説明

基板処理装置

【課題】基板色に拘わらず、感度調整などの設定調整作業が不要であり、かつ透明基板などについても高精度に検出可能な検出装置を有する基板処理装置を提供することを目的とする。
【解決手段】基台と、前記基台上に設けられる搬送路に沿ってプリント基板を直接的、或いは板状の基板支持体を介して間接的に搬送する搬送装置と、前記プリント基板、及び前記基板支持体を搬送対象物と定義したときに、前記搬送路上にて設定された検出位置における前記搬送対象物の有無を検出する検出装置と、前記搬送装置によって前記基台上の作業位置に搬入された前記プリント基板に対して半田ペーストの印刷、接着剤の塗布、電子部品の実装、基板検査など予め決められた処理を実行する実行部と、を備えた基板処理装置であって、前記検出装置は、超音波を送波する送波動作とその反射波を受波する受波動作を行う超音波センサ30と、これと対をなす反射体RFと、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上流側から搬入されるプリント基板に対して、半田ペーストの印刷、接着剤の塗布、電子部品の実装、基板検査など予め決められた処理を実行し、処理済みのプリント基板を下流側に搬出する基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、印刷機、ディスペンサ、表面実装機、リフロー装置などの各種基板処理装置を一列状に配置して製造ラインを構築し、プリント基板に、半田ペーストの印刷処理、接着剤の塗布処理、電子部品の実装処理、基板検査処理、リフロー処理の各処理を順に行うことで、実装基板を製造することが広く行われている。この種の基板処理装置においては、プリント基板を目的の作業位置に搬送、及び隣接する装置との間にて受け渡す必要があり、プリント基板搬送用の搬送装置を備えている。そして、搬送装置に光学式のセンサを付設してプリント基板の搬送状況を検出することで、搬送装置を制御している(下記特許文献1〜3参照)。
【特許文献1】特開2005−93765公報
【特許文献2】特開2005−45140公報
【特許文献3】特開平6−211334号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
光学式のセンサを用いてプリント基板の検出を行うものでは、以下の問題点がある。
(a)プリント基板の種類は多様であり、基板の種類に応じて基板色もそれぞれ異なる。基板色が異なると、それに応じて光の吸光度が変わるので、投光側の出力調整、受光感度の調整などの設定調整作業を行う必要があり、手間がかかる。
(b)透明基板の検出が不可能である。
(c)透明基板以外であってもプリント基板に反りがある場合には、光の反射方向が変わってしまうので、基板の検出を高精度に行うことが出来ない。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、基板色に拘わらず、感度調整などの設定調整作業が不要であり、かつ透明基板などについても高精度に検出可能な検出装置を有する基板処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、基台と、前記基台上に設けられる搬送路に沿ってプリント基板を直接的、或いは板状の基板支持体を介して間接的に搬送する搬送装置と、前記プリント基板、及び前記基板支持体を搬送対象物と定義したときに、前記搬送路上にて設定された検出位置における前記搬送対象物の有無を検出する検出装置と、前記搬送装置によって前記基台上の作業位置に搬入された前記プリント基板に対して半田ペーストの印刷、接着剤の塗布、電子部品の実装、基板検査など予め決められた処理を実行する実行部と、を備えた基板処理装置であって、前記検出装置は、反射面を有し前記検出位置の下方に設置される第一反射体を少なくとも備えた一以上の反射体より構成される反射体群と、超音波を送波する送波器としての機能と超音波を受波する受波器としての機能を、電気的振動と機械的振動を相互に変換する単一個の圧電振動子により共用させた超音波センサと、を備え、前記圧電振動子から出射された前記超音波を前記反射体群を構成する各反射体の反射面にて反射させつつ前記検出位置にある前記搬送対象物に対して入射させ、かつ前記搬送対象物にて反射した超音波を前記反射面にて再度反射させつつ前記圧電振動子に入射させるところに特徴を有する。
【0005】
この発明の実施態様として、以下の構成としておくことが好ましい。
・前記作業位置にて、前記プリント基板を直接的にバックアップするか、或いは前記基板支持体を介して間接的にバックアップするバックアップ装置が備えられ、かつ前記作業位置内において前記検出位置が設定されたものにおいて、前記搬送対象物の搬送方向をX方向とし、水平面内において前記X方向に直交する方向をY方向とし、上下方向をZ方向と定義したときに、前記第一反射体の反射面にて前記超音波をY方向からZ方向、Z方向からY方向に概ね90度反射させる構成とする。このようにしておけば、バックアップ装置の配置スペースに対してY方向に位置をずらした領域に前記超音波センサを配置することが可能となり、バックアップ装置の配置スペース、引いてはプリント基板のバックアップスペースが十分確保できる。
【0006】
・前記超音波センサの検出信号に基づいて、前記搬送装置及びそれに付属される装置の駆動、或いは前記実行部の駆動を制御する制御手段を、備える。このような制御手段を設けることで、搬送装置、実行部を、搬送対象物の搬送状態に合わせて制御できる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、搬送対象物の検出に超音波センサを用いている。超音波であれば、空気の振動を遮るような障害物は、表面色(透明も含む)が異なっても同じように反射するので、従来では必要であった設定調整作業を廃止できる。加えて、本発明のものは、検出位置と超音波センサとの間に反射体群を介在させている。このようにしておけば、超音波センサに関し配置の自由度が増し、さらには、残響の影響により通常は困難な、近距離検出が可能となる。
