説明

塗布装置システム及び塗布基板の作製方法

【課題】洗浄工程を終えた基板から水分の除去を効果的に行って塗布基板を作製することができる塗布装置システムを提供する。
【解決手段】液体洗浄された基板に対して前処理を行う前処理装置と、前処理がされた基板に対して塗布液を塗布する塗布装置本体3とを備えている。前記前処理装置は、液体洗浄された基板に、プラズマによって生成されたラジカルを照射するプラズマ処理機5と、このプラズマ処理機5のヘッド部と基板とを相対的に基板の面方向に沿って移動させる駆動機構6とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板に塗布液を塗布して塗布基板を作製する塗布装置システム及び塗布基板の作製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ等のフラットパネルディスプレイには、ガラス基板上にレジスト液(塗布液)が塗布された塗布基板が使用されている。この塗布基板を製造する装置として、例えば特許文献1に記載の塗布装置が使用されている。
この塗布装置は、ガラス基板を載せるステージと、このガラス基板に沿って移動すると共に当該ガラス基板に塗布液を吐出するスリット状のノズルとを備えている。そして、ノズルをガラス基板に沿って移動させながら、当該ノズルからレジスト液をガラス基板に帯状に吐出する。これにより、レジスト液が膜状となってガラス基板上に塗布される。
【0003】
このような塗布装置によりガラス基板にレジスト液を塗布する前に、当該ガラス基板に付着している異物を除去する洗浄作業が行われている。この作業は、洗浄液が用いられ、例えばブラシ洗浄や高圧スプレー洗浄等によって行われている。そして、洗浄液を用いて洗浄した後に、エアナイフによる液切り工程、ガラス基板を乾燥させる乾燥工程を経て、レジスト液を塗布する塗布工程が行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−238144号公報(図1参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記のとおり、ガラス基板にレジスト液を塗布する前に、ガラス基板の表面を洗浄液によって洗浄し、エアナイフによる液切り処理を行っているが、この処理では水分除去が不十分である。つまり、エアナイフによる液切り処理後であっても、基板表面にはまだ分子レベルで水分が残っている。そこで、乾燥工程でガラス基板を乾燥させているが、この場合、乾燥した水分によるシミ(跡形)が表面に残ることがあり、塗布基板の品質に影響を与えることがある。このように、ガラス基板に水分等が残っていると、塗布液の塗布むらが発生するおそれがあり、塗布基板の品質を低下させてしまうことがある。
また、乾燥工程で基板に熱を加えるとその後冷却が必要となり、生産効率を低下させ、また、装置の大型化へと繋がる。さらに、基板に熱を加えると基板表面における塗布液の接触角が大きくなり、塗布性能に影響を与えてしまうこともある。
そこで、本発明は、洗浄工程を終えた基板から水分の除去を効果的に行って塗布基板を作製することができる塗布装置システム及び塗布基板の作製方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、液体洗浄された基板に対して前処理を行う前処理装置と、前記前処理がされた前記基板に対して塗布液を塗布する塗布装置本体とを備えた塗布装置システムであって、前記前処理装置は、液体洗浄された前記基板に、プラズマによって生成されたラジカルを照射するプラズマ処理部と、前記プラズマ処理部と前記基板とを相対的に当該基板の面方向に沿って移動させる駆動部とを備えていることを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、液体洗浄した基板に対して塗布液を塗布して塗布基板を作製する、塗布基板の作製方法であって、前記液体洗浄をした後であって、前記塗布液が前記基板の塗布面に塗布される前に、当該塗布面にプラズマによって生成されたラジカルを照射し、その後、前記塗布面に塗布液を塗布して塗布基板を作製することを特徴とする。
【0008】
