説明

地図管理装置、方法及びプログラム

【課題】基地局11が、各車両28に装備される移動局12からその現在地情報を無線により受信して、基地局11の表示器19に、地図画面20の上に重ねて、各車両28の現在地を車両アイコン21により表示するようになっているGPS車両管理アプリケーションにおいて、ユーザが作成した自作地図A等のファイル管理を改善する。
【解決手段】自作地図A等の地域領域に緯度経度情報を関連付ける。表示器19に表示するために、ハードディスク装置から読み出したファイルの自作地図の緯度経度情報を検出するとともに、背景画面36の緯度経度情報を算出する。これら緯度経度情報に基づき背景画面36における自作地図A等の画面部分の位置を決め、該位置に該画面部分を貼り付けて表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自作地図等の部分地図の管理を合理化する地図管理装置、方法及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、移動局をタクシー等の各車両に装備させて、各移動局の現在地情報を無線で基地局へ送信すること(特許文献1の段落0005)、及び基地局の表示器には、各移動局からの現在地情報等に基づき地図画面上に各車両の現在地及び進行方向を表示すること(特許文献1の段落0009及び図1)を開示する。
【0003】
無線通信システムを利用したGPS(Global Positioning System)車両管理システムでは、各車両に移動局と共にGPS受信機を装備させ、各GPS受信機が検出した現在地情報を移動局から基地局へ送り、基地局の表示器において地図画面上に各車両の現在地を表示する。
【0004】
基地局の表示器における地図画面の地図データは、市販のものを使用している。比較的大きな都市では地図の需要が高いため、詳細な情報が記された地図が市販されているが、人のほとんど住んでいない場所や未開拓地域では、詳細な情報が記された地図が用意されていないことが多い。
【0005】
GPS車両管理システムは、工事車両の位置管理に使用される場合もあり、そのような場合、これから開拓する地域、又は工事現場の詳細地図が必要になる。しかし、このような地域では詳細な地図が市販されていないので、ユーザが、該当地域について地図を自作して、それを地図画面に利用できるようにすることが有益である。
【0006】
図6はGPS車両管理システムに使用する自作地図を画面に呼び出す時の従来の第1のユーザ操作の説明図である。図6は一連の第1のユーザ操作における最初の操作を示している。ユーザは、メニューバーの"ファイル"へカーソルを移動させてから、そこをクリックする。これにより、ドロップダウンリストが表示され、さらに、その中から"開く"をクリックする。こうして、ポップアップされるダイアログボックスのファイル名入力欄に、所望の自作地図に付けたファイル名を入力する。
【0007】
図7はGPS車両管理システムに使用する自作地図を画面に呼び出す時の従来の第2のユーザ操作の説明図である。メニューバーに自作地図ファイルの開き専用のコンボボックスが用意されており、ユーザは、該コンボボックスの右横の下向き矢印をクリックすると、コンボボックスに登録されている複数の自作地図ファイル名が縦一列に表示される。ユーザは、このリストから所望のファイル名をクリックする。
【特許文献1】特開2006−165726号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ユーザは、通常、自作地図のファイル名に、自作地図の場所を連想し易いものを選択するが、ファイル名から自作地図の地域を思い出せなかったり、間違って覚え込んでいたりすることも多い。図6及び図7のファイル開き方式では、ユーザは、ファイル名から自作地図の地域を的確に把握できず、所望の地域に対してどのファイルを開いてよいか分からなくなったり、間違って開いたり、さらに、開いて、表示しても、どの地域だったか思い出せなかったりすることもがある。
【0009】
