前記第1の凹部13aは、前記基部15のうち左右の第1の内側面17aに挟まれた部分の内側面に形成されている。各第1の凹部13aは、端子の軸方向と直交する方向すなわち端子の幅方向に連続して延びる細溝であり、これら第1の凹部13aは端子の軸方向に互いに平行に複数列(図例では2列)にわたって設けられている。
【0033】
前記第2の凹部13bは、左右の第2の内側面17bとこれらの第2の内側面17bに挟まれる基部15の内側面とに跨る領域に配列されている。各第2の凹部13bは小さな矩形状をなし、前後複数列(図例では2列)にわたって配列されている。各列では、複数の第2の凹部13bが端子の幅方向に互いに間隔をおいて配され、かつ、前列の第2の凹部13bの位置と後列の第2の凹部13bの位置とが端子幅方向に半ピッチ分ずらされている。すなわち、これらの第2の凹部13bは千鳥状に配列されている。
【0034】
この配列は、後述のように前記第1の圧着部14aが圧着されたときの圧着端子10の破断を回避するためのものである。すなわち、凹部が形成される部分では電線圧着部14を構成する金属板の肉厚が局所的に小さく、その部分で特に破断が生じやすくなるため、当該凹部を端子幅方向に分散させることにより、端子軸方向に圧着端子10が分断されるのを回避するものである。
【0035】
なお、第1の凹部13aと第2の凹部13bとの最大深さは、第1の凹部13aをより深くするようにしても良いが、これらを同じ深さにするようにしても良い。
【0036】
2)圧着工程
この工程では、前記電線圧着部14の基部15の上に電線20の端末がセットされ、その状態で導体バレル16及び前記インシュレーションバレル18が図4に示すような通常の金型台28および金型30によりかしめられることにより、両バレル16,18を含む電線圧着部14が前記電線20の端末における導体22及びその直ぐ後ろ側の絶縁被覆24にそれぞれ圧着される。より具体的には、前記金型台28上に前記圧着端子10および電線20の端末が載置され、その上に圧着後の形状に対応する押圧面32をもつ金型30が降下することにより、前記各バレル16,18がそれぞれ前記導体22及び絶縁被覆24を抱き込むように曲げ加工される。
【0037】
ここで、前記導体バレル16の内側面17は、予め、その第2の内側面(導体先端側の内側面)17bが第1の内側面(導体根元側の内側面)17aよりも内方に突出するように形成されているので、例えば図7(a)(b)に示されるように当該導体バレル16が通常の圧着と同様に軸方向全域にわたって均一な圧着高さHで導体22に圧着されても、図6及び図7に示されるように、前記第2の内側面17bによる導体22の(先端側部分の)圧縮率は、前記第1の内側面17aによる導体22の(根元側部分の)圧縮率よりも低く設定しているため、高圧縮で圧着される。従って、当該導体22の先端側部分での高圧縮による圧着が当該導体22と導体バレル16との間の接触抵抗を有効に低下させる一方、当該導体22の根元側部分での相対的な圧縮の抑制が、端子付電線の引張強度、より具体的には導体バレル16による導体22の保持強度を高く確保することを可能にする。つまり、接触抵抗の低下と高い機械的強度の確保との両立が可能である。
【0038】
しかも、相対的に低い圧縮力で圧着される第1の圧着部14aの内側面に形成される第1の凹部13aは、端子幅方向に連続しており、高圧縮で圧着される前記第2の圧着部14bの内側面に形成される第2の凹部13bは、端子幅方向に分割されて同方向に互いに離間しているため、前記第1の圧着部14aでは前記第1の凹部13aによる十分な食い込み効果を享受しながら、前記第2の圧着部14bにおいて高圧縮(低圧縮率)での圧着に起因する破断が生じるのを回避することが可能である。
【0039】
具体的に、前記第1の圧着部14aに形成される第1の凹部13aは、端子幅方向に連続しているため、同方向に連続するエッジを形成することが可能であり、このエッジが端子幅方向に連続する領域にわたって十分な食い込み効果を発揮することができる。しかも、この第1の圧着部14aでの圧縮は抑えられているので、当該第1の凹部13aが端子幅方向に連続していても当該凹部13aの形成箇所で端子が破断するのを回避することが可能である。
