地図表示装置、地図表示方法、および地図表示プログラム
【課題】ユーザに対して「地図なしエリア」を見せないように地図表示を行う。
【解決手段】地図表示装置１０は、地図情報取得手段（地図情報取得部１３）によって取得された地図情報のなかに地図の存在しない領域が含まれているときには、現時点の縮尺よりも大きい縮尺の地図情報を地図情報記憶手段（地図情報記憶部Ｆ１）から取得し直して採用し、地図情報取得手段（地図情報取得部１３）によって取得された地図情報のなかに地図の存在しない領域が含まれていないときには、現時点の縮尺の地図情報をそのまま採用する。
【解決手段】地図表示装置１０は、地図情報取得手段（地図情報取得部１３）によって取得された地図情報のなかに地図の存在しない領域が含まれているときには、現時点の縮尺よりも大きい縮尺の地図情報を地図情報記憶手段（地図情報記憶部Ｆ１）から取得し直して採用し、地図情報取得手段（地図情報取得部１３）によって取得された地図情報のなかに地図の存在しない領域が含まれていないときには、現時点の縮尺の地図情報をそのまま採用する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、地図情報を表示する地図表示装置、地図表示方法、および地図表示装置のためのコンピュータプログラムに係り、特に、表示技術の改良に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来から、地図情報出力表示装置として、カーナビゲーション装置（以下、「カーナビ」という。）が知られている。このカーナビにおいて利用される地図情報の多くは、地球上の所定領域を一定の緯度幅と経度幅で区切った矩形状の範囲（以下、「メッシュ」という。）に分割して管理され、道路形状等は緯度・経度の数値で表現される。たとえばＪＩＳ（日本工業規格）において、１／２０万地勢図の図郭割の範囲に該当する緯度幅１度、経度幅４０分のエリア（約８０×８０Ｋｍ）は、１次メッシュと規定され、１／２．５万地形図の図郭割の範囲に該当する緯度幅５分、経度幅７分３０秒のエリア（約１０×１０Ｋｍ）は、２次メッシュと規定されている。
【０００３】
カーナビには、一般に、表示画面に表示されている地図の縮尺を変更する縮尺変更機能が備えられている（例えば、特許文献１，２参照）。カーナビでは、この縮尺変更機能によって、例えば、１次メッシュの地図（１／２０万の地図）から２次メッシュの地図（１／２．５万の地図）に変更する処理が実行されている。
【０００４】
【特許文献１】特開平１１−３０５６５４号公報
【特許文献２】特開２００６−３３０１１２号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
ところで、カーナビ等に用いられる地図情報では、全ての縮尺、全ての領域で地図データが存在しているわけではなく、地図の存在しない「地図なしエリア」と呼ばれる領域が存在している。この「地図なしエリア」の代表的なものとしては、道路のない海上や山中などが挙げられる。そして、従来のカーナビにおける「地図なしエリア」の判定は、表示画面の中央に地図データが存在するか否かによって成されるのが一般的であった。
【０００６】
しかしながら、上述した従来のカーナビにおける「地図なしエリア」の判定方法では、表示画面のなかに「地図なしエリア」を表示してしまう場合が多々発生し、ユーザに対して中途半端な地図表示を提供することとなり、且つ、表示画面全体を有効に活用できていないという問題が存在していた。
【０００７】
本発明は、上述した課題の存在に鑑みて成されたものであって、その目的は、ユーザに対して「地図なしエリア」を見せないように地図表示を行うことができる地図表示装置、地図表示方法、および地図表示プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
本発明の地図表示装置は、複数種類の縮尺でそれぞれ作成された地図情報であって、各縮尺に応じて緯度幅と経度幅で区切られた矩形状の範囲に分割された地図情報を記憶する地図情報記憶手段と、表示する地図情報の縮尺を設定する縮尺設定手段と、前記縮尺設定手段によって設定されている縮尺の地図情報を前記地図情報記憶手段から取得する地図情報取得手段と、前記地図情報取得手段によって取得された地図情報のなかに地図の存在しない領域が含まれているときには、現時点の縮尺よりも大きい縮尺の地図情報を前記地図情報記憶手段から取得し直して採用し、前記地図情報取得手段によって取得された地図情報のなかに地図の存在しない領域が含まれていないときには、現時点の縮尺の地図情報をそのまま採用する地図情報判定手段と、前記地図情報判定手段によって採用された地図情報を出力表示する地図情報出力表示手段と、を備えることを特徴とする。
【０００９】
本発明に係る地図表示装置において、前記地図情報判定手段による地図情報の採用は、前記地図情報取得手段によって取得された地図情報を所定の管理単位としてのパーセルに分割し、当該パーセルのうちで１つでも地図の存在しない領域が含まれているときには、現時点の地図情報のなかに地図の存在しない領域が含まれていると判定するようにすることができる。
【００１０】
また、本発明に係る地図表示方法は、地図情報を表示させるための地図表示方法であって、複数種類の縮尺でそれぞれ作成された地図情報であって、各縮尺に応じて緯度幅と経度幅で区切られた矩形状の範囲に分割された地図情報を記憶する地図情報記憶処理と、表示する地図情報の縮尺を設定する縮尺設定処理と、前記縮尺設定処理によって設定されている縮尺の地図情報を地図情報記憶データベースから取得する地図情報取得処理と、前記地図情報取得処理によって取得された地図情報のなかに地図の存在しない領域が含まれているときには、現時点の縮尺よりも大きい縮尺の地図情報を前記地図情報記憶データベースから取得し直して採用し、前記地図情報取得処理によって取得された地図情報のなかに地図の存在しない領域が含まれていないときには、現時点の縮尺の地図情報をそのまま採用する地図情報判定処理と、前記地図情報判定処理によって採用された地図情報を出力表示する地図情報出力表示処理と、を含む処理を実行することを特徴とする。
