説明

基板処理装置及び方法

【課題】基板を均一に処理できる基板処理装置及び方法を提供する。
【解決手段】本発明による基板処理装置は、基板処理が遂行される空間を提供する工程チャンバーと、前記工程チャンバーと連結され、前記工程チャンバー内のガスが外部に排気される通路を提供する排気管と、前記排気管に設置されるポンプと、前記工程チャンバーと前記ポンプとの間の区間で前記排気管に設置され、前記排気管の通路を開閉するバルブと、を含む。前記バルブは、複数の排気ホールが形成された第1プレートと、前記複数の排気ホールが前記排気管の通路上に又は前記通路の外側に位置するように前記第1プレートを移動させる第1駆動器と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理装置及び方法に関し、より詳細には工程チャンバーの内部圧力を調節できる基板処理装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造工程は工程チャンバー内で遂行される。工程が遂行される間に、工程チャンバーの内部は、排気管に設置されたポンプによって所定圧力に制御される。工程チャンバーの圧力制御は、排気管に設置されたバルブの開閉調節を通じて行われる。
【0003】
図1に示すように、従来、バルブ30は排気管20に設置されたプレート31を移動させて工程チャンバー10の内部圧力を調節する。プレート31は、工程圧力条件にしたがって排気管通路21を全部又は一部開放することができる。
【0004】
プレート31が排気管通路21を一部開放する場合、排気管通路21の開放領域21aのみにガスの流れが発生し、開放されない通路領域21bではプレート31によって流れが遮断される。工程チャンバー10から排気されるガスは開放領域21aに偏向されるので、工程チャンバー10の内部ではガス流れが不均一になる。このようなガス流れは、工程チャンバー10内に位置する基板領域での工程処理を、不均一にする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】韓国特許公開第10−2011−0053811号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、基板を均一に処理できる基板処理装置及び方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の基板処理装置は、基板処理が遂行される空間を提供する工程チャンバーと、前記工程チャンバーと連結され、前記工程チャンバー内のガスが外部に排気される通路を提供する排気管と、前記排気管に設置されるポンプと、前記工程チャンバーと前記ポンプとの間の区間で前記排気管に設置され、前記排気管の通路を開閉するバルブと、を含み、前記バルブは複数の排気ホールが形成された第1プレートと、前記複数の排気ホールが前記排気管の通路上に又は前記通路の外側に位置するように前記第1プレートを移動させる第1駆動器と、を含む。
【0008】
また、前記第1プレートは、前記複数の排気ホールが形成され、前記複数の排気ホールを通じて前記ガスが流れ得る開放領域と、前記開放領域から延長され、前記排気管の通路内でガスの流れを遮断できる遮断領域を有し、前記遮断領域の面積は前記排気管の通路面積より広いことがあり得る。
【0009】
また、前記開放領域の面積は前記排気管の通路面積より狭いことがあり得る。
【0010】
また、前記バルブは、前記工程チャンバーと前記第1プレートとの間の区間で前記排気管に設置され、前記排気管の通路を開閉する第2プレートをさらに含み、前記第2プレートには前記複数の排気ホールが形成されないこともあり得る。
【0011】
また、前記第1プレートは、前記排気管の通路に相応する面積を有し、前記複数の排気ホールが均一に形成された開放領域を有することができる。
【0012】
本発明の基板処理方法は、工程チャンバーの内部にガスを供給して基板を処理し、前記工程チャンバーと連結された排気管を開放して前記ガスを前記工程チャンバー外部に排気し、前記排気されるガスは前記排気管の通路に位置された第1プレートの複数の排気ホールを通過する。
【0013】
また、前記第1プレートは、前記複数の排気ホールが形成され、前記排気管の通路より小さい面積を有する開放領域を有し、前記ガスが排気される間に、前記排気管の通路上には前記開放領域が位置し、前記排気されるガスの中で一部は前記複数の排気ホールを通じて流れ得る。
【0014】
また、前記工程チャンバーの内部にガスが供給される前に、前記排気管は遮断され、前記排気管の遮断は、前記複数の排気ホールが形成されず且つ前記排気管の通路より大きい面積を有する前記第1プレートの遮断領域が、前記排気管の通路上に位置することでなされ得る。
【0015】
