説明

大口径のウエハ容器とウエハ取扱方法

大口径半導体ウエハを収容する前開きウエハ容器は、容器部分(40)とドア(42,406)を有する。容器部分(40)は、空洞内部(48)を区画形成する左閉鎖側面(43)、右閉鎖側面(44)、閉鎖背面(45)、および前開き部分(60)を有する。空洞内部(48)は、ウエハを受容と収容するための複数のスロットを有する。ドア(42,406)は、前開き部分(60)を閉じるべく容器部分(40)に取付可能であるように、容器部分(40)に選択的にラッチ可能である。容器部分(40)は、大口径ウエハ、特に450mmウエハに対応するウエハ対応手段を有する。最適化弛み制御が提供され、同様に強化構造的硬直性とウエハ着座形状構成が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体処理装置に関する。より詳細には本発明は、半導体ウエハを輸送と貯蔵するための搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ユニット領域当たりの回路数が増加するにつれて、半導体ウエハにとって粒子状物質がますます問題となっている。回路を崩壊し得る微粒子の寸法は、低下しつつあり、分子レベルに近づきつつある。微粒子制御は、半導体ウエハの製造、処理、輸送、および貯蔵の全段階中において必要である。搬送装置にウエハを挿入と取出する間と、輸送中の搬送装置内でのウエハの移動とによって生じる微粒子は、最小限に抑えるか、または避ける必要がある。
【0003】
スケールメリットによって決定される、半導体製造施設で用いられるウエハの寸法は、上昇し続けている。現在のところ、300mmウエハを処理する多数の製造施設が存在する。商業的に加工されるウエハの最大寸法はまもなく、450mmまで増加し得ると懸念されている。処理ウエハ寸法の有意に急激な増加によって、より小さな寸法のウエハでは存在しなかった新しい問題や課題が現れている。
【0004】
たとえばウエハ容器は、たとえば容器の上部に存在するロボットフランジを掴むことによって、ロボット制御で取扱われることが多いが、ウエハ容器は、多くの場合、依然として手動で取扱われ、通常、サイドハンドルが標準装備になっているか、または任意にサイドハンドルを有する。そのような容器は、9.07kg(20ポンド)前後の重量であることが多いので、ウエハを装填した標準300mmの容器の手動による輸送は、そのようなハンドルを用いると、職員にとってまだ比較的容易である。
【0005】
たとえば容器中のウエハ数とウエハ同士の間の間隔などの450mmウエハの規格は、既存の装置互換性とコストアップ圧力のため、現行の300mmウエハ容器規格と結構同じままであり得る。そしてもちろん、ウエハの口径が大きくなるほど、相応にウエハは重くなる。標準300mm容器内に提供されるウエハ数と同数の450mmウエハを保持するウエハ容器は、約18.14kg(40ポンド)の重量が見込まれる。この重量で手動取扱いは、より困難になり始める。
【0006】
より大きな容器に匹敵する厚さの重合体壁を用いることは、容器の十分な構造的硬直性を提供しないかもしれない。すなわち容器は、より大きな寸法とより大きな重合体の膨張のため、装填、移送、および出荷下で寸法的な安定性が低くなると予測され得る。壁を厚くし、更に有意な強化構造を付加することによって、450mmウエハ容器の重量は、更に増加するだろう。
【0007】
しかも従来式300mmウエハ容器は一般的に、射出成形される。匹敵する射出成形の常法と、匹敵するかより大きな壁厚とを用いる、より大きな容器の寸法を適切に制御することは、難しくなり得ると懸念される。現行の300mmウエハ容器は一般的に、ウエハと外部装置、すなわちウエハ支持体と幾何学的連結マシンインタフェースを連動する構成要素を位置付ける主要構造部材としてシェルを用いる。
【0008】
更に、空洞内部容積は、ドアを密閉式に受容する前開き部分の領域を有するので、有意に増加することになる。このことは、ドアと容器部分の間の密閉がより困難な問題であることを示唆する。
【0009】
より大きな寸法のウエハはまた、有意により大きな弛み(たるみ)を有することになる。この弛みは、取扱と輸送によって損傷を被り易くし、更により小さなウエハには求められない特有の支持体を必要とし得る。このより大きな弛みは、エンドエフェクタとして公知であるロボットアームによるロボット式のウエハの配置と取出を可能にしながら、なおウエハ同士の間の所望の間隔を維持することに難問を提示する。そのようなデバイスは、把持と取出されるべきウエハの全体的に下部の前開き容器内のウエハ同士の間に挿入される。ウエハを把持すべくエンドエフェクタを挿入する間に隣接ウエハかウエハ容器の何れかとエンドエフェクタが接触しないことは、決定的に重要な意味をもつ。ウエハが把持されると、エンドエフェクタまたは取出されるウエハによって、隣接するウエハまたは容器が削り落されるか、またはこれらと接触することなく、取出が成し遂げられなければならない。300mmウエハに比較して増加した450mmウエハの弛みは、300mm容器に比較して450mm容器においてそのような回収作業と配置作業を実質的により困難にする。同様に、ウエハ容器内にウエハを配置中の隣接ウエハまたは容器との接触は容認できない。現行の工業規格討議とSEMI(半導体装置と材料の国際工業会)による提案規格は、450mmウエハの把持に利用できるウエハの後方中心で(ウエハクッション構成に対して極めて後方中心で)68°(68度)を暫定的に許容している。そのような論議と提案規格はまた、エンドエフェクタによって把持または係合するウエハの前面中央で72°を提供する。従来式の前開きウエハ容器は、エンドエフェクタの挿入に係合を問題あるものにするウエハの過剰な前面弛みを提供し得る少なくとも約120°のアクセス開口を前面中央に提供する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第6,267,245号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従って、ウエハ弛みを最小限にすると共に、容器の重量を最低限に抑える設計特性を備える450mmウエハ容器の前開き構成の開発が望まれるだろう。更に、ドアに改良型密閉特性を提供する構成が望まれるだろう。しかもウエア容器における450mmウエハの貯蔵、同様にウエハのロボット取扱い中に対応すべく強化ウエハ支持体を提供する構成が望まれるだろう。シェル要素の反りまたは収縮によってウエハに生じ得る損傷を最小限に抑える容器を提供することもまた、望まれるだろう。
【課題を解決するための手段】
【0012】
水平軸方向に整列した配置でウエハを輸送または保持するためのウエハ容器または微小環境は、前開き部分と閉鎖可能なドアを備えた容器部分を有することが可能である。容器は、300mmよりも大きなウエハ、たとえば450mmウエハの輸送に特に適しているが、本明細書における特徴は、300mmウエハ容器と、他の寸法のウエハと他の基板用の容器への組込みに適切であり得る。
【0013】
本発明、本発明の特徴、および本明細書において記載される実施形態は、ウエハが常にほぼ水平である、もっぱら製造所で用いることが意図されるウエハ容器(300mmウエハ容器との関連においてFOUPSとして知られる)と、水平方向にウエハが装填と取外され、出荷または輸送にはウエハが垂直であるように、90°回転されるウエハ容器とに適用できると共に、それらの容器を有する。種々の施設同士の間でウエハを出荷すべく用いられる前記ウエハ容器は、300mmウエハ容器の関連においてFOSBS(前開き出荷ボックス)として一般的に知られている。
【0014】
一実施形態において、容器部分は、枠組とシェル部分を備える。枠組は、堅い幾何学的連結板、堅いウエハ支持体、および共に相互接続される堅いドアフレームなどの機能性インタフェース構成要素を備える。一または複数の部品を備え得るシェルは、それに取付けられる。特定実施形態において、枠組部分は、従来の重合体を超える強化構造硬直性を提供する金属、たとえばアルミニウムであり得る。更に、たとえばポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などの高力重合体は、枠組部分に用いられ得るか、または金属と重合体または種々の重合体を有する複合部品が用いられ得る。
【0015】
シェルは、その中に存在するウエハが見られるようにする透明な重合体によって形成されるのが好ましい。シェルは、従来のポリカーボネートか他の重合体によって形成され得ると共に、従来式に射出成形され得る。450mmウエハのより大きな容器に極めて適した一定の実施形態において、シェルは、真空形成され得る。しかも真空形成では、多重層の相溶性重合体が用いられ得る。シェルは、たとえば共に組立てられる2つのクラムシェル部品などの個別の部品によって形成され得るか、または単一の真空成形要素によって形成され得る。
【0016】
