圧電素子駆動装置および塗布装置
【課題】 各インダクタにチャージされるエネルギー量の変動を解消することができ、これにより液体の吐出量を常に適正な状態に維持することができる信頼性にすぐれた圧電素子駆動装置および塗布装置を提供する。
【解決手段】 複数のピエゾ素子6の充放電に伴う伸縮動作により液体を吸込んで吐出する圧電素子駆動装置において、各ピエゾ素子6への充電用のエネルギーをチャージする複数のインダクタ11を備え、これらインダクタ11が互いに磁気結合しない構成とした。
【解決手段】 複数のピエゾ素子6の充放電に伴う伸縮動作により液体を吸込んで吐出する圧電素子駆動装置において、各ピエゾ素子6への充電用のエネルギーをチャージする複数のインダクタ11を備え、これらインダクタ11が互いに磁気結合しない構成とした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、基板上に液体を噴射塗布して機能性薄膜を形成する塗布装置およびそれに用いられる圧電素子駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、液晶表示装置の製造工程では、ガラス基板の表面に配向膜やレジスト等の機能性薄膜が形成される。この機能性薄膜の形成には、その機能性薄膜の材料となる液体を基板上に噴射塗布するインクジェット方式の塗布装置が用いられる。
【0003】
この塗布装置は、基板を搬送するための搬送テーブルを有し、搬送テーブルの上方に複数のヘッドを備えている。これらヘッドの下面には、内部の液室に連通する多数のノズルが穿設されており、これらノズルごとに設けられた圧電素子(圧電振動子ともいう)が駆動されることにより、各ノズルから基板上に液室内の液体が吐出される(例えば特許文献1)。
【0004】
このような塗布装置に用いられる各圧電素子は充放電に伴って伸縮動作し、その伸縮動作により液体の吸込みおよび吐出が行われる。これら圧電素子に対する充電用のエネルギーをチャージするための手段として、複数のインダクタたとえば開放型のコイルが用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−95712号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
各インダクタとして用いられる開放型のコイルは、巻線をコアに装着し、その巻線とコアをプラスチック等でモールドしたもので、回路基板上に並べて配置される。インクの吐出密度を高めるために各ノズルの相互間隔を狭くすると、回路基板上の各コイルの配置間隔が狭くなる。
【0007】
ただし、回路基板上の各コイルの配置間隔が狭くなると、各コイルの漏れ磁束が互いに作用し合う磁気結合が無視できない状態となる。この磁気結合は各コイルにチャージされるエネルギー量の変動を招き、それに伴い、圧電素子への充電量が変動する。この充電量の変動は、各ノズルからの液体吐出量の変動となって現われる。
【0008】
この発明の目的は、上記の事情を考慮したもので、各インダクタにチャージされるエネルギー量の変動を解消することができ、これにより液体の吐出量を常に適正な状態に維持することができる信頼性にすぐれた圧電素子駆動装置および塗布装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に係る発明の圧電素子駆動装置は、複数の圧電素子を有し、これら圧電素子の充放電に伴う伸縮動作により前記圧電素子に対応して配置された個々のノズルから液体を吐出させるものであって、前記各圧電素子への充電用のエネルギーをチャージする複数のインダクタを備え、これらインダクタ相互の磁気結合を防止する構成を備える。
【発明の効果】
【0010】
この発明の圧電素子駆動装置は、各インダクタにチャージされるエネルギー量の変動を解消することができる。これにより、液体の吐出量を常に適正な状態に維持することができ、信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】この発明の各実施形態における塗布装置の構成を示す正面図。
【図2】図1の要部の構成を示すブロック図。
【図3】各実施形態の作用を説明するための図。
【図4】各実施形態の各インダクタの具体的な構成を示す図。
【図5】第1の実施形態における基板上の各インダクタの配置を示す図。
【図6】第2の実施形態における各インダクタの配置を示す図。
【図7】第2の実施形態における各インダクタの回路基板上の配置を示す図。
【図8】第3の実施形態における基板上の各インダクタの配置およびその各インダクタの相互間に設けられたシートの構成を示す図。
【図9】図8のA−A線に沿う断面を矢印方向に見た図。
【図10】第4の実施形態における各インダクタ上に設けられたシートの構成を示す図。
【図11】第4の実施形態におけるシートの変形例の構成を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[1]以下、この発明の第1の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係る塗布装置の構成を示す正面図である。塗布装置100は、略直方体形状のベース101を有する。ベース101上には、Y軸方向に沿って配置された一対のガイド部材102が配置され、このガイド部材102上で、例えば、液晶表示パネルの製造に用いられるガラス基板などの基板Wを載置する搬送テーブル103がY軸方向に移動可能に支持される。この搬送テーブル103は、不図示のY軸駆動装置によって、Y軸方向に往復移動される。
