説明

基板収納容器

【課題】 蓋体の開閉時に容器本体と蓋体とが擦れやすくなるのを抑制し、パーティクル等の塵埃が基板を汚染するおそれを有効に排除できる基板収納容器を提供する。
【解決手段】 複数枚の半導体ウェーハWを整列収納する容器本体1の開口した正面2に蓋体10を着脱自在に嵌合し、容器本体1の正面内周に蓋体10の周壁を接触させる基板収納容器であり、容器本体1の正面内周と蓋体10の周壁の少なくともいずれか一方に、断面視で略半紡錘形あるいは略台形の回避部30を凹み形成し、この回避部30により、容器本体1の正面内周と蓋体10の周壁との擦れに伴うパーティクルの発生を抑制する。例え基板収納容器の内部が減圧状態になっても、容器本体1正面2の変形し易い上部中央、下部中央、両側部中央がそれぞれ内側に湾曲して反るのを抑制防止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウェーハ、ガラスウェーハ、マスクガラス等からなる基板を収納、保管、搬送、輸送する基板収納容器に関し、より詳しくは、基板収納容器の蓋体を繰り返し開閉する際にパーティクルが発生するのを抑制する構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来における基板収納容器は、図示しないが、複数枚の半導体ウェーハを上下に並べて整列収納するフロントオープンボックスの容器本体と、この容器本体の開口した正面を着脱自在に開閉する蓋体と、容器本体の開口した正面に嵌合した蓋体を施錠する重い施錠機構とを備え、半導体製造工場の天井搬送機構に把持して工程間を搬送されたり、半導体加工装置に付設された蓋体開閉装置上に位置決めして搭載される(特許文献1、2、3参照)。
【0003】
各半導体ウェーハは、例えば775μmの厚さを有するφ300mmのシリコンウェーハからなり、半導体部品の製造工程で各種の加工や処理が施される。また、容器本体は、所定の樹脂を含有する成形材料により成形され、内部の両側に半導体ウェーハ用の支持片がそれぞれ対設されるとともに、この左右一対の支持片が上下方向に所定のピッチで配列形成されており、底板の前後部に気体置換用のフィルタバルブがそれぞれ嵌着されている(特許文献4参照)。
【0004】
蓋体は、蓋体開閉装置により容器本体の開口した正面内に自動的に圧入して嵌合されたり、取り外される。また、施錠機構は、蓋体に内蔵され、蓋体開閉装置により自動的に施錠操作されたり、解錠操作される。
このような基板収納容器は、半導体ウェーハに各種の加工や処理が施される度に、容器本体から蓋体が取り外された後、容器本体から半導体ウェーハが取り出されたり、容器本体に半導体ウェーハが収納された後に蓋体が圧入して嵌合され、容器本体の正面内周に蓋体の周壁が接触する。
【0005】
ところで、基板収納容器は、高温の半導体ウェーハを収納したり、搬送時の外力で変形する関係上、内部が減圧状態になることがある。この場合、容器本体の正面が部分的に変形して蓋体が張り付き、蓋体の取り外しに支障を来たすおそれがある。この問題を解消するため、従来においては、容器本体の底板に、基板収納容器の内外圧力差を解消する複数のフィルタバルブを嵌着し、この複数のフィルタバルブの気体流通作用により、蓋体の開閉を容易にする方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007‐19328号公報
【特許文献2】特開2006‐128461号公報
【特許文献3】特開2005‐353898号公報
【特許文献4】特開2009‐105205号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来における基板収納容器は、以上のように構成され、内部が減圧状態になると、容器本体正面の変形し易い部分、具体的には、容器本体正面の上部中央、下部中央、両側部中央がそれぞれ内側に湾曲して反ることがある。このような変形が生じると、容器本体正面の変形部分と蓋体の対向する周壁とが密接しやすくなり、擦れも発生し易くなるので、樹脂粉等のパーティクルが半導体ウェーハを汚染するおそれがある。
【0008】
