説明

塗装金属板の製造方法

【課題】金属板の表面にすじ状模様を有する意匠性の高い塗膜を簡便な手法で効率よく形成することができ、且つ模様形状の調整が容易な塗装金属板の製造方法を提供する。
【解決手段】金属板1を連続的に搬送しながらこの金属板1の表面に塗装を施す。前記金属板1の搬送経路上において、塗布ロール11を回転させながらその周面に顔料を含有する液状の外層塗料2を供給する。この塗布ロール11の周面上の外層塗料2の表面に複数の突起3を有する模様形成治具4を摺接させる。その後、前記塗布ロール11の周面上の外層塗料2を前記金属板1表面に接触させてこの金属板1表面に塗布する。次いで前記外層塗料2を硬化成膜することで、すじ状模様を有する外層塗膜5を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は建材等に用いることができる塗装金属板に関し、特に塗膜の意匠性に優れた塗装金属板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、建築材などに使用される金属板材料として、ステンレス鋼板、溶融亜鉛めっき鋼板、アルミニウム亜鉛合金めっき鋼板等に、耐食性等の機能性の向上や外観の向上のために予め塗装(プレコート)を施した塗装金属板が提供されている。
【0003】
また、近年、外装材等の建築材の表面には、様々な意匠模様を付して外観の向上が図られており、このため上記塗装金属板としても意匠性の高い塗膜を形成することが求められている。このような塗装金属板に求められる意匠模様としては、すじ状模様が挙げられる。
【0004】
塗装金属板に模様を付す方法としては、凸模様を形成するための固形物を塗膜の表面に固着させたり、塗料やインキを用いてプリントしたり、塗料やインキをスプレーする方法が採られている。
【0005】
しかし、これらの方法では塗膜を形成した後に模様を付与するための別の工程を必要とするので、塗装金属板の製造工程が煩雑になるという問題があり、更に固形物を固着する方法ではすじ状の模様を形成することもできないものである。
【0006】
また、特許文献1〜3等には、金属粉末を含有する高粘度の塗料を塗布ロールに供給することで塗布ロールの周面上で塗料に流れ模様を生じさせ、この塗料を塗布ロールから金属板表面に塗布することにより流れ模様を有する塗膜を形成することが提案されている。
【0007】
しかし、この手法によれば、塗膜表面に独特の流れ模様を形成することができるが、微細なすじ状模様を形成するには不向きであり、また所望の形状の模様を形成するための条件制御も難しいものであった。
【特許文献1】特公昭54−25538号公報
【特許文献2】特公昭54−25538号公報
【特許文献3】特開平10−245519号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記の点に鑑みて為されたものであり、金属板の表面にすじ状模様を有する意匠性の高い塗膜を簡便な手法で効率よく形成することができ、且つ模様形状の調整が容易な塗装金属板の製造方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る塗装金属板の製造方法は、金属板1を連続的に搬送しながらこの金属板1の表面に塗装を施す塗装金属板の製造方法であって、前記金属板1の搬送経路上において、塗布ロール11を回転させながらその周面に顔料を含有する液状の外層塗料2を供給し、この塗布ロール11の周面上の外層塗料2の表面に複数の突起3を有する模様形成治具4を摺接させた後、前記塗布ロール11の周面上の外層塗料2を前記金属板1表面に接触させてこの金属板1表面に塗布し、次いで前記外層塗料2を硬化成膜することで、すじ状模様を有する外層塗膜5を形成する工程を含むことを特徴とする。このため、塗布ロール11上で模様形成治具4が摺接された外層塗料2にはその内部の顔料の粒子にすじ状の粗密や配列が生じてすじ状模様が形成され、この外層塗料2が金属板1に塗布・成膜されることで、すじ状模様を有する外層塗料5が形成される。
【0010】
上記複数の突起3は、塗布ロール11の周面の移動方向の配置位置を異ならせて配設することができる。このようにすれば、隣接する突起3の塗布ロール11の周面の移動方向と直交する方向の間隔が短くなるようにして突起3を配設することが容易なものとなり、外層塗膜5に形成されるすじ状模様の微細化が容易なものとなる。
【0011】
このように突起3を、塗布ロール11の周面の移動方向の配置位置を異ならせて配設するにあたっては、上記模様形成治具4において、一列に配列した複数の突起3からなる突起列6を、塗布ロール11の周面の移動方向の配置位置を異ならせて複数列設けることができる。
【0012】