【0013】
また、ベース101上には、搬送テーブル103の移動経路を跨いで、門型の支持体104が配置される。支持体104には、複数の液滴吐出ヘッド105がY軸方向に直交するX軸方向に沿って千鳥状に二列で、不図示の取り付け部材に支持されて配置される。複数の液滴吐出ヘッド105は、例えば、搬送テーブル103上に載置される基板WのX軸方向長さ範囲をカバー可能となるように配置される。
【0014】
液滴吐出ヘッド105は、それぞれ複数のノズルをX軸方向に沿う直線状に所定間隔で配置して備えており、ノズル毎に圧電素子を備える。この圧電素子の駆動によって各ノズルから個別に塗布液を吐出可能とされる。
【0015】
複数のノズルにそれぞれ圧電素子を有する塗布装置の要部を図2に示す。直流電圧12Vを出力する直流電源1に複数の圧電素子駆動装置2が接続され、これら圧電素子駆動装置2が制御ユニット20に接続される。
【0016】
各圧電素子駆動装置2は、昇圧回路3、放電回路4、充電電圧検出回路5、および圧電素子たとえばピエゾ素子6などを備える。昇圧回路3は、電流が流れることによりエネルギーをチャージするインダクタ11、このインダクタ11に対する通電用のスイッチング素子たとえばMOSFET12、および整流ダイオード13からなり、MOSFET12のオン,オフによりインダクタ11にエネルギーをチャージし、チャージしたエネルギーを順方向のダイオード13を通して出力する。この出力により、ピエゾ素子6が充電される。なお、MOSFET12は寄生ダイオード12aを有する。
【0017】
放電回路4は、放電路形成用のスイッチング素子たとえばMOSFET14を有し、液体の吸込み時はMOSFET14のオフ状態が維持されることにより昇圧回路3からピエゾ素子6への充電用の通電路を保つが、液体の吐出時にMOSFET14がオンされることにより同MOSFET14を通してピエゾ素子6の充電電圧を急速放電させる。なお、MOSFET14は寄生ダイオード14aを有する。
【0018】
充電電圧検出回路5は、ピエゾ素子6に並列接続された可変抵抗15、およびその可変抵抗15に生じる電圧をデジタル信号に変換するD/A(デジタル/アナログ)変換器16を有し、ピエゾ素子6の充電電圧を検出してその検出結果を上記制御ユニット20の主制御部22に供給する。
【0019】
制御ユニット20は、主制御部22および複数のタイマ回路23を有し、制御用直流電源21の直流電圧5Vにより動作する。主制御部22は、各圧電素子駆動装置2の駆動タイミングを制御するもので、各タイマ回路23に駆動信号を供給する。各タイマ回路23は、駆動信号を受けてから昇圧動作開始(エネルギーのチャージを含む)までの時間T1を計時するタイマ23a、昇圧動作開始から充電終了までの時間T2を計時するタイマ23b、充電電圧の保持時間T3を計時するタイマ23c、放電路形成時間T4を計時するタイマ23dを有する。タイマ23cによる充電電圧の保持時間T3は、液体の吸込みが終了してから少し待って吐出する方が吐出の効率が良い点を考慮して定められている。このタイマ23bの出力信号が昇圧回路3のMOSFET12のゲートに供給され、タイマ23dの出力信号が放電回路4のMOSFET14のゲートに供給される。
【0020】
この圧電素子駆動装置の作用について図3を参照しながら説明する。
駆動信号を受けてからタイマ23aによる時間T1の計時が終了すると、昇圧回路3のMOSFET12のオン,オフが繰り返され、そのオン時に実線矢印のようにインダクタ11に電流が流れてインダクタ11にエネルギーがチャージされる。そして、MOSFET12のオフ時に、インダクタ11にチャージされるエネルギーによってインダクタ11と整流ダイオード13のアノードの接続点の電圧が急上昇し(昇圧)、その電圧が整流ダイオード13を介してピエゾ素子6に印加され、ピエゾ素子6が充電されていく。この充電に伴うピエゾ素子6の動作により、液体が吸込まれる。
【0021】
タイマ23bによる時間T2の計時が終了すると、MOSFET12のオン,オフが停止される。そして、タイマ23cによる保持時間T3の計時が終了すると、その時点からタイマ23dの計時による放電路形成時間T4だけ、放電回路4のMOSFET14がオンされる。このオンにより、ピエゾ素子6の充電電圧がMOSFET14を通ってアース側に急速放電される。この急速放電に伴うピエゾ素子6の動作により、液体が吐出される。
【0022】
ここで、塗布装置の液滴吐出ヘッド105は、その下面に複数のノズルが穿設されており、これらノズル毎に対応して設けられたピエゾ素子6の動作により、ノズルに連通する液室内に容積変化を生じさせることで、各ノズルから個別に液滴を吐出する。そして、塗布装置は、搬送テーブル103によって搬送される基板Wが、液滴吐出ヘッド105の下を通過するタイミングに合せて、各ピエゾ素子6を駆動させ、各ノズルから基板W上に液室内の液体(塗布液)を吐出する。
【0023】
ピエゾ素子6に対する充電電圧が充電電圧検出回路5で検出されており、その検出電圧が所定の例えば80Vに達するよう、MOSFET12のオン,オフスイッチングの期間(昇圧動作・充電の期間)であるタイマ23bの計時時間T2が調節される。この調節により、液体の一度の吐出量が最適な状態に設定される。
【0024】
このように、直流電源1の電圧を昇圧回路3で昇圧してピエゾ素子6に印加し、そのピエゾ素子6の充電電圧を放電回路4によって放電することにより、ピエゾ素子6を液体の吸込みおよび吐出に必要なレベルに充電することができる。
