説明

多層構造プローブの製造方法およびプローブ

【課題】多層構造プローブの製造において、多層構造プローブの各層の接触子のコプラナリティを容易に確保する。
【解決手段】第1平板状基体11上の複数の第1リード12、その先端部の第1接触子12aを有する第1のプローブ10Aと、第2平板状基体21上の複数の第2リード22、その先端部の第2接触子22aを有する第2のプローブ10Bとを貼り合わせる。この場合、第1接触子12aと第2接触子22aが同じ方向になるように、接着剤を介して重ね合わせる。そして、第1平板状基体11上の第1の位置補正用マーク13と、第2平板状基体21上の第2の位置補正用マーク23とを用い、第1接触子12aと第2接触子22aの上記方向のズレ量を補正する。この補正後に位置決めし第1平板状基体11と第2平板状基体21を上記接着剤で互いに接合させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体デバイスやフラットパネルディスプレイ(FPD)等を通電検査するための多層構造プローブの製造方法およびプローブに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体集積回路基板、表示パネル等の電子デバイス基板に設けられる端子用電極は益々高密度に配設される傾向にある。そして、この電子デバイス基板の外周部に配設される電極は、その寸法および配列間隔が微小化し、益々狭ピッチ化してきている。あるいは、これ等の電極は、上記基板の中央部または外周部において複数列に並行して配設されるようになってきている。
【0003】
そこで、電子デバイスを通電検査する通電検査装置(以下、プローバともいう)の検査用のプローブでは、被検体である被測定デバイス(以下、Device under Test;DUTという)の上記電極に対応した狭ピッチのプローブピン(以下、接触子ともいう)が微細加工技術を用いて形成される(例えば、特許文献1参照)。このプローブの作製では、例えば微細パターン転写を容易にするフォトリソグラフィ技術が用いられて、板状基体の表面にその端部まで配設される細長導電層のリードが形成される。その後、リードの先端部が板状基体の縁端から突出するように基体端部の所定領域が切除される。そして、そのリードの先端部が基体の縁端から突出した弾性接片すなわち接触子になり、プローブが作製される。ここで、この接触子は例えば30μm程度の狭ピッチになる。
【0004】
上記検査用のプローブは、DUTの端子用電極に弾性接触するように、プローバにおいてそのプローブヘッドの先端部に装着され使用される。あるいは、上記電極の複数列の配設に対応して、複数のプローブがプローブヘッドの先端部に重ね合わせに装着される。そして、このようなプローブヘッドにおいては、重ね合わせに装着された複数のプローブはそれぞれ独立に移動調節できるようになっている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
この複数のプローブが重ね合わせに装着される上記プローブヘッドでは、DUTにおける複数列の電極の離間距離に合わせて、各プローブがそれぞれ独立して自在に位置調節される。そして、各プローブの接触子が上記複数列の電極に接触できるようになる。このようにして、1種類の検査用のプローブにより上記電極間の離間距離の異なる種々のDUTに対応することができる。しかしながら、上述したプローブヘッドでは、DUTの通電検査において、各プローブの作業者による上記位置調節が必要になる。このため、端子用電極が微細化し狭ピッチになってくると、作業者の上記位置調節に要する時間が増大しその作業効率が低下する。
【0006】
一方、端子用電極が例えば並列状または千鳥足状の複数列に配列される場合に対応するために、多層構造に積層され貼り合わされたコンタクトプローブが提案されている(例えば、特許文献3参照)。このコンタクトプローブは、端子用電極間の離間距離が一定になるDUTに対応するもので、上述したような作業者の位置調節を不要にすることができる。この多層構造コンタクトプローブの作製では、パターン配線がフィルム本体の表面に形成され、その先端部がフィルム本体の先端においてコンタクトピン(接触子)となるコンタクトプローブが2つ用意される。そして、この2つのコンタクトプローブは、互いのフィルム本体の先端が同じ方向になり、それ等のコンタクトピンが上記方向において複数列の電極の離間距離になるように位置決めされ、接着剤により互いに貼り合わされて2層構造コンタクトプローブになる。
【0007】
しかしながら、上記2つのコンタクトプローブの接合において、2つのコンタクトプローブのそれぞれのコンタクトピンが所定量だけずれるように安定的に位置決めすることは難しい。特許文献3には2つのコンタクトプローブの接合による貼り合わせ方法について具体的な記載がないが、その量産工程においては、各コンタクトプローブを構成する基材の厚さ等の寸法にバラツキが存在し、そのバラツキはコンタクトピンのずれにおける上記所定量に影響するようになる。しかも、DUTの端子用電極における配列間隔の微小化および狭ピッチ化に伴って、上記基材における小さな寸法バラツキにも対応できる高精度の位置決めが要求される。
【0008】
しかも、3層構造以上に積層され貼り合わされて形成される多層構造プローブでは、各層の接触子をその先端位置が同一平面上にくるようにずらして揃えることが難しくなる。以下、上記接触子が同一平面上にあることをコプラナリティという。このコプラナリティが悪いと、多層の接触子間において被検体の端子用電極との接触圧が不均一になる。そして、上記接触圧の均一性が悪いと、被検体の電極に対してプローブを強く押圧する必要が生じ、その押込み量(オーバドライブ量)が大きくなり、検体の通電検査において電極表面から外れてしまう接触子が発生し易くなる。
【特許文献1】特開平8−15318号公報
