説明

多重搬送波システムに用いられる再伝送方法

【課題】同期式非適応型再伝送方式が有する限界に対して、同期式非適応型再伝送方式を変形して用いる好適な方法を提供すること。
【解決手段】データスケジューリングメッセージを用いて、新たなデータの伝送のみならず、再伝送を指示する方法を提案する。データの受信側から伝送する受信確認信号に対する誤りの判断を以降受信される他のメッセージを通じて行う方法を提案する。多重搬送波システムにおける再伝送方法は、データ再伝送に対するスケジューリングが、再伝送前に第1の再伝送スケジューリングとして設定され、アップリンクデータ伝送のためのスケジューリング情報を含めるグラントメッセージを受信するステップ、前記スケジューリング情報によって前記アップリンクデータを伝送するステップ、前記データに対する再伝送が必要な場合と確認され、前記データに対する第2の再伝送スケジューリング情報によって前記データを再伝送するステップを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多重搬送波システムに関し、より具体的には、多重搬送波システムに用いられる再伝送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
移動通信システムでは、一つのセル/セクタに、各基地局が多数の端末と無線流通経路環境を介してデータを送受信する。
【0003】
多重搬送波及びそれに類似した形態で運用されるシステムにおいて、基地局は、有線インターネット網からパケットトラフィックを受信し、受信されたパケットトラフィックを定められた通信方式を用いて、各端末に送信する。
【0004】
この際、基地局が、どのタイミングでどんな周波数領域を用いてどんな端末にデータを伝送するかを決定することがダウンリンクスケジューリングである。
【0005】
また、所定の通信スキームを用いて、端末から送信されたデーターを受信復調し、有線インターネット網にパケットトラフィックを伝送する。
【0006】
基地局が、どのタイミングでどんな周波数領域を用いてどんな端末がアップリンクデータを伝送可能にするかを決定することがアップリンクスケジューリングである。一般に、チャンネル状況がよい端末が、より多くの時間、より多くの周波数資源を用いてデータを送受信するようにスケジューリングされる。
【0007】
図1は、多重搬送システムにおいてスケジューリングに用いられる時間−周波数資源ブロックを説明するための図である。
【0008】
多重搬送波及びそれに類似した形態で運用されるシステムにおける通信のための資源は、時間と周波数領域に大別される。
【0009】
この通信資源は、資源ブロックによって定義されるが、これは、任意のN個の副搬送波と任意のM個のサブフレームを含め、または所定時間単位からなっている。この際、NとMは1であってもよい。
【0010】
図1における一つの四角形は、一つの資源ブロックを意味し、一つの資源ブロックは、数個の副搬送波を一軸とし、所定時間単位を他の軸としている。
【0011】
ダウンリンクでの基地局は、所定のスケジューリング規則に従って端末を選択し、前記選択された端末に一つ以上の資源ブロックを割り当て、基地局は、この端末に割り当てられた資源ブロックを用いてデータを伝送する。
【0012】
アップリンクでは、基地局が端末を選択し、所定のスケジューリング規則に従って選択された端末に一つ以上の資源ブロックを割り当てる。
【0013】
端末は、基地局から自身に一定の資源ブロックが割り当てられたことを知らせるスケジュール情報を受信し、割り当てられた資源を用いてアップリンクデータを伝送する。
【0014】
スケジューリング規則に従ってデータを伝送したけれども、データ伝送過程中にデータを失ったり損傷したりすることがある。この場合、誤りを制御する方法としては、ARQ(Automatic Repeat request)方式と、さらに発展した形態のHARQ(hybrid ARQ
)方式とが挙げられる。これらの両方法による誤り確認は、フレーム単位で行われる。以下、前記フレーム単位の間に伝送されるデータをフレームと称する。
【0015】
ARQ方式は、一つのフレームの伝送後、受信確認信号を伝送されることを待ち、受信側で正確に受ける場合、肯定の受信確認信号(ACK)を伝送する。しかしながら、前記フレームに誤りが生じたし場合は、否定の受信確認信号(NACK;negative−ACK)を送り、誤りが生じた受信フレームは、受信バッファからその情報を削除する。送信側において、ACKを受けたときは、その以降のフレームを伝送するのに対して、NACKを受けたときは、フレームを再伝送するようになる。
【0016】
HARQ方式は、ARQ方式とは異なり、受信されたフレームを復調できない場合、受信側から送信側へNACKを伝送するが、既に受信したフレームをバッファから削除せず、一定時間の間バッファに保存する。したがって、そのフレームが再伝送されたとき、既受信したフレームと再伝送されたフレームをコンバインして、受信成功率を高める。
【0017】
最近、基本的なARQ方式よりは、HARQ方式が広く用いられている。
【0018】
HARQ方式にも様々な種類がある。再伝送するタイミングにより、同期式HARQ(synchronous HARQ)方式と非同期式HARQ(asynchronous HARQ)方式に分けられる。
【0019】
同期式HARQ方式は、初期伝送が失敗した場合、以降の再伝送が、システムによって決定されたタイミングで行われる方式である。例えば、再伝送が行われるタイミングが、初期伝送失敗の後、4番目の時間単位毎に行われるものと設定されたと仮定すれば、基地局と端末との間に再伝送のためのタイミングが既に約束されているので、さらにこのタイミングについて知らせる必要がない。
【0020】
すなわち、データ送信側でNACK信号を受けていれば、ACK信号を受けるまで、4番目の時間単位毎にフレームを再伝送するようになる。
【0021】
これに対して、非同期式HARQ方式は、再伝送タイミングが新たにスケジューリングされ、または、追加の信号伝送によって知らせるようになる。すなわち、以前に失敗したフレームに対する再伝送が行われるタイミングは、チャンネル状況等の様々な要因により可変的である。
【0022】
また、HARQ方式は、再伝送の際に用いられる資源を割り当てるとき、再伝送のチャンネル状況を反映するか否かに応じて、チャンネル適応型とチャンネル非適応型に分けられる。
【0023】
チャンネル非適応型HARQ方式(または、非適応型HARQ方式、)は、再伝送の際に用いられる資源ブロック、フレームの変調方式や符号化法等を定義したMCSレベル等が、初期伝送の際に定められた通りに実施される方式である。
【0024】
また、チャンネル適応型HARQ方式(または、適応型HARQ方式、)は、これらがチャンネル状況に応じて可変される方式である。
【0025】
例えば、チャンネル非適応型HARQ方式の場合、送信側において、初期伝送の際に8個の資源ブロックを用いてデータを伝送しており、以降の再伝送時も、再伝送時のチャンネル状況に関係なく、同様に8個の資源ブロックを用いて再伝送する。
【0026】
これに対して、チャンネル適応型HARQ方式の場合、初期は8個を用いて伝送されたとしても、以降、チャンネル状況に応じて、8個以上または以下の資源ブロックを用いて再伝送することができる。
【0027】
このような分類によると、それぞれ4つのHARQの組合せが行われ得る。しかしながら、各方式の特性により主に用いられるHARQ方式としては、非同期式チャンネル適応型HARQ方式と同期式チャンネル非適応型HARQ方式が挙げられる。
【0028】
一般に、非同期式チャンネル適応型HARQ方式の場合、再伝送タイミングと用いる資源の量を、チャンネル状況により異ならせることで、再伝送効率を極大化させることができるが、オーバーヘッドが大きくなるという短所があり、一般に、アップリンクのためには考慮されていない。
【0029】
一方、同期式チャンネル非適応型HARQ方式は、再伝送のためのタイミングと資源割当てがシステム内で約束されているので、このためのオーバーヘッドが殆どないことが長所であるが、変化が激しいチャンネル状況で用いられる場合、再伝送効率が極めて低くなるという短所があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0030】
従って、本発明は、関連した従来技術において限界と短所のために発生する一つ以上の問題を効果的に解決する、多重搬送波システムに用いられる再伝送方法に着目している。
【0031】
上述した従来の技術において、本発明は、多重搬送波システムに用いられる再伝送方法を提供することを目的とする。
【0032】
また、多重搬送波システムにおいて、アップリンクスケジューリングメッセージを通じて再伝送を指示する方法を提供することを目的とする。
【0033】
さらに、ACK/NACK信号の受信側において誤りを決定する方法を提供することを目的とする。
【0034】
本発明の追加の長所と機能は、部分的には以下の説明で言及され、また部分的には以下の実施例に基づく従来の技術における通常の知識を有する者にとって明確になるだろう。また、本発明の実際使用からその長所や機能を理解するようになるだろう。
【課題を解決するための手段】
【0035】
上記の課題を解決するために、本発明の一実施の形態による多重搬送波システムにおける再伝送方法は、データ再伝送に対するスケジューリングが、再伝送前に第1の再伝送スケジューリングとして設定され、アップリンクデータ伝送のためのスケジューリング情報を含めるグラントメッセージを受信するステップと、前記スケジューリング情報によって前記アップリンクデータを伝送するステップと、前記データに対する再伝送が必要な場合と確認され、前記データに対する第2の再伝送スケジューリング情報によって前記データを再伝送するステップと、を含む。
【0036】
ここで、前記第2の再伝送スケジューリング情報は、前記第1の再伝送スケジューリング情報と比較して、再伝送タイミング、再伝送資源ブロック、再伝送資源ブロックの個数、及び再伝送データに対する伝送形式の少なくとも一つが変更される場合、変更された情報を含めてもよい。
【0037】
また、本発明の他の実施の形態による多重搬送波システムにおける再伝送方法は、アップリンクデータ伝送のためのスケジューリング情報を含めるグラントメッセージを受信するステップと、前記スケジューリング情報によって前記アップリンクデータを伝送するステップと、前記データに対する再伝送を指示するグラントメッセージを受信するステップと、前記データを再伝送するステップと、を含む。
