説明

塗布装置

【課題】ノズルから液柱状に塗布液を吐出しつつ、基板上を走査移動することにより、基板に塗布を行う塗布装置において、基板の左右端に配置され、基板から外れた位置において塗布液を受ける液受け部に吸着部材を設けた場合、長期間の使用によっては塗布された液が液受け部内に溜まってしまう。溜まった液と新たに塗布される液とが衝突することにより、塗布液がミスト状に飛散してしまう可能性がある。
【解決手段】液受け部の内部に空間を設け、その空間内を負圧にしておくことにより、接液部材に吐出された塗布液を吸引する。常に接液部材が乾いた状態を維持することにより、塗布液がミスト状に飛散することを防止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗布装置に関し、より特定的には、ステージ上に載置した基板にノズルから液柱状態の塗布液を吐出して塗布する塗布装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ノズルから塗布液を吐出しつつ、連続して一筆書きのように基板に塗布液を塗布する塗布装置が開発されている。例えば、有機EL表示装置を製造する装置では、ステージ上に載置されたガラス基板等の基板の主面に所定のパターン形状で有機EL材料がノズル塗布される。このような塗布装置においては、基板に塗布液を塗布する際、ノズルが基板外に移動したときに基板外に塗布された塗布液や不要な塗布液を回収するために、基板外に塗布液を受ける液受け部が配設される(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−293704号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図9は、上記特許文献1に記載された液受け部100の断面図である。液受け部100は、ボックス部102の内部に吸着剤101を備えており、ノズルから塗布された塗布液は吸着剤101を経由して下面に形成された吸引孔103から吸引、排出される。
【0005】
しかしながら、吸着剤101に吸着された塗布液は、時間の経過とともに溶媒成分が蒸発することにより徐々に流動性が無くなり、ついには固化してしまう。また吸着剤101の内部で塗布液が固化することにより、吸引孔103が目詰まりをおこし、吸引能力が低下していくという問題が発生する。
【0006】
吸引能力が低下した状態で塗布液が液受け部100に吐出されると、液受け部上部に貯まった液状の塗布液と、ノズルから吐出された塗布液とが衝突することにより、塗布液がミスト状に飛散するという問題が発生するおそれがある。
【0007】
そのため、本発明の目的は、基板に塗布液を塗布する際、液受け部に吐出された塗布液を確実に排出し、塗布液がミスト状に飛散することを防止できる塗布装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は、以下に述べるような特徴を有している。
【0009】
第1の発明は鉛直下方向への直線棒状となった液柱状態の塗布液を基板上に吐出して当該塗布液を塗布する塗布装置であって、その先端部から前記塗布液を前記液柱状態で吐出するノズルと、前記基板をその上面に載置するステージと、前記ステージ上の空間において、当該ステージ面を横断する方向に前記ノズルを往復移動させるノズル移動機構と、前記ノズル移動機構が前記横断する方向に沿って前記ステージ上から外れた位置に前記ノズルより前記塗布液を吐出させつつ当該ノズルを移動させる際、当該ノズルから前記ステージ外に吐出された前記塗布液を受ける液受け部と、を備え、前記液受け部は、前記ステージ上から外れた位置に配置された前記ノズルの先端部から鉛直下方向となる位置に配置され、その上面に対して前記ノズルから塗布液が吐出される接液部材と、前記接液部材の下面に接する空間を形成する液受け部本体と、前記液受け部本体の前記空間に連通し、前記接液部材の上面に吐出された塗布液を前記接液部材の下面に吸引する吸引手段と、を備えることを特徴とする。
【0010】
第2の発明は、請求項1に記載された塗布装置において、前記液受け部本体は、前記吸引手段によって前記空間に吸引された塗布液を前記液受け部本体から排出する排出手段をさらに備えることを特徴とする。
【0011】
第3の発明は、請求項1または2に記載された塗布装置において、前記液受け部は、前記ノズルの移動方向に沿ったスリット状の開口を有する蓋部材をさらに備え、前記接液部材は、前記蓋部材の開口部を経由して前記ノズルから前記塗布液を吐出されることを特徴とする。
【0012】
