説明

大豆製品とジオイック・アシドとを含有する組成物

【課題】 肌老化の結果に取り組むのにいっそう効果的であり、および/または、肌の外観(とりわけ、加齢シミの外観)を改善する、新規な製剤を提供する。
【解決手段】 少なくとも1種の大豆製品と少なくとも1種のジオイック・アシドとを含有する組成物であって、前記ジオイック・アシドは、式 HOOC−Alk−COOH (式中、Alkは、2価の炭化水素ラジカルを表わす)によって表わすことができる、組成物。

【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
〔発明の簡単な記述〕
本発明は、大豆製品とジオイック・アシド(dioic acids)とを含有する局所用組成物と、色素沈着過度(hyperpigmentation)に対して、とりわけ、肌のシミ(skin spots)に対して肌のライトニング(lightening:色調を明るくすること)を行うために、それら局所用組成物を使用する方法とに関する。
【0002】
〔発明の背景〕
老化の第1の徴候として、肌は、弾力性が減少して、細かなしわ(fine lines)およびしわ(wrinkles)が出てくる。それらは、真皮層(dermis layer)の劣化によって生じる。実際、損傷したコラーゲンを元に戻す肌の能力は減退し、コラーゲン網状組織中にいっそう多くのキャップ(caps)と凹凸(irregularities)とが生じる。これと相伴なって、色素斑、肌の薄化および肌のたるみが生じる。日光への露出、フリーラジカル、加齢に伴なうホルモンの何らかの変化、および喫煙を含む多くの因子が、肌老化の原因となっている。
【0003】
多数の処置方法が開発され、それらの方法は、肌老化の結果に取り組むのに幾分有効であることが判明した。これらの方法には、ビタミンもしくはビタミン誘導体(とりわけ、ビタミンAもしくはそれの誘導体)、α−ヒドロキシ酸、レチノイド、ビタミンC、または植物抽出物を含有する化粧品を施用することが含まれる。加齢および日光への露出は、いわゆる「肌のシミ(skin spots)」または「加齢シミ(age spots)」の成長の原因となる因子である。表皮細胞(とりわけ、色素生成性である表皮細胞、いわゆるメラニン形成細胞)の変化は、色素沈着過度を引き起こすことがある。
【0004】
肌の加齢による作用に対して用いられるだけでなく、肌に他の薬効をも与えるタイプの生成物は、大豆由来製品である。大豆製品、とりわけ、非変性の大豆製品は、欧州特許出願第1074240号明細書に記述されているように、発毛を遅らせることが知られている。その欧州特許出願明細書には、豆乳を包含するマメ科植物(legume)の抽出物を含有する組成物を肌に局所的に施用することによって、発毛を遅らせ、毛包(hair follicle)および毛幹寸法(hair shaft size)および毛幹色素沈着(hair shaft pigmentation)を縮小化するための組成物と方法とが記述されている。
【0005】
国際公開番号WO01/34099号明細書には、色素脱失を行い、肌の色合い(skin tone)と肌の組織(texture:きめ)とを均一にし、肌に張りを持たせ、しかも、肌のケアを行なうために、非変性大豆製品を含有する組成物を使用することが記述されている。米国特許第6,555,143号明細書には、マメ科植物の製品(とりわけ、肌、毛髪または爪の張り(firmness)を調整し、肌、毛髪または爪を洗浄し、毛髪もしくは爪の成長の減少および/または遅延を行なうための大豆製品)に関連する組成物ならびに方法と、他の多数の有用な用途とが開示されている。欧州特許出願第1236465号明細書には、トリプシン阻害活性を有するマメ科植物製品(とりわけ、微生物含有量が減少した大豆製品)と、肌、爪および毛髪の上に施用される組成物の中にそれらの製品を使用することが記述されている。
【0006】
欧州特許第662818号明細書(ユニリーバー(Unilever))には、レチノールまたはそれの誘導体をある種のジオイック・アシドと組み合わせて、加齢シミを処置することが記述されている。
【0007】
肌外観を改善するための、および/または肌老化の結果に取り組むための現行製品は、様々な程度、首尾良く施用されてきたが、それでもやはり、改善の余地が残されている。とりわけ、肌老化の結果に取り組むのにいっそう効果的であり、および/または、肌の外観(とりわけ、加齢シミの外観)を改善する、新規な製剤に対する必要性が依然として存在している。多少の、またはいくつかのこれらの効果または特性を備えている組成物を提供することが本発明の目的である。
