説明

垂直磁気記録媒体における軟磁性薄膜層に用いる合金およびスパッタリングターゲット材並びに軟磁性薄膜層を有する垂直磁気記録媒体。

【課題】 本発明により室温でのBsに対する高温でのBsの低下幅が小さい垂直磁気記録媒体用軟磁性合金、およびこの合金の薄膜を作製するためのスパッタリングターゲット材を提供する。
【解決手段】 at%で、原子番号が57〜71のランタノイドに属する元素を1種以上と、Y,Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Bの1種もしくは2種以上または/およびC,Al,Si,P,Cr,Mn,Ni,Cu,Zn,Ga,Ge,Mo,Sn,Wの1種もしくは2種以上を含み、残部Co,Feおよび不可避的不純物からなり、下記の式(1)〜(3)を全て満たすことを特徴とした垂直磁気記録媒体における軟磁性薄膜層に用いる合金。(1)0.5≦TLA≦15、(2)5≦TLA+TAM、(3)TLA+TAM+TNM≦30

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、垂直磁気記録媒体における軟磁性薄膜層用(Co,Fe)−ランタノイド系合金およびスパッタリングターゲット材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
磁気記録技術の進歩は著しく、ドライブの大容量化のために、磁気記録媒体の高記録密度化が進められており、過去に普及していた面内磁気記録媒体より更に高記録密度が実現できる垂直磁気記録方式が実用化されている。垂直磁気記録方式とは、垂直磁気記録媒体の磁性膜中の媒体面に対して磁化容易軸が垂直方向に配向するように形成したものであり、高記録密度に適した方法である。そして、垂直磁気記録方式においては、記録感度を高めた磁気記録膜層と軟磁性膜層とを有する2層記録媒体が開発されている。この磁気記録膜層には一般的にCoCrPt−SiO2 系合金が用いられている。
【0003】
一方、従来の軟磁性膜層には、高い飽和磁束密度(以下、Bsと記す)と非晶質性が必要であり、さらに垂直磁気記録媒体の用途や使用環境によっては、高耐食性、高硬度など様々な特性が付加的に要求されてきた。例えば、特開2008−299905号公報(特許文献1)では、Feを添加することにより高いBsを得ており、Bを添加することにより高い硬度を得ている。また、特開2011−68985号公報(特許文献2)では、YやTiの添加により耐食性(耐候性)を改善している。
【0004】
近年では、ドライブ中の読書き用ヘッドの改良や、軟磁性合金の磁束密度を調整し軟磁性膜とRu膜との交換結合磁界を最適化することにより、従来よりも低い磁束での書き込みが可能となってきている。したがって、記録層の下に配置される軟磁性層として、従来のような高Bsではなく、比較的低Bsの非晶質合金が検討さられるようになってきた。このように低Bs合金を垂直磁気記録媒体の軟磁性層として用いると、軟磁性膜中の記録磁化が、過度に周囲に磁気的な影響を与えることがなく、結果として小さなスペースに記録可能となる。この現象は、「書き滲み」の低減による、見かけ上の記録密度改善と考えられている。
【特許文献1】特開2008−299905号公報
【特許文献2】特開2011−68985号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述したように低いBsを持つ非晶質合金を垂直磁気記録媒体の軟磁性層に用いると、新たな課題があることが明らかになってきた。すなわち、低いBsを有する非晶質合金は温度の上昇に伴うBsの低下幅が大きく、ドライブが曝される室温より高い温度環境(例えば70〜150℃程度)の下におけるBsが著しく低くなり、垂直磁気記録媒体の軟磁性層としての機能を十分に果たせなくなってしまう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述にような問題を解消するために、発明者らは垂直磁気記録媒体の軟磁性膜用合金の室温でのBsとその温度特性について、様々な添加元素を詳細に検討した結果、室温でのBsと室温から150℃までのBsの低下幅には逆の相関があることがわかった。しかしながら、ランタノイドに属する元素を添加すると、この逆相関の関係から外れ、室温で同等のBsを有する合金と比較し、著しく150℃までのBs低下幅が小さく抑えられることを見出し本発明に至った。なわわち、室温での飽和磁束密度に対する高温での飽和磁束密度が大きい垂直磁気記録媒体用軟磁性合金、およびこの合金の薄膜を作製するためのスパッタリングターゲット材を提供する。
