説明

圧電振動子の製造方法、圧電振動子、該圧電振動子を有する発振器、電子機器及び電波時計

【課題】小型化にも対応可能な圧電振動子のスルーホールとする。
【解決手段】リッド基板と、ガラス材料で構成されるベース基板との間に形成されたキャビティ内に圧電振動片が封止された圧電振動子のスルーホールを次の様にする。
ベース基板に1つのスルーホールを形成し、このスルーホール内に一対の貫通電極を配置して、ガラスフリット6aを充填し、焼成により固化してスルーホールを封止する。
一対の貫通電極を1つのスルーホール内に配置することで、1つの圧電振動子対して1つのスルーホールとなり、曲げ強度をアップすることができる。また、圧電振動子の小型化にも対応することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電振動子の小型化に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話や携帯情報端末機器には、時刻源や制御信号等のタイミング源、リファレンス信号源等として、水晶等を利用した圧電振動子が用いられている。
この圧電振動子は、互いに接合されたベース基板及びリッド(蓋)基板と、両基板の間に形成されたキャビティ(空洞部)C内に封止された圧電振動片と、を備えている。
【0003】
圧電振動片は、例えば音叉型の振動片であって、キャビティC内においてベース基板の上面にマウントされている。
ベース基板及びリッド基板は、ガラス基板で形成されている。
ベース基板には、その厚さ方向に貫通する1対のスルーホール(貫通孔)が、振動片に形成された1対の電極に対応して形成されている。この1対のスルーホール内には、該スルーホールを塞ぐように導電部材が埋め込まれて貫通電極を形成している。
貫通電極は、ベース基板の外面(下面)に形成された外部電極に電気的に接続されると共に、キャビティC内でマウントされている圧電振動片に電気的に接続されている。
【0004】
そして、従来の圧電振動子では、特許文献1に開示されているように、スルーホール形成用のピンを有する型を使用して、ガラスパッケージに円筒径のスルーホールを1対形成し、両スルーホールに銀ペーストを充填することで貫通電極を形成している。
また、ガラスパッケージにおいて、円錐形状のスルーホールを1対形成し、各スルーホール毎に金属ピン(貫通電極)を配置し、さらに低融点ガラスを充填、焼成することで、貫通電極を固定すると共にスルーホールを封止する方法もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−124845号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、圧電振動子の小型化に伴い、ガラスパッケージも小型化すると、貫通電極を形成するスルーホールを複数配置することがレイアウト上困難になっていた。とくに、円錐形のスルーホールでは拡径していて端面での径が大きくなるため、小型化した圧電振動子の短手方向に並べて形成することはできなくなっているため、長手方向の両端に1対のスルーホールを形成する場合もある。
小型化に対応するために従来のスルーホールを近接させると、両スルーホール内に貫通電極を形成する際に、スルーホール間のガラス(ベース基板)が欠けてしまうという問題もある。
また、スルーホールを2つ形成することにより、小型化した圧電振動子における曲げ強度が低下していた。
更に、ガラス成形に用いる型とソーダライムガラス基板との熱膨張時のために、ガラス成形時に型に負荷が掛かり、型のピン折れが発生したり、繰り返しの使用により摩耗することになる。
更に微細な型加工であるために加工費が高くなっていた。
【0007】
そこで、本発明は、小型化にも対応可能な圧電振動子のスルーホールとすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)請求項1記載の発明では、リッド基板と、ガラス材料で構成されるベース基板との間に形成されたキャビティ内に圧電振動片が封止された圧電振動子の製造方法であって、前記リッド基板及び前記ベース基板の少なくとも一方に前記キャビティ用の凹部を形成する凹部形成工程と、前記ベース基板に1つのスルーホールを形成するスルーホール形成工程と、前記形成したスルーホール内に一対の貫通電極を離間して配設し、前記一対の貫通電極の両端が前記ベース基板の両端面に露出する状態に、前記スルーホールをガラス材料で封止する貫通電極形成工程と、前記圧電振動片を、当該圧電振動片に形成された一対の電極と前記一対の貫通電極とが電気的に接続する状態で、前記ベース基板の上面に接合するマウント工程と、前記キャビティに前記圧電振動片を収納する状態で、前記ベース基板と前記リッド基板とを接合する接合工程と、前記ベース基板の下面に、前記一対の貫通電極にそれぞれ電気的に接続された一対の外部電極を形成する外部電極形成工程と、を備えることを特徴とする圧電振動子の製造方法を提供する。
(2)請求項2記載の発明では、前記スルーホール形成工程において、前記ベース基板面に平行な断面形状が横長形状のスルーホールを形成することを特徴とする請求項1に記載の圧電振動子の製造方法を提供する。
(3)請求項3記載の発明では、前記スルーホール形成工程において、前記横長形状のスルーホールとして、一方の端面側から他方の端面側に向けて断面積が徐々に縮小しているスルーホールを形成する、ことを特徴とする請求項2に記載の圧電振動子の製造方法を提供する。
(4)請求項4記載の発明では、前記スルーホール形成工程において、前記スルーホールを圧電振動子の長手方向一端側に形成することを特徴とする請求項1、請求項2、又は請求項3に記載の圧電振動子の製造方法を提供する。
(5)請求項5記載の発明では、前記凹部形成工程、前記スルーホール形成工程、前記貫通電極形成工程、前記マウント工程、前記接合工程、及び前記外部電極形成工程は、ベース基板用ウエハ及びリッド基板用ウエハに対して、それぞれ複数の圧電振動子を製造するための処理を行い、更に、前記接合工程で前記ベース基板用ウエハとリッド基板用ウエハを接合したウエハ体を切断して、前記圧電振動片を収納した複数の前記圧電振動子に小片化する切断工程を備える、ことを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1の請求項に記載された圧電振動子の製造方法を提供する。
(6)請求項6記載の発明では、ガラス材料で構成されたベース基板と、前記ベース基板に接合されたリッド基板と、前記リッド基板及び前記ベース基板の少なくとも一方に形成されたキャビティ用の凹部と、前記ベース基板に形成された1つのスルーホールと、前記スルーホール内に配設された一対の貫通電極と、前記一対の貫通電極を保持すると共に、前記スルーホールを封止する封止ガラスと、一対の電極が形成され、当該一対の電極と前記一対の貫通電極とが電気的に接続し、前記キャビティに収納された状態で前記ベース基板にマウントされた圧電振動片と、前記ベース基板の下面に、前記一対の貫通電極にそれぞれ電気的に接続された一対の外部電極と、を具備することを特徴とする圧電振動子を提供する。
(7)請求項7記載の発明では、前記スルーホールは、前記ベース基板面に平行な断面形状が横長形状である、ことを特徴とする請求項6に記載の圧電振動子を提供する。
