説明

多段変速機

本発明は、入力軸(1)と、複数の副軸(2、3、4、5、6、7)と、出力軸(8)と、を有する切換可能な多段反転変速機に関する。前記副軸(2、3、4、5、6、7)上に、歯車、および/又は、速度段切換あるいは方向切換のために切換クラッチを介して副軸に固く結合できる遊び歯車、が配置されている。伝達比(ギヤ比)が、平歯車段および少なくとも1つの入切可能な遊星歯車段(P)によって生成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力軸と、複数の副軸と、出力軸と、を備え、前記副軸上に、歯車、および/又は、速度段あるいは方向を切り換えるために切換クラッチを介して当該副軸に固く結合可能な遊び歯車が配置されている、特許請求の範囲の請求項1の上位概念部分に記載の、切換可能な多段反転変速機(Wendegetriebe)に関する。
【背景技術】
【0002】
そのような変速機は、通常、ダンプカー、ホイールローダ、パワーショベルおよびフォークリフトに採用され、また、路上で運転される車両、例えばクレーン車にも採用される。その変速機は、一般に、前置接続された流体トルクコンバータを備えた負荷切換変速機である。その負荷切換変速機の場合、自動車例えば建設機械の作業抵抗が増した際に、自動的に無段階にトルクを増大させることができる。この場合、エンジントルクの約3倍の値に相当する変速機出力トルクを発生できる。
【0003】
冒頭に述べた形式の変速機の個々の速度段におけるパワーフロー(力束)は、切換可能な流体クラッチの組合せによって発生される。そのクラッチは、特にホイールローダにおいて、後進(反転)のために負荷時切換可能であり、従って、多量のエネルギを吸収できる。変速機のケースの構造ないし軸の配置は、用途に応じて適合されねばならない。
【0004】
本件出願人によるEP0759129B1明細書に、少なくとも1つの入力軸と、複数の副軸と、駆動歯車装置を形成する複数の歯車と、前記副軸上に配置された切換クラッチと、を備えた負荷時切換可能な多段反転変速機が記載されている。その切換クラッチは、速度段および方向を切り換えるために選択的に一つの副軸に固く結合できる遊び歯車を備えている。この場合、固定歯車および当該固定歯車に常時かみ合う遊び歯車が前記駆動歯車装置を形成する。また、ある副軸上に配置されて二つの遊び歯車と常時かみ合う固定歯車が出力歯車列を形成し、副軸は固定歯車および遊び歯車によって互いに結合されている。本件出願人によるEP0796400B1明細書の発明対象は、そのような変速機の異なった形態である。
【発明の開示】
【0005】
本発明の課題は、従来技術に比べてより大きな出力を有する切換可能な多段反転変速機を提供することにある。また、本発明に基づく変速機が、良好な効率を有し、頑丈であるようにすることにある。
【0006】
前記課題は、特許請求の範囲の請求項1の特徴によって解決される。更なる実施の形態及び利点が、下位請求項から明らかとなる。
【0007】
本発明に応じて、入力軸と、複数の副軸と、出力軸と、を備え、前記副軸上に歯車、および/又は、速度段切換あるいは方向切換のために切換クラッチを介して前記副軸に固く結合可能な遊び歯車が配置され、伝達比が平歯車段および少なくとも1つの入切可能な遊星歯車段によって発生される、負荷時切換可能な変速機が提案される。
【0008】
本発明によれば、クラッチ状態に依存して、同じ固定歯車で出会う2つのパワーフロー(力束)が生成される。遊星歯車段は、好適には、パワーフロー方向において固定歯車と出力軸との間に配置される。各構成設計に応じて、変速機は4速式変速機あるいは8速式変速機として形成される。
【0009】
以下、図を参照して、本発明を詳細に説明する。
【0010】
特にはホイールローダに適用される図1に示された変速機は、入力軸1を有している。この入力軸1上に負荷切換クラッチKV(前進クラッチ)が配置されている。この負荷切換クラッチKVを介して、遊び歯車115が入力軸1に固く(相対回転不能に)結合可能である。また、入力軸1上に固定歯車116が設けられている。この固定歯車116は、副軸2の固定歯車202に常時かみ合っている。副軸2上に負荷切換クラッチKR(後進クラッチ)が設けられている。この負荷切換クラッチKRは遊び歯車102を副軸2に対して解除可能に固く結合する。当該遊び歯車102および入力軸の遊び歯車115は、副軸4上の固定歯車104に常時かみ合っている。また、副軸4上に、クラッチK2を介して当該副軸4に固く結合できる遊び歯車111および固定歯車204が設けられている。当該遊び歯車111は、別の副軸6上に配置された固定歯車106に常時かみ合い、前記固定歯車204はその副軸6上に配置された遊び歯車113に常時かみ合っている。図1から理解できるように、遊び歯車113はクラッチK4を介して副軸6に固く結合可能である。