本発明の目的は、自作地図等の部分地図について、ユーザがその場所を正しく把握できるようにする地図管理装置、方法及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によれば、各部分地図に対してその地域領域の位置情報が対応付けられる。1つの画面に同時に表示される1以上の部分地図は、各データを記憶装置から読み出されて、背景画面の地域領域の位置情報及び部分地図の位置情報に基づき、背景画面における部分地図の画面部分の位置が算出され、該部分地図の画面部分は、背景画面の該位置に貼り付けられて、背景画面と共に表示される。
【0011】
本発明の地図管理装置は次のものを備えている。
部分地図ごとにそのデータを記憶装置に保存する部分地図データ保存手段、
表示器に表示する部分地図についてその地域領域の位置情報を検出する第1の位置情報検出手段、
表示器の背景画面についてその地域領域の位置情報を検出する第2の位置情報検出手段、及び
前記記憶装置から読み込んだデータに係る部分地図が背景画面において占める画面部分を、前記第1及び第2の位置情報検出手段が検出した位置情報に基づき算出した位置に、貼り付けて表示する地図表示手段。
【0012】
本発明の地図管理方法は次のステップを備えている。
部分地図ごとにそのデータを記憶装置に保存する部分地図データ保存ステップ、
表示器に表示する部分地図についてその地域領域の位置情報を検出する第1の位置情報検出ステップ、
表示器の背景画面についてその地域領域の位置情報を検出する第2の位置情報検出ステップ、及び
前記記憶装置から読み込んだデータに係る部分地図が背景画面において占める画面部分を、前記第1及び第2の位置情報検出ステップにおいて検出した位置情報に基づき算出した位置に、貼り付けて表示する地図表示ステップ。
【0013】
本発明のプログラムは、前述した本発明の地図管理装置の各手段としてコンピュータを機能させる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、記憶装置からデータを読み出して表示器の1つの画面に表示される1以上の部分地図は、背景画面に対して正確な位置で配置されるので、ユーザは部分地図の場所を正しく把握することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1はGPS車両管理システム10の概略構成図である。GPS車両管理システム10は1つの基地局11と、複数の移動局12とを備えている。図1では、図面の簡略化上、移動局12は1個のみであり、他は記載を省略している。
【0016】
基地局11は、無線機16、PC(パーソナルコンピュータ)17、及び両者の間に介在するモデムとしてのコントロール装置18を備えている。PC17において、GPS車両管理アプリケーションの実行中、PC17の表示器19には、地図画面20が表示され、各車両が、地図上の現在地に車両アイコン21で表示される。該車両アイコン21の向きは、対応する車両の進行方向に合わせられている。各車両の進行方向は、例えば移動局12においてGPS受信機30から得たデータの情報を使ってもよいし、各車両の現在地の履歴(1つ前の現在地から今回の現在地の地点へ引いたベクトルの向き)により検出することもできる。無線機16は、送信データをアンテナ22から電波で送出し、アンテナ22において捕捉した電波から受信データを抽出する。
【0017】
移動局12は、車両28に装備され、無線機29、GPS受信機30、及び両者の間に介在するモデムとしてのコントロール装置31を備えている。無線機29は、送信データをアンテナ32から電波で送出し、アンテナ32において捕捉した電波から受信データを抽出する。GPS受信機30は、GPS電波を受信して、現在地を測位する。測位した現在地の情報(自車位置情報)は、無線機29を介して基地局11へ送られる。
【0018】
図2は基地局11のPC17の表示器19に表示される地図画面20の説明図である。地図画面20は、背景画面36と、背景画面36の前に重ねて配置されている自作地図A,B,Cとから成る。背景画面36及び自作地図A,B,Cの地域領域は、緯度経度の位置情報が対応付けられ。それらが地球表面において占める領域を位置情報により一意に決めることができるようになっている。
【0019】