【0008】
〔発明の概要〕
本発明は、大豆製品と、式 HOOC−Alk−COOH (式中、Alkは、2価の炭化水素ラジカルを表わす)によって表わすことができる少なくとも1種のジオイック・アシドとを含有する局所用組成物に向けられている。該大豆製品は、とりわけ非変性大豆製品(例えば、非変性豆乳またはその粉末)である場合がある。
【0009】
前記局所用組成物は、医薬用途または皮膚用途に適しているが、とりわけ、化粧品用途に適している。
【0010】
前記局所用組成物は、とりわけ、肌の色素沈着過度(hyperpigmentation)(とりわけ、加齢シミ)に取り組み、それを処置するのに有用である。それらの局所用組成物はまた、肌の張りと弾力性とを増大させ、肌の色合い(tone)および組織(texture)をも改善して、肌老化の結果に取り組み、該結果を処置し、日光によって引き起こされる損傷およびニキビを保護し処置するのに有用である。
【0011】
あるいは、代替的に、本発明は、肌老化の結果に取り組むかもしくは該結果を処置し、および/または、肌の外観を改善する方法(とりわけ、化粧方法)であって、肌の張りと弾力性とを増大させ、色合いおよび組織を滑らかにし、日光によって引き起こされる損傷およびニキビを保護し処置し、肌の色素沈着を抑制するかまたは減少させることを包含する方法(とりわけ、化粧方法)に関する。この方法または化粧方法は、本明細書および特許請求の範囲に規定される組成物の量であって、肌老化の前記結果を処置するのに効果的である量および/または肌の外観を改善するのに効果的である量を、肌患部に施用することを含む。
【0012】
本発明の更にもう1つの面は、個人の外観を改善するための化粧方法であって、本明細書および特許請求の範囲に規定される組成物または局所用組成物を、肌患部に施用することを含む。
【0013】
〔発明の詳細な記述〕
本発明の組成物は、流体(例えば、豆乳)または固体(例えば、大豆粉末もしくは豆乳粉末)の形態である場合がある大豆製品を含有する。「大豆製品(soy product)」の意味は、大豆から得られる物質であって、大豆中に天然に見出だされる諸成分を、該大豆中に見出されるような相対濃度で含有する物質である。好ましい具体例の大豆製品は、非変性大豆製品である。該非変性大豆製品は、温度、抽出媒体のようなプロセスパラメータを慎重に制御することによって活性タンパク質を無傷のままにしておくプロセスによって得られる大豆製品である。これは、例えば、無傷の大豆トリプシンインヒビター(STI)タンパク質の存在によって測定することができる。
【0014】
もう1つの具体例の大豆製品は、豆乳である。豆乳を作る1つの方法は、大豆を、脱イオン水または精製水の中に数時間の間浸漬し、次いで、それら大豆が十分に水和した後、少量の水を添加して、それらを粉砕することである(その粉砕工程によって、豆乳が抽出される)。回収した後、該豆乳を濾過して、豆殻のあらゆる残渣部分を除去することができる。本発明において用いる豆乳は、上述のような作り立ての豆乳(fresh soymilk)であることもあり、大豆粉末および水から作ることもできる。大豆粉末は、大豆を粉砕機にかけて作られる。また、大豆粉末は、凍結乾燥、噴霧乾燥、またはフリーズドライにかけられることもある。結果として得られた豆乳は、濾過されることもあり、濾過されないこともある。そのようにして調製された豆乳は、約1重量%から約90重量%までの大豆粉末を含有することがある。もう1つの例は、凍結乾燥、噴霧乾燥またはフリーズドライを行なった豆乳から作った豆乳粉末であって、水を添加して、濾過もしくは均質化を行なうか、または濾過も均質化も行なわないで豆乳を完成できる、豆乳粉末を用いることである。
【0015】
本発明で用いられる複数の活性成分を作り出すために、大豆を抽出する他の方法をも使用することができるであろう。限定する訳ではないが、例えば、大豆のプロテアーゼ抑制活性(protease inhibitory activity)が保持されるようなやり方で、エタノール/水の混合物を用いて粉砕大豆からそれらの活性成分を抽出し、次いで、その抽出物からエタノールを除去することができるであろう。
【0016】