【0008】
というのも、反射体群を何ら設けない場合、超音波センサは、第一反射体が設置される検出位置の真下に設置されることとなるが、検出位置の下方には基台が位置しており、搬送対象物との相対距離を十分に確保出来ない状況にある。その一方、例えば、両面実装の基板では、基板裏面にコンデンサなどの大型電子部品を実装した基板を搬送装置により搬送するケースがあり、この場合、超音波センサに対して障害物(大型電子部品)が極近距離に位置する状況となる(図10の(a)参照)。すると、圧電振動子が超音波を送波した直後の、残響の影響を受ける時間帯に、大型電子部品にて反射した反射波が受波されてしまい、検出を正しく行うことが出来ない。
【0009】
この点、本実施形態のものは、検出位置と超音波センサとの間に反射体群を設けており、超音波を反射体で反射させる分、搬送対象物から超音波センサまでの距離を長く確保できる。そのため、上記のように基板裏面に大型電子部品が実装されているケースであっても、大型部品と超音波センサとの間の距離が有る程度、確保できるので、残響の影響を受けることなく当該基板の有無を検出できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図13によって説明する。図1は表面実装機の平面図、図2は図1中のA−A線断面図、図3は図2をC方向から見た図である。本表面実装機1はプリント基板(以下、単に基板)Pに対して電子部品Bを実装する装置であり、図1にて示すように、上面が平らな基台10上に各種装置(基板Pを搬送する搬送コンベア20、基板P上に電子部品Bを実装する実装作業装置100)を配置してなる。
【0011】
尚、以下の説明において、基台10の長手方向(図1、図3の左右方向)をX方向と呼ぶものとし、Y方向、Z方向をそれぞれ図1〜3の向きに定めるものとする。また、図1において右手側を上流側(作業対象となる基板Pの搬入側)、左手側を下流側(作業済みの基板Pの搬出側)として説明を行う。
【0012】
1.基板Pを搬送するコンベア及びそれに付属する装置
基台10はX方向に長い長方形状をなしており、中央に搬送コンベア(以下、単にコンベアと呼ぶ)20を配置し、また、上流側にあたる基台10の右端に搬入コンベア12を、下流側にあたる基台10の左端に搬出コンベア13を配置している。これら3つのコンベア12、13、20は互いに段差なく連続しており、作業対象となる基板PをX方向(図1の右側から左側)に順々に送ることが出来る構成となっている。ここでは、図2を参照して、基台10の中央に設置される搬送コンベア20の構成について説明するものとする。
【0013】
搬送コンベア20は基台10上にて基板Pの搬送路Lcを形成するものであって、側壁体21、搬送ベルト25、及びコンベアモータ27を主体に構成されている。側壁体21は図2に示すようにY方向に向かい合う一対からなり、図3にて示すようにX方向に延びている。そして、各側壁体21の内周面であって、上部寄りの位置には一対のローラ23を掛け渡して搬送ベルト25が取り付けられている。両側壁体21の搬送ベルト25は、コンベアモータ27の作動により、X方向(図3の左右方向)に循環駆動する構成となっている。このような構成とすることで、ベルト上面の基板PをX方向に搬送できるようになっている。
【0014】
また、図1に示す符号50は基板ストッパ、符号60はバックアップ装置である。基板ストッパ50は基台中央のやや左手側に配置され、シリンダ駆動などにより図3に示す下降位置と、図4に示す上昇位置に昇降操作可能なストッパピン51を備える。
【0015】
図3に示す下降位置では、ストッパピン51のピン先端が搬送される基板Pの高さより下方に位置する結果、基板Pは基板ストッパ50の上方を通過可能となる。その一方、図4に示す上昇位置では、ストッパピン51のピン先端が、搬送される基板Pの高さより高くなる結果、搬送される基板Pがストッパピン51に突き当たってその位置、すなわち基台中央の実装作業位置(本発明の「作業位置」に相当)にて停止される構成となっている。
【0016】
バックアップ装置60は基台中央の実装作業位置に取り付けられており、多数個のバックアップピン61を起立状態に保持したバックアッププレート65と、同バックアッププレート65を昇降させる昇降軸71を備えた昇降装置70とから構成されている。
【0017】
バックアッププレート65は昇降装置70の作動により、図2に示す下降位置と、図5に示す上昇位置とに変位可能となっている。
【0018】
バックアッププレート65を図2に示す下降位置に位置させると、コンベア上を搬送される基板Pの下方において、各バックアップピン61が、基板Pから所定距離隔てた離間状態となる。その一方、バックアッププレート65を図5に示す上昇位置に移動させると、バックアップピン61が基板下面の中央を下から持ち上げてバックアップしつつ、実装作業位置にて停止した基板Pを側壁体21の上部に取り付けられたガイド片29との間に挟み付けて保持する構成となっている。
【0019】
2.センサユニットSUと検出原理
図1に示す符号SU(SUF、SUC、SURの総称)はセンサユニットである。センサユニットSUは、上記コンベア12、20、13により基台10上を搬送される基板Pを検出するものであって、超音波センサ30と反射体RFとを主体に構成されている。
【0020】
超音波センサ30は検出動作を行うセンサ本体31を備えている。センサ本体31の構成は図6に示す通りであり、下部に基板部を取り付けた金属製のケーシング35内に、電気的振動と機械的振動を相互に変換する圧電セラミック振動子(本発明の「圧電振動子」に相当)32を収容したものである。そして、ケーシング下部の基板部から端子34が引き出されており、この端子34と圧電セラミック振動子32との間がリード線Qにて接続されている。
【0021】