【００１１】
本発明に係る地図表示方法において、前記地図情報判定処理による地図情報の採用は、前記地図情報取得処理によって取得された地図情報を所定の管理単位としてのパーセルに分割し、当該パーセルのうちで１つでも地図の存在しない領域が含まれているときには、現時点の地図情報のなかに地図の存在しない領域が含まれていると判定するようにできる。
【００１２】
さらに、本発明に係る地図表示プログラムは、地図情報を表示させるための地図表示プログラムであって、コンピュータに、複数種類の縮尺でそれぞれ作成された地図情報であって、各縮尺に応じて緯度幅と経度幅で区切られた矩形状の範囲に分割された地図情報を記憶させる地図情報記憶処理と、表示する地図情報の縮尺を設定させる縮尺設定処理と、前記縮尺設定処理によって設定されている縮尺の地図情報を地図情報記憶データベースから取得させる地図情報取得処理と、前記地図情報取得処理によって取得された地図情報のなかに地図の存在しない領域が含まれているときには、現時点の縮尺よりも大きい縮尺の地図情報を前記地図情報記憶データベースから取得し直して採用させ、前記地図情報取得処理によって取得された地図情報のなかに地図の存在しない領域が含まれていないときには、現時点の縮尺の地図情報をそのまま採用させる地図情報判定処理と、前記地図情報判定処理によって採用された地図情報を出力表示させる地図情報出力表示処理と、を含む処理を実行させることを特徴とする。
【００１３】
本発明に係る地図表示プログラムにおいて、前記地図情報判定処理による地図情報の採用は、前記地図情報取得処理によって取得された地図情報を所定の管理単位としてのパーセルに分割し、当該パーセルのうちで１つでも地図の存在しない領域が含まれているときには、現時点の地図情報のなかに地図の存在しない領域が含まれていると判定させるようにすることができる。
【発明の効果】
【００１４】
本発明によれば、ユーザに対して「地図なしエリア」を見せないように地図表示を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１５】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。ここで、図１は、本発明における一実施形態に係る地図表示システムの構成例を示すブロック図である。図２は、地図表示システムを構成する地図表示装置１０の構成例を示すブロック図である。本実施形態に係る地図表示システムは、カーナビなどに適用される。
【００１６】
図１に示すように、地図表示システムは、地図表示装置１０と、自車位置測位装置２０と、表示部２０と、入力部３０とを含む。地図表示装置１０は、地図情報を実際の距離に応じて適切に表示するための制御を行う装置である。
【００１７】
自車位置測位装置２０は、車両の現在位置を測定する装置であり、ＧＰＳ（Global
Positioning System）衛星から送られてくるＧＰＳ信号を受信し、このＧＰＳ信号に基づいて位置を計測するＧＰＳセンサや、初期位置からの移動量（距離）を計測する速度センサ、進行（移動）方位を計測するジャイロセンサ等からなる。
【００１８】
ＧＰＳセンサは、いわゆるＧＰＳ受信機と称されるものであり、ＧＰＳ衛星から放射されるＧＰＳ信号を受信してＧＰＳ衛星とＧＰＳ受信機自身との距離（疑似距離）を測定し、複数の衛星からのＧＰＳ信号を同時に受信することによりＧＰＳ受信機自身の現在位置（ＧＰＳ測位解）を算出する。
【００１９】
また、自車位置測位装置２０は車両に搭載されており、ＧＰＳ信号を受信するＧＰＳ受信機（アンテナ）の他、受信したＧＰＳ信号のデコード等の処理を行い、地図表示装置１０へ出力する信号処理部を備える。
【００２０】
表示部３０は、地図表示装置１０より出力した地図情報を表示する装置であり、いわゆるディスプレイ装置（又はモニタ）である。表示部３０は、例えば、地図表示装置１０に対して専用に設けられる。
【００２１】
入力部４０は、本装置１０に対して各種指示を行う入力装置である。本例では、入力部４０は、表示部３０に表示される地図領域を任意に変更する操作ボタンによって構成されている。
【００２２】
図２に示すように、地図表示装置１０は、地図情報記憶部Ｆ１と、自車位置情報受信部１１と、縮尺設定部１２と、地図情報取得部１３と、地図情報判定部１４と、地図情報出力表示部１５と、制御部１６とを含む。なお、地図表示装置１０を構成する各部は、制御信号やデータ等を伝送するバス１７に接続されている。
【００２３】
地図表示装置１０は、例えば、モバイルタイプのパーソナルコンピュータ、ＰＮＤ（Portable
Navigation Device）や専用デバイス、携帯電話機などの情報処理装置によって構成される。地図表示装置１０は、図示しないが、ＣＰＵ（中央処理装置）、プログラム記憶部、ＯＳ（オペレーティング・システム）、等を有する。ＣＰＵは、プログラム記憶部に記憶されたコンピュータプログラムに従い、地図表示装置１０の各構成要素を統制制御し、プログラム処理を実行する機能を有する。プログラム記憶部は、ＲＯＭやＲＡＭ等で構成され、地図表示装置１０が使用する各種コンピュータプログラムを記憶する記憶媒体である。
【００２４】
地図情報記憶部Ｆ１は、一定の緯度幅と経度幅で区切られた矩形状の範囲（以下、「メッシュ」という。）に分割して地図情報を記憶する記憶媒体である。この地図情報は、地図情報記憶部Ｆ１に記憶される外、例えばＳＤメモリカードと呼ばれるリムーバブルメディアとしての補助記憶装置や、ＣＤ−ＲＯＭやＤＶＤ−ＲＯＭ等に保存することができる。また、インターネット等の通信ネットワークを介して地図情報をダウンロードするようにしてもよい。地図情報は、表示可能な各縮尺に応じてそれぞれ生成されているものとする。
【００２５】
また、地図情報記憶部Ｆ１に記憶されるメッシュに分割された地図情報には、例えば、１／２０万、１／１０万、１／５万、１／２．５万、１／１万、１／５千、１／２．５千、１／１千の縮尺でメッシュ化された地図情報が存在しており、さらに、各メッシュの地図情報は、パーセルという所定の管理単位に分割されている。例えば、２次メッシュの地図（１／２．５万の地図）の場合、パーセルは２次メッシュの２５６分割（１６×１６等分）として定義され、その大きさは約０．３９ｋｍ２となっている。
