説明

基板生産装置

【課題】基板投入位置より基板を異なる方向から基板作業位置に搬入でき、1台の作業装置を複数の作業者で共有できる基板生産装置を提供する。
【解決手段】基板を異なる方向に投入可能な少なくとも2つの基板投入位置17、18を有し、これら基板投入位置より搬入された基板に定められた作業を施す基板作業装置を備えた基板生産装置であって、2つの基板投入位置に投入された基板を基板作業装置に搬入し、かつ基板作業装置によって基板に所定の作業を完了した後、基板を投入された側の基板投入位置に払い出す第1および第2の搬送経路を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の基板投入位置を有し、これら基板投入位置より基板を異なる方向から作業位置に搬入可能で、かつ作業完了後それらの基板を投入された基板投入位置に払い出す基板生産装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
基板搬入方向と基板搬出方向とを逆方向とし、基板が投入された位置に基板を搬出する表面実装装置として、例えば、特許文献1に記載されたものが知られている。
【0003】
特許文献1に記載されたものは、基板搬入路と、基板搬出路と、基板搬入路から搬入された基板を部品装着位置へ位置決めする基板位置決め部とを有し、基板を基板搬入位置から基板搬入路に沿って基板位置決め部へ搬入し、部品供給装置から供給される部品を、基板位置決め部上方の平面内を移動する装着ヘッドによって基板上に実装し、部品の実装が完了した基板を基板搬出路に沿って搬出位置へ搬送する表面実装装置において、基板搬入路の基板搬入方向と前記基板搬出路の基板搬出方向とを逆方向としたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−44693号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のものは、1組の基板搬入路および基板搬出路毎に、言い換えれば、基板を搬入、搬出するオペレータ1人に対して作業装置(表面実装装置)を1台設ける必要があるため、基板搬入路および基板搬出路を複数組設けてオペレータを複数配置した場合には、それに応じて作業装置を増加させなければならず、設備費用および設備占有面積が増大する問題がある。
【0006】
本発明は、上述した従来の問題を解消するためになされたもので、1台の基板作業装置を複数の作業者で共有できる基板作業装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明の特徴は、基板を異なる方向に投入可能な少なくとも2つの基板投入位置を有し、これら基板投入位置より搬入された基板に定められた作業を施す基板作業装置を備えた基板生産装置であって、前記2つの基板投入位置に投入された前記基板を前記基板作業装置に搬入し、かつ前記基板作業装置による前記基板への所定の作業が完了した後、前記基板を投入された側の前記基板投入位置に払い出す第1および第2の搬送経路を有することである。
【0008】
請求項2に係る発明の特徴は、請求項1において、前記基板作業装置は、少なくとも1台の印刷機からなり、前記各基板投入位置に対応して、装着機がそれぞれ配設されていることである。
【0009】
請求項3に係る発明の特徴は、請求項1または請求項2において、前記基板は、少なくとも異なる作業面を有する第1および第2基板からなり、前記基板作業装置は、前記第1基板の表面に作業を施す第1基板作業エリアと、前記第2基板の表面に作業を施す第2基板作業エリアとを有し、該第1および第2基板作業エリアが前記基板搬送方向と直交する方向に並設され、前記第1および第2基板作業エリアに対してそれぞれ前記2つの基板投入位置が設けられていることである。
【0010】
請求項4に係る発明の特徴は、請求項1または請求項2において、前記基板は、少なくとも異なる作業面を有する第1および第2基板からなり、前記基板作業装置は、前記第1基板の表面に作業を施す第1基板作業装置と、前記第2基板の表面に作業を施す第2基板作業装置とによって構成され、前記第1および第2基板作業装置が前記基板搬送方向に並設され、前記第1および第2基板作業装置には、前記2つの基板投入位置がそれぞれ設けられていることである。
【0011】
請求項5に係る発明の特徴は、請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、前記2つの基板投入位置のうちの一方の基板投入位置に投入された前記基板を前記基板作業位置に搬入し、かつ前記基板作業位置によって前記基板に所定の作業を完了した後、前記基板を前記基板投入位置のうちの他方の基板投入位置に払い出す第3の搬送経路をさらに有するとともに、前記第1および第2の搬送経路により基板搬送を行う第1の基板搬送モードと、前記第3の搬送経路により基板搬送を行う第2の基板搬送モードのいずれかを選択する搬送モード選択手段を有することである。
【発明の効果】
【0012】
上記のように構成した請求項1に係る発明によれば、2つの基板投入位置に投入された基板を基板作業装置に搬入し、かつ基板作業装置による基板への所定の作業が完了した後、基板を投入された側の基板投入位置に払い出す第1および第2の搬送経路を有するので、1台の基板作業装置を複数の作業者で共有することが可能となり、基板生産装置の設備費の増大を抑制することができるとともに、生産設備の占有面積を少なくすることができる。
【0013】
