説明

多層プリント配線板およびその製造方法

【課題】小型化、薄型化が可能であり、かつ、低コストで製造が可能な多層プリント配線板を提供する。
【解決手段】多層プリント配線板10は、第一絶縁部11と、この第一絶縁部11の一面11aに形成された第一導電部21と、この第一導電部21と接するように、第二導電部22からなる層間導通部23が厚さ方向に貫通して配された第二絶縁部12とを備えている。第一導電部21は、抵抗体として機能する第一部位21aと、第二導電部22との導通を図る電極として機能する第二部位21bとが平板状に連続してなる。そして、第一導電部21は少なくとも第二導電部22との接合部分が平坦になるように形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多層のプリント配線板に関し、例えば、層間に抵抗体を備えた多層プリント配線板に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器の小型化、薄型化、高機能化の要求に伴い、複数の絶縁層の間に薄膜抵抗体を配した多層プリント配線板が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。こうした絶縁層間に薄膜抵抗体を備えた従来の多層プリント配線板の一例を図7に示す。この多層プリント配線板101では、2つの第一絶縁部102,103の間に、第二絶縁部104が配されている。この第二絶縁部104は、例えば、第一絶縁部102と第一絶縁部103とを接着する接着層を成す。
【0003】
第一絶縁部103の一面には、第一導電部105が形成されている。この第一導電部105は、例えば、ペースト状の抵抗材を塗布して形成した薄膜抵抗体を成す。また、この第一導電部105の両側には、電極層107a,107bが形成されている。この電極層107a,107bは、第一導電部105を他の導電体と接続する電極パットの役割を果たす。そして、第一導電部105は、電極層107a,107bと電気的に確実に接続するために、両端がそれぞれ電極層107a,107bの一部に覆い被さり、第一導電部105の厚み方向に盛り上がった段差Sを形成している。
【0004】
また、第二絶縁部104には、層間導通部108a,108bが厚さ方向に貫通して形成されている。この層間導通部108a,108bは、例えば、開口を埋める第二導電部109a,109bからなり、それぞれの一端(接合部分)が電極層107a,107bに接続されている。
【0005】
しかしながら、上述したような従来の薄膜抵抗体を配した多層プリント配線板では、小型化、薄型化に難があり、また、製造コストの低減も難しいという課題があった。即ち、薄膜抵抗体などの第一導電部105を他の導電体と接続するための電極層107a,107bを、第一導電部105の外側に形成する必要があるため、第一導電部105の形成数だけ電極層107a,107bも必要となり、多層プリント配線板101全体の小型化の障害となっていた。また、電極層107a,107bに、導電性の高い銅などを使用した際に、化合物を生成しやすく、第一導電部105と電極層107a,107bとの接合面での導通不良を引き起こすなどの課題があった(非特許文献1)。
【0006】
さらに、電極層107a,107bと第一導電部105との導通を確実にするために、第一導電部105の両端をそれぞれ電極層107a,107bの一部に覆い被せた段差Sが形成されているため、この第一導電部105を印刷等で形成する際に印刷ムラが生じやすい。このため、第一導電部105が薄膜抵抗体である場合には、抵抗値の不均一や歩留まりの悪化などの課題があった。そして、こうした段差Sによって多層プリント配線板101の厚みの増加や平坦性の低下などの課題があった。
【特許文献1】特開2006−222110号公報
【特許文献2】特開平06−77660号公報
【非特許文献1】エレクトロニクス実装学会誌 Vol.6 No.4(2003) 「埋め込み変動部品に使用されるポリマー抵抗体」(師岡功)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、小型化、薄型化が可能であり、かつ、低コストで製造が可能な多層プリント配線板を提供することを目的とする。
【0008】
また、本発明は、小型化、薄型化が可能であり、かつ、歩留まりを向上させた多層プリント配線板の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の請求項1に記載の多層プリント配線板は、第一絶縁部と、前記第一絶縁部の一面に形成された第一導電部と、前記第一導電部と接するように、第二導電部からなる層間導通部が厚さ方向に貫通して配された第二絶縁部とを備え、前記第一導電部は、抵抗体として機能する第一部位と、前記第二導電部との導通を図る電極として機能する第二部位とが平板状に連続してなり、少なくとも前記第二導電部との接合部分が平坦であることを特徴とする。