また、前記排気管の領域の中で前記第1プレートと前記工程チャンバーとの間の区間には前記排気管の通路を開閉できる第2プレートが提供され、前記ガスが排気される間に、前記第2プレートは前記排気管の通路を開放し、前記ガスが前記工程チャンバーの内部に供給される前に、前記第2プレートは前記排気管の通路を遮断することができる。
【0016】
また、前記第1プレートは、前記複数の排気ホールが形成され、前記排気管の通路に相応する面積を有する開放領域を有し、前記ガスが排気される間に、前記開放領域は前記排気管の通路上に位置することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、工程チャンバーで排気されるガスの流れが均一に発生されるので、基板領域での工程が均一に処理され得る。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】従来技術によるバルブが排気管の通路を開放した形態を示す図面である。
【図2】本発明の一実施形態による基板処理装置を示す断面図である。
【図3】図2のプレートを示す斜視図である。
【図4】バルブが排気管の通路を遮断する形態を示す図面である。
【図5】バルブが排気管の通路を開放する形態を示す図面である。
【図6】本発明の他の実施形態による排気部材を示す図面である。
【図7】図6のバルブが排気管の通路を開放する形態を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面を参照して、本発明の望ましい実施形態の基板処理装置及び方法について詳細に説明する。本発明を説明するに際して、関連する公知構成や機能に対する具体的な説明が本発明の要旨の理解を損なわせる場合には、その詳細な説明は省略する。
【0020】
図2は本発明の一実施形態による基板処理装置を示す断面図である。
【0021】
図2に示すように、基板処理装置10はプラズマを利用して基板Wを処理するものであり、工程チャンバー100、基板支持部200、ガス供給部300、プラズマ生成部400、及び排気部材500を含む。
【0022】
工程チャンバー100は基板Wの処理工程が遂行される空間を提供する。工程チャンバー100は本体110、密閉カバー120、及びライナー130を含む。
【0023】
本体110には、上面が開放された空間が内部に形成される。本体110の内部空間は、基板Wの処理工程が遂行される空間として提供される。本体110は金属材質から成り、好ましくはアルミニウム材質から成る。本体110の底面には排気ホール102が形成される。排気ホール102は、工程過程で発生された反応生成物や、本体の内部空間に留まるガスを、本体110の外部に排気する通路となる。
【0024】
密閉カバー120は本体110の開放された上面を覆う。密閉カバー120は板形状に設けられ、本体110の内部空間を密閉させる。密閉カバー120は本体110と異なる材質から成り、好ましくは誘電体(dielectric substance)から成る。
【0025】
ライナー130は本体110の内部に設けられる。ライナー130には上面及び下面が開放された空間が内部に形成される。このライナー130は円筒形状に設けられ、本体110の内側面に相応する半径を有する。ライナー130は本体110の内側面に沿って配置される。ライナー130の上端には支持リング131が形成される。支持リング131はリング形状の板から成り、ライナー130の周辺に沿ってライナー130の外側に突出される。支持リング131は本体110の上端に載せられ、ライナー130を支持する。ライナー130は本体110と同一の材質から成り、好ましくはアルミニウム材質から成る。工程ガスが励起される過程で工程チャンバー100の内部にはアーク(Arc)放電が発生し、アーク放電は周辺装置を損傷させるのだが、このライナー130が本体110の内側面を保護し、本体110の内側面がアーク放電による損傷されることを防止する。ライナー130は本体110に比べて費用が低廉であり、交替が容易である。したがって、アーク放電によってライナー130が損傷されれば、新しいライナーに交替すればよい。
【0026】
本体110の内部には基板支持部200が位置する。基板支持部200は基板Wを支持するものである。この基板支持部200は、静電気力を利用して基板Wを吸着する静電チャック200である。
【0027】
静電チャック200は誘電板210、下部電極220、ヒーター230、支持板240、及び絶縁板270を含む。
【0028】
誘電板210は静電チャック200の上端部に位置する。誘電板210は円板形状の誘電体(dielectric substance)から成る。誘電板210の上面には基板Wが置かれる。誘電板210の上面は基板Wより小さい半径を有する。そのため、基板Wの縁領域は誘電板210の外側に位置する。誘電板210には第1供給流路211が形成される。第1供給流路211は誘電板210の上面から底面に貫通形成される。第1供給流路211は互いに離隔して複数個形成され、基板Wの底面に熱伝達媒体を供給する通路として用いられる。