本発明において有用な大豆製品は、あらゆる種類の大豆から、それらの地理的素性、日光曝露、収穫期等とは関係なく、製造することができる。しかし、特定の種類、地理的素性または成長条件は、好ましいかも知れない。
【0017】
限定する訳ではないが、例えば、とりわけ、大豆トリプシンインヒビター(例えば、STI、LTI、BBI)の含有量に富む大豆種、または結果として大豆中でトリプシンインヒビター富化となる成長条件が好ましいことがある。本発明の組成物において有用な大豆製品は、独特の臭気を有することがあり、その臭気は、ある文化(cultures)には我慢できるかもしれないが、他の文化には望ましくないということに注目すべきである。必要に応じて本発明の組成物の臭気は、減臭気を生じるものとして知られている特定の大豆種から得られた大豆製品であって、限定する訳ではないが、リポキシゲナーゼ−2−欠失(lipoxygenase-2-deficient)大豆、および変性糖プロフィル(modified sugar profile)を有する大豆等を包含する大豆製品を用いることによって軽減することができる。前記製剤中の酸素濃度を減少させるプロセスもまた、該臭気を軽減することができる。様々なマスキング剤(masking agents:隠蔽剤)または芳香剤もまた、該臭気を隠蔽するために用いることができる。
【0018】
スクロース(sucrose)に富む大豆種から得られる大豆製品(とりわけ、スクロース含有量の高い豆乳、およびその豆乳から得られるあらゆる大豆製品)は、特に重要である。本発明の組成物において用いるのに好ましいのは、非変性大豆製品(とりわけ、スクロースに富む非変性大豆製品)である。これらの大豆製品は、欧州特許第1236465号明細書に記述されているように、(例えば、非変性豆乳粉末に、好ましくは約10kGyの線量でγ線照射を行なうことによって)除染されることが好ましい。
【0019】
本発明の組成物は、上記で特定される式 HOOC−Alk−COOHの少なくとも1種のジオイック・アシドを更に含有している。該ラジカルAlkは、2価の炭化水素ラジカルである。該ラジカルAlkは、8〜40個の炭素原子、とりわけ8〜30個の炭素原子、更にとりわけ8〜22個の炭素原子、なお更にとりわけ8〜18個の炭素原子を有する。前記ラジカルは、飽和であるか、または不飽和(モノ不飽和もしくはポリ不飽和、例えば、モノ不飽和もしくはジ不飽和)である場合がある。該ジオイック・アシドは、異性体形態で、例えば、シス異性体またはトランス異性体、またはシス/トランス異性体の混合物として存在することがある。とりわけ重要であるのは、オクタデセンジオイック・アシド(octadecenedioic acid)またはオクタデカジエンジオイック・アシド(octadecadienedioic acid)またはそれらの混合物であり、とりわけ、商品名「アルラトン(Arlatone)(登録商標)ジオイックDCA」なる名称で市販されているオクタデセンジオイック・アシド混合物である。
【0020】
8~18飽和ジオイック・アシドは、市販されている。他のジオイック・アシドは、当該技術分野において知られているやり方で作ることができる。不飽和ジオイック・アシドは、酵素を用いた方法(例えば、不飽和エステルから、好ましくは、欧州特許第662818号明細書に記述されているようなグリセリドエステルの形態の不飽和エステルから出発する方法)によって作ることができる。
【0021】
好ましい具体例では、本明細書および特許請求の範囲に規定されている少なくとも1種の大豆製品と、C18ジオイック・アシド、とりわけ、モノ−またはジ−不飽和C18ジオイック・アシド(それらのシス/トランス異性体形態を包含し、更にそれらの混合物を包含する)とを含有する組成物が提供される。
【0022】
本発明の組成物は、安定化系(stabilizing system)を含有することができる。後者は、例えば、国際公開番号WO01/34099号明細書に記述されているような、1種以上の酸化防止剤、キレート化剤および保存剤から成る群から選ばれる1種以上の成分を含有することができる。その国際公開明細書は、言及することによって本明細書に組み入れる。
【0023】