【特許文献2】特開2006−349511号公報
【特許文献3】特開2001−165957号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたもので、複数のプローブが重ねて貼り合わされる多層構造プローブの製造において、複数の検査用のプローブのそれぞれの接触子を安定的に所定量ずらして上記貼り合せができるようにすることを目的とする。そして、多層構造プローブにおける各層の接触子のコプラナリティを容易に確保できるようにする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明にかかる多層構造プローブの製造方法は、板状の第1の基体の一主面に配設された複数の第1のリード、および前記第1のリードのそれぞれの先端部であって前記第1の基体の縁端から突出する第1の接触子を有し、被検体の通電検査をする第1のプローブと、板状の第2の基体の一主面に配設された複数の第2のリード、および前記第2のリードのそれぞれの先端部であって前記第2の基体の縁端から突出する第2の接触子を有し、被検体の通電検査をする第2のプローブとを貼り合わせて形成する多層構造プローブの製造方法において、前記第1の接触子と前記第2の接触子が同じ方向になるように前記第1の基体と第2の基体を接着剤を介して重ね合わせ、前記第1の基体の表面に等間隔に設けた第1の指標の物差しから成る第1の位置補正用マークと、前記第2の基体の表面に等間隔に設けた第2の指標の物差しから成る第2の位置補正用マークとを用いて、前記第1の接触子の先端位置に対する前記第2の接触子の先端位置の前記方向へのズレ量を補正し、前記ズレ量を補正して位置決めした前記第1の基体と前記第2の基体とを前記接着剤で互いに接合させる、構成になっている。
【0011】
あるいは、本発明にかかる多層構造プローブは、板状の第1の基体の一主面に配設された複数の第1のリード、および前記第1のリードのそれぞれの先端部であって前記第1の基体の縁端から突出する第1の接触子を有し、被検体の通電検査をする第1のプローブと、板状の第2の基体の一主面に配設された複数の第2のリード、および前記第2のリードのそれぞれの先端部であって前記第2の基体の縁端から突出する第2の接触子を有し、被検体の通電検査をする第2のプローブとを貼り合わせて形成する多層構造プローブの製造方法において、前記第1のプローブが複数に作製されている第1のプローブ基板と、前記第2のプローブが複数に作製されている第2のプローブ基板とを、前記第1の接触子と前記第2の接触子が同じ方向になるように接着剤を介して重ね合わせ、前記第1のプローブ基板の表面に等間隔に設けた第1の指標の物差しから成る第1の位置補正用マークと、前記第2のプローブ基板の表面に等間隔に設けた第2の指標の物差しから成る第2の位置補正用マークとを用いて、前記第1の接触子の先端位置に対する前記第2の接触子の先端位置の前記方向へのズレ量を補正し、前記ズレ量を補正して位置決めした前記第1のプローブ基板と前記第2のプローブ基板とを前記接着剤で互いに接合させた後に、前記貼り合わせて形成された複数の多層構造プローブを個別化する、構成になっている。
【0012】
そして、本発明にかかるプローブは、板状の基体の一主面に配設された複数のリードおよび前記リードのそれぞれの先端部であって前記基体の縁端から突出する接触子を有し、被検体の通電検査をするプローブにおいて、前記接触子の突出する方向と同じ方向であって前記基体の表面に等間隔に設けた指標の物差しから成る位置補正用マークが形成されている。
【発明の効果】
【0013】
本発明の構成により、複数のプローブが重ねて貼り合わされる多層構造プローブの製造において、複数の検査用のプローブのそれぞれの接触子を安定的に所定量ずらして上記貼り合せができるようになる。そして、多層構造プローブにおける各層の接触子のコプラナリティを容易に確保できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態の幾つかについて図面を参照して説明する。なお、互いに同一または類似の部分には共通の符号を付して、重複説明は一部省略される。但し、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なる。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態にかかる多層構造プローブの製造方法およびプローブについて図1ないし図3を参照して説明する。図1(a)および(b)は本実施形態において多層構造プローブの製造方法に好適に用いられる2つのプローブの一例を示す平面図である。そして、図2は本実施形態にかかる多層構造プローブの製造方法の説明に供するために、2つのプローブの貼り合わせ方法の一例を示した説明図であり、(a)は平面図、(b)は断面図である。図3は本実施形態にかかる多層構造プローブの製造方法の説明に供するために、2つのプローブの貼り合わせ方法の他例を示した説明図であり、(a)は平面図、(b)は断面図である。
【0015】
多層構造プローブ10の製造に好適に用いられる第1のプローブ10Aでは、図1(a)に示すように、絶縁性の第1平板状基体11の一主面に密着層を介して所要数(図1では5本)の適正な弾性特性をもつ第1リード12が形成されている。そして、この第1リード12の先端部は第1接触子12aとしてその第1基端部12bのピッチよりも狭められ、被検体の端子用電極に応じた狭ピッチでビーム状に配設されて、第1平板状基体11の一縁端から突出している。ここで、この第1リード12は所要の弾性特性の金属素材から成る。
【0016】