【0029】
誘電板210の内部には下部電極220とヒーター230とが埋め込まれる。下部電極220はヒーター230の上部に位置する。下部電極220は外部電源(図示せず)と電気的に接続される。外部電源は直流電源から成り、下部電極220に印加された直流電流によって下部電極220と基板Wとの間には電気力が作用し、電気力によって基板Wは誘電板210に吸着される。
【0030】
ヒーター230は外部電源(図示せず)と電気的に接続される。ヒーター230は外部電源から印加された電流に抵抗することで熱を発生させる。発生した熱は誘電板210を通じて基板Wに伝達される。ヒーター230から発生した熱によって基板Wは所定温度に維持される。ヒーター230は螺旋形状のコイルから成る。ヒーター230は均一の間隔を空けて誘電板210に埋め込まれる。
【0031】
誘電板210の下部には支持板240が位置する。誘電板210の底面と支持板240の上面とは接着剤によって接着される。支持板240はアルミニウム材質から成る。支持板240の上面は中心領域が縁領域より高く位置するように段差を有する。支持板240の上面中心領域は、誘電板210の底面に相応する面積を有し、誘電板210の底面に接着される。支持板240には第1循環流路241、第2循環流路242、及び第2供給流路243が形成される。
【0032】
第1循環流路241は熱伝達媒体が循環する通路として用いられる。第1循環流路241は支持板240の内部に螺旋形状に形成される。又は、第1循環流路241は互いに異なる半径を有するリング形状の複数の流路を同一心状に配置することで形成してもよい。この場合、各々の流路が互いに連通されることや、同一の高さに形成されることが好ましい。
【0033】
第2供給流路243は第1循環流路241から上部に延長され、支持板240の上面に貫通する。第2供給流路243は、第1供給流路211と対応する個数で設けられ、第1循環流路241と第1供給流路211とを連結する。第1循環流路241を循環する熱伝達媒体は第2供給流路243と第1供給流路211とを順次的に経て基板Wの底面に供給される。熱伝達媒体は、プラズマから基板Wに伝達された熱を静電チャック200に伝達する媒介体の役割を果たす。プラズマに含有されたイオン粒子は静電チャック200に形成された電気力に引かれて静電チャック200に移動し、移動する過程で基板Wと衝突して蝕刻工程を遂行する。イオン粒子が基板Wと衝突する過程で基板Wには熱が発生する。基板Wで発生された熱は基板Wの底面と誘電板210の上面との間の空間に供給された熱伝達ガスを通じて、静電チャック200に伝達される。これによって、基板Wは設定温度に維持される。熱伝達媒体は不活性ガスを含む。実施形態によれば、熱伝達媒体はヘリウム(He)ガスを含む。
【0034】
第2循環流路242は冷却流体が循環する通路として用いられる。冷却流体は第2循環流路242を循環し、支持板240を冷却する。支持板240の冷却により誘電板210と基板Wとを共に冷却させ、基板Wを所定温度に維持させる。第2循環流路242は支持板240の内部に螺旋形状に形成される。なお、第2循環流路242を、互いに異なる半径を有するリング形状の複数の流路を同心円状に配置することで形成してもよい。この場合、各々の流路が互いに連通されることや、同一の高さに形成されることが好ましい。第2循環流路242は第1循環流路241より大きい断面積を有し、第1循環流路241の下部に位置される。
【0035】
支持板240の下部には絶縁板270が設けられる。絶縁板270は支持板240に相応する大きさに設けられる。絶縁板270は支持板240と工程チャンバー100の底面との間に位置する。絶縁板270は絶縁材質から成り、支持板240と工程チャンバー100とを電気的に絶縁させる。
【0036】
フォーカスリング280は静電チャック200の縁領域に配置される。フォーカスリング280はリング形状を有し、誘電板210の周辺に沿って配置される。フォーカスリング280の上面は、誘電板210に隣接する内側部が外側部より低くなるように段差を有する。フォーカスリング280の上面内側部は、誘電板210の上面と同一高さに位置し、フォーカスリング280の上面内側部は、誘電板210の上側に位置された基板Wの縁領域を支持する。フォーカスリング280の外側部は、基板Wの縁領域を囲むように設けられる。フォーカスリング280は、プラズマが形成される領域の中心に基板Wが位置するように、電気場形成領域を拡張させる。これによって、基板Wの全体領域に亘ってプラズマが均一に形成され、基板Wの各領域が均一に蝕刻できる。
