説明

多層シート及びその製造方法

少なくとも1つの第1の層A及び少なくとも1つの第2の層Bを含有し、その際層Aは熱可塑性ポリエステルを、そして層Bは熱可塑性デンプンを含有する、特に包装目的のための、多層シートが説明されかつ記載される。本発明による多層シートは、優れたバリヤー特性、少ない湿分感受性並びに良好な機械的強度により優れている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも2つの層A及びBを含有する、多層シート、特に包装目的のための多層シートに関する。本発明は更に、多層シートの製造方法並びにここから製造された包装材料に関する。
【0002】
導入部で挙げられた種類の多層シートは一般的に公知であり、例えば、食料及び他の物品の包装のために使用される。酸素感受性の食料の包装のためには更に、このシートは少ない酸素透過度を有することが必要である。この種のシートは、「バリヤーシート」とも呼称される。これらは例えば、新鮮な肉又は果物及び野菜の包装の際に使用され、これらの長持ち性は、ガスバリヤー、特に酸素−及び/又は水蒸気バリヤーの目的を定めた調製により、顕著に延長化されることができる。今日この包装産業において使用されるバリヤーシートのこの極めて圧倒的な部分は、石油化学的なベースで獲得されるプラスチックからなる。
【0003】
経済的及び環境学的な検討からは、再生性の原料から製造される、かつ/又は生分解可能である、適したシートに対する要求がますます存在する。
【0004】
本発明に基づく課題は、従って、良好なバリヤー特性を有し、かつ、再生性の原料から製造される、及び/又は生分解可能である、導入部で挙げた種類の多層シートを提供することである。更に、このシートは、十分な機械的強度を有し、更には、湿分非感受性及び安価であり、かつ、適用に応じて良好な透明度を有するものである。
【0005】
この課題は、本発明により、少なくとも1つの第1の層A及び少なくとも1つの第2の層Bを含有し、その際層Aは少なくとも1つの熱可塑性ポリエステルを、そして層Bは熱可塑性デンプンを含有する、特に包装目的のための、多層シートにより解決される。
【0006】
本発明の有利な実施態様は、下位請求項中に記載されている。
【0007】
本発明の多層シートの実質的な特徴部は、その層構造が一方で熱可塑性ポリエステル(層A)を、そして他方で熱可塑性デンプン(層B)を含有することである。意外にも、この材料組み合わせを含有する多層シートが、包装シートとして顕著に良好な特性を有することが確認された。
【0008】
本発明によるシールは、優れたバリヤー特性により優れ、かつ、特に少ない酸素−及び二酸化炭素透過性を有する。このシートは更に、傑出した機械的強度並びに少ない湿分感受性を有する。所望される場合には、本発明の層構造を用いて更に、傑出した透明度を有する高度に引張可能なシートが製造される。
【0009】
本発明による多層シートは、傑出した機械的強度に優れ、かつ、傑出して、包装の製造のために加工される。従って、本発明による層構造を用いて例えば、DIN 53455に応じた、10〜40N/mm2、特に15〜30N/mm2の範囲内の引張強さが達成される。
【0010】
本発明による多層シートは、更に、優れたバリヤー特性により優れている。従って、本発明による多層シートは、有利には、23℃、50%相対湿度、及び400μmのシート厚で、ASTM F 1927-98に応じた、1〜50cm3/m2 d、特に1.5〜20cm3/m2 d、更には、特に2〜20cm3/m2 dの酸素透過度を有する。更には、本発明による多層シートは、有利には、23℃、75相対湿度、及び400μmのシート厚で、ASTM F 1249に応じた、1〜100cm3/m2 d、特に2〜10cm3/m2 dの水蒸気透過度を有する。最後に、本発明による多層シートは、有利には、23℃、50相対湿度、及び400μmのシート厚で、ASTM D 1434に応じた、0.5〜5cm3/m2 d、特に1〜2.5cm3/m2 dの二酸化炭素透過度を有する。この前述のバリヤー特性に基づき、本発明による多層シートは、傑出して、包装目的のためのバリヤーシートとして適する。
【0011】
本発明による多層シートは、任意の厚さを有することができ、その際、このシートの厚さは、決定的に、意図される適用目的及び所望されるシート特性に依存する。包装目的のためには、このシートは有利には、全体の厚さ10〜2000μm、特に100〜2000μm、更により有利には200〜800μmを有し、その際この個々のシートは有利にはそのつど5〜1000μm、特に10〜1000μm、有利には20〜700μm、更に有利には10〜700μmの厚さを有する。多層ベースのブローシートは、有利には全体の厚さ30〜100μmを有する。
【0012】
本発明による多層シートから製造される包装は、任意の厚さを有することができる。本発明による多層シートから製造されたシェルは、食料の包装のために、有利には全体の厚さ350〜400μmを有し、この相応するカバーシートは有利には30〜100μmの厚さを有する。
【0013】
本発明による多層シートは少なくとも1つの層A及び少なくとも1つの層Bを有する。更に、本発明によるシートは、任意の更なる層を含有することができる。本発明の特に有利な一実施態様によれば、本発明の多層シートは、少なくとも2つの層A並びに層Bを含有し、その際層Bは有利には、両方の層Aの間に配置されている。そのような多層シートは、以下の層構造を有する:層A−層B−層A。