そして、図1(a)に示されるように、この第1のプローブ10Aにおいて、第1の位置補正用マーク13が第1平板状基体11の一主面の一縁辺に沿って形成されている。この第1の位置補正用マーク13は、第1リード12の第1基端部12bから第1接触子12aに向かう方向に等間隔に刻まれた第1の指標からなる物差しであり、例えばノギスの主尺である。ここで、この等間隔指標は第1リード12と同じ素材により形成されると好適である。
【0017】
多層構造プローブ10の製造に好適に用いられる第2のプローブ10Bには、図1(b)に示すように、第1のプローブ10Aと同様に第2平板状基体21の一主面に密着層を介して所要数の金属素材から成る第2リード22が形成されている。そして、第2リード22の先端部は、第2接触子22aとして第2基端部22bのピッチよりも狭められビーム状に配設されて、第2平板状基体21の一縁端から突出している。
【0018】
また、図1(b)に示されるように、この第2のプローブ10Bにおいて、第2の位置補正用マーク23が第2平板状基体21の一主面の一縁辺に沿って形成されている。この第2の位置補正用マーク23は、第2リード22の第2基端部22bから第2接触子22aに向かう方向に等間隔に刻まれた第2の指標からなり、例えばノギスの副尺(バーニア)として機能する。ここで、この等間隔指標は第2リード22と同じ素材により形成されると好適である。例えば副尺の等間隔目盛は主尺の等間隔目盛の9目盛を10等分した目盛や、主尺の19目盛を20等分した目盛とする。
【0019】
多層構造プローブ10は、上述した第1のプローブ10Aと第2のプローブ10Bが重ね合わされ接合されることにより製造される。この2つのプローブの貼り合わせ方法の一例について図2を参照して説明する。
【0020】
図2(a),(b),(c)に示すように、例えば加熱処理ができるステージ100上に第1のプローブ10Aの第1平板状基体11を、その第1リード12が配設された一主面側を上に向けて固定する。ここで、第1平板状基体11の他主面はステージ100の決められたところに接し保持される。そして、第1平板状基体11の一主面に第2平板状基体21を、その第2リード22が配設された一主面側を上に向け、接着剤31を介して重ね合わせる。ここで、図2(b)に示されるように、接着剤31は第2平板状基体21の他主面と第1平板状基体11の一主面の間に塗布あるいはラミネートされている。
【0021】
そして、第1平板状基体11の一主面に第2平板状基体21を重ね合わせた状態で、上記第1平板状基体11に対する第2平板状基体21の位置合わせを行う。この第1平板状基体11と第2平板状基体21の位置合わせは、可視光の光学顕微鏡の画像あるいはその画像を適宜に処理した電気信号に基づいて行うことができる。ここで、例えば第1接触子12aと第2接触子22aの画像、第1基端部12bと第2基端部22bの画像、あるいは第1平板状基体11および第2平板状基体21の各一主面に作製した位置決めパターン(不図示)等を用いると好適である。
【0022】
そして、これ等の画像を通して、例えば上記ステージあるいは第2平板状基体21の保持用治具のいわゆるX−Y移動と回転駆動により第1平板状基体11と第2平板状基体21の位置合わせがなされる。この位置合わせにより、第1の位置補正用マーク13の第1中心指標131の位置および第2の位置補正用マーク23の第2中心指標231の位置が略一致するようになる。
【0023】
ところで、上述した平板状基体11,21は、その製造方法で後述されるように例えば200μm程度の板厚になるように研削されるが、量産製造における研削工程ではその板厚のバラツキが±5μm程度になる。そこで、上記研削工程後に計測した平板状基体11,21の板厚の測定値に基づいて、適宜に上述した位置合わせの補正を施す。この位置合わせの補正は、上述した第1の位置補正用マーク13および第2の位置補正用マーク23を基準にして、第1平板状基体11に対し第2平板状基体21をその第2基端部22bから第2接触子22aに向かう方向に行われる。この位置合わせの補正量は、その詳細は後述するが、例えば第2平板状基体21の板厚の上記バラツキにより決められる。このような補正を加味して、最終的に第1平板状基体11に対する第2平板状基体21の位置決めがなされる。
【0024】
そして、上記位置決め後に、第1平板状基体11および第2平板状基体21を固定保持の状態にして加熱し熱硬化性の接着剤31により接合させる。なお、接着剤31は、紫外線硬化性のものを用いても良い。このようにして、本実施形態にかかる2つのプローブの貼り合せが容易にできる。
【0025】
そして、図2(b)に示すように、第1リード12の第1基端部12bはフレキシブルプリント配線板(FPC;Flexible Printed Cable)である第1FPC32に例えば異方性導電フィルム(ACF;Anisotropic Conductive Film)により接続される。同様にして、第2リード22の第2基端部22bは第2FPC33に接続される。これ等の第1FPC32および第2FPC33はそれぞれ通電検査装置に電気的につなげられる。なお、上記基端部12b、22bとFPC32,33の接続は、非導電性フィルム(NCF;Non Conductive Film)による圧接接続、金属ワイヤーによるボンディング、あるいはハンダによっても行うことができる。
【0026】
そして、この多層構造プローブ10は、その第1接触子12aおよび第2接触子22aが被測定デバイス34上に並行に配列されている2列の端子用電極35に同時に斜めから所定の角度で弾性接触するように、通電検査装置のプローブヘッドの先端部に装着される。
【0027】
次に、多層構造プローブの製造方法における2つのプローブの貼り合わせ方法の他の例について図3を参照して説明する。この他例は、図2の場合と異なり、2つのプローブの両方の一主面を向かい合わせにして重ね合わせ、貼り合せる場合である。
【0028】