【0007】
その発明の要旨とするところは、
(1)at%で、原子番号が57〜71のランタノイドに属する元素を1種以上と、Y,Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Bの1種もしくは2種以上または/およびC,Al,Si,P,Cr,Mn,Ni,Cu,Zn,Ga,Ge,Mo,Sn,Wの1種もしくは2種以上を含み残部Co,Feおよび不可避的不純物からなり、下記の式(1)〜(3)を全て満たすことを特徴とした垂直磁気記録媒体における軟磁性薄膜層に用いる合金。(1)0.5≦TLA≦15
(2)5≦TLA+TAM
(3)TLA+TAM+TNM≦30
ただし、TLAは原子番号57〜71のランタノイドに属する元素の添加量の合計%
TAM=Y+Ti+Zr+Hf+V+Nb+Ta+B/2の添加量の合計%
なお、Bのみ1/2倍の値。
TNM=C+Al+Si+P+Cr+Mn+Ni+Cu+Zn+Ga+Ge+Mo+Sn+Wの添加量の合計%
【0008】
(2)前記(1)に記載の合金からなる軟磁性薄膜層。
(3)前記(2)に記載の軟磁性薄膜層を有する垂直磁気記録媒体。
(4)前記(1)に記載の合金からなるスパッタリングターゲット材。
(5)前記(4)に記載のスパッタリングターゲット材から成膜された軟磁性薄膜層。
(6)前記(5)に記載の軟磁性薄膜層を有する垂直磁気記録媒体にある。
【発明の効果】
【0009】
以上述べたように、本発明により室温でのBsに対する高温、つまり使用中にドライブが曝される70〜150℃程度の高温の下でのBsの低下幅が小さい垂直磁気記録媒体用軟磁性合金、およびこの合金の薄膜を作製するためのスパッタリングターゲット材を提供することにある。本発明の合金を垂直磁気記録媒体に用いることにより、軟磁性合金のもつ磁気特性を如何なく発揮し、軟磁性薄膜層の機能を十分に高めることが出来るようになり、その結果として垂直磁気記録媒体の性能向上に繋げることができる。
【0010】
以下、本発明について詳細に説明する。
上述したように、垂直磁気記録媒体の軟磁性膜用合金の室温でのBsとその温度特性について、様々な添加元素を詳細に検討した結果、室温でのBsと室温から150℃までのBsの低下幅には逆の相関があることがわかった。しかしながら、ランタノイドに属する元素を添加すると、この逆相関の関係から外れ、室温で同等のBsを有する合金と比較し、著しく150℃までのBs低下幅が小さく抑えられることが分かった。
【0011】
上記現象についての詳細な理由は不明であるが、以下のことが推測される。Bsの温度特性には交換積分(Je)が影響すると考えられており、結晶質金属の場合、原理は不明ながら3d電子軌道と原子間距離によりJeは変化する可能性が示唆されている(いわゆるベーテ・スレーター曲線)。ここで、本発明においてBsの温度特性を改善する効果が見られたランタノイドに属する元素は、結晶における原子半径が1.73〜1.99×10-10 mと、他の元素に対し著しく大きい。したがって、これらランタノイドに属する元素を添加した非晶質合金は、平均の原子間距離が広がると考えられ、これにより結晶質合金における原子間距離増加によるJe増大と同じような効果が現れ、Bsの高温特性が改善されると推察される。
【0012】
実際、図1に急冷薄帯試料のX線回折の例を示す通り、ランタノイドに属する元素を添加した場合、他の元素を添加した場合と比較し、ハローパターンの低角側の裾が、緩やかに拡大していることが確認される。これは、原子半径の大きいランタノイドに属する元素を添加することにより、非晶質合金の平均原子間距離が広げられたことを示唆している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
