外壁材の固定構造
【課題】火災時において外壁材の脱落を抑制し、耐火性能を高めることができる外壁材の固定構造を提供する。
【解決手段】柱3にビス2を用いて留め金具7を固定し、前記留め金具7に外壁材1を取り付けて固定して形成された外壁材の固定構造に関する。前記外壁材1が複数突き合わされて配置される。前記外壁材1の突き合わせ部5と前記柱3との間に目板材6が介在している。前記目板材6が、前記留め金具7の押圧により留め付けられている。
【解決手段】柱3にビス2を用いて留め金具7を固定し、前記留め金具7に外壁材1を取り付けて固定して形成された外壁材の固定構造に関する。前記外壁材1が複数突き合わされて配置される。前記外壁材1の突き合わせ部5と前記柱3との間に目板材6が介在している。前記目板材6が、前記留め金具7の押圧により留め付けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外壁材の固定構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、建築用パネルの取付構造において、敷目板は、柱状の壁下地に沿って連続状で配設し、ブラインドリベット等の固定具を用いて壁下地に固定されている(例えば、特許文献1−3参照)。そして、この敷目板は、縦目地部においてパネルの左右を連結するためのガイドや目地防水下地として機能するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−34636号公報
【特許文献2】特開平7−317274号公報
【特許文献3】特開平7−317275号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の建築用パネルの取付構造では、火災時において敷目板が加熱されると、この敷目板は、固定具で直に壁下地に固定されているため、パネルを屋外側に押し出すように変形してしまい、その結果、パネルが脱落するおそれがあるという問題があった。
【0005】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、火災時において外壁材の脱落を抑制し、耐火性能を高めることができる外壁材の固定構造を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る外壁材の固定構造は、柱にビスを用いて留め金具を固定し、前記留め金具に外壁材を取り付けて固定して形成された外壁材の固定構造であって、前記外壁材が複数突き合わされて配置され、前記外壁材の突き合わせ部と前記柱との間に目板材が介在していると共に、前記目板材が、前記留め金具の押圧により留め付けられていることを特徴とするものである。
【0007】
本発明に係る外壁材の固定構造は、柱にビスを用いて外壁材を固定して形成された外壁材の固定構造であって、前記外壁材が複数突き合わされて配置され、前記外壁材の突き合わせ部と前記柱との間に目板材が介在していると共に、前記目板材が、ISO標準加熱曲線に従って加熱すると650〜950℃で軟化する材料で形成されていることを特徴とするものである。
【0008】
前記外壁材の固定構造において、目板材が、長尺平板部の長手方向に複数の凸部を設けて形成されていることが好ましい
前記外壁材の固定構造において、前記目板材と前記柱との間に壁下地が形成され、前記外壁材と前記壁下地との間に通気空間が形成され、前記通気空間と屋外とを連通する連通口が前記外壁材に形成され、前記壁下地の面積に対する前記連通口の開口面積の合計が65cm2/m2以上であることが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、火災時において加熱された目板材は、膨張により長手方向に伸びたり又は軟化したりすることによって、外壁材を屋外側に押し出しにくくなり、外壁材の脱落を抑制し、耐火性能を高めることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係る外壁材の固定構造の一例を示すものであり、(a)は水平断面図、(b)は斜視図、(c)は柱の最下部の斜視図、(d)は柱の最下部の鉛直断面図である。
【図2】本発明に係る外壁材の固定構造の他の一例を示す水平断面図である。
【図3】(a)は目板材の一例を示す断面図、(b)は(a)の目板材を用いて形成された外壁材の固定構造の一例を示す断面図である。
【図4】(a)は目板材の他の一例を示す断面図、(b)は(a)の目板材を用いて形成された外壁材の固定構造の一例を示す断面図である。
【図5】(a)は目板材の他の一例を示す断面図、(b)は(a)の目板材を用いて形成された外壁材の固定構造の一例を示す断面図である。
【図6】(a)は目板材の他の一例を示す断面図、(b)は(a)の目板材を用いて形成された外壁材の固定構造の一例を示す断面図である。
【図7】耐火性能試験におけるISO標準加熱曲線を示すグラフである。
【図8】試験体の一例を示す正面図である。
【図9】(a)は実施例1の各層平均温度を示すグラフ、(b)は実施例1の各部最高温度を示すグラフである。
【図10】(a)は実施例2の各層平均温度を示すグラフ、(b)は実施例2の各部最高温度を示すグラフである。
【図11】(a)は比較例1の各層平均温度を示すグラフ、(b)は比較例1の各部最高温度を示すグラフである。
【図12】(a)は比較例2の各層平均温度を示すグラフ、(b)は比較例2の各部最高温度を示すグラフである。
【図13】(a)は比較例3の各層平均温度を示すグラフ、(b)は比較例3の各部最高温度を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0012】
図1は本発明に係る外壁材の固定構造の一例を示すものであり、これは外壁材1をビス2を用いて柱3に固定して形成されている。外壁材1の固定構造を形成するにあたっては、さらに目板材6及び留め金具7も用いられている。なお、本発明においてビス2を用いた外壁材1の柱3への固定には、図1のように留め金具7を用いて外壁材1を間接的に柱3に固定する場合と、図2のように外壁材1の屋外面からビス2を打入して外壁材1を直接的に柱3に固定する場合の両方が含まれる。
【0013】
まず外壁材1、柱3、目板材6及び留め金具7について説明する。
【0014】
外壁材1としては、セメントを主成分とする窯業系材料を略平板状の矩形状に形成したものを用いることができる。外壁材1の上端面の屋内側には実部8が突設されている。外壁材1の下端面の屋外側には覆い部22が突設され、屋内側には溝部23が凹設されている。
【0015】
柱3としては、76〜165mm×84〜165mmの断面矩形状の杉材等を用いることができる。
【0016】
目板材6としては、長尺平板部9の長手方向に複数の凸部4を設けて形成されたものを用いることが好ましい。例えば、図3(a)及び図6(a)のように長尺平板部9に凸部4として断面略V字状のリブ10を複数長手方向に設けて形成された平板型ジョイナーや、図4(a)及び図5(a)のように長尺平板部9に凸部4として断面略U字状の突条部11を複数長手方向に設けて形成されたハット型ジョイナー等を用いることが好ましい。これらの目板材6は、鋼板やアルミ板等を折曲加工して形成することができる。このように、長尺平板部9の長手方向に設けられた複数の凸部4によって、目板材6が外壁材1を屋外側に押し出そうとするような変形を抑制することができるものである。また、複数の凸部4は、長尺平板部9の幅方向において左右対称に設けられていることが好ましい。なお、目板材6の幅は、30〜100mm程度である。
【0017】