【0011】
副軸6の固定歯車106は、副軸7上に配置された固定歯車107に常時かみ合っている。副軸7上に遊び歯車117が設けられている。この遊び歯車117は、出力軸8上に配置された固定歯車108に常時かみ合っている。本発明に基づいて、パワーフロー(力束)方向において固定歯車107と出力軸8の固定歯車108との間に、入切可能な遊星歯車段Pが配置されている。その太陽歯車は副軸7に固く結合されている。この場合、ブレーキBが設けられている。このブレーキBは、内ば歯車Hを変速機ケースGに結合する。さらに、クラッチKを介して、遊星歯車段の二つの構成要素、好適には太陽歯車と内ば歯車、が相互に解除可能に結合可能である。いまブレーキBが係合されてクラッチKが解除されるとき、動力は固定歯車107から遊星歯車段Pを介して遊び歯車117に伝達される。これに対して、ブレーキBが解除されてクラッチKが係合されるとき、伝達比の変更なしに、動力は固定歯車107から遊び歯車117に直接伝達される(遊星歯車段がブロック運転で回転する)。
【0012】
この変速機は4つの前進段と4つの後進段を有している。ここで、前進段用の前進クラッチKVないし後進段用の後進クラッチKRの係合時において速度段を実現するために、二つのパワーフローにおいて二つの切換要素ずつ交替で作動される。後進クラッチKRおよび前進クラッチKVは、それらが負荷時に切り換えられ得るので、ホイールローダに課せられた後進要件を満足させる。前進1速に対して、クラッチKVのほかに、クラッチK2およびブレーキBが係合され、その場合、歯車115、104、111、106、107、遊星歯車段、歯車117、108が、動力を出力軸に伝達する。前進2速は、ブレーキBおよびクラッチK4の係合によって生じ、その場合、動力は歯車115、104、204、113、106、107、遊星歯車段、歯車117、108によって出力軸に伝達される。前進3速のために、クラッチK2およびクラッチKが係合され、その場合、歯車115、104、111、106、107、117、108が、動力を出力軸8に伝達する。前進4速を入れるために、クラッチK4およびクラッチKが係合され、これによって、動力は歯車115、104、204、113、106、107、117、108を介して出力軸8に伝達される。
【0013】
後進段のためにクラッチKRが係合される。この場合、後進1速はクラッチK2およびブレーキBの係合によって生じ、動力が入力軸1から、歯車116、202、102、104、111、106、107、遊星歯車段、歯車117、108を介して出力軸8に伝達される。後進2速はクラッチK4およびブレーキBの係合によって生じ、その場合、動力は歯車116、202、102、104、204、113、106、107、遊星歯車段、歯車117、108を介して出力軸8に伝達される。本発明に基づいて、後進3速はクラッチK2およびクラッチKの係合によって切り換えられ、その場合、動力は歯車116、202、102、104、111、106、107、117、108を介して出力軸8に伝達される。また、後進4速のために、クラッチK4およびクラッチKが係合され、その場合、歯車116、202、102、104、204、113、106、107、117、108が動力を出力軸8に伝達する。
【0014】
即ち、本発明によれば、クラッチ状態に依存して、2つのパワーフローが発生可能である。これらのパワーフローは同じ固定歯車107で出会う。この固定歯車107は出力軸8上には配置されていない。
【0015】
クラッチKVおよびKRを、入力軸1上に配置される二つの同期装置あるいはかみ合いクラッチSVおよびSRに置き換え、且つ、対応する歯車およびクラッチを有するもう二つの副軸3、5を加えることによって、特にはダンプカーに適用される8速式変速機が有利に生ずる。
【0016】
そのような変速機は図2の対象である。それに応じて、この8速式変速機は、図1に示された変速機とは、副軸2上に切換要素が配置されず、入力軸上に前進クラッチKVの代わりに(前進段用ないし後進段用であって、車両停止時に切り換えられ得る)2つの同期装置あるいはかみ合いクラッチSV、SRが配置されている点で、相違している。その同期装置あるいはかみ合いクラッチ(かみ合い部)は、複式あるいは単式の同期装置として、あるいはかみ合いクラッチ(Klauen)として、形成され得る。また、別の副軸3が設けられている。この副軸3は、2つの固定歯車103、203と、副軸3上に設けられたクラッチK1を介して副軸3に固く結合できる遊び歯車110と、を有している。その場合、固定歯車103は入力軸1の遊び歯車115に常時かみ合っている。
【0017】