【0040】
これに対し、前記第2の圧着部14bに形成される第2の凹部13bは、端子幅方向に間欠的に配列されている(すなわち同方向に分散されている)ため、当該第2の圧着部14bで高圧縮での圧着であっても圧着端子10の破断は生じにくい。例えば、前記導体22がアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる場合、その表面に形成される酸化皮膜を打ち破って接触抵抗を低下させるためには、前記第2の圧着部14bに40%〜70%程度の低い圧縮率が要求される場合があるが、この場合でも当該第2の圧着部14bでの破断を回避することが可能である。
【0041】
さらに、この実施の形態のように、前記第2の圧着部14bに設けられる複数の第2の凹部13bが、端子軸方向に並ぶ複数の列にそれぞれ配され、それぞれの列に設けられる凹部の位置が当該列に隣接する列に設けられる凹部の位置に対して当該列の方向にずれている(すなわち千鳥状に配列されている)ことは、その端子幅方向に第2の凹部13bが間欠的に配列されているにもかかわらず、当該端子幅方向についての食い込み効果の均一化を図ることを可能にする。
【0042】
なお、前記の電線圧着部14の内側面の高低差は、導体バレル16の内側面に加えて基部15の内側面に与えられてもよい。例えば、第2の実施の形態として図8及び図9に示されるように、前記両第1の内側面17aに挟まれる基部15の内側面が当該第1の内側面17aと同様に凹んでいてもよい。この場合、同図に示されるように、前記基部15の内側面及びその両側の第1の内側面17aを跨ぐ領域に前記第1の凹部13aが連続的に形成されてもよい。
【0043】
また、本発明に係る導体バレルの内側面は、前記のように段差を有するものでなくてもよく、例えば第3の実施の形態として図10及び図11に示される圧着端子10の内側面17のように、内方への突出量が導体22の先端側部分に向かうに従って次第に大きくなるテーパー状の面であってもよい。このような形状の内側面17も、導体22の先端側部分と根元側部分とでその圧縮率に差を与えることが可能であり、さらに、前記導体22の圧縮率を軸方向について滑らかに変化させることを可能にする。そして、その先端側の特定部分(第2の圧着部14b)に第2の凹部13bが、また、根元側の特定部分(第1の圧着部14a)に第1の凹部13aが形成されていればよい。
【0044】
前記のような高低差をもつ第1の内側面17a及び第2の内側面17bは、例えば、導体バレル16を構成する金属板の適当な周縁部分を内側に折り返すことによっても形成することが可能である。この場合、導体バレル16を薄くすることなく、逆にその肉厚を増やして強度を高めながら、前記の効果を得ることが可能である。
【0045】
例として、第4の実施の形態として図12〜図15に示される圧着端子10では、図12に示すような導体バレル16を構成する金属板に、そのバレルの本体部分のうちその前側部分(導体22の先端側部分に圧着される部分)からのみさらに当該導体バレル16が延びる方向に延長された延長端部16aが形成され、この延長端部16aが基部15側に折り返されている。そして、その折り返された延長端部16aの表側面が、図13及び図14に示すような導体バレル16の第2の内側面17bを構成している。
【0046】
この第2の内側面17bは、前記延長端部16aよりも後ろ側の導体バレル16の内側面である第1の内側面17aよりも当該延長端部16aの厚み分だけ内方に突出している。従って、前記第1の実施の形態と同様、当該導体バレル16が導体22に圧着されたときに、前記第2の内側面17bは、前記第1の内側面17aが導体22の根元側部分を圧縮させる圧縮率よりも低い圧縮率、すなわち高圧縮で当該導体22の先端側部分を圧着する。
【0047】