また、複数の突起列6を設ける場合には、各突起列6内における隣接する突起3間の間隔を各突起列6ごとに異ならせるようにしても良い。この場合、模様形成治具4全体では突起3間の搬送方向と直交する方向の間隔が周期的に変化し、外層塗膜5に変化に富んだすじ状模様を形成することができる。
【0013】
また、上記外層塗料2としては、金属粉末を含有するものを用いることができる。この場合は外層塗膜5にメタリックな外観を付与することができ、また外層塗膜5の光反射性が向上することですじ状模様が非常に明確に視認することができるようになり、意匠性を更に向上することができる。
【0014】
特に、上記金属粉末が鱗片状のものであると、外層塗料2に凹凸形成用治具4を摺接させる際に、前記摺接した箇所において鱗片状の金属粉末の配列が乱れて光反射性が大きく変化し、このような光反射性が変化した部分がすじ状に形成されることとなって、すじ状の模様が更に明確に視認することができるようになり、意匠性を更に向上することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、外層塗膜にすじ状模様が予め付された意匠性の高い外観を有する塗装金属板を簡便な手法で効率よく製造することができ、かつこのすじ状模様を微細に形成したり、模様の間隔を変更するなどの模様形状の変更も容易なものである。また、外層塗膜に大きな凹凸を設けることなく明確なすじ状模様を形成することができ、塗膜の薄い箇所で耐食性等の塗膜性能が低下しないようにすることができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明をその実施をするための最良の形態に基づいて説明する。
【0017】
本発明にて用いる金属板1としては、特に制限されるものではないが、例えばアルミニウムめっき鋼板、亜鉛めっき鋼板、アルミニウム−亜鉛めっき鋼板、ステンレス板等を挙げることができる。また、このような金属板1としては、長尺のものを用いることができる。
【0018】
金属板1に塗装を施すにあたっては、長尺な金属板1をコイル状に巻回したペイオフリールから金属板1を繰り出して搬送しながら、各種処理を施した後、塗装処理後の金属板1を所望の寸法に切断し、或いは切断せずに再びコイル状に巻き取る連続処理工程により行うことができる。
【0019】
このような金属板1への塗装工程においては、塗装に先立って、必要に応じてクロメート処理やリン酸亜鉛処理等といった化成処理や、金属板1の表面の油脂、埃等の汚れの除去等の前処理を施し、この後に外層塗装を施すことができる。
【0020】
また、金属板1には、外層塗装を施すに先立って、必要に応じて適宜の下塗り塗膜15を形成し、或いは更に適宜の中塗り塗膜8を形成することができる。
【0021】
下塗り塗膜15を形成する場合、塗料(下塗り塗料)としては、例えばエポキシ樹脂ワニスやエポキシウレタン樹脂ワニス、ポリエステル樹脂ワニス等の熱硬化性樹脂ワニスに、酸化チタン、微粉末クレー、炭酸カルシウム等の体質顔料や、防錆顔料などを分散させたエポキシ樹脂系塗料を用いることができる。防錆顔料としては、例えばクロム酸ストロンチウムやクロム酸カルシウム等のクロム酸塩を主体としたものを用いることができる。下塗り塗装にあたっては、このような組成を有する下塗り塗料を、金属板1の一面に塗布するものであり、また場合によっては金属板1の他面にも下塗り塗料を塗布する。また、金属板1の他面には、下塗り塗料とは異なる組成を有する裏塗り塗料を塗布しても良い。下塗り塗料や裏塗り塗料の塗布は、浸漬、スプレー、はけ塗り、ロールコーター、エアーナイフ、静電塗布等から構成される適宜の塗布装置により行うことができる。
【0022】
下塗り塗料の塗布後は、金属板1を加熱炉等に連続的に通板させるなどして焼き付け硬化し、下塗り塗膜15を形成することができる。
【0023】
下塗り塗膜15の厚みは特に制限されず、適宜設定されるものであるが、3〜25μmの範囲とすることが好ましい。
【0024】
また、中塗り塗膜8を形成する場合、塗料(中塗り塗料)としてはプレコート用途の適宜の液状の塗料を用いることができるが、例えばポリエステル系、ウレタン系、アルキッド系等の熱硬化性塗料や、フッ素系、アクリル系、塩化ビニル系等の熱可塑性塗料を用いることができる。中塗り塗料の塗布は、浸漬、スプレー、はけ塗り、ロールコーター、カーテンコーター、エアーナイフ、静電塗布等から構成される適宜の塗布装置により行うことができ、中塗り塗料の塗布後は、金属板1を必要に応じて加熱炉等に連続的に通板させるなどして焼き付け硬化し、中塗り塗膜8を形成することができる。このときの中塗り塗膜8の厚みは適宜調整されるが、乾燥塗膜厚みが5〜40μm、特に10〜30μmとなるようにすることが好ましい。このような中塗り塗膜8を形成すると、塗料の塗布可能な塗膜厚の範囲内で塗装金属板における耐食性、耐候性、耐薬品性、隠蔽性等の塗膜性能を向上することができ、特に塗装金属板を外装建材として用いる場合に好適である。
