説明

多波長半導体レーザ装置

【課題】レーザ光の反射率が低くなるのを抑制することが可能な多波長半導体レーザ装置を提供する。
【解決手段】この2波長半導体レーザ装置1(多波長半導体レーザ装置)では、反射面1c上に形成された高反射膜6は、一対の低屈折率層6aおよび高屈折率層6bと、複数対の低屈折率層6cおよび高屈折率層6bと含む。複数の低屈折率層6cのうちの最外層の低屈折率層6dは、λ/2nL2の厚みを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、多波長半導体レーザ装置に関し、特に、互いに異なる波長で発振する複数の半導体レーザ素子部を備えた多波長半導体レーザ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、互いに異なる波長で発振する複数の半導体レーザ素子部を備えた多波長半導体レーザ装置が知られている。
【0003】
図17は、従来の一例による2波長半導体レーザ装置(多波長半導体レーザ装置)の構造を概略的に示した斜視図である。図18は、図17に示した従来の一例による2波長半導体レーザ装置の構造を示した平面図である。従来の一例による2波長半導体レーザ装置(多波長半導体レーザ装置)101は、図17に示すように、GaAsなどからなる半導体基板102と、半導体基板102上に形成された赤色半導体レーザ素子部103および赤外半導体レーザ素子部104とを備えている。
【0004】
赤色半導体レーザ素子部103は、約660nm帯の波長のレーザ光を発振する機能を有する。また、赤外半導体レーザ素子部104は、約780nm帯の波長のレーザ光を発振する機能を有する。
【0005】
また、図18に示すように、2波長半導体レーザ装置101(赤色半導体レーザ素子部103および赤外半導体レーザ素子部104)の出射面101a上には、低反射膜105が設けられており、反射面101b上には、高反射膜(多層反射膜)106が設けられている。
【0006】
反射面101b側(高反射膜106)における反射率は、2波長半導体レーザ装置101(赤色半導体レーザ素子部103および赤外半導体レーザ素子部104)の温度特性、キンクレベルおよび信頼性などに影響する。
【0007】
このため、高反射膜106は、反射率が高くなるように構成されている。具体的には、高反射膜106は、反射面101b側から順に積層された一対の低屈折率層106aおよび高屈折率層106bを、複数対(例えば5対)含んでいる。この高屈折率層106bは、低屈折率層106aよりも高い屈折率を有する。
【0008】
このように、図17に示した従来の一例による2波長半導体レーザ装置101では、低屈折率層106aおよび高屈折率層106bを複数対設けることにより高反射膜106を構成している。これにより、高反射膜106における反射率を高くすることが可能であるので、2波長半導体レーザ装置101(赤色半導体レーザ素子部103および赤外半導体レーザ素子部104)の温度特性、キンクレベルおよび信頼性などを良好にすることが可能である。
【0009】
なお、互いに異なる波長で発振する複数の半導体レーザ素子部を備えた多波長半導体レーザ装置は、例えば、特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2004−327678号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、図17に示した従来の一例による2波長半導体レーザ装置101は、互いに異なる波長で発振する赤色半導体レーザ素子部103および赤外半導体レーザ素子部104を備えているので、両波長帯域に対して、反射面101b側(高反射膜106)における反射率を高くする必要がある。
【0012】
高反射膜106は、低屈折率層106aと高屈折率層106bとの屈折率の差が大きくなるにしたがって、高い反射率を有する波長帯域幅が大きくなる。
【0013】
具体的には、低屈折率層106aと高屈折率層106bとの屈折率の差を約0.4まで大きくした場合、80%以上の反射率を有する波長帯域幅は、約130nmになる。また、低屈折率層106aと高屈折率層106bとの屈折率の差を約0.8まで大きくした場合、80%以上の反射率を有する波長帯域幅は、約230nmになる。
【0014】
しかしながら、例えば低屈折率層106aや高屈折率層106bの膜厚などが設計値に対してずれた状態で形成された場合、80%以上の反射率を有する波長帯域が短波長側または長波長側にシフトする。赤色半導体レーザ素子部103と赤外半導体レーザ素子部104との発振波長の差(約125nm)に対して、80%以上の反射率を有する波長帯域幅は十分に大きくないので、波長帯域がシフトした場合、赤色半導体レーザ素子部103から発振するレーザ光の反射率、または、赤外半導体レーザ素子部104から発振するレーザ光の反射率が低くなるという問題点がある。
