説明

基板処理装置

【課題】処理に必要な最小限の量の処理液を循環させる構成を採ることにより、処理液の使用量を低減することができる。
【解決手段】内槽3と、外槽5と、循環配管15とには、処理状態では内槽3から外槽5に処理液が溢れ、非処理状態では内槽3から外槽5への処理液の溢れがない処理液の量が貯留されている。一方、非処理循環状態では、開閉弁35を開放して内槽3から外槽5へ処理液を流通させて、循環配管15を介して処理液の循環を行わせる。したがって、リフタ27が基板Wとともに処理位置にない状態であっても、処理液を循環させることができ、処理に使用する処理液の量を低減することができる。その結果、温調や薬液濃度の調整を行う際には、その処理を短時間で行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウエハ、液晶ディスプレイ用基板、プラズマディスプレイ用基板、有機EL用基板、FED(Field Emission Display)用基板、光ディスプレイ用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、太陽電池用基板(以下、単に基板と称する)を処理液で処理する基板処理装置に係り、特に、内槽に処理液を貯留した後に基板を浸漬させて処理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の装置として、処理液を貯留し、基板を収容する内槽及びこの内槽から溢れた処理液を回収する外槽を備えた処理槽と、内槽と外槽とを連通接続した循環配管と、この循環配管内の処理液を、外槽から内槽へと圧送するポンプと、循環配管内を流通する処理液を加熱するためのヒータと、を備えたものがある(例えば、特許文献1の図1参照)。
【0003】
このように構成された装置では、内槽に処理液を供給し、外槽に溢れた処理液をポンプで循環させつつヒータで処理温度に温調する。そして、処理液の温度が処理温度に達した後、複数枚(例えば、25枚)の基板を垂直姿勢で支持したリフタが内槽の上方に相当する待機位置から、内槽の処理液中に相当する処理位置に下降する。このような状態を処理時間だけ維持することにより、処理液による所定の処理が基板に対して行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許3948912号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
すなわち、従来の装置は、処理液を温調する際には、内槽に基板及びリフタが浸漬されていない状態で処理液をポンプで循環できるように、内槽から外槽へ処理液が溢れるだけの量の処理液を供給しておく必要がある。リフタを基板とともに内槽の処理液に浸漬させると、リフタと基板の容積分の処理液が外槽へ溢れるが、これを貯留できるように外槽が構成されている。つまり、基板の処理前における処理液の温調時には、処理において実質的に不要な量の処理液をも循環させつつ温調を行っている。したがって、処理液の使用量が多くなるという問題がある。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、処理に必要な最小限の量の処理液を循環させる構成を採ることにより、処理液の使用量を低減することができる基板処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、請求項1に記載の発明は、処理液に基板を浸漬させて基板に対して処理を行う基板処理装置において、処理液を貯留する内槽と、前記内槽から溢れる処理液を回収する外槽と、前記内槽の上方に相当する待機位置と、前記内槽の内部に相当する処理位置とにわたって基板とともに移動するリフタと、前記内槽と前記外槽とを連通接続し、処理液を循環させるための循環配管と、前記内槽と、前記外槽と、前記循環配管とは、リフタが基板とともに処理位置に位置した処理状態で、前記内槽から前記外槽に処理液が溢れ、かつ、リフタが基板とともに待機位置に位置した非処理状態で、前記内槽から前記外槽に処理液が溢れない量の処理液が貯留されているとともに、リフタが基板とともに処理位置に移動するまでの非処理循環状態では、前記内槽から前記外槽へ処理液を流通させて前記循環配管を介して処理液の循環を行わせる循環制御手段と、を備えていることを特徴とするものである。
【0008】
[作用・効果]請求項1に記載の発明によれば、内槽と、外槽と、循環配管とには、処理状態では内槽から外槽に処理液が溢れ、非処理状態では内槽から外槽への処理液の溢れがない処理液の量が貯留されている。一方、非処理循環状態では、循環制御手段が内槽から外槽へ処理液を流通させて、循環配管を介して処理液の循環を行わせる。したがって、リフタが基板とともに処理位置にない状態であっても、処理液を循環させることができ、処理に使用する処理液の量を低減することができる。その結果、温調や薬液濃度の調整を行う際には、その処理を短時間で行うことができる。
【0009】
また、本発明において、前記内槽の側壁に配設され、前記内槽の側壁における上縁よりも下方の高さ位置に配設された開閉弁を備え、前記循環制御手段は、非処理循環状態では、前記開閉弁を開放し、処理状態では、前記開閉弁を閉止することが好ましい(請求項2)。
