説明

多数点分配制御システム

【課題】 ウェハの均一な被覆を提供するため、より大型のウェハのような基板上に多数の分配点を許容する制御装置を提供する。
【解決手段】 流体供給手段が、複数の分配ノズルA,B,Cに分配すべき流体を供給し、複数の分配ノズルの各々が1つの弁10A,10B,10Cと、流体供給手段及びノズルとを流体的に連通させる流体供給管12とを有する。圧力感知手段27が弁の下流にて流体供給管の各々内に設けられている。圧力感知手段に応答して前記流体供給管の各々内の圧力を比較し且つ全ての圧力差を表示する信号を発生させるコンピュータプロセッサが設けられている。更に圧力差を表示する信号に応答して弁の少なくとも1つを調節する手段を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、停止/吸引弁のような空圧負荷に対する圧力をデジタル的に監視し且つ制御する制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体を製造する間、加工されるウェハ上にフォトレジスト液体を精密に且つ正確に分配し且つ蒸着しなければならない。フォトレジスト適用例のための従来の装置において、加工すべきウェハを適当なノズルの下方に配置し、次に、そのノズルは、ウェハを被覆し得るように所定の量のフォトレジスト液体を分配する。典型的に、次に、ウェハを回転させて、蒸着した液体をウェハの表面の全体に亙って均一に分配する。この過程において、分配速度及び分配される液体の量が重要であることは容易に明らかである。
【0003】
ウェハを加工する間のようなとき、ノズルを通る流体の流れを停止させると、ノズルからフォトレジスト液体の液滴が形成され且つノズルの下方に配置されたウェハに落下する可能性がある。このことは、ウェハ上に形成されるパターンを駄目にし、そのウェハを廃棄し又は再加工しなければならないことがある。
【0004】
ノズル上に有害な液滴が形成されるのを防止するため、通常、外部の停止/吸引弁(suckback valve)が使用される。かかる弁は、通常、二対の空圧制御式弁であり、その一方の弁がノズルへの液体の流れを停止させ、もう一方の弁がノズルの分配端又は出口ポートから液体を吸引する。このことは、ポートにおける液滴の形成及び滴下を防止するのを助けるのみならず、ノズルを詰まらせる可能性のある、露出した面からの液体の乾燥を防止し且つ出口における流体の汚れを少なくすることも助ける。
【0005】
これらの停止/吸引弁が閉じ又は開く速度は、異なる仕方にて流体に影響を与える、停止弁が過早に開き又は閉じると、流体コラムはウェハに対する流体の液滴を「分割し」、被覆厚さを有害な程に変化させる可能性がある。吸引弁が過早に変化するならば、流体コラムは、キャビテーションを生じ、コラム中に泡を発生させ、ウェハの被覆厚さを同様に有害な程に変化させる。
【0006】
この問題点に対処すべく使用される1つのアプローチ法は、空圧入口管及び排気管と直列にニードル弁を使用することである。このニードル弁は、弁における圧力変化を調節することを可能にする。しかし、この弁の制御方法は、色々な欠点がある。例えば、塵が弁座上に溜まる可能性があるため、制御ガスの清浄さが問題である。同様に、供給圧力の少しの変化も機械的振動を生じさせる結果、このアプローチ法の信頼性を低下させる可能性がある。経時的に、上述した欠点の何れかが弁の性能を変化させる可能性がある。その結果、液体の分配を監視し且つ定期的に手操作で調節しなければならない。このことは、時間がかかり且つコスト効果的ではない。
【0007】
