圧縮ばねハンドリング装置
【課題】
サイズが異なる複数の圧縮ばねを取り扱う事が可能な圧縮ばねハンドリング装置を提供すること。
【解決手段】
本発明に係る圧縮ばねハンドリング装置は、圧縮ばねを圧縮方向に挟持する開閉自在な対となった挟持爪を有する挟持爪ユニットと、前記挟持爪それぞれに対応して設けられ、前記挟持爪と一緒に移動すると共に圧縮ばねを挟持した状態において挟持爪と当接している圧縮ばねの端部を押し、挟持された圧縮ばねを前記挟持爪ユニットから押し出すプッシャーと、各前記プッシャーを押出方向に同期駆動する押出駆動部と、から構成されている。
サイズが異なる複数の圧縮ばねを取り扱う事が可能な圧縮ばねハンドリング装置を提供すること。
【解決手段】
本発明に係る圧縮ばねハンドリング装置は、圧縮ばねを圧縮方向に挟持する開閉自在な対となった挟持爪を有する挟持爪ユニットと、前記挟持爪それぞれに対応して設けられ、前記挟持爪と一緒に移動すると共に圧縮ばねを挟持した状態において挟持爪と当接している圧縮ばねの端部を押し、挟持された圧縮ばねを前記挟持爪ユニットから押し出すプッシャーと、各前記プッシャーを押出方向に同期駆動する押出駆動部と、から構成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧縮ばねを所定の長さに圧縮した状態で挟持し、挟持された圧縮ばねをプッシャーにより押し出す、圧縮ばねハンドリング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ロボット等を用いた圧縮ばねのハンドリング装置として、従来から図12に示す特許文献1に記載の圧縮コイルばね組付装置等が知られている。
図12に示す特許文献1に記載の圧縮コイルばね組付装置において、1は矩形断面の筒状をした保持体である。保持体1は、その軸線に平行な面により、2部分に分割されており、一方が固定ジョー2、他方が固定ジョー2と平行関係を保ちつつ相対移動して開閉動作を生ぜしめる可動ジョー3となっている。4はジョー2,3の合わせ目に軸方向摺動自在に設けられたプッシャーで、先端は平板状になっており、その前面には円弧状の窪み5が設けられている。6はステー7により固定ジョー2に一体化された当て板で、可動ジョー3の側面の窓8を通り抜け、最も引っ込んだ状態にあるプッシャー4の前面に並んで一連の障壁を形成する。而して保持体1の出口の内壁には相対する案内斜面10,11が形設される。案内斜面10は固定ジョーに、案内斜面11は可動ジョー3に、互に対称的に設けられて、保持体1の内側から外側に向うに従い、出口の幅を狭めて行っている。プッシャー4を前進させると、ばね17は前進方向に向かい凹状に湾曲した形状を保ちつつ案内斜面10,11を滑り、両端から先に押し出される。可動ジョー3とプッシャー4の駆動は図示しないエアシリンダによって行い、これらをまとめたユニットをロボットアーム先端に装着して使用する。
【0003】
また、近年、ロボットを用いたセル生産による機器組立システムが注目されるようになり、多種類の部品を挟持することができるハンドリング装置が求められている。特に機器の組立においては多種類の圧縮ばねを取り扱う事が多いため、安定した圧縮ばねの挟持および組付ができるハンドリング装置が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭59−187428号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1等に記載された従来のハンドリング装置は、組立作業において、圧縮された状態の圧縮ばねを所定の領域に挿入する際に、圧縮ばねの軸方向全体を1つのプッシャーで押している。これは、圧縮ばねの軸方向の中央近傍だけをプッシャーで押すと、圧縮ばねが湾曲変形した状態で押し出され、不適切な姿勢で挿入されることがあるためである。そのため、サイズが異なる複数の圧縮ばねを取り扱う場合でも圧縮ばねを挿入する際の圧縮ばねの軸方向の長さは、プッシャーのサイズにより決定される長さとなってしまう。
【0006】
そのため、サイズが異なる複数の圧縮ばねの組み付け作業において、圧縮ばねの密着長さがプッシャーより長い場合には、プッシャーの大きさが異なるハンドリング装置を用いなければならない。
【0007】
さらに、圧縮ばねが挿入される所定の領域の大きさに対し、圧縮された状態の圧縮ばねの軸方向長さが大幅に短いと、プッシャーで押し出した後に圧縮ばねの挙動が安定しないため、圧縮ばねが不適切な姿勢で挿入される事があった。また、プッシャーで押し出した後に圧縮ばねを挟持していた爪に引っ掛かり、所定領域に挿入できないこともあった。
【0008】
そこで、この発明は上記課題に鑑み、任意の軸方向長さに圧縮された圧縮ばねを、変形させずに押し出すことが可能な圧縮ばねハンドリング装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明に係る圧縮ばねハンドリング装置は、圧縮ばねを圧縮方向に挟持する開閉自在な対となった挟持爪を有する挟持爪ユニットと、前記挟持爪それぞれに対応して設けられ、前記挟持爪と一緒に移動すると共に圧縮ばねを挟持した状態において挟持爪と当接している圧縮ばねの端部を押し、挟持された圧縮ばねを前記挟持爪ユニットから押し出すプッシャーと、各前記プッシャーを押出方向に同期駆動する押出駆動部と、から構成されている。
【発明の効果】
【0010】
圧縮ばねを任意の軸方向長さで挟持でき、任意の軸方向長さに圧縮された圧縮ばねを変形させることなくプッシャーで押し出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】第1の実施形態における正面図(a)とA−A断面図(b)である。
【図2】第1の実施形態における圧縮ばねの押出動作途中の正面図である。
【図3】第1の実施形態における圧縮ばねの押出動作が完了した正面図である。
【図4】第1の実施形態における挟持爪を開いた状態の正面図である。
【図5】第2の実施形態における正面図(a)と側面図(b)である。
【図6】第2の実施形態における圧縮ばねの押出動作途中の側面図である。
【図7】第1の実施形態における圧縮ばねの押出動作が完了した側面図である。
【図8】第3の実施形態における正面図(a)とB−B断面図(b)である。
【図9】第3の実施形態における圧縮ばねの押出動作途中の正面図(a)とB−B断面図(b)である。
【図10】第4の実施形態における正面図(a)とC−C断面図(b)である。
【図11】第4の実施形態におけるプッシャーの変形例を示す図である。
【図12】特許文献1に記載の圧縮コイルばね組付装置の図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に係る圧縮ばねハンドリング装置は、機器組立システムにおけるロボット等の搬送装置の作業先端部に取り付けられて用いられるハンドリング装置の一種であり、機器に組み込まれる圧縮ばねを挟持し、所定の領域に所定の姿勢で圧縮ばねを挿入組立可能とする圧縮ばねハンドリング装置である。
【0013】
まず本発明に係る第1の実施形態について、図面を用いて説明する。
図1(a)は、第1の実施形態における圧縮ばねハンドリング装置の正面図である。図1(b)は、図1(a)に示した圧縮ばねハンドリング装置のA−A断面図である。なお、図示しないが、圧縮ばねハンドリング装置はロボット等を用いた搬送装置や組立装置等に取り付けられ、圧縮ばねハンドリング装置と搬送装置や組立装置等とは動力や信号線等によって接続されている。つまり、圧縮ばねハンドリング装置は、搬送装置や組立装置等の制御装置(以下、制御装置という。)に接続され、制御装置によって制御されている。
【0014】