図3(a),(b),(c)に示すように、図2で説明したのと同じように例えば加熱処理ができるステージ100上において、一主面を上方に向けて固定した第1平板状基体11と第2平板状基体21の第2リード22が配設された一主面との間に絶縁体スペーサ36を介装させ接着剤39,39を介して重ね合わせる。ここで、絶縁体スペーサ36は板状であり、その板厚はDUTにおける複数配列の端子用電極35の離間距離に合わせて設定される。
【0029】
そして、上記重ね合わせた状態で、上記第1平板状基体11に対する第2平板状基体21の位置合わせを行う。なお図3(a)で第2の位置補正用マーク23を実線で示したが、第2リード22と同じ面に形成され、重ね合わせによって上方から目視できなくなる。この場合の位置合わせは、図2の場合の光学顕微鏡に替えて上方からでも第2平板状基体21の第2の位置補正用マーク23が読み取れる赤外線あるいはX線を用いて生成した画像あるいはその画像を適宜に処理した電気信号に基づいて行われる。この場合でも、例えば第1接触子12aと第2接触子22aの画像、第1基端部12bと第2基端部22bの画像、あるいは第1平板状基体11および第2平板状基体21の各一主面に作製した位置決めパターン(不図示)等を用いると好適である。
【0030】
そして、これ等の画像を通して、図2の場合と同様に例えば上記ステージあるいは第2平板状基体21の保持用治具のいわゆるX−Y移動と回転駆動により第1平板状基体11と第2平板状基体21の位置合わせを行う。この位置合わせにより、第1の位置補正用マーク13の第1中心指標131の位置および第2の位置補正用マーク23の第2中心指標231の位置が略一致するようになる。なお、図3(a)に示すように、上記第1の位置補正用マーク13および第2の位置補正用マーク23はそれぞれの基体の対向する縁辺の2箇所に設けられている。このようにすることにより、上記赤外線あるいはX線によりそれぞれの位置補正用マークが検出し易くなる。
【0031】
上述した絶縁体スペーサ36を介装した2つのプローブの重ね合わせにおいても、絶縁体スペーサ36の板厚バラツキに従って、図2で説明したのと同じようにして位置合わせの補正を施す。この位置合わせの補正については、図4を参照して後述する。この補正を加味して、最終的に第1平板状基体11に対する第2平板状基体21の位置決めをする。そして、上記位置決め後に、第1平板状基体11および第2平板状基体21を固定保持の状態にして加熱し上記接着剤で接合し貼り付ける。また、図2で説明したのと同様に、図3(b)に示すように第1基端部12bおよび第2基端部22bは、それぞれ第1FPC32および第2FPC33に接続される。
【0032】
そして、この多層構造プローブ10は、その第1接触子12aおよび第2接触子22aが被測定デバイス34上に並行に配列されている2列の端子用電極35に同時に斜めから弾性接触するように、通電検査装置のプローブヘッドの先端部に装着される。ここで、2列の端子用電極35がそれぞれ異なるDUTに形成される場合には、例えば端子用電極35の離間距離が数mm程度になることから、それに合わせ厚さがmm単位の絶縁体スペーサ36が用いられる。
【0033】
上記多層構造プローブの製造方法における2つのプローブの貼り合わせ方法では、図3の場合と異なり、2つのプローブの両方の他主面側が互いに重ね合わされ接着剤で接合するようにしてもよい。この場合には、第1平板状基体11の板厚および第2平板状基体21の板厚を積算した板厚バラツキに従って、図2で説明したのと同じようにして位置合わせの補正を施す。なお、図3で説明した絶縁体スペーサ36は、上記2つのプローブの他主面側を互いに重ね合わす場合、あるいは図2で説明したような2つのプローブの重ね合わせの場合に図3で説明したのと同様に介装して使用することができる。
【0034】
次に、上述した第1平板状基体11および第2平板状基体21の位置合わせ補正について図4を参照して説明する。図4は2つのプローブ間の位置合わせ補正の説明に供する模式的な断面図である。ここで、第1リード12と第2リード22は絶縁介装板37の両面にそれぞれに配設されているものとする。この絶縁体介装板37は、図2で説明した第2平板状基体21、図3で説明した絶縁体スペーサ36、第1平板状基体11と第2平板状基体21の積層したもの、あるいは第1平板状基体11と第2平板状基体21間に絶縁体スペーサ36を積層したものが相当する。
【0035】
そして、この模式的に示した2つのプローブでは、その第1接触子12aおよび第2接触子22aが一平面38に対して所定の角度θで接するコプラナリティを有するとする。図4に示すように、絶縁介装板37の厚さの設計値をx、一平面38に接する第1接触子12aの先端と第2接触子22aの先端の離間距離をyとすると、y=x/tanθとなる。そこで、上記絶縁介装板37の厚さが設計値xとなる場合には、図2および図3で説明した第1の位置補正用マーク13および第2の位置補正用マーク23は位置合わせ補正が不要であり、第1中心指標131および第2中心指標231がほぼ一致するようになる。
【0036】
これに対して、絶縁介装板37の実測値に板厚バラツキΔxが生じると、第1接触子12aの先端位置と第2接触子22aの先端位置の間のズレ量の補正、すなわち上述した位置合わせ補正が必要になる。そして、その補正量はΔy=Δx/tanθでほぼ表される。そして、上記板厚バラツキΔxの場合にあって、上記補正量による位置合わせ補正をすることにより、第1接触子12aおよび第2接触子22aは、上記一平面38に対して所定の角度θで接するコプラナリティが確保できる。ここで、接着剤の厚さは薄く、その厚さバラツキは絶縁介装板37の板厚バラツキに比し小さいものとしている。
【0037】