【0038】
前記グラントメッセージは、新たなデータ伝送及び再伝送の中の一つを指示する情報を含めてもよい。
【0039】
ここで、前記新たなデータ伝送及び再伝送の中の一つを指示する情報に、新たなデータ伝送を指示する場合に値が変わるトグリング技法が適用されてもよい。
【0040】
また、前記新たなデータ伝送及び再伝送の中の一つを指示する情報は、新たなデータ伝送を指示する場合は初期化され、再伝送を指示する場合は、所定の規則に従って変わる特徴を有してもよい。
【0041】
前記データ再伝送に対するスケジューリングが、再伝送前に第1の再伝送スケジューリングとして設定され、前記再伝送を指示するグラントメッセージは、第2の再伝送スケジューリング情報を含めるとき、前記データを再伝送するステップにおいて、前記第2の再伝送スケジューリング情報によって再伝送を行うことができる。
【0042】
また、本発明のまた他の実施の形態による多重搬送波システムにおける再伝送方法は、データを伝送し、前記データに対する受信確認信号を受信するステップと、前記受信確認信号に対する誤りの有無を、前記受信確認信号以降に受信されるスケジューリングメッセージによって決定するステップと、を含む。
【0043】
前記受信した受信確認信号が肯定の受信確認信号(ACK)であっても、前記データをバッファに維持する。
【0044】
また、前記受信確認信号が肯定の受信確認信号(ACK)であると判断される場合、前記スケジューリングメッセージが新たなデータ伝送を指示すると、前記受信確認信号は、誤りがないものと決定され、前記スケジューリングメッセージが再伝送を指示すると、前記受信確認信号は、誤りがあるものと決定されてもよい。
【0045】
また、本発明のまた他の実施の形態による多重搬送波システムにおける再伝送方法は、データを伝送し、前記データに対する受信確認信号を受信するステップと、前記受信確認信号受信の後、スケジューリングメッセージを受信するまで、前記データをバッファに維持し、再伝送を待機するステップと、を含む。
【0046】
前記スケジューリングメッセージが新たなデータ伝送を指示する場合、前記データをバッファから削除し、新たなデータを伝送し、前記スケジューリングメッセージが再伝送を指示する場合、前記データを再伝送することができる。
【0047】
ここで、前記受信確認信号は、肯定の受信確認信号、伝送中断メッセージ、及びグラントメッセージの少なくとも一つであってもよい。
【0048】
また、前記グラントメッセージは、前記データ再伝送のために割り当てられた資源ブロックがないという情報を含めてもよい。
【0049】
前記受信確認信号は、前記データに対する再伝送タイミングに再伝送データのための資源を割り当てられない場合、前記再伝送を中断させるために送信された受信確認信号となってもよい。
【0050】
また、この場合は、既設定された再伝送タイミングに前記データの再伝送を行わず、次の再伝送タイミングに前記データを再伝送することができる。
【0051】
本発明は、例えば、以下も提供する。
(項目1)
多重搬送波システムにおける再伝送方法において、
データ再伝送に対するスケジューリングが、再伝送前に第1の再伝送スケジューリングとして設定され、アップリンクデータ伝送のためのスケジューリング情報を含めるグラントメッセージを受信するステップと、
前記スケジューリング情報によって前記アップリンクデータを伝送するステップと、
前記データに対する再伝送が必要な場合と確認され、前記データに対する第2の再伝送スケジューリング情報によって前記データを再伝送するステップと、を含む、再伝送方法。
(項目2)
前記第2の再伝送スケジューリング情報は、前記第1の再伝送スケジューリング情報と比較して、再伝送タイミング、再伝送資源ブロック、再伝送資源ブロックの個数、及び再伝送データに対する伝送形式の少なくとも一つが変更される場合、変更された情報を含むことを特徴とする項目1に記載の再伝送方法。
(項目3)
多重搬送波システムにおける再伝送方法において、
アップリンクデータ伝送のためのスケジューリング情報を含めるグラントメッセージを受信するステップと、
前記スケジューリング情報によって前記アップリンクデータを伝送するステップと、
前記データに対する再伝送を指示するグラントメッセージを受信するステップと、
前記データを再伝送するステップと、を含む、再伝送方法。
(項目4)
前記グラントメッセージは、新たなデータ伝送及び再伝送の中の一つを指示する情報を含むことを特徴とする項目3に記載の再伝送方法。
(項目5)
前記新たなデータ伝送及び再伝送の中の一つを指示する情報に、新たなデータ伝送を指示する場合に値が変わるトグリング技法が適用されることを特徴とする項目4に記載の再伝送方法。
(項目6)
前記新たなデータ伝送及び再伝送の中の一つを指示する情報は、新たなデータ伝送を指示する場合は初期化され、再伝送を指示する場合は、所定の規則に従って変わることを特徴とする項目4に記載の再伝送方法。
(項目7)
前記データ再伝送に対するスケジューリングが、再伝送前に第1の再伝送スケジューリングとして設定され、前記再伝送を指示するグラントメッセージは、第2の再伝送スケジューリング情報を含めるとき、前記データを再伝送するステップにおいて、前記第2の再伝送スケジューリング情報によって再伝送を行うことを特徴とする項目3に記載の再伝送方法。
(項目8)
多重搬送波システムにおける再伝送方法において、
データを伝送し、前記データに対する受信確認信号を受信するステップと、
前記受信確認信号に対する誤りの有無を、前記受信確認信号以降に受信されるスケジューリングメッセージによって決定するステップと、を含む、再伝送方法。
(項目9)
前記受信した受信確認信号が肯定の受信確認信号(ACK)であっても、前記データをバッファに維持することを特徴とする項目8に記載の再伝送方法。
(項目10)
前記受信確認信号が肯定の受信確認信号(ACK)であると判断される場合、前記スケジューリングメッセージが新たなデータ伝送を指示すると、前記受信確認信号は、誤りがないものと決定され、前記スケジューリングメッセージが再伝送を指示すると、前記受信確認信号は、誤りがあるものと決定されることを特徴とする項目9に記載の再伝送方法。
(項目11)
多重搬送波システムにおける再伝送方法において、
データを伝送し、前記データに対する受信確認信号を受信するステップと、
前記受信確認信号受信の後、スケジューリングメッセージを受信するまで、前記データをバッファに維持し、再伝送を待機するステップと、を含む、再伝送方法。
(項目12)
前記スケジューリングメッセージが新たなデータ伝送を指示する場合、前記データをバッファから削除し、新たなデータを伝送し、前記スケジューリングメッセージが再伝送を指示する場合、前記データを再伝送することを特徴とする項目11に記載の再伝送方法。(項目13)
前記受信確認信号は、肯定の受信確認信号、伝送中断メッセージ、及びグラントメッセージの少なくとも一つであることを特徴とする項目12に記載の再伝送方法。
(項目14)
前記グラントメッセージは、前記データ再伝送のために割り当てられた資源ブロックがないという情報を含むことを特徴とする項目13に記載の再伝送方法。
(項目15)
前記受信確認信号は、前記データに対する再伝送タイミングに再伝送データのための資源を割り当てられない場合、前記再伝送を中断させるために送信された受信確認信号であることを特徴とする項目11に記載の再伝送方法。
(項目16)
既設定された再伝送タイミングに前記データの再伝送を行わず、次の再伝送タイミングに前記データを再伝送することを特徴とする項目15に記載の再伝送方法。
特に、明細書で指摘した構造と追加の図面、また請求項によって、本発明の目標と他の長所が理解され得る。
【発明の効果】
【0052】
本発明による多重搬送波システムにおける再伝送方法を通じて、チャンネル非適応型再伝送方式を基盤とする場合、再伝送資源をスムーズにスケジューリングすることができる。
【0053】
また、同期式再伝送方式を基盤とする場合、再伝送タイミングをスムーズにスケジューリングすることができる。また、同期式チャンネル非適応型HARQ方式をより効率的に運用することができる。
【0054】
さらに、ACK/NACK誤りの発生に対処して通信性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】多重搬送波システムにおけるスケジューリングに用いられる時間−周波数資源ブロックを説明するための図である。
【図2】アップリンク伝送において適用される一般の同期式チャンネル非適応型HARQ方式を説明するための図である。
【図3】本発明の一実施例による再伝送方式を説明するための図である。
【図4】本発明の一実施例による再伝送方式を説明するための図である。
【図5】本発明の一実施例によりグラントメッセージを通じて再伝送を指示する場合、グラントメッセージが新たなデータ伝送と再伝送のいずれかを指示するかを知らせる方法の一例を説明するための図である。
【図6】本発明の一実施例によりグラントメッセージを通じて再伝送を指示する場合、グラントメッセージが新たなデータ伝送と再伝送のいずれかを指示するかを知らせる方法の一例を説明するための図である。
【図7】本発明の一実施例によりグラントメッセージを通じて再伝送を要請する場合、グラントメッセージが新たなデータ伝送と再伝送のいずれかを指示するかを知らせる方法の一例を説明するための図である。
【図8】本発明の一実施例により再伝送中断を指示する方法を説明するための図である。
【図9】本発明の一実施例により再伝送を指示する方法を説明するための図である。
【図10】再伝送要請メッセージを伝送する方法を説明するための図である。
【図11】再伝送中断要請メッセージと再伝送要請メッセージを一緒に用いる方法を説明するための図である。
【図12】一般のNACK−to−ACK誤りを説明するための図である。
【図13】ACK/NACK誤りを考慮して、本発明の一実施例を適用する方法の一例を説明するための図である。
【図14】ACK/NACK誤りを考慮して、本発明の一実施例を適用する方法の他の例を説明するための図である。
【図15】ACK/NACK誤りを考慮して、本発明の一実施例を適用する方法の他の例を説明するための図である。
【図16】本発明の一実施例により、ACK/NACKを通じて再伝送を制御する方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0056】