図1(a)および図1(b)において、111は多点位置決め可能なアクチュエータ、113と114はアクチュエータ111のキャリア、120と130はキャリア113,114に取り付けられた挟持爪、140,150は挟持爪120,130に取り付けられたプッシャー、160はプッシャーを駆動する押出シリンダ、170は押出シリンダ160とプッシャー140,150とを機構的に連結するシャフトである。
【0015】
アクチュエータ111は、例えば市販されている電動グリッパ等を用いる事ができる。キャリア113,114は、同一平面において同一直線上を移動する。キャリア113とキャリア114とは、連動して反対方向に同じ距離だけ移動し、キャリア113と114との距離を前記制御装置にて任意の距離に制御することができる。
【0016】
挟持爪120,130は、アングル形状を有し、一方の辺をキャリア113,114への取り付け部とし、他方の辺を挟持する際に圧縮ばね101の軸方向端部と当接する挟持部としている。挟持爪120,130は、キャリア113,114に対称に取り付けられ、挟持部の当接面が対向配置される。これにより、アクチュエータ111を動作させることで挟持爪120,130の開閉が可能となり、圧縮ばね101を挟持爪120,130の挟持部の間に、圧縮ばね101の軸方向と挟持部の当接面とがほぼ直交する状態で配置し、挟持爪120,130の当接面を圧縮ばね101の自然長より短い距離となるように移動させることで圧縮ばね101を挟持できる。
【0017】
圧縮ばねを挟持した状態における挟持爪120,130の当接面の間隔は、圧縮ばねを挿入組立する所定の領域に基づいた間隔とすることができる。具体的には、挟持爪120,130の当接面の距離を、圧縮ばねを挿入組立する領域における圧縮ばねの軸方向長さより若干短くする。勿論、挟持爪120,130の当接面の距離は、圧縮ばねの密接長さよりも長くする必要がある。これは、挿入組立する領域の圧縮ばねの軸方向長さに比べて挟持爪120,130の当接面の距離を大幅に短くすると、プッシャー140,150にて圧縮ばね101を押し出して挿入組立する領域に挿入する際に、圧縮ばねが挿入組立する領域から飛び出すことや、押し出された圧縮ばね101の一部が挟持爪120,130に引っ掛かることで、挿入組立不良が発生する確率が高くなるからである。
【0018】
プッシャー140,150は、図1(a)および図1(b)における上下方向に直動自在に挟持爪120,130の挟持部にそれぞれに取り付けられている。ここで、本実施形態においては挟持爪120,130の挟持部は一定の長方形断面を有しており、挟持部をプッシャー140,150の直動用のレール部としても利用している。プッシャー140,150には、挟持爪120,130のレール部と摺動自在な図示しない長方形断面の穴がガイド部として形成されている。さらに、挟持爪120,130の当接面とプッシャー140,150のガイド部とは、圧縮ばねが挟まらないように摺動可能に密接している。以上より、挟持爪120,130の当接面をレール部、プッシャー140,150の長方形断面の穴をガイド部とし、プッシャー動作機構部としての直動機構を実現していることとなる。
【0019】
プッシャー140,150は摺動部にシャフト170が挿入され、シャフト170に対してシャフト170の軸方向に摺動可能となっている。摺動部に市販されているリニアブッシュ、すべり軸受等を用いる事ができる。シャフト170は押出シリンダ160のピストン先端に固定されている。よって、挟持爪120,130の位置に関係なく、プッシャー140,150は、シャフト170を介して押出シリンダ160のピストン動作に連動し、図1(a)および図1(b)における上下方向に動くこととなる。つまり、押出シリンダ160とシャフト170とプッシャー140,150に形成されたシャフト170との摺動部によって、押出駆動部が構成されている。なお、押出シリンダ160は前記制御装置にてピストンの前進後退の動作制御がなされている。押出シリンダ160には、位置制御や正確な速度制御が必要な場合には電動シリンダを、その他の場合にはエアシリンダを用いることができる。
【0020】
次に図1から図4を用いて、圧縮ばねハンドリング装置の動作について説明する。なお、図1乃至4のいずれにおいても、圧縮ばねハンドリング装置は図示しないロボット等に取り付けられ、図示しない制御装置に接続され、制御されている。
【0021】
(1)制御装置にてアクチュエータ111および押出シリンダ160を制御し、挟持爪120,130を所定の間隔に開くと共に、プッシャー140,150を後退端に移動させる。図4が上記の動作完了後の圧縮ばねハンドリング装置の状態図である。
【0022】
(2)圧縮ばねハンドリング装置が図4の状態になった後、制御装置にて図示しないロボットを制御し、挟持する圧縮ばねが、挟持爪120,130の当接面の間であって圧縮ばねの軸方向が当接面と直交するように、圧縮ばねハンドリング装置を移動させる。
【0023】
(3)制御装置にてアクチュエータ111を制御し、挟持爪120,130を設定された所定の間隔に閉じ、圧縮ばねを挟持する。図1が上記の動作完了後の圧縮ばねハンドリング装置の状態図である。
【0024】
(4)圧縮ばねを挟持した状態で、制御装置にて図示しないロボットを制御し、挟持した圧縮ばね101を挿入組立する領域に移動させる。移動完了後、制御装置にて押出シリンダ160を制御し、プッシャー140,150を押し出し方向に前進移動させ、圧縮ばね101を挿入組立する領域に押し出す。図2が圧縮ばね101の押し出し動作途中の状態図である。さらに、図3は、圧縮ばね101の押し出し動作が完了した状態図である。
【0025】
なお、繰り返し圧縮ばねを組立挿入する場合には、上記(1)から(4)の動作を繰り返すこととなる。
上記第1実施形態にあっては、挟持爪120,130に同期動作するそれぞれ独立したプッシャー140,150が設けられているため、挟持爪120,130の間隔が変更されても、挟持爪120,130と当接している圧縮ばね101の端部をプッシャー140,150で同期して押す事ができ、圧縮ばね101の姿勢を保ったまま挿入組立することができる。
【0026】
さらに、プッシャー140,150は挟持爪120,130の間隔に関係なく圧縮ばね101の端部を押す事が可能であるので、任意の間隔に挟持爪120,130を設定しても、圧縮ばね101の姿勢を保ったまま挿入組立することができる。同様に、複数のサイズが異なる圧縮ばね101についても、圧縮ばね101の姿勢を保ったまま挿入組立することができる。
【0027】
次に本発明に係る第2の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、第1の実施形態と共通する部分は同じ番号を付している。また、以下の説明において、第1の実施形態と共通する部分は説明を省略している。
【0028】
図5(a)は、第2の実施形態における圧縮ばねハンドリング装置の正面図である。図5(b)は、図5(a)に示した圧縮ばねハンドリング装置の側面図である。なお、第2の実施形態も第1の実施形態と同様に、圧縮ばねハンドリング装置はロボット等を用いた搬送装置や組立装置等に取り付けられ、圧縮ばねハンドリング装置と搬送装置や組立装置等とは動力や信号線等によって接続されている。
【0029】
図5(a)および図5(b)において、220と230はキャリア113,114に取り付けられた挟持爪、240,250は挟持爪220,230に取り付けられたプッシャーである。
【0030】
挟持爪220,230は、アングル形状を有し、一方の辺をキャリア113,114の取り付け部とし、他の辺を挟持部としている。第1の実施形態における挟持爪とは、挟持部に押し出し方向が開口した切り欠き部を有する点で異なっている。切り欠き部を有することにより、挟持爪220は櫛歯部221が形成され、挟持爪230には図示しない櫛歯部231が形成される。