次に、本実施形態にかかる多層構造プローブ10の製造に好適に用いられるプローブの製造方法ついて図5ないし図7を参照して説明する。ここで、第1のプローブ10Aおよび第2のプローブ10Bともに同様に製造できるが、以下では第1のプローブ10Aの製造の場合について説明する。図5は本実施形態にかかる多層構造プローブの製造方法に好適に用いられるプローブの製造方法を説明するために、複数のプローブが一括作製される1枚のプローブ基板を示した上面図である。そして、図6および図7は本実施形態にかかるプローブの製造方法を説明するために、図1のX−Xで切断したところの製造工程別断面図である。
【0038】
第1のプローブ10Aの製造工程では、図5に示すように複数の第1のプローブ10A(図5では8個)が、後述されるある工程までは一枚の基板41に一括的に第1リード12等が作製される。その後は、一枚の基板41は図5に示した切り取り線42に沿った切り取りにより第1平板状基体11に個別化される。そして、個別化された各第1平板状基体11は、それ以後の製造工程を経て第1のプローブ10Aとして製造される。
【0039】
図6(a)に示すように、1枚で複数の第1のプローブ10Aを作製する基板41表面に犠牲層43を形成する。ここで、基板41は、その厚さが1mm程度になる例えばセラミックス、ガラス等の絶縁体材料から成る。また、犠牲層43は膜厚0.1μm〜5μmの銅(Cu)膜あるいはCu/クロム(Cr)積層膜、シリコン酸化膜等から成る。ここで、犠牲層43はスパッタリング法、無電解メッキ、化学気相成長(CVD)法、熱酸化法等の成膜とフォトリソグラフィを用いた所要パターンのエッチング加工によって、図5に示された基板41上の所定の領域に所望数に形成される。
【0040】
そして、上記犠牲層43および基板41表面を被覆して密着膜44をスパッタリング法で成膜する。この密着膜44は、例えばチタン(Ti)、Cr等の基板41に対して大きな接着力を有する金属材料を含み、例えば厚さ0.01μm〜0.5μのニッケル(Ni)合金/Tiの積層膜が好ましい。
【0041】
次に、例えばスピン塗布法あるいはスクリーン印刷法により上記密着膜44を被覆するメッキ用のレジスト膜を形成する。そして、そのレジスト膜のフォトマスクを用いたフォトリソグラフィ法あるいはダイレクトイメージング法による露光・現像処理を行う。このようにして、図6(b)に示すように所望のメッキ用のレジストマスク45を密着膜44上に形成する。ここで、レジストマスク45は、上述した第1リード12のそれぞれに対応する開口パターンを有し、その膜厚が例えば30μm程度になる。また、図示しないが、上記レジストマスク45には第1の位置補正用マーク13の第1の指標に対応する開口パターンを有する。なお、これ等の開口パターンは、例えばフォトリソグラフィにおいて周知である異なる層間の位置合わせ手法により、犠牲層43のパターンに位置合わせして形成される。
【0042】
その後、図6(c)に示すように、これ等のレジストマスク45の開口内の密着膜44上に電解メッキにより第1リード12および第1の位置補正用マーク13の第1の指標を形成する。そして、ここで、第1リード12は、所要の弾性特性をもつ金属材料、例えばNi−鉄(Fe)、Ni−マンガン(Mn)、Ni−コバルト(Co)等のNi合金から成る。また、この電解メッキにおいて密着膜44は給電層として機能する。
【0043】
この電解メッキにおいて、第1リード12の厚さが基板41上で例えば±5μm以上と大きくばらつく場合には、化学的機械研磨(Chemical Mechanical Polishing;CMP)法により、上記レジストマスク45および第1リード12の上面が平坦になるように研磨除去するとよい。このCMPでは、レジストマスク45と第1リード12の研磨速度を略同程度にするスラリーやパット、クロスが選択される。このようにして、表面が平坦加工された第1リード12が形成される。
【0044】
なお、上述したレジストマスク45を用いた電解メッキにより形成される第1リード12および第1の位置補正用マーク13の第1の指標の厚さは例えば5μm〜150μm程度に形成される。そこで、レジストマスク45の厚さは第1リード12の所要の膜厚に合わせて5μm〜200μmの範囲で自在に設定される。
【0045】
続いて、図6(d)に示すように、公知の有機溶剤による剥離あるいは酸素プラズマによるアッシング等でレジストマスク45を除去する。そして、図示しないが、第1接触子12aの所望の領域に開口パターンを有するレジストマスクを新たに形成し、密着膜44を給電層とした金メッキを施す。
【0046】
そして、図6(e)に示すように、例えば膜厚が0.5μm〜1μm程度の金メッキにより被覆層47が形成される。ここで、被覆層47は、第1リード12の先端部である第1接触子12aの上面および側面に電気的に接続して形成される。この被覆層47は例えばAu、Au合金等から成る。その後に、上記レジストマスクを除去して露出する密着膜44をエッチング除去して、第1リード12下およびその先端部12a下の密着層46とする。
【0047】
以上のような工程後、図5に示した状態の基板41は例えば200μm厚さに研削される。そして、ダイシング、サンドブラスト、レーザ加工等によりそれぞれの第1のプローブ10Aに切り取られて複数個の所要形状の平板状基体11に個別化される。
【0048】
その後、図7(a)に示すように、基板41から切り出され個別化した平板状基体11の裏面の所定範囲に直線状に延在する切り込み溝48を形成する。この切り込み溝48は、ダイシング、サンドブラスト、レーザ加工等、あるいは、例えば、ICP(Inductively Coupled Plasma)のようなHDP(High Density Plasma)のDRIE(Deep Reactive Ion Etching)方法等により、その線幅が数十〜数百μm程度になり、その深さが平板状基体11の厚さを考慮して数十μmになるように形成される。ここで、切り込み溝48の深さ方向の溝先端は、例えば第1リード12の配設される方向にほぼ直交した方向に延在している。そして、犠牲層43のパターン辺のほぼ直下に位置するように形成されると好適である。