以下、添付した図面に基づき、本発明の実施例についてより詳述する。図面においては、同一の参照番号が同一または類似した部品を示している。
【0057】
本発明を説明するのに先立って、本発明で用いられる多くの用語は、従来の技術において公知された一般の用語と一致するが、一部の用語は、出願人によって必要に応じて選別され、以下、本発明に対する説明において用いられることを認知しなければならない。したがって、出願人によって定義された用語は、本発明での意味に基づいて理解しなければならない。
【0058】
いくつかの場合、本発明の概念が曖昧になることを避けるために、公知の構造及び/又は装置は省略されてもよく、各構造及び/又は装置の核心機能を中心として図示したブロック図及び/又は流れ図の形式で示され得る。また、本明細書の全体において同一の構成要素については、同一の図面符号を用いて説明する。
【0059】
以下の実施例は、本発明の構成要素と特徴が所定の形態で結合されたものである。各構成要素または特徴は、特に拘りがない限り、選択的なものと考えられなければならない。各構成要素または特徴は、他の構成要素や特徴と結合されない形態で実施され得る。また、一部の構成要素及び/又は特徴を結合して、本発明の実施例を構成することも可能である。本発明の実施例において説明される動作の順序は変更されてもよい。ある実施例の一部構成や特徴は、他の実施例に含まれてもよく、または、他の実施例の対応する構成または特徴と交替されてもよい。
【0060】
以下の本発明の実施例は、基地局と端末との間のデータ送受信関係を中心として説明されている。ここで、基地局は、端末と直接的に通信を行うネットワークの終端ノードとしての意味を有する。
【0061】
本発明において基地局によって行われるものと説明された特定の動作は、場合に応じて、基地局のアップノードによって行われてもよい。すなわち、基地局を含めた多数のネットワークノードからなるネットワークにおいて、端末との通信のために行われる様々な動作は、基地局または基地局以外の他のネットワークノードによって行われ得ることは自明である。
【0062】
「基地局」は、固定局、Node−B、eNode−B (eNB)、アクセスポイント等の用語と取り替えられる。また、「端末」は、UE(user equipment)、MS(mobile station)、MSS(mobile subscriber station)等の用語と取り替えられる。
【0063】
図2は、アップリンク伝送において適用される一般の同期式チャンネル非適応型HARQ方式を説明するための図である。
【0064】
アップリンク伝送の場合、端末の初期伝送のために、基地局では、データを伝送する端末がある場合、端末がデータ伝送の際に用いる無線資源とタイミングを知らせるために、伝送を許容するスケジューリングメッセージを伝送することが一般的である。以下、前記伝送許容メッセージをグラントメッセージと称する。
【0065】
端末は、グラントメッセージを受信して獲得するスケジューリング情報に従ってデータを基地局に伝送する。
【0066】
また、端末は、伝送したデータに対して、基地局から正常に受信されて肯定の受信確認信号(ACK)を受信することもあり、再伝送を要請する否定の受信確認信号(NACK)を受信することもある。端末が、ACKを受信すると、伝送したデータをバッファから削除し、新たなデータの伝送を用意することができる。また、端末がNACKを受信すると、伝送したデータを再伝送方式によって再伝送することができる。
【0067】
同期式チャンネル非適応型HARQ方式に従って特定の時間にアップリンク伝送した端末が再伝送をするようになったとき、再伝送を行うタイミングは、システム的に約束されている。また、再伝送の際に用いる資源ブロック及び伝送方式は、以前の伝送と同一の方式が適用される。
【0068】
したがって、基地局が伝送するグラントメッセージは、初期伝送時にのみ送ればよく、以降の再伝送のためには、再伝送するタイミングや再伝送時に用いる資源ブロック等に対する情報無しに、再伝送か否かのみを知らせるためのACK/NACK信号によって行われ得る。
【0069】
同期式チャンネル非適応型HARQ方式を適用する場合、基地局と端末との間の追加のスケジューリング情報の伝達無しに、NACK送受信によって再伝送されてもよい。すなわち、端末は、初期伝送したデータをバッファに維持してから、NACKを受信することにより、再伝送以前に予め決定された再伝送タイミングに初期伝送時の同一の周波数資源及びMCS等を適用して再伝送を行うことができる。
【0070】
ところが、上述した同期式チャンネル非適応型HARQ方式の特性を維持する場合、伝送データ各の衝突が発生する問題があった。すなわち、同期式チャンネル非適応型HARQ方式によって再伝送する場合、再伝送のために予め予約された時間に、緊急データや、優先順位が高い制御信号、または連続スケジューリングされるデータを伝送しなけばならない場合が生じ得る。この場合、前記同期式チャンネル非適応型HARQ方式よって再伝送を行うべき端末が、予定されたタイミングに該当資源を用いてデータを再伝送すれば、相違した端末間の伝送データに衝突が生じるようになる。
【0071】
図3は、本発明の一実施例による再伝送方式を説明するための図である。
【0072】
本実施例は、予め決定された再伝送スケジューリングによる同期式チャンネル非適応型HARQ方式を適用する場合も、予め決定された再伝送スケジューリングを変更して再伝送するようにする方法を提供する。
【0073】
以下、説明の便宜を図るために、端末は、4チャンネルHARQシステムにおいて、第1のHARQプロセスを通じてデータを再伝送するものと約束されており、1番目のデータを伝送した時点を2番目のTTI(TTI=1)であると定義し、約束された10番目のTTI(TTI=9)において同期式チャンネル非適応型HARQ方式による再伝送を行うことができない状況であると仮定する。
【0074】
ここで、4チャンネルHARQシステムは、4つの相違した再伝送タイミングを有するHARQプロセスが定義され、各HARQプロセスが同一の周期を有し、再伝送過程を行うように定義されたシステムを意味する。図3の中間において4つのHARQが定義される場合を示している。
【0075】
数字0、1、2、3は、それぞれ第1乃至第4のHARQプロセスを用いる端末が再伝送するタイミングを区別するためのインデックスを示す。
【0076】
例えば、第1のHARQプロセスによって再伝送するようにスケジューリングされた端末は、第1のHARQプロセスに対するタイミングに、該当データの再伝送を行うようになる。すなわち、端末は、再伝送2番目、6番目、10番目等のTTI(各TTIインデックスは、1、5、9)に再伝送を行うことができる。
【0077】
基地局は、特定の伝送時間に、アップリンクスケジューリングされた端末へ、特定の周波数帯域を用いてデータを送るとのスケジューリング情報を含めたグラントメッセージを送り、このグラントメッセージを受けた端末は、スケジューリング情報に従ってデータを伝送するようになる(TTI=1)。
【0078】
グラントメッセージには、該当端末を区別するための端末識別子情報(UE ID)、資源割当て(RB allocation)情報、伝送可能なデータに対する情報、ペイロード情報、伝送方式、例えば、変調及び符号化方式に対するMCS(Modulation and Coding Scheme)情報等が含まれ得る。
【0079】
資源割当て情報は、上述した端末が使用すべき資源ブロックの個数及び位置等に対する情報となり得る。また、伝送可能なデータに対する情報は、端末が該当グラントメッセージ受信によって伝送可能なデータのサイズ等となり得る。また、ペイロードは、一般的に、通信システムにおいてヘッダと反対にメッセージデータを保有するパケットやフレーム部分を意味する。
【0080】
また、再伝送方式としてIR(Incremental Redundancy)HARQ方式が一緒に用いられる場合、グラントメッセージは、再伝送のために、前記IRバージョンに対する情報をさらに含めてもよい。IR HARQ方式は、HARQ方式の中でも、データ受信性能を改善するために、情報データのチャンネルエンコード後、コードビットを再伝送時毎に異ならせて送る方式を意味する。
【0081】
IRバージョンに対する情報は、同期式HARQ方式における再伝送回数と関係付けられ、IRバージョンは、送受信側で暗黙のうちに認められるようにすることができる。すなわち、同期式HARQ方式を用いる場合、最初の伝送時に1番目のIRバージョンを用い、1番目の再伝送時に2番目のIRバージョンを用い、2番目の再伝送時に3番目のIRバージョンを用いる方法で、前記IRバージョンを通じて再伝送回数が分かる。
【0082】
基地局では、TTI=1で端末から伝送されたデータを受信し、再伝送の必要があるか否かを判断する。また、再伝送が必要ない場合、端末にACKを伝送し、再伝送が必要な場合は、端末にNACKを伝送する。
【0083】
図2を参照すると、基地局がNACKを伝送する。同期式チャンネル非適応型HARQ方式を仮定したので、NACKを伝送するとき、基地局が、端末に別途の再伝送スケジューリングに対する情報を伝送しなくても、受信端末側では再伝送を行うことができる。
【0084】
端末は、基地局からNACKを受信すると、第1のHARQプロセスに従って、該当タイミングに合わせてTTI=1で伝送したデータを再伝送する(TTI=5)。この際、上述したように、前記1番目のTTIの伝送時に用いた資源ブロックと同一の大きさ及び位置に該当する資源ブロックを用いて再伝送する。
【0085】
再伝送されたデータを受信した基地局は、同様に再伝送されたデータに対して再伝送が必要であるか否かを判断する。図3に示すように、前記再伝送データについてもNACKを伝送する。
【0086】
この際、本実施例により、基地局は、再伝送スケジューリングを変更して適用するようにしてもよい。基地局は、端末にNACKを伝送して再伝送を要請するとき、再伝送時は、他の伝送ブロックを用いて再伝送可能にスケジューリングし、変更されたスケジューリング情報を端末に知らせる。
【0087】
すなわち、基本的に同期式チャンネル非適応型HARQ方式を維持するが、必要に応じて、再伝送タイミングや再伝送の際に用いる資源ブロックまたは伝送方式を変更して適用可能な柔軟性を付加する方法である。
【0088】
本実施例により再伝送スケジューリングが変更されると、基地局は、その変更された情報を端末に伝送して知らせる。端末は、NACKと共に変更されたスケジューリング情報を受信し、予め決定されて再伝送方式ではなく、新たに受信する変更されたスケジューリングに従って再伝送を行うものである。
