説明

埃除去機能を備えたダブルファン式放熱装置及びその制御回路とフィンセットユニット

【課題】
本発明はフィンセットユニット、カバー、第一ファン、第二ファン、および制御回路を含む、埃除去機能を備えたダブルファン式放熱装置を提供する。
【解決手段】
制御回路は、稼動信号を受信すると、第一、第二ファンを始動させ、また埃除去の信号を受信すると、後述する(a)、(b)のステップをそれぞれ一定時間実施する。(a)のステップは、第一ファンを始動させ、同時に第二ファンを止めることを含む。(b)のステップは、第二ファンを始動させ、同時に第一ファンを止めることを含む。これにより第一、第二ファンは交互に埃を除去させ、フィンセットユニットに対する埃除去と放熱を行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダブルファンの放熱装置に関する。より詳しくは、埃除去機能を備えたダブルファン式放熱装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、各種電気製品、特にパーソナルコンピュータ(PC)に内蔵される放熱装置として、ダブルファン放熱装置、ダブルファン放熱モジュールなどが、広く知られている。(例えば、特許文献1及び2参照。)。かかるダブルファン放熱装置は、相互に逆方向に気流を発生するように、かつ交互に運転される、2つのファンを備えている。すなわち、かかる放熱装置では、第1のファンは外部の気流をシステム本体内に導入させ、第2のファンは前記システム本体内の気流を排出させる機能を有し、一方のファンが回転する時、他方のファンが停止されるように各ファンが駆動される。しかしながら、かかる従来のダブルファン放熱装置には、埃除去機能が備えられていなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】台湾特許明細書第371497号公報
【特許文献2】米国特許明細書第7630201号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述した従来のダブルファン放熱装置では、装置内に蓄積された埃や塵等の粒子(例えば上記第1のファンの外方を臨む面に付着した埃など)を濾過ないし除去することができず、このため、かかる埃によって、当該放熱装置の放熱効率が損なわれ、ひいては放熱装置自体の故障を招いたり、かかる装置を内蔵したコンピュータ等の電気製品の動作の遅れや故障等を招きやすくなる、といった問題点があった。
【0005】
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたものである。上記課題解決のため、本発明は、埃除去機能を備えたダブルファン式放熱装置を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の主たる構成は、
複数枚が横方向に沿って間隔を置いて並べられる放熱板を含み、底部が熱源に接触する接触面を有するフィンセットユニットと、
主面板を含み、該主面板が前記フィンセットユニットの上部に被せられ、縦方向に沿って間隔を置いて並べられる2つの通気孔を備えるカバーと、
前記カバーの一端の通気孔内に位置され、始動された後、前記フィンセットユニットの上部前方に向かって風が起こる第一ファンと、
前記カバーの他方の通気孔内に位置され、始動された後、前記フィンセットユニットの上部後方に向かって風が起こる第二ファンと、
稼働信号を受信すると、前記第一及び第二ファンを始動させ、さらに、埃除去の信号を受信した場合には、
(a)前記第一ファンを始動させ、同時に前記第二ファンを停止させるステップと、
(b)前記第二ファンを始動させ、同時に前記第一ファンを停止させるステップと、を交互に実施する制御回路と、を含み、
前記制御回路は、前記(a)、(b)のステップ、それぞれ予め定められた時間が維持されるように前記第一及び第二ファンの駆動を制御することを特徴とする放熱装置が提供される。