【0014】
このような層構造では、層Aは、層Bに直接的に隣接している。しかしながら、1つ又は複数の更なる層が、中間層として備えられていることもでき、これは例えば、1つ又は複数の付着促進剤層Hである。この種の付着促進剤層Hは、当業者には公知であり、かつ、有利にはブロックコポリマーからなる。付着促進剤層Hは、その平面の側で、有利には直接的に層Aに隣接し、かつ、その別の平面の側で、直接的に層Bに隣接しており、かつ、層AとBとの間での付着の改善のために用いられる。付着促進剤層を含有する本発明による多層シートのための例として、以下の層構造が挙げられることができる:層A−付着促進剤層H−層B−付着促進剤層H−層A。
【0015】
意図される適用目的に応じて、このシートはまだ更なる層A及び/又は層Bを含有することができる。可能性があるのは、例えば、以下の層構造を有する多層シートでもある:層A−層B−層A−層B−層A。この2倍に備えられた層Bのために、このようなシートはなお更に改善されたバリヤー特性を有する。個々の層の間には更に、付着促進剤層Hが配置されていることができる。
【0016】
本発明により、多層シートの層Aが少なくとも1つの熱可塑性ポリエステルを含有することが予定されている。熱可塑性ポリエステルの選択はこの際限定的でない。脂肪族のまた同様に芳香族のポリエステル並びにそのコポリマー及び/又は混合物が考慮される。
【0017】
熱可塑性ポリエステルは一般的に公知であり、例えばOberbach et al . "Saechtling Kunststoff Taschenbuch", 第29版., Hanser-Verlag, Muenchen (2004)中に記載されている。
【0018】
本発明の有利な一実施態様によれば、層A中に含有される熱可塑性ポリエステルとは、EN 13432に応じて生分解可能な熱可塑性ポリエステルである。
【0019】
特に、この熱可塑性ポリエステルとは、1個又は数個のヒドロキシカルボン酸を基礎とする生体高分子であることができる。
【0020】
本発明により特に適した熱可塑性ポリエステルは、ポリ[ヒドロキシアルカノアート](PHA)、ポリ[アルキレンスクシナート](PAS)、例えばポリ[ブチレンスクシナート](PBS)、ポリ[アルキレンテレフタラート](PAT)、例えばポリ[エチレンテレフタラート](PET)、脂肪族−芳香族コポリエステル及び/又はポリ[p−ジオキサノン](PPDO)並びにこのコポリマー及び混合物である。また、バイオプロパンジオール(Bio-PDO)ポリエステルが単独で又は別の熱可塑性ポリエステルと組み合わせて使用されることが考慮できる。
【0021】
本発明の特に有利な一実施態様によれば、層Aは少なくとも1つのポリ[ヒドロキシアルカノアート](PHA)を熱可塑性ポリエステルとして含有する。適したポリ[ヒドロキシアルカノアート]のための例は、ポリ[ヒドロキシエタノアート]、例えばポリグリコール酸(PGA)、ポリ[ヒドロキシプロパノアート]、例えばポリ乳酸又はポリラクチド(PLA)、ポリ[ヒドロキシブタノアート]、例えばポリヒドロキシ酪酸(PHB)、ポリ[ヒドロキシペンタノアート]、例えばポリヒドロキシバレラート(PHV)及び/又はポリ[ヒドロキシヘキサノアート]、例えばポリカプロラクトン(PCL)並びにこのコポリマー及び混合物である。
【0022】
本発明により特に適した熱可塑性ポリエステルは、ポリ乳酸又はポリラクチド(PLA)である。PLAは、生分解可能なポリエステルであり、これは、多工程の合成を介して糖から製造されることができる。この際、糖は乳酸へと発酵され、かつ、これは通常は、ジラクチドからPLAへの中間工程を介して重合される。PLAは、透明な、結晶性の、柔軟性のない物質であり、高い機械的強度を有し、かつ、市販の熱可塑性の方法を用いて加工されることができる。PLAをベースとする適したポリマーは、例えば刊行物US 6 312 823, US 5 142 023, US 5 274 059, US 5 274 073, US 5 258 488, US 5 357 035, US 5 338 822及びUS 5 359 026中に記載されている。本発明により、PLAは、未使用の材料としても、また同様に、リサイクル物の形態でも使用されることができる。
【0023】
更に特に適した熱可塑性ポリエステルは、ポリヒドロキシ酪酸(PHB)である。PHBは、自然において数々の細菌により、貯蔵−及び保存物質として形成される。これに応じて、PHBの技術的な製造が細菌により行われることができる。PHBをベースとする適したポリマーは、例えば、刊行物US 4 393 167, US 4 880 592及びUS 5 391 423中に記載されている。
【0024】
本発明の層Aのための材料として、特に、刊行物US 6 312 823中に記載される「脂肪族−ポリエステルポリマー」が考慮され、この記載は明らかに引用により取り込まれ、かつ、本出願の開示の主題へと構成される。
【0025】