【0089】
本実施例によると、同期式チャンネル非適応型HARQ方式を適用しても、再伝送の際に、データ伝送資源ブロックの大きさ及び位置、再伝送タイミングまたは伝送方式を適応的に変更することができる。
【0090】
本実施例により、再伝送の際に用いられる資源ブロックを変更して再伝送する例について説明する。
【0091】
図3において、端末が初期伝送及び1番目の再伝送の際は、A資源ブロックを用いてデータを伝送していれば、2番目の再伝送の際は、A資源ブロックではなく、B資源ブロックを用いてデータを伝送するようにスケジューリングする。また、端末が、2番目の再伝送の際に、B資源ブロックを用いてデータを伝送するように、B資源ブロックに対する情報を前記端末に知らせる。したがって、この場合は、NACK信号のみを伝送する一般的な同期式チャンネル非適応型HARQ方式とは異なり、変更された資源ブロックに対する情報を伝送可能にする。すると、端末は、B資源ブロックを通じて再伝送を行う。
【0092】
変更されたスケジューリング情報を伝送する方法としては、様々な方法が用いられ得る。先ず、変更されたスケジューリング情報を伝送可能なメッセージ形式を新たに定義し、制御チャンネルを介して伝送する方法が使用できる。また、既存のメッセージ形式を拡張または変更する等の方法を通じて、既存のメッセージ形式を用いることもできる。例えば、上述したグラントメッセージを通じて変更されたスケジューリング情報を伝送することができる。
【0093】
このような本実施例を適用すると、再伝送タイミング及び該当資源ブロックを通じて、他の端末または前記該当端末の他のデータを伝送すべき場合、伝送データ間の衝突が発生する等の問題を避けることができる。
【0094】
図4は、本発明の一実施例による再伝送方式を説明するための図である。
【0095】
本実施例は、データの受信側が基地局である場合、データを再伝送するか否かを知らせるために、スケジューリングメッセージ、例えば、グラントメッセージを用いる方法を提供する。
【0096】
このようにスケジューリングメッセージを用いて、変更された資源ブロックに対する情報を伝送する場合は、前記再伝送のために伝送するスケジューリングメッセージがNACKに相応する情報を含めるので、別にNACKを伝送しなくてもよいものである。本実施例を適用する場合、図3を通じて説明した実施例も一緒に適用することができることは言うまでもない。
【0097】
この場合も、説明の便宜を図るために、端末は、4チャンネルHARQシステムにおいて、第1のHARQプロセスを通じてデータを再伝送するものと約束されており、1番目のデータを伝送した時点を2番目TTI(TTI=1)であると定義し、約束された10番目TTI(TTI=9)において同期式チャンネル非適応型HARQ方式による再伝送を行うことができない状況であると仮定する。
【0098】
本実施例によると、再伝送を要請するために、グラントメッセージを伝送することができる。図4を参照すると、2番目の再伝送を要請するために、NACKの代わりにグラントメッセージを伝送する。図4では、ACK/NACK伝送とグラントメッセージを用いて、受信確認を知らせる方法が混用される場合を示しているが、図4のACK/NACK伝送の代わりにグラントメッセージを伝送し、肯定の受信確認と否定の受信確認を知らせることができる。
【0099】
また、本実施例でも、図3を通じて説明した実施例を適用して、同期式チャンネル非適応型HARQ方式を用いる場合も、変更されたスケジューリングで再伝送を行うようにすることができる。特に、本実施例では、変更されたスケジューリング情報をグラントメッセージを通じて伝送することにより、簡単に具現することができるものである。
【0100】
グラントメッセージを通じて、変更されたスケジューリング情報を知らせる場合、グラントメッセージによって伝送可能なMCS及びその他の伝送方式に対する情報は、初期伝送と同一に送ることができる。勿論、資源ブロックの位置のみならず、使用する資源ブロックの個数及びMCSレベル等まで変更して送ることもできる。ここで、MCSレベルは、伝送データに対するペイロードサイズ及び使用される資源ブロックの個数に応じて、予め基地局と端末の相互間に定義される。
【0101】
このようにグラントメッセージで再伝送を指示するためには、基地局から伝送されるグラントメッセージが、新たなデータ伝送を指示するためのものであるか、あるいは、再伝送を指示するためのものであるかを知らせることが好ましい。
【0102】
以下、グラントメッセージが、新たなデータ伝送を指示するのか、あるいは、再伝送を指示するのかを、端末が確認できる方法の例について説明する。
【0103】
図5は、本発明の一実施例によりグラントメッセージを通じて再伝送を指示する場合、グラントメッセージが新たなデータ伝送と再伝送のいずれかを指示するかを知らせる方法の一例を説明するための図である。
【0104】
本実施例では、伝送タイプ指示情報として1ビット以上の情報ビットを追加して、グラントメッセージが新たなデータ伝送と再伝送のいずれかを指示するかを知らせる方法を提供する。以下、本実施例で、伝送タイプ指示情報は、NIB(New data Indicator Bit)と称し、これは、1ビットで構成されるものと仮定する。
【0105】
例えば、図5に示すように、新たなデータ伝送を指示するグラントメッセージの場合、NIBを0にセットしてグラントメッセージを伝送し、再伝送を指示するグラントメッセージの場合、NIBを1にセットしてグラントメッセージを伝送する。すなわち、グラントメッセージを受信する端末は、NIBを確認して、受信されたグラントメッセージが、新たなデータ伝送を指示するのか、あるいは、再伝送を指示するのかが分かる。
【0106】
一方、新たなデータ伝送を指示するグラントメッセージの受信に誤りが発生し、以降、再伝送を指示するグラントメッセージが、以前データの再伝送を指示するのか、新たなデータ伝送を指示したデータの再伝送を指示するのかを分からない場合が生じ得る。
【0107】
例えば、基地局が再伝送を指示するグラントメッセージを送っても、端末は、以前の伝送タイミングのNACKを誤ってデコードし、基地局が再伝送を指示するグラントメッセージを送ったのか、あるいは、新たなデータに対する再伝送を指示するグラントメッセージを誤って受信したのかを分からない。
【0108】
以下、上述したグラントメッセージ受信の誤りを考慮した再伝送方法の一例について説明する。
【0109】
図6は、本発明の一実施例によりグラントメッセージを通じて再伝送を指示する場合、グラントメッセージが新たなデータ伝送と再伝送のいずれかを指示するかを知らせる方法の一例を説明するための図である。
【0110】
本実施例では、伝送タイプ指示情報を含めてグラントメッセージが新たなデータ伝送と再伝送のいずれかを指示するかを知らせるが、伝送タイプ指示情報に、一定の場合に値を変化させるトグリング方式を適用する方法を提供する。これにより、グラントメッセージの受信誤りに対して準備することかできる。本実施例でも、伝送タイプ指示情報は、NIB(New data Indicator Bit)と称し、これは、1ビットで構成されるものと仮定する。
【0111】
例えば、図6に示すように、新たなデータ伝送を指示するグラントメッセージの場合、NIB値を変更するように設定することができる。データ1に対する新たなデータ伝送を指示するグラントメッセージとしてNIB=1にセットして伝送する。
【0112】
また、以降、他のデータ2に対する新たなデータ伝送を指示するグラントメッセージである場合、本実施例により、トグリング方式を適用し、NIB=0にセットして伝送する。
【0113】
また、次の再伝送タイミングに再伝送を指示するグラントメッセージを伝送するとき、NIB=0としてその値を変えずに伝送する。これにより、端末は、データ2に対する再伝送であることが分かる。すなわち、この場合、NIBは、新たなデータ伝送を指示するグラントメッセージを伝送する場合にのみ変更されるものである。
【0114】
端末は、グラントメッセージを受信し、受信されたグラントメッセージのNIBが、以前のHARQプロセスで受けたNIBと異なると、これは、新たなデータ伝送を指示するグラントメッセージであるので、端末は、バッファを空にし、新たなデータパケットを伝送する。
【0115】
また、端末がグラントメッセージを受信し、この際、NIBが以前のHARQプロセスで受けたNIBと同一であれば、これは、再伝送を指示するグラントメッセージであるので、バッファに保存していたデータパケットを再伝送する。
【0116】
図6におけるように、端末が新たなデータ伝送を指示するグラントメッセージを逃すこともあり得る。また、たとえ、グラントメッセージを受けて、新たなデータ2を伝送したとしても、チャンネルが激しいフェーディング状態にあれば、基地局では、極めて低いレベルのエネルギーのみを検出することもあり得る。この際、基地局は、再伝送を指示するグラントメッセージを伝送するようになる。
【0117】
若し、基地局が図5を通じてグラントメッセージを伝送し、端末がグラントメッセージが逃したら、その端末は、データ2ではなく、データ1に対する再伝送を行うことができる。しかし、本実施例により、NIBにトグリング方式を適用することにより、このような問題を解決することができる。
【0118】
例えば、データ2の伝送を指示する最初のグラントメッセージを受信すると、以降、データ2の再伝送を指示するグラントメッセージのNIBを、以前のグラントメッセージのNIBと比較して、値が同一であることを確認し、バッファに保存されたデータ2に対して再伝送をするようになる。
【0119】
また、データ2の伝送を指示する最初のグラントメッセージを端末が受信しなくても、以降、データ2の再伝送を指示するグラントメッセージのNIBを、以前のグラントメッセージのNIBと比較して、値が変更されたことを確認し、端末は保存していたデータ1をバッファから削除し、データ2に対して初期伝送を開始することができる。すなわち、端末の立場では初期伝送となるが、基地局の立場では再伝送データを受けるものである。
【0120】
図7は、本発明の一実施例によりグラントメッセージを通じて再伝送を指示する場合、グラントメッセージが新たなデータ伝送と再伝送のいずれかを指示するかを知らせる方法の一例を説明するための図である。
【0121】
より詳しくは、本発明により、グラントメッセージを通じて再伝送が指示されると、本実施例は、グラントメッセージによって新たなデータ伝送と再伝送のいずれか一つを指示することを示す。
