説明

地図情報処理装置

【課題】 ユーザの地図の購買意欲を損なうことなく、かつ使用権の有無をリアルタイムに確認することができる地図情報処理装置を提供する。
【解決手段】 本発明は、分割された地図毎に、使用権の有無を管理し、使用権がある場合には、ユーザにより設定された方法で地図上にランドマークアイコンを表示し、使用権がない場合には、所定の方法でランドマークアイコンを表示する。或いは使用権がある場合には詳細な地図を表示し、使用権がない場合には簡略した地図を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地図情報処理装置に関し、特に、カーナビゲーションシステムに搭載される地図情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、カーナビゲーションシステムに搭載される地図情報処理装置では、地図の分割販売を行ない、この分割された地図の使用権をユーザが購入することにより、当該分割された地図を使用することができるシステムが存在する。
【0003】
通常、ユーザが使用する地図の範囲は限られるので、ユーザが使用する範囲の地図の使用権を購入すれば良いが、例えば、ユーザが遠出をする場合など、普段使用しない地図が必要な場合がある。
【0004】
このような場合、遠出をした場所の通信状況から通信により地図を取得できない場合があることから、記憶装置に記憶されている該当地図の暫定使用期間を認め、暫定使用期間経過後に当該地図の使用権を取得しない場合には、カーナビゲーションシステムの利用を禁止するなどの制裁を行なう技術が開発されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−243457号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述の技術では、カーナビゲーションシステム自体の使用を制限するものであるため、ユーザにとって酷であり、システムの不信感などを招き、却って、地図の購買意欲を削いでしまうという面もある。
【0007】
また、使用権の有無はダイアログで特定のタイミングに表示されるため、ユーザがリアルタイムに現在使用している地図の使用権を持っているか否かを知ることができず、また、使用権の確認のためのダイアログ表示に対する逐次操作の必要性からユーザにとって煩わしい。
【0008】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、使用権の有無に応じて地図の表示方法を変更することにより、ユーザの地図の購買意欲を損なうことなく、かつ使用権の有無をリアルタイムに確認することができる地図情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
従って、上記目的を達成するために、本発明の第1の発明は、表示手段と、位置を示す位置情報を検出する位置情報検出手段と、分割された地図データと、前記分割された地図データに対応するランドマークアイコンを示すランドマークアイコンデータと、前記分割された地図データの位置範囲情報と、前記分割された地図データの使用権の有無を示す使用権情報とを互いに関連付けて記憶する記憶手段と、前記位置情報検出手段によって検出された位置情報を含む前記記憶手段に記憶された位置範囲情報を決定し、この決定された位置範囲情報に関連付けられた分割された地図データを決定する決定手段と、前記決定された地図データに基づいて前記表示手段に地図を表示させ、かつ前記決定された地図データに関連する使用権情報によって示される使用権の有無に応じて、前記決定された地図データに関連するランドマークアイコンデータに基づいて前記地図上にランドマークアイコンを異なるように表示させる手段とを具備することを特徴とする地図情報処理装置、である。
【0010】
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、ランドマークアイコンの種別と、表示の可否を示すユーザ設定フラグとが関連付けて記憶されたユーザ設定情報データベースとをさらに具備し、前記ランドマークアイコンの表示は、使用権がある場合に、前記ユーザ設定情報データベースのユーザ設定フラグが表示をすることを示しているランドマークアイコンのみを表示することを特徴とする地図情報処理装置、である。
【0011】
さらに、本発明の第3の発明によれば、第1の発明及び第2の発明において、前記位置情報検出手段によって検出された位置情報と、前記表示手段に表示されている地図の分割された地図データに関連付けられた位置範囲情報とに基づいて、前記表示手段に表示された地図の切り替えが必要であるか否かを判断する判断手段をさらに具備し、前記地図及びランドマークアイコンは、前記判断手段によって切り替えが必要であると判断された場合に前記表示手段に表示させられることを特徴とする地図情報処理装置、である。