さらに、別の副軸5が設けられている。この副軸5は、副軸3の遊び歯車110に常時かみ合う固定歯車105と、副軸5上に設けられたクラッチK3を介して副軸5に固く結合できる遊び歯車112と、を有している。その場合、遊び歯車112は副軸3の固定歯車203に常時かみ合い、固定歯車105は副軸7上に配置された固定歯車107に常時かみ合っている。
【0018】
8つの前進段および8つの後進段を実現するために、前進段用の前進クラッチSVないし後進段用の後進クラッチSRの係合時、二つのパワーフローにおいて二つの切換要素ずつ交替で作動される。この場合、図1における変速機の1速は2速に相当し、図1における変速機の2速は4速に相当し、図1における変速機の3速は6速に相当し、図1における変速機の4速は8速に相当する。
【0019】
それに応じて、前進1速は前進クラッチSV、クラッチK1およびブレーキBの係合によって生じ、動力は歯車115、103、110、105、107、遊星歯車段、歯車117、108によって伝達される。前進2速のために、クラッチK2およびブレーキBが係合され、その場合、歯車115、104、111、106、107、遊星歯車段、歯車117、108が動力を出力軸8に伝達する。前進3速において、クラッチK3およびブレーキBが係合され、動力が歯車115、103、203、112、105、107、遊星歯車段、歯車117、108によって伝達される。前進4速はブレーキBおよびクラッチK4の係合によって生じ、動力は歯車115、104、204、113、106、107、遊星歯車段、歯車117、108によって出力軸に伝達される。5速においては、クラッチK1およびクラッチKが係合され、その場合、動力は歯車115、103、110、105、107、117、108によって出力軸8に伝達される。前進6速のために、図2によれば、クラッチK2およびクラッチKが係合され、その場合、歯車115、104、111、106、107、117、108が動力を出力軸8に伝達する。また、前進7速はクラッチK3およびクラッチKの係合によって生じ、動力は歯車115、103、203、112、105、107、117、108によって伝達される。前進8速を入れるために、クラッチK4およびクラッチKが係合され、これによって、動力が歯車115、104、204、113、106、107、117、108を介して出力軸8に伝達される。
【0020】
後進1速は同期装置、クラッチK1およびブレーキBの係合によって生じ、その場合、動力は歯車116、202、102、104、115、103、110、105、107、遊星歯車段、歯車117、108によって出力軸8に伝達される。後進2速はクラッチK2およびブレーキBの係合によって生じ、動力は入力軸1から歯車116、202、102、104、111、106、107、遊星歯車段、歯車117、108によって出力軸8に伝達される。後進3速においては、クラッチK3およびブレーキBが係合され、これによって、動力は歯車116、202、102、104、115、103、203、112、105、107、遊星歯車段、歯車117、108を介して伝達される。後進4速はクラッチK4およびブレーキBの係合によって生じ、その場合、動力は歯車116、202、102、104、204、113、106、107、遊星歯車段、歯車117、108を介して出力軸8に伝達される。
【0021】
さらに、後進5速はクラッチK1およびクラッチKの係合によって生じ、その場合、動力は歯車116、202、102、104、115、103、110、105、107、117、108によって伝達される。本発明に基づいて、後進6速はクラッチK2およびクラッチKの係合によって生じ、その場合、動力は歯車116、202、102、104、111、106、107、117、108を介して出力軸8に伝達される。7速においては、クラッチK3およびクラッチKが係合され、動力が歯車116、202、102、104、115、103、203、112、105、107、117、108によって伝達される。また、後進8速のために、クラッチK4およびクラッチKが係合され、この場合、歯車116、202、102、104、204、113、106、107、117、108が動力を出力軸8に伝達する。
【0022】
遊星歯車段の伝達比は、好適には、前記8速段における4速−5速切換によって、ないし、図1の変速機の4速段における2速−3速切換によって、同じステップ比が得られるように選択されている。固定歯車7までの各パワーフローに、それぞれ1つのクラッチが関与されている。
【0023】
図3において、副軸7に対する特に有利な軸受装置が示されている。遊星歯車段Pを有する副軸7に対して、従来、高価な軸受が必要であって、力を伝達するために、4つの軸受個所で変速機ケース壁が軸受に関連づけられていた。本発明によれば、軸受は、変速機ケースにおける軸受個所を省くことができるように、配置される。