請求項2に係る発明によれば、基板作業装置は、少なくとも1台の印刷機からなり、各基板投入位置に対応して、装着機がそれぞれ配設されているので、印刷機を複数の作業者によって共有することができるとともに、印刷機と装着機の各サイクルタイムが、ほぼ1:2に設定されている場合であっても、印刷機および装着機の空き時間を増大させることなく、基板生産装置の設備費を抑制することができる。
【0014】
請求項3に係る発明によれば、基板は、少なくとも異なる作業面を有する第1および第2基板からなり、基板作業装置は、第1基板の表面に作業を施す第1基板作業エリアと、第2基板の表面に作業を施す第2基板作業エリアとを有し、第1および第2基板作業エリアが基板搬送方向と直交する方向に並設され、第1および第2基板作業エリアに対してそれぞれ2つの基板投入位置が設けられているので、第1および第2基板作業エリアにおいて、基板の表面および裏面、あるいは異なる2種類の基板の各表面に所定の作業を実行することができる。
【0015】
請求項4に係る発明によれば、基板は、少なくとも異なる作業面を有する第1および第2基板からなり、基板作業装置は、第1基板の表面に作業を施す第1基板作業装置と、第2基板の表面に作業を施す第2基板作業装置とによって構成され、第1および第2基板作業装置が基板搬送方向に並設され、第1および第2基板作業装置には、2つの基板投入位置がそれぞれ設けられているので、上記した請求項3による効果に加えて、第1および第2基板作業装置を基板の搬送方向と直交する方向の同じ側に並べて設置することができることから、各基板作業装置のメンテナンスを行う場合に、作業者が同じ方向からアクセスすることが可能となり、各基板作業装置のメンテナンスを容易に行うことができる。
【0016】
請求項5に係る発明によれば、2つの基板投入位置のうちの一方の基板投入位置に投入された基板を基板作業位置に搬入し、かつ基板作業位置によって基板に所定の作業を完了した後、基板を基板投入位置のうちの他方の基板投入位置に払い出す第3の搬送経路をさらに有するとともに、第1および第2の搬送経路により基板搬送を行う第1の基板搬送モードと、第3の搬送経路により基板搬送を行う第2の基板搬送モードのいずれかを選択する搬送モード選択手段を有するので、搬送モードの選択によって基板を2種類の生産形態によって生産することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す基板生産装置の概略図である。
【図2】基板生産装置に用いられる印刷機を示す正面図である。
【図3】印刷機に基板を搬入する基板搬送装置を示す平面図である。
【図4】印刷機によって基板を生産する手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第2の実施の形態を示す基板搬送装置の平面図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態を示す基板生産装置の概略図である。
【図7】本発明の第4の実施の形態を示す基板生産装置の概略図である。
【図8】スクリーンマスクの一例を示す平面図である。
【図9】本発明の第5の実施の形態を示す基板生産装置の概略図である。
【図10】本発明の第6の実施の形態を示す基板生産装置の概略図である。
【図11】異なる基板搬送モードによって基板を生産する形態を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態を示す基板生産装置を示すもので、当該基板生産装置は、例えば、プリント基板11(図2、図3参照)にクリームはんだを印刷する1台の印刷機12と、印刷されたクリームはんだ上に電子部品を装着する2台の装着機13、14と、電子部品が装着されたプリント基板11をリフロー炉によりリフローはんだ付けを行う2台のリフロー15、16によって構成されている。
【0019】
印刷機12は、異なる方向からプリント基板11を投入可能な2つの基板投入位置17、18を備え、これら基板投入位置17、18の近傍に配置される複数の作業者M1、M2によって印刷機12を共有できるようになっている。印刷機12の両側には、作業者M1、M2の各作業者位置を取り囲むように、第1および第2の装着機13、14および第1および第2のリフロー15、16がそれぞれ配置されている。
【0020】
これにより、作業者M1、M2によって共有される印刷機12と第1の装着機13と第1のリフロー15とによって、プリント基板11を生産する第1のセルS1が構成され、前記印刷機12と第2の装着機14と第2のリフロー16とによって、プリント基板11を生産する第2のセルS2が構成されており、これらセルS1、S2によって、プリント基板11をセル生産できるようになっている。
【0021】
すなわち、各作業者M1、M2は、生産すべきプリント基板11を印刷機12の第1および第2基板投入位置17、18に投入し、印刷作業が完了して第1および第2基板投入位置17、18に搬出されたプリント基板11を、装着機13、14に投入する。また、装着機13、14による装着作業が完了したプリント基板11を、リフロー15、16に投入してリフローはんだ付けを行い、リフロー15、16より搬出されたプリント基板11を箱詰めする。
【0022】
なお、印刷機12および装着機13、14の各サイクルタイムは、一例として、ほぼ1:2に設定されており、各装着機13、14によってプリント基板11に所要の電子部品が装着される間に、印刷機12では2つのプリント基板11に印刷作業が施されるようになっている。
【0023】