前述の熱可塑性ポリエステルの適したコポリマー又は混合物は例えば、ポリカプロラクトン/ポリブチレンスクシナート混合物又は−コポリマー(PCL/PBS)、ポリヒドロキシ酪酸/ポリヒドロキシバレラートコポリマー(PHB/PHV)、ポリヒドロキシブチラートバレラート(PHBV)、ポリブチレンスクシナート/ポリブチレンアジパート混合物又は−コポリマー(PBS/PBA)、ポリエチレンテレフタラート/ポリエチレンスクシナートコポリマー(PET/PES)及び/又はポリブチレンテレフタラート/ポリブチレンアジパートコポリマー(PBT/PBA)である。
【0026】
層Aは、熱可塑性ポリエステルの他に、なお更なる成分を含有することができる。特に、層Aは、様々なポリマーの混合物からなることができる。層Aは更に、慣用の助剤、例えば加工助剤、可塑剤、安定剤、難燃剤及び/又は充填剤を含有することができる。更に、層Aには、付着促進剤が添加されることができ、これは特に、層AとBの間での付着の改善に用いられることができる。有利には、層Aは、熱可塑性ポリエステルを、層Aの全体の質量に対して、少なくとも20質量%、特に少なくとも30質量%又は少なくとも40質量%の量で、更により有利には少なくとも50質量%又は少なくとも60質量%の量で、更により有利には少なくとも80質量%、最も有利には少なくとも90質量%又は少なくとも95質量%の量で含有する。更に有利には、層Aは、熱可塑性ポリエステルから実質的になる。
【0027】
本発明により使用可能な加工助剤は、当業者に一般的に公知である。原則的にこの際、使用されるポリマーの加工挙動、特に押出機中での流動挙動を改善するのに適している全ての加工助剤が考慮される。
【0028】
本発明により特に適した加工助剤は、ポリマー骨格(Backbone)を有するポリマーであり、これは、反応基でもって官能化又は修飾されている。この種のポリマーは、「官能化されたポリマー」とも呼称される。本発明により使用される加工助剤は有利には、200000までの、特に100000までの分子量を有する。
【0029】
加工助剤のためのポリマー骨格(Backbone)として、多層シートの少なくとも1つの層(例えば層A)からの少なくとも1種のポリマー成分(例えばPLA)と混合可能である、原則的に全てのポリマーが考慮される。加工助剤のための可能性のあるポリマー骨格は、例えばエチレンビニルアセタート(EVA)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレンアクリラート、ポリエステル(例えばPLA)並びにその混合物及び/又はコポリマー(例えばポリエチレン−メチルアクリラート−コポリマー又はポリエチレン−ブチルアクリラート−コポリマー)である。
【0030】
本発明により使用される加工助剤のための反応性基として、多層シートの少なくとも1つの層(例えば層B)からの少なくとも1種のポリマー成分(例えばTPS)と化学的に反応するために適している、原則的に全ての反応性基が考慮される。適している反応性基は、例えば、マレイン酸無水物及び/又は適したカルボン酸又はジカルボン酸又は他の多塩基性酸の他の無水物である。
【0031】
有利には、ポリマー骨格(Backbone)は、加工助剤の全体の組成に対して0.01〜7質量%、特に0.1〜5質量%、更に有利には0.3〜4質量%の量の反応性基で修飾されている。有利には、反応性基は、ポリマー骨格(Backbone)に対してグラフトされている。
【0032】
この種の加工助剤は例えば、商品名Lotader(R) 及びOrevac(R) (Arkema Inc., USA), Fusabond(R), Biomax strong(R) 及びBynel(R) (DuPont, USA) 及びPlexar(R) (Equistar Chemical Company, USA)で市販されている。
【0033】
加工助剤は有利には、このそれぞれの層の全体の組成に対して、5質量%までの、特に0.01〜2質量%、更に有利には0.1〜1.5質量%、更により有利には0.2〜1質量%、最も有利には1質量%未満の量で使用される。
本発明の特に有利な一実施態様によれば、層Aのための加工助剤として、エチレンベースの無水マレイン酸−修飾されたポリマー、特に無水マレイン酸修飾されたポリエチレン−アルキルアクリラート−コポリマーが使用される。
【0034】
本発明により、挙げられた加工助剤の使用により、使用されるポリマーの加工性(押出機中での流動挙動、この溶融物の均質性)が改善されるのみならず、層の間での著しく改善された付着結合性(Haftverbund)も達成されることができることが確認された。
【0035】
本発明により、多層シートの層Bが、熱可塑性デンプンを含有することが更に予定されている。
【0036】
熱可塑性デンプン又は熱可塑性に加工可能なデンプン(TPS)は、一般的に公知でありかつ例えば刊行物EP 0 397 819 B1, WO 91/16375 A1, EP 0 537 657 B1 及び EP 0 702 698 B1中に詳細に記載されている。熱可塑性デンプンは、市場占有率約80パーセントでもって、最も重要かつ最も使用される、生体プラスチックの代表物を構成する。熱可塑性デンプンは一般的には、天然デンプン、例えばジャガイモデンプンから製造される。天然デンプンを熱可塑性に加工可能にするために、ここに可塑化剤、例えばソルビトール及び/又はグリセリンが添加される。熱可塑性デンプンは、この熱可塑性デンプンの全質量に対して、有利には6質量%よりも少ない、少ない水含有量により優れている。更に、熱可塑性デンプンは、その有利には実質的に無定形の構造により優れている。