【0025】
金属板1に外層塗装を施すにあたっては、塗料(外層塗料2)としては、上記中塗り塗料と同様にプレコート用途の適宜の液状の塗料を用いることができ、例えばポリエステル系、ウレタン系、アルキッド系等の熱硬化性塗料や、フッ素系、アクリル系、塩化ビニル系等の熱可塑性塗料を用いることができる。
【0026】
また、この外層塗料2としては、適宜の顔料を含有するものを用いる。このような顔料としては、例えば酸化チタン、カーボンブラック、酸化鉄イエロー、酸化鉄レッド(ベンガラ)、アルミニウムフレーク、マイカフレーク、着色ガラスフレーク、有機ブルー(フタロシアニンブルー)などが挙げられる。このような顔料の外層塗料2中における配合割合は適宜の範囲とすることができるが、通常0.1〜40重量%が好ましく、特に0.5〜35重量%が好ましい。
【0027】
特に、外層塗料2中には顔料としてアルミニウム粉末、ニッケル粉末、銅粉末等の金属粉末を含有させることにより、塗膜にメタリックな外観を付与することができる。この金属粉末には、金属被覆を施したガラス粉などのような金属と無機物との複合物の粉末も含まれる。また外層塗膜5の表面のすじ状模様は、主として外層塗膜5中の顔料での光の反射の変化に基づいて視認されるが、外層塗料2に金属粉末を含有させることで外層塗膜5の光反射性を向上すると、前記のような光の反射の変化が看者によって非常に明確に視認することができるようになり、意匠性を更に向上することができるものである。
【0028】
このような金属粉末としては、特に鱗片状のものを用いることが好ましい。この場合、後述するように外層塗料2に凹凸形成用治具4を摺接させる際、この摺接した箇所において鱗片状の金属粉末の配列が乱れて光反射性が大きく変化し、このような光反射性が変化した部分がすじ状に形成されることとなって、すじ状の模様が更に明確に視認することができるようになる。
【0029】
また金属粉末の平均粒径は5〜80μmの範囲、特に10〜30μmの範囲とすることが好ましい。この粒径が過大であると外層塗料2の塗布の際の塗布性が悪化し、ロールコーターにて塗布する場合に均一な塗布が困難となる。またこの粒径が過小であると外層塗膜5に十分なメタリック感を付与することができず、また鱗片状の金属粉末を用いる場合にその配列の乱れによる光反射性の変化が十分に発揮されなくなる場合がある。
【0030】
このような金属粉末を用いる場合の、その外層塗料2中の配合量は、1〜15重量%の範囲とすることが好ましい。
【0031】
また、外層塗料2中には更に保土谷化学興業株式会社製の「AIZEN SPILON 染料シリーズ」等の染料を含有させても良い。
【0032】
外層塗料2の塗布にあたっては、塗布ロール11を回転させながらその周面に顔料を含有する液状の外層塗料2を供給し、この塗布ロール11上の外層塗料2の表面に模様形成治具4を摺接させた後、塗布ロール11の周面の外層塗料2を金属板1表面に接触させて外層塗料2を塗布し、次いでこの金属板1を加熱炉16に通板させるなどして外層塗料2を焼付硬化させて成膜することで、すじ状模様を有する外層塗膜5を形成する。
【0033】
図1に示す例では、外層塗料2を貯留した塗料パン9の上方に、ピックアップロール10をその下部が前記塗料パン9中の外層塗料2に浸漬されるように配設し、塗布ロール11をその周面が前記ピックアップロール10の周面と接触するように配設し、この塗布ロール11と、塗布ロール11に対向して配設されるバックアップロール12との間を長尺な金属板1が搬送されるようになっている。このとき、ピックアップロール10は回転駆動することによりその周面に外層塗料2が供給され、この外層塗料2が、塗布ロール11の周面に供給され、更にこの塗布ロール11が回転することで外層塗料2が金属板1の表面に供給されて塗布されるようになっている。外層塗料2が塗布された金属板1は加熱炉16へと搬送される。ここで、塗布ロール11の回転方向は、金属板1の搬送方向に対して順方向でも逆方向でも良いが、図示の例では金属板1の搬送方向と逆方向に回転させている。
【0034】
このとき、模様形成治具4は、ピックアップロール10から供給された後金属板1に塗布される前の塗布ロール11の周面上の外層塗料2と摺接するように配設される。
【0035】
模様形成治具4としては、図2,3に示すように塗布ロール11上の外層塗料2に摺接する複数の突起3を有するものを用いることができる。このとき、各突起3はその先端部が塗布ロール11上における膜状の外層塗料2に浸漬された状態とし、この状態で塗布ロール11を回転させて、外層塗料2に各突起3を摺接するものである。