また、第5の実施の形態として図16〜図19に示される圧着端子10では、図16に示すような導体バレル16を構成する金属板に、そのバレルの本体部分から端子軸方向に沿って前方に(すなわち導体22の先端側に)延長された延長部16bが形成され、この延長部16bが内側かつ後ろ側に折り返されている。そして、その折り返された延長部16bの表側面が、図17及び図18に示すような導体バレル16の第2の内側面17bを構成している。内側に折り返される端部16aが前記のように導体バレル16の第1の内側面17aと第2の内側面17bとの内側面の形状前記導体バレルを構成する金属板の特定の周縁部分が内側に折り返されてその折り返された部分の表面が導体バレルの内側面の前側部分を構成していてもよい。いずれのものも、簡単な構造で導体の先端側部分と根元側部分との間に圧縮率の差をもたせることが可能である。
【0048】
また、折り返される部分は、第6の実施の形態として図20〜図22に示されるような形状の導体バレル16の外側縁部16cであってもよい。この外側縁部16cは、端子後ろ側(導体22の根元側)から前側(導体22の先端側)に向かうに従って幅広となる形状、すなわち、当該外側縁部16cが図21に示すように基部15に向けて内側に折り返されたときにその折り返し部分の寸法が前記導体の先端側に向かうに従って大きくなる形状を有している。
【0049】
この実施の形態に係る圧着端子10では、図22(a)に示すような導体22の根元側での折り返し部分(すなわち外側縁部16c)の寸法よりも同図(b)に示すような導体22の先端側での折り返し部分(外側縁部16c)の寸法が大きく、かつ、その寸法は導体22の先端側に向かうに従って連続的に大きくなるので、当該導体22の圧縮度合いを先端側に向かうに従って連続的に増大させることが可能である。
【0050】
また、本発明では、前記のような導体バレル16の内側面17の形状設定と併せて、他の圧縮率調節手段が電線圧着部14に付加されてもよい。例えば第7の実施の形態として図23及び図24に示す端子付電線では、その圧着端子10の基部15のうち前側部分(導体22の先端側部分に圧着される部分)にのみ、その左右両側に凹み部19が形成され、その凹み分だけ、前記導体22の先端側部分に対応する部分の内側面が、当該導体22の根元側部分に対応する部分よりも前記導体22の径方向の内側に入り込んだ形状に成形されている。そして、その入り込みの分だけ導体22の圧縮度合いを高めている。この凹み部19は、端子圧着成形時にそのまま形成されればよい。
【0051】
また、第8の実施の形態として図25及び図26(a)(b)に示すように、導体22の根元側の第1の圧着部14aと先端側の第2の圧着部14bとで圧着高さに差が与えられてもよい。すなわち、第1の圧着部14aでは大きな圧着高さHaを確保することにより圧縮を抑えることで圧縮率を高めながら第2の圧着部14bでは小さな圧着高さHbを設定して高圧縮することで圧縮率を下げるようにしてもよい。この場合も、第1の圧着部14aの内側面には端子の幅方向に連続する第1の凹部が、第2の圧着部14bの内側面には同方向に互いに離間する複数の第2の凹部が形成されればよい。
【0052】
前記第2の凹部の配列については、適宜変更が可能である。例えば、第9の実施の形態として図27および図28に示すように、複数の第2の凹部13bが端子幅方向に並ぶ列が端子軸方向に密に並んでいてもよい。すなわち、複数の矩形状の第2の凹部13bがいわゆる市松模様をなすように形成されてもよい。あるいは、第10の実施の形態として図29及び図30に示すように、複数の第2の凹部13bが縦横に整列していてもよい。
【0053】
本発明の第11の実施の形態を図31〜図33に示す。ここでは、高圧縮で圧着される第2の圧着部14bに形成される第2の凹部13bが、相対的に低圧縮で圧着される第1の圧着部14aに圧着される第1の凹部13aと同様に、端子幅方向に連続する長尺溝状に形成されている。しかし、当該第2の凹部13bの深さ寸法は当該第1の凹部13aの深さ寸法よりも小さい寸法に設定されている。
【0054】