本発明の塗布装置システム及び塗布基板の作製方法によれば、液体洗浄された基板に、プラズマによって生成されたラジカルを照射するので、基板に水分が残留していても、ラジカルによりその水分を分解して基板から除去することができる。さらに、このような水分の除去と共に、ラジカルにより基板の表面を活性化することができ、後に行われる塗布液の塗布に際し、塗れ性を高めることが可能となる。また、直接プラズマを基板に当てないでラジカルを照射するので、基板の表面の損傷を防ぐことができる。
【0009】
また、前記塗布装置システムにおいて、前記プラズマ処理部は、マイナス電極と、前記マイナス電極を挟んで前記移動の方向の前後両側に設けられた一対のプラス電極とを有し、前記マイナス電極と前記一対のプラス電極それぞれとの間に、前記ラジカルを前記基板に照射する当該ラジカルの吹き出し部が形成されているのが好ましい。
この場合、二つのラジカルの吹き出し部が、移動方向の前後に接近した状態として配置することが可能となる。このため、二つの吹き出し部から基板に対するラジカルの照射領域を重ねることが可能となり、大きな出力(照射量)が得られる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、液体洗浄された基板に水分が残留していても、ラジカルによりその水分を分解して基板から除去することができるので、残留した水分が原因となって塗布液の塗布むらが発生するのを防止することが可能となり、作製する塗布基板の品質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の塗布装置システムの概略構成図である。
【図2】塗布装置本体の斜視図である。
【図3】洗浄装置の要部の概略図である。
【図4】プラズマ装置の要部の概略図である。
【図5】塗布基板の作製方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の塗布装置システムの概略構成図である。この塗布装置システムは、基板に対して洗浄液による洗浄を行う洗浄装置1と、この洗浄がされた基板に対して前処理を行う前処理装置と、この前処理がされた基板に対して塗布液を塗布する塗布装置本体3とを備えている。なお、前記前処理は、洗浄液による洗浄がされた基板に対して行うプラズマ処理であり、前記前処理装置は、このプラズマ処理を行うプラズマ装置2である。
【0013】
図2は塗布装置本体3の斜視図である。この塗布装置本体3は、薄板状の基板Wに、薬液やレジスト等の塗布液を塗布するものであり、基台13と、基板Wを載せるステージ14と、このステージ14に対し特定方向に移動可能な塗布ユニット15とを備えている。塗布ユニット15が移動する方向をX軸方向、これと水平面上で直交する方向をY軸方向、X軸方向およびY軸方向の双方に直交する上下方向をZ軸方向とする。
基台13上にステージ14が設置され、このステージ14のY軸方向の両側にレール17が設けられている。このレール17に塗布ユニット15が載置されていて、塗布ユニット15はレール17に沿ってX軸方向に移動する。
ステージ14は、図外の搬送装置によって前記プラズマ装置2から搬入された基板Wを、その上面に載置することができると共に、当該基板Wを図示しないポンプによって吸引することで保持する。
【0014】
塗布ユニット15は、ステージ14に載置した基板Wに塗布液を塗布するためのものであり、Y軸方向に沿って延び塗布液を流出するスリット状のノズル(図示せず)を下部に有する口金部22と、この口金部22の両端部分に設けられたユニット支持部23とを有している。ユニット支持部23は、口金部22をZ軸方向に昇降させる昇降機構24と、口金部22をX軸方向に走行させる走行機構25とを有している。つまり、塗布装置本体3は、スリット状ノズルからレジスト液をガラス基板に帯状に吐出し、ガラス基板上に膜状としてレジスト液を塗布するスリットコータである。
【0015】
この塗布装置本体3、洗浄装置1及びプラズマ装置2の各動作タイミング等は、塗布装置システムが備えている制御装置26(図1参照)によって制御される。なお、制御装置26は、CPUからなる演算手段、プログラムやデータを記憶するROM、RAM、HDD等の記憶手段、外部との間で信号を入出力するための入出力インターフェース等を含むコンピュータからなる。記憶手段に記憶された各種プログラムを演算手段が実行することで、塗布装置システムの各部の動作を制御する機能を備えている。