【００２６】
自車位置情報受信部１１は、車両の現在位置情報を受信する処理等を行う。すなわち、自車位置測位装置２０によって測定された車両の現在位置情報を取得する。
【００２７】
縮尺設定部１２は、車両の現在位置情報に基づき、これから表示しようとする地図情報の縮尺を設定する処理等を行う。なお、本例では、縮尺設定部１２による縮尺設定は初期設定値を使用するものとして説明を行うが、例えば、車両の現在位置情報に基づいて現在位置周辺の施設を確認したうえで適切な地図情報の縮尺を自動的に選択したり、ナビゲーションの目的位置までの距離等に応じて適宜縮尺を変更したりするようにしても良い。
【００２８】
地図情報取得部１３は、自車位置情報受信部１１で受信した車両の現在位置情報や、縮尺設定部１２によって設定されている現在の表示縮尺に基づいて、地図情報記憶部Ｆ１から地図情報を取得する処理等を行う。
【００２９】
地図情報判定部１４は、地図情報取得部１３によって取得された地図情報のなかに地図の存在しない領域が含まれているときには、現時点の縮尺よりも大きい縮尺の地図情報を地図情報記憶部Ｆ１から取得し直して採用し、地図情報取得部１３によって取得された地図情報のなかに地図の存在しない領域が含まれていないときには、現時点の縮尺の地図情報をそのまま採用する処理等を行う。
【００３０】
なお、地図情報判定部１４による地図情報の採用は、地図情報取得部１３によって取得された地図情報を所定の管理単位としてのパーセルに分割し、当該パーセルのうちで１つでも地図の存在しない領域が含まれているときには、現時点の地図情報のなかに地図の存在しない領域が含まれていると判定するようにしている。
【００３１】
地図情報出力表示部１５は、地図情報取得部１３で取得した地図情報や、地図情報判定部１４によって新たに採用された縮尺の地図情報を描画する描画信号を表示部３０に出力する処理を行う。
【００３２】
制御部１６は、ＣＰＵ、ＲＯＭ、ＲＡＭ等を具備し、地図表示装置１０の各構成要素を統制制御し、その処理を実行する。
【００３３】
次に、本実施形態に係る地図表示システムによって実現される地図情報出力装置１について説明する。図３において、表示部３０上には、入力部４０が積層されたものとなっている。本実施形態においては、入力部４０は、表示部３０に搭載されているタッチパネルや、表示部３０における表示画面に設けられているコマンド入力ボタンにより構成されている。コマンド入力ボタンが押下されると、タッチパネルによってボタンの押下が検知され、地図表示装置１０の制御部１６によって押下されたボタンに対応した指示内容（選択内容）が認識される。
【００３４】
本例では、例えば図３に示すように、表示部３０に表示されている地図の縮尺を拡大する拡大ボタン４１Ｂと、同地図の縮尺を縮小する縮小ボタン４１Ｓとが設けられている。
【００３５】
次に、本実施形態に係る地図表示システムの動作について説明する。図４は、本例の地図表示装置１０が実行する地図表示処理の一例を示すフローチャートである。図４では、本発明に係わらない処理を省略している場合があるものとする。ここでは、ユーザＹの操作に応じて、地図の表示を行う場合を例に説明する。
【００３６】
地図情報判定処理において、まず、自車位置情報受信部１１は、ユーザＹによるナビゲーション動作開始の指示をきっかけとして、自車位置測定装置２０から車両の現在位置情報を受信する（ステップＳ１００）。
【００３７】
次に、縮尺設定部１２は、あらかじめ設定されている縮尺情報を確認し、これから表示させようとする地図情報の縮尺を設定する（ステップＳ１０１）。なお、上述したように、本例では、表示可能な地図情報の縮尺があらかじめ定められており、例えば、１／２０万、１／１０万、１／５万、１／２．５万、１／１万、１／５千、１／２．５千、１／１千の縮尺で固定表示することが可能となっている。
【００３８】
次いで、地図情報取得部１３は、自車位置情報受信部１１で受信した車両の現在位置情報と、縮尺設定部１２により現時点で設定されている縮尺とに基づいて、地図情報記憶部Ｆ１から該当領域における地図情報を取得する（ステップＳ１０２）。
【００３９】
次いで、地図情報判定部１４は、地図情報取得部１３によって取得された縮尺の地図情報をパーセル単位で確認する（ステップＳ１０３）。このとき、全てのパーセルで地図のないものが存在していなければ、現時点での地図情報がそのまま採用され、地図情報出力表示部１５によって現在の縮尺のままでの地図情報が表示部３０によって出力される（ステップＳ１０４，ステップＳ１０６）。
【００４０】
一方、地図情報判定部１４が、地図情報取得部１３によって取得された縮尺の地図情報をパーセル単位で確認した際に（ステップＳ１０３）、１つでも地図のないパーセルが存在していた場合には、地図情報判定部１４により現時点での縮尺よりも大きい縮尺の地図情報を取得し直すように地図情報取得部１３に対して指示が出される。そして、指示を受けた地図情報取得部１３は、現時点の縮尺よりも大きい縮尺の地図情報を地図情報記憶部Ｆ１から取得し直し（ステップＳ１０５）、再度地図情報判定部１４によるステップＳ１０３からステップＳ１０４までの処理が実行されることとなる。
【００４１】
ステップＳ１０３からステップＳ１０４までの処理は、全てのパーセルで地図のないものが存在しなくなるまで繰り返され、全パーセルが地図を有する状態となってはじめてその地図情報が採用され、地図情報出力表示部１５によって採用された地図情報が表示部３０に出力されることとなる（ステップＳ１０３〜ステップＳ１０６）。
【００４２】
上述したステップＳ１００〜Ｓ１０６の処理によって、ユーザに対して「地図なしエリア」を見せることなく地図表示を行うことが可能となる。
【００４３】