【0031】
プッシャー240,250は、図5(a)および図5(b)における上下方向に直動自在に挟持爪220,230の挟持部それぞれに取り付けられている。ここで、本実施形態においても、挟持爪220,230の挟持部をレール部、プッシャー240,250の長方形断面の穴をガイド部とし、プッシャー動作機構部としての直動機構を実現している。
【0032】
さらに、プッシャー240,250は摺動部にシャフト170が挿入され、シャフト170に対してシャフト170の軸方向に摺動可能となっている。シャフト170は押出シリンダ160のピストン先端と接続されている。よって、挟持爪220,230の位置に関係なく、プッシャー240,250は、押出シリンダ160のピストン動作に連動して図5(a)および図5(b)における上下方向に動くこととなる。つまり、押出シリンダ160とシャフト170とプッシャー240,250に形成されたシャフト170との摺動部によって、押出駆動部が構成されている。
【0033】
なおさらに、プッシャー240には挟持爪220の当接面と交差するように形成された押し出し部241が、プッシャー250には挟持爪230の当接面と交差するように形成された押し出し部251が、形成されている。
【0034】
押し出し部241,251が、挟持爪220,230と交差するように形成されているため、圧縮ばね101の線径が細い場合でも、挟持爪220,230とプッシャー240,250との隙間に、圧縮ばね101が挟まることがなくなる。
【0035】
なお、挟持爪220,230の切り欠き部は、プッシャー240,250の押し出し部241,251が押し出し動作中に挟持爪220,230と接触しない形状で切り欠いている。
【0036】
次に図5から図7を用いて、圧縮ばねハンドリング装置の動作について説明する。なお、図5乃至7のいずれにおいても、圧縮ばねハンドリング装置は図示しないロボット等に取り付けられ、図示しない制御装置に接続され、制御されている。
【0037】
(1)制御装置にてアクチュエータ111および押出シリンダ160を制御し、挟持爪220,230を所定の間隔に開くと共に、プッシャー240,250を後退端に移動させる。上記動作が完了した状態は、図4に示した第1の実施形態における圧縮ばねハンドリング装置の状態図において、挟持爪およびプッシャーを第2の実施形態にものに置換した状態となる。
【0038】
(2)圧縮ばねハンドリング装置が(1)の状態となった後、制御装置にて図示しないロボットを制御し、挟持する圧縮ばねが、挟持爪220,230の当接面の間であって圧縮ばねの軸方向が当接面と直交するように、圧縮ばねハンドリング装置を移動させる。
【0039】
(3)制御装置にてアクチュエータ111を制御し、挟持爪220,230を設定された所定の間隔に閉じ、圧縮ばねを挟持する。図5が上記の動作完了後の圧縮ばねハンドリング装置の状態図である。
【0040】
(4)圧縮ばねを挟持した状態で、制御装置にて図示しないロボットを制御し、挟持した圧縮ばね101を挿入組立する領域に移動させる。移動完了後、制御装置にて押出シリンダ160を制御し、プッシャー240,250を押し出し方向に前進移動させ、圧縮ばね101を挿入組立する領域に押し出す。図6が圧縮ばね101の押し出し動作途中の状態図である。さらに、図7は、圧縮ばね101の押し出し動作が完了した状態図である。
【0041】
なお、繰り返し圧縮ばねを組立挿入する場合には、上記(1)から(4)の動作を繰り返すこととなる。
第2の実施形態にあっては、前記第1実施形態と同様の効果を得られると共に、圧縮ばね101の線径が細い場合でも、挟持爪220,230とプッシャー240,250との隙間に、圧縮ばね101の一部が挟まることを防止することができる。
【0042】
次に本発明に係る第3の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、第1の実施形態と共通する部分は同じ番号を付している。また、以下の説明において、第1の実施形態と共通する部分は説明についても省略する。
【0043】
図8(a)は、第3の実施形態における圧縮ばねハンドリング装置の正面図である。図8(b)は、図8(a)に示した圧縮ばねハンドリング装置のB−B断面図である。なお、図示しないが、圧縮ばねハンドリング装置はロボット等を用いた搬送装置や組立装置等に取り付けられ、圧縮ばねハンドリング装置と搬送装置や組立装置等とは動力や信号線等によって接続されている。
【0044】
図8(a)および図8(b)において、320と330はキャリア113,114に取り付けられた挟持爪、340,350は挟持爪320,330に取り付けられたプッシャー、342,352は挟持爪320,330とプッシャー340,350とに接続された引張ばね、370は押出シリンダ160に取り付けられた押出板である。
【0045】
挟持爪320,330は、アングル形状を有し、一方の辺をキャリア113,114の取り付け部とし、他方の辺を挟持部としている。挟持爪320,330は、キャリア113,114に対称に取り付けられ、挟持部の当接面が対向配置される。
【0046】
プッシャー340,350は、図8(a)および図8(b)における上下方向に直動自在に挟持爪320,330の挟持部にそれぞれに取り付けられている。挟持爪320,330の挟持部をレール部、プッシャー340,350の図示しない長方形断面の穴がガイド部として形成され、プッシャー動作機構部としての直動機構を実現している。さらに、挟持爪320,330の当接面とプッシャー340,350のガイド部とは、圧縮ばねが挟まらないように摺動可能に密接している。
【0047】
さらに、挟持爪320とプッシャー340とは引張ばね342にて、挟持爪330とプッシャー350とは引張ばね352にて連結されている。引張ばね342,352によって、プッシャー340,350は図8における上側に常に引っ張られている。
【0048】
押出板370は押出シリンダ160のピストン先端に固定されている。押出板370は、挟持爪320,330が最大に開いた状態におけるプッシャー340,350を押すことが可能な長さを有し、プッシャー340,350には押出板370の可動領域と接触する張り出し部がある。よって、押出シリンダ160のピストンを前進させて押出板370を移動させると、押出板370とプッシャー340,350の張り出し部が接触しつつ、引張ばね342,352によってプッシャー340,350が押出板370に押し付けられるため、押出板370とプッシャー340,350が一体となって移動し、プッシャー340,350が押出方向に同期駆動されることとなる。
【0049】
また、押出シリンダ160のピストンを後退させて押出板370を移動させると、引張ばね342,352によりプッシャー340,350は押出板370の方向に押し付けられ、押出板370が後退端まで移動するとプッシャー340,350は元の位置に戻る事となる。
【0050】
つまり、プッシャー340,350は、引張ばね342,352により押出方向とは反対方向に張引され、押出板370の方向に常に押し付けられているため、押出シリンダ160のピストン動作に連動し、押出板370により引張ばね342,352の張引力に抗して押し出されて動くこととなる。本実施形態においては、押出シリンダ160と押出板370とプッシャー340,350に形成された張り出し部によって、押出駆動部が構成されている。なお、押出シリンダ160は前記制御装置にてピストンの前進後退の動作制御がなされている。
【0051】