この実施の形態においても、前記第2の凹部13bの深さ寸法が抑えられる分、その部分での第2の圧着部14bの厚み寸法が大きく確保されるため、当該第2の圧着部14bが高圧縮で圧着されることによる破断が有効に抑止される。一方、相対的に圧縮度合いの低い第1の圧着部14aではそこに形成される第1の凹部13aに十分な深さ寸法が与えられることにより、当該第1の凹部13aによる高い食い込み効果を得ることができる。
【0055】
さらに、前記第1の実施の形態等に示されるように、第1の凹部13aが端子幅方向に連続し、第2の凹部13bが端子幅方向に分割されて同方向に互いに離間しているものにおいて、当該第2の凹部13bの深さ寸法よりも第1の凹部13aの深さ寸法が大きく設定されれば、本発明の効果はより顕著なものとなる。
【0056】
なお、各凹部の具体的な深さ寸法は、圧着端子10を構成する金属板の厚みや材質、当該凹部の平面形状や配列、各圧着部での圧縮率、等に基いて適宜設定されればよい。一般には、金属板の厚みが0.25mmである場合、第1の凹部13aの深さ寸法は0.05mm程度、第2の凹部13bの深さ寸法は0.03mm程度が好適である。
【0057】
また、第1の凹部13a、第2の凹部13bがそれぞれ複数存在する場合に、各第1の凹部13aの深さ寸法は互いに同一でなくてもよく、同様に各第2の凹部13bの深さ寸法は互いに同一でなくてもよい。また、各凹部の深さ寸法が当該凹部全域にわたって一定でなくてもよい。その場合、第1の凹部の最大深さが第2の凹部の最大深さよりも大きければよい。
【0058】
本発明の第12の実施の形態を図34及び図35に示す。ここでは、前記第1の実施の形態で示された圧着端子10において、第2の凹部13bが省略されている。すなわち、当該圧着端子10の電線圧着部14のうち、導体先端側の第2の圧着部14bよりも相対的に圧縮が抑えられて圧着される第1の圧着部14aにのみ、その内側面に凹部(この実施の形態では端子幅方向に連続する第1の凹部13a)が形成されている。
【0059】
この圧着端子10では、第1の圧着部14aにのみ凹部が形成されていて第2の圧着部14bの内側面に凹部が形成されていないので、当該凹部に起因する第2の圧着部14bでの破断がより確実に防がれる。
【0060】
このように第2の圧着部14bにおける凹部の形成が省略される場合でも、第1の圧着部14aと第2の圧着部14bとの間に圧縮率の差を与えるための手段は限定されず、例えば前記図1〜図24に示した圧縮率に差を与えるための手法をそのまま適用してもよい。また、第13の実施の形態として図36及び図37に示されるように、電線圧着部14における内側面17が端子軸方向にわたって均一である圧着端子10であっても、前記第1の凹部13aが形成されている第1の圧着部14aの圧着高さが、凹部の形成されていない第2の圧着部14bの圧着高さより大きくなるように、各圧着部14a,14bが電線の導体に圧着されれば、第1の圧着部14aにおける第1の凹部13aによる食い込み効果と、第2の圧着部14bでの破断防止とを両立させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る端子付電線の側面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る圧着端子の展開図である。
【図3】図2に示される圧着端子の成形後の形状を示す斜視図である。
【図4】前記端子付電線を製造するための圧着工程を示す正面図である。
【図5】前記端子付電線の圧着部分を示す斜視図である。
【図6】前記圧着部分の断面側面図である。
【図7】(a)は図6の7A−7A線断面図、(b)は図6の7B−7B線断面図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係る圧着端子の展開図である。
【図9】図8に示される圧着端子の成形後の形状を示す斜視図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態に係る圧着端子の成形後の形状を示す斜視図である。