図2に印刷機12の一例としてのスクリーン印刷機を示す。スクリーン印刷機12は、基板保持装置21、スキージ装置22およびスクリーン保持装置23を備えている。基板保持装置21は、プリント基板11の搬入・搬出を行う基板搬送装置24(図3参照)の経路の途中に設けられ、基板保持台25および基板保持台昇降機構26を備えている。基板搬送装置24によってスクリーン印刷機12の印刷作業位置に搬入されたプリント基板11は基板保持台25に保持され、基板保持台25が基板保持台昇降機構26により昇降されることにより、スクリーン保持装置23に保持されたスクリーンマスク27の下面に接近・離間されるようになっている。
【0024】
スクリーン保持装置23は、基板保持装置21の上方に設けられている。スクリーン保持装置23は矩形のスクリーン枠28を有し、このスクリーン枠28にスクリーンマスク27が水平な姿勢で保持されている。スクリーンマスク27には、印刷用のパターン孔が貫通され、パターン孔を通じて印刷剤としてのクリームはんだがプリント基板11の上面に印刷される。
【0025】
スキージ装置22は、スクリーンマスク27の上方にガイドレール29に沿って移動可能に設けられている。スキージ装置22は公知のもので、スキージヘッド30と、スキージヘッド30をスクリーンマスク27の上面に沿って移動させるボールねじ送り機構からなるスキージヘッド移動装置31と、スキージヘッド30をスクリーンマスク27に向かって昇降させるスキージヘッド昇降装置32を有している。
【0026】
スクリーン印刷機12の基板搬送装置24は、図3に示すように、搬送コンベア33によって構成され、搬送コンベア33の前後には、プリント基板11を搬入し、かつ払い出す第1コンベア34および第2コンベア35からなる第1および第2基板投入位置17、18が設けられている。第1および第2基板投入位置17、18(第1および第2コンベア34、35)には、生産すべきプリント基板11が作業者M1、M2によって投入され、待機される。第1基板投入位置17、18にプリント基板11が投入されると、これがセンサ37、38によって検出され、検出信号が制御装置39に出力される。第1および第2コンベア34、35上で待機するプリント基板11は、スクリーン印刷機12の印刷作業位置に搬入できるようになると、第1および第2コンベア34、35で待機された順番に従って基板搬送装置24に搬送され、基板搬送装置24によって印刷作業位置に搬入される。
【0027】
この際、プリント基板11は、第1基板投入位置17から印刷作業位置に搬入された場合には、図3の矢印a1、a2で示す第1の搬送経路T1によって元の第1基板投入位置17に払い出され、第2基板投入位置18から印刷作業位置に搬入された場合には、図3の矢印b1、b2で示す第2の搬送経路T2によって元の第2基板投入位置17に払い出されるように搬送制御される。
【0028】
スクリーン印刷機12には、3次元方向に移動可能な可動部40を有するロボット41が設けられている。ロボット41の可動部40には、プリント基板11のマーク11aを読み取るカメラ42が取付けられている。また、可動部40には、プリント基板11をスクリーンマスク27の下方のスクリーン印刷機12の印刷作業位置(中心位置)に位置決めするストッパ43と、位置決め検出用の2つのセンサ44、45が取付けられている。ロボット41は、プリント基板11の搬入方向に応じて、可動部40を移動させてストッパ43の位置を制御し、プリント基板11をスクリーン印刷機12の印刷作業位置に位置決めできるようになっている。これによって、第1基板投入位置17(第1コンベア34)側もしくは第2基板投入位置18(第2コンベア35)側より搬入されるプリント基板11がストッパ43に当接されて、印刷作業位置に位置決めされる。この際、プリント基板11が第1基板投入位置17側より搬入されて位置決めされた場合には、これを一方のセンサ44によって検出し、反対にプリント基板11が第2基板投入位置18側より搬入されて位置決めされた場合には、これを他方のセンサ45によって検出する。
【0029】
スクリーン印刷機12の印刷作業位置に位置決めされたプリント基板11は、基板保持装置21(図2参照)に保持される。基板保持装置21に保持されたプリント基板11は、基板保持装置昇降装置26によって昇降され、スクリーンマスク27の下面に接触される。
【0030】
次に、上記した第1の実施の形態における基板生産装置の動作を、図4に示す基板生産プログラムのフローチャートを用いながら説明する。なお、基板生産プログラムは、制御装置39によって一定時間(ms)毎に繰り返し実行される。
【0031】
以下の説明においては、スクリーン印刷機12の印刷作業位置にプリント基板11がない状態を基板待ち状態という。また、第1基板投入位置17および第2基板投入位置18に投入されるプリント基板11は同じものであるが、説明の便宜上、第1基板投入位置17より搬入されるプリント基板11を基板Aと称し、第2基板投入位置18より搬入されるプリント基板11を基板Bと称することにする。
【0032】
まず最初に、作業者M1、M2は、生産すべき基板A、Bをスクリーン印刷機12の第1および第2基板投入位置17、18に投入する。基板投入位置17、18に基板A,Bが投入されると、基板投入位置17、18に設置されたセンサ37,38によって検出され、この信号に基づいて、基板A有信号もしくは基板B有信号が発せられ、早いほうの基板有信号を優先して処理が実行される。
【0033】
図4のフローチャートにおいて、ステップ100において、第1基板投入位置17に基板Aが有か否かが判別され、ステップ100における判別結果がNO(N)の場合には、ステップ102に進んで、第2基板投入位置18に基板Bが有か否かが判別される。ステップ100における判別結果がYES(Y)の場合には、第1基板投入位置17に基板A有が記憶され、ステップ102における判別結果がYESの場合には、第2基板投入位置18に基板B有が記憶される。これによって、優先して投入すべき基板がAであるかBであるかが記憶保持される。