【0037】
ガス供給部300は工程チャンバー100の内部に工程ガス(以下、単に「ガス」と称する)を供給する。ガス供給部300はガス供給ノズル310、ガス供給ライン320、及びガス格納部330を含む。ガス供給ノズル310は密閉カバー120の中央部に設置される。ガス供給ノズル310の底面には噴射口が形成される。噴射口は密閉カバー120の下部に位置し、工程チャンバー100の内部にガスを供給する。ガス供給ライン320はガス供給ノズル310とガス格納部330とを連結する。ガス供給ライン320はガス格納部330に格納されたガスをガス供給ノズル310に供給する。ガス供給ライン320にはバルブ321が設置される。バルブ321はガス供給ライン320を開閉し、ガス供給ライン320を通じて供給されるガスの流量を調節する。
【0038】
プラズマ生成部400は工程チャンバー100の内部に高周波電力を印加して工程チャンバー100の内部に供給されたガスを励起させる。プラズマ生成部400はハウジング410、上部電源420、及びアンテナ430を含む。
【0039】
ハウジング410は底面が開放され、内部に空間が形成される。ハウジング410は密閉カバー120の上部に位置し、密閉カバー120の上面に置かれる。ハウジング410の内部は、アンテナ430が位置する空間となる。上部電源420は高周波電流を発生させ、発生した高周波電流はアンテナ430に印加される。アンテナ430は工程チャンバー100の内部に高周波電力を印加する。アンテナ430は、互いに異なる半径を有するリング形状のコイルを同心円状に配置することで形成される。
【0040】
排気部材500は、工程過程で発生した反応生成物や、工程チャンバー100の内部空間に留まるガスを工程チャンバー100の外部に排気する。排気部材500は排気管510、ポンプ520、及びバルブ530を含む。
【0041】
排気管510は工程チャンバー100の下部に位置し、工程チャンバー100の下端に連結される。排気管510はその内部に通路511が形成され、通路511は工程チャンバー100の内部に連結される。排気管510にはポンプ520が設置される。ポンプ520は排気管510を通じて工程チャンバー100の内部圧力を調節する。ポンプ520は工程チャンバー100で基板Wの処理工程が遂行される間に、工程チャンバー100の内部を、常圧より低い圧力に減圧することができる。
【0042】
排気管510とポンプ520との間の区間には、バルブ530が設置される。バルブ530は、排気管510の通路511(以下「排気管通路511」と称する)を開閉するものであり、また、排気管通路511の開放程度を調節して排気管510を通じて排気される流体の流量を調節することができる。ここで排気される流体の流量にしたがって、工程チャンバー100の内部圧力が調節される。バルブ530は第1収容部531、第2収容部533、プレート540、駆動器550、及びシーリング部材561、562、563を含む。
【0043】
第1収容部531は排気管510の一側に位置する空間である。第1収容部531の内部には第1収容空間532が形成される。第1収容空間532は、排気管510の通路511と連結される。第2収容部533は排気管510の他側に位置する。第2収容部533は排気管510を中心として、第1収容部531と対称に位置する。第2収容部533の内部には第2収容空間534が形成される。第2収容空間534は、排気管510の通路511と連結される。第1及び第2収容空間532、534はプレート540が移動できる空間を提供する。
【0044】
プレート540は第2収容空間534に位置する。図3に示すように、プレート540は概略円形状の板から成り、排気管通路511が開放される程度を調節する。プレート540は排気管通路511の開口面積より大きい面積を有する。プレート540は開放領域541と遮断領域545とを有する。開放領域541はプレート540の先端と隣接する領域に、排気管通路511の開口面積より狭い面積で形成される。開放領域541には複数個の排気ホール542が形成され、各排気ホール542は排気管510を流れるガスが通る通路となる。遮断領域545は開放領域541から延長され、排気管通路511の開口面積より広い面積を有する。遮断領域545には前記排気ホール542が形成されない。遮断領域545は排気管通路511内でガスの流れを遮断することができる。
【0045】
駆動器550は、第1及び第2収容空間532、534内でプレート540を移動させる。駆動器550は、開放領域541が第1収容空間532内に位置し、遮断領域545が排気管通路511に位置するようにプレート540を移動させることができる。そして、駆動器550は、開放領域541が排気管通路511に位置し、遮断領域545が第2収容空間534に位置するように、プレート540を移動させることができる。駆動器550は前後方向にプレート540を直線移動させるものであるが、これと異なり、駆動器550がプレート540の中心から偏心した回転軸を中心としてプレート540を回転移動させるものであってもよい。