【0010】
非処理循環状態で循環制御手段が開閉弁を開放すると、内槽の側壁の上縁よりも下方の高さ位置から処理液が外槽に流出する。したがって、リフタが基板とともに処理位置にない状態であっても、開閉弁を開放するという簡単な動作で処理液を循環させることができる。
【0011】
また、本発明において、前記開閉弁は、処理状態から非処理状態になったときの前記内槽の液面高さに設けられていることが好ましい(請求項3)。
【0012】
非処理状態になったときの内槽の液面高さに開閉弁を設けることにより、処理に必要な最低限の処理液量を循環させることができる。
【0013】
また、本発明において、前記開閉弁は、開放時に退出し、閉止時に突出するピストンを備え、閉止時に前記ピストンの先端部が前記内槽の内壁面に一致する位置にまで突出することが好ましい(請求項4)。
【0014】
ピストンの進退により処理状態と非処理循環状態とを切り換えることができる。さらに、閉止時にピストンの先端部が内槽の内壁面に一致するので、処理状態において内槽の処理液の流れを乱すことがない。
【0015】
また、本発明において、前記内槽は、上縁を含む上部内槽と、底面を含む下部内槽とを備え、前記上部内槽または前記下部内槽を昇降させる昇降手段を備え、前記循環制御手段は、非処理循環状態では、前記昇降手段を操作して前記上部内槽と前記下部内槽との間に隙間を形成し、処理状態では、前記上部内槽と前記下部内槽とを密着させることが好ましい(請求項5)。
【0016】
上部内槽と下部内槽との分割式で内槽が構成されており、昇降手段により上部内槽と下部内槽との間に隙間を形成することで、下部内槽の上縁から処理液を流出させることができる。したがって、下部内槽の上縁の全周から処理液を流出させることができるので、内槽の処理液を均等に流出させることができる。その結果、処理液の温調や濃度調整を行う際にムラを少なくすることができ、温調や濃度調整の短時間化を図ることができる。
【0017】
また、本発明において、前記内槽及び前記外槽の上部に配設され、非処理循環状態では閉止され、非処理状態から処理状態に移行する際に開閉されるオートカバーと、前記オートカバーの下面に配設され、前記内槽の処理液中と、前記内槽の処理液面上とにわたって伸縮自在の伸縮部材とを備え、前記循環制御手段は、非処理循環状態では前記伸縮部材を伸長させ、処理状態では前記伸縮部材を収縮させることが好ましい(請求項6)。
【0018】
非処理循環状態ではオートカバーの伸縮部材を伸長させることにより、内槽の処理液面を押し上げるので、内槽から外槽に処理液が流通する。したがって、伸縮部材を伸長させるだけで、処理液を循環させることができる。
【0019】
また、本発明において、前記内槽の底部に配設され、底部側と処理液面側とにわたって伸縮自在の伸縮部材を備え、前記循環制御手段は、非処理循環状態では前記伸縮部材を伸長させ、処理状態では前記伸縮部材を収縮させることが好ましい(請求項7)。
【0020】
非処理循環状態では内槽底部の伸縮部材を伸長させると、内槽の処理液面を押し上げるので、内槽から外槽に処理液が流通する。したがって、伸縮部材を伸長させるだけで、処理液を循環させることができる。
【0021】
また、本発明において、前記内槽の外部と、前記内槽の内部とにわたって移動可能なダミーブロックを備え、前記循環制御手段は、非処理循環状態では前記ダミーブロックを前記内槽の内部に移動させ、処理状態では前記ダミーブロックを前記内槽の外部に移動させることが好ましい(請求項8)。
【0022】
非処理循環状態でダミーブロックを内槽の内部に移動させると、内槽の処理液面を上昇させることができる。したがって、ダミーブロックを移動させるだけで、処理液を循環させることができる。
【0023】
また、本発明において、前記内槽の内部に気泡を供給する気泡供給手段を備え、前記循環制御手段は、非処理循環状態では前記気泡供給手段により気泡を供給させ、処理状態では前記気泡供給手段からの気泡の供給を停止させることが好ましい(請求項9)。
【0024】
気泡供給手段により気泡を供給すると、気泡の量に応じて内槽の処理液面を押し上げることができる。したがって、気泡を発生させるだけで、処理液を循環させることができる。なお、気泡による液面の変動は小さいので、大きく液面を押し上げる等の方式と併用して、液面の高さを微調整することに有効に利用できる。
【発明の効果】
【0025】
本発明に係る基板処理装置によれば、内槽と、外槽と、循環配管には、処理状態では内槽から外槽に処理液が溢れ、非処理状態では内槽から外槽への処理液の溢れがない処理液の量が貯留されている。一方、非処理循環状態では、循環制御手段が内槽から外槽へ処理液を流通させて、循環配管を介して処理液の循環を行わせる。したがって、リフタが基板とともに処理位置にない状態であっても、処理液を循環させることができ、処理に使用する処理液の量を低減できる。その結果、温調や薬液濃度の調整を行う際には、その処理を短時間で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】実施例1に係る基板処理装置の概略構成を示す全体図である。
【図2】処理位置に基板が位置する状態を示す図である。