【0122】
本実施例では、シーケンス番号情報として1ビット以上の情報ビットを加え、グラントメッセージが新たなデータ伝送と再伝送のいずれかを指示するかを知らせる方法を提供する。以下、シーケンス番号情報をSN(Sequence Number)と称する。
【0123】
本実施例によりSNを加えることにより、端末は、グラントメッセージを受信すると、新たなデータ伝送と再伝送のいずれかを指示するかのみならず、どのデータに対する再伝送を指示するかについても分かる。本実施例によりSN値を設定する方法の一例を説明すると以下の通りである。
【0124】
SNは、新たなデータ伝送を指示するか再伝送を指示するかを問わず、グラントメッセージと一緒にまたはグラントメッセージに含まれて伝送される。また、端末から同一のデータパケットに対する再伝送を受ける度に、SN値を1ずつ増加させ、新たなデータ伝送を指示する場合、初期値として初期化する。
【0125】
例えば、SNの初期値が0であるとする。すなわち、新たなデータ伝送を指示するグラントメッセージを送るときは、SN=0である。したがって、グラントメッセージと一緒に伝送されたSNの値が0ではなければ、これは、再伝送を指示するグラントメッセージであることを端末が確認するようになる。図7を参照すると、端末がグラントメッセージを受信し、そのグラントメッセージのSN=2であれば、端末は、2(SN)*4(HARQ channel)=8、すなわち、8サブフレーム以前に初期伝送したデータに対する再伝送を行うようになる。
【0126】
ところが、若し、グラントメッセージを受けた瞬間、SN値が0ではなく、かつ、現在再伝送中のデータに対して受けるべきSN値でもない場合、すなわち、直前のグラントメッセージを逃した場合であれば、以前に受けたグラントメッセージに対するデータを再伝送するのではなく、バッファを空にし、新たなデータの初期伝送を開始する。
【0127】
すなわち、図7におけるように、端末がデータ2の初期伝送を指示するグラントメッセージを逃し、または、チャンネルが激しいフェーディング状態にあり、データを伝送しても、基地局が極めて低いレベルのエネルギーを検出していると、基地局は、再伝送を指示するメッセージをSN=1と一緒に伝送する。
【0128】
この際、端末は、以前のグラントメッセージを逃していなければ、現在再伝送中のデータに対して受けるべきSN値が2ではないことが確認できる。したがって、SN=0ではなくて、データ1に対する再伝送を行うのではなく、データ1に対するバッファを空にし、データ2に対する再伝送を行うようになる。
【0129】
端末のデータ2に対するその瞬間の伝送は、基地局の立場では、再伝送を要求するものであるが、以前にデータ2の初期伝送を指示するグラントメッセージを端末が逃していると、端末の立場では、データ2に対する初期伝送をするものである。これにより、端末にとって再伝送データパケットに対する混同を避けるようにする効果がある。
【0130】
図8は、本発明の一実施例により再伝送中断を指示する方法を説明するための図である。
【0131】
本実施例では、再伝送中断を指示する方法を提供する。本実施例でも、図3及び図4の場合と同様に、基本的に同期式チャンネル非適応型HARQ方式を適用し、第1のHARQプロセス方式を用いるものと仮定する。
【0132】
本実施例により、再伝送中断を指示する方法の一例として、伝送中断メッセージを用いる方法が挙げられる。
【0133】
基地局がグラントメッセージを端末に伝送し、データ伝送を指示する。端末は、受信されたグラントメッセージを確認し、アップリンクデータ伝送を行う(TTI=1)。
【0134】
基地局は、前記端末が伝送したデータを確認して再伝送が必要であると判断されると、NACKを伝送する。基地局からNACKを受信した端末は、同期式チャンネル非適応型HARQ方式により予め設定されたタイミングに再伝送を行う(TTI=5)。
【0135】
本実施例によると、基地局は、端末に伝送中断メッセージを伝送して、同期式非適応型HARQ方式による次の再伝送タイミングに端末の再伝送を中断することができる。伝送中断メッセージを受信した端末は、再伝送のために予め設定されたタイミング(TTI=9)に再伝送しないだけでなく、前タイミングに伝送したデータをバッファから削除せずに維持する。伝送中断メッセージを受信した端末は、所定時間の間、再伝送を行わないと共に、データもバッファから削除しないが、この際、所定の時間は、例えば、設定された再伝送周期の2倍となる時間、または新たなデータ伝送または再伝送を指示する情報を受信するまでとすることができる。
【0136】
本実施例により再伝送中断を指示する方法の他の例として、上述したグラントメッセージを用いる方法が挙げられる。
【0137】
基地局は、グラントメッセージを通じて、割り当てられた資源ブロックがないとの情報を伝送し、同期式チャンネル非適応型HARQ方式を用いるシステムにおいて、端末の再伝送を中断させることができる。例えば、前記グラントメッセージの資源ブロックの個数または大きさに対する情報を伝送するとき、0であるとの情報を含めて伝送することができる。
【0138】
基地局が、端末の予約されたタイミングに対する再伝送を中止させた場合は、初期伝送時と同一のHARQプロセスを通じて、以降に再伝送を要請することができる。基地局は、前記同一のHARQプロセスに相応する次の再伝送タイミングに合わせて資源ブロックを再び割り当て、前記資源ブロック情報を、再伝送を指示するグラントメッセージを通じて伝送することにより、該当データの再伝送を再び行わせることができる。
【0139】
または、以降、基地局で再伝送を要請するNACKを伝送し、これを受信した端末が、次の再伝送タイミングに合わせて、バッファに保存されていた以前に伝送されたデータを再伝送するようにすることができる(TTI=13)。
【0140】
一方、前記伝送中断メッセージを受信した端末が、前記所定の時間内に基地局からACKを受信し、または、前記所定の時間内に特に信号を受信しなければ、前記バッファに維持していたデータを削除し、新たなデータの伝送を準備することもできる。
【0141】
この際、再伝送のために予約されたタイミングに、前記再伝送のために割り当てる資源ブロックがない場合は、再伝送を暫く停止することにより、より柔軟に再伝送をスケジューリングできるという利点がある。
【0142】
図9は、本発明の一実施例により再伝送を指示する方法を説明するための図である。
【0143】
本実施例では、再伝送メッセージを通じて再伝送を行う方法を提供する。この場合も、基本的に、同期式非適応型HARQ方式を適用し、第1のHARQプロセスを用いて、該当タイミングに再伝送するものと仮定する。
【0144】
上述した実施例との差は、基地局から伝送する再伝送を指示するために再伝送メッセージ(ReTx message)を、再伝送中断を指示するために伝送中断メッセージを用いて、再伝送過程を行うというのである。再伝送メッセージと伝送中断メッセージは、その用語に制限されないことは自明である。
【0145】
また、伝送中断メッセージは、図8において説明した伝送中断メッセージと同一の機能を行うためのメッセージとして、すなわち、既に伝送されたデータを再伝送してはいないが、データをバッファに維持することを要請するメッセージである。
【0146】
基地局は、新たなデータ伝送のためのグラントメッセージを、選択された端末に伝送する。端末は、グラントメッセージを確認し、アップリンク伝送を行う(TTI=1)。基地局は、端末が伝送したデータを確認し、再伝送が必要な場合、再伝送を要請するための再伝送メッセージを端末に伝送する。
【0147】
再伝送メッセージを受信した端末は、既に伝送したデータに対して再伝送を行う。図9における伝送中断メッセージに対する説明は、上述した図8の場合と同一であるので省略する。ただし、図9では、伝送中断メッセージによって中断された再伝送を開始するために、基地局から再伝送を指示するグラントメッセージを伝送する場合を示す。
【0148】
すなわち、伝送中断メッセージを受信し、バッファからデータを削除もせず、再伝送を行ってもいない端末は、再伝送を指示するグラントメッセージを受信すると、バッファに維持されたデータを再伝送する(TTI=13)。
【0149】
若し、ここで、再伝送ではなく、新たなデータ伝送を指示するグラントメッセージを受信した場合は、前記バッファを再設定、すなわち、維持されたデータを削除し、新たなデータを保存して、前記新たなデータを基地局に伝送することができる。
【0150】
この場合は、再伝送または再伝送中断の二つの状態を有するので、一つのビットを用いて、端末に再伝送するか伝送を中止するかを知らせることができる。言い換えると、再伝送と再伝送再開をそれぞれ再伝送メッセージと伝送中断メッセージとして端末に指示する。
【0151】
受信パケットの復調に失敗すると、基地局は、再伝送メッセージを端末に送るが、成功か否かを問わず、一時的に約束されたタイミングに、その端末へのデータ伝送を中止するようにするときは、伝送中断メッセージを送る。
【0152】
すなわち、伝送中断メッセージを受信した端末側では、基地局から送られた伝送中断メッセージが受信成功によるものであるか、あるいは、一時的に特定のタイミングに伝送を禁じるものであるかを、伝送中断メッセージを受けた瞬間には分からない。
【0153】
端末は、一定時間の間、データをバッファに保存してから、以降、端末が再伝送を指示するグラントメッセージを受信すると、既存にバッファに保存していたデータを再伝送する。また、新たなデータ伝送を指示するグラントメッセージを受信すると、端末は、既存にバッファに保存していたデータの受信に成功したことを認知し、バッファを空にするようになる。
【0154】
また、新たなデータ伝送を指示するグラントメッセージが伝送されなくても、一定時間の間、再伝送の命令がなければ、伝送されたデータをバッファから削除することができる。
【0155】
上述したように、HARQ方式において、IR(Incremental Redundancy)HARQ方式を用いることができる。本実施例により、伝送中断メッセージを用いる同期式非適応型HARQ方式とIRバージョン管理方式を結合して用いると、伝送中断メッセージ以降の再伝送グラントメッセージによる再伝送に相応するIRバージョンに対する誤解を引き起こすことがある。
【0156】
メッセージを受信して再伝送を試みるとき、以前の伝送中断メッセージの受信誤りによって、端末と基地局との間に何番目の再伝送であるかについて、すなわち、何番目のIRバージョンを用いて再伝送するかについて誤解が生じ、データ受信が正常に行われないこともあり得る。