【0015】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の目的は、レーザ光の反射率が低くなるのを抑制することが可能な多波長半導体レーザ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成するために、この発明の一の局面による多波長半導体レーザ装置は、互いに異なる波長で発振する複数の半導体レーザ素子部を備えた多波長半導体レーザ装置であって、複数の半導体レーザ素子部の反射面上には、多層反射膜が形成され、多層反射膜は、複数の半導体レーザ素子部の反射面側から順に積層された一対の低屈折率層および高屈折率層を複数対含み、高屈折率層は、低屈折率層よりも高い屈折率を有し、低屈折率層および高屈折率層の屈折率をnとし、複数の半導体レーザ素子部の中心波長をλとすると、複数の低屈折率層および複数の高屈折率層のうちの所定の層は、λ/2nの厚みを有し、複数の低屈折率層および複数の高屈折率層のうち、所定の層以外の層は、λ/4nの厚みを有し、所定の層は、複数の低屈折率層のうちの最外層の低屈折率層、または、複数の高屈折率層のうちの最内層の高屈折率層である。
【0017】
この一の局面による多波長半導体レーザ装置では、上記のように、複数の低屈折率層のうちの最外層の低屈折率層、または、複数の高屈折率層のうちの最内層の高屈折率層である所定の層を、λ/2nの厚みに形成することによって、例えば全ての低屈折率層および高屈折率層をλ/4nの厚みに形成する場合に比べて、複数の半導体レーザ素子部の反射面側(多層反射膜)において高い反射率を有する波長帯域幅を大きくすることができる。これにより、低屈折率層や高屈折率層の膜厚などが設計値に対してずれた状態で形成されることに起因して、反射率の高い波長帯域が短波長側または長波長側にシフトした場合にも、複数の半導体レーザ素子部から発振するレーザ光の反射率が低くなるのを抑制することができる。
【0018】
また、一の局面による多波長半導体レーザ装置では、上記のように、λ/2nの厚みを有する所定の層は、複数の低屈折率層のうちの最外層の低屈折率層、または、複数の高屈折率層のうちの最内層の高屈折率層である。これにより、複数の低屈折率層のうち最外層以外の低屈折率層、または、複数の高屈折率層のうち最内層以外の高屈折率層を、λ/2nの厚みに形成する場合に比べて、高い反射率を有する波長帯域幅を大きくしながら、多層反射膜における反射率を容易に高くすることができる。
【0019】
上記一の局面による多波長半導体レーザ装置において、好ましくは、多層反射膜の80%以上の反射率を有する波長帯域幅は、245nm以上である。このように構成すれば、高い反射率を有する波長帯域幅を十分に大きくすることができる。また、80%以上の反射率を有する波長帯域幅を十分に大きくすることができるので、反射面側(多層反射膜)において高い反射率が必要な高出力型の多波長半導体レーザ装置に本発明を適用するのは、特に有効である。
【0020】
上記一の局面による多波長半導体レーザ装置において、好ましくは、高屈折率層の屈折率と低屈折率層の屈折率との差は、0.4以上である。このように構成すれば、高い反射率を有する波長帯域幅を、容易に大きくすることができる。
【0021】
上記一の局面による多波長半導体レーザ装置において、好ましくは、多層反射膜は、一対の低屈折率層および高屈折率層を6対以上含む。このように構成すれば、多層反射膜におけるレーザ光の反射率を、例えば80%以上に容易に高くすることができる。
【0022】
上記一の局面による多波長半導体レーザ装置において、複数の低屈折率層の少なくとも1つは、SiO2膜を含み、複数の高屈折率層は、TiO2膜を含んでいてもよい。このように構成すれば、高屈折率層(TiO2膜)の屈折率(約2.1〜約2.2)と低屈折率層(SiO2膜)の屈折率(約1.45)との差を、約0.65〜約0.75まで大きくすることができるので、高い反射率を有する波長帯域幅を、容易に大きくすることができる。
【0023】
上記複数の低屈折率層の少なくとも1つがSiO2膜を含み、複数の高屈折率層がTiO2膜を含む多波長半導体レーザ装置において、複数の低屈折率層のうち、複数の半導体レーザ素子部の反射面に接する低屈折率層は、Al23膜を含んでいてもよい。このように構成すれば、複数の半導体レーザ素子部の反射面に接する低屈折率層が例えばSiO2膜を含んでいる場合に比べて、多波長半導体レーザ装置に用いられる基板(例えば、GaAs、InPまたはAl23などからなる基板)に対する低屈折率層の熱膨張係数差を小さくすることができる。これにより、複数の半導体レーザ素子部の反射面と、反射面に接する低屈折率層との間で生じるストレスを低減することができる。その結果、多波長半導体レーザ装置の信頼性を向上させることができる。
【0024】