上記した知見を基に本発明により見出した、室温でのBsに対する高温でのBs低下幅が小さい非晶質軟磁性合金における特徴と作用を以下に述べる。なお、原子番号が57〜71のランタノイドに属する元素とは、La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Luを指す。
式(1)0.5≦TLA≦15(TLAは原子番号57〜71のランタノイドに属する元素の添加量の合計%)
式(2)5≦TLA+TAM(TAM=Y+Ti+Zr+Hf+V+Nb+Ta+B/2の添加量の合計%、なお、Bのみ1/2倍の値。
式(3)TLA+TAM+TNM≦30(TNM=C+Al+Si+P+Cr+Mn+Ni+Cu+Zn+Ga+Ge+Mo+Sn+Wの添加量の合計%)
【0014】
本発明合金において、原子番号57〜71のランタノイドに属する元素は、室温でのBsを低下させ、高温でのBsの低下を抑制するための必須元素であるとともに、非晶質促進効果も有する。また、結晶質の場合の本発明合金組成の材料においては、Coおよび/またはFeと脆性な金属間化合物を生成する元素でもある。本発明合金において、Y,Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Bは、室温でのBsを低下させるとともに、非晶質促進効果を有する元素である。
【0015】
本発明合金において、C,Al,Si,P,Cr,Mn,Ni,Cu,Zn,Ga,Ge,Mo,Sn,Wは、室温でのBsを低下させるために添加する元素である。したがって、TLAが0.5未満では高温でのBsの低下抑制効果が十分でなく、15を超えると脆性な金属間化合物が多く生成するため、結晶質となる本合金組成のスパッタリングターゲット材の機械加工が困難となる。また、TLA+TAMが5未満では非晶質促進効果が十分でない。さらに、TLA+TAM+TNMが30を超えると室温でのBsが過度に低くなる。なお、各式の好ましい範囲は下記の通りである。
【0016】
式(1)について好ましくは、1≦TLA≦13、より好ましくは、2≦TLA≦11である。式(2)について好ましくは、6≦TLA+TAM、より好ましくは、7≦TLA+TAMである。式(3)について好ましくは、TLA+TAM+TNM≦28、より好ましくは、TLA+TAM+TNM≦26である。なお、Feの含有量とFeとCoを合計した含有量の比(以下「Fe%/(Fe%+Co%)」と記す。)の範囲については特に制限はないが、垂直磁気記録媒体の軟磁性膜としては、0を超え0.90以下のものが多く使用されており、0.30以上、0.65以下のものがより多く使用されている。
【実施例】
【0017】
以下、本発明について実施例によって具体的に説明する。
通常、垂直磁気記録媒体における軟磁性膜層は、その成分と同じ成分のスパッタリングターゲット材をスパッタし、ガラス基板などの上に成膜し得られる。ここでスパッタにより成膜された薄膜は急冷されている。これに対し、以下に示す実験AおよびBでは、供試材として、単ロール式の液体急冷装置にて作製した急冷薄帯を用いている。これは実際にスパッタにより急冷され成膜された薄膜の、成分による諸特性への影響を、簡易的に液体急冷薄帯により評価したものである。
【0018】
次いで実験Cとして、実際にスパッタリングターゲット材を作製し、これをスパッタして作製した薄膜について評価した。
急冷薄帯の作製条件については、所定の成分に秤量した原料30gを径が10mmで深さが40mm程度の水冷銅鋳型にて減圧Ar中でアーク溶解し、急冷薄帯の溶解母材とした。急冷薄帯の作製条件は、単ロール方式で、径15mmの石英管中にこの溶解母材にセットし、出湯ノズルの径を1mmとし、雰囲気圧61kPa、噴霧差圧69kPa、銅ロール(径300mm)の回転数は3000rpmで、銅ロールと出湯ノズルのギャップ0.3mmに設定して出湯した。出湯温度は特に限定せず、出湯するタイミングは各溶解母材が完全に溶け落ちた直後とした。このようにして作製した急冷薄帯を供試材とし、室温と高温でのBsと非晶質性を評価した。
【0019】