【0157】
したがって、本実施例では、さらに再伝送を指示するグラントメッセージを伝送する場合、再伝送データについて用いるIRバージョンを指定して伝送する方法を提供する。
【0158】
この場合、同期式非適応型HARQ方式を仮定し、新たなデータ伝送を指示するグラントメッセージに含まれる一部のフィールド領域のうち、再伝送を指示するグラントメッセージには変更がなく、設定が要求されないフィールドがあり得る。このような設定が要求されないフィールドを用いて前記IRバージョンを伝送することにより、新たなフィールドの追加無しに、IRバージョン情報を伝送することができる。
【0159】
例えば、同期式HARQ方式により、伝送データのペイロードサイズの変動は発生しないので、新たなデータ伝送を指示するグラントメッセージのペイロードに対するフィールドを、再伝送グラントメッセージ伝送の際は、IRバージョンを指定する情報のためのフィールドに転換して使用する。したがって、前記伝送中断メッセージの伝送以降、再伝送の場合も、正確なIRバージョンを指示することができ、前記IRバージョンに対する誤解を無くすことができる。
【0160】
また他の方法で、再伝送の際に、所定の予め設定された値でIRバージョン値を再設定する方式を用いることができる。すなわち、初期伝送から以前の再伝送を考慮して、実際的なIRバージョン値を設定するのではなく、任意の値を予め設定し、伝送中断メッセージの伝送以降、再伝送を指示するグラントメッセージを伝送する場合は、IRバージョンに対して前記予め設定された値に再設定して、該当端末に伝送するものである。
【0161】
この場合も、前記新たなデータ伝送のためのグラントメッセージに含まれる一部のフィールドを用いて、新たなフィールドの定義無しに、再設定されたIRバージョンに対する情報を知らせることができる。
【0162】
図10は、再伝送要請メッセージを伝送する方法を説明するための図である。
【0163】
本実施例では、同期式非適応型HARQ方式を適用する場合、再伝送タイミングを変更して再伝送する方法について説明する。以下、データを伝送する端末が、再伝送のために第1のHARQプロセスを用いるものと仮定する。
【0164】
先ず、基地局は、アップリンク伝送すべき端末を選択し、その端末にグラントメッセージを伝送する。端末は、前記グラントメッセージを受信し、該当スケジューリング情報に従ってデータをアップリンク伝送する(TTI=1)。基地局は、端末が伝送したデータを受信し、再伝送が必要な場合、ACK/NACKを伝送して、再伝送の有無を知らせることができる。
【0165】
本実施例でも、同期式チャンネル非適応型HARQ方式を用いるものと仮定したので、NACKを受信すると、予め約束されたタイミングに前記データを再伝送する(TTI=5)。さらに、再伝送が必要な場合、基地局は、さらにNACKを送信して、再伝送を指示する。この場合も、さらに予め約束されたタイミングに再伝送するようになる(TTI=9)。
【0166】
しかしながら、本実施例では、再伝送タイミングを変更する方法を提供する。すなわち、前記予め約束されたタイミング(TTI=9)には、初期伝送時に使用した資源ブロックを用いて再伝送することができないので、他のタイミング、例えば、TTI=10に再伝送するように指示するものである。したがって、基地局は、変更されたタイミングに対する情報を伝送し、そのタイミングに再伝送するようにする。
【0167】
同期式HARQ方式を適用するシステムでは、ACK/NACK、ReTx/Stopメッセージまたはグラントメッセージを受信するタイミングと、各信号に対する応答としてデータを再伝送するタイミングとが、互いに連関しているので、このような方法で再伝送タイミングを変更する方法が可能である。
【0168】
例えば、再伝送を指示するグラントメッセージを用いる場合、基地局が、第2のHARQプロセスタイミングの再伝送が行われるタイミングに、グラントメッセージを端末に伝送する。ただし、この際、グラントメッセージには、現在伝送される再伝送グラントメッセージが、予め設定された通りに、第2のHARQプロセスではなく、第1のHARQプロセスに対するデータの再伝送を要請するものであることを指示可能な情報が含まれていなければならない。
【0169】
これにより、初期伝送及び1番目の再伝送のためには、第1のHARQプロセスを用いて、該当タイミングであるTTI=1、5に伝送したが、2番目の再伝送の際は、第2のHARQプロセスのタイミングに伝送させることができる。すなわち、変更されたHARQプロセス情報が含まれた再伝送グラントメッセージを受信した端末は、前記グラントメッセージに対する応答として第2のHARQプロセスに該当するタイミング(TTI=10)に、前記第1のHARQプロセスで伝送したデータを再伝送する。
【0170】
これは、予め約束されたタイミングの該当資源ブロックによって、優先順位がより高いものと認定されるデータ伝送が要求される場合等の状況では、約束されたタイミング及び資源ブロックを用いて再伝送することが困難であるとき、効果的に通信が行われるようにすることができる。
【0171】
図11は、再伝送中断要請メッセージと再伝送要請メッセージを一緒に用いる方法を説明するための図である。
【0172】
本実施例では、伝送中断メッセージを用いて、図10で説明した再伝送タイミングを変更する実施例をより効果的に行う方法を提供する。本実施例によると、基地局では、変更しようとする再伝送タイミングが、元のスケジューリングされたタイミングよりも遅い場合は、元の再伝送タイミングに、上述した伝送中断メッセージを伝送する。
【0173】
図11において、基地局でのスケジューリングの際に、TTI=9のタイミングに、該当資源ブロックを元のスケジューリングされていた端末に割り当てられない場合は、TTI=9のタイミングに対する再伝送を留保するために、伝送中断メッセージを伝送する。この際、伝送中断メッセージが再伝送を指示してはいないが、端末がバッファに該当データを削除せずに維持するようにするメッセージであることは、上述と同様である。
【0174】
基地局では、再伝送を指示しようとするタイミング、例えば、TTI=10のタイミングに合わせて、端末の再伝送を指示するグラントメッセージを伝送するが、上述したように、どのデータに対する再伝送を要請するのかを明らかにするために、第1のHARQプロセスに伝送したデータに対する再伝送を要請することを指示する情報を含めて伝送する。
【0175】
若し、第1のHARQプロセスに対する再伝送を要請することを指示する情報が含まれていなければ、TTI=10のタイミングに、元々設定された通りに、第2のHARQプロセスに対する再伝送が要請されるものと認識され、所望の効果を示すことができない。
【0176】
このように再伝送タイミングを変える場合、予め設定されたタイミングに対する伝送の有無が明確でなく、端末側では、約束されたタイミングに再伝送を要請する信号が来なければ、前記伝送されたデータをバッファから削除するのか、あるいは、維持しているのかについて誤りが生じ得る。しかしながら、上述のように、伝送中断メッセージを用いることにより、予め約束されたタイミングに、端末が再伝送することを防止し、データ衝突をさらに効果的に防ぐことができる。すなわち、同期式HARQ方式の基盤で、伝送タイミング、すなわち、HARQプロセスを変更するデータの再伝送方法をより効果的に行うことができる。
【0177】
これは、上述した伝送中断メッセージのみを用いて再伝送タイミングをスケジューリングする方法と比較しても利点がある。
【0178】
すなわち、同期式非適応型HARQの特性を維持するために、第1のHARQプロセスによる再伝送タイミングに合わせて再伝送しなければならないので、TTI=9で再伝送しなかった場合、次の再伝送タイミングであるTTI=13まで待たなければならず、伝送が遅延されてしまう。しかしながら、伝送プロセス、すなわち、再伝送タイミングを変更する方法を一緒に用いることにより、TTI=10のタイミングに再伝送することができ、伝送遅延の問題もある程度解決することができる。
【0179】
図10及び図11において説明したように、再伝送タイミングを変更しようとする場合、再伝送を指示するとき、どのデータに対する再伝送を指示するのかを知らせることが好ましい。その変更された再伝送情報を伝送するために、すなわち、TTI=10のタイミングに再伝送すべきデータの元のHARQプロセスに対する情報を知らせることができる。
【0180】
このようにHARQプロセス情報を知らせるために、新たなメッセージフォーマットを定義して用いてもよい。また、再伝送を指示するグラントメッセージを伝送する場合、グラントメッセージに含まれるフィールドのうち、再伝送の際には変更の必要がないフィールドを用いて、HARQプロセスに対する情報を伝送することができる。
【0181】
例えば、新たなデータ伝送のためのグラントメッセージと再伝送グラントメッセージにおいて、伝送データのペイロードサイズに対する変動は発生しないので、前記新たなデータ伝送のためのメッセージのペイロードを指示するフィールドを、再伝送グラントメッセージでは、HARQプロセスを指示するフィールドに転換して用いることができる。
【0182】
他の方法としては、再伝送を指示するグラントメッセージを用いる場合、グラントメッセージに、変更されたHARQプロセス情報を指示するためのフィールドを加えて用いることもできる。再伝送を指示するグラントメッセージによって、再伝送の際にHARQプロセスが発生するが、このような変化は、前記再伝送グラントメッセージを端末が正常に受信することを仮定するものである。したがって、再伝送グラントメッセージを端末が正常に受信しなかった場合、動作に誤りが発生する原因となり得る。したがって、HARQプロセス情報を指示するためのフィールドを加える方法を通じて、伝送タイミングに関係なく、HARQプロセス情報を新たなデータ伝送のための資源割当ての時点で指定することもできる。
【0183】
上述したHARQ方式で再伝送を行うとき、受信側でのACK/NACK受信において、誤りが発生し得る。この際、発生し得る誤りは、二つに大別される。
【0184】
第一は、ACK−to−NACK誤りである。これは、送信側、例えば、端末が伝送したデータに対して、受信側、例えば、基地局がACKを送信したにもかかわらず、チャンネル状況及びその他の要因によって、端末がACKをNACKにデコードする誤りを意味する。
【0185】