【0037】
本発明の有利な一実施態様によれば、層Bは、少なくとも部分的に、デンプンの全体の組成に対して6質量%より少ない、有利には4質量%より少ない、特に3質量%より少ない水含有量を有する熱可塑性に加工可能なデンプンから出発することにより得られる。
【0038】
この記載された水含有量(<6質量%)を有する熱可塑性に加工可能なデンプンの使用の際には、押出機中での改善された流動挙動並びに層中での減少されたマイクロバブル形成が達成されることができることが確認された。
【0039】
有利には、この使用される熱可塑性に加工可能なデンプンは、しかしながら、少なくとも1質量%、特に少なくとも1.5質量%の水含有量を有し、というのは、これは、そうでないと容易に、熱に条件付けられた酸化プロセスを生じ、かつ従って、生成物の不所望な変色を伴って生じることができるからである。逆に、約6質量%よりも大きな水含有量では、容易に、増加されたマイクロバブル形成が生じることができ、これは同様に不所望である。
【0040】
層B中に含有される熱可塑性デンプンは、有利には、前記熱可塑性デンプンから製造されるシートが、DIN 53455に応じた引張強さ2〜10N/mm2、特に4〜8N/mm2、及び/又は、DIN 53455に応じた破断点伸び80〜200%、特に120〜180%を有することにより特徴付けられている。
【0041】
本発明の更なる有利な一実施態様によれば、この熱可塑性デンプンは、(a)デンプン及び/又はデンプン誘導体と少なくとも15質量%の可塑剤、例えばグリセリン及び/又はソルビトールとの混合、(b)熱的及び/又は機械的エネルギーの供給及び(c)このデンプン又はデンプン誘導体の天然の水含有量の、6質量%未満の水含有量への少なくとも部分的な除去により得られる。
【0042】
層Bは、熱可塑性デンプンの他に、なお更なる成分を含有することができる。特に、層Bは、様々なポリマーの混合物からなることができる。層Bは更に、慣用の助剤、例えば、層Aのために上で挙げたように、可塑剤、加工助剤、安定剤、難燃剤及び/又は充填剤を含有することができる。特に層Bは、適した加工助剤を含有することができ、これは例えば、層Aとの関連において詳細に上で記載されている。更に、層Bには、付着促進剤が添加されることができ、これは特に、層BとAの間での付着の改善のために用いられることができる。
【0043】
有利には、層Bは、熱可塑性デンプンを、層Bの全質量に対して、少なくとも20質量%、特に少なくとも30質量%又は少なくとも40質量%の量で、更により有利には少なくとも50質量%又は少なくとも60質量%の量で、更により有利には少なくとも80質量%、最も有利には少なくとも90質量%又は少なくとも95質量%の量で含有する。更に有利には、層Bは、熱可塑性デンプンから実質的になる。
【0044】
本発明の一実施態様によれば、層Aもまた同様に層Bも実質的に熱可塑性ポリエステル又は熱可塑性デンプンからなる。
【0045】
更に有利には層Bは実質的に、熱可塑性デンプン及び少なくとも1つの更なる熱可塑性材料、特に熱可塑性ポリエステルを含有するポリマーブレンドからなる。更なる熱可塑性材料として、特に、生分解性ポリマー、例えばポリエステル、ポリエステルアミド、ポリエステルウレタン及び/又はポリビニルアルコールが添加されることができる。この更なる熱可塑性材料、特に熱可塑性ポリエステルは、ポリマーブレンド中で更に、この多層シートのリサイクル物の形態で含有されていることができる。従って、この層Bを熱可塑性デンプン及び特定の割合の、多層シートのリサイクル物から製造することが可能であり、その際このリサイクル物は例えば、本発明によるシートの製造の際に生じる切断残分から獲得されることができる。この更なる熱可塑性材料、特に熱可塑性ポリエステルは、ポリマーブレンド中で、ポリマーブレンドの全質量に対して、有利には1〜80質量%、特に5〜30質量%の量で含有されている。
【0046】
本発明により特に有利な多層シートは、A−B−Aのタイプの3層シートであり、その際層Aは、PHA(特にPLA)を基礎とするポリマーから、そして、層Bは、熱可塑性デンプンを基礎とするポリマー(又は熱可塑性デンプンを含有するポリマーブレンド)からなる。
【0047】
本発明による多層シートの製造は、任意の製造方法、例えばカレンダー処理、押出又はキャスティングによっても行われることができる。この種の製造方法は当業者に一般的に公知であり、かつ例えばJ. Nentwig "Kunststoff-Folien", 第2版, Hanser Verlag, Berlin (2000), 39〜63ページ中に記載されている。
【0048】
有利には、本発明による多層シートは、押出により、特にブローシート押出、平面シート押出(Flachfolienextrusion)、キャスト−シート−押出及び/又はブロー成形により形成される。この製造方法は、当業者に一般的に公知である。この製造方法の詳細な記載は、例えば、J.Nentwig "Kunststoff-Folien", 第2版, Hanser Verlag, Berlin (2000), 5. 45〜60頁中に見出され、この記載は明らかに引用により取り込まれ、かつ、本願の開示の主題へと構成される。ここに記載される製造例は、本発明の多層シートの製造にも転用可能である。この際、個々のまた同様に全ての、シートの層が押出により形成されることができる。有利には、このシートの全ての層が、押出により形成される。