なお、上述した地図情報判定部１４による地図情報判定処理の具体的なイメージを図５乃至図７を用いて説明すると、図５に示すように、メッシュ５０として分割された地図情報は、さらに複数のパーセル５１として等分割されており、その範囲内で縮尺設定部１２が設定した縮尺での描画範囲５２が決定されている。ここで、符号Ｉ〜Ｖを附したパーセル５１については地図データが存在しているが、符号ＶＩを附したパーセル５１については地図データが存在していない。このような状態で描画範囲５２が決定されていると、地図情報判定部１４は地図のないパーセル５１が存在していると判断し、現在の縮尺の地図情報（図６（ａ）参照）よりも一段階大きい縮尺の地図情報（図６（ｂ）参照）が採用されることとなる。
【００４４】
また、本発明の地図情報判定処理が実施される地図情報については、図５に示すようなものに限られず、例えば図７に示すように、各パーセル５１の境界線が傾いた状態のものについても適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【００４５】
本発明は、地図情報を表示するようにしたデバイス、ＧＰＳを利用した電子地図ソフトウェア、カーナビゲーション装置等に適用するのに有用である。
【図面の簡単な説明】
【００４６】
【図１】本実施形態に係る地図表示装置を用いた地図表示システムの構成例を示すブロック図である。
【図２】地図表示装置の構成例を示すブロック図である。
【図３】地図表示装置を地図情報表示システムに用いることにより実現される地図情報出力装置を示す概略図である。
【図４】地図表示装置が実行する地図情報判定処理の一例を示すフローチャートである。
【図５】地図表示装置が実行する地図情報判定処理の具体的なイメージを説明するための図である。
【図６】地図表示装置が実行する地図情報判定処理の具体的なイメージを説明するための図である。
【図７】地図表示装置が実行する地図情報判定処理の具体的なイメージを説明するための図である。
【符号の説明】
【００４７】
Ｆ１ 地図情報記憶部、１０ 地図表示装置、１１ 自車位置情報受信部、１２ 縮尺設定部、１３ 地図情報取得部、１４ 地図情報判定部、１５ 地図情報出力表示部、１６ 制御部、１７ ハブ、２０ 自車位置測位装置、３０ 表示部、４０ 入力部、５０ メッシュ、５１ パーセル、５２ 描画範囲。
【技術分野】
【０００１】
本発明は、地図情報を表示する地図表示装置、地図表示方法、および地図表示装置のためのコンピュータプログラムに係り、特に、表示技術の改良に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来から、地図情報出力表示装置として、カーナビゲーション装置（以下、「カーナビ」という。）が知られている。このカーナビにおいて利用される地図情報の多くは、地球上の所定領域を一定の緯度幅と経度幅で区切った矩形状の範囲（以下、「メッシュ」という。）に分割して管理され、道路形状等は緯度・経度の数値で表現される。たとえばＪＩＳ（日本工業規格）において、１／２０万地勢図の図郭割の範囲に該当する緯度幅１度、経度幅４０分のエリア（約８０×８０Ｋｍ）は、１次メッシュと規定され、１／２．５万地形図の図郭割の範囲に該当する緯度幅５分、経度幅７分３０秒のエリア（約１０×１０Ｋｍ）は、２次メッシュと規定されている。
【０００３】
カーナビには、一般に、表示画面に表示されている地図の縮尺を変更する縮尺変更機能が備えられている（例えば、特許文献１，２参照）。カーナビでは、この縮尺変更機能によって、例えば、１次メッシュの地図（１／２０万の地図）から２次メッシュの地図（１／２．５万の地図）に変更する処理が実行されている。
【０００４】
【特許文献１】特開平１１−３０５６５４号公報
【特許文献２】特開２００６−３３０１１２号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
ところで、カーナビ等に用いられる地図情報では、全ての縮尺、全ての領域で地図データが存在しているわけではなく、地図の存在しない「地図なしエリア」と呼ばれる領域が存在している。この「地図なしエリア」の代表的なものとしては、道路のない海上や山中などが挙げられる。そして、従来のカーナビにおける「地図なしエリア」の判定は、表示画面の中央に地図データが存在するか否かによって成されるのが一般的であった。
【０００６】
しかしながら、上述した従来のカーナビにおける「地図なしエリア」の判定方法では、表示画面のなかに「地図なしエリア」を表示してしまう場合が多々発生し、ユーザに対して中途半端な地図表示を提供することとなり、且つ、表示画面全体を有効に活用できていないという問題が存在していた。
【０００７】
本発明は、上述した課題の存在に鑑みて成されたものであって、その目的は、ユーザに対して「地図なしエリア」を見せないように地図表示を行うことができる地図表示装置、地図表示方法、および地図表示プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
本発明の地図表示装置は、複数種類の縮尺でそれぞれ作成された地図情報であって、各縮尺に応じて緯度幅と経度幅で区切られた矩形状の範囲に分割された地図情報を記憶する地図情報記憶手段と、表示する地図情報の縮尺を設定する縮尺設定手段と、前記縮尺設定手段によって設定されている縮尺の地図情報を前記地図情報記憶手段から取得する地図情報取得手段と、前記地図情報取得手段によって取得された地図情報のなかに地図の存在しない領域が含まれているときには、現時点の縮尺よりも大きい縮尺の地図情報を前記地図情報記憶手段から取得し直して採用し、前記地図情報取得手段によって取得された地図情報のなかに地図の存在しない領域が含まれていないときには、現時点の縮尺の地図情報をそのまま採用する地図情報判定手段と、前記地図情報判定手段によって採用された地図情報を出力表示する地図情報出力表示手段と、を備えることを特徴とする。
【０００９】
本発明に係る地図表示装置において、前記地図情報判定手段による地図情報の採用は、前記地図情報取得手段によって取得された地図情報を所定の管理単位としてのパーセルに分割し、当該パーセルのうちで１つでも地図の存在しない領域が含まれているときには、現時点の地図情報のなかに地図の存在しない領域が含まれていると判定するようにすることができる。
【００１０】