【図3】待機位置に基板が位置する状態を示す図である。
【図4】開閉弁の詳細を示す縦断面図である。
【図5】非処理循環状態の説明図である。
【図6】処理状態の説明図である。
【図7】実施例2に係る基板処理装置の概略構成を示す全体図である。
【図8】非処理循環状態の説明図である。
【図9】処理状態の説明図である。
【図10】実施例3に係る基板処理装置の概略構成を示す全体図である。
【図11】非処理循環状態の説明図である。
【図12】処理状態の説明図である。
【図13】実施例4に係る基板処理装置の概略構成を示す全体図である。
【図14】非処理循環状態の説明図である。
【図15】処理状態の説明図である。
【図16】実施例5に係る基板処理装置の概略構成を示す全体図である。
【図17】実施例6に係る基板処理装置の概略構成を示す全体図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明に係る基板処理装置の各種実施形態について以下に説明する。
【実施例1】
【0028】
以下、図面を参照して本発明の実施例1について説明する。
図1は、実施例1に係る基板処理装置の概略構成を示す全体図である。
【0029】
この基板処理装置1は、複数枚の基板Wを一括して処理液で処理する。一括して処理するのは、例えば、50枚である。基板処理装置1は、内槽3と、外槽5とを備えている。内槽3は、処理液を貯留するとともに、基板Wを収容する。外槽5は、内槽3の周囲を囲い、内槽3から溢れた処理液を回収する。内槽3は、上部に開口を備え、底部の両側に注入管7を備えている。また、底部の中央には、排出口9が形成されている。この排出口9には、内槽3の処理液を急速に排出するための急速排液弁11が取り付けられている。
【0030】
外槽5の底部には、排液口13が形成されている。この排液口13には循環配管15の一端側が連通接続され、注入管7には循環配管15の他端側が連通接続されている。循環配管15は、排液口13側から順に、循環ポンプ17と、インラインヒータ19と、フィルタ21とを備えている。循環ポンプ17は、循環配管15を流通する処理液を圧送する。インラインヒータ19は、循環配管15を流通する処理液を温調する。温調は、処理ごとに設定された処理温度を目標に行われる。フィルタ21は、処理液に含まれるパーティクルを除去する。
【0031】
循環配管15における循環ポンプ17の上流側には、廃液管23が設けられている。廃液管23には、開閉弁25が設けられている。廃液管23は、外槽5と循環配管15に貯留している処理液を排出する。
【0032】
内槽3の上方には、リフタ27が配置されている。リフタ27の下部には、基板Wの下縁を当接支持する支持部29が設けられている。リフタ27は、図1中に実線で示した内槽3の上方に相当する「待機位置」と、二点鎖線で示した内槽3の内部に相当する「処理位置」とにわたって昇降可能に構成されている。このリフタ27の昇降動作は、昇降駆動部30によって制御される。
【0033】
内槽3は、その側壁の一部位に循環口31が形成されている。循環口31には、循環流通管33の一端側が連通接続されている。循環流通管33の他端側は、外槽5の底部に向けられている。循環流通管33には、開閉弁35が設けられている。なお、循環口31が形成されている高さ位置については、詳細を後述する。
【0034】
上述した急速排液弁11と、ポンプ17と、インラインヒータ19と、昇降駆動部30と、開閉弁25と、開閉弁35とは、制御部37によって統括的に制御される。制御部37は、CPUやメモリを内蔵しており、予め記憶された動作制御用のプログラムや、処理を規定したレシピに基づいて上記の各部を操作する。
【0035】
なお、上述した制御部37が本発明における「循環制御手段」に相当する。
【0036】
ここで、図2及び図3を参照して、上述した循環口31と、循環流通管33と、開閉弁35との内槽3における配設位置について説明する。なお、図2は、処理位置に基板が位置する状態を示す図であり、図3は、待機位置に基板が位置する状態を示す図である。
【0037】
図2は、リフタ27が複数枚の基板Wとともに処理位置に移動した処理状態を示す。この処理状態では、リフタ27が内槽3内に位置する容積と、支持部39の容積と、複数枚の基板Wの容積との合計分だけ内槽3の処理液面が上昇し、内槽3の上縁全周から外槽5に処理液が溢れる。図3は、リフタ27が複数枚の基板Wとともに待機位置に移動した非処理状態を示す。この非処理状態では、内槽3の処理液面が下降し、内槽3の上縁から外槽5に処理液が溢れない。上述した循環口31と、循環流通管33と、開閉弁35とは、上述した処理状態から非処理状態になったときの内槽3における処理液面の高さ位置に設けられている。
【0038】
次に、図4を参照して、上述した開閉弁35の好適な構成について説明する。なお、図4は、開閉弁の詳細を示す縦断面図である。
【0039】
開閉弁35は、内槽3の側壁における上述した高さ位置に設けられている。ハウジング39は、ピストン41を内槽3の側方から覆っている。ハウジング39は、ピストン41の先端部43が内槽3の側壁面に一致する位置に突出するように内槽3に取り付けられている。また、ハウジング39は、Oリング45を介して内槽3の側壁に取り付けられている。ハウジング39の下部には、循環口31と、ハウジング39の内部とに連通した開口47が形成されている。開口47には、循環流通管33が連通接続されている。
