多層基板上の薄膜の厚さを測定するための単一波長偏光解析
【課題】SOI基板表面上の薄膜の厚さを、分子汚染に伴う問題を回避するとともにシステムの複雑性を伴うことなく高精度で測定する方法およびシステムを提供する。
【解決手段】シリコン−オン−インシュレータ(SOI)基板などの多層構造基板の上の薄膜について単一波長偏光解析(SWE)を行うこのシステムは、上記多層構造基板の表面層の厚さ以下の吸収距離を有する測定用ビームを用いる。例えば、SOI基板の場合は、上記表面シリコン層の厚さ以下の吸収距離をもたらす波長をもつように測定用ビームを選ぶ。このシステムには、スループットを損なうことなく測定の精度を高めるように同時並行クリーニング動作を行うクリーニング用レーザを備えることができる。測定用ビーム源は、測定用ビームの吸収距離が前記表面層の厚さ以下になりクリーニング用ビームの吸収距離がその表面層の厚さ以上になるように、測定用ビームを一つの波長で、クリーニング用ビームをそれよりも大きいもう一つの波長でそれぞれ生ずるように構成する。
【解決手段】シリコン−オン−インシュレータ(SOI)基板などの多層構造基板の上の薄膜について単一波長偏光解析(SWE)を行うこのシステムは、上記多層構造基板の表面層の厚さ以下の吸収距離を有する測定用ビームを用いる。例えば、SOI基板の場合は、上記表面シリコン層の厚さ以下の吸収距離をもたらす波長をもつように測定用ビームを選ぶ。このシステムには、スループットを損なうことなく測定の精度を高めるように同時並行クリーニング動作を行うクリーニング用レーザを備えることができる。測定用ビーム源は、測定用ビームの吸収距離が前記表面層の厚さ以下になりクリーニング用ビームの吸収距離がその表面層の厚さ以上になるように、測定用ビームを一つの波長で、クリーニング用ビームをそれよりも大きいもう一つの波長でそれぞれ生ずるように構成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は概括的には測定システムに関し、より詳しくいうとシリコン−オン−シリコン(SOS)構造について諸測定を行うシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスの寸法の微細化の継続に伴って、それらデバイスを構成する各部分の特性を正確に効率的に把握することがより重要になってくる。代表例を挙げると、最新の半導体デバイスの製造プロセスはシリコンウェーハ表面上に多数の層または「薄膜」を形成する過程を含んでいる。この薄膜には、酸化膜や窒化膜や金属膜などが含まれる。完成後の半導体デバイス本来の性能を確保するためには、製造プロセスの進行中に形成される薄膜の各々の厚さおよび組成を厳密に制御しなければならない。
【0003】
単一波長偏光解析(SWE)は、単一波長偏光ビームを薄膜にあて反射ビームの偏光状態の変化を測定することによって、薄膜を測定する手法であって、この出願の出願人の所有する出願中のWangほか名義の米国出願第09/298,007号「自己較正機能つきの表面特性分析システム」に記載してあるとおりであり、その出願をここに参照してその明細書の記載内容をこの明細書に組み入れる。SWEは薄膜の膜圧の測定の手法として最も安定した再現性の高い手法であり、したがってゲート酸化物膜など重要な構成部分の測定のための優れた手法である。
【0004】
しかし、残念ながら特定の最新プロセス技術は慣用のSWEに問題を惹起する。例えば、ICの中の金属−酸化物−半導体(MOS)トランジスタの動作速度の改善に用いられる基本的シリコン−オン−インシュレータ(SOI)ウェーハ100を図1に示す。SOIウェーハ100は、SOI基板110の表面上に形成したゲート酸化物層120を含む。SOIはシリコンウェーハ111と、そのシリコンウェーハ111の表面上に形成した埋込み絶縁物層112と、その埋込み絶縁物層112の表面上に形成した表面シリコン層113とを含む。埋込み絶縁物層112は、表面シリコン層113の中に形成したデバイスをシリコンウェーハ111からアイソレートし、それによって接合容量を除き、それらのデバイスがより高い動作速度で動作できるようにする。
【0005】
最新のSOIプロセスでは、通常、厚さ500Å乃至2000Åの埋込み絶縁物層と、厚さ500Å以下の表面シリコン層とを用いる。デバイスの動作速度は表面シリコン層の寸法を縮小することによってさらに改善でき、より高度のプロセスでは表面シリコン層の厚さを約200Åまで小さくすることができる。これらSOI寸法を縮小するに伴って、SOI基板110の表面上に形成した薄膜層も、性能の改善を十分に発揮できるように寸法縮小しなければならない。
【0006】
SOI基板寸法の縮小に伴って、SOI基板表面に形成する薄膜層(ゲート酸化物層120など)の形成精度がより重要になる。しかし、測定用ビームの発生のための慣用のSWEシステムに用いられているレーザはSOI構造には不向きである。SWEシステムにおけるこの測定用ビームはその一部が薄膜で反射され、また他の一部がその薄膜を透過する。測定用ビームの透過部分はその薄膜の下にある基板でその一部が反射され他の一部は透過する。薄膜および基板で反射されたビームは互いに強めあったり弱めあったりして干渉し、薄膜厚の算定に用いられる特徴的出力(反射)ビームを生ずる。
【0007】
慣用のシリコン基板の表面上に形成した薄膜では、測定用ビームの基板透過成分はそのシリコン基板に結局は吸収され、したがってSWE測定には影響しない。しかし、SOI基板を透過した測定用ビーム透過成分は多層構造SOI基板の種々の層界面で反射され得る。それらスプリアスな反射が上記の特徴的出力ビームを変化させSWE測定の精度を低下させる。
【0008】
慣用のSWEシステムは、可視光領域または赤外線領域でビームを主ずるレーザを用いる。その種のレーザは容易に入手でき、ゲート酸化物膜の測定(モノリシックシリコン基板についての)に好適に動作するからである。慣用のSWEシステムにおけるレーザを、波長632.8nmで動作するヘリウム−ネオン(He−Ne)レーザ、または波長532nmで動作するイットリウム−アルミニウム−ガーネット(YAG)レーザで構成することもしばしばある。しかし、これらの波長のビームについてのシリコン内の吸収距離(すなわち、入射ビームの強度がもとのレベルの1/e(ここで“e”は自然対数の底であり2.718にほぼ等しい)に低下するまでに媒体内を透過する深さ)は600乃至1000Åの範囲にある。SOI基板上の薄膜の測定にはそのような測定用ビームは受容できない。すなわち、測定用ビームが厚さ200乃至500Åの表面シリコン層を完全に透過し、したがってスプリアス反射を生じ、不正確な測定を招来するからである。
【0009】
したがって、SOI基板上の薄膜の測定にはSWEではなく分光偏光解析(SE)を用いる。この出願の出願人の所有する米国特許第5,608,526号(Piwonka-Corleほか名義1997年3月4日登録「集束ビーム分光偏光解析方法およびシステム」)に記載してあるようなSEは広範囲にわたる波長を同時に走査する過程を伴う。したがって、反射成分が複数の周波数成分を含む結果になり、複数種類の測定データの読出しをもたらす。これら複数種類のデータから材料スタックの複数層の厚さを算定できる。SOI基板表面上の薄膜の測定にはSEを行ってSOI層関連のデータを捨て、薄膜関連のデータだけを残す。
【0010】
SEデータのこの「選択的」利用によりSOI表面上の薄膜の測定は可能になるが、単一の薄膜(ゲート酸化物層など)の測定にはSEは理想的な手法ではない。SEに用いられる複数の測定用ビームの周波数のために処理時間が長くなり(したがってスループットが低下し)、また実際の測定の精度が低下する。すなわち、複数の波長のビーム相互間の相互作用の影響を完全に除去することはできないからである。また、SEが複雑であるために、SEシステムで用いる波長の範囲を正確に制限することは難しく、したがってシステム相互間の整合の障害になるからである。
【0011】
SOI表面上の薄膜の正確な測定を妨げるもう一つの問題は汚染物質層の成長である。最新の薄膜は、薄膜測定の精度および再現性がその薄膜の表面上の汚染によって制限され得るところまで達している。例えば、水蒸気ほかの蒸気などの分子汚染(AMC)は薄膜に吸収されて、偏光解析(SEおよびSWEの両方)に悪影響を及ぼす汚染物質層を形成することがあり得る。
【0012】
薄膜クリーニングのための慣用の方法としては、米国特許第6,325,078号(Kamieniecki名義2001年12月4日登録「高速光−熱表面処理の装置および方法」)に記載されているとおり汚染物質層を蒸発させるように恒温槽で約300℃までウェーハ全体を加熱する方法や、米国特許第6,261,853号(Howellほか名義2001年7月17登録「測定のための半導体ウェーハ前処理方法および装置」)に記載されているとおり加熱ステージ上にウェーハを配置する方法などがある。しかし、これらのバルク加熱システムでは大きい加熱制御部品(例えばランプ、加熱ステージ、熱交換機など)を必要とし、それら部品のために慣用のクリーニング機器に必要なクリーンルーム空間が大きくなり望ましくない。また、バルク加熱機器の予熱時間および冷却時間が長いために(クリーニング機器にウェーハを出し入れするための所要時間の影響と同様に)スループットが大幅に低下する。さらに、クリーニングずみのウェーハをクリーニング機器から薄膜分析機器に移す際にそのウェーハに汚染物質が再堆積することもあり得る。
【0013】
スループットを改善しシステムフットプリントを減らすために、この出願の出願人が所有する出願中の米国特許仮出願第60/426,138号(Janik名義の2002年11月13日出願「インタリーブ式レーザクリーニング付きの薄膜測定」)に記載したように(ここに参照してその記載内容をこの明細書に組み入れる)、レーザクリーニングシステムを計測機器に含めることができる。測定用ビーム源およびクリーニング用ビーム源レーザの両方を単一の測定機器に含めることによって、局部クリーニングおよび局部測定を同時並行的に、または高速順次的に行ってスループットを改善することができる。さらに個別の加熱チェンバを必要としないので、全体としてのシステムフットプリントを減らすことができる。しかし、複数のビーム源を用いるので複数のアラインメント機構が必要になり、システムの複雑性がそれだけ高まる。
【0014】
【特許文献1】USP 6 278 519
【非特許文献1】Deumie C. et al "Ellipsometry of Light Scatteringfrom Multiplayer Coating," Applied Optics, Optical Society of America, vol.35,no.28, 1 October 1996, pp.5600-5608
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
したがって、AMC汚染および再成長に伴う上述の問題を回避したSOI基板表面上の薄膜の高精度測定方法およびシステムを提供することが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0016】
この発明はSOIなどの多層構造基板について高精度のSWE測定を行うシステムおよび方法を提供する。その多層構造基板の表面層の厚さ以下の吸収距離を有する測定用ビームを用いることによって、その表面層の下の層におけるスプリアス反射を除去できる。
【0017】
この発明の一つの実施例によると、多層構造基板の表面層の厚さ以下の吸収距離を有する測定用ビームを発生するように構成したSWEシステムには、測定精度を高めるためにSWE測定実施前および実施中に局部クリーニングを行うクリーニング用ビームジェネレータを併せ備えることができる。クリーニング動作および測定動作を同時に行うことによって、測定スループットに目立った影響を及ぼすことなくSWE精度を上げることができる。
【0018】
この発明の一つの実施例によると、多層構造基板用の測定用ビームおよびクリーニング用ビームを発生するためのSWEシステムのビーム源を単一のビーム源とすることができる。このビーム源には、ビーム光周波数基本波の高調波を生ずるように周波数変調器または周波数調整器を備えることができる。例えば、SOI基板については、YAGレーザを用い、その出力の基本波成分または第2高調波成分をクリーニング用ビームとし、第4高調波を測定用ビームとすることができる。
【0019】
この発明の一つの実施例によると、クリーニング用ビームを一連のクリーニング用パルス、すなわち一連のオン/オフ状態のパルスで構成することができる。パルス状のクリーニング用ビームの特性に応じて、パルス(オン)部分で局部効果、すなわち分析サブシステムにより抽出中の測定値に影響を及ぼし得る局部効果をもたらすこともできる(パルス状クリーニング用ビームの非パルス(オフ)部分が上記測定値に何ら影響しないのはもちろんである)。例えば、クリーニング用レーザビームの各パルスが被験試料を局部的に加熱し、その加熱により上昇した温度で測定値を抽出するために測定値が影響を受けることはあり得る。
【0020】
特定のクリーニング効果およびそれら効果に対する分析サブシステムの感度に応じて、それらの影響を最小にするのに多様な手法を用いることができる。この発明の一つの実施例によると、クリーニング効果が十分に小さい場合はその効果は無視するだけで済むであろう。この発明のもう一つの実施例によると、パルス状クリーニング用パルスのパルス幅(すなわちパルスの持続時間)および繰返し周期(すなわち、一つのパルスの始点と次のパルスの始点との間の時間)が測定サブシステムの抽出する測定サンプルの間に入るように時間調整する。この発明のさらにもう一つの実施例によると、分析サブシステムにクランプ回路、すなわちクリーニング用パルスの各々の期間中(および各クリーニング用パルスのあとのクールダウン期間の期間中)に抽出した測定値サンプルをそのクリーニング用パルスの直前のパルスに対する測定サンプルのレベルにクランプするクランプ回路を備えることもできる。この発明のさらにもう一つの実施例によると、上記クリーニング用パルスの各々の期間中およびそれに伴うクールダウン期間の期間中に抽出した測定値サンプルを消去または置換するようにそれらサンプル抽出データに後処理を施すことも可能である。
【発明の効果】
【0021】
この発明は、SOI基板など多層構造基板の表面薄膜層の厚さを、分子汚染の影響を回避するとともにシステムの複雑性を伴うことなく、高精度で測定する方法およびシステムを提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