第4の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載された塗布装置において、前記接液部材は多孔質材料により形成されていることを特徴とする。
【0013】
第5の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載された塗布装置において、前記接液部材は不織布により形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
上記第1の発明によれば、接液部材の上面に吐出された塗布液が接液部材の下面に接する空間に吸引されるため、簡便な構成にて接液部材の上面が乾いた状態を維持することが可能となる。
【0015】
また上記第2の発明によれば、吸引された塗布液をさらに別の排出手段により排出することが可能となる。
【0016】
また上記第3の発明によれば、開口部を必要最低限の開口とすることにより、吸引手段による吸引効率を高めることが可能となる。
【0017】
また上記第4および第5の発明によれば、接液部材を多孔質材料、または不織布とすることにより、簡便な構成にて液体と気体とを効率よく吸収する液受け部を形成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】塗布装置の平面図である。
【図2】塗布装置の正面図である。
【図3】液受け部の概要を示す斜視図である。
【図4】図3のA−A断面を示す断面図である。
【図5】液受け部とステージ、および基板との関係を示す模式図である。
【図6】その他の実施形態にかかる液受け部を示す斜視図である。
【図7】その他の実施形態にかかる液受け部を示す断面図である。
【図8】その他の実施形態にかかる液受け部を示す断面図である。
【図9】従来の液受け部を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態に係る塗布装置1について、図面を参照しつつ説明を行う。説明を具体的にするために、当該塗布装置が有機EL材料や正孔輸送材料等を塗布液として用いる有機EL表示装置を製造する塗布装置に適用された例を用いて、以下の説明を行う。当該塗布装置1は、有機EL材料や正孔輸送材料等をステージ上に載置されたガラス基板上に所定のパターン形状に塗布して有機EL表示装置を製造するものである。
【0020】
図1は、塗布装置1の要部概略構成を示す平面図である。また、図2は、塗布装置1の正面図である。なお、塗布装置1は、上述したように有機EL材料や正孔輸送材料等の複数の塗布液を用いるが、それらの代表として有機EL材料を塗布液として説明を行う。
【0021】
図1において、塗布装置1は、大略的に、基板載置装置2、液受け部3、および有機EL塗布機構5を備えている。
【0022】
基板載置装置2は、ステージ21、旋回部22、平行移動テーブル23、ガイド受け部24、およびガイド部材25を有している。
【0023】
ステージ21は、被塗布体となるガラス基板等の基板Pをそのステージ上面に載置する。ステージ21の下部は、旋回部22によって支持されており、旋回部22の回動動作によって図示θ方向にステージ21が回動可能に構成されている。
【0024】
また、ステージ21の内部には、有機EL材料が塗布された基板Pをステージ面上で予備加熱処理するための加熱機構や基板Pの吸着機構や受け渡しピン機構等が設けられている。
【0025】
有機EL塗布機構5の下方を通るように、ガイド部材25が図示Y軸方向に延設されて水平に固定される。平行移動テーブル23の下面には、ガイド部材25と当接してガイド部材25上を滑動するガイド受け部24が固設されている。
【0026】
また、平行移動テーブル23の上面には、旋回部22が固設される。これによって、平行移動テーブル23が、例えばリニアモータ(図示せず)からの駆動力を受けてガイド部材25に沿った図示Y軸方向に移動可能になり、旋回部22に支持されたステージ21の水平移動も可能になる。
【0027】
液受け部3は、基板に対して左右方向(X方向)に、液受け部3Lおよび液受け部3Rを備えており、詳細に関しては後述する。
【0028】
有機EL塗布機構5は、ノズル移動機構部51と、ノズルユニット50とを有している。
【0029】
ノズル移動機構部51は、ガイド部材511が図示X軸方向に延設されており、ノズルユニット50をガイド部材511に沿って図示X軸方向に移動させる。ノズルユニット50は、赤、緑、および青色の何れか1色の有機EL材料を吐出する複数のノズル52(図1では、3本のノズル52a、52b、および52c)を並設した状態で保持する。
【0030】