次に図8および図9を用いて、圧縮ばねハンドリング装置の動作について説明する。なお、図8および図9のいずれにおいても、圧縮ばねハンドリング装置は図示しないロボット等に取り付けられ、図示しない制御装置に接続され、制御されている。
【0052】
(1)制御装置にてアクチュエータ111および押出シリンダ160を制御し、挟持爪320,330を所定の間隔に開くと共に、押出シリンダ160のピストンを後退させて引張ばね342,352の引張力によりプッシャー340,350を後退端に移動させる。
【0053】
(2)圧縮ばねハンドリング装置が上記(1)の状態になった後、制御装置にて図示しないロボットを制御し、挟持する圧縮ばねが、挟持爪320,330の当接面の間であって圧縮ばねの軸方向が当接面と直交するように、圧縮ばねハンドリング装置を移動させる。
【0054】
(3)制御装置にてアクチュエータ111を制御し、挟持爪320,330を設定された所定の間隔に閉じ、圧縮ばねを挟持する。図8が上記の動作完了後の圧縮ばねハンドリング装置の状態である。
【0055】
(4)圧縮ばねを挟持した状態で、制御装置にて図示しないロボットを制御し、挟持した圧縮ばね101を挿入組立する領域に移動させる。移動完了後、制御装置にて押出シリンダ160を制御し、プッシャー340,350を押し出し方向に前進移動させ、圧縮ばね101を挿入組立する領域に挿入する。図9が圧縮ばね101の押し出し動作途中の状態図である。
【0056】
なお、繰り返し圧縮ばねを組立挿入する場合には、上記(1)から(4)の動作を繰り返すこととなる。
図10(a)は、第4の実施形態における圧縮ばねハンドリング装置の正面図である。図10(b)は、図8(a)に示した圧縮ばねハンドリング装置のC−C断面図である。なお、プッシャー440,450以外は第1の実施形態と共通するので、共通部分の説明は省略する。
【0057】
第4の実施形態では、プッシャー440,450の圧縮ばね101と接触する押し出し面が、押し出し方向に対して凹形状となっている。図10(b)においては、圧縮ばね101の円筒形状に合わせ、円弧の凹形状となっている。
【0058】
図11(a)および図11(b)は、凹形状の変形例を示す図10(a)のC−C断面に相当する図である。凹形状は図10(b)の円弧に限定されず、図11(a)のプッシャー550に示すような斜面による凹形状や、図11(b)のプッシャー650に示すような斜面と平面を組み合せた凹形状であっても良い。つまり、凹形状は圧縮ばね101を押し出す際に、圧縮ばね101をプッシャーに対して所定の範囲内に保持できれば形状は任意の形状で良い。例えば、コの字形状であっても良い。
【0059】
上記のようにプッシャーの圧縮ばね101と接触する押し出し面が、押し出し方向に対して凹形状とすることで、圧縮ばね101を押し出す際に押し出し方向に対して所定の範囲内に押し出すことででき、圧縮ばね101の挿入組立時のミスをなくすことが出来る。また、プッシャーの圧縮ばね101と接触する押し出し面を、図10(b)のような円弧形状、図11(a)に示すような斜面による凹形状や、図11(b)押し出し方向に対して凹形状とすることで、圧縮ばね101をずれて把持したとしても、凹形状により圧縮ばね101の位置を修正して押出すことができるので、圧縮ばね101の挿入組立するミスを無くすことが出来る。
【0060】
上記いずれの実施形態においても、キャリア113と114は連動して反対方向に移動するものであれば、キャリア113と114の移動距離が異なるアクチュエータを用いても良い。さらに、移動可能なキャリアを1つとし、移動可能なキャリアに可動爪を固定し、アクチュエータ111のフレーム等の動かない部分に固定爪を固定し、可動爪と固定爪とからなる挟持爪ユニットとしても良い。
【0061】
また、挟持爪120,130をアングル形状として説明したが、プッシャー動作機構部としてのレール部が形成できれば他の形状であっても良い。ただし、レール部の形状に合わせてプッシャー140,150のガイド部形状は変更する。例えば、挟持爪120,130のレール部をH型断面とし、プッシャー140,150のガイド部をC型断面とし、プッシャー動作機構部としての直動機構を実現しても良い。
【0062】
さらに、プッシャー動作機構部として一般に販売されているリニアガイド、リニアブッシュ等の直動システムをプッシャー動作機構部として採用し、挟持爪120,130に対してプッシャー140,150を直動させても良い。
【0063】
また、押出駆動部としては、クランクスライダー機構を採用しても良い。例えば、プッシャー140,150およびシャフト170をスライダー機構とし、回転モーターにクランクを取り付けてクランク機構とし、クランク機構とスライダー機構を中間接にて接続することでクランクスライダー機構を構成することで、プッシャー140,150を回転モータの動作に連動させて押し出し動作をさせることができる。
【0064】
また、押出駆動部に電動シリンダを採用し、対である挟持爪のそれぞれに備え、制御装置にて挟持爪それぞれに設けられた電動シリンダを同期駆動させても良い。係る場合には、シャフト170や押出棒370をなくす事ができる。
【0065】
また、上記いずれの実施形態においてもプッシャーは直線運動するものとして説明をしたが、回転運動をするレバーとしても良い。例えば、挟持爪の何れかに場所に回転支点を設け、その回転支点を中心として回転運動するレバーをプッシャーとしても良い。勿論、レバーは対となっている挟持爪のそれぞれに取り付けられ、各レバーが同期して押出方向に動作するように、押出シリンダと機構的に接続されていいても良いし、独立した位置決め可能なモータ等を採用して制御装置にて各レバーが同期動作させても良い。
【符号の説明】
【0066】
110 爪用アクチュエータ
120,130,220,230,320,330 挟持爪
140,150,240,250,340,350 プッシャー
160 押出シリンダ
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧縮ばねを所定の長さに圧縮した状態で挟持し、挟持された圧縮ばねをプッシャーにより押し出す、圧縮ばねハンドリング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ロボット等を用いた圧縮ばねのハンドリング装置として、従来から図12に示す特許文献1に記載の圧縮コイルばね組付装置等が知られている。
図12に示す特許文献1に記載の圧縮コイルばね組付装置において、1は矩形断面の筒状をした保持体である。保持体1は、その軸線に平行な面により、2部分に分割されており、一方が固定ジョー2、他方が固定ジョー2と平行関係を保ちつつ相対移動して開閉動作を生ぜしめる可動ジョー3となっている。4はジョー2,3の合わせ目に軸方向摺動自在に設けられたプッシャーで、先端は平板状になっており、その前面には円弧状の窪み5が設けられている。6はステー7により固定ジョー2に一体化された当て板で、可動ジョー3の側面の窓8を通り抜け、最も引っ込んだ状態にあるプッシャー4の前面に並んで一連の障壁を形成する。而して保持体1の出口の内壁には相対する案内斜面10,11が形設される。案内斜面10は固定ジョーに、案内斜面11は可動ジョー3に、互に対称的に設けられて、保持体1の内側から外側に向うに従い、出口の幅を狭めて行っている。プッシャー4を前進させると、ばね17は前進方向に向かい凹状に湾曲した形状を保ちつつ案内斜面10,11を滑り、両端から先に押し出される。可動ジョー3とプッシャー4の駆動は図示しないエアシリンダによって行い、これらをまとめたユニットをロボットアーム先端に装着して使用する。
【0003】