【0049】
本発明の特に有利な一実施態様によれば、この本発明による多層シートは、共押出により形成される。この種の共押出−又は多層押出方法は当業者に一般的に公知である。この共押出方法の記載は、例えば、J.Nentwig "Kunststoff-Folien", 第2版, Hanser Verlag, Berlin (2000), 58〜60頁中に見出され、この記載は明らかに引用により取り込まれ、かつ、本願の開示の主題へと構成される。ここに記載される製造例は、本発明の多層シートの製造にも転用可能である。
【0050】
これに応じて、本発明は更に、多層シートの製造方法に関し、その際この多層シートは、少なくとも1つの層A、少なくとも1つの層B、並びに場合により更なる層、特に場合により少なくとも1つの更なる層Aを含有し、以下の工程により特徴付けられる:
(a)少なくとも1つの熱可塑性ポリエステルを含有する材料をシートに押出、これにより、少なくとも1つの層Aが形成される、
(b)熱可塑性に加工可能なデンプンを含有する材料をシートに押出、これにより、少なくとも1つの層Bが形成される、及び
(c)少なくとも部分的な、この個々の層の平面的な結合、これにより、多層シートが形成される。
【0051】
この個々の方法工程(a)〜(c)は有利には同時に共押出方法において実施され、特にブローシート押出、平面シート押出、キャスト−シート−押出及び/又はブロー成形により実施される。
【0052】
その製造後に、多層シートは、適用目的に応じて、所望の寸法を有する部分に切断される。切断の際に生じる切断残分は少なくとも部分的に、工程(b)において層Bの押出のための材料に供給されることができ、かつ従ってリサイクル物として使用される。
【0053】
最後に、本発明は、食料品のための、特に新鮮な肉、チーズ、新鮮な果物又は野菜、パン菓子、飲料及び/又はコーヒーのための、本発明の多層シートを含有する包装に関する。
【0054】
以下において、本発明を、実施例に基づきより詳細に記載する。
【0055】
唯一の図は、層構造、タイプA−B−Aを有する本発明による多層シートの断面図を例示的に示す。
【0056】
実施例1
中間層(層B)のための熱可塑性デンプンの製造
天然のジャガイモデンプン(63質量%)、グリセリン(23質量%)及びソルビトール(14質量%)からなる混合物を二軸押出機中に充填した。この混合物を押出機中で温度範囲130〜160℃で強力に混合し、その際この溶融物を同時に脱ガスしてこの混合物から水を取り出した。この結果、均質な溶融物が生じ、これは注ぎ出しかつ造粒化されることができる。この記載される様式で均質化された、熱可塑性に加工可能な材料の水含有量は、3〜4質量%である。
【0057】
この天然のデンプンとグリセリン及びソルビトールとの混合及び均質化により、このデンプンの結晶性の構造が割られ、この結果生じる熱可塑性デンプンは十分に無定形で存在する。これとは異なり、天然のデンプンから例えば水中での加熱により製造されることができる脱構造された(destrukturieren)デンプンはまだなお所定の結晶性を有する。
【0058】
実施例2
三層シート(平面シート)の製造
ポリ乳酸(PLA)/熱可塑性デンプン(TPS)/PLAからなる三層シート(A−B−A)が製造された。デンプンとして実施例1で製造された、水含有量3〜4質量%を有する熱可塑性グリセリン/ソルビトール−デンプンを使用した。この使用したポリ乳酸(PLA顆粒、 Nature Works)は、D割合1.4%を有した。
【0059】
この両方の材料(PLA及びTPS)を同時に共押出装置を用いて三層シートにした。このために、TPSをL/D比33を有する一軸押出機中で温度範囲140〜190℃で溶融させた。この押出機は、100rpmの回転数で運転し、かつ、流量25kg/hで、材料圧力130barを生じた。これに並行して、第2の一軸押出機(L/D=30、温度200℃、回転数200rpm、質量圧力100bar、流量10kg/h)中で、PLAを溶融させた(溶融温度177℃)。この両方の溶融物をCoexアダプタ中で一緒にし、その際PLA−溶融物流を分配し、そして、半分ずつ、このデンプン層の上又は下に導通した(→外側層A)。このようにして産生された三層系を、幅広スリットノズル(T=190℃)を介して、温度処理可能なローラー(T=25℃、V=3m/min)を用いて取り出し、特定の幅に切断し、ロールへと巻いた。
【0060】
このようにして産生された三層シートの全体の厚さ400μmは、2×50μm(外側層A)及び300μm(中間層B)から構成されている。
【0061】
三層シートのためには以下のガス透過度を算出した:
酸素(O2):15.5cm3/m2
二酸化炭素(CO2):2.1cm3/m2 d。
【0062】
実施例3
予備混合した中間層(層B)を有する実施例2に応じた三層シートの製造