各ノズル52a〜52cへは、それぞれ図示しない供給部から赤、緑、および青色の何れか1色の有機EL材料が供給される。このように、複数のノズル52から同じ色の有機EL材料が吐出されるが、説明を具体的にするために赤色の有機EL材料が3本のノズル52a〜52cから吐出される例を用いる。
【0031】
受け渡しピン機構を介してステージ21上に基板Pを載置し、当該基板Pを吸着固定して、平行移動テーブル23が有機EL塗布機構5の下方まで移動したとき、当該基板Pが赤色の有機EL材料の塗布をノズル52a〜52cから受ける位置となる。そして、制御部(図示せず)がノズルユニット50をX軸方向に往復移動させるようにノズル移動機構部51を制御し、ステージ21をY軸方向へ当該直線移動毎に所定ピッチだけ移動させるように平行移動テーブル23を制御し、ノズル52a〜52cから所定流量の有機EL材料を吐出させる。
【0032】
また、ノズル52a〜52cのX軸方向吐出位置において、ステージ21に載置された基板Pから逸脱する両サイド空間には、基板Pから外れて吐出された有機EL材料を受ける液受け部3Lおよび3Rがそれぞれ固設されている。ノズル移動機構部51は、基板Pの一方サイド外側に配設されている液受け部3(例えば、液受け部3L)の上部空間から、基板Pを横断して基板Pの他方サイド外側に配設されている液受け部3(例えば、液受け部3R)の上部空間まで、ノズルユニット50を往復移動させる。
【0033】
また、平行移動テーブル23は、ノズルユニット50が液受け部3の上部空間に配置されている際、ノズル往復移動方向とは垂直の所定方向(図示Y軸方向)に所定ピッチ(例えば、ノズルピッチの3倍分)だけステージ21を移動させる。このようなノズル移動機構部51および平行移動テーブル23の動作と同時にノズル52a〜52cから有機EL材料を液柱状態で吐出することによって、赤色の有機EL材料が基板Pに形成されたストライプ状の溝毎に配列された、いわゆる、ストライプ配列が基板P上に形成される。
【0034】
ノズルユニット50は、ノズル52a〜52cをY軸方向に所定のピッチずつ離間させて保持する。また、各ノズルのY軸方向のピッチは、基板上に塗布すべきパターンに対応して、個別に調整することが可能である。
【0035】
次に、図3および図4を参照して、液受け部3について説明する。図3は、液受け部3の構造を示す斜視図である。図4は、液受け部3の、図3におけるA−A断面を示す断面図である。
【0036】
図3に示すように、液受け部3は、ボックス部31、蓋部32、多孔質材料33、排気部34、排出部35を備えている。
ボックス部31は、X軸方向に伸びる横長形の箱形状であり、ノズル移動機構部51との位置関係が常時固定されるように固設されている。ボックス部31の上面は蓋部32によってX軸方向にスリット状の開口部が形成されている。またその開口部には多孔質材料33が上方に開放した状態で配置されている。蓋部32の開口部の幅は、ノズル52a〜52cから液柱状態で吐出される有機EL材料を全て塗着させる幅を有している。
【0037】
図4に示すように、液受け部3の内部はボックス部31と多孔質材料33および蓋部32によって囲まれる内部空間Lを備えている。内部空間Lの側面には排気部34が連通し、また内部空間Lの下部において、排出部35が連通している。
【0038】
上述したように、基板Pに対して有機EL材料を塗布する際、ノズル52a〜52cは有機EL材料(塗布液)を吐出しつつ、液受け部3の上方に走査移動される。このとき、ノズル52a〜52cと多孔質材料33が対向する位置に液受け部3が配置されている。そのため、ノズル52a〜52cから吐出される塗布液は多孔質材料33の上面に接液する。すなわち、多孔質材料33が接液部材となる。
【0039】
多孔質材料33の下面はボックス部31の内部空間Lに接しており、連通する排気部34によって負圧に維持されている。そのため、多孔質材料33の上面に付着した塗布液は多孔質材料33の内部の空隙を通過して内部空間Lに向かって吸引され、ボックス部31内に滴下する。そして、ボックス部31内に滴下した塗布液は、排出部35から排出され、図示しない排液タンク等に接続されている。
【0040】
液受け部3の内部において、排気部34は内部空間Lの比較的高い位置に接続されている。そのため、内部空間Lに滴下した塗布液は、排気部34に流入することなく、ボックス部31の下部に連通された排出部35から排出される。
【0041】
本実施例で用いられている多孔質材料33は、ポリエチレンなどの樹脂を焼結成形することによって形成されている。塗布される液に応じて、樹脂材料は適宜選択可能であるが、一例としてはサンファイン(旭化成ケミカルズ株式会社の登録商標)などが用いられる。一般的に多孔質材料は、樹脂等の粉末を焼結成形することにより形成され、内部に不規則な空隙が立体的に形成されている。そのため、気体や液体などの流体を通過させることが可能となっている。