【0046】
シーリング部材561、562、563はプレート540が排気管通路511を遮断する過程で、排気されるガスが外部に漏出されることを防止する。ここでのシーリング部材561、562、563は、シーリングリング561、駆動ロード562、及び弾性部材563である。
【0047】
シーリングリング561はリング形状を有し、排気管通路511内に位置する。シーリングリング561は排気管通路511と対応する半径を有し、プレート540の上部に位置する。シーリングリング561の外側面には突出部561aが形成される。突出部561aはシーリングリング561の周辺に沿って形成される。駆動ロード562は排出管510の収容空間512に位置し、その終端がシーリングリング561の突出部561aに連結される。弾性部材563は収容空間512内に位置し、駆動ロード562に弾性力を与える。プレート540が排気管通路511を遮断する場合には、外部駆動部の駆動力がシーリングリング561に提供され、シーリングリング561が下降する。シーリングリング561の底面はプレート540の遮断領域545の上面と接触する。シーリングリング561によって、排気管通路511を流れるガスが第1及び第2収容空間532、534に漏出することが防止され、排気管通路511が遮断される。シーリングリング561に対する外部駆動力の駆動力伝達が解除されれば、弾性部材563の弾性力によって、駆動ロード562とシーリングリング561とは上部に移動する。これによって、シーリングリング561とプレート540との接触が解除される。弾性部材563としてはスプリングが用いられる。
【0048】
図4はバルブが排気管通路を遮断する形態を示す図面である。
【0049】
図4に示すように、駆動器550の駆動によってプレート540は開放領域541が第1収容空間532に位置し、遮断領域545が排気管通路511内に位置する。外部駆動部によってシーリングリング561が下降してプレート540に接触し、これによって、排気管通路511でのガスGの流れが遮断される。
【0050】
バルブ530は工程圧力条件にしたがって排気管通路511を全部又は一部開放することができる。バルブ530は排気管通路511の開放程度を調節して、工程チャンバー100の圧力条件を調節することができる。
【0051】
図5はバルブが排気管通路511を開放する形態を示す図面である。
【0052】
図5に示すように、駆動器550の駆動によってプレート540の先端部が排気管通路511の中心領域に位置され、排気管通路511の一部が開放されるとき、プレート540の開放領域541は排気管通路511内に位置する。排気管通路511を流れるガスはその一部G1が排気管通路511の開放された領域511aに流れ、その残りG2が、プレート540の開放領域541に形成された排気ホール542を通じて流れる。ガスは排気管510の開放された領域511aのみでなく、プレート540の開放領域541にも流れるので、排気管通路511内でガスの流れが一方に偏向されない。ガスが排気管510の開放された領域のみに流れる場合、工程チャンバー100内のガスは排気管510に流入される過程で排気管510の開放された領域に偏向されて流れる。そのため、工程チャンバー100の内部でガス流れが不均一になって基板処理が領域によって異なるようになる。これに対して、本発明では、排気管通路511内でガスの流れが一側に偏向されないので、工程チャンバー100内のガスは均一に排気管510に流入されるようになる。
【0053】
以下、上述した基板処理装置を利用して基板Wを処理する方法について説明する。
【0054】
図2に示すように、バルブ530が排気管通路511を遮断することによって、工程チャンバー100の内部圧力は常圧状態に維持される。駆動器550は図4のように、プレート540の遮断領域545が排気管通路511に位置するようにプレート540を移動させる。ポンプ520の真空圧は、プレート540に遮断されて工程チャンバー100の内部に伝達されない。工程チャンバー100の内部圧力が常圧状態を維持する間に、工程チャンバー100の内部には基板Wが移送される。移送された基板Wは静電チャック200に支持される。
【0055】
基板Wが静電チャック200に支持されると、ガス供給部300を通じて工程チャンバー100の内部にガスが供給される。バルブ530は、工程圧力条件にしたがって排気管通路511の開放程度を異ならせる。バルブ530は、排気管通路511を全部開放するか、或いは排気管通路511を一部開放することができる。この排気管通路511の開放によって、ポンプ520の真空圧は工程チャンバー100の内部に伝達され、工程チャンバー100の内部圧力が減圧される。アンテナ430は、工程チャンバー100の内部に高周波電力を印加してガスをプラズマ状態に励起させる。励起されたガスは、基板W処理に提供された後に、排気管通路511を通じて工程チャンバー100の外部に排気される。