係る圧電セラミック振動子32は超音波を送波する送波器としての機能と、超音波を受波する受波器の機能を兼用しており、高い周波数の電圧を印加すると圧電効果により超音波を送波し、また超音波を受波すると、そのレベルに応じた電気信号(以下、検出信号Srと呼ぶ)を出力する。尚、本実施形態では、ケーシング35の上面壁35Aの下面に、圧電セラミック振動子32を密着させた状態で配置しており、上面壁(以下の説明において、出射面とも呼ぶ)35Aが圧電セラミック振動子32と共に振動部を構成している。また、本実施形態では、指向性のよい、いわゆる高周波(300kHz〜400kHz)のもの使用することとしている。
【0022】
係るセンサ本体31は、図2にて示すように、側壁体21に対して超音波の出射軸Ltを水平方向(Y方向内側)に向けて取り付けられている。具体的には、側壁体21に設けられる挿通孔21A内にセンサ本体31の全体を収めるようにしてあり、ブラケット36介して側壁体21に取り付けられている。
【0023】
そして、ブラケット36にはY方向内側(搬送路Lcの中央に向かう側)に延びる固定プレート38が取り付けられており、その先端部に反射体RFが固定されている。係る反射体RFは鉄などの金属製であって、図7にて示すようにX方向においてセンサ本体31の正面となる位置にあり、図2にて示すようにY方向において搬送路Lcの幅内(コンベア上を搬送される基板Pの端部に対応させた位置)に位置している。係る反射体RFは、固定プレート38上において、出射軸Ltにして反射面Fを約45度(図中の角度θ=45度)傾けて、固定してある。
【0024】
以上のことから、センサ本体31から出射した超音波を反射体RFの表面にて概ね90度反射させつつ、基板Pの裏面に垂直に入射させることが出来、また基板Pにて反射された反射光を同じ経路を逆に辿ってセンサ本体31に入射させることが可能となる。
【0025】
具体的に説明すると、センサ本体31からY方向内側(図2の右側)に向けて出射された超音波は、反射体RFにてZ方向(図2の上側)に反射される。そして、図2の上側に反射された超音波は基板Pに垂直に入射する。その後、超音波は基板Pにて下方に反射する。そして、下側に反射された反射波は反射体RFにてY方向外側(図2の左側)に反射され、センサ本体31に向かい、受波されることとなる。
【0026】
これにより、搬送路Lc上であって反射体RFの真上となる位置に基板Pが停止、或いは通過途中であれば、図8にて示すように、超音波を送波した時刻T0から一定時間遅れた時刻Tsamに、その反射波が受波される。一方、搬送路Lc上であって反射体RFの真上となる位置に基板Pが停止してない、或いは通過途中でない場合には、超音波は上方に抜けるから、反射波は受波されない。以上のことから、反射波が受波されるか否かに基づいて、搬送路Lc上における基板Pの有無を検出できる。
【0027】
ここで、センサ本体31を例えば、図9にて示すように、基板Pの真下(例えば、反射体RFの取り付け位置)に配置しても同様の検出を行うことが実施可能であるが、本実施形態のものは、上記したように、検出対象たる基板Pとの間に反射体RFを介在させており、上記図9の配置例に比べて、センサ本体31から出射された超音波が基板Pに至るまでの幾何学的な移動経路の長さ(以下、単にセンサ本体31から基板Pまでの距離Lと呼ぶ)を長くとっている。
【0028】
すなわち、図9のものでは、センサ本体31から基板Pまでの距離Lが、距離L1であるところ、本実施形態のものでは、図2にて示すように、センサ本体31から基板Pまでの距離Lが、上記距離L1に反射体RFからセンサ本体31までの距離L2を加えたL1+L2となっており、図9のものに比べて距離L2だけ長くなっている。
【0029】
このような構成とすることで図10にて示すように、基板Pの裏面に大型電子部品B1が実装(上流側の表面実装機などにて実装)されているケースであっても、基板Pの検出が可能となる。
【0030】
より具体的に説明すると、超音波を送波してから、その反射波を受波するまでの受波時間Tは下記の(1)式にて求めることが出来、センサ出射面35Aから障害物(ここでは、基板P)までの距離Lに比例する。
T=2×L/V・・・・・・・・・・・・・・・(1)式
尚、Vは音速であり、約343m/Sである。
【0031】
従って、距離Lが短ければ、送波直後に、反射波が受波される。その一方、図8に示すように、送波直後の所定時間t2は、いわゆる残響(圧電セラミック振動子32の、送信動作後の残留振動)があり、反射波が受波されたとしても、残響と区別できず、これを検出することが出来ない。
【0032】
この点、本実施形態では、センサ本体31から基板Pまでの距離Lを長めに設定してあるから、基板Pの裏面に大型電子部品B1が装着されていたとしても、センサ本体31から大型電子部品B1までの距離をある程度確保できる。よって、大型電子部品B1で反射した反射波の受波タイミングが、残響の発生する時間帯t2に重なることがなく、大型電子部品B1が実装された基板Pも無理なく検出できる。
【0033】
尚、反射体RFからセンサ本体31の出射面35Aまでの距離L2を(2)式を満たす数値に設定しておけば、反射波の受波タイミングを、残響の発生する時間帯t2からほぼ確実に、外すことが出来る。
【0034】
L2>(V×t2)/2・・・・・・・・・・・(2)式
【0035】
また、本実施形態では、図10の(b)に示すように、バックアップ装置60の配置スペースUを避けた位置(より具体的にはY方向に位置をずらしている)にセンサ本体31を配置している。このようにしておけば、バックアップピン61の配置スペースD1を、図10の(a)のそれ(配置スペースD2)に比べて広く確保することが可能となり、この点も効果的である。
【0036】
そして、本実施形態では、上記した超音波センサ30と反射体RFとを備えたセンサユニットSUを、図1にあるように基台右端、基台中央、基台左端の合計3箇所に設置しており、基板Pの搬送路Lc上に設定された各検出位置K1〜K3における基板Pの有無を検出することとしている。
【0037】
3.実装作業を実行する実装作業装置100及びそれに付属する装置