特定実施形態において、シェルは、限界寸法的要件、構造的要件、および機能的インタフェース要件の少なくとも1以上の要件とは無関係である。たとえば特定実施形態において、たとえば幾何学的連結、ドアフレーム、およびウエハ支持体などのインタフェース形状構成の位置付けにはシェルは、利用されない。むしろ、これらの形状構成または要素は、互いに接続され、シェルは、相互接続された機能性構成部品に取付けられる。シェルは、ドアフレームと容器の底部に幾何学的連結板で取付けられ得るが、ウエハ支持体に接続されないか、または容器の底部でウエハ支持体に接続されるだけかの何れかである。これは、成形変動からの機能的インタフェース構成の独立性を提供するが、重要な要素、特にウエハ容器の機能的インタフェース構成の性能または相対的配置には影響を及ぼさない。
【0017】
本発明の特定実施形態において、シェルは、外面から外向に突出する一体になった水平突起を有する。突起は、たとえば左側面、右側面、および背面の3つの側面上のシェル周囲に広がるバンドとして構成されることが可能である。突起はまた、シェル内部に凹部を区画形成し得る。突起は、外向に突出する壁の部分によって形成され得る。前記壁の厚さは、名目上、同じままである。バンドは、3つの全側面で連続し得るか、または左側面と右側面に位置付けられ得るが、背面の周囲または背面の周囲全体には広がらない。バンドは、最小重量コストでシェルに実質的な構造強度の強化を提供する一体な取扱い構成を提供する。シェルが真空成形によって形成される場合、2つのクラムシェル部品同士の間のインタフェースは、外向に突出するバンドにおいて適切になり得る。
【0018】
特定実施形態において、ウエハは、枠組の一部を構成するウエハ支持体によって支えられる。ウエハ支持体は、容器の上方ではなく底部でシェルに取付けられ得るか、またはシェルには全く取付けられず、その代わり容器の内部枠組にのみ取付けられ得る。
【0019】
ドアは、従来通りにキー操作されるラッチ機構と、ドアフレームのシールとを備える。特定実施形態において、ドアフレームによるドアと容器部分の間のインタフェースは、インターレース式接続を提供する。ドアフレームは、内向に係合スロットすなわち係合溝を有し、ドアは、係合溝に進入する係合突起を備え、それによって係合突起が係合溝内に拘束される。ドアフレームは、上方水平部分と下方水平部分を有し、一または複数の係合溝は、水平に延び、ドア上の一または複数の対応する係合突起も、水平に延びるので、前記係合溝に係合されると、係合突起を介してドアは、上側と下側に拘束される。同様に、ドアフレームは、左垂直部分と右垂直部分を備え、一または複数の係合溝は、垂直に延び、ドア上の一または複数の対応する係合突起も、垂直に延びるので、一または複数の前記係合溝内に係合されると、一または複数の係合突起を介してドアは、左側と右側に拘束され
る。係合溝は、ドアフレームの周囲に連続性または不連続性であり得ると共に、ドアは、ドアの周縁全体の周囲に延びる単一の共働する係合突起を有し得るか、ドア周縁の選択部分に1つ以上の係合突起を有し得る。特定実施形態において、係合スロットすなわち係合溝は、その中に着座する弾性シールを備えることになる。他の実施形態において、弾性シールは、係合溝の外に、あるいはドア上に位置付けられ得る。一般的に、弾性シールは、ドア開口を区画形成するドアフレーム全体の周囲に延びると共に、ドア周縁の全体に係合することになる。弾性シールはまた、ドア周縁全体の周囲に延び得ると共に、ドア開口を区画形成するドアフレーム全体に係合し得る。
【0020】
ドアフレームは、複数の要素によって形成され得る。特にドアフレームは、シェルをその間に挟込む2つの層または要素として構成され得る。これは、真空成形シェル部分にとって特に適した構成である。シール材は、微小環境の完全な密閉を促進すべく、そのような接合部で用いられ得る。ドアフレームは、たとえばアルミニウムなどの剛体材料、剛性重合体または複合構造によって形成されることが可能である。
【0021】
本発明の実施形態において、剛性フレーム部材は、重合体フレーム棚を支えることが可能であると共に、ウエハ棚を剛性幾何学的連結板に接続することが可能である。
本発明の実施形態において、シェル部分は、幾何学的連結板と共に組み立てられる一または複数の真空成形シェル部品と内部枠組によって構成される。
【0022】
特徴と利点は、容器部分の重量が、従来式ウエハ容器におけるよりも薄いシェル部分を用いることによって、最小限に抑えられ得ることである。
一定の実施形態において、シェルは、幾何学的連結と前面ドアフレームに対するウエハ支持体を搬送装置の底部に堅く固定する内部枠組を利用しながら、主として格納機能を提供する。特徴と利点は、シェルの偏向、移動、または膨張が、ウエハを直接移動させないこと、ウエハを巻き込まないことと、ウエハ着座位置が、偏向可能、移動性、または膨張性であるシェル部分から分離されていることとである。本発明の更に別の利点と特徴は、複合構造と、機能性インタフェース部分からシェルを分離することとが、たとえば反りと収縮などの大きな搬送装置の成形に関連する負の効果を最小限に抑えることである。
【0023】
特定実施形態において、シェルとは別個の要素ではない手動ハンドルを提供することが可能である。そのような構成の特徴と利点は、たとえばのっぺりとしたシェル壁に比較すると、強化された構造強度を手動ハンドルがシェルに提供することである。手動ハンドルは、2つの実質的に水平な壁部分、上部壁部分と底部壁部分、および実質的に水平な壁部分を接続すると共に、前記水平壁部分に一体の垂直壁部分によって構成され得る。水平壁部分は、上部水平壁部分と底部水平壁部分を同時に手で握れるようにする寸法の距離によって、垂直に分離されることが可能であり、ユーザの左手は、容器の左側面に存在する手動ハンドルを把持し、ユーザの右手は、容器の右側面に存在する手動ハンドルを把持する。
【0024】
300mm以上の大きさのウエハに特に適した本発明の更に別の特徴は、強化ウエハ支持体構成を有する。特定実施形態において、ウエハの周縁端部から間隔をおいた位置に下面ウエハ支持体を提供すべく、一または複数の積層の薄い(垂直方向に)片持突起を、カセットの背面から、容器の前開き部分(またはドア)のほうに前方に延ばすことによって、弛みを防止または軽減する。片持支持体は、ウエハを受容、支持、および取出するために垂直に積層された複数のスロットを区画形成する。一定の実施形態において、位置付けした前方に延びる片持支持体は、ウエハの周縁端部から少なくとも50mmに向かって延び、他の実施形態においてはウエハの周縁端部から少なくとも75mmに延びる。更に別の実施形態では、周縁端部内方を少なくとも100mm延び、他の実施形態において、周縁端部内方に少なくとも125mm延びる。一定の実施形態において、それぞれスロット
は、ウエハが片持突起上に載っている第1着座位置と、前記片持突起よりも上昇した第2着座位置とを有する。
【0025】
特定実施形態において、ウエハ容器は、水平V字形の溝を備えた、全般的に後方に位置する堅いウエハ拘束の一または複数の垂直積層を有することが可能である。V字形の溝を区画形成する面は、たとえばドアを挿入することによってドアフレームに係合させ、よってウエハがスロット内に後方に促されると、ウエハを上方に押し上げ、それによってウエハの前面暴露端部が、ドア上のウエハ拘束によって係合される。前面ウエハ拘束は、ドアとドアフレームの係合中にウエハ端部が、水平V字(水平に開口)の下方に傾斜した脚部分に乗り上げると、ウエハが更に上昇するよう強いるV字形の溝を有し得る。第2着座位置は、V字形溝の内部頂点によって規定され、第1着座位置の上方に位置する。
【0026】
幾つかの実施形態において、V字型係合部分のVの角度は、ウエハ周縁周囲のV字形部分の位置配置に依存して変化することが可能である。棚着座位置から、ドアが定位置にあり、ラッチされる第2位置へのウエハの持上げは、V字形着座部分に対してz方向にウエハが移動することによって生じる。より大きな450mmウエハを考慮すれば、ウエハが、V字形の頂点、すなわち着座位置に達すべく、乗り上げることが可能な幾つかのV字形着座位置を有することが有利である。V字形着座位置が、ウエハの挿入方向、すなわちz方向を直接向いている場合、下肢傾斜面は、緩やかな傾斜を備えることが可能であり、下方を向く上肢面と、上方を向く下肢面との間の角度は、最小になる。着座部分がよりx軸のほうを向いている位置、すなわち容器の背面よりも容器の側面のほうを向いている位置でV字形着座位置がウエハに係合する場合、下肢部分の傾斜は、より低くなり、下肢部分と上肢部分によって規定される角度は、より大きくなるだろう。V字形ウエハ部分に垂直な要素の動きは、ウエハ容器の背面でよりも、ウエハ容器の側面に向かってずっと少なくなるので、背面に比較して側面に向かうウエハ係合部分の角度Vがより大きくなることによって、ドアの挿入によってウエハが持上げられている場合、ウエハ端部の種々の周縁場所での連続する支持体が可能になる。これは、ウエハにおける弛みを最小限にする。V字形係合部分は、ウエハに係合すべく、水平に数ミリメータ、長さで5mm〜20mm延びる分離した離散部分であり得るか、または各スロットの背面に非常に長いか、連続性ですらあり得る。一定の実施形態において、係合部分の下肢部分は、湾曲を有することが可能であり、同様に側面により近く位置するウエハ係合部分の下肢部分の湾曲は、背側により近い係合部分の湾曲よりも急勾配になる。ここで留意すべきは、ドアが閉じられている時のウエハの上昇におけるV字形係合部分の利用が、特許文献1に開示されていることである。これは、本明細書において参照文献に盛り込んである。