また、本発明に係る地図表示方法は、地図情報を表示させるための地図表示方法であって、複数種類の縮尺でそれぞれ作成された地図情報であって、各縮尺に応じて緯度幅と経度幅で区切られた矩形状の範囲に分割された地図情報を記憶する地図情報記憶処理と、表示する地図情報の縮尺を設定する縮尺設定処理と、前記縮尺設定処理によって設定されている縮尺の地図情報を地図情報記憶データベースから取得する地図情報取得処理と、前記地図情報取得処理によって取得された地図情報のなかに地図の存在しない領域が含まれているときには、現時点の縮尺よりも大きい縮尺の地図情報を前記地図情報記憶データベースから取得し直して採用し、前記地図情報取得処理によって取得された地図情報のなかに地図の存在しない領域が含まれていないときには、現時点の縮尺の地図情報をそのまま採用する地図情報判定処理と、前記地図情報判定処理によって採用された地図情報を出力表示する地図情報出力表示処理と、を含む処理を実行することを特徴とする。
【００１１】
本発明に係る地図表示方法において、前記地図情報判定処理による地図情報の採用は、前記地図情報取得処理によって取得された地図情報を所定の管理単位としてのパーセルに分割し、当該パーセルのうちで１つでも地図の存在しない領域が含まれているときには、現時点の地図情報のなかに地図の存在しない領域が含まれていると判定するようにできる。
【００１２】
さらに、本発明に係る地図表示プログラムは、地図情報を表示させるための地図表示プログラムであって、コンピュータに、複数種類の縮尺でそれぞれ作成された地図情報であって、各縮尺に応じて緯度幅と経度幅で区切られた矩形状の範囲に分割された地図情報を記憶させる地図情報記憶処理と、表示する地図情報の縮尺を設定させる縮尺設定処理と、前記縮尺設定処理によって設定されている縮尺の地図情報を地図情報記憶データベースから取得させる地図情報取得処理と、前記地図情報取得処理によって取得された地図情報のなかに地図の存在しない領域が含まれているときには、現時点の縮尺よりも大きい縮尺の地図情報を前記地図情報記憶データベースから取得し直して採用させ、前記地図情報取得処理によって取得された地図情報のなかに地図の存在しない領域が含まれていないときには、現時点の縮尺の地図情報をそのまま採用させる地図情報判定処理と、前記地図情報判定処理によって採用された地図情報を出力表示させる地図情報出力表示処理と、を含む処理を実行させることを特徴とする。
【００１３】
本発明に係る地図表示プログラムにおいて、前記地図情報判定処理による地図情報の採用は、前記地図情報取得処理によって取得された地図情報を所定の管理単位としてのパーセルに分割し、当該パーセルのうちで１つでも地図の存在しない領域が含まれているときには、現時点の地図情報のなかに地図の存在しない領域が含まれていると判定させるようにすることができる。
【発明の効果】
【００１４】
本発明によれば、ユーザに対して「地図なしエリア」を見せないように地図表示を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１５】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。ここで、図１は、本発明における一実施形態に係る地図表示システムの構成例を示すブロック図である。図２は、地図表示システムを構成する地図表示装置１０の構成例を示すブロック図である。本実施形態に係る地図表示システムは、カーナビなどに適用される。
【００１６】
図１に示すように、地図表示システムは、地図表示装置１０と、自車位置測位装置２０と、表示部２０と、入力部３０とを含む。地図表示装置１０は、地図情報を実際の距離に応じて適切に表示するための制御を行う装置である。
【００１７】
自車位置測位装置２０は、車両の現在位置を測定する装置であり、ＧＰＳ（Global
Positioning System）衛星から送られてくるＧＰＳ信号を受信し、このＧＰＳ信号に基づいて位置を計測するＧＰＳセンサや、初期位置からの移動量（距離）を計測する速度センサ、進行（移動）方位を計測するジャイロセンサ等からなる。
【００１８】
ＧＰＳセンサは、いわゆるＧＰＳ受信機と称されるものであり、ＧＰＳ衛星から放射されるＧＰＳ信号を受信してＧＰＳ衛星とＧＰＳ受信機自身との距離（疑似距離）を測定し、複数の衛星からのＧＰＳ信号を同時に受信することによりＧＰＳ受信機自身の現在位置（ＧＰＳ測位解）を算出する。
【００１９】
また、自車位置測位装置２０は車両に搭載されており、ＧＰＳ信号を受信するＧＰＳ受信機（アンテナ）の他、受信したＧＰＳ信号のデコード等の処理を行い、地図表示装置１０へ出力する信号処理部を備える。
【００２０】
表示部３０は、地図表示装置１０より出力した地図情報を表示する装置であり、いわゆるディスプレイ装置（又はモニタ）である。表示部３０は、例えば、地図表示装置１０に対して専用に設けられる。
【００２１】
入力部４０は、本装置１０に対して各種指示を行う入力装置である。本例では、入力部４０は、表示部３０に表示される地図領域を任意に変更する操作ボタンによって構成されている。
【００２２】
図２に示すように、地図表示装置１０は、地図情報記憶部Ｆ１と、自車位置情報受信部１１と、縮尺設定部１２と、地図情報取得部１３と、地図情報判定部１４と、地図情報出力表示部１５と、制御部１６とを含む。なお、地図表示装置１０を構成する各部は、制御信号やデータ等を伝送するバス１７に接続されている。
【００２３】
地図表示装置１０は、例えば、モバイルタイプのパーソナルコンピュータ、ＰＮＤ（Portable
Navigation Device）や専用デバイス、携帯電話機などの情報処理装置によって構成される。地図表示装置１０は、図示しないが、ＣＰＵ（中央処理装置）、プログラム記憶部、ＯＳ（オペレーティング・システム）、等を有する。ＣＰＵは、プログラム記憶部に記憶されたコンピュータプログラムに従い、地図表示装置１０の各構成要素を統制制御し、プログラム処理を実行する機能を有する。プログラム記憶部は、ＲＯＭやＲＡＭ等で構成され、地図表示装置１０が使用する各種コンピュータプログラムを記憶する記憶媒体である。
【００２４】