留め金具7としては、固定片12、上向き係止片13及び下向き係止片14を設けて形成されたものを用いることができる。なお、柱3の最下部に固定される留め金具7(スタータ金具15)は、図1(c)(d)のように固定片12及び上向き係止片13を設けて形成され、下向き係止片14を有しない。
【0018】
次に、上記の外壁材1、柱3、目板材6及び留め金具7を用いて、図1のような外壁材の固定構造を形成する方法について説明する。
【0019】
まず、土台部24上において所定間隔で立設された柱3の屋外側に壁下地19及び防水紙16を張設し、この壁下地19及び防水紙16を介して柱3の屋外面に木製長尺状の縦胴縁17を設置する。図示省略しているが、壁下地19より屋内側において隣り合う柱3間には断熱材としてロックウール(RW)を設置する。柱3の最下部においては、図1(d)のように土台水切り25が設置されている。土台水切り25は、壁下地19の屋外面に釘留め等により固定される固定片26と、固定片26の下端から屋外側に向かってわずかに下り傾斜して突出する水切り片27と、水切り片27の先端から垂下する水切り先端片28とを設けて形成されている。図1(d)のように固定片26の上端縁は壁下地19と縦胴縁17とで挟持されている。また水切り片27は後述の外壁材1よりも屋外側に突出している。また水切り先端片28の先端は屋内側に折り返されている。
【0020】
次に、縦胴縁17の屋外面に目板材6を留め付ける。この留付は、釘留めによらずに後述のように目板材6に留め金具7(スタータ金具15も含む)を重ねて押圧することにより行うことができる。また、目板材6が、ISO標準加熱曲線に従って加熱すると650〜950℃で軟化する材料(例えばアルミ板)で形成されている場合には、上下方向に300〜1000mmピッチの釘留めにより留付を行うこともできる。なお、ISO標準加熱曲線は、加熱炉を用いた耐火性能試験において使用されるものであり、図7に示すように、T=345log10(8t+1)+20(T:平均炉内温度(℃)、t:試験の経過時間(分))という式で表される。以下では目板材6として、図5(a)のように長尺平板部9の略中央部に断面略U字状の突条部11を1つ長手方向に設けて形成されたハット型ジョイナーを用いる例について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0021】
次に、図1(c)のように柱3の最下部において目板材6の両側にスタータ金具15を重ね、これらのスタータ金具15をビス2を用いて柱3に固定する。このとき目板材6とスタータ金具15との重なり部分の寸法(かかり寸法)は、10〜30mm程度である。
【0022】
その後、複数の外壁材1を突き合わせて配置する。このとき形成される突き合わせ部5は、隣り合う外壁材1の対向する側端面同士が当接するように形成されていてもよいが、図1では隣り合う外壁材1の対向する側端面で目板材6の突条部11を挟み込むように形成されている。いずれの場合も外壁材1の突き合わせ部5と柱3との間には目板材6が介在しているので、火炎が屋外から外壁材1の突き合わせ部5を通って侵入しても、目板材6の遮炎性によって柱3の燃焼や炭化を抑制したり遅延させたりすることができるものである。そして、図1(d)のように外壁材1の下端面の溝部23にスタータ金具15の上向き係止片13を嵌合させてスタータ金具15に外壁材1を取り付けて仮固定する。
【0023】
次に、上記のように仮固定されたそれぞれの外壁材1の上端面の実部8に留め金具7の下向き係止片14を嵌合させると共に、これらの留め金具7を目板材6の両側に重ねる。このとき目板材6と留め金具7との重なり部分の寸法(かかり寸法)は、10〜30mm程度である。そして、これらの留め金具7をビス2を用いて柱3に固定することによって、留め金具7に外壁材1を取り付けて固定する。このような外壁材1の固定を下から上に必要に応じて繰り返すことによって、外壁材1の固定構造を形成することができる。
【0024】
上記のように形成された外壁材1の固定構造においては、目板材6が、釘留めにより直に柱3に固定されているのではなく、留め金具7の押圧により留め付けられている。そのため、火災時において火炎が屋外から外壁材1の突き合わせ部5を通って侵入して目板材6を加熱しても、この目板材6は、膨張により長手方向に伸びることによって、外壁材1を屋外側に押し出しにくくなり、外壁材1の脱落を抑制し、耐火性能を高めることができるものである。
【0025】
また、目板材6が鋼板ではなくアルミ板のようにISO標準加熱曲線に従って加熱すると650〜950℃で軟化する材料で形成されている場合には、この目板材6は、釘留めにより直に柱3に留め付けられていてもよい。この場合には、火災時において火炎が屋外から外壁材1の突き合わせ部5を通って侵入して目板材6を加熱すると、この目板材6は、これ自体が軟化することによって、外壁材1を屋外側に押し出しにくくなり、外壁材1の脱落を抑制し、耐火性能を高めることができるものである。
【0026】
また、上記の外壁材1の固定構造においては、目板材6と柱3との間に壁下地19が形成され、図1のように外壁材1と壁下地19との間に空気層として通気空間20が形成されている。
【0027】
通気空間20の厚さは、縦胴縁17の厚さと留め金具7の突出幅により確保されている。すなわち、縦胴縁17及び留め金具7がスペーサとなって通気空間20が形成されている。図1では縦胴縁17の屋外面に留め金具7が突出して固定されているため、縦胴縁17を挟んで横方向(水平方向)に隣り合う通気空間20は留め金具7が突出することにより形成された隙間によって連通されている。通気空間20が横方向に連通していることにより、横方向への空気の移動が可能となり、通気空間20内での横方向の圧力差を小さくすることができる。なお、留め金具7を縦胴縁17から突出しないように固定するなどして外壁材1を縦胴縁17に密着させ、通気空間20が縦胴縁17によって横方向に分断されるように形成してもよい。通気空間20が横方向で分断されている場合、横方向への空気の移動が抑制されて、縦方向に空気を移動しやすくすることができる。
【0028】
通気空間20の厚さは20〜23mmであることが好ましい。通気空間20の厚さがこの範囲であることにより通気を確保しやすくなる。具体的には、厚さ18mmの縦胴縁17と、突出幅(働き幅)5mmの留め金具7とを用いれば、厚さ(外壁材1の裏面から壁下地2の表面までの幅)が23mmの通気空間20が形成される。
【0029】
また、外壁材1には通気空間20と屋外とを連通する連通口21が形成されている。この連通口21は、外壁材1が部分的に壁下地19を覆わないようにして形成することができる。図1では連通口21は土台部24の上側に形成されている。すなわち、最下部に固定された外壁材1において、その下端部を土台部24及び土台水切り25に接触させないようにして連通口21が形成されている。このように連通口21が形成されていると、通気空間20と屋外との圧力差を小さくして屋内側に風雨が浸入することを抑制することができ、防水性の高い外壁材1の固定構造を形成することができるものである。すなわち、風が外壁材1に向かって吹く場合、屋内側の圧力が屋外側の圧力よりも小さいと、外壁材1の突き合わせ部5から空気の流れを吸い込みやすくなるが、連通口21が形成されていると、通気空間20と屋外との圧力差が小さくなって等圧に近くなるため、空気の流れを吸い込みにくくすることができ、風圧を外壁材1によって遮断することができるものである。通気空間20には風の力がそがれた雨水が浸入するが、この雨水は、重力の作用によって外壁材1の裏面をつたって下方に流下し、土台水切り25の水切り片27上に落下し、そのまま屋外に排出されるので、屋内側に雨水が浸入することを防ぐことができるものである。また、壁下地19に雨水がかかったとしても、壁下地19には防水紙16が貼着されるなどして防水加工が施されており、壁下地19よりも屋内側に雨水が浸入することを抑制することができるものである。