また、より大型のウェハ(例えば、直径300mm以上)の被覆も乱流の問題が生じるから、難点がある。従来、被覆流体が付与される点である、ウェハの中央部からウェハの端縁まで半径方向外方にその被覆流体を拡げるためにウェハの回転速度が使用されている。しかし、このアプローチ法は、ウェハ上に空気の乱流を生じさせ且つ被覆を不均一にする可能性がある。より大型のウェハに対するスピン速度を遅くすることは、ウェハの表面における乱流を少なくするが、新たな問題点を招来する可能性がある。速度が遅ければ、流体は、ウェハを亙ってより遅い速度で移動し、このため、流体が硬化し又は乾燥し始める前に、流体をウェハ端縁まで拡げることは問題となる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記の欠点を伴うことなく、流体を精密に再現可能に分配することのできる停止/吸引弁を提供することができれば望ましいことであろう。更に、本発明は、特に流体の流れの精密な制御が望まれ又は必要とされる、全ての空圧流体制御装置により広く適用可能である。
【0009】
より大型のウェハを加工するとき、乱流の問題点を少なくし又は解消し且つウェハの均一な被覆を提供するため、より大型のウェハのような基板上に多数の分配点を許容する制御装置を提供することは更に望ましいであろう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
停止/吸引弁のような空圧負荷に対する圧力を監視し(好ましくは、デジタル式に)且つ/又は制御するための制御装置を提供する本発明によって従来技術の問題点は解決される。圧力は、空圧負荷への空圧流体供給管内にて感知され、その圧力を所定のレベルに保つため閉ループ制御が使用される。圧力は連続的に又は継続的に監視し、また、所望の結果が得られるように弁を調節することができる。制御装置は、広範囲に亙る粘度の流体に適用可能であり、該制御装置は、オペレータの最小の関与にてかかる流体を精密に且つ繰り返し分配することができる。
【0011】
1つの代替的な実施の形態において、多数点分配装置内で等しい分配を保証するため制御装置が使用される。このように、圧力は、それぞれのノズルと流体的に連通した各弁の下流にて感知される。少しの圧力差もノズルを通しての分配速度が等しくないことを示し、この圧力差は弁を適切に調節することで補正される。
【0012】
本発明の更に別の実施の形態において、被覆流体を1つの基板に同時に又は順序的に分配するため多数分配点が使用される。このことは、ユーザにより制御可能である基板の面に沿った異なる点にて分配が為されるから、ウェハのような、より大型の基板を被覆するのに必要な時間を短縮することになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
先ず、図1及び図2を参照すると、本発明の好ましい実施の形態による制御装置が図示されている。液体の入口管12及び液体の出口管13を有する、従来の停止/吸引弁10のような流体制御装置が図示されている。この液体出口管13は、ウェハとすることのできる基板のような、使用点に最終的に液体を分配するためノズル又はその他の分配手段(図示せず)と流体的に連通している。ソレノイド20、21のような一対の流れ制限装置が、図示するように、停止/吸引弁10に空圧的に接続されている。1つの流れ制限装置は、弁の停止部分に接続され、もう一方は弁の吸引部分に独立的に接続されることが好ましい。従来の圧力変換器24、25等によって、各流れ制限装置の空圧的流体出口内で圧力が感知される。圧力変換器24、25の各々は、図2に図示するように、比例式、積分型、及び微分型(PID)フィードバック構成要素を有するコントローラのようなコンピュータプロセッサ又は制御回路30と連通している。圧力変換器24、25の各々は、そのそれぞれの空圧流体供給管内の圧力をサンプリングすると、この変換器は、そのサンプリングしたデータをコントローラ30に伝送する。コントローラ30は、そのサンブリングした圧力を所定の値と比較し、これに応じて、停止/吸引弁10に供給する流れ制限装置を作動させる。このことは、各空圧流体供給管内の圧力を独立的に一定に又は所望の値に保つことを保証する。
【0014】