SWEシステムにおける測定用ビームの波長をSOI基板の表面シリコン層の厚さと一致させることによって、この発明はSOI基板上の薄膜の厚さの測定にSWEを使用することを可能にする。測定用ビームの波長を、測定用ビームの吸収距離がSOI基板の表面シリコン層の厚さ以下になるように選ぶことによって、その表面シリコン層と埋込み絶縁物層との間の界面におけるスプリアス反射を除くことができる。
【0023】
特定の材料(シリコンなど)における吸収距離は次式、すなわち
[式1] D=λ/4πk
で与えられる。ここでDは吸収距離、λはその材料の中における測定用ビームの波長、kはその材料の消光係数である。種々の材料の消光係数kの値は諸刊行物から容易に得られる。なお、不純物拡散ずみのシリコンなどの材料では、消光係数kの値はそのシリコンの中の特定のドーパントレベルに影響される。
【0024】
図2はシリコン内吸収距離対波長特性を表す吸収曲線のグラフを示す。波長約390nmにおいて吸収距離は約500Åである。したがって、この発明の一つの実施例によると、SOI基板表面上の薄膜について、測定用ビームの波長を約390nm以下にすることによって、SWEを行うことができる(波長閾値の正確な算定は実際の吸収曲線データから行う)。
【0025】
波長390nm近傍の曲線の急峻な勾配は、実際の吸収距離が測定用ビームの正確な波長に大きく左右されることを表している。測定用ビームの波長の精度が少しでも低い場合は、SOI基板へのビーム透過距離が大きくなりすぎてスプリアスな反射を生ずる結果になる。しかし、グラフにも示されるとおり、波長約365nm以下の領域、すなわち吸収距離約100Åに対応する波長以下の領域では吸収曲線の勾配はずっと小さくなり、波長290nm以下では約50Åで曲線は一定値になる。したがって、この発明のもう一つの実施例によると、測定用ビームの波長を365nmの「膝」以下になるように選ぶことによって、SWEシステムが測定用ビームの波長の微小な変動にあまり左右されないようにすることができる。
【0026】
図3は多層構造基板310の表面上に形成した薄膜層300を含む被験試料301の測定のためのこの発明の一つの実施例によるSWEシステム300を示す。多層構造基板310は厚さTsupの表面(上面)層313を含む。表面層313は埋込み層312および311の上に形成してある。この発明の一つの実施例によると、基板310はSOI基板を含み、表面層313は表面シリコン層を含み、埋込み層312および311は埋込み絶縁物層およびシリコン基板をそれぞれ含む。なお、説明のために多層構造基板310は三層構造としてあるが、表面層313並びに埋込み層312および311を画定する点線で示すとおり、任意の多層構造基板にこの発明は適用できる。
【0027】
SWEシステム300は、測定用ビームジェネレータ330および測定値レシーバ340を含む。測定用ビームジェネレータ330は単一波長の測定用ビーム331で薄膜層320を照射し、測定値レシーバ340がその反射成分を所望の偏光解析計算ができるように測定する。なお、追加の測定用ビームジェネレータ335の周囲および追加の測定値レシーバ345の周囲に点線で示すとおり、このSWEシステム300には任意の数の追加のビームジェネレータおよび対応の測定値レシーバを備えることができる。
【0028】
測定用ビームジェネレータ330は、測定用ビーム331の吸収距離が多層構造基板310の表面層313の厚さTsupよりも小さくそれによって測定用ビーム331の表面層313透過およびスプリアス反射発生を防ぐように構成してある。
【0029】
例えば、基板310が表面シリコン層の膜厚500ÅのSOI基板から成る場合は、測定用ビームジェネレータ330は波長390nm以下の測定用ビームを発生するように構成することができる。その場合は、測定用ビームジェネレータ330は、波長266nmの測定用ビームを生ずる周波数4逓倍YAGレーザで構成できる。
【0030】
図4aは多層構造基板410の表面上に形成した薄膜層420を含む被験試料401の測定のためのこの発明のもう一つの実施例によるSWEシステム400を示す。多層構造基板410は図3に示した多層構造基板310をほぼ同様であり、厚さTsupで埋込み層412および411の上に形成した表面(上面)層413を備える。この発明の一つの実施例によると、基板410はSOI基板から成り、表面層413は表面シリコン層を含み、埋込み層412および411は埋込み絶縁層およびシリコン基板をそれぞれ含む。なお、多層構造基板410は表面層413の下に任意の数の層を備え得る。
【0031】
汚染物質層421が薄膜層420の表面を覆っている。汚染物質層421は薄膜層420の表面上のAMCなどの任意の不要物質で構成され得る。なお、汚染物質層は説明の便宜のために薄膜層420の表面全体を覆った形で図示してあるが、この汚染物質層421が薄膜層420の一部だけを覆うこともあり得る。汚染物質層421は薄膜層420のSWE測定の精度に影響するので不都合である。
【0032】
SWEシステム400は測定用ビームジェネレータ430と、測定値レシーバ440と、クリーニング用ビームジェネレータ450と、オプションのデータ処理ロジック490とを含む。なお、SWEシステム400は、追加の測定用ビームジェネレータ335および345のまわりに点線で示すとおり、任意の数の追加の測定用ビームジェネレータおよびその対応のレシーバを備え得る。
【0033】
クリーニング動作を行うために、クリーニング用ビーム発生器450はクリーニング用ビーム451を汚染物質421に向ける。クリーニング用ビーム451は薄膜層312の部分を露出させるに十分な程度に汚染物質層を除去するように構成されている。この除去工程は、汚染物質層421との相互作用、または薄膜層420の下部層や基板410などとの相互作用を含む。汚染物質層除去のメカニズムは使用したクリーニング用ビームの種類によって定まる。
【0034】
この発明の一つの実施例によると、クリーニング用ビームジェネレータ430はクリーニング用ビーム431をパルス状のビームとして発生し得る。例えば、クリーニング用ビーム源430はパルス動作のレーザで構成できる。汚染物質層421が厚さ5Åの水および有機物質の層(薄膜層上に製造中に頻繁に生ずるAMC層と類似)から成る場合であって基板410がSOI基板で構成される場合は、5−100マイクロジュール(波長532nm)で動作するQ−スイッチ付き周波数2逓倍YAGレーザをクリーニング用ビームジェネレータ450として用いることができる。多数の1乃至100nsパルスまたは単一のパルスを生ずるこの種のレーザでシリコン基板(層511)を加熱し、汚染物質層521の上側部分をその部分の汚染物質の蒸発に十分な温度範囲300℃乃至1000℃まで温度上昇させる。
【0035】
この発明の上記以外の実施例によると、上記以外の波長で動作する上記以外のタイプのパルス動作レーザ、すなわちパルス動作ダイオードレーザまたはアレキサンドライトレーザを用いることもできる。この発明のさらに他の実施例によると、光パルスの発生に外部変調(音響光学変調素子または電気光学変調素子などによる)をかけたアルゴンイオンレーザなどの連続波レーザを用いることもできる。この発明のさらに他の実施例によると、クリーニング用ビーム源450を、汚染物質層421表面上の所望の領域に高強度の光を導く集束光学系と結合したフラッシュランプで構成することもできる。この発明のさらに他の実施例によると、クリーニング用ビーム源450をパルス動作のマイクロ波源、ガスジェット源、音響波源、ドライアイスジェット源、またはイオンビーム源などで構成することもできる。
【0036】
図4bは、図4aを参照して説明したクリーニング動作により汚染物質層421から露出させた薄膜層420の測定位置422でSWE動作を行うSWEシステム400を示す。測定用ビーム発生器430は薄膜層420の測定位置422に単一波長の測定用ビーム431を導き、測定用レシーバ440は所望の偏光解析計算が可能になるように反射光を測定する。次に、オプションのデータ処理ロジック490で所望の偏光解析データ処理を行う。測定用ビームジェネレータ430は、図3を参照して説明したのとほぼ同様に多層構造基板410の表面層413の厚さTsup以下に測定用ビーム431の吸収距離がなるように構成してある。この構成によって、測定用ビーム431が表面層413を透過することを防止し、測定精度を損なうスプリアス反射の発生を防止する。
【0037】
なお、この発明の一つの実施例によると、測定用ビーム発生器430および被験試料401の相対的位置はクリーニング動作と測定(SWE)動作との間の期間に移動させて、測定用ビーム431を上記露出させた測定位置422の薄膜層420に確実に導くようにすることができる。この発明のもう一つの実施例によると、クリーニング動作と測定動作との間の被験試料の位置再設定を不要にするように、測定用ビームジェネレータ430およびクリーニング用ビームジェネレータ450を同じ位置に集束させることもできる。
【0038】
図5は多層構造基板510の表面上に形成した薄膜層520を含む被験試料501の測定のためのこの発明のもう一つの実施例によるSWEシステム500を示す。多層構造基板510は図3に示した多層構造基板310とほぼ同様であり、厚さTsupで埋込み層512および511の上に形成した表面(上面)層513を備える。この発明の一つの実施例によると、基板510はSOI基板から成り、表面層513は表面シリコン層を含み、埋込み層512および511は埋込み絶縁層およびシリコン基板をそれぞれ含む。なお、多層構造基板510は表面層513の下に任意の数の層を備え得る。
【0039】
汚染物質層521が薄膜層520の表面を覆っている。汚染物質層521は薄膜層520の表面上のAMCなどの任意の不要物質で構成されうる。なお、汚染物質層は説明の便宜のために薄膜層520の表面全体を覆った形で図示してあるが、この汚染物質層521が薄膜層520の一部だけを覆うこともあり得る。汚染物質層521は薄膜層520のSWE測定の精度に影響するので不都合である。
【0040】
SWEシステム500はクリーニング用/測定用ビームジェネレータ530と、測定値レシーバ540とを含む。クリーニング用/測定用ビームジェネレータ530はクリーニング動作のためのクリーニング用ビームと測定動作のための測定用ビームとを次に詳述するとおり発生する。なお、SWEシステム500は任意の数の追加のクリーニング用/測定用ビームジェネレータおよび対応の測定値レシーバを、追加のジェネレータ535およびレシーバ545の周囲に点線で示したとおり、備えることができる。
【0041】
クリーニング動作を行うには、クリーニング用/測定用ビームジェネレータ530がクリーニング用ビーム531を汚染物質層521に向ける。クリーニング用ビーム531の波長はそのビーム531の吸収距離が表面層513の厚さTsupよりも大きくなる値に選んである。例えば、基板510が表面シリコン層の厚さ500ÅのSOI基板である場合は、クリーニング用/測定用ビームジェネレータ530をYAGレーザで構成し、クリーニング用ビーム531をそのレーザの基本波成分(すなわち波長1064nm)または第2高潮波成分(すなわち波長532nm)とすることができる。いずれの場合も、クリーニング用ビーム531の吸収距離は図2の吸収曲線に示すとおり500Åを実質的に上回る。したがって、クリーニング用ビーム531は基板510を深く浸透して、汚染物質層521の上側部分の除去に十分な局部加熱を生ずることができる。
【0042】
図5bは図5aを参照して説明したクリーニング動作により汚染物質層521から露出させた薄膜層520上の測定位置でSWE動作を行っているSWEシステム500を示す。クリーニング用/測定用ビームジェネレータ530は薄膜層520上の測定位置522に単一波長の測定用ビーム532を向け、測定値レシーバ540が所望の偏光解析計算をできるように反射光を測定する。次に、オプションのデータ処理ロジック590で所望の偏光解析データ処理を行う。図5aを参照して説明したクリーニング用ビームと対照的に、測定用ビーム532はそのビーム532の吸収距離が表面層513の厚さTsup以下になる波長をもつように構成してある。したがって、図3について述べたのとほぼ同じ理由で測定用ビーム532は表面層513の透過を妨げられ、測定精度を損ない得るスプリアス反射の発生が防止される。
【0043】
クリーニング用/測定用ビームジェネレータ530はクリーニング用ビームおよび測定用ビームの両方を生ずるので、別々のビームジェネレータを用いたSWEシステムに比べてSWEシステム500のコストおよび大きさは減らすことができる。例えば、クリーニング用ビーム531を図5aについて上に述べたYAGレーザの基本波(1064nm)または第2高調波(532nm)成分で構成する場合は、図5bにおける測定用ビーム532は同じYAGレーザの第4高調波(266nm)で構成できる。
【0044】
図6aはこの発明によるクリーニング用/測定用ビームジェネレータ600aの詳細を示す。クリーニング用/測定用ビーム発生器600aは図5aおよび5bにおけるクリーニング用/測定用ビームジェネレータ530に対応する。クリーニング用/測定用ビームジェネレータ600aはビーム源610と、変調器621と、オプションの制御光学系630とを含む。変調器621はビーム源610の出力を制御して出力ビーム601が所望の波長特性を備えるようにする。例えば、ビーム源610はYAGマトリクスで構成し、変調器621で出力ビーム601の周波数変調を制御し、例えば、クリーニング動作の期間中は基本波または第2高調波で出力ビームを維持し、測定動作の期間中は出力ビーム601を第4高調波に上げるようにする。制御光学系630は偏光板、波長板、集束光学系ほかSWE動作に必要な光学素子を含む。
【0045】
図6bはこの発明によるクリーニング用/測定用ビームジェネレータ600bの詳細を示す。クリーニング用/測定用ビーム発生器600bも図5aおよび図5bにおけるクリーニング用/測定用ビームジェネレータ530に対応する。クリーニング用/測定用ビームジェネレータ600bはビーム源610と、周波数調節器622aおよび622bと、オプションの制御光学系630とを含む。周波数調節器622aおよび622bは所望のクリーニング用ビームおよび測定用ビームを生ずるようにビーム源610の出力を調節する。制御光学系630は偏光板、波長板、集束光学系ほかSWE動作に必要な光学素子を含む。
【0046】
なお、説明の便宜のために図6bでは二つのビーム調節器を示したが、クリーニング用/測定用ビームジェネレータ600bには所望の出力ビーム特性に応じて任意の数のビーム調節器を備えることができる。例えば、ビーム源610をYAGマトリクスで構成し、周波数調節器622aおよび622bを周波数2倍器で構成することができる。周波数調節器622aはもとのビームの基本波成分を2逓倍して、クリーニング用ビームとして用い得る波長532nmの出力ビーム601aを生ずる。一方、周波数調節器622bはその出力ビームの周波数を2逓倍して測定用ビームとして用い得る波長266nmの出力ビーム601bを生ずる。なお、これら出力ビーム601aおよび601bは説明の便宜のために別々の経路を通るように図示してあるが、これら出力ビーム601aおよび601b(それぞれクリーニング用ビームおよび測定用ビーム)はコーリニア(collinear)にすることもできる。また、二つの周波数調節器は個別に同時並行的に動作させて出力ビーム601aおよび601bを個別に同時に発生するようにすることもできる。