【0030】
壁下地19の面積に対する連通口21の開口面積の合計は65cm2/m2以上であることが好ましい。すなわち、壁下地19の面積1m2に対して65cm2以上の開口面積を有する連通口21を形成することが好ましい。ただし、連通口21は外壁材1の一部分に集中して形成したり、外壁材1の全体に分散させて形成したりしてもよい。つまり、壁下地19の面積をSm2とした場合に連通口21の開口面積の合計が65×Scm2以上となっていればよい。開口面積の合計の上限は特に制限がなく、水仕舞いがなされていれば雨が直接入り込むことは少ないので、開口面積の合計は大きいほどよい。なお、開口面積の合計が110cm2/m2までの範囲では差圧が小さくなっていくことが実験により確認されている。
【実施例】
【0031】
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。
【0032】
(実施例1)
外壁材1として、セメントを主成分とする窯業系材料を略平板状の矩形状に形成したものを用いた。外壁材1の上端面の屋内側には実部8が突設されている。外壁材1の下端面の屋外側には覆い部22が突設され、屋内側には溝部23が凹設されている。
【0033】
柱3として、105mm×105mmの断面矩形状の杉材を用いた。
【0034】
目板材6として、図3のように長尺平板部9に断面略V字状のリブ10を4つ長手方向に設けて形成された平板型ジョイナーを用いた。この目板材6は、鋼板を折曲加工して形成されている。目板材6の幅は76mmである。
【0035】
留め金具7としては、固定片12、上向き係止13片及び下向き係止片14を設けて形成されたものを用いた。
【0036】
そして、上記の外壁材1、柱3、目板材6及び留め金具7を用い、次のようにして外壁材の固定構造が形成された試験体18を製造した。
【0037】
まず、柱3の屋外側に壁下地19及び防水紙16を張設し、この壁下地19及び防水紙16を介して柱3の屋外面に木製長尺状の縦胴縁17を設置した。壁下地19より屋内側には断熱材としてロックウール(RW)を設置した。縦胴縁17の屋外面に目板材6を留め付けた。この留付は、釘留めによらずに留め金具7による押圧により行った。
【0038】
次に、目板材6の両側に留め金具7を重ね、これらの留め金具7をビス2を用いて柱3に固定した。かかり寸法は10mmである。
【0039】
その後、2枚の外壁材1を突き合わせて配置した。突き合わせ部5は、隣り合う外壁材1の対向する側端面同士が略当接するように形成されている。そして、外壁材1の下端面の溝部23に留め金具7の上向き係止片13を嵌合させて留め金具7に外壁材1を取り付けて仮固定した。
【0040】
次に、上記のように仮固定されたそれぞれの外壁材1の上端面の実部8に別の留め金具7の下向き係止片14を嵌合させると共に、これらの留め金具7を目板材6の両側に重ねた。そして、これらの留め金具7をビス2を用いて柱3に固定することによって、留め金具7に外壁材1を取り付けて固定した。留め金具7の固定に用いたビス2の長さは25mmであり、柱3の屋外面における中央部から打入箇所までの幅方向の距離は43mmである。上記のようにして図8のような試験体18を製造した。この試験体18における外壁材の固定構造を図3(b)に示すが、柱3等の図示は省略している。
【0041】
その後、上記の試験体18を小型加熱炉を用いてISO標準加熱曲線に従って60分加熱して耐火性能試験を行った。試験中における外壁材1の屋内面、RWの屋外面及び屋内面等の各層平均温度を図9(a)に示し、試験中における柱3及び縦胴縁17の各部最高温度を図9(b)に示す。試験の結果、目板材6は、膨張により長手方向に伸びることによって、外壁材1を屋外側に押し出しにくくなり、外壁材1が脱落しないことが確認された。
【0042】
(実施例2)
外壁材1、柱3及び留め金具7として、実施例1と同様のものを用いた。
【0043】
目板材6として、図4(a)のように長尺平板部9に断面略U字状の突条部11を2つ長手方向に設けて形成されたハット型ジョイナーを用いた。この目板材6は、アルミ板を折曲加工して形成されている。目板材6の幅は78mmである。
【0044】
そして、上記の外壁材1、柱3、目板材6及び留め金具7を用い、次のようにして外壁材の固定構造が形成された試験体18を製造した。
【0045】
まず、柱3の屋外側に壁下地19及び防水紙16を張設し、この壁下地19及び防水紙16を介して柱3の屋外面に木製長尺状の縦胴縁17を設置した。壁下地19より屋内側には断熱材としてロックウール(RW)を設置した。縦胴縁17の屋外面に目板材6を留め付けた。この留付は、上下方向に600mmピッチの釘留めにより行った。
【0046】
次に、目板材6の両側に留め金具7を重ね、これらの留め金具7をビス2を用いて柱3に固定した。かかり寸法は20mmである。
【0047】
その後、2枚の外壁材1を突き合わせて配置した。突き合わせ部5は、隣り合う外壁材1の対向する側端面同士が略当接するように形成されている。そして、外壁材1の下端面の溝部23に留め金具7の上向き係止片13を嵌合させて留め金具7に外壁材1を取り付けて仮固定した。
【0048】
次に、上記のように仮固定されたそれぞれの外壁材1の上端面の実部8に別の留め金具7の下向き係止片14を嵌合させると共に、これらの留め金具7を目板材6の両側に重ねた。そして、これらの留め金具7をビス2を用いて柱3に固定することによって、留め金具7に外壁材1を取り付けて固定した。留め金具7の固定に用いたビス2の長さは25mmであり、柱3の屋外面における中央部から打入箇所までの幅方向の距離は42mmである。上記のようにして図8のような試験体18を製造した。この試験体18における外壁材の固定構造を図4(b)に示すが、柱3等の図示は省略している。
【0049】
その後、上記の試験体18を小型加熱炉を用いてISO標準加熱曲線に従って60分加熱して耐火性能試験を行った。試験中における外壁材1の屋内面、RWの屋外面及び屋内面等の各層平均温度を図10(a)に示し、試験中における柱3及び縦胴縁17の各部最高温度を図10(b)に示す。試験の結果、目板材6は、軟化することによって、外壁材1を屋外側に押し出しにくくなり、外壁材1が脱落しないことが確認された。
【0050】
(比較例1)
外壁材1、柱3及び留め金具7として、実施例1と同様のものを用いた。
【0051】
目板材6として、図5(a)のように長尺平板部9に断面略U字状の突条部11を1つ長手方向に設けて形成されたハット型ジョイナーを用いた。この目板材6は、鋼板を折曲加工して形成されている。目板材6の幅は59mmである。
【0052】
そして、上記の外壁材1、柱3、目板材6及び留め金具7を用い、次のようにして外壁材の固定構造が形成された試験体18を製造した。
【0053】
まず、柱3の屋外側に壁下地19及び防水紙16を張設し、この壁下地19及び防水紙16を介して柱3の屋外面に木製長尺状の縦胴縁17を設置した。壁下地19より屋内側には断熱材としてロックウール(RW)を設置した。縦胴縁17の屋外面に目板材6を留め付けた。この留付は、上下方向に600mmピッチの釘留めにより行った。
【0054】
次に、目板材6の両側に留め金具7を重ね、これらの留め金具7をビス2を用いて柱3に固定した。かかり寸法は20mmである。