また、近年、ロボットを用いたセル生産による機器組立システムが注目されるようになり、多種類の部品を挟持することができるハンドリング装置が求められている。特に機器の組立においては多種類の圧縮ばねを取り扱う事が多いため、安定した圧縮ばねの挟持および組付ができるハンドリング装置が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭59−187428号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1等に記載された従来のハンドリング装置は、組立作業において、圧縮された状態の圧縮ばねを所定の領域に挿入する際に、圧縮ばねの軸方向全体を1つのプッシャーで押している。これは、圧縮ばねの軸方向の中央近傍だけをプッシャーで押すと、圧縮ばねが湾曲変形した状態で押し出され、不適切な姿勢で挿入されることがあるためである。そのため、サイズが異なる複数の圧縮ばねを取り扱う場合でも圧縮ばねを挿入する際の圧縮ばねの軸方向の長さは、プッシャーのサイズにより決定される長さとなってしまう。
【0006】
そのため、サイズが異なる複数の圧縮ばねの組み付け作業において、圧縮ばねの密着長さがプッシャーより長い場合には、プッシャーの大きさが異なるハンドリング装置を用いなければならない。
【0007】
さらに、圧縮ばねが挿入される所定の領域の大きさに対し、圧縮された状態の圧縮ばねの軸方向長さが大幅に短いと、プッシャーで押し出した後に圧縮ばねの挙動が安定しないため、圧縮ばねが不適切な姿勢で挿入される事があった。また、プッシャーで押し出した後に圧縮ばねを挟持していた爪に引っ掛かり、所定領域に挿入できないこともあった。
【0008】
そこで、この発明は上記課題に鑑み、任意の軸方向長さに圧縮された圧縮ばねを、変形させずに押し出すことが可能な圧縮ばねハンドリング装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明に係る圧縮ばねハンドリング装置は、圧縮ばねを圧縮方向に挟持する開閉自在な対となった挟持爪を有する挟持爪ユニットと、前記挟持爪それぞれに対応して設けられ、前記挟持爪と一緒に移動すると共に圧縮ばねを挟持した状態において挟持爪と当接している圧縮ばねの端部を押し、挟持された圧縮ばねを前記挟持爪ユニットから押し出すプッシャーと、各前記プッシャーを押出方向に同期駆動する押出駆動部と、から構成されている。
【発明の効果】
【0010】
圧縮ばねを任意の軸方向長さで挟持でき、任意の軸方向長さに圧縮された圧縮ばねを変形させることなくプッシャーで押し出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】第1の実施形態における正面図(a)とA−A断面図(b)である。
【図2】第1の実施形態における圧縮ばねの押出動作途中の正面図である。
【図3】第1の実施形態における圧縮ばねの押出動作が完了した正面図である。
【図4】第1の実施形態における挟持爪を開いた状態の正面図である。
【図5】第2の実施形態における正面図(a)と側面図(b)である。
【図6】第2の実施形態における圧縮ばねの押出動作途中の側面図である。
【図7】第1の実施形態における圧縮ばねの押出動作が完了した側面図である。
【図8】第3の実施形態における正面図(a)とB−B断面図(b)である。
【図9】第3の実施形態における圧縮ばねの押出動作途中の正面図(a)とB−B断面図(b)である。
【図10】第4の実施形態における正面図(a)とC−C断面図(b)である。
【図11】第4の実施形態におけるプッシャーの変形例を示す図である。
【図12】特許文献1に記載の圧縮コイルばね組付装置の図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に係る圧縮ばねハンドリング装置は、機器組立システムにおけるロボット等の搬送装置の作業先端部に取り付けられて用いられるハンドリング装置の一種であり、機器に組み込まれる圧縮ばねを挟持し、所定の領域に所定の姿勢で圧縮ばねを挿入組立可能とする圧縮ばねハンドリング装置である。
【0013】
まず本発明に係る第1の実施形態について、図面を用いて説明する。
図1(a)は、第1の実施形態における圧縮ばねハンドリング装置の正面図である。図1(b)は、図1(a)に示した圧縮ばねハンドリング装置のA−A断面図である。なお、図示しないが、圧縮ばねハンドリング装置はロボット等を用いた搬送装置や組立装置等に取り付けられ、圧縮ばねハンドリング装置と搬送装置や組立装置等とは動力や信号線等によって接続されている。つまり、圧縮ばねハンドリング装置は、搬送装置や組立装置等の制御装置(以下、制御装置という。)に接続され、制御装置によって制御されている。
【0014】
図1(a)および図1(b)において、111は多点位置決め可能なアクチュエータ、113と114はアクチュエータ111のキャリア、120と130はキャリア113,114に取り付けられた挟持爪、140,150は挟持爪120,130に取り付けられたプッシャー、160はプッシャーを駆動する押出シリンダ、170は押出シリンダ160とプッシャー140,150とを機構的に連結するシャフトである。
【0015】
アクチュエータ111は、例えば市販されている電動グリッパ等を用いる事ができる。キャリア113,114は、同一平面において同一直線上を移動する。キャリア113とキャリア114とは、連動して反対方向に同じ距離だけ移動し、キャリア113と114との距離を前記制御装置にて任意の距離に制御することができる。
【0016】
挟持爪120,130は、アングル形状を有し、一方の辺をキャリア113,114への取り付け部とし、他方の辺を挟持する際に圧縮ばね101の軸方向端部と当接する挟持部としている。挟持爪120,130は、キャリア113,114に対称に取り付けられ、挟持部の当接面が対向配置される。これにより、アクチュエータ111を動作させることで挟持爪120,130の開閉が可能となり、圧縮ばね101を挟持爪120,130の挟持部の間に、圧縮ばね101の軸方向と挟持部の当接面とがほぼ直交する状態で配置し、挟持爪120,130の当接面を圧縮ばね101の自然長より短い距離となるように移動させることで圧縮ばね101を挟持できる。
【0017】
圧縮ばねを挟持した状態における挟持爪120,130の当接面の間隔は、圧縮ばねを挿入組立する所定の領域に基づいた間隔とすることができる。具体的には、挟持爪120,130の当接面の距離を、圧縮ばねを挿入組立する領域における圧縮ばねの軸方向長さより若干短くする。勿論、挟持爪120,130の当接面の距離は、圧縮ばねの密接長さよりも長くする必要がある。これは、挿入組立する領域の圧縮ばねの軸方向長さに比べて挟持爪120,130の当接面の距離を大幅に短くすると、プッシャー140,150にて圧縮ばね101を押し出して挿入組立する領域に挿入する際に、圧縮ばねが挿入組立する領域から飛び出すことや、押し出された圧縮ばね101の一部が挟持爪120,130に引っ掛かることで、挿入組立不良が発生する確率が高くなるからである。
【0018】
プッシャー140,150は、図1(a)および図1(b)における上下方向に直動自在に挟持爪120,130の挟持部にそれぞれに取り付けられている。ここで、本実施形態においては挟持爪120,130の挟持部は一定の長方形断面を有しており、挟持部をプッシャー140,150の直動用のレール部としても利用している。プッシャー140,150には、挟持爪120,130のレール部と摺動自在な図示しない長方形断面の穴がガイド部として形成されている。さらに、挟持爪120,130の当接面とプッシャー140,150のガイド部とは、圧縮ばねが挟まらないように摺動可能に密接している。以上より、挟持爪120,130の当接面をレール部、プッシャー140,150の長方形断面の穴をガイド部とし、プッシャー動作機構部としての直動機構を実現していることとなる。