本発明の請求項2に記載の多層プリント配線板は、請求項1において、前記第二導電部は、第一導電部の第二部位において、前記第二絶縁部の一面方向に突出部をもつことを特徴とする。
本発明の請求項3に記載の多層プリント配線板は、請求項1において、前記第一絶縁部が複数、重ねて配されてなり、前記第一導電部が、前記第一絶縁部どうしの間に配されることを特徴とする。
本発明の請求項4に記載の多層プリント配線板は、請求項1において、前記第一絶縁部が複数、重ねて配されてなり、前記第一導電部が、最も外側に位置する前記第一絶縁部の外側をなす面に配されることを特徴とする。
本発明の請求項5に記載の多層プリント配線板の製造方法は、第一絶縁部の一面側に第二絶縁部と剥離部とを順に重ねて配する工程と、少なくとも前記第二絶縁部と前記剥離部を厚さ方向に貫通する穴を形成する工程と、前記穴の内部に第二導電部を形成する工程と、第二絶縁部から前記剥離部を剥離させ、前記第二導電部の一端側を前記第二絶縁部の一面から突出させる工程と、前記第二導電部の一端側を、抵抗体として機能する第一部位と、前記第二導電部との導通を図る電極として機能する第二部位とが平板状に連続してなる第一導電部の第二部位に圧着させて層間導通部を形成する工程と、を少なくとも備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の多層プリント配線板によれば、従来必要とされていた、第一導電部を他の導電体と接続するための電極層が不要となる。このため、従来は第一導電部の外側に形成していた電極層を形成するためのスペースが不要となり、多層プリント配線板の大幅な小型化を図ることができ、多層プリント配線板の更なる高密度実装を可能とする。
【0011】
また、本発明の多層プリント配線板によれば、電極層が不要となるため、この導電層の変質による導通不良が生じることがない。さらに、第一導電部を他の導電体と接続する電極層が不要となるため、従来は電極層と第一導電部との導通を確実にするために、第一導電部の両端を電極層の一部に覆い被せた段差を無くすことができる。このため、第一導電部を形成する際に、厚み方向に段差があることによって生じる形成ムラや形成不良の発生を防止することができ、製品の歩留まりを向上させることができる。
【0012】
そして、第一導電部は段差無く平坦に形成されているため、多層プリント配線板の更なる薄型化と、平坦性の向上を図ることが可能になる。
【0013】
また、本発明の多層プリント配線板の製造方法によれば、従来は電極層と第一導電部との導通を確実にするために、第一導電部の両端を電極層の一部に覆い被せた段差を無くすことができる。このため、第一導電部を形成する際に、厚み方向に段差があることによって生じる形成ムラや形成不良の発生を防止することができ、製品製造の際の歩留まりを向上させることが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明に係る多層プリント配線板の一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、本発明はこのような実施形態に限定されるものではない。また、以下の説明で用いる図面は、本発明の特徴をわかりやすくするために、便宜上、要部となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
【0015】
図1は、本発明の多層プリント配線板の一例を示す断面図である。多層プリント配線板10は、第一絶縁部11と、この第一絶縁部11の一面11aに形成された第一導電部21と、この第一導電部21と接するように、第二導電部22からなる層間導通部23が厚さ方向に貫通して配された第二絶縁部12とを備えている。
【0016】
第一導電部21は、抵抗体として機能する第一部位21aと、第二導電部22との導通を図る電極として機能する第二部位21bとが平板状に連続してなる。そして、第一導電部21は少なくとも第二導電部22との接合部分が平坦になるように形成されている。
【0017】
このような構成の本発明の多層プリント配線板10によれば、従来必要とされていた、第一導電部を他の導電体と接続するための電極層が不要となる。このため、従来は第一導電部の外側に形成していた電極層を形成するためのスペースが不要となり、多層プリント配線板10の大幅な小型化を図ることができ、多層プリント配線板10の更なる高密度実装を可能とする。
【0018】