本発明の組成物の粘度を変えるため、該組成物に増稠剤(例えば、増粘剤または粘度改良剤)を利用することができる。該組成物の望ましい粘度は、意図される用途(例えば、浴製品、クリーム、ローションまたはゲル)によって決まる。例えば、浴製品または洗浄用製品のような用途において、該組成物の粘度は、比較的低く、水溶液に類似するのが望ましい。クリーム、ローション、またはゲルのような用途は、僅かにより高い粘度(例えば、約100cPs〜100,000cPsの間)を有する。
【0024】
粘度を変えるために本発明の組成物に添加することのできる増稠剤には、ポリアクリレート(例えば、ポリアクリルアミド)等のポリマーが包含される。粘度調整剤の他の例は、化粧品ハンドブック(Cosmetic Handbook)の第1692頁〜1697頁に記載されている。本発明の組成物は、適切な粘度を達成するために、増稠剤を約0.01重量%〜約20重量%(例えば、約0.1重量%〜約5重量%)含有することがある。
【0025】
本発明の組成物は、前記ジオイック・アシドを前記大豆成分に添加するか、または前記大豆成分を前記ジオイック・アシドに添加することによって調製される。
【0026】
本発明の組成物における[前記大豆製品]対[前記ジオイック・アシドの総量]のw/w比は、様々である場合があるが、とりわけ約50:1〜1:1の範囲、更にとりわけ30:1〜1:1の範囲、なお更にとりわけ20:1〜2:1の範囲、好ましくは約10:1〜2:1の範囲、更に好ましくは約10:1〜3:1の範囲である。これらのw/w比は、乾燥大豆製品と乾燥ジオイック・アシドとの総量に関連する。
【0027】
本発明の局所用組成物は、皮膚用製剤(または、局所用医薬製剤)および化粧品製剤を更に含有する。
【0028】
前記局所用組成物は、皮膚用製剤中にまたは化粧品製剤中に用いられる他の成分もしくは添加剤を、他の活性成分を含めて、更に含有することができる。更なる成分または他の添加剤の例は、界面活性剤、乳化剤、粘稠性因子(consistency factors)、コンディショナー、皮膚軟化剤、スキンケア成分(skin caring ingredients)、保湿剤、増粘剤、潤滑剤、充填剤、結合剤、抗酸化剤、保存剤、活性成分(とりわけ、皮膚に対して活性な成分)、芳香剤、等である。本明細書および特許請求の範囲に記述される活性成分には、例えば、抗炎症薬、抗菌剤(anti-bacterials)、抗真菌剤(anti-fungals)、および同等の薬剤が包含される。とりわけ重要であるのは、局所用途に適したあらゆる活性成分である。
【0029】
本発明による前記局所用製剤は、着色剤、乳白剤等の様々な任意的成分の1種以上を更に含有することができる。
【0030】
前記大豆製品は、0.001%〜10%、好ましくは0.1%〜5%、更に好ましくは1%〜5%の濃度で局所用組成物に使用するのが好ましい。これらの百分率は、固体大豆製品、例えば、大豆粉末または豆乳粉末に関連する。固体大豆製品を含有する組成物は、水(例えば、蒸留水、または豆乳に含まれる水)を更に含有して、該組成物の液体基剤を形成する(例えば、クリーム、ローションまたはゲルを形成する)ことができる。そのような組成物は、水を約50重量%〜約98重量%(例えば、約70重量%〜約98重量%)含有することができる。液体大豆製品(例えば、豆乳)もまた用いることができる。その場合、液体大豆製品の量は、該液体大豆製品中に存在する水の量を考慮して計算する必要がある。一緒に用いられる前記ジオイック・アシドは、局所施用のための前記製剤中に、約0.01%〜5%、好ましくは約0.01%〜2%、更に好ましくは約0.1%〜1%の間で用いるのが望ましい。
【0031】
これまでの段落およびこれからの段落における百分率は全て、特に表示されない限り、w/w%である。
【0032】
本発明による製剤は、前記の適切な諸成分を本発明の組成物に添加するか、または逆に該組成物を適切な化粧用製剤基剤もしくは皮膚用製剤基剤に添加することによって調製することができる。前記の複数の成分を全て個々に(即ち、本明細書および特許請求の範囲に規定される別々の組成物を作ることなく)混合することも可能である。
【0033】
本発明による組成物は、前記の適切な諸成分を混合することによって調製することができる。プレミックス(premixes)を作り、諸成分または他のプレミックスを添加することも可能である。好ましい製造方法において、本発明の組成物は、エマルションベースであり、とりわけ水中油型エマルションであり、親水性成分を全て含有する水相と、親油性成分を全て含有する油相とを調製し、次いで、該油相を該水相に添加してエマルションを調製することによって作られる。該エマルションを形成した後、幾らかの水に入っている大豆製品のプレミックスを添加するのが好ましい。
