説明

塗工装置、塗工方法、電池の製造方法

【課題】2層塗工において基材側に形成される層の塗布状態を検査することができる塗工装置、塗工方法、電池の製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明の一態様は、搬送される銅泊30に対しダイ10からバインダ液32と負極ペースト36を排出してバインダ層34に重ねて負極ペースト層38を形成する塗工装置1において、ダイ10におけるバインダ液32が排出される第1排出口22を形成する中仕切部18の内部にバインダ層34を検査する検査機構12が設けられていること、を特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、リチウムイオン電池等で用いられる活物質ペーストを集電体上に塗布形成する塗工装置、塗工方法、電池の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、基材上において下層に導電層を形成し上層に活物質層を形成した電極の製造方法が開示されている。この特許文献1の電極の製造方法においては、排出口を2つ備えるダイにより基材に対し導電液と活物質液を排出して、導電層と活物質層の2層を形成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−345096号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、接着テープ等のような多層塗工品における各塗工層の品質検査は、各塗工層に放射線や赤外線を透過させて行うことが一般的である。しかしながら、特許文献1に示すような導電層と活物質層の2層を基材上に形成する2層塗工を行って電極を製造するときには、上層の活物質層は透過性がないので、上層の活物質層に覆われる下層の導電層の塗布の状態を検査することが困難である。
【0005】
また、集電体である銅泊に対し下層に結着剤であるバインダを塗布し上層に活物質を塗布して電極を製造する場合においても、活物質や銅泊の透過性は低いので、カメラにより下層のバインダの塗布状態を検査することが困難となる。また、放射線は活物質や銅泊(金属)により錯乱や遮断がされるので、放射線により下層のバインダの塗布状態を検査することも困難となる。また、ダイの材質はステンレスなどの原子番号の大きい金属であるので、例えば、ダイの排出口の周辺部に放射線検査装置を設けても、放射線検査装置から照射する放射線は錯乱したり遮断されてしまい、下層のバインダの塗布状態を検査することが困難である。
【0006】
そこで、本発明は上記した問題点を解決するためになされたものであり、2層塗工において基材側に形成される層の塗布状態を検査することができる塗工装置、塗工方法、電池の製造方法を提供すること、を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するためになされた本発明の一態様は、搬送される基材に対しダイから第1液と第2液を排出して前記第1液により形成される第1層に重ねて前記第2液により形成される第2層を形成する塗工装置において、前記ダイにおける前記第1液が排出される第1排出口を形成する部材の内部に前記第1層を検査する検査手段が設けられていること、を特徴とする。
【0008】
この態様によれば、ダイにおける第1液排出口を形成する部材の内部に設けられた検査手段により、第2層の影響を受けることなく基材側に形成される第1層の塗布状態を検査することができる。
【0009】
上記態様においては、前記ダイは前記基材の搬送方向について上流部と中仕切部と下流部の順に構成され、前記第1排出口を形成する部材は前記上流部と前記中仕切部とにより構成され、前記検査手段は前記中仕切部の内部に設けられていること、が好ましい。
【0010】
この態様によれば、検査手段により中仕切部を透して、第2層が重ねて形成される前の第1層の塗布状態を検査することができる。そのため、より確実に第2層の影響を受けることなく第1層の塗布状態を検査することができる。
【0011】
上記態様においては、前記検査手段は、画像検査カメラ装置であり、前記第1排出口を形成する部材は、前記画像検査カメラ装置により前記第1層の画像を撮像することができる材質により形成されている部分を備えること、が好ましい。
【0012】
この態様によれば、画像検査カメラ装置により直接的に第1層の画像を取り込んで、取り込んだ画像をもとに第1層の塗布状態を検査することができる。
【0013】