【0025】
また、タイマ23bによる計時時間T2、すなわち昇圧動作(エネルギーのチャージを含む)の開始から充電が終了するまでの時間の増減によって、ピエゾ素子6の充電電圧を加減することができるので、主制御部22によってタイマ23bの計時時間T2をピエゾ素子6毎に設定することで、ノズル毎の液体の吐出量を容易かつ迅速に変更することができる。例えば、ガラス基板の表面に配向膜やレジスト、或いはカラーフィルタ等の機能性薄膜を形成する場合等において、基板W上における液体の塗布位置に応じて塗布する液滴の量、すなわち液体の吐出量を変えることができるので、基板W上の塗布領域における周辺部分で膜厚が厚くなる傾向がある場合には周辺部分で吐出量を減少させるなど、液体の塗布条件の多様化に対応することができ、形成される機能性薄膜の品質を向上させることができる。
【0026】
さらに、充電電圧検出回路5でピエゾ素子6に対する充電電圧が検出され、その検出電圧に応じてMOSFET12のオン,オフスイッチングの期間、すなわちタイマ23bの計時時間T2が調整されるので、所望する充電電圧をピエゾ素子6に確実に印加することができる。これにより、必要量の液体をノズルから確実に吐出させることができる。
【0027】
一方、各圧電素子駆動装置2の昇圧回路3に設けるインダクタ11として、図4に示す開放型のコイルが用いられる。このコイルは、巻線11aをコア11bに装着し、その巻線11aとコア11bを例えばプラスチック11cでモールドしたもので、一辺が数mm程度の立方体形状を有する。軸心を一点鎖線で示しており、その軸心を中心に磁束が拡がる。
【0028】
この開放型のコイルを用いたインダクタ11が、各圧電素子駆動装置2の個数分だけ、図5に示すように、複数枚の回路基板41,42上に且つ互いに磁気結合しない状態に設けられている。
【0029】
すなわち、回路基板41の上面に複数のインダクタ11が縦横かつ千鳥状に平面配置されるとともに、回路基板42の上面に複数のインダクタ11が縦横かつ千鳥状に配置される。具体的には、各インダクタ11の軸心方向に沿う縦方向の配置を千鳥状として、軸心方向と直交する方向の横方向の配置については単に直線状としている。
【0030】
このように、回路基板41において、各インダクタ11の軸心方向に沿う縦方向の配置を千鳥状とすることにより、たとえ各インダクタ11の配置間隔が狭くても、各インダクタ11の漏れ磁束(二点鎖線)が互いに作用し合う磁気結合を回避することができる。回路基板42においても、各インダクタ11の軸心方向に沿う縦方向の配置が千鳥状であることにより、各インダクタ11の配置間隔が狭くても、各インダクタ11の磁気結合を回避することができる。
【0031】
なお、図5は回路基板41,42の重なり具合を斜め方向から見たもので、回路基板41,42の角部の位置が上下に重なるように、その回路基板41,42を互いに所定以上の間隔で平行に2層で配設している。所定以上の間隔を確保することにより、回路基板41,42の相互間においても、各インダクタ11の磁気結合をできるだけ回避している。
【0032】
また、回路基板41上の各インダクタ11の配置位置と回路基板42上の各インダクタ11の配置位置とが互いに対向しないよう(重ならないよう)、各インダクタ11の配置位置を上下でずらしている。すなわち、各インダクタ11は、平面方向のみならず、層方向においても千鳥状に配置される。この構成によっても、回路基板41,42の相互間における各インダクタ11の磁気結合をできるだけ回避している。
【0033】
このように、各インダクタ11の磁気結合を回避することで、各インダクタ11にチャージされるエネルギー量の変動を解消することができ、よって各ピエゾ素子6への充電量の変動を解消することができる。ひいては、各ノズルからの液体の吐出量を常に適正な状態に維持することができ、塗布装置としての信頼性が大幅に向上する。
【0034】
なお、回路基板41,42上に存するインダクタ11の個数を32個としたが、その個数について限定はなく、ノズルの数が64個の場合は64個のインダクタ11を回路基板41,42上に設けることになる。
【0035】
また、2つの回路基板41,42を設けたが、1つの回路基板の両面に各インダクタ11を設ける構成としてもよい。この場合、回路基板の両面において、各インダクタ11の軸心方向に沿う縦方向の配置を千鳥状とするとともに、各インダクタ11の配置位置を回路基板の両面の相互間で対向させない構成とすることで、各インダクタ11の磁気結合を確実に防ぐことができる。
【0036】
[2]第2の実施形態について説明する。
図6および図7に示すように、1つの回路基板50の上面に、開放型のコイルを用いたインダクタ11を、縦横に、かつそれぞれの軸心方向が互いに隣り合うもの同士で直交する状態に、平面配置する。この配置により、たとえ各インダクタ11の配置間隔が狭くても、各インダクタ11の漏れ磁束(二点鎖線)が互いに作用し合う磁気結合を回避することができる。
各インダクタ11の配置については、縦横に配置するだけで、第1の実施形態のような千鳥状の配置は不要である。
【0037】
他の構成は第1の実施形態と同じである。よって、その説明は省略する。
【0038】