また、前記制御回路は、(a)のステップが実施された後、同時に前記第一及び第二ファンを始動させ、その後さらに(b)のステップが実施されるように前記第一及び第二ファンの駆動を制御してもよい。かかる構成によれば、(a)、(b)のステップが交替される間に、前記第一、第二ファンの両方が同時に運転されない状況が発生することを避けることができる。
本発明のフィンセットユニットの底部には、さらに前記接触面のそれぞれ前端、後端に位置される前端斜面および後端斜面を含み、かつ前記前端斜面は前記第一ファンに斜めに面し、前記後端斜面は前記第二ファンに斜めに面し、前記前、後端斜面はいずれも前記接触面に向かって傾斜している構成とすることができる。かかる構成によれば、後端斜面は、前記(a)のステップにおいて、風を前記第二ファンに向かって導き、前端斜面は、前記(b)のステップにおいて、風を前記第一ファンに向かって導く。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、埃除去機能を備えたダブルファン式放熱装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一の実施形態による埃除去機能を備えたダブルファン式放熱装置の外観斜視図である。
【図2】本発明の一の実施形態による埃除去機能を備えたダブルファン式放熱装置のフィンセットユニットの斜視図である。
【図3】本発明の一の実施形態による埃除去機能を備えたダブルファン式放熱装置の、正常な操作状態における空気の流れを示す断面図である。
【図4】本発明の一の実施形態による埃除去機能を備えたダブルファン式放熱装置の、第二ファン2に対して埃除去が行われるときの空気の流れを示す断面図である。
【図5】本発明の一の実施形態による埃除去機能を備えたダブルファン式放熱装置の、第一ファン1に対して埃除去が行われるときの空気の流れを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。図1、2は本発明を適用した一の実施の形態による埃除去機能を備えたダブルファン式放熱装置の全体概要を説明するための分解斜視図である。本実施の形態による埃除去機能を備えたダブルファン式放熱装置は、第一ファン1、第二ファン2、カバー3、フィンセットユニット4、および制御回路5を含む。このうち、制御回路5は、プリント基板(PCB)8上に設けられ、かかるPCB8の他の回路と電気的に整合(インタフェース)される。
【0010】
図1に示すように、フィンセットユニット4は、複数枚の板状の放熱部材(放熱板)からなるフィン40を有する。かかるフィン40は、各放熱板が横方向(図1のX方向)に沿って間隔を置いて並べられており、2枚のフィン40ごとの間に、各ファン1,2によって発生された気流を通過させるための通路が形成される。カバー3は、主面板30および主面板30の2つの相対する側面に繋がる2つの側面板31を含む。図1に示すように、この実施の形態では、側面板31が主面板30の各々の側面から直角方向に屈曲するように延設される。主面板30は、フィンセットユニット4の上部に被せられ、その上部部分には縦方向(図1の矢印Xと直交する矢印Y方向、換言するとフィン40の長手方向)に沿って間隔を置いて並べられる2つの通気孔301および302を備える。本実施の形態では、各通気孔301,302は、後述する第一及び第二の2つのファン1,2の羽根部材の直径と略等しい直径の円形を呈する。
【0011】
本装置では、気流発生手段として、第一及び第二の2つのファン1,2を有する。第一及び第二ファン1,2は、それぞれ、PCB8と電気的に接続される駆動モータ(図示せず)の駆動軸に羽根部材(図1参照)が取付けられた構成となっている。そして、第一ファン1は、カバー3の一方の通気孔301内に位置し、かつ単独で始動された場合に、フィンセットユニット4の上部前方(図4の右側の矢印方向、すなわち第二ファン2及び通気孔302側)に向かって風が起こる向きに回転駆動される。一方、第二ファン2は、カバー3の他方の通気孔302内に位置し、かつ単独で始動された場合にフィンセットユニット4の上部後方(図5の左側の矢印方向、すなわち第一ファン1及び通気孔301側)に向かって風が起こる向きに回転駆動される。