【0036】
このように外層塗料2に突起3を摺接させると、図7に示すように、この突起3が摺接した部分において外層塗料2がかき分けられ、突起3が通過した経路における顔料17の密度が粗になって顔料17の分布に偏在が生じる。また特に外層塗料2中に鱗片状の顔料17が含有されている場合には、突起3が通過した経路における顔料17の粒子の配列が乱されることとなる。
【0037】
そして、この外層塗料2が金属板1の表面に塗布される際には、上記突起3の摺接により外層塗料2の表面に凹凸が形成されていても、塗布の際にこの凹凸が均されて、金属板1の表面に塗布された外層塗料2には大きな凹凸は形成されず、あるいは平坦に塗布されるが、この外層塗料2中の上記顔料17の偏在や顔料17の配列の乱れは保持されたままとなる。
【0038】
そして、このように外層塗料2が塗布された金属板1を加熱炉16等に連続的に通板させるなどして前記外層塗料2を焼き付け硬化することで外層塗膜4が形成される。このとき外層塗膜4には上記のような顔料17の偏在や配列が保持されることとなり、外層塗膜4には突起3が通過した経路に相当する位置にすじ状模様が形成されるものである。このとき加熱炉16等による外層塗料2の焼付硬化条件は外層塗料2の組成や塗布量等に応じて適宜設定されるが、例えば200〜250℃で0.5〜1分間とすることができる。
【0039】
上記模様形成治具4としては適宜のものを用いることができるが、例えば図2に示すように突起3として複数の細線状のものを塗布ロール11の周面の移動方向と直交する方向に配列して設けた模様形成治具4を用い、この突起3の先端を塗布ロール11上の外層塗料2の表面に摺接することができる。
【0040】
また、図3に示すように櫛歯状の複数の突起3が塗布ロール11の周面の移動方向と直交する方向に配列して形成された模様形成治具4を用い、この突起3の先端を塗布ロール11上の外層塗料2の表面に摺接するようにしても良い。
【0041】
また模様形成治具4の材質も特に制限されないが、吸水性の低い材質が好ましく、適宜の金属材や樹脂成形体にて形成することができる。
【0042】
このような模様形成処理時の、塗布ロール11の回転速度、金属板1の搬送速度、塗布ロール11の周面における外層塗料2の付着量、塗布ロール11の周面における外層塗料2の付着量、粘度等の性状、模様形成治具4における突起3間の間隔、各突起3における外層塗料2への浸漬寸法等の処理条件は、外層塗膜5に要求されるすじ状模様に応じて適宜設定される。
【0043】
例えば塗布ロール11の回転速度(周面の移動速度)は50〜150m/minの範囲とすることができる。
【0044】
また、外層塗料2の付着量や粘度等の性状は、上記の模様形成処理において模様形成治具4を摺接した際に生じる顔料粒子の偏在や配列が、この外層塗料2を金属板1に塗布し、更にこれを焼付硬化するまで保持されるように適宜調整することが好ましい。更に、模様形成治具4が摺接することにより塗布ロール11上の外層塗料2の表面が凹凸状になったとしても、この外層塗料2が金属板1に塗布される際に前記凹凸が均されて金属板1表面の外層塗料2及びこの外層塗料2の硬化成膜により形成される外層塗膜5の表面が平坦になるように適宜調整することが好ましい。そのための具体的な条件は適宜調整されるものであるが、例えば外層塗料2として粘度(フォードカップNo.4)が40〜120秒、チクソトロピックインデックス(TI)が0.5〜3.5のものを用いることが好ましい。また、この外層塗料2の金属板1への塗布量は塗布ロール11における外層塗料2の付着量、塗布ロール11の回転速度及び金属板1の搬送速度を調整することで適宜調整されるが、好ましくは湿潤膜厚が10〜60μmの範囲となるようにする。
【0045】
また、隣接する突起3間の間隔は、所望のすじ状模様の間隔に応じて適宜調整されるものであるが、この突起3間の隙間に外層塗料2が詰まり、この詰まった外層塗料2が自重等により落下すると、形成される外層塗膜5にワキ等の不良が発生するおそれがあるため、突起3間に外層塗膜5が詰まらないように適宜調整することが好ましい。このような外層塗料2の詰まりの発生には、突起3間の隙間の間隔だけでなく、外層塗料2の粘度等の性状、突起3の形状、突起3と塗布ロール11上の外層塗料2との接触角度、突起3の表面と外層塗料2との間の親和性等の要因が関係するため、一概にはいえないが、詰まりの発生を防止するためには突起3間の隙間の幅を2.0mm以上とすることが好ましい。
【0046】
