説明

多孔質材を使用した食品廃棄物からの機能性成分の吸着濃縮方法及びそれを利用した機能性飼料

【課題】 食品廃棄物から機能性成分を安価に、効率的に分離する多孔質材を使用した食品廃棄物からの機能性成分の吸着濃縮方法及びそれを利用した機能性飼料を提供する。
【解決手段】 植物性の食品廃棄物に水を加え微砕して流動物を調製し、流動物を濾過して濾過液を作製する第1工程と、濾過液中に粒状の多孔質材を加えて撹拌混合し、濾過液中に含まれるビタミン類及び糖類のいずれか一方又は双方を含有する機能性成分を多孔質材の細孔内に吸着させる第2工程とを有し、多孔質材には、少なくとも100メッシュの標準篩を全通する粒度の苔虫類化石を使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品廃棄物に含まれる機能性成分(例えば、ビタミン類、糖類等)を多孔質材の細孔内に吸着させて濃縮する多孔質材を使用した食品廃棄物からの機能性成分の吸着濃縮方法及びそれを利用した機能性飼料に関する。
【背景技術】
【0002】
食品産業等で発生する野菜屑や果実屑等の食品廃棄物にはビタミン類や糖類等の機能性成分が豊富に含まれているが、これらの機能性成分は利用されずに食品廃棄物と共に廃棄されており、食品廃棄物の有効利用の観点から、有効成分の効率的な抽出方法の開発が望まれている。
一方、野菜、例えば、緑黄野菜中に含まれる脂溶性ビタミンの一例であるビタミンKを抽出する技術として、1)カラムクロマトグラフィー法、2)蒸溜法、及び3)溶剤分別法等が知られている。しかし、カラムクロマトグラフィー法は、ビタミンKの濃縮率は高いが、固定相及び移動相を維持するために非常に多くの費用が必要になり、抽出コストが高くなるという問題がある。また、蒸溜法では、比較的安価にビタミンKの濃縮を行なうことができるが、濃縮率が低く、しかも、熱によるビタミンKの分解という問題も存在する。更に、溶剤分別法では、溶剤を含有する抽出物から溶剤を除去して回収するため、複雑な分離工程と多大の熱エネルギーが必要になり、抽出コストが高くなると共に、熱によるビタミンKの分解という問題も生じる。そこで、ビタミンKの分解を抑えて効率的にビタミンKを抽出する方法として、超臨界状態の二酸化炭素を利用した抽出方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平10−165139号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された方法では、超臨界抽出装置という特殊な装置を使用することが前提となっているため、ビタミンの補給用補助食品や錠剤等の高付加価値製品の製造には適用できても、多量に発生する食品廃棄物から、安価に、効率的に機能性成分を取り出す方法としては不向きである。
【0005】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、多量に発生する食品廃棄物から、機能性成分を安価に、効率的に分離することが可能な多孔質材を使用した食品廃棄物からの機能性成分の吸着濃縮方法及びそれを利用した機能性飼料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的に沿う第1の発明に係る多孔質材を使用した食品廃棄物からの機能性成分の吸着濃縮方法は、植物性の食品廃棄物に水を加え微砕して流動物を調製し、該流動物を濾過して濾過液を作製する第1工程と、
前記濾過液中に粒状の多孔質材を加えて撹拌混合し、該濾過液中に含まれるビタミン類及び糖類のいずれか一方又は双方を含有する機能性成分を該多孔質材の細孔内に吸着させる第2工程とを有する。
【0007】
食品廃棄物から濾過液を作製するので、食品廃棄物の減容化が行なわれ、多量の食品廃棄物を容易に処理することができる。そして、細孔内に機能性成分が吸着させることにより、細孔内の機能性成分の濃度を濾過液中の機能性成分の濃度よりも大きくすることができ、吸着により機能性成分の濃縮を行なうことができる。なお、植物性の食品廃棄物として野菜屑を使用する場合、機能性成分の主体はビタミン類となり、多孔質材を用いて野菜屑から容易にビタミン類を吸着させて濃縮することができる。また、植物性の食品廃棄物として果実屑を使用する場合、機能性成分の主体は糖類となり、多孔質材を用いて果実屑から容易に糖類を吸着させて濃縮を行なうことができる。
【0008】
前記目的に沿う第2の発明に係る多孔質材を使用した食品廃棄物からの機能性成分の吸着濃縮方法は、食品廃棄物に水を加え微砕して流動物を調製し、該流動物を濾過して濾過液を作製する第1工程と、