上記一の局面による多波長半導体レーザ装置において、好ましくは、複数の半導体レーザ素子部は、赤色半導体レーザ素子部および赤外半導体レーザ素子部を含む。このように構成すれば、高い反射率を有する波長帯域幅を、赤色半導体レーザ素子部と赤外半導体レーザ素子部との発振波長の差(例えば、約125nm)に比べて、十分に大きくすることができる。これにより、反射率の高い波長帯域が短波長側または長波長側にシフトした場合にも、赤色半導体レーザ素子部および赤外半導体レーザ素子部から発振するレーザ光の反射率が低くなるのを抑制することができる。
【発明の効果】
【0025】
以上のように、本発明によれば、レーザ光の反射率が低くなるのを抑制することが可能な多波長半導体レーザ装置を容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の第1実施形態による2波長半導体レーザ装置の構造を概略的に示した斜視図である。
【図2】図1に示した本発明の第1実施形態による2波長半導体レーザ装置の構造を示した平面図である。
【図3】本発明の第2実施形態による2波長半導体レーザ装置の構造を示した平面図である。
【図4】本発明の第1実施形態および第2実施形態による2波長半導体レーザ装置の効果を確認するために行ったシミュレーションの結果を示した図である。
【図5】本発明の第1実施形態および第2実施形態による2波長半導体レーザ装置の効果を確認するために行ったシミュレーションの結果を示した図である。
【図6】本発明の第1実施形態および第2実施形態による2波長半導体レーザ装置の効果を確認するために行ったシミュレーションの結果を示した図である。
【図7】本発明の第1実施形態および第2実施形態による2波長半導体レーザ装置の効果を確認するために行ったシミュレーションの結果を示した図である。
【図8】本発明の第1実施形態および第2実施形態による2波長半導体レーザ装置の効果を確認するために行ったシミュレーションの結果を示した図である。
【図9】本発明の第1実施形態および第2実施形態による2波長半導体レーザ装置の効果を確認するために行ったシミュレーションの結果を示した図である。
【図10】本発明の第1実施形態および第2実施形態による2波長半導体レーザ装置の効果を確認するために行ったシミュレーションの結果を示した図である。
【図11】本発明の第1実施形態および第2実施形態による2波長半導体レーザ装置の効果を確認するために行ったシミュレーションの結果を示した図である。
【図12】本発明の第1実施形態および第2実施形態による2波長半導体レーザ装置の効果を確認するために行ったシミュレーションの結果を示した図である。
【図13】本発明の第1実施形態および第2実施形態による2波長半導体レーザ装置の効果を確認するために行ったシミュレーションの結果を示した図である。
【図14】本発明の第1実施形態および第2実施形態による2波長半導体レーザ装置の効果を確認するために行ったシミュレーションの結果を示した図である。
【図15】本発明の第1実施形態および第2実施形態による2波長半導体レーザ装置の効果を確認するために行ったシミュレーションの結果を示した図である。
【図16】本発明の第1実施形態および第2実施形態による2波長半導体レーザ装置の効果を確認するために行ったシミュレーションの結果を示した図である。
【図17】従来の一例による2波長半導体レーザ装置の構造を概略的に示した斜視図である。
【図18】図17に示した従来の一例による2波長半導体レーザ装置の構造を示した平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
図1および図2を参照して、本発明の第1実施形態による2波長半導体レーザ装置1の構造について説明する。なお、2波長半導体レーザ装置1は、本発明の「多波長半導体レーザ装置」の一例である。
【0028】
本発明の第1実施形態による2波長半導体レーザ装置1は、図1に示すように、GaAsからなる半導体基板2と、半導体基板2上の所定領域に形成された赤色半導体レーザ素子部3および赤外半導体レーザ素子部4とを備えている。なお、赤色半導体レーザ素子部3および赤外半導体レーザ素子部4は、本発明の「半導体レーザ素子部」の一例である。
【0029】
赤色半導体レーザ素子部3は、約660nm帯の波長のレーザ光を発振するとともに、例えばDVD−Rの記録用の高出力レーザ素子として機能する。また、赤外半導体レーザ素子部4は、約780nm帯の波長のレーザ光を発振するとともに、例えばCD−Rの記録用の高出力レーザ素子として機能する。すなわち、2波長半導体レーザ装置1は、高出力型の2波長半導体レーザ装置として機能する。
【0030】
赤色半導体レーザ素子部3と赤外半導体レーザ素子部4との間には、分離溝1aが形成されている。
【0031】
また、図2に示すように、2波長半導体レーザ装置1(赤色半導体レーザ素子部3および赤外半導体レーザ素子部4)の出射面1b上には、低反射膜5が設けられており、反射面1c上には、高反射膜6が設けられている。なお、高反射膜6は、本発明の「多層反射膜」の一例である。
【0032】