【0012】
さらに、本発明の第4の発明によれば、表示手段と、位置を示す位置情報を検出する位置情報検出手段と、分割された第1の地図データと、前記第1の地図データとは異なる分割された第2の地図データと、前記分割された第1の地図データ及び第2の地図データの位置範囲情報と、前記分割された第1の地図データの使用権の有無を示す使用権情報とを関連付けて記憶する記憶手段と、前記位置情報検出手段によって検出された位置情報を含む前記記憶手段に記憶された位置範囲情報を決定し、この決定された位置範囲情報に関連付けられた分割された第1の地図データ及び第2の地図データを決定する決定手段と、前記位置情報検出手段によって検出された位置情報に関連付けられた使用権情報が第1の地図データの使用権を有しているか否かを判断する判断手段と、前記判断手段によって使用権を有していると判断された場合には、前記決定された第1の地図データに基づいて前記表示手段に地図を表示させ、前記判断手段によって使用権を有していないと判断された場合には、前記決定された第2の地図データに基づいて前記表示手段に地図を表示させる手段とを具備することを特徴とする地図情報処理装置、である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本発明の第1の実施の形態に係るカーナビゲーション装置を示す図である。
【図2】同第1の実施の形態に係るカーナビゲーション装置の外部記憶装置を示す図である。
【図3】同第1の実施の形態に係るカーナビゲーション装置の地図情報データベースを示す図である。
【図4】同第1の実施の形態に係るカーナビゲーション装置のユーザ設定情報データベースを示す図である。
【図5】同第1の実施の形態に係るカーナビゲーション装置の地図表示の動作を説明するためのフローチャートである。
【図6】同第1の実施の形態に係るカーナビゲーション装置の地図の購入動作を説明するためのフローチャートである。
【図7】同第1の実施の形態に係るカーナビゲーション装置のユーザ設定情報データベースのユーザ設定フラグの設定方法を説明するためのフローチャートである。
【図8】同第1の実施の形態に係るカーナビゲーション装置の分割された地図データの使用権を有する場合のランドマーク表示を示す図である。
【図9】同第1の実施の形態に係るカーナビゲーション装置の分割された地図データの使用権を有しない場合のランドマーク表示を示す図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態に係るカーナビゲーション装置の地図情報データベースを示す図である。
【図11】同第2の実施の形態に係るカーナビゲーション装置の地図表示の動作を説明するためのフローチャートである。
【図12】同第2の実施の形態に係るカーナビゲーション装置の使用権を有する場合の地図表示を示す図である。
【図13】同第2の実施の形態に係るカーナビゲーション装置の使用権を有しない場合の地図表示を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態に係る地図情報処理装置の一実施形態に係るカーナビゲーション装置について説明する。
【0015】
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るカーナビゲーション装置を示す図である。
【0016】
同図において、カーナビゲーション装置1は、無線を介して情報センター2に接続され、情報センター2はネットワークを介して決済システム3に接続される。
【0017】
情報センター2は、分割された地図データ、当該分割された地図データの使用権などの管理を行なう。決済システム3は、分割された地図データの購入決済処理を行なうものである。
【0018】
本実施の形態では、カーナビゲーション装置1からみて情報センター2がフロントシステムとなり、決済システム3はバックエンドシステムとなるが、カーナビゲーション装置1が、情報センター2及び決済システム3双方と通信を行なっても良い。ここでは、情報センター2及び決済システム3における処理は、本願発明の主題とは離れることから詳述しない。
【0019】
カーナビゲーション装置1は、制御部(CPU)11、位置情報検出器12、メモリ13、入力部14、通信装置15、表示装置16及び外部記憶装置17を具備している。
【0020】