(8)請求項8記載の発明では、前記スルーホールは、前記横長形状のスルーホールとして、一方の端面側から他方の端面側に向けて断面積が徐々に縮小している、ことを特徴とする請求項7に記載の圧電振動子を提供する。
(9)請求項9記載の発明では、前記スルーホールは、前記スルーホールが圧電振動子の長手方向一端側に形成されている、ことを特徴とする請求項6、7、又は請求項8に記載の圧電振動子を提供する。
(10)請求項10記載の発明では、請求項6から請求項9のうちのいずれか1の請求項に記載した圧電振動子が、発振子として集積回路に電気的に接続されていることを特徴とする発振器を提供する。
(11)請求項11記載の発明では、請求項6から請求項9のうちのいずれか1の請求項に記載した圧電振動子が、計時部に電気的に接続されていることを特徴とする電子機器を提供する。
(12)請求項12記載の発明では、請求項6から請求項9のうちのいずれか1の請求項に記載した圧電振動子が、フィルタ部に電気的に接続されていることを特徴とする電波時計を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本願発明によれば、ベース基板に形成された1つのスルーホールに内に一対の貫通電極を配置するので、圧電振動子を小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係る圧電振動子の一実施形態を示す外観斜視図である。
【図2】図1に示す圧電振動子の内部構成図であって、リッド基板を取り外した状態で圧電振動片を上方から見た図である。
【図3】図2に示すA−A線に沿った圧電振動子の断面図である。
【図4】図1に示す圧電振動子の分解斜視図である。
【図5】図1に示す圧電振動子を構成する圧電振動片の上面図である。
【図6】図5に示す圧電振動片の下面図である。
【図7】図5に示す断面矢視B−B図である。
【図8】図1に示す圧電振動子を製造する際の流れを示すフローチャートである。
【図9】図8に示すフローチャートに沿って圧電振動子を製造する際の一工程を示す図であって、リッド基板の元となるリッド基板用ウエハに複数の凹部及び接合膜を形成した状態を示す図である。
【図10】図8に示すフローチャートに沿って圧電振動子を製造する際の一工程を示す図であって、ベース基板用ウエハにスルーホールを形成する状態を示す図である。
【図11】図8に示すフローチャートに沿って圧電振動子を製造する際の一工程を示す図であって、スルーホール内に貫通電極を設ける状態の図である。
【図12】図8に示すフローチャートに沿って圧電振動子を製造する際の一工程を示す図であって、スルーホール内に貫通電極を設ける状態の他の図である。
【図13】図8に示すフローチャートに沿って圧電振動子を製造する際の一工程を示す図であって、ベース基板の元となるベース基板用ウエハに凹部、貫通電極及び引き回し電極を形成した状態を示す図である。
【図14】図13に示す状態のベース基板用ウエハの全体図である。
【図15】図8に示すフローチャートに沿って圧電振動子を製造する際の一工程を示す図であって、陽極接合工程を説明する図である。
【図16】図8に示すフローチャートに沿って圧電振動子を製造する際の一工程を示す図であって、圧電振動片をキャビティ内に収容した状態でベース基板用ウエハと接合膜とが陽極接合されたウエハ体の分解斜視図である。
【図17】本発明に係る発振器の一実施形態を示す構成図である。
【図18】本発明に係る電子機器の一実施形態を示す構成図である。
【図19】本発明に係る電波時計の一実施形態を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明における好適な実施の形態について、図1から図19を参照して、圧電振動子の製造方法、該製造方法によって製造される圧電振動子、該圧電振動子を有する発振器、電子機器及び電波時計を例に説明する。
(1)実施形態の概要
ガラス材、例えば、ソーダ石灰ガラスによるベース基板用ウエハ40と、リッド基板用ウエハ50を作成する。
ベース基板用ウエハ40には、従来よりも大きいスルーホール(貫通孔)30を1つだけ形成する。このスルーホール30に2本の貫通電極7、7を配設し、ガラスフリット6a(低融点ガラス)の充填及び焼成で固められた封止ガラス6によって、貫通電極を固定すると共に、スルーホール30を封止する。2本の貫通電極7、7としては、スルーホール30内で立脚状態を保つために、土台板8に所定間隔で細棒形状の貫通電極7、7が2本立設した金属ピン90を使用する。この金属ピン90の貫通電極7,7をスルーホール30内に配置すると共に、土台板8でスルーホールの小口径(小開口端面積)側を蓋する。
そして大口径側からスルーホール30内にガラスフリット6aを充填、焼成後、スルーホールの両面を研磨することで土台板8とはみ出た低融点ガラスを取り除くことで、貫通電極の両端面がスルーホール30の両側面に露出した状態に形成される。
以上により、1つのスルーホール30に2つの貫通電極7を備えたベース基板2が複数形成される。
【0012】
リッド基板用ウエハ50には、キャビティCを形成する凹部3aを備えたリッド基板3が、各ベース基板2に対応して複数形成され、凹部3a側の面には接合膜35が形成される。
このベース基板用ウエハ40の各ベース基板2には、圧電振動片4がマウントされる。そして、ベース基板用ウエハ40とリッド基板用ウエハ50とが、凹部3aが形成するキャビティC内に圧電振動片4を収容するように突き合わせ、これを陽極接合することで複数の圧電振動子1からなるウエハ体60を作製する。
その後、リッド基板用ウエハ50側に、各圧電振動子1の切断線に沿って順次切断することで、複数の圧電振動子が製造される。
【0013】
(2)実施形態の詳細
図1〜図4は、圧電振動子1の構成を表したものである。
この図に示すように、本実施形態の圧電振動子1は、主としてベース基板2と、リッド基板3と、圧電振動片4とから構成されている。
圧電振動子1は、間にキャビティCを形成するように重ね合わせられたベース基板2およびリッド基板3を備えるパッケージ9と、キャビティC内に収容され後述する引き回し電極(内部電極)36,37に電気的に接続された圧電振動片4と、を備えた表面実装型(SMD、Surface Mount Device)のものである。
図示した本実施形態では、リッド基板3側に凹部3aを形成することでキャビティCを形成しているが、ベース基板2側に凹部を形成することで、またベース基板2とリッド基板3の両方に凹部を形成することでキャビティCを形成するようにしてもよい。
なお図3および図4においては、図面を見易くするために、圧電振動片4の励振電極15、引き出し電極19,20、マウント電極16,17及び重り金属膜21の図示を省略している。
【0014】
(2)圧電振動片
図5〜図7に示すように、圧電振動片4は、水晶やタンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム等の圧電材料から形成された音叉型の振動片であり、所定の電圧が印加されたときに振動する。この圧電振動片4は、平行に配置された一対の振動腕部10、11と、該一対の振動腕部10、11の基端側を一体的に固定する基部12と、一対の振動腕部10、11の基端部の外表面上に形成されて一対の振動腕部10、11を振動させる第1励振電極13と第2励振電極14とからなる励振電極15と、第1励振電極13及び第2励振電極14に電気的に接続されたマウント電極16,17とを有している。また圧電振動片4は、一対の振動腕部10、11の両主面上に、該振動腕部10、11の長手方向に沿ってそれぞれ形成された溝部18を備えている。この溝部18は、振動腕部10、11の基端側から略中間付近まで形成されている。