低反射膜5は、1つのAl23膜によって形成されているとともに、約1.65の屈折率を有する。また、低反射膜5は、赤色半導体レーザ素子部3から発振するレーザ光の反射率と、赤外半導体レーザ素子部4から発振するレーザ光の反射率とが例えば約5%〜約15%になるように、所定の厚みに形成されている。
【0033】
ここで、第1実施形態では、高反射膜6は、反射面1c側から順に積層された一対の低屈折率層(6a、6c)および高屈折率層6bを、複数対(6対)含んでいる。すなわち、高反射膜6は、低屈折率層(6a、6c)と高屈折率層6bとが交互に6層ずつ積層されることによって構成されている。
【0034】
具体的には、高反射膜6は、反射面1cに接するように形成された低屈折率層6aと、低屈折率層6a上に形成された6つの高屈折率層6bと、6つの高屈折率層6bの間に配置された5つの低屈折率層6cとを含んでいる。このように、高反射膜6は、一対の低屈折率層6aおよび高屈折率層6bと、複数対(5対)の低屈折率層6cおよび高屈折率層6bと含んでいる。なお、低屈折率層6aは、本発明の「所定の層以外の層」および「反射面に接する低屈折率層」の一例であり、高屈折率層6bは、本発明の「所定の層以外の層」の一例である。
【0035】
低屈折率層6aは、Al23膜によって形成されている。高屈折率層6bは、TiO2膜によって形成されている。低屈折率層6cは、SiO2膜によって形成されている。低屈折率層6aは、Al23膜によって形成されているので、低屈折率層6c(SiO2膜)に比べて、半導体基板2に対する熱膨張係数差が小さい。
【0036】
また、低屈折率層6a、高屈折率層6bおよび低屈折率層6cの屈折率をnとすると、低屈折率層6aは、約1.65の屈折率nL1を有する。高屈折率層6bは、約2.1〜約2.2の屈折率nHを有する。低屈折率層6cは、約1.45の屈折率nL2を有する。すなわち、高屈折率層6bは、低屈折率層6aの屈折率nL1および低屈折率層6cの屈折率nL2に比べて、0.4以上高い屈折率nHを有する。
【0037】
また、第1実施形態では、赤色半導体レーザ素子部3の発振波長(約660nm)と赤外半導体レーザ素子部4の発振波長(約780nm)との中心波長λを、λ=(660nm+780nm)/2=約720nmとすると、低屈折率層6aは、λ/4nL1の厚みに形成されている。また、高屈折率層6bは、λ/4nHの厚みに形成されている。また、低屈折率層6cのうちの最外層の低屈折率層6dは、λ/2nL2の厚みに形成されている。また、低屈折率層6cのうち、最外層の低屈折率層6d以外の低屈折率層6eは、λ/4nL2の厚みに形成されている。なお、低屈折率層6dは、本発明の「所定の層」および「複数の低屈折率層のうちの最外層の低屈折率層」の一例であり、低屈折率層6eは、本発明の「所定の層以外の層」の一例である。
【0038】
高反射膜6を上記のように構成することによって、反射面1c側(高反射膜6)の80%以上の反射率を有する波長帯域幅は、約245nm以上になっている。
【0039】
第1実施形態では、上記のように、複数の低屈折率層6aおよび6cのうちの最外層の低屈折率層6dを、λ/2nL2の厚みに形成することによって、例えば全ての低屈折率層6aおよび6cをλ/4n(λ/4nL1、λ/4nL2)の厚みに形成するとともに全ての高屈折率層6bをλ/4nHの厚みに形成する場合に比べて、反射面1c側(高反射膜6)において例えば80%以上の高い反射率を有する波長帯域幅を大きくすることができる。これにより、低屈折率層6a、6cや高屈折率層6bの膜厚などが設計値に対してずれた状態で形成されることに起因して、反射率の高い波長帯域が短波長側または長波長側にシフトした場合にも、赤色半導体レーザ素子部3および赤外半導体レーザ素子部4から発振するレーザ光の反射率が低くなるのを抑制することができる。
【0040】
また、第1実施形態では、上記のように、複数の低屈折率層6aおよび6cのうちの最外層の低屈折率層6dを、λ/2nL2の厚みに形成することによって、他の低屈折率層6aまたは6cを、λ/2n(λ/2nL1、λ/2nL2)の厚みに形成する場合に比べて、高い反射率を有する波長帯域幅を大きくしながら、高反射膜6における反射率を容易に高くすることができる。
【0041】
また、第1実施形態では、上記のように、高反射膜6の80%以上の反射率を有する波長帯域幅は、約245nm以上である。高出力型の2波長半導体レーザ装置1は、反射面n1c側(高反射膜6)において高い反射率が必要であるので、高反射膜6の80%以上の反射率を有する波長帯域幅を約245nm以上にするのは、特に有効である。
【0042】
また、第1実施形態では、上記のように、高反射膜6を、一対の低屈折率層(6a、6c)および高屈折率層6bを6対含むように構成することによって、高反射膜6におけるレーザ光の反射率を、例えば80%以上に、容易に高くすることができる。
【0043】