上記態様においては、前記検査手段は、放射線検査装置であり、前記第1排出口を形成する部材は、前記放射線検査装置により前記第1層の形成状態を検査できる材質により形成されている部分を備えること、が好ましい。
【0014】
この態様によれば、放射線検査装置により直接的に第1層にける放射線データを取得して、取得した放射線データをもとに第1層の塗布状態を検査することができる。
【0015】
上記課題を解決するためになされた本発明の他の態様は、搬送される基材に対しダイから第1液と第2液を排出して前記第1液により形成される第1層に重ねて前記第2液により形成される第2層を形成する塗工方法において、前記ダイにおける前記第1液が排出される第1排出口を形成する部材の内部から前記第1層を検査すること、を特徴とする。
【0016】
上記課題を解決するためになされた本発明の他の態様は、搬送される集電体に対しダイからバインダ液と活物質液を排出して前記バインダ液により形成されるバインダ層に重ねて前記活物質液により形成される活物質層を形成した電極を有する電池の製造方法において、前記ダイにおける前記バインダ液が排出される第1排出口を形成する部材の内部から前記バインダ層を検査しながら前記電極を作成すること、を特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る塗工装置、塗工方法、電池の製造方法によれば、2層塗工において基材側に形成される層の塗布状態を検査することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】塗工装置の概略構成と排出口周辺を示す図である
【図2】画像検査カメラにより検査したバインダ層の検査情報をもとに行うダイの塗工に対するフィードバック制御を説明するフローチャート図である。
【図3】放射線検査機により検査したバインダ層の検査情報をもとに行うダイの塗工に対するフィードバック制御を説明するフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を具体化した形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0020】
〔塗工装置の説明〕
図1に示すように、本実施例の塗工装置1は、ダイ10と検査機構12と制御部14などを有する。ダイ10は、上流部16と中仕切部18と下流部20とを備え、後述する銅泊30の搬送方向について上流部16と、中仕切部18と、下流部20の順に構成される。そして、ダイ10は、上流部16と中仕切部18との間に形成された第1排出口22と、中仕切部18と下流部20との間に形成された第2排出口24の2つの排出口を備える。上流部16と下流部20の材質は、例えばSUS304などの金属である。中仕切部18の材質は、後述するように、光透過率が80%の材料や低原子番号材料である。
【0021】
検査機構12は、検出部26と検査本体部28を備える。そして、検出部26は、ダイ10の中仕切部18の内部に設けられ、後述するように、検査機構12は中仕切部18を透してバインダ層34の塗布状態を検査する。なお、ダイ10の中仕切部18や検査機構12の詳細については、後述する。
【0022】
制御部14は、検査機構12における検査情報をもとにダイ10のギャップGを制御したり、バインダ液32をダイ10に供給するポンプ(不図示)駆動を制御する手段である。
【0023】
このような構成を有する本実施例の塗工装置1は、搬送される集電体の銅泊30に対して、第1排出口22から結着剤であるバインダ液32を排出してバインダ層34を形成し、さらに、第2排出口24から電極活物質を含む負極ペースト36を排出してバインダ層34に重ねて塗布して負極ペースト層38を形成する。これにより、銅泊30に対してバインダ層34と負極ペースト層38の2層が形成された電極を製造することができ、このように製造した電極を使って電池を製造することができる。
【0024】
なお、銅泊30は本発明における「基材」の一例であり、バインダ液32は本発明における「第1液」の一例であり、負極ペースト36は本発明における「第2液」の一例である。また、バインダ層34は本発明における「第1層」の一例であり、負極ペースト層38は本発明における「第2層」の一例である。
【0025】
〔検査機構と中仕切部の説明〕
次に、前記の検査機構12とダイ10の中仕切部18の詳細について説明する。検査機構12とダイ10の中仕切部18は、以下のように実施例1と実施例2とが考えられる。