地図情報記憶部Ｆ１は、一定の緯度幅と経度幅で区切られた矩形状の範囲（以下、「メッシュ」という。）に分割して地図情報を記憶する記憶媒体である。この地図情報は、地図情報記憶部Ｆ１に記憶される外、例えばＳＤメモリカードと呼ばれるリムーバブルメディアとしての補助記憶装置や、ＣＤ−ＲＯＭやＤＶＤ−ＲＯＭ等に保存することができる。また、インターネット等の通信ネットワークを介して地図情報をダウンロードするようにしてもよい。地図情報は、表示可能な各縮尺に応じてそれぞれ生成されているものとする。
【００２５】
また、地図情報記憶部Ｆ１に記憶されるメッシュに分割された地図情報には、例えば、１／２０万、１／１０万、１／５万、１／２．５万、１／１万、１／５千、１／２．５千、１／１千の縮尺でメッシュ化された地図情報が存在しており、さらに、各メッシュの地図情報は、パーセルという所定の管理単位に分割されている。例えば、２次メッシュの地図（１／２．５万の地図）の場合、パーセルは２次メッシュの２５６分割（１６×１６等分）として定義され、その大きさは約０．３９ｋｍ２となっている。
【００２６】
自車位置情報受信部１１は、車両の現在位置情報を受信する処理等を行う。すなわち、自車位置測位装置２０によって測定された車両の現在位置情報を取得する。
【００２７】
縮尺設定部１２は、車両の現在位置情報に基づき、これから表示しようとする地図情報の縮尺を設定する処理等を行う。なお、本例では、縮尺設定部１２による縮尺設定は初期設定値を使用するものとして説明を行うが、例えば、車両の現在位置情報に基づいて現在位置周辺の施設を確認したうえで適切な地図情報の縮尺を自動的に選択したり、ナビゲーションの目的位置までの距離等に応じて適宜縮尺を変更したりするようにしても良い。
【００２８】
地図情報取得部１３は、自車位置情報受信部１１で受信した車両の現在位置情報や、縮尺設定部１２によって設定されている現在の表示縮尺に基づいて、地図情報記憶部Ｆ１から地図情報を取得する処理等を行う。
【００２９】
地図情報判定部１４は、地図情報取得部１３によって取得された地図情報のなかに地図の存在しない領域が含まれているときには、現時点の縮尺よりも大きい縮尺の地図情報を地図情報記憶部Ｆ１から取得し直して採用し、地図情報取得部１３によって取得された地図情報のなかに地図の存在しない領域が含まれていないときには、現時点の縮尺の地図情報をそのまま採用する処理等を行う。
【００３０】
なお、地図情報判定部１４による地図情報の採用は、地図情報取得部１３によって取得された地図情報を所定の管理単位としてのパーセルに分割し、当該パーセルのうちで１つでも地図の存在しない領域が含まれているときには、現時点の地図情報のなかに地図の存在しない領域が含まれていると判定するようにしている。
【００３１】
地図情報出力表示部１５は、地図情報取得部１３で取得した地図情報や、地図情報判定部１４によって新たに採用された縮尺の地図情報を描画する描画信号を表示部３０に出力する処理を行う。
【００３２】
制御部１６は、ＣＰＵ、ＲＯＭ、ＲＡＭ等を具備し、地図表示装置１０の各構成要素を統制制御し、その処理を実行する。
【００３３】
次に、本実施形態に係る地図表示システムによって実現される地図情報出力装置１について説明する。図３において、表示部３０上には、入力部４０が積層されたものとなっている。本実施形態においては、入力部４０は、表示部３０に搭載されているタッチパネルや、表示部３０における表示画面に設けられているコマンド入力ボタンにより構成されている。コマンド入力ボタンが押下されると、タッチパネルによってボタンの押下が検知され、地図表示装置１０の制御部１６によって押下されたボタンに対応した指示内容（選択内容）が認識される。
【００３４】
本例では、例えば図３に示すように、表示部３０に表示されている地図の縮尺を拡大する拡大ボタン４１Ｂと、同地図の縮尺を縮小する縮小ボタン４１Ｓとが設けられている。
【００３５】
次に、本実施形態に係る地図表示システムの動作について説明する。図４は、本例の地図表示装置１０が実行する地図表示処理の一例を示すフローチャートである。図４では、本発明に係わらない処理を省略している場合があるものとする。ここでは、ユーザＹの操作に応じて、地図の表示を行う場合を例に説明する。
【００３６】
地図情報判定処理において、まず、自車位置情報受信部１１は、ユーザＹによるナビゲーション動作開始の指示をきっかけとして、自車位置測定装置２０から車両の現在位置情報を受信する（ステップＳ１００）。
【００３７】
次に、縮尺設定部１２は、あらかじめ設定されている縮尺情報を確認し、これから表示させようとする地図情報の縮尺を設定する（ステップＳ１０１）。なお、上述したように、本例では、表示可能な地図情報の縮尺があらかじめ定められており、例えば、１／２０万、１／１０万、１／５万、１／２．５万、１／１万、１／５千、１／２．５千、１／１千の縮尺で固定表示することが可能となっている。
【００３８】
次いで、地図情報取得部１３は、自車位置情報受信部１１で受信した車両の現在位置情報と、縮尺設定部１２により現時点で設定されている縮尺とに基づいて、地図情報記憶部Ｆ１から該当領域における地図情報を取得する（ステップＳ１０２）。
【００３９】
次いで、地図情報判定部１４は、地図情報取得部１３によって取得された縮尺の地図情報をパーセル単位で確認する（ステップＳ１０３）。このとき、全てのパーセルで地図のないものが存在していなければ、現時点での地図情報がそのまま採用され、地図情報出力表示部１５によって現在の縮尺のままでの地図情報が表示部３０によって出力される（ステップＳ１０４，ステップＳ１０６）。
【００４０】
一方、地図情報判定部１４が、地図情報取得部１３によって取得された縮尺の地図情報をパーセル単位で確認した際に（ステップＳ１０３）、１つでも地図のないパーセルが存在していた場合には、地図情報判定部１４により現時点での縮尺よりも大きい縮尺の地図情報を取得し直すように地図情報取得部１３に対して指示が出される。そして、指示を受けた地図情報取得部１３は、現時点の縮尺よりも大きい縮尺の地図情報を地図情報記憶部Ｆ１から取得し直し（ステップＳ１０５）、再度地図情報判定部１４によるステップＳ１０３からステップＳ１０４までの処理が実行されることとなる。
【００４１】