【0055】
その後、2枚の外壁材1を突き合わせて配置した。突き合わせ部5は、隣り合う外壁材1の対向する側端面で目板材6の突条部11を挟み込むように形成されている。そして、外壁材1の下端面の溝部23に留め金具7の上向き係止片13を嵌合させて留め金具7に外壁材1を取り付けて仮固定した。
【0056】
次に、上記のように仮固定されたそれぞれの外壁材1の上端面の実部8に別の留め金具7の下向き係止片14を嵌合させると共に、これらの留め金具7を目板材6の両側に重ねた。そして、これらの留め金具7をビス2を用いて柱3に固定することによって、留め金具7に外壁材1を取り付けて固定した。留め金具7の固定に用いたビス2の長さは25mmであり、柱3の屋外面における中央部から打入箇所までの幅方向の距離は38mmである。上記のようにして図8のような試験体18を製造した。この試験体18における外壁材の固定構造を図5(b)に示すが、柱3等の図示は省略している。
【0057】
その後、上記の試験体18を小型加熱炉を用いてISO標準加熱曲線に従って60分加熱して耐火性能試験を行った。試験中における外壁材の屋内面、RWの屋外面及び屋内面等の各層平均温度を図11(a)に示し、試験中における柱3及び縦胴縁17の各部最高温度を図11(b)に示す。試験の結果、目板材6は、外壁材1を屋外側に押し出し、外壁材1が脱落しそうであることが確認された。
【0058】
(比較例2)
外壁材1、柱3、目板材6及び留め金具7として、実施例1と同様のものを用いた。
【0059】
そして、上記の外壁材1、柱3、目板材6及び留め金具7を用い、次のようにして外壁材の固定構造が形成された試験体18を製造した。
【0060】
まず、柱3の屋外側に壁下地19及び防水紙16を張設し、この壁下地19及び防水紙16を介して柱3の屋外面に木製長尺状の縦胴縁17を設置した。壁下地19より屋内側には断熱材としてロックウール(RW)を設置した。縦胴縁17の屋外面に目板材6を留め付けた。この留付は、上下方向に600mmピッチの釘留めにより行った。
【0061】
次に、目板材6の両側に留め金具7を重ね、これらの留め金具7をビス2を用いて柱3に固定した。かかり寸法は10mmである。
【0062】
その後、2枚の外壁材1を突き合わせて配置した。突き合わせ部5は、隣り合う外壁材1の対向する側端面同士が略当接するように形成されている。そして、外壁材1の下端面の溝部23に留め金具7の上向き係止片13を嵌合させて留め金具7に外壁材1を取り付けて仮固定した。
【0063】
次に、上記のように仮固定されたそれぞれの外壁材1の上端面の実部8に別の留め金具7の下向き係止片14を嵌合させると共に、これらの留め金具7を目板材6の両側に重ねた。そして、これらの留め金具7をビス2を用いて柱3に固定することによって、留め金具7に外壁材1を取り付けて固定した。留め金具7の固定に用いたビス2の長さは25mmであり、柱3の屋外面における中央部から打入箇所までの幅方向の距離は43mmである。上記のようにして図8のような試験体18を製造した。この試験体18における外壁材の固定構造は図3(b)に近いが、ビス2の打入箇所が異なる。
【0064】
その後、上記の試験体18を小型加熱炉を用いてISO標準加熱曲線に従って60分加熱して耐火性能試験を行った。試験中における外壁材1の屋内面、RWの屋外面及び屋内面等の各層平均温度を図12(a)に示し、試験中における柱3及び縦胴縁17の各部最高温度を図12(b)に示す。試験の結果、目板材6は、外壁材1を屋外側に押し出し、外壁材1が脱落しそうであることが確認された。
【0065】
(比較例3)
外壁材1、柱3及び留め金具7として、実施例1と同様のものを用いた。
【0066】
目板材6として、図6(a)のように長尺平板部9に断面略V字状のリブ10を2つ長手方向に設けて形成された平板型ジョイナーを用いた。この目板材6は、鋼板を折曲加工して形成されている。目板材6の幅は66mmである。
【0067】
そして、上記の外壁材1、柱3、目板材6及び留め金具7を用い、次のようにして外壁材の固定構造が形成された試験体18を製造した。
【0068】
まず、柱3の屋外側に壁下地19及び防水紙16を張設し、この壁下地19及び防水紙16を介して柱3の屋外面に木製長尺状の縦胴縁17を設置した。壁下地19より屋内側には断熱材としてロックウール(RW)を設置した。縦胴縁17の屋外面に目板材6を留め付けた。この留付は、上下方向に600mmピッチの釘留めにより行った。
【0069】
次に、目板材6の両側に留め金具7を重ね、これらの留め金具7をビス2を用いて柱3に固定した。かかり寸法は20mmである。
【0070】
その後、2枚の外壁材1を突き合わせて配置した。突き合わせ部5は、隣り合う外壁材1の対向する側端面同士が略当接するように形成されている。そして、外壁材1の下端面の溝部23に留め金具7の上向き係止片13を嵌合させて留め金具7に外壁材1を取り付けて仮固定した。
【0071】
次に、上記のように仮固定されたそれぞれの外壁材1の上端面の実部8に別の留め金具7の下向き係止片14を嵌合させると共に、これらの留め金具7を目板材6の両側に重ねた。そして、これらの留め金具7をビス2を用いて柱3に固定することによって、留め金具7に外壁材1を取り付けて固定した。留め金具7(スタータ金具15も含む)の固定に用いたビス2の長さは25mmであり、柱3の屋外面における中央部から打入箇所までの幅方向の距離は47mmである。上記のようにして図8のような試験体18を製造した。この試験体18における外壁材の固定構造を図6(b)に示すが、柱3等の図示は省略している。
【0072】
その後、上記の試験体18を小型加熱炉を用いてISO標準加熱曲線に従って60分加熱して耐火性能試験を行った。試験中における外壁材1の屋内面、RWの屋外面及び屋内面等の各層平均温度を図13(a)に示し、試験中における柱3及び縦胴縁17の各部最高温度を図13(b)に示す。試験の結果、目板材6は、外壁材1を屋外側に押し出し、外壁材1が脱落しそうであることが確認された。
【0073】
【表1】
【符号の説明】
【0074】
1 外壁材
2 ビス
3 柱
4 凸部
5 突き合わせ部
6 目板材
7 留め金具
9 長尺平板部
19 壁下地
20 通気空間
21 連通口
【技術分野】
【0001】
本発明は、外壁材の固定構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、建築用パネルの取付構造において、敷目板は、柱状の壁下地に沿って連続状で配設し、ブラインドリベット等の固定具を用いて壁下地に固定されている(例えば、特許文献1−3参照)。そして、この敷目板は、縦目地部においてパネルの左右を連結するためのガイドや目地防水下地として機能するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−34636号公報
【特許文献2】特開平7−317274号公報
【特許文献3】特開平7−317275号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の建築用パネルの取付構造では、火災時において敷目板が加熱されると、この敷目板は、固定具で直に壁下地に固定されているため、パネルを屋外側に押し出すように変形してしまい、その結果、パネルが脱落するおそれがあるという問題があった。