図1に示すように、基台10上であって、実装作業位置の周囲4箇所には部品供給部80が設けられ、そこには部品供給装置としてのフィーダ85がX方向に整列状に設置されている。各フィーダ85は、部品供給テープが巻回されたリール(不図示)、リールから部品供給テープを引き出す電動式の送出装置(不図示)などから構成されている。
【0038】
部品供給テープには電子部品Bが一定間隔にて保持されており、送出装置を駆動させると、部品供給テープの引き出しに伴い、電子部品Bが一つずつ供給される。そして、供給された電子部品Bは、次に説明する実装作業装置100により、実装作業位置上にてバックアップ装置60によりバックアップされた基板P上に実装される構成となっている。
【0039】
また、基台10上であって搬送コンべア20のY方向の両側には、部品認識カメラ95が一対設置されている。この部品認識カメラ95は、吸着ヘッド185により吸着保持された電子部品Bを撮影するためのものである。
【0040】
実装作業装置100は電子部品Bを吸着保持する吸着ヘッド185と移動装置130と、から構成されている。本移動装置130はXYZの直交する3つの駆動軸145、155、165を備えた直交座標ロボットであり、これら3つの駆動軸145、155、165を複合的に駆動させることで、吸着ヘッド185を基台10上の任意位置に移動操作する。
【0041】
具体的に説明してゆくと、図1に示すように基台10上には一対の支持脚141が設置されている。両支持脚141は実装作業位置の両側(X方向両側)に位置しており、共にY方向(図1では上下方向)にまっすぐに延びている。
【0042】
両支持脚141にはY方向に延びるガイドレール(Y方向案内軸)142が支持脚上面に設置されると共に、これら左右のガイドレール142に長手方向の両端部を嵌合わさせつつヘット支持体151が取り付けられている。
【0043】
また、図1において右側の支持脚141にはY方向に延びるY軸ボールねじ軸(Y方向駆動軸)145が装着され、更にY軸ボールねじ軸145にはボールナット(不図示)が螺合されている。そして、Y軸ボールねじ軸145の軸端部にはY軸モータ147が設けられている。
【0044】
同Y軸モータ147を通電操作すると、Y軸ボールねじ軸145に沿ってボールナットが進退する結果、ボールナットに固定されたヘッド支持体151、ひいては次述するヘッドユニット160がガイドレール142に沿ってY方向に水平移動する(Y軸サーボ機構)。
【0045】
図11に示すように、ヘッド支持体151にはX方向に延びるガイド部材(X方向案内軸)153が設置され、更に、ガイド部材153に対してヘッドユニット160が、移動自在に取り付けられている。このヘッド支持体151には、X方向に延びるX軸ボールねじ軸(X方向駆動軸)155が装着されており、更にX軸ボールねじ軸155にはボールナットが螺合されている。
【0046】
そして、X軸ボールねじ軸155の軸端部にはX軸モータ157が設けられており、同X軸モータ157を通電操作すると、X軸ボールねじ軸155に沿ってボールナットが進退する結果、ボールナットに固定されたヘッドユニット160がガイド部材153に沿ってX方向に移動する(X軸サーボ機構)。
【0047】
従って、X軸サーボ機構、Y軸サーボ機構を複合的に制御することで、基台10上においてヘッドユニット160を水平方向(XY方向)に移動操作出来る構成となっている。
【0048】
係るヘッドユニット160は図12にて示すように支持ブラケット163を備えており、係る支持ブラケット163には軸を上下に向けてZ軸ボールねじ軸(Z方向駆動軸)165が取り付けられている。そして、Z軸ボールねじ軸165にはボールナット171が螺合してあり、係るボールナット171に対して吸着ヘッド185が装着されている。尚、このボールナット171は不図示のガイド手段によりヘッドユニット160に回り止めされている。
【0049】
そして、Z軸モータ167を通電操作すると、Z軸ボールねじ軸165に沿ってボールナット171が上下する結果、ボールナット171に固定された吸着ヘッド185を、ヘッドユニット160に対して昇降操作出来る構成となっている。
【0050】
また、吸着ヘッド185の先端には吸着ノズル186が設けられている。吸着ノズル186は図外の負圧手段から負圧が供給されるように構成されており、ヘッド先端に吸引力を生じさせるようになっている。
【0051】
以上のことから、ヘッドユニット160を部品供給部80と基台中央の実装作業位置との間を往復移動させつつ、吸着ヘッド185を適宜昇降操作することにより、部品供給部80から電子部品Bを取り出すことが出来、かつ取り出した電子部品Bを実装作業位置にてバックアップされた基板P上に実装できる。
【0052】
尚、本実施形態のものは、上記吸着ヘッド185がヘッドユニット160にX方向に列をなして複数本設けられており、部品供給部80から複数個の電子部品Bを同時に取り出すことが出来る構成となっている。また、各吸着ヘッド185はヘッドユニット160に付設されるR軸モータ(不図示)の駆動により、各吸着ヘッド185ごとに軸周りの回転動作が可能な構成となっている。
【0053】
4.装置の電気的構成
表面実装機(超音波センサ30を除く)1は、装置全体がコントローラ200により制御されている。コントローラ200は図13にて示すように、CPU等により構成される演算処理部211、記憶装置212、モータ制御部213、画像処理部214、及び入出力部215を備えてなる。
【0054】
記憶装置212には実装作業を行う実装作業装置100を制御するための実装プログラム及び、搬入コンベア12、搬送コンベア20、搬出コンベア13を制御するための各種データが格納されると共に、演算処理部211が各種演算を行う際の各情報を一時記憶させておくための作業領域が割り当てられている。
【0055】
モータ制御部213は演算処理部211の指令の下、各モータを通電制御するものであり、実装作業装置100を構成するX軸モータ157、Y軸モータ147、Z軸モータ167、及び各コンベア12、20、13を駆動させる各コンベアモータ27が電気的に連なっている。