【0040】
図4中に実線で示したピストン41は、処理状態における位置を示し、二点鎖線で示したピストン41は、非処理循環状態における位置を示している。このように、処理状態ではピストン41の先端部43が内槽3の内壁面と一致するので、処理状態における内槽3の処理液の流れを乱すことがない。
【0041】
次に、図5及び図6を参照して、上述した構成の基板処理装置1による基板Wの処理について説明する。なお、図5は、非処理循環状態の説明図であり、図6は、処理状態の説明図である。
【0042】
(非処理循環状態)
図5に示すように、複数枚の基板Wが支持部29に起立姿勢で支持された状態で、リフタ27が内槽3の上方に相当する待機位置に位置している。このとき、内槽3と、外槽5と、循環配管15とには、複数枚の基板Wとリフタ27とが処理位置に移動した際に、内槽3の上縁から処理液が溢れる量の処理液が貯留されているものとする。そして、制御部37は、開閉弁35を開放するとともに、循環ポンプ17を作動させ、インラインヒータ19によって処理液を処理温度に温調する。内槽3の処理液面は、内槽3の上縁よりも下方に位置しているが、開閉弁35を開放しているので、内槽3の処理液は循環流通管33を通して外槽5に流入する。したがって、処理液は、内槽3と、外槽5と、循環配管15とを通って循環し、処理温度への温調が行われる。
【0043】
なお、処理液の容量は、リフタ27が処理位置に移動したときに内槽3から処理液が溢れる量であり、リフタ27及び支持部29の容積と、基板Wの枚数や、基板Wの厚さなどの容量を考慮して決定すればよい。リフタ27と支持部29の体積は、不変であるが、基板Wの処理枚数は変動することがある。したがって、この基板処理装置1で取り扱う基板Wの中で、最も薄い基板Wの容積と、リフタ27及び支持部29の合計容積で内槽3から処理液が溢れるような処理液の容量とするのが好ましい。
【0044】
(処理状態)
処理液の温度が処理温度に達すると、図6に示すように、制御部37は昇降駆動部30を操作して、リフタ27を複数枚の基板Wごと待機位置から処理位置へ下降させる。その際には、開閉弁35を閉止する。すると、内槽3の内部に位置するリフタ27及び支持部29と、複数枚の基板Wとの容積分だけ内槽3の処理液面が上昇し、内槽3の上縁から外槽5に処理液が溢れることになる。したがって、処理状態でも処理液が循環配管15を通って循環する。この状態をレシピに応じた時間だけ維持することにより、複数枚の基板Wに対してレシピに応じた処理が行われる。
【0045】
上述したように本実施例によると、内槽3と、外槽5と、循環配管15とには、処理状態では内槽3から外槽5に処理液が溢れ、非処理状態では内槽3から外槽5への処理液の溢れがない処理液の量が貯留されている。一方、非処理循環状態では、開閉弁35を開放して内槽3から外槽5へ処理液を流通させて、循環配管15を介して処理液の循環を行わせる。したがって、リフタ27が基板Wとともに処理位置にない状態であっても、処理液を循環させることができ、処理に使用する処理液の量を低減することができる。その結果、温調や薬液濃度の調整を行う際には、その処理を短時間で行うことができる。
【0046】
また、処理液量が少なくなるので、フィルタ21によるパーティクルの捕捉効率が高くなり、時間当たりのパーティクル捕捉量を多くすることもできる。
【0047】
さらに、開閉弁35を開閉するという簡単な動作により、非処理循環状態であっても処理液を循環させることができる。
【実施例2】
【0048】
次に、図面を参照して本発明の実施例2について説明する。
図7は、実施例2に係る基板処理装置の概略構成を示す全体図である。なお、上述した実施例1と同じ構成については、同符号を付すことで詳細な説明については省略する。
【0049】
この基板処理装置1Aは、内槽3Aの構成が上述した実施例1と大きく相違する。具体的には、内槽3Aは、上縁を含む上部内槽3uと、底面を含む下部内槽3dとから構成されている。上部内槽3uの側壁における下面は、内槽3Aの中心側から側方側に向かって面が下がってゆく下向き傾斜面を形成している。また、下部内槽3dの側壁における上面は、上部内槽3uの下向き傾斜面に密着するように、内槽3Aの中心側から側方側に向かって面が下がってゆく上向き傾斜面を形成している。上部内槽3uと下部内槽3dとが分割面49で一体化した状態では、分割面39が液密となるように構成されている。
【0050】
また、分割面49の内槽3Aにおける高さ位置は、上述した実施例1における循環口31及び開閉弁35が設けられている高さ位置と同じである。また、本実施例では、上部内槽3uが下部内槽3dに対して昇降するように構成されている。その昇降は、槽昇降駆動部51によって行われる。槽昇降駆動部51は、制御部37によって操作され、後述するように上部内槽3uを下部内槽3dに対して上昇させて、分割面39に隙間を形成したり、上部内槽3uを下部内槽3dに対して下降させて、分割面39を液密にしたりする。槽昇降駆動部51は、上部内槽3uに代えて、下部内槽3dを上部内槽3uに対して昇降させてもよい。