【0024】
副軸7は、変速機ケース内における軸受A07および中空軸17内における軸受B07で支持されている。半径方向力は、一方では、軸受A07によって直接変速機ケースに伝達され、他方では、軸受B07によって軸受B17を介して変速機ケースに伝達される。中空軸17は、軸受A17で副軸7上に支持され、且つ、軸受B17で変速機ケース内に支持されている。これは図から理解できる。軸受A17の半径方向力は、軸受A07および軸受B07によって按分的に軸受B17を介して変速機ケースに伝達され、軸受B17の半径方向力は、変速機ケースで直接支持される。
【0025】
さらに、軸方向力は、副軸7から軸受A17を介して中空軸17に、並びに、中空軸17から軸受A07を介して副軸7に、伝達され得る。従って、軸方向力は、常に、軸受A07および軸受B17によって変速機ケースで支持され得る。軸受B17の作用線(Wirklinie)内への軸受B07の配置によって、軸受装置に追加的な傾き力は作用しない。
【0026】
本発明に基づく実施の形態において、出力段は中央差動装置(Laengsdifferential)で(遮断可能にも)形成できる。
【0027】
本発明に基づく構想によって、良好な効率を有し大きな動力を伝達できるこの変速機は、ダンプカーやホイールローダに利用される。有利には、この変速機構造によって、高い部品同一性が得られ、大多数の必要部品は、負荷切換クラッチKVおよびKRを除いて、同一構造にできる。
【0028】
勿論、各構造的形態、特には副軸と歯車と遊星歯車段と切換要素とのそれら自体並びにそれら相互のあらゆる空間的配置も、技術的に意味ある限りにおいて、たとえそれらの形態が図や詳細な説明の項に詳しく示されていなくとも、請求項に記載されているような変速機の機能に影響を与えることなしに、本件の特許請求の範囲の保護範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】特にホイールローダに適用される本発明に基づく変速機の歯車配列の概略図。
【図2】特にダンプカーに適用される本発明に基づく変速機の歯車配列の概略図。
【図3】遊星歯車段を有する軸に対する軸受装置の有利な実施の形態の断面図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力軸(1)と、
複数の副軸(2、3、4、5、6、7)と、
出力軸(8)と、
を備え、
前記副軸(2、3、4、5、6、7)上に、歯車、および/又は、速度段切換あるいは方向切換のために切換クラッチを介して副軸に固く結合できる遊び歯車、が配置されている、という切換可能な多段反転変速機において、
伝達比が、平歯車段および少なくとも1つの入切可能な遊星歯車段(P)によって生成される
ことを特徴とする切換可能な多段変速機。
【請求項2】
前記クラッチおよび/又は同期装置および/又はかみ合いクラッチの切換状態に依存して、二つのパワーフロー(力束)が発生可能であり、
これらのパワーフローは、それぞれ、同一の固定歯車(107)で出会い、
当該固定歯車(107)は出力軸(8)上には配置されていない
ことを特徴とする請求項1に記載の変速機。
【請求項3】
入切可能な遊星歯車段は、パワーフロー方向において、固定歯車(107)と出力軸(8)との間に配置されている
ことを特徴とする請求項2に記載の変速機。
【請求項4】
各パワーフローにおいて、固定歯車(107)までに、それぞれ1つのクラッチが関与されている
ことを特徴とする請求項3に記載の変速機。
【請求項5】
4つの副軸(2、4、6、7)を有しており、
入力軸(1)上に負荷切換クラッチ(KV)が配置されており、
当該負荷切換クラッチ(KV)を介して遊び歯車(115)が入力軸(1)に対して固く結合可能であり、
入力軸(1)上に固定歯車(116)が設けられ、
当該固定歯車(116)は副軸(2)の固定歯車(202)に常時かみ合っており、
副軸(2)上に負荷切換クラッチ(KR)が設けられ、
当該負荷切換クラッチ(KR)は遊び歯車(102)を副軸(2)に対して解除可能に固く結合しており、
前記遊び歯車(102)および前記遊び歯車(115)は、副軸(4)上の固定歯車(104)に常時かみ合っており、
副軸(4)上に、クラッチ(K2)を介して当該副軸(4)に対して固く結合可能な遊び歯車(111)及び固定歯車(204)が設けられ、
前記遊び歯車(111)は、他の副軸(6)上に配置された固定歯車(106)に常時かみ合っており、
前記固定歯車(204)は、前記副軸(6)上に配置されてクラッチ(K4)を介して前記副軸(6)に対して固く結合可能な遊び歯車(113)に常時かみ合っており、
前記副軸(6)の固定歯車(106)は、副軸(7)上に配置された固定歯車(107)に常時かみ合っており、