【0056】
また、入出力部215には超音波センサ30のセンサ制御装置40が電気的に連なっている。センサ制御装置40の電気的構成は図13にて示す通りであり、センサ制御部41、送信回路部43、受信回路部45、入出力部49などを備えてなる。
【0057】
各部の機能について説明すると、送信回路部43はセンサ制御部41の指令の下、圧電セラミック振動子32に高周波の電圧を印加して、圧電セラミック振動子32から超音波を送波させるものである。また、受信回路部45はセンサ制御部41の指令の下、超音波の受信動作を行うものであり、圧電セラミック振動子32から出力される電気信号(検出信号Sr)を増幅、A/D変換等して出力する。
【0058】
センサ制御部41は上記送信回路部43と、受信回路部45とを交互に切り替え制御しつつ、超音波センサ本体31に超音波を送波する送波動作と超音波を受波する受波動作を選択的に行わせるものである。
【0059】
また、センサ制御部41は上記した動作の切り替えと共に、受信回路部45を通じて取り込まれる検出信号Srのレベルに基づいて検出位置における基板Pの有無を検出し、その結果を入出力部49を通じて表面実装機1に通知(出力信号の出力)する構成となっている。
【0060】
尚、図13には、超音波センサ30を1つだけ示してあるが、本実施形態では、図1中にもあるように基台上に3つのセンサユニットSUF、SUC、SURを設けてあり、実際にはこれら3つのセンサユニットSUF、SUC、SURの各超音波センサ30が、コントローラ200の入出力部215に対してそれぞれ電気的に連なっており、各超音波センサ30から表面実装機1に対して出力信号(「基板ありの場合」はON信号、「基板なし」の場合はOFF信号)が通知される構成となっている。
【0061】
5.表面実装機1における一連の作業
表面実装機1は、入出力部215を通じて各センサユニットSUF、SUC、SURを構成する各超音波センサ30から出力される出力信号を取り込み、実装機を構成する各装置を適宜制御する。例えば、作業対象となる基板Pを搬入コンベア12を介して基台10上に搬入するときに、図1にて示す基台右端に設置された超音波センサ(すなわちセンサユニットSUF)30からON信号が出力されることをもって基板Pの搬入を確認し、その後、コントローラ200の制御下のもと、基台10上にて停止状態にある搬送コンベア20が駆動開始される。これにより、搬入コンベア12を介して搬入された基板Pは基台中央に送られてゆく。
【0062】
その後、基台中央の超音波センサ(すなわちセンサユニットSUC)30の出力信号がOFF信号→ON信号に切り替わる(基板なしの判定状態から基板有りの判定状態に切り替わる)と、その後、コントローラ200の制御下のもと、搬送コンベア20を減速させる処理が行われる。
【0063】
これにより、基板Pは減速されつつ、基台中央の実装作業位置に向かう。そして、基板先端が上昇位置にあるストッパピン51に突き当たり、作業対象となる基板Pは実装作業位置にて停止する。その後、基台中央の超音波センサ(すなわちセンサユニットSUC)30の出力信号がON信号となっていることを条件に、コントローラ200の制御下のもとバックアップ装置60が作動して、基板Pがバックアップされ、次いでバックアップされた基板Pに対する電子部品Bの実装作業が、コントローラ200の制御下のもと実装作業装置100により行われることとなる。
【0064】
また、実装作業が完了すると、次いで、上昇位置にあるストッパピン51が下降位置に変位操作され、その後、搬送コンベア20が駆動される。これにより、部品実装済みの基板Pが実装作業位置から搬出されてゆく。このとき、基台中央の超音波センサ(すなわち、センサユニットSUC)30の出力信号がON信号からOFF信号に切り替ることをもって、実装作業位置から基板Pが搬出されたことを確認できる。
【0065】
そして、上記基板Pの搬出が確認されると、コントローラ200の制御下のもと、再び、ストッパピン51が下降位置から上昇位置に変位操作(次に実装作業を行う新規基板Pを実装作業位置にて停止させるための準備動作)される。
【0066】
また、基台左端の超音波センサ(すなわちセンサユニットSUR)30からON信号が出力されることをもって基板Pが基台10の左端まで送られたことを確認出来、その後、コントローラ200の制御下のもと、停止状態にある搬出コンベア13が駆動開始される。これにより、部品実装済みの基板Pは、搬出コンベア13を介して隣接する他の装置(例えば、リフロー装置など)に搬出される。
【0067】
6.本実施形態の効果
本実施形態によれば、基板Pの検出に超音波センサ30を用いている。超音波であれば、空気の振動を遮るような障害物は、障害物の表面色(透明/不透明も含む)が異なっても同じように反射するので、基板Pの色に応じた設定調整作業を廃止できる。
【0068】
加えて、本実施形態のものは、超音波センサ30から送波された超音波を反射体RFによって反射させつつ基板Pに入射させ、その反射波を反射体RFを経由して超音波センサ30にて受波している。このような構成とすることで、超音波の進む経路をある程度自由に設定できる結果、超音波センサ30の配置位置の自由度が増し、図10の(a)に示す位置に超音波センサ30を設置する場合に比べて、センサ本体31から基板Pまでの距離Lを長めに設定できる。
【0069】
このような構成としておけば、基板Pの裏面に大型電子部品B1が実装されていたとしても、センサ本体31から大型電子部品B1までの距離をある程度確保できる。よって、大型電子部品B1で反射した反射波の受波タイミングが、残響の発生する時間帯t2に重なることがなく、大型電子部品B1が実装された基板Pも無理なく検出できる。
【0070】
そのため、各検出位置における基板Pの有無を正確に把握でき、基板Pの搬送制御、基板Pに対する部品実装制御を円滑に行うことが可能となる結果、表面実装機1を高稼働率にて稼動できる。