【0051】
なお、槽昇降駆動部51が本発明における「昇降手段」に相当する。
【0052】
次に、図8及び図9を参照して、実施例2の動作について説明する。なお、図8は、非処理循環状態の説明図であり、図9は、処理状態の説明図である。
【0053】
(非処理循環状態)
図8に示すように、複数枚の基板Wが支持部29に起立姿勢で支持された状態で、リフタ27が待機位置に位置している。このとき、内槽3Aと、外槽5と、循環配管15とには、複数枚の基板Wとリフタ27とが処理位置に移動した際に、内槽3Aの上縁から処理液が溢れ出る量の処理液が貯留されている。制御部37は、槽昇降駆動部51を操作して上部内槽3uを下部内槽3dから上昇させ、分割面49に隙間gを形成させる。さらに、制御部37は、循環ポンプ17を作動させ、インラインヒータ19によって処理液を処理温度に温調する。上部内槽3uと下部内槽3dとの間には、隙間gが形成されているので、内槽3A内の処理液は、下部内槽3dの上縁の全周を超えて外槽5に流入する。したがって、処理液は、内槽3Aと、外槽5と、循環配管15とを通って循環し、処理温度への温調が行われる。
【0054】
なお、処理液の容量は、リフタ27が処理位置に移動したときに上部内槽3uの上縁から処理液が溢れ出る量であり、リフタ27及び支持部29の容積等を考慮して決定すればよいのは、上述した実施例1と同様である。
【0055】
(処理状態)
処理液の温度が処理温度に達すると、図9に示すように、制御部37は昇降駆動部51を操作して、リフタ27を複数枚の基板Wごと待機位置から処理位置へ下降させる。その際には、槽昇降駆動部51を操作して、上部内槽3uを下部内槽3dに対して下降させ、分割面49を液密な状態としておく。すると、内槽3Aの内部に位置するリフタ27及び支持部29と、複数枚の基板Wとの容積分だけ内槽3Aの処理液面が上昇し、内槽3Aの上縁から外槽5に処理液が溢れ出る。したがって、処理状態でも処理液が循環配管15を通って循環する。これをレシピに応じた時間だけ維持して、複数枚の基板Wに対する処理を行う。
【0056】
上述したように、本実施例によると、内槽3Aが上部内槽3uと下部内槽3dとの分割式で構成されており、槽昇降駆動部51により上部内槽3uと下部内槽3dとの間に隙間gを形成することで、下部内槽3dの上縁から処理液を流出させることができる。したがって、下部内槽3dの上縁の全周から処理液を流出させることができるので、内槽3Aの処理液を均等に流出させることができる。その結果、処理液の温調や濃度調整を行う際にムラを少なくすることができ、温調や濃度調整の短時間化を図ることができる。
【実施例3】
【0057】
次に、図面を参照して本発明の実施例3について説明する。
図10は、実施例3に係る基板処理装置の概略構成を示す全体図である。なお、上述した実施例1と同じ構成については、同符号を付すことで詳細な説明については省略する。
【0058】
この基板処理装置1Bは、内槽3と外槽5の上方を覆うオートカバー53を備えている。オートカバー53は、一対で構成され、上方に向かって両開き式に構成されている。各オートカバー53は、それぞれ外槽5の両側壁側に揺動軸Pを備えている。このオートカバー53の開閉は、制御部37によって制御される。
【0059】
オートカバー53は、伸縮自在のベローズ55を内槽3の上方にあたる下面に備えている。ベローズ55は、処理液に対する耐性を備え、気体の供給・排出によって伸縮する。ベローズ駆動部57は、制御部37からの指示に応じて、ベローズ55に気体を供給したり、ベローズ55から気体を排出したりする。ベローズ55は、収縮した場合には内槽3の処理液面より上方に下端部が位置し、伸長した場合には内槽3の処理液面より下方に下端部が位置する。また、ベローズ55の伸長時の容積は、内槽3に貯留する処理液の液面が内槽3の上縁を超えるように設定されている。
【0060】
なお、ベローズ55が本発明における「伸縮部材」に相当する。本実施例では、伸縮部材をベローズ55で構成したが、ベローズ55に代えて風船状の部材を採用してもよい。
【0061】
次に、図11及び図12を参照して、実施例3の動作について説明する。なお、図11は、非処理循環状態の説明図であり、図12は、処理状態の説明図である。
【0062】
(非処理循環状態)
図11では図示省略してあるが、複数枚の基板Wが支持部29に起立姿勢で支持された状態で、リフタ27が待機位置に位置している。このとき、内槽3と、外槽5と、循環配管15とには、複数枚の基板Wとリフタ27とが処理位置に移動した際に、内槽3の上縁から処理液が溢れ出る量の処理液が貯留されている。また、オートカバー53は閉止された状態である。制御部37は、ベローズ駆動部57を操作してベローズ55を伸長させる。さらに、制御部37は、循環ポンプ17を作動させ、インラインヒータ19によって処理液を処理温度に温調する。したがって、処理液は、内槽3と、外槽5と、循環配管15とを通って循環し、処理温度への温調が行われる。
【0063】
なお、処理液の容量は、リフタ27が処理位置に移動したときに内槽3の上縁から処理液が溢れ出る量であり、リフタ27及び支持部29の容積等を考慮して決定すればよいのは、上述した実施例1と同様である。