【0026】
<実施例1>
実施例1においては、ダイ10の中仕切部18を光透過率が80%の材料(アクリル樹脂など)からなる部材で形成している。そして、検査機構12として画像検査カメラ装置を採用し、中仕切部18の内部に検出部26として画像検査カメラ装置の撮像部を設ける。また、この撮像部には、検査本体部28として画像検査カメラ装置の本体部を接続する。なお、画像検査カメラ装置の撮像部としては、画像検査において一般的に使用されるカメラであればよく、CCDカメラや高感度カメラなどが考えられる。
【0027】
本実施例ではダイ10の中仕切部18を光透過率が80%の材料からなる部材で形成しているので、画像検査カメラ装置の撮像部(検出部26)は中仕切部18を透して直接的に下層のバインダ層34を撮像することができる。そのため、上層の負極ペースト層38が透過性を有していなくても、画像検査カメラ装置により下層のバインダ層34の品質検査を行うことができる。なお、画像検査カメラ装置によるバインダ層34の品質検査の内容としては、バインダ層34における所定の領域内における塗布スケ(銅泊30(基材)が見える様な塗布の欠け)や塗布ムラ(塗布量のムラ)の有無などが考えられる。
【0028】
ここで、実際に画像検査カメラ装置を使用してバインダ層34の品質検査を行った。検査条件は、ダイ10について、上流部16と下流部20の材質をSUS304とし、中仕切部18の材質をアクリル樹脂(光透過率が約93%、構成元素がC,H,O)とした。そして、画像検査カメラ装置として高感度カメラを使用し、さらにテレセントリックレンズ、ハロゲン照明を使用した。そして、SBR(スチレン・ブタジエンゴム)からなるバインダ液32を塗布して下層にバインダ層34を形成し、炭素材料と増粘材を含む負極ペースト36を塗布して上層に負極ペースト層38を形成する条件のもと、バインダ層34の検査を行った。すると、画像検査カメラ装置の撮像部は中仕切部18を透して直接的にバインダ層34を撮像することができ、バインダ層34における塗布スケや塗布ムラなどを検出することができた。
【0029】
そして、このように検出したバインダ層34における塗布スケや塗布ムラなどなどの検査情報をもとに、制御部14により、図2に示すように、ダイ10の塗工に対しフィードバック制御を行うことができる。なお、図2は、検査情報をもとに行うダイ10の塗工に対するフィードバック制御を説明するフローチャート図である。
【0030】
まず、ダイ10の中仕切部18の内部に設けられた画像検査カメラ装置の撮像部(検出部26)により、バインダ層34の画像を撮像して取り込む(ステップS1)。次に、取り込んだバインダ層34の画像をもとに、画像検査カメラ装置の本体部(検査本体部28)にて画像処理などの演算を行って画像データを作成する(ステップS2)。次に、作成した画像データと、予め作成した複数の塗布スケや塗布ムラのパターン情報(スケ・ムラパターン)と照らし合わせる(ステップS3)。
【0031】
そして、バインダ層34に塗布スケや塗布ムラが存在するか否かを判断する(ステップS4)。そして、バインダ層34に塗布スケや塗布ムラが存在すると判断した場合には、バインダ層34に塗布スケや塗布ムラが存在しないようにするためのダイ10の適正なギャップG(図1参照)を算出する(ステップS5)。そして、不図示のギャップ調整手段により、算出した適正なギャップGになるように例えばダイ10における左右方向(長手方向、図1の紙面垂直方向)のギャップGのバランスを調整する(ステップS6)。一方、ステップS4において画像データにおいてバインダ層34に塗布スケや塗布ムラが存在しないと判断した場合には、ダイ10のギャップGをそのまま維持する(ステップS7)。以上のように、バインダ層34における塗布スケや塗布ムラなどの検査情報をもとに、ダイ10の塗工に対しフィードバック制御を行うことができる。
【0032】
本実施例によれば、ダイ10におけるバインダ液32が排出される第1排出口22を形成する中仕切部18の内部に設けられた画像検査カメラ装置(検査機構12)の撮像部(検出部26)により、負極ペースト層38の影響を受けることなく中仕切部18を透して直接的にバインダ層34の塗布状態を検査することができる。
【0033】
また、画像検査カメラ装置によるバインダ層34の塗布状態の検査情報をもとに、制御部14によりダイ10の塗工に対しフィードバック制御を行うので、銅泊30に対して塗布欠けや塗布ムラを抑制しながら安定してバインダ層34を塗布することができる。そのため、電極の製造において、歩留まりの向上を図ることができる。