【0034】
次いで、ステップ104において、基板待ち状態であるか否かが判別され、判別結果がNOの場合には、プログラムはリターンされる。ステップ104における判別結果がYES、すなわち、基板待ち状態であると判別された場合には、ステップ105に進み、優先して投入すべき基板がAである場合は、ステップ106に進み、優先して投入すべき基板がBである場合は、ステップ108に進む。ステップ106においては、基板Aをスクリーン印刷機12に搬入すべく、制御装置39からの指令に基づいて、第1基板投入位置17側の第1コンベア34および基板搬送装置24の搬送コンベア33が基板取り込み方向(図3の矢印a方向)に駆動される。
【0035】
一方、ステップ108においては、基板Bをスクリーン印刷機12に搬入すべく、第2基板投入位置18側の第2コンベア35および基板搬送装置24の搬送コンベア33が基板取り込み方向(図3の矢印b方向)に駆動される。以下においては、第1基板投入位置17より基板Aをスクリーン印刷機12に搬入する場合の動作について説明する。
【0036】
第1コンベア34および基板搬送装置24の基板取り込み方向への駆動により、基板Aは、スクリーン印刷機12の印刷作業位置に向かって搬入される。この際、スクリーン印刷機12に設けられたロボット41の可動部40が位置制御されることにより、基板Aが可動部40に取付けられたストッパ43に当接して印刷作業位置に位置決めされ、これがセンサ44によって検出される。なお、印刷作業位置に搬入されたプリント基板11は、ロボット41に取付けられたカメラ42によってマーク11aが読み取られ、正規のプリント基板11が搬入されたことが確認される。
【0037】
基板Aが印刷作業位置に位置決めされると、スクリーン印刷機12によるスクリーン印刷作業が開始される(ステップ110)。すなわち、まず、基板Aが基板保持装置21に位置決めクランプされ、次いで、基板保持装置昇降装置26が駆動されて基板保持装置21が上昇される。基板保持装置昇降装置26の上昇により、基板保持装置21に保持された基板Aがスクリーンマスク27の下面に接触される。
【0038】
続いて、スクリーンマスク27の上面に図略のクリームはんだ供給装置によりクリームはんだが供給されて塗布され、スキージヘッド昇降装置32によりスキージヘッド30が下降される。これにより、スキージヘッド30がスクリーンマスク27に接触され、その状態で、スキージヘッド移動装置31によりスキージヘッド30がスクリーンマスク27に沿って移動される。この際、スキージヘッド30は、スクリーンマスク27のパターン孔にクリームはんだを充填するために、スクリーンマスク27に所定の荷重が付加される。このようにして、基板Aの表面に所定のスクリーン印刷が施される。
【0039】
スクリーン印刷機12による基板Aへの所定の印刷作業が完了すると、ステップ112における判別結果がYESとなり、第1基板投入位置17が空になっていることを確認(ステップ114)のうえ、ステップ116において、制御装置39からの指令に基づいて、第1コンベア34および基板搬送装置24の搬送コンベア33が基板払い出し方向(図3の反矢印a方向)に駆動され、基板Aは、スクリーン印刷機12の印刷作業位置より第1基板投入位置17に向かって搬出される。すなわち、スクリーン印刷機12に搬入されて印刷作業を完了した基板Aは、投入された第1基板投入位置17側に払い出す第1の搬送経路T1によって搬送制御される。なお、第1基板投入位置17に基板Aが搬出される前に、誤って第1基板投入位置17に次の基板Aを投入してしまった場合には、ステップ114における判別結果がNOとなり、ステップ118において異常信号が送出される。
【0040】
印刷作業を完了した基板Aが第1基板投入位置17に払い出されると、作業者M1によって基板Aが第1基板投入位置17より第1の装着機13の図略の基板投入位置に投入され、当該基板Aは、第1の装着機13の基板搬送装置(図示せず)によって装着作業位置に搬入され、電子部品の装着作業が開始される。
【0041】
一方、ステップ104における判別結果がYESの場合には、ステップ108に進んで、基板Bをスクリーン印刷機12に搬入すべく第2基板投入位置18の第2コンベア35および基板搬送装置24の搬送コンベア33を基板取り込み方向(図3の矢印b方向)に駆動し、以下、上記したステップ110〜116と同様なステップ120〜126の処理により、基板Bに対してスクリーン印刷が実行される。この場合にも、スクリーン印刷機12に搬入されて印刷作業を完了した基板Bは、投入された第2基板投入位置18側に払い出す第2の搬送経路T2によって搬送制御される。
【0042】
このようにして、プリント基板11(A、B)が投入される2つの基板投入位置17、18を有し、これら基板投入位置17、18よりプリント基板11を異なる方向からスクリーン印刷機12の印刷作業位置に搬入し、スクリーン印刷機12で印刷作業が完了したプリント基板11を、投入された元の基板投入位置17、18に払い出すことにより、1台のスクリーン印刷機12を複数の作業者M1、M2で共有することができるようになる。これにより、プリント基板11を生産するための設備費用の増大を抑制することができるとともに、生産設備の占有面積を少なくすることができる。また、印刷機12および装着機13、14の各サイクルタイムを、ほぼ1:2に設定することにより、印刷機12および装着機13、14における待ち時間(非稼働時間)を最小限に抑えることが可能となる。
【0043】