【0047】
この発明の一つの実施例によると、SWEシステム400(図4aおよび4bに示してある)およびSWEシステム500(図5aおよび図5bに示してある)によるクリーニング動作および測定動作を順次的に行うこともできる。この発明のもう一つの実施例によると、クリーニング動作および測定動作を同時並行にまたは交互に行うことによって薄膜層表面上の汚染の再発を防止し、両動作を時間的空間的に分けて実施した場合(クリーニングに要する時間が長くなる)に比べてクリーニング動作用のビームの電力の低下を可能にし、被験試料への損傷のリスクを低減できる。被験試料の非機能領域(例えば最終製品の機能領域でないスクライブ線などの領域)にクリーニング動作を行うことによって、上記損傷のリスクをさらに低減できる。
【0048】
この発明のもう一つの実施例によると、薄膜層の初期露出領域の形成のためにクリーニングおよび測定の並行動作の前に初期クリーニング動作を行うことができる。所望の程度の初期クリーニングを行うために図4のクリーニング用ビームジェネレータ450または図5のクリーニング用/測定用ビーム発生器530から汚染物質層421または521に予め画定した個数のクリーニング用パルスをそれぞれ加える。なお、これら初期クリーニング用パルスの持続時間や繰返し周期は、並行クリーニング動作(測定動作と並行して行うクリーニング動作)のためのクリーニング用パルスの持続時間や繰返し周期と等しいとは限らない。
【0049】
図4におけるクリーニング用ビームまたは図5におけるクリーニング用ビーム531の特性によっては、ビームの中の個々のクリーニング用パルスが並行実施のSWE測定の精度を損なうことがあるかもしれない。例えば、汚染物質層の部分の除去に使われる熱が薄膜層および基板の一時的な歪を生じさせ、それが出力光に影響を及ぼし得る。この発明の一つの実施例によると、そのような「クリーニング効果」に起因する擾乱からの回復時間は有意なAMC再成長に要する時間よりも通常はずっと短いので、クリーニング効果は無視することができ、クリーニング用ビームによる測定精度低下は許容できる。
【0050】
この発明の他の実施例によると、上記クリーニング効果は、クリーニング用パルスのタイミングの適切な設定、測定用サンプリング特性の調整、またはもとのデータの測定値の選択的処理など多様な方法によって補償することができる。この発明の一つの実施例によると、これら補償手法の実行は、クリーニング用ビーム451または531のクリーニング用パルスのパルス速度(すなわち単位時間あたりのクリーニング用パルスの数)を測定値レシーバ440または540のサンプリング速度の約数に等しい値に設定することによって単純化され、その場合はクリーニング用ビームは一定間隔でほぼ一定のクリーニング効果をもたらす。
【0051】
図7aは図4aおよび4bに示したSWEシステム400および図5aおよび図5bに示したSWEサンプリング速度の例を示す。データサンプリングは時点t0で始まり、サンプリング周期Ps(すなわち、一つのサンプリングパルスの始点と次のサンプリングパルスの始点との間の時間、1/サンプリング速度に等しい)、およびサンプル幅Ws(すなわち、サンプリングパルスの持続時間)で行われる。時点t0−t8(任意の数のサンプルを抽出できるが)で抽出した9個のサンプルを図示してある。
【0052】
図7bは図7aに示したサンプリング速度プロフィルと関連づけて用い得るSWEシステム400のクリーニング用ビーム451またはSWEシステム500のクリーニング用ビーム531のクリーニングパルスの例を示す。時点t0の前(すなわち、データサンプリングの開始の前)に強度IN’、幅Wc’および周期Pc’のクリーニングパルスを初期クリーニング動作のために時点t0’を始点として被験試料に加える。データサンプリングが始まると(すなわち、時点t0のあと)、強度IN、幅Wcおよび周期Pcのクリーニング用パルスを加える。
【0053】
クリーニングパルスの強度IN、幅Wcおよび周期Pcは上記強度IN’、幅Wc’およびPc’とそれぞれ相違し得る。例えば、初期クリーニング動作の所要時間を短くするためには、パルス幅Wc’をパルス幅Wcよりも大きくし、また周期Pc’を周期Pcよりも短くすることができる。
【0054】
図7cは、図7bに示したクリーニング用パルスプロフィルを有するクリーニング用ビームで照射した場合の図4aおよび4bにおける被験試料401および図5aおよび図5bにおける被験試料501の温度プロフィルを示す。クリーニング用パルスの各々が対応の温度スパイクを生ずる。すなわち、図7bに示した時点tc1,tc2およびtc3におけるクリーニング用パルスは、図7cに示した同じタイミングで対応の温度スパイクを生ずる。図示のとおり、被験試料の局部温度は定常状態温度Tssから上昇温度Telに上がる。分析対象の部位は被験試料のごく小さい部分であるので、クリーニング用パルスからの熱は急速に消失し、図7cに示した幅狭の温度スパイクを生ずる。例えば、シリコンウェーハでは、波長532nmのレーザからの幅60nsのクリーニング用パルスによる温度スパイクの幅は1μs程度である。
【0055】
この発明の実施例によると、クリーニングパルスをデータサンプル相互間の間にタイミング設定することによって、クリーニング用パルスに起因する温度擾乱は消失のための時間を有することになり、したがって実際の測定値には影響を及ぼさない。クリーニング用パルスがデータサンプルの直後に生ずるようにタイミング設定することによって、そのクリーニング用パルスに許容可能な復旧時間(冷却時間)を最大にすることができる。例えば、図7bの時点tc1をサンプル幅Wsに図7aの時間t2を加えた値に等しく設定することができる。同様に、時点tc2をサンプル幅Wsに時間t5を加えた値に等しく設定し、tc3をサンプル幅Wsに時間t8を加えた値に等しく設定することができる。
【0056】
クリーニング動作に起因する温度効果の一部がデータサンプルの一部に「流出」しても、最終測定値の算出のために複数のサンプル値の平均をとることによって上述の過渡的加熱効果は「平滑化」される。この平滑化効果はSWEシステムのサンプリング速度を上げることによって高めることができる。この発明の他の実施例によると、ビームジェネレータ内の変調器(図6aに示した変調器621など)でクリーニング用パルスの期間中およびその後続の冷却期間中に測定用ビームを阻止して、クリーニング(および冷却)動作中は被験試料からの情報が受け入れられないようにする。また、上記変調器は、クリーニング用レーザパルスのパルス速度で混入する不都合な成分を回避するようにサンプリングパルス相互間の測定用ビームを阻止する。サンプリングパルス相互間における測定用ビームのパルスの阻止はそのサンプリング速度で現れる既知の一定の不都合な成分を導入するが、それらの成分は後続の段階で処理でき、クリーニング用ビームのパルスの生起の有無にかかわらず、各サンプリング間隔を実効的に等しくすることができる。この発明のもう一つの実施例によると、データ処理ロジック490(図4aおよび4bにおける)またはデータ処理ロジック590(図5aおよび5bにおける)はクリーニング効果回避のためにサンプルデータを所定のレベルでクランプでき、クリーニングパルスの期間中データを消去することもできる。
【0057】
上述のこの発明の構成および方法の諸実施例はこの発明の原理の例示に過ぎず、この発明の範囲をこれら特定の実施例に限定することを意図するものではない。この発明は特許請求の範囲の記載およびそれらの均等物だけによって限定されるものである。
【産業上の利用可能性】
【0058】
SOIなど多層構造基板上への薄膜形成の厚さ制御を厳密に効率的に行うことができ、IC・LSIの製造効率化に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】SOI基板の断面図。
【図2】シリコンの吸収曲線。
【図3】この発明の一つの実施例によるSWEシステムの概略図。
【図4a】この発明のもう一つの実施例によるSWEシステムの概略図。
【図4b】この発明のもう一つの実施例によるSWEシステムの概略図。
【図5a】この発明のもう一つの実施例によるSWEシステムの概略図。
【図5b】この発明のもう一つの実施例によるSWEシステムの概略図。
【図6a】この発明の一つの実施例によるクリーニング/測定用ビームジェネレータの概略図。
【図6b】この発明のもう一つの実施例によるクリーニング/測定用ビームジェネレータの概略図。
【図7a】この発明におけるサンプリング速度とクリーニングパルスおよびクリーニング効果とを比較したグラフ。
【図7b】この発明におけるサンプリング速度とクリーニングパルスおよびクリーニング効果とを比較したグラフ。
【図7c】この発明におけるサンプリング速度とクリーニングパルスおよびクリーニング効果とを比較したグラフ。
【符号の説明】
【0060】
100 SOIウェーハ
110 SOI基板
111 シリコンウェーハ
112 埋込み絶縁層
113 表面シリコン層
120 ゲート酸化物層
【技術分野】
【0001】
この発明は概括的には測定システムに関し、より詳しくいうとシリコン−オン−シリコン(SOS)構造について諸測定を行うシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスの寸法の微細化の継続に伴って、それらデバイスを構成する各部分の特性を正確に効率的に把握することがより重要になってくる。代表例を挙げると、最新の半導体デバイスの製造プロセスはシリコンウェーハ表面上に多数の層または「薄膜」を形成する過程を含んでいる。この薄膜には、酸化膜や窒化膜や金属膜などが含まれる。完成後の半導体デバイス本来の性能を確保するためには、製造プロセスの進行中に形成される薄膜の各々の厚さおよび組成を厳密に制御しなければならない。
【0003】
単一波長偏光解析(SWE)は、単一波長偏光ビームを薄膜にあて反射ビームの偏光状態の変化を測定することによって、薄膜を測定する手法であって、この出願の出願人の所有する出願中のWangほか名義の米国出願第09/298,007号「自己較正機能つきの表面特性分析システム」に記載してあるとおりであり、その出願をここに参照してその明細書の記載内容をこの明細書に組み入れる。SWEは薄膜の膜圧の測定の手法として最も安定した再現性の高い手法であり、したがってゲート酸化物膜など重要な構成部分の測定のための優れた手法である。
【0004】
しかし、残念ながら特定の最新プロセス技術は慣用のSWEに問題を惹起する。例えば、ICの中の金属−酸化物−半導体(MOS)トランジスタの動作速度の改善に用いられる基本的シリコン−オン−インシュレータ(SOI)ウェーハ100を図1に示す。SOIウェーハ100は、SOI基板110の表面上に形成したゲート酸化物層120を含む。SOIはシリコンウェーハ111と、そのシリコンウェーハ111の表面上に形成した埋込み絶縁物層112と、その埋込み絶縁物層112の表面上に形成した表面シリコン層113とを含む。埋込み絶縁物層112は、表面シリコン層113の中に形成したデバイスをシリコンウェーハ111からアイソレートし、それによって接合容量を除き、それらのデバイスがより高い動作速度で動作できるようにする。
【0005】
最新のSOIプロセスでは、通常、厚さ500Å乃至2000Åの埋込み絶縁物層と、厚さ500Å以下の表面シリコン層とを用いる。デバイスの動作速度は表面シリコン層の寸法を縮小することによってさらに改善でき、より高度のプロセスでは表面シリコン層の厚さを約200Åまで小さくすることができる。これらSOI寸法を縮小するに伴って、SOI基板110の表面上に形成した薄膜層も、性能の改善を十分に発揮できるように寸法縮小しなければならない。
【0006】
SOI基板寸法の縮小に伴って、SOI基板表面に形成する薄膜層(ゲート酸化物層120など)の形成精度がより重要になる。しかし、測定用ビームの発生のための慣用のSWEシステムに用いられているレーザはSOI構造には不向きである。SWEシステムにおけるこの測定用ビームはその一部が薄膜で反射され、また他の一部がその薄膜を透過する。測定用ビームの透過部分はその薄膜の下にある基板でその一部が反射され他の一部は透過する。薄膜および基板で反射されたビームは互いに強めあったり弱めあったりして干渉し、薄膜厚の算定に用いられる特徴的出力(反射)ビームを生ずる。
【0007】
慣用のシリコン基板の表面上に形成した薄膜では、測定用ビームの基板透過成分はそのシリコン基板に結局は吸収され、したがってSWE測定には影響しない。しかし、SOI基板を透過した測定用ビーム透過成分は多層構造SOI基板の種々の層界面で反射され得る。それらスプリアスな反射が上記の特徴的出力ビームを変化させSWE測定の精度を低下させる。
【0008】
慣用のSWEシステムは、可視光領域または赤外線領域でビームを主ずるレーザを用いる。その種のレーザは容易に入手でき、ゲート酸化物膜の測定(モノリシックシリコン基板についての)に好適に動作するからである。慣用のSWEシステムにおけるレーザを、波長632.8nmで動作するヘリウム−ネオン(He−Ne)レーザ、または波長532nmで動作するイットリウム−アルミニウム−ガーネット(YAG)レーザで構成することもしばしばある。しかし、これらの波長のビームについてのシリコン内の吸収距離(すなわち、入射ビームの強度がもとのレベルの1/e(ここで“e”は自然対数の底であり2.718にほぼ等しい)に低下するまでに媒体内を透過する深さ)は600乃至1000Åの範囲にある。SOI基板上の薄膜の測定にはそのような測定用ビームは受容できない。すなわち、測定用ビームが厚さ200乃至500Åの表面シリコン層を完全に透過し、したがってスプリアス反射を生じ、不正確な測定を招来するからである。
【0009】
したがって、SOI基板上の薄膜の測定にはSWEではなく分光偏光解析(SE)を用いる。この出願の出願人の所有する米国特許第5,608,526号(Piwonka-Corleほか名義1997年3月4日登録「集束ビーム分光偏光解析方法およびシステム」)に記載してあるようなSEは広範囲にわたる波長を同時に走査する過程を伴う。したがって、反射成分が複数の周波数成分を含む結果になり、複数種類の測定データの読出しをもたらす。これら複数種類のデータから材料スタックの複数層の厚さを算定できる。SOI基板表面上の薄膜の測定にはSEを行ってSOI層関連のデータを捨て、薄膜関連のデータだけを残す。