急冷薄帯の室温でのBsおよび高温(150℃)におけるBs低下幅の評価については、VSM装置(振動試料型磁力計)にて、印加磁場1200kA/mで室温(30℃)および150℃のBsを測定した。なお、高温におけるBsの低下幅は30℃でのBsに対する150℃でのBsの百分率、すなわち、式で示せば(150℃でのBs)/(30℃でのBs)×100%により評価した。(以下、「Bs比」と記す)。すなわち、このBs比が100%に近いほど、30℃から150℃におけるBsの低下幅が小さいことを示す。
【0020】
急冷薄帯の非晶質性の評価については、通常、非晶質材料のX線回折パターンを測定すると、回折ピークが見られず、非晶質特有のハローパターンとなる。また、完全な非晶質でない場合は、回折ピークは見られるものの、結晶材料と比較しピーク高さが低くなり、かつ、ハローパターンも見られる。そこで、下記の方法にて非晶質性を評価した。
ガラス板に両面テープで供試材を貼り付け、X線回折装置にて回折パターンを得た。このとき、測定面は急冷薄帯の銅ロール接触面となるように供試材をガラス板に貼り付けた。X線源はCu−kα線で、スキャンスピードを4°/minとして測定した。この回折パターンにハローパターンが確認できるものを○、全くハローパターンが見られないものを×として非晶質性の評価とした。
【0021】
スパッタリングターゲット材の機械加工性の評価については、所定の成分に秤量した5kgの母材を耐火物坩堝中で、減圧したAr雰囲気の下で誘導溶解した後、凝固させた。坩堝のサイズは、直径120mm、高さ150mmである。このインゴットの下部から、旋盤加工、ワイヤーカット加工、平面研磨加工にて、直径95mm、厚さ2mmのスパッタリングターゲット材を作製した。これらの加工時における、欠けや割れの発生により機械加工性を評価した。
【0022】
スパッタ膜の評価については、チャンバー内の気圧を1×10-4Pa以下に真空排気し、純度が99.9%のArガスを0.6Paになるまで投入しスパッタを行なった。薄膜はガラス基板上に1.5μmの厚さとなるように生成させた。この薄膜試料について、急冷薄帯と同様にBsおよびBs比と結晶構造を評価した。まず初めに、基本組成を2種選定し、それぞれに一定量の添加元素を添加し、添加元素の種類による室温でのBsとBs比の変化について評価した。その結果を、実験Aおよび実験Bとして示す。実験Aは、Coが39%で、Feが39%、Zrが8%、Bが6%で、残部の8%が添加元素となる合金を作成し、添加量が一定の下での添加元素種類の影響を評価した。なお、No.11は添加元素がなく、CoとFe、Zr、Bが43対43対8対6になるように配合した合金である。
【0023】
【表1】

表1は、様々な元素を添加した急冷薄帯の諸特性を示す。No.1〜10は本発明例であり、No.11〜31は比較例である。
【0024】
表1における、室温のBsとBs比をプロットした図を図2に示す。図2より、ランタノイドに属する元素以外の元素を添加した組成は、概ね室温でのBs低下にともないBs比も低下する相関が見られるのに対し、ランタノイドに属する元素を添加した組成は、明らかに低い室温でのBsにもかかわらずBs比が高いことがわかる。
実験Bは、Coが39.6%で、Feが48.4%、Tiが3%、Zrが2%、Nbが3%、Taが2%で、残部の2%が添加元素となる合金を作成し、添加量が一定の下での添加元素種類の影響を評価した。なお、No.11は添加元素がなく、CoとFe、Ti、Zr、Nb、Taが40.5対49.5対3対2対3対2になるように配合した合金である。
【0025】
【表2】

表2は、様々な元素を添加した急冷薄帯の諸特性を示す。No.1〜4は本発明例であり、No.5〜14は比較例である。
【0026】
表2における、室温のBsとBs比をプロットした図を図3に示す。図3より、ランタノイドに属する元素以外の元素を添加した組成は、概ね室温でのBs低下にともないBs比も低下する相関が見られるのに対し、ランタノイドに属する元素を添加した組成は、明らかに低い室温でのBsにもかかわらずBs比が高いことがわかる。
【0027】
以上の実験A,Bによりランタノイドに属する元素を添加した場合、その他の元素を添加した場合と比較し、同程度のBsを有する組成に対し、高いBs比が得られることが明らかとなった。次に、様々な組成において、ランタノイドに属する元素を添加した組成と、添加していない組成で、ほぼ同等のCoおよびFe量を持つ10対の組成について、スパッタリングターゲット材を作製し、これを用いたスパッタ薄膜の評価を実施した(実験C)。