【0005】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、火災時において外壁材の脱落を抑制し、耐火性能を高めることができる外壁材の固定構造を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る外壁材の固定構造は、柱にビスを用いて留め金具を固定し、前記留め金具に外壁材を取り付けて固定して形成された外壁材の固定構造であって、前記外壁材が複数突き合わされて配置され、前記外壁材の突き合わせ部と前記柱との間に目板材が介在していると共に、前記目板材が、前記留め金具の押圧により留め付けられていることを特徴とするものである。
【0007】
本発明に係る外壁材の固定構造は、柱にビスを用いて外壁材を固定して形成された外壁材の固定構造であって、前記外壁材が複数突き合わされて配置され、前記外壁材の突き合わせ部と前記柱との間に目板材が介在していると共に、前記目板材が、ISO標準加熱曲線に従って加熱すると650〜950℃で軟化する材料で形成されていることを特徴とするものである。
【0008】
前記外壁材の固定構造において、目板材が、長尺平板部の長手方向に複数の凸部を設けて形成されていることが好ましい
前記外壁材の固定構造において、前記目板材と前記柱との間に壁下地が形成され、前記外壁材と前記壁下地との間に通気空間が形成され、前記通気空間と屋外とを連通する連通口が前記外壁材に形成され、前記壁下地の面積に対する前記連通口の開口面積の合計が65cm2/m2以上であることが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、火災時において加熱された目板材は、膨張により長手方向に伸びたり又は軟化したりすることによって、外壁材を屋外側に押し出しにくくなり、外壁材の脱落を抑制し、耐火性能を高めることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係る外壁材の固定構造の一例を示すものであり、(a)は水平断面図、(b)は斜視図、(c)は柱の最下部の斜視図、(d)は柱の最下部の鉛直断面図である。
【図2】本発明に係る外壁材の固定構造の他の一例を示す水平断面図である。
【図3】(a)は目板材の一例を示す断面図、(b)は(a)の目板材を用いて形成された外壁材の固定構造の一例を示す断面図である。
【図4】(a)は目板材の他の一例を示す断面図、(b)は(a)の目板材を用いて形成された外壁材の固定構造の一例を示す断面図である。
【図5】(a)は目板材の他の一例を示す断面図、(b)は(a)の目板材を用いて形成された外壁材の固定構造の一例を示す断面図である。
【図6】(a)は目板材の他の一例を示す断面図、(b)は(a)の目板材を用いて形成された外壁材の固定構造の一例を示す断面図である。
【図7】耐火性能試験におけるISO標準加熱曲線を示すグラフである。
【図8】試験体の一例を示す正面図である。
【図9】(a)は実施例1の各層平均温度を示すグラフ、(b)は実施例1の各部最高温度を示すグラフである。
【図10】(a)は実施例2の各層平均温度を示すグラフ、(b)は実施例2の各部最高温度を示すグラフである。
【図11】(a)は比較例1の各層平均温度を示すグラフ、(b)は比較例1の各部最高温度を示すグラフである。
【図12】(a)は比較例2の各層平均温度を示すグラフ、(b)は比較例2の各部最高温度を示すグラフである。
【図13】(a)は比較例3の各層平均温度を示すグラフ、(b)は比較例3の各部最高温度を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0012】
図1は本発明に係る外壁材の固定構造の一例を示すものであり、これは外壁材1をビス2を用いて柱3に固定して形成されている。外壁材1の固定構造を形成するにあたっては、さらに目板材6及び留め金具7も用いられている。なお、本発明においてビス2を用いた外壁材1の柱3への固定には、図1のように留め金具7を用いて外壁材1を間接的に柱3に固定する場合と、図2のように外壁材1の屋外面からビス2を打入して外壁材1を直接的に柱3に固定する場合の両方が含まれる。
【0013】
まず外壁材1、柱3、目板材6及び留め金具7について説明する。
【0014】
外壁材1としては、セメントを主成分とする窯業系材料を略平板状の矩形状に形成したものを用いることができる。外壁材1の上端面の屋内側には実部8が突設されている。外壁材1の下端面の屋外側には覆い部22が突設され、屋内側には溝部23が凹設されている。
【0015】
柱3としては、76〜165mm×84〜165mmの断面矩形状の杉材等を用いることができる。
【0016】
目板材6としては、長尺平板部9の長手方向に複数の凸部4を設けて形成されたものを用いることが好ましい。例えば、図3(a)及び図6(a)のように長尺平板部9に凸部4として断面略V字状のリブ10を複数長手方向に設けて形成された平板型ジョイナーや、図4(a)及び図5(a)のように長尺平板部9に凸部4として断面略U字状の突条部11を複数長手方向に設けて形成されたハット型ジョイナー等を用いることが好ましい。これらの目板材6は、鋼板やアルミ板等を折曲加工して形成することができる。このように、長尺平板部9の長手方向に設けられた複数の凸部4によって、目板材6が外壁材1を屋外側に押し出そうとするような変形を抑制することができるものである。また、複数の凸部4は、長尺平板部9の幅方向において左右対称に設けられていることが好ましい。なお、目板材6の幅は、30〜100mm程度である。
【0017】
留め金具7としては、固定片12、上向き係止片13及び下向き係止片14を設けて形成されたものを用いることができる。なお、柱3の最下部に固定される留め金具7(スタータ金具15)は、図1(c)(d)のように固定片12及び上向き係止片13を設けて形成され、下向き係止片14を有しない。
【0018】
次に、上記の外壁材1、柱3、目板材6及び留め金具7を用いて、図1のような外壁材の固定構造を形成する方法について説明する。
【0019】
まず、土台部24上において所定間隔で立設された柱3の屋外側に壁下地19及び防水紙16を張設し、この壁下地19及び防水紙16を介して柱3の屋外面に木製長尺状の縦胴縁17を設置する。図示省略しているが、壁下地19より屋内側において隣り合う柱3間には断熱材としてロックウール(RW)を設置する。柱3の最下部においては、図1(d)のように土台水切り25が設置されている。土台水切り25は、壁下地19の屋外面に釘留め等により固定される固定片26と、固定片26の下端から屋外側に向かってわずかに下り傾斜して突出する水切り片27と、水切り片27の先端から垂下する水切り先端片28とを設けて形成されている。図1(d)のように固定片26の上端縁は壁下地19と縦胴縁17とで挟持されている。また水切り片27は後述の外壁材1よりも屋外側に突出している。また水切り先端片28の先端は屋内側に折り返されている。
【0020】
次に、縦胴縁17の屋外面に目板材6を留め付ける。この留付は、釘留めによらずに後述のように目板材6に留め金具7(スタータ金具15も含む)を重ねて押圧することにより行うことができる。また、目板材6が、ISO標準加熱曲線に従って加熱すると650〜950℃で軟化する材料(例えばアルミ板)で形成されている場合には、上下方向に300〜1000mmピッチの釘留めにより留付を行うこともできる。なお、ISO標準加熱曲線は、加熱炉を用いた耐火性能試験において使用されるものであり、図7に示すように、T=345log10(8t+1)+20(T:平均炉内温度(℃)、t:試験の経過時間(分))という式で表される。以下では目板材6として、図5(a)のように長尺平板部9の略中央部に断面略U字状の突条部11を1つ長手方向に設けて形成されたハット型ジョイナーを用いる例について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0021】