図5は、本発明の第2の実施の形態を示すもので、上記した第1の実施の形態と異なる点は、第1の実施の形態においては、基板搬送装置24の前後に、第1および第2基板投入位置17、18より投入されたプリント基板11を待機させる第1および第2コンベア34、35を、基板搬送装置24とは別個に設けたのに対して、第2の実施の形態においては、基板搬送装置24(搬送コンベア33)の両側51、52を、第1および第2基板投入位置17、18として利用することにより、第1および第2のコンベア34、35を廃止したことである。
【0044】
すなわち、第2の実施の形態においては、第1および第2基板投入位置17、18よりプリント基板11を印刷機の基板搬送装置24に搬入する2つのコンベアとして、基板搬送装置24の搬送コンベア33の両側51、52を利用するとともに、これら搬送コンベア33の両側51、52上で待機するプリント基板11を持ち上げる基板持ち上げ装置53、54を、搬送コンベア33の両側51、52の下方にそれぞれ設けたものである。
【0045】
かかる第2の実施の形態においては、スクリーン印刷機12で印刷作業を完了したプリント基板11を、第1もしくは第2の搬送経路T1、T2によって、投入されたいずれか一方の基板投入位置17もしくは18に払い出すべく、基板搬送装置24を一方向に駆動する場合に、他方の基板投入位置18もしくは17上で待機するプリント基板11を基板持ち上げ装置54もしくは53によって持ち上げ、当該プリント基板11を基板搬送装置24が作動されてもスクリーン印刷機12の印刷作業位置に搬入されないようにしている。
【0046】
そして、クリーン印刷機12で印刷作業を完了したプリント基板11が搬送コンベア33の一端側51(52)に払い出されると、基板持ち上げ装置53が下降されて搬送コンベア33の他端側52(51)上で待機するプリント基板11が基板搬送装置24の搬送コンベア33上に載置され、その状態で、基板搬送装置24が前記と逆方向(他方向)に駆動されることにより、プリント基板11がスクリーン印刷機12の印刷作業位置に搬入されて印刷作業が開始される。なお、第1の実施の形態で述べたと同一の構成部品については同一の参照番号を付し、説明を省略する。
【0047】
図6は、本発明の第3の実施の形態を示すもので、複数の作業者による共有を、印刷機のみならず、装着機にも適用したものである。
【0048】
図6において、12Aは、作業者M1、M2によって共有される第1の印刷機を示し、12Bは、作業者M3、M4によって共有される第2の印刷機を示す。第1および第2の印刷機12A、12Bの間には、作業者M1、M3によって共有される第1の装着機13Aと、作業者M2、M4によって共有される第2の装着機14Aがそれぞれ配設されている。作業者M1、M2、M3、M4を挟んで第1および第2の装着機13A、14Aの反対側には、第3〜第6の装着機13B、14B、13C、14Cがそれぞれ配設されている。
【0049】
上記した第1の印刷機12Aと第1の装着機13Aと第3の装着機13Bと作業者M1とによって、プリント基板11を生産する第1のセルS1が構成され、同様にして、第1の印刷機12Aと第2の装着機14Aと第4の装着機14Bと作業者M2とによってプリント基板11を生産する第2のセルS2が構成され、第2の印刷機12Bと第1の装着機13Aと第5の装着機13Cと作業者M3とによってプリント基板11を生産する第3のセルS3が構成され、第2の印刷機12Bと第2の装着機14Aと第6の装着機14Cと作業者M4とのよってプリント基板11を生産する第4のセルS4が構成されている。
【0050】
上記した第3の実施の形態においては、作業者M1、M2によって第1の印刷機12Aの2つの基板投入位置17A、18Aにプリント基板11が投入され、作業者M3、M4によって第2の印刷機12Bの2つの基板投入位置17B、18Bにプリント基板11が投入される。基板投入位置17A、18A、17B、18Bに投入されたプリント基板11は、第1の実施の形態で述べたと同様にして、第1もしくは第2の印刷機12A、12Bの各印刷作業位置に搬入されて印刷作業が実行され、印刷作業を完了したプリント基板11は、投入された元の基板投入位置17A、18A、17B、18Bに払い出される。
【0051】
基板投入位置17A、18A、17B、18Bに払い出されたプリント基板11は、装着機13A、14A〜13C、14Cの基板投入位置に投入される。例えば、第1のセルS1の基板投入位置17Aに払い出されたプリント基板11は、作業者M1によって第1の装着機13Aの基板投入位置17Cもしくは第3の装着機13Bの図略の基板投入位置に投入されて装着作業が実行される。この場合、第1の装着機13Aによって装着作業を完了したプリント基板11は、投入された元の基板投入位置(17C)に払い出されることは勿論である。
【0052】
第3の実施の形態によれば、印刷機12A、12Bのみならず、装着機13A、14Aも複数の作業者によって共有できるようにしたので、基板生産装置の設備費をより一層抑制することができるとともに、セルの占有面積を少なくすることができる。なお、共有度を高めれば高めるほど、各セルでの作業の待ち時間が多くなることが懸念されるので、共有度は生産効率を低下させない範囲内で定めれるのが望ましい。
【0053】
図7は、本発明の第4の実施の形態を示すもので、第1の実施の形態と異なる点は、プリント基板11を搬送するレーンを複数列設け、これら各レーン上に、複数の作業者M1、M2およびM3、M4によって共有できる第1および第2の2台の印刷機61、62を並設し、第1の印刷機61によってプリント基板11の表面にスクリーン印刷を行い、第2の印刷機62によってプリント基板11の裏面にスクリーン印刷を行うようにしたことである。
【0054】