第二は、NACK−to−ACK誤りである。これは、送信側、例えば、端末が伝送したデータに対して、基地局がNACKを送信して再伝送を要求したにもかかわらず、チャンネル状況及びその他の要因によって、端末がNACKをACKにデコードする誤りを意味する。
【0186】
以下では、NACK−to−ACK誤りが生じた場合に、上述した実施例を適用する動作方式について説明する。
【0187】
図12は、一般のNACK−to−ACK誤りを説明するための図である。
【0188】
データ受信後、NACKメッセージを伝送した基地局は、端末からの再伝送を待つようになる。ところが、NACK−to−ACK誤りが発生していれば、端末は、これ以上再伝送をせず、再伝送のために、バッファに保存しておいたデータを全て空にするようになる。
【0189】
すると、既存のACK/NACKを用いたHARQ方式では、基地局はデータを待ち、端末はこれ以上データを伝送しないようになるので、特定時間の周波数領域が最大の再伝送回数だけ浪費されてしまう結果をもたらす。
【0190】
HARQ方式において、エネルギー検出を通じて、ACK/NACKに誤りが生じたか否かを判断することができる。特に、NACK−to−ACK誤りが発生したか否かを判断することができる。言い換えると、送信側、例えば、端末がデータを伝送せず、データを伝送したにもかかわらず、誤りが生じたかをエネルギー検出を通じて、受信側、例えば、基地局が判断することができる。
【0191】
図13は、ACK/NACK誤りを考慮して、本発明の一実施例を適用する方法の一例を説明するための図である。
【0192】
本実施例では、基地局においてNACK−to−ACK誤りが発生したものと判断する場合は、その端末の新たなデータまたは新たな端末に対するデータを伝送するように、新たにスケジューリングする方法を提供する。
【0193】
基地局が、エネルギー検出を通じて、NACK−to−ACK誤りが発生したことを判断したとき、端末が実際にデータを伝送していないこともあるが、端末のチャンネルが激しいフェーディング状態に陥ってデータを送らなかったように見えることもあり得る。
【0194】
後者の場合であれば、その端末に再伝送を要求するよりは、他の周波数帯域をスケジューリングすることがさらに有利であるかも知れない。したがって、NACK−to−ACK誤りが発生したとき、基地局が再伝送を要求するものではなく、既存のデータ再伝送プロセスを終了し、以降、データを伝送する端末を新たにスケジューリングする。この際、既存のデータに対する再伝送は、上位階層で行われる。
【0195】
図13を参照すると、先ず、端末1が、基地局からグラントメッセージを受信し、アップリンクデータを伝送する。基地局は、端末が伝送したデータに対して再伝送を指示するために、端末にNACKを伝送する。
【0196】
しかしながら、端末は、基地局からNACKを伝送したにもかかわらず、これをACKとして受信する。すなわち、NACK−to−ACK誤りが発生する。すると、端末は、再伝送をしないようになり、基地局では、再伝送データが受信されるべき時点で受信信号が弱いことから、NACK−to−ACK誤りが発生したことが分かる。
【0197】
また、NACK−to−ACK誤りが発生しなくても、すなわち、端末1がデータを再伝送したとしても、基地局は、これをNACK−to−ACK誤りが発生したものと判断することもあり得る。すなわち、上述したように、端末1が激しいフェーディング状態に陥って、端末1が再伝送したデータを、基地局で、受信せずまたはデコードしないこととなる。
【0198】
基地局で、NACK−to−ACK誤りが発生したものと判断した場合、本実施例により、同期式HARQ方式で予めスケジューリングされていた再伝送資源を、新たなデータや他の端末に対するスケジューリング資源として用いる。
【0199】
すなわち、図13に示すように、端末1の再伝送のために予約されていた資源を、端末2のデータ伝送のために新たに割り当てる。
【0200】
端末2に、その資源を指示するグラントメッセージを伝送すると、端末2は、これを受信してアップリンクデータを送信する。
【0201】
上述した方法で、NACK−to−ACK誤りの発生の有無を判断するとしても、既存のACK/NACKの動作方式では、資源が浪費されることを解決する方法はない。なぜならば、ACKを受けた途端に、端末は自身の再伝送バッファを空にしてしまうので、基地局がさらにNACKを送って再伝送を要求しても、再伝送するデータがないからである。
【0202】
図14は、ACK/NACK誤りを考慮して、本発明の一実施例を適用する方法の他の例を説明するための図である。
【0203】
本実施例では、データの送信側で、受信側からの肯定の受信確認信号ACKを受信して再伝送しなくても、伝送したデータをバッファから削除せず、一定時間の間はバッファに維持する方法を提供する。
【0204】
これは、上述した伝送中断メッセージの機能に類似したものと見られる。すなわち、上述したように、伝送中断メッセージとしてACKを伝送する実施例として見られるのである。ACKを受信する端末は、伝送中断メッセージを受信したときと同様に、データを再伝送してはいないが、一定時間の間はバッファに既に伝送されたデータを維持する。
【0205】
例えば、アップリンク伝送において、端末が基地局からACKを受信した後、無条件に自身のバッファを空にしてしまうのではなく、一定時間の間、再伝送データをバッファにそのまま保存することである。そうして、基地局からさらにNACKを受信すると、直ちにバッファに維持されているデータを再伝送することにより、資源の浪費を防ぐことができる。この際、データを保存する時間は、最小限、以降の再伝送が行われるまでの時間である。
【0206】
図15は、ACK/NACK誤りを考慮して、本発明の一実施例を適用する方法の他の例を説明するための図である。
【0207】
本実施例では、データの送信側で、受信側からの肯定の受信確認信号(ACK)を受信して再伝送してはいなくても、伝送したデータをバッファから削除せず、一定時間の間はバッファに維持するが、受信側で、ACK/NACK誤りが発生したと判断した場合、再伝送を指示するために、スケジューリングメッセージを伝送する方法を提供する。
【0208】
本実施例によると、データ送信側が、この場合は、ACKを受信しても、以降新たな伝送を指示し、または、再伝送を指示するスケジューリングメッセージを受信するまでは、データをバッファに維持する。すなわち、スケジューリングメッセージを受信するまでは、再伝送データをバッファに保存し、新たなデータ伝送を指示するスケジューリングメッセージを受信すると直ぐバッファを空にする。
【0209】
アップリンク伝送において、NACK−to−ACK誤りが発生し、基地局で、エネルギー検出を通じて誤り発生を確認した後、図13において説明したように、新たにスケジューリングするようになると、既存のデータは、受信に失敗したまま、他の端末または他のデータを伝送するようになり、FERが高くなる問題が生じる。したがって、本実施例の場合、NACK−to−ACK誤りの発生を検出してから、基地局が、その端末に他の周波数領域で再伝送データを伝送可能に、スケジューリングメッセージを伝送する。
【0210】
本実施例はまた、端末側で、ACK/NACK誤り発生の有無を決定する方法としても用いることができる。すなわち、端末がデータを伝送し、前記データに対するACK/NACKを受信し、ACK/NACKに対する誤りの有無を、ACK/NACKの以降に受信されるスケジューリングメッセージを通じて決定することである。
【0211】
端末は、ACK/NACKを受信し、受信時点の再伝送の有無を制御することはできるが、端末では、ACK/NACK受信のみでは、データ送信が成功したか否かを最終的に決定せず、以降に受信されるスケジューリングメッセージに基づき、ACK/NACKに誤りがあるか、または、データをバッファから削除するかあるいは維持するかを決定することである。
【0212】
例えば、端末が、ACKを受信したと判断すると、一旦、その再伝送の時点では、再伝送をしないが、データをバッファに維持している。
【0213】
また、以降、新たなデータ伝送を指示するグラントメッセージを受信すると、そのデータをバッファから削除し、新たなデータ伝送を行う。すなわち、この場合は、端末が受信したACKは、誤りがないものと決定されることである。しかしながら、再伝送を指示するグラントメッセージを受信すると、バッファに維持していたデータを再伝送する。すなわち、この場合は、端末が受信したACKは、誤りがあるものと決定されることである。
【0214】
一方、再伝送を指示するために、スケジューリングメッセージ、例えば、グラントメッセージを送信する場合、以上の図4において説明した方法と同一または類似するように適用することができる。グラントメッセージを通じて再伝送するようになるので、使用する資源ブロックの位置のみが変わり、MCSレベル及びその他のものは、初期伝送と同一に送ることもできる。または、資源ブロックの位置はもとより、使用する資源ブロックの個数及びMCSレベル等まで変更して送るようになる。ここで、MCSは、上述したように伝送データのペイロードサイズ及び使用される資源ブロックの個数によって、予め基地局と端末との相互間に定義されていてもよい。
【0215】
また、グラントメッセージが新たなデータ伝送を指示するのか、再伝送を指示するのかを区分するために、以上の図5乃至図7を通じて説明した方法と同一または類似するように適用することができる。
【0216】
この場合、グラントメッセージがACK/NACK情報を含むようになるので、別にACK/NACK情報を伝送しなくてもよい。すなわち、データ受信側、例えば、基地局では、ACK/NACKとグラントメッセージを全て送ることもできるが、グラントメッセージを送るときは、ACK/NACKを伝送しなくてもよい。前者の場合、端末が再伝送を指示するグラントメッセージを受信すると、そのとき受信されるACK/NACKは無視し、基地局が指示する資源領域を通じて再伝送するようになる。
【0217】
図16は、本発明の一実施例により、ACK/NACKを通じて再伝送を制御する方法を説明するための図である。
【0218】
本実施例では、端末がACKを受信しても、伝送したデータを一定時間の間バッファに保存するようにし、基地局での資源スケジューリングに自律性を付与する方法を提供する。すなわち、本実施例によると、端末がACKを受信した後も、伝送したデータを一定時間の間バッファに保存するようにする。
【0219】