【0042】
排気部34は、ボックス部31の(−Y)側側面に2本形成されている。そのため、ボックス部31の内部空間Lを均一に負圧に保つことが可能となっている。なお、本実施例では排気部34が(−Y)側側面に2本形成されているが、ボックス部31のX方向の長さや要求される負圧に応じて、その取り付け位置や本数を適宜選択することが可能である。
【0043】
また、多孔質材料33の下面において接している内部空間Lが負圧になっているため、その上面に接液した塗布液は周囲の気体とともに急速に下面に吸引される。そのため、多孔質材料33の上面付近は常に塗布液が存在せず、乾いた状態となっている。
【0044】
前述のように、塗布装置1が基板全面に対して塗布液を塗布する場合、走査移動するノズル52a〜52cによって液受け部3に対して、何度も塗布液が吐出される。その際、液受け部3に塗布液が残留していると、直線棒状に吐出された塗布液と残留する塗布液とが衝突することにより、ミスト状の液滴が発生する。この発生したミスト状の液滴は、ノズルユニット50の走査移動によって発生する気流によって基板上に飛散することになる。
【0045】
しかし、本発明の実施形態に係る塗布装置1によると、ノズル52a〜52cから吐出された塗布液が接液する多孔質材料33の上面は、常に乾いた状態となっているため、上記のようなミスト状の液滴の発生を防止することが可能となる。
【0046】
また、図5に示すように、液受け部3の上端面は、ステージ21の上面と略同一の高さ(図5の高さc参照)となるように固設されている。液受け部3のステージ21側の側面は、当該ステージ21近傍に所定の隙間を形成して固設される。そして、液受け部3は、ステージ21の側面から図示(+X)方向へ一部がはみ出す(図5の長さa参照)ように載置された基板Pに対して、その一部がオーバラップ(図4のオーバラップ長さb参照)して配置される。
【0047】
基板Pに対して、液受け部3を上記のように配置することにより、ノズル52a〜52cが基板Pの上方を走査移動しながら吐出した塗布液は、確実に基板P、および液受け部3上のみに吐出される。
【0048】
以上のように、本発明の実施形態に係る塗布装置1においては、液受け部3の上部に多孔質材料33が配置されており、多孔質材料33の上面に吐出された塗布液は、常に内部空間Lに向けて吸引されるため、ミスト状の液滴の発生を防止することが可能であるが、これは上記構成には限定されず、他の実施形態によって構成されてもよい。
【0049】
例えば、図6は、本発明の他の実施形態にかかる、液受け部41を示す斜視図である。液受け部41は、ボックス部31の(+X)方向に排気部42を備えている。このように排気部の構造を簡素化することも可能である。さらに、前述の実施形態のように、側面からの排気を併用することにより、排気風量を確保することも可能である。
【0050】
また、図7は本発明の他の実施形態にかかる、液受け部44を示す断面図である。液受け部44は、多孔質材料45が水平方向に対して傾斜して配置されている。そして、傾斜配置された多孔質材料45によって、空間Lが形成されている。このように配置することにより、液受け部44をコンパクトに形成することが可能となる。
【0051】
また、上述の実施形態では、液受け部3(液受け部41、44)においてノズル52a〜52cから吐出された塗布液が接液する接液部材として、多孔質材料33(多孔質材料45)が用いられていたが、これらに限るものではない。例えば、不織布や綿状体、織布やメッシュ状の薄板など、液体と共に気体を通過させることが出来る程度の間隙を内部に備える材料であれば、接液部材として用いる事が可能である。
【0052】
例えば、図8に液受け部46として示すように、塗布液が接液する接液部材として、多孔質材料ではなく、多数のスリット状部材47などが用いられてもよい。スリット状部材47は、斜め方向に傾斜した間隙から気体を通すことで液体をその間隙から下部に流下しやすくするように構成されている。ここで、スリット状部材47としてはステンレスなどの金属板や、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)などの樹脂材料等を用いる事ができる。
【0053】
また、接液部材の下面に接する空間Lとしては空隙を形成する構成を記載したが、これに限るものではない。例えば、実質的に空間Lと同じようにあまり圧力損失を発生させない程度の、低密度の綿状部材や、複数の柱状の部材などが空間Lに配置されていてもよい。