【0049】
次に、図7(b)に示すように、犠牲層43を選択的に溶解する例えば塩化第二鉄のようなエッチング液を用い銅薄膜から成る犠牲層43を除去する。犠牲層43を除去することにより、第1リード12の犠牲層43上に形成された先端部12aは平板状基体11表面から浮き離れた状態になる。
【0050】
次に、図7(c)に示すように、切り込み溝48に沿って平板状基体11を破断し、先端部12a側にあった基板を切除する。これにより、上記切り込み溝48の領域を縁端48aとし、この縁端48aから例えば数百μm長に突出した先端部12a、その下面の密着層46およびその上面と側面の被覆層47から成る接触子が形成される。このようにして、第1のプローブ10Aが出来上がる。
【0051】
なお、図示しないが、さらに第1リード12の基端部12bに、ACF等により上述した第1FPC32を接続させてもよい。
【0052】
上記実施形態においては、レジストマスク45となるレジスト膜は、感光性を有する有機系高分子材料、無機系高分子材料あるいはこれ等のコンポジット系材料からなる。あるいは、上記平坦化のためのCMPにおいて、第1リード12との研磨速度が略同じになるように構成される。例えば、ポリイミド系のメッキ用のレジスト組成体にシリコン(Si)が導入され、適度に調整された導入量を有するシリコン入りレジスト膜が好適なものとして挙げられる。
【0053】
また、第1リード12および接触子であるその先端部12aは、適度な弾性特性を有する導電体材料から成る。そして、その導電体材料として、Ni系金属材料の他に、例えばロジウム(Rh)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)、銅合金等が挙げられる。
【0054】
また、被覆層47は、耐酸化性の金属材料あるいは酸化しても導電性を有する金属材料からなり、DUTの端子用電極に対する耐磨耗性を有するものが選択される。例えばAu−Co合金のようなAu合金の他に、酸化しても導電性を有するRu、Ir金属およびこれ等の合金が挙げられる。
【0055】
そして、上記実施形態において、上述した2つのプローブの貼り合せを繰り返すことにより3層以上になる多層構造プローブを作製することができる。
【0056】
本実施形態では、多層構造プローブに使用される2つのプローブは、その貼り合わせ工程の重ね合わせにおいて互いの接触子の先端位置の離間距離の補正を容易にするための位置補正用マークがそれぞれ形成されている。そして、この位置補正用マークを用いた位置合わせ補正では、多層構造プローブの量産工程で生じる各プローブの基材のバラツキに対応してその補正量が決定される。このために、多層構造プローブの製造において、各プローブの素材にバラツキが存在しても、複数のプローブのそれぞれの接触子を安定的に所定量ずらした貼り合せができる。そして、多層構造プローブにおける各層の接触子のコプラナリティを容易に確保できる。
【0057】
そして、本実施形態により製造される多層構造プローブは通電検査における被検体の端子用電極の狭ピッチ化および多ピン化に簡便に対応できるようになる。また、複数DUTの通電検査が同時に容易にできるようになる。
【0058】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態にかかる多層構造プローブの製造方法について図8および図9を参照して説明する。図8は本実施形態にかかる多層構造プローブの製造方法で用いられる、複数のプローブがそれぞれ一括作製された二枚のプローブ基板の一例を示す上面図である。そして、図9は本実施形態にかかる多層構造プローブの製造方法の説明に供するために、複数のプローブがそれぞれ一括作製された二枚のプローブ基板の貼り合わせ方法の一例を示した平面図である。この実施形態は、複数のプローブがそれぞれに形成された二枚のプローブ基板を位置合わせして貼り合わせ、その後に貼り合わされた多層構造プローブを個別化することを特徴とする。
【0059】
図8(a)に示すように、貼り合わせに用いる第1のプローブ基板51には、所要数(図では6個)の第1のプローブ10Aが第1連結部52を介して一枚基板に連結されている。ここで、各第1のプローブ10Aは、第1の位置補正用マーク13以外はほぼ図1(a)で説明したような構造に形成されている。
【0060】
そして、図8(a)に示されるように、この第1のプローブ基板51において、2つの第1の基板位置補正用マーク53が第1のプローブ基板51の一主面の二縁辺に沿って形成されている。この第1の基板位置補正用マーク53は、第1のプローブ10Aの第1リード12の第1基端部12bから第1接触子12aに向かう方向に等間隔に刻まれた第1の指標からなる物差しであり、例えばノギスの主尺である。ここで、この等間隔指標は第1リード12と同じ素材により形成されるとよい。また、第1のプローブ基板51の上記二縁辺に直交する二辺に沿って2つの第1の基板位置ズレ測定用マーク54が形成されている。
【0061】
同様に、図8(b)に示すように、貼り合わせに用いる第2のプローブ基板61には、第1のプローブ基板51と同様に所要数(図では6個)の第2のプローブ10Bが第2連結部62を通して一枚基板に連結されている。ここで、各第2のプローブ10Bは、第2の基板位置補正用マーク63以外はほぼ図1(b)で説明したような構造に形成されている。
【0062】
そして、図8(b)に示されるように、2つの第2の基板位置補正用マーク63が第2のプローブ基板61の一主面の二縁辺に沿って形成されている。この第2の基板位置補正用マーク63は、第2のプローブ10Bの第2リード22の第2基端部22bから第2接触子22aに向かう方向に等間隔に刻まれた第2の指標からなる物差しであり、ノギスの副尺として機能する。ここで、この等間隔指標は第2リード22と同じ素材により形成されるとよい。また、第2のプローブ基板61の上記二縁辺に直交する二辺に沿って2つの第2の基板位置ズレ測定用マーク64が形成されている。