【0027】
特定実施形態において、V字形溝の下肢部分は、上肢部分よりも長くなり得る。これは、弛みになり得る比較的大きなウエハに、より大きな係合領域を提供する。このV字形溝は、容器の背面内方の配置に適しており、また前面ウエハ拘束での配置にも適している。V字形溝の下肢部分の長さは、容器内に着座するウエハに対するV字形溝の位置に依存して変化する可能性がある。それによってウエハの装填中と、ドアが定位置にない着座位置から輸送またはドア着座位置にウエハが上昇する間の弛みに対応することが可能である。下方に延びる上下逆の出張り部分は、上方に広がる面を有する下肢部分を、下方に広がる面を有する隣接上肢部分に接続し得る。
【0028】
特定実施形態において、ドアの内方に取付けられる前面ウエハ拘束上のV字形溝は、全般的にドアに不動的に固定された第1取付部分すなわちドア基部部分と;ドアが容器に適用される場合にウエハに接触する第1部分である偏向可能な拡大パットであるウエハ係合部分と;ドア基部部分からウエハ係合部分に延びるドア中間部分とを有することが可能である。水平Vは、ウエハ拘束の長さ全体に延びることが好ましくなり得ると共に、ドア指部分を規定するドア中間部分上のV字形溝の頂点に長尺開口部を有する。ウエハ係合部分
におけるV字形溝の下肢部分は、ドア中間部分またはドア基部部分でのV字形部分の下肢部分よりも遠くに延びることが可能である。本発明の特徴においてウエハ拘束は、ドア基部部分、中間二重指部分としてのドア指部分、およびウエハ係合パッド部分を有し、ウエハ係合パッド部分は、さっと降下するか、または下方に角度をなして曲がり、それによって強化係合面を、弛んだウエハのウエハ端部に提供する。ドア中間部分での二重指部分としてのドア指部分は、同じ柔軟性の単一指に比較して、z方向の柔軟性を可能にしながら、捩り剛性を提供する。好適実施形態において、拡大パッドの下肢部分は、ドアが閉鎖されると、最初にウエハ端部に接触することになり、ウエハ係合点は、パッドに乗り上がり、実質的にウエハ拘束の長さがV字形の頂点内に入り込むことになる。
【0029】
一定の実施形態において、ウエハ棚は、隣接する棚と同じ個々の棚部分の積層によって形成される。部品の上部は、底部の鏡像であるため、単一棚部品の同じ型で、左側面の棚と右側面の棚の全体を製造できるようにし得る。一連の開口部は、整列と構造安定性と、構造枠組への取付けとのため、ロッドが積層した棚部品まで延びることができるようにし得る。
【0030】
好適実施形態において、それぞれ棚は、ウエハの周縁に従う最前方部分を有する。前記最前方部分は、着座時、ウエハの横方向に最外方端部から内方に50mm〜60mmの範囲の距離に延びる。別の実施形態において、最前方部分は、55mm〜65mmに延びることができ、別の実施形態において52mm〜56mmに延びることが可能である。それぞれ側のウエハ棚が、一体成形される、すなわち複数の棚が、単一ユニットとして成形される一定の実施形態において、横方向に沿って内方の凹部が、全体的に弓形の部分から後方に延びる末端部分によって提供される。前記凹部は、射出成形を容易にすべく、最大棚幅を維持する働きをする。これは、成形工程中にインサートが取出できるようにすべく、棚を形成する型インサート(および成形部品)に好適な抜き勾配を与える。一実施形態において、凹部は、全般的にV字に形成される。従って、平面図において棚の前面部分は、成形をより容易にするチェックマークの形状を有する。
【0031】
特定実施形態において、最外方の着座位置から内方にウエハ棚は、横寸法、すなわち棚の後方外方部分において14mm〜18mmの幅を有する。
これまで、ウエハ容器内に着座するウエハによって示される撓み問題と同様の妨害問題を挿入と回収中に提示するものとして、エンドエフェクタ、すなわち挿入と取出を行うべくウエハを把持するロボットハンドによる係合中の撓みが評価されなかったと考えられている。エンドエフェクタ上に着座する場合、ウエハの撓みは、ウエハの側面にあり、ドアが定位置になければ、容器部分において、その中に着座するウエハの撓みは、少なくとも前面にあり、更に容器の背面でのウエハ支持体配置に依存して前面と背面に存在する。従って、エンドエフェクタの弓形係合領域と容器部分の弓形係合領域を最適化することは、有益であろう。試験により、驚くべきことにウエハの側面だけで90°に広がる円孤でのウエハ支持体は、前開き部分だけでウエハ支持体の270°と本質的に同じ弛み抵抗性を提供すると測定された。従って、この考えをエンドエフェクタとウエハ容器の両方に利用することによって、ウエハが挿入と取出される場合のエンドエフェクタとの係合と、特にドアが定位置にない場合のウエハ容器との係合の両係合中に最適に最小撓みを提供することになる。従って、エンドエフェクタは理想的には、90°に近い円孤を規定する位置の前面周縁と背面周縁でウエハを把持または係合することになる。同様に理想的には、容器は、ドアが閉じていなければ、ウエハをウエハの各側面で少なくとも90°近く、その中に含まれる支持または係合することになる。2mm〜10mmの隙間は、ウエハ容器内におけるエンドエフェクタの外方縁とウエハ支持体の間で好適であると考えられる。
【0032】
ウエハが容器部分に着座する場合と、ウエハがウエハ容器の内外に移動している場合との両場合で撓みを最小限にすべく最適化された特定実施形態では、ドアが除去された場合
の容器部分においてロボット回収の準備が整った位置にウエハが着座する場合に、容器部分によって提供されるウエハ支持体の前開き部分は、およそ90°±8°になる。別の実施形態において、90°±5°になる。特定実施形態において、エンドエフェクタによってウエハ容器内でウエハを係合するための背面利用性は、前開き部分の角度アクセスに実質的に適合し得る前記ウエハ容器内でエンドエフェクタによって係合するための前面利用性に一致することになる。一実施形態において、エンドエフェクタによってウエハの前面で提供される支持体は、90°に近くなり、たとえば約84°〜88°になり、ウエハの背面周縁端部に提供された支持体は、90°に近くになり、たとえば約84°〜88°になり、ウエハ容器の櫛部または棚によって提供された左と右の側面支持体は、各々90°近くになり、たとえば約84°〜88°になる。
【0033】
ウエハ容器からウエハを挿入と取出するための周縁ウエハ支持体とエンドエフェクタを提供する組合せウエハ容器の特定実施形態において、ウエハ容器のそれぞれ側面ウエハ支持体は、80°よりも大きく広がり、エンドエフェクタを受容する前面アクセス開口は、85°〜100°になり、エンドエフェクタは、80°〜95°に円弧を区画形成する位置でウエハの背面周縁に係合すると共に、80°〜95°の円孤を区画形成する位置でウエハの前面周縁に係合するように構成され得る。容器は、前記エンドエフェクタによるウエハの背面周縁のアクセスを可能にし得る。すなわちウエハ周縁は、エンドエフェクタの背面係合位置では支えられない。
【0034】
ウエハ容器からウエハを挿入と取出すべく、周縁ウエハ支持体とエンドエフェクタを提供する組合せウエハ容器の特定実施形態において、ウエハ容器のそれぞれ側面ウエハ支持体は、85°よりも大きく広がり、エンドエフェクタを受容する前面アクセス開口は、85°〜90°になり、エンドエフェクタは、80°〜90°に円弧を区画形成する位置でウエハの背面周縁に係合すると共に、80°〜90°の円孤を区画形成する位置でウエハの前面周縁に係合するように構成され得る。容器は、前記エンドエフェクタによるウエハの背面周縁のアクセスを可能にし得る。すなわちウエハ周縁は、エンドエフェクタの背面係合位置では支えられない。
【0035】
ウエハ容器の特定実施形態において、エンドエフェクタによるウエハ容器内のウエハの背面周縁の利用可能な係合度における弓形範囲は、ウエハの前面周縁の利用可能な係合度における弓形範囲と、ウエハ容器内におけるウエハの側面右周縁の弓形連続性支持体と、ウエハ容器内におけるウエハの側面左周縁の弓形連続性支持体の10°以内である。
【0036】
一実施形態において、ウエハ容器から回収されるウエハの背面周縁端部とエンドエフェクタの係合の範囲は、少なくとも80°になり得る。特定実施形態において、ウエハ容器から回収されるウエハの前面周縁端部とエンドエフェクタの係合の範囲は、少なくとも80°になり得る。
【0037】
ウエハが着座する場合、ウエハ周縁または端部の最も後方の点は、ゼロ度に指定され、最も横方向に広がるウエハの点は、90°に指定され、最も前方のウエハの点は、180°に指定され、好適実施形態におけるウエハ棚は、115°〜130°の前方位置のほうにウエハの側面をウエハに沿って延びる。これは、130°〜100°の前面アクセス開口を提供する。別の実施形態において、115°〜140°のウエハ棚の範囲は、エンドエフェクタに130°〜80°の前面アクセス開口を提供する。
【0038】
特定実施形態において、一または複数の偏向可能なウエハ支持体すなわちウエハクッションはまた、特にウエハが第2着座位置に存在する場合、ウエハに係合する。ウエハ拘束は、内部枠組構造の部分であると共に、シェルの偏向、移動、または膨張など、シェルによって位置的に制御されない。
【0039】