実施例2に記載した様式と同様に、外側層(A)としてPLAを有する三層シートA−B−Aを製造した。中間層(B)のために、実施例1に応じて製造したTPS顆粒(90質量%)及びPLA顆粒(10質量%)からなる予備混合物を調製し、これを一軸押出機に供給し、150〜190℃で溶融した。中間層のための押出機は100rpmで、流量25kg/h及び質量圧力120barで運転した。これに並行して、第2の一軸押出機(温度185〜200℃、回転数20rpm、質量圧力130bar、流量10kg/h)中で、PLAを溶融させた(溶融温度175℃)。この両方の溶融物をCoexアダプタ中で一緒にし、その際実施例2に記載したとおり、PLA−溶融物流を分配し、そして、半分ずつ、このデンプン層の上又は下に導通した(→外側層A)。このようにして産生された三層系を、幅広スリットノズル(T=190℃)を介して、温度処理可能なローラー(T=35℃、V=2.7m/min)を用いて取り出し、特定の幅に切断し、ロールへと巻いた。
【0063】
このようにして産生された三層シートの全体の厚さ400μmは、2×50μm(外側層A)及び300μm(中間層B)から構成されている。
【0064】
この三層シートは、実施例2に比較してより強い濁度(Eintruebung)を有し、しかしながら、実施例2に比較してより安定な、外側層(A)と中間層(B)との間での結合を達成した。
【0065】
実施例4
中間層(層B)のための修飾した熱可塑性デンプンの製造
天然のジャガイモデンプン(56.5質量%)、グリセリン(20.5%)及びソルビトール(13%)及びPLA(10%)からなる混合物を二軸押出機中に充填した。この混合物を押出機中で温度範囲130〜160℃で強力に混合し、その際この溶融物を同時に脱ガスしてこの混合物から水を取り出した。実施例1と同様に、均質な溶融物が生じ、これは注ぎ出しかつ造粒化されることができる。この記載される様式で均質化された、熱可塑性に加工可能な材料の水含有量は、3〜4質量%である。
【0066】
実施例5
中間層(層B)において変更された熱可塑性デンプンを有する適用例2に応じた三層シートの製造
適用例2及び3に記載した様式と同様に、外側層(A)としてPLAを有する三層シートA−B−Aを製造した。中間層(B)のために、実施例4中に記載した、熱可塑性に加工可能なデンプン/PLAコンパウンドを押出機に供給し、140〜195℃で溶融させた。中間層のための押出機は90rpmで、流量25kg/h及び材料圧力115barで運転した。
【0067】
これに並行して、第2の一軸押出機(温度190〜200℃、回転数25rpm、質量圧力120bar、流量10kg/h)中で、PLAを溶融させた(溶融温度180℃)。
【0068】
この両方の溶融物をCoexアダプタ中で一緒にし、その際実施例2及び3に記載したとおり、PLA−溶融物流を分配し、そして、半分ずつ、このデンプン層の上又は下に導通した(→外側層A)。このようにして産生された三層系を、幅広スリットノズル(T=185℃)を介して、温度処理可能なローラー(T=35℃、V=3.1m/min)を用いて取り出し、特定の幅に切断し、ロールへと巻いた。
【0069】
このようにして産生された三層シートの全体の厚さ400μmは、2×50μm(外側層A)及び300μm(中間層B)から構成されている。
【0070】
この三層シートは、実施例2及び3で製造された見本に比較してより強い濁度(Eintruebung)を有し、しかしながら、実施例2及び3に比較してより安定な、外側層Aと中間層Bとの間での結合を達成した。
【0071】
実施例6
実施例2と同様に、しかしながら、外側層のための乳酸(PLA)に、約3質量%の無水マレイン酸で官能化されたエチレン/メチルアクリラートポリマーを、PLA層の全体の組成に対して約1質量%の量で添加した。このようにして得られた三層シートは、実施例2に記載された生成物と比較して高められた連結を、個々の層の間で示した。
【0072】
実施例7
三層シート(ブローシート)の製造
ポリ乳酸(PLA)/熱可塑性デンプン(TPS)/PLAからなる三層シート(A−B−A)が製造された。デンプンとして実施例1で製造された、水含有量3〜4質量%を有する熱可塑性グリセリン/ソルビトール−デンプンを使用した。この使用したポリ乳酸(PLA顆粒、 Nature Works)は、D割合1.4%を有した。
【0073】
この両方の材料(PLA及びTPS)を同時に共押出装置を用いて三層シートにした。このためにTPSを、一軸押出機(Dr. Collin、φ45×25D)中で温度範囲140〜160℃で溶融させた。この押出機は、20rpmの回転数で運転し、かつ、流量約7kg/hで、材料圧力130barを生じた。これに並行して、第2の一軸押出機(Dr. Collin、φ30×25D、温度160〜190℃、回転数60rpm、質量圧力140bar、流量約15kg/h)中で、PLAを溶融させた。この両方の溶融物をリングノズル(3層ブローノズルφ80mm、リング間隙1.1mm)中で一緒にし、その際PLA−溶融物流を分配し、そして、半分ずつ、このデンプン層の上又は下に導通した(→外側層A)。このように産生された三層系を、吹き込み比(Aufblasverhaeltnis)3.5及び速度約4.5m/minを用いて、シートの全体厚さ約50μm及び折り幅325mmを有する管として、クロムメッキされかつゴム引きされたローラー(幅400mm)上で排出し、ロールへと巻いた。この得られる多層シートA−B−Aのパーセントの厚さ比は、20−60−20と算出された。
【0074】
実施例8
実施例7と同様に、しかしながら、外側層のための乳酸(PLA)に、約3質量%の無水マレイン酸で官能化されたエチレン/メチルアクリラートポリマーを、PLA層の全体の組成に対して約1質量%の量で添加した。このようにして得られた三層シートは、実施例7に記載された生成物と比較して高められた連結を、個々の層の間で示した。