自作地図A,B,Cは共に長方形の領域となっており、また、背景画面36上の任意の点に対応する緯度経度は適宜算出自在になっている。したがって、自作地図A,B,Cについてそれぞれ異なる2点の緯度経度を把握できれば、自作地図A,B,Cの地域領域が背景画面36の地域領域において占める領域を算出して、自作地図A,B,Cの画面部分を、その表示縮尺を背景画面36に一致させつつ、該領域に対応する画面領域に貼り付けて、自作地図A,B,Cの各画面部分を背景画面36の正確な場所に配置することができる。自作地図A,B,Cの各々について緯度経度を把握する2点は例えば長方形の左上端及び右下端の頂点とする。
【0020】
地図画面20は、東西南北にスクロール自在になっているとともに、縮尺の変更が可能になっている。自作地図A,B,Cに係るファイルはPC17の内蔵ハードディスク装置に記憶されており、GPS車両管理アプリケーションには、それらファイルが登録される。地図画面20の背景画面36の地域に対して少なくとも部分的に重なる自作地図が存在すると、GPS車両管理アプリケーションがこの重なった自作地図がとれかを検出して、その自作地図に対応するファイルをハードディスク装置から読み出し、該自作地図の画面部分を、背景画面36における対応位置に貼り付けて表示する。
【0021】
ユーザ(典型的には基地局11のオペレータ)は、PC17のハードディスク装置に自作地図のファイル格納用のフォルダを作成し、該フォルダに自作地図のすべてのファイルを格納することもできる。また、自作地図のファイルを例えば地域ごとにグループ化し、各グループに対応付けて専用のフォルダを作成し、該フォルダに同一グループのすべての自作地図のファイルを格納することができる。そして、GPS車両管理アプリケーションの実行中、ユーザがフォルダを選択して、開くと、フォルダ内の全ファイルの自作地図を含む地域領域の背景画面36を表示器19に表示するとともに、各自作地図を該背景画面36の対応位置に貼り付けて表示するようになっている。
【0022】
ユーザは、表示器19における背景画面36に対する自作地図の相対位置関係、又は複数の自作地図間の相対位置関係に基づき各自作地図の正確な場所を把握することができる。
【0023】
ユーザが、フォルダ内の全部のファイルでなく、一部のファイルのみを選択して、それ又はそれらを開いた場合には、該開いたファイルの自作地図を含む最小限の地域領域の背景画面36を表示器19に表示するとともに、該自作地図の地域領域が該最小限の地域領域の背景画面36の対応画面部分に貼り付けて表示される。
【0024】
ユーザは、所定の自作地図を表示したい場合には、該自作地図を含む地図画面20が表示されるように、画面をスクロールしてから、該画面上の自作地図の上へカーソルを移動し、クリックする。図2では、ユーザは自作地図Cをクリックしたことを想定している。これにより、図2の上から1番目の画面のように、自作地図Cが、画面全体に表示される。ユーザは、マウスのクリックに代えて、キーボードのカーソルキーなどを使って選択自作地図を順番に変更して、所望の自作地図を選択してから、改行キーを押下して、該自作地図の表示画面へ移行させることもできる。ユーザが選択中の自作地図を容易に把握できるようにするため、選択中の自作地図は、その縁を強調したり、該自作地図の画面部分の色を変更したりすることができる。
【0025】
ユーザは、所定の自作地図を再編集したい場合には、(a)上から2番目の画面のように自作地図の地域領域が背景画面に貼り付けて表示されているときに編集したい自作地図を選択した後、又は(b)上から2番目の画面のように自作地図の地域領域が背景画面に貼り付けて表示されているときに編集したい自作地図を選択してから、所定の操作により自作地図を画面全体に表示した後、図示しないメニューバー又は図示しないマウスの右クリックにより表示するメニューより編集を選ぶ。これにより、該自作地図は、地図編集画面として画面全体に表示されるとともに、編集可能になる。
【0026】
図2の場合、背景画面36は白地図となっているが、背景画面36を市販地図のデータから作成してもよいし、背景画面36を無背景(書込みが一切ないもの)として自作地図の位置関係のみが把握できるようにしてもよい。また、市販地図のデータからユーザが自作地図を新規作成する場合には、その位置情報を自動的に取得できるようにするために、ユーザは、まず、地図画面20に市販地図を適当な縮尺で表示させてから、自作地図を新規作成しようとする長方形領域をマウスのドラッグにより指定して、該長方形領域の地図作成を行うことができる。これにより、ユーザが指定した長方形領域に対応する位置情報が自動的に取り込まれ、自作地図に対応付けられる。