したがって、基地局がデータの受信に失敗しても、任意にACKを伝送し、特定の時間に特定の端末に対する再伝送を一時的に中断させることができるようになる。特に、若し、再伝送タイミングに該当再伝送端末に割り当てるアップリンク資源がない場合、より柔軟かつ効率的にスケジューリングが可能である。
【0220】
ACKを受信した端末は、該当時間にデータを再伝送してはいないが、基地局からグラントメッセージを受信するまでは、データをバッファから削除せずに維持する。したがって、基地局は、所望の時間に再伝送を指示するグラントメッセージを端末に伝送することにより、該当プロセスの再伝送を再起させることができるようになる。
【0221】
上述した再伝送中断は、再伝送を指示するグラントメッセージを通じて行うこともできる。例えば、再伝送を指示するグラントメッセージの割当て資源ブロックの大きさを0にセットし、該当端末のアップリンク再伝送を一時的に中止させることができる。この場合も、基地局は、所望の時間に再伝送を指示するグラントメッセージを端末に伝送することにより、該当プロセスの再伝送を再起させることができるのである。
【0222】
本発明は、同期システムの1xEV−DOの場合は、ダウンリンクで用いられ、オーバヘッドが少ないという長所によって、現在、3GPP LTE(Long Term Evolution)において、アップリンクでも用いられ得る。
【0223】
本発明による実施例は、様々な手段、例えば、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、またはこれらの結合等によって具現され得る。
【0224】
ハードウェアによる具現の場合、本発明は、一つまたはそれ以上のASICs(application specific integrated circuit)、DSPs(digital signal processors)、DSPDs(digital signal processing devices)、PLDs(programmable logic devices)、FPGAs(field programmable gate arrays)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ等によって具現され得る。
【0225】
ファームウェアやソフトウェアによる具現の場合、 本発明は、上述した機能または動作を行うモジュール、手続き、関数等の形態に具現され得る。ソフトウェアコードは、メモリユニットに保存され、プロセッサによって駆動され得る。前記メモリユニットは、前記プロセッサの内部または外部に位置し、既に公知された様々な手段によって、前記プロセッサとデータを交換することができる。
【0226】
本発明は、本発明の技術的思想及び必須的特長を外れない範囲内で、他の特定の形態に具体化され得ることは、当業者に自明である。したがって、上述した詳細な説明は、全ての面で制限的に解釈されてはならず、例示的なものと考慮されなければならない。
【0227】
様々な修正及び変更が、本発明の精神または範囲を外れない限り、本発明に含まれることは、当業者にとって自明なことである。本発明の範囲は、添付の請求項の合理的解釈によって決定されなければならず、本発明の等価的範囲内での全ての変更は、本発明の範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0228】
本発明による多重搬送波システムにおける再伝送方法を通じて、チャンネル非適応型再伝送方式を基盤とする場合、再伝送資源をスムーズにスケジューリングすることができる。
【0229】
また、同期式再伝送方式を基盤とする場合、再伝送タイミングをスムーズにスケジューリングすることができる。また、同期式チャンネル非適応型HARQ方式をより効率的に運用することができる。
【0230】
さらに、ACK/NACK誤りの発生に対処して通信性能を向上させることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多重搬送波システムにおけるHARQ(Hybrid Automatic Repeat reQuest)方式を用いたデータ再伝送の方法であって、
前記方法は、
ユーザ機器(UE)によって、基地局(BS)から、アップリンクデータの伝送のための第1の資源割当て情報と、新たなアップリンクデータの伝送または前記アップリンクデータの再伝送を示す第1のNDI(New Data Indicator)とを含む第1のグラントメッセージを受信することと、
前記UEによって、前記BSに、前記第1のNDIが前記新たなアップリンクデータの伝送を示す場合に、前記第1の資源割当て情報を用いて前記アップリンクデータを伝送することと、
前記UEによって、前記BSから、前記アップリンックデータに対するHARQ受信確認メッセージを受信することと、
前記HARQ受信確認メッセージが肯定の受信確認(ACK)メッセージとして検出された場合でも、所定の条件が満たされるまで、前記UEによって、前記アップリンクデータをバッファに維持することと
を含み、
前記UEが前記アップリンクデータの伝送のための第2の資源割当て情報と、第2のNDIとを含む第2のグラントメッセージを受信した場合に、前記HARQ受信確認メッセージが前記ACKメッセージとして検出された場合でも、前記第2のNDIが前記第1のNDIと比較してトグルされていない場合に、前記UEは、前記HARQ受信確認メッセージを否定の受信確認(NACK)メッセージに設定し、前記UEは、前記第2の資源割当て情報を用いて前記アップリンクデータを適応的に再伝送するか、または、
前記第2のグラントメッセージが前記UEにより受信されず、前記受信確認メッセージが否定の受信確認(NACK)メッセージである場合に、前記UEは、前記第1の資源割当て情報を用いて前記アップリンクデータを非適応的に再伝送する、方法。
【請求項2】
前記第2のNDIが前記第1のNDIと比較してトグルされていない場合に、前記HARQ受信確認メッセージは、誤りを有していると決定される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2のグラントメッセージは、前記データ再伝送に対するリダンダンシーバージョン情報をさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の資源割当て情報は、第1の伝送タイミング、第1の伝送資源ブロック、前記第1の伝送資源ブロックの個数、および、第1のMCS(Modulation and Coding Scheme)情報のうちの少なくとも1つを含み、
前記第2の資源割当て情報は、第2の伝送タイミング、第2の資源ブロック、第2の伝送資源ブロックの個数、および、第2のMCS(Modulation and Coding Scheme)情報のうちの少なくとも1つを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
多重搬送波システムにおけるHARQ(Hybrid Automatic repeat request)方式を用いたデータ再伝送の方法を実行するユーザ機器(UE)であって、
前記UEは、
アップリンクデータを伝送または再伝送する伝送モジュールと、
前記データ再伝送の方法において用いられるメッセージを受信する受信モジュールと、
前記伝送モジュールおよび前記受信モジュールを制御することにより、前記HARQ方式を用いたデータ再伝送の方法を実行するプロセッサと
を備え、
前記UEは、
前記受信モジュールを用いて、基地局(BS)から、アップリンクデータの伝送のための第1の資源割当て情報と、新たなアップリンクデータの伝送または前記アップリンクデータの再伝送を示す第1のNDI(New Data Indicator)とを含む第1のグラントメッセージを受信することと、
前記伝送モジュールを用いて、前記BSに、前記第1の資源割当て情報を用いて前記アップリンクデータを伝送することと、
前記受信モジュールを用いて、前記BSから、前記アップリンックデータに対するHARQ受信確認メッセージを受信することと、
前記HARQ受信確認メッセージが肯定の受信確認(ACK)メッセージとして検出された場合でも、所定の条件が満たされるまで、前記アップリンクデータをバッファに維持することと
を実行するように構成されており、
前記UEが前記受信モジュールを用いて第2の資源割当て情報と、第2のNDIとを含む第2のグラントメッセージを受信した場合に、前記第2のNDIが前記第1のNDIと比較してトグルされていない場合に、前記UEは、前記HARQ受信確認メッセージを否定の受信確認(NACK)メッセージに設定し、前記UEは、前記第2の資源割当て情報を用いて前記アップリンクデータを適応的に再伝送するか、または、
前記第2のグラントメッセージが前記UEにより受信されず、前記受信確認メッセージが否定の受信確認(NACK)メッセージである場合に、前記UEは、前記第1の資源割当て情報を用いて前記アップリンクデータを非適応的に再伝送する、UE。
【請求項6】
前記プロセッサは、前記第2のNDIが前記第1のNDIと比較してトグルされていない場合に、前記HARQ受信確認メッセージは誤りを有していると決定する、請求項5に記載のUE。
【請求項7】
前記第2のグラントメッセージは、前記データ再伝送に対するリダンダンシーバージョン情報をさらに含む、請求項6に記載のUE。
【請求項8】
前記第1の資源割当て情報は、第1の伝送タイミング、第1の伝送資源ブロック、前記第1の伝送資源ブロックの個数、および、第1のMCS(Modulation and Coding Scheme)情報のうちの少なくとも1つを含み、
前記第2の資源割当て情報は、第2の伝送タイミング、第2の資源ブロック、第2の伝送資源ブロックの個数、および、第2のMCS(Modulation and Coding Scheme)情報のうちの少なくとも1つを含む、請求項6に記載のUE。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−120182(P2012−120182A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−284069(P2011−284069)
【出願日】平成23年12月26日(2011.12.26)
【分割の表示】特願2009−525508(P2009−525508)の分割
【原出願日】平成19年10月2日(2007.10.2)
【出願人】(502032105)エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド (2,269)
【Fターム(参考)】