【0034】
本発明による組成物は、肌老化の結果(effects of skin aging)に取り組むか、または該結果を処置するのに有用である。肌老化の結果は、細かなしわ、こじわ、しわの出現、肌の張り、肌の引き締め(skin tightening)および柔軟性(suppleness)の低下のような、肌の老化に関連するものを包含する。肌老化の結果は、加齢それ自体に起因するだけでなく、日光、風、大気汚染等またはそれら因子の組み合わせのような環境因子にさらされること等の外部因子によって生じる肌老化にも起因する。
【0035】
大豆製品、とりわけ、本明細書および特許請求の範囲に記述されるあらゆる非変性大豆製品は、肌の張りおよび弾力性を増大させ、肌の色合いおよび組織を滑らかにし、肌の色素形成を抑制し、肌老化の結果に取り組んで該結果を処置し、更に、肌細胞の増殖、とりわけ線維芽細胞の増殖を刺激し、グリコアミノグリカン(glycoaminoglycan)を増加させてコラーゲンの形成を刺激し、日光によって引き起こされる損傷およびニキビを保護し処置するような多数の薬効を有することが知られている。加えて、それらの大豆製品は、発毛成長抑制剤として有効であることが見出だされた。これらの効果および特性は、該大豆製品が非変性大豆製品である場合、より多く存在する。
【0036】
本発明の組成物の中の、本明細書および特許請求の範囲に記述される大豆製品と、本明細書および特許請求の範囲で特定されるジオイック・アシドとは、これらの成分の多くの有益な特性に相乗的に作用し、とりわけ、肌の色素沈着に及ぼすそれらの作用に関して相乗的に作用し、更にとりわけ、加齢シミに相乗的に作用することが見出された。
【0037】
本発明による局所用組成物は、溶液、親水性ローション、軟膏、クリーム、ゲルまたはスプレーの形態である場合がある。それらの製剤はまた、例えば、水中油型エマルション、油中水型エマルションもしくは多重エマルション(multiple emulsions)の形態、起泡性製品、またはリポソーム形態(liposome form)である場合がある。
【0038】
好ましい製剤は、ゲルおよびクリーム基剤である。
【0039】
上述の局所用製剤は全て、ワイプ(wipes)を用いて肌に施用することができる。
【0040】
本発明の局所用製剤は、朝および/または夜間に施用することができる。それらの製剤は、肌老化が目立っている体の部分、即ち、顔、身体または手に施用することができる。
【0041】
次の実施例は、本発明を説明するように意図されており、本発明をそれら実施例に限定するようには意図されていない。
【0042】
〔実施例〕
次の製剤の実施例において、百分率は全て重量(w/w)による。
【0043】
次の方法で、製剤を調製する。先ず、水性相を作成し、加熱する。次いで、ゲル化剤を添加する。
複数の油性成分を溶解して、混合して油性相にする。その混合物は、前記水性相中で乳化する。このようにして形成したエマルションを冷却し、35℃の温度で複数の活性成分を添加する。次いで、30℃の温度で芳香剤を添加する。
【0044】
高スクロース豆乳粉末は、欧州特許第1236465号明細書に記述されているような、スクロース(sucrose)含有量の高い豆乳から得られる成分である。
【0045】
【表1】

【0046】
〔実施の態様〕
(1)少なくとも1種の大豆製品と少なくとも1種のジオイック・アシド(dioic acid)とを含有する組成物において、
前記ジオイック・アシドは、式 HOOC−Alk−COOH (式中、Alkは、2価の炭化水素ラジカルを表わす)によって表わすことができる、組成物。
(2)実施態様1記載の組成物において、
前記ジオイック・アシド中のAlkが、8〜40個の炭素原子、とりわけ8〜30個の炭素原子、更にとりわけ8〜22個の炭素原子を有する2価の炭化水素ラジカルである、組成物。
(3)実施態様2記載の組成物において、
前記ジオイック・アシドが、C18ジオイック・アシドである、組成物。
(4)実施態様1〜3のいずれかに記載の組成物において、
前記大豆製品が、非変性大豆製品である、組成物。
(5)実施態様1〜4のいずれかに記載の組成物において、