圧電振動片4は、水晶、タンタル酸リチウムやニオブ酸リチウム等の圧電材料から形成された公知の音叉型の振動片であり、所定の電圧が印加されたときに振動するものである。
図5、6に示すように、圧電振動片4は、平行に配置された一対の振動腕部10、11と、振動腕部10、11の基端側を一体的に固定する基部12と、振動腕部10、11の外表面上に形成されて一対の振動腕部10、11を振動させる第1励振電極13と第2励振電極14とからなる励振電極15と、第1励振電極13及び第2励振電極14に電気的に接続されたマウント電極16、17とを有している。
また、本実施形態の圧電振動片4は、一対の振動腕部10、11の両主面上に、各振動腕部10、11の長手方向に沿ってそれぞれ形成された溝部18を備えている。この溝部18は、各振動腕部10、11の基端側から略中間付近まで形成されている。
【0015】
第1励振電極13と第2励振電極14とからなる励振電極15は、一対の振動腕部10、11を互いに接近又は離間する方向に所定の共振周波数で振動させる電極であり、一対の振動腕部10、11の外表面に、それぞれ電気的に切り離された状態でパターニングされている。具体的には、第1励振電極13が、一方の振動腕部10の溝部18上と他方の振動腕部11の両側面上とに主に形成され、第2励振電極14が、一方の振動腕部10の両側面上と他方の振動腕部11の溝部18上とに主に形成されている。
【0016】
また、第1励振電極13及び第2励振電極14は、基部12の両主面上において、それぞれ引き出し電極19、20を介してマウント電極16、17に電気的に接続されている。そして、このマウント電極16、17を介して圧電振動片4に電圧が印加される。
なお、上述した励振電極15、マウント電極16、17及び引き出し電極19、20は、例えば、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)やチタン(Ti)等の導電性膜の被膜により形成されている。
【0017】
また、一対の振動腕部10、11の先端部には、自身の振動状態を所定の周波数の範囲内で振動するように質量調整(周波数調整)を行うための重り金属膜21が被膜されている。
なお、この重り金属膜21は、周波数を粗く調整する際に使用される粗調膜21aと、微小に調整する際に使用される微調膜21bとに分かれている。粗調膜21aは微調膜21bよりも振動腕部10、11の先端部側に形成されている。
これら粗調膜21a及び微調膜21bを利用して周波数調整を行うことで、一対の振動腕部10、11の周波数をデバイスの公称(目標)周波数の範囲内に収めることができる。
【0018】
このように構成された圧電振動片4は、図3に示すように、導電性接着剤でベース基板2の上面(キャビティC側の面)に接合されている。
具体的には、ベース基板2の内面(上面、リッド基板3が接合される接合面)にパターニング(形成)された引き回し電極36,37と、圧電振動片4の一対のマウント電極16,17とがそれぞれ金等のバンプBを利用してバンプ接合されている。
これにより、圧電振動片4は、ベース基板2の上面と離間して浮いた状態で支持されると共に、マウント電極16、17と引き回し電極36、37とがそれぞれバンプBを介して電気的に接続されている。
なお、図4では図面を見やすくするために、バンプBは省略されている。
【0019】
本実施形態では、バンプBにより圧電振動片4の振動腕部10、11がベース基板2から離間した状態としているが、ベース基板2の内側(リッド基板3に対向している側)にも、振動腕部01、11に対応する領域に凹部を形成し、この凹部による段差によって振動腕部10、11をベース基板2から離間させるようにしてもよい。
この場合、ベース基板2に形成した凹部もキャビティCを形成することになる。
【0020】
(3)圧電振動子
図1〜図4に示すように、本実施形態の圧電振動子1は、ベース基板2とリッド基板3とが2層に積層されてなるパッケージ9を備えている。
ベース基板2は、ガラス材料、例えばソーダ石灰ガラスからなる透明な絶縁基板であり、板状に形成されている。本実施形態のベース基板2は、例えば400μmの厚さに形成されている。
【0021】
図2および図3に示すように、このベース基板2には、該ベース基板2を厚さ方向に貫通してキャビティC内で開口する1つのスルーホール(貫通孔)30が形成されている。
スルーホール30は、圧電振動片4の基部12が配置される側に形成されている。スルーホール30は、基部12のベース基板2側に形成された両マウント電極16、17の少なくとも一部を含むように、長円形(もしくは楕円形)をしている。そして、スルーホール30は、ベース基板2の下面から上面(キャビティC側)に向かって漸次(水平方向断面が小さくなるように)縮径した断面テーパ形状に形成されている。
このように本実施形態のスルーホール30は、ベース基板面に平行な断面形状が長円形又は楕円形、長方形、菱形等の横長形状で、一方の端面側から他方の端面側に向けて断面積が徐々に縮小している。
【0022】
なお、スルーホールの形状についてはこれに限られず、図3とは逆に、即ち、キャビティC側の面積が小さく、ベース基板2の下面(外側)に向かって大きくなるように形成してもよい。
また、例えば軸線方向(ベース基板2の厚さ方向)にわたって、水平断面のサイズが同一の略長円筒状のスルーホールでも構わない。本実施形態では、長円筒径とすることで、スルーホール30の容積を小さくすることができ、これによりスルーホール30内に充填する低融点ガラスの量を少なくすることができる。これは、後述するように1つのスルーホール30に2つの貫通電極7を配置するために、長円筒径とすることで、低融点ガラスを埋め込む際に必要な開口面積が充分確保できているためである。
【0023】
そしてスルーホール30内には、スルーホール30を埋めるように封止ガラス6と、マウント電極16,17と外部電極間を電気的に接続する2本の貫通電極7、7が配設されている。
封止ガラス6は、ペースト状のガラスフリットが焼成されたもので、焼成によって内部に配置された貫通電極を固定した状態でスルーホール30と強固に固着するとともに、スルーホール30を完全に塞いでキャビティC内の気密性を維持している。
貫通電極7、7は、例えば、42アロイ合金により円柱状に形成された導電性の芯材であり、封止ガラス6と同様に両端が平坦で且つベース基板2の厚みと略同じ厚さとなるように形成されている。
【0024】
ベース基板2の外面には、一方の貫通電極7に対する電気的に接続される外部電極38が形成されている。
またベース基板2の外面には、他方の貫通電極7に対する外部電極39が形成され、この貫通電極7と外部電極39間は、パターニング(形成)された引き回し電極37bによって電気的に接続されている。
【0025】
図1、図3及び図4に示すように、リッド基板3は、ベース基板2と同様にガラス材料、例えばソーダ石灰ガラスからなる透明の絶縁基板であり、図1〜図4に示すように、ベース基板2に対して重ね合わせ可能な大きさで板状に形成されている。