また、第1実施形態では、上記のように、複数の高屈折率層6bをTiO2膜により形成するとともに、複数の低屈折率層6cをSiO2膜により形成することによって、高屈折率層6b(TiO2膜)の屈折率nH(=約2.1〜約2.2)と低屈折率層6c(SiO2膜)の屈折率nL2(=約1.45)との差を、約0.65〜約0.75まで大きくすることができるので、高い反射率を有する波長帯域幅を、容易に大きくすることができる。
【0044】
また、第1実施形態では、上記のように、反射面1cに接する低屈折率層6aを、Al23膜により形成することによって、反射面1cに接する低屈折率層6aを例えばSiO2膜により形成する場合に比べて、GaAsからなる半導体基板2に対する低屈折率層6aの熱膨張係数差を小さくすることができる。これにより、反射面1cと、反射面1cに接する低屈折率層6aとの間で生じるストレスを低減することができる。その結果、2波長半導体レーザ装置1の信頼性を向上させることができる。
(第2実施形態)
図3を参照して、本発明の第2実施形態による2波長半導体レーザ装置11の構造について説明する。なお、2波長半導体レーザ装置11は、本発明の「多波長半導体レーザ装置」の一例である。
【0045】
本発明の第2実施形態による2波長半導体レーザ装置11では、図3に示すように、反射面1c上に、高反射膜16が設けられている。なお、高反射膜16は、本発明の「多層反射膜」の一例である。
【0046】
ここで、第2実施形態では、高反射膜16は、反射面1c側から順に積層された一対の低屈折率層(16a、16c)および高屈折率層16bを、複数対(6対)含んでいる。すなわち、高反射膜16は、低屈折率層(16a、16c)と高屈折率層16bとが交互に6層ずつ積層されることによって構成されている。
【0047】
具体的には、高反射膜16は、反射面1cに接するように形成された低屈折率層16aと、低屈折率層16a上に形成された6つの高屈折率層16bと、6つの高屈折率層16bの間に配置された5つの低屈折率層16cとを含んでいる。このように、高反射膜16は、一対の低屈折率層16aおよび高屈折率層16bと、複数対(5対)の低屈折率層16cおよび高屈折率層16bと含んでいる。なお、低屈折率層16aは、本発明の「所定の層以外の層」および「反射面に接する低屈折率層」の一例であり、低屈折率層16cは、本発明の「所定の層以外の層」の一例である。
【0048】
低屈折率層16aは、Al23膜によって形成されている。高屈折率層16bは、TiO2膜によって形成されている。低屈折率層16cは、SiO2膜によって形成されている。
【0049】
また、第2実施形態では、低屈折率層16aは、λ/4nL1の厚みに形成されている。また、高屈折率層16bのうちの最内層の高屈折率層16dは、λ/2nHの厚みに形成されている。また、高屈折率層16bのうち、最内層の高屈折率層16d以外の高屈折率層16eは、λ/4nHの厚みに形成されている。また、低屈折率層16cは、λ/4nL2の厚みに形成されている。なお、高屈折率層16dは、本発明の「所定の層」および「複数の高屈折率層のうちの最内層の高屈折率層」の一例であり、高屈折率層16eは、本発明の「所定の層以外の層」の一例である。
【0050】
高反射膜16を上記のように構成することによって、反射面1c側(高反射膜16)の80%以上の反射率を有する波長帯域幅は、約245nm以上になっている。
【0051】
なお、第2実施形態のその他の構造は、上記第1実施形態と同様である。
【0052】
第2実施形態では、上記のように、複数の高屈折率層16bのうちの最内層の高屈折率層16dを、λ/2nHの厚みに形成することによって、例えば全ての低屈折率層16aおよび16cをλ/4n(λ/4nL1、λ/4nL2)の厚みに形成するとともに全ての高屈折率層16bをλ/4nHの厚みに形成する場合に比べて、反射面1c側(高反射膜16)において例えば80%以上の高い反射率を有する波長帯域幅を大きくすることができる。これにより、低屈折率層16a、16cや高屈折率層16bの膜厚などが設計値に対してずれた状態で形成されることに起因して、反射率の高い波長帯域が短波長側または長波長側にシフトした場合にも、赤色半導体レーザ素子部3および赤外半導体レーザ素子部4から発振するレーザ光の反射率が低くなるのを抑制することができる。
【0053】
また、第2実施形態では、上記のように、複数の高屈折率層16bのうちの最内層の高屈折率層16dを、λ/2nHの厚みに形成することによって、複数の高屈折率層16bのうち、最内層以外の高屈折率層16eを、λ/2nHの厚みに形成する場合に比べて、高い反射率を有する波長帯域幅を大きくしながら、高反射膜16における反射率を容易に高くすることができる。
【0054】
なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0055】