次に、図1(c)のように柱3の最下部において目板材6の両側にスタータ金具15を重ね、これらのスタータ金具15をビス2を用いて柱3に固定する。このとき目板材6とスタータ金具15との重なり部分の寸法(かかり寸法)は、10〜30mm程度である。
【0022】
その後、複数の外壁材1を突き合わせて配置する。このとき形成される突き合わせ部5は、隣り合う外壁材1の対向する側端面同士が当接するように形成されていてもよいが、図1では隣り合う外壁材1の対向する側端面で目板材6の突条部11を挟み込むように形成されている。いずれの場合も外壁材1の突き合わせ部5と柱3との間には目板材6が介在しているので、火炎が屋外から外壁材1の突き合わせ部5を通って侵入しても、目板材6の遮炎性によって柱3の燃焼や炭化を抑制したり遅延させたりすることができるものである。そして、図1(d)のように外壁材1の下端面の溝部23にスタータ金具15の上向き係止片13を嵌合させてスタータ金具15に外壁材1を取り付けて仮固定する。
【0023】
次に、上記のように仮固定されたそれぞれの外壁材1の上端面の実部8に留め金具7の下向き係止片14を嵌合させると共に、これらの留め金具7を目板材6の両側に重ねる。このとき目板材6と留め金具7との重なり部分の寸法(かかり寸法)は、10〜30mm程度である。そして、これらの留め金具7をビス2を用いて柱3に固定することによって、留め金具7に外壁材1を取り付けて固定する。このような外壁材1の固定を下から上に必要に応じて繰り返すことによって、外壁材1の固定構造を形成することができる。
【0024】
上記のように形成された外壁材1の固定構造においては、目板材6が、釘留めにより直に柱3に固定されているのではなく、留め金具7の押圧により留め付けられている。そのため、火災時において火炎が屋外から外壁材1の突き合わせ部5を通って侵入して目板材6を加熱しても、この目板材6は、膨張により長手方向に伸びることによって、外壁材1を屋外側に押し出しにくくなり、外壁材1の脱落を抑制し、耐火性能を高めることができるものである。
【0025】
また、目板材6が鋼板ではなくアルミ板のようにISO標準加熱曲線に従って加熱すると650〜950℃で軟化する材料で形成されている場合には、この目板材6は、釘留めにより直に柱3に留め付けられていてもよい。この場合には、火災時において火炎が屋外から外壁材1の突き合わせ部5を通って侵入して目板材6を加熱すると、この目板材6は、これ自体が軟化することによって、外壁材1を屋外側に押し出しにくくなり、外壁材1の脱落を抑制し、耐火性能を高めることができるものである。
【0026】
また、上記の外壁材1の固定構造においては、目板材6と柱3との間に壁下地19が形成され、図1のように外壁材1と壁下地19との間に空気層として通気空間20が形成されている。
【0027】
通気空間20の厚さは、縦胴縁17の厚さと留め金具7の突出幅により確保されている。すなわち、縦胴縁17及び留め金具7がスペーサとなって通気空間20が形成されている。図1では縦胴縁17の屋外面に留め金具7が突出して固定されているため、縦胴縁17を挟んで横方向(水平方向)に隣り合う通気空間20は留め金具7が突出することにより形成された隙間によって連通されている。通気空間20が横方向に連通していることにより、横方向への空気の移動が可能となり、通気空間20内での横方向の圧力差を小さくすることができる。なお、留め金具7を縦胴縁17から突出しないように固定するなどして外壁材1を縦胴縁17に密着させ、通気空間20が縦胴縁17によって横方向に分断されるように形成してもよい。通気空間20が横方向で分断されている場合、横方向への空気の移動が抑制されて、縦方向に空気を移動しやすくすることができる。
【0028】
通気空間20の厚さは20〜23mmであることが好ましい。通気空間20の厚さがこの範囲であることにより通気を確保しやすくなる。具体的には、厚さ18mmの縦胴縁17と、突出幅(働き幅)5mmの留め金具7とを用いれば、厚さ(外壁材1の裏面から壁下地2の表面までの幅)が23mmの通気空間20が形成される。
【0029】
また、外壁材1には通気空間20と屋外とを連通する連通口21が形成されている。この連通口21は、外壁材1が部分的に壁下地19を覆わないようにして形成することができる。図1では連通口21は土台部24の上側に形成されている。すなわち、最下部に固定された外壁材1において、その下端部を土台部24及び土台水切り25に接触させないようにして連通口21が形成されている。このように連通口21が形成されていると、通気空間20と屋外との圧力差を小さくして屋内側に風雨が浸入することを抑制することができ、防水性の高い外壁材1の固定構造を形成することができるものである。すなわち、風が外壁材1に向かって吹く場合、屋内側の圧力が屋外側の圧力よりも小さいと、外壁材1の突き合わせ部5から空気の流れを吸い込みやすくなるが、連通口21が形成されていると、通気空間20と屋外との圧力差が小さくなって等圧に近くなるため、空気の流れを吸い込みにくくすることができ、風圧を外壁材1によって遮断することができるものである。通気空間20には風の力がそがれた雨水が浸入するが、この雨水は、重力の作用によって外壁材1の裏面をつたって下方に流下し、土台水切り25の水切り片27上に落下し、そのまま屋外に排出されるので、屋内側に雨水が浸入することを防ぐことができるものである。また、壁下地19に雨水がかかったとしても、壁下地19には防水紙16が貼着されるなどして防水加工が施されており、壁下地19よりも屋内側に雨水が浸入することを抑制することができるものである。
【0030】
壁下地19の面積に対する連通口21の開口面積の合計は65cm2/m2以上であることが好ましい。すなわち、壁下地19の面積1m2に対して65cm2以上の開口面積を有する連通口21を形成することが好ましい。ただし、連通口21は外壁材1の一部分に集中して形成したり、外壁材1の全体に分散させて形成したりしてもよい。つまり、壁下地19の面積をSm2とした場合に連通口21の開口面積の合計が65×Scm2以上となっていればよい。開口面積の合計の上限は特に制限がなく、水仕舞いがなされていれば雨が直接入り込むことは少ないので、開口面積の合計は大きいほどよい。なお、開口面積の合計が110cm2/m2までの範囲では差圧が小さくなっていくことが実験により確認されている。
【実施例】
【0031】
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。
【0032】
(実施例1)
外壁材1として、セメントを主成分とする窯業系材料を略平板状の矩形状に形成したものを用いた。外壁材1の上端面の屋内側には実部8が突設されている。外壁材1の下端面の屋外側には覆い部22が突設され、屋内側には溝部23が凹設されている。
【0033】
柱3として、105mm×105mmの断面矩形状の杉材を用いた。
【0034】
目板材6として、図3のように長尺平板部9に断面略V字状のリブ10を4つ長手方向に設けて形成された平板型ジョイナーを用いた。この目板材6は、鋼板を折曲加工して形成されている。目板材6の幅は76mmである。
【0035】
留め金具7としては、固定片12、上向き係止13片及び下向き係止片14を設けて形成されたものを用いた。
【0036】
そして、上記の外壁材1、柱3、目板材6及び留め金具7を用い、次のようにして外壁材の固定構造が形成された試験体18を製造した。
【0037】