そして、リッド基板3の内面(下面、ベース基板2と対向する面)には、圧電振動片4が収まる矩形状の凹部3aが形成されている。この凹部3aは、両基板2、3が重ね合わされたときに、圧電振動片4を収容するキャビティCとなるキャビティ用の凹部である。 そして、リッド基板3は、この凹部3aをベース基板2側に対向させた状態でベース基板2に対して接合されている。
【0026】
また、図1〜図4に示すように、本実施形態のパッケージ9(圧電振動子1)は、リッド基板3においてベース基板2側を向く面に全面にわたって形成され、ベース基板2と接する部分でベース基板2と陽極接合された接合膜35を備えている。
図3に示すように、本実施形態の接合膜35は、リッド基板3の、ベース基板2に対向する側の面全面に形成されている。即ち、接合膜35は、凹部3aを画成する面と、リッド基板2の内面において凹部3aの外周縁に全周にわたって連なる周縁部と、の各全域にわたって形成されている。
そして、接合膜35のうち、リッド基板3の内面の周縁部に形成された、接合幅Lの部分(図2、図3参照)がベース基板2に陽極接合されている。接合膜35は、陽極接合可能な材料(例えばアルミニウム、シリコン、クロムなど)で形成されている。
そして、接合膜35のうち、リッド基板3の内面の周縁部に形成された部分がベース基板2に陽極接合されている。接合膜35は、陽極接合可能な材料(例えばアルミニウム、シリコン、クロムなど)で形成されている。
【0027】
なお、実施形態では、接合膜35の全面に形成する場合について説明したが、ベース基板2と当接するリッド基板3の外周面にだけ形成するようにしてもよい。
また、接合膜35をベース基板2の、リッド基板3に当接する外周面に形成するようにしてもよい。
【0028】
このように構成された圧電振動子1を作動させるには、ベース基板2に形成された外部電極38,39に対して、所定の駆動電圧を印加する。これにより、圧電振動片4の第1励振電極13及び第2励振電極14からなる励振電極15に電圧を印加することができ、一対の振動腕部10、11を接近・離間させる方向に所定の周波数で振動させることができる。そして、この一対の振動腕部10、11の振動を利用して、時刻源、制御信号のタイミング源やリファレンス信号源等として利用することができる。
【0029】
(4)圧電振動子の製造方法
次に、ベース基板用ウエハ(ベース基板)40とリッド基板用ウエハ(リッド基板)50とを利用して、圧電振動子1を一度に複数製造する製造方法について以下に説明する。
図8は、圧電振動子1を複数製造する方法を表したフローチャートである。
【0030】
なお本実施形態では、ウエハ状の基板を利用して圧電振動子1を一度に複数製造するが、これに限られたものではなく、例えば予めベース基板2及びリッド基板3の外形に寸法を合わせたものを加工して、一度に一つずつ製造する等しても構わない。
【0031】
圧電振動子1を複数製造する方法では、圧電振動片作製工程(S10)、リッド基板用ウエハ作製工程(S20)、ベース基板用ウエハ作製工程(S30)を最初に行うが、これらの3工程については、どの順番で行ってもよく、同時並行して行ってもよい。
【0032】
初めに、図5から図7に示す圧電振動片4を作製する圧電振動片作製工程(S10)について説明する。
まず水晶のランバート原石を所定の角度でスライスして一定の厚みのウエハとする。
続いて、このウエハをラッピングして粗加工した後、加工変質層をエッチングで取り除き、その後ポリッシュ等の鏡面研磨加工を行って、所定の厚みのウエハとする。
続いて、ウエハに洗浄等の適切な処理を施した後、該ウエハをフォトリソグラフィ技術によって圧電振動片4の外形形状でパターニングすると共に、金属膜の成膜及びパターニングを行って、励振電極15、引き出し電極19、20、マウント電極16、17、重り金属膜21を形成する。
以上により、複数の圧電振動片4を作製することができる。
【0033】
また、圧電振動片4を作製した後、共振周波数の粗調を行っておく。これは、重り金属膜21の粗調膜21aにレーザ光を照射して一部を蒸発させ、重量を変化させることで行う。
なお、共振周波数をより高精度に調整する微調に関しては、マウント後に行う。これについては、後に説明する。
【0034】
次に、後にリッド基板3となるリッド基板用ウエハ50を、陽極接合を行う直前の状態まで作製するリッド基板用ウエハ作製工程(第1のウエハ作製工程)(S20)について説明する。
まず、ソーダ石灰ガラスを所定の厚みまで研磨加工して洗浄した後に、エッチング等により最表面の加工変質層を除去した円板状のリッド基板用ウエハ50を形成する(S21)。
次いで、図9に示すように、リッド基板用ウエハ50の内面に、エッチング、軟化点温度以上での型押し成形等により行列方向にキャビティC用の凹部3aを複数形成する凹部形成工程を行う(S22)。
なお、この凹部形成工程は、ベース基板2のスルーホールを形成する工程と同様に、リッド基板用ウエハ50の軟化点温度以上に加熱した状態で、凹部3aに対応した凸部を備えた成形型を押圧することで凹部3aを形成してもよい。
【0035】
次いで、凹部3aが形成されたリッド基板用ウエハ50の内面側の全域にわたって接合膜35を形成する接合膜形成工程を行う(S23)。
この際、例えば蒸着やスパッタリング等により接合膜35を形成する。
この時点で、リッド基板用ウエハ作製工程(S20)が終了する。
【0036】
次に、後にベース基板2となるベース基板用ウエハ40を、陽極接合を行う直前の状態まで作製するベース基板用ウエハ作製工程(第2のウエハ作製工程)(S30)について説明する。
まず、ソーダ石灰ガラスを所定の厚みまで研磨加工して洗浄した後に、エッチング等により最表面の加工変質層を除去した円板状のベース基板用ウエハ40を形成する(S31)。
【0037】
次に、ベース基板用ウエハ40に1つの圧電振動子1に対応する1つのスルーホール30を、ベース基板用ウエハ40に複数形成するスルーホール形成工程を行い(S32)、貫通電極形成工程(S33)において、これら複数のスルーホール30内に、一対の貫通電極7、7を配置し、スルーホール30に粉末ガラス(低融点ガラス)を充填し焼成することで、貫通電極7、7を固定した状態でスルーホール30と強固に固着する。その後、貫通電極7、7の端面が表面に出るようにベース基板2の両面を研磨することで、ベース基板用ウエハ40の内面側と外面側との電気導通性が確保される。
【0038】
以下、図10から図12を参照して、スルーホール形成工程(S32)、貫通電極形成工程(S32)について詳細に説明する。
まずスルーホール形成工程(S32)において、ベース基板用ウエハ40の各キャビティCに対応する領域の長手方向一端側に1つのスルーホール30を、厚さ方向に貫通するように、各ベース基板2に対応して複数形成する。
具体的には、図10(a)に示すように、ベース基板用ウエハ40を軟化点温度以上の環境下において形成型321を使用してスルーホール30に対応した凹部を形成する。
スルーホール30は、圧電振動片4に形成された両マウント電極16、17の少なくとも一部を含むように、長円形(もしくは楕円形)をし、一方の面から他方の面に向かって漸次(水平方向断面が小さくなるように)縮径した断面テーパ形状に形成される。