【0016】
図3は、洗浄装置1の要部の概略図である。洗浄装置1は、洗浄液を用いて基板Wを洗浄する洗浄機31と、この洗浄した基板Wの洗浄液を除去する液切り機32とを有している。洗浄機31は、洗浄液を噴出するノズル31aを有し、基板Wを送りながらノズル31aから洗浄液を当該基板Wの上面(以下、塗布面50という)に噴射し、付着している異物を洗い流す。そして、液切り機32は、エアを噴出するノズル32aを有し、基板Wを送りながらノズル32aから圧縮エアを当該基板Wの塗布面50に噴射し、付着していた洗浄液をエアナイフの作用により除去する。ノズル31a及びノズル32aは、基板Wの幅方向(図3では紙面方向)と同等以上の長さを有していて、基板Wの全体に対して洗浄液及びエアを接触させることができる。なお、洗浄装置1は、他の形態であってもよく、例えば、洗浄機31は、洗浄液を用いてブラシによって塗布面50を洗浄する構成であってもよい。
【0017】
図4は、プラズマ装置2の要部の概略図である。プラズマ装置2は、前記洗浄装置1によって液体洗浄がされかつ液切りがされ、図外の搬送装置によって当該洗浄装置1から搬入された基板Wに、プラズマによって生成されたラジカルを照射するプラズマ処理機5と、このプラズマ処理機5の(後述する)ヘッド部5aと基板Wとを相対的に当該基板Eの面方向に沿って移動させる駆動機構6(図1参照)とを備えている。
プラズマ処理機5は、高周波電源部(RF電源部)11、アースされるマイナス電極7、高周波電源が供給される一対のプラス電極8,9、これら電極7,8,9を搭載しているフレーム10及びガス供給部39を有している。
【0018】
電極7,8,9及びフレーム10によってヘッド部5aが構成されていて、前記駆動機構6は、このヘッド部5aと基板Wとの内の一方又は双方を、当該基板Wの塗布面50の面方向(図4の左右方向)に移動させる構成である。例えば、ヘッド部5aを移動させるために、駆動機構6は、図示しないが、ヘッド部5aを面方向に移動可能に支持するガイド部材と、このガイド部材に沿ってヘッド部5aを移動させるためのボールねじ機構及びモータを備えた構成とすればよい。また、基板Wを移動させるためには、駆動機構6は、基板Wが載る載置部12をベルト(又はローラ)としたコンベアを有している。
実施形態のプラズマ装置2は、基板W(基板Wを載せた載置部12)を矢印A1方向に搬送しながら、ヘッド部5aをその反対の矢印A2方向に移動させるように構成されている。このように、ヘッド部5a及び基板Wの双方を移動させることで、プラズマ処理の作業スペースが小さくて済み、プラズマ装置2の小型化が図れる。
【0019】
マイナス電極7及びプラス電極8,9それぞれは、基板Wの幅方向(図4では紙面方向)と同等以上の長さを有していて、基板Wの幅方向全長に対向して設けられている。そして、このプラズマ処理機5では、一つのマイナス電極7を挟んでヘッド5aの移動方向(矢印A2方向)前後の両側に一対のプラス電極8,9が設けられている。マイナス電極7とプラス電極8,9それぞれとは移動方向に離れてフレーム10に取り付けられていて、マイナス電極7と一対のプラス電極8,9それぞれとの間に、ラジカルを基板Wに照射するラジカルの吹き出し部40,41が形成されている。
【0020】
このように構成したプラズマ装置2によれば、前記ガス供給部39によって、ガスがマイナス電極7と一対のプラス電極8,9それぞれとの間に供給され、大気圧化で、高周波によりマイナス電極7とプラス電極8と間及びマイナス電極7とプラス電極9と間にプラズマを発生させ、このプラズマによって前記ガスが電離を起こしラジカルを生成し、このラジカルを基板Wに照射させることができる。なお、前記ガスとして、大気中の空気であってもよいが、より活性化エネルギーの高いガスであってもよく、例えば窒素ガスとすることができる。
【0021】
以上のように構成した塗布装置システムによって行われる塗布基板の作製方法について、図1と図5とにより説明する。図5はこの作製方法のフロー図である。
先ず、洗浄前の基板Wが洗浄装置1に搬入されると(ステップS1)、この洗浄装置1の洗浄機31により、洗浄液を用いて基板Wの塗布面50全体の洗浄を行い(ステップS2)、この洗浄された基板Wに対して、液切り機32のエアナイフにより洗浄液の液切りを行う(ステップS3)。