【0075】
実施例9
実施例8と同様に、しかしながら、外側層のためのポリ乳酸(PLA)に更に、PLA層の全体の組成に対して5質量%の脂肪族/芳香族コポリエステル(ECOFLEX(R) ,BASF AG)を添加した。このように得られる系は、実施例13に応じた処方物と比較してより良好な加工性を有した。
【0076】
実施例10
実施例7に応じた様式で、但し、約2.5質量%の水含有量を有する、実施例1に応じて製造された熱可塑性グリセリン/ソルビトール−デンプンを使用した。このように得られる系は、実施例7に対して改善された加工性を押出機中で、及び、中間層中でより少ない泡形成を有した。
【0077】
本発明は、前述の実施例に基づき例示的に記載されている。この際、本発明は、この記載された実施例に限定されないことが明らかである。更に、当業者にとっては本発明の範囲内で多岐にわたる変更−及び修飾の可能性が生じ、そして本発明の保護範囲が特に以下の特許請求の範囲により確認される。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】図1は、層構造、タイプA−B−Aを有する本発明による多層シートの断面図を例示的に示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの第1の層A及び少なくとも1つの第2の層Bを含有し、その際層Aは熱可塑性ポリエステルを、そして層Bは熱可塑性デンプンを含有する、特に包装目的のための多層シート。
【請求項2】
層A中に含有される熱可塑性ポリエステルはEN 13432に応じた生分解性熱可塑性ポリエステルであることを特徴とする、請求項1記載の多層シート。
【請求項3】
熱可塑性ポリエステルが、1種又は数種のポリヒドロキシカルボン酸をベースとする生体高分子であることを特徴とする、請求項1又は2記載の多層シート。
【請求項4】
熱可塑性ポリエステルが、ポリ[ヒドロキシアルカノアート](PHA)、ポリ[アルキレンスクシナート](PAS)、例えばポリ[ブチレンスクシナート](PBS)、ポリ[アルキレンテレフタラート](PAT)、例えばポリ[エチレンテレフタラート](PET)、脂肪族−芳香族コポリエステル及びポリ[p−ジオキサノン](PPDO)並びにこのコポリマー及び混合物からなる群から選択されていることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の多層シート。
【請求項5】
ポリ[ヒドロキシアルカノアート](PHA)が、ポリ[ヒドロキシエタノアート](例えばポリグリコール酸、PGA)、ポリ[ヒドロキシプロパノアート](例えばポリ乳酸、ポリラクチド、PLA)、ポリ[ヒドロキシブタノアート](例えばポリヒドロキシ酪酸、PHB)、ポリ[ヒドロキシペンタノアート](例えばポリヒドロキシ吉草酸、PHV)及びポリ[ヒドロキシヘキサノアート](例えばポリカプロラクトン、PCL)並びにそのコポリマー及び混合物からなる群から選択されていることを特徴とする、請求項4記載の多層シート。
【請求項6】
層Bが、少なくとも部分的に、デンプンの全組成に対して、6質量%よりも少ない、有利には3質量%よりも少ない水含有量を有する熱可塑性に加工可能なデンプンから出発して得られることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載の多層シート。
【請求項7】
層Bが、熱可塑性デンプンを含有し、これが、前記熱可塑性デンプンから製造されるシートが、DIN 53455に応じた引張強さ2〜10N/mm2、特に4〜8N/mm2、及び/又は、DIN 53455に応じた破断点伸び80〜200%、特に120〜180%を有することにより特徴付けられることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載の多層シート。
【請求項8】
熱可塑性デンプンが、(a)デンプン及び/又はデンプン誘導体と少なくとも15質量%の可塑剤、例えばグリセリン及び/又はソルビトールとの混合、(b)熱的及び/又は機械的エネルギーの供給及び(c)このデンプン又はデンプン誘導体の天然の水含有量の、6質量%未満の水含有量への少なくとも部分的な除去により得られることを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項記載の多層シート。
【請求項9】
層Aが実質的に熱可塑性ポリエステルからなる、かつ/又は層Bが実質的に熱可塑性デンプンからなることを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項記載の多層シート。
【請求項10】
層Bが、実質的ポリマーブレンドからなり、前記ポリマーブレンドが、熱可塑性デンプン及び少なくとも1つの更なる熱可塑性材料、特に熱可塑性ポリエステルを含有することを特徴とする、請求項1から9までのいずれか1項記載の多層シート。
【請求項11】
ポリマーブレンド中の更なる熱可塑性材料が、ポリマーブレンドの全質量に対して1〜80質量%、特に5〜30質量%の量で含有されていることを特徴とする、請求項10記載の多層シート。
【請求項12】