この第2の実施形態においても、回路基板50上に設けるインダクタ11の個数について限定はなく、ノズルの数に対応する数のインダクタ11を設ければよい。また、回路基板50の上面だけでなく、回路基板50の両面に各インダクタ11を設け、平面的に配置したインダクタ11を多層の配置としてもよい。この場合、各インダクタ11のうち、回路基板50の両面において相対向するインダクタ11の軸心方向を、互いに直交させる構成とすればよい。さらに、1つの回路基板50を用いる場合を例に説明したが、複数の回路基板を用いてもよい。
【0039】
[3]第3の実施形態の要部を図8および図9により説明する。図8のA−A線に沿う断面を矢印方向に見たのが図9である。
回路基板50上に各インダクタ11が縦横に平面的に配置され、その各インダクタ11の相互間に透磁率の高いシート部材51が設けられる。シート部材51は、各インダクタ11と対応する位置にそれぞれ開口51aを有し、これら開口51aに各インダクタ11を嵌合させて装着される。
【0040】
各インダクタ11の配置については、縦横に配置するだけで、第1の実施形態のような千鳥状の配置は不要である。
【0041】
シート部材51は、透磁率が高いことにより、各インダクタ11に対する小さな閉磁路を個々に形成する。この小さな閉磁路の個々の形成により、たとえ各インダクタ11の配置間隔が狭くても、各インダクタ11の磁気結合を回避することができる。
他の構成は第1の実施形態と同じである。よって、その説明は省略する。
【0042】
なお、回路基板50上に設けるインダクタ11の個数について限定はなく、ノズルの数に対応する数のインダクタ11を設ければよい。回路基板50の上面だけでなく、回路基板50の両面に各インダクタ11を設けてもよい。この場合、回路基板50の両面にそれぞれシート部材51を設ければよい。1つの回路基板50を用いる場合を例に説明したが、複数の回路基板を用いてもよい。
【0043】
[4]第4の実施形態の要部を図10により説明する。
回路基板50上の平面的に配置した各インダクタ11の全体を、透磁率の高い1枚のシート部材52で被っている。このシート部材52は、各インダクタ11に対する小さな閉磁路を個々に形成する。この小さな閉磁路の個々の形成により、たとえ各インダクタ11の配置間隔が狭くても、各インダクタ11の磁気結合を回避することができる。
他の構成は第1の実施形態と同じである。よって、その説明は省略する。
【0044】
なお、各インダクタ11の全体を1枚のシート部材52で被う構成としたが、シート部材52を各インダクタ11の個々に対応する大きさに切断し、これらシート部材を各インダクタ11にそれぞれ被せる構成としても、同様の効果を得ることができる。
【0045】
また、図11に示すように、透磁率が高くてしかも柔軟性のあるシート部材53を各インダクタ11にそれぞれ被せる構成としてもよい。
【0046】
[5]なお、この発明は、上記各実施形態に限定されるものではなく、要旨を変えない範囲で種々変形実施可能である。各実施形態の構成要素を適宜に組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0047】
1…直流電源、2…圧電素子駆動装置、3…昇圧回路、4…放電回路、5…充電電圧検出回路、6…ピエゾ素子(圧電素子)、11…インダクタ、11a…巻線、11b…コア、12…MOSFET、13…ダイオード、14…MOSFET、20…制御ユニット、21…制御用直流電源、22…主制御部、23…タイマ回路、23a,23b,23c,23d…タイマ、41,42…回路基板、50…回路基板、51,52,53…高透磁率のシート部材
【技術分野】
【0001】
この発明は、基板上に液体を噴射塗布して機能性薄膜を形成する塗布装置およびそれに用いられる圧電素子駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、液晶表示装置の製造工程では、ガラス基板の表面に配向膜やレジスト等の機能性薄膜が形成される。この機能性薄膜の形成には、その機能性薄膜の材料となる液体を基板上に噴射塗布するインクジェット方式の塗布装置が用いられる。
【0003】
この塗布装置は、基板を搬送するための搬送テーブルを有し、搬送テーブルの上方に複数のヘッドを備えている。これらヘッドの下面には、内部の液室に連通する多数のノズルが穿設されており、これらノズルごとに設けられた圧電素子(圧電振動子ともいう)が駆動されることにより、各ノズルから基板上に液室内の液体が吐出される(例えば特許文献1)。
【0004】
このような塗布装置に用いられる各圧電素子は充放電に伴って伸縮動作し、その伸縮動作により液体の吸込みおよび吐出が行われる。これら圧電素子に対する充電用のエネルギーをチャージするための手段として、複数のインダクタたとえば開放型のコイルが用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−95712号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
各インダクタとして用いられる開放型のコイルは、巻線をコアに装着し、その巻線とコアをプラスチック等でモールドしたもので、回路基板上に並べて配置される。インクの吐出密度を高めるために各ノズルの相互間隔を狭くすると、回路基板上の各コイルの配置間隔が狭くなる。
【0007】
ただし、回路基板上の各コイルの配置間隔が狭くなると、各コイルの漏れ磁束が互いに作用し合う磁気結合が無視できない状態となる。この磁気結合は各コイルにチャージされるエネルギー量の変動を招き、それに伴い、圧電素子への充電量が変動する。この充電量の変動は、各ノズルからの液体吐出量の変動となって現われる。