また、こうした本発明の多層プリント配線板10によれば、電極層が不要となるため、この導電層の変質による導通不良が生じることがない。さらに、従来は電極層と第一導電部との導通を確実にするために、第一導電部の両端を電極層の一部に覆い被せた段差を無くすことができる。このため、第一導電部を形成する際に、厚み方向に段差があることによって生じる形成ムラや形成不良の発生を防止することができ、製品の歩留まりを向上させることができる。
【0019】
そして、第一導電部21は段差無く平坦に形成されているため、多層プリント配線板10の更なる薄型化と、平坦性の向上を図ることができる。
【0020】
第二絶縁部12は、第一絶縁部11に重ねて配される別な第一絶縁部11どうしを接着する接着層であればよい。例えば、第一絶縁部11は、ポリイミド、LCPなどから形成されていれば良い。また、第二絶縁部12は、熱可塑性樹脂、あるいは熱硬化性樹脂などから形成されていれば良い。
【0021】
層間導通部23は、例えば、第一導電部21が一面に形成された第一絶縁部11と、この第一絶縁部11に重ねて配される別な第一絶縁部11に形成された配線24との層間導通を成すものであればよい。
【0022】
図1に示す多層プリント配線板10は、更に、複数の第一絶縁部11が重ねて配されていても良い。図2に示す多層プリント配線板10では、複数の第一絶縁部11,11…が
それぞれ第二絶縁部12を介して積層されている。そして、第一絶縁部11,11どうしの間に、例えば、薄膜抵抗体である第一導電部21が配されている。この第一導電部21は、電極層などを別途設けることなく、層間導通部23によって、重ねられた他の第一絶縁部11の配線24との間で層間導通が図られている。
【0023】
このような、複数の第一絶縁部11,11…が、それぞれ第二絶縁部12を介して多数積層された多層プリント配線板10においても、第一導電部を他の導電体と接続するための電極層が不要となるため、多層プリント配線板10の大幅な小型化を図ることができ、多層プリント配線板10の更なる高密度実装を可能とする。
【0024】
また、従来は電極層と第一導電部との導通を確実にするために、第一導電部の両端を電極層の一部に覆い被せた段差を無くすことができるため、第一導電部全体を平坦に形成することができ、厚み方向に段差があることによって生じる形成ムラや形成不良の発生を防止できる。
【0025】
図3は、本発明の多層プリント配線板の他の一例を示す断面図である。多層プリント配線板30は、第一絶縁部31と、この第一絶縁部31の一面31aに形成された第一導電部41と、第一絶縁部31の他面31bと接するように、第二導電部42からなる層間導通部43が厚さ方向に貫通して配された第二絶縁部32とを備えている。
【0026】
第一導電部41は、抵抗体として機能する第一部位41aと、第二導電部42との導通を図る電極として機能する第二部位41bとが平板状に連続してなる。そして、第一導電部41は少なくとも第二導電部42との接合部分が平坦になるように形成されている。
【0027】
このような構成の本発明の多層プリント配線板40においても、従来必要とされていた、第一導電部を他の導電体と接続する電極層を形成するためのスペースが不要となり、多層プリント配線板30の大幅な小型化、更なる高密度実装を可能とする。
【0028】
また、こうした本発明の多層プリント配線板30においても、第一導電部を他の導電体と接続する電極層が不要となるため、第一導電部の両端を電極層の一部に覆い被せた段差を無くすことができる。このため、第一導電部を形成する際に、厚み方向に段差があることによって生じる形成ムラや形成不良の発生を防止することができ、製品の歩留まりを向上させ、多層プリント配線板30の更なる薄型化と、平坦性の向上を図ることができる。
【0029】
第二絶縁部32は、第一絶縁部31に重ねて配される別な第一絶縁部31どうしを接着する接着層であればよい。層間導通部43は、例えば、第一導電部41が一面41aに形成された第一絶縁部31と、この第一絶縁部31に重ねて配される別な第一絶縁部31に形成された配線44との層間導通を成すものであればよい。
【0030】
図3に示す多層プリント配線板30は、更に、複数の第一絶縁部31が重ねて配されていても良い。図4に示す多層プリント配線板30では、複数の第一絶縁部31,31…が
それぞれ第二絶縁部32を介して積層されている。そして、第一導電部41が、最も外側に位置する第一絶縁部31の外側をなす面31aに配されている。この第一導電部41は、電極層などを別途設けることなく、層間導通部43によって、下層に重ねられた他の第一絶縁部31の配線44との間で層間導通が図られている。
【0031】