一定の実施形態において、大きな450mmウエハの過剰な弛みを効果的に排除すると考えられる強化周縁底面支持体が、ウエハに提供される。このような場合にはドアが適所になく、ウエハがウエハ支持体上に着座する前開き容器内における周縁下面ウエハ支持体は、係合したC字形で周囲を約240°まで効果的に延び、一定の実施形態において約235°〜255°、特定実施形態において235°〜265°延びる。そのような実施形態において、ドアが定位置に存在する場合、第2レベルの支持体は、堅い非偏向、または偏向可能の何れか一方か両方のV字形溝を備えたウエハ拘束によって提供され得る。「偏向可能」とは、通常の使用において少なくとも1.5mmの運動能力を暗示する。そのような偏向は、通常の使用中、典型的には主として水平方向であるが、特に輸送中の衝撃を吸収する場合、垂直成分も有し得る。
【0040】
周縁底面支持体は、一実施形態においてウエハの端部の8mm以内であり、別の実施形態において8mm以内であり、更に別の実施形態において周縁支持体の15mm以内、更に別の実施形態において外縁の25mm以内であることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の450mmウエハ容器の斜視図。
【図2a】本発明のウエハ容器の分解図。
【図2b】本発明のウエハ容器の分解図。
【図3】本発明のウエハ容器の、シェルの斜視図。
【図4】本発明の容器部分の切欠斜視図。
【図5】本発明の容器部分の切欠斜視図。
【図6】本発明の下面ウエハ支持体範囲を示す略図。
【図7】本発明の幾何学的連結板、シェル、および内部枠組の組立配置を示す断面分解図。
【図8】本発明のシェル、ドアフレーム、およびドアの分解図。
【図9】要素部分を組立て、ドアを係合した図8の要素部分の組立て断面図。
【図10】第1レベルの支持体を区画形成する、片持支持体部材を例示するウエハ容器の略断面図。
【図11】第2レベルの支持体を区画形成する前方と後方のウエハ支持体を例示するウエハ容器の略断面図。
【図12a】本発明の450mmウエハ容器の斜視図。
【図12b】本発明のシェルが取外された、ウエハ容器の容器部分の斜視図。
【図13a】本発明のウエハ棚の下方斜視図。上方斜視図は、鏡像である。
【図13b】図13aとは反対側の、ウエハ棚の下方斜視図。上方斜視図は、鏡像。
【図14】本発明のウエハの挿入方向を直視する場所での、V字形着座部分の断面を例示するウエハ容器の断面図。
【図15】本発明のウエハ容器の側面の場所での、V字形着座部分の断面を例示するウエハ容器の断面図。
【図16】本発明のウエハ容器の部分断面図。
【図17】本発明の内部前面を示す、ウエハ容器のドアを示す斜視図。
【図18】本発明のウエハ容器のドアの内部に位置する、前面ウエハ拘束の部分拡大図。
【図19】図18のウエハ拘束の、裏面斜視図。
【図20】本発明の一体成形ウエハ支持体の断面図。
【図21】単一開口を備える、連続性ウエハ支持体の開口角度に対するウエハ弛み量のグラフ。
【図22】図21のデータ収集に利用される、ジグの斜視図。
【図23】2つの対向開口を備える、連続性ウエハ支持体の開口角度に対するウエハ弛み量のグラフ。
【図24】図23のデータ収集に利用される、ジグの斜視図。
【図25】審理中のSEMI規格4570Aによる隙間領域を備える、本明細書記載のエンドエフェクタとウエハ容器部分の図。
【図26】審理中のSEMI規格4570Aによる隙間領域を備える、エンドエフェクタと、ウエハ容器部分と、本発明の係合円弧との図。
【発明を実施するための形態】
【0042】
図1〜図12bに示すように、大きなウエハW、具体的には450mmウエハWに特に適したウエハ容器30の、種々の図と実施形態が例示される。ウエハ容器30は、全体的に容器部分40とドア42を備える。容器部分40は全体的に、左閉鎖側面43、右閉鎖側面44、閉鎖背面45、底部面46、上面47、および空洞内部48を有する。容器部分40は更に、内部枠組50、底部マシンインタフェース板54、シェル58、ドアフレーム60、およびドアウエハ棚70を備える。実質的に方形のドアフレーム60は、前開き部分を区画形成する。ドア42は、ドアラッチ機構80、周縁86、およびその上にウエハ拘束90を備えたドア内方面88を有する。ドアラッチ機構80は、鍵穴82とラッチチップ84を備える。ドアラッチ機構80は、容器部分40のドアフレーム60に選択的に係合することができ、更に弾性シール94を介して密閉する。
【0043】
図3、図4、図5、図7、図8、および図9に示すように、シェル58は、たとえばポリカーボネートなどの重合体によって形成されるのが好ましく、更にドアフレーム60の2つの部品114,116内にリップ110を挟込むことによって、ドアフレーム60に取付けられ得る。締め付けは、ネジ118によって達成され得る。同様に、シェル58は、底部マシンインタフェース板54と内部枠組50の間に挟込まれ、更にネジ118によって固定され得る。ドアフレーム60は、そのようなネジまたは他の手段によって、底部マシンインタフェース板54に取付けられ得る。内部枠組50は、U字形の上部フレーム部材122、U字形の底部フレーム部分124、および複数の離散取付部材128によって構成され得る骨格構造である。離散取付部材128は、内部枠組50を共に堅く固定すべく、上部フレーム部材122と底部フレーム部分124の間に延びる。
【0044】
ドアウエハ拘束すなわちドア櫛部としてのドアウエハ棚70は、拘束に一体になったポスト132を介して内部枠組50に直接に取付けられ得るか(図4を参照)、またはU字形の部品122,124への他の接続によって内部枠組50に直接に取付けられ得る。2つの物体の「直接的」取付けは、物体が留め具または他の手段によって隣接関係で共に保持されることを意味する。ドアフレーム60はまた、上部フレーム部材122と底部フレーム部分124の少なくとも一方に直接に取付けられ得る。ウエハ櫛部としてのドアウエハ棚70は、内部枠組50だけに直接に取付けられ、シェル58には直接に取付けられない。従って、シェル58の偏向、移動、または膨張によって、ウエハ櫛部としてのドアウエハ棚70には何れの力も直接加わらないので、ウエハWを移動させないか、ウエハWを巻き込まない。そのため、ウエハWは損傷されないだろう。ポスト132は、ネジ穴を備えることによって、ネジが組立て用のU字形部品122,124の穴を通って内部枠組50に延びることができるようにし得る。一実施形態において、内部枠組50、底部マシンインタフェース板54、およびドアフレーム60は、アルミニウムによって適切に形成され得る。シェル58は、真空成形または射出成形され得る。シェル58は、一体形成され得るか、または種々の部品で形成され、更に共に組立てられ得る。図3の点線は、別個のシェル部品を適宜に製造する潜在的境界線135,136および137を示す。
【0045】
図4、図10、および図11に示すように、ウエハ支持体は、容器部分40の裏面で容器部分40に固定される前方に延びる片持支持体138を備え得る。「く」の字形として例示される片持支持体138は、或る位置でのウエハWの弛みを好適に制御すべく適切に
配置される。
【0046】
一定の実施形態において、前方に延びる片持支持体138によって提供される支持体の位置付けは、ウエハWの端部から少なくとも50mmに延びる。他の実施形態において支持体は、ウエハWの周縁端部から少なくとも75mm,100mm,または125mm延びる。片持支持体138は、接触点に接触パッドを有し得る(図示略)。ウエハWは、スロット140で容器内に挿入することによって、支持体150の第1レベル150と第1着座位置151(第1ウエハ着座位置)を規定する片持支持体138上に載せ得る。この第1レベル150でウエハWは、片持支持体138によって独占的に支えられ得るか、またはウエハWの周縁端部で位置付けるべく係合され得る。ドア42が挿入されると、ウエハWは、前方V字形ウエハ拘束156と後方V字形ウエハ拘束158によって持上げられ、第2着座位置164(第2ウエハ着座位置)において第2ウエハ支持体レベル162にまで上昇する。第2着座位置164では、片持ウエハ支持体138は、ウエハWを支えていない。留意すべきは、第2着座位置164は、第1着座位置151の上方且つ僅かに後方である。
【0047】
図4の実施形態において、ウエハ拘束は、片持支持体138、堅い非偏向のV字形支持体158、およびV字形クッションか偏向可能拘束162を備える。偏向可能拘束162は、ウエハWが第2着座位置164に存在する場合、挿入と係合によるウエハWの端部に従う。図10と図11は、単一ウエハWを例示し、当然のことながら、記載されているようにウエハWの縦方向に整列した配列全体が移動と拘束される。
【0048】
図5に示すように、片持支持体138によって提供されるウエハWの中央に向かう支持体と言うよりも、下方隅か、好ましくは隅の7mm以内の何れかでウエハWの裏面に周縁支持体を提供する別の周縁支持体配置が例示される。図5において例示されるウエハ拘束は、ウエハWの前後方向の中間点を過ぎて延びる堅い非偏向支持体170,172と;容器部分40の背面に位置する堅い非偏向支持体174,176と;および容器部分40の後方隅に位置する偏向可能ウエハクッション180,182とを有する。図10と図11によって例示されると共に、関連文章によって記載される第1着座位置151と第2着座位置164はまた、図5の実施形態に適用する。第1着座位置151は、周縁端部から遠い支持体、すなわちウエハWの底面の中央部分の支持体によって規定されると言うよりはむしろ、第1着座位置151は、周縁端部の支持体によって規定される。