【0027】
自作地図について自動的に取り込まれる位置情報は、自作地図が長方形である場合、一方の対角線の両端の地点における緯度経度とすることができる。又は、長方形の1つの頂点の緯度経度と、長方形の縦×横の緯度経度換算の距離とすることもできる。自作地図の位置情報は、手入力でも入力できるようにすることが好ましい。
【0028】
図3は自作地図A,B,Cに対する背景画面36の地域領域を決定する処理の説明図である。自作地図A,B,Cは、長方形となっているとともに、左上及び右下の頂点の地点の緯度経度が検出済みとなっている。背景画面36の上下左右を地図の北南西東にそれぞれ対応させる。
【0029】
背景画面36が、自作地図A,B,Cの全部の地域領域を含む地域領域となるためには、背景画面36の左上の頂点の地点が、自作地図A,B,Cの左上の頂点の地点の内、最北及び最西のものより北でかつ西とされなければならない。また、背景画面36の右下の頂点の地点が、自作地図A,B,Cの右下の頂点の地点の内、最南及び最東のものより南でかつ東とされなければならない。
【0030】
背景画面36の地域は北半球で東半球の地域、例えば日本の地域と想定する。また、自作地図Aの左上の頂点の地点は、自作地図B,Cの左上の頂点の地点より北でかつ西に位置し、緯度経度が(Ay,Ax)とする。一方、自作地図Bの右下の頂点の地点は、自作地図A,Cの右下の頂点の地点よりも南に位置し、緯度はByとする。自作地図Cの右下の頂点の地点は、自作地図A,Bの右下の頂点の地点よりも東に位置し、経度はCxであるとする。
【0031】
背景画面36の左上及び右下の頂点の地点の緯度経度は下記の式で算出される。ただし、x1,y1は、自作地図Aの左上の頂点の地点から背景画面36の左上の頂点の地点までの経度換算及び緯度換算の距離であり、定数である。また、x2,y2は、自作地図Cの右下の頂点の地点及び自作地図Bの右下の頂点の地点から背景画面36の右下の頂点の地点までの経度換算及び緯度換算の距離であり、定数である。
【0032】
背景画面36の左上の頂点の経度=Ax−x1
背景画面36の左上の頂点の緯度=Ay+y1
背景画面36の右下の頂点の経度=Cx+x2
背景画面36の右下の頂点の緯度=By−y2
【0033】
背景画面36の地域領域は上述の式より算出された背景画面36の左上及び右下の頂点の地点の緯度経度より一意に決定するため、該地域領域は白地図のようなものである必要はなく、PC17にインストールされている市販されている地図データから該当する地域領域を呼び出し、それを背景画面36として表示し、その上に自作地図を貼り付けることもできる。
【0034】
また、背景画面36に自作地図A等が貼り付けられている状態で、さらに、その上に車両アイコン21や付加情報を付加した画面の地図画面20を表示することにより、車両アイコン21に係る車両28が、自作地図A等の地域を含むどの地点に現在、存在するかが一目で分かり、通常運用時の車両管理用の地図として使用することができる。
【0035】
図4は地図管理装置45のブロック図である。地図管理装置45の具体例は基地局11において実行される前述のGPS車両管理アプリケーションである。地図管理装置45は車両管理アプリケーションへの適用に限定されず、例えば地図上にいろいろな情報を付加する地理情報システム(Geographic Information System)にも適用することができる。地図管理装置45は、データ保存手段46、第1の位置情報検出手段47、第2の位置情報検出手段48及び地図表示手段49を備える。地図管理装置45は、さらに、部分地図表示手段52、編集実施手段53、受信手段56及び車両表示手段57を備えることができる。
【0036】
データ保存手段46は、部分地図61ごとにそのデータを記憶装置62に保存する。第1の位置情報検出手段47は、表示器63に表示する部分地図61についてその地域領域の位置情報を検出する。第2の検出手段48は、表示器63の背景画面についてその地域領域の位置情報を検出する。
【0037】
地図表示手段49は、記憶装置62から読み込んだデータに係る部分地図61が背景画面において占める画面部分を、第1及び第2の位置情報検出手段47,48が検出した位置情報に基づき算出した位置に、貼り付けて表示する。