制御部(CPU)11は、本発明の実施の形態に係るカーナビゲーション装置1全体の処理を司るものであり、外部記憶装置17に格納された地図情報処理プログラム23と協働して、本発明の実施の形態に係る地図情報処理を行なう。
【0021】
位置情報検出器12は、GPS機能を利用して現在の位置を示す位置情報を検出して制御部11に供給する。
【0022】
メモリ13は、地図情報処理プログラム23を実行する際に必要とされるワークエリアなどとして使用される。
【0023】
入力部14は、地図情報処理に必要とされる設定を入力するためのインターフェイスであり、例えば、キーボード、タッチパネルの他、リモコン18からの無線入力インターフェイスなども含まれる。
【0024】
通信装置15は、無線ネットワークなどを介して情報センター2と通信を行なうためのものである。
【0025】
表示装置16は、本発明の実施の形態に係る地図情報処理によって生成された地図を表示するためのディスプレイであって、例えば、液晶ディスプレイである。
【0026】
外部記憶装置17は、地図情報処理に必要とされるプログラム、データを格納するためのものであり、例えば、ハードディスクドライブ(HDD)、光ディスクドライブ、DVD、MOなどの大容量記憶装置である。この外部記憶装置17には、図2に示すように、OS(オペレーティングシステム)20、ユーザ設定情報データベース21、地図情報データベース22及び地図情報処理プログラム23が格納されている。
【0027】
地図情報処理プログラム23は、OS20上で動作するアプリケーションプログラムであって、制御部11と協働して、本発明の実施の形態に係る地図情報処理を実現し、図5乃至図7に示すフローチャートの処理を実現するものである。
【0028】
地図情報データベース22は、図3に示すように、分割された地図データ31と、分割された地図データに対応するランドマークアイコンを示すランドマークアイコンデータ32と、分割された地図データの位置範囲情報33と、分割された地図データの使用権の有無を示す使用権情報34とが互いに関連付けて記憶されている。
【0029】
ユーザ設定情報データベース21は、図4に示すように、ランドマークアイコンの種別(ガソリンスタンド、コンビニエンスストア、レストランなど)と、表示の可否を示すユーザ設定フラグとが関連付けて記憶されている。
【0030】
以下、図5乃至図7のフローチャートを参照して、本発明の第1の実施の形態に係るカーナビゲーション装置の動作について説明する。
【0031】
制御部11は、位置情報検出器12から検出された現在の位置を示す位置情報を取得する(S1)。制御部11は、取得した位置情報と、外部記憶装置17の地図情報データベース22に記憶された表示装置16に表示されている地図の分割された地図データに関連付けられた位置範囲情報33とに基づいて、表示されている地図の切り替えが必要か否かを判断する(S2)。
【0032】
具体的には、外部記憶装置17の地図情報データベース22に記憶された表示装置16に表示されている地図の分割された地図データに関連付けられた位置範囲情報33を参照し、この位置範囲情報33によって示される位置範囲に取得した位置情報が含まれるかを判断し、含まれない場合には、地図の切り替えが必要であると判断し、含まれない場合には地図の切り替えが必要ではないと判断される。
【0033】
S2において地図の切り替えが必要ではないと判断された場合には処理を終了する。一方、S2において地図の切り替えが必要であると判断された場合には、次に、表示する地図データを決定する(S3)。
【0034】
具体的には、地図情報データベース22を検索して取得した現在の位置情報を含む位置範囲情報33を決定し、この決定された位置範囲情報33に関連付けられた分割された地図データ31を決定する。
【0035】
次に、S3において決定された分割された地図データ31に関連付けられた使用権情報34を検索し、使用権があるか否かの判断が行われる(S4)。使用権情報34によって使用権があることが示されている場合には、ユーザ設定情報データベース21を参照して、ユーザ設定フラグにより表示することが示されているランドマークアイコンのみを決定された地図データによって示される地図上に表示して(S5)、処理を終了する。
【0036】
一方、使用権情報34によって使用権がないことが示されている場合には、所定のランドマークアイコンのみを決定された地図データによって示される地図上に表示して(S6)、処理を終了する。
【0037】