【0012】
制御回路5は、主に、マイクロコントローラーおよび幾つかのトランジスタスイッチ回路によって構成される。図2に示すように、フィンセットユニット4は、その底部に接触面41を備える。接触面41は、熱源6に接触される。本実施の形態では、熱源6は、熱伝導部61および幾つかのヒートパイプ7の吸熱部分を含む。他の実施の形態として、熱源6は、CPU、GPU、或いはその他の放熱を必要とするユニットでもよい。
【0013】
図3に示すように、フィンセットユニット4の接触面41は、熱源6に接触され、熱源6の熱伝導部61は、プリント基板(PCB)8上のチップ80に密接される。このように、チップ80が作動することにより発生する熱は、熱伝導部61および幾つかのヒートパイプ7によって、急速にフィンセットユニット4に吸収され、放熱が行われる。
【0014】
図3乃至図5に示すように、プリント基板(PCB)8は、コンピューターホスト内部のグラフィックスカードである。このPCB8は、上述したカバー3の主面板30と略同形の平面矩形の部材であり、その中央にチップ80が設けられ、第一ファン1に対峙する箇所に制御回路5が設けられる。本実施の形態では、PCB8は、これら回路(80,5)を配置する機能のみならず、一方のファン(すなわち第一ファン1又は第二ファン2)によりフィンセットユニット4に導入された気流を、他方のファン(すなわち第二ファン2又は第一ファン1)側に誘導(ガイド)する気流ガイド部材としての機能も有している。チップ80は、グラフィックスカード上のGPUであり、制御回路5はプリント基板(PCB)8上の回路に整合される。また、制御回路5は、プリント基板(PCB)8上の図示しない電源部を介して第一、第二ファン1、2と電気的に接続され、かかる電源部に制御信号を出力することで、電源部が第一、第二ファン1、2に電気を供給するか否かについて制御し、これにより、第一、第二ファン1、2を始動させるか停止させるかを選択する機能を遂行する。そして、制御回路5は、稼働信号を受信すると第一ファン1及び第二ファン2を始動させ、さらに、埃除去の信号を受信した場合には、
(a)第一ファン1を始動させ、同時に第二ファン2を停止させるステップと、
(b)第二ファン2を始動させ、同時に第一ファン1を停止させるステップと、
を交互に遂行(実施)するように第一ファン1及び第二ファン2の駆動を制御する。ここで、上記(a)、(b)のステップはいずれも、例えば数十秒間或いは数分間といったように、予め定められた時間が維持されるよう設定されている。すなわち、制御回路5は、上記(a)、(b)のステップについて、それぞれ、予め定められた時間が維持されるように前記第一及び第二ファンの駆動を制御する。なお、ステップ(a)及び(b)の時間は、この実施の形態では相互に同じ時間に設定されているが、相互に異なる時間に設定することも可能である。
【0015】
稼働信号の発生方式としては、本装置が組み込まれる電気製品の種類等に従って、多様な形態が選択できる。例えば、使用者がコンピューターホスト上のボタン(例えば、GUI(Graphical User Interface)により、LCDパネル等の表示部の画面上に表示された起動ボタン)をマウス等の操作入力部の操作で押すと、或いはコンピューターホストに接続されたキーボード上のアクセスキーを押すと、コンピューターホストが当該操作(すなわち発生した信号)に応答して稼働信号を発生させる形態とすることができる。このほかにも、コンピュータープログラミングによって、(ユーザの上述の操作等とは無関係に)コンピューターホストに稼働信号を発生させてもよい。また、不図示の温度検知器を備えた構成とし、かかる温度検知器がコンピューターホスト内部の温度を検知し、温度が予め定められた値に達すると、かかる検知信号を受信したコンピューターホストによって稼働信号を発生させることとしてもよい。
【0016】