【0010】
SEデータのこの「選択的」利用によりSOI表面上の薄膜の測定は可能になるが、単一の薄膜(ゲート酸化物層など)の測定にはSEは理想的な手法ではない。SEに用いられる複数の測定用ビームの周波数のために処理時間が長くなり(したがってスループットが低下し)、また実際の測定の精度が低下する。すなわち、複数の波長のビーム相互間の相互作用の影響を完全に除去することはできないからである。また、SEが複雑であるために、SEシステムで用いる波長の範囲を正確に制限することは難しく、したがってシステム相互間の整合の障害になるからである。
【0011】
SOI表面上の薄膜の正確な測定を妨げるもう一つの問題は汚染物質層の成長である。最新の薄膜は、薄膜測定の精度および再現性がその薄膜の表面上の汚染によって制限され得るところまで達している。例えば、水蒸気ほかの蒸気などの分子汚染(AMC)は薄膜に吸収されて、偏光解析(SEおよびSWEの両方)に悪影響を及ぼす汚染物質層を形成することがあり得る。
【0012】
薄膜クリーニングのための慣用の方法としては、米国特許第6,325,078号(Kamieniecki名義2001年12月4日登録「高速光−熱表面処理の装置および方法」)に記載されているとおり汚染物質層を蒸発させるように恒温槽で約300℃までウェーハ全体を加熱する方法や、米国特許第6,261,853号(Howellほか名義2001年7月17登録「測定のための半導体ウェーハ前処理方法および装置」)に記載されているとおり加熱ステージ上にウェーハを配置する方法などがある。しかし、これらのバルク加熱システムでは大きい加熱制御部品(例えばランプ、加熱ステージ、熱交換機など)を必要とし、それら部品のために慣用のクリーニング機器に必要なクリーンルーム空間が大きくなり望ましくない。また、バルク加熱機器の予熱時間および冷却時間が長いために(クリーニング機器にウェーハを出し入れするための所要時間の影響と同様に)スループットが大幅に低下する。さらに、クリーニングずみのウェーハをクリーニング機器から薄膜分析機器に移す際にそのウェーハに汚染物質が再堆積することもあり得る。
【0013】
スループットを改善しシステムフットプリントを減らすために、この出願の出願人が所有する出願中の米国特許仮出願第60/426,138号(Janik名義の2002年11月13日出願「インタリーブ式レーザクリーニング付きの薄膜測定」)に記載したように(ここに参照してその記載内容をこの明細書に組み入れる)、レーザクリーニングシステムを計測機器に含めることができる。測定用ビーム源およびクリーニング用ビーム源レーザの両方を単一の測定機器に含めることによって、局部クリーニングおよび局部測定を同時並行的に、または高速順次的に行ってスループットを改善することができる。さらに個別の加熱チェンバを必要としないので、全体としてのシステムフットプリントを減らすことができる。しかし、複数のビーム源を用いるので複数のアラインメント機構が必要になり、システムの複雑性がそれだけ高まる。
【0014】
【特許文献1】USP 6 278 519
【非特許文献1】Deumie C. et al "Ellipsometry of Light Scatteringfrom Multiplayer Coating," Applied Optics, Optical Society of America, vol.35,no.28, 1 October 1996, pp.5600-5608
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
したがって、AMC汚染および再成長に伴う上述の問題を回避したSOI基板表面上の薄膜の高精度測定方法およびシステムを提供することが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0016】
この発明はSOIなどの多層構造基板について高精度のSWE測定を行うシステムおよび方法を提供する。その多層構造基板の表面層の厚さ以下の吸収距離を有する測定用ビームを用いることによって、その表面層の下の層におけるスプリアス反射を除去できる。
【0017】
この発明の一つの実施例によると、多層構造基板の表面層の厚さ以下の吸収距離を有する測定用ビームを発生するように構成したSWEシステムには、測定精度を高めるためにSWE測定実施前および実施中に局部クリーニングを行うクリーニング用ビームジェネレータを併せ備えることができる。クリーニング動作および測定動作を同時に行うことによって、測定スループットに目立った影響を及ぼすことなくSWE精度を上げることができる。
【0018】
この発明の一つの実施例によると、多層構造基板用の測定用ビームおよびクリーニング用ビームを発生するためのSWEシステムのビーム源を単一のビーム源とすることができる。このビーム源には、ビーム光周波数基本波の高調波を生ずるように周波数変調器または周波数調整器を備えることができる。例えば、SOI基板については、YAGレーザを用い、その出力の基本波成分または第2高調波成分をクリーニング用ビームとし、第4高調波を測定用ビームとすることができる。
【0019】
この発明の一つの実施例によると、クリーニング用ビームを一連のクリーニング用パルス、すなわち一連のオン/オフ状態のパルスで構成することができる。パルス状のクリーニング用ビームの特性に応じて、パルス(オン)部分で局部効果、すなわち分析サブシステムにより抽出中の測定値に影響を及ぼし得る局部効果をもたらすこともできる(パルス状クリーニング用ビームの非パルス(オフ)部分が上記測定値に何ら影響しないのはもちろんである)。例えば、クリーニング用レーザビームの各パルスが被験試料を局部的に加熱し、その加熱により上昇した温度で測定値を抽出するために測定値が影響を受けることはあり得る。
【0020】
特定のクリーニング効果およびそれら効果に対する分析サブシステムの感度に応じて、それらの影響を最小にするのに多様な手法を用いることができる。この発明の一つの実施例によると、クリーニング効果が十分に小さい場合はその効果は無視するだけで済むであろう。この発明のもう一つの実施例によると、パルス状クリーニング用パルスのパルス幅(すなわちパルスの持続時間)および繰返し周期(すなわち、一つのパルスの始点と次のパルスの始点との間の時間)が測定サブシステムの抽出する測定サンプルの間に入るように時間調整する。この発明のさらにもう一つの実施例によると、分析サブシステムにクランプ回路、すなわちクリーニング用パルスの各々の期間中(および各クリーニング用パルスのあとのクールダウン期間の期間中)に抽出した測定値サンプルをそのクリーニング用パルスの直前のパルスに対する測定サンプルのレベルにクランプするクランプ回路を備えることもできる。この発明のさらにもう一つの実施例によると、上記クリーニング用パルスの各々の期間中およびそれに伴うクールダウン期間の期間中に抽出した測定値サンプルを消去または置換するようにそれらサンプル抽出データに後処理を施すことも可能である。
【発明の効果】
【0021】
この発明は、SOI基板など多層構造基板の表面薄膜層の厚さを、分子汚染の影響を回避するとともにシステムの複雑性を伴うことなく、高精度で測定する方法およびシステムを提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
SWEシステムにおける測定用ビームの波長をSOI基板の表面シリコン層の厚さと一致させることによって、この発明はSOI基板上の薄膜の厚さの測定にSWEを使用することを可能にする。測定用ビームの波長を、測定用ビームの吸収距離がSOI基板の表面シリコン層の厚さ以下になるように選ぶことによって、その表面シリコン層と埋込み絶縁物層との間の界面におけるスプリアス反射を除くことができる。
【0023】
特定の材料(シリコンなど)における吸収距離は次式、すなわち
[式1] D=λ/4πk
で与えられる。ここでDは吸収距離、λはその材料の中における測定用ビームの波長、kはその材料の消光係数である。種々の材料の消光係数kの値は諸刊行物から容易に得られる。なお、不純物拡散ずみのシリコンなどの材料では、消光係数kの値はそのシリコンの中の特定のドーパントレベルに影響される。
【0024】
図2はシリコン内吸収距離対波長特性を表す吸収曲線のグラフを示す。波長約390nmにおいて吸収距離は約500Åである。したがって、この発明の一つの実施例によると、SOI基板表面上の薄膜について、測定用ビームの波長を約390nm以下にすることによって、SWEを行うことができる(波長閾値の正確な算定は実際の吸収曲線データから行う)。
【0025】
波長390nm近傍の曲線の急峻な勾配は、実際の吸収距離が測定用ビームの正確な波長に大きく左右されることを表している。測定用ビームの波長の精度が少しでも低い場合は、SOI基板へのビーム透過距離が大きくなりすぎてスプリアスな反射を生ずる結果になる。しかし、グラフにも示されるとおり、波長約365nm以下の領域、すなわち吸収距離約100Åに対応する波長以下の領域では吸収曲線の勾配はずっと小さくなり、波長290nm以下では約50Åで曲線は一定値になる。したがって、この発明のもう一つの実施例によると、測定用ビームの波長を365nmの「膝」以下になるように選ぶことによって、SWEシステムが測定用ビームの波長の微小な変動にあまり左右されないようにすることができる。
【0026】
図3は多層構造基板310の表面上に形成した薄膜層300を含む被験試料301の測定のためのこの発明の一つの実施例によるSWEシステム300を示す。多層構造基板310は厚さTsupの表面(上面)層313を含む。表面層313は埋込み層312および311の上に形成してある。この発明の一つの実施例によると、基板310はSOI基板を含み、表面層313は表面シリコン層を含み、埋込み層312および311は埋込み絶縁物層およびシリコン基板をそれぞれ含む。なお、説明のために多層構造基板310は三層構造としてあるが、表面層313並びに埋込み層312および311を画定する点線で示すとおり、任意の多層構造基板にこの発明は適用できる。
【0027】
SWEシステム300は、測定用ビームジェネレータ330および測定値レシーバ340を含む。測定用ビームジェネレータ330は単一波長の測定用ビーム331で薄膜層320を照射し、測定値レシーバ340がその反射成分を所望の偏光解析計算ができるように測定する。なお、追加の測定用ビームジェネレータ335の周囲および追加の測定値レシーバ345の周囲に点線で示すとおり、このSWEシステム300には任意の数の追加のビームジェネレータおよび対応の測定値レシーバを備えることができる。
【0028】
測定用ビームジェネレータ330は、測定用ビーム331の吸収距離が多層構造基板310の表面層313の厚さTsupよりも小さくそれによって測定用ビーム331の表面層313透過およびスプリアス反射発生を防ぐように構成してある。
【0029】
例えば、基板310が表面シリコン層の膜厚500ÅのSOI基板から成る場合は、測定用ビームジェネレータ330は波長390nm以下の測定用ビームを発生するように構成することができる。その場合は、測定用ビームジェネレータ330は、波長266nmの測定用ビームを生ずる周波数4逓倍YAGレーザで構成できる。
【0030】
図4aは多層構造基板410の表面上に形成した薄膜層420を含む被験試料401の測定のためのこの発明のもう一つの実施例によるSWEシステム400を示す。多層構造基板410は図3に示した多層構造基板310をほぼ同様であり、厚さTsupで埋込み層412および411の上に形成した表面(上面)層413を備える。この発明の一つの実施例によると、基板410はSOI基板から成り、表面層413は表面シリコン層を含み、埋込み層412および411は埋込み絶縁層およびシリコン基板をそれぞれ含む。なお、多層構造基板410は表面層413の下に任意の数の層を備え得る。
【0031】
汚染物質層421が薄膜層420の表面を覆っている。汚染物質層421は薄膜層420の表面上のAMCなどの任意の不要物質で構成され得る。なお、汚染物質層は説明の便宜のために薄膜層420の表面全体を覆った形で図示してあるが、この汚染物質層421が薄膜層420の一部だけを覆うこともあり得る。汚染物質層421は薄膜層420のSWE測定の精度に影響するので不都合である。
【0032】
SWEシステム400は測定用ビームジェネレータ430と、測定値レシーバ440と、クリーニング用ビームジェネレータ450と、オプションのデータ処理ロジック490とを含む。なお、SWEシステム400は、追加の測定用ビームジェネレータ335および345のまわりに点線で示すとおり、任意の数の追加の測定用ビームジェネレータおよびその対応のレシーバを備え得る。
【0033】
クリーニング動作を行うために、クリーニング用ビーム発生器450はクリーニング用ビーム451を汚染物質421に向ける。クリーニング用ビーム451は薄膜層312の部分を露出させるに十分な程度に汚染物質層を除去するように構成されている。この除去工程は、汚染物質層421との相互作用、または薄膜層420の下部層や基板410などとの相互作用を含む。汚染物質層除去のメカニズムは使用したクリーニング用ビームの種類によって定まる。
【0034】
この発明の一つの実施例によると、クリーニング用ビームジェネレータ430はクリーニング用ビーム431をパルス状のビームとして発生し得る。例えば、クリーニング用ビーム源430はパルス動作のレーザで構成できる。汚染物質層421が厚さ5Åの水および有機物質の層(薄膜層上に製造中に頻繁に生ずるAMC層と類似)から成る場合であって基板410がSOI基板で構成される場合は、5−100マイクロジュール(波長532nm)で動作するQ−スイッチ付き周波数2逓倍YAGレーザをクリーニング用ビームジェネレータ450として用いることができる。多数の1乃至100nsパルスまたは単一のパルスを生ずるこの種のレーザでシリコン基板(層511)を加熱し、汚染物質層521の上側部分をその部分の汚染物質の蒸発に十分な温度範囲300℃乃至1000℃まで温度上昇させる。
【0035】
この発明の上記以外の実施例によると、上記以外の波長で動作する上記以外のタイプのパルス動作レーザ、すなわちパルス動作ダイオードレーザまたはアレキサンドライトレーザを用いることもできる。この発明のさらに他の実施例によると、光パルスの発生に外部変調(音響光学変調素子または電気光学変調素子などによる)をかけたアルゴンイオンレーザなどの連続波レーザを用いることもできる。この発明のさらに他の実施例によると、クリーニング用ビーム源450を、汚染物質層421表面上の所望の領域に高強度の光を導く集束光学系と結合したフラッシュランプで構成することもできる。この発明のさらに他の実施例によると、クリーニング用ビーム源450をパルス動作のマイクロ波源、ガスジェット源、音響波源、ドライアイスジェット源、またはイオンビーム源などで構成することもできる。