【0008】
この発明の目的は、上記の事情を考慮したもので、各インダクタにチャージされるエネルギー量の変動を解消することができ、これにより液体の吐出量を常に適正な状態に維持することができる信頼性にすぐれた圧電素子駆動装置および塗布装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に係る発明の圧電素子駆動装置は、複数の圧電素子を有し、これら圧電素子の充放電に伴う伸縮動作により前記圧電素子に対応して配置された個々のノズルから液体を吐出させるものであって、前記各圧電素子への充電用のエネルギーをチャージする複数のインダクタを備え、これらインダクタ相互の磁気結合を防止する構成を備える。
【発明の効果】
【0010】
この発明の圧電素子駆動装置は、各インダクタにチャージされるエネルギー量の変動を解消することができる。これにより、液体の吐出量を常に適正な状態に維持することができ、信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】この発明の各実施形態における塗布装置の構成を示す正面図。
【図2】図1の要部の構成を示すブロック図。
【図3】各実施形態の作用を説明するための図。
【図4】各実施形態の各インダクタの具体的な構成を示す図。
【図5】第1の実施形態における基板上の各インダクタの配置を示す図。
【図6】第2の実施形態における各インダクタの配置を示す図。
【図7】第2の実施形態における各インダクタの回路基板上の配置を示す図。
【図8】第3の実施形態における基板上の各インダクタの配置およびその各インダクタの相互間に設けられたシートの構成を示す図。
【図9】図8のA−A線に沿う断面を矢印方向に見た図。
【図10】第4の実施形態における各インダクタ上に設けられたシートの構成を示す図。
【図11】第4の実施形態におけるシートの変形例の構成を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[1]以下、この発明の第1の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係る塗布装置の構成を示す正面図である。塗布装置100は、略直方体形状のベース101を有する。ベース101上には、Y軸方向に沿って配置された一対のガイド部材102が配置され、このガイド部材102上で、例えば、液晶表示パネルの製造に用いられるガラス基板などの基板Wを載置する搬送テーブル103がY軸方向に移動可能に支持される。この搬送テーブル103は、不図示のY軸駆動装置によって、Y軸方向に往復移動される。
【0013】
また、ベース101上には、搬送テーブル103の移動経路を跨いで、門型の支持体104が配置される。支持体104には、複数の液滴吐出ヘッド105がY軸方向に直交するX軸方向に沿って千鳥状に二列で、不図示の取り付け部材に支持されて配置される。複数の液滴吐出ヘッド105は、例えば、搬送テーブル103上に載置される基板WのX軸方向長さ範囲をカバー可能となるように配置される。
【0014】
液滴吐出ヘッド105は、それぞれ複数のノズルをX軸方向に沿う直線状に所定間隔で配置して備えており、ノズル毎に圧電素子を備える。この圧電素子の駆動によって各ノズルから個別に塗布液を吐出可能とされる。
【0015】
複数のノズルにそれぞれ圧電素子を有する塗布装置の要部を図2に示す。直流電圧12Vを出力する直流電源1に複数の圧電素子駆動装置2が接続され、これら圧電素子駆動装置2が制御ユニット20に接続される。
【0016】
各圧電素子駆動装置2は、昇圧回路3、放電回路4、充電電圧検出回路5、および圧電素子たとえばピエゾ素子6などを備える。昇圧回路3は、電流が流れることによりエネルギーをチャージするインダクタ11、このインダクタ11に対する通電用のスイッチング素子たとえばMOSFET12、および整流ダイオード13からなり、MOSFET12のオン,オフによりインダクタ11にエネルギーをチャージし、チャージしたエネルギーを順方向のダイオード13を通して出力する。この出力により、ピエゾ素子6が充電される。なお、MOSFET12は寄生ダイオード12aを有する。
【0017】
放電回路4は、放電路形成用のスイッチング素子たとえばMOSFET14を有し、液体の吸込み時はMOSFET14のオフ状態が維持されることにより昇圧回路3からピエゾ素子6への充電用の通電路を保つが、液体の吐出時にMOSFET14がオンされることにより同MOSFET14を通してピエゾ素子6の充電電圧を急速放電させる。なお、MOSFET14は寄生ダイオード14aを有する。
【0018】
充電電圧検出回路5は、ピエゾ素子6に並列接続された可変抵抗15、およびその可変抵抗15に生じる電圧をデジタル信号に変換するD/A(デジタル/アナログ)変換器16を有し、ピエゾ素子6の充電電圧を検出してその検出結果を上記制御ユニット20の主制御部22に供給する。
【0019】
制御ユニット20は、主制御部22および複数のタイマ回路23を有し、制御用直流電源21の直流電圧5Vにより動作する。主制御部22は、各圧電素子駆動装置2の駆動タイミングを制御するもので、各タイマ回路23に駆動信号を供給する。各タイマ回路23は、駆動信号を受けてから昇圧動作開始(エネルギーのチャージを含む)までの時間T1を計時するタイマ23a、昇圧動作開始から充電終了までの時間T2を計時するタイマ23b、充電電圧の保持時間T3を計時するタイマ23c、放電路形成時間T4を計時するタイマ23dを有する。タイマ23cによる充電電圧の保持時間T3は、液体の吸込みが終了してから少し待って吐出する方が吐出の効率が良い点を考慮して定められている。このタイマ23bの出力信号が昇圧回路3のMOSFET12のゲートに供給され、タイマ23dの出力信号が放電回路4のMOSFET14のゲートに供給される。