【0049】
図6に示すように、周縁支持体が、周囲に広がって、ウエハ周縁に約240°の支持体円弧194を区画形成する場合、周縁支持体は、450mmウエハWの過剰弛みを防止できるということが見いだされている。幾つかの実施形態において、支持体は、約235°〜255°広がり、一定の実施形態において、230°〜265°広がる。別の実施形態において、支持体間の開口は、85°〜110°である。これは、過剰弛みを排除するが、それでもたとえばウエハWを配置と取出するウエハエンドエフェクタなどのウエハWへの最大限の前面アクセスを可能にする。
【0050】
図1、図4、図8、図9、および図10に示すように、インターレース式のドア−ドアフレームインタフェース300を備える独特な構成が例示される。ドアフレーム60は、内部に向かう係合スロットすなわち係合溝310を有し、ドア42は、インターレース式の構造特性を提供すべく、係合溝310に入る舌状突起としての係合突起314を有し、それによって係合溝310内に係合突起314を拘束する。ドアフレーム60は、上部水平部分320と下部水平部分322を備える。その部分において一または複数の係合溝310が、水平に延び、容器部分40に対して内方に嵌め込まれ、ドア42上の一または複数の対応する係合突起314も水平に延び、後方に突出する。係合溝310に係合されると、係合突起314を経由してドア42が、上方と下方に拘束される。同様にドアフレー
ム60は、左垂直部分336と右垂直部分338を有し得る。その部分において、一または複数の係合溝310が、垂直に延び、ドア42上の一または複数の対応する係合突起314もまた、垂直に延び、更に一または複数の係合溝310に係合されると、ドア42は、左側と右側に拘束される。係合溝310は、ドアフレーム60の周囲に連続性または非連続性であり得る。同様にドア42は、ドア42の周縁全体の周囲に延びる単一の協働する係合突起314を有し得るか、ドア42の周縁の選択部分に1つより多くの係合突起314を備え得る。特定実施形態において、係合溝310は、その中に着座する弾性シール94を備えることになる。図9の領域352は、他の実施形態において、弾性シール94がスロットすなわち溝310の外に位置付けされ得る場合を示し、すなわちドア42上に位置付けされ得る。一般的に弾性シール94は、ドア開口を区画形成するドアフレーム60全体の周囲に広がり得ると共に、ドア周縁全体に係合し得る。弾性シール94はまた、ドア周縁全体の周囲に広がり、ドア開口を区画形成するドアフレーム60全体に係合し得る。
【0051】
図12aと図12bは、容器部分404とドア406を有するウエハ容器402を開示する更に別の実施形態を提供するが、明確にするため、外方シェルであるシェル38を除去して示されている。図2aと図2bの組立て分解図は、この実施形態に関する。容器部分404内に複数のV字形ウエハスロット414を区画形成する右側面ウエハ棚410と左側面ウエハ棚412、V字形断面を構成する背面スロット424を備える背面ウエハ拘束420、および柔軟性配置とV字形断面のドアスロット434を構成するドアV字形溝を有するドア406の内方面407に、前面ウエハ拘束430と前面ウエハ拘束432がある。V字形スロット414,424,434とこれらの要素を取囲んでいるV字形部分は、連携して輸送と貯蔵をおこなうべく、様々な寸法のウエハWを位置付けし、更に固定する。ウエハ容器のこれらの特徴と他の様々な特徴は、図14〜図20からも理解され得る。ウエハ棚70の詳細は、図13aと図13bにおいて示される。
【0052】
幾つかの実施形態において、発明の特徴は、ウエハWの周縁周囲のV字形部分の位置配置に依存するように、V字形係合部分のVの角度に変動を有し得る。一般に、第1着座位置151(ウエハ移送位置)から第2着座位置164(輸送位置)へのウエハWの上昇(図10と図11において示される第1着座位置151から第2着座位置164への移動と同じように)は、ドア406が定位置に置かれ、ラッチされる場合、V字形着座部分に対してz方向にウエハWが移動することによって生じる。
【0053】
図14は、背面ウエハ拘束420と、前面ウエハ拘束430,432とによるV字形スロット414,424,434に対するz方向を表示する。より大きな450mmウエハWを考慮すれば、ウエハWが乗り上がることによって、V字形の頂点で着座位置に達することが可能な幾つかのV字形着座部分を有することは有利である。
【0054】
V字形着座部分が、ウエハWの挿入方向を直接向く場合、つまりz方向を向く場合(たとえば背面ウエハ拘束420でのように)、下肢面510の斜面は、最大限でも緩やかな傾斜であり、上肢(下向)面512と下肢(上向)面510の間の角度αは、最小になる。たとえば図14におけるV字形支持体断面を参照する。V字形着座位置が、着座部分が、よりx軸方向、つまり容器の背面よりも容器の側面方向を向いている位置(側面ウエハ棚412の何処かのような)でウエハWに係合する場合、下肢面510の傾斜は、より大きくなり、下肢面520と上肢面522によって規定される角度βは、より大きくなる。たとえば図15におけるV字形支持体断面を参照する。V字形ウエハ部分に垂直な運動成分は、ウエハ容器の背面でよりもウエハ容器の側面方向にずっと少ないので、背面に比較して側面方向のウエハ係合部分でより大きな角度は、ウエハWがドア406の挿入によって持上がっている場合、ウエハ端部の種々の周縁場所で連続した支持体を可能にする。これは、ウエハWにおける弛みを最小限にする。V字形係合部分は、ウエハWに係合すべく
水平に数ミリメータ、長さで5mm〜20mm延びる分離型離散部分であり得るか、またはそれぞれスロットの背面で非常に長くなるか、連続性でさえあり得る。一定の実施形態において、係合部分の下肢面(上向)は、湾曲を有することが可能であり、同様に側面により近く位置するウエハ係合部分の下肢部分の湾曲は、背面により近い係合部分の湾曲よりも急勾配であり得る。ドア406の閉鎖時にウエハWを持上げる際のV字形係合部分の利用は、開示されている(特許文献1参照)。
【0055】
図16において見ることが可能であるV字形溝要素の独特の構造は、幾つかの有利な特徴を同様に有する。様々な実施形態において、V字形溝の容器下肢部分610のウエハ係合面である下肢ウエハ係合面609は、容器上肢部分612のウエハ係合面である上肢ウエハ係合面611よりも長くなり得る。その結果、1つの容器ウエハ支持体の容器下肢部分610は、すぐ下の容器ウエハ支持体の容器上肢部分612の範囲を超えて延びる。この構成は、弛みになり得る比較的大きなウエハWに、より大きな係合領域を提供するので有利である。このV字形溝は、背面ウエハ拘束420のように容器の背面内部での配置に適しており、更に前面ウエハ拘束430,432での配置にも適している。様々なタイプのこのフェイルセーフ機構横断面を有するウエハ支持体の利用が、同様に考えられている。V字形溝の下肢部分610の長さは、容器内に着座するウエハWに対するV字形溝の位置に依存して変化し得る。これは、ウエハWの装填中と、ドア406が定位置になければ、ウエハWが着座位置から輸送またはドア着座位置に上昇する間の弛みへの対応を可能にする。下方を向く出張り面としての下向出張り面613を有し且つ水平に延びる逆出張り部分614は、上方に面を広げるそれぞれ下肢部分を、下方に面を広げる隣接上肢部分に接続し得る。この形状構成は、この設計においてウエハWを格納するための非常に大きな安全対策と貯蔵力を提供する。
【0056】
図17〜図19は、本発明に従う前面ウエハ拘束としてのドアウエハ拘束430,432の一実施形態を示す。ドアウエハ拘束430,432は、ドア406のドア内方面407に取付けられると共に、ドアV字形溝434を有する複数の相互接続するドアウエハ支持体433を備える。ドアV字形溝434は、ドア406から外方と上方に延びるドア上肢部分436と、ドア406から外方と下方に延びるドア下肢部分438とによって区画形成される。ドア上肢部分436とドア下肢部分438が出会う場所に、それぞれドアV字形溝434の頂点440が規定される。前面ウエハ拘束430,432は、ドア406に区画形成される凹部409内の内方に角度をなすことが可能である。
【0057】
ドアウエハ支持体433はまた、ドア基部部分460とドア初期ウエハ係合部分462を有する。ドア基部部分460は、全般的にドア406に不動的に固定される第1取付部分である。ドア初期ウエハ係合部分462は、偏向可能であり、ドア406が容器部分40に適用されると、ウエハWに接触する第1部分である拡大パッドである。ドア中間部分464は、ドア基部部分460をドア初期ウエハ係合部分462に接続することが可能である。ドア中間部分464は、ドア指部分472を区画形成するV字形溝の頂点に、長尺開口部470を有することが可能である。水平Vは、好ましくは前面ウエハ拘束430,432の長さ全体に延び得る。ドア初期ウエハ係合部分462の下肢部分480は、V字形溝の頂点が、長尺開口部470からドア初期ウエハ係合部分462の末端部分にかけて上肢の上部部分のほうに角度をなすため、上肢部分482よりも大きくなることが可能である。隣接するドアウエハ支持体433同士は、それぞれドア基部部分460において相互接続される。一方、隣接するドアウエハ支持体433同士は、ドア初期ウエハ係合部分462とドア中間部分464においては相互接続されず、それぞれドア初期ウエハ係合部分462とドア中間部分464はドア基部部分460から突出する。