【0036】
図4bは、図4aを参照して説明したクリーニング動作により汚染物質層421から露出させた薄膜層420の測定位置422でSWE動作を行うSWEシステム400を示す。測定用ビーム発生器430は薄膜層420の測定位置422に単一波長の測定用ビーム431を導き、測定用レシーバ440は所望の偏光解析計算が可能になるように反射光を測定する。次に、オプションのデータ処理ロジック490で所望の偏光解析データ処理を行う。測定用ビームジェネレータ430は、図3を参照して説明したのとほぼ同様に多層構造基板410の表面層413の厚さTsup以下に測定用ビーム431の吸収距離がなるように構成してある。この構成によって、測定用ビーム431が表面層413を透過することを防止し、測定精度を損なうスプリアス反射の発生を防止する。
【0037】
なお、この発明の一つの実施例によると、測定用ビーム発生器430および被験試料401の相対的位置はクリーニング動作と測定(SWE)動作との間の期間に移動させて、測定用ビーム431を上記露出させた測定位置422の薄膜層420に確実に導くようにすることができる。この発明のもう一つの実施例によると、クリーニング動作と測定動作との間の被験試料の位置再設定を不要にするように、測定用ビームジェネレータ430およびクリーニング用ビームジェネレータ450を同じ位置に集束させることもできる。
【0038】
図5は多層構造基板510の表面上に形成した薄膜層520を含む被験試料501の測定のためのこの発明のもう一つの実施例によるSWEシステム500を示す。多層構造基板510は図3に示した多層構造基板310とほぼ同様であり、厚さTsupで埋込み層512および511の上に形成した表面(上面)層513を備える。この発明の一つの実施例によると、基板510はSOI基板から成り、表面層513は表面シリコン層を含み、埋込み層512および511は埋込み絶縁層およびシリコン基板をそれぞれ含む。なお、多層構造基板510は表面層513の下に任意の数の層を備え得る。
【0039】
汚染物質層521が薄膜層520の表面を覆っている。汚染物質層521は薄膜層520の表面上のAMCなどの任意の不要物質で構成されうる。なお、汚染物質層は説明の便宜のために薄膜層520の表面全体を覆った形で図示してあるが、この汚染物質層521が薄膜層520の一部だけを覆うこともあり得る。汚染物質層521は薄膜層520のSWE測定の精度に影響するので不都合である。
【0040】
SWEシステム500はクリーニング用/測定用ビームジェネレータ530と、測定値レシーバ540とを含む。クリーニング用/測定用ビームジェネレータ530はクリーニング動作のためのクリーニング用ビームと測定動作のための測定用ビームとを次に詳述するとおり発生する。なお、SWEシステム500は任意の数の追加のクリーニング用/測定用ビームジェネレータおよび対応の測定値レシーバを、追加のジェネレータ535およびレシーバ545の周囲に点線で示したとおり、備えることができる。
【0041】
クリーニング動作を行うには、クリーニング用/測定用ビームジェネレータ530がクリーニング用ビーム531を汚染物質層521に向ける。クリーニング用ビーム531の波長はそのビーム531の吸収距離が表面層513の厚さTsupよりも大きくなる値に選んである。例えば、基板510が表面シリコン層の厚さ500ÅのSOI基板である場合は、クリーニング用/測定用ビームジェネレータ530をYAGレーザで構成し、クリーニング用ビーム531をそのレーザの基本波成分(すなわち波長1064nm)または第2高潮波成分(すなわち波長532nm)とすることができる。いずれの場合も、クリーニング用ビーム531の吸収距離は図2の吸収曲線に示すとおり500Åを実質的に上回る。したがって、クリーニング用ビーム531は基板510を深く浸透して、汚染物質層521の上側部分の除去に十分な局部加熱を生ずることができる。
【0042】
図5bは図5aを参照して説明したクリーニング動作により汚染物質層521から露出させた薄膜層520上の測定位置でSWE動作を行っているSWEシステム500を示す。クリーニング用/測定用ビームジェネレータ530は薄膜層520上の測定位置522に単一波長の測定用ビーム532を向け、測定値レシーバ540が所望の偏光解析計算をできるように反射光を測定する。次に、オプションのデータ処理ロジック590で所望の偏光解析データ処理を行う。図5aを参照して説明したクリーニング用ビームと対照的に、測定用ビーム532はそのビーム532の吸収距離が表面層513の厚さTsup以下になる波長をもつように構成してある。したがって、図3について述べたのとほぼ同じ理由で測定用ビーム532は表面層513の透過を妨げられ、測定精度を損ない得るスプリアス反射の発生が防止される。
【0043】
クリーニング用/測定用ビームジェネレータ530はクリーニング用ビームおよび測定用ビームの両方を生ずるので、別々のビームジェネレータを用いたSWEシステムに比べてSWEシステム500のコストおよび大きさは減らすことができる。例えば、クリーニング用ビーム531を図5aについて上に述べたYAGレーザの基本波(1064nm)または第2高調波(532nm)成分で構成する場合は、図5bにおける測定用ビーム532は同じYAGレーザの第4高調波(266nm)で構成できる。
【0044】
図6aはこの発明によるクリーニング用/測定用ビームジェネレータ600aの詳細を示す。クリーニング用/測定用ビーム発生器600aは図5aおよび5bにおけるクリーニング用/測定用ビームジェネレータ530に対応する。クリーニング用/測定用ビームジェネレータ600aはビーム源610と、変調器621と、オプションの制御光学系630とを含む。変調器621はビーム源610の出力を制御して出力ビーム601が所望の波長特性を備えるようにする。例えば、ビーム源610はYAGマトリクスで構成し、変調器621で出力ビーム601の周波数変調を制御し、例えば、クリーニング動作の期間中は基本波または第2高調波で出力ビームを維持し、測定動作の期間中は出力ビーム601を第4高調波に上げるようにする。制御光学系630は偏光板、波長板、集束光学系ほかSWE動作に必要な光学素子を含む。
【0045】
図6bはこの発明によるクリーニング用/測定用ビームジェネレータ600bの詳細を示す。クリーニング用/測定用ビーム発生器600bも図5aおよび図5bにおけるクリーニング用/測定用ビームジェネレータ530に対応する。クリーニング用/測定用ビームジェネレータ600bはビーム源610と、周波数調節器622aおよび622bと、オプションの制御光学系630とを含む。周波数調節器622aおよび622bは所望のクリーニング用ビームおよび測定用ビームを生ずるようにビーム源610の出力を調節する。制御光学系630は偏光板、波長板、集束光学系ほかSWE動作に必要な光学素子を含む。
【0046】
なお、説明の便宜のために図6bでは二つのビーム調節器を示したが、クリーニング用/測定用ビームジェネレータ600bには所望の出力ビーム特性に応じて任意の数のビーム調節器を備えることができる。例えば、ビーム源610をYAGマトリクスで構成し、周波数調節器622aおよび622bを周波数2倍器で構成することができる。周波数調節器622aはもとのビームの基本波成分を2逓倍して、クリーニング用ビームとして用い得る波長532nmの出力ビーム601aを生ずる。一方、周波数調節器622bはその出力ビームの周波数を2逓倍して測定用ビームとして用い得る波長266nmの出力ビーム601bを生ずる。なお、これら出力ビーム601aおよび601bは説明の便宜のために別々の経路を通るように図示してあるが、これら出力ビーム601aおよび601b(それぞれクリーニング用ビームおよび測定用ビーム)はコーリニア(collinear)にすることもできる。また、二つの周波数調節器は個別に同時並行的に動作させて出力ビーム601aおよび601bを個別に同時に発生するようにすることもできる。
【0047】
この発明の一つの実施例によると、SWEシステム400(図4aおよび4bに示してある)およびSWEシステム500(図5aおよび図5bに示してある)によるクリーニング動作および測定動作を順次的に行うこともできる。この発明のもう一つの実施例によると、クリーニング動作および測定動作を同時並行にまたは交互に行うことによって薄膜層表面上の汚染の再発を防止し、両動作を時間的空間的に分けて実施した場合(クリーニングに要する時間が長くなる)に比べてクリーニング動作用のビームの電力の低下を可能にし、被験試料への損傷のリスクを低減できる。被験試料の非機能領域(例えば最終製品の機能領域でないスクライブ線などの領域)にクリーニング動作を行うことによって、上記損傷のリスクをさらに低減できる。
【0048】
この発明のもう一つの実施例によると、薄膜層の初期露出領域の形成のためにクリーニングおよび測定の並行動作の前に初期クリーニング動作を行うことができる。所望の程度の初期クリーニングを行うために図4のクリーニング用ビームジェネレータ450または図5のクリーニング用/測定用ビーム発生器530から汚染物質層421または521に予め画定した個数のクリーニング用パルスをそれぞれ加える。なお、これら初期クリーニング用パルスの持続時間や繰返し周期は、並行クリーニング動作(測定動作と並行して行うクリーニング動作)のためのクリーニング用パルスの持続時間や繰返し周期と等しいとは限らない。
【0049】
図4におけるクリーニング用ビームまたは図5におけるクリーニング用ビーム531の特性によっては、ビームの中の個々のクリーニング用パルスが並行実施のSWE測定の精度を損なうことがあるかもしれない。例えば、汚染物質層の部分の除去に使われる熱が薄膜層および基板の一時的な歪を生じさせ、それが出力光に影響を及ぼし得る。この発明の一つの実施例によると、そのような「クリーニング効果」に起因する擾乱からの回復時間は有意なAMC再成長に要する時間よりも通常はずっと短いので、クリーニング効果は無視することができ、クリーニング用ビームによる測定精度低下は許容できる。
【0050】
この発明の他の実施例によると、上記クリーニング効果は、クリーニング用パルスのタイミングの適切な設定、測定用サンプリング特性の調整、またはもとのデータの測定値の選択的処理など多様な方法によって補償することができる。この発明の一つの実施例によると、これら補償手法の実行は、クリーニング用ビーム451または531のクリーニング用パルスのパルス速度(すなわち単位時間あたりのクリーニング用パルスの数)を測定値レシーバ440または540のサンプリング速度の約数に等しい値に設定することによって単純化され、その場合はクリーニング用ビームは一定間隔でほぼ一定のクリーニング効果をもたらす。
【0051】
図7aは図4aおよび4bに示したSWEシステム400および図5aおよび図5bに示したSWEサンプリング速度の例を示す。データサンプリングは時点t0で始まり、サンプリング周期Ps(すなわち、一つのサンプリングパルスの始点と次のサンプリングパルスの始点との間の時間、1/サンプリング速度に等しい)、およびサンプル幅Ws(すなわち、サンプリングパルスの持続時間)で行われる。時点t0−t8(任意の数のサンプルを抽出できるが)で抽出した9個のサンプルを図示してある。
【0052】
図7bは図7aに示したサンプリング速度プロフィルと関連づけて用い得るSWEシステム400のクリーニング用ビーム451またはSWEシステム500のクリーニング用ビーム531のクリーニングパルスの例を示す。時点t0の前(すなわち、データサンプリングの開始の前)に強度IN’、幅Wc’および周期Pc’のクリーニングパルスを初期クリーニング動作のために時点t0’を始点として被験試料に加える。データサンプリングが始まると(すなわち、時点t0のあと)、強度IN、幅Wcおよび周期Pcのクリーニング用パルスを加える。
【0053】
クリーニングパルスの強度IN、幅Wcおよび周期Pcは上記強度IN’、幅Wc’およびPc’とそれぞれ相違し得る。例えば、初期クリーニング動作の所要時間を短くするためには、パルス幅Wc’をパルス幅Wcよりも大きくし、また周期Pc’を周期Pcよりも短くすることができる。
【0054】
図7cは、図7bに示したクリーニング用パルスプロフィルを有するクリーニング用ビームで照射した場合の図4aおよび4bにおける被験試料401および図5aおよび図5bにおける被験試料501の温度プロフィルを示す。クリーニング用パルスの各々が対応の温度スパイクを生ずる。すなわち、図7bに示した時点tc1,tc2およびtc3におけるクリーニング用パルスは、図7cに示した同じタイミングで対応の温度スパイクを生ずる。図示のとおり、被験試料の局部温度は定常状態温度Tssから上昇温度Telに上がる。分析対象の部位は被験試料のごく小さい部分であるので、クリーニング用パルスからの熱は急速に消失し、図7cに示した幅狭の温度スパイクを生ずる。例えば、シリコンウェーハでは、波長532nmのレーザからの幅60nsのクリーニング用パルスによる温度スパイクの幅は1μs程度である。
【0055】
この発明の実施例によると、クリーニングパルスをデータサンプル相互間の間にタイミング設定することによって、クリーニング用パルスに起因する温度擾乱は消失のための時間を有することになり、したがって実際の測定値には影響を及ぼさない。クリーニング用パルスがデータサンプルの直後に生ずるようにタイミング設定することによって、そのクリーニング用パルスに許容可能な復旧時間(冷却時間)を最大にすることができる。例えば、図7bの時点tc1をサンプル幅Wsに図7aの時間t2を加えた値に等しく設定することができる。同様に、時点tc2をサンプル幅Wsに時間t5を加えた値に等しく設定し、tc3をサンプル幅Wsに時間t8を加えた値に等しく設定することができる。
【0056】
クリーニング動作に起因する温度効果の一部がデータサンプルの一部に「流出」しても、最終測定値の算出のために複数のサンプル値の平均をとることによって上述の過渡的加熱効果は「平滑化」される。この平滑化効果はSWEシステムのサンプリング速度を上げることによって高めることができる。この発明の他の実施例によると、ビームジェネレータ内の変調器(図6aに示した変調器621など)でクリーニング用パルスの期間中およびその後続の冷却期間中に測定用ビームを阻止して、クリーニング(および冷却)動作中は被験試料からの情報が受け入れられないようにする。また、上記変調器は、クリーニング用レーザパルスのパルス速度で混入する不都合な成分を回避するようにサンプリングパルス相互間の測定用ビームを阻止する。サンプリングパルス相互間における測定用ビームのパルスの阻止はそのサンプリング速度で現れる既知の一定の不都合な成分を導入するが、それらの成分は後続の段階で処理でき、クリーニング用ビームのパルスの生起の有無にかかわらず、各サンプリング間隔を実効的に等しくすることができる。この発明のもう一つの実施例によると、データ処理ロジック490(図4aおよび4bにおける)またはデータ処理ロジック590(図5aおよび5bにおける)はクリーニング効果回避のためにサンプルデータを所定のレベルでクランプでき、クリーニングパルスの期間中データを消去することもできる。