また、容器本体の正面から蓋体が蓋体開閉装置により取り外される場合、蓋体は、蓋体開閉装置とのクリアランス分だけ重力方向に自重で下降するので、容器本体の開口した正面に再び嵌合される際、容器本体の正面との芯ズレにより、擦れが発生しやすくなる。この結果、パーティクルの発生を招き、半導体ウェーハの汚染する事態が予想される。
【0009】
本発明は上記に鑑みなされたもので、蓋体の開閉時に容器本体と蓋体とが擦れやすくなるのを抑制し、微粒子等の塵埃が基板を汚染するおそれを有効に排除することのできる基板収納容器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明においては上記課題を解決するため、基板を収納可能な容器本体の開口部に蓋体を着脱自在に嵌め合わせ、容器本体の開口部内周に蓋体の周壁を接触させるものであって、
容器本体の開口部内周と蓋体の周壁の少なくともいずれか一方に、断面視で略半紡錘形あるいは略台形の回避部を凹み形成し、この回避部により、容器本体の開口部内周と蓋体の周壁との擦れに伴う微粒子の発生を抑制するようにしたことを特徴としている。
【0011】
なお、容器本体を正面の開口したフロントオープンボックスに形成し、この容器本体の正面内周の上部中央、下部中央、及び側部中央のうち、少なくとも下部中央に回避部を凹み形成することができる。
また、蓋体の周壁の上部中央、下部中央、及び側部中央のうち、少なくとも下部中央に回避部を凹み形成することができる。
【0012】
ここで、特許請求の範囲における基板には少なくともφ200、300、450mmの半導体ウェーハ、ガラスウェーハ、マスクガラス等が含まれ、一枚又は複数枚の基板が容器本体に収納される。容器本体は、正面の開口したフロントオープンボックスが主ではあるが、上面の開口したトップオープンボックスでも良いし、又透明、不透明、半透明のいずれでも良い。また、蓋体を、容器本体の開口部内に嵌め合わされる蓋本体と、この蓋本体の開口した表面を被覆する表面プレートとから形成し、これら蓋本体と表面プレートとの間に蓋体用の施錠機構を介在することができる。
【0013】
回避部は、容器本体の開口部内周と蓋体の周壁、容器本体の開口部内周、あるいは蓋体の周壁に形成することができる。この回避部は、断面視で略半紡錘形に形成される場合があるが、この場合の略半紡錘形には、半紡錘形やこれに類似する形(例えば、細長い半楕円形等)が含まれる。また、断面視で略台形に形成される場合の略台形には、台形やこれに類似する形が含まれる。回避部は、容器本体の開口部及び蓋体と垂直に交わる中心線部分が最も深く形成され、この中心線部分から両側部、すなわち容器本体の隅部に向かうにしたがい徐々に浅くなることが好ましい。
【0014】
本発明によれば、容器本体の開口部と蓋体の周壁の少なくともいずれか一方に凹んだ回避部を形成するので、例え基板収納容器の内部が減圧状態になっても、容器本体の開口部の変形し易い部分が反るのを抑制することができる。したがって、容器本体の開口部の変形部分と蓋体の対向する周壁とが密接したり、過剰に擦れるのを防ぎ、微粒子等が基板を汚染するおそれを排除することができる。また、容器本体の開口部に取り外した蓋体を再び嵌合する場合にも、擦れが発生するのを抑制できるので、微粒子等の発生に伴う基板の汚染を防ぐことができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、蓋体の開閉時に容器本体と蓋体とが擦れやすくなるのを抑制し、パーティクル等の塵埃が基板を汚染するおそれを有効に排除することができるという効果がある。
また、請求項2又は3記載の発明によれば、容器本体の正面から蓋体が蓋体開閉装置により取り外され、蓋体開閉装置とのクリアランス分だけ蓋体が重力方向に下降しても、最も擦れが懸念される容器本体や蓋体周壁の下部に回避部を形成するので、擦れが発生するのを抑制でき、塵埃の発生に伴う基板の汚染を防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係る基板収納容器の実施形態を模式的に示す分解斜視図である。
【図2】本発明に係る基板収納容器の実施形態における蓋体の裏面側を模式的に示す説明図である。
【図3】本発明に係る基板収納容器の実施形態における蓋体の回避部を模式的に示す説明図である。