図8は、分割された地図データの使用権を有する場合のランドマーク表示を示す図である。同図においては、コンビニエンスストアのランドマークのみを表示する場合、ガソリンスタンドのランドマークのみを表示する場合、コンビニエンスストア、ガソリンスタンド及びレストランのランドマークを表示する場合の3パターンを示しているが、これに限られるものではない。上述のように、どのようにランドマークアイコンを表示するかは、図4に示すように、ユーザ設定情報データベース21にユーザにより設定されるユーザ設定フラグにより定められる。
【0038】
図9は、分割された地図データの使用権を有しない場合のランドマーク表示を示す図である。本実施の形態では、使用権を有しない場合には、ガソリンスタンドのランドマークアイコンのみしか使用されないものとする。なお、カーナビゲーションシステム提供者のスポンサーが所有する施設のアイコンのみ使用するものとしてもよい。
【0039】
図6は、本発明の第1の実施の形態に係るカーナビゲーション装置の分割された地図の購入動作を説明するためのフローチャートである。
【0040】
まず、ユーザから分割された地図の購入要望があるか否かの判断が行われる(S11)。購入要望がある場合には、当該分割された地図の決済及び購入処理が、通信装置15を介して情報センター2及び決済システム3に対して行われる(S12)。なお、これら決済及び購入処理は公知の技術を利用し、ここでは詳細な説明は省略する。
【0041】
次に、S12における決済及び購入処理が成功したか否かが判断され(S13)、成功しないと判断された場合には、処理を終了する。一方、成功したと判断された場合には、地図情報データベース21の対応する分割された地図データ31に関連付けて使用権があることを示す使用権情報34を書き込み(S14)、処理を終了する。
【0042】
図7は、本発明の第1の実施の形態に係るカーナビゲーション装置のユーザ設定情報データベースのユーザ設定フラグの設定方法を説明するためのフローチャートである。
【0043】
まず、ユーザからアイコン設定要求を受け付けたか否かの判断が行われる(S21)。S21において、アイコン設定要求を受け付けていないと判断された場合には、処理を終了する。
【0044】
一方、アイコン設定要求を受け付けたと判断された場合には、ユーザからのアイコンの種別毎の表示の可否を受け付け(S22)、図4に示すように、アイコンの種別毎に、アイコンの表示可否を示すユーザ設定フラグをユーザ設定情報データベース21に設定し(S23)、処理を終了する。
【0045】
なお、本実施の形態においては、ランドマークの種別毎にユーザ設定可能である場合について説明したがこれに限られるものではない。例えば、地図データに含まれる道路の種別(1級国道、2級国道など)毎に設定し、使用権の有無に応じて表示される地図を変えても良い。
【0046】
したがって、本実施の形態によれば、使用権の有無に応じてランドマークの表示方法を変えるのみで、地図自体を使用することをできなくするものではないので、ユーザの地図の購買意欲を損なうことがない。
【0047】
また、使用権の有無により、ランドマークアイコンの表示方法を変更することにより、ユーザが使用権の有無をリアルタイムに把握することができる。
【0048】
さらに、使用権を有している場合には、ユーザがランドマークアイコンの種別に応じて表示されるランドマークアイコンを設定することができるので、目的地を容易に探索することができるのみならず、地図の購買意欲を向上させることができる。一方、使用権を有していない場合には、ランドマークアイコンの表示を変更することができず、所定のランドマークアイコンのみが表示されるだけであるので、ユーザにとっては使用権を有している場合に比して、経路検索が不便となる。
【0049】
<第2の実施の形態>
上述の第1の実施の形態においては、ランドマークアイコンの表示方法を使用権の有無にしたがって変更する場合について説明したが、本実施の形態においては、第1の実施の形態に加えて、使用権の有無に応じた2種類の地図データを持つ場合について説明する。
【0050】
なお、カーナビゲーション装置1の構成は図1と同じであり、同一部分には同一符号を付し、ここでは異なる部分についてのみ説明する。
【0051】
図10は、本発明の第2の実施の形態に係るカーナビゲーション装置の地図情報データベースを示す図である。
【0052】
地図情報データベース22は、図10に示すように、分割された第1の地図データ41と、第1の地図データとは異なる分割された第2の地図データ42と、分割された第1の地図データ41及び第2の地図データ42の位置範囲情報43と、分割された第1の地図データ41の使用権の有無を示す使用権情報45とが関連付けて記憶される。
【0053】