【0057】
上述のこの発明の構成および方法の諸実施例はこの発明の原理の例示に過ぎず、この発明の範囲をこれら特定の実施例に限定することを意図するものではない。この発明は特許請求の範囲の記載およびそれらの均等物だけによって限定されるものである。
【産業上の利用可能性】
【0058】
SOIなど多層構造基板上への薄膜形成の厚さ制御を厳密に効率的に行うことができ、IC・LSIの製造効率化に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】SOI基板の断面図。
【図2】シリコンの吸収曲線。
【図3】この発明の一つの実施例によるSWEシステムの概略図。
【図4a】この発明のもう一つの実施例によるSWEシステムの概略図。
【図4b】この発明のもう一つの実施例によるSWEシステムの概略図。
【図5a】この発明のもう一つの実施例によるSWEシステムの概略図。
【図5b】この発明のもう一つの実施例によるSWEシステムの概略図。
【図6a】この発明の一つの実施例によるクリーニング/測定用ビームジェネレータの概略図。
【図6b】この発明のもう一つの実施例によるクリーニング/測定用ビームジェネレータの概略図。
【図7a】この発明におけるサンプリング速度とクリーニングパルスおよびクリーニング効果とを比較したグラフ。
【図7b】この発明におけるサンプリング速度とクリーニングパルスおよびクリーニング効果とを比較したグラフ。
【図7c】この発明におけるサンプリング速度とクリーニングパルスおよびクリーニング効果とを比較したグラフ。
【符号の説明】
【0060】
100 SOIウェーハ
110 SOI基板
111 シリコンウェーハ
112 埋込み絶縁層
113 表面シリコン層
120 ゲート酸化物層
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多層構造基板、すなわち第1の厚さを有し第1の材料を含み少なくとも一つの埋込み層に形成された表面層を含む多層構造基板の上の薄膜の厚さを測定する方法であって、
前記薄膜上の分析位置に第1の測定用ビーム、すなわち前記第1の材料の中で前記第1の厚さよりも小さい第1の吸収距離を有する第1の測定用ビームを向けることによって前記薄膜に対して単一波長偏光解析(SWE)を行う過程
を含む方法。
【請求項2】
前記多層構造基板がシリコン−オン−インシュレータ(SOI)基板であって、前記表面層がシリコン層を含む請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記第1の厚さが500Å以下であり、前記第1の測定用ビームの波長が390nm以下である請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記分析位置における汚染物質の除去のための第1のクリーニング動作を前記薄膜に対して行う過程であって、前記第1の材料の中で前記第1の厚さよりも大きい第2の吸収距離を有する第1のクリーニング用ビームを前記分析位置に向ける過程を含む第1のクリーニング動作を行う過程をさらに含む請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記第1のクリーニング動作を行う過程を前記SWE動作を行う過程の前に行う請求項4記載の方法。
【請求項6】
前記第1のクリーニング動作を行う過程と前記SWE動作を行う過程とを同時並行的に行う請求項4記載の方法。
【請求項7】
前記第1の材料の中で前記第1の厚さよりも大きい第3の吸収距離を有する第2のクリーニング用ビームを前記分析位置に向けることによって第2のクリーニング動作を前記SWE動作を行う過程の前に行う過程をさらに含む請求項6記載の方法。
【請求項8】
前記第1のクリーニング用ビームが、第1の幅および第1の強度を各々が有する第1の繰返し周期の一連の第1のクリーニング用パルスから成り、
前記第2のクリーニング用ビームが、第2の幅および第2の強度を各々が有する第2の繰返し周期の一連の第2のクリーニング用パルスから成り、前記第2の周期、第2の幅および第2の強度の少なくとも一つが前記第1の周期、前記第1の幅および前記第1の強度とそれぞれ異なっている請求項7記載の方法。
【請求項9】
前記第1のクリーニング用ビームが一連の第1のクリーニング用パルスから成り、前記SWE動作を行う過程が、前記第1のクリーニングパルスの間で各々が生ずる一連のサンプリングパルスを用いて、前記第1の測定用ビームに応答して前記分析位置から生ずる出力ビームをサンプリングする過程をさらに含む請求項6記載の方法。
【請求項10】
前記第1のクリーニング用パルスの各々が前記サンプリングパルスの一つの直後に生ずる請求項9記載の方法。
【請求項11】
前記第1のクリーニング用ビームが一連の第1のクリーニング用パルスから成り、前記SWE動作を行う過程が、前記第1の測定用ビームに応答して前記分析位置から生ずる出力ビームをサンプリング速度でサンプリングする過程をさらに含み、前記クリーニング用ビームが前記サンプリング速度の約数に等しいクリーニング用パルス速度を有する請求項6記載の方法。
【請求項12】
前記第1のクリーニング用ビームが一連の第1のクリーニング用パルスから成り、
前記SWE動作を行う過程が、前記第1の測定用ビームに応答して前記分析位置から発生する出力ビームを一連のサンプリングパルスを用いてサンプリング速度でサンプリングする過程をさらに含み、
前記第1の測定用ビームを前記分析位置に向ける過程が、
前記第1の測定用ビームを前記サンプリング速度に等しい測定用パルス速度を有する一連の測定用パルスの形に変調する過程と、
前記第1の測定用ビームを前記第1のクリーニング用パルスの各々の期間にわたり阻止する過程と
を含む請求項6記載の方法。
【請求項13】
前記第1のクリーニング用パルスの各々が前記分析位置をベースライン温度以上の温度まで加熱し、その分析位置が前記第1のクリーニングパルスの各々に引き続く冷却期間のあと前記ベースライン温度に戻り、前記第1の測定用ビームを前記分析位置に向ける過程が前記第1のクリーニングパルスの各々に引き続く前記冷却期間にわたり前記第1の測定用ビームを阻止する過程をさらに含む請求項12記載の方法。
【請求項14】
前記第1の測定用ビームを前記分析位置に向ける過程が前記第1の測定用ビームを前記サンプリングパルスの間の期間にわたり阻止する過程をさらに含む請求項13記載の方法。
【請求項15】
前記第1のクリーニング用ビームが一連の第1のクリーニング用パルスから成り、
被験試料の前記分析を行う過程が、
前記測定用ビームに応答して前記分析位置から発生する出力ビームについてビーム特性のデータサンプルを集める過程と、
前記データサンプルを前記クリーニング用パルスの各々の期間中にわたり第1のレベル、すなわち前記第1のクリーニング用パルスの各々の直前の前記出力ビームについての前記ビーム特性を含む第1のレベルでクランプする過程と
を含む請求項1記載の方法。
【請求項16】
前記第1のクリーニング用パルスの各々が前記分析位置にベースライン状態からの擾乱を生じ、前記分析位置が前記第1のクリーニングパルスの各々に引き続く復旧期間のあと前記ベースライン状態に戻り、前記被験試料の前記分析を行う過程が前記第1のクリーニング用パルスの各々のあとの前記復旧期間の期間中にわたり前記データサンプルを前記第1のレベルにクランプする過程をさらに含む請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記第1のクリーニング用ビームが一連の第1のクリーニング用パルスから成り、被験試料の前記分析を行う過程が、
前記第1の測定用ビームに応答して前記分析位置から発生する出力ビームからデータサンプルを集める過程と、
前記第1のクリーニング用パルスの各々の期間中に得られたデータサンプルを消去する過程と
をさらに含む請求項6記載の方法。
【請求項18】
前記第1のクリーニング用パルスの各々が前記分析位置にベースライン状態からの擾乱を生じ、前記分析位置が前記第1のクリーニングパルスの各々に引き続く復旧期間のあと前記ベースライン状態に戻り、前記被験試料の前記分析を行う過程が前記第1のクリーニング用パルスの各々のあとの前記復旧期間の期間中に得られたデータサンプルを消去する過程をさらに含む請求項15記載の方法。
【請求項19】
前記薄膜上の前記分析位置に第2の測定用ビーム、すなわち前記第1の材料の中で前記第1の厚さよりも小さい第2の吸収距離を有する第2の測定用ビームを向けることによって前記薄膜について第2のSWE動作を行う過程をさらに含む請求項1記載の方法。
【請求項20】
多層構造基板、すなわち第1の材料を含み第1の厚さを有し少なくとも一つの埋込み層に形成された表面層を含む多層構造基板の上の薄膜について単一波長偏光解析(SWE)を行うシステムであって、
前記薄膜上の分析位置に第1の波長の測定用ビーム、すなわち前記第1の材料の中で前記第1の厚さよりも小さい第1の吸収距離を有する測定用ビームを向ける測定用ビームジェネレータと、
前記測定用ビームに応答して前記分析位置から発生する出力ビームのビーム特性の測定値サンプルをとる測定値レシーバと
を含むシステム。
【請求項21】
前記多層構造基板がシリコン−オン−インシュレータ(SOI)基板から成り、前記表面層がシリコン層を含む請求項20記載のシステム。
【請求項22】
前記第1の厚さが500Å以下であり前記第1の波長が390nm以下である請求項21記載のシステム。
【請求項23】
前記分析位置から汚染物質を除去するようにクリーニング動作の期間中にクリーニング用ビームを前記分析位置に向けるクリーニング用ビームジェネレータをさらに含む請求項20記載のシステム。
【請求項24】
前記クリーニング用ビームジェネレータが、パルス動作レーザ、外部変調器付き連続波レーザ、集束光学系付きフラッシュランプ、パルス動作マイクロ波源、パルス動作ガスジェット源、パルス動作音響波源、パルス動作ドライアイスジェット源、およびパルス動作イオンビーム源の一つから成る請求項23記載のシステム。
【請求項25】
前記測定用ビームジェネレータが前記クリーニング用ビームジェネレータであり、前記クリーニング用ビームが前記第1の材料の中で前記第1の厚さよりも大きい第2の吸収距離を有する請求項23記載のシステム。
【請求項26】
前記測定用ビームジェネレータが、
出力ビームを生ずるレーザ光源と、
前記測定用ビームを生ずるように前記出力ビームを前記第1の波長に設定するとともに、前記クリーニング用パルスを生ずるように前記出力ビームを前記第1の波長よりも大きい第2の波長に設定する変調器と
を含む請求項25記載のシステム。
【請求項27】
前記レーザ光源がイットリウム−アルミニウム−ガーネット(YAG)レーザであって、
前記第1の波長が266nmに等しく、前記第2の波長が1032nmまたは532nmである請求項26記載のシステム。
【請求項28】
前記測定用ビームジェネレータが、
出力ビームを生ずるレーザ光源と、
前記測定用ビームおよび前記クリーニング用ビームを生ずるように前記出力ビームの周波数を調節する少なくとも一つのビーム調節器と
を含む請求項25記載のシステム。
【請求項29】
前記レーザ光源がYAGレーザから成り、前記少なくとも一つのビーム調節器が第1の光ビーム周波数2倍器および第2の光ビーム周波数2倍器を含み、前記第1の光ビーム周波数2倍器が前記クリーニング用ビームを生ずるように前記出力ビームの第2高調波を生じ、前記第2の光ビーム周波数2倍器が前記測定用ビームを生ずるように前記第1の光ビーム周波数2倍器と協働して前記出力ビームの第4高調波を生ずる請求項28記載のシステム。
【請求項30】
前記測定用ビームジェネレータおよび前記クリーニング用ビームジェネレータが前記測定用ビームおよび前記クリーニング用ビームを前記分析位置にそれぞれ同時に向ける請求項23記載のシステム。
【請求項31】
前記クリーニング用ビームが一連のクリーニング用パルスから成り、前記測定用ビームジェネレータが前記クリーニング用パルスの期間中前記測定用ビームを阻止する変調器を含む請求項30記載のシステム。
【請求項32】
前記クリーニング用パルスの各々がそのクリーニングパルスのあとの第1の期間にわたり前記分析位置にベースラインからの擾乱を生じ、前記変調器が前記クリーニング用パルスの各々のあとの前記第1の期間にわたり前記測定用ビームをさらに阻止する請求項31記載のシステム。
【請求項33】
前記クリーニング用ビームが一連のクリーニング用パルスから成り、前記システムが前記クリーニング用パルスの期間中にわたり前記測定値サンプルを予め定めたレベルにクランプするデータ処理ロジックをさらに含む請求項30記載のシステム。
【請求項34】
前記クリーニング用パルスの各々がそのクリーニングパルスのあとの第1の期間にわたり前記分析位置にベースライン状態からの擾乱を生じ、前記データ処理ロジックが前記クリーニング用パルスの各々のあとの前記第1期間にわたり前記測定値サンプルを前記予め定めたレベルにさらにクランプする請求項33記載のシステム。
【請求項35】
前記クリーニング用ビームが一連のクリーニング用パルスから成り、前記システムがそれらクリーニングパルスの期間中にわたり測定値サンプルを消去するデータ処理ロジックをさらに含む請求項30記載のシステム。
【請求項36】
前記クリーニング用パルスの各々がそのクリーニングパルスのあとの第1の期間にわたり前記分析位置にベースライン状態からの擾乱を生じ、前記データ処理ロジックが前記クリーニング用パルスの各々のあとの前記第1の期間に得られた測定値サンプルをさらに消去する請求項35記載のシステム。
【請求項37】
多層構造基板、すなわち第1の材料を含み第1の厚さを有し少なくとも一つの埋込み層に形成された表面層を含む多層構造基板の上の薄膜から成る被験試料を分析する単一波長偏光解析(SWE)システムであって、
前記薄膜上の分析位置にSWEを行うように第1の波長の測定用ビーム、すなわち前記第1の材料の中で前記第1の厚さよりも小さい第1の吸収距離を有する測定用ビームを向ける手段と、
前記測定用ビームに応答して前記分析位置から発生する出力ビームのビーム特性の測定値サンプルをとる手段と
を含むSWEシステム。
【請求項38】
前記多層構造基板がシリコン−オン−インシュレータ(SOI)基板から成り、前記表面層がシリコン層を含む請求項37記載のSWEシステム。
【請求項39】