次に、上記した本発明の第1実施形態および第2実施形態による2波長半導体レーザ装置の効果を確認するために行ったシミュレーションについて説明する。このシミュレーションでは、上記実施形態に対応した実施例1および2による2波長半導体レーザ装置と、比較例1、2−1〜2−5および3−1〜3−5による2波長半導体レーザ装置とについて、高反射膜の反射スペクトルを解析した。以下、詳細に説明する。
【0056】
実施例1では、高反射膜6を上記第1実施形態と同様に構成した。すなわち、赤色半導体レーザ素子部3の発振波長(約660nm)と赤外半導体レーザ素子部4の発振波長(約780nm)との中心波長λを、λ=(660nm+780nm)/2=約720nmとし、低屈折率層6aを、λ/4nL1の厚みに形成した。また、高屈折率層6bを、λ/4nHの厚みに形成した。また、低屈折率層6cのうちの最外層の低屈折率層6dを、λ/2nL2の厚みに形成した。また、低屈折率層6cのうち、最外層の低屈折率層6d以外の低屈折率層6eを、λ/4nL2の厚みに形成した。
【0057】
実施例2では、高反射膜16を上記第2実施形態と同様に構成した。すなわち、低屈折率層16aを、λ/4nL1の厚みに形成した。また、高屈折率層16bのうちの最内層の高屈折率層16dを、λ/2nHの厚みに形成した。また、高屈折率層16bのうち、最内層の高屈折率層16d以外の高屈折率層16eを、λ/4nHの厚みに形成した。また、低屈折率層16cを、λ/4nL2の厚みに形成した。
【0058】
一方、比較例1では、全ての低屈折率層6aおよび6cを、λ/4n(λ/4nL1、λ/4nL2)の厚みに形成するとともに、全ての高屈折率層6bを、λ/4nHの厚みに形成した。なお、比較例1のその他の構造は、実施例1と同様にした。
【0059】
比較例2−1では、低屈折率層6aおよび6cのうちの最内層の低屈折率層6aを、λ/2nL1の厚みに形成した。また、低屈折率層6cを、λ/4nL2の厚みに形成した。なお、比較例2−1のその他の構造は、実施例1と同様にした。
【0060】
比較例2−2では、低屈折率層6aおよび6cのうちの内側から2層目(低屈折率層16a、16cおよび高屈折率層16b全体では内側から3層目)の低屈折率層6cを、λ/2nL2の厚みに形成した。また、それ以外の低屈折率層6cを、λ/4nL2の厚みに形成した。なお、比較例2−2のその他の構造は、実施例1と同様にした。
【0061】
比較例2−3では、低屈折率層6aおよび6cのうちの内側から3層目(低屈折率層16a、16cおよび高屈折率層16b全体では内側から5層目)の低屈折率層6cを、λ/2nL2の厚みに形成した。また、それ以外の低屈折率層6cを、λ/4nL2の厚みに形成した。なお、比較例2−3のその他の構造は、実施例1と同様にした。
【0062】
比較例2−4では、低屈折率層6aおよび6cのうちの内側から4層目(低屈折率層16a、16cおよび高屈折率層16b全体では内側から7層目)の低屈折率層6cを、λ/2nL2の厚みに形成した。また、それ以外の低屈折率層6cを、λ/4nL2の厚みに形成した。なお、比較例2−4のその他の構造は、実施例1と同様にした。
【0063】
比較例2−5では、低屈折率層6cのうちの内側から5層目(低屈折率層16a、16cおよび高屈折率層16b全体では内側から9層目)の低屈折率層6cを、λ/2nL2の厚みに形成した。また、それ以外の低屈折率層6cを、λ/4nL2の厚みに形成した。なお、比較例2−5のその他の構造は、実施例1と同様にした。
【0064】
比較例3−1では、高屈折率層16bのうちの内側から2層目(低屈折率層16a、16cおよび高屈折率層16b全体では内側から4層目)の高屈折率層16bを、λ/2nHの厚みに形成した。また、それ以外の高屈折率層16bを、λ/4nHの厚みに形成した。なお、比較例3−1のその他の構造は、実施例2と同様にした。
【0065】
比較例3−2では、高屈折率層16bのうちの内側から3層目(低屈折率層16a、16cおよび高屈折率層16b全体では内側から6層目)の高屈折率層16bを、λ/2nHの厚みに形成した。また、それ以外の高屈折率層16bを、λ/4nHの厚みに形成した。なお、比較例3−2のその他の構造は、実施例2と同様にした。
【0066】
比較例3−3では、高屈折率層16bのうちの内側から4層目(低屈折率層16a、16cおよび高屈折率層16b全体では内側から8層目)の高屈折率層16bを、λ/2nHの厚みに形成した。また、それ以外の高屈折率層16bを、λ/4nHの厚みに形成した。なお、比較例3−3のその他の構造は、実施例2と同様にした。
【0067】
比較例3−4では、高屈折率層16bのうちの内側から5層目(低屈折率層16a、16cおよび高屈折率層16b全体では内側から10層目)の高屈折率層16bを、λ/2nHの厚みに形成した。また、それ以外の高屈折率層16bを、λ/4nHの厚みに形成した。なお、比較例3−4のその他の構造は、実施例2と同様にした。
【0068】