ここで、第1の地図データは、使用権を持つ場合の地図データであり、第2の地図データは使用権を持たない場合の地図データであり、第1の地図データの詳細度は第2の地図データの詳細度よりも高い。図12は、使用権を有する場合の第1の地図データによって示される地図を示し、図13は、使用権を有しない場合の第2の地図データによって示される地図を示す。
【0054】
以下、図11のフローチャートを参照して、本発明の第2の実施の形態に係るカーナビゲーション装置の動作について説明する。
【0055】
制御部11は、位置情報検出器12から検出された現在の位置を示す位置情報を取得する(S31)。制御部11は、取得した位置情報と、外部記憶装置17の地図情報データベース22に記憶された表示装置16に表示されている地図の分割された第1の地図データ及び第2の地図データに関連付けられた位置範囲情報44とに基づいて、表示されている地図の切り替えが必要か否かを判断する(S32)。
【0056】
具体的には、外部記憶装置17の地図情報データベース22に記憶された表示装置16に表示されている地図の分割された第1の地図データ又は第2の地図データに関連付けられた位置範囲情報44を参照し、この位置範囲情報44によって示される位置範囲に取得した位置情報が含まれるかを判断し、含まれない場合には、地図の切り替えが必要であると判断し、含まれない場合には地図の切り替えが必要ではないと判断される。
【0057】
S32において地図の切り替えが必要ではないと判断された場合には処理を終了する。一方、S32において地図の切り替えが必要であると判断された場合には、次に、表示する第1の地図データ及び第2の地図データを決定する(S33)。
【0058】
具体的には、地図情報データベース22を検索して取得した現在の位置情報を含む位置範囲情報44を決定し、この決定された位置範囲情報44に関連付けられた分割された第1の地図データ41及び第2の地図データ42を決定する。
【0059】
次に、S33において決定された分割された第1の地図データ41及び第2の地図データ42に関連付けられた使用権情報45を検索し、使用権があるか否かの判断が行われる(S34)。使用権情報45によって使用権があることが示されている場合には、ユーザ設定情報データベース21を参照して、ユーザ設定フラグにより表示することが示されているランドマークアイコンのみを決定された第1の地図データによって示される地図上に表示して(S35)、処理を終了する。
【0060】
一方、使用権情報34によって使用権がないことが示されている場合には、所定のランドマークアイコンのみを決定された第2の地図データによって示される地図上に表示して(S36)、処理を終了する。
【0061】
したがって、本実施の形態によれば、使用権を有する場合に表示される地図データと、使用権を有しない場合に表示される地図データを用意し、使用権の有無に応じて表示される地図を変えるのみで、地図自体を使用できなくするのではないので、ユーザの地図の購買意欲を損なうことがない。
【0062】
また、使用権の有無により、地図の表示方法を変更することにより、ユーザが使用権の有無をリアルタイムに把握することができる。
【0063】
さらに、使用権を有している場合には、詳細な地図が表示されるので、目的地を容易に探索することができるのみならず、地図の購買意欲を向上させることができる。一方、使用権を有していない場合には、詳細な地図を表示することができず、簡易な地図が表示されるのみなので、ユーザにとっては使用権を有している場合に比して、経路検索が不便となる。
【0064】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0065】
また、実施形態に記載した手法は、計算機(コンピュータ)に実行させることができるプログラム(ソフトウエア手段)として、例えば磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD、MO等)、半導体メモリ(ROM、RAM、フラッシュメモリ等)等の記録媒体に格納し、また通信媒体により伝送して頒布することもできる。なお、媒体側に格納されるプログラムには、計算機に実行させるソフトウエア手段(実行プログラムのみならずテーブルやデータ構造も含む)を計算機内に構成させる設定プログラムをも含む。本装置を実現する計算機は、記録媒体に記録されたプログラムを読み込み、また場合により設定プログラムによりソフトウエア手段を構築し、このソフトウエア手段によって動作が制御されることにより上述した処理を実行する。なお、本明細書でいう記録媒体は、頒布用に限らず、計算機内部あるいはネットワークを介して接続される機器に設けられた磁気ディスクや半導体メモリ等の記憶媒体を含むものである。
【符号の説明】
【0066】