【0038】
記憶装置62は例えばハードディスク装置等の不揮発性メモリである。記憶装置62に保存するデータは、画面における部分地図61の画像生成の基にするデータであり、例えば、画像ソフトの画像データだけでなく、図形ソフトのベクトルデータを含む。なお、部分地図には、ユーザが現地をデジタルカメラで撮影したデータに基づくものも含むものとする。
【0039】
地図表示手段49が表示器63に表示する画面の具体例は図3の画面である。第1及び第2の位置情報検出手段47、48の検出には、算出してから検出することも含まれる。例えば、前述の図3の場合には、背景画面36の位置情報としての左上及び右下の各頂点の緯度経度は、自作地図A,B,Cの位置情報Ax,Ay,By,Cxに基づき算出してから、検出している。
【0040】
例えば、データ保存手段46は、各部分地図61ごとのデータを各部分地図61ごとのファイルとして記憶装置62に保存する。各部分地図61についてのその地域領域の位置情報は、各部分地図61と同一のファイル内に格納してもよいし、各部分地図61のファイルとは別の専用のファイルに格納して、記憶装置62等に記憶することもできる。また、各部分地図61ごとのデータは、同一ファイルの各ブロックに格納して、記憶装置62等に記憶することもできる。
【0041】
こうして、1以上の部分地図61を表示器63に1つの画面で表示する場合には、部分地図61は、背景画面と共に表示されるとともに、背景画面の地域領域に対する部分地図61の地域領域の相対位置関係、又は複数の部分地図61間の相対位置関係が明確にされて、配置、表示されるので、ユーザは、表示器63に呼び出す部分地図61の場所を明確に把握することができる。
【0042】
典型的には、部分地図61は前述の自作地図A,B,Cのようなユーザ作成の地図である。典型的には、背景画面の地域領域は、書込みが一切無しの地域領域、白地図又は市販地図の地域領域である。
【0043】
好ましくは、地図表示手段49は、複数の部分地図61を一画面で同時に表示する場合には、背景画面の地域領域を、それら複数の部分地図61の地域領域を包含する地域領域に選定する。この具体例は図3の画面である。
【0044】
すなわち、典型的には、第1の位置情報検出手段47は、長方形の各部分地図についてその対角線両端地点の位置情報としての緯度経度を検出する。第2の位置情報検出手段48は、第1の位置情報検出手段47が検出した各部分地図の対角線両端地点の緯度経度からそれらの最大緯度、最大経度、最小緯度及び最小経度を検出し、長方形の背景画面の対角線の一端側の地点の経度緯度が最大緯度及び最大経度より大きく、かつ長方形の背景画面の対角線の他端側の地点の経度緯度が最小緯度及び最小経度より小さくなるものを背景画面の位置情報として検出する。地図表示手段49は、第1及び第2の位置情報検出手段47,48によって対角線方向の両端地点の緯度経度が検出された複数の部分地図の画面部分及び背景画面を表示する。
【0045】
好ましくは、地図管理装置45は、さらに、部分地図表示手段52を備える。部分地図表示手段52は、ユーザが表示器63に背景画面と共に表示中の部分地図61を選択すると、該部分地図のみが全体表示される表示画面へ移行させる。この具体例は、前述の図2の上から2番目の画面において自作地図Cをクリックした時の上から1番目の画面への移行である。この具体例は、前述の図2の上から2番目の画面において自作地図Cをクリックした時の上から1番目の画面への移行である。
【0046】
好ましくは、地図管理装置45は、さらに、編集実施手段53を備える。編集実施手段53は部分地図61に対するユーザの所定の操作により部分地図61の編集画面へ移行させる。所定の操作とは具体的には図示しないメニューバー又は図示しないマウスの右クリックにより表示するメニューより編集を選ぶ操作であり、これら操作は、例えば、前述したように、(a)図2の上から2番目の画面のように自作地図の地域領域が背景画面に貼り付けて表示されているときに編集したい自作地図を選択した後、又は(b)図2の上から2番目の画面のように自作地図の地域領域が背景画面に貼り付けて表示されているときに編集したい自作地図を選択してから、所定の操作により自作地図を画面全体に表示した後に、行なわれる。
【0047】