そして、形成型321もスルーホール30に対応した凸部322を、各圧電振動子1に対応して複数備えている。本実施形態のスルーホール30が従来のスルーホールに比べて大きく形成されるため、対応する各凸部322も大きく形成されている。このため、本実施形態で使用される形成型321の耐久性が向上される。
以上の段階では、図10(a)に示されるように、各スルーホール30はまだベース基板用ウエハ40を貫通していないため、次に、図10(b)に示すように、ベース基板用ウエハ40の、形成型321と反対側の面を研磨してスルーホール30を貫通させる。
【0039】
なお、説明した方法では、各スルーホール30を、軟化点温度以上での型押し成形(プレス加工)することで形成する場合について説明したが、他の方法、例えば、ベース基板用ウエハ40の一方の面からサンドブラスト法等の他の方法によりスルーホール30を複数形成するようにしてもよい。
【0040】
続いて、貫通電極形成工程(S33)において、図11(a)〜(c)に示すように、スルーホール30内に、開口面積の小さい側から金属ピン90の貫通電極7、7を、土台板8がベース基板用ウエハ40に接触するまで挿入する。
金属ピン90は、土台板8と2本の貫通電極7、7で構成されている。土台板8の形状は、スルーホール30の小面積側の端面開口形状(長円、又は楕円)よりも一回り大きく形成されている。このため、スルーホール30に貫通電極7、7を挿入した状態で、スルーホール30の小面積側の端面開口を塞ぐことができ、後述する、ガラスフリット6aが土台板8側から出ることがない。
2本の貫通電極7、7は、スルーホール30内で立脚状態を保つために、土台板8に所定間隔で細棒形状の貫通電極7、7が、土台板8に対して略直交する方向に固定(立設)されている。貫通電極7、7の先端は平坦に形成され、図10(b)の状態におけるベース基板用ウエハ40の厚さよりも所定の値、例えば0.02mmだけ短い長さで形成されている。
【0041】
次に、図11(d)に示すように、ガラス材料からなるペースト状のガラスフリット(低融点ガラス)6aを、大面積の端面開口側から、各スルーホール30内に充填する。この際、ガラスフリット6aを充填する側の開口面積は、従来の1つのスルーホールに比べて大きく形成されているため、容易且つムラ無くガラスフリット6aを充填することができる。
ガラスフリット6aをスルーホール30内に充填する際には、スルーホール30内に確実にガラスフリット6aが充填されるように多めに塗布する。したがって、ベース基板用ウエハ40の表面にもガラスフリット6aが塗布されることになる。
【0042】
次に、後述する研磨作業の時間を短縮するために、ベース基板用ウエハ40上に塗布された、余分なガラスフリット6aを除去する。
具体的には、図11(e)に示すように、例えば樹脂製のスキージ45を用い、スキージ45の先端をベース基板用ウエハ40の表面に当接して、当該表面に沿って移動させることによりガラスフリット6aを除去する。
本実施形態では金属ピン90の貫通電極7、7の長さを、金属ピン90挿入時のベース基板用ウエハ40の厚さよりも僅かに(0.02mm)短くしているため、スキージ45がスルーホール30の上部を通過する際に、スキージ45の先端45aと貫通電極7、7の先端とが接触することがなく、貫通電極7、7がスルーホール30の軸線に対して傾いてしまうことが抑制される。
【0043】
続いて、スルーホール30に充填したガラスフリット6aを所定の温度で焼成する。これにより、スルーホール30と、スルーホール30内に充填したガラスフリット6aと、ガラスフリット6a内に配置された貫通電極7、7が互いに固着し合うと共に、ベース基板用ウエハ40とガラスフリット6aとがスルーホール30の内周面で強固に固着する。
このガラスフリット6aが焼成されて固化することで封止ガラス6となる。
【0044】
ガラスフリット6aの焼成後、図12(a)に示すように、貫通電極7、7の先端は僅かに短く形成されている封止ガラス6内に埋まっており、その反対側では、両貫通電極7、7電極が土台板8で繋がっている。
そこで、図12(b)に示すように、金属ピン90の土台板8を研磨して除去する。これにより、封止ガラス6と貫通電極7、7とを位置決めする役割を果たしていた土台板8が除去され、貫通電極7、7のみが封止ガラス6の内部に固定して配置される。
そして、同時にベース基板用ウエハ40上面を貫通電極7、7の先端が露出するまで研磨して平坦面に加工する。
その結果、図12(c)、(d)に示すように、封止ガラス6と貫通電極7、7とがスルーホール30内で一体的に固定されたベース基板用ウエハ40が形成される。
なお、図12(c)、(d)及び後述する図13、図14に示す点線Mは、後に行う切断工程で切断するラインを仮想的に表した切断線である。
【0045】
次に、図13及び図14に示すように、ベース基板用ウエハ40の内面に導電性材料をパターニングして、各一対の貫通電極7、7にそれぞれ電気的に接続された引き回し電極36、37を複数形成する引き回し電極形成工程を行う(図8、S34)。
この時点でベース基板用ウエハ作製工程(S30)が終了する。
【0046】
圧電振動子1を複数製造する方法では、圧電振動作製工程(S10)、リッド基板用ウエハ作製工程(S20)及び、ベース基板用ウエハ作製工程(S30)の後、マウント工程(圧電振動片実装工程)を行う(S40)。
このマウント工程は、後述する重ね合わせ工程においてキャビティC内に圧電振動片4が収容されるように、圧電振動片4を引き回し電極36,37に電気的に接続する工程である。
本実施形態では、作製した複数の圧電振動片4を、それぞれ引き回し電極36、37、及びバンプBを介してベース基板用ウエハ40の内面側に接合する。これにより、圧電振動片4は、マウント電極16、17と引き回し電極36、37とが電気的に接続された状態となる。よって、この時点で圧電振動片4の一対の励振電極15は、一対の貫通電極7、7に対してそれぞれ導通した状態となる。
【0047】
次に、図15に示すように、リッド基板用ウエハ50の内面とベース基板用ウエハ40の内面とを重ね合わせ、ベース基板用ウエハ40の外面を陽極接合用の電極台部70上に配置する配置工程を行う(S50)。
【0048】
ここで、配置工程の説明にあたり、まず陽極接合用の電極台部70について説明する。
図15に示すように、電極台部70は、図示しない陽極接合装置の内部に設けられた陽極接合用の印加手段74が有する一対の電極のうち、マイナス端子として機能する一方の電極を構成している。また図示の例では、前記一対の電極のうちのプラス端子として機能する他方の電極は、接合膜35に電気的に接続される膜用電極74aとなっている。なお図15では、ベース基板用ウエハ40およびリッド基板用ウエハ50それぞれにおいて、1つ分の圧電振動子1に相当する部分を図示している。
【0049】
電極台部70は、平面視でベース基板用ウエハ40と同等もしくはベース基板用ウエハ40よりも大きくなるように形成された導電性の板状部材であり、例えばステンレス鋼(SUS)等で構成される。
なお、電極台部70のベース基板用ウエハ40が載置される面には、各貫通電極7、7に対応する位置に凹部を形成することで貫通電極7、7が電極台部70に接触しないようにすることもできる。
また、本実施形態における電極台部70は、印加手段74が有する一対の電極のうちのマイナス端子として機能する場合について説明したが、プラス端子として機能しても良い。
【0050】
次に、配置工程(S50)について詳細に説明する。