前記濾過液中に含まれるビタミン類及び糖類のいずれか一方又は双方を含有する機能性成分の中の特定機能性成分を選択的に溶かす溶剤を前記濾過液に加えて撹拌混合し、該特定機能性成分を該溶剤中に溶け込ませる第2工程と、
前記特定機能性成分が溶解した溶剤を前記濾過液から分離し、該特定機能性成分が溶解した溶剤に粒状の多孔質材を加えて撹拌混合し、該特定機能性成分を該多孔質材の細孔内に吸着させる第3工程とを有する。
これによって、複数の機能性成分が混合している状態から特定機能性成分を精度よく分離し、分離した特定機能性成分を多孔質材に吸着させて濃縮することができる。
【0009】
第1及び第2の発明に係る多孔質材を使用した食品廃棄物からの機能性成分の吸着濃縮方法において、前記多孔質材は、少なくとも100メッシュの標準篩を全通する粒度(粒径が0.147mm以下)であることが好ましい。
ここで、前記多孔質材には苔虫類化石を使用することができる。苔虫類化石には多数の細孔が存在するので、この細孔に機能性成分を吸着させることができる。
【0010】
これによって、濾過液(又は特定機能性成分が溶解した溶剤)と接触する多孔質材の表面積が大きくなって、細孔内への機能性成分の移動を促進することができる。ここで、多孔質材の粒度が更に小さくなって、例えば、多孔質材が325メッシュの標準篩を全通するような粒度(粒径が0.043mm以下)になると、多孔質材が微細になり過ぎて取り扱いが困難になる。このため、多孔質材の粒度は100メッシュ以上325メッシュ未満の標準篩を全通するような粒度にするのがよい。
【0011】
前記目的に沿う第3の発明に係る機能性飼料は、第1及び第2の発明に係る多孔質材を使用した食品廃棄物からの機能性成分の吸着濃縮方法により製造され機能性成分を吸着させた多孔質材を含む。これによって、多孔質材を介して機能性成分を飼料動物に効率的に与えることができる。
【0012】
第3の発明に係る機能性飼料において、前記多孔質材は少なくとも100メッシュの標準篩を全通する粒度に調製された苔虫類化石で、前記機能性成分はα−トコフェロール(ビタミンE)とすることができる。
【0013】
苔虫類化石はミネラル成分(特にカルシウム成分)の豊富な無機系飼料として使用されているので、苔虫類化石にα−トコフェロールを吸着させることで、ミネラル成分とα−トコフェロールを同時に与えることができる。ここで、苔虫類化石を100メッシュの標準篩を全通する粒度に調製することにより、濾過液(又は特定機能性成分が溶解した溶剤)に苔虫類化石を加えて撹拌混合した際に、濾過液(又は特定機能性成分が溶解した溶剤)に接触する苔虫類化石の表面を広くすることができ、効率的に機能性成分を吸着させることができる。
【発明の効果】
【0014】
請求項1及びこれに従属する請求項3、4記載の多孔質材を使用した食品廃棄物からの機能性成分の吸着濃縮方法においては、植物性の食品廃棄物から機能性成分を安価に、効率的に抽出し濃縮することが可能になる。そして、機能性成分の吸着により多孔質材中では機能性成分の濃縮が行なわれることにより、抽出した機能性成分の活用が容易になって、食品廃棄物の有効利用を促進することができる。
なお、機能性成分の濃縮は非加熱により行なわれるので、機能性成分の分解や変質を防止することが可能になる。また、例えば、機能性成分を吸着させた状態で多孔質材を搬送することにより、機能性成分の搬送を容易に行なうことができ、多孔質材から機能性成分を解離させることにより機能性成分を取り出すことができる。
【0015】
請求項2及びこれに従属する請求項3、4記載の多孔質材を使用した食品廃棄物からの機能性成分の吸着濃縮方法においては、植物性の食品廃棄物の種類や構成割合に応じて特定機能性成分を精度よく分離して濃縮することができ、食品廃棄物の利用を更に促進することが可能になる。
【0016】
特に、請求項3記載の多孔質材を使用した食品廃棄物からの機能性成分の吸着濃縮方法においては、多孔質材は、少なくとも100メッシュの標準篩を全通する粒度とするので、濾過液(又は特定機能性成分が溶解した溶剤)と接触する多孔質材の表面積が大きくなって、細孔内への機能性成分(又は特定機能性成分)の移動を促進することができ、短時間で機能性成分(又は特定機能性成分)の吸着を行なうことが可能になる。
【0017】
請求項4記載の多孔質材を使用した食品廃棄物からの機能性成分の吸着濃縮方法においては、多孔質材に苔虫類化石を使用するので、苔虫類化石中に存在する細孔をそのまま利用することができ、機能性成分の吸着を安価かつ容易に行なうことが可能になる。また、苔虫類化石には、有害物質が含まれないため、吸着した機能性成分を安全に活用することができる。
【0018】
請求項5、6記載の機能性飼料においては、多孔質材に吸着させる機能性成分を選定することにより、種々の用途に応じた機能性飼料を容易、かつ安価に製造することが可能になる。