【0058】
従って、本発明の特徴においてウエハ拘束は、ドア基部部分460、中間二重指部分としてのドア指部分464、およびドア初期ウエハ係合部分462を有する。ウエハ係合パ
ッド部分としてのドア初期ウエハ係合部分462は、さっと降下するか、下方に角度をなすことによって、弛んだウエハWのウエハ端部に強化係合面を提供する。ドア中間部分464の二重指部分としてのドア指部分472は、たとえば同じ柔軟性をもつ単一指部分のような場合に比較すると、z方向の柔軟性を可能にすると同時に、捩り剛性を提供する。好適実施形態において、ドア初期ウエハ係合部分462の下肢部分480は、ドア406が閉じられる場合、最初にウエハ端部に接触し、更にウエハ係合点がパッドに乗り上がり、V字形の頂点内に入り込むと偏向する。
【0059】
図13aと図13bに示すように、弓状側面ウエハ棚410と412は、隣接する棚と同じ個々の棚部分の積層によって簡単に形成され得る。そのような実施形態は、単一成形棚部分を形成しなくてもよい。前記単一成形棚部分は、そのような成形要素が困難な製造形状であるため、作るのが難しくなり得る。部品の上部は、底部の鏡像であり得るので、同じ単一棚部品の型で、左側面の棚と右側面の棚の全体を作れるようになる。一連の開口部483は、整列と構造安定性のため、並びに構造的枠組への取付けのため、ロッドが積層棚部品を通って延びるようにする。開口部483は通常、個々の棚部の周縁周囲の多数の場所に位置する。弓形係合領域485は、実質的に要素の長さに広がる。V字形支持体487の半体が、要素の両側に位置付けられる。
【0060】
好適実施形態において、それぞれ棚は、ウエハWの周縁に従うと共に、着座する場合、ウエハWの横方向に最外端部から内方に50mm〜60mmの距離延びる最前方末端675を有する。別の実施形態において、距離は、55mm〜65mmであり、更に別の実施形態においては52mm〜56mmである。
【0061】
図20に示すように、一定の実施形態において、両側のウエハ棚410と412が一体成形される場合、すなわち複数の棚が、単一単位として成形される場合、支持体脚部分678は、前方末端675から鋭角で延びることが可能であり、それによって、横方向に内方の凹部680を区画形成する。支持体脚部分678は、射出成形を容易にすべく、重合体の膨張を最小にして最大棚幅を維持する働きをする。これは、棚を形成する型インサート(および成形部品)に好適な抜き勾配を与えることによって、成形工程中にインサートが取出できるようになる。しかもポリマの膨張が低下することによって、収縮と反りの問題が最小限になる。従って平面図において棚の前面部分は、チェックマークの形状を有する。
【0062】
幾つかの好適実施形態において、最も外方の着座位置から内方にウエハ棚410,412は一般に、横寸法、すなわち棚の後方外方部分に14mm〜18mmの幅を有する。また、ウエハWが着座したら、ウエハWと容器配置の全般的配置が記載され得る。ウエハ周縁または端部の最後方点をゼロ度に指定すると、最も横方向に延びるウエハWの点は、90°にあり、最も前方のウエハWの点は、180°に存在する。この配置と参照枠組に従って、好適実施形態におけるウエハ棚410,412は、ウエハWの側面上をウエハWに沿って115°〜130°の範囲を延びる。別の実施形態において、115°〜140°の範囲が用いられる。ウエハ棚410,412に対する様々な他の配置もまた可能である。
【0063】
図21〜図24に示すように、450mmウエハWの弛みを試験する一対のジグが例示され、そのようなジグを用いる試験結果も例示される。エンドエフェクタによる係合中の弛みは、ウエハ容器によって提示された弛み問題のように匹敵する妨害問題を挿入と回収中に示すという事実は認識されてこなかったと考えられている。事実、300mmの取扱いでは、これは、重要な問題ではなかった。試験は、450mmウエハWが従来式のエンドエフェクタによって取扱われる場合に有意な弛みを立証した。この弛みは、ほぼ50%排除できるが、同時にウエハ容器内の弓形支持体によって優れた弛み防止を提供した。
【0064】
図21のグラフは、連続性周縁端部支持体と単一開口の場合、開口が約90°を超えて増加すると、ウエハ弛み量の急増610が生じることを例示する。従って、歯状突起の成形、でなければ組立てにおける困難さを考慮すれば、約90°の前面開口は、弛み防止において容易さと有益性の点で成形と組立ての最適な組合せに近いものであると示される。図23と図24は、ウエハWの側面のみで90°に広がる円弧でのウエハ支持体が、前開き部分のみを備える270°のウエハ支持体と本質的に同じ弛み抵抗性を提供するという驚くべき結果611を提示する。従って、最大限の弛み防止を得るためのウエハWの後部の全体またはほぼ全体の周囲に連続性またはほぼ連続性の周縁支持体の必要性が、予想外に反証された。従って、エンドエフェクトの前方係合円弧と後方係合円弧を増やし、更にウエハ後部の連続したアクセス領域を必然的に排除するか、またはアクセス領域を減らすことによって、エンドエフェクタによる移送中とウエハWが着座する間の弛みを減らす最適な組合せがもたらされる。
【0065】
従って、最適にはエンドエフェクタ前方と後方の係合円弧、ウエハ容器側面係合円弧は、全て90°近くなる。挿入と取出に必要な隙間は、最大円弧を約88°にまで減じる。従って、エンドエフェクタは、理想的には90°に近い円弧を区画形成する位置の前面周縁と背面周縁でウエハWを把持または係合することになる。同様に、容器は理想的には、ドア406が閉じられていなければ、ウエハWのそれぞれ側面で少なくともほぼ90°、その中に含まれるウエハWを支えるか、係合することになる。
【0066】
図25は、本明細書において記載される容器部分562の実施形態における450mmウエハWに係合するための提案工業最大許容寸法のエンドエフェクタ560を例示する。
図26は、容器部分572との組合せにおける破線で示される増大サイズのエンドエフェクタ570との組合せを例示する。係合位置576は、ウエハWに係合すると共に、係合円弧を区画形成する。
【0067】
提案工業規格は、ウエハ623の前面弓状係合領域622に係合するため、ウエハ周縁の背面弓状係合領域621における68°の許容最大係合円弧620と、前面弓状係合領域622における72°の最大値の許容最大係合円弧とを、ウエハWの周縁に有する。本明細書における発明は、背面弓状係合領域631における90°に近い増大エンドエフェクタ係合円弧630と、前面633における90°に近い前方係合円弧632とを提供する。しかもウエハWの側面係合は、ウエハWの外方周縁で弓形係合領域639に係合すべく、右側面の係合円弧636と、左側面の係合円弧638とにおいて、それぞれ少なくともほぼ90°であることが好ましい。特にウエハ容器は、係合のエンドエフェクタ位置の後方に有意なウエハ支持体領域を有し得る。すなわちウエハWとエンドエフェクタの接触は、90°に近い円弧を区画形成するただ2点であり得る。特定度数に「近い」は、本明細書において10°を含んでいることを意味し、すなわち90°に近いは、80°〜90°を意味する。本明細書において特定度数を引き合いに出す場合の「約」は、5°以内を意味する。
【0068】
本明細書において用いられる場合の「接続」と「係合」は、明記されなければ、要素と要素の直接的な物理的接触を必要としないが、係合または接続を完了するか、これらに寄与する中間要素を有し得る。ウエハWを保持するように例示される実施形態とそれに関して例示される本発明の特徴はまた、たとえば平面パネルなどの他の基板に適用するものとして解釈されるべきである。
【0069】
上記の開示物は、詳細な技術的コンテンツとその発明の特徴に関連する。当業者は、その特徴から逸脱することなく、記載されるような本発明の開示物と示唆に基づく様々な変更と置換を進め得る。そうは言うものの、そのような変更と置換は、上記の説明において
完全には開示されていないが、実質的に本発明の趣旨と技術的理論の適用範囲に入っている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸方向に整列した相隔たる水平大口径の半導体ウエハとしてのウエハを積層する前開きのウエハ容器であって、前記ウエハ容器は、
空洞内部と前開き部分を区画形成する容器部分であって、前記ウエハを収容する前記容器部分は、複数の前記ウエハを受容と保持する複数の容器スロットを前記空洞内部内に有し、前記前開き部分は、ドアフレームによって区画形成されることと;
前記前開き部分を閉じるべく前記ドアフレームに選択的に取付可能なドアであって、前記ドアは、前記ドアフレームに選択的に係合可能なドアラッチ機構と;ドア内方面と;ドア外方面と;前記ドア内方面に配置されたドアウエハ固定器具とを有することと