【0019】
プッシャー140,150は摺動部にシャフト170が挿入され、シャフト170に対してシャフト170の軸方向に摺動可能となっている。摺動部に市販されているリニアブッシュ、すべり軸受等を用いる事ができる。シャフト170は押出シリンダ160のピストン先端に固定されている。よって、挟持爪120,130の位置に関係なく、プッシャー140,150は、シャフト170を介して押出シリンダ160のピストン動作に連動し、図1(a)および図1(b)における上下方向に動くこととなる。つまり、押出シリンダ160とシャフト170とプッシャー140,150に形成されたシャフト170との摺動部によって、押出駆動部が構成されている。なお、押出シリンダ160は前記制御装置にてピストンの前進後退の動作制御がなされている。押出シリンダ160には、位置制御や正確な速度制御が必要な場合には電動シリンダを、その他の場合にはエアシリンダを用いることができる。
【0020】
次に図1から図4を用いて、圧縮ばねハンドリング装置の動作について説明する。なお、図1乃至4のいずれにおいても、圧縮ばねハンドリング装置は図示しないロボット等に取り付けられ、図示しない制御装置に接続され、制御されている。
【0021】
(1)制御装置にてアクチュエータ111および押出シリンダ160を制御し、挟持爪120,130を所定の間隔に開くと共に、プッシャー140,150を後退端に移動させる。図4が上記の動作完了後の圧縮ばねハンドリング装置の状態図である。
【0022】
(2)圧縮ばねハンドリング装置が図4の状態になった後、制御装置にて図示しないロボットを制御し、挟持する圧縮ばねが、挟持爪120,130の当接面の間であって圧縮ばねの軸方向が当接面と直交するように、圧縮ばねハンドリング装置を移動させる。
【0023】
(3)制御装置にてアクチュエータ111を制御し、挟持爪120,130を設定された所定の間隔に閉じ、圧縮ばねを挟持する。図1が上記の動作完了後の圧縮ばねハンドリング装置の状態図である。
【0024】
(4)圧縮ばねを挟持した状態で、制御装置にて図示しないロボットを制御し、挟持した圧縮ばね101を挿入組立する領域に移動させる。移動完了後、制御装置にて押出シリンダ160を制御し、プッシャー140,150を押し出し方向に前進移動させ、圧縮ばね101を挿入組立する領域に押し出す。図2が圧縮ばね101の押し出し動作途中の状態図である。さらに、図3は、圧縮ばね101の押し出し動作が完了した状態図である。
【0025】
なお、繰り返し圧縮ばねを組立挿入する場合には、上記(1)から(4)の動作を繰り返すこととなる。
上記第1実施形態にあっては、挟持爪120,130に同期動作するそれぞれ独立したプッシャー140,150が設けられているため、挟持爪120,130の間隔が変更されても、挟持爪120,130と当接している圧縮ばね101の端部をプッシャー140,150で同期して押す事ができ、圧縮ばね101の姿勢を保ったまま挿入組立することができる。
【0026】
さらに、プッシャー140,150は挟持爪120,130の間隔に関係なく圧縮ばね101の端部を押す事が可能であるので、任意の間隔に挟持爪120,130を設定しても、圧縮ばね101の姿勢を保ったまま挿入組立することができる。同様に、複数のサイズが異なる圧縮ばね101についても、圧縮ばね101の姿勢を保ったまま挿入組立することができる。
【0027】
次に本発明に係る第2の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、第1の実施形態と共通する部分は同じ番号を付している。また、以下の説明において、第1の実施形態と共通する部分は説明を省略している。
【0028】
図5(a)は、第2の実施形態における圧縮ばねハンドリング装置の正面図である。図5(b)は、図5(a)に示した圧縮ばねハンドリング装置の側面図である。なお、第2の実施形態も第1の実施形態と同様に、圧縮ばねハンドリング装置はロボット等を用いた搬送装置や組立装置等に取り付けられ、圧縮ばねハンドリング装置と搬送装置や組立装置等とは動力や信号線等によって接続されている。
【0029】
図5(a)および図5(b)において、220と230はキャリア113,114に取り付けられた挟持爪、240,250は挟持爪220,230に取り付けられたプッシャーである。
【0030】
挟持爪220,230は、アングル形状を有し、一方の辺をキャリア113,114の取り付け部とし、他の辺を挟持部としている。第1の実施形態における挟持爪とは、挟持部に押し出し方向が開口した切り欠き部を有する点で異なっている。切り欠き部を有することにより、挟持爪220は櫛歯部221が形成され、挟持爪230には図示しない櫛歯部231が形成される。
【0031】
プッシャー240,250は、図5(a)および図5(b)における上下方向に直動自在に挟持爪220,230の挟持部それぞれに取り付けられている。ここで、本実施形態においても、挟持爪220,230の挟持部をレール部、プッシャー240,250の長方形断面の穴をガイド部とし、プッシャー動作機構部としての直動機構を実現している。
【0032】
さらに、プッシャー240,250は摺動部にシャフト170が挿入され、シャフト170に対してシャフト170の軸方向に摺動可能となっている。シャフト170は押出シリンダ160のピストン先端と接続されている。よって、挟持爪220,230の位置に関係なく、プッシャー240,250は、押出シリンダ160のピストン動作に連動して図5(a)および図5(b)における上下方向に動くこととなる。つまり、押出シリンダ160とシャフト170とプッシャー240,250に形成されたシャフト170との摺動部によって、押出駆動部が構成されている。
【0033】
なおさらに、プッシャー240には挟持爪220の当接面と交差するように形成された押し出し部241が、プッシャー250には挟持爪230の当接面と交差するように形成された押し出し部251が、形成されている。
【0034】
押し出し部241,251が、挟持爪220,230と交差するように形成されているため、圧縮ばね101の線径が細い場合でも、挟持爪220,230とプッシャー240,250との隙間に、圧縮ばね101が挟まることがなくなる。
【0035】
なお、挟持爪220,230の切り欠き部は、プッシャー240,250の押し出し部241,251が押し出し動作中に挟持爪220,230と接触しない形状で切り欠いている。
【0036】
次に図5から図7を用いて、圧縮ばねハンドリング装置の動作について説明する。なお、図5乃至7のいずれにおいても、圧縮ばねハンドリング装置は図示しないロボット等に取り付けられ、図示しない制御装置に接続され、制御されている。
【0037】
(1)制御装置にてアクチュエータ111および押出シリンダ160を制御し、挟持爪220,230を所定の間隔に開くと共に、プッシャー240,250を後退端に移動させる。上記動作が完了した状態は、図4に示した第1の実施形態における圧縮ばねハンドリング装置の状態図において、挟持爪およびプッシャーを第2の実施形態にものに置換した状態となる。
【0038】
(2)圧縮ばねハンドリング装置が(1)の状態となった後、制御装置にて図示しないロボットを制御し、挟持する圧縮ばねが、挟持爪220,230の当接面の間であって圧縮ばねの軸方向が当接面と直交するように、圧縮ばねハンドリング装置を移動させる。
【0039】
(3)制御装置にてアクチュエータ111を制御し、挟持爪220,230を設定された所定の間隔に閉じ、圧縮ばねを挟持する。図5が上記の動作完了後の圧縮ばねハンドリング装置の状態図である。