【0019】
特に、請求項6記載の機能性飼料においては、食品廃棄物から取り出したα−トコフェロールで強化された無機系の機能性飼料を、容易、かつ安価に製造することが可能になり、例えば、鶏用の飼料として使用すると、卵中のα−トコフェロール含有量を向上させることが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
ここで、図1は本発明の第1の実施の形態に係る多孔質材を使用した食品廃棄物からの機能性成分の吸着濃縮方法を適用して化石によって吸着された野菜ジュース中のカロテノイド量と上澄み層中のカロテノイド量の関係を示すグラフ、図2は懸濁液の見掛けのカロテン濃度と化石によるカロテン吸着率の関係を示すグラフ、図3は化石によって吸着された野菜ジュース中のα−トコフェロール量と上澄み層中のα−トコフェロール量の関係を示すグラフ、図4は懸濁液の見掛けのα−トコフェロール濃度と、α−トコフェロール吸着率及び溶出率との関係を示すグラフ、図5は水溶液のビタミンC濃度とビタミンC吸着率の関係を示すグラフ、図6は野菜屑に含まれる機能性成分を抽出した抽出液から化石に吸着されたカロテノイド量と上澄み層中のカロテノイド量の関係を示すグラフ、図7はヘキサン中のカロテン濃度と化石によるカロテン吸着率の関係を示すグラフ、図8は野菜屑に含まれる機能性成分を抽出した抽出液から化石に吸着されたα−トコフェロール量と上澄み層中のα−トコフェロール量の関係を示すグラフ、図9はヘキサン中のα−トコフェロール濃度とα−トコフェロール吸着率及び溶出率との関係を示すグラフである。
【0021】
先ず、本発明の第1の実施の形態に係る多孔質材を使用した食品廃棄物からの機能性成分の吸着濃縮方法について説明する。
植物性の食品廃棄物の一例である野菜屑に水を加え、ミキサー又は食品用ホモゲナイザー等の微砕装置を用いて野菜屑を微砕して野菜−水系の流動物を調製した。次いで、流動物を、例えば、濾布等の濾過材を用いて濾過し、濾過液(以下、単に野菜ジュースという)を作製した(以上、第1工程)。
続いて、野菜ジュースを、例えば、10、20、及び30ミリリットルずつ容器内に入れ、粒状の多孔質材の一例である少なくとも100メッシュの標準篩を全通する粒度の苔虫類化石(以下、単に化石という)を5gずつ各容器内に加えて振とう機にセットし、所定時間、例えば、5分間撹拌混合して化石中の細孔内に機能性成分を吸着させた(以上、第2工程)。
そして、撹拌混合終了後、各容器を遠心分離機にセットし、遠心分離を行なって化石を沈降させて上澄み層と化石層を形成した。次いで、各容器毎に上澄み層及び化石層からそれぞれ分析用のサンプルを採取し、機能性成分の定量分析を行なった。
【0022】
1.野菜ジュース中のカロテノイド(ビタミンA)の化石への吸着性の調査
上澄み層及び化石層からそれぞれサンプリングしたサンプル中のカロテノイドを高速液体クロマトグラフィーを用いて定量分析し、上澄み層中のカロテノイド量及び化石中のカロテノイド量をそれぞれ算出した。その結果を、図1に示す。なお、カロテノイドの分析は、五訂日本食品標準成分分析マニュアルに準じて行なった。
図1に示すように、全ての化石中からカロテノイドが検出され、カロテノイドが化石の細孔内に吸着することが確認できた。
【0023】
野菜ジュース量10ミリリットルに対して化石5gを加えて撹拌混合した場合、野菜ジュース中のカロテノイドは全て化石の細孔内に吸着した。また、野菜ジュース量20及び30ミリリットルに対して化石5gを加えて撹拌混合した場合、上澄み層中にはカロテノイドが残存し、上澄み層中のカロテノイド量は野菜ジュース量が多くなる程大きくなること、化石中のカロテノイド量は野菜ジュース量に依存せず実質的に同一であることから、化石のカロテノイド吸着量には上限値が存在することが確認でき、所定量の野菜ジュース中のカロテノイドを全量吸着させるには、野菜ジュース量に応じて化石の使用量を調整する必要があることが判った。
また、化石に吸着するカロテノイド量は上澄み層中のカロテノイド量より大きく、化石5gは体積で約3ミリリットルに相当するので、化石の細孔にカロテノイドを吸着させることで、カロテノイドの濃縮ができることが確認できた。なお、カロテノイドが全量吸着できた10ミリリットルの野菜ジュースの場合、カロテノイドは約3.3倍に濃縮できたことになる。
【0024】
ここで、野菜ジュース中のカロテノイド濃度と化石のカロテノイド吸着量の関係を定量的に把握するため、以下の模擬試験を行なった。