【0056】
図5のように、プレート540が排気管通路511を一部開放する場合、排気されるガスはその一部が排気管通路511の開放された領域511aに沿って流れ、残りは排気管通路511に位置されたプレートの540排気ホール542に沿って流れ、外部に排気される。
【0057】
図6は本発明の他の実施形態による排気部材を示す図面である。
【0058】
図6に示すように、排気管510には図2のバルブ530と異なり、2つのプレート540a、540bが設置される。第1プレート540aは、工程チャンバー100とポンプ520との間の区間で排気管510に設置される。第1プレート540aは開放領域541を有する。開放領域541は排気管通路511に相応する面積を有し、排気ホール542が形成される。排気ホール542は開放領域541に均一に形成される。第1駆動器550aは開放領域541が排気管通路511上に位置するか、或いは第1収容部531に位置するように、第1プレート540aを移動させる。
【0059】
第2プレート540bは、工程チャンバー100と第1プレート540aとの間の区間で排気管510に設置される。第2プレート540bは排気管通路511より大きい面積を有する。第2プレート540bには排気ホール542が形成されない。第2駆動器550bは、第2プレート540bが排気管通路511上に位置するか、或いは第2収容空間532に位置するように、第2プレート540bを移動させる。第2駆動器550bの駆動によって、第2プレート540bは排気管通路511を開閉する。
【0060】
第2プレート540bの上部にはシーリングリング561が位置する。第2プレート540bが排気管通路511を遮断する場合、シーリングリング561は下降して第2プレート540bと接触する。シーリングリング561は排気管通路511内のガスの外部への漏出を遮断するものであり、排気管通路511の遮断が解除されるときには、弾性部材563の弾性力によってシーリングリング561は上部に移動する。
【0061】
上述した第1及び第2プレート540a、540bによって排気管通路511が開閉されるか、或いは排気管通路511を通じて排気されるガスの流量が調節され得る。
【0062】
図6のように、第2プレート540bが排気管510の通路内に位置するときに、排気管通路511は遮断される。そして、第1プレート540aが第1収容部531内に位置し、第2プレート540bが第2収容空間532内に位置するときに、排気管通路511は開放される。
【0063】
また、図7のように、第2プレート540bが第2収容空間532内に位置し、第1プレート540aの開放領域541が排気管通路511内に位置するときに、ガスが外部に排気される。排気管通路511内のガスは、開放領域541の排気ホール542に沿って流れる。ガスは第1プレート540aの開放領域541全体を均一に流れるので、排気管通路511内でガスが偏向して流れることがない。
【0064】
また、第1プレート540aの開放領域541の一部が第1収容部531の内に位置し、残りが排気管通路511の内に位置するとき、排気管通路511の一部が開放される。この場合、排気管通路511内のガスは図5のように、一部が排気管510の開放された領域511aに流れ、残りは排気ホール542を通じて流れることで、ガスの流れが一方に偏向されないようになる。
【0065】
前記実施形態ではプレート540を円形状の板として説明したが、プレートの形状はこれに限定されず、多様に変形され得る。
【0066】
また、前記実施形態では基板支持部200を静電チャックとして説明したが、これと異なり、基板支持部200は多様な方法で基板Wを支持することができる。例えば、基板支持部200を、基板Wを真空で吸着維持する真空チャックとすることもできる。
【0067】
また、前記実施形態では基板処理工程を、プラズマを利用して蝕刻工程を遂行するものとして説明したが、基板処理工程はこれに限定されず、プラズマを利用する多様な基板処理工程、例えば蒸着工程、アッシング工程、及び洗浄工程等にも適用することができる。
【0068】
以上の説明は、本発明の技術思想を例示的に説明したものに過ぎず、当業者であれば、本発明の本質から逸脱しない範囲で多様な修正及び変形が可能である。したがって、開示した実施形態は本発明の技術思想を限定するものでなく、単に説明するためのものであって、このような実施形態によって本発明の技術思想の範囲は限定されない。本発明の保護範囲は特許請求の範囲によって解釈しなければならず、それと同等な範囲内にある全て技術思想は本発明の権利範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0069】