図7において、プリント基板11の表面にクリームはんだを印刷する第1の印刷機61には、第1の実施の形態で述べたと同様に、搬送コンベア33Aからなる第1の基板搬送装置24Aと、この第1の基板搬送装置24Aの前後に配置された第1および第2コンベア34A、35Aからなる基板投入位置17A、18Aがそれぞれ設けられている。プリント基板11の裏面にクリームはんだを印刷する第2の印刷機62には、第1の基板搬送装置24Aに平行な搬送コンベア33Bからなる第2の基板搬送装置24Bと、この第2の基板搬送装置24Bの前後に配置された第3および第4コンベア34B、35Bからなる基板投入位置17B、18Bがそれぞれ設けられている。
【0055】
かかる第4の実施の形態においては、基板投入位置17Aの近傍に配置された作業者M1もしくは基板投入位置18Aの近傍に配置された作業者M2によって、基板投入位置17A、18Aにプリント基板11が投入され、基板投入位置17A、18Aに投入されたプリント基板11は、第1の印刷機61が基板待ち状態になると、第1、第2コンベア34A、35Aおよび基板搬送装置24Aによって第1の印刷機61の印刷作業位置に搬入され、プリント基板11の表面への印刷作業が実行される。プリント基板11の表側への印刷作業が完了すると、プリント基板11は第1および第2の搬送経路T1、T2によって、投入された側の基板投入位置17A、18Aに搬出される。搬出されたプリント基板11は作業者M1によって、図略のバッファ置台に一時保管される。
【0056】
一方、基板投入位置17Bの近傍に配置された作業者M3もしくは基板投入位置18Bの近傍に配置された作業者M4によって、バッファ置台に一時保管されたプリント基板11が裏返されて、基板投入位置17B、18Bに投入され、当該プリント基板11は、第2の印刷機62が基板待ち状態になると、第3、第4コンベア34B、35Bおよび基板搬送装置24Bによって第2の印刷機62の印刷作業位置に搬入され、プリント基板11の裏面への印刷作業が実行される。そして、印刷作業完了後、投入された側の基板投入位置に搬出される。
【0057】
上記した第4の実施の形態においても、第1および第2の印刷機61、62を、各複数の作業者によって共有することができ、第1の実施の形態で述べたと同様な効果を奏することができるとともに、2台の印刷機61、62によって、プリント基板11の表面および裏面への印刷作業を実行することができる。
【0058】
なお、上記した第4の実施の形態においては、2台の印刷機61、62を基板搬送方向と直交する方向に並設した例で述べたが、第1および第2の基板搬送装置24A、24Bに跨って1台の印刷機を配設し、この印刷機に複数の印刷作業位置を設けるようにしてもよい。例えば、1台の印刷機に、図8に示すような、プリント基板11の表面にクリームはんだを印刷するパターン孔PAを形成した第1のスクリーンマスク27Aと、プリント基板11の裏面にクリームはんだを印刷するパターン孔PAを形成した第2のスクリーンマスク27Bとからなるスクリーンマスク27を設け、これら第1あるいは第2のスクリーンマスク27A、27Bに沿って移動される少なくとも1つのスキージ装置(22)によって、プリント基板11の表面および裏面にスクリーン印刷を行うようにしてもよい。請求項における複数の基板作業エリアは、このようないずれの形態をも包含するものである。
【0059】
図9は、本発明の第5の実施の形態を示すもので、プリント基板11を搬送するレーンを複数列設けた点については第4の実施の形態と同じであるが、2台の印刷機61、62を、基板搬送方向に並設するとともに、各印刷機61、62の印刷作業位置を基板搬送方向と直交する方向に所定量ずらして配置したことを異にしている。
【0060】
図9において、プリント基板11の表面にクリームはんだを印刷する第1の印刷機61には、印刷作業位置に対応して搬送コンベア33Aからなる第1の基板搬送装置24Aが配置されるとともに、この第1の基板搬送装置24Aと平行に第2スルーコンベア64が配置されている。第1の基板搬送装置24Aの一端(図9の左側)と第2スルーコンベア64の一端(図9の左側)にそれぞれ対応して、コンベア34A、34Bからなる基板投入位置17A、17Bが配設されている。
【0061】
一方、プリント基板11の裏面にクリームはんだを印刷する第2の印刷機62には、印刷作業位置に対応して搬送コンベア33Bからなる第2の基板搬送装置24Bが配置されるとともに、この第2の基板搬送装置24Bと平行に第1スルーコンベア63が配置されている。第2の基板搬送装置24Bの一端(図9の右側)と第1スルーコンベア63の一端(図9の右側)にそれぞれ対応して、コンベア35A、35Bからなる基板投入位置18A、18Bが配置されている。
【0062】
なお、第1スルーコンベア63および第2スルーコンベア64は、単にプリント基板11を、第1の基板搬送装置24Aと基板投入位置18Aとの間および第2の基板搬送装置24Bと基板投入位置17Bとの間で搬送させるだけのコンベアである。
【0063】
第5の実施の形態においても第4の実施の形態で述べたと同様に、第1の印刷機61を共有する複数の作業者M1、M2が基板投入位置17A、18Aの近傍に配置され、第2の印刷機62を共有する複数の作業者M3、M4が基板投入位置17B、18Bの近傍に配置されている。そして、表面側に印刷作業が実行されるプリント基板11が、作業者M1、M2によって、一方の基板投入位置17Aもしくは他方の基板投入位置18Aに投入される。基板投入位置17A、18Aに投入されたプリント基板11は、第1の印刷機61の印刷作業位置が基板待ちの状態になると、一方の基板投入位置17Aもしくは他方の基板投入位置18Aより、第1の基板搬送装置24Aを介して、もしくは他方の基板投入位置18Aより第1スルーコンベア63および第1の基板搬送装置24Aを介して第1の印刷機61の印刷作業位置に搬入される。