まず、図15に示すように、ベース基板用ウエハ40に対してリッド基板用ウエハ50を重ね合わせる重ね合わせ工程を行う(S51)。なお、図15については、1つ分の圧電振動子1について表示しているので、ベース基板用ウエハ40に代えてベース基板2、リッド基板用ウエハ50に代えてリッド基板3の状態を表している。
具体的には、図示しない基準マーク等を指標としながら、両ウエハ40、50を正しい位置にアライメントする。これにより、マウントされた圧電振動片4が、両ウエハ40、50で囲まれるキャビティC内に収容された状態となる。
【0051】
次いで、重ね合わせた両ウエハ40、50を前記陽極接合装置に入れ、ベース基板用ウエハ40を電極台部70上に載置(配置)するセット工程を行う(S52)。
この際、接合膜35においてベース基板用ウエハ40と接する部分はその全域にわたって、電極台部70との間にベース基板用ウエハ40を挟み込んでいる。
また本実施形態では、セット工程時に、印加手段74の膜用電極74aを接合膜35に電気的に接続する。
以上で配置工程が終了する。
【0052】
次いで、接合温度に加熱しつつ、接合膜35と電極台部70との間に接合電圧(例えば、600V〜800V)を印加して、接合膜35とベース基板用ウエハ40とを陽極接合する陽極接合工程を行う(S55)。
ここで、本実施形態の陽極接合工程では、接合温度に加熱しつつ電極台部70と接合膜35との間に接合電圧を印加する。
【0053】
すると、接合膜35とベース基板用ウエハ40との界面に電気化学的な反応が生じ、両者が陽極接合することとなる。これにより、圧電振動片4はキャビティC内に封止され、ベース基板用ウエハ40とリッド基板用ウエハ50とが接合した図16に示すウエハ体60を得ることができる。
なお、図16においては、図面を見易くするために、ウエハ体60を分解した状態を図示しており、図16に示す点線Mは、後に行う切断工程で切断する切断線を図示している。
【0054】
陽極接合工程が終了した後、外部電極形成工程(S60)を行う。
この外部電極形成工程では、ベース基板用ウエハ40の外面に導電性材料をパターニングして、一対の貫通電極7、7にそれぞれ電気的に接続された一対の外部電極38、39を複数形成する。
なお、外部電極38、39はそれぞれ圧電振動子1毎に、その長手方向の両端側に配置されている。一方、一対の貫通電極7、7は圧電振動片4の基部12側、すなわち、外部電極側に形成されている。そのため、一方の貫通電極7は直接外部電極38に接続され、他方の貫通電極7は外部の引き回し電極37bを介して外部電極38と接続されている。
引き回し電極37bも、外部電極38、39と同様に導電性材料のパターニングにより形成される。
この工程により、外部電極38、及び、引き回し電極37bと外部電極39を利用してキャビティC内に封止された圧電振動片4を作動させることができる。
【0055】
次に、ウエハ体60の状態で、キャビティC内に封止された個々の圧電振動片4の周波数を微調整して所定の範囲内に収める微調工程を行う(S70)。具体的に説明すると、ベース基板用ウエハ40の外面に形成された一対の外部電極38、39に電圧を印加して圧電振動片4を振動させる。そして、周波数を計測しながらベース基板用ウエハ40を通して外部からレーザ光を照射し、重り金属膜21の微調膜21bを蒸発させる。これにより、一対の振動腕部10、11の先端側の重量が変化するので、圧電振動片4の周波数を、公称周波数の所定範囲内に収まるように微調整することができる。
【0056】
なお、この微調工程(S70)は、後述する切断工程(S80)により個々の圧電振動子1に小片化した後に行う工程順序でも構わない。
但し、上述したように、微調工程(S70)を先に行うことで、ウエハ体60の状態で微調を行うことができるので、複数の圧電振動子1をより効率よく微調することができる。よって、スループットの向上化を図ることができるので好ましい。
【0057】
周波数の微調が終了後、接合されたウエハ体60を図16に示す切断線Mに沿って切断して小片化する切断工程を行う(S80)。その結果、パッケージ9のキャビティC内に圧電振動片4が封止された図1に示す2層構造タイプの表面実装型の圧電振動子1を一度に複数製造することができる。
【0058】
その後、内部の電気特性検査を行う(S90)。即ち、圧電振動片4の共振周波数、共振抵抗値、ドライブレベル特性(共振周波数及び共振抵抗値の励振電力依存性)等を測定してチェックする。また、絶縁抵抗特性等を併せてチェックする。そして、最後に圧電振動子1の外観検査を行って、寸法や品質等を最終的にチェックする。これをもって圧電振動子1の製造が終了する。
【0059】
以上説明したように、本実施形態に係る圧電振動子の製造方法によれば、
そこで本願では、貫通孔の形状を大きくし、1箇所のスルーホールに金属ピンを2本挿入し、その後フリットガラス(低融点ガラスを)で隙間を充填し焼成により固化させてスルーホールを封止している。このため次の様な効果を得ることができる。
(1)一対の貫通電極間を狭くすることができ、その結果圧電振動子1を小型化することができる。
(2)スルーホール1の容積を大きくすることで、ガラスフリット6aの充填作業のを短縮することができる。
(3)1つのスルーホールは従来よりも大きくなるものの、従来のように2つのスルーホールを形成した場合にくらべて、スルーホールの合計内容積を小さくすることができるので、充填するガラスフリット6aの量を少なくることができる。また、充填作業時間の短縮にもなる。
(4)スルーホールが1つになることで、圧電振動子1の曲げ強度を高めることができる。
(5)スルーホールが大きくなり、かつ、隣り合う2つの圧電振動子間のスルーホールの間も広くなるため、スルーホール形成用の形成型321の耐久性が向上する。
(6)また形成型321の形状が単純かされるため、型の加工費用を低減することができる。
【0060】
また本実施形態では、貫通電極7、7を1つのスルーホール内に配置し一体化した封止ガラス6で固定している。
このため、2つのスルーホールが、圧電振動子1の長手方向の両側に配置される場合にくらべて、曲げ強度の高い圧電振動子1を得ることができる。
【0061】
(5)発振器
次に、本発明に係る発振器の一実施形態について、図17を参照しながら説明する。
本実施形態の発振器100は、図17に示すように、圧電振動子1を、集積回路101に電気的に接続された発振子として構成したものである。この発振器100は、コンデンサ等の電子部品102が実装された基板103を備えている。基板103には、発振器用の上記集積回路101が実装されており、この集積回路101の近傍に、圧電振動子1が実装されている。これら電子部品102、集積回路101及び圧電振動子1は、図示しない配線パターンによってそれぞれ電気的に接続されている。なお、各構成部品は、図示しない樹脂によりモールドされている。
【0062】
このように構成された発振器100において、圧電振動子1に電圧を印加すると、該圧電振動子1内の圧電振動片4が振動する。この振動は、圧電振動片4が有する圧電特性により電気信号に変換されて、集積回路101に電気信号として入力される。入力された電気信号は、集積回路101によって各種処理がなされ、周波数信号として出力される。これにより、圧電振動子1が発振子として機能する。