【0034】
<実施例2>
実施例2においては、ダイ10の中仕切部18を低原子番号材料からなる部材としている。低原子番号材料としては、H,C,O等で構成される樹脂、例えば、アクリル等が考えられる。そして、検査機構12として放射線検査装置を採用し、中仕切部18の内部に検出部26として被検査物に放射線を照射して放射線データを検出する放射線検査装置の放射線検出部を設ける。また、この放射線検出部には、検査本体部28として放射線検査装置の本体部を接続する。
【0035】
このようにダイ10の中仕切部18を低原子番号材料からなる部材としている。そのため、放射線検査装置の放射線検出部(検出部26)から照射する放射線が錯乱や遮断がなされることなく、放射線検出部により中仕切部18を透して下層のバインダ層34を検査することができる。したがって、上層の負極ペースト層38が透過性を有していなくても、放射線検査装置により下層のバインダ層34の品質検査を行うことができる。放射線検査装置によるバインダ層34の品質検査の内容としては、バインダ層34の厚み(バインダ液32の塗布量)などが考えられる。
【0036】
なお、ダイ10の中仕切部18における低原子番号材料の選択に当たっては、放射線検査装置の放射線検出部から照射した放射線の減衰量である質量減弱係数μmについて以下の式が成立するような低原子番号材料を選択する。
【数1】

【0037】
また、放射線の透過距離としての平均自由行程λは以下の式に表わされる。
【数2】

【0038】
そして、この数2の数式をもとに前記の数1の数式で示す条件を満たす平均自由工程λの条件を求めて、求めた平均自由工程λの条件を満たすような低原子番号材料を選択してもよい。なお、数2の数式における物質の密度ρは、本実施例においては例えばバインダ層の密度や銅泊の密度が該当する。
【0039】
そして、検出したバインダ層34における塗布量の検査情報をもとに、制御部14により、図3に示すように、ダイ10の塗工に対しフィードバック制御を行うことができる。なお、図3は、検査情報をもとに行うダイ10の塗工に対するフィードバック制御を説明するフローチャート図である。
【0040】
まず、ダイ10の中仕切部18の内部に設けられた放射線検査装置の放射線検出部(検出部26)により、バインダ層34にて検出された放射線データを取り込む(ステップS11)。次に、取り込んだ放射線データをもとに、放射線検査装置の本体部(検査本体部28)にて演算処理を行って、バインダ層34における放射線の透過量を算出する(ステップS12)。次に、算出したバインダ層34における放射線の透過量をもとに、予め作成したバインダ層34における放射線の透過量とバインダ層34の厚さとの相関グラフ(検量線)から、バインダ層34の厚さを算出する(ステップS13)。
【0041】
なお、ステップS12においてバインダ層34における放射線の透過量の代わりに反射量を算出し、ステップS13において予め作成したバインダ層34における放射線の反射量とバインダ層34の厚さとの相関グラフから、バインダ層34の厚さを算出してもよい。
【0042】
次に、算出したバインダ層34の厚さが目標の厚さであるか否かを判断する(ステップS14)。そして、算出したバインダ層34の厚さが目標の厚さでないと判断した場合には、バインダ層34の厚さが目標の厚さになるようにバインダ液32を供給するポンプ(不図示)の回転数を制御する(ステップS15)。一方、ステップS14において算出したバインダ層34の厚さが目標の厚さであると判断した場合には、バインダ液32を供給するポンプの回転数をそのまま維持するように制御する。以上のように、バインダ層34における塗布量の検査情報をもとに、ダイ10の塗工に対しフィードバック制御を行うことができる。
【0043】
本実施例によれば、ダイ10におけるバインダ液32が排出される第1排出口22を形成する中仕切部18の内部に設けられた放射線検査装置(検査機構12)の放射線検出部(検出部26)により、負極ペースト層38の影響を受けることなく中仕切部18を透して直接的にバインダ層34の塗布状態を検査することができる。
【0044】
また、放射線検査装置によるバインダ層34の塗布状態の検査情報をもとに、制御部14によりダイ10の塗工に対しフィードバック制御を行うので、銅泊30に対してバインダ液32の塗布量を調整しながら安定してバインダ層34を塗布することができる。そのため、電極の製造において、歩留まりの向上を図ることができる。
【0045】