【0054】
また、上述した実施形態では、赤、緑、および青色のうち、赤色の有機EL材料を3個1組のノズル52a〜52cで基板Pに塗布する構成であったが、他の色の有機EL材料でもよく、また、正孔輸送層材料の塗布にも用いる事が可能である。
【0055】
また、ノズル52a〜52cから赤、緑、および青色の有機EL材料をそれぞれ吐出してもかまわない。この場合、赤、緑、および青色の順に配列された、いわゆる、ストライプ配列が1つの塗布工程で形成される。
【0056】
また、上述した実施形態では、3個1組のノズル52a〜52cで基板Pの各溝内に有機EL材料を流し込んでいるが、この個数は3個に限定されるものではなく、1個であっても、さらにはより多数のノズルによって塗布されてもよい。ノズルの個数を増やすことにより、一度の走査移動にて塗布できる個数が増えるため、処理時間を短縮することが可能となる。
【0057】
また、上述した実施形態では、塗布液として有機EL材料や正孔輸送材料を塗布液とした有機EL表示装置の製造装置を一例にして説明したが、本発明は他の塗布装置にも適用できる。例えば、レジスト液やSOG(Spin On Glass)液やPDP(プラズマディスプレイパネル)を製造するのに使用される蛍光材料を塗布する装置にも適用することができる。また、液晶カラーディスプレイをカラー表示するために液晶セル内に構成されるカラーフィルタを製造するために使用される色材を塗布する装置にも適用することができる。さらには、太陽光発電に用いる太陽光パネルを製作する際、塗布処理を行う装置にも適用することができる。
【符号の説明】
【0058】
1 基板処理装置
2 基板載置装置
3 液受け部
5 有機EL塗布機構
21 ステージ
31 ボックス部
32 蓋部
33 多孔質材料
34 排気部
35 排出部
50 ノズルユニット
51 ノズル移動機構
52a〜52c ノズル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉛直下方向への直線棒状となった液柱状態の塗布液を基板上に吐出して当該塗布液を塗布する塗布装置であって、
その先端部から前記塗布液を前記液柱状態で吐出するノズルと、
前記基板をその上面に載置するステージと、
前記ステージ上の空間において、当該ステージ面を横断する方向に前記ノズルを往復移動させるノズル移動機構と、
前記ノズル移動機構が前記横断する方向に沿って前記ステージ上から外れた位置に前記ノズルより前記塗布液を吐出させつつ当該ノズルを移動させる際、当該ノズルから前記ステージ外に吐出された前記塗布液を受ける液受け部と、を備え、
前記液受け部は、
前記ステージ上から外れた位置に配置された前記ノズルの先端部から鉛直下方向となる位置に配置され、その上面に対して前記ノズルから塗布液が吐出される接液部材と、
前記接液部材の下面に接する空間を形成する液受け部本体と、
前記液受け部本体の前記空間に連通し、前記接液部材の上面に吐出された塗布液を前記接液部材の下面に吸引する吸引手段と、を備えることを特徴とする塗布装置。
【請求項2】
請求項1に記載された塗布装置において、
前記液受け部本体は、前記吸引手段によって前記空間に吸引された塗布液を前記液受け部本体から排出する排出手段をさらに備えることを特徴とする塗布装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載された塗布装置において、
前記液受け部は、前記ノズルの移動方向に沿ったスリット状の開口を有する蓋部材をさらに備え、前記接液部材は、前記蓋部材の開口部を経由して前記ノズルから前記塗布液を吐出されることを特徴とする塗布装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載された塗布装置において、
前記接液部材は多孔質材料により形成されていることを特徴とする塗布装置。
【請求項5】
請求項1から請求項3のいずれかに記載された塗布装置において、
前記接液部材は不織布により形成されていることを特徴とする塗布装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−167655(P2011−167655A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−35699(P2010−35699)
【出願日】平成22年2月22日(2010.2.22)
【出願人】(000207551)大日本スクリーン製造株式会社 (2,640)
【Fターム(参考)】