【0071】
<実施形態2>
実施形態1では、本発明の基板処理装置の一例として、基板Pに電子部品Bを実装する表面実装機1を例示したが、実施形態2では基板処理装置の一例として、基板Pに半田ペーストを印刷する印刷機300を例示するものである。以下、印刷機300の構成を図14〜図19を参照しつつ簡単に説明する。尚、以下の説明において、基板搬送方向(図14における左右方向)をX方向と呼ぶものとする。また、Y方向、Z方向をそれぞれ図14、図15の向きに定める。
【0072】
印刷機300は、上面がフラットな基台310を備える。基台10の外周部にはフレーム310Aが設けられると共に、基台310上にはフレーム310Aの内側に位置して印刷作業装置320が取り付けられている。
【0073】
印刷作業装置320は支持部材321、スキージヘッド支持フレーム340、Y軸移動装置327、スキージヘッド331、スキージ335などから構成されている。順に説明してゆくと、図15に示すように、支持部材321はX方向の両側に一対設置されると共に、基台310上においてY方向に延びておりY方向の前後両端部を支柱315によって支えられている。
【0074】
両支持部材321の上面壁にはY方向に延びるレール323が設置されている。これら左右の支持部材321上には、レール323に端部下面の受け部343を嵌合させつつ、スキージヘッド支持フレーム340が横向きに設置されている。そして、図15において左方側の支持部材321上には、モータ325と同モータ325を駆動源とするY軸移動装置(ボールねじ328とボールナットからなる)327が設置されている。
【0075】
これにより、モータ325を通電操作するとY軸移動装置327が作動して、スキージヘッド支持フレーム340をレール323に沿ってY方向に進退させるようになっている。
【0076】
尚、図15では省略してあるが、上記スキージヘッド支持フレーム340のX方向の中央には、スキージヘッド331に支持されつつスキージ335が取り付けられている(図14参照)。スキージ335はX方向に水平に延びる横長な形状をなし、昇降可能とされている。
【0077】
そして、スキージ335の下方にはマスク保持装置350を介してマスクMが取り付けられるようになっている。マスクMは、金属製の角パイプを枠状に形成したマスク枠M1の底面側に、テンショナーM2を介して、薄板に印刷用の開口(図略)を形成したステンシルM3を取り付けたものである(図16参照)。
【0078】
次に、基板支持ユニット400の説明を行う。基板支持ユニット400はテーブル410、テーブル420、テーブル430、テーブル440、テーブル450を下から順に積み上げた構成とされる(図14参照)。
【0079】
図17に示すように、4段目のテーブル440上には、最上段の5段目のテーブル450を間に挟むようにしてY方向の両側に搬送ベルト471が設置されている。両搬送ベルト471は共にX方向に水平に延びており、支持部480A、480Bによって支持されている。係る基板搬送ベルト471はX方向に循環駆動可能とされ、印刷対象の基板PをX方向に搬送する基板搬送コンベア470を構成している。
【0080】
また、両支持部480A、480B上には、基板クランプ片480C、480Dがそれぞれ設置されている。図17において上側に位置する装置奥側の基板クランプ片480Dは支持部480Bに対してY方向にスライド可能とされており、テーブル450上に運ばれてきた基板Pを相手側の基板クランプ片480Cと共にY方向の両側から挟んで保持する機能(図19の(a)、(b)参照)を担っている。
【0081】
そして、4段目のテーブル440上には、3つのセンサユニットSUF、SUC、SURが、テーブル右端寄りの位置と、テーブル中央寄りの位置と、テーブル左端の位置にそれぞれ取り付けられており、基板搬送コンベア470上を運ばれる基板Pの有無を検出する構成となっている。尚、これら3つのセンサユニットSUF、SUC、SURは、実施形態1にておいて表面実装機1に搭載したものと同じものであり、各センサユニットSUは、超音波センサ30とこれと対をなす反射体RFとから構成されている(図19参照)。
【0082】
図17に戻って説明を続けると、最上段にあたる5段目のテーブル450上には、ピン保持孔(不図示)を行列状に配置したバックアッププレート490が設置されている。このバックアッププレート490上には、ピン保持孔にピン端部を挿通させつつ、バックアップピン495が複数本起立保持されている。
【0083】
さて、基板支持ユニット400を構成する5つのテーブル410〜450はいずれも可動テーブルとなっている。順に説明してゆくと、基台310上にはY方向に延びるYレール311が4本設置されている(図17では省略してある)。そして、これらYレール311上に、テーブル下面に設けられたレール受け部413を嵌合させつつ、初段のテーブル410が乗っている。これにより、図外のY軸サーボ機構を作動させると、初段のテーブル410を含む基板支持ユニット400の全体をYレール411に沿ってY方向に移動できる。
【0084】
初段のテーブル410はX方向に延びる横長な形状とされ、テーブル上面にはX方向に延びるXレール415が2本設置されている。そして、これらXレール415上に、テーブル下面に設けられたレール受け部423を嵌合させつつ、2段目のテーブル420が乗っている。
【0085】
これにより、図外のX軸サーボ機構を作動させると、2段目のテーブル420をレールに沿ってX方向に移動できる。以上のことから、初段のテーブル410と2段目のテーブル420を複合的に動作させることで、基板支持ユニット400を基台310上における任意の位置に水平移動させることが出来る。
【0086】
2段目のテーブル420上には回転機構425が設けられている。回転機構425は回転用サーボ機構(図略)の動力を得て駆動し、3段目のテーブル430を回転させる。また、3段目のテーブル430と4段目のテーブル440の間、4段目のテーブル440と5段目のテーブル450の間にそれぞれ昇降装置(不図示)が設けられており、4段目のテーブル440、5段目のテーブル450がそれぞれ独立して昇降できるようになっている。