【0040】
(4)圧縮ばねを挟持した状態で、制御装置にて図示しないロボットを制御し、挟持した圧縮ばね101を挿入組立する領域に移動させる。移動完了後、制御装置にて押出シリンダ160を制御し、プッシャー240,250を押し出し方向に前進移動させ、圧縮ばね101を挿入組立する領域に押し出す。図6が圧縮ばね101の押し出し動作途中の状態図である。さらに、図7は、圧縮ばね101の押し出し動作が完了した状態図である。
【0041】
なお、繰り返し圧縮ばねを組立挿入する場合には、上記(1)から(4)の動作を繰り返すこととなる。
第2の実施形態にあっては、前記第1実施形態と同様の効果を得られると共に、圧縮ばね101の線径が細い場合でも、挟持爪220,230とプッシャー240,250との隙間に、圧縮ばね101の一部が挟まることを防止することができる。
【0042】
次に本発明に係る第3の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、第1の実施形態と共通する部分は同じ番号を付している。また、以下の説明において、第1の実施形態と共通する部分は説明についても省略する。
【0043】
図8(a)は、第3の実施形態における圧縮ばねハンドリング装置の正面図である。図8(b)は、図8(a)に示した圧縮ばねハンドリング装置のB−B断面図である。なお、図示しないが、圧縮ばねハンドリング装置はロボット等を用いた搬送装置や組立装置等に取り付けられ、圧縮ばねハンドリング装置と搬送装置や組立装置等とは動力や信号線等によって接続されている。
【0044】
図8(a)および図8(b)において、320と330はキャリア113,114に取り付けられた挟持爪、340,350は挟持爪320,330に取り付けられたプッシャー、342,352は挟持爪320,330とプッシャー340,350とに接続された引張ばね、370は押出シリンダ160に取り付けられた押出板である。
【0045】
挟持爪320,330は、アングル形状を有し、一方の辺をキャリア113,114の取り付け部とし、他方の辺を挟持部としている。挟持爪320,330は、キャリア113,114に対称に取り付けられ、挟持部の当接面が対向配置される。
【0046】
プッシャー340,350は、図8(a)および図8(b)における上下方向に直動自在に挟持爪320,330の挟持部にそれぞれに取り付けられている。挟持爪320,330の挟持部をレール部、プッシャー340,350の図示しない長方形断面の穴がガイド部として形成され、プッシャー動作機構部としての直動機構を実現している。さらに、挟持爪320,330の当接面とプッシャー340,350のガイド部とは、圧縮ばねが挟まらないように摺動可能に密接している。
【0047】
さらに、挟持爪320とプッシャー340とは引張ばね342にて、挟持爪330とプッシャー350とは引張ばね352にて連結されている。引張ばね342,352によって、プッシャー340,350は図8における上側に常に引っ張られている。
【0048】
押出板370は押出シリンダ160のピストン先端に固定されている。押出板370は、挟持爪320,330が最大に開いた状態におけるプッシャー340,350を押すことが可能な長さを有し、プッシャー340,350には押出板370の可動領域と接触する張り出し部がある。よって、押出シリンダ160のピストンを前進させて押出板370を移動させると、押出板370とプッシャー340,350の張り出し部が接触しつつ、引張ばね342,352によってプッシャー340,350が押出板370に押し付けられるため、押出板370とプッシャー340,350が一体となって移動し、プッシャー340,350が押出方向に同期駆動されることとなる。
【0049】
また、押出シリンダ160のピストンを後退させて押出板370を移動させると、引張ばね342,352によりプッシャー340,350は押出板370の方向に押し付けられ、押出板370が後退端まで移動するとプッシャー340,350は元の位置に戻る事となる。
【0050】
つまり、プッシャー340,350は、引張ばね342,352により押出方向とは反対方向に張引され、押出板370の方向に常に押し付けられているため、押出シリンダ160のピストン動作に連動し、押出板370により引張ばね342,352の張引力に抗して押し出されて動くこととなる。本実施形態においては、押出シリンダ160と押出板370とプッシャー340,350に形成された張り出し部によって、押出駆動部が構成されている。なお、押出シリンダ160は前記制御装置にてピストンの前進後退の動作制御がなされている。
【0051】
次に図8および図9を用いて、圧縮ばねハンドリング装置の動作について説明する。なお、図8および図9のいずれにおいても、圧縮ばねハンドリング装置は図示しないロボット等に取り付けられ、図示しない制御装置に接続され、制御されている。
【0052】
(1)制御装置にてアクチュエータ111および押出シリンダ160を制御し、挟持爪320,330を所定の間隔に開くと共に、押出シリンダ160のピストンを後退させて引張ばね342,352の引張力によりプッシャー340,350を後退端に移動させる。
【0053】
(2)圧縮ばねハンドリング装置が上記(1)の状態になった後、制御装置にて図示しないロボットを制御し、挟持する圧縮ばねが、挟持爪320,330の当接面の間であって圧縮ばねの軸方向が当接面と直交するように、圧縮ばねハンドリング装置を移動させる。
【0054】
(3)制御装置にてアクチュエータ111を制御し、挟持爪320,330を設定された所定の間隔に閉じ、圧縮ばねを挟持する。図8が上記の動作完了後の圧縮ばねハンドリング装置の状態である。
【0055】
(4)圧縮ばねを挟持した状態で、制御装置にて図示しないロボットを制御し、挟持した圧縮ばね101を挿入組立する領域に移動させる。移動完了後、制御装置にて押出シリンダ160を制御し、プッシャー340,350を押し出し方向に前進移動させ、圧縮ばね101を挿入組立する領域に挿入する。図9が圧縮ばね101の押し出し動作途中の状態図である。
【0056】
なお、繰り返し圧縮ばねを組立挿入する場合には、上記(1)から(4)の動作を繰り返すこととなる。
図10(a)は、第4の実施形態における圧縮ばねハンドリング装置の正面図である。図10(b)は、図8(a)に示した圧縮ばねハンドリング装置のC−C断面図である。なお、プッシャー440,450以外は第1の実施形態と共通するので、共通部分の説明は省略する。
【0057】
第4の実施形態では、プッシャー440,450の圧縮ばね101と接触する押し出し面が、押し出し方向に対して凹形状となっている。図10(b)においては、圧縮ばね101の円筒形状に合わせ、円弧の凹形状となっている。
【0058】
図11(a)および図11(b)は、凹形状の変形例を示す図10(a)のC−C断面に相当する図である。凹形状は図10(b)の円弧に限定されず、図11(a)のプッシャー550に示すような斜面による凹形状や、図11(b)のプッシャー650に示すような斜面と平面を組み合せた凹形状であっても良い。つまり、凹形状は圧縮ばね101を押し出す際に、圧縮ばね101をプッシャーに対して所定の範囲内に保持できれば形状は任意の形状で良い。例えば、コの字形状であっても良い。
【0059】
上記のようにプッシャーの圧縮ばね101と接触する押し出し面が、押し出し方向に対して凹形状とすることで、圧縮ばね101を押し出す際に押し出し方向に対して所定の範囲内に押し出すことででき、圧縮ばね101の挿入組立時のミスをなくすことが出来る。また、プッシャーの圧縮ばね101と接触する押し出し面を、図10(b)のような円弧形状、図11(a)に示すような斜面による凹形状や、図11(b)押し出し方向に対して凹形状とすることで、圧縮ばね101をずれて把持したとしても、凹形状により圧縮ばね101の位置を修正して押出すことができるので、圧縮ばね101の挿入組立するミスを無くすことが出来る。