また、各突起3の寸法も適宜調整されるが、細線状の突起3の場合は例えば線径が0.1〜5.0mmの範囲のものを用いることができ、また櫛歯状の突起3の場合には例えば塗布ロール11の周面の移動方向の寸法が0.5〜20mm、塗布ロール11の周面の移動方向と直交する方向の寸法が0.2〜5.0mmのものを用いることができる。
【0047】
また、各突起3における外層塗料2への浸漬寸法、すなわち外層塗料2に摺接する際に各突起3の先端部がどの程度外層塗料2に浸漬されるかも適宜調整されるが、例えば10〜60μmの範囲とすることができる。
【0048】
また、模様形成治具4を配設するにあたっては、複数の突起3を塗布ロール11の周面の移動方向と直交する方向に一直線状に配列するほか、その各突起3の配置位置を塗布ロール11の周面の移動方向にずらしても良い。このようにすると、金属板1上の外層塗膜5に更に微細なすじ状模様を形成することができる。また突起3間における外層塗料2の詰まり発生防止のために突起3間の隙間の間隔が規制される場合でも、このような詰まりの発生を防止しつつすじ状模様の間隔を所望のものとすることができるものである。
【0049】
例えば図2,3に示す例では、複数の突起3を間隔をあけて塗布ロール11の周面の移動方向と直交する方向に一列に設けた第一の突起列6を設け、この第一の突起列6の配置位置から塗布ロール11の周面の移動方向にずらした位置に、第二の突起列6を設けるようにしている。このとき第二の突起列6における突起3の配置位置(塗布ロール11の周面の移動方向と直交する方向の配置位置)は、第一の突起列6における突起3の配置位置からずらした位置とし、第一の突起列6における隣接する突起3の間に、第二突起列6における突起3が配置されるようになっている。このような突起列6を二つ以上設け、各突起列6における突起3の塗布ロール11の周面の移動方向と直交する方向の配置位置をずらすことで、更に微細なすじ状模様を形成することもできる。
【0050】
ここで、図3に示すように突起3を樹脂成形体等で櫛歯状に形成する場合には、各突起列6ごとに図4に示すような櫛歯状の突起3を有する樹脂成形体等からなる治具分体4aを形成し、この二つの治具分体4aを塗布ロール11の周面の移動方向に沿って配設することで模様形成治具42を形成することができる。
【0051】
また、模様形成治具4における塗布ロール11の周面の移動方向と直交する方向の間隔は全て同一にするほか、この間隔を異ならせて外層塗膜5に形成されるすじ状模様に変化をつけることもできる。例えば二つの治具分体4aにて模様形成治具4を構成する場合、各治具分体4aにおいて、図4(a)(b)にそれぞれ示すように、一方の治具分体4aの突起列6内では突起3の間隔P1を全て同一とすると共に、他方の治具分体4aの突起列6内でも突起3の間隔P2を全て同一とし、更に図4(a)に示す一方の治具分体4aの突起3の間隔P1と、図4(b)に示す他方の治具分体4aの突起3の間隔P2とを異ならせるものである。このようにすると、模様形成治具4全体では突起3間の搬送方向と直交する方向の間隔は周期的に変化し、図5に示すように金属板1上の外層塗料2にすじ状模様の間隔が変動する変化に富んだすじ状模様を形成することができる。尚、図5では、金属板1上に塗布された外層塗料2における、模様形成治具4の摺接位置に対応する箇所を直線(符号13)にて示しており、この直線13に沿ってすじ状模様が形成され、またこの直線13の間隔がすじ状模様の間隔に相当する。
【0052】
このように外層塗料2が塗布された金属板1を加熱炉16等に連続に通板させるなどして前記外層塗料2を焼き付け硬化することで、すじ状模様を有する外層塗膜5が形成される(図6(a)(c)参照)。加熱炉16等による外層塗料2の焼付硬化条件は外層塗料2の組成や塗布量等に応じて適宜設定されるが、例えば200〜250℃で0.5〜1分間とすることができる。
【0053】
これにより、例えばすじ状模様の間隔が0.1〜3.0mmの微細なすじ状模様を有する外層塗膜5を形成することができる。勿論、すじ状模様の間隔を3.0mm以上に形成しても良い。
【0054】
このような外層塗膜5はその内部の顔料の粒子の粗密や配列によりすじ状模様が付与され、外層塗膜5には大きな凹凸は形成されないため、塗装鋼板における塗膜の薄い部分において耐食性等の塗膜性能が低下することがないようにすることができる。
【0055】
上記のようにしてすじ状模様を有する外層塗膜5を形成するにあたっては、すじ状模様を外層塗膜5の全体に形成するほか、特定の領域のみにすじ状模様を形成することもできる。
【0056】
例えば上記のような模様形成治具4による模様形成処理において、塗布ロール11の周面の移動方向と直交する方向の一端縁から他端縁の間の一又は複数の特定の領域のみに模様形成治具4を塗布ロール11上の外層塗料2に摺接させることで、この特定の領域のみにすじ状模様を形成することができる。