先ず、水50ミリリットル中にカロテノイドの一例であるカロテンを濃度換算でそれぞれ10〜100ppmとなるように加えて懸濁させて懸濁液を調製した。次いで、各懸濁液に化石5gを加えて5分間振とうさせて化石の細孔内にカロテンを吸着させ、遠心分離により上澄み層と化石層に分離し、上澄み層中のカロテン量を求めた。そして、懸濁液中の初期カロテン量と上澄み層中のカロテン量の差を求めて化石に吸着したカロテン量とし、化石に吸着したカロテン量を懸濁液中の初期カロテン量で除して吸着率を算出した。懸濁液の見掛けのカロテン濃度とカロテン吸着率の関係を図2に示す。
図2から、見掛けのカロテン濃度が増加しても化石のカロテン吸着率はほぼ一定となる関係が求まり、懸濁液の見掛けのカロテン濃度が大きくなると、より多くのカロテンが化石に吸着することが判る。従って、化石を用いて、カロテノイド含有量の異なる野菜ジュースからカロテノイドを安定して吸着できることが確認できた。
【0025】
2.野菜ジュース中のα−トコフェロール(ビタミンE)の化石への吸着性の調査
上澄み層及び化石層からそれぞれサンプリングしたサンプル中のα−トコフェロールを高速液体クロマトグラフィーを用いて定量分析し、上澄み層中のα−トコフェロール量及び化石に吸着したα−トコフェロール量をそれぞれ算出した。その結果を、図3に示す。
図3に示すように、全ての化石中からα−トコフェロールが検出され、α−トコフェロールが化石の細孔内に吸着することが確認できた。また、化石に吸着するα−トコフェロール量は上澄み層中のα−トコフェロール量より大きいので、化石の細孔にα−トコフェロールを吸着させることで、α−トコフェロールの濃縮ができることが判る。
なお、全ての上澄み層中にα−トコフェロールが存在するので、本試験条件では化石で野菜ジュース中の全α−トコフェロールを吸着することができず、上澄み層中のα−トコフェロール量を減少させるには、例えば、撹拌混合時間を長くしたり、使用する化石量を多くする必要があると解される。
【0026】
ここで、野菜ジュース中のα−トコフェロール濃度と化石のα−トコフェロール吸着量の関係を定量的に把握するため、以下の模擬試験を行なった。
先ず、水50ミリリットル中にα−トコフェロールを濃度換算でそれぞれ1、10、及び100ppmとなるように加えて懸濁させた懸濁液を調製した。次いで、各懸濁液に化石5gを加えて5分間振とうさせて化石の細孔内にα−トコフェロールを吸着させ、遠心分離により上澄み層と化石層に分離し、上澄み層中のα−トコフェロール量を求めた。そして、懸濁液中の初期α−トコフェロール量と上澄み層中のα−トコフェロール量の差を求めて化石に吸着したα−トコフェロール量とし、化石に吸着したα−トコフェロール量を懸濁液中の初期α−トコフェロール量で除して吸着率を算出した。懸濁液のα−トコフェロール濃度とα−トコフェロール吸着率の関係を図4に示す。
【0027】
図4から、見掛けのα−トコフェロール濃度が増加しても化石のα−トコフェロール吸着率はほぼ一定の関係が求まり、懸濁液の見掛けのα−トコフェロール濃度が大きくなると、α−トコフェロール濃度に比例して化石にα−トコフェロールが吸着することが判る。従って、化石を用いて、α−トコフェロール含有量の異なる野菜ジュースからα−トコフェロールを安定して吸着できることが確認できた。
【0028】
また、遠心分離で形成したから各化石層から化石をそれぞれ一定量サンプリングし、この化石をヘキサン中に投入し撹拌混合して細孔内に吸着したα−トコフェロールをヘキサン中に抽出し、ヘキサン中のα−トコフェロール量を定量してα−トコフェロール溶出量を求めた。そして、α−トコフェロール溶出量を吸着していたα−トコフェロール量で除して溶出率を算出した。その結果を図4に併せて示す。α−トコフェロール溶出率は懸濁液の見掛けのα−トコフェロール濃度に依存せず一定値を示し、しかも、α−トコフェロール吸着率より小さい。従って、化石の細孔に吸着したα−トコフェロールは解離し難く、化石の細孔内に安定して存在できることが確認できた。
【0029】
次いで、前記実施の形態に係る多孔質材を使用した食品廃棄物からの機能性成分の吸着濃縮方法において、濾過液として野菜ジュースの代りに市販のアロエジュースを使用した場合について説明する。
アロエジュース50ミリリットルに対して化石を5g加えて5分間撹拌混合し、水溶性ビタミンの一例であるビタミンCの化石への吸着性を調査した。なお、アロエジュース中のビタミンC含有量は5ppmと低いため、ビタミンC試薬(アスコルビン酸)を添加してビタミンC含有量を80ppmに調整した。そして、撹拌混合した後、遠心分離を行なって形成した上澄み層中のビタミンC量を求めてビタミンCの化石への吸着率を算出すると55%となった。
【0030】