ステップＳ１０３からステップＳ１０４までの処理は、全てのパーセルで地図のないものが存在しなくなるまで繰り返され、全パーセルが地図を有する状態となってはじめてその地図情報が採用され、地図情報出力表示部１５によって採用された地図情報が表示部３０に出力されることとなる（ステップＳ１０３〜ステップＳ１０６）。
【００４２】
上述したステップＳ１００〜Ｓ１０６の処理によって、ユーザに対して「地図なしエリア」を見せることなく地図表示を行うことが可能となる。
【００４３】
なお、上述した地図情報判定部１４による地図情報判定処理の具体的なイメージを図５乃至図７を用いて説明すると、図５に示すように、メッシュ５０として分割された地図情報は、さらに複数のパーセル５１として等分割されており、その範囲内で縮尺設定部１２が設定した縮尺での描画範囲５２が決定されている。ここで、符号Ｉ〜Ｖを附したパーセル５１については地図データが存在しているが、符号ＶＩを附したパーセル５１については地図データが存在していない。このような状態で描画範囲５２が決定されていると、地図情報判定部１４は地図のないパーセル５１が存在していると判断し、現在の縮尺の地図情報（図６（ａ）参照）よりも一段階大きい縮尺の地図情報（図６（ｂ）参照）が採用されることとなる。
【００４４】
また、本発明の地図情報判定処理が実施される地図情報については、図５に示すようなものに限られず、例えば図７に示すように、各パーセル５１の境界線が傾いた状態のものについても適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【００４５】
本発明は、地図情報を表示するようにしたデバイス、ＧＰＳを利用した電子地図ソフトウェア、カーナビゲーション装置等に適用するのに有用である。
【図面の簡単な説明】
【００４６】
【図１】本実施形態に係る地図表示装置を用いた地図表示システムの構成例を示すブロック図である。
【図２】地図表示装置の構成例を示すブロック図である。
【図３】地図表示装置を地図情報表示システムに用いることにより実現される地図情報出力装置を示す概略図である。
【図４】地図表示装置が実行する地図情報判定処理の一例を示すフローチャートである。
【図５】地図表示装置が実行する地図情報判定処理の具体的なイメージを説明するための図である。
【図６】地図表示装置が実行する地図情報判定処理の具体的なイメージを説明するための図である。
【図７】地図表示装置が実行する地図情報判定処理の具体的なイメージを説明するための図である。
【符号の説明】
【００４７】
Ｆ１ 地図情報記憶部、１０ 地図表示装置、１１ 自車位置情報受信部、１２ 縮尺設定部、１３ 地図情報取得部、１４ 地図情報判定部、１５ 地図情報出力表示部、１６ 制御部、１７ ハブ、２０ 自車位置測位装置、３０ 表示部、４０ 入力部、５０ メッシュ、５１ パーセル、５２ 描画範囲。
【特許請求の範囲】
【請求項１】
複数種類の縮尺でそれぞれ作成された地図情報であって、各縮尺に応じて緯度幅と経度幅で区切られた矩形状の範囲に分割された地図情報を記憶する地図情報記憶手段と、
表示する地図情報の縮尺を設定する縮尺設定手段と、
前記縮尺設定手段によって設定されている縮尺の地図情報を前記地図情報記憶手段から取得する地図情報取得手段と、
前記地図情報取得手段によって取得された地図情報のなかに地図の存在しない領域が含まれているときには、現時点の縮尺よりも大きい縮尺の地図情報を前記地図情報記憶手段から取得し直して採用し、前記地図情報取得手段によって取得された地図情報のなかに地図の存在しない領域が含まれていないときには、現時点の縮尺の地図情報をそのまま採用する地図情報判定手段と、
前記地図情報判定手段によって採用された地図情報を出力表示する地図情報出力表示手段と、
を備えることを特徴とする地図表示装置。
【請求項２】
請求項１に記載の地図表示装置において、
前記地図情報判定手段による地図情報の採用は、前記地図情報取得手段によって取得された地図情報を所定の管理単位としてのパーセルに分割し、当該パーセルのうちで１つでも地図の存在しない領域が含まれているときには、現時点の地図情報のなかに地図の存在しない領域が含まれていると判定するようにしたことを特徴とする地図表示装置。
【請求項３】
地図情報を表示させるための地図表示方法であって、
複数種類の縮尺でそれぞれ作成された地図情報であって、各縮尺に応じて緯度幅と経度幅で区切られた矩形状の範囲に分割された地図情報を記憶する地図情報記憶処理と、
表示する地図情報の縮尺を設定する縮尺設定処理と、
前記縮尺設定処理によって設定されている縮尺の地図情報を地図情報記憶データベースから取得する地図情報取得処理と、
前記地図情報取得処理によって取得された地図情報のなかに地図の存在しない領域が含まれているときには、現時点の縮尺よりも大きい縮尺の地図情報を前記地図情報記憶データベースから取得し直して採用し、前記地図情報取得処理によって取得された地図情報のなかに地図の存在しない領域が含まれていないときには、現時点の縮尺の地図情報をそのまま採用する地図情報判定処理と、
前記地図情報判定処理によって採用された地図情報を出力表示する地図情報出力表示処理と、
を含む処理を実行することを特徴とする地図表示方法。
【請求項４】
請求項３に記載の地図表示方法において、
前記地図情報判定処理による地図情報の採用は、前記地図情報取得処理によって取得された地図情報を所定の管理単位としてのパーセルに分割し、当該パーセルのうちで１つでも地図の存在しない領域が含まれているときには、現時点の地図情報のなかに地図の存在しない領域が含まれていると判定するようにしたことを特徴とする地図表示方法。
【請求項５】
地図情報を表示させるための地図表示プログラムであって、
コンピュータに、
複数種類の縮尺でそれぞれ作成された地図情報であって、各縮尺に応じて緯度幅と経度幅で区切られた矩形状の範囲に分割された地図情報を記憶させる地図情報記憶処理と、
表示する地図情報の縮尺を設定させる縮尺設定処理と、
前記縮尺設定処理によって設定されている縮尺の地図情報を地図情報記憶データベースから取得させる地図情報取得処理と、