[前記大豆製品]対[前記ジオイック・アシドの総量]のw/w比は、様々である場合があるが、とりわけ50:1〜1:1の範囲、更にとりわけ30:1〜1:1の範囲、なお更にとりわけ20:1〜2:1の範囲、好ましくは10:1〜2:1の範囲、更に好ましくは10:1〜3:1の範囲であり、しかも、前記w/w比は、乾燥大豆製品と乾燥塩との総量に関連する、組成物。
(6)実施態様1〜5のいずれかに記載の組成物において、
前記大豆製品が、0.001%〜10%、好ましくは0.1%〜5%、更に好ましくは1%〜5%の濃度で使用されている、組成物。
(7)実施態様1〜5のいずれか1項に記載の組成物であって、
一緒に使用されている前記ジオイック・アシドは、0.01%〜5%、好ましくは0.1%〜2%、更に好ましくは0.1%〜1%の濃度で存在している、組成物。
(8)実施態様1〜5のいずれかに記載の組成物の使用方法において、
肌の張りおよび弾力性を増大させ、肌の色合いおよび組織を滑らかにし、肌老化の結果に取り組んで該結果を処置し、日光によって引き起こされる損傷およびニキビを保護し処置する、使用方法。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1種の大豆製品と少なくとも1種のジオイック・アシド(dioic acid)とを含有する組成物において、
前記ジオイック・アシドは、式 HOOC−Alk−COOH (式中、Alkは、2価の炭化水素ラジカルを表わす)によって表わすことができる、組成物。
【請求項2】
請求項1記載の組成物において、
前記ジオイック・アシド中のAlkが、8〜40個の炭素原子、とりわけ8〜30個の炭素原子、更にとりわけ8〜22個の炭素原子を有する2価の炭化水素ラジカルである、組成物。
【請求項3】
請求項2記載の組成物において、
前記ジオイック・アシドが、C18ジオイック・アシドである、組成物。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の組成物において、
前記大豆製品が、非変性大豆製品である、組成物。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の組成物において、
[前記大豆製品]対[前記ジオイック・アシドの総量]のw/w比は、様々である場合があるが、とりわけ50:1〜1:1の範囲、更にとりわけ30:1〜1:1の範囲、なお更にとりわけ20:1〜2:1の範囲、好ましくは10:1〜2:1の範囲、更に好ましくは10:1〜3:1の範囲であり、しかも、前記w/w比は、乾燥大豆製品と乾燥塩との総量に関連する、組成物。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の組成物において、
前記大豆製品が、0.001%〜10%、好ましくは0.1%〜5%、更に好ましくは1%〜5%の濃度で使用されている、組成物。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれかに記載の組成物において、
一緒に使用されている前記ジオイック・アシドは、0.01%〜5%、好ましくは0.1%〜2%、更に好ましくは0.1%〜1%の濃度で存在している、組成物。
【請求項8】
請求項1〜5のいずれかに記載の組成物の使用方法において、
肌の張りおよび弾力性を増大させ、肌の色合いおよび組織を滑らかにし、肌老化の結果に取り組んで該結果を処置し、日光によって引き起こされる損傷およびニキビを保護し処置する、使用方法。

【公表番号】特表2007−533648(P2007−533648A)
【公表日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−537180(P2006−537180)
【出願日】平成16年10月27日(2004.10.27)
【国際出願番号】PCT/EP2004/012163
【国際公開番号】WO2005/048969
【国際公開日】平成17年6月2日(2005.6.2)
【出願人】(500252718)ジョンソン・アンド・ジョンソン・コンシューマー・フランス・エスアーエス (9)
【氏名又は名称原語表記】Johnson and Johnson Consumer France, SAS.
【住所又は居所原語表記】1 Rue Camille Desmoulins, 92787 Issy−les−Moulineaux, CEDEX 9, France
【Fターム(参考)】