【0020】
この圧電素子駆動装置の作用について図3を参照しながら説明する。
駆動信号を受けてからタイマ23aによる時間T1の計時が終了すると、昇圧回路3のMOSFET12のオン,オフが繰り返され、そのオン時に実線矢印のようにインダクタ11に電流が流れてインダクタ11にエネルギーがチャージされる。そして、MOSFET12のオフ時に、インダクタ11にチャージされるエネルギーによってインダクタ11と整流ダイオード13のアノードの接続点の電圧が急上昇し(昇圧)、その電圧が整流ダイオード13を介してピエゾ素子6に印加され、ピエゾ素子6が充電されていく。この充電に伴うピエゾ素子6の動作により、液体が吸込まれる。
【0021】
タイマ23bによる時間T2の計時が終了すると、MOSFET12のオン,オフが停止される。そして、タイマ23cによる保持時間T3の計時が終了すると、その時点からタイマ23dの計時による放電路形成時間T4だけ、放電回路4のMOSFET14がオンされる。このオンにより、ピエゾ素子6の充電電圧がMOSFET14を通ってアース側に急速放電される。この急速放電に伴うピエゾ素子6の動作により、液体が吐出される。
【0022】
ここで、塗布装置の液滴吐出ヘッド105は、その下面に複数のノズルが穿設されており、これらノズル毎に対応して設けられたピエゾ素子6の動作により、ノズルに連通する液室内に容積変化を生じさせることで、各ノズルから個別に液滴を吐出する。そして、塗布装置は、搬送テーブル103によって搬送される基板Wが、液滴吐出ヘッド105の下を通過するタイミングに合せて、各ピエゾ素子6を駆動させ、各ノズルから基板W上に液室内の液体(塗布液)を吐出する。
【0023】
ピエゾ素子6に対する充電電圧が充電電圧検出回路5で検出されており、その検出電圧が所定の例えば80Vに達するよう、MOSFET12のオン,オフスイッチングの期間(昇圧動作・充電の期間)であるタイマ23bの計時時間T2が調節される。この調節により、液体の一度の吐出量が最適な状態に設定される。
【0024】
このように、直流電源1の電圧を昇圧回路3で昇圧してピエゾ素子6に印加し、そのピエゾ素子6の充電電圧を放電回路4によって放電することにより、ピエゾ素子6を液体の吸込みおよび吐出に必要なレベルに充電することができる。
【0025】
また、タイマ23bによる計時時間T2、すなわち昇圧動作(エネルギーのチャージを含む)の開始から充電が終了するまでの時間の増減によって、ピエゾ素子6の充電電圧を加減することができるので、主制御部22によってタイマ23bの計時時間T2をピエゾ素子6毎に設定することで、ノズル毎の液体の吐出量を容易かつ迅速に変更することができる。例えば、ガラス基板の表面に配向膜やレジスト、或いはカラーフィルタ等の機能性薄膜を形成する場合等において、基板W上における液体の塗布位置に応じて塗布する液滴の量、すなわち液体の吐出量を変えることができるので、基板W上の塗布領域における周辺部分で膜厚が厚くなる傾向がある場合には周辺部分で吐出量を減少させるなど、液体の塗布条件の多様化に対応することができ、形成される機能性薄膜の品質を向上させることができる。
【0026】
さらに、充電電圧検出回路5でピエゾ素子6に対する充電電圧が検出され、その検出電圧に応じてMOSFET12のオン,オフスイッチングの期間、すなわちタイマ23bの計時時間T2が調整されるので、所望する充電電圧をピエゾ素子6に確実に印加することができる。これにより、必要量の液体をノズルから確実に吐出させることができる。
【0027】
一方、各圧電素子駆動装置2の昇圧回路3に設けるインダクタ11として、図4に示す開放型のコイルが用いられる。このコイルは、巻線11aをコア11bに装着し、その巻線11aとコア11bを例えばプラスチック11cでモールドしたもので、一辺が数mm程度の立方体形状を有する。軸心を一点鎖線で示しており、その軸心を中心に磁束が拡がる。
【0028】
この開放型のコイルを用いたインダクタ11が、各圧電素子駆動装置2の個数分だけ、図5に示すように、複数枚の回路基板41,42上に且つ互いに磁気結合しない状態に設けられている。
【0029】
すなわち、回路基板41の上面に複数のインダクタ11が縦横かつ千鳥状に平面配置されるとともに、回路基板42の上面に複数のインダクタ11が縦横かつ千鳥状に配置される。具体的には、各インダクタ11の軸心方向に沿う縦方向の配置を千鳥状として、軸心方向と直交する方向の横方向の配置については単に直線状としている。
【0030】
このように、回路基板41において、各インダクタ11の軸心方向に沿う縦方向の配置を千鳥状とすることにより、たとえ各インダクタ11の配置間隔が狭くても、各インダクタ11の漏れ磁束(二点鎖線)が互いに作用し合う磁気結合を回避することができる。回路基板42においても、各インダクタ11の軸心方向に沿う縦方向の配置が千鳥状であることにより、各インダクタ11の配置間隔が狭くても、各インダクタ11の磁気結合を回避することができる。
【0031】