【0064】
(処理状態)
処理液の温度が処理温度に到達すると、制御部37は、ベローズ駆動部57を操作して、ベローズ55を収縮させる。そして、図12に示すように、制御部37はオートカバー53を一旦開放し、昇降駆動部30を操作して、リフタ27を複数枚の基板Wごと待機位置から処理位置へ下降させる。その後、制御部37は、オートカバー53を閉止する。内槽3の処理位置に位置するリフタ27及び支持部29と、複数枚の基板Wとの容積分だけ内槽3の処理液面が上昇し、内槽3の上縁から外槽5に処理液が溢れる。したがって、処理状態において、処理液が循環配管15を通って循環する。これを所定時間だけ維持して、複数枚の基板Wに対して処理液による処理を行う。
【0065】
上述したように、本実施例によると、非処理循環状態ではオートカバー53のベローズ55を伸長させることにより、内槽3の処理液面を押し上げるので、内槽3から外槽5に処理液が流通する。したがって、ベローズ55を伸長させるだけで、処理液を循環させることができる。
【実施例4】
【0066】
次に、図面を参照して本発明の実施例4について説明する。
図13は、実施例4に係る基板処理装置の概略構成を示す全体図である。なお、上述した実施例1と同じ構成については、同符号を付すことで詳細な説明については省略する。
【0067】
この基板処理装置1Cは、伸縮自在のベローズ55Aを内槽3の底部に備えている。ベローズ55Aは、処理液に対する耐性を備え、気体の供給・排出によって伸縮する。ベローズ駆動部57は、制御部37からの指示に応じて、ベローズ55Aに気体を供給したり、ベローズ55Aから気体を排出したりする。ベローズ55Aは、収縮した場合には内槽3の底面側に張り付き、伸長した場合には内槽3の処理液面側に進出する。また、ベローズ55の伸長時の容積は、内槽3に貯留する処理液の液面が内槽3の上縁を超える容量に設定されている。
【0068】
次に、図14及び図15を参照して、実施例4の動作について説明する。なお、図14は、非処理循環状態の説明図であり、図15は、処理状態の説明図である。
【0069】
(非処理循環状態)
図14では、図示省略してあるが、複数枚の基板Wがリフタ27に指示された状態で待機位置にある。このとき、内槽3と、外槽5と、循環配管15とには、複数枚の基板Wとリフタ27とが処理位置に移動した際に、内槽3の上縁から処理液が溢れるような量の処理液が貯留されている。制御部37は、ベローズ駆動部57を操作してベローズ55Aを伸長させる。そして、制御部37は、循環ポンプ17を作動させ、インラインヒータ19によって処理液を処理温度に温調する。したがって、処理液は、内槽3と、外槽5と、循環配管15を通って循環し、処理温度への温調が行われる。
【0070】
なお、処理液の容量は、リフタ27及び支持部29の容積等を考慮して決定すればよいのは、上述した実施例1と同様である。
【0071】
(処理状態)
処理液の温度が処理温度に達すると、制御部37は、ベローズ駆動部57を操作して、ベローズ55Aを収縮させる。そして、図15に示すように、制御部37は、リフタ27を複数枚の基板Wごと処理位置に移動させる。すると、内槽3の処理位置に位置するリフタ27及び支持部29と、複数枚の基板Wとの容積分だけ内槽3の処理液面が上昇し、内槽3の上縁から外槽5に処理液が溢れる。したがって、処理状態において、処理液が循環配管15を通って循環する。これを所定時間だけ維持して、複数枚の基板Wに対して処理液による処理を行う。
【0072】
上述したように、本実施例によると、非処理循環状態では内槽3の底部のベローズ55Aを伸長させると、内槽3の処理液面を押し上げるので、内槽3から外槽5に処理液が流通する。したがって、ベローズ55Aを伸長させるだけで、処理液を循環させることができる。
【実施例5】
【0073】
次に、図面を参照して本発明の実施例5について説明する。
図16は、実施例5に係る基板処理装置の概略構成を示す全体図である。なお、上述した実施例1と同じ構成については、同符号を付すことで詳細な説明については省略する。
【0074】
この基板処理装置1Dは、ダミーブロック61を備えている。このダミーブロック61は、内槽3内に移動した際に、内槽3に貯留する処理液の液面が内槽3の上縁を超える容積に設定されている。ダミーブロック駆動部63は、制御部37の指示により、内槽3の内部と内槽3の外部とにわたってダミーブロック61を移動する。
【0075】
この基板処理装置1Dは、複数枚の基板Wとリフタ27とが処理位置に移動した際に、内槽3の上縁から処理液が溢れる量の処理液が内槽3と、外槽5と、循環配管15とに貯留されている。
【0076】
非処理循環状態では、制御部37がダミーブロック駆動部63を操作して、ダミーブロック61を内槽3内に移動する。すると、内槽3の処理液面が上昇して内槽3の上縁から処理液が溢れる。さらに、制御部37は、循環ポンプ17を作動させ、インラインヒータ19によって処理液を処理温度に温調する。したがって、処理液は、内槽3と、外槽5と、循環配管15とを通って循環し、処理温度への温調が行われる。
【0077】