【0087】
そして、当実施形態のものは、4段目のテーブル440、5段目のテーブル450をいずれも下降した状態(以下、基板搬送姿勢と呼ぶ)にセットしておくと、バックアップピン495が基板搬送コンベア470の下方に位置すると共に、基板搬送コンベア470のレール高さが、当印刷機300に隣接する他の装置(検査装置や、実装機など)に設けられるレールと同じ高さとなる。
【0088】
従って、基板搬送姿勢にある基板支持ユニット400を水平移動させつつ、基台310の端に移動させると、図17にて示すように、基板搬送コンベア470を隣接する装置に設けられるコンベア700に段差なく連続させることができ、同コンベアを通じて印刷対象の基板Pを、隣接する他の装置との間で受け渡すことが出来る。
【0089】
尚、本実施形態のものは、既に説明を行ったように、4段目のテーブル440のX方向両側に位置するセンサユニットSUF、SURを配置しており、これらセンサユニットSUF、SURの超音波センサ30の出力信号を基に、基板Pの受け渡しが確実になされたか否かを、演算制御部511(図18参照)にて確認できる構成となっている。
【0090】
印刷機300の電気的構成は図18に示す通りであり、演算制御部511、記憶装置512、入出部515などを備え、演算制御部511に対して基板支持ユニット400、実装作業装置320、より具体的にはこれら各装置400、320を駆動させるアクチュエータ(モータなど)が電気的に連なっており、演算制御部511の制御下のもと、各装置400、320が制御される構成となっている。
【0091】
次に、図19を参照して、基板受け渡し後に実施される当印刷機300による印刷動作を簡単に説明する。印刷対象の基板Pは上流側の装置より搬入された後、ベルト駆動によって基板搬送コンベア470上をX方向左側へと運ばれ、基板ユニット中央の基板停止位置に停止される(図19の(a))。
【0092】
その後、基台中央の超音波センサ(すなわち、センサユニットSUC)30の出力信号がON信号となっていることを条件に、演算制御部511の制御下のもと、5段目のテーブル440を昇降させる処理が行われ、下降状態にあったテーブル450、ひいてはバックアップピン495が持ち上げられてゆく。
【0093】
そして、上昇動作の過程でバックアップピン495の上端が、基板停止位置にある基板Pの下面に当接し、印刷対象の基板Pを持ち上げる。これにより、印刷対象の基板Pは、基板搬送コンベア470から浮いた状態となり、搬送コンベア470から切り離される。
【0094】
そして、テーブル450の昇降量が所定量に達し、印刷対象の基板Pが図19の(b)に示すように、基板クランプ片480C、480Dの上面と面一となる高さまで持ち上げられると、テーブル450はその高さで停止される。
【0095】
テーブル450の上昇動作が停止されると、今度は不図示のシリンダ装置が駆動し、基板クランプ片480Dが、相手側の基板クランプ片480Cとの対向距離を狭めるようにY方向(図19では右側)に移動する。これにより、バックアップピン495により下面を支持された印刷対象の基板Pは、両基板クランプ片480C、480DによってY方向の両側から挟み込まれて保持される(図19の(b)参照)。
【0096】
かくして、印刷対象の基板Pが保持されると、基板支持ユニット400は基台310上を水平移動してマスクMの下方に移動し、印刷対象の基板Pをステンシル下方の印刷作業位置(本発明の「作業位置」に相当)にセットさせる(図19の(c))。次いで、4段目のテーブル440を昇降させる処理が行われ、下降状態にあったテーブル440を上昇させる。
【0097】
これにより、保持状態にある印刷対象の基板PはステンシルM3に接近してゆく。そして、テーブル440の昇降量が所定量に達すると、テーブル440の上昇動作は停止され、このときには、印刷対象の基板Pが図19の(d)に示すようにステンシルM3の下面に重装された状態となる。
【0098】
あとは、スキージ435を下降させてステンシルM3の上面に当接させつつ、半田供給装置によってステンシルM3上にペースト状の半田を供給する。そして、スキージ435をY方向に往復移動させ、ペースト状の半田を引き延ばしてやれば、ステンシルM3の印刷用開口に半田が埋め込まれ、印刷対象の基板P上の所望位置に半田を印刷することが出来る。
【0099】
そして、半田の印刷が完了したら、上記した動作を逆に辿ることで、基板支持ユニット400を基台中央まで移動させることが出来、また、基板支持ユニット400を基板搬送姿勢(すなわち、図14に示すように4段目のテーブル440、5段目のテーブル450をいずれも下降させた状態)に戻すことが出来る。
【0100】
従って、あとは、基板搬送姿勢にある基板支持ユニット400を下流側の装置側、すなわち図1における左端側に移動させつつ基板搬送コンベア470の一部を装置外に突出させると、突出した基板搬送コンベア470が下流側の装置のコンベア700に段差なく連続する。これにより、同コンベア700を通じて印刷済みの基板Pを、下流側の装置に搬出できる。
【0101】
この実施形態も、実施形態1と同様に、基板Pの検出に超音波センサ30を用いている。超音波であれば、空気の振動を遮るような障害物は、表面色(透明/不透明も含む)が異なっても同じように反射するので、従来では必要であった設定調整作業を廃止できる。
【0102】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0103】
(1)実施形態1では、超音波センサ30を搭載した基板処理装置の一例として「表面実装機1」を、実施形態2では「印刷機300」を例示したが、超音波センサ30を基板検査装置に使用することも可能である。ここで言う、基板検査装置とは、印刷処理後、部品実装後において、処理が正しく行われた否かを、基板画像に基づいて検査するものであり、その具体的構成は、例えば、図1にて示す表面実装機1のヘッドユニット160に、吸着ヘッド185に替えて、検査用のカメラ(図略)を搭載してやればよい。