【0057】
また模様形成治具4を塗布ロール11の周面に対して近接離間させることにより突起3が塗布ロール11上の外層塗料2に摺接した状態とこの外層塗料2から離れた状態とに適宜切り換えることで、塗布ロール11の周面の移動方向に沿ってすじ状模様が形成された領域を断続的に形成することができる。
【0058】
また、突起3が塗布ロール11上の外層塗料5に摺接した状態で、模様形成治具4を塗布ロール11の周面の移動方向と直交する方向に移動させると、すじ状模様の方向を塗布ロール11の周面の移動方向とは異なる方向に形成することができる。このとき、模様形成治具4の移動速度を一定とすることで塗布ロール11の周面の移動方向に対して傾斜する方向のすじ状模様を形成し、模様形成治具4の移動速度に緩急をつけることですじ状模様を曲線状に形成し、模様形成治具4の移動方向を変更することですじ状模様の方向を屈曲させることができて、更に変化に富んだすじ状模様を形成することができる。
【0059】
また、二以上の複数の治具分体4aにて模様形成治具4を構成する場合には、各治具分体4aを別個に塗布ロール11の周面の移動方向と直交する方向に移動させれば、複数のすじ状模様が交差する複雑な模様を形成することもできる。
【0060】
また、突起3が塗布ロール11上の外層塗料5に摺接した状態で、模様形成治具4を金属板1上の外層塗料2の表面と直交する方向の軸を中心に回動(例えば首振り回動)させるようにしても良い。このようにすると、すじ状模様の間隔が塗布ロール11の周面の移動方向に沿って変化するようなすじ状模様を形成することができ、これによっても変化に富んだすじ状模様を形成することができる。
【0061】
また、複数の突起3を外周面の全周に亘り突設したロール状の模様形成治具4を用い、この凹凸形成用治具4を塗布ロール11の回転方向と同じ回転方向に軸回転させることで、その周面の突起3が順次外層塗料2に摺接するようにすれば、長さの短い複数のすじ状模様を形成することができる。また、前記模様形成治具4を塗布ロール11の回転方向に対して逆方向に軸回転させれば、長さが非常に短く或いはドット状の複数のすじ状模様を形成することもできる。
【0062】
このように外層塗膜5を形成して得られる塗装金属板は、既述のようにコイル状に巻回し、或いは所定長さに切断することができる。
【0063】
また、金属板1に外層塗膜5を形成した後、上記のように金属板1を巻回し或いは切断する前に、必要に応じて更に金属板1を連続的に搬送しながら、外層塗膜5を被覆するクリア塗膜7を形成するようにしても良い(図6(b)(d)参照)。このようにすると、クリア塗膜7により塗装金属板の耐薬品性、耐候性等の塗膜性能を向上することもできる。またこのようにクリア塗膜7を形成しても、このクリア塗膜7を透かして外層塗料2のすじ状模様が視認でき、優れた意匠性を発現することができる。
【0064】
クリア塗膜7を形成するためのクリア塗料としてはポリエステル系等の熱硬化性透明塗料や、フッ素系等の熱可塑性透明塗料など適宜のものを用いることができる。またクリア塗料の塗布は浸漬、スプレー、はけ塗り、ロールコーター、エアーナイフ、静電塗布等から構成される適宜の塗布装置により行うことができる。そして、クリア塗料の塗布後、金属板1を加熱炉等に連続的に通板させるなどして焼き付け硬化し、クリア塗膜7を形成することができる。
【0065】
クリア塗膜7の塗布量は適宜調整されるが、具体的には例えば5〜25μmの範囲で塗布することができる。
【0066】
以上のようにしてすじ状模様を有する外層塗膜5を備えた塗装金属板を製造すると、塗装金属板の連続製造工程に大きな変更を加えることなく、模様形成治具42を配設するだけで、作業者の熟練を要することなく意匠性の高い外観を有するすじ状模様を備えた塗装金属板を生産効率よく製造することができるものである。
【実施例】
【0067】
以下、本発明を実施例によって詳述する。
【0068】
(実施例1)
金属板1としては長尺のガルバリウム鋼板(登録商標)を用い、この金属板1を長手方向に100m/minの搬送速度で連続的に搬送しながら、塗装前処理、下塗り塗料の塗布及び焼付硬化、外層塗料2の塗布、模様形成処理、外層塗料2の焼付硬化を順次施すことにより、塗装金属板を得た。
【0069】
このとき、塗装前処理における処理剤として日本パーカライジング株式会社製の品番「ZM−1300AN」を用いた。
【0070】
また下塗り塗料としてはエポキシ系塗料である日本ファインコーティングス株式会社製の品番「P667」を用い、その塗布量は5g/m2(乾燥膜厚3μm)とし、また焼付硬化条件は加熱温度200℃、加熱時間20秒とした。
【0071】