このような、複数の第一絶縁部31,31…が、それぞれ第二絶縁部32を介して多数積層された多層プリント配線板30においても、第一導電部を他の導電体と接続するための電極層が不要となるため、多層プリント配線板30の大幅な小型化を図ることができ、多層プリント配線板30の更なる高密度実装を可能とする。
【0032】
また、従来は電極層と第一導電部との導通を確実にするために、第一導電部の両端を電極層の一部に覆い被せた段差を無くすことができるため、第一導電部全体を平坦に形成することができ、厚み方向に段差があることによって生じる形成ムラや形成不良の発生を防止できる。
【0033】
図5、図6は、本発明の多層プリント配線板の製造方法を段階的に示す断面図である。本発明の製造方法によって、多層プリント配線板を製造する際には、まず、第一絶縁部51の他面51bに導電膜57を形成する(図5(a)参照)。第一絶縁部51は、例えば、ポリイミド、LCPなどであればよい。また、導電膜57は、例えばCu薄膜などであれば良い。そして、この導電膜57をフォトリソグラフィーなどによって、所定の形状にした配線54を形成する(図5(b)参照)。
【0034】
次に、第一絶縁部51の一面51aに第二絶縁部52と剥離部53とからなる接着フィルム56を形成する(図5(c)参照)。この接着フィルム56を構成する第二絶縁部52は接着層であればよく、例えば、熱可塑性樹脂、あるいは熱硬化性樹脂であればよい。また、剥離部53は、第二絶縁部52から容易に剥離可能な樹脂フィルムなどであれば良い。
【0035】
続いて、この剥離部53から第二絶縁部52を経て第一絶縁部51まで貫通する穴55を形成する(図5(d)参照)。この穴55の形成にあたっては、例えば、炭酸ガスレーザ、UV−YAGレーザ、エキシマレーザなどのレーザ光線によって、配線54を底面とした有底の穴を形成すればよい。
【0036】
そして、この穴55の内部を埋めるように、導電性ペーストを均一に充填する。これによって、穴55の内部に第二導電部62が形成される(図5(e)参照)。導電性ペーストは、例えば、スクリーン印刷法によって充填されればよい。なお、こうした穴55の内部を埋める第二導電部62を形成する前に、穴55の形成後に穴の内部に残留したスミア等を除去するデスミア処理を行うことが好ましい。このデスミア処理によって、配線54と第二導電部62との接合部分での導電性が向上し、接続信頼性が高められる。デスミア処理としては、例えば、CF,C,NF等の反応性ガスを用いたプラズマデスミア、または、過マンガン酸などを用いたウエットデスミアであればよい。
【0037】
次に、第二絶縁部52から剥離部53を剥離させる(図6(a)参照)。剥離部53を剥離させると、第二導電部62の形成領域において、剥離部53の厚みに相当する分だけ、第二導電部62が第二絶縁部52の一面52aから突出する。
【0038】
続いて、配線54を形成した第一絶縁部51の一面51a側に重ねて配する、別な第一絶縁部51に、抵抗体として機能する第一部位61aと、第二導電部62との導通を図る電極として機能する第二部位61bとが平板状に連続してなる第一導電部61を形成する(図6(b)参照)。第一導電部61は、例えば、薄膜抵抗体であればよく、ペースト抵抗体をスクリーン印刷などによって第一絶縁部51に所定の形状で印刷することによって得られる。
【0039】
そして、配線54を形成した第一絶縁部51と、第一導電部61を形成した第一絶縁部51とを対面させ、第一導電部61の第二部位61bが第二導電部62に接する位置で、接着層をなす第二絶縁部52を介して第一絶縁部51,51どうしを接着させる(図6(c)参照)。この第一絶縁部51,51どうしの接着にあたっては、例えば、プレス機によって熱圧着すればよい。
【0040】
第一絶縁部51,51どうしを接着させると、剥離部53の厚みに相当する分だけ、第二絶縁部52の一面52aから突出した第二導電部62が第一導電部61の第二部位61bに圧着されるとともに、この第二導電部62の突出した部分の一部が、第二絶縁部52の一面52aに沿って突出した突出部62aを形成する(図6(c)の点線領域の拡大図参照)。
【0041】
このような工程を繰り返して、必要な数の第一絶縁部51を、接着層を成す第二絶縁部52を介して積層していけば、本発明の多層プリント配線板50を得ることができる。なお、必要な数の第一絶縁部51を、接着層を成す第二絶縁部52を介して全て積層した後に、全部の層を一括して熱圧着するのも好ましい。これによって、一回の熱圧着で多数の第一絶縁部51からなる多層プリント配線板を形成することができ、製造工程の短縮化、簡略化を図ることができる。
【0042】