【0064】
第1の印刷機61の印刷作業位置に搬入されたプリント基板11は、第1の印刷機61によって表面に印刷作業が施される。プリント基板11の表側への印刷作業が完了すると、プリント基板11は、先に述べた実施の形態と同様に、投入された側の基板投入位置17Aもしくは18Aに搬出される。搬出されたプリント基板11は作業者M1もしくはM2によって、図略のバッファ置台に一時保管される。バッファ置台に一時保管されたプリント基板11は、作業者M3、M4によって、裏返した状態で第2の印刷機62の一方の基板投入位置17Bもしくは他方の基板投入位置18Bに投入される。基板投入位置17B、18Bに投入されたプリント基板11は、第2の印刷機61の印刷作業位置が基板待ちの状態になると、一方の基板投入位置17Bもしくは他方の基板投入位置18Bより、第2スルーコンベア64および第2の基板搬送装置24Bを介して、もしくは第2の基板搬送装置24Bを介して第2の印刷機62の印刷作業位置に搬入され、プリント基板11の裏面への印刷作業が実行される。そして、印刷作業完了後、プリント基板11は投入された側の基板投入位置17Bもしくは18Bに搬出される。
【0065】
上記した第5の実施の形態によれば、2台の印刷機61、62を基板搬送方向と直交する方向に並設する場合に比して、プリント基板11の搬送方向に直交する方向の設置スペースを小さくすることができる利点がある。
【0066】
図10は、本発明の第6の実施の形態を示すもので、第5の実施の形態と異なる点は、2台の印刷機61、62を、基板搬送方向に所定の間隔を有して並設するとともに、各印刷機61、62の印刷作業位置を基板搬送方向に整列して配置したことであり、第5の実施の形態で述べたと同一の構成部品については、同一の参照符号を付し、説明を省略する。
【0067】
図10において、プリント基板11の表面にクリームはんだを印刷する第1の印刷機61に、搬送コンベア33Aからなる第1の基板搬送装置24Aと、この第1の基板搬送装置24Aと平行に第2スルーコンベア64が配置され、プリント基板11の裏面にクリームはんだを印刷する第2の印刷機62に、搬送コンベア33Bからなる第2の基板搬送装置24Bと、この第2の基板搬送装置24Bと平行に第1スルーコンベア63が配置されている。この場合、第1および第2の印刷機61、62の各基板搬送装置24A、24Bは、同一の線上に配置され、かつ第1および第2スルーコンベア63、64も、同一の線上に配置されている。
【0068】
第1の印刷機61と第2の印刷機62との間には、シャトルコンベア65が設けられ、シャトルコンベア65は、第1および第2の印刷機61、62の各基板搬送装置24A、24Bに整列する位置と、第1および第2スルーコンベア63、64に整列する位置との間で、移動可能となっている。
【0069】
第6の実施の形態においては、表面側に印刷作業が実行されるプリント基板11を、第2の印刷機62側のスルーコンベア63を介して第1の印刷機61に搬入する場合、あるいは、裏面側に印刷作業が実行されるプリント基板11を、第1の印刷機61側のスルーコンベア64を介して第2の印刷機62に搬入する場合には、シャトルコンベア65を介して行うことを除いて、第5の実施の形態で述べた構成、機能と基本的に同じである。
【0070】
すなわち、第1の印刷機61の印刷作業位置には、プリント基板11が、一方の基板投入位置17Aより基板搬送装置24Aを介して搬入されるとともに、他方の基板投入位置18Aより第1スルーコンベア63、シャトルコンベア65および基板搬送装置24Aを介して搬入される。同様に、第2の印刷機62の印刷作業位置には、プリント基板11が、一方の基板投入位置17Bより第2スルーコンベア64、シャトルコンベア65および基板搬送装置24Bを介して搬入されるとともに、他方の基板投入位置18Bより基板搬送装置24Bを介して搬入される。
【0071】
第6の実施の形態によれば、第1および第2の印刷機61、62の印刷作業位置を、プリント基板11の搬送方向と直交する方向の同じ側に並べて設置できるので、各印刷機61、62のメンテナンスを行う場合に、作業者が同じ方向(図10の下側)からアクセスすることができ、印刷機61、62のメンテナンスを容易に行えるようになる。
【0072】
なお、第4ないし第6の実施の形態においても、図5に示したと同様に、基板投入位置としてのコンベアを別個に設けることなく、第1および第2の印刷機61、62の基板搬送装置24A、24Bの両端部を基板投入位置として利用することができる。
【0073】
上記した第4ないし第6の実施の形態においては、2台の印刷機61、62によってプリント基板11の表面および裏面に印刷作業を行う例について述べたが、必ずしも同一のプリント基板11の表面および裏面に印刷作業を行う場合に限定されるものではなく、異なる2種類のプリント基板の各表面に印刷作業を行う場合にも適用できるものである。
【0074】
また、プリント基板11の表面および裏面、あるいは異なる2種類のプリント基板の各表面への作業は、印刷作業に限定されるものではなく、プリント基板11に電子部品を装着する装着作業にも応用できるものであり、この場合には、印刷機に代えて装着機を設けることにより実施可能である。
【0075】