まず、柱3の屋外側に壁下地19及び防水紙16を張設し、この壁下地19及び防水紙16を介して柱3の屋外面に木製長尺状の縦胴縁17を設置した。壁下地19より屋内側には断熱材としてロックウール(RW)を設置した。縦胴縁17の屋外面に目板材6を留め付けた。この留付は、釘留めによらずに留め金具7による押圧により行った。
【0038】
次に、目板材6の両側に留め金具7を重ね、これらの留め金具7をビス2を用いて柱3に固定した。かかり寸法は10mmである。
【0039】
その後、2枚の外壁材1を突き合わせて配置した。突き合わせ部5は、隣り合う外壁材1の対向する側端面同士が略当接するように形成されている。そして、外壁材1の下端面の溝部23に留め金具7の上向き係止片13を嵌合させて留め金具7に外壁材1を取り付けて仮固定した。
【0040】
次に、上記のように仮固定されたそれぞれの外壁材1の上端面の実部8に別の留め金具7の下向き係止片14を嵌合させると共に、これらの留め金具7を目板材6の両側に重ねた。そして、これらの留め金具7をビス2を用いて柱3に固定することによって、留め金具7に外壁材1を取り付けて固定した。留め金具7の固定に用いたビス2の長さは25mmであり、柱3の屋外面における中央部から打入箇所までの幅方向の距離は43mmである。上記のようにして図8のような試験体18を製造した。この試験体18における外壁材の固定構造を図3(b)に示すが、柱3等の図示は省略している。
【0041】
その後、上記の試験体18を小型加熱炉を用いてISO標準加熱曲線に従って60分加熱して耐火性能試験を行った。試験中における外壁材1の屋内面、RWの屋外面及び屋内面等の各層平均温度を図9(a)に示し、試験中における柱3及び縦胴縁17の各部最高温度を図9(b)に示す。試験の結果、目板材6は、膨張により長手方向に伸びることによって、外壁材1を屋外側に押し出しにくくなり、外壁材1が脱落しないことが確認された。
【0042】
(実施例2)
外壁材1、柱3及び留め金具7として、実施例1と同様のものを用いた。
【0043】
目板材6として、図4(a)のように長尺平板部9に断面略U字状の突条部11を2つ長手方向に設けて形成されたハット型ジョイナーを用いた。この目板材6は、アルミ板を折曲加工して形成されている。目板材6の幅は78mmである。
【0044】
そして、上記の外壁材1、柱3、目板材6及び留め金具7を用い、次のようにして外壁材の固定構造が形成された試験体18を製造した。
【0045】
まず、柱3の屋外側に壁下地19及び防水紙16を張設し、この壁下地19及び防水紙16を介して柱3の屋外面に木製長尺状の縦胴縁17を設置した。壁下地19より屋内側には断熱材としてロックウール(RW)を設置した。縦胴縁17の屋外面に目板材6を留め付けた。この留付は、上下方向に600mmピッチの釘留めにより行った。
【0046】
次に、目板材6の両側に留め金具7を重ね、これらの留め金具7をビス2を用いて柱3に固定した。かかり寸法は20mmである。
【0047】
その後、2枚の外壁材1を突き合わせて配置した。突き合わせ部5は、隣り合う外壁材1の対向する側端面同士が略当接するように形成されている。そして、外壁材1の下端面の溝部23に留め金具7の上向き係止片13を嵌合させて留め金具7に外壁材1を取り付けて仮固定した。
【0048】
次に、上記のように仮固定されたそれぞれの外壁材1の上端面の実部8に別の留め金具7の下向き係止片14を嵌合させると共に、これらの留め金具7を目板材6の両側に重ねた。そして、これらの留め金具7をビス2を用いて柱3に固定することによって、留め金具7に外壁材1を取り付けて固定した。留め金具7の固定に用いたビス2の長さは25mmであり、柱3の屋外面における中央部から打入箇所までの幅方向の距離は42mmである。上記のようにして図8のような試験体18を製造した。この試験体18における外壁材の固定構造を図4(b)に示すが、柱3等の図示は省略している。
【0049】
その後、上記の試験体18を小型加熱炉を用いてISO標準加熱曲線に従って60分加熱して耐火性能試験を行った。試験中における外壁材1の屋内面、RWの屋外面及び屋内面等の各層平均温度を図10(a)に示し、試験中における柱3及び縦胴縁17の各部最高温度を図10(b)に示す。試験の結果、目板材6は、軟化することによって、外壁材1を屋外側に押し出しにくくなり、外壁材1が脱落しないことが確認された。
【0050】
(比較例1)
外壁材1、柱3及び留め金具7として、実施例1と同様のものを用いた。
【0051】
目板材6として、図5(a)のように長尺平板部9に断面略U字状の突条部11を1つ長手方向に設けて形成されたハット型ジョイナーを用いた。この目板材6は、鋼板を折曲加工して形成されている。目板材6の幅は59mmである。
【0052】
そして、上記の外壁材1、柱3、目板材6及び留め金具7を用い、次のようにして外壁材の固定構造が形成された試験体18を製造した。
【0053】
まず、柱3の屋外側に壁下地19及び防水紙16を張設し、この壁下地19及び防水紙16を介して柱3の屋外面に木製長尺状の縦胴縁17を設置した。壁下地19より屋内側には断熱材としてロックウール(RW)を設置した。縦胴縁17の屋外面に目板材6を留め付けた。この留付は、上下方向に600mmピッチの釘留めにより行った。
【0054】
次に、目板材6の両側に留め金具7を重ね、これらの留め金具7をビス2を用いて柱3に固定した。かかり寸法は20mmである。
【0055】
その後、2枚の外壁材1を突き合わせて配置した。突き合わせ部5は、隣り合う外壁材1の対向する側端面で目板材6の突条部11を挟み込むように形成されている。そして、外壁材1の下端面の溝部23に留め金具7の上向き係止片13を嵌合させて留め金具7に外壁材1を取り付けて仮固定した。
【0056】
次に、上記のように仮固定されたそれぞれの外壁材1の上端面の実部8に別の留め金具7の下向き係止片14を嵌合させると共に、これらの留め金具7を目板材6の両側に重ねた。そして、これらの留め金具7をビス2を用いて柱3に固定することによって、留め金具7に外壁材1を取り付けて固定した。留め金具7の固定に用いたビス2の長さは25mmであり、柱3の屋外面における中央部から打入箇所までの幅方向の距離は38mmである。上記のようにして図8のような試験体18を製造した。この試験体18における外壁材の固定構造を図5(b)に示すが、柱3等の図示は省略している。
【0057】
その後、上記の試験体18を小型加熱炉を用いてISO標準加熱曲線に従って60分加熱して耐火性能試験を行った。試験中における外壁材の屋内面、RWの屋外面及び屋内面等の各層平均温度を図11(a)に示し、試験中における柱3及び縦胴縁17の各部最高温度を図11(b)に示す。試験の結果、目板材6は、外壁材1を屋外側に押し出し、外壁材1が脱落しそうであることが確認された。
【0058】
(比較例2)
外壁材1、柱3、目板材6及び留め金具7として、実施例1と同様のものを用いた。
【0059】
そして、上記の外壁材1、柱3、目板材6及び留め金具7を用い、次のようにして外壁材の固定構造が形成された試験体18を製造した。
【0060】
まず、柱3の屋外側に壁下地19及び防水紙16を張設し、この壁下地19及び防水紙16を介して柱3の屋外面に木製長尺状の縦胴縁17を設置した。壁下地19より屋内側には断熱材としてロックウール(RW)を設置した。縦胴縁17の屋外面に目板材6を留め付けた。この留付は、上下方向に600mmピッチの釘留めにより行った。
【0061】
次に、目板材6の両側に留め金具7を重ね、これらの留め金具7をビス2を用いて柱3に固定した。かかり寸法は10mmである。
【0062】