また、集積回路101の構成を、例えば、RTC(リアルタイムクロック)モジュール等を要求に応じて選択的に設定することで、時計用単機能発振器等の他、当該機器や外部機器の動作日や時刻を制御したり、時刻やカレンダー等を提供したりする機能を付加することができる。
【0063】
そして本実施形態では、高品質化した圧電振動子1を備えているので、発振器100の高品質化を図ることができる。
【0064】
(6)電子機器
次に、本発明に係る電子機器の一実施形態について、図18を参照して説明する。なお電子機器として、上述した圧電振動子1を有する携帯情報機器110を例にして説明する。始めに本実施形態の携帯情報機器110は、例えば、携帯電話に代表されるものであり、従来技術における腕時計を発展、改良したものである。外観は腕時計に類似し、文字盤に相当する部分に液晶ディスプレイを配し、この画面上に現在の時刻等を表示させることができるものである。また、通信機として利用する場合には、手首から外し、バンドの内側部分に内蔵されたスピーカ及びマイクロフォンによって、従来技術の携帯電話と同様の通信を行うことが可能である。しかしながら、従来の携帯電話と比較して、格段に小型化及び軽量化されている。
【0065】
次に、本実施形態の携帯情報機器110の構成について説明する。この携帯情報機器110は、図18に示すように、圧電振動子1と、電力を供給するための電源部111とを備えている。電源部111は、例えば、リチウム二次電池からなっている。この電源部111には、各種制御を行う制御部112と、時刻等のカウントを行う計時部113と、外部との通信を行う通信部114と、各種情報を表示する表示部115と、それぞれの機能部の電圧を検出する電圧検出部116とが並列に接続されている。そして、電源部111によって、各機能部に電力が供給されるようになっている。
【0066】
制御部112は、各機能部を制御して音声データの送信及び受信、現在時刻の計測や表示等、システム全体の動作制御を行う。また、制御部112は、予めプログラムが書き込まれたROMと、該ROMに書き込まれたプログラムを読み出して実行するCPUと、該CPUのワークエリアとして使用されるRAM等とを備えている。
【0067】
計時部113は、発振回路、レジスタ回路、カウンタ回路及びインターフェース回路等を内蔵する集積回路と、圧電振動子1とを備えている。圧電振動子1に電圧を印加すると圧電振動片4が振動し、該振動が水晶の有する圧電特性により電気信号に変換されて、発振回路に電気信号として入力される。発振回路の出力は二値化され、レジスタ回路とカウンタ回路とにより計数される。そして、インターフェース回路を介して、制御部112と信号の送受信が行われ、表示部115に、現在時刻や現在日付或いはカレンダー情報等が表示される。
【0068】
通信部114は、従来の携帯電話と同様の機能を有し、無線部117、音声処理部118、切替部119、増幅部120、音声入出力部121、電話番号入力部122、着信音発生部123及び呼制御メモリ部124を備えている。
無線部117は、音声データ等の各種データを、アンテナ125を介して基地局と送受信のやりとりを行う。音声処理部118は、無線部117又は増幅部120から入力された音声信号を符号化及び複号化する。増幅部120は、音声処理部118又は音声入出力部121から入力された信号を、所定のレベルまで増幅する。音声入出力部121は、スピーカやマイクロフォン等からなり、着信音や受話音声を拡声したり、音声を集音したりする。
【0069】
また、着信音発生部123は、基地局からの呼び出しに応じて着信音を生成する。切替部119は、着信時に限って、音声処理部118に接続されている増幅部120を着信音発生部123に切り替えることによって、着信音発生部123において生成された着信音が増幅部120を介して音声入出力部121に出力される。
なお、呼制御メモリ部124は、通信の発着呼制御に係るプログラムを格納する。また、電話番号入力部122は、例えば、0から9の番号キー及びその他のキーを備えており、これら番号キー等を押下することにより、通話先の電話番号等が入力される。
【0070】
電圧検出部116は、電源部111によって制御部112等の各機能部に対して加えられている電圧が、所定の値を下回った場合に、その電圧降下を検出して制御部112に通知する。このときの所定の電圧値は、通信部114を安定して動作させるために必要な最低限の電圧として予め設定されている値であり、例えば、3V程度となる。電圧検出部116から電圧降下の通知を受けた制御部112は、無線部117、音声処理部118、切替部119及び着信音発生部123の動作を禁止する。特に、消費電力の大きな無線部117の動作停止は、必須となる。更に、表示部115に、通信部114が電池残量の不足により使用不能になった旨が表示される。
【0071】
即ち、電圧検出部116と制御部112とによって、通信部114の動作を禁止し、その旨を表示部115に表示することができる。この表示は、文字メッセージであっても良いが、より直感的な表示として、表示部115の表示面の上部に表示された電話アイコンに、×(バツ)印を付けるようにしても良い。
なお、通信部114の機能に係る部分の電源を、選択的に遮断することができる電源遮断部126を備えることで、通信部114の機能をより確実に停止することができる。
【0072】
そして本実施形態では、高品質化した圧電振動子1を備えているので、携帯情報機器110の高品質化を図ることができる。
【0073】
(7)電波時計
次に、本発明に係る電波時計の一実施形態について、図19を参照して説明する。
本実施形態の電波時計130は、図19に示すように、フィルタ部131に電気的に接続された圧電振動子1を備えたものであり、時計情報を含む標準の電波を受信して、正確な時刻に自動修正して表示する機能を備えた時計である。
日本国内には、福島県(40kHz)と佐賀県(60kHz)とに、標準の電波を送信する送信所(送信局)があり、それぞれ標準電波を送信している。40kHz若しくは60kHzのような長波は、地表を伝播する性質と、電離層と地表とを反射しながら伝播する性質とを併せもつため、伝播範囲が広く、上述した2つの送信所で日本国内を全て網羅している。
【0074】
以下、電波時計130の機能的構成について詳細に説明する。
アンテナ132は、40kHz若しくは60kHzの長波の標準電波を受信する。長波の標準電波は、タイムコードと呼ばれる時刻情報を、40kHz若しくは60kHzの搬送波にAM変調をかけたものである。受信された長波の標準電波は、アンプ133によって増幅され、複数の圧電振動子1を有するフィルタ部131によって濾波、同調される。本実施形態における圧電振動子1は、上記搬送周波数と同一の40kHz及び60kHzの共振周波数を有する水晶振動子部(圧電振動片)138、139をそれぞれ備えている。
【0075】
更に、濾波された所定周波数の信号は、検波、整流回路134により検波復調される。続いて、波形整形回路135を介してタイムコードが取り出され、CPU136でカウントされる。CPU136では、現在の年、積算日、曜日、時刻等の情報を読み取る。読み取られた情報は、RTC137に反映され、正確な時刻情報が表示される。
搬送波は、40kHz若しくは60kHzであるから、水晶振動子部138、139は、上述した音叉型の構造を持つ振動子が好適である。
【0076】