また、外層塗料2としては、シルバーメタリック調のポリエステル系塗料である日本ファインコーティングス株式会社製の品番「NSC360HQ」(平均粒径20μmの鱗片状のアルミニウム粉末を揮発性成分を除く固形分に対して11.2重量%含有、粘度(フォードカップNo.4)70秒、TI値1.3)を用い、図1に示す塗布設備にて、塗布量が湿潤膜厚で25μm、乾燥膜厚で13μmとなるようにした。
【0072】
また、模様形成処理は、図4に示す形状の二列の突起列6からなる櫛歯状の模様形成治具4(突起3の幅寸法0.5mm、突起3間の間隔が、一列目の突起列6で3.0mm、二列目の突起列6で5.0mm)を用い、これを外層塗料2の塗布設備における図1に示す位置に配設することで行った。また塗布ロール11は、その周面の周方向の移動速度が120m/minとなるように回転させた。
【0073】
また、外層塗料2の焼付硬化条件は、加熱温度210℃、加熱時間30秒とした。
【0074】
(実施例2)
外層塗膜5の形成後、その外層塗膜5に積層してクリア塗料を塗布成膜した。前記クリア塗料としては、ポリエステル系塗料である日本ファインコーティングス株式会社製の品番「NSC300HQ」を用い、塗布量を12g/m2(乾燥膜厚10μm)とし、焼付硬化条件は加熱温度220℃、加熱時間30秒とした。それ以外は実施例1と同様にして塗装金属板を得た。
【0075】
(実施例3)
下塗り塗膜の形成後、外層塗料2の塗布前に、中塗り塗料の塗布及び焼付硬化を行った。中塗り塗料としてはシルバーメタリック調のポリエステル系塗料である日本ファインコーティングス株式会社製の品番「NSC360HQ」を用い、その塗布量は乾燥膜厚が13μmとなるようにし、焼付硬化条件は加熱温度220℃、加熱時間30秒とした。また、模様形成治具4としては突起3の幅寸法が1.0mmのものを用いた。それ以外は実施例1と同様にして塗装金属板を得た。
【0076】
(実施例4)
金属板1としては長尺のガルバリウム鋼板(登録商標)を用い、この金属板1を長手方向に60m/minの搬送速度で連続的に搬送しながら、塗装前処理、下塗り塗料の塗布及び焼付硬化、外層塗料2の塗布、模様形成処理、外層塗料2の焼付硬化を順次施すことにより、塗装金属板を得た。
【0077】
このとき、塗装前処理における処理剤として日本パーカライジング株式会社製の品番「ZM−1300AN」を用いた。
【0078】
また下塗り塗料としてはエポキシ系塗料である日本パーカライジング株式会社製の品番「GL64P」を用い、その塗布量は7g/m2(乾燥膜厚5μm)とし、また焼付硬化条件は加熱温度200℃、加熱時間30秒とした。
【0079】
また、外層塗料2としては、シルバー調のフッ素樹脂系塗料である日本ファインコーティングス株式会社製の商品名「ディックフロー」(平均粒径20μmの鱗片状のアルミニウム粉末を揮発性成分を除く固形分に対して11.8重量%含有、粘度(フォードカップNo.4)90秒、TI値2.6)を用い、図1に示す塗布設備にて、塗布量が湿潤膜厚で45μm、乾燥膜厚で20μmとなるようにした。
【0080】
また、模様形成処理は、図4に示す形状の二列の突起列6からなる櫛歯状の模様形成治具4(突起3の幅寸法0.5mm、突起3間の間隔が、一列目の突起列6で3.0mm、二列目の突起列6で5.0mm)を用い、これを外層塗料2の塗布設備における図1に示す位置に配設することで行った。また塗布ロール11は、その周面の周方向の移動速度が72m/minとなるように回転させた。
【0081】
また、外層塗料2の焼付硬化条件は、加熱温度210℃、加熱時間30秒とした。
【0082】
(比較例1)
模様形成処理を行わなかった以外は実施例1と同様にして塗装金属板を得た。
【0083】
(外観評価)
各実施例及び比較例で得られた塗装金属板の外観を目視で観察し、下記評価基準にて評価した。
◎:明瞭なすじ状意匠が認められる。
○:やや不明瞭なすじ状模様が認められる。
△:すじ状模様が認められるが、クレータ状や盛り上がり状等の外観不良も認められる。
×:すじ状模様が認められない。
【0084】
(凹凸深さ評価)
各実施例及び比較例で得られた塗装金属板の表面の凹凸深さを、株式会社東京精密製の表面粗さ形状測定機(品番「ハンディサーフE−35A」)を用いて測定した。
【0085】
(作業性評価)
各実施例及び比較例にて塗装金属板を得るに際しての作業性を下記評価基準にて評価した。
◎:従来の生産ライン及び通板条件で生産可能。
○:ライン速度の抑制等の制限はあるが、既存の生産ラインで生産可能。
△:プリント設備の追加が必要。
×:クレータ状や盛り上がり状等の外観不良が避けられない。
【0086】
以上の結果を表1に示す。
【0087】
【表1】

【0088】
(実施例5)