を備え、
前記ドアウエハ固定器具は、複数の相互接続されるドアウエハ支持体を備え、
それぞれ前記ドアウエハ支持体は、前記ドアが前記ドアフレームに取付けられた場合に前記ウエハの前面周縁端部を係合するために垂直に整列し、且つ水平に延びる長さを有し、
それぞれ前記ドアウエハ支持体は、
前記ウエハ容器に不動的に取付けられるドア基部部分と;
偏向可能なドア初期ウエハ係合部分と;
前記ドア基部部分を前記ドア初期ウエハ係合部分に接続するドア中間部分であって、前記ドア中間部分と前記ドア初期ウエハ係合部分は、前記ドア基部部分から突出することとを備え、
互いに隣合う前記ドアウエハ支持体は、前記ドア基部部分に沿って互いに接続されるが、前記ドア中間部分と前記ウエハ係合部分に沿っては互いに接続されず、
それぞれ前記ドアウエハ支持体は、横から見る場合、頂点を備えるV字形ウエハ係合面を区画形成するドア上肢部分とドア下肢部分を有し、
前記ドア上肢部分は、前記ドアから外方と上方に延び、
前記ドア下肢部分は、前記ドアから外方と下方に延び、
前記ドア上肢部分と前記ドア下肢部分は、それぞれ前記ドアウエハ支持体の前記長さに沿って延び、
それぞれ前記ドア中間部分は、長尺開口部と、前記長尺開口部から水平に延びる一対のドア指部分とを有し、前記ドア指部分は、前記ドア基部部分と前記ドア初期ウエハ係合部分の中間に存在する
ことを特徴とする、ウエハ容器。
【請求項2】
前記ドア中間部分と前記ドア初期ウエハ係合部分は、それぞれ上部縁と底部縁を有し、
前記上部縁と前記底部縁は、それぞれ前記ドア初期ウエハ係合部分の遠位末端に近づくと下方に曲がるように形成されている、
請求項1記載のウエハ容器。
【請求項3】
前記ウエハ係合部分の外形は、L字形であり、
前記ドアが直立状態で前記前開き部分の定位置に存在する場合、前記L字形は反転し且つ傾斜する、
請求項1記載のウエハ容器。
【請求項4】
前記ドア基部部分の外方面が、前記ウエハ係合部分の外方面よりも前記ドア内方面から遠くに存在するように、前記ドアウエハ支持体は角度をなすように構成される、
請求項1記載のウエハ容器。
【請求項5】
垂直軸線に沿って積層配列で位置付けられた複数の大口径半導体ウエハとしてのウエハを受容する前開きのウエハ容器であって、前記ウエハ容器は、
空洞内部を区画形成する左閉鎖側面、右閉鎖側面、閉鎖背面、および前開き部分を有する容器部分であって、前記空洞内部は、前記ウエハを受容と収容するための複数の容器スロットを有することと;
前記前開き部分を閉じるべく前記容器部分に取付可能なように、前記容器部分に選択的にラッチ可能なドアと
を備え、
前記容器部分は、前記空洞内部において垂直に整列した相互接続する複数の容器ウエハ支持体からなる右カラムと左カラムを備え、前記右カラムは近位壁としての前記右閉鎖側面に近接し、前記左カラムは近位壁としての前記左閉鎖側面に近接し、前記右カラムと前記左カラムは、それぞれ前記容器スロットを区画形成し、
それぞれ前記容器ウエハ支持体は、
それぞれ対応する前記近位壁から角度的に下方と外方に延びる容器下肢部分であって、前記容器下肢部分は、前記近位壁から外方を向く上向きの下肢ウエハ係合面を有することと;
それぞれ対応する前記近位壁から角度的に上方と外方に延びる容器上肢部分であって、前記容器上肢部分は、前記近位壁から外方を向く下向きの上肢ウエハ係合面を有することと
を有し、
前記下肢ウエハ係合面は、前記上肢ウエハ係合面よりも長く、
前記容器下肢部分は、水平に延びる逆出張り部分を有し、前記逆出張り部分あ、前記上肢ウエハ係合面から突出する下向出張り面を有する
ことを特徴とする、ウエハ容器。
【請求項6】
前記下向出張り面と、すぐ下の前記容器上肢部分とは、前記容器下肢部分に一体になっている、
請求項5記載のウエハ容器。
【請求項7】
前記下向出張り面は、全体的に水平である、
請求項5記載のウエハ容器。
【請求項8】
垂直軸線を有する積層配列で位置付けられた複数の大口径の半導体円形ウエハとしてのウエハを受容する前開きのウエハ容器であって、前記ウエハ容器は、
空洞内部を区画形成する左閉鎖側面、右閉鎖側面、閉鎖背面、および前開き部分を有する容器部分であって、前記空洞内部は、前記ウエハを受容と収容するために前記空洞内部の中央に位置付けられた複数の容器スロットを有することと;
前記前開き部分を閉じるべく前記容器部分に取付可能であるように、前記容器部分に選択的にラッチ可能なドアと
を備え、
前記容器部分は、前記空洞内部内に垂直に整列するように相互接続する容器ウエハ支持体の左カラムと右カラムを有し、前記左カラムは前記左閉鎖側面に近接し、前記右カラムは前記右閉鎖側面に近接し、
それぞれ前記対は、前記ウエハに周縁支持体を提供すべく、前記ウエハの円形に従う弓形の半径方向内向の縁を有し、
それぞれ前記カラム対は、前記前開き部分の周方向に広がる最も内方且つ前方に、垂直積層支持体の先端を有し、その結果、前記積層ウエハ配列の軸線に対する前記垂直積層支持体の先端同士の間の開口は、85°〜110°である
ことを特徴とする、ウエハ容器。
【請求項9】
前記垂直積層支持体の先端同士の間の前記開口は、88°〜105°である、
請求項8記載のウエハ容器。
【請求項10】
それぞれ前記カラムは、
前記ウエハの周縁端部に従う弓形部分と前端を有し、
前記弓形部分に対して鋭角で、前記前端からそれぞれ側面に向かって延びる支持体脚部を一体成形構造で有する、
請求項8記載のウエハ容器。
【請求項11】
垂直軸線に沿って積層配列で位置付けられた複数の大口径円形の半導体ウエハとしてのウエハを受容する前開きのウエハ容器であって、前記ウエハ容器は、
空洞内部を区画形成する左閉鎖側面、右閉鎖側面、閉鎖背面、および前開き部分を有する容器部分であって、前記空洞内部は、前記ウエハを受容と収容するために前記空洞内部内の中央に位置付けられた複数の容器スロットを有することと;
前記前開き部分を閉じるべく前記容器部分に取付可能であるように、前記容器部分に選択的にラッチ可能なドアと
を備え、
前記容器部分は、前記空洞内部に垂直に整列した相互接続する容器ウエハ支持体の一対のカラムを備え、前記対の一方は、前記左閉鎖側面に近接し、もう一方は、前記右閉鎖側面に近接し、
それぞれ前記対のカラムは、前記円形ウエハの前記周縁端部に従う弓形部分と前方端を備え、更に前記弓形部分に対して鋭角で前記前方端から前記側面に向かって延びる支持体脚部をように一体成形構造で備える
ことを特徴とする、ウエハ容器。
【請求項12】
それぞれ前記対のカラムは、前記ウエハに周縁支持体を提供すべく、前記ウエハの前記円形の形に従う弓形形を備えた半径方向内方の縁を備え、
それぞれ前記対のカラムは、前記前開き側面の周囲に広がり、最も内方と前方に垂直積層支持体の先端を有し、その結果、前記積層ウエハ配列の前記軸線に対して測定された前記それぞれ垂直積層支持体の先端同士の間の前記開口は、85°〜110°である、
請求項11記載のウエハ容器。
【請求項13】
450mm径の半導体ウエハとしてのウエハを収容可能な前開きのウエハ容器であって、前記ウエハ容器は、
前記ウエハを装填と取外すための前開き部分を区画形成し、且つ前記ウエハを保持するための複数のスロットを備える空洞内部を区画形成する容器部分と;
前記前開き部分を選択的に閉じるべく、前記前開き部分において前記容器部分に取付可能なドアラッチ機構を備えるドアと
を備え、
前記容器部分は、内部枠組とシェルを備え、
前記内部枠組は、
上部U字形部分を備える上部フレーム部材と;
前記前開き部分を区画形成すると共に前記上部フレーム部材に直接に取付けられる実質的に方形のドアフレームと;
U字形部分とマシンインタフェースを備える底部フレーム部分であって、前記底部フレーム部分は、前記ドアフレームに直接に取付けられることと;
前記上部フレーム部材と前記底部フレーム部分に直接に取付けられる複数のウエハ櫛部と;
前記内部枠組を堅く固定するため、前記上部フレーム部材と底部フレーム部分の間に延びる複数の離散取付部材と
を有し、
前記シェルは、前記ドアフレームに密閉するように取付けられるU字形部分と;閉鎖上
面と;左閉鎖側面と;および右閉鎖側面とを有する
ことを特徴とする、ウエハ容器。
【請求項14】
前記シェルは、単一部品である、
請求項13記載のウエハ容器。
【請求項15】
前記シェルは、中央接合点で互いに接合される上部部分と底部部分を有する、
請求項13記載のウエハ容器。
【請求項16】
前記シェルは、前記内部枠組の底部支持体に接続される、
請求項13記載のウエハ容器。
【請求項17】
大口径半導体ウエハを収容する前開きのウエハ容器であって、前記ウエハ容器は、
空洞内部を区画形成する左閉鎖側面、右閉鎖側面、閉鎖背面、前開き部分を有する容器部分であって、前記空洞内部は、前記ウエハを受容と収容するための複数のスロットを有することと;
前記前開き部分を閉じるべく前記容器部分に取付可能であるように、前記容器部分に選択的にラッチ可能なドアと
を備え、
前記容器部分は、前記ウエハに対応するウエハ対応手段を備える
ことを特徴とする、ウエハ容器。
【請求項18】
前記ウエハ対応手段は、前記ドアの内方面であるドア内方面に配置されたドアウエハ固定器具を有し、
前記ドアウエハ固定器具は、前記ドアが前記ドアフレームに取付けられると、前記ウエハの前面周縁端部に係合すべく、垂直に整列し且つ水平に延びる複数の相互接続するドアウエハ支持体を備え、