なお、上述の説明は、日本国内の例で示したが、長波の標準電波の周波数は、海外では異なっている。例えば、ドイツでは77.5KHzの標準電波が用いられている。従って、海外でも対応可能な電波時計130を携帯機器に組み込む場合には、さらに日本の場合とは異なる周波数の圧電振動子1を必要とする。
【0077】
そして本実施形態では、高品質化した圧電振動子1を備えているので、電波時計130の高品質化を図ることができる。
【0078】
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では、圧電振動片4の一例として振動腕部10、11の両面に溝部18が形成された溝付きの圧電振動片4を例に挙げて説明したが、溝部18がないタイプの圧電振動片でも構わない。但し、溝部18を形成することで、一対の励振電極15に所定の電圧を印加させたときに、一対の励振電極15間における電界効率を上げることができるため、振動損失をより抑えて振動特性をさらに向上することができる。つまり、CI値(Crystal Impedance)をさらに低くすることができ、圧電振動片4のさらなる高性能化を図ることができる。この点において、溝部18を形成する方が好ましい。
また、説明した実施形態における圧電振動子として音叉型の水晶振動子を例に説明したが、他の圧電振動子、例えば、AT振動子や、複数の振動モードが結合した結合振動子等の各種振動子を使用することができる。
【0079】
また、上記実施形態では、本発明に係るパッケージの製造方法を、パッケージ9のキャビティC内の引き回し電極36,37に圧電振動片4が収容された圧電振動子1を製造する圧電振動子の製造方法に適用した場合を説明したが、引き回し電極36,37に圧電振動片4とは異なる配線が電気的に接続された構成を製造する場合にも適用することが可能である。
【0080】
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0081】
1…圧電振動子
2…ベース基板
3…リッド基板
4…圧電振動片
6a…ガラスフリット(低融点ガラス)
6…封止ガラス
7…貫通電極
8…土台板
90…金属ピン
9…パッケージ
30…スルーホール
35…接合膜
36、37…引き回し電極(内部電極)
37b…引き回し電極(外部電極)
40…ベース基板用ウエハ(ベース基板)
50…リッド基板用ウエハ(リッド基板)
70…電極台部
100…発振器
101…発振器の集積回路
110…携帯情報機器(電子機器)
113…電子機器の計時部
130…電波時計
131…電波時計のフィルタ部
321…形成型
322…凸部
C…キャビティ
L…接合幅

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リッド基板と、ガラス材料で構成されるベース基板との間に形成されたキャビティ内に圧電振動片が封止された圧電振動子の製造方法であって、
前記リッド基板及び前記ベース基板の少なくとも一方に前記キャビティ用の凹部を形成する凹部形成工程と、
前記ベース基板に1つのスルーホールを形成するスルーホール形成工程と、
前記形成したスルーホール内に一対の貫通電極を離間して配設し、前記一対の貫通電極の両端が前記ベース基板の両端面に露出する状態に、前記スルーホールをガラス材料で封止する貫通電極形成工程と、
前記圧電振動片を、当該圧電振動片に形成された一対の電極と前記一対の貫通電極とが電気的に接続する状態で、前記ベース基板の上面に接合するマウント工程と、
前記キャビティに前記圧電振動片を収納する状態で、前記ベース基板と前記リッド基板とを接合する接合工程と、
前記ベース基板の下面に、前記一対の貫通電極にそれぞれ電気的に接続された一対の外部電極を形成する外部電極形成工程と、
を備えることを特徴とする圧電振動子の製造方法。
【請求項2】
前記スルーホール形成工程において、前記ベース基板面に平行な断面形状が横長形状のスルーホールを形成することを特徴とする請求項1に記載の圧電振動子の製造方法。
【請求項3】
前記スルーホール形成工程において、前記横長形状のスルーホールとして、一方の端面側から他方の端面側に向けて断面積が徐々に縮小しているスルーホールを形成する、
ことを特徴とする請求項2に記載の圧電振動子の製造方法。
【請求項4】
前記スルーホール形成工程において、前記スルーホールを圧電振動子の長手方向一端側に形成することを特徴とする請求項1、請求項2、又は請求項3に記載の圧電振動子の製造方法。
【請求項5】
前記凹部形成工程、前記スルーホール形成工程、前記貫通電極形成工程、前記マウント工程、前記接合工程、及び前記外部電極形成工程は、ベース基板用ウエハ及びリッド基板用ウエハに対して、それぞれ複数の圧電振動子を製造するための処理を行い、
更に、前記接合工程で前記ベース基板用ウエハとリッド基板用ウエハを接合したウエハ体を切断して、前記圧電振動片を収納した複数の前記圧電振動子に小片化する切断工程を備える、
ことを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1の請求項に記載された圧電振動子の製造方法。
【請求項6】
ガラス材料で構成されたベース基板と、
前記ベース基板に接合されたリッド基板と、
前記リッド基板及び前記ベース基板の少なくとも一方に形成されたキャビティ用の凹部と、
前記ベース基板に形成された1つのスルーホールと、
前記スルーホール内に配設された一対の貫通電極と、
前記一対の貫通電極を保持すると共に、前記スルーホールを封止する封止ガラスと、
一対の電極が形成され、当該一対の電極と前記一対の貫通電極とが電気的に接続し、前記キャビティに収納された状態で前記ベース基板にマウントされた圧電振動片と、
前記ベース基板の下面に、前記一対の貫通電極にそれぞれ電気的に接続された一対の外部電極と、
を具備することを特徴とする圧電振動子。
【請求項7】
前記スルーホールは、前記ベース基板面に平行な断面形状が横長形状である、
ことを特徴とする請求項6に記載の圧電振動子。
【請求項8】
前記スルーホールは、前記横長形状のスルーホールとして、一方の端面側から他方の端面側に向けて断面積が徐々に縮小している、
ことを特徴とする請求項7に記載の圧電振動子。
【請求項9】
前記スルーホールは、前記スルーホールが圧電振動子の長手方向一端側に形成されている、
ことを特徴とする請求項6、7、又は請求項8に記載の圧電振動子。
【請求項10】
請求項6から請求項9のうちのいずれか1の請求項に記載した圧電振動子が、発振子として集積回路に電気的に接続されていることを特徴とする発振器。
【請求項11】
請求項6から請求項9のうちのいずれか1の請求項に記載した圧電振動子が、計時部に電気的に接続されていることを特徴とする電子機器。
【請求項12】
請求項6から請求項9のうちのいずれか1の請求項に記載した圧電振動子が、フィルタ部に電気的に接続されていることを特徴とする電波時計。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2012−199735(P2012−199735A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−62003(P2011−62003)
【出願日】平成23年3月22日(2011.3.22)
【出願人】(000002325)セイコーインスツル株式会社 (3,629)
【Fターム(参考)】