【0028】
なお、実験CにおけるA〜Jとa〜jについては、同等のCoおよびFe量を持つ組成を対にして比較することで、ほぼ同等のFe%/(Fe%+Co%)と室温でのBsを持ちながら、ランタノイドに属する元素を0.5%以上含むか含まないかにより、Bs比が変化することを確認したものである。実験Cは、様々な組成におけるスパッタ膜の室温でのBs、Bs比、非晶質性の評価をした。
【0029】
【表3】

表3は、スパッタ薄膜の諸特性を示す。A〜Jは本発明例であり、a〜jは比較例である。
【0030】
比較例では本発明例のランタノイドに属する元素(表中のTLA)を他の添加元素に置き換えたものである。例えば、比較例aは本発明例Aで添加している2%のNdと3%のGdに代え、Zrを5%添加した例である。このように、TLAを他の添加元素に置き換えることによりTLAの効果を検証した。
【0031】
【表4】

表4のように、それぞれ対となる組成は、ほぼ同等のCoおよびFe量であることから、室温でのBsの差は0.08T以下と小さい。一方、Bs比は、Jとj以外の対においてランタノイドに属する元素を0.5%以上含む組成(A〜Iの試料)の方が0.2%以下の組成(a〜iの試料)より、1〜10%高いことが分かる。また、A〜Iおよびa〜iのスパッタリングターゲット材はいずれも欠けなく加工可能であった。
【0032】
なお、Jの試料は機械加工時に欠けは発生しなかったが、jの試料は3枚のスパッタリングターゲット材を作製したが、うち2枚は割れたため作製できず、残り1枚は作製したが欠けが発生した。さらに、jの試料はTLA+TAM+TNMが31と大きいため、室温でのBsが過度に低い。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】急冷リボン製の39%Co−39%Fe−8%Zr−6%B−8%(添加元素)の合金のX線回折パターンを示す図である。
【図2】表1における室温のBsとBs比をプロットした図である。
【図3】表2における室温のBsとBs比をプロットした図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
at%で、原子番号が57〜71のランタノイドに属する元素を1種以上と、Y,Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Bの1種もしくは2種以上または/およびC,Al,Si,P,Cr,Mn,Ni,Cu,Zn,Ga,Ge,Mo,Sn,Wの1種もしくは2種以上を含み、残部Co,Feおよび不可避的不純物からなり、下記の式(1)〜(3)を全て満たすことを特徴とした垂直磁気記録媒体における軟磁性薄膜層に用いる合金。
(1)0.5≦TLA≦15
(2)5≦TLA+TAM
(3)TLA+TAM+TNM≦30
ただし、TLAは原子番号57〜71のランタノイドに属する元素の添加量の合計%
TAM=Y+Ti+Zr+Hf+V+Nb+Ta+B/2の添加量の合計%、なお、Bのみ1/2倍の値。
TNM=C+Al+Si+P+Cr+Mn+Ni+Cu+Zn+Ga+Ge+Mo+Sn+Wの添加量の合計%
【請求項2】
請求項1に記載の合金からなる軟磁性薄膜層。
【請求項3】
請求項2に記載の軟磁性薄膜層を有する垂直磁気記録媒体。
【請求項4】
請求項1に記載の合金からなるスパッタリングターゲット材。
【請求項5】
請求項4に記載のスパッタリングターゲット材から成膜された軟磁性薄膜層。
【請求項6】
請求項5に記載の軟磁性薄膜層を有する垂直磁気記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−73635(P2013−73635A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−209856(P2011−209856)
【出願日】平成23年9月26日(2011.9.26)
【出願人】(000180070)山陽特殊製鋼株式会社 (601)
【Fターム(参考)】