【図11】前記圧着端子の圧着部分の断面側面図である。
【図12】本発明の第4の実施の形態に係る圧着端子の展開図である。
【図13】図12に示される圧着端子の成形後の形状を示す斜視図である。
【図14】図13に示される圧着端子の圧着部分の断面側面図である。
【図15】(a)は図14の15A−15A線断面図、(b)は図14の15B−15B線断面図である。
【図16】本発明の第5の実施の形態に係る圧着端子の展開図である。
【図17】図16に示される圧着端子の成形後の形状を示す斜視図である。
【図18】図17に示される圧着端子の圧着部分の断面側面図である。
【図19】(a)は図18の19A−19A線断面図、(b)は図18の19B−19B線断面図である。
【図20】本発明の第6の実施の形態に係る圧着端子の展開図である。
【図21】図20に示される圧着端子の成形後の形状を示す斜視図である。
【図22】(a)は図13に示される圧着端子が導体の根元側部分に圧着される部分の断面正面図、(b)は当該導体の先端側部分に圧着される部分の断面正面図である。
【図23】本発明の第7の実施の形態に係る端子付電線の圧着部分の斜視図である。
【図24】(a)は図23の断面24Aを示した図、(b)は図23の断面24Bを示した図である。
【図25】本発明の第8の実施の形態に係る端子付電線の圧着部分の斜視図である。
【図26】(a)は図25の断面26Aを示した図、(b)は図25の断面26Bを示した図である。
【図27】本発明の第9の実施の形態に係る圧着端子の展開図である。
【図28】図27に示される圧着端子の成形後の形状を示す斜視図である。
【図29】本発明の第10の実施の形態に係る圧着端子の展開図である。
【図30】図29に示される圧着端子の成形後の形状を示す斜視図である。
【図31】本発明の第11の実施の形態に係る圧着端子の展開図である。
【図32】図31に示される圧着端子の成形後の形状を示す斜視図である。
【図33】図31の33−33線断面図である。
【図34】本発明の第12の実施の形態に係る圧着端子の展開図である。
【図35】図30に示される圧着端子の成形後の形状を示す斜視図である。
【図36】本発明の第13の実施の形態に係る圧着端子の展開図である。
【図37】図36に示される圧着端子の成形後の形状を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0062】
10 圧着端子
12 電気接触部
13a 第1の凹部
13b 第2の凹部
14 電線圧着部
14a 第1の圧着部
14b 第2の圧着部
15 基部
16 導体バレル
20 電線
22 導体
24 絶縁被覆

【特許請求の範囲】
【請求項1】
相手方の端子と嵌合して電気的に接続される電気接続部と、端末において導体が露出する電線の当該端末に圧着される電線圧着部とを有する圧着端子であって、
前記電線圧着部は、前記電線の端末における導体に対して外側から圧着される第1の圧着部と、当該導体に対し、前記第1の圧着部よりも当該導体の先端側の位置で、かつ当該第1の圧着部よりも高圧縮で外側から圧着される第2の圧着部とを有し、
前記第1の圧着部の内側面及び前記第2の圧着部の内側面にそれぞれ、前記導体に食い込むエッジを形成する凹部が設けられるとともに、前記第1の圧着部に設けられる凹部は前記端子の軸方向と直交する方向について連続しており、第2の圧着部に設けられる凹部は前記端子の軸方向と直交する方向について複数の凹部に分割され且つその分割された凹部が当該方向に互いに離間していることを特徴とする圧着端子。
【請求項2】
請求項1記載の圧着端子において、
前記第2の圧着部に設けられる分割された凹部は、端子軸方向に並ぶ複数の列にそれぞれ配され、それぞれの列に設けられる凹部の位置が当該列に隣接する列に設けられる凹部の位置に対して当該列の方向にずれていることを特徴とする圧着端子。
【請求項3】
相手方の端子と嵌合して電気的に接続される電気接続部と、端末において導体が露出する電線の当該端末に圧着される電線圧着部とを有する圧着端子であって、