上述した本発明の多層プリント配線板の製造方法によれば、従来は電極層と第一導電部との導通を確実にするために、第一導電部の両端を電極層の一部に覆い被せた段差を無くすことができる。このため、第一導電部を、例えば印刷などによって形成する際に、厚み方向に段差があることによって生じる形成ムラや形成不良の発生を防止することができ、製品製造の際の歩留まりを向上させることができる。
【実施例】
【0043】
本発明の効果を検証した実施例を以下に示す。図1に示す本発明の多層プリント配線板において、第一導電部として抵抗体ペースト(アサヒ化学研究所製:FTU−00−1)を印刷により形成し、また、第二導電部(層間導通部)として、Agペーストを用いて形成したもの(実施例1)と、Auを主体としたペーストを用いて形成したもの(実施例2)とを用意した。また、従来の比較例1として、Cuからなる電極層に上述した第一導電部を接触させたものを用意した。そして、これら実施例1,2と比較例1において、第一導電部と第二導電部、ないし電極層との接触面における抵抗値の変化を測定した。表1に、多層プリント配線板の形成直後の抵抗値を1として、温度85℃、湿度85%で500h,1000h放置後のそれぞれの抵抗値の変化割合を示した。
【0044】
【表1】

【0045】
表1に示す結果によれば、電極層を形成しない本発明の実施例1および実施例2では、抵抗値は最大でも4%程度しか増加しなかった。一方、従来の比較例では、抵抗値が10%以上増加していることが判明した。これば、Cu電極層に化合物が生成し、抵抗値が増加したためと推測される。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の多層プリント配線板の一例を示す断面図である。
【図2】本発明の多層プリント配線板の一例を示す断面図である。
【図3】本発明の多層プリント配線板の他の一例を示す断面図である。
【図4】本発明の多層プリント配線板の他の一例を示す断面図である。
【図5】多層プリント配線板の製造方法の一例を示す断面図である。
【図6】多層プリント配線板の製造方法の一例を示す断面図である。
【図7】従来の多層プリント配線板の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0047】
10 多層プリント配線板、11 第一絶縁部、12 第二絶縁部、21 第一導電部、22 第二導電部、23 層間導通部。




【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一絶縁部と、前記第一絶縁部の一面に形成された第一導電部と、前記第一導電部と接するように、第二導電部からなる層間導通部が厚さ方向に貫通して配された第二絶縁部とを備え、
前記第一導電部は、抵抗体として機能する第一部位と、前記第二導電部との導通を図る電極として機能する第二部位とが平板状に連続してなり、
少なくとも前記第二導電部との接合部分が平坦であることを特徴とする多層プリント配線板。
【請求項2】
前記第二導電部は、第一導電部の第二部位において、前記第二絶縁部の一面方向に突出部をもつことを特徴とする請求項1に記載の多層プリント配線板。
【請求項3】
前記第一絶縁部が複数、重ねて配されてなり、前記第一導電部が、前記第一絶縁部どうしの間に配されることを特徴とする請求項1に記載の多層プリント配線板。
【請求項4】
前記第一絶縁部が複数、重ねて配されてなり、前記第一導電部が、最も外側に位置する前記第一絶縁部の外側をなす面に配されることを特徴とする請求項1に記載の多層プリント配線板。
【請求項5】
第一絶縁部の一面側に第二絶縁部と剥離部とを順に重ねて配する工程と、少なくとも前記第二絶縁部と前記剥離部を厚さ方向に貫通する穴を形成する工程と、前記穴の内部に第二導電部を形成する工程と、第二絶縁部から前記剥離部を剥離させ、前記第二導電部の一端側を前記第二絶縁部の一面から突出させる工程と、
前記第二導電部の一端側を、抵抗体として機能する第一部位と、前記第二導電部との導通を図る電極として機能する第二部位とが平板状に連続してなる第一導電部の第二部位に圧着させて層間導通部を形成する工程と、を少なくとも備えたことを特徴とする多層プリント配線板の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−135196(P2009−135196A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−308815(P2007−308815)
【出願日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【出願人】(000005186)株式会社フジクラ (4,463)
【Fターム(参考)】