【0022】
次に、液切りがされた基板Wが洗浄装置1からプラズマ装置2に搬送され、プラズマ処理機5により、当該基板Wの塗布面50に、プラズマによって生成されたラジカルを照射する(ステップS4)。この際、駆動機構6によって、ヘッド5a(図4)を基板Wに対して移動させながら、基板Wの塗布面50全体にラジカルを照射する。また、図4のヘッド部5aでは、二つのラジカルの吹き出し部40,41が、マイナス電極7を挟んで当該ヘッド部5aの移動方向に接近した状態として配置されているので、基板Wに対するラジカルの照射領域を重ねることが可能となり(重ねられた領域をBで示している)、大きな出力(照射量)が得られる。このため、ヘッド部5aの移動速度を上げても、処理のために十分な照射量のラジカルを基板Wに与えることができる。すなわち、ヘッド部5aの移動速度を高めることが可能となり、この結果、処理速度が高まり、生産効率の向上が図れる。
【0023】
そして、プラズマ装置2によってラジカルが照射された基板Wが、当該プラズマ装置2から塗布装置本体3のステージ14上に搬送され、塗布ユニット15により、基板Wの塗布面50に塗布液を塗布して(ステップS5)塗布基板を作製し、この塗布基板を次の工程へと搬出する(ステップS6)。
以上のように前記塗布装置システムによれば、洗浄装置1によって液体洗浄をした後であって、塗布装置本体3によって塗布液が基板Wの塗布面50に塗布される前に、当該塗布面50に、プラズマによって生成されたラジカルを照射し、その後、塗布面50に塗布液を塗布することにより、塗布基板を作製することができる。なお、本発明のプラズマ装置2によって行われるプラズマ処理は、基板Wの洗浄後に実行される処理であり、プラズマで基板Wの洗浄を行う処理とは異なる。
【0024】
このように構成された塗布装置システム及び塗布基板の作製方法によれば、プラズマ処理機5が、液体洗浄された基板Wに、プラズマによって生成されたラジカルを照射するので、当該基板Wに水分(洗浄液)が残留していても、前記ラジカルによりその水分を分解して基板Wから除去することができる。つまり、エアナイフによって水分を除去していても、塗布液の水分は分子レベルで基板Wに残留していることがあるが、本発明によれば、その水分を分解して基板Wから除去することができる。この結果、残留した水分が原因となって塗布液の塗布むらが発生することを防止することが可能となり、作製する塗布基板の品質を向上させることができる。また、このプラズマ処理は、大気圧化で実行可能であり、また、常温で実行可能であり、装置の簡素化が可能である。
【0025】
さらに、水分の除去と共に、ラジカルにより基板Wの塗布面50を活性化することができ、後に塗布装置本体3によって行われる塗布液の塗布に際し、塗れ性を高めることが可能となる。すなわち、ラジカルにより塗布面50を活性化させる(塗布面50を水酸基で形成する)ことで、塗布面50aにおける塗布液の接触角を小さくすることができ、親液性を高め塗布液を基板Wに馴染ませることが可能となる。
特に、基板W上に基板本体と特性(材質)が異なる各種パターンが形成されていると、両者間で塗布液の表面張力や接触角が異なり、パターン上で塗布膜が切れる等の品質異常が生じる。しかし、本発明のプラズマ処理により、塗布面50a全体を改質し、均質化を図ることができるので、前記品質異常を抑制することが可能となり、塗布基板の品質を向上させることができる。このため、パターン形成部で、塗布速度を遅くしたり、基板Wと口金部22(図1参照)との距離を小さくしたり等しなくてもよい。この結果、塗布速度を上げることが可能となり、生産効率を向上させることができる。
このように、本発明のプラズマ装置2では、残留している水分を除去する処理と、基板Wの塗れ性を高める表面処理との双方を、同時に実現することができる。
【0026】
また、図4において、ヘッド5aの電極7,8間及び電極7,9間でプラズマを発生させ、ガス供給部39がヘッド部5aに供給したガスを、電極7,8間及び電極7,9間のプラズマによりラジカル化する。そして、供給したガスの勢いにより(流速で)ラジカル化したガスを基板Wに吹き付けることができる。このように、直接プラズマを基板Wの塗布面50に当てないで、ラジカルを照射するので、基板Wの塗布面50の損傷を防ぐことができる。特に、基板Wが、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ等のフラットパネルディスプレイに用いられるカラーフィルタを製造するためのものであり、当該基板Wにブラックマトリックスが形成されていても、このブラックマトリックスの表面が損傷するのを防ぐことができる。