弁への圧力を制御することにより、色々な液体分配パラメータを制御することができる。例えば、分配すべき液体が低粘度の液体であるならば、停止弁は、液体の均一な分配を保証するため圧力を使用して入念に調節することができる。同様に、液体が吸引弁により分配箇所から吸引される量のように、液体が分配される量を制御することができる。特定の弁の圧力対容積の関係が一度び特定されたならば、本発明の装置を使用して無制限の自由性性を得ることができる。実際上、分配圧力は、分配の質(例えば、均一さ)の良好な指標となるが、全ての適用例に「理想的な」分配圧力のプロファイル(即ち、分配圧力の特性)が存在するとは限らず、また、全ての弁にて一貫していない。本発明の制御装置は、弁の特徴が一度び既知となったならば、特定の過程の用途に対する「理想的なプロファイル」を実現し得るようにプロセス技術者がその分配圧力を調節することを許容する。
【0015】
制御装置30は、圧力変換器24、25の各々に対する信号調節装置を有している。この回路は、アナログ対デジタル変換器(A/D)が電気信号を測定し得るように十分な大きさの電気信号(アナログ)になるように歪み計の信号を調節する。この圧力信号は、搭載型マイクロプロセッサにより読み取られる。このマイクロプロセッサはデジタル値を計算し、このデジタル値はアナログ信号としてデジタル対アナログ変換器に送られる。このアナログ信号は、制御ソレノイドを作動させる電圧対電流変換器を駆動する。
【0016】
デジタル制御信号を計算する制御アルゴリズムは、オペレータ及び工場のパラメータ並びに現在の圧力を使用してソレノイドの適正な電流を計算することができる。このことは、コントローラがポンプ又はトラック(track)により停止させるための信号を受ける迄、10乃至15ミリ秒ごとに繰り返される。このアルゴリズムは、ソレノイドオフセットによりPID又は修正したPID制御ループとすることができる。基本作動はエラー信号を発生させる。このエラー信号がプログラム化したパラメータにより修正され且つ制御ソレノイドに対する駆動信号に変換される。
【0017】
より具体的には、計測器増幅器は0kPa(0psi)乃至689.48kPa(100psi)の圧力変化に対し圧力信号を±10ボルトに調節する。この測定した圧力は、空圧流体制御装置に付与される現在の圧力である。図示した実施の形態において、空圧流体制御装置は2つの部分、すなわち流体が流れるのを停止させる部分及び流体の前縁を分配点から吸引して滴下を防止する他方の部分を有する空圧弁である。アナログ対デジタル変換器は、アナログ圧力信号をデジタル形態に変化させ、次に、マイクロプロセッサによりこのデジタル形態を読み取ることができる。変換器からの圧力信号はPID制御アルゴリズムに入力される。この設定状態の形態は、コントローラが必要な設定圧力を又は設定点を迅速に変化させ、またその圧力が設定点の変化を追跡することを許容する迅速制御アルゴリズムを使用する。各設定点及び制御圧力は独立的であり、従来からこの過程と関係した相互作用が実質的に存在しないようにする。このように、オペレータは、「停止」及び「吸引」の操作を別個に設定することができる。
【0018】
PIDの出力は、比率のエラー(現在の圧力と現在の設定値との差)及び微分係数(経時的な圧力変化率)及び積分値(経時的な圧力信号変化率の減衰程度)を組み合わせた「エラー信号」である。次に、このエラー信号は、ソレノイド駆動装置に対して補正される。ソレノイド駆動装置はまた、弁ごとの相違を調整するため積分値及び微分係数をも計算する。その補正されたエラー信号はデジタル形態からアナログ信号に変換され、得られるアナログ信号は、電圧対電流変換器に送られ、この変換器が制御弁を新たな位置に駆動する。この操作は、各弁に対し10乃至15ミリ秒ごとに繰り返される。
【0019】
多岐に亙る用途に対し適正な作動を保証し得るよう色々なプロセスパラメータを設定することができる。例えば、停止弁の「作動」圧力パラメータは、液体を実際に分配する間に、空圧弁の停止部分に付与される圧力である。この圧力を加減することにより平均的な分配圧力が変化する。このパラメータは、弁をその完全に開いた位置より小さい値にて作動させ得ることが有益である高粘度液体に対して特に有用である。停止弁の「遅延」パラメータは、圧力を付与したとき弁が実際に開く前に蓄積した最初の圧力を打ち消すために使用することができる。分配液体が過早に分配することが許容されるならば、その結果、「垂れ下がった状態(drooling)」となり、一方、過剰な圧力が蓄積することが許容されると、液体の「分割(spitting)」が生じる可能性がある。停止弁の「オンタイム」パラメータは、弁への圧力の変化率を制御するために使用され、過早に開く弁の場合、分配流に異常が生ずる可能性がある。停止弁の「オフ圧力」パラメータは、弁の応答時間を制御するために使用される。弁の実際の閉じ圧力に達すると、より低い圧力を付与しても弁の閉じ特性に殆ど影響はないが、その応答時間は長くなる。