地図管理装置45は、受信手段56及び車両表示手段57を備えることができる。受信手段56は、各車両に装備された各移動局からその現在地情報を受信する。車両表示手段57は、背景画面と該背景画面に上に重ねられた部分地図61とを含む画面において、現在地情報に基づき各車両の現在地に各車両のアイコンを上に重ねて表示する。
【0048】
図5は地図管理方法70のフローチャートである。地図管理方法70は地図管理装置45において実施される。地図管理方法70は編集ルーチン(図5(a))と表示ルーチン(図5(b))とを含む。編集ルーチンはS71〜S73を備える。表示ルーチンはS78〜S81を備える。S79,S80の順番は逆にしてもよい。
【0049】
S71では、部分地図のデータを記憶装置62から読出して、表示器63にする。S72では、表示器63の画面において部分地図のデータを編集する。S73では、編集終了に伴い、部分地図のデータを記憶装置62に保存する。
【0050】
S78では、部分地図61ごとにそのデータを記憶装置62に保存する。S79では、表示器63に表示する部分地図61についてその地域領域の位置情報を検出する。S80では、表示器63の背景画面についてその地域領域の位置情報を検出する。
【0051】
S81では、記憶装置62から読み込んだデータに係る部分地図61が背景画面において占める画面部分を、S79,S80において検出した位置情報に基づき算出した位置に、貼り付けて表示する。
【0052】
S71〜S73及びS78の処理は地図管理装置45(図4)のデータ保存手段46の機能に対応している。したがって、データ保存手段46の機能について述べた具体的態様はS71〜S73及びS78の処理についての具体的態様としても適用可能である。また、S79〜S81の処理は、第1の位置情報検出手段47〜地図表示手段49の機能にそれぞれ対応している。したがって、第1の位置情報検出手段47〜地図表示手段49の機能について述べた具体的態様はS78〜S81の処理についての具体的態様としても適用可能である。地図管理方法70では、また、地図管理装置45の編集実施手段53、受信手段56及び車両表示手段57の機能に対応する処理を実行するステップを適宜、追加可能である。編集実施手段53に対応するステップは、S81の後に追加する。受信手段56及び車両表示手段57に対応するステップも、S81の後に追加する。その場合、受信手段56及に対応するステップは車両表示手段57に対応するステップより前に配置する。
【0053】
本発明を適用したプログラムは、コンピュータを地図管理装置45の各手段として機能させる。本発明を適用した別のプログラムは、地図管理方法70の各ステップをコンピュータに実行させる。
【0054】
本明細書は様々な発明を開示している。それら発明は、発明の最良の形態の項で説明した各装置及び各方法だけでなく、各装置及び各方法から独立の作用、効果を奏する1つ又は複数の要素を抽出したものや、1つ又は複数の要素を自明の範囲で変更したものや、さらに、各装置間及び各方法間で1つ又は複数の要素の組合せを入れ換えたものを含む。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】GPS車両管理システムの概略構成図である。
【図2】基地局のPCの表示器に表示される地図画面の説明図である。
【図3】自作地図に対する背景画面36の地域領域を決定する処理の説明図である。
【図4】地図管理装置のブロック図である。
【図5】地図管理方法のフローチャートである。
【図6】GPS車両管理システムに使用する自作地図を画面に呼び出す時の従来の第1のユーザ操作の説明図である。
【図7】GPS車両管理システムに使用する自作地図を画面に呼び出す時の従来の第2のユーザ操作の説明図である。
【符号の説明】
【0056】
45:地図管理装置、46:データ保存手段、47:第1の位置情報検出手段、48:第2の検出手段、49:地図表示手段、53:編集実施手段、56:受信手段、57:車両表示手段、61:部分地図、62:記憶装置、63:表示器、70:地図管理方法。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
部分地図ごとにそのデータを記憶装置に保存する部分地図データ保存手段、
表示器に表示する部分地図についてその地域領域の位置情報を検出する第1の位置情報検出手段、