また、水50ミリリットル中にビタミンCを濃度換算でそれぞれ20、100、及び200ppmとなるように加えビタミンC水溶液を調製し、各ビタミンC水溶液に化石5gを加えて5分間振とうさせて化石の細孔内にビタミンCを吸着させ、遠心分離により形成した上澄み層中のビタミンC量を求めて、化石へのビタミンC吸着率を算出した。ビタミンC水溶液のビタミンC濃度とビタミンC吸着率の関係を図5に示す。
【0031】
図5に示すように、ビタミンC濃度が増加すると、化石のビタミンC吸着率は減少する。このことから、ビタミンC含有量が多くなるとビタミンCの吸着量も増加し、化石の吸着能力が上限値に近づいてきていると解される。なお、図5から、ビタミンC濃度が80ppmのビタミンC水溶液における化石のビタミンC吸着率は57%と推定され、この値はビタミンC濃度を80ppmに調整したアロエジュースにおける化石のビタミンC吸着率とよい一致を示している。従って、水溶性のビタミンCの場合でも、アロエジュース中に含まれる他の機能性成分の干渉を受けずに、ビタミンCを効率的に化石に吸着できることが確認できた。
【0032】
続いて、本発明の第2の実施の形態に係る多孔質材を使用した食品廃棄物からの機能性成分の吸着濃縮方法について説明する。
植物性の食品廃棄物の一例である野菜屑に水を加え、微砕装置を用いて野菜−水系の流動物を調製した。次いで、流動物を、例えば、濾布等の濾過材を用いて濾過し、野菜ジュースを作製した(以上、第1工程)。次いで、野菜ジュースに、特定機能性成分の一例である脂溶性ビタミン類を選択的に溶かすヘキサン(溶剤の一例)を加えて撹拌混合し、野菜屑中の脂溶性ビタミン類をヘキサン中に溶け込ませて脂溶性ビタミン類の抽出を行なった(以上、第2工程)。続いて、脂溶性ビタミン類が溶け込んだヘキサンを野菜ジュースから分離し、分離した脂溶性ビタミン類が溶け込んだヘキサン(以下、単に抽出液という)を、例えば、10、20、及び30ミリリットルずつ各容器内に入れ、更に、化石を5g加えてから振とう機にセットし、所定時間、例えば、5分間撹拌混合して化石中の細孔内に脂溶性ビタミン類を吸着させた(以上、第3工程)。
そして、撹拌混合終了後、各容器を遠心分離機にセットし、遠心分離を行なって化石を沈降させて上澄み層と化石層を形成した。次いで、各容器毎に上澄み層及び化石層からそれぞれ分析用のサンプルを採取し、脂溶性ビタミン類の定量分析を行なった。
【0033】
1.抽出液中のカロテノイドの化石への吸着性の調査
上澄み層及び化石層からそれぞれサンプリングしたサンプルからカロテノイドを抽出して高速液体クロマトグラフィーにより定量分析を行ない、上澄み層中のカロテノイド量及び化石に吸着したカロテノイド量をそれぞれ算出した。その結果を、図6に示す。図6に示すように、抽出液量が多くなる程、化石に吸着するカロテノイド量も増加傾向にあるので、抽出液中のカロテノイドを化石の細孔に吸着できることが確認できた。
【0034】
また、化石に吸着するカロテノイド量は上澄み層中のカロテノイド量より大きいので、化石の細孔にカロテノイドを吸着させることで、カロテノイドの濃縮ができることも確認できた。但し、ヘキサンはカロテノイドに対して親和性が強いので、カロテノイド量が多くなると(すなわち、抽出液量が多くなると)化石に吸着されないでヘキサン中に残留する割合が増加し、抽出液中のカロテノイドを化石の細孔内に全て吸着させることはできないことが判った。
【0035】
ここで、抽出液中のカロテノイド濃度と化石のカロテノイド吸着量の関係を定量的に把握するため、以下の模擬試験を行なった。
先ず、ヘキサン50ミリリットル中にカロテノイドの一例であるカロテンを濃度換算でそれぞれ10〜100ppmとなるように加えて溶解させ模擬抽出液を調製した。次いで、各模擬抽出液に化石5gを加えて5分間振とうさせて化石の細孔内にカロテンを吸着させ、遠心分離により上澄み層と化石層に分離し、上澄み層中のカロテン量を求めた。そして、模擬抽出液の初期カロテン量と上澄み層中のカロテン量の差を求めて化石に吸着したカロテン量とし、化石に吸着したカロテン量を模擬抽出液中の初期カロテン量で除して吸着率を算出した。模擬抽出液のカロテン濃度とカロテン吸着率の関係を図7に示す。
図7から、模擬抽出液では、カロテン濃度の増加に伴い、化石のカロテン吸着率は100%から65%程度にまで減少した。これは、カロテン濃度の増加に伴い溶解しているカロテン量が増加し、化石の吸着能力が上限値に近づいてきたためと解される。
【0036】
2.抽出液中のα−トコフェロールの化石への吸着性の調査
上澄み層及び化石層からそれぞれサンプリングしたサンプルからα−トコフェロールを抽出して高速液体クロマトグラフィーにより定量分析を行ない、上澄み層中のα−トコフェロール量及び化石に吸着したα−トコフェロール量をそれぞれ算出した。その結果を、図8に示す。図8に示すように、抽出液量が多くなる程、化石に吸着するα−トコフェロール量も増加し、抽出液中のα−トコフェロールを化石の細孔に吸着できることが確認できた。