前記電線圧着部は、前記電線の端末における導体に対して外側から圧着される第1の圧着部と、当該導体に対し、前記第1の圧着部よりも当該導体の先端側の位置で、かつ当該第1の圧着部よりも高圧縮で外側から圧着される第2の圧着部とを有し、
前記第1の圧着部の内側面及び前記第2の圧着部の内側面にそれぞれ、前記導体に食い込むエッジを形成する凹部が設けられるとともに、前記第2の圧着部に設けられる凹部の最大深さが前記第1の圧着部に設けられる凹部の最大深さよりも小さいことを特徴とする圧着端子。
【請求項4】
相手方の端子と嵌合して電気的に接続される電気接続部と、端末において導体が露出する電線の当該端末に圧着される電線圧着部とを有する圧着端子であって、
前記電線圧着部は、前記電線の端末における導体に対して外側から圧着される第1の圧着部と、当該導体に対し、前記第1の圧着部よりも当該導体の先端側の位置で、かつ当該第1の圧着部よりも高圧縮で外側から圧着される第2の圧着部とを有し、
前記第1の圧着部及び前記第2の圧着部のうちの前記第1の圧着部の内側面にのみ、前記導体に食い込むエッジを形成する凹部が設けられることを特徴とする圧着端子。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の圧着端子において、
前記電線圧着部は、前記電気接続部から軸方向に延びる基部と、この基部から前記軸方向と交差する方向に延びる金属板からなり、前記電線の端末において露出する導体を抱き込むように曲げ加工される導体バレルとを有し、
前記導体バレルは、その内側面のうち前記第2の圧着部に相当する部分の内側面が前記第1の圧着部に相当する部分の内側面よりも内方に突出していて前記曲げ加工により前記導体の先端側部分を当該導体の根元側部分よりも高圧縮させる形状を有することを特徴とする圧着端子。
【請求項6】
端末において導体が露出する電線と、
その端末に圧着される請求項1〜5のいずれかに記載の圧着端子とを有する端子付電線であって、
前記圧着端子の電線圧着部が前記電線の端末の導体に対して外側から圧着されるとともに、そのうち前記第1の圧着部よりも高圧縮で前記第2の圧着部が前記導体に圧着されていることを特徴とする端子付電線。
【請求項7】
請求項6記載の端子付電線において、
前記電線の導体がアルミニウムまたはアルミニウム合金からなることを特徴とする端子付電線。
【請求項8】
端末において導体が露出する電線と、その端末に圧着される圧着端子とを有する端子付電線を製造するための方法であって、
金属板から請求項1〜5のいずれかに記載の圧着端子を成形する端子成形工程と、
前記圧着端子の電線圧着部を前記電線の端末の導体に外側から圧着するとともに、当該電線圧着部のうち前記凹部が形成されている第1の圧着部よりも高圧縮で前記第2の圧着部を前記導体に圧着する圧着工程とを含むことを特徴とする端子付電線の製造方法。
【請求項9】
請求項8記載の端子付電線の製造方法において、
前記での導体がアルミニウムまたはアルミニウム合金からなることを特徴とする端子付電線の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate

【図31】
image rotate

【図32】
image rotate

【図33】
image rotate

【図34】
image rotate

【図35】
image rotate

【図36】
image rotate

【図37】
image rotate


【公開番号】特開2009−117085(P2009−117085A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−286680(P2007−286680)
【出願日】平成19年11月2日(2007.11.2)
【出願人】(395011665)株式会社オートネットワーク技術研究所 (2,668)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】