【0027】
さらに、このヘッド部5aの構成によれば、吹き出し部40,41が隣接して設けられていることから、基板Wにおけるラジカルの照射エリアを重なることができ、一回で照射するエリアに、(吹き出し部が一つの場合よりも)大きな出力を与えることが可能となる。なお、仮に、吹き出し部を二つとするために、図示しないが、一つのマイナス電極と一つのプラス電極とを一組のヘッド部として、二組のヘッド部を並べて構成した場合では、両吹き出し部間の距離が離れ、ラジカルの照射エリアを重ねることが困難となる。しかし、図4の実施形態によれば、ラジカルの照射エリアを重なることが容易となる。
【0028】
また、一般的に、洗浄装置によって洗浄された基板Wの周縁部は、十分に洗浄がされていない。すなわち、基板Wに、物理的にブラシを当てたり、洗浄液を吹き付けたりして洗浄を行っても、基板Wの周縁部は形状が不連続であるため、ブラシ及び洗浄液が外へ逃げて十分に洗浄できない。つまり、基板Wは、周縁部と中央部とで洗浄の条件が異なるため、洗浄結果も差が生じてしまう。このため、本発明のプラズマ処理を行わないで作製された塗布基板では、その周縁部は、塗布液の表面張力によって塗布液が盛り上がった状態となり、膜厚が大きくなってしまう。しかし、本発明のプラズマ処理は、物理的に処理するものではないため、基板Wの周縁部においても、水分の除去及び塗れ性を高める処理が行われ、周縁部を含む基板Wの全面に対して、均等な膜厚を得ることが可能となる。
【0029】
また、本発明は、図示する形態に限らず本発明の範囲内において他の形態のものであっても良い。前記実施形態では、塗布装置システムは、洗浄装置1を備えていたが、この洗浄装置1は、塗布装置システム外に設置されていてもよい。つまり、塗布装置システムは、プラズマ装置2と塗布装置本体3とを備えた構成であってもよい。
【符号の説明】
【0030】
1:洗浄装置、 2:プラズマ装置(前処理装置)、 3:塗布装置本体、 5:プラズマ処理機(プラズマ処理部)、 6:駆動機構(駆動部)、 7:マイナス電極、 8:プラス電極、 9:プラス電極、 40:吹き出し部、 41:吹き出し部、 50:塗布面、 W:基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体洗浄された基板に対して前処理を行う前処理装置と、前記前処理がされた前記基板に対して塗布液を塗布する塗布装置本体と、を備えた塗布装置システムであって、
前記前処理装置は、
液体洗浄された前記基板に、プラズマによって生成されたラジカルを照射するプラズマ処理部と、
前記プラズマ処理部と前記基板とを相対的に当該基板の面方向に沿って移動させる駆動部と、
を備えていることを特徴とする塗布装置システム。
【請求項2】
前記プラズマ処理部は、マイナス電極と、前記マイナス電極を挟んで前記移動の方向の前後両側に設けられた一対のプラス電極とを有し、前記マイナス電極と前記一対のプラス電極それぞれとの間に、前記ラジカルを前記基板に照射する当該ラジカルの吹き出し部が形成されている請求項1に記載の塗布装置システム。
【請求項3】
液体洗浄した基板に対して塗布液を塗布して塗布基板を作製する、塗布基板の作製方法であって、
前記液体洗浄をした後であって、前記塗布液が前記基板の塗布面に塗布される前に、当該塗布面にプラズマによって生成されたラジカルを照射し、
その後、前記塗布面に塗布液を塗布して塗布基板を作製することを特徴とする塗布基板の作製方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2010−227897(P2010−227897A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−81087(P2009−81087)
【出願日】平成21年3月30日(2009.3.30)
【出願人】(000219314)東レエンジニアリング株式会社 (505)
【Fターム(参考)】