【0037】
また、化石に吸着するα−トコフェロール量は上澄み層中のα−トコフェロール量より大きいので、化石の細孔にα−トコフェロールを吸着させることで、α−トコフェロールの濃縮ができることも確認できた。但し、ヘキサンはα−トコフェロールに対して親和性が強いので、α−トコフェロール量が多くなると(すなわち、抽出液量が多くなると)化石に吸着されないでヘキサン中に残留する割合が増加し、抽出液中のα−トコフェロールを化石の細孔内に全て吸着させることはできないことが判った。
【0038】
ここで、抽出液中のα−トコフェロール濃度と化石のα−トコフェロール吸着量の関係を定量的に把握するため、以下の模擬試験を行なった。
先ず、ヘキサン50ミリリットル中にα−トコフェロールを濃度換算でそれぞれ1、10、及び100ppmとなるように加えて溶解させた模擬抽出液を調製した。次いで、各模擬抽出液に化石5gを加えて5分間振とうさせて化石の細孔内にα−トコフェロールを吸着させ、遠心分離により上澄み層と化石層に分離し、上澄み層中のα−トコフェロール量を求めた。そして、模擬抽出液の初期α−トコフェロール量と上澄み層中のα−トコフェロール量の差を求めて化石に吸着したα−トコフェロール量とし、化石に吸着したα−トコフェロール量を模擬抽出液中の初期α−トコフェロール量で除して吸着率を算出した。模擬抽出液のカロテン濃度とカロテン吸着率の関係を図9に示す。
【0039】
図9から、模擬抽出液では、α−トコフェロール濃度の増加に伴い、化石のα−トコフェロール吸着率は100%から50%程度にまで減少した。これは、α−トコフェロール濃度の増加に伴い溶解しているα−トコフェロール量が増加し、化石の吸着能力が上限値に近づいてきたためと解される。
但し、α−トコフェロール濃度が100倍に増加しても、化石のα−トコフェロール吸着率は50%程度までしか減少しないので、抽出液のα−トコフェロール濃度が大きくなると、より多くのα−トコフェロールが化石に吸着することが判る。このため、化石を用いて、α−トコフェロール濃度の異なる抽出液からα−トコフェロールを安定して吸着できることが確認できた。
【0040】
また、遠心分離で形成したから各化石層から化石をそれぞれ一定量採取し、この化石をヘキサン中に投入し撹拌混合して細孔内に吸着したα−トコフェロールをヘキサン中に抽出し、ヘキサン中のα−トコフェロール量を定量してα−トコフェロール溶出量を求めた。そして、α−トコフェロール溶出量を吸着していたα−トコフェロール量で除して溶出率を算出した。その結果を図9に併せて示す。α−トコフェロール溶出率は抽出液のα−トコフェロール濃度に依存せずほぼ一定値を示し、しかも、α−トコフェロール吸着率より小さい。従って、化石の細孔に吸着したα−トコフェロールは解離し難く、化石の細孔内に安定して存在できることが確認できた。
【0041】
続いて、本発明の第3の実施の形態に係る機能性飼料について説明する。
ここで、機能性飼料は、例えば、ビタミン類を含む機能性成分の一例であるα−トコフェロールを吸着させた苔虫類化石(少なくとも100メッシュの標準篩を全通する粒度になるように破砕して調製したもの)とすることができる。苔虫類化石の主成分は炭酸カルシウムなので、苔虫類化石の細孔内にα−トコフェロールを吸着させることにより、カルシウムとα−トコフェロールを同時に与えることができる。
【0042】
なお、苔虫類化石中の細孔内にα−トコフェロールを吸着させるには、野菜屑に水を加え微砕して調製した流動物の濾過液(野菜ジュース)に溶剤の一例であるヘキサンを加え撹拌混合して脂溶性の機能性成分をヘキサン中に溶解させて抽出させ、脂溶性の機能性成分か溶解したヘキサンを分離し、これに苔虫類化石を加え撹拌混合することにより行なうことが好ましい。ヘキサンは脂溶性溶剤なので、脂溶性ビタミンであるα−トコフェロールを効率的に野菜ジュースから抽出することができ、脂溶性の機能性成分か溶解したヘキサンに化石を加えることにより、化石にα−トコフェロールを効率的に吸着させることができる。
【実施例】
【0043】
次に、本発明の作用効果を確認するために行った実施例について説明する。
苔虫類化石の粒度を、少なくとも100メッシュの標準篩を全通するように調製した。そして、ヘキサン中にα−トコフェロールを溶解させた模擬抽出液を調製し、この模擬抽出液を撹拌容器に入れ、更に苔虫類化石を加えて撹拌混合することにより、苔虫類化石の細孔内に機能性成分を吸着させた。撹拌混合後、撹拌容器を遠心分離機にセットして、遠心分離により、苔虫類化石を分離して回収した。なお、苔虫類化石に吸着しているα−トコフェロール量は3.2mg/gであった。そして、回収した苔虫類化石中に含有されているヘキサンを、減圧下で保持して完全に除去して、α−トコフェロールを含有する機能性飼料を作製した。