1…カーナビゲーション装置、2…情報センター、3…決済システム、11…制御部、12…位置検出器、13…メモリ、14…入力部、15…通信装置、16…表示装置、17…外部記憶装置、20…OS、21…ユーザ設定情報データベース、22…地図情報データベース、23…地図情報処理プログラム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示手段と、
位置を示す位置情報を検出する位置情報検出手段と、
分割された地図データと、前記分割された地図データに対応するランドマークアイコンを示すランドマークアイコンデータと、前記分割された地図データの位置範囲情報と、前記分割された地図データの使用権の有無を示す使用権情報とを互いに関連付けて記憶する記憶手段と、
前記位置情報検出手段によって検出された位置情報を含む前記記憶手段に記憶された位置範囲情報を決定し、この決定された位置範囲情報に関連付けられた分割された地図データを決定する決定手段と、
前記決定された地図データに基づいて前記表示手段に地図を表示させ、かつ前記決定された地図データに関連する使用権情報によって示される使用権の有無に応じて、前記決定された地図データに関連するランドマークアイコンデータに基づいて前記地図上にランドマークアイコンを異なるように表示させる手段と
を具備することを特徴とする地図情報処理装置。
【請求項2】
ランドマークアイコンの種別と、表示の可否を示すユーザ設定フラグとが関連付けて記憶されたユーザ設定情報データベースとをさらに具備し、
前記ランドマークアイコンの表示は、使用権がある場合に、前記ユーザ設定情報データベースのユーザ設定フラグが表示をすることを示しているランドマークアイコンのみを表示することを特徴とする請求項1記載の地図情報処理装置。
【請求項3】
前記位置情報検出手段によって検出された位置情報と、前記表示手段に表示されている地図の分割された地図データに関連付けられた位置範囲情報とに基づいて、前記表示手段に表示された地図の切り替えが必要であるか否かを判断する判断手段をさらに具備し、
前記地図及びランドマークアイコンは、前記判断手段によって切り替えが必要であると判断された場合に前記表示手段に表示させられことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の地図情報処理装置。
【請求項4】
表示手段と、
位置を示す位置情報を検出する位置情報検出手段と、
分割された地図データと、前記分割された地図データに対応するランドマークアイコンを示すランドマークアイコンデータと、前記分割された地図データの位置範囲情報と、前記分割された地図データの使用権の有無を示す使用権情報とを互いに関連付けて記憶する記憶手段とを具備する地図情報処理装置における地図情報処理プログラムにおいて、
前記地図情報処理プログラムが、制御手段に、前記位置情報検出手段によって検出された位置情報を含む前記記憶手段に記憶された位置範囲情報を決定させ、この決定された位置範囲情報に関連付けられた分割された地図データを決定させ、
前記地図情報処理プログラムが、前記制御手段に、前記決定された地図データに基づいて前記表示手段に地図を表示させ、かつ前記決定された地図データに関連する使用権情報によって示される使用権の有無に応じて、前記決定された地図データに関連するランドマークアイコンデータに基づいて前記地図上にランドマークアイコンを異なるように表示させることを特徴とする地図情報処理プログラム。
【請求項5】
表示手段と、
位置を示す位置情報を検出する位置情報検出手段と、
分割された地図データと、前記分割された地図データに対応するランドマークアイコンを示すランドマークアイコンデータと、前記分割された地図データの位置範囲情報と、前記分割された地図データの使用権の有無を示す使用権情報とを互いに関連付けて記憶する記憶手段とを具備する地図情報処理装置における地図情報処理方法において、
前記位置情報検出手段によって検出された位置情報を含む前記記憶手段に記憶された位置範囲情報を決定し、この決定された位置範囲情報に関連付けられた分割された地図データを決定し、
前記決定された地図データに基づいて前記表示手段に地図を表示させ、かつ前記決定された地図データに関連する使用権情報によって示される使用権の有無に応じて、前記決定された地図データに関連するランドマークアイコンデータに基づいて前記地図上にランドマークアイコンを異なるように表示させることを特徴とする地図処理方法。
【請求項6】
表示手段と、
位置を示す位置情報を検出する位置情報検出手段と、