100 工程チャンバー
200 基板支持部
300 ガス供給部
400 プラズマ生成部
500 排気部材
510 排気管
520 ポンプ
530 バルブ
540 プレート
550 駆動器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板処理が遂行される空間を提供する工程チャンバーと、
前記工程チャンバーと連結され、前記工程チャンバー内のガスが外部に排気される通路を提供する排気管と、
前記排気管に設置されるポンプと、
前記工程チャンバーと前記ポンプとの間の区間で前記排気管に設置され、前記排気管の通路を開閉するバルブと、を含み、
前記バルブは、
複数の排気ホールが形成された第1プレートと、
前記複数の排気ホールが前記排気管の通路上に又は前記通路の外側に位置するように前記第1プレートを移動させる第1駆動器と、を含むことを特徴とする基板処理装置。
【請求項2】
前記第1プレートは、
前記複数の排気ホールが形成され、前記複数の排気ホールを通じて前記ガスが流れ得る開放領域と、
前記開放領域から延長され、前記排気管の通路内でガスの流れを遮断できる遮断領域と、を有し、
前記遮断領域の面積は前記排気管の通路面積より広いことを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記開放領域の面積は前記排気管の通路面積より狭いことを特徴とする請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記バルブは、
前記工程チャンバーと前記第1プレートとの間の区間で前記排気管に設置され、前記排気管の通路を開閉する第2プレートをさらに含み、
前記第2プレートには前記複数の排気ホールが形成されないことを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記第1プレートは前記排気管の通路に相応する面積を有し、前記複数の排気ホールが均一に形成された開放領域を有することを特徴とする請求項4に記載の基板処理装置。
【請求項6】
工程チャンバーの内部にガスを供給して基板を処理し、
前記工程チャンバーと連結された排気管を通じて前記工程チャンバーの内部に留まるガスを外部に排気し、
前記排気されるガスは前記排気管の通路に位置された第1プレートの複数の排気ホールを通過することを特徴とする基板処理方法。
【請求項7】
前記第1プレートは、前記複数の排気ホールが形成され、前記排気管の通路より小さい面積を有する開放領域を有し、
前記ガスが排気される間に、前記排気管の通路上には前記開放領域が位置し、前記排気されるガスの中で一部は前記複数の排気ホールを通じて流れることを特徴とする請求項6に記載の基板処理方法。
【請求項8】
前記工程チャンバーの内部にガスが供給される前に、前記排気管は遮断され、
前記排気管の遮断は、
前記複数の排気ホールが形成されず且つ前記排気管の通路より大きい面積を有する前記第1プレートの遮断領域が、前記排気管の通路上に位置することでなされることを特徴とする請求項7に記載の基板処理方法。
【請求項9】
前記排気管の領域の中で前記第1プレートと前記工程チャンバーのとの間の区間には、前記排気管の通路を開閉できる第2プレートが提供され、
前記ガスが排気される間に、前記第2プレートは前記排気管の通路を開放し、
前記ガスが前記工程チャンバーの内部に供給される前に、前記第2プレートは前記排気管の通路を遮断することを特徴とする請求項6に記載の基板処理方法。
【請求項10】
前記第1プレートは、前記複数の排気ホールが形成され、前記排気管の通路に相応する面積を有する開放領域を有し、
前記ガスが排気される間に、前記開放領域は前記排気管の通路上に位置することを特徴とする請求項9に記載の基板処理方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2013−16805(P2013−16805A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−147041(P2012−147041)
【出願日】平成24年6月29日(2012.6.29)
【出願人】(500376449)セメス株式会社 (61)
【氏名又は名称原語表記】SEMES CO., Ltd
【住所又は居所原語表記】278, Mosi−ri, Jiksan−eup, Seobuk−gu, Cheonan−si, Chungcheongnam−do 330−290, Republic of Korea
【Fターム(参考)】