それぞれ前記ドアウエハ支持体は、長さを有し、
それぞれ前記ドアウエハ支持体は、
前記ウエハ容器に不動的に取付けられたドア基部部分と;
偏向可能なドア初期ウエハ係合部分と;
前記ドア基部部分を前記ウエハ係合部分に接続するドア中間部分であって、前記ドア中間部分と前記ドア初期ウエハ係合部分は、前記ドア基部部分から突出することと
を備え、
互いに隣接する前記ドアウエハ支持体は、それぞれ前記ドア基部部分に沿って互いに接続されるが、前記ドア中間部分と前記ウエハ係合部分に沿っては互いに接続されず、
横から見た場合、ドア上肢部分は、頂点を有するV字形ウエハ係合面を区画形成するドア上肢部分とドア下肢部分を有し、
前記ドア上肢部分は、前記ドアから外方と上向に延び、
前記ドア下肢部分は、前記ドアから外方と下向に延び、
ドア上肢部分とドア下肢部分は、前記ドアウエハ支持体の前記長さに延び、
前記ドア中間部分は、長尺開口部と、前記長尺開口部から水平に延びる一対のドア指部分とを有し、前記ドア指部分は、前記ドア基部部分と前記ドア初期ウエハ係合部分の中間に存在する、
請求項17記載のウエハ容器。
【請求項19】
前記ウエハ対応手段は、前記空洞内部に垂直に整列するように相互接続するウエハ支持体の左カラムと右カラムを有し、前記左カラムは近位壁としての前記左閉鎖側面に近接し、前記右カラムは近位壁としての前記右閉鎖側面に近接し、前記左カラムと前記右カラムは、前記スロットを区画形成し、
それぞれ前記ウエハ支持体は、
それぞれ対応する前記近位壁から角度的に上方と外方に延びる上肢部分であって、前記上肢部分は、前記近位壁から見て外方に向く上肢ウエハ係合面を備えることと、
前記近位壁から角度的に下方と外方に延びる下肢部分であって、前記下肢部分は、前記近位壁から見て外方に向く下肢ウエハ係合面を備えることと
を備え、
前記下肢ウエハ係合面は、前記上肢ウエハ係合面よりも長く、
前記上肢部分は、水平に延びる逆出張り部分を有し、前記逆出張り部分は、前記下肢ウエハ係合面から突出する下向出張り面を有する、
請求項17記載のウエハ容器。
【請求項20】
前記ウエハ対応手段は、前記空洞内部に垂直に整列するように相互接続するウエハ支持体の左カラムと右カラムを有し、前記左カラムは、近位壁としての前記左閉鎖側面に近接し、前記右カラムは、近位壁としての前記右閉鎖側面に近接し、
それぞれ前記左カラムと前記右カラムは、前記ウエハに周縁支持体を提供するため、前記ウエハの円形に従う弓形の半径方向内部に縁を有し、
それぞれ前記左カラムと前記右カラムは、前記前開き部分の周囲に広がり、最も内方の前方に垂直積層支持体の先端を有することによって、積層される前記ウエハの配列の軸線に対して測定されたそれぞれ前記垂直積層支持体の先端同士の間の開口は、85°〜110°である、
請求項17記載のウエハ容器。
【請求項21】
前記ウエハ対応手段は、前記空洞内部に垂直に整列するように相互接続するドアウエハ支持体の左カラムと右カラムを有し、前記左カラムは前記左閉鎖側面に近接し、前記右カラムは前記右閉鎖側面に近接し、
それぞれ前記左カラムと前記右カラムは、前記ウエハの円形の周縁端部に従う弓形部分と前方端を有し、
それぞれ前記左カラムと前記右カラムは、前記弓形部分に対して鋭角で前記前方端からそれぞれ対応する前記左閉鎖側面または前記右閉鎖側面に延びる一体成形構造の支持体脚部分を備える、
請求項17記載のウエハ容器。
【請求項22】
前記ウエハ対応手段は、内部枠組とシェルを有し、
前記内部枠組は、
上部U字形部分を有する上部フレーム部材と;
前記前開き部分を区画形成するように、前記上部フレーム部材に直接に取付けられる方形のドアフレームと;
底部U字形部分とマシンインタフェースを備える底部フレーム部分であって、前記底部フレーム部分は、前記ドアフレームに直接に取付けられることと;
前記上部フレーム部材と前記底部フレーム部分に直接に取付けられる複数のウエハ櫛部と;
前記内部枠組を堅く固定すべく、前記上部フレーム部材と底部フレーム部分の間に延びる複数の離散取付部材と
を備え、
前記シェルは、前記ドアフレームに密閉的に取付けられたU字形部分と;閉鎖上面と;左閉鎖側面と;および右閉鎖側面を備える、
請求項17記載のウエハ容器。
【請求項23】
450mmの大口径のウエハを自動的に挿入と取出するために、前開きのウエハ容器と、エンドエフェクタとを用いるウエハ取扱方法であって、前記ウエハ取扱方法は、
前記ウエハの前方弓形係合部分と後方弓形係合部分において、前記エンドエフェクタによって前記ウエハを把持する把持段階であって、前記前方弓形係合部分は前記ウエハの前面で約80°〜90°に亘って前記ウエハの周縁周囲に広がり、前記後方弓形係合部分は、前記ウエハの背面で約80°〜90°に亘って前記周縁周囲に広がることと;
前記ウエハ容器内に前記ウエハを挿入と着座させる段階であって、前記ウエハ容器は、ウエハ支持体と、90°〜110°の開口とを備え、前記ウエハ支持体は、約80°〜90°の前記ウエハ容器の側面の弓形係合領域を区画形成することと
を有することを特徴とする、ウエハ取扱方法。
【請求項24】
前記ウエハ容器からウエハを挿入と取出するためのウエハ容器であって、
前記ウエハ容器は、
エンドエフェクタを受容する85°〜110°の範囲の前面アクセス開口と;
85°よりも大きく広がる側方ドアウエハ支持体と
を有することを特徴とする、ウエハ容器。
【請求項25】
複数の弓形側方ウエハ棚と、複数のV字形支持体とによってそれぞれ区画形成される複数のスロットを有する前開きのウエハ容器であって、
ウエハが前記V字形支持体の頂点に係合される場合、それぞれ前記スロットは、前記ウエハを輸送位置に配置し、前記ウエハが前記弓形側方ウエハ棚に存在する場合は前記ウエハを移送位置に配置するように構成され、
前記移送構成においてそれぞれ前記ウエハは、一対の前記側方弓形ウエハ棚によって支えられ、前記側方弓形ウエハ棚は、前記ウエハ容器のそれぞれ側面に位置し、それぞれ前記弓形側方ウエハ棚は、前記ウエハの周縁で少なくとも90°の係合を提供するように構成され、
前記ウエハ容器は、前記ウエハ容器の内外に前記ウエハを搬送するためのロボットアームを受容するためのアクセス開口を有し、前記弓形側方ウエハ棚の中間に存在する前記アクセス開口は、ウエハの前面端部への85°〜110°のロボット係合アクセスを提供するように構成され、
前記ウエハが前記スロット内で前記移送位置に存在する場合、前記ウエハは、前記ウエハ容器部分の背面の少なくとも2つの位置では支えられず、前記2つの位置は、前記ウエハの周縁周囲に少なくとも70°広がるように構成されている
ことを特徴とする、ウエハ容器。
【請求項26】
複数の弓形側方ウエハ棚と複数のV字形支持体によって区画形成される複数のスロットを有する前開きのウエハ容器であって、
それぞれスロットは、前記ウエハが前記V字形支持体の頂点に係合される場合、前記ウエハを輸送位置に配置し、前記ウエハが前記弓形側方ウエハ棚上に存在する場合、前記ウエハを移送位置に配置するように構成され、
前記移送位置に存在する前記ウエハは、一対の前記側方弓形ウエハ棚によって支えられ、前記側方弓形ウエハ棚は、前記ウエハ容器のそれぞれ側面に存在し、
前記ウエハ容器は、前記ウエハ容器の内外に前記ウエハを搬送するためのロボットアームを受容するように前記側方弓形ウエハ棚の中間に存在するアクセス開口を有し、前記アクセス開口は、前記ウエハの前面端部への85°〜110°のロボット係合アクセスを提供するように構成され、
前記ウエハが前記スロット内の前記移送位置に存在する場合、前記ウエハは、前記ウエハ容器部分の背面の少なくとも2つの位置では支えられず、前記2つの位置は、前記ウエハの周縁周囲に少なくとも約70°広がるように構成されている
ことを特徴とする、ウエハ容器。
【請求項27】
本明細書に記載と例示されるウエハ容器。
【請求項28】
本明細書に記載と例示されるウエハ容器の部品。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12a】
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【図12b】
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【図13a】
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【図13b】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公表番号】特表2011−510491(P2011−510491A)
【公表日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−542425(P2010−542425)
【出願日】平成21年1月13日(2009.1.13)
【国際出願番号】PCT/US2009/030870
【国際公開番号】WO2009/089552
【国際公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【出願人】(505307471)インテグリス・インコーポレーテッド (124)
【Fターム(参考)】