〔その他の実施例〕
また、ダイ10の中仕切部18の内部に、検査機構12の検出部26として、画像検査カメラ装置の撮像部と放射線検査装置の放射線検出部の両方を設けてもよい。これにより、バインダ層34における塗布スケや塗布ムラの検査とバインダ層34の厚みの検査の両方を行うことができる。
【0046】
また、ダイ10の中仕切部18は、全体について光透過率が80%の材料や低原子番号材料からなる部材で形成されていることに限定されない。ダイ10の中仕切部18は、例えば、検査機構12の検出部26が設けられた位置よりも銅泊30側の部分のみが光透過率が80%の材料や低原子番号材料からなる部材で形成され、その他の部分がSUS304などの金属で形成されていてもよい。
【0047】
また、検査機構12の検出部26は、ダイ10の中仕切部18の内部に設けられることに限定されず、ダイ10の上流部16の内部に設けてもよい。このとき、ダイ10の上流部16を光透過率が80%以上の材料からなる部材により形成し、このダイ10の上流部16の内部に検査機構12の検出部26として画像検査カメラ装置の撮像部を設けてもよい。また、ダイ10の上流部16を低原子番号材料からなる部材により形成し、このダイ10の上流部16の内部に検査機構12の検出部26として放射線検査装置の放射線検出部を設けてもよい。
【0048】
なお、上記した実施の形態は単なる例示にすぎず、本発明を何ら限定するものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることはもちろんである。
【符号の説明】
【0049】
1 塗工装置
10 ダイ
12 検査機構
14 制御部
16 上流部
18 中仕切部
20 下流部
22 第1排出口
24 第2排出口
26 検出部
28 検査本体部
30 銅泊
32 バインダ液
34 バインダ層
36 負極ペースト
38 負極ペースト層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送される基材に対しダイから第1液と第2液を排出して前記第1液により形成される第1層に重ねて前記第2液により形成される第2層を形成する塗工装置において、
前記ダイにおける前記第1液が排出される第1排出口を形成する部材の内部に前記第1層を検査する検査手段が設けられていること、
を特徴とする塗工装置。
【請求項2】
請求項1の塗工装置において、
前記ダイは前記基材の搬送方向について上流部と中仕切部と下流部の順に構成され、
前記第1排出口を形成する部材は前記上流部と前記中仕切部とにより構成され、
前記検査手段は前記中仕切部の内部に設けられていること、
を特徴とする塗工装置。
【請求項3】
請求項1または2の塗工装置において、
前記検査手段は、画像検査カメラ装置であり、
前記第1排出口を形成する部材は、前記画像検査カメラ装置により前記第1層の画像を撮像することができる材質により形成されている部分を備えること、
を特徴とする塗工装置。
【請求項4】
請求項1または2の塗工装置において、
前記検査手段は、放射線検査装置であり、
前記第1排出口を形成する部材は、前記放射線検査装置により前記第1層の形成状態を検査できる材質により形成されている部分を備えること、
を特徴とする塗工装置。
【請求項5】
搬送される基材に対しダイから第1液と第2液を排出して前記第1液により形成される第1層に重ねて前記第2液により形成される第2層を形成する塗工方法において、
前記ダイにおける前記第1液が排出される第1排出口を形成する部材の内部から前記第1層を検査すること、
を特徴とする塗工方法。
【請求項6】
搬送される集電体に対しダイからバインダ液と活物質液を排出して前記バインダ液により形成されるバインダ層に重ねて前記活物質液により形成される活物質層を形成した電極を有する電池の製造方法において、
前記ダイにおける前記バインダ液が排出される第1排出口を形成する部材の内部から前記バインダ層を検査しながら前記電極を作成すること、
を特徴とする電池の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−127782(P2012−127782A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−279109(P2010−279109)
【出願日】平成22年12月15日(2010.12.15)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】