【0104】
(2)実施形態1では、超音波センサ30を搭載した基板処理装置の一例として「表面実装機1」を、実施形態2では「印刷機300」を例示したが、超音波センサ30を塗布装置に使用することも可能である。ここで言う、塗布装置とは印刷処理後、部品実装前において、基板P上に接着剤を塗布するものであり、その具体的構成は、例えば、図1にて示す表面実装機1のヘッドユニット160に、吸着ヘッド185に替えて、接着剤を塗布する塗布ヘッド(図略)を搭載してやればよい。
【0105】
(3)実施形態1では、反射体RFを1つだけ配置しセンサ本体31と基板Pとの間で超音波を1回だけ反射させる構成をとったが、反射体RFの配置個数(反射回数)は1つ(1回)に限定されるものではなく、例えば、図20にて示すように反射体RFを複数個(図中は2つ)配置してセンサ本体31と基板Pとの間で超音波を複数回(図中は2回)反射させることも無論可能である。
【0106】
(4)実施形態1では、超音波センサ30の検出対象として基板Pを例示したが、例えば、図21にて示すように、基板Pを基板台(本発明の「板状の基板支持体」の一例)600に載せて運ぶ場合であれば、基板台600を検出することも無論可能である。
【図面の簡単な説明】
【0107】
【図1】実施形態1に適用された表面実装機の平面図
【図2】図1中のA−A線断面図
【図3】図2をC方向から見た図(ストッパピンの下降位置を示す)
【図4】図2をC方向から見た図(ストッパピンの上昇位置を示す)
【図5】基板をバックアップした状態を示す図
【図6】センサ本体の内部構造を示す図
【図7】センサ本体と反射体の位置関係を示す平面図
【図8】検出動作により観測される検出信号の信号波形を示す図
【図9】比較例を示す図
【図10】効果を示す図
【図11】ヘッドユニットの支持構造を示す図
【図12】吸着ヘッドの支持構造を示す図
【図13】表面実装機の電気的構成を示すブロック図
【図14】実施形態2に適用された印刷機の正面図
【図15】印刷装置本体の構成を示す斜視図
【図16】マスクの取り付け構造を示す図(押圧保持前)
【図17】基板支持ユニットの平面図
【図18】印刷機の電気的構成を示すブロック図
【図19】印刷動作を示す図
【図20】他の実施形態を示す図
【図21】他の実施形態を示す図
【符号の説明】
【0108】
1…表面実装機(本発明の「基板処理装置」の一例)
10…基台
20…搬送コンベア(本発明の「搬送装置」の一例)
SU…センサユニット(本発明の「検出装置」の一例)
30…超音波センサ
31…センサ本体
32…圧電セラミック振動子(本発明の「圧電振動子」に相当)
RF…反射体(本発明の「第一反射体」に相当)
100…実装作業装置(本発明の「実行部」の一例)
200…コントローラ(本発明の「制御手段」相当)
300…印刷機(本発明の「基板処理装置」の一例)
320…印刷作業装置(本発明の「実行部」の一例)
470…基板搬送コンベア(本発明の「搬送装置」の一例)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基台と、
前記基台上に設けられる搬送路に沿ってプリント基板を直接的、或いは板状の基板支持体を介して間接的に搬送する搬送装置と、
前記プリント基板、及び前記基板支持体を搬送対象物と定義したときに、前記搬送路上にて設定された検出位置における前記搬送対象物の有無を検出する検出装置と、
前記搬送装置によって前記基台上の作業位置に搬入された前記プリント基板に対して半田ペーストの印刷、接着剤の塗布、電子部品の実装、基板検査など予め決められた処理を実行する実行部と、を備えた基板処理装置であって、
前記検出装置は、反射面を有し前記検出位置の下方に設置される第一反射体を少なくとも備えた一以上の反射体より構成される反射体群と、
超音波を送波する送波器としての機能と超音波を受波する受波器としての機能を、電気的振動と機械的振動を相互に変換する単一個の圧電振動子により共用させた超音波センサと、を備え、
前記圧電振動子から出射された前記超音波を前記反射体群を構成する各反射体の反射面にて反射させつつ前記検出位置にある前記搬送対象物に対して入射させ、かつ前記搬送対象物にて反射した超音波を前記反射面にて再度反射させつつ前記圧電振動子に入射させることを特徴とする基板処理装置。
【請求項2】
前記作業位置にて、前記プリント基板を直接的にバックアップするか、或いは前記基板支持体を介して間接的にバックアップするバックアップ装置が備えられ、かつ前記作業位置内において前記検出位置が設定されたものにおいて、
前記搬送対象物の搬送方向をX方向とし、水平面内において前記X方向に直交する方向をY方向とし、上下方向をZ方向と定義したときに、
前記第一反射体の反射面にて前記超音波をY方向からZ方向、Z方向からY方向に概ね90度反射させることにより、前記バックアップ装置の配置スペースに対してY方向に位置をずらした領域に前記超音波センサを配置可能としたことを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記超音波センサの検出信号に基づいて、前記搬送装置及びそれに付属される装置の駆動、或いは前記実行部の駆動を制御する制御手段を、備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の基板処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2009−245972(P2009−245972A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−87449(P2008−87449)
【出願日】平成20年3月28日(2008.3.28)
【出願人】(000010076)ヤマハ発動機株式会社 (3,045)
【Fターム(参考)】