比較例3−5では、高屈折率層16bのうちの最外層(低屈折率層16a、16cおよび高屈折率層16b全体では内側から12層目)の高屈折率層16bを、λ/2nHの厚みに形成した。また、それ以外の高屈折率層16bを、λ/4nHの厚みに形成した。なお、比較例3−5のその他の構造は、実施例2と同様にした。
【0069】
そして、実施例(1、2)および比較例(1、2−1〜2−5、3−1〜3−5)について、高反射膜の反射スペクトルの解析を行った。その結果を、図4〜図16にそれぞれ示す。
【0070】
図4〜図16に示すように、実施例(1および2)の高反射膜は、比較例(1、2−1〜2−5、3−1〜3−5)の高反射膜に比べて、高い反射率を維持しながら、80%以上の反射率を有する波長帯域幅が大きくなることが判明した。
【0071】
具体的には、実施例1では、図4に示すように、高反射膜の80%以上の反射率を有する波長帯域は、約612nm〜約858nmであり、波長帯域幅(W1)は、約246nmであった。また、実施例1では、705nm付近で反射率が極小となり、その極小値は、約88%であった。
【0072】
実施例2では、図5に示すように、高反射膜16の80%以上の反射率を有する波長帯域は、約607nm〜約853nmであり、波長帯域幅(W2)は、約246nmであった。また、実施例2では、725nm付近で反射率が極小となり、その極小値は、約89%であった。
【0073】
その一方、比較例1では、図6に示すように、高反射膜の80%以上の反射率を有する波長帯域は、約623nm〜約831nmであり、波長帯域幅(W11)は、約208nmであった。すなわち、実施例1および2の高反射膜は、比較例1の高反射膜に比べて、80%以上の反射率を有する波長帯域幅が約38nm大きくなった。
【0074】
また、比較例1では、710nm付近で反射率が極大(最大)となり、その極大値(最大値)は、約95%以上であった。これにより、全ての低屈折率層および高屈折率層の厚みをλ/4nにした場合に反射率の最大値が95%以上になるように、低屈折率層および高屈折率層の層数(対の数)を設定すれば、実施例1および2のように所定の層(低屈折率層または高屈折率層)の厚みをλ/2nにした場合にもその極小値を80%以上にすることが可能であるということが判明した。
【0075】
比較例2−1では、図7に示すように、高反射膜の80%以上の反射率を有する波長帯域は、約610nm〜約840nmであり、波長帯域幅(W12)は、約230nmであった。
【0076】
比較例2−2では、図8に示すように、710nm付近で反射率が極小となり、その極小値は、約80%であった。
【0077】
比較例2−3では、図9に示すように、710nm付近で反射率が極小となり、その極小値は、約32%であった。
【0078】
比較例2−4では、図10に示すように、705nm付近で反射率が極小となり、その極小値は、約3%であった。
【0079】
比較例2−5では、図11に示すように、705nm付近で反射率が極小となり、その極小値は、約54%であった。
【0080】
比較例3−1では、図12に示すように、715nm付近で反射率が極小となり、その極小値は、約60%であった。
【0081】
比較例3−2では、図13に示すように、715nm付近で反射率が極小となり、その極小値は、約6%であった。
【0082】
比較例3−3では、図14に示すように、715nm付近で反射率が極小となり、その極小値は、約25%であった。
【0083】
比較例3−4では、図15に示すように、715nm付近で反射率が極小となり、その極小値は、約76%であった。
【0084】
比較例3−5では、図16に示すように、高反射膜の80%以上の反射率を有する波長帯域は、約618nm〜約843nmであり、波長帯域幅(W13)は、約225nmであった。
【0085】
以上のように、実施例1および2の高反射膜は、比較例2−2、2−3、2−4、2−5、3−1、3−2、3−3および3−4の高反射膜に比べて、反射率が高くなった。
【0086】
また、実施例1および2の高反射膜は、比較例1、2−1および3−5の高反射膜に比べて、80%以上の反射率を有する波長帯域幅が大きくなった。なお、実施例1および2の高反射膜は、比較例1、2−1および3−5の高反射膜に比べて、高反射率が80%よりも小さい、例えば70%や60%などの波長帯域幅も大きくなった。
【0087】
なお、今回開示された実施形態および実施例は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態および実施例の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれる。
【0088】
例えば、上記実施形態では、2波長半導体レーザ装置に本発明を適用した例について示したが、本発明はこれに限らず、互いに異なる3つ以上の波長で発振する多波長半導体レーザ装置にも適用可能である。
【0089】
また、上記実施形態では、2波長半導体レーザ装置を、赤色半導体レーザ素子部および赤外半導体レーザ素子部を含むように構成した例について示したが、本発明はこれに限らず、2波長半導体レーザ装置を、赤色半導体レーザ素子部および赤外半導体レーザ素子部以外の半導体レーザ素子部を含むように構成してもよい。