上記した第2の実施の形態においては、基板搬送装置24の両側51、52を、基板投入位置17、18より基板搬送装置24にプリント基板11を搬送するコンベアとして用い、基板作業装置より作業を完了したプリント基板を、基板搬送装置24の一端側に搬出する場合には、基板搬送装置24の他端側で待機するプリント基板を搬送しないように、基板搬送装置より持ち上げる例について述べたが、基板搬送装置24の他端側で待機するプリント基板がある場合には、作業を完了したプリント基板を基板搬送装置によって一端側に搬出する際に、他端側で待機するプリント基板を同時に基板作業装置内に搬入するようにしてもよい。
【0076】
なお、上記した実施の形態においては、複数の作業者によって印刷機等の基板作業装置を共有し、基板作業装置によって作業を完了したプリント基板を、投入された位置に払い出すセル生産について説明したが、図11に示すように、実装ライン100を構成する印刷機および装着機等の搬送形態を、搬送モード選択手段104によって選択するようにしてもよい。
【0077】
図11において、101、102、103は、実装ライン100を構成する印刷機、装着機、リフローを示し、印刷機101および装着機102には、それぞれ2つの基板投入位置101a、101b、102a、102bが設けられている。そして、印刷機101および装着機102に設けた搬送モード選択手段104によって、第1の基板搬送モードと第2の基板搬送モードのいずれか一方を選択できるようにしている。そして、印刷機101において、第1の基板搬送モードが選択された場合には、上記した実施の形態で述べたように、第1および第2の搬送経路T1、T2により、作業を完了した基板を、投入された基板投入位置に払い出すように基板を搬送制御し、第2の基板搬送モードが選択された場合には、図11の矢印c1、c2で示す第3の搬送経路T3により、印刷機101の一方の基板投入位置101aから投入し、かつ印刷作業が完了した基板を、投入位置とは異なる他方の基板投入位置101bに払い出すように搬送制御する。
【0078】
このようにすることによって、基板作業装置において、搬送モード選択手段104によって搬送モードを選択することにより、基板を2種類の生産形態によって生産することが可能となる。
【0079】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明に係る基板生産装置は、複数の基板投入位置を有し、これら基板投入位置より基板を異なる方向から作業位置に搬入し、作業完了後それらの基板を投入された基板投入位置に払い出すものに用いるのに適している。
【符号の説明】
【0081】
11…プリント基板、12…印刷機、13、14…装着機、17、18…基板投入位置、24…基板搬送装置、34、35…搬送経路(コンベア)、104…搬送モード選択手段、T1…第1の搬送経路、T2…第2の搬送経路、T3…第3の搬送経路。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を異なる方向に投入可能な少なくとも2つの基板投入位置を有し、これら基板投入位置より搬入された基板に定められた作業を施す基板作業装置を備えた基板生産装置であって、
前記2つの基板投入位置に投入された前記基板を前記基板作業装置に搬入し、かつ前記基板作業装置によって前記基板に所定の作業を完了した後、前記基板を投入された側の前記基板投入位置に払い出す第1および第2の搬送経路を有することを特徴とする基板生産装置。
【請求項2】
請求項1において、前記基板作業装置は、少なくとも1台の印刷機からなり、前記各基板投入位置に対応して、装着機がそれぞれ配設されていることを特徴とする基板生産装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、前記基板は、少なくとも異なる作業面を有する第1および第2基板からなり、前記基板作業装置は、前記第1基板の表面に作業を施す第1基板作業エリアと、前記第2基板の表面に作業を施す第2基板作業エリアとを有し、該第1および第2基板作業エリアが前記基板搬送方向と直交する方向に並設され、前記第1および第2基板作業エリアに対してそれぞれ前記2つの基板投入位置が設けられていることを特徴とする基板生産装置。
【請求項4】
請求項1または請求項2において、前記基板は、少なくとも異なる作業面を有する第1および第2基板からなり、前記基板作業装置は、前記第1基板の表面に作業を施す第1基板作業装置と、前記第2基板の表面に作業を施す第2基板作業装置とによって構成され、前記第1および第2基板作業装置が前記基板搬送方向に並設され、前記第1および第2基板作業装置には、前記2つの基板投入位置がそれぞれ設けられていることを特徴とする基板生産装置。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、前記2つの基板投入位置のうちの一方の基板投入位置に投入された前記基板を前記基板作業位置に搬入し、かつ前記基板作業位置によって前記基板に所定の作業を完了した後、前記基板を前記基板投入位置のうちの他方の基板投入位置に払い出す第3の搬送経路をさらに有するとともに、前記第1および第2の搬送経路により基板搬送を行う第1の基板搬送モードと、前記第3の搬送経路により基板搬送を行う第2の基板搬送モードのいずれかを選択する搬送モード選択手段を有することを特徴とする基板生産装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−228466(P2011−228466A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−96660(P2010−96660)
【出願日】平成22年4月20日(2010.4.20)
【出願人】(000237271)富士機械製造株式会社 (775)
【Fターム(参考)】