なお、図5は回路基板41,42の重なり具合を斜め方向から見たもので、回路基板41,42の角部の位置が上下に重なるように、その回路基板41,42を互いに所定以上の間隔で平行に2層で配設している。所定以上の間隔を確保することにより、回路基板41,42の相互間においても、各インダクタ11の磁気結合をできるだけ回避している。
【0032】
また、回路基板41上の各インダクタ11の配置位置と回路基板42上の各インダクタ11の配置位置とが互いに対向しないよう(重ならないよう)、各インダクタ11の配置位置を上下でずらしている。すなわち、各インダクタ11は、平面方向のみならず、層方向においても千鳥状に配置される。この構成によっても、回路基板41,42の相互間における各インダクタ11の磁気結合をできるだけ回避している。
【0033】
このように、各インダクタ11の磁気結合を回避することで、各インダクタ11にチャージされるエネルギー量の変動を解消することができ、よって各ピエゾ素子6への充電量の変動を解消することができる。ひいては、各ノズルからの液体の吐出量を常に適正な状態に維持することができ、塗布装置としての信頼性が大幅に向上する。
【0034】
なお、回路基板41,42上に存するインダクタ11の個数を32個としたが、その個数について限定はなく、ノズルの数が64個の場合は64個のインダクタ11を回路基板41,42上に設けることになる。
【0035】
また、2つの回路基板41,42を設けたが、1つの回路基板の両面に各インダクタ11を設ける構成としてもよい。この場合、回路基板の両面において、各インダクタ11の軸心方向に沿う縦方向の配置を千鳥状とするとともに、各インダクタ11の配置位置を回路基板の両面の相互間で対向させない構成とすることで、各インダクタ11の磁気結合を確実に防ぐことができる。
【0036】
[2]第2の実施形態について説明する。
図6および図7に示すように、1つの回路基板50の上面に、開放型のコイルを用いたインダクタ11を、縦横に、かつそれぞれの軸心方向が互いに隣り合うもの同士で直交する状態に、平面配置する。この配置により、たとえ各インダクタ11の配置間隔が狭くても、各インダクタ11の漏れ磁束(二点鎖線)が互いに作用し合う磁気結合を回避することができる。
各インダクタ11の配置については、縦横に配置するだけで、第1の実施形態のような千鳥状の配置は不要である。
【0037】
他の構成は第1の実施形態と同じである。よって、その説明は省略する。
【0038】
この第2の実施形態においても、回路基板50上に設けるインダクタ11の個数について限定はなく、ノズルの数に対応する数のインダクタ11を設ければよい。また、回路基板50の上面だけでなく、回路基板50の両面に各インダクタ11を設け、平面的に配置したインダクタ11を多層の配置としてもよい。この場合、各インダクタ11のうち、回路基板50の両面において相対向するインダクタ11の軸心方向を、互いに直交させる構成とすればよい。さらに、1つの回路基板50を用いる場合を例に説明したが、複数の回路基板を用いてもよい。
【0039】
[3]第3の実施形態の要部を図8および図9により説明する。図8のA−A線に沿う断面を矢印方向に見たのが図9である。
回路基板50上に各インダクタ11が縦横に平面的に配置され、その各インダクタ11の相互間に透磁率の高いシート部材51が設けられる。シート部材51は、各インダクタ11と対応する位置にそれぞれ開口51aを有し、これら開口51aに各インダクタ11を嵌合させて装着される。
【0040】
各インダクタ11の配置については、縦横に配置するだけで、第1の実施形態のような千鳥状の配置は不要である。
【0041】
シート部材51は、透磁率が高いことにより、各インダクタ11に対する小さな閉磁路を個々に形成する。この小さな閉磁路の個々の形成により、たとえ各インダクタ11の配置間隔が狭くても、各インダクタ11の磁気結合を回避することができる。
他の構成は第1の実施形態と同じである。よって、その説明は省略する。
【0042】
なお、回路基板50上に設けるインダクタ11の個数について限定はなく、ノズルの数に対応する数のインダクタ11を設ければよい。回路基板50の上面だけでなく、回路基板50の両面に各インダクタ11を設けてもよい。この場合、回路基板50の両面にそれぞれシート部材51を設ければよい。1つの回路基板50を用いる場合を例に説明したが、複数の回路基板を用いてもよい。
【0043】
[4]第4の実施形態の要部を図10により説明する。
回路基板50上の平面的に配置した各インダクタ11の全体を、透磁率の高い1枚のシート部材52で被っている。このシート部材52は、各インダクタ11に対する小さな閉磁路を個々に形成する。この小さな閉磁路の個々の形成により、たとえ各インダクタ11の配置間隔が狭くても、各インダクタ11の磁気結合を回避することができる。
他の構成は第1の実施形態と同じである。よって、その説明は省略する。
【0044】
なお、各インダクタ11の全体を1枚のシート部材52で被う構成としたが、シート部材52を各インダクタ11の個々に対応する大きさに切断し、これらシート部材を各インダクタ11にそれぞれ被せる構成としても、同様の効果を得ることができる。
【0045】
また、図11に示すように、透磁率が高くてしかも柔軟性のあるシート部材53を各インダクタ11にそれぞれ被せる構成としてもよい。
【0046】
[5]なお、この発明は、上記各実施形態に限定されるものではなく、要旨を変えない範囲で種々変形実施可能である。各実施形態の構成要素を適宜に組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0047】