金属板1としては長尺のガルバリウム鋼板(登録商標)を用い、この金属板1を長手方向に100m/minの搬送速度で連続的に搬送しながら、塗装前処理、下塗り塗料の塗布及び焼付硬化、外層塗料2の塗布、模様形成処理、外層塗料2の焼付硬化を順次施すことにより、塗装金属板を得た。
【0089】
このとき、塗装前処理における処理剤として日本パーカライジング株式会社製の品番「ZM−1300AN」を用いた。
【0090】
また下塗り塗料としてはエポキシ系塗料である日本ファインコーティングス株式会社製の品番「P667」を用い、その塗布量は7g/m2(乾燥膜厚5μm)とし、また焼付硬化条件は加熱温度200℃、加熱時間30秒とした。
【0091】
また、外層塗料2としては、シルバーメタリック調のポリエステル系塗料である日本ファインコーティングス株式会社製の品番「NSC360HQ」(平均粒径20μmの鱗片状のアルミニウム粉末を揮発性成分を除く固形分に対して11.2重量%含有、粘度(フォードカップNo.4)70秒、TI値1.3)を用い、図1に示す塗布設備にて、塗布量が湿潤膜厚で58μm、乾燥膜厚で20μmとなるようにした。
【0092】
また、模様形成処理は、一列の突起列6からなる櫛歯状の模様形成治具4(突起3の幅寸法0.5mm、突起3間の間隔が4.0mm)を用い、これを外層塗料2の塗布設備における図1に示す位置に配設することで行った。また塗布ロール11は、その周面の周方向の移動速度が60m/minとなるように回転させた。
【0093】
また、外層塗料2の焼付硬化条件は、加熱温度210℃、加熱時間30秒とした。
【0094】
得られた塗装鋼板の外観写真を図8に示す。図示の通り、塗膜には明確なすじ状の模様が形成された。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示す一部の概略図である。
【図2】同上の一部の斜視図である。
【図3】同上の他例の一部の斜視図である。
【図4】(a)及び(b)は模様形成治具の構成の一例を示す正面図である。
【図5】図4に示す模様形成治具を用いてすじ状模様を形成する様子を示す平面図である。
【図6】(a)乃至(d)は塗装金属板の構成例を示す断面図である。
【図7】(a)乃至(c)は模様形成処理の様子を模式的に示す断面図である。
【図8】実施例5で得られた塗装金属板の外観写真である。
【符号の説明】
【0096】
1 金属板
2 外層塗料
3 突起
4 模様形成治具
5 外層塗膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属板を連続的に搬送しながらこの金属板の表面に塗装を施す塗装金属板の製造方法であって、前記金属板の搬送経路上において、塗布ロールを回転させながらその周面に顔料を含有する液状の外層塗料を供給し、この塗布ロールの周面上の外層塗料の表面に複数の突起を有する模様形成治具を摺接させた後、前記塗布ロールの周面上の外層塗料を前記金属板表面に接触させてこの金属板表面に塗布し、次いで前記外層塗料を硬化成膜することで、すじ状模様を有する外層塗膜を形成する工程を含むことを特徴とする塗装金属板の製造方法。
【請求項2】
上記複数の突起を、塗布ロールの周面の移動方向の配置位置を異ならせて配設することを特徴とする請求項1に記載の塗装金属板の製造方法。
【請求項3】
上記模様形成治具において、一列に配列した複数の突起からなる突起列を、塗布ロールの周面の移動方向の配置位置を異ならせて複数列設けることを特徴とする請求項2に記載の塗装金属板の製造方法。
【請求項4】
上記各突起列内における隣接する突起間の間隔を各突起列ごとに異ならせることを特徴とする請求項3に記載の塗装金属板の製造方法。
【請求項5】
上記外層塗料が顔料として金属粉末を含有するものであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の塗装金属板の製造方法。
【請求項6】
上記金属粉末が鱗片状のものであることを特徴とする請求項5に記載の塗装金属板の製造方法。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかに記載の方法にて製造されたものであることを特徴とする塗装金属板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−182034(P2007−182034A)
【公開日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−2886(P2006−2886)
【出願日】平成18年1月10日(2006.1.10)
【出願人】(000207436)日鉄住金鋼板株式会社 (178)
【Fターム(参考)】