前記第1の厚さが500Å以下であり前記第1の波長が390nm以下である請求項38記載のSWEシステム。
【請求項40】
前記分析位置から汚染物質を除去するようにクリーニング動作の期間中にクリーニング用ビームを前記分析位置に向ける手段をさらに含む請求項37記載のシステム。
【請求項41】
クリーニング用ビームを向ける手段が前記測定用ビームを向ける手段を含み前記クリーニング用ビームが前記第1の材料の中で前記第1の厚さよりも大きい第2の吸収距離を有する請求項40記載のSWEシステム。
【請求項42】
前記測定用ビームジェネレータが、
出力ビームを生ずるレーザ手段と、
前記測定用ビームおよびクリーニング用ビームをそれぞれ生ずるように前記出力ビームを前記第1の波長および前記第1の波長よりも大きい第2の波長に設定する手段と
を含む請求項41記載のSWEシステム。
【請求項43】
前記出力ビームを生ずる手段がイットリウム−アルミニウム−ガーネット(YAG)レーザであって、前記第1の波長が266nmに等しく、前記第2の波長が1032nmまたは532nmである請求項42記載のSWEシステム。
【請求項44】
前記出力ビームを調節する手段が前記出力ビームを生ずる手段を制御する周波数変調器を含む請求項43記載のSWEシステム。
【請求項45】
前記出力ビームを調節する手段が、
前記クリーニング用ビームを生ずるように前記出力ビームの周波数を2逓倍する第1の周波数2倍器と、
前記測定用ビームを生ずるように前記クリーニング用ビームの周波数を2逓倍する第2の周波数2倍器と
を含む請求項43記載のSWEシステム。
【請求項46】
前記クリーニング用ビームが一連のクリーニング用パルスから成り、前記測定用ビームを向ける手段が前記クリーニング用パルスの期間中前記測定用ビームを阻止する手段を含む請求項40記載のSWEシステム。
【請求項47】
前記クリーニング用パルスの各々がそのクリーニングパルスのあとの第1の期間にわたり前記分析位置にベースラインからの擾乱を生じ、前記測定用パルスを阻止する手段が前記クリーニング用パルスの各々のあとの前記第1の期間にわたり前記測定用ビームをさらに阻止する請求項46記載のSWEシステム。
【請求項48】
前記クリーニング用ビームが一連のクリーニング用パルスから成り、前記SWEシステムが前記クリーニング用パルスの期間中にわたり前記測定値サンプルを予め定めたレベルにクランプする手段をさらに含む請求項40記載のSWEシステム。
【請求項49】
前記クリーニング用パルスの各々がそのクリーニングパルスのあとの第1の期間にわたり前記分析位置にベースライン状態からの擾乱を生じ、前記測定値サンプルをクランプする手段が前記クリーニング用パルスの各々のあとの前記第1期間にわたり前記測定値サンプルを前記予め定めたレベルにさらにクランプする請求項48記載のSWEシステム。
【請求項50】
前記クリーニング用ビームが一連のクリーニング用パルスから成り、前記SWEシステムがそれらクリーニングパルスの期間中にわたり測定値サンプルを消去する手段をさらに含む請求項40記載のSWEシステム。
【請求項51】
前記クリーニング用パルスの各々がそのクリーニングパルスのあとの第1の期間にわたり前記分析位置にベースライン状態からの擾乱を生じ、前記測定値サンプルを消去する手段が前記クリーニング用パルスの各々のあとの前記第1の期間に得られた測定値サンプルをさらに消去する請求項50記載のSWEシステム。
【請求項52】
基板上の薄膜を含む被験試料について単一波長偏光解析(SWE)を行うシステムであって、
前記薄膜の上の分析位置に、前記分析位置から汚染物質を除去するクリーニング用ビームと前記分析位置から出力ビームを生ずる測定用ビームとを向けるビームジェネレータと、
前記出力ビームのビーム特性の測定値サンプルを把握する測定値レシーバと
を含むシステム。
【請求項53】
前記測定用ビームが第1の波長を有し、前記クリーニング用ビームが前記第1の波長とは異なる第2の波長を有する請求項52記載のシステム。
【請求項54】
前記基板が表面層を含む複数の層から成り、前記表面層が第1の厚さを有し、前記薄膜が前記表面の上に形成されており、前記測定用ビームが前記表面層において前記第1の厚さ以下の第1の吸収距離を有し、前記クリーニング用ビームが前記表面層において前記第1の厚さ以上の第2の吸収距離を有する請求項53記載のシステム。
【請求項55】
前記基板がシリコン−オン−インシュレータ(SOI)基板から成り、前記表面層がシリコン層を含む請求項54記載のシステム。
【請求項56】
前記第1の厚さが500Å以下であり前記第1の波長が390nm以下である請求項55記載のシステム。
【請求項57】
前記ビームジェネレータが、
出力ビームを生ずるレーザ光源と、
前記測定用ビームを生ずるように前記出力ビームを前記第1の波長に設定するとともに、前記クリーニング用パルスを生ずるように前記出力ビームを第2の波長に設定する変調器と
を含む請求項56記載のシステム。
【請求項58】
前記レーザ光源がイットリウム−アルミニウム−ガーネット(YAG)レーザであって、
前記第1の波長が266nmに等しく、前記第2の波長が1032nmまたは532nmである請求項57記載のシステム。
【請求項59】
前記ビームジェネレータが、
出力ビームを生ずるレーザ光源と、
前記測定用ビームおよび前記クリーニング用ビームを生ずるように前記出力ビームの周波数を調節する少なくとも一つのビーム調節器と
を含む請求項56記載のシステム。
【請求項60】
前記レーザ光源がYAGレーザから成り、前記少なくとも一つのビーム調節器が第1の光ビーム周波数2倍器および第2の光ビーム周波数2倍器を含み、前記第1の光ビーム周波数2倍器が前記クリーニング用ビームを生ずるように前記出力ビームの第2高調波を生じ、前記第2の光ビーム周波数2倍器が前記測定用ビームを生ずるように前記第1の光ビーム周波数2倍器と協働して前記出力ビームの第4高調波を生ずる請求項59記載のシステム。
【請求項61】
前記ビームジェネレータが前記測定用ビームおよび前記クリーニング用ビームを前記分析位置に同時に向ける請求項53記載のシステム。
【請求項62】
前記クリーニング用ビームが一連のクリーニング用パルスから成り、前記ビームジェネレータが前記クリーニング用パルスの各々の期間中前記測定用ビームを阻止する変調器を含む請求項61記載のシステム。
【請求項63】
前記クリーニング用パルスの各々がそのクリーニングパルスのあとの第1の期間にわたり前記分析位置にベースラインからの擾乱を生じ、前記変調器が前記クリーニング用パルスの各々のあとの前記第1の期間にわたり前記測定用ビームをさらに阻止する請求項62記載のシステム。
【請求項64】
前記クリーニング用ビームが一連のクリーニング用パルスから成り、前記システムが前記クリーニング用パルスの期間中にわたり前記測定値サンプルを予め定めたレベルにクランプするデータ処理ロジックをさらに含む請求項61記載のシステム。
【請求項65】
前記クリーニング用パルスの各々がそのクリーニングパルスのあとの第1の期間にわたり前記分析位置にベースライン状態からの擾乱を生じ、前記データ処理ロジックが前記クリーニング用パルスの各々のあとの前記第1期間にわたり前記測定値サンプルを前記予め定めたレベルにさらにクランプする請求項64記載のシステム。
【請求項66】
前記クリーニング用ビームが一連のクリーニング用パルスから成り、前記システムがそれらクリーニングパルスの期間中にわたり測定値サンプルを消去するデータ処理ロジックをさらに含む請求項61記載のシステム。
【請求項67】
前記クリーニング用パルスの各々がそのクリーニングパルスのあとの第1の期間にわたり前記分析位置にベースライン状態からの擾乱を生じ、前記データ処理ロジックが前記クリーニング用パルスの各々のあとの前記第1の期間に得られた測定値サンプルをさらに消去する請求項66記載のシステム。
【請求項1】
多層構造基板、すなわち第1の厚さを有し第1の材料を含み少なくとも一つの埋込み層に形成された表面層を含む多層構造基板の上の薄膜の厚さを測定する方法であって、
前記薄膜上の分析位置に第1の測定用ビーム、すなわち前記第1の材料の中で前記第1の厚さよりも小さい第1の吸収距離を有する第1の測定用ビームを向けることによって前記薄膜に対して単一波長偏光解析(SWE)を行う過程
を含む方法。
【請求項2】
前記多層構造基板がシリコン−オン−インシュレータ(SOI)基板であって、前記表面層がシリコン層を含む請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記第1の厚さが500Å以下であり、前記第1の測定用ビームの波長が390nm以下である請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記分析位置における汚染物質の除去のための第1のクリーニング動作を前記薄膜に対して行う過程であって、前記第1の材料の中で前記第1の厚さよりも大きい第2の吸収距離を有する第1のクリーニング用ビームを前記分析位置に向ける過程を含む第1のクリーニング動作を行う過程をさらに含む請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記第1のクリーニング動作を行う過程を前記SWE動作を行う過程の前に行う請求項4記載の方法。
【請求項6】
前記第1のクリーニング動作を行う過程と前記SWE動作を行う過程とを同時並行的に行う請求項4記載の方法。
【請求項7】
前記第1の材料の中で前記第1の厚さよりも大きい第3の吸収距離を有する第2のクリーニング用ビームを前記分析位置に向けることによって第2のクリーニング動作を前記SWE動作を行う過程の前に行う過程をさらに含む請求項6記載の方法。
【請求項8】
前記第1のクリーニング用ビームが、第1の幅および第1の強度を各々が有する第1の繰返し周期の一連の第1のクリーニング用パルスから成り、
前記第2のクリーニング用ビームが、第2の幅および第2の強度を各々が有する第2の繰返し周期の一連の第2のクリーニング用パルスから成り、前記第2の周期、第2の幅および第2の強度の少なくとも一つが前記第1の周期、前記第1の幅および前記第1の強度とそれぞれ異なっている請求項7記載の方法。
【請求項9】
前記第1のクリーニング用ビームが一連の第1のクリーニング用パルスから成り、前記SWE動作を行う過程が、前記第1のクリーニングパルスの間で各々が生ずる一連のサンプリングパルスを用いて、前記第1の測定用ビームに応答して前記分析位置から生ずる出力ビームをサンプリングする過程をさらに含む請求項6記載の方法。
【請求項10】
前記第1のクリーニング用パルスの各々が前記サンプリングパルスの一つの直後に生ずる請求項9記載の方法。
【請求項11】
前記第1のクリーニング用ビームが一連の第1のクリーニング用パルスから成り、前記SWE動作を行う過程が、前記第1の測定用ビームに応答して前記分析位置から生ずる出力ビームをサンプリング速度でサンプリングする過程をさらに含み、前記クリーニング用ビームが前記サンプリング速度の約数に等しいクリーニング用パルス速度を有する請求項6記載の方法。
【請求項12】
前記第1のクリーニング用ビームが一連の第1のクリーニング用パルスから成り、
前記SWE動作を行う過程が、前記第1の測定用ビームに応答して前記分析位置から発生する出力ビームを一連のサンプリングパルスを用いてサンプリング速度でサンプリングする過程をさらに含み、
前記第1の測定用ビームを前記分析位置に向ける過程が、
前記第1の測定用ビームを前記サンプリング速度に等しい測定用パルス速度を有する一連の測定用パルスの形に変調する過程と、
前記第1の測定用ビームを前記第1のクリーニング用パルスの各々の期間にわたり阻止する過程と
を含む請求項6記載の方法。
【請求項13】
前記第1のクリーニング用パルスの各々が前記分析位置をベースライン温度以上の温度まで加熱し、その分析位置が前記第1のクリーニングパルスの各々に引き続く冷却期間のあと前記ベースライン温度に戻り、前記第1の測定用ビームを前記分析位置に向ける過程が前記第1のクリーニングパルスの各々に引き続く前記冷却期間にわたり前記第1の測定用ビームを阻止する過程をさらに含む請求項12記載の方法。
【請求項14】
前記第1の測定用ビームを前記分析位置に向ける過程が前記第1の測定用ビームを前記サンプリングパルスの間の期間にわたり阻止する過程をさらに含む請求項13記載の方法。
【請求項15】
前記第1のクリーニング用ビームが一連の第1のクリーニング用パルスから成り、
被験試料の前記分析を行う過程が、
前記測定用ビームに応答して前記分析位置から発生する出力ビームについてビーム特性のデータサンプルを集める過程と、
前記データサンプルを前記クリーニング用パルスの各々の期間中にわたり第1のレベル、すなわち前記第1のクリーニング用パルスの各々の直前の前記出力ビームについての前記ビーム特性を含む第1のレベルでクランプする過程と
を含む請求項1記載の方法。
【請求項16】
前記第1のクリーニング用パルスの各々が前記分析位置にベースライン状態からの擾乱を生じ、前記分析位置が前記第1のクリーニングパルスの各々に引き続く復旧期間のあと前記ベースライン状態に戻り、前記被験試料の前記分析を行う過程が前記第1のクリーニング用パルスの各々のあとの前記復旧期間の期間中にわたり前記データサンプルを前記第1のレベルにクランプする過程をさらに含む請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記第1のクリーニング用ビームが一連の第1のクリーニング用パルスから成り、被験試料の前記分析を行う過程が、
前記第1の測定用ビームに応答して前記分析位置から発生する出力ビームからデータサンプルを集める過程と、
前記第1のクリーニング用パルスの各々の期間中に得られたデータサンプルを消去する過程と
をさらに含む請求項6記載の方法。
【請求項18】
前記第1のクリーニング用パルスの各々が前記分析位置にベースライン状態からの擾乱を生じ、前記分析位置が前記第1のクリーニングパルスの各々に引き続く復旧期間のあと前記ベースライン状態に戻り、前記被験試料の前記分析を行う過程が前記第1のクリーニング用パルスの各々のあとの前記復旧期間の期間中に得られたデータサンプルを消去する過程をさらに含む請求項15記載の方法。
【請求項19】
前記薄膜上の前記分析位置に第2の測定用ビーム、すなわち前記第1の材料の中で前記第1の厚さよりも小さい第2の吸収距離を有する第2の測定用ビームを向けることによって前記薄膜について第2のSWE動作を行う過程をさらに含む請求項1記載の方法。
【請求項20】
多層構造基板、すなわち第1の材料を含み第1の厚さを有し少なくとも一つの埋込み層に形成された表面層を含む多層構造基板の上の薄膜について単一波長偏光解析(SWE)を行うシステムであって、
前記薄膜上の分析位置に第1の波長の測定用ビーム、すなわち前記第1の材料の中で前記第1の厚さよりも小さい第1の吸収距離を有する測定用ビームを向ける測定用ビームジェネレータと、