【0044】
得られた機能性飼料を、採卵鶏のカルシウム要求量が3.4%になるように、25週齢の供試鶏(ボリスブラウン)10羽にそれぞれ14日間給与し、給与期間中、毎日産卵調査を行なって産卵日量を求め、7日毎に採血と採卵を行なった。
また、比較例として、同一のカルシウム要求量となるようにゼオライトで希釈した炭酸カルシウムを、25週齢の比較鶏(ボリスブラウン)10羽にそれぞれ14日間給与し、給与期間中、毎日産卵調査を行なって産卵日量を求め、7日毎に採血と採卵を行なった。そして、採血から血漿一般成分及び血漿中のα−トコフェロール量を測定し、採卵から産卵率、卵重、卵質、及び全卵中のα−トコフェロール量を求めた。
【0045】
産卵率及び卵重の調査から、本機能性飼料の生産性への影響を調査した。図10、図11に産卵率及び卵重の平均値の比較を示す。また、図10、図11には、危険率5%の標準誤差(図では、平均値に対して片側のみ記載)を併記している。図10に示すように、産卵率には有意な差は認められなかった。一方、図11に示すように、14日目の卵重においては、実施例で有意に重くなった。
【0046】
血漿一般成分としてカルシウムの含有量変化、及び血漿中のα−トコフェロール含有量をそれぞれ測定し、血液成分への影響を調査した。図12、図13に、給与期間におけるカルシウム含有量、α−トコフェロール含有量の各平均値の変化をそれぞれ示す。図12に示すように、カルシウム含有量の平均値の変化には有意な差は認められなかった。一方、図13に示すように、α−トコフェロール含有量は、給与日数の増加に伴い著しく増加(7日目で約20倍、14日目で約30倍)していくことが確認できた。
【0047】
卵質への影響を調査するためとして、ハウユニット(白身の盛り上がりの高さを表示する尺度)及び卵殻強度をそれぞれ測定した。その結果を図14、図15に示す。図から判るように、ハウユニット及び卵殻強度の各平均値には有意な差は認められなかった。
また、全卵中のα−トコフェロール量の測定から、本機能性飼料が及ぼす全卵中のα−トコフェロール含有量への影響を調査した。その結果を図16に示す。また、図16には、危険率1%の標準誤差(図では、平均値に対して片側のみ記載)を併記している。図16に示すように、実施例では7日目及び14日目における全卵中のα−トコフェロール含有量は比較例に比べて有意に高くなっている。
【0048】
このことから、機能性飼料が鶏の体内に入ると、飼料本体に吸着したα−トコフェロールは飼料本体から解離し、鶏体内に吸収されることが確認できた。そして、鶏体内に吸収されたα−トコフェロールは産卵される卵に移行することも確認できた。従って、苔虫類化石から調製した飼料本体にα−トコフェロールを吸着させた機能性飼料を使用することで、α−トコフェロールの含有量が高い卵を効率的に生産できることが確認できた。
【0049】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲での変更は可能であり、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組み合わせて本発明の多孔質材を使用した食品廃棄物からの機能性成分の吸着濃縮方法及びそれを利用した機能性飼料を構成する場合も本発明の権利範囲に含まれる。
例えば、多孔質材として苔虫類化石を使用したが、珪藻土等の他の多孔質化石や天然の無機多孔質材を使用することもできる。更に、活性炭等の人工の多孔質材を使用してもよい。また、植物性の食品廃棄物として野菜屑の代りに果実屑を使用することもでき、この場合はビタミン類に加えて糖類も吸着させることができる。
苔虫類化石中の細孔内にα−トコフェロールを吸着させる場合、野菜ジュースにヘキサンを加えて脂溶性の機能性成分を予備抽出し、野菜ジュースから分離した脂溶性の機能性成分を溶解させたヘキサン(抽出液)に苔虫類化石を加えて撹拌混合したが、野菜ジュース中に苔虫類化石を直接加えて撹拌混合してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る多孔質材を使用した食品廃棄物からの機能性成分の吸着濃縮方法を適用して化石によって吸着された野菜ジュース中のカロテノイド量と上澄み層中のカロテノイド量の関係を示すグラフである。
【図2】懸濁液の見掛けのカロテン濃度と化石によるカロテン吸着率の関係を示すグラフである。
【図3】化石によって吸着された野菜ジュース中のα−トコフェロール量と上澄み層中のα−トコフェロール量の関係を示すグラフである。