ポリマーブレンド中の更なる熱可塑性材料が、多層シートのリサイクル物の形で含有されていることを特徴とする、請求項10又は11記載の多層シート。
【請求項13】
シートが、全体の厚さ100〜2000μm、特に200〜800μmを有することを特徴とする、請求項1から12までのいずれか1項記載の多層シート。
【請求項14】
個々のシートがそれぞれ、厚さ10〜1000μm、特に10〜700μmを有することを特徴とする、請求項1から13までのいずれか1項記載の多層シート。
【請求項15】
シートが、以下の層構造:層A−層B−層Aを有する三層シートであることを特徴とする、請求項1から14までのいずれか1項記載の多層シート。
【請求項16】
層Aと層Bとの間に少なくとも1つの付着促進剤層H、特にブロックコポリマーからなる付着促進剤層Hが備えられていることを特徴とする、請求項1から15までのいずれか1項記載の多層シート。
【請求項17】
シートが、以下の層構造:層A−付着促進剤層H−層B−付着促進剤層H−層Aを有する三層シートであることを特徴とする、請求項1から16までのいずれか1項記載の多層シート。
【請求項18】
シートが、DIN 53455に応じた引張強さ10〜40N/mm2、特に15〜30N/mm2を有することを特徴とする、請求項1から17までのいずれか1項記載の多層シート。
【請求項19】
シートが、23℃、50%相対湿度及び400μmのシート厚でのASTM F 1927-98に応じた酸素透過度1〜50cm3/m2 d、特に1.5〜20cm3/m2 dを有することを特徴とする、請求項1から18までのいずれか1項記載の多層シート。
【請求項20】
シートが、23℃、75相対湿度及び400μmのシート厚でのASTM F 1249に応じた水蒸気透過度1〜100cm3/m2 d、特に2〜10cm3/m2 dを有することを特徴とする、請求項1から19までのいずれか1項記載の多層シート。
【請求項21】
シートが、23℃、50相対湿度及び400μmのシート厚でのASTM D 1434に応じた二酸化炭素透過度0.5〜5cm3/m2 d、特に1〜2.5cm3/m2 dを有することを特徴とする、請求項1から20までのいずれか1項記載の多層シート。
【請求項22】
シートの少なくとも1つの層が、押出により、特にブローシート押出、平面シート押出、キャスト−シート−押出及び/又はブロー成形により形成されていることを特徴とする、請求項1から21までのいずれか1項記載の多層シート。
【請求項23】
シートの全ての層が、押出により、特にブローシート押出、平面シート押出及び/又はブロー成形により形成されていることを特徴とする、請求項1から22までのいずれか1項記載の多層シート。
【請求項24】
シートが共押出により形成されることを特徴とする、請求項1から23までのいずれか1項記載の多層シート。
【請求項25】
多層シートが、少なくとも1つの層A、少なくとも1つの層B並びに場合により更なる層を含み、特に場合により少なくとも1つの更なる層Aを含む請求項1から24までのいずれか1項記載の多層シートの製造方法において、
(a)少なくとも1つの熱可塑性ポリエステルを含有する材料のシートへの押出、これにより、少なくとも1つの層Aが形成される、
(b)熱可塑性に加工可能なデンプンを含有する材料のシートへの押出、これにより、少なくとも1つの層Bが形成される、及び
(c)少なくとも部分的な、この個々の層の平面的な結合、これにより、多層シートが形成される
により特徴付けられる、請求項1から24までのいずれか1項記載の多層シートの製造方法。
【請求項26】
方法工程(a)〜(c)は同時に共押出方法において実施され、特にブローシート押出、平面シート押出、キャスト−シート−押出及び/又はブロー成形により実施されることを特徴とする、請求項25記載の方法。
【請求項27】
多層シートが、適用目的に応じて、その製造後に、所望の寸法を有する部分に切断されることを特徴とする、請求項25又は26記載の方法。
【請求項28】
切断の時に生じる切断残分を少なくとも部分的に、工程(b)における層Bの押出のための材料に供給することを特徴とする、請求項27記載の方法。
【請求項29】
食料、特に新鮮な肉、パン菓子、チーズ、新鮮な果物又は野菜、飲料及び/又はコーヒーのための、請求項1から24までのいずれか1項記載の多層シートを含む、包装。

【図1】
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【公表番号】特表2009−533283(P2009−533283A)
【公表日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−504738(P2009−504738)
【出願日】平成19年4月11日(2007.4.11)
【国際出願番号】PCT/EP2007/053518
【国際公開番号】WO2007/118828
【国際公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【出願人】(594105855)ビオ−テック ビオロギッシェ ナトゥーアフェアパックンゲン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト (1)
【氏名又は名称原語表記】Bio−tec Biologische Natur−verpackungen GmbH&Co.KG 
【Fターム(参考)】