【0090】
また、上記実施形態では、低屈折率層をAl23膜およびSiO2膜によって形成した例について示したが、本発明はこれに限らず、低屈折率層をAl23膜およびSiO2膜の一方によって形成してもよいし、低屈折率層をAl23膜およびSiO2膜以外の材質からなる膜によって形成してもよい。
【0091】
また、上記実施形態では、高屈折率層をTiO2膜によって形成した例について示したが、本発明はこれに限らず、高屈折率層をTiO2膜以外の材質からなる膜によって形成してもよい。
【0092】
また、上記実施形態では、GaAsからなる半導体基板を用いた場合について示したが、本発明はこれに限らず、GaAs以外の、例えばInPやAl23からなる半導体基板を用いてもよい。
【0093】
また、上記実施形態では、高反射膜を、一対の低屈折率層および高屈折率層を6対含むように構成した例について示したが、本発明はこれに限らず、高反射膜を、一対の低屈折率層および高屈折率層を2対〜5対、または、7対以上含むように構成してもよい。
【符号の説明】
【0094】
1、11 2波長半導体レーザ装置(多波長半導体レーザ装置)
1c 反射面
3 赤色半導体レーザ素子部(半導体レーザ素子部)
4 赤外半導体レーザ素子部(半導体レーザ素子部)
6、16 高反射膜(多層反射膜)
6a 低屈折率層(所定の層以外の層、反射面に接する低屈折率層)
6b 高屈折率層(所定の層以外の層)
6c 低屈折率層
6d 低屈折率層(所定の層、複数の低屈折率層のうちの最外層の低屈折率層)
6e 低屈折率層(所定の層以外の層)
16a 低屈折率層(所定の層以外の層、反射面に接する低屈折率層)
16b 高屈折率層
16c 低屈折率層(所定の層以外の層)
16d 高屈折率層(所定の層、複数の高屈折率層のうちの最内層の高屈折率層)
16e 高屈折率層(所定の層以外の層)
W1、W2 波長帯域幅

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに異なる波長で発振する複数の半導体レーザ素子部を備えた多波長半導体レーザ装置であって、
前記複数の半導体レーザ素子部の反射面上には、多層反射膜が形成され、
前記多層反射膜は、前記複数の半導体レーザ素子部の反射面側から順に積層された一対の低屈折率層および高屈折率層を複数対含み、
前記高屈折率層は、前記低屈折率層よりも高い屈折率を有し、
前記低屈折率層および前記高屈折率層の屈折率をnとし、前記複数の半導体レーザ素子部の中心波長をλとすると、
複数の前記低屈折率層および複数の前記高屈折率層のうちの所定の層は、λ/2nの厚みを有し、
前記複数の低屈折率層および前記複数の高屈折率層のうち、前記所定の層以外の層は、λ/4nの厚みを有し、
前記所定の層は、前記複数の低屈折率層のうちの最外層の前記低屈折率層、または、前記複数の高屈折率層のうちの最内層の前記高屈折率層であることを特徴とする多波長半導体レーザ装置。
【請求項2】
前記多層反射膜の80%以上の反射率を有する波長帯域幅は、245nm以上であることを特徴とする請求項1に記載の多波長半導体レーザ装置。
【請求項3】
前記高屈折率層の屈折率と前記低屈折率層の屈折率との差は、0.4以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の多波長半導体レーザ装置。
【請求項4】
前記多層反射膜は、前記一対の低屈折率層および高屈折率層を6対以上含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の多波長半導体レーザ装置。
【請求項5】
前記複数の低屈折率層の少なくとも1つは、SiO2膜を含み、
前記複数の高屈折率層は、TiO2膜を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の多波長半導体レーザ装置。
【請求項6】
前記複数の低屈折率層のうち、前記複数の半導体レーザ素子部の反射面に接する前記低屈折率層は、Al23膜を含むことを特徴とする請求項5に記載の多波長半導体レーザ装置。
【請求項7】
前記複数の半導体レーザ素子部は、赤色半導体レーザ素子部および赤外半導体レーザ素子部を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の多波長半導体レーザ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2010−171182(P2010−171182A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−11966(P2009−11966)
【出願日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】