前記副軸(7)上に遊び歯車(117)が設けられ、
当該遊び歯車(117)は、出力軸(8)上に配置された固定歯車(108)に常時かみ合っており、
パワーフロー方向において、前記固定歯車(107)と出力軸(8)の前記固定歯車(108)との間に、入切可能な遊星歯車段(P)が配置されており、その太陽歯車が前記副軸(7)に固く結合されている
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の変速機。
【請求項6】
遊星歯車段(P)を切り換えるために、
遊星歯車段(P)の内ば歯車(H)を変速機ケース(G)に結合するブレーキ(B)と、
遊星歯車段(P)の二つの構成要素を解除可能に互いに結合するクラッチ(K)と、
が設けられている
ことを特徴とする請求項5に記載の変速機。
【請求項7】
前記クラッチ(K)によって、太陽歯車が内ば歯車に、あるいは太陽歯車が遊星歯車キャリヤ(Steg)に、あるいは太陽歯車が内ば歯車および遊星歯車キャリヤに、結合可能である
ことを特徴とする請求項6に記載の変速機。
【請求項8】
前記ブレーキ(B)が係合され前記クラッチ(K)が解除される際、動力は前記固定歯車(107)から遊星歯車段(P)を介して前記遊び歯車(117)に伝達され、
前記ブレーキ(B)が解除され前記クラッチ(K)が係合される際、動力は前記固定歯車(107)から前記遊び歯車(117)に伝達比の変更なしに伝達される
ことを特徴とする請求項6または7に記載の変速機。
【請求項9】
4つの前進段および4つの後進段を有し、クラッチ(KV)ないしクラッチ(KR)の係合時、前進1速ないし後進1速がクラッチ(K2)およびブレーキ(B)の係合によって生じ、前進2速ないし後進2速がクラッチ(K4)およびブレーキ(B)の係合によって生じ、前進3速ないし後進3速がクラッチ(K2)およびクラッチ(K)の係合によって生じ、前進4速ないし後進4速がクラッチ(K4)およびクラッチ(K)の係合によって生じる
ことを特徴とする請求項8に記載の変速機。
【請求項10】
更に2つの副軸(3、5)が設けられ、
その一方の副軸(3)は、2つの固定歯車(103、203)と、当該副軸(3)上に設けられたクラッチ(K1)を介して当該副軸(3)に固く結合可能な遊び歯車(110)と、を有し、前記固定歯車(103)は入力軸(1)の遊び歯車(115)に常時かみ合っており、
他方の副軸(5)は、前記副軸(3)の遊び歯車(110)に常時かみ合っている固定歯車(105)と、当該副軸(5)上に設けられたクラッチ(K3)を介して当該副軸(5)に固く結合可能な遊び歯車(112)と、を有し、当該遊び歯車(112)は前記副軸(3)の固定歯車(203)に常時かみ合っており、前記固定歯車(105)は副軸(7)上に配置された固定歯車(107)に常時かみ合っており、
副軸(2)上には切換要素(KR)が配置されず、
入力軸(1)上に、クラッチ(KV)の代わりに、二つの同期装置ないしかみ合い部(SV、SR)が配置されている
ことを特徴とする請求項8に記載の変速機。
【請求項11】
8つの前進段および8つの後進段を有し、同期装置あるいはかみ合い部(SVないしSR)の係合時、前進1速ないし後進1速がクラッチ(K1)およびブレーキ(B)の係合によって生じ、前進2速ないし後進2速がクラッチ(K2)およびブレーキ(B)の係合によって生じ、前進3速ないし後進3速がクラッチ(K3)およびブレーキ(B)の係合によって生じ、前進4速ないし後進4速がクラッチ(K4)およびブレーキ(B)の係合によって生じ、前進5速ないし後進5速がクラッチ(K1)およびクラッチ(K)の係合によって生じ、前進6速ないし後進6速がクラッチ(K2)およびクラッチ(K)の係合によって生じ、前進7速ないし後進7速がクラッチ(K3)およびクラッチ(K)の係合によって生じ、前進8速ないし後進8速がクラッチ(K4)およびクラッチ(K)の係合によって生じる
ことを特徴とする請求項10に記載の変速機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2007−518946(P2007−518946A)
【公表日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−549908(P2006−549908)
【出願日】平成16年12月14日(2004.12.14)
【国際出願番号】PCT/EP2004/014202
【国際公開番号】WO2005/071286
【国際公開日】平成17年8月4日(2005.8.4)
【出願人】(500045121)ツェットエフ、フリードリッヒスハーフェン、アクチエンゲゼルシャフト (312)
【氏名又は名称原語表記】ZF FRIEDRICHSHAFEN AG
【Fターム(参考)】