その後、2枚の外壁材1を突き合わせて配置した。突き合わせ部5は、隣り合う外壁材1の対向する側端面同士が略当接するように形成されている。そして、外壁材1の下端面の溝部23に留め金具7の上向き係止片13を嵌合させて留め金具7に外壁材1を取り付けて仮固定した。
【0063】
次に、上記のように仮固定されたそれぞれの外壁材1の上端面の実部8に別の留め金具7の下向き係止片14を嵌合させると共に、これらの留め金具7を目板材6の両側に重ねた。そして、これらの留め金具7をビス2を用いて柱3に固定することによって、留め金具7に外壁材1を取り付けて固定した。留め金具7の固定に用いたビス2の長さは25mmであり、柱3の屋外面における中央部から打入箇所までの幅方向の距離は43mmである。上記のようにして図8のような試験体18を製造した。この試験体18における外壁材の固定構造は図3(b)に近いが、ビス2の打入箇所が異なる。
【0064】
その後、上記の試験体18を小型加熱炉を用いてISO標準加熱曲線に従って60分加熱して耐火性能試験を行った。試験中における外壁材1の屋内面、RWの屋外面及び屋内面等の各層平均温度を図12(a)に示し、試験中における柱3及び縦胴縁17の各部最高温度を図12(b)に示す。試験の結果、目板材6は、外壁材1を屋外側に押し出し、外壁材1が脱落しそうであることが確認された。
【0065】
(比較例3)
外壁材1、柱3及び留め金具7として、実施例1と同様のものを用いた。
【0066】
目板材6として、図6(a)のように長尺平板部9に断面略V字状のリブ10を2つ長手方向に設けて形成された平板型ジョイナーを用いた。この目板材6は、鋼板を折曲加工して形成されている。目板材6の幅は66mmである。
【0067】
そして、上記の外壁材1、柱3、目板材6及び留め金具7を用い、次のようにして外壁材の固定構造が形成された試験体18を製造した。
【0068】
まず、柱3の屋外側に壁下地19及び防水紙16を張設し、この壁下地19及び防水紙16を介して柱3の屋外面に木製長尺状の縦胴縁17を設置した。壁下地19より屋内側には断熱材としてロックウール(RW)を設置した。縦胴縁17の屋外面に目板材6を留め付けた。この留付は、上下方向に600mmピッチの釘留めにより行った。
【0069】
次に、目板材6の両側に留め金具7を重ね、これらの留め金具7をビス2を用いて柱3に固定した。かかり寸法は20mmである。
【0070】
その後、2枚の外壁材1を突き合わせて配置した。突き合わせ部5は、隣り合う外壁材1の対向する側端面同士が略当接するように形成されている。そして、外壁材1の下端面の溝部23に留め金具7の上向き係止片13を嵌合させて留め金具7に外壁材1を取り付けて仮固定した。
【0071】
次に、上記のように仮固定されたそれぞれの外壁材1の上端面の実部8に別の留め金具7の下向き係止片14を嵌合させると共に、これらの留め金具7を目板材6の両側に重ねた。そして、これらの留め金具7をビス2を用いて柱3に固定することによって、留め金具7に外壁材1を取り付けて固定した。留め金具7(スタータ金具15も含む)の固定に用いたビス2の長さは25mmであり、柱3の屋外面における中央部から打入箇所までの幅方向の距離は47mmである。上記のようにして図8のような試験体18を製造した。この試験体18における外壁材の固定構造を図6(b)に示すが、柱3等の図示は省略している。
【0072】
その後、上記の試験体18を小型加熱炉を用いてISO標準加熱曲線に従って60分加熱して耐火性能試験を行った。試験中における外壁材1の屋内面、RWの屋外面及び屋内面等の各層平均温度を図13(a)に示し、試験中における柱3及び縦胴縁17の各部最高温度を図13(b)に示す。試験の結果、目板材6は、外壁材1を屋外側に押し出し、外壁材1が脱落しそうであることが確認された。
【0073】
【表1】
【符号の説明】
【0074】
1 外壁材
2 ビス
3 柱
4 凸部
5 突き合わせ部
6 目板材
7 留め金具
9 長尺平板部
19 壁下地
20 通気空間
21 連通口
【特許請求の範囲】
【請求項1】
柱にビスを用いて留め金具を固定し、前記留め金具に外壁材を取り付けて固定して形成された外壁材の固定構造であって、前記外壁材が複数突き合わされて配置され、前記外壁材の突き合わせ部と前記柱との間に目板材が介在していると共に、前記目板材が、前記留め金具の押圧により留め付けられていることを特徴とする外壁材の固定構造。
【請求項2】
柱にビスを用いて外壁材を固定して形成された外壁材の固定構造であって、前記外壁材が複数突き合わされて配置され、前記外壁材の突き合わせ部と前記柱との間に目板材が介在していると共に、前記目板材が、ISO標準加熱曲線に従って加熱すると650〜950℃で軟化する材料で形成されていることを特徴とする外壁材の固定構造。
【請求項3】
目板材が、長尺平板部の長手方向に複数の凸部を設けて形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の外壁材の固定構造。
【請求項4】
前記目板材と前記柱との間に壁下地が形成され、前記外壁材と前記壁下地との間に通気空間が形成され、前記通気空間と屋外とを連通する連通口が前記外壁材に形成され、前記壁下地の面積に対する前記連通口の開口面積の合計が65cm2/m2以上であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の外壁材の固定構造。
【請求項1】
柱にビスを用いて留め金具を固定し、前記留め金具に外壁材を取り付けて固定して形成された外壁材の固定構造であって、前記外壁材が複数突き合わされて配置され、前記外壁材の突き合わせ部と前記柱との間に目板材が介在していると共に、前記目板材が、前記留め金具の押圧により留め付けられていることを特徴とする外壁材の固定構造。
【請求項2】
柱にビスを用いて外壁材を固定して形成された外壁材の固定構造であって、前記外壁材が複数突き合わされて配置され、前記外壁材の突き合わせ部と前記柱との間に目板材が介在していると共に、前記目板材が、ISO標準加熱曲線に従って加熱すると650〜950℃で軟化する材料で形成されていることを特徴とする外壁材の固定構造。
【請求項3】
目板材が、長尺平板部の長手方向に複数の凸部を設けて形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の外壁材の固定構造。
【請求項4】
前記目板材と前記柱との間に壁下地が形成され、前記外壁材と前記壁下地との間に通気空間が形成され、前記通気空間と屋外とを連通する連通口が前記外壁材に形成され、前記壁下地の面積に対する前記連通口の開口面積の合計が65cm2/m2以上であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の外壁材の固定構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−229588(P2012−229588A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−99874(P2011−99874)
【出願日】平成23年4月27日(2011.4.27)
【出願人】(503367376)ケイミュー株式会社 (467)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月27日(2011.4.27)
【出願人】(503367376)ケイミュー株式会社 (467)
【Fターム(参考)】
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