分割された第1の地図データと、前記第1の地図データとは異なる分割された第2の地図データと、前記分割された第1の地図データ及び第2の地図データの位置範囲情報と、前記分割された第1の地図データの使用権の有無を示す使用権情報とを関連付けて記憶する記憶手段と、
前記位置情報検出手段によって検出された位置情報を含む前記記憶手段に記憶された位置範囲情報を決定し、この決定された位置範囲情報に関連付けられた分割された第1の地図データ及び第2の地図データを決定する決定手段と、
前記位置情報検出手段によって検出された位置情報に関連付けられた使用権情報が第1の地図データの使用権を有しているか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段によって使用権を有していると判断された場合には、前記決定された第1の地図データに基づいて前記表示手段に地図を表示させ、前記判断手段によって使用権を有していないと判断された場合には、前記決定された第2の地図データに基づいて前記表示手段に地図を表示させる手段と
を具備することを特徴とする地図情報処理装置。
【請求項7】
前記位置情報検出手段によって検出された位置情報と、前記表示手段に表示されている地図の分割された地図データに関連付けられた位置範囲情報とに基づいて、前記表示手段に表示された地図の切り替えが必要であるか否かを判断する判断手段をさらに具備し、
前記第1の地図又は第2の地図は、前記判断手段によって切り替えが必要であると判断された場合に、前記表示手段に表示させられることを特徴とする請求項6記載の地図情報処理装置。
【請求項8】
前記第1の地図データの詳細度は、前記第2の地図データの詳細度よりも高いことを特徴とする請求項6又は請求項7記載の地図情報処理装置。
【請求項9】
表示手段と、
位置を示す位置情報を検出する位置情報検出手段と、
分割された第1の地図データと、前記第1の地図データとは異なる分割された第2の地図データと、前記分割された第1の地図データ及び第2の地図データの位置範囲情報と、前記分割された第1の地図データの使用権の有無を示す使用権情報とを関連付けて記憶する記憶手段とを具備する地図情報処理装置における地図情報処理プログラムにおいて、
前記地図情報処理プログラムが、制御手段に、前記位置情報検出手段によって検出された位置情報を含む前記記憶手段に記憶された位置範囲情報を決定させ、この決定された位置範囲情報に関連付けられた分割された第1の地図データ及び第2の地図データを決定させ、
前記地図情報処理プログラムが、前記制御手段に、前記位置情報検出手段によって検出された位置情報に関連付けられた使用権情報が第1の地図データの使用権を有しているか否かを判断させ、
前記地図情報処理プログラムが、前記制御手段に、前記使用権を有していると判断された場合には、前記決定された第1の地図データに基づいて前記表示手段に地図を表示させ、前記判断手段によって使用権を有していないと判断された場合には、前記決定された第2の地図データに基づいて前記表示手段に地図を表示させることを特徴とする地図情報処理プログラム。
【請求項10】
表示手段と、
位置を示す位置情報を検出する位置情報検出手段と、
分割された第1の地図データと、前記第1の地図データとは異なる分割された第2の地図データと、前記分割された第1の地図データ及び第2の地図データの位置範囲情報と、前記分割された第1の地図データの使用権の有無を示す使用権情報とを関連付けて記憶する記憶手段とを具備する地図情報処理装置における地図情報処理方法において、
前記位置情報検出手段によって検出された位置情報を含む前記記憶手段に記憶された位置範囲情報を決定し、この決定された位置範囲情報に関連付けられた分割された第1の地図データ及び第2の地図データを決定し、
前記位置情報検出手段によって検出された位置情報に関連付けられた使用権情報が第1の地図データの使用権を有しているか否かを判断し、
前記使用権を有していると判断された場合には、前記決定された第1の地図データに基づいて前記表示手段に地図を表示させ、前記判断手段によって使用権を有していないと判断された場合には、前記決定された第2の地図データに基づいて前記表示手段に地図を表示させることを特徴とする地図情報処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−69664(P2011−69664A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−219487(P2009−219487)
【出願日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(301063496)東芝ソリューション株式会社 (1,478)
【Fターム(参考)】