【図4】本発明に係る基板収納容器の第2の実施形態を模式的に示す説明図である。
【図5】本発明に係る基板収納容器の第3の実施形態における容器本体を模式的に示す斜視説明図である。
【図6】本発明に係る基板収納容器の実施形態における容器本体の正面内周の回避部を模式的に示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明すると、本実施形態における基板収納容器は、図1ないし図3に示すように、複数枚の半導体ウェーハWを収納する容器本体1と、この容器本体1の開口した正面2に着脱自在に嵌合する蓋体10と、容器本体1の開口した正面2に嵌合した蓋体10を施錠する重い施錠機構20とを備え、容器本体1の正面内周と蓋体10の周壁とに、回避部30をそれぞれ形成するようにしている。
【0018】
各半導体ウェーハWは、例えば775μmの厚さを有するφ300mmのシリコンウェーハからなり、容器本体1に1枚又は26枚が水平に整列収納される。こうした半導体ウェーハWは、半導体部品の製造工程で各種の加工や処理が適宜施される。
【0019】
容器本体1と蓋体10とは、所定の樹脂を含有する成形材料により複数の部品がそれぞれ射出成形され、この複数の部品の組み合わせで構成される。この成形材料の所定の樹脂としては、例えばポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリブチレンテレフタレート、ポリアセタール、液晶ポリマーといった熱可塑性樹脂やこれらのアロイ等があげられる。
【0020】
これらの樹脂には、カーボン繊維、カーボンパウダー、カーボンナノチューブ、導電性ポリマー等からなる導電物質やアニオン、カチオン、非イオン系等の各種帯電防止剤が必要に応じて添加される。また、ベンゾトリアゾール系、サリシレート系、シアノアクリレート系、オキザリックアシッドアニリド系、ヒンダードアミン系の紫外線吸収剤が添加されたり、剛性を向上させるガラス繊維や炭素繊維等も選択的に添加される。
【0021】
容器本体1は、図1や図2に示すように、正面2が開口したフロントオープンボックスタイプに形成され、開口した正面2を水平横方向に向けた状態で半導体製造工場の天井搬送機構に把持して工程間を搬送されたり、半導体加工装置に付属の蓋体開閉装置上に位置決めして搭載される。この容器本体1は、その内部両側、換言すれば、両側壁の内面に、半導体ウェーハWを略水平に支持する左右一対の支持片3がそれぞれ対設され、両側壁の内面後部に、半導体ウェーハWの過剰な挿入を規制する位置規制部がそれぞれ一体形成される。
【0022】
左右一対の支持片3は、上下方向に所定のピッチで配列され、各支持片3が半導体ウェーハWの側部周縁を支持する細長い板形に形成されており、支持片3の前部表面には、半導体ウェーハWの飛び出しを規制する段差部が一体形成される。また、容器本体1の底板における前後部の両側には取付孔4がそれぞれ貫通して穿孔され、各取付孔4に気体置換用のフィルタバルブ5が嵌着される。この複数のフィルタバルブ5は、エアやパージガス等の気体を内外に流通させることにより、基板収納容器の内外圧力差を解消するよう機能する。
【0023】
容器本体1の底板裏面における前部両側と後部中央とには、容器本体1を位置決めする位置決め具がそれぞれ配設される。各位置決め具は、基本的には平面略楕円形を呈する断面略V字形に形成されてその一対の斜面を備えた凹部を下方に指向させ、蓋体開閉装置の位置決めピンに上方から凹部を嵌合・摺接させることにより、容器本体1を高精度に位置決めするよう機能する。また、容器本体1の底板裏面には、別体のボトムプレートが螺子具を介して水平に螺着され、このボトムプレートが複数の位置決め具をそれぞれ露出させる。
【0024】
容器本体1の天板中央部には、半導体製造工場の天井搬送機構に把持される搬送用のトップフランジ6が着脱自在に装着され、容器本体1の正面内周における上下の両側には、施錠機構20用の施錠穴7がそれぞれ穿孔される。また、容器本体1の両側壁中央部には、握持操作用に機能するグリップ部8がそれぞれ着脱自在に装着され、両側壁の下部には、搬送用のサイドレール9がそれぞれ選択的に水平に装着される。