【0020】
吸引弁に対し同様のパラメータが提供される。吸引弁の「オフ時間」は作動から不作動への圧力の変化時間を調節することができる。このことは、弁コラムの端部がその完全に伸びた位置から吸引位置まで移動する時間である。この過早の移動の結果、気泡をコラム又はキャビティ内に吸引する。「オンタイム」吸引弁は、オフからオンへ圧力が変化する時間を調節する。この時間は、弁コラムの端部を吸引位置から完全に伸びた位置まで移動するのに必要な時間である。この過速の移動の結果、実際の分配量を有害に変化させる可能性がある「膨れ」という問題点を生じさせる。
【0021】
図3には、本発明の1つの特別な実施の形態におけるコントローラのタイミングの一例のグラフ図が図示されている。垂直線100で示した時間0のとき、ポンプが作動される。停止弁及び吸引弁への圧力は遮断される。装置が一度び作動されたならば、遅延時間にて停止弁を使用し、停止弁が一度び「オン」時間にて作動されるならば(参照番号110)、停止弁への圧力を漸進的に上昇させる。この停止弁の圧力は、参照番号115にて完全なオン状態となる。同様に、吸引弁のオン遅延時間を使用して吸引弁への圧力を漸進的に上昇させ、参照番号120にて完全に付与されるようにする。垂直線200のt=1にてサイクルが完了すると、停止弁のオフ遅延時間は、停止弁の圧力降下を遅らせ、次に、弁が閉じられるまで漸進的に降下する。図示するように、吸引弁に対し僅かにより長い遅延時間が使用される。
【0022】
更に、本発明の制御装置は、ポンプのような空圧駆動型の流体分配弁を作動させるために使用することができる。図4を参照すると、コントローラ30の一側部への制御入力を逆にすることにより、真空状態を制御するためにコントローラ30が使用される。流体は、ポンプ300内に吸引され(選択的なフィルタ70を介するなどにより)及び真空圧をポンプダイヤフラムに付与することにより、入口弁「A」を通じて吸引される。ポンプ300が一度び流体で充填されると、入口弁「A」は閉じられる。ポンプ300からの分配は、同一のダイヤフラムに圧力を付与し且つ出口弁「B」を開くことにより行われる。ポンプ300は、付与された圧力に比例する率にて流体を分配し、また、出口弁「B」が開いているときの時間を制御することにより、プログラム化した量の流体が分配される。また、分配の終了時における真空圧及び圧力を精密に制御することにより、吸引を行うことができる。
【0023】
流体を分配点まで駆動するために使用される機構は、ポンプであることが好ましい。しかし、図6に図示したような重力供給装置のごとき他の駆動源を使用してもよい。流体リザーバ45は、分配すべき流体を保持し且つ流体が重力によりリザーバ外に流れるように基板に対して配置されている。流量を制限する制限装置として流れ弁46が使用される。流れ制限装置(ソレノイドのような)20は、停止/吸引弁10のような空圧負荷と連通し且つ先の実施の形態におけるようにコンピュータプロセッサ又は制御回路30と連通している。空圧負荷は、基板52に流体を分配するノズル48のような分配点と流体的に連通している。コントローラ30は、流体の分配の開始及び停止を制御する精密なタイミングにて流れ制限装置20を作動させる。
【0024】