1…直流電源、2…圧電素子駆動装置、3…昇圧回路、4…放電回路、5…充電電圧検出回路、6…ピエゾ素子(圧電素子)、11…インダクタ、11a…巻線、11b…コア、12…MOSFET、13…ダイオード、14…MOSFET、20…制御ユニット、21…制御用直流電源、22…主制御部、23…タイマ回路、23a,23b,23c,23d…タイマ、41,42…回路基板、50…回路基板、51,52,53…高透磁率のシート部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の圧電素子を有し、これら圧電素子の充放電に伴う伸縮動作により前記圧電素子に対応して配置された個々のノズルから液体を吐出させる圧電素子駆動装置において、
前記各圧電素子への充電用のエネルギーをチャージする複数のインダクタを備え、これらインダクタ相互の磁気結合を防止する構成を備えたことを特徴とする圧電素子駆動装置。
【請求項2】
前記各インダクタ相互の磁気結合を防止する構成は、前記各インダクタを千鳥状に平面配置する構成であることを特徴とする請求項1記載の圧電素子駆動装置。
【請求項3】
千鳥状に平面配置された前記インダクタを多層で配置し、この層方向においても、前記インダクタを千鳥状に配置することを特徴とする請求項2記載の圧電素子駆動装置。
【請求項4】
前記各インダクタは、開放型のコイルであり、
前記各インダクタ相互の磁気結合を防止する構成は、前記各コイルをそれぞれの軸心方向が互いに隣り合うもの同士で直交する状態に平面配置する構成である、
ことを特徴とする請求項1記載の圧電素子駆動装置。
【請求項5】
前記平面配置された前記インダクタを多層で配置し、この層方向において、前記コイルをそれぞれの軸心方向が互いに隣り合うもの同士で直交するよう前記インダクタを配置することを特徴とする請求項4記載の圧電素子駆動装置。
【請求項6】
前記各インダクタ相互の磁気結合を防止する構成は、前記各インダクタの相互間に透磁率の高い部材を設ける構成であることを特徴とする請求項1記載の圧電素子駆動装置。
【請求項7】
前記各インダクタ相互の磁気結合を防止する構成は、前記各インダクタを透磁率の高い部材で被う構成であることを特徴とする請求項1記載の圧電素子駆動装置。
【請求項8】
液滴吐出ヘッドが備える複数のノズルから圧電素子の伸縮動作によって液体を液滴状にして吐出させ、基盤に塗布する塗布装置において、
前記圧電素子を伸縮動作させる圧電素子駆動装置は、請求項1〜7いずれかに記載の圧電素子駆動装置であることを特徴とする塗布装置。
【請求項1】
複数の圧電素子を有し、これら圧電素子の充放電に伴う伸縮動作により前記圧電素子に対応して配置された個々のノズルから液体を吐出させる圧電素子駆動装置において、
前記各圧電素子への充電用のエネルギーをチャージする複数のインダクタを備え、これらインダクタ相互の磁気結合を防止する構成を備えたことを特徴とする圧電素子駆動装置。
【請求項2】
前記各インダクタ相互の磁気結合を防止する構成は、前記各インダクタを千鳥状に平面配置する構成であることを特徴とする請求項1記載の圧電素子駆動装置。
【請求項3】
千鳥状に平面配置された前記インダクタを多層で配置し、この層方向においても、前記インダクタを千鳥状に配置することを特徴とする請求項2記載の圧電素子駆動装置。
【請求項4】
前記各インダクタは、開放型のコイルであり、
前記各インダクタ相互の磁気結合を防止する構成は、前記各コイルをそれぞれの軸心方向が互いに隣り合うもの同士で直交する状態に平面配置する構成である、
ことを特徴とする請求項1記載の圧電素子駆動装置。
【請求項5】
前記平面配置された前記インダクタを多層で配置し、この層方向において、前記コイルをそれぞれの軸心方向が互いに隣り合うもの同士で直交するよう前記インダクタを配置することを特徴とする請求項4記載の圧電素子駆動装置。
【請求項6】
前記各インダクタ相互の磁気結合を防止する構成は、前記各インダクタの相互間に透磁率の高い部材を設ける構成であることを特徴とする請求項1記載の圧電素子駆動装置。
【請求項7】
前記各インダクタ相互の磁気結合を防止する構成は、前記各インダクタを透磁率の高い部材で被う構成であることを特徴とする請求項1記載の圧電素子駆動装置。
【請求項8】
液滴吐出ヘッドが備える複数のノズルから圧電素子の伸縮動作によって液体を液滴状にして吐出させ、基盤に塗布する塗布装置において、
前記圧電素子を伸縮動作させる圧電素子駆動装置は、請求項1〜7いずれかに記載の圧電素子駆動装置であることを特徴とする塗布装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−269215(P2010−269215A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−121136(P2009−121136)
【出願日】平成21年5月19日(2009.5.19)
【出願人】(000002428)芝浦メカトロニクス株式会社 (907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年5月19日(2009.5.19)
【出願人】(000002428)芝浦メカトロニクス株式会社 (907)
【Fターム(参考)】
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