【0025】
蓋体10は、図1や図2に示すように、容器本体1の開口した正面2内に圧入して嵌合される蓋本体11と、この蓋本体11の開口した正面を被覆する表面プレート17と、容器本体1の正面内周と蓋本体11との間に介在される密封封止用のシールガスケット19とを備え、容器本体1の開口した正面内周に蓋本体11の周壁を接触させる。蓋本体11は、基本的には底の浅い断面略皿形に形成され、内部に補強用や取付用のリブが複数配設されており、半導体ウェーハWに対向する対向面である裏面には、半導体ウェーハWを弾発的に保持するフロントリテーナ12が装着される。
【0026】
フロントリテーナ12は、図2に示すように、蓋本体11の裏面中央部に装着される縦長の枠体13を備え、この枠体13の左右両側部には,内方向に伸びる複数の弾性片14がそれぞれ上下に並べて配列形成される。各弾性片14は、可撓性や弾性が付与され、先端部には、半導体ウェーハWの前部周縁をV溝等で保持する保持ブロック15が一体形成される。この保持ブロック15には、V溝の代わりにU字溝を形成することも可能である。
【0027】
蓋本体11の裏面周縁部には枠形の嵌合溝が凹み形成され、この嵌合溝内に、容器本体1の正面内周に圧接するシールガスケット19が密嵌されており、蓋本体11の周壁における上下の両側部には、容器本体1の施錠穴7に対向する施錠機構20用の出没孔16が貫通して穿孔される。
【0028】
表面プレート17は、横長の正面矩形に形成され、補強用や取付用のリブ、螺子孔等が複数配設される。この表面プレート17の両側部には、施錠機構20用の操作孔18がそれぞれ穿孔される。また、シールガスケット19は、例えば耐熱性や耐候性等に優れるポリエステル系、ポリスチレン系、ポリオレフィン系の熱可塑性エラストマー等を成形材料として弾性変形可能な枠形に成形される。
【0029】
施錠機構20は、図1に示すように、蓋体10の蓋本体11における左右両側部にそれぞれ軸支されて外部から回転操作される左右一対の回転プレート21と、各回転プレート21の回転に伴い蓋体10の上下方向にスライドする複数の進退動プレート22と、各進退動プレート22のスライドに伴い蓋本体11の出没孔16から出没して容器本体1の施錠穴7に接離する複数の施錠爪23とを備え、蓋体10の蓋本体11と表面プレート17との間に介在される。
【0030】
各回転プレート21は、蓋体10の表面プレート17の操作孔18に対向し、この操作孔18を貫通した蓋体開閉装置の操作キーにより回転操作される。また、各施錠爪23は、基本的には断面略L字形に屈曲形成されてその先端部には回転可能なローラ24を備え、蓋本体11内の出没孔16付近に揺動可能に軸支されて進退動プレート22の先端部にピンを介し連結されており、容器本体1の施錠穴7にローラ24を接離する。
【0031】
各回避部30は、図1ないし図3に示すように、容器本体1の正面内周に形成される場合には、減圧状態で変形しやすい正面内周の上部中央、下部中央、及び両側部中央にそれぞれ細長い平面略紡錘形に凹み形成され、蓋体10の周壁に形成される場合には、蓋本体11の周壁の上部中央、下部中央、及び両側部中央にそれぞれ細長い平面略紡錘形に凹み形成される。これら容器本体1の複数の回避部30と蓋体10の複数の回避部30とは、相互に対応する。
【0032】
回避部30は、断面視で細長い半紡錘形、換言すれば、細長い半楕円形に形成され、中央部が最も深く湾曲形成されており、この中央部から両側部に向かうにしたがい滑らかに徐々に浅くなるよう形成される。この回避部30の形成箇所は、特に限定されるものではないが、容器本体1と蓋体10との擦れが最も懸念される容器本体1の正面内周の下部中央と蓋本体11の周壁の下部中央の少なくともいずれか一方に凹み形成されることが好ましい。このような回避部30は、容器本体1の正面2の変形を防止し、容器本体1と蓋体10との接触面積を減少させるよう機能する。
【0033】
上記構成によれば、容器本体1の正面内周と蓋体10の周壁とに凹んだ回避部30をそれぞれ形成するので、例え基板収納容器の内部が減圧状態になっても、容器本体1の正面2の変形し易い上部中央、下部中央、両側部中央がそれぞれ内側に湾曲して反るのを抑制防止することができる。したがって、接触面積の増大防止が期待できるので、容器本体正面2の変形部分と蓋体10の対向する周壁とが密接したり、過剰に擦れるのを防ぎ、樹脂粉等のパーティクルが半導体ウェーハWを汚染するおそれを有効に排除することができる。