1つの代替的な実施の形態において、本発明の制御装置は、単一の分配源から多数点にて分配する適用例にて使用することができる。多数点分配による分配の精度は、各分配点の下流圧力に直接、依存する。この下流圧力は、ポンプのような単一の供給源にて2つ(またより多く)の分配点から等しい分配量を維持する上で重要となる。このように、各分配装置(ノズルのような)は、停止/吸引弁とすることのできる弁を有する液体供給管を含む。圧力は、弁の下流の各供給管内で適当な圧力変換器27により感知される(弁の下流の圧力は各供給管内で等しいと推定することができる。これと代替的に、一層の精度が望まれる箇所である、各弁の上流にて圧力を感知してもよい)。圧力変換器27は、感知される各圧力に応答可能なコンピュータプロセッサと連通している。該プロセッサ30はその圧力を比較する。何らかの圧力差が検出されたならば、1つ又は2つ以上の弁を調節し(ソレノイド弁20、21等により)、圧力を等しくし且つ各ノズルからの分配量が等しくなることを保証することができる。例えば、変換器27からの圧力入力は、停止/吸引弁10の「停止」部分の「完全な開き」圧力を制御することができる。停止弁がその完全な開き位置にないとき、弁に圧力降下が生じる。各分配点の前の各弁の下流にて圧力を測定することにより、各分配点における停止/吸引弁を「制御された制限装置」として使用することができ、各分配圧力を釣合わせる結果、釣合った分配状態となる。この実施の形態は単独で又は上述した空圧負荷に対する制御装置と組み合わせて使用することができる。
【0025】
本発明の更に別の実施の形態において、独立的に制御されることが好ましい複数の別個の箇所から流体を分配するため多数の分配装置を使用することができる。デジタル流れコントローラ及び弁、好ましくは停止/吸引弁による反復性及び制御は、これらのコントローラ及び弁を分配制御要素として使用することを許容する。制御装置からの単一の分配信号及び「オン遅延」、「オフ遅延」、「開き時間」並びに「閉じ時間」を含む、フローコントローラにおける調節による単一の分配信号を使用することにより、複数の弁を同期状態で又は順序的に制御することができる。例えば、図5には、ウェハ基板に沿って半径方向に配置された3つの別個の点A、B、Cから被覆される比較的大型のウェハが図示されている。3つの分配点が図示されているが、当業者は、流体が付与される基板の大きさに一部分依存して、その数をより少なくし又はより多くすることが可能であることが認識されよう。分配点の各々は、停止/吸引弁10A、10B、10Cのようなそれぞれの弁と流体的に連通している。各弁は、流体入口管12を介して流体源からの流体を受け取る(この流体は、同一又は別個のものとしてよい)。弁は各々、それぞれの空圧制御管を介して流れコントローラ(DFC#1、DFC#2、DFC#3)とも連通している。図1の実施の形態におけるように、流れコントローラDFCの各々は、ソレノイドのような空圧流れ制限装置を含んでいる。停止/吸引弁の場合、その一方が弁の停止部分と空圧的に連通し、もう一方が弁の吸引部分と連通する2つの流れ制限装置とすることが好ましい。各流れ制限装置の空圧出力内で圧力が感知され、それに応答する信号がコントローラに送られる。その後、これに応じて、流れ制限装置を作動させる。分配点A、B、Cの各々を同時に分配し得るよう作動させることができる。順序的又はその他の非同期的な分配が望まれるならば、非同期的な分配を行うためにコントローラの各々に対する内部の時間遅延を使用することができる。
【0026】
作動時、そのタイミング及び制御の精度に鑑みて、本発明の多数分配装置を使用して流体の波を発生させることができる。このように、分配点Aは最初に、流体をウェハの上に分配することができる。分配点Aからの流体が分配点Bの下方のウェハの領域に達すると、分配点Bは、ウェハの動作等を保ち得るよう流体を分配し始めることができる。適正な被覆のために正確な波動作(wave motion)は重要である。必要に応じて任意の数の分配点にてこれと同一の過程を繰り返すことができる。勾配増加率、勾配減少率及び最大率を正確に制御することが可能であるから、ユーザは均一な被覆を行うことが可能となる。
【0027】