【図4】懸濁液の見掛けのα−トコフェロール濃度と、α−トコフェロール吸着率及び溶出率との関係を示すグラフである。
【図5】水溶液のビタミンC濃度とビタミンC吸着率の関係を示すグラフである。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る多孔質材を使用した食品廃棄物からの機能性成分の吸着濃縮方法を適用して野菜屑に含まれる機能性成分を抽出した抽出液から化石に吸着されたカロテノイド量と上澄み層中のカロテノイド量の関係を示すグラフである。
【図7】ヘキサン中のカロテン濃度と化石によるカロテン吸着率の関係を示すグラフである。
【図8】野菜屑に含まれる機能性成分を抽出した抽出液から化石に吸着されたα−トコフェロール量と上澄み層中のα−トコフェロール量の関係を示すグラフである。
【図9】ヘキサン中のα−トコフェロール濃度とα−トコフェロール吸着率及び溶出率との関係を示すグラフである。
【図10】実施例における機能性飼料の給与日数と産卵率の関係を示すグラフである。
【図11】実施例における機能性飼料の給与日数と卵重の関係を示すグラフである。
【図12】実施例における機能性飼料の給与日数と血漿中のカルシウム含有量の関係を示すグラフである。
【図13】実施例における機能性飼料の給与日数と血漿中のα−トコフェロール含有量の関係を示すグラフである。
【図14】実施例における機能性飼料の給与日数とハウユニットの関係を示すグラフである。
【図15】実施例における機能性飼料の給与日数と卵殻強度の関係を示すグラフである。
【図16】実施例における機能性飼料の給与日数と全卵中のα−トコフェロール含有量の関係を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物性の食品廃棄物に水を加え微砕して流動物を調製し、該流動物を濾過して濾過液を作製する第1工程と、
前記濾過液中に粒状の多孔質材を加えて撹拌混合し、該濾過液中に含まれるビタミン類及び糖類のいずれか一方又は双方を含有する機能性成分を該多孔質材の細孔内に吸着させる第2工程とを有することを特徴とする多孔質材を使用した食品廃棄物からの機能性成分の吸着濃縮方法。
【請求項2】
食品廃棄物に水を加え微砕して流動物を調製し、該流動物を濾過して濾過液を作製する第1工程と、
前記濾過液中に含まれるビタミン類及び糖類のいずれか一方又は双方を含有する機能性成分の中の特定機能性成分を選択的に溶かす溶剤を前記濾過液に加えて撹拌混合し、該特定機能性成分を該溶剤中に溶け込ませる第2工程と、
前記特定機能性成分が溶解した溶剤を前記濾過液から分離し、該特定機能性成分が溶解した溶剤に粒状の多孔質材を加えて撹拌混合し、該特定機能性成分を該多孔質材の細孔内に吸着させる第3工程とを有することを特徴とする多孔質材を使用した食品廃棄物からの機能性成分の吸着濃縮方法。
【請求項3】
請求項1及び2のいずれか1項に記載の多孔質材を使用した食品廃棄物からの機能性成分の吸着濃縮方法において、前記多孔質材は、少なくとも100メッシュの標準篩を全通する粒度であることを特徴とする多孔質材を使用した食品廃棄物からの機能性成分の吸着濃縮方法。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の多孔質材を使用した食品廃棄物からの機能性成分の吸着濃縮方法において、前記多孔質材は苔虫類化石であることを特徴とする多孔質材を使用した食品廃棄物からの機能性成分の吸着濃縮方法。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の多孔質材を使用した食品廃棄物からの機能性成分の吸着濃縮方法により製造され機能性成分を吸着させた多孔質材を含むことを特徴とする機能性飼料。
【請求項6】
請求項5記載の機能性飼料において、前記多孔質材は少なくとも100メッシュの標準篩を全通する粒度に調製された苔虫類化石で、前記機能性成分はα−トコフェロールであることを特徴とする機能性飼料。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2007−68491(P2007−68491A)
【公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−261090(P2005−261090)
【出願日】平成17年9月8日(2005.9.8)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 2005年3月20日 社団法人日本畜産学会発行の「日本畜産学会 第104回大会 講演要旨」に発表
【出願人】(000205627)大阪府 (238)
【出願人】(502059342)株式会社堀木工所 (1)
【Fターム(参考)】