処理液の温度が処理温度に達すると、制御部37は、ダミーブロック駆動部63を操作して、ダミーブロック61を内槽3から外部に移動する。その後、処理状態では、昇降駆動部30を操作して、リフタ27を複数枚の基板Wごと待機位置から処理位置へ下降させる。すると、内槽3の処理位置に位置するリフタ27及び支持部29と、複数枚の基板Wとの容積分だけ内槽3の処理液面が上昇し、内槽3の上縁から外槽5に処理液が溢れる。したがって、処理状態において、処理液が循環配管15を通って循環する。これを所定時間だけ維持して、複数枚の基板Wに対して処理液による処理を行う。
【0078】
上述したように、本実施例によると、非処理循環状態でダミーブロック61を内槽3の内部に移動させると、内槽3の処理液面を上昇させることができる。したがって、ダミーブロック61を移動させるだけで、処理液を循環させることができる。
【実施例6】
【0079】
次に、図面を参照して本発明の実施例6について説明する。
図17は、実施例6に係る基板処理装置の概略構成を示す全体図である。なお、上述した実施例1と同じ構成については、同符号を付すことで詳細な説明については省略する。
【0080】
この基板処理装置1Eは、内槽3の底部中央に二本の気泡供給管65を備えている。これらの気泡供給管65は、供給された気体を気泡として内槽3に供給する。二本の気泡供給管65には、配管67の一端側が連通接続され、他端側がNガス供給源に連通接続されている。配管67には、流量調整弁69が配設されている。流量調整弁69の開閉及び流量調整は、制御部37によって行われる。また、複数枚の基板Wとリフタ27とが待機位置にある際には、内槽3の処理液が上縁を超えないが、複数枚の基板Wとリフタ27とが処理位置に移動した際には、内槽3の上縁から処理液が溢れる量の処理液が内槽3と、外槽5と、循環配管15とに貯留されている。
【0081】
制御部37は、流量調整弁69を開放する際には、複数枚の基板Wとリフタ27とが待機位置にあっても、内槽3の上縁から処理液が溢れる量の気泡を気泡供給管65から発生するように、流量調整弁69の流量を調整する。
【0082】
なお、気泡供給管65が本発明における「気泡供給手段」に相当する。
【0083】
非処理循環状態では、制御部37が流量調整弁69を開放し、気泡供給管65から大量の気泡を発生させる。すると、内槽3の処理液面が気泡により上昇して内槽3の上縁から処理液が溢れる。さらに、制御部37は、循環ポンプ17を作動させ、インラインヒータ19によって処理液を処理温度に温調する。したがって、処理液は、内槽3と、外槽5と、循環配管15とを通って循環し、処理温度への温調が行われる。
【0084】
処理液の温度が処理温度に達すると、制御部37は、流量調整弁69を閉止して、気泡供給管65からの気泡の供給を停止する。その後、処理状態では、昇降駆動部30を操作して、リフタ27を複数枚の基板Wごと待機位置から処理位置へ下降させる。すると、内槽3の処理位置に位置するリフタ27及び支持部29と、複数枚の基板Wとの容積分だけ内槽3の処理液面が上昇し、内槽3の上縁から外槽5に処理液が溢れる。したがって、処理状態において、処理液が循環配管15を通って循環する。これを所定時間だけ維持して、複数枚の基板Wに対して処理液による処理を行う。
【0085】
上述したように、本実施例によると、気泡供給管65により気泡を供給することで、気泡の量に応じて内槽3の処理液面を押し上げることができる。したがって、気泡を発生させるだけで、処理液を循環させることができる。
【0086】
なお、気泡による液面の変動は上述した実施例1〜5に比較して小さいので、実施例1〜5と併用して、液面の高さを微調整することに有効に利用できる。
【0087】
ここで、参考のために内槽3、外槽5、循環配管15等の容積と、本発明より低減できる処理液の容量について例示する。
【0088】
300mm径の基板50枚を処理できる基板処理装置の場合
槽循環量(内槽+外槽+循環配管) …… 50リットル
基板+リフタ 6リットル
【0089】
したがって、本発明によると、基板とリフタの容積の合計である6リットルの処理液を低減できる。
【0090】
450mmの基板50枚を処理できる基板処理装置の場合
槽循環量(内槽+外槽+循環配管) …… 150リットル
基板+リフタ 20リットル
【0091】
したがって、本発明によると、基板とリフタの容積の合計である20リットルの処理液を低減できる。
【0092】
本発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
【0093】
(1)上述した各実施例では、循環配管15にインラインヒータ19及びフィルタ21を備えている。しかしながら、本発明はインラインヒータ19やフィルタ21を必ずしも備える必要はない。つまり、常温の処理液を循環させるだけの基板処理装置にも適用することができる。
【0094】
(2)上述した各実施例では、複数枚の基板Wをリフタ27が保持しているが、1枚の基板Wをリフタ27が保持するものであってもよい。
【0095】
(3)上述した各実施例の他に、一端側が内槽3の底部近傍にて開口し、他端側が外槽5に開口した非処理循環配管と、その流通を制御する開閉弁と、非処理循環配管に設けられたポンプを備え、非処理循環状態では開閉弁を開放するとともにポンプを作動させて、液面が低下した内槽3の処理液を非処理循環配管を通して外槽5に流出させる構成を採用してもよい。