当該技術分野の当業者は、流れコントローラがウェハの加工時に使用され、典型的に流体をウェハに分配する当該制御装置が多数加工ステーションの1つである、軌道にてそのウェハの加工が行われることが認識されよう。かかる多数ステーションの加工は、その開示内容を参考として引用し、本明細書に含めた米国特許第6,016,006号に開示されている。
【実施例】
【0028】
コントローラは、RS232/RS485直列リンクを亙ってユーザによりプログラム化可能である。ユーザは次のようなパラメータを入力する。
−停止弁の閉じ遷移時間
−停止弁の開き遷移時間
−吸引弁の閉じ遷移時間
−吸引弁の開き遷移時間
−停止弁の開き遅延時間
−停止弁の閉じ遅延時間
−入力又はトリガー部の機械類の形態
−入力又はトリガー部の作動可能状態
−出力又は認識機械類の形態
−出力又は認識作動可能な状態
工場の較正は、直列的なリンクを介して行われる。
【0029】
−制御ソレノイド(停止)のオフセット
−制御ソレノイド(吸引)のオフセット
−制御ソレノイド(停止)の勾配
−制御ソレノイド(吸引)の勾配
−制御アルゴリズムの入力(システムパラメータ、空圧供給管の長さ等)
開始信号が分配ポンプ又はトラックによりコントローラに送られる。この信号が一度び受け取られたならば、コントローラは、制御ソレノイドの出口側における圧力を測定し且つ制御ソレノイドに対する電流又は現在の「位置」を計算し且つこの値をD/A変換器に送り、この値が制御ソレノイドに付与される。このことは、停止/吸引弁への正確な圧力を保ち得るよう10乃至15ミリ秒ごとに繰り返される。コントローラが一度びプログラム化した圧力に達したことを感知したならば、信号は、ポンプ又はトラックに戻される。この圧力は、開始信号が除去されるまで保たれる。コントローラが、圧力が0に戻ったことを感知すると、ポンプには再度、信号が送られる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】制御システムの概略図である。
【図2】プロセッサを更に詳細に示す、制御システムの概略図である。
【図3】コントローラのタイミングの概略図である。
【図4】本発明の別の実施の形態における制御システムの概略図である。
【図5】多数分配点の実施の形態の概略図である。
【図6】分配された流体が重力により駆動される1つの実施の形態の概略図である。
【符号の説明】
【0031】
10a、10b、10c: 弁
12: 流体供給管
20,21: ソレノイド弁
27: 圧力変換器
30: コンピュータプロセッサ
A,B,C: 分配ノズル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多数点分配制御システムにおいて、
前記複数の分配ノズルに分配すべき流体を供給する流体供給手段であって、前記複数の分配のノズルの各々が1つの弁と、該流体供給手段及び該ノズルとを流体的に連通させる流体供給管とを有する、流体供給手段と、
前記弁の下流にて前記流体供給管の各々内に設けられた圧力感知手段と、
該圧力感知手段に応答して前記流体供給管の各々内の圧力を比較し且つ全ての圧力差を表示する信号を発生させるコンピュータプロセッサと、
前記信号に応答して前記弁の少なくとも1つを調節する手段とを備える、多数点分配制御システム。
【請求項2】
請求項1の多数点分配制御システムにおいて、前記弁の各々の上流に設けられた圧力感知手段を更に備える、多数点分配制御システム。
【請求項3】
請求項1の多数点分配制御システムにおいて、前記弁の少なくとも1つを調節する前記手段がソレノイドを備える、多数点分配制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−144422(P2007−144422A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−36275(P2007−36275)
【出願日】平成19年2月16日(2007.2.16)
【分割の表示】特願2000−594579(P2000−594579)の分割
【原出願日】平成12年1月20日(2000.1.20)
【出願人】(501290986)マイクロリス・コーポレーション (5)
【Fターム(参考)】