表示器の背景画面についてその地域領域の位置情報を検出する第2の位置情報検出手段、及び
前記記憶装置から読み込んだデータに係る部分地図が背景画面において占める画面部分を、前記第1及び第2の位置情報検出手段が検出した位置情報に基づき算出した位置に、貼り付けて表示する地図表示手段、
を備えることを特徴とする地図管理装置。
【請求項2】
前記部分地図はユーザ作成の地図であることを特徴とする請求項1記載の地図管理装置。
【請求項3】
前記背景画面の地域領域は、書込みが一切無しの地域領域、白地図又は市販地図の地域領域であることを特徴とする請求項1又は2記載の地図管理装置。
【請求項4】
前記部分地図データ保存手段は、各部分地図ごとのデータを各部分地図ごとのファイルとして前記記憶装置に保存することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の地図管理装置。
【請求項5】
前記地図表示手段は、複数の部分地図を一画面で同時に表示する場合には、前記背景画面の地域領域を、それら複数の部分地図の地域領域を包含する地域領域に選定することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の地図管理装置。
【請求項6】
前記第1の位置情報検出手段は、長方形の各部分地図についてその対角線両端地点の位置情報としての緯度経度を検出し、
前記第2の位置情報検出手段は、第1の位置情報検出手段が検出した各部分地図の対角線両端地点の緯度経度からそれらの最大緯度、最大経度、最小緯度及び最小経度を検出し、長方形の背景画面の対角線の一端側の地点の経度緯度が前記最大緯度及び前記最大経度より大きく、かつ長方形の背景画面の対角線の他端側の地点の経度緯度が前記最小緯度及び前記最小経度より小さくなるものを背景画面の位置情報として検出し、
前記地図表示手段は、前記第1及び第2の位置情報検出手段によって対角線方向の両端地点の緯度経度が検出された複数の部分地図の画面部分及び背景画面を表示することを特徴とする請求項5記載の地図管理装置。
【請求項7】
ユーザが前記表示器に背景画面と共に表示中の部分地図を選択すると、該部分地図のみが全体表示される表示画面へ移行させる部分地図表示手段、
を備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の地図管理装置。
【請求項8】
前記部分地図に対するユーザの所定の操作により該部分地図の編集画面へ移行させる編集実施手段、
を備えることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の地図管理装置。
【請求項9】
各車両に装備された各移動局からその現在地情報を受信する受信手段、及び
前記背景画面と該背景画面に上に重ねられた部分地図とを含む画面において、前記現在地情報に基づき各車両の現在地に各車両のアイコンを上に重ねて表示する車両表示手段、
を備えることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の地図管理装置。
【請求項10】
部分地図ごとにそのデータを記憶装置に保存する部分地図データ保存ステップ、
表示器に表示する部分地図についてその地域領域の位置情報を検出する第1の位置情報検出ステップ、
表示器の背景画面についてその地域領域の位置情報を検出する第2の位置情報検出ステップ、及び
前記記憶装置から読み込んだデータに係る部分地図が背景画面において占める画面部分を、前記第1及び第2の位置情報検出ステップにおいて検出した位置情報に基づき算出した位置に、貼り付けて表示する地図表示ステップ、
を備えることを特徴とする地図管理方法。
【請求項11】
請求項1〜9のいずれかに記載の地図管理装置の各手段としてコンピュータを機能させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−128454(P2009−128454A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−301035(P2007−301035)
【出願日】平成19年11月20日(2007.11.20)
【出願人】(000003595)株式会社ケンウッド (1,981)
【Fターム(参考)】