【0034】
また、容器本体1の開口した正面2に取り外した蓋体10を蓋体開閉装置により再び嵌合する場合にも、擦れが発生するのを抑制できるので、パーティクルの発生に伴う半導体ウェーハWの汚染を有効に防止することができる。
【0035】
次に、図4は本発明の第2の実施形態を示すもので、この場合には、蓋本体11の周壁の上部中央と下部中央とに回避部30をそれぞれ凹み形成して相互に対向させ、蓋本体11の周壁の両側部中央の回避部30を省略するようにしている。その他の部分については、上記実施形態と略同様であるので説明を省略する。
本実施形態においても上記実施形態と同様の作用効果が期待でき、しかも、構成の簡素化や多様化が期待できるのは明らかである。
【0036】
次に、図5と図6は本発明の第3の実施形態を示すもので、この場合には、容器本体1の正面内周の上部中央、下部中央、両側部中央に回避部30をそれぞれ凹み形成し、各回避部30を平面視で細長い矩形に形成するようにしている。
【0037】
回避部30は、断面視で細長い台形に凹み形成され、長い中央部が最も深く形成されており、この中央部から両側部に向かうにしたがい徐々に短く浅くなるよう形成される。その他の部分については、上記実施形態と略同様であるので説明を省略する。
本実施形態においても上記実施形態と同様の作用効果が期待でき、しかも、構成の多様化が期待できるのは明らかである。
【0038】
なお、上記実施形態では枠体13の左右両側部に複数の弾性片14をそれぞれ上下に並べて配列形成したが、左右の弾性片14を連結片を介して連結し、この連結片に保持ブロック15を形成しても良い。また、枠体13の上下部間に連結柱を縦に架設し、この連結柱の左右両側部に複数の弾性片14をそれぞれ上下に並べて配列形成しても良い。
【0039】
また、容器本体1の正面内周の上部中央と下部中央とに回避部30をそれぞれ凹み形成し、正面内周の両側部中央の回避部30を省略しても良い。さらに、蓋本体11の周壁の上部中央、下部中央、両側部中央に断面略台形の回避部30をそれぞれ凹み形成することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明に係る基板収納容器は、例えば半導体や液晶ディスプレイ等の製造分野で使用することができる。
【符号の説明】
【0041】
1 容器本体
2 正面(開口部)
3 支持片
5 フィルタバルブ
10 蓋体
11 蓋本体
17 表面プレート
20 施錠機構
30 回避部
W 半導体ウェーハ(基板)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を収納可能な容器本体の開口部に蓋体を着脱自在に嵌め合わせ、容器本体の開口部内周に蓋体の周壁を接触させる基板収納容器であって、
容器本体の開口部内周と蓋体の周壁の少なくともいずれか一方に、断面視で略半紡錘形あるいは略台形の回避部を凹み形成し、この回避部により、容器本体の開口部内周と蓋体の周壁との擦れに伴う微粒子の発生を抑制するようにしたことを特徴とする基板収納容器。
【請求項2】
容器本体を正面の開口したフロントオープンボックスに形成し、この容器本体の正面内周の上部中央、下部中央、及び側部中央のうち、少なくとも下部中央に回避部を凹み形成した請求項1記載の基板収納容器。
【請求項3】
蓋体の周壁の上部中央、下部中央、及び側部中央のうち、少なくとも下部中央に回避部を凹み形成した請求項2記載の基板収納容器。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−190898(P2012−190898A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−51414(P2011−51414)
【出願日】平成23年3月9日(2011.3.9)
【出願人】(000190116)信越ポリマー株式会社 (1,394)
【Fターム(参考)】