前記地図情報取得処理によって取得された地図情報のなかに地図の存在しない領域が含まれているときには、現時点の縮尺よりも大きい縮尺の地図情報を前記地図情報記憶データベースから取得し直して採用させ、前記地図情報取得処理によって取得された地図情報のなかに地図の存在しない領域が含まれていないときには、現時点の縮尺の地図情報をそのまま採用させる地図情報判定処理と、
前記地図情報判定処理によって採用された地図情報を出力表示させる地図情報出力表示処理と、
を含む処理を実行させることを特徴とする地図表示プログラム。
【請求項６】
請求項５に記載の地図表示プログラムにおいて、
前記地図情報判定処理による地図情報の採用は、前記地図情報取得処理によって取得された地図情報を所定の管理単位としてのパーセルに分割し、当該パーセルのうちで１つでも地図の存在しない領域が含まれているときには、現時点の地図情報のなかに地図の存在しない領域が含まれていると判定させるようにしたことを特徴とする地図表示プログラム。
【請求項１】
複数種類の縮尺でそれぞれ作成された地図情報であって、各縮尺に応じて緯度幅と経度幅で区切られた矩形状の範囲に分割された地図情報を記憶する地図情報記憶手段と、
表示する地図情報の縮尺を設定する縮尺設定手段と、
前記縮尺設定手段によって設定されている縮尺の地図情報を前記地図情報記憶手段から取得する地図情報取得手段と、
前記地図情報取得手段によって取得された地図情報のなかに地図の存在しない領域が含まれているときには、現時点の縮尺よりも大きい縮尺の地図情報を前記地図情報記憶手段から取得し直して採用し、前記地図情報取得手段によって取得された地図情報のなかに地図の存在しない領域が含まれていないときには、現時点の縮尺の地図情報をそのまま採用する地図情報判定手段と、
前記地図情報判定手段によって採用された地図情報を出力表示する地図情報出力表示手段と、
を備えることを特徴とする地図表示装置。
【請求項２】
請求項１に記載の地図表示装置において、
前記地図情報判定手段による地図情報の採用は、前記地図情報取得手段によって取得された地図情報を所定の管理単位としてのパーセルに分割し、当該パーセルのうちで１つでも地図の存在しない領域が含まれているときには、現時点の地図情報のなかに地図の存在しない領域が含まれていると判定するようにしたことを特徴とする地図表示装置。
【請求項３】
地図情報を表示させるための地図表示方法であって、
複数種類の縮尺でそれぞれ作成された地図情報であって、各縮尺に応じて緯度幅と経度幅で区切られた矩形状の範囲に分割された地図情報を記憶する地図情報記憶処理と、
表示する地図情報の縮尺を設定する縮尺設定処理と、
前記縮尺設定処理によって設定されている縮尺の地図情報を地図情報記憶データベースから取得する地図情報取得処理と、
前記地図情報取得処理によって取得された地図情報のなかに地図の存在しない領域が含まれているときには、現時点の縮尺よりも大きい縮尺の地図情報を前記地図情報記憶データベースから取得し直して採用し、前記地図情報取得処理によって取得された地図情報のなかに地図の存在しない領域が含まれていないときには、現時点の縮尺の地図情報をそのまま採用する地図情報判定処理と、
前記地図情報判定処理によって採用された地図情報を出力表示する地図情報出力表示処理と、
を含む処理を実行することを特徴とする地図表示方法。
【請求項４】
請求項３に記載の地図表示方法において、
前記地図情報判定処理による地図情報の採用は、前記地図情報取得処理によって取得された地図情報を所定の管理単位としてのパーセルに分割し、当該パーセルのうちで１つでも地図の存在しない領域が含まれているときには、現時点の地図情報のなかに地図の存在しない領域が含まれていると判定するようにしたことを特徴とする地図表示方法。
【請求項５】
地図情報を表示させるための地図表示プログラムであって、
コンピュータに、
複数種類の縮尺でそれぞれ作成された地図情報であって、各縮尺に応じて緯度幅と経度幅で区切られた矩形状の範囲に分割された地図情報を記憶させる地図情報記憶処理と、
表示する地図情報の縮尺を設定させる縮尺設定処理と、
前記縮尺設定処理によって設定されている縮尺の地図情報を地図情報記憶データベースから取得させる地図情報取得処理と、
前記地図情報取得処理によって取得された地図情報のなかに地図の存在しない領域が含まれているときには、現時点の縮尺よりも大きい縮尺の地図情報を前記地図情報記憶データベースから取得し直して採用させ、前記地図情報取得処理によって取得された地図情報のなかに地図の存在しない領域が含まれていないときには、現時点の縮尺の地図情報をそのまま採用させる地図情報判定処理と、
前記地図情報判定処理によって採用された地図情報を出力表示させる地図情報出力表示処理と、
を含む処理を実行させることを特徴とする地図表示プログラム。
【請求項６】
請求項５に記載の地図表示プログラムにおいて、
前記地図情報判定処理による地図情報の採用は、前記地図情報取得処理によって取得された地図情報を所定の管理単位としてのパーセルに分割し、当該パーセルのうちで１つでも地図の存在しない領域が含まれているときには、現時点の地図情報のなかに地図の存在しない領域が含まれていると判定させるようにしたことを特徴とする地図表示プログラム。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【公開番号】特開２００９−２７１４４９（Ｐ２００９−２７１４４９Ａ）
【公開日】平成２１年１１月１９日（２００９．１１．１９）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００８−１２４０６３（Ｐ２００８−１２４０６３）
【出願日】平成２０年５月９日（２００８．５．９）
【出願人】（５０７０５２４３０）キャンバスマップル株式会社 (77)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２１年１１月１９日（２００９．１１．１９）
【国際特許分類】
【出願日】平成２０年５月９日（２００８．５．９）
【出願人】（５０７０５２４３０）キャンバスマップル株式会社 (77)
【Ｆターム（参考）】
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