【0060】
上記いずれの実施形態においても、キャリア113と114は連動して反対方向に移動するものであれば、キャリア113と114の移動距離が異なるアクチュエータを用いても良い。さらに、移動可能なキャリアを1つとし、移動可能なキャリアに可動爪を固定し、アクチュエータ111のフレーム等の動かない部分に固定爪を固定し、可動爪と固定爪とからなる挟持爪ユニットとしても良い。
【0061】
また、挟持爪120,130をアングル形状として説明したが、プッシャー動作機構部としてのレール部が形成できれば他の形状であっても良い。ただし、レール部の形状に合わせてプッシャー140,150のガイド部形状は変更する。例えば、挟持爪120,130のレール部をH型断面とし、プッシャー140,150のガイド部をC型断面とし、プッシャー動作機構部としての直動機構を実現しても良い。
【0062】
さらに、プッシャー動作機構部として一般に販売されているリニアガイド、リニアブッシュ等の直動システムをプッシャー動作機構部として採用し、挟持爪120,130に対してプッシャー140,150を直動させても良い。
【0063】
また、押出駆動部としては、クランクスライダー機構を採用しても良い。例えば、プッシャー140,150およびシャフト170をスライダー機構とし、回転モーターにクランクを取り付けてクランク機構とし、クランク機構とスライダー機構を中間接にて接続することでクランクスライダー機構を構成することで、プッシャー140,150を回転モータの動作に連動させて押し出し動作をさせることができる。
【0064】
また、押出駆動部に電動シリンダを採用し、対である挟持爪のそれぞれに備え、制御装置にて挟持爪それぞれに設けられた電動シリンダを同期駆動させても良い。係る場合には、シャフト170や押出棒370をなくす事ができる。
【0065】
また、上記いずれの実施形態においてもプッシャーは直線運動するものとして説明をしたが、回転運動をするレバーとしても良い。例えば、挟持爪の何れかに場所に回転支点を設け、その回転支点を中心として回転運動するレバーをプッシャーとしても良い。勿論、レバーは対となっている挟持爪のそれぞれに取り付けられ、各レバーが同期して押出方向に動作するように、押出シリンダと機構的に接続されていいても良いし、独立した位置決め可能なモータ等を採用して制御装置にて各レバーが同期動作させても良い。
【符号の説明】
【0066】
110 爪用アクチュエータ
120,130,220,230,320,330 挟持爪
140,150,240,250,340,350 プッシャー
160 押出シリンダ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮ばねを圧縮方向に挟持する開閉自在な対となった挟持爪を有する挟持爪ユニットと、
前記挟持爪それぞれに対応して設けられ、前記挟持爪と一緒に移動すると共に圧縮ばねを挟持した状態において挟持爪と当接している圧縮ばねの端部を押し、挟持された圧縮ばねを前記挟持爪ユニットから押し出すプッシャーと、
各前記プッシャーを押出方向に同期駆動する押出駆動部と、
から構成された圧縮ばねハンドリング装置。
【請求項2】
前記プッシャーは、前記挟持爪に取り付けられ、前記押出駆動部により駆動されると所定の軌道で押出方向に移動することを特徴とする請求項1に記載の圧縮ばねハンドリング装置。
【請求項3】
前記プッシャーは、前記挟持爪をレールとし押出方向に移動することを特徴とする請求項2に記載の圧縮ばねハンドリング装置。
【請求項4】
前記挟持爪は、前記プッシャーの押出方向に切り欠きを有し、前記プッシャーは前記切り欠きと係合する突起を有することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の圧縮ばねハンドリング装置。
【請求項5】
前記プッシャーは、圧縮ばねの押し出し面が押し出し方向に対して凹形状であることを特徴とする請求項2または3に記載の圧縮ばねハンドリング装置。
【請求項6】
前記プッシャーは、シャフトに摺動可能に取り付けられ、前記押出駆動部は、前記シャフトを押出方向に駆動することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の圧縮ばねハンドリング装置。
【請求項7】
プッシャーは、引張ばねにより押出方向とは反対方向に張引され、前記押出駆動部は、押出時に前記プッシャーに接する押出板を有し、前記押出板を引張ばねの張引力に抗して押し出すことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の圧縮ばねハンドリング装置。
【請求項1】
圧縮ばねを圧縮方向に挟持する開閉自在な対となった挟持爪を有する挟持爪ユニットと、
前記挟持爪それぞれに対応して設けられ、前記挟持爪と一緒に移動すると共に圧縮ばねを挟持した状態において挟持爪と当接している圧縮ばねの端部を押し、挟持された圧縮ばねを前記挟持爪ユニットから押し出すプッシャーと、
各前記プッシャーを押出方向に同期駆動する押出駆動部と、
から構成された圧縮ばねハンドリング装置。
【請求項2】
前記プッシャーは、前記挟持爪に取り付けられ、前記押出駆動部により駆動されると所定の軌道で押出方向に移動することを特徴とする請求項1に記載の圧縮ばねハンドリング装置。
【請求項3】
前記プッシャーは、前記挟持爪をレールとし押出方向に移動することを特徴とする請求項2に記載の圧縮ばねハンドリング装置。
【請求項4】
前記挟持爪は、前記プッシャーの押出方向に切り欠きを有し、前記プッシャーは前記切り欠きと係合する突起を有することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の圧縮ばねハンドリング装置。
【請求項5】
前記プッシャーは、圧縮ばねの押し出し面が押し出し方向に対して凹形状であることを特徴とする請求項2または3に記載の圧縮ばねハンドリング装置。
【請求項6】
前記プッシャーは、シャフトに摺動可能に取り付けられ、前記押出駆動部は、前記シャフトを押出方向に駆動することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の圧縮ばねハンドリング装置。
【請求項7】
プッシャーは、引張ばねにより押出方向とは反対方向に張引され、前記押出駆動部は、押出時に前記プッシャーに接する押出板を有し、前記押出板を引張ばねの張引力に抗して押し出すことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の圧縮ばねハンドリング装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−173235(P2011−173235A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−15003(P2011−15003)
【出願日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【出願人】(000005234)富士電機株式会社 (3,146)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【出願人】(000005234)富士電機株式会社 (3,146)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]