前記測定用ビームに応答して前記分析位置から発生する出力ビームのビーム特性の測定値サンプルをとる測定値レシーバと
を含むシステム。
【請求項21】
前記多層構造基板がシリコン−オン−インシュレータ(SOI)基板から成り、前記表面層がシリコン層を含む請求項20記載のシステム。
【請求項22】
前記第1の厚さが500Å以下であり前記第1の波長が390nm以下である請求項21記載のシステム。
【請求項23】
前記分析位置から汚染物質を除去するようにクリーニング動作の期間中にクリーニング用ビームを前記分析位置に向けるクリーニング用ビームジェネレータをさらに含む請求項20記載のシステム。
【請求項24】
前記クリーニング用ビームジェネレータが、パルス動作レーザ、外部変調器付き連続波レーザ、集束光学系付きフラッシュランプ、パルス動作マイクロ波源、パルス動作ガスジェット源、パルス動作音響波源、パルス動作ドライアイスジェット源、およびパルス動作イオンビーム源の一つから成る請求項23記載のシステム。
【請求項25】
前記測定用ビームジェネレータが前記クリーニング用ビームジェネレータであり、前記クリーニング用ビームが前記第1の材料の中で前記第1の厚さよりも大きい第2の吸収距離を有する請求項23記載のシステム。
【請求項26】
前記測定用ビームジェネレータが、
出力ビームを生ずるレーザ光源と、
前記測定用ビームを生ずるように前記出力ビームを前記第1の波長に設定するとともに、前記クリーニング用パルスを生ずるように前記出力ビームを前記第1の波長よりも大きい第2の波長に設定する変調器と
を含む請求項25記載のシステム。
【請求項27】
前記レーザ光源がイットリウム−アルミニウム−ガーネット(YAG)レーザであって、
前記第1の波長が266nmに等しく、前記第2の波長が1032nmまたは532nmである請求項26記載のシステム。
【請求項28】
前記測定用ビームジェネレータが、
出力ビームを生ずるレーザ光源と、
前記測定用ビームおよび前記クリーニング用ビームを生ずるように前記出力ビームの周波数を調節する少なくとも一つのビーム調節器と
を含む請求項25記載のシステム。
【請求項29】
前記レーザ光源がYAGレーザから成り、前記少なくとも一つのビーム調節器が第1の光ビーム周波数2倍器および第2の光ビーム周波数2倍器を含み、前記第1の光ビーム周波数2倍器が前記クリーニング用ビームを生ずるように前記出力ビームの第2高調波を生じ、前記第2の光ビーム周波数2倍器が前記測定用ビームを生ずるように前記第1の光ビーム周波数2倍器と協働して前記出力ビームの第4高調波を生ずる請求項28記載のシステム。
【請求項30】
前記測定用ビームジェネレータおよび前記クリーニング用ビームジェネレータが前記測定用ビームおよび前記クリーニング用ビームを前記分析位置にそれぞれ同時に向ける請求項23記載のシステム。
【請求項31】
前記クリーニング用ビームが一連のクリーニング用パルスから成り、前記測定用ビームジェネレータが前記クリーニング用パルスの期間中前記測定用ビームを阻止する変調器を含む請求項30記載のシステム。
【請求項32】
前記クリーニング用パルスの各々がそのクリーニングパルスのあとの第1の期間にわたり前記分析位置にベースラインからの擾乱を生じ、前記変調器が前記クリーニング用パルスの各々のあとの前記第1の期間にわたり前記測定用ビームをさらに阻止する請求項31記載のシステム。
【請求項33】
前記クリーニング用ビームが一連のクリーニング用パルスから成り、前記システムが前記クリーニング用パルスの期間中にわたり前記測定値サンプルを予め定めたレベルにクランプするデータ処理ロジックをさらに含む請求項30記載のシステム。
【請求項34】
前記クリーニング用パルスの各々がそのクリーニングパルスのあとの第1の期間にわたり前記分析位置にベースライン状態からの擾乱を生じ、前記データ処理ロジックが前記クリーニング用パルスの各々のあとの前記第1期間にわたり前記測定値サンプルを前記予め定めたレベルにさらにクランプする請求項33記載のシステム。
【請求項35】
前記クリーニング用ビームが一連のクリーニング用パルスから成り、前記システムがそれらクリーニングパルスの期間中にわたり測定値サンプルを消去するデータ処理ロジックをさらに含む請求項30記載のシステム。
【請求項36】
前記クリーニング用パルスの各々がそのクリーニングパルスのあとの第1の期間にわたり前記分析位置にベースライン状態からの擾乱を生じ、前記データ処理ロジックが前記クリーニング用パルスの各々のあとの前記第1の期間に得られた測定値サンプルをさらに消去する請求項35記載のシステム。
【請求項37】
多層構造基板、すなわち第1の材料を含み第1の厚さを有し少なくとも一つの埋込み層に形成された表面層を含む多層構造基板の上の薄膜から成る被験試料を分析する単一波長偏光解析(SWE)システムであって、
前記薄膜上の分析位置にSWEを行うように第1の波長の測定用ビーム、すなわち前記第1の材料の中で前記第1の厚さよりも小さい第1の吸収距離を有する測定用ビームを向ける手段と、
前記測定用ビームに応答して前記分析位置から発生する出力ビームのビーム特性の測定値サンプルをとる手段と
を含むSWEシステム。
【請求項38】
前記多層構造基板がシリコン−オン−インシュレータ(SOI)基板から成り、前記表面層がシリコン層を含む請求項37記載のSWEシステム。
【請求項39】
前記第1の厚さが500Å以下であり前記第1の波長が390nm以下である請求項38記載のSWEシステム。
【請求項40】
前記分析位置から汚染物質を除去するようにクリーニング動作の期間中にクリーニング用ビームを前記分析位置に向ける手段をさらに含む請求項37記載のシステム。
【請求項41】
クリーニング用ビームを向ける手段が前記測定用ビームを向ける手段を含み前記クリーニング用ビームが前記第1の材料の中で前記第1の厚さよりも大きい第2の吸収距離を有する請求項40記載のSWEシステム。
【請求項42】
前記測定用ビームジェネレータが、
出力ビームを生ずるレーザ手段と、
前記測定用ビームおよびクリーニング用ビームをそれぞれ生ずるように前記出力ビームを前記第1の波長および前記第1の波長よりも大きい第2の波長に設定する手段と
を含む請求項41記載のSWEシステム。
【請求項43】
前記出力ビームを生ずる手段がイットリウム−アルミニウム−ガーネット(YAG)レーザであって、前記第1の波長が266nmに等しく、前記第2の波長が1032nmまたは532nmである請求項42記載のSWEシステム。
【請求項44】
前記出力ビームを調節する手段が前記出力ビームを生ずる手段を制御する周波数変調器を含む請求項43記載のSWEシステム。
【請求項45】
前記出力ビームを調節する手段が、
前記クリーニング用ビームを生ずるように前記出力ビームの周波数を2逓倍する第1の周波数2倍器と、
前記測定用ビームを生ずるように前記クリーニング用ビームの周波数を2逓倍する第2の周波数2倍器と
を含む請求項43記載のSWEシステム。
【請求項46】
前記クリーニング用ビームが一連のクリーニング用パルスから成り、前記測定用ビームを向ける手段が前記クリーニング用パルスの期間中前記測定用ビームを阻止する手段を含む請求項40記載のSWEシステム。
【請求項47】
前記クリーニング用パルスの各々がそのクリーニングパルスのあとの第1の期間にわたり前記分析位置にベースラインからの擾乱を生じ、前記測定用パルスを阻止する手段が前記クリーニング用パルスの各々のあとの前記第1の期間にわたり前記測定用ビームをさらに阻止する請求項46記載のSWEシステム。
【請求項48】
前記クリーニング用ビームが一連のクリーニング用パルスから成り、前記SWEシステムが前記クリーニング用パルスの期間中にわたり前記測定値サンプルを予め定めたレベルにクランプする手段をさらに含む請求項40記載のSWEシステム。
【請求項49】
前記クリーニング用パルスの各々がそのクリーニングパルスのあとの第1の期間にわたり前記分析位置にベースライン状態からの擾乱を生じ、前記測定値サンプルをクランプする手段が前記クリーニング用パルスの各々のあとの前記第1期間にわたり前記測定値サンプルを前記予め定めたレベルにさらにクランプする請求項48記載のSWEシステム。
【請求項50】
前記クリーニング用ビームが一連のクリーニング用パルスから成り、前記SWEシステムがそれらクリーニングパルスの期間中にわたり測定値サンプルを消去する手段をさらに含む請求項40記載のSWEシステム。
【請求項51】
前記クリーニング用パルスの各々がそのクリーニングパルスのあとの第1の期間にわたり前記分析位置にベースライン状態からの擾乱を生じ、前記測定値サンプルを消去する手段が前記クリーニング用パルスの各々のあとの前記第1の期間に得られた測定値サンプルをさらに消去する請求項50記載のSWEシステム。
【請求項52】
基板上の薄膜を含む被験試料について単一波長偏光解析(SWE)を行うシステムであって、
前記薄膜の上の分析位置に、前記分析位置から汚染物質を除去するクリーニング用ビームと前記分析位置から出力ビームを生ずる測定用ビームとを向けるビームジェネレータと、
前記出力ビームのビーム特性の測定値サンプルを把握する測定値レシーバと
を含むシステム。
【請求項53】
前記測定用ビームが第1の波長を有し、前記クリーニング用ビームが前記第1の波長とは異なる第2の波長を有する請求項52記載のシステム。
【請求項54】
前記基板が表面層を含む複数の層から成り、前記表面層が第1の厚さを有し、前記薄膜が前記表面の上に形成されており、前記測定用ビームが前記表面層において前記第1の厚さ以下の第1の吸収距離を有し、前記クリーニング用ビームが前記表面層において前記第1の厚さ以上の第2の吸収距離を有する請求項53記載のシステム。
【請求項55】
前記基板がシリコン−オン−インシュレータ(SOI)基板から成り、前記表面層がシリコン層を含む請求項54記載のシステム。
【請求項56】
前記第1の厚さが500Å以下であり前記第1の波長が390nm以下である請求項55記載のシステム。
【請求項57】
前記ビームジェネレータが、
出力ビームを生ずるレーザ光源と、
前記測定用ビームを生ずるように前記出力ビームを前記第1の波長に設定するとともに、前記クリーニング用パルスを生ずるように前記出力ビームを第2の波長に設定する変調器と
を含む請求項56記載のシステム。
【請求項58】
前記レーザ光源がイットリウム−アルミニウム−ガーネット(YAG)レーザであって、
前記第1の波長が266nmに等しく、前記第2の波長が1032nmまたは532nmである請求項57記載のシステム。
【請求項59】
前記ビームジェネレータが、
出力ビームを生ずるレーザ光源と、
前記測定用ビームおよび前記クリーニング用ビームを生ずるように前記出力ビームの周波数を調節する少なくとも一つのビーム調節器と
を含む請求項56記載のシステム。
【請求項60】
前記レーザ光源がYAGレーザから成り、前記少なくとも一つのビーム調節器が第1の光ビーム周波数2倍器および第2の光ビーム周波数2倍器を含み、前記第1の光ビーム周波数2倍器が前記クリーニング用ビームを生ずるように前記出力ビームの第2高調波を生じ、前記第2の光ビーム周波数2倍器が前記測定用ビームを生ずるように前記第1の光ビーム周波数2倍器と協働して前記出力ビームの第4高調波を生ずる請求項59記載のシステム。
【請求項61】
前記ビームジェネレータが前記測定用ビームおよび前記クリーニング用ビームを前記分析位置に同時に向ける請求項53記載のシステム。
【請求項62】
前記クリーニング用ビームが一連のクリーニング用パルスから成り、前記ビームジェネレータが前記クリーニング用パルスの各々の期間中前記測定用ビームを阻止する変調器を含む請求項61記載のシステム。
【請求項63】
前記クリーニング用パルスの各々がそのクリーニングパルスのあとの第1の期間にわたり前記分析位置にベースラインからの擾乱を生じ、前記変調器が前記クリーニング用パルスの各々のあとの前記第1の期間にわたり前記測定用ビームをさらに阻止する請求項62記載のシステム。
【請求項64】
前記クリーニング用ビームが一連のクリーニング用パルスから成り、前記システムが前記クリーニング用パルスの期間中にわたり前記測定値サンプルを予め定めたレベルにクランプするデータ処理ロジックをさらに含む請求項61記載のシステム。
【請求項65】
前記クリーニング用パルスの各々がそのクリーニングパルスのあとの第1の期間にわたり前記分析位置にベースライン状態からの擾乱を生じ、前記データ処理ロジックが前記クリーニング用パルスの各々のあとの前記第1期間にわたり前記測定値サンプルを前記予め定めたレベルにさらにクランプする請求項64記載のシステム。
【請求項66】
前記クリーニング用ビームが一連のクリーニング用パルスから成り、前記システムがそれらクリーニングパルスの期間中にわたり測定値サンプルを消去するデータ処理ロジックをさらに含む請求項61記載のシステム。
【請求項67】
前記クリーニング用パルスの各々がそのクリーニングパルスのあとの第1の期間にわたり前記分析位置にベースライン状態からの擾乱を生じ、前記データ処理ロジックが前記クリーニング用パルスの各々のあとの前記第1の期間に得られた測定値サンプルをさらに消去する請求項66記載のシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4a】
【図4b】
【図5a】
【図5b】
【図6a】
【図6b】
【図7a】
【図7b】
【図7c】
【図2】
【図3】
【図4a】
【図4b】
【図5a】
【図5b】
【図6a】
【図6b】
【図7a】
【図7b】
【図7c】
【公表番号】特表2006−524828(P2006−524828A)
【公表日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−520523(P2006−520523)
【出願日】平成16年1月7日(2004.1.7)
【国際出願番号】PCT/US2004/000349
【国際公開番号】WO2004/076969
【国際公開日】平成16年9月10日(2004.9.10)
【出願人】(505257132)ケイエルエイ−テンコール テクノロジーズ コーポレーション (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年1月7日(2004.1.7)
【国際出願番号】PCT/US2004/000349
【国際公開番号】WO2004/076969
【国際公開日】平成16年9月10日(2004.9.10)
【出願人】(505257132)ケイエルエイ−テンコール テクノロジーズ コーポレーション (1)
【Fターム(参考)】
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