【0096】
(4)上述した実施例3,4では、ベローズ55,55Aに気体を供給して伸長させた。しかしながら、伸長させるのに液体を用いるようにしてもよい。これにより、実施例3では、ベローズ55が処理液面から浮きづらくさせることができ、オートカバー53が浮力により開くのを防止できる。
【符号の説明】
【0097】
1,1A〜1E … 基板処理装置
3 … 内槽
5 … 外槽
7 … 注入管
15 … 循環配管
17 … 循環ポンプ
19 … インラインヒータ
27 … リフタ
30 … 昇降駆動部
33 … 循環流通管
37 … 制御部
39 … ハウジング
41 … ピストン
43 … 先端部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理液に基板を浸漬させて基板に対して処理を行う基板処理装置において、
処理液を貯留する内槽と、
前記内槽から溢れる処理液を回収する外槽と、
前記内槽の上方に相当する待機位置と、前記内槽の内部に相当する処理位置とにわたって基板とともに移動するリフタと、
前記内槽と前記外槽とを連通接続し、処理液を循環させるための循環配管と、
前記内槽と、前記外槽と、前記循環配管とは、リフタが基板とともに処理位置に位置した処理状態で、前記内槽から前記外槽に処理液が溢れ、かつ、リフタが基板とともに待機位置に位置した非処理状態で、前記内槽から前記外槽に処理液が溢れない量の処理液が貯留されているとともに、リフタが基板とともに処理位置に移動するまでの非処理循環状態では、前記内槽から前記外槽へ処理液を流通させて前記循環配管を介して処理液の循環を行わせる循環制御手段と、
を備えていることを特徴とする基板処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の基板処理装置において、
前記内槽の側壁に配設され、前記内槽の側壁における上縁よりも下方の高さ位置に配設された開閉弁を備え、
前記循環制御手段は、非処理循環状態では、前記開閉弁を開放し、処理状態では、前記開閉弁を閉止することを特徴とする基板処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の基板処理装置において、
前記開閉弁は、処理状態から非処理状態になったときの前記内槽の液面高さに設けられていることを特徴とする基板処理装置。
【請求項4】
請求項2または3に記載の基板処理装置において、
前記開閉弁は、開放時に退出し、閉止時に突出するピストンを備え、閉止時に前記ピストンの先端部が前記内槽の内壁面に一致する位置にまで突出することを特徴とする基板処理装置。
【請求項5】
請求項1に記載の基板処理装置において、
前記内槽は、上縁を含む上部内槽と、底面を含む下部内槽とを備え、
前記上部内槽または前記下部内槽を昇降させる昇降手段を備え、
前記循環制御手段は、非処理循環状態では、前記昇降手段を操作して前記上部内槽と前記下部内槽との間に隙間を形成し、処理状態では、前記上部内槽と前記下部内槽とを密着させることを特徴とする基板処理装置。
【請求項6】
請求項1に記載の基板処理装置において、
前記内槽及び前記外槽の上部に配設され、非処理循環状態では閉止され、非処理状態から処理状態に移行する際に開閉されるオートカバーと、
前記オートカバーの下面に配設され、前記内槽の処理液中と、前記内槽の処理液面上とにわたって伸縮自在の伸縮部材とを備え、
前記循環制御手段は、非処理循環状態では前記伸縮部材を伸長させ、処理状態では前記伸縮部材を収縮させることを特徴とする基板処理装置。
【請求項7】
請求項1に記載の基板処理装置において、
前記内槽の底部に配設され、底部側と処理液面側とにわたって伸縮自在の伸縮部材を備え、
前記循環制御手段は、非処理循環状態では前記伸縮部材を伸長させ、処理状態では前記伸縮部材を収縮させることを特徴とする基板処理装置。
【請求項8】
請求項1に記載の基板処理装置において、
前記内槽の外部と、前記内槽の内部とにわたって移動可能なダミーブロックを備え、
前記循環制御手段は、非処理循環状態では前記ダミーブロックを前記内槽の内部に移動させ、処理状態では前記ダミーブロックを前記内槽の外部に移動させることを特徴とする基板処理装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれかに記載の基板処理装置において、
前記内槽の内部に気泡を供給する気泡供給手段を備え、
前記循環制御手段は、非処理循環状態では前記気泡供給手段により気泡を供給させ、処理状態では前記気泡供給手段からの気泡の供給を停止させることを特徴とする基板処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2013−45947(P2013−45947A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−183696(P2011−183696)
【出願日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【出願人】(000207551)大日本スクリーン製造株式会社 (2,640)
【Fターム(参考)】