【0063】
上述したプローブ基板51,61は、第1の実施形態で説明した図5の一枚の基板の場合と同様にして、例えば図6(e)で説明した製造工程まで作製される。そして、図6(e)の工程後は、例えばレーザ加工を用いた外形加工により連結部52,62を残し、プローブ基板51,61に連結された複数のプローブ10A、10Bをそれぞれのプローブ基板51,61に作製する。
【0064】
そして、上記形成された二枚のプローブ基板51,61の貼り合わせでは、第1の実施形態の場合と同様に、図9に示すように例えば加熱処理ができる大型のステージ上に第1のプローブ基板51を、その第1のプローブ10Aが作製されている一主面側を上に向けて固定する。そして、第2のプローブ基板61を、その第2のプローブ10Bが作製された一主面側を上に向け、接着剤を介して重ね合わせる。
【0065】
そして、この重ね合わせの状態で、上記第1のプローブ基板51に対する第2のプローブ基板61の位置合わせを行う。この位置合わせは、第1の実施形態の場合と同じように可視光の光学顕微鏡の画像あるいはその画像を適宜に処理した電気信号に基づいて行う。そして、第1の基板位置補正用マーク53および第2の基板位置補正用マーク63を用いて、第1の実施形態で説明したのと同様にして、第1のプローブ基板51と第2のプローブ基板61の間の位置合わせ補正を行う。ここで、位置合わせ補正は、第1のプローブ基板51に対し第2のプローブ基板61をその第2基端部22bから第2接触子22aに向かう方向に行われる。この場合の補正量は、例えば第2のプローブ基板61の板厚バラツキにより決められる。このような補正を加味して、最終的に第1のプローブ基板51に対する第2のプローブ基板61の位置決めがなされる。
【0066】
上記位置決め後に、第1のプローブ基板51および第2のプローブ基板61を固定保持の状態にして加熱し熱硬化性の接着剤により接合する。そして、その後に、プローブ基板の状態で貼り合わされた多層構造プローブをレーザ加工等によって個別化する。
【0067】
なお、二枚のプローブ基板の状態での貼り合わせは、図3で説明したのと同様にこれ等のプローブ基板を背中合わせにして重ね合わせ位置合わせをして行ってもよい。また、上記第1の基板位置ズレ測定用マーク54および第2の基板位置ズレ測定用マーク64は、二枚のプローブ基板の位置合わせにおける位置ズレの測定に使用し、位置決め精度の向上に使用される。しかし、必ずしも必要とするものではない。
【0068】
本実施形態では、複数のプローブが一括作製されたプローブ基板の状態で貼り合わせることから、第1の実施形態の場合よりも作業効率が向上する。また、第1の実施形態で説明したのと同じ効果を奏することができる。
【0069】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、上述した実施形態は本発明を限定するものでない。当業者にあっては、具体的な実施態様において本発明の技術思想および技術範囲から逸脱せずに種々の変形・変更を加えることが可能である。
【0070】
例えば、上記実施形態において、上記多層構造プローブを用いて行われる通電検査の被検体は、上記被測定デバイスに限定されるものでなく、例えば回路配線基板であってもよい。
【0071】
また、多層構造プローブの製造に使用する各プローブの接触子がそれぞれの平板状基体の縁端から突出しない構造になっていてもよい。但し、この場合には、リード12および接触子は適度な弾性と靭性を有する導電体材料により形成されるのが好ましい。
【0072】
また、上記実施形態では、第1、第2のリード数が同じになるように形成されているが、異なるリード数になっていてもよい。
【0073】
また、上記第1、第2の位置補正用マークは、それぞれ第1、第2のリードとは異なる例えば金属材料により形成するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の第1の実施形態にかかる多層構造プローブの製造方法で好適に用いられる2つのプローブの一例を示す平面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態にかかる多層構造プローブの製造方法の説明に供するために、2つのプローブの貼り合わせ方法の一例を示した説明図であり、(a)は平面図、(b)は断面図、(c)は貼り合わせを分解して示す略図である。
【図3】本発明の第1の実施形態にかかる多層構造プローブの製造方法の説明に供するために、2つのプローブの貼り合わせ方法の他例を示した説明図であり、(a)は平面図、(b)は断面図、(c)は貼り合わせを分解して示す略図である。
【図4】本発明の第1の実施形態にかかる2つのプローブ間の位置合わせ補正の説明に供する模式的な断面図である。
【図5】本発明の第1の実施形態にかかる多層構造プローブの製造方法に好適に用いられるプローブの製造方法を説明するために、複数のプローブが一括作製される一枚のプローブ基板を示した上面図である。
【図6】本発明の第1の実施形態にかかるプローブの製造方法を説明するために、図1のX−Xで切断したところの製造工程別断面図である。
【図7】図5に続くプローブの製造工程を示す製造工程別断面図である。
【図8】本発明の第2の実施形態にかかる多層構造プローブの製造方法で用いられる、複数のプローブがそれぞれ一括作製された二枚のプローブ基板の一例を示す上面図である。
【図9】本発明の第2の実施形態にかかる多層構造プローブの製造方法の説明に供するために、複数のプローブがそれぞれ一括作製された二枚のプローブ基板の貼り合わせ方法の一例を示した平面図である。
【符号の説明】
【0075】