同様に、埃除去信号の発生方式も多種な形態が選択できる。例えば、使用者がコンピューターホスト上の他方のボタン(例えば、GUI(Graphical User Interface)により、LCDパネル等の表示部の画面上に表示された埃除去専用ボタン)をマウス等の操作入力部の操作で押すと、或いはキーボード上の他方のアクセスキーを押すと、コンピューターホストが当該操作(すなわち発生した信号)に応答して埃除去信号を発生させる形態とすることができる。このほかにも、コンピュータープログラムによって、(ユーザの上述の操作等とは無関係に)コンピューターホストに埃除去信号を発生させてもよい。また、コンピューターホストが第一ファン1の運転時間を累計し、累計時間が予定値に達した後、埃除去信号を発生させてもよい。
【0017】
上述したいずれの形態においても、制御回路5は、稼働信号を受信すると、直ちに第一、第二ファン1、2を始動させるようにこれら各ファン1,2の駆動を制御する。より具体的には、稼働信号を受信すると、制御回路5は、通常の作動となるように、図示しない電源が第一、第二ファン1、2に電気(駆動電流)を供給することを許可する制御信号を出力し、それによって図3の矢印で示されるように、外部の気流を装置本体内に導入する方向の空気の流れを発生させる。図3は、第一、第二ファン1、2が目下、通常の作動状態にあり、プリント基板(PCB)8およびチップ80に対して放熱が行われていることを示す。図3の矢印に示される空気の流れから、第一、第二ファン1、2が一定時間運転されると、当該気流(風)によってもたらされてきた粒子A(たとえば埃や塵)がフィンセットユニット4の気流(風)を迎える面の上、すなわち、フィン40の前方上端40aおよび後方上端40bの上に蓄積され得る。このほか、第一、第二ファン1、2のファン上にも多数の粒子が蓄積され得る(図中では未表示)。
【0018】
そして、制御回路5は、埃除去信号を受信すると、上述の(a)、(b)のステップを順に行って、上記の粒子を取り除くように第一及び第二ファン1,2の駆動を制御する。まず、(a)のステップでは、第一ファン1は、制御回路5の制御信号に基づいて起動すなわち電源からの駆動電流を供給されて、運転中の状態に於かれ、一方、第二ファン2は、制御回路5の制御信号に基づいて停止すなわち電源からの駆動電流の供給を絶ち切られ、運転停止状態とされる。このため、かかる(a)のステップでは、外部の気流を装置本体内に導入させる第一ファン1のみが駆動されることにより、図4の矢印に示されるように、装置内部の気流を第二ファン2側の通気孔302から外部に排出するように空気の流れが発生される。このような空気の流れによって、フィン40の後方上端40bの上に蓄積された粒子Aおよび第二ファン2のファン(羽根部材)の上に蓄積された粒子は、全て第一ファン1によって発生される風によって吹き飛ばされることが分かる。このとき、第一ファン1は、埃除去作業を行っており、同時に持続して放熱作業をも行うことができる。
【0019】
次に、(b)のステップでは、第一ファン1は、制御回路5の制御信号に基づいて停止すなわち電源からの駆動電流の供給を絶ち切られ、運転停止状態とされ、一方、第二ファン2は、制御回路5の制御信号に基づいて起動すなわち電源からの駆動電流を供給されて、運転中の状態に於かれる。そのため、外部の気流を装置本体内に導入させる第二ファン2は、図5の矢印に示されるように、装置内部の気流を第一ファン1側の通気孔301から外部に排出するように空気の流れを発生するように駆動される。空気の流れる方向から、元々フィン40の前方上端40aの上に蓄積された粒子Aおよび元々第一ファン1のファンの上に蓄積された粒子は、全て第二ファン2によって発生される風によって吹き飛ばされることが分かる。このとき、第二ファン2は、埃除去作業を行っており、同時に持続して放熱作業を行うことができる。
【0020】
上述の説明から、コンピューターホストが埃除去信号を発生しさえすれば、制御回路5は(a)、(b)のステップを通して、第一、第二ファン1、2に交替で(すなわち交互に)埃除去作業を遂行させることが分かる。もし必要があれば、制御回路5は、持続して(a)、(b)のステップを一定時間、(a)→(b)→(a)→(b)・・・のように循環遂行させることができる。いずれの場合にせよ、上述の説明から、制御回路5が第一、第二ファン1、2の運転(駆動状態)を制御することで、フィンセットユニット4および第一、第二ファン1、2の上は常に清潔な状態が保持され、埃等の粒子が蓄積しない或いは蓄積しにくくなることが分かる。これは、放熱装置全体の放熱効率にプラスの影響を与える。
【0021】
本実施の形態における2枚のファン1、2は、制御回路5により通常状態として始動される場合に、相互に同じ回転方向の運転により、フィンセットユニット4に対して放熱を行う。また、埃除去を行う時は、運転中のファン1或いは2は、元来の回転方向の運転により、埃除去および放熱を行う。これはファンの反転(逆回転)を利用して埃除去を行う従来の技術とは顕著に異なる。
【0022】
さらに、(a)、(b)のステップが交替される過程で、第一、第二ファン1、2の両方が、短時間だけ運転されない状況が発生する可能性がある(これは、回路の反応が遅いために起こる)。このような状況は、故障だと誤解される場合がある。これに鑑み、さらに一歩進んで、制御回路5による制御を、(a)のステップが執行された後、同時に第一、第二ファン1、2が始動され、その後さらに(b)のステップが遂行されるよう設計する。このようにして、第一、第二ファン1、2の両方が同時に運転されない状況が発生することを完全に避けることができる。
【0023】
このほか、上述の実施の形態では、制御回路5は、コンピューターグラフィックスカードの回路に整合される形態について説明した。しかしながら、制御回路5は、コンピューターホストの回路に整合される形態であってもよい。前述の整合形態のメリットは、制御回路5が、コンピューターグラフィックスカードの回路あるいはコンピューターホストの回路上のリソースを利用することができることである。例えば、コンピューターグラフィックスカード上のGPU、あるいはホスト上のCPUの一部の機能を利用し、マイクロコントローラーの機能に取って代わる。しかしながら、制御回路5は、独立した回路モジュールであってもよい。
【0024】
図2に示すように、フィンセットユニット4の底部の前端部分および後端部分は、それぞれ前端斜面42および後端斜面43を有し、かかる前端、後端斜面42、43の間には、熱源6に接触する接触面41が位置する。前端及び後端斜面42、43は、いずれも接触面41に向かって傾斜する。フィンセットユニット4は、複数のフィン40が(所定間隔を設けて積層されるように)横方向に並んで構成されたものであり、実質的には各フィン40はどれもが銅あるいはアルミ材を金型成形して製作されており、基板片401および基板片401から延長されてできた底部片402、前端斜片403、後端斜片404を備える。このうち、底部片402は、複数のフィン40の全体で接触面41を構成し、複数のフィン40の前端斜片403は前端斜面42を構成し、複数のフィン40の後端斜片404は後端斜面43を構成する。これはフィンセットユニット4の好ましい実施例の一例にすぎず、実際にはアルミ押し出し成形方式によってフィンセットユニット4を製造してもよい。
【0025】
本実施形態では、フィンセットユニット4の前端斜面42は、第一ファン1に向かって傾斜し、後端斜面43は第二ファン2に向かって傾斜する。図4に示すように、後端斜面43は、第二ファン2に向かって風を導く手助け(ガイド)を行う。また図5に示すように、フィンセットユニットの前端斜面42は第一ファン1に向かって風を導く手助け(ガイド)を行う。すなわち、前端斜面42及び後端斜面43は、PCB8とともに、上述した気流ガイド部材の一部をなす。但し、気流ガイド部材としては、本実施の形態ではPCB8が重要な要素であり、前端斜面42及び後端斜面43は、必ずしも設けられる必要はない。
【0026】
上述の実施例は本発明の技術思想及び特徴を説明するためのものにすぎず、当該技術分野を熟知する者に本発明の内容を理解させると共にこれをもって実施させることを目的とし、本発明の特許範囲を限定するものではない。従って、本発明の精神を逸脱せずに行う各種の同様の効果をもつ改良又は変更は、後述の請求項に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0027】
1 第一ファン
2 第二ファン
3 カバー
30 主面板
31 側面板
301、302 通気孔
4 フィンセットユニット
40 フィン
40a 前方上端
40b 後方上端
401 基板片
402 底部片
403 前端斜片
404 後端斜片
41 接触面
42 前端斜面(気流ガイド部材)
43 後端斜面(気流ガイド部材)
5 制御回路
6 熱源
61 熱伝導部
71 ヒートパイプ
8 プリント基板(PCB)(気流ガイド部材)
80 チップ
A 粒子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数枚が横方向に沿って間隔を置いて並べられる放熱板を含み、底部は熱源に接触する接触面を備えるフィンセットユニットと、
主面板を含み、該主面板が前記フィンセットユニットの上部に被せられ、縦方向に沿って間隔を置いて並べられる2つの通気孔を備えるカバーと、
前記カバーの一方の通気孔内に位置され、始動された後、前記フィンセットユニットの上部前方に向かって風が起こる第一ファンと、
前記カバーの他方の通気孔内に位置され、始動された後、前記フィンセットユニットの上部後方に向かって風が起こる第二ファンと、
稼働信号を受信すると前記第一及び第二ファンを始動させ、さらに、埃除去の信号を受信した場合には、
(a)前記第一ファンを始動させ、同時に前記第二ファンを停止させるステップと、
(b)前記第二ファンを始動させ、同時に前記第一ファンを停止させるステップと、
を交互に実施する制御回路と、を含み、
前記制御回路は、前記(a)、(b)のステップについて、それぞれ、予め定められた時間が維持されるように前記第一及び第二ファンの駆動を制御することを特徴とする放熱装置。
【請求項2】
前記制御回路は、(a)のステップが実施された後、同時に前記第一及び第二ファンを始動させ、その後さらに(b)のステップが実施されるように前記第一及び第二ファンの駆動を制御することを特徴とする請求項1に記載の放熱装置。
【請求項3】
前記フィンセットユニットの底部には、さらに前記接触面のそれぞれ前端、後端に位置される前端斜面および後端斜面を含み、かつ前記前端斜面は前記第一ファンに斜めに面し、前記後端斜面は前記第二ファンに斜めに面し、前記前、後端斜面はいずれも前記接触面に向かって傾斜していることを特徴とする請求項1或いは2に記載の放熱装置。
【請求項4】
放熱装置における制御回路であって、
第一ファンおよび第二ファンに電気的に接続され、稼働信号を受信した場合に前記第一、第二ファンを始動させ、さらに、埃除去の信号を受信した場合には、順に(a)前記第一ファンを始動させ、同時に前記第二ファンを停止させるステップと
(b)前記第二ファンを始動させ、同時に前記第一ファンを停止させるステップと、を交互に実施し、
前記(a)、(b)のステップについて、それぞれ、予め定められた時間が維持されるように前記第一及び第二ファンの駆動を制御することを特徴とする制御回路。
【請求項5】
(a)のステップが実施された後、同時に前記第一及び第二ファンを始動させ、その後さらに(b)のステップが実施されるように前記第一及び第二ファンの駆動を制御することを特徴とする請求項4に記載の制御回路。
【請求項6】
複数枚が横方向に沿って間隔を置いて並べられる放熱板を含むフィンセットユニットであって、
前記フィンセットユニットの底部は、接触面、前端斜面、および後端斜面で構成され、前記接触面は熱源に接触され、かつ前記前端、後端斜面の間に位置され、前記前端斜面及び後端斜面はいずれも前記接触面に向かって傾斜していることを特徴とするフィンセットユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−253934(P2011−253934A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−126709(P2010−126709)
【出願日】平成22年6月2日(2010.6.2)
【出願人】(507178534)ギガ−バイト テクノロジー カンパニー,リミテッド (2)
【Fターム(参考)】