10…多層構造プローブ,10A…第1のプローブ,10B…第2のプローブ,11…第1平板状基体,12…第1リード,12a…第1接触子,12b…第1基端部,13…第1の位置補正用マーク,21…第2平板状基体,22…第2リード,22a…第2接触子,22b…第2基端部,23…第2の位置補正用マーク,31…接着剤,32…第1FPC,33…第2FPC、34…被測定デバイス(DUT),35…端子用電極,36…絶縁体スペーサ,38…一平面,39…接着剤,41…プローブ基板,42…切り取り線,43…犠牲層,44…密着膜,45…レジストマスク,46…密着層,47…被覆層,48…切り込み溝,48a…縁端,51…第1のプローブ基板,52…第1連結部,53…第1の基板位置補正用マーク,54…第1の基板位置ズレ測定用マーク,61…第2のプローブ基板,62…第2連結部,63…第2の基板位置補正用マーク,64…第2の基板位置ズレ測定用マーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状の第1の基体の一主面に配設された複数の第1のリード、および前記第1のリードのそれぞれの先端部であって前記第1の基体の縁端から突出する第1の接触子を有し、被検体の通電検査をする第1のプローブと、板状の第2の基体の一主面に配設された複数の第2のリード、および前記第2のリードのそれぞれの先端部であって前記第2の基体の縁端から突出する第2の接触子を有し、被検体の通電検査をする第2のプローブとを貼り合わせて形成する多層構造プローブの製造方法において、
前記第1の接触子と前記第2の接触子が同じ方向になるように前記第1の基体と第2の基体を接着剤を介して重ね合わせ、
前記第1の基体の表面に等間隔に設けた第1の指標の物差しから成る第1の位置補正用マークと、前記第2の基体の表面に等間隔に設けた第2の指標の物差しから成る第2の位置補正用マークとを用いて、前記第1の接触子の先端位置に対する前記第2の接触子の先端位置の前記方向へのズレ量を補正し、
前記ズレ量を補正して位置決めした前記第1の基体と前記第2の基体とを前記接着剤で互いに接合させることを特徴とする多層構造プローブの製造方法。
【請求項2】
前記第1の位置補正用マークおよび前記第2の位置補正用マークは、それぞれ、ノギスの主尺および副尺であることを特徴とする請求項1に記載の多層構造プローブの製造方法。
【請求項3】
前記第1の位置補正用マークおよび前記第2の位置補正用マークは、それぞれ、前記第1のリードおよび前記第2のリードと同一材料により形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の多層構造プローブの製造方法。
【請求項4】
前記第1の基体の前記一主面と前記第2の基体の前記一主面とを向かい合わせにして接合することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の多層構造プローブの製造方法。
【請求項5】
前記第1の基体と前記第2の基体との間に板状の絶縁体スペーサを介装させることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の多層構造プローブの製造方法。
【請求項6】
前記位置合わせ補正は、前記第1の基体の板厚、前記第2の基体の板厚、あるいは前記絶縁体スペーサの板厚の設計値からのバラツキに合わせて行うことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一項に記載の多層構造プローブの製造方法。
【請求項7】
板状の第1の基体の一主面に配設された複数の第1のリード、および前記第1のリードのそれぞれの先端部であって前記第1の基体の縁端から突出する第1の接触子を有し、被検体の通電検査をする第1のプローブと、板状の第2の基体の一主面に配設された複数の第2のリード、および前記第2のリードのそれぞれの先端部であって前記第2の基体の縁端から突出する第2の接触子を有し、被検体の通電検査をする第2のプローブとを貼り合わせて形成する多層構造プローブの製造方法において、
前記第1のプローブが複数に作製されている第1のプローブ基板と、前記第2のプローブが複数に作製されている第2のプローブ基板とを、前記第1の接触子と前記第2の接触子が同じ方向になるように接着剤を介して重ね合わせ、
前記第1のプローブ基板の表面に等間隔に設けた第1の指標の物差しから成る第1の位置補正用マークと、前記第2のプローブ基板の表面に等間隔に設けた第2の指標の物差しから成る第2の位置補正用マークとを用いて、前記第1の接触子の先端位置に対する前記第2の接触子の先端位置の前記方向へのズレ量を補正し、
前記ズレ量を補正して位置決めした前記第1のプローブ基板と前記第2のプローブ基板とを前記接着剤で互いに接合させた後に、前記貼り合わせて形成された複数の多層構造プローブを個別化することを特徴とする多層構造プローブの製造方法。
【請求項8】
板状の基体の一主面に配設された複数のリードおよび前記リードのそれぞれの先端部であって前記基体の縁端から突出する接触子を有し、被検体の通電検査をするプローブにおいて、前記接触子の突出する方向と同じ方向であって前記基体の表面に等間隔に設けた指標の物差しから成る位置補正用マークが形成されていることを特徴とするプローブ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2010−122101(P2010−122101A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−296671(P2008−296671)
【出願日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【出願人